説明

基板処理装置、基板処理方法および記憶媒体

【課題】処理済みの被処理基板をカセットの空になっている任意のスロットに載置すること。
【解決手段】基板処理装置は、複数のスロットSを有するカセットCから被処理基板Wを取り出して処理する。基板処理装置は、被処理基板Wを処理する基板処理部45と、被処理基板WをカセットCから基板処理部45へ搬送するとともに、基板処理部45で処理された被処理基板Wを基板処理部45からカセットCへ搬送するための搬送部32,42と、スロットSが空いているかを確認するスロット確認部11と、を備えている。基板処理装置は、被処理基板Wを基板処理部45で処理した後であってカセットCに載置する前に、基板処理部45で処理された後で収納される被処理基板W毎に指定されたスロットSを読み出し、当該スロットSが空いているかをスロット確認部11に確認させる制御部50も備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のスロットを有し当該スロットに被処理基板が収納されたカセットから、被処理基板を取り出して処理する基板処理装置および基板処理方法、並びに、当該基板処理方法を基板処理装置に実行させるためのコンピュータプログラムを格納した記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数のスロットを有し各スロットにウエハ(被処理基板)が収納されたカセットから、ウエハを取り出して洗浄処理などの所定の処理を施す基板処理装置が知られている。従来の基板処理装置では、カセットの上方に位置するスロットに載置されたウエハから順番に搬出されて、処理が施されている。そして、処理が施されたウエハは、カセットの上方に位置するスロットに順番に搬入されて載置されている。
【0003】
しかしながら、ウエハに発生したトラブルの原因を追及するためや後工程での処理を簡易に行うためなどの様々な理由から、ウエハをカセットのスロットに任意の場所に載置する必要が生じる場合がある。
【0004】
この点、一般に、洗浄処理を行う基板処理部やウエハの受け渡しを行う受け渡しユニットなど基板処理装置内でウエハを載置することができる箇所の数は、カセット内に収納されるウエハの数(例えば25枚)よりも少ない。このため、何ら考慮することなく処理済みのウエハをカセットの任意のスロットに載置すると、未処理のウエハが搬出されていないスロットに処理済みのウエハを重ねて載置してしまう可能性がある。
【0005】
ところで、先行技術としては、基板処理部においてウエハの処理が行われている間に、当該ウエハ以外のカセットに収容されているウエハについてウエハ番号に基づいて所定の順序に並べ替えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−33369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示は、未処理の被処理基板が載置されているスロットに誤って処理済みの被処理基板を載置してしまうことなく、処理済みの被処理基板をカセットの空になっている任意のスロットに載置することができる基板処理装置、基板処理方法および記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による基板処理装置は、
複数のスロットを有し該スロットに被処理基板が収納されたカセットから、該被処理基板を取り出して処理する基板処理装置において、
前記被処理基板を処理する基板処理部と、
前記被処理基板を前記カセットから前記基板処理部へ搬送するとともに、該基板処理部で処理された該被処理基板を該基板処理部から該カセットへ搬送して、該カセット内に載置するための搬送部と、
前記スロットが空いているかを確認するスロット確認部と、
前記被処理基板を前記基板処理部で処理した後であって前記カセットに載置する前に、前記基板処理部で処理された後で収納される被処理基板毎に指定されたスロットを読み出し、該スロットが空いているかを前記スロット確認部に確認させる制御部と、
を備えている。
【0009】
本発明による基板処理装置において、
前記スロット確認部による確認の結果、前記制御部で読み出された前記スロットが空いていない場合には、前記搬送部による該スロットへの搬送を停止させてもよい。
【0010】
本発明による基板処理装置は、
前記スロット確認部による確認の結果、前記制御部で読み出された前記スロットが空いていない場合には、該スロットが空いていないことを警告する警告部をさらに備えてもよい。
【0011】
本発明による基板処理装置において、
前記搬送部は、前記制御部で読み出された前記スロットが空いていない場合に、前記被処理基板とは異なる未処理の別の被処理基板を前記カセットから搬出してもよい。
【0012】
本発明による基板処理装置において、
前記搬送部が前記被処理基板とは異なる未処理の別の被処理基板を前記カセットから搬出した後で、前記スロット確認部は、前記制御部で読み出された前記スロットが空いているかを再度確認してもよい。
【0013】
本発明による基板処理装置は、
前記搬送部が前記被処理基板とは異なる未処理の別の被処理基板を前記カセットから搬出した後で、前記制御部で読み出された前記スロットが空いていない場合には、該スロットが空いていないことを警告する警告部をさらに備えてもよい。
【0014】
本発明による基板処理装置は、
前記スロット確認部による確認の結果、前記制御部で読み出された前記スロットが空いていない場合であって、かつ、前記搬送部が前記被処理基板とは異なる未処理の別の被処理基板を前記カセットから搬出することができなくなった際に、前記基板処理部で処理された後の前記被処理基板を搬入するための緊急カセットをさらに備えてもよい。
【0015】
本発明による基板処理装置は、
前記スロット確認部による確認の結果、前記制御部で読み出された前記スロットが空いていない場合に、前記搬送部によって前記被処理基板を搬入して収納するためのバッファ部をさらに備えてもよい。
【0016】
本発明による基板処理装置において、
前記バッファ部に前記被処理基板が収納されている場合には、該被処理基板の後で処理された被処理基板も該バッファ部に収納されてもよい。
【0017】
本発明による基板処理装置において、
前記バッファ部に前記被処理基板が収納されている場合であっても、該被処理基板の後で処理された被処理基板に対して前記制御部で読み出されたスロットが空いている場合には、該被処理基板の後で処理された被処理基板を当該スロットに収納してもよい。
【0018】
本発明による基板処理装置において、
前記基板処理部で処理された後の被処理基板を前記バッファ部に収納し、該バッファ部に収納された該被処理基板を、上方に位置する前記スロットから順番に前記カセット内に載置してもよい。
【0019】
本発明による基板処理装置において、
前記搬送部が前記被処理基板とは異なる未処理の別の被処理基板を前記カセットから搬出した後で、前記スロット確認部は、前記制御部で読み出された前記スロットが空いているかを再度確認してもよい。
【0020】
本発明による基板処理方法は、
複数のスロットを有し該スロットに被処理基板が収納されたカセットから、該被処理基板を取り出して処理する基板処理方法であって、
前記被処理基板を前記カセットから前記基板処理部へ搬送することと、
前記被処理基板を前記基板処理部で処理することと、
前記基板処理部で処理された前記被処理基板を、該基板処理部から前記カセットへ搬送して該カセット内に載置することと、を備え、
前記被処理基板を前記基板処理部で処理した後であって前記カセットに載置する前に、前記基板処理部で処理された後で収納される被処理基板毎に指定されたスロットを読み出し、該スロットが空いているかを確認する。
【0021】
本発明による記憶媒体は、
基板処理装置に基板処理方法を実行させるためのコンピュータプログラムを格納した記憶媒体であり、
前記基板処理方法は、複数のスロットを有し該スロットに被処理基板が収納されたカセットから、該被処理基板を取り出して処理する方法であって、
前記被処理基板を前記カセットから前記基板処理部へ搬送することと、
前記被処理基板を前記基板処理部で処理することと、
前記基板処理部で処理された前記被処理基板を、該基板処理部から前記カセットへ搬送して該カセット内に載置することと、を備え、
前記被処理基板を前記基板処理部で処理した後であって前記カセットに載置する前に、前記基板処理部で処理された後で収納される被処理基板毎に指定されたスロットを読み出し、該スロットが空いているかを確認する方法である。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、被処理基板を基板処理部で処理した後であってカセットに載置する前に、基板処理部で処理された後で収納される被処理基板毎に指定されたスロットを読み出して、当該スロットが空いているかを確認する。このため、未処理の被処理基板が載置されているスロットに誤って処理済みの被処理基板を載置してしまうことなく、処理済みの被処理基板をカセットの空になっている任意のスロットに載置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1の実施の形態による基板処理装置の構成を示す上方平面図。
【図2】本発明の第1の実施の形態による基板処理装置の構成を示す側方断面図。
【図3】本発明の第1の実施の形態による基板処理装置における信号の流れを説明するための図。
【図4】本発明の第1の実施の形態による基板処理装置のスロット確認部の一例を説明するための正面図と上方平面図。
【図5】本発明の第1の実施の形態による基板処理方法を説明するためのフローを示した図。
【図6】本発明の第2の実施の形態による基板処理装置の構成を示す上方平面図。
【図7】本発明の第2の実施の形態の変形例による基板処理装置の構成を示す上方平面図。
【図8】本発明の第2の実施の形態による基板処理方法を説明するためのフローを示した図。
【図9】本発明の第3の実施の形態による基板処理装置の構成を示す側方断面図。
【図10】本発明の第3の実施の形態による基板処理方法を説明するためのフローを示した図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
第1の実施の形態
以下、本発明に係る基板処理装置、基板処理方法および記憶媒体の第1の実施の形態について、図面を参照して説明する。ここで、図1乃至図5は本発明の第1の実施の形態を示す図である。
【0025】
本実施の形態の基板処理装置は、FOUPなどのカセットCから被処理基板である半導体ウエハW(以下、単にウエハWと呼ぶ。)を取り出して処理するものである。このカセットCは、図2に示すように、所定間隔を空けて設けられた複数(例えば25個)のスロットSを有し、各スロットSにウエハWが収納されるように構成されている。なお、スロットS内のウエハWは、表面(半導体デバイスを形成される処理面)が上面となるようにして、略水平姿勢で収容されている。なお、本実施の形態では、被処理基板としてウエハWを用いて説明するが、これに限られることはなく、被処理基板として例えばガラス基板なども用いることができる。
【0026】
図1に示すように、基板処理装置は、処理前および処理後のウエハWが載置される載置領域20と、ウエハWに洗浄などの処理を施す処理領域40と、載置領域20および処理領域40の間におけるウエハWの受け渡しを担う搬送領域30と、を含んでいる。
【0027】
このうち、載置領域20と搬送領域30との間に設けられた区画壁25には、窓部(開口)と、この窓部を開閉するシャッターなどからなる窓部開閉機構33が設けられている。また、上述したカセットCを載置台(載置部)21に取り付けた場合、カセットCの蓋体Caが窓部に対向するようになっている。
【0028】
また、処理領域40には、搬送領域30に接続された受け渡しユニット41と、ウエハWを洗浄して処理する基板処理ユニット(基板処理部)45と、処理領域40内でウエハWを搬送する処理領域用搬送装置42が設けられている。このうち、受け渡しユニット41は複数(本実施の形態では一例として図2に示すように2個)設けられており、受け渡しユニット41が上下方向に積層されている。
【0029】
また、基板処理ユニット45も複数(本実施の形態では一例として図1および図2に示すように4×4=16個)設けられている。より具体的には、図1に示すように4つのブロックに基板処理ユニット45が設けられ、各ブロックにおいて、図2に示すように4つの基板処理ユニット45が積層されている。なお、基板処理ユニット45としては、例えば枚葉式の洗浄ユニットなどを挙げることができる。
【0030】
また、処理領域用搬送装置42は、X方向(図1の左右方向)およびY方向(図1の上下方向)に移動可能となっている。また、図2に示すように、処理領域用搬送装置42はウエハWを保持するためのウエハ保持アーム42a,42bを、高さ方向に間隔を空けて2本有している。各ウエハ保持アーム42a,42bは、X−Y平面内(θ方向)で回転可能となるとともに、Z方向へ移動可能となり、さらに独立して進退自在となっている。なお、処理領域用搬送装置42は、ウエハ保持アーム42a,42bなどを駆動する一般的な駆動機構(図示せず)を有している。
【0031】
また、搬送領域30には、載置領域20に載置されたカセットCと受け渡しユニット41との間で、ウエハWの受け渡しを行う搬入出用搬送装置32が設けられている。この搬入出用搬送装置32は、X方向およびY方向に移動可能となっている。また、図2に示すように、搬入出用搬送装置32はウエハWを保持するためのウエハ保持アーム32a,32bを、高さ方向に間隔を空けて2本有している。そして、各ウエハ保持アーム32a,32bは、X−Y平面内(θ方向)で回転可能となるとともに、Z方向へ移動可能となり、さらに独立して進退自在となっている。なお、搬入出用搬送装置32は、ウエハ保持アーム32a,32bなどを駆動する一般的な駆動機構(図示せず)を有している。
【0032】
なお、搬入出用搬送装置32がウエハWをカセットCから受け渡しユニット41に搬送し、処理領域用搬送装置42が当該ウエハWを受け渡しユニット41から基板処理ユニット45に搬送するように構成されている。また、処理領域用搬送装置42が基板処理ユニット45で処理されたウエハWを基板処理ユニット45から受け渡しユニット41に搬送し、搬入出用搬送装置32が当該ウエハWを受け渡しユニット41からカセットCへ搬送するように構成されている。
【0033】
また、本実施の形態では、後述する基板処理方法を基板処理装置に実行させるためのコンピュータプログラムが記憶媒体56に格納されている(図3参照)。そして、基板処理装置は、当該記憶媒体56を受け付けるコンピュータ55も備えている。そして、制御部50は、コンピュータ55からの信号を受けて、基板処理装置自身を制御するように構成されている。なお、本願において記憶媒体56とは、例えば、CD、DVD、MD、ハードディスク、RAMなどを意味している。
【0034】
本実施の形態では、操作者が、コンピュータ55または記憶媒体56で、レシピとして、未処理のウエハWを取り出すスロットSを指定するとともに、ウエハW毎に基板処理ユニット45で処理された後で収納されるスロットSを指定する構成からなっている。
【0035】
また、図3に示すように、基板処理ユニット45、処理領域用搬送装置42、搬入出用搬送装置32などには、これらを制御する制御部50が接続されている。この制御部50は、カセットCから未処理のウエハWを取り出す前に、ウエハWが取り出されるスロットSをコンピュータ55または記憶媒体56から読み出すように構成されている。また、制御部50は、ウエハWを基板処理ユニット45で処理した後であってカセットCに載置する前に、基板処理ユニット45で処理された後で収納されるウエハW毎に指定されたスロットSを、コンピュータ55または記憶媒体56から読み出すようにも構成されている。そして、制御部50には、制御部50で読み出されたスロットSが空いているかを確認するスロット確認部11が接続されている。また、制御部50には、スロット確認部11による確認の結果、制御部50で読み出されたスロットSが空いてない場合に、警告音を鳴らしたり警告表示を表示したりする警告部12が接続されている。
【0036】
スロット確認部11としては、例えば、各スロットSに設けられて当該スロットS内にウエハWが載置されているか否かを判断するセンサや、スロットS内にウエハWが載置されているかを画像によって判断する画像検知部などを挙げることができる。
【0037】
ここで、スロット確認部11としてセンサ11’を用いた例について説明する。図4(a)(b)に示すように、センサ11’は、光を発光する発光部11’aと、発光部11’aで発光された光を受光する受光部11’bとを有し、これら発光部11’aおよび受光部11’bはスロットSに載置されたウエハWの面方向で延在する支持部11’cによって支持されている。そして、発光部11’aで発光された光が受光部11’bで受光されるとウエハWがスロットSに載置されていないことが検知され、他方、発光部11’aで発光された光がウエハWで阻止されて受光部11’bで受光されないとウエハWがスロットSに載置されていることが検知される。なお、支持部11’cは、駆動部(図示せず)から加えられる駆動力によって、上下方向に延びた鉛直軸11’pに沿って上下方向に移動可能となっており(図4(a)の矢印参照)、このように支持部11’cが上下方向に移動することで、各スロットSにウエハWが載置されているかが検知されることとなる。
【0038】
本実施の形態の制御部50は、スロット確認部11による確認の結果、指定されたスロットSが空いていない場合には、搬入出用搬送装置32による当該スロットSへの搬送を停止させるとともに、スロットSが空いていないことを警告部12によって操作者に警告するように構成されている。
【0039】
なお、このように指定されたスロットSが空いていない場合であっても、カセットCから未処理のウエハWを取り出すことは可能である。このため、搬入出用搬送装置32によって未処理のウエハWがカセットCから搬出される度に、制御部50は、スロット確認部11によって指定されたスロットSが空いているかを再度確認させる。そして、対象となっているスロットSが空いた場合には、当該スロットSに搬入出用搬送装置32によってウエハWを搬送し、他方、当該スロットSが空いていない間は、搬入出用搬送装置32による当該スロットSへの搬送を停止され続ける。なおこの際にも、スロットSが空いていないことが、警告部12によって操作者に警告されてもよい。ところで、搬入出用搬送装置32によるスロットSへの搬送が停止される際には、対象となっているウエハWは、ウエハ保持アーム32aによって保持された状態で停止されてもよいし、受け渡しユニット41内に載置された状態で停止されてもよい。
【0040】
また、スロット確認部11による確認の結果、指定されたスロットSが空いていない場合であって、かつ、搬入出用搬送装置32が未処理のウエハWをカセットCから搬出することができなくなった際には、図1に点線矢印で示すように、載置台21に基板処理ユニット45で処理された後のウエハWを搬入するための緊急カセットC’を設けてもよい。なお、緊急カセットC’へのウエハWの搬入は、処理領域用搬送装置42および搬入出用搬送装置32によって行われる。ところで、搬入出用搬送装置32がウエハWをカセットCから搬出することができなくなった場合とは、本実施の形態では16個ある基板処理ユニット45、2個ある受け渡しユニット41および処理領域用搬送装置42の全てにウエハWが載置され、搬入出用搬送装置32で未処理のウエハWをカセットCから抜き出しても、抜き出した当該ウエハWを搬入する場所が無い場合などを挙げることができる。
【0041】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用および効果について、図5を主に用いて説明する。
【0042】
まず、処理されるべきウエハWを例えば25枚収納したカセットCが載置台21に取り付けられる。
【0043】
次に、窓部開閉機構33およびカセットCの蓋体Caが開かれる。
【0044】
次に、制御部50によって、ウエハWが取り出されるスロットSがコンピュータ55または記憶媒体56から読み出される。なお、本実施の形態では、カセットCの上方に位置するスロットSに載置されたウエハWから順番に搬出される態様を用いて説明する。
【0045】
次に、スロット確認部11によって、ウエハWが取り出されるべきスロットS(最も上方に位置するスロットS)にウエハWが載置されているかが確認される。そして、搬入出用搬送装置32の例えば下段のウエハ保持アーム32bが、カセットC内に載置されたウエハWを取り上げて搬出する(ST11参照)。
【0046】
その後、ウエハ保持アーム32bが後退するとともに回転し、搬入出用搬送装置32が移動することによって、カセットCから取り出されたウエハWが、受け渡しユニット41の例えば下段へと搬入される(ST13参照)。
【0047】
次に、受け渡しユニット41内に載置されたウエハWは、処理領域用搬送装置42の例えば下段のウエハ保持アーム42bによって受け取られ、例えばレシピで指定された基板処理ユニット45内へと搬入される(ST15参照)。
【0048】
次に、基板処理ユニット45内へと搬入されたウエハWに対し、洗浄処理などの所定の処理が施される(ST17参照)。
【0049】
そして、所定の処理が施されたウエハWは、処理領域用搬送装置42によって受け取られ、受け渡しユニット41へと搬入される。この場合、ウエハWは、例えば、処理領域用搬送装置42の上段のウエハ保持アーム42aによって保持され、例えば上段の受け渡しユニット41へと搬入される(ST19参照)。
【0050】
また、上述のようにウエハWに対して洗浄処理などの所定の処理が施されると、制御部50によって、当該ウエハWに対して指定されたスロットSの場所が読み出される(ST19参照)。そして、当該スロットSが空いているかがスロット確認部11によって確認される。
【0051】
ここで、対象となっているスロットSが空いている場合には(ST21の「YES」参照)、受け渡しユニット41から当該スロットSに搬入出用搬送装置32によってウエハWが搬入されて載置され(ST23参照)、一枚のウエハWに対する一連の処理が終了される。
【0052】
他方、当該スロットSが空いていない場合には(ST21の「NO」参照)、制御部50によって、搬入出用搬送装置32による当該スロットSへの搬送が停止される(ST31参照)。そして、このとき、制御部50からの信号を受けて、警告部12によってスロットSが空いていないことが操作者に警告される(ST31参照)。なお、搬入出用搬送装置32によるスロットSへの搬送が停止される際には、対象となっているウエハWは、ウエハ保持アーム32aによって保持された状態で停止されてもよいし、受け渡しユニット41内に載置された状態で停止されてもよい。
【0053】
なお、このように指定されたスロットSが空いていない場合であっても、カセットCからウエハWを取り出すことは可能である。このため、新たに未処理の別のウエハWが搬入出用搬送装置32によってカセットCから搬出されて(ST33参照)、受け渡しユニット41に搬入される。
【0054】
そして、対象となっているスロットSが空いた場合には(ST21の「YES」参照)、ウエハ保持アーム32a上から当該スロットSにウエハWが搬入されて載置される、または、受け渡しユニット41から当該スロットSに搬入出用搬送装置32によってウエハWが搬入されて載置される(ST23参照)。
【0055】
他方、当該スロットSが空かない間は、搬入出用搬送装置32による当該スロットSへの搬送は停止され続ける。なおこの際、スロットSが空いていないことは、警告部12によって操作者に警告され続けてもよい。
【0056】
ところで、指定されたスロットSが空いているかは、対象となるスロットSのみが例えばセンサ11’(図4(a)(b)参照)からなるスロット確認部11によって検知されることで確認されてもよいし、全てのスロットSを例えば画像検知部からなるスロット確認部11によって確認されてもよい。
【0057】
また、本実施の形態では、上述のような未処理の別のウエハWの搬出は繰り返し行われ、未処理の別のウエハWがカセットCから搬出される度に、スロット確認部11によって、指定されたスロットSが空いているかが確認される。なお、このようなスロット確認部11による確認は、本実施の形態のように未処理の別のウエハWがカセットCから搬出される度に行われなくてもよく、例えば、レシピ情報を元に、指定されたスロットSが空いたことが予想された場合のみに行われてもよい。
【0058】
カセットCからのウエハWの取り出しが繰り返されても対象となっているスロットSが空かず、ウエハWを載置する場所が無くなって(すなわち、基板処理ユニット45、受け渡しユニット41および処理領域用搬送装置42にウエハWを載置することができなくなって)、最終的に搬入出用搬送装置32がウエハWをカセットCから搬出することができなくなった場合には、載置台21に緊急カセットC’が設けられる(図1の点線矢印参照)。そして、処理領域用搬送装置42および搬入出用搬送装置32によって、基板処理装置内のウエハWの全てが緊急カセットC’内に搬入されて収納される。
【0059】
上記のように、本実施の形態によれば、基板処理ユニット45でウエハWが処理された後であってウエハWをカセットCに載置する前に、ウエハW毎に指定されたスロットSが読み出され、指定されたスロットSが空いているかが確認される。そして、スロットSが空いていない場合には、搬入出用搬送装置32による当該スロットSへの搬送が停止される。このため、未処理のウエハWが載置されているスロットSに誤って処理済みのウエハWを載置してしまうことなく、処理済みのウエハWをカセットCの空になっている任意のスロットSに載置することができる。なお、本実施の形態では、搬入出用搬送装置32によるスロットSへの搬送が停止される態様を用いて説明したが、これに限られることはなく、処理領域用搬送装置42による受け渡しユニット41への搬送が停止される態様であってもよい。
【0060】
また、本実施の形態では、指定されたスロットSが空いていない場合には、警告部12によってスロットSが空いていないことが操作者に警告される。このため、操作者は、スロットSが空いていないことを容易に把握することができる。
【0061】
また、未処理のウエハWの搬出が繰り返し行われ、未処理のウエハWがカセットCから搬出される度に、スロット確認部11によって指定されたスロットSが空いているかが確認される。そして、対象となっているスロットSが空いた場合には、ウエハ保持アーム32a上から当該スロットSにウエハWが搬入されて載置される、または、受け渡しユニット41から当該スロットSに搬入出用搬送装置32によってウエハWが搬入されて載置される。このため、停止時間を極力短くすることができる。
【0062】
第2の実施の形態
次に、図6乃至図8により、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0063】
第1の実施の形態は、指定されたスロットSが空いていない場合には、制御部50によって、搬入出用搬送装置32による当該スロットSへの搬送が停止され、最終的に搬入出用搬送装置32がウエハWをカセットCから搬出することができなくなった場合には、処理領域用搬送装置42および搬入出用搬送装置32によって、基板処理装置内のウエハWの全てが緊急カセットC’内に搬入されて収納される態様になっている。これに対して、本実施の形態では、指定されたカセットCのスロットSが空いていない場合には、搬入出用搬送装置32によってウエハWをバッファ部に搬入して収納する態様になっている。より具体的には、本実施の形態では、図6に示すように、載置台21にバッファ用のカセットC”が載置されている。そして、指定されたカセットCのスロットSが空いていない場合には、搬入出用搬送装置32によって、ウエハWがバッファ用のカセットC”に搬入されることとなる。第2の実施の形態において、その他の構成は、第1の実施の形態と略同一の態様となっている。ところで、バッファ用のカセットC”が載置される位置は、当然、載置台21には限られない。例えば、図7(a)に示すように、受け渡しユニット41の側方に配置されてもよいし、図7(b)に示すように、搬送領域30のうち搬入出用搬送装置32が移動する領域の側方に配置されてもよい。
【0064】
図6乃至図8に示す第2の実施の形態において、図1乃至図5に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0065】
本実施の形態の作用および効果について、図8を主に用いて説明する。なお、第1の実施の形態と記載が重複する部分については、適宜省略しつつ説明する。
【0066】
まず、処理されるべきウエハWを収納したカセットCが載置台21に取り付けられる。
【0067】
次に、窓部開閉機構33およびカセットCの蓋体Caが開かれる。
【0068】
次に、制御部50によって、ウエハWが取り出されるスロットSがコンピュータ55または記憶媒体56から読み出される。
【0069】
次に、スロット確認部11によって、ウエハWが取り出されるべきスロットSにウエハWが載置されているかが確認される。そして、搬入出用搬送装置32のウエハ保持アーム32bによって、カセットC内に載置されたウエハWが取り出されて搬出され(ST11参照)、受け渡しユニット41へと搬入される(ST13参照)。
【0070】
次に、受け渡しユニット41内に載置されたウエハWは、処理領域用搬送装置42のウエハ保持アーム42bによって受け取られ、例えばレシピで指定された基板処理ユニット45内へと搬入される(ST15参照)。
【0071】
次に、基板処理ユニット45内へと搬入されたウエハWに対し、洗浄処理などの所定の処理が施される(ST17参照)。
【0072】
そして、所定の処理が施されたウエハWは、処理領域用搬送装置42によって受け取られ、受け渡しユニット41へと搬入される(ST19参照)。
【0073】
また、上述のようにウエハWに対して洗浄処理などの所定の処理が施されると、制御部50によって、当該ウエハWに対して指定されたスロットSの場所が読み出される(ST19参照)。そして、当該スロットSが空いているかがスロット確認部11によって確認される。
【0074】
ここで、対象となっているスロットSが空いている場合には(ST21の「YES」参照)、受け渡しユニット41から当該スロットSへウエハWが搬入されて載置され(ST23参照)、一枚のウエハWに対する一連の処理が終了される。
【0075】
他方、当該スロットSが空いていない場合には(ST21の「NO」参照)、制御部50からの信号に基づいて搬入出用搬送装置32が制御されて、搬入出用搬送装置32によってウエハWが受け渡しユニット41からバッファ用のカセットC”内に搬入されて載置される(なお、このウエハWのことを、以下「待機ウエハW」とも呼ぶ。)(ST41参照)。なお、このときウエハWは、例えばバッファ用のカセットC”内で上から順番に載置される。
【0076】
次に、搬入出用搬送装置32によって未処理の別のウエハWがカセットCから搬出されて(ST43参照)、受け渡しユニット41に搬入される。そして、この搬入出用搬送装置32は、次に、洗浄処理などの所定の処理が施された処理済みの別のウエハWを受け渡しユニット41から受け取って、当該処理済みのウエハWをバッファ用のカセットC”内に搬入して載置する(ST45参照)。
【0077】
なお、本実施の形態では、スロット確認部11によって、待機ウエハWを収納すべきスロットSが空いているかが、未処理のウエハWをカセットCから取り出した後(ST43の後)であって処理済みのウエハWをバッファ用のカセットC”に載置する前(ST45の前)に確認される。
【0078】
そして、待機ウエハWが収納されるべきスロットSが、未処理のウエハWをカセットCから取り出すことで空いた場合には、処理済みのウエハWをバッファ用のカセットC”に載置した後(ST45の後)で、搬入出用搬送装置32によって、待機ウエハWがバッファ用のカセットC”から収納されるべきカセットCのスロットSに載置される(ST47の「YES」およびST23参照)。
【0079】
他方、未処理のウエハWをカセットCから取り出した段階でも待機ウエハWが収納されるべきスロットSが空いていない場合には(ST47の「NO」参照)、新たに未処理の別のウエハWが搬入出用搬送装置32によってカセットCから搬出されて(ST43参照)、受け渡しユニット41に搬入される。
【0080】
以降は、上記の工程が繰り返される。なお、バッファ用のカセットC”に複数の待機ウエハWが収納されている場合には、バッファ用のカセットC”内に載置されたウエハWの全てに対して上記の工程が行われるが、バッファ用のカセットC”に収納された順番に関係なく、待機ウエハWの収納されるべきスロットSが空いた時点で、順次、収納されるべきカセットCのスロットSへ待機ウエハWが搬送されるようになってもよいし、バッファ用のカセットC”に収納された順番通りに収納されるべきカセットCのスロットSへ待機ウエハWが搬送されてもよい。
【0081】
上記のように、本実施の形態によれば、処理済みのウエハWが収納されるべきスロットSが空いていない場合には、当該ウエハWは搬入出用搬送装置32によってバッファ用のカセットC”に一旦載置され、その後、指定されたスロットSに載置される。このため、未処理のウエハWが載置されているスロットSに誤って処理済みのウエハWを載置してしまうことなく、処理済みのウエハWをカセットCの空になっている任意のスロットSに載置することができる。
【0082】
また、本実施の形態では、バッファ用のカセットC”にウエハWが収納されている場合には、ウエハWの後で処理されたウエハWもバッファ用のカセットC”に一旦載置されて収納される。このため、バッファ用のカセットC”にウエハWが一旦収納されると、それ以降は同じ動きでウエハWを動かすこととなるので、プログラムの切り換えが不要となり、制御を簡易にすることができる。
【0083】
また、本実施の形態でも、未処理のウエハWの搬出が繰り返し行われ、未処理のウエハWがカセットCから搬出される度に、スロット確認部11によって指定されたスロットSが空いているかが確認される。そして、対象となっているスロットSが空いた場合には、バッファ用のカセットC”から当該スロットSに搬入出用搬送装置32によってウエハWが搬入されて載置される。このため、ウエハWがバッファ用のカセットC”に収納されている時間を極力短くすることができる。
【0084】
[変形例1]
なお、上記では、バッファ用のカセットC”内にウエハWが収納されている場合には、当該ウエハ(待機ウエハ)Wの後で処理されたウエハWも、必ずバッファ用のカセットC”内に収納される態様であったが、これに限られることはない。
【0085】
例えば、バッファ用のカセットC”内にウエハ(待機ウエハ)Wが収納されている場合であっても、待機ウエハWの後で処理されたウエハWに対して指定されたスロットSが空いている場合には、待機ウエハWの後で処理されたこのウエハWを当該スロットSに収納してもよい。
【0086】
より具体的には、スロット確認部11によって、待機ウエハWを収納すべきスロットSと、搬入出用搬送装置32によって受け渡しユニット41から取り出そうとしている処理済みのウエハWを収納すべきスロットSが空いているかが、未処理の別のウエハWをカセットCから取り出した後(ST43の後)であって搬入出用搬送装置32によって受け渡しユニット41から処理済みのウエハWを取り出す前に確認される。
【0087】
そして、受け渡しユニット41から取り出そうとしている処理済みのウエハWを収納すべきスロットSが空いている場合には、当該ウエハWを受け渡しユニット41から取り出したら、バッファ用のカセットC”に当該ウエハWを収納することなく、直接、収納すべきカセットCのスロットSに当該ウエハWを搬入して載置することとなる。
【0088】
このように、本変形例によれば、バッファ用のカセットC”内にウエハWが収納されている場合であっても、スロットSが空いている場合には当該スロットSに載置されるべきウエハWを、バッファ用のカセットC”を経ることなく随時カセットCに搬入することとなるので、生産性を高めることができる。
【0089】
[変形例2]
また、別の変形例として、例えば、基板処理ユニット45で処理された後のウエハWをバッファ用のカセットC”に一旦収納し、バッファ用のカセットC”に収納されたウエハWを、上方に位置するスロットSから順番にカセットC内に載置してもよい。
【0090】
より具体的には、最初に処理の終了したウエハWに対して指定されたスロットSの場所がカセットCの最も上方に位置する場合には、当該ウエハWが受け渡しユニット41から直接、当該スロットSに搬入される。
【0091】
他方、当該ウエハWに対して指定されたスロットSの場所がカセットCの最も上方に位置しない場合には、当該ウエハWは、一度、バッファ用のカセットC”に収納されることになる。そして、カセットCの最も上方に位置するスロットSにウエハWが搬入されるまで、処理済みのウエハWは、全て、バッファ用のカセットC”に収納されることになる。そして、最も上方に位置するスロットSに収納するよう指定されたウエハWが現れると、当該ウエハWが受け渡しユニット41から直接、当該スロットSに搬入される。
【0092】
このようにカセットCの最も上方に位置するスロットSにウエハWが搬入されると、次に、上から2番目のスロットSに搬入されるべきウエハWがカセットC内に搬入される。すなわち、バッファ用のカセットC”に、上から2番目のスロットSに搬入されるべきウエハWが載置されている場合には、バッファ用のカセットC”からカセットCの上から2番目のスロットSに当該ウエハWが搬入され、他方、未だバッファ用のカセットC”に上から2番目のスロットSに搬入されるべきウエハWが載置されていない場合には、上から2番目のスロットSにウエハWが搬入されるまで、受け渡しユニット41に載置された処理済みのウエハWは順次バッファ用のカセットC”に収納される。そして、上から2番目に位置するスロットSに収納するよう指定されたウエハWが現れると、当該ウエハWが受け渡しユニット41から直接、当該スロットSに搬入される。以降は、上から3番目のスロットSに搬入されるべきウエハW、上から4番目のスロットSに搬入されるべきウエハW、…について、上記と同様の処理が行われる。
【0093】
このように、本変形例によれば、上方に位置するスロットSから順番にウエハWが載置される。このため、カセットC内において、処理済みのウエハWの上方に搬入出用搬送装置32のウエハ保持アーム32a,32bが位置づけられず、ウエハ保持アーム32a,32bに付着したゴミなどが処理済みのウエハWに落ちることを未然に防ぐことができる。
【0094】
第3の実施の形態
次に、図9および図10により、本発明の第3の実施の形態について説明する。
【0095】
第2の実施の形態は、指定されたスロットSが空いていない場合には、搬入出用搬送装置32によってウエハWをバッファ用のカセットC”に搬入して収納する態様になっている。これに対して、本実施の形態では、バッファ用の受け渡しユニット41”が複数(本実施の形態では一例として図9に示すように3個)設けられており、指定されたスロットSが空いていない場合には、処理領域用搬送装置42によってウエハWをバッファ用の受け渡しユニット41”に搬入して収納する態様になっている。
【0096】
図9および図10に示す第3の実施の形態において、図1乃至図5に示す第1の実施の形態および図6乃至図8に示す第2の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0097】
本実施の形態の作用および効果について、図10を主に用いて説明する。なお、第1の実施の形態と記載および第2の実施の形態が重複する部分については、適宜省略しつつ説明する。
【0098】
まず、処理されるべきウエハWを収納したカセットCが載置台21に取り付けられる。
【0099】
次に、窓部開閉機構33およびカセットCの蓋体Caが開かれる。
【0100】
次に、制御部50によって、ウエハWが取り出されるスロットSがコンピュータ55または記憶媒体56から読み出される。
【0101】
次に、スロット確認部11によって、ウエハWが取り出されるべきスロットSにウエハWが載置されているかが確認される。そして、搬入出用搬送装置32のウエハ保持アーム32bによって、カセットC内に載置されたウエハWが取り出されて搬出され(ST11参照)、受け渡しユニット41へと搬入される(ST13参照)。
【0102】
次に、受け渡しユニット41内に載置されたウエハWは、処理領域用搬送装置42のウエハ保持アーム42bによって受け取られ、例えばレシピで指定された基板処理ユニット45内へと搬入される(ST15参照)。
【0103】
基板処理ユニット45内へと搬入されたウエハWに対し、洗浄処理などの所定の処理が施される(ST17参照)。
【0104】
次に、制御部50によって、当該ウエハWに対して指定されたスロットSの場所が読み出される(ST19参照)。そして、当該スロットSが空いているかがスロット確認部11によって確認される。
【0105】
ここで、対象となっているスロットSが空いている場合には(ST21の「YES」参照)、所定の処理が施されたウエハWが、処理領域用搬送装置42によって受け取られて、受け渡しユニット41へと搬入される(ST22参照)。
【0106】
そして、搬入出用搬送装置32によって、受け渡しユニット41から収納されるべきカセットCのスロットSへウエハWが搬入されて載置され(ST23参照)、一枚のウエハWに対する一連の処理が終了される。
【0107】
他方、対象となっているスロットSが空いていない場合には(ST21の「NO」参照)、制御部50からの信号に基づいて処理領域用搬送装置42が制御されて、処理領域用搬送装置42によってウエハWがバッファ用の受け渡しユニット41”内に搬入されて載置される(ST51参照)。
【0108】
次に、搬入出用搬送装置32によって未処理の別のウエハWがカセットCから搬出されて(ST53参照)、受け渡しユニット41に搬入される。
【0109】
次に、スロット確認部11によって、待機ウエハWを収納すべきスロットSが空いているかが確認される。
【0110】
そして、待機ウエハWが収納されるべきスロットSが未処理のウエハWをカセットCから取り出すことで空いた場合には(ST55の「YES」参照)、搬入出用搬送装置32によって、バッファ用の受け渡しユニット41”に載置されている待機ウエハWが収納されるべきカセットCのスロットSに載置される(ST23参照)。なお、本実施の形態では、バッファ用の受け渡しユニット41”からカセットCのスロットSに、直接、待機ウエハWが搬送される態様を用いて説明するが、これに限られることはなく、待機ウエハWを受け渡しユニット41に一度搬送したうえで、当該待機ウエハWを受け渡しユニット41からカセットCのスロットSに搬送してもよい。
【0111】
他方、未処理のウエハWをカセットCから取り出した段階でも待機ウエハWが収納されるべきスロットSが空いていない場合には(ST55の「NO」参照)、新たに未処理のウエハWが搬入出用搬送装置32によってカセットCから搬出されて、受け渡しユニット41に搬入される。以降は、上記の工程が繰り返される。
【0112】
なお、対象となっているスロットSが空いていない場合にウエハWがバッファ用の受け渡しユニット41”内に載置されることは、処理済みの各ウエハWに対して行われる。そして、その方法としては、バッファ用の受け渡しユニット(待機ウエハ)41”内にウエハWが収納されている場合には、待機ウエハWの後で処理されたウエハWも必ずバッファ用の受け渡しユニット41”内に収納される態様であってもよいし、バッファ用の受け渡しユニット41”内にウエハWが収納されている場合であっても、待機ウエハWの後で処理されたウエハWに対して指定されたスロットSが空いている場合には、待機ウエハWの後で処理されたこのウエハWをバッファ用の受け渡しユニット41”に載置することなく対象となっているスロットSに収納してもよい。
【0113】
また、本実施の形態では、バッファ用の受け渡しユニット41”が3つ設けられているので、3つのウエハWをバッファ用の受け渡しユニット41”に載置することができるが、バッファ用の受け渡しユニット41”の数を増やすことで、より多くのウエハWを待機させることも可能である。
【0114】
ところで、バッファ用の受け渡しユニット41”に複数の待機ウエハWが収納されている場合には、バッファ用の受け渡しユニット41”に収納された順番に関係なく、待機ウエハWの収納されるべきスロットSが空いた時点で、順次、収納されるべきカセットCのスロットSへ待機ウエハWが搬送されるようになってもよいし、バッファ用の受け渡しユニット41”に収納された順番通りに収納されるべきカセットCのスロットSへ待機ウエハWが搬送されてもよい。
【0115】
上記のように、本実施の形態によれば、処理済みのウエハWが収納されるべきスロットSが空いていない場合には、当該ウエハWは処理領域用搬送装置42によってバッファ用の受け渡しユニット41”に一旦載置され、その後、指定されたスロットSに載置される。このため、未処理のウエハWが載置されているスロットSに誤って処理済みのウエハWを載置してしまうことなく、処理済みのウエハWをカセットCの空になっている任意のスロットSに載置することができる。
【0116】
また、本実施の形態でも、未処理のウエハWの搬出が繰り返し行われ、未処理のウエハWがカセットCから搬出される度に、スロット確認部11によって指定されたスロットSが空いているかが確認される。そして、対象となっているスロットSが空いた場合には、バッファ用の受け渡しユニット41”から当該スロットSにウエハWが搬入されて載置される。このため、ウエハWがバッファ用の受け渡しユニット41”に収納されている時間を極力短くすることができる。
【0117】
なお、上記では、第1−第3の実施の形態を別個に説明したが、これら第1−第3の実施の形態を任意組合せ、あるいは、全て組合せてもよい。
【0118】
すなわち、例えば第1の実施の形態と第3の実施の形態とを組み合わせて、指定されたスロットSが空いていない場合には、とりあえず処理領域用搬送装置42でバッファ用の受け渡しユニット41”にウエハWを搬入して載置し、受け渡しユニット41”にウエハWを搬入することができなくなった場合には、処理済みのウエハWの搬送を一旦停止し、未処理のウエハWのカセットCからの搬出のみを行ってもよい。そして、指定されたスロットSが空き次第、待機ウエハWの搬出が開始され、他方、指定されたスロットSが最終的に空かなかった場合には、処理領域用搬送装置42および搬入出用搬送装置32によって、基板処理装置内のウエハWの全てが緊急カセットC’内に搬入されて収納されてもよい。
【0119】
また、例えば第2の実施の形態と第3の実施の形態とを組み合わせて、バッファ用のカセットC”とバッファ用の受け渡しユニット41”の両方を設けて、指定されたスロットSが空いていない場合には、搬送部32,42によってウエハWをバッファ用のカセットC”とバッファ用の受け渡しユニット41”に搬入してもよい。
【符号の説明】
【0120】
11 スロット確認部
12 警告部
20 載置領域
21 載置台(載置部)
30 搬送領域
32 搬入出用搬送装置(搬送部)
40 処理領域
41 受け渡しユニット
41” バッファ用の受け渡しユニット
42 処理領域用搬送装置(搬送部)
45 基板処理ユニット(基板処理部)
50 制御部
55 コンピュータ
56 記憶媒体
C カセット
C’ 緊急カセット
C” バッファ用のカセット
S スロット
W ウエハ(被処理基板)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のスロットを有し該スロットに被処理基板が収納されたカセットから、該被処理基板を取り出して処理する基板処理装置において、
前記被処理基板を処理する基板処理部と、
前記被処理基板を前記カセットから前記基板処理部へ搬送するとともに、該基板処理部で処理された該被処理基板を該基板処理部から該カセットへ搬送して、該カセット内に載置するための搬送部と、
前記スロットが空いているかを確認するスロット確認部と、
前記被処理基板を前記基板処理部で処理した後であって前記カセットに載置する前に、前記基板処理部で処理された後で収納される被処理基板毎に指定されたスロットを読み出し、該スロットが空いているかを前記スロット確認部に確認させる制御部と、
を備えたことを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記スロット確認部による確認の結果、前記制御部で読み出された前記スロットが空いていない場合には、前記搬送部による該スロットへの搬送を停止させることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記スロット確認部による確認の結果、前記制御部で読み出された前記スロットが空いていない場合には、該スロットが空いていないことを警告する警告部をさらに備えたことを特徴とする請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記搬送部は、前記制御部で読み出された前記スロットが空いていない場合に、前記被処理基板とは異なる未処理の別の被処理基板を前記カセットから搬出することを特徴とする請求項2または3のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記搬送部が前記被処理基板とは異なる未処理の別の被処理基板を前記カセットから搬出した後で、前記スロット確認部は、前記制御部で読み出された前記スロットが空いているかを再度確認することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記搬送部が前記被処理基板とは異なる未処理の別の被処理基板を前記カセットから搬出した後で、前記制御部で読み出された前記スロットが空いていない場合には、該スロットが空いていないことを警告する警告部をさらに備えたことを特徴とする請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記スロット確認部による確認の結果、前記制御部で読み出された前記スロットが空いていない場合であって、かつ、前記搬送部が前記被処理基板とは異なる未処理の別の被処理基板を前記カセットから搬出することができなくなった際に、前記基板処理部で処理された後の前記被処理基板を搬入するための緊急カセットをさらに備えたことを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記スロット確認部による確認の結果、前記制御部で読み出された前記スロットが空いていない場合に、前記搬送部によって前記被処理基板を搬入して収納するためのバッファ部をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記バッファ部に前記被処理基板が収納されている場合には、該被処理基板の後で処理された被処理基板も該バッファ部に収納されることを特徴とする請求項8に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記バッファ部に前記被処理基板が収納されている場合であっても、該被処理基板の後で処理された被処理基板に対して前記制御部で読み出されたスロットが空いている場合には、該被処理基板の後で処理された被処理基板を当該スロットに収納することを特徴とする請求項8に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記基板処理部で処理された後の被処理基板を前記バッファ部に収納し、該バッファ部に収納された該被処理基板を、上方に位置する前記スロットから順番に前記カセット内に載置することを特徴とする請求項8に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記搬送部が前記被処理基板とは異なる未処理の別の被処理基板を前記カセットから搬出した後で、前記スロット確認部は、前記制御部で読み出された前記スロットが空いているかを再度確認することを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項13】
複数のスロットを有し該スロットに被処理基板が収納されたカセットから、該被処理基板を取り出して処理する基板処理方法において、
前記被処理基板を前記カセットから前記基板処理部へ搬送することと、
前記被処理基板を前記基板処理部で処理することと、
前記基板処理部で処理された前記被処理基板を、該基板処理部から前記カセットへ搬送して該カセット内に載置することと、を備え、
前記被処理基板を前記基板処理部で処理した後であって前記カセットに載置する前に、前記基板処理部で処理された後で収納される被処理基板毎に指定されたスロットを読み出し、該スロットが空いているかを確認することを特徴とする基板処理方法。
【請求項14】
基板処理装置に基板処理方法を実行させるためのコンピュータプログラムを格納した記憶媒体において、
前記基板処理方法は、複数のスロットを有し該スロットに被処理基板が収納されたカセットから、該被処理基板を取り出して処理する方法であって、
前記被処理基板を前記カセットから前記基板処理部へ搬送することと、
前記被処理基板を前記基板処理部で処理することと、
前記基板処理部で処理された前記被処理基板を、該基板処理部から前記カセットへ搬送して該カセット内に載置することと、を備え、
前記被処理基板を前記基板処理部で処理した後であって前記カセットに載置する前に、前記基板処理部で処理された後で収納される被処理基板毎に指定されたスロットを読み出し、該スロットが空いているかを確認する方法であることを特徴とする記憶媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−60078(P2012−60078A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−204681(P2010−204681)
【出願日】平成22年9月13日(2010.9.13)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】