説明

基板の破損及び移動中の基板のずれを動的に検出するセンサ

移動中の基板(106)の少なくとも2つの平行な端部の長さに沿った、破損やずれ等の基板の欠陥の存在を検出する少なくとも2つのセンサ(140A、140B)を組み込んだ装置及び方法を提供する。一実施形態において、装置は、基板の欠陥を検出するための、少なくとも2つの平行な端部近傍で、基板をセンシングするセンサ構成を含む。他の実施形態において、装置は、基板サポート表面を有するロボット(114又は130)と、基板の欠陥を検出するための、少なくとも2つの平行な端部近傍で、基板をセンシングするセンサ構成とを含む。


【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
(発明の分野)
本発明の実施形態は、概して、連続的且つ費用効果のあるやり方で、基板の破損及び移動中の基板のずれを検出する装置及び方法に関する。
【0002】
(関連技術の説明)
基板処理システムを用いて、集積回路デバイスの製造におけるケイ素ウェハや、フラットパネルディスプレイの製造におけるガラスパネル等の基板が処理されている。典型的に、1つ以上のロボットが、基板処理システムに配置されていて、基板を複数の処理チャンバに搬送して、製造処理の一連の処理工程を行っている。通常、基板処理システムは、中に搬送チャンバロボットが配置された、中心に位置する搬送チャンバと、搬送チャンバを囲む複数の処理チャンバとを有するクラスターツールを含む。搬送チャンバは、工場インタフェースに結合されていることがあり、これには、工場インタフェースロボットと、夫々が複数の基板を保持する複数の基板カセットとが収容されている。工場インタフェース内の一般的な周囲環境と、搬送チャンバ内の真空環境間での基板の搬送を促すために、ポンプダウンして中に真空を形成し、排気して、中を周囲条件とするロードロックチャンバが、工場インタフェースと搬送チャンバの間に配置されている。基板の処理においてロボットを用いることは、汚染(例えば、基板取扱いによる汚染)を最小にして、高速且つ精密で、欠陥を最小にし、高処理量システムを提供する、多くの異なるタイプの処理技術による多数の基板の処理に必須である。
【0003】
動作中、工場インタフェースロボットは、カセットから、ロードロックチャンバの内部まで、1枚以上の基板を搬送する。ロードロックチャンバは、ポンプダウンすると、真空を形成する。すると、搬送チャンバロボットが、基板を、ロードロックから、1つ以上の処理チャンバの内部まで搬送する。基板処理シーケンス完了後、搬送チャンバロボットが、処理された基板をロードロックへ戻し、ロードロックが排気され、工場インタフェースロボットが、処理された基板をカセットへ搬送して、処理システムから後に取り出す。かかる基板処理システムは、カリフォルニア州、サンタクララ(Santa Clara,California)のアプライドマテリアルズ社(Applied Materials,Inc.,)の完全所有子会社であるAKT社(AKT,Inc.,)より入手可能である。
【0004】
大きな基板及び小さなデバイスフィーチャーへと向かう傾向が増えるにつれ、低欠陥レートで、デバイスを繰り返し製造するためには、様々な処理チャンバにおける、基板の正確な位置精度が益々必要とされている。処理システム全体における基板の位置精度を向上することは課題である。一例を挙げると、フラットパネルディスプレイ基板(例えば、ガラス基板)は、処理システムの様々なチャンバを行き来するロボットのエンドエフェクタ(例えば、ブレード又はフィンガー)で搬送される。フラットパネルディスプレイ基板を、ロボットのエンドエフェクタにより適切に位置合わせし、位置合わせされたら、搬送中の位置合わせの変化(即ち、ずれ)によって衝突することなく、基板が、ロードロック又は処理チャンバのスロット又は他の障害物を通過できるようにするのは難しいことである。衝突すると、フラットパネルディスプレイ基板の欠けや亀裂を生じるばかりでなく、ロードロックや処理チャンバに異物が形成され、堆積する可能性がある。かかる異物の形成の結果、ディスプレイや後に処理されるディスプレイに対する処理の欠陥やその他損傷となる。このように、異物が存在すると、汚染の可能性となる異物を完全に除去するために、システム又はその一部のシャットダウンが必要となることが多い。更に、基板の寸法が大きくなり、デバイスの密度が増大すると、各基板の価値も大幅に増す。従って、基板のずれによる基板への損傷や収量の損失は、コストの結果的な増大や処理量の減少のため、極めて望ましくない。
【0005】
処理システム全体における基板の位置精度(即ち、位置合わせ)を向上するために、数多くの方策が用いられてきた。例えば、搬送チャンバが、センサ構成において、各ロードロック及び処理チャンバの入口に近接する4つのセンサ群を備えていて、基板をチャンバにロボットが搬送する前に、位置合わせをセンシングするために、センサが、矩形ガラスパネルの四隅の存在を同時に検出するようなものである。このように、4つのセンサは、離れた位置で、搬送チャンバの基部に構成されて、4つのセンサ全てが、固定された基板の四隅の下に同時に配置されている。各チャンバの前に、センサをこのように分散配置するには、搬送チャンバの基部全体の多くの場所に数多くのセンサを配置する必要がある。搬送チャンバの基部全体に配置されるセンサの様々な構成が提案されてきた。
【0006】
従来のセンサ構成は十分に機能しているものの、動作中、センサのこれらの構成を与えるのに関連したいくつかの固有の制限がある。実際には、センサは、一度に一枚の基板の位置合わせしか検出しないため、搬送チャンバの基部全体のセンサの分散配置により、搬送チャンバは、一度に1枚の基板しか処理/取扱いできない。このように、搬送チャンバロボットは、事実上、単腕ロボットに制限され、処理システムの処理量が減じる結果となる。他の制限は、処理システムの処理量の減少にも寄与するものであるが、位置合わせのセンシング中、4つのセンサに配置される時に、基板が固定されることである。更に他の制限は、1枚の基板の位置合わせをセンシングするのに少なくとも4つのセンサが必要なことである。最後に、他の制限は、4つのセンサが、基板の隅でしか、基板の欠陥(例えば、基板の欠け)を検出しないことである。
【0007】
本発明の装置及び方法によれば、比較的単純な構成、並びに、基板のずれ及び/又は破損を検出するのに必要なセンサの数を少なくし、本発明を比較的低コストで実施することができる。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、概して、移動中の基板の破損やずれ等の基板の欠陥の存在を検出する少なくとも2つのセンサを組み込んだ装置及び方法を提供する。一実施形態において、基板の欠陥を検出する装置は、基板の第1の端部近傍で基板をセンシングするために配置された第1のセンサと、基板の前記第1の端部に平行な第2の端部近傍で基板をセンシングするために配置された第2のセンサとを含み、基板が第1及び第2のセンサを通過する。他の実施形態において、基板の欠陥を検出する装置は、基板をサポートするための少なくとも1つの基板サポート表面を有するロボットと、基板の第1の端部近傍で基板をセンシングするために配置された第1のセンサと、少なくとも1つの基板サポート表面での基板の搬送中、基板の第1の端部に平行な第2の端部近傍で基板をセンシングするために配置された第2のセンサとを含むセンサ構成とを含む。更に他の実施形態において、基板の破損及びずれを検出する装置は、少なくとも1つのビューウィンドウを有する搬送チャンバと、搬送チャンバ内で、エンドエフェクタにサポートされた基板と、少なくとも1つのビューウィンドウの外部又は近傍に装着された少なくとも2つのセンサを含むセンサ構成であって、少なくとも2つのセンサの夫々のセンシング機構が、少なくとも1つのビューウィンドウを通過するように構成されたセンサ構成とを含み、少なくとも2つのセンサが、基板の少なくとも2つの平行な端部近傍で、基板を連続的にセンシングするように適合されて、エンドエフェクタが、少なくとも2つのセンサの夫々のセンシング機構を通って基板を移動する際に、基板の欠け、亀裂又は少なくとも2つの平行な端部のずれの存在を検出する。更なる実施形態において、基板の欠陥を連続的に検出する方法は、少なくとも2つのセンサを配置して、基板が少なくとも2つのセンサの夫々を通過する際に、少なくとも2つのセンサが、基板の少なくとも2つの平行な端部近傍の基板を連続的にセンシングする工程と、少なくとも2つのセンサの夫々からの信号を、コントローラに送信して、少なくとも2つのセンサからの信号を連続的にモニターして、基板の欠陥の存在を検出する工程とを含む。
【詳細な説明】
【0009】
本発明は、概して、少なくとも2つのセンサを組み込んだ装置及び方法を提供するものであり、これらセンサは、移動中の基板の2つの平行な端部に沿った基板の欠け、亀裂及び/又はずれの存在を連続的に検出する。図1は、約25,000cmを超える上部表面積を有する大面積基板106(例えば、ガラス又はポリマー基板)、例えば、約40,000cm(2.2m×1.9m)の上部表面積を有するガラス基板を処理するのに好適な処理システム100の一実施形態の平面図である。処理システム100は、典型的に、少なくとも1つのロードロックチャンバ160により、搬送チャンバ120に結合された工場インタフェース110を含む。図1に示す通り、ロードロックチャンバ160は、工場インタフェース110と、搬送チャンバ120の間に配置されていて、工場インタフェース110で維持される実質的に周囲環境と、搬送チャンバ120で維持される真空環境の間での基板の搬送を促している。
【0010】
工場インタフェース110は、概して、複数の基板収容カセット112と、少なくとも1つの大気ロボット114(前述では、工場インタフェースロボットと称した)とを含む。カセット112は、夫々、複数の基板を保持し、典型的に、工場インタフェース110の片側に形成された複数の区画116に取り外し可能に配置されている。大気ロボット114は、基板106を、カセット112とロードロックチャンバ160の間で搬送するべく適合されている。典型的に、工場インタフェース110は、大気圧又はそれより僅かに高く維持される。ろ過された空気が、通常、工場インタフェース110の内部に供給されて、基板表面の微粒子汚染につながる工場インタフェース内の粒子の濃縮を最小にする。
【0011】
基部122、側壁124及び上部蓋126(図1には図示せず)を有する搬送チャンバ120は、通常、搬送チャンバ120の基部122に配置される、少なくとも1つの真空ロボット130(前述では、搬送チャンバロボットと称した)を収容している。搬送チャンバ120は、排気可能な室内容積を画定しており、この室内容積を通して、処理チャンバ150での処理又はロードロックチャンバ160への分配の前に、真空ロボット130が、基板106を搬送する。側壁124は、処理チャンバ150とロードロックチャンバ160の夫々に近接した開口部又はポート(図示せず)を有しており、これを通して、基板106は、真空ロボット130により、チャンバ150、160の夫々の内部に搬送される。典型的に、搬送チャンバ120は、処理チャンバ150内で大気圧以下の条件と同様の真空条件に維持されて、その間での各基板搬送後に、搬送チャンバ120内の圧力及び個々の処理チャンバ150内の圧力を調整する必要性を最小にする、又は排除する。各処理チャンバ150の内部は、スリットバルブ(図示せず)を用いることにより、搬送チャンバ120の内部からは選択的に分離されていて、各処理チャンバ150に近接する搬送チャンバ120の側壁124のポートを選択的に密閉する。
【0012】
処理チャンバ150は、典型的に、搬送チャンバ120の外部にボルト締めされている。異なる処理チャンバ150を、搬送チャンバ120に取り付けて、基板表面に所定の構造又はフィーチャーを形成するのに必要な処理シーケンスにより基板を処理できるようにしてもよい。好適な処理チャンバ150としては、化学蒸着(CVD)チャンバ、物理蒸着(PVD)チャンバ、イオン注入チャンバ、エッチングチャンバ、配向チャンバ、平坦化チャンバ、リソグラフィーチャンバ及び基板の処理に用いるその他チャンバが例示される。任意で、処理チャンバ150の1つは、予熱チャンバであってもよく、システム100の処理量を高めるために、処理前に、基板を熱処理してもよい。
【0013】
ロードロックチャンバ160は、搬送チャンバ120内の真空を失うことなく、搬送チャンバ120の真空環境と、工場インタフェース110の実質的に周囲環境間での基板の搬送を促す。工場インタフェース110に近接するロードロックチャンバ160の側壁において、ロードロックチャンバ160は、1つ以上の入口/出口(図示せず)を有しており、大気ロボット114が、基板106を、ロードロックチャンバ160に出し入れして搬送する。同様に、ロードロックチャンバ160は、ロードロックチャンバ160の反対の側壁に同数の入口/出口スロットを有していて、そこを通って真空ロボット130が、ロードロックチャンバ160と搬送チャンバ120の内部間で基板106を搬送する。ロードロックチャンバ160の入口/出口スロットは、夫々、スリットバルブ(図示せず)により選択的に密閉されて、ロードロックチャンバ160の内部を、工場インタフェース110及び搬送チャンバ120の内部から分離している。
【0014】
大気ロボット114及び真空ロボット130は、搬送中、基板106を直接サポートするブレード118やフィンガー136等のエンドエフェクタを夫々備えている。ロボット114、130は夫々、独立に制御可能なモータ(例えば、双腕ロボット)に結合された1つ以上のエンドエフェクタを有している、又は、例えば、共通連結部により、ロボット114、130に結合された2つのエンドエフェクタを有していてもよい。図1に示す通り、真空ロボット130は、基板106(点線で示してある)をサポートするフィンガー136を有する上部エンドエフェクタ134に接続された第1の腕132と、搬送チャンバ120内で別の基板をサポート及び移動するフィンガーを備えた下部エンドエフェクタ(図示せず)に接続された第2の腕138とを有する双腕ロボットである。処理量を増やすために、双腕真空ロボット130は、様々な処理チャンバ150への出し入れと、ロードロックチャンバ160への出し入れについて、2枚の基板を同時に搬送してもよい。処理量を増やすには、ロボット114、130が夫々、2つのエンドエフェクタを備えているのが好ましい。
【0015】
搬送チャンバ120の基部122は、処理チャンバ150とロードロックチャンバ160の夫々に近接したポートに隣接配置された複数のビューウィンドウ128を含む。各ポートに隣接した少なくとも2つのセンサ140A、140Bは、2つのウィンドウ128の外部又はその近傍に装着されていて、少なくとも2つのセンサ140A、140Bは夫々、ポートを通過する前に、基板106の端部を見る(即ち、センシングする)。好ましくは、センサ140A、140Bは、ウィンドウ128の外部(即ち、搬送チャンバの外部)に配置されていて、センサ140A、140Bは、周囲から分離されていて、搬送チャンバ120内の高温に対して潜在的に穏やかである。ウィンドウ128は、石英又はその他材料(例えば、ガラス、プラスチック)で製造されていて、センサの検出機構、例えば、ウィンドウ128を通して、放出され、センサ140A(又は140B)に反射して戻った光のビームを実質的に妨害しないものである。
【0016】
図2は、搬送チャンバ120の拡大部分断面図であり、処理チャンバ150とロードロックチャンバ160の夫々に近接する搬送チャンバ120の側壁124にある入口/出口ポート(図示せず)に隣接配置されたセンサ140A、140Bの1つの構成を示している。センサの1つ、例えば、図1の処理チャンバ150の1つに隣接するセンサ140Aを参照すると、センサ140Aは、通常、ウィンドウ128の外部又は近傍に配置されたトランスミッタ144とレシーバ148を含む。対応のリフレクタ142Aが、搬送チャンバ蓋126の内側又はその近傍に装着されている。リフレクタ142Aは、本質的に、鏡型デバイスであるため、典型的に、あまり感温性ではなく、搬送チャンバ120の真空及び中温環境で動作する。センシング動作中、トランスミッタ144により放出された光のビームは、ビーム経路146に沿ってウィンドウ128を通して、リフレクタ142Aへ進み、リフレクタ142Aに反射されて、他のビーム経路147に沿って、ウィンドウ128を通してレシーバ148へ戻る。ガラス基板が、ビーム経路146、147と交差すると、レシーバ148が受信するビームの強度は減衰する。経路146、147に沿って生じる、各ガラス/空気界面でのビームの反射からの信号が失われるためであり、これは基板106の存在を示している。センサ140A、140Bは、コントローラ129に結合されており、センサ140A及び140Bのレシーバ148が受信するビーム信号を連続的に、記録、モニター及び比較するように構成されている。コントローラ129は、通常、CPU、メモリ及びサポート回路を含む。
【0017】
数多くのその他のセンサ構成を用いて、基板106の存在をセンシングしてもよい。例えば、リフレクタ142Aは、搬送チャンバ120の上蓋126に配置された他のウィンドウ(図示せず)の外側に装着されてもよい。同様に、他の実施例において、センサ140Aは、ウィンドウ128を通して、搬送チャンバ120の上蓋126に配置された他のウィンドウ(図示せず)の外側に配置された第2のセンサ(図示せず)へ進むビームを放出する。或いは、センサが露出されるチャンバ120内の環境が、特定のセンサの動作範囲(例えば、熱動作範囲)内にある限りは、搬送チャンバ120内をはじめとする他の場所をセンサ140Aに利用してもよい。
【0018】
センサ140A又は140Bは、別個の放出又は受信ユニットを含んでいてもよい、或いは、「スルービーム」及び「反射」センサ又は基板の存在を検出するのに好適な他のタイプのセンシング機構などを内蔵していてもよい。本発明の少なくとも一実施形態において、例えば、加熱された基板が、搬送チャンバ120内を搬送される時、フィルタ又は同様の機構を用いて、リフレクタ142Aを、熱エネルギー(例えば、赤外波長)が到達/加熱するのをブロックしてもよい。かかる加熱は、特定のリフレクタの反射特性に影響する恐れがあるためである。例えば、トランスミッタ144により放出される波長は通すが、赤外波長は反射するフィルタを、リフレクタ142A近くに配置してもよい。
【0019】
一例において、トランスミッタ114及びレシーバ148は、イリノイ州シャウボーグ(Scaumburg,Illinois)のオムロン(登録商標)エレクトロニクスLLC(Omron Eletronics LLC)製の660nmで動作するE3X−DA6増幅器/トランスミッタ/レシーバを有するオムロン(Omron)(登録商標)型番E32−R16センサヘッドであってよい。リフレクタ142Aは、例えば、ケンタッキー州、フローレンス(Florence,Kentucky)のバルーフ社(Balluff、Inc.,)製のバルーフ(Balluff)型番BOS R−14リフレクタ又はオムロン(Omron)(登録商標)型番E39−R1リフレクタであってもよい。オムロン(Omron)(登録商標)E32−R16センサは、約4インチ以上の寸法を有する、基板の欠陥(即ち、破損やずれ)を検出するのに用いる発光ダイオード(LED)を有している。他の例において、トランスミッタ144及びレシーバ148は、増幅器型番E3C−LDA11、E3C−LDA21及びリフレクタ型番E39−R12により動作するオムロン(Omron)(登録商標)型番E3C−LR11レーザーセンサヘッドであってよい。オムロン(Omron)(登録商標)E3C−LR11レーザーセンサヘッドを用いて、約1mm以上の寸法を有する基板の欠陥を検出することができる。他のセンサ、リフレクタ、増幅器、トランスミッタ、レシーバ、波長等を用いてもよい。更に、異なるセンシング機構、例えば、超音波を有する他のセンサを利用してもよい。
【0020】
図1に戻ると、ロードロックチャンバ160はまた、工場インタフェース110に近接するロードロックの入口/出口スロット(図示せず)に隣接した少なくとも2つのセンサ140A、140Bも備えている。ロードロックチャンバ160は、1つ以上の垂直に積み重ねた、周囲から分離可能な基板搬送チャンバを有しているのが好ましい。これらは、別個にポンプダウンして、真空を保持し、排気して、周囲条件を入れる。1つ以上の垂直に積み重ねた、周囲から分離可能なチャンバは、夫々、1つ以上の入口/出口スロットを有していて、基板を通すことができる。これらのセンサ140A、140Bの構成によって、基板106が、ロードロックチャンバ160に入る前に、基板の破損及び/又は基板のずれを検出して、後に搬送チャンバ120への搬送及び処理を行うことができる。センサ140A及び140Bは、間隔を離して装着されていて、ロードロックチャンバ160のスロットへ出し入れされる基板の搬送中、基板が、センサを通過すると、センサ140A、140Bから放出される各ビームが、平行な端部近傍で基板を通過するようになっている。この間隔の離れたセンサ構成は、任意の数のスロットを有する任意のサイズのロードロックチャンバ160に適用可能である。
【0021】
図3A及び3Bに、図1の線3−3に沿ったセンサ140A、140Bの構成の拡大部分断面図を示す。センサ140A、140B及び対応のリフレクタ142A、142Bは夫々、一般的に、ブラケット(例えば、図5に示すようなセンサブラケット540及びリフレクタブラケット542)等のファスナ又はフレームを用いて、ロードロックチャンバ160、170の外部162、172に装着されており、センサ/リフレクタを固定位置に固定している。図3Aに示す一例において、センサ140A、140Bは、ロードロックチャンバ160の3つのスロット164、166、168の上に装着され、対応のリフレクタ142A、142Bは、3つのスロットの下に装着されている。3つのスロットを有するロードロックチャンバ160は、1つ以上の周囲から分離可能なチャンバ、例えば、トリプルシングルスロットロードロックチャンバ(図3Aに図示)、シングルトリプルスロットロードロックチャンバ、夫々がシングルスロットを有する3つの垂直に積み重ねたロードロックチャンバ又はロードロックチャンバのその他の組み合わせを含むことができる。同様に、他の例において、図3Bは、4スロットロードロックチャンバ170近傍のセンサ140A、140Bの構成の側面図を示す。センサ140A、140Bは、ロードロックチャンバの4つのスロット174、176、178、180の下に装着され、対応のリフレクタ142A、142Bは、4つのスロットの上に装着されている。4つのスロットを有するロードロックチャンバ170は、1つ以上の周囲から分離可能なチャンバ、例えば、ダブルデュアルスロットロードロック(DDSL)チャンバ、クアドラプルシングルスロットロードロックチャンバ、シングルクアドアプルスロットロードロックチャンバ、夫々がシングルスロットを有する4つの垂直に積み重ねたロードロックチャンバ又はロードロックチャンバのその他の組み合わせを含むことができる。図3A及び3Bに示す通り、センサ140A、140Bは、ロードロックチャンバ160、170のスロットの上又は下に装着されてもよい。
【0022】
図3A及び3Bにおいて、センサ140A、140Bの夫々、及び対応のリフレクタ142A、142Bは、図2で説明したように、一緒に動作するが、環境設備を工場インタフェース側に作成する必要がないため、センサを周囲から分離するためのビューウィンドウを設ける必要はない。このように、センサ140A(又は140B)のトランスミッタにより放出される光のビームは、経路(点線で示してある)に沿って、対応のリフレクタ142A(又は142B)へ移動して、他の経路(同じく点線で示してある。経路の側部での分離は、この図では分からない)に沿って、リフレクタ142Aにより、センサ140A(又は140B)のレシーバまで反射する。
【0023】
動作中、基板の破損及び基板のずれは、図4A〜4Eに図示する通り、処理チャンバ150又はロードロックチャンバ160の1つに近接するポートに隣接した搬送チャンバ120に配置された一対のセンサ140A、140Bにより、放出された光のビームを基板106が通過する時に検出される。基板106の端部近傍の点線は、基板端部近傍の経路を示しており、移動中のガラス基板が、基板の下に位置するセンサ104A、140Bにより放出されたビームと交差する。
【0024】
図4Aに、適切に位置合わせされた、エンドエフェクタ134で搬送されている欠陥のない(即ち、欠けや亀裂のない)基板106の平面図を示す。基板400A、400Bをセンシングする前に、センサ140A、140Bの夫々のレシーバ148は、基板の上に位置する対応のリフレクタ142A、142B(図示せず)から反射された全ビーム信号401A、401Bを検出する。基板106が、ポイント402A、402Bでビーム経路に入ると(即ち、中断させると)、レシーバ148から受けるビーム信号403A、403Bは、基板106のガラス/空気界面での信号損失のために、減少する。これは、基板106の存在を示している。基板106は、基板106の長さに沿ってビームを横断し続けるため(点線で示してある)、ビーム信号405A、405Bは、低いままである。基板406A、406Bの端部がビームを通って移動すると同時に、ビーム信号407A、407Bは、元の中断されていない全ビーム信号409A、409Bに戻って増加する。同様に、欠陥のない基板が、適切に位置合わせされたエンドエフェクタ上で、処理チャンバ150(又はロードロックチャンバ160)から出て移動して戻ると、基板が、ポイント406A、406Bでビームの経路にまず入ってから、ポイント402A、402Bでビームを出る、即ち、前の説明と逆の順番で同様の信号が得られる。
【0025】
図4B、4C及び4Dを参照すると、基板106が、一対のセンサ140A、140Bにより放出された光のビームを通過する時に、基板の破損が検出される。図4Bに、適切に位置合わせされた、エンドエフェクタ134で搬送されている基板の一端近傍に端部欠けのある基板106の平面図を示す。基板400A、400Bをセンシングする前に、センサ140A、140Bの夫々のレシーバ148は、全ビーム信号401A、401Bを検出する。基板が、ポイント402A、402Bでビーム経路に入ると、レシーバ148から受けるビーム信号403A、403Bは減少する。これは、基板106の存在を示している。基板は、基板の長さに沿ってビームを横断し続けるため(点線で示してある)、ビーム信号405A、405Bは、低いままである。しかしながら、基板の欠け410Bが、ビーム経路に入り始めると、信号は、元の中断されていない全ビーム信号411Bに戻って増加し、欠け412Bの長さにわたって、基板413Bの不在を検出し続ける。基板の欠け414Bの端部がビームを通過する際、ビーム信号415Bは再び減少する。これは、基板406Bの端部がビームを通過するまでの基板405Bの存在を示している。
【0026】
図4Cに、適切に位置合わせされた、エンドエフェクタ134で搬送されている基板の一端近傍に亀裂のある基板106の平面図を示す。基板をセンシングする前に、センサ140A、140Bの夫々のレシーバ148は、全ビーム信号401A、401Bを検出する。基板が、ポイント402A、402Bでビーム経路に入ると、レシーバ148から受けるビーム信号403A、403Bは減少する。これは、基板106の存在を示している。基板は、基板の長さに沿ってビームを横断し続けるため、ビーム信号405A、405Bは、低いままである。しかしながら、基板の亀裂420Bが、ビーム経路に入り始めると、信号は、中断されていない全ビーム信号421Bに戻って増加し、亀裂422Bの長さにわたって、基板423Bの不在を検出し続ける。基板の欠け424Bの端部がビームを通過する際、ビーム信号425Bは再び減少する。これは、基板406Bの端部がビームを通過するまでの基板405Bの存在を示している。
【0027】
図4Dに、適切に位置合わせされた、エンドエフェクタ134で搬送されている基板の一端近傍に隅端部欠けのある基板106の平面図を示す。基板400A、400Bをセンシングする前に、センサ140A、140Bの夫々のレシーバ148は、基板の上に位置する対応のリフレクタ142A、142B(図示せず)から反射された全ビーム信号401A、429Bを検出する。基板が、ポイント402Aで、センサ140Aのビーム経路に入ると、ビーム信号403Aは減少する。これは、基板106の存在を示している。しかしながら、同時に、ポイント430Bで、センサ140Bのビーム経路は、隅部欠けの存在のために中断されないままであり、信号429Bは、高いままである。中断されていない全信号429Bは継続し、一方、センサ140Bからのビームは、隅部欠けの長さ432Bを横断する。欠け434Bの端部に達すると、ポイント435Bで、信号は減少する。これは、基板406Bの端部がビームを通過するまでの基板437Bの存在を示している。基板の欠けのために、センサ140Bは、センサ140Aによりセンシングされた基板405Aの長さに比べて、短い長さの基板437Bを検出する。センサ140Bにより検出される基板の長さは、距離432B短く、基板106が、ポイント435Bで検出される前の遅延433Bとなる。
【0028】
図4Eに、ずれたエンドエフェクタ134で搬送されている基板106の平面図を示す。基板422A、422Bをセンシングする前に、センサ140A、140Bの夫々のレシーバ148は、基板の上に位置する対応のリフレクタ142A、142B(図示せず)から反射された全ビーム信号443A、443Bを検出する。基板が、ポイント444Aで、センサ140Aのビーム経路に入ると、対応のレシーバ148により受けられるビーム信号445Aは減少する。これは、基板106の存在を示している。しかしながら、同時に、センサ140Bのビーム経路は、位置合わせの変化(即ち、ずれ)のために、更なる長さ444Bについて中断されないままである。中断されていない全信号443Bは継続し、一方、ビームは、ずれ444Bの長さを横断する。基板が、ポイント446Bで、センサ140Bのビーム経路を中断すると、信号447Bは減少する。これは、基板106Bの存在を示している。その後、ポイント448Aで、センサ140Aのビーム経路が、基板の端部を検出し、対応のレシーバ148が、全長449Aまで増加し、一方、センサ140Bのビーム経路は、450Bでの基板の端部まで、基板の存在を検出し続ける。そこでは、信号451Bが、元の中断されていない全ビーム信号453Bに戻って増加する。ずれのために、センサ140Aと140Bは両方とも、短い長さの基板447A、449Bを検出する。センサ140Aにより検出される基板の長さは、距離450A短く、適切に位置合わせされた基板に比べて、ポイント449Aでの信号が早期に増大することとなる。同様に、センサ140Bにより検出される基板の長さは、距離444B短く、ポイント447Bで基板が検出される前の遅延となる。
【0029】
本発明のセンサ構成によって、基板を双腕ロボットにサポート及び搬送しながら、基板の破損(例えば、欠け、亀裂)及びずれを検出でき、有利である。双腕ロボットの使用により、処理システムの処理量が増大する。処理量の増大に寄与する他の利点は、ロボットのエンドエフェクタで、たとえ高速の搬送速度(例えば、1000mm/s)であっても、移動しながら、基板のずれや破損を検出できる能力である。本発明の更に他の利点は、基板の破損やずれを検出するのに必要なセンサが2つと少ないことである。最後に、本発明の他の利点は、基板がセンサを通過して動く際に、基板の全長に沿って、基板のずれや破損を検出できる能力である。更に、基板のずれや破損の検出は、通常のロボット搬送動作中に(即ち、イン・サイチュで)実施でき、基板をセンシングするのに、追加の、又は不必要なロボットの動き(基板を固定するための停止と開始を含めた)の必要性が排除される。
【0030】
本発明の1つの利点は、基板の破損及びずれが、たとえ高速の搬送速度であっても、基板の移動中に検出できることである。欠陥のセンシング中、基板は、約100mm/s〜約2000mm/sの搬送速度で移動している(例えば、ロボットのエンドエフェクタで搬送されている)のが好ましい。LED又はレーザーシステムにより検出できる最小サイズのかけ、亀裂、又は最少程度の基板のずれは、基板の上又は下表面に衝突する時の放出されたビームのビームサイズ(即ち、スポットサイズ又は直径)と、基板の搬送速度の両方に応じて異なる。通常、放出されたビームの直径が小さければ小さいほど、検出される欠陥フィーチャーは細かく、小さくなる。例えば、好適なレーザーセンサは、約0.5mm〜約3mmの直径を有するレーザービームを放出する。しかしながら、1mmと小さなサイズ(即ち、約1mmを超える)の基板のかけや亀裂を検出するには、例えば、ビームが基板の表面に衝突する時の放出されたレーザービームの直径は、約1mm未満であるのが好ましい。このように、基板は、用いる特定のセンサの作動距離内に配置される。これは、基板の上又は下表面に衝突するビーム直径が、検出を必要とする最小のサイズの基板のかけ、亀裂又はずれを検出できるよう十分に小さくするためである。
【0031】
レーザーシステムにより検出される欠陥のサイズはまた、例えば、ロボットのエンドエフェクタで搬送されている間に、常に受けるような移動中の基板の振動の結果としての基板の搬送速度によっても影響される。通常、基板の搬送速度又は速さが早くなればなるほど、基板の受ける振動が大きくなる。振動によって、基板の端部が上下に動く傾向がある。その結果、移動中の基板の上又は下表面に、基板の端部から内側の公称距離で、放出されたビームが衝突するように、センサは配置される。そうでないと、振動する基板の最端に指向するビームは、振動のために、基板端部がビームに出し入れされて動く度に、基板の不在を常にセンシングしてしまう。このように、基板が振動すればするほど、基板の端部から更に内側に入射ビームが指向する。例えば、約0.5mm〜約3mmの放出されたビーム直径を有するレーザーセンサ及び約100m/s〜約2000mm/sの搬送速度で移動する基板については、基板の上(又は下)表面での衝突ビームが、基板の端部から約1mm〜約10mmの距離に配置されるように、レーザービームは指向される。
【0032】
(実施例)
一例において、約1000mmまでの作動距離(即ち、約40インチ未満の作動距離)で、ビーム直径が約0.8mm未満のオムロン(Omron)(登録商標)型番E3C−LR11レーザーセンサを用いて、双腕ロボットのエンドエフェクタにサポートされた基板がセンサを通過するにつれて、2つの平行な端部に沿って基板をセンシングする。約1000mm/sの基板搬送速度で、約3mm以上のサイズの欠陥が検出可能であった。各センンサからの衝突ビームの中心を、基板の端部から内側に約3mmの距離で配置した。約100mm/sの基板搬送速度で、約1mm以上のサイズの欠陥が検出可能であり、約2000mm/sの基板搬送速度で、約10mm以上のサイズの欠陥が検出可能であった。このように、約100mm/s〜約2000mm/sの範囲の速度で搬送される基板をセンシングするための2つの衝突ビームは、基板端部から内側に、夫々、約1mm〜約10mmの範囲の距離で配置されるのが好ましい。レーザーを用いて3mmより小さなサイズの欠陥フィーチャーを検出するのは、基板の速度を下げることによってなされる。基板の速度を下げると、基板の受ける振動が少なくなり、その結果、より小さな欠陥について解決される。反対に、基板の速度を上げると、基板の振動が多くなり、より大きな欠陥を検出できる。
【0033】
他の例において、2つのオムロン(Omron)(登録商標)型番E32−R16LEDセンサ及び2つのバルーフ(Balluff)型番BOS R−14リフレクタを用いて、図3Aに示す構成で、3スロットロードロックチャンバへ、ロボットのエンドエフェクタにサポートされた基板が搬送される際に、その2つの端部に沿って基板をセンシングする。上スロットの上に装着されたLEDセンサは、LEDセンサの作動距離内に配置されたリフレクタのビーム経路に沿って動くビームを放出する。約1000mm/sの基板搬送速度で、約4インチ以上のサイズの基板の欠け及び約2.6度以上のずれが、各スロットに搬送された基板で検出可能であった。
【0034】
更に他の例において、2つのオムロン(Omron)(登録商標)型番E3C−LR11レーザーセンサ及びオムロン(Omron)(登録商標)型番E39−R12リフレクタを用いて、図3Bに示す構成で、DDSLチャンバへ、ロボットのエンドエフェクタにサポートされた基板が搬送される際に、その2つの端部に沿って基板をセンシングする。下スロットの下に装着されたレーザーセンサは、レーザーセンサの作動距離内に配置されたリフレクタへの4つの各スロットを通るビーム経路に沿って動くビームを放出する。約3mm以上の基板の欠け及び約0.18度以上の基板のずれが、ロードロックチャンバの4つの各スロットに約1000mm/sの速度で搬送された基板で検出可能であった。
【0035】
実際、処理チャンバ150とロードロックチャンバ160の入口/出口ポートの夫々に配置された各対のセンサ140A、140B(及び対応のリフレクタ)は、処理チャンバ内での処理前後に、又は、ロードロックチャンバを通過する際に、基板の破損及びずれを検出する。基板の破損又はずれのセンシングの際、センサに結合されたコントローラの構成を、アラームを始動し、欠陥のある基板の移動/搬送を即時に訂正するようにして、例えば、基板の破損又はずれの原因を判断し、欠けた/亀裂の入った基板を交換し、ずれた基板の位置合わせを是正することにより、損傷又はずれを修復するようにする。欠けた基板の検出には、場合によっては、移動チャンバ及び/又は処理チャンバを開けて、欠けにより生成された汚染の可能性がある異物を完全に清浄にする必要がある。本発明のセンサ構成によれば、基板の欠陥を早期に検出することができ、システム100のダウンタイムを最小にし、全体の処理量を増大することができる。例えば、図5に、ロードロックチャンバ160に、工場インタフェースロボット114のエンドエフェクタ118で搬送される基板の一端近傍の端部の欠けのある基板106の平面図を示す。基板の端部近傍の点線は、移動中の基板が、基板106と、夫々、対応の信号A、Bの上に配置されたセンサ140A、140Bにより放出されるビームと交差する。ポイント510Aで、基板の欠けのセンシング開始時に、対応の信号511Aが増え、エンドエフェクタ118が、ロードロックチャンバ160に更に移動するのを、コントローラにより即時に停止する。欠けた基板を評価して、基板106を更に処理するのが望ましいかどうか判断する。
【0036】
基板の破損及びずれの例示した検出では、少なくとも2つのセンサ140A、140Bを用いて、端部近傍での基板の全長をセンシングして、欠けの長さ及び/又はずれの程度についての情報を与えているが、追加のセンサを用いて、基板106の内部の長さをセンシングして、追加の情報を与えてもよい。例えば、センサ140Aと140Bの間に配置された追加のセンサは、基板の欠けの寸法(例えば、欠けの側方深さや幅)やずれの程度(例えば、位置合わせの変化の程度)についての追加の情報を与える。更に、追加の対のセンサ140A、140Bを、処理システム100全体の他の位置に配置して、センサ140A、140Bを用いて、一度に1枚の基板をセンシングしてもよい。センサは、移動中の基板の移動経路上(又は下)で、処理システムの実質的に内側及び/又は外側表面に装着してよい。従って、搬送チャンバ120の各ポートに隣接する3つ以上のビューウィンドウがあってもよい。例えば、基部122は、任意の数のビューウィンドウを有していて、追加のセンサを収容し、且つ/又はセンサ140A、140Bの離れた異なる構成を収容していて、異なるサイズの基板をセンシングして、センサ140A、140Bから放出されたビームを指向させて、基板の少なくとも2つの端部近傍の通過する基板と交差するようにする。或いは、チャンバに近接するポートに隣接する複数のビューウィンドウ128を用いる代わりに、1つの長いビューウィンドウ、例えば、ポートの長さに近い長い矩形のウィンドウを、基部122に据え付けて、1つの長いビューウィンドウの外部近傍に装着された複数のセンサで、通過する基板をセンシングしてもよい。最後に、例示した基板の破損及びずれの検出は、例証の処理システム100を参照して説明したが、説明は例示に過ぎず、本方法は、移動中の基板の破損又はずれの検出を行いたいところであればどこで行ってもよい。
【0037】
上記は本発明の実施形態を対象としているが、本発明の他の更なる実施形態はその基本的範囲を逸脱することなしに創作でき、その範囲は特許請求の範囲に基づいて定められる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
本発明の上述の構成が詳細に理解できるように、上に簡単にまとめた本発明について、いくつかは添付図面に示した実施形態を参照して、より具体的に説明する。しかしながら、添付図面は本発明の典型的な実施形態を示すに過ぎないため、その範囲を限定するものとは解釈されず、本発明はその他の等しく有効な実施形態も含み得ることに留意すべきである。
【図1】本発明の一実施形態により構成されたセンサを含む処理システムの一実施形態の平面図である。
【図2】チャンバ内での処理前後での基板の破損及びずれを検出する処理チャンバの入口/出口ポート近傍に構成されたセンサ構成を示す処理システムの拡大部分断面図である。
【図3A】〜
【図3B】工場インタフェースの周囲環境内でのセンサ構成を示す図1の線3−3に沿った処理システムの拡大部分断面図であり、図3Aは3つのスロットへ出し入れされる基板の破損及びずれを検出する3スロットのロードロックチャンバ近傍のセンサ構成を示し、図3Bは4スロットロードロックチャンバ近傍のセンサ構成を示す。
【図4A】〜
【図4E】2つのセンサを移動する基板の平面図及び対応のセンサ信号を示す図であり、図4Aは適切に位置合わせされた欠陥のない基板を示し、図4B及び図4Dは欠けた基板を示し、図4Cは亀裂の入った基板を示し、図4Eはずれた基板を示す。
【図5】ロードロックチャンバの外部に装着された2つのセンサで、工場インタフェースロボットのブレード上を移動中の基板の平面図及び対応のセンサ信号を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の欠陥を検出する装置であって、前記基板の第1の端部近傍で基板をセンシングするために配置された第1のセンサと、前記基板の前記第1の端部に平行な第2の端部近傍で前記基板をセンシングするために配置された第2のセンサとを含み、前記基板が前記第1及び第2のセンサを通過する装置。
【請求項2】
前記第1及び第2のセンサが、チャンバの通路に隣接配置されていて、前記チャンバの前記通路に入る前に、前記第1及び第2のセンサが、夫々、前記基板の端部をセンシングする、又は、前記チャンバの前記通路を出た後に、前記第1及び第2のセンサが、夫々、前記基板の端部をセンシングする請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記センサ構成が、複数のビューウィンドウを含み、前記第1及び第2のセンサが、夫々、前記ビューウィンドウの外部又は近傍に装着されていて、前記第1及び第2のセンサの夫々のセンシング機構が、1つのビューウィンドウを通過するような構成である請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記基板をサポートし、前記基板を、前記第1及び第2のセンサの夫々のセンシング機構を通して搬送するよう構成されたエンドエフェクタに接続された第1の腕と、他の基板を同時にサポート及び搬送するよう構成された他のエンドエフェクタに接続された第2の腕とを有するロボットを含む請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記基板をサポートし、前記基板を、前記第1及び第2のセンサの夫々のセンシング機構を通して搬送するよう構成された少なくとも1つのエンドエフェクタを含む請求項1記載の装置。
【請求項6】
前記第1及び第2のセンサの夫々が、前記基板の端部の下に配置されたトランスミッタ及びレシーバ、並びに、前記基板の前記端部の上に配置された対応のリフレクタを含み、共通の垂直面が、前記トランスミッタ、前記レシーバ及び前記対応のリフレクタと交差するような構成である請求項1記載の装置。
【請求項7】
前記トランスミッタが、レーザー又は発光ダイオードである請求項6記載の装置。
【請求項8】
前記トランスミッタがレーザーで、光のレーザービームが、前記基板の上又は下表面に衝突するときに、直径が約3mm未満の光のレーザービームを放出するように構成されている請求項6記載の装置。
【請求項9】
前記光のレーザービームが、前記基板の上又は下表面に衝突するときに、前記光のレーザービームの直径が約1mm未満である請求項8記載の装置。
【請求項10】
基板の欠陥を検出する装置であって、
基板をサポートするための少なくとも1つの基板サポート表面を有するロボットと、
前記基板の第1の端部近傍で基板をセンシングするために配置された第1のセンサと、前記少なくとも1つの基板サポート表面での基板の搬送中、前記基板の前記第1の端部に平行な第2の端部近傍で前記基板をセンシングするために配置された第2のセンサとを含むセンサ構成とを含む装置。
【請求項11】
前記第1及び第2のセンサが、チャンバの通路に隣接配置されていて、前記チャンバの前記通路に入る前に、前記第1及び第2のセンサが、夫々、前記基板の端部をセンシングする、又は、前記チャンバの前記通路を出た後に、前記第1及び第2のセンサが、夫々、前記基板の端部をセンシングする請求項10記載の装置。
【請求項12】
前記センサ構成が、複数のビューウィンドウを含み、前記第1及び第2のセンサが、夫々、ビューウィンドウの外部又は近傍に装着されていて、前記第1及び第2のセンサの夫々のセンシング機構が、前記ビューウィンドウを通過するような構成である請求項10記載の装置。
【請求項13】
前記ロボットが、前記基板をサポートし、前記基板を、前記第1及び第2のセンサの夫々のセンシング機構を通して搬送するよう構成されたエンドエフェクタに接続された第1の腕と、他の基板を同時にサポート及び搬送するよう構成された他のエンドエフェクタに接続された第2の腕とを有する請求項10記載の装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つの基板サポート表面が、エンドエフェクタを含み、前記基板をサポートし、前記基板を、前記第1及び第2のセンサの夫々のセンシング機構を通して搬送するよう構成されている含む請求項10記載の装置。
【請求項15】
前記第1及び第2のセンサの夫々が、前記基板の端部の下に配置されたトランスミッタ及びレシーバ、並びに、前記基板の前記端部の上に配置された対応のリフレクタを含み、共通の垂直面が、前記トランスミッタ、前記レシーバ及び前記対応のリフレクタと交差するような構成である請求項10記載の装置。
【請求項16】
前記トランスミッタが、レーザー又は発光ダイオードである請求項15記載の装置。
【請求項17】
前記トランスミッタがレーザーで、光のレーザービームが、前記基板の上又は下表面に衝突するときに、直径が約3mm未満の光のレーザービームを放出するように構成されている請求項15記載の装置。
【請求項18】
前記光のレーザービームが、前記基板の上又は下表面に衝突するときに、前記光のレーザービームの直径が約1mm未満である請求項17記載の装置。
【請求項19】
基板の破損及びずれを検出する装置であって、
少なくとも1つのビューウィンドウを有する搬送チャンバと、
前記搬送チャンバ内で、エンドエフェクタにサポートされた基板と、
前記少なくとも1つのビューウィンドウの外部又は近傍に装着された少なくとも2つのセンサを含むセンサ構成であって、前記少なくとも2つのセンサの夫々のセンシング機構が、前記少なくとも1つのビューウィンドウを通過するように構成されたセンサ構成とを含み、前記少なくとも2つのセンサが、前記基板の少なくとも2つの平行な端部近傍で、前記基板を連続的にセンシングするように適合されて、前記エンドエフェクタが、前記少なくとも2つのセンサの夫々の前記センシング機構を通って前記基板を移動する際に、基板の欠け、亀裂又は前記少なくとも2つの平行な端部のずれの存在を検出する装置。
【請求項20】
前記少なくとも2つのセンサが、近接するチャンバの通路に隣接配置されていて、前記近接するチャンバの前記通路に入る前に、前記少なくとも2つセンサの夫々が、前記基板の端部をセンシングする、又は、前記チャンバの前記通路を出た後に、前記少なくとも2つセンサの夫々が、前記基板の端部をセンシングする請求項19記載の装置。
【請求項21】
前記エンドエフェクタが、前記少なくとも2つのセンサの夫々の前記センシング機構を通して、約100mm/s〜約2000mm/sの範囲の速度で、前記基板を移動する請求項19記載の装置。
【請求項22】
前記少なくとも2つのセンサが、約1mmを超える基板の欠け又は亀裂を検出するように適合されている請求項19記載の装置。
【請求項23】
前記少なくとも2つのセンサの夫々が、前記基板の端部の下に配置されたトランスミッタ及びレシーバ、並びに、前記基板の前記端部の上に配置された対応のリフレクタを含み、共通の垂直面が、前記トランスミッタ、前記レシーバ及び前記対応のリフレクタと交差するような構成である請求項19記載の装置。
【請求項24】
前記トランスミッタが、レーザー又は発光ダイオードである請求項23記載の装置。
【請求項25】
前記トランスミッタがレーザーで、光のレーザービームが、前記基板の上又は下表面に衝突するときに、直径が約3mm未満の光のレーザービームを放出するように構成されている請求項23記載の装置。
【請求項26】
基板の欠陥を連続的に検出する方法であって、
少なくとも2つのセンサを配置して、前記基板が前記少なくとも2つのセンサの夫々を通過する際に、前記少なくとも2つのセンサが、前記基板の少なくとも2つの平行な端部近傍の基板を連続的にセンシングする工程と、
前記少なくとも2つのセンサの夫々からの信号を、コントローラに送信して、前記少なくとも2つのセンサからの前記信号を連続的にモニターして、基板の欠陥の存在を検出する工程とを含む方法。
【請求項27】
前記少なくとも2つのセンサの夫々の前記センシング機構を、約100mm/s〜約2000mm/sの範囲の速度で、前記基板が横断する請求項26記載の方法。
【請求項28】
前記少なくとも2つのセンサを配置する工程が、前記少なくとも2つのセンサを、少なくとも1つのビューウィンドウの外部又は近傍に装着する工程を含み、前記基板のセンシング前又は後に、前記少なくとも2つのセンサの夫々のセンシング機構が、前記ビューウィンドウを通過するような構成である請求項26記載の方法。
【請求項29】
前記基板を、ロボットのエンドエフェクタで移動することにより、前記基板が、センシング機構を横断する請求項26記載の方法。
【請求項30】
前記ロボットが、他の基板を同時にサポート及び移動する他のエンドエフェクタを有する請求項26記載の方法。
【請求項31】
前記基板が、ガラス又はプラスチック基板である請求項26記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−524047(P2009−524047A)
【公表日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−551233(P2008−551233)
【出願日】平成18年1月18日(2006.1.18)
【国際出願番号】PCT/US2006/001724
【国際公開番号】WO2007/084124
【国際公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】