説明

基板処理装置、基板処理方法及びその基板処理方法を実行させるためのプログラムを記録した記憶媒体

【課題】基板の膜種、表面状態、基板の検出位置等に影響されることなく、基板の保持状態を正確に検出することができる基板処理装置を提供する。
【解決手段】基板を処理する基板処理装置において、基板を載置する載置台32と、載置台32を基板とともに回転させる回転部35と、基板の表面に光を照射する光源88と、基板の表面に照射された光が表面で反射した光の光量を検出する検出部89と、回転部35及び検出部89の動作を制御する制御部100とを有し、制御部100は、検出した光量の検出値が予め決められた所定値よりも小さいか否かを判定する判定処理を、回転部35により基板の検出位置を変えながら複数回行い、検出値が所定値よりも小さいと判定された回数の合計が予め決められた回数に達したとき、基板の保持状態が正常でないと判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置、基板処理方法及びその基板処理方法を実行させるためのプログラムを記録した記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造プロセスやフラットパネルディスプレー(FPD)の製造プロセスにおいては、半導体ウェハやガラス基板等の各種の基板に処理液を供給して処理を行うプロセスが多用されている。このようなプロセスとしては、例えば、基板の表面に付着したパーティクルや、大気との接触により形成された自然酸化膜を除去するための、各種の処理液による洗浄処理等を挙げることができる。
【0003】
上記したような洗浄処理等のプロセスを基板に対して行う基板処理装置としては、枚葉式の複数の基板処理部と、搬送部とを備えたものが用いられている。搬送部は、これら基板処理部への基板の搬入出を行う。
【0004】
基板処理部は、例えば、回転テーブル、複数の保持部及びノズルヘッドを有する。保持部は、回転テーブルに複数設けられ、搬送部により回転テーブルに載置される基板の周縁部を保持する。ノズルヘッドは、回転テーブルの上面側に位置しており、回転テーブルに載置された基板の上面に処理液等を供給する。
【0005】
また、基板処理装置には、保持部に保持された基板の保持状態を検出する検出手段を有するものがある(例えば、特許文献1参照。)。検出手段は、光源と受光素子を含む。光源は、例えばレーザ光よりなる光を出力するものであり、回転テーブル径方向外方の上部に配置されている。受光素子は、光源と同様、回転テーブルの径方向外方の上部に配置されている。受光素子は、光源から照射され、基板の上面で反射した光が受光素子に入射されるように、配置されており、受光素子に入射する光の光量の変化から保持部に保持された基板の水平からの傾き角度を検出することによって、基板の保持状態を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−229403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、上記した基板処理装置における基板処理方法においては、次のような問題がある。
【0008】
例えばレーザ光を基板の上面で反射させると、想定された光量を検出することができないことがある。そのため、実際は基板を正常に保持しているにも関わらず、基板を正常に保持していないものと判断され、基板の保持状態が誤検出されることがある。また、基板の検出位置を変えたときに、検出位置によって、基板の保持状態が誤検出されることがある。本発明の発明者は、このような誤検出が基板上に形成されている膜種、基板上で加工されている膜の表面状態等の影響により発生することを見出した。
【0009】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、基板の膜種、表面状態、基板の検出位置等に影響されることなく、基板の保持状態を正確に検出することができる基板処理装置及び基板処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために本発明では、次に述べる各手段を講じたことを特徴とするものである。
【0011】
本発明の一実施例によれば、基板を処理する基板処理装置において、基板が載置される載置台と、前記載置台の中心を回転軸として、前記載置台を前記基板とともに回転させる回転部と、前記基板の表面に光を照射する光源と、前記基板の表面に照射された光が前記基板の表面で反射した光量を検出する検出部と、前記回転部及び前記検出部の動作を制御する制御部とを有し、前記制御部は、検出した前記光量の検出値が予め決められた所定値よりも小さいか否かを判定する判定処理を、前記基板の検出位置を変えながら複数回行い、前記検出値が前記所定値よりも小さいと判定された回数の合計が予め決められた回数に達したとき、前記基板の保持状態が正常でないと判定するものである、基板処理装置が提供される。
【0012】
また、本発明の他の一実施例によれば、基板を処理する基板処理方法において、載置台に載置されている基板を保持部により保持する保持工程と、前記基板の表面に照射した光が前記基板の表面で反射した光量を検出部により検出する検出工程と、検出した検出値が所定値よりも小さいか否かを判定する判定工程とを有し、前記検出工程は、前記載置台の中心を回転軸として、前記保持部により保持された前記基板を回転させ、前記基板の検出位置を変えながら複数回行い、前記判定工程は、前記検出値が前記所定値よりも小さいと判定された回数の合計が所定回数に達したとき、前記基板の保持状態が正常でないと判定する、基板処理方法が提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、基板の膜種、表面状態、基板の検出位置等に影響されることなく、基板の保持状態を正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施の形態に係る基板処理装置の概略構成を示す平面図である。
【図2】液処理ユニットの縦断面図である。
【図3】液処理ユニットの処理液供給機構の構成を示す概略図である。
【図4】保持プレート及びクランプ部材の構成を示す平面図である。
【図5】液処理ユニットの基板保持機構の構成を示す縦断面であって、リフトピンプレート及び洗浄液供給管が下方位置にあるときの状態を示す図である。
【図6】液処理ユニットの基板保持機構の構成を示す縦断面であって、リフトピンプレート及び洗浄液供給管が上方位置にあるときの状態を示す図である。
【図7】レーザセンサ、ウェハ及びミラー部材の配置関係を模式的に示す平面図である。
【図8】光に沿って視たときのミラー部材の構成を示す図である。
【図9】プロセスコントローラがレーザセンサを制御する制御系の構成を示す図である。
【図10】実施の形態に係る基板処理装置を用いた基板処理方法における各工程の手順を説明するためのフローチャート(その1)である。
【図11】実施の形態に係る基板処理装置を用いた基板処理方法における各工程の手順を説明するためのフローチャート(その2)である。
【図12】ウェハの保持状態が正常であるときを示す図(その1)である。
【図13】ウェハの保持状態が正常であるときを示す図(その2)である。
【図14】ウェハの保持状態が正常でないときを示す図(その1)である。
【図15】ウェハの保持状態が正常でないときを示す図(その2)である。
【図16】検出回数と光量の検出値との関係の一例を模式的に示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明を実施するための形態について図面と共に説明する。ここでは、本発明を半導体ウェハ(以下、単に「ウェハ」と記す。)の表面洗浄を行う基板処理装置に適用した場合について示す。
(実施の形態)
始めに、図1を参照し、本発明の実施の形態に係る基板処理装置の概略構成について説明する。
【0016】
図1は本実施の形態に係る基板処理装置の概略構成を示す平面図である。
【0017】
この基板処理装置10は、複数のウェハWを収容するウェハキャリアWCを載置し、ウェハWの搬入・搬出を行う搬入出ステーション(基板搬入出部)1と、ウェハWに洗浄処理を施すための処理ステーション(液処理部)2とを備えている。搬入出ステーション(基板搬入出部)1及び処理ステーション(液処理部)2は、隣接して設けられている。
【0018】
搬入出ステーション1は、キャリア載置部11、搬送部12、受け渡し部13及び筐体14を有している。キャリア載置部11は、複数のウェハWを水平状態で収容する4個のウェハキャリアWCを載置する。搬送部12は、ウェハWの搬送を行う。受け渡し部13は、ウェハWの受け渡しを行う。筐体14は、搬送部12および受け渡し部13を収容する。
【0019】
搬送部12は、搬送機構15を有している。搬送機構15は、ウェハWを保持するウェハ保持アーム15a及びウェハ保持アーム15aを前後に移動させる機構を有している。また搬送機構15は、ウェハキャリアWCの配列方向であるX方向に延在する水平ガイド17に沿って移動させる機構、垂直方向に設けられた図示しない垂直ガイドに沿って移動させる機構、水平面内で回転させる機構を有している。この搬送機構15により、ウェハキャリアWCと受け渡し部13との間でウェハWが搬送される。
【0020】
受け渡し部13は、受け渡しステージ19上に、ウェハWを載置可能な載置部を複数備えた受け渡し棚20を有している。受け渡し部13は、この受け渡し棚20を介して処理ステーション2との間でウェハWの受け渡しが行われるようになっている。
【0021】
処理ステーション2は、直方体状をなす筐体21を有している。処理ステーション2は、筐体21内には、その中央にウェハキャリアWCの配列方向であるX方向に直交するY方向に沿って延びる搬送路を構成する搬送室21aと、搬送室21aの両側に設けられた2つのユニット室21b、21cとを有している。ユニット室21b、21cにはそれぞれ搬送室21aに沿って6個ずつ合計12個の液処理ユニット22が水平に配列されている。
【0022】
搬送室21aの内部には搬送機構24が設けられている。搬送機構24は、ウェハWを保持するウェハ保持アーム24aを前後に移動させる機構を有している。また、搬送機構24は、搬送室21aに設けられた水平ガイド25に沿ってY方向に移動させる機構、垂直方向に設けられた図示しない垂直ガイドに沿って移動させる機構、水平面内で回転させる機構を有している。この搬送機構24により、各液処理ユニット22に対するウェハWの搬入出が行われる。
【0023】
次に、本実施の形態に係る基板処理装置に搭載された液処理ユニット22について説明する。
【0024】
図2は、液処理ユニット22の縦断面図である。
【0025】
液処理ユニット22は、ケーシング31と、ケーシング31内に設けられ、ウェハWを保持する基板保持機構32と、基板保持機構32によって保持されたウェハWに処理液を供給する処理液供給機構33と、基板保持機構32を回転させる回転機構35(モータ51)とを備えている。
【0026】
なお、基板保持機構32は、ウェハWが載置されることによって、ウェハWを保持するものであり、本発明における載置台に相当する。また、クランプ部材43は、本発明における保持部に相当する。また、回転機構35は、本発明における回転部に相当する。
【0027】
ケーシング31内であって基板保持機構32の周縁外方には、ウェハWを洗浄した後の処理液を受ける環状の排液カップ36が配置されている。そして、この排液カップ36には、排液カップ36を経た処理液を排出する排液管37が連結されている。また、ケーシング31の側壁には、ウェハWを出し入れするための出入口31aが設けられている。
【0028】
なお、ケーシング31は、本発明における筐体に相当する。
【0029】
基板保持機構32は、リフトピンプレート41、保持プレート42、クランプ部材43を有する。リフトピンプレート41及び保持プレート42は、水平に設けられており、円板状をなしている。保持プレート42の周縁部には、ウェハWの周縁部を保持するためのクランプ部材43が設けられている。なお、リフトピンプレート41、保持プレート42及びクランプ部材43の詳細な構造については、後述する。
【0030】
保持プレート42の下面の中心部には、下方鉛直に延びる円筒状の回転軸42aが連結されている。また、保持プレート42の中心部には、円筒状の回転軸42aの孔42bに連通する円形の孔42cが形成されており、回転軸42aの孔42bの内部には、洗浄液供給管46が設けられている。洗浄液供給管46内には、ウェハWの裏面(下面)に向けて処理液を供給する裏面処理液供給路46aが設けられている。
【0031】
洗浄液供給管46は、第1の部材46bを介して昇降機構47に接続されており、上下方向に昇降自在に設けられている。
【0032】
洗浄液供給管46には、第2の部材46cが接続されている。そして、第2の部材46cには、3つの棒状の第3の部材46dが第2の部材46cから上方に延びるように接続されている。第3の部材46dは、リフトピンプレート41の裏面から下方に延びるように設けられた、後述する各接続部材41cに対応して設けられている。また、第3の部材46dは、昇降部材47により洗浄液供給管46が上方に移動する際に、接続部材41cを上方に押し上げることができる。
【0033】
回転軸42aは、軸受け部材48を介してベースプレート40に回転可能に支持されており、回転機構35により回転駆動される。
【0034】
ケーシング31内の上方部には、基板処理装置のファン・フィルター・ユニット(FFU)(図示せず)からの気体を、導入口31bを介して導入するための気体導入部55が設けられている。そして、導入口31bを介して導入された清浄空気(気体)を、基板保持機構32に保持されたウェハW上方の空間に供給する。
【0035】
また、気体導入部55と、ケーシング31内であって基板保持機構32等が設けられている空間56との間には、仕切り部材57が設けられている。仕切り部材57には、気体導入部55から空間56へ気体が流れるため、及び、後述するレーザセンサ45とウェハWとの間でレーザ光が通過するために、孔部57aが形成されている。
【0036】
排液カップ36の周縁外方には、気体導入部55から供給されてウェハWを経た清浄空気を取り込んで排気する環状の排気カップ58が配置されている。排気カップ58には、排気カップ58を経た気体を排出する排気管59が連結されている。
【0037】
図3は、液処理ユニット22の処理液供給機構33の構成を示す概略図である。
【0038】
図2及び図3に示すように、処理液供給機構33は、基板保持機構32によって保持されたウェハWの表面に処理液を供給するノズル61a、61bを有するノズルブロック61を有している。また、処理液供給機構33は、ノズルブロック61に連結され、ノズルブロック61を基板保持機構32に保持されたウェハWの表面に沿って移動させるノズルアーム62と、ノズルアーム62から下方鉛直方向に向かって延びるノズル揺動軸63とを有している。また、処理液供給機構33は、ノズル揺動軸63を駆動するノズル駆動部64を有している。
【0039】
処理液供給機構33のノズル61a、61bを有するノズルブロック61、ノズルアーム62およびノズル揺動軸63内には、処理液が通過する処理液流路70と、リンス液が通過するリンス液流路71が設けられている。
【0040】
処理液流路70は、第1バルブ77を介してアンモニア過水(SC1)を供給するSC1供給源73と連通されている。また、リンス液流路71は、第2バルブ79を介して純水(DIW)を供給するDIW供給源75と連通されている。
【0041】
また、裏面処理液供給路46aへ処理液を供給する機構は、上述した処理液供給機構33と同様の構成からなっている。
【0042】
第1バルブ77、第2バルブ79の各々には制御部100が接続されており、それぞれのバルブは、制御部100により制御される。
【0043】
なお、SC1以外に、例えば希フッ酸(DHF)、BHF(HFとNHFの混合溶液)、LAL(BHFと界面活性剤との混合溶液)を供給してもよい。また、乾燥溶媒として例えばIPA(イソプロピルアルコール)を供給してもよい。
【0044】
図4は、保持プレート42及びクランプ部材43の構成を示す平面図である。図5及び図6は、液処理ユニット22の基板保持機構32の構成を示す縦断面であって、リフトピンプレート41及び洗浄液供給管46がそれぞれ下方位置又は上方位置にあるときの状態を示す図である。
【0045】
図4に示すように、保持プレート42の周縁部近傍において、周方向に沿って互いに異なる位置に配置された、複数のクランプ部材43が設けられている。本実施の形態では、一例として、3つのクランプ部材43が、保持プレート42に保持されているウェハWの周方向に沿って等間隔に設けられている。
【0046】
リフトピンプレート41は円板形状のものからなり、その中心部分には貫通孔41aが形成されている。貫通孔41aには洗浄液供給管46が通されている。リフトピンプレート41の表面には、3本のリフトピン41bが設けられている。リフトピン41bは、リフトピンプレート41の中心部と周縁部との間において、周方向に沿って等間隔で設けられている。また、リフトピンプレート41の裏面には、下方に延びる3つの棒状の接続部材41cが設けられている。接続部材41cは、リフトピンプレート41の中心部と周縁部との間において、周方向に等間隔で設けられている。
【0047】
保持プレート42には、接続部材41cの各々が通過するように、3つの貫通孔42dが形成されている。各貫通孔42dは、保持プレート42の周方向に等間隔で設けられている。また、保持プレート42の裏面において、各貫通孔42dの箇所には、保持プレート42の裏面から下方に延びる3つの円筒形状の収容部材42eが設けられている。各収容部材42eは、各接続部材41cを収容する。これらの収容部材42eは、保持プレート42の周縁部近傍において周方向に等間隔で設けられている。
【0048】
円筒形状の各収容部材42eの内径は各接続部材41cの外径よりもやや大きくなっており、各収容部材42eの長手方向(図5及び図6の上下方向)に沿って各接続部材41cが各収容部材42e内で移動できる。図5に示すように、リフトピンプレート41が下方位置にあるときは、各接続部材41cは各収容部材42eに収容された状態となる。これにより、保持プレート42を回転させたときに、各接続部材41cを介してリフトピンプレート41も連動して回転する。一方、図6に示すように、リフトピンプレート41が上方位置にあるときは、各接続部材41cはその下部における一部分のみが各収容部材42eに収容された状態となり、各接続部材41cは貫通孔42dを通過して保持プレート42から上方に突出する。
【0049】
各収容部材42eの中空部分にはバネ42fが圧縮された状態で収容されている。バネ42fが圧縮状態から元の状態に戻ろうとする力により、接続部材41cには常に下向きの力(保持プレート42から下方に移動しようとする力)が加えられている。
【0050】
保持プレート42には、ウェハWを側方からクランプするためのクランプ部材43が設けられている。クランプ部材43は、図5に示すようにリフトピンプレート41が下方位置にあるときにウェハWを側方から保持し、一方、図6に示すようにリフトピンプレート41が上方位置にあるときにウェハWから離間する。
【0051】
クランプ部材43は、ウェハWを側方から保持する保持部材43bと、軸43aに関して保持部材43bと反対側に設けられた被押圧部材43cとを有し、保持プレート42に軸支する軸43aを中心として回動する。
【0052】
クランプ部材43は、リフトピンプレート41が上方位置から下方位置に移動したときに、リフトピンプレート41の下面により被押圧部材43cが下方に押圧されることによって、軸43aを中心として回転する。そして、クランプ部材43が軸43aを中心として回動することによって、保持部材43bがウェハWに向かってウェハWの側方から移動し、ウェハWに対して前進する。これにより、図5に示すように、リフトピンプレート41が下方位置に到達したときに、ウェハWがクランプ部材43により側方から保持されることとなる。また、図5に示すように、ウェハWがクランプ部材43により側方から保持されたときに、ウェハWはリフトピン41bの先端から上方に離間し、リフトピン41bから上方に浮いた状態となる。
【0053】
なお、クランプ部材43は、ウェハWに対して進退可能に設けられてなるとともに、ウェハWに対して前進することによってウェハWの周縁部を保持するものであればよく、軸43aを中心として回動可能に設けられる場合に限られない。
【0054】
次に、レーザセンサ45について説明する。レーザセンサ45は、例えば反射型レーザセンサよりなり、光源88及び受光素子89を有する。なお、受光素子89は、本発明における検出部に相当する。
【0055】
図7は、レーザセンサ45、ウェハW及びミラー部材90の配置関係を模式的に示す平面図である。図8は、光L1に沿って視たときのミラー部材90の構成を示す図である。
【0056】
光源88は、光をクランプ部材43に保持されているウェハWの表面であって、ウェハWの中心以外の領域A1に光を照射する。光源88として、例えば赤色レーザ光等のレーザ光を発光するレーザ、発光ダイオード(LED)等を用いることができる。なお、本実施の形態では、ウェハWの上面にレーザ光を照射するが、ウェハWの表面に光を照射して反射すればよく、ウェハの周側面又は下面に光を照射してもよい。
【0057】
受光素子89は、ウェハWの表面で反射した光の光量を検出する。受光素子89として、フォトダイオード、フォトトランジスタ等を用いることができる。
【0058】
なお、光源88と受光素子89とは、別体で設けられていてもよく、光源88が受光素子89と異なる位置に設けられていてもよい。
【0059】
図2及び図7に示すように、光源88と受光素子89とが一体で設けられているときは、ミラー部材90が設けられていてもよい。ミラー部材90は、以下のような光路を形成するような配置で設けられている。すなわち、ミラー部材90は、光源88からウェハWの上面の領域A1に照射された光Lが反射した光L1の光路上に設けられている。そして、光L1がミラー部材90に入射すると、入射した光L1はミラー部材90で反射し、反射した光L2が再びウェハWの上面の領域A1又はその近傍に照射される。ウェハWの上面の領域A1又はその近傍に照射された光L2は、ウェハWの上面の領域A1又はその近傍で反射し、反射した光L3が受光素子89に受光される。
【0060】
図8に示すように、ミラー部材90は、光を反射しない無反射部91の中心部に光を反射する反射部92が設けられている。例えば無反射部91の中心部をくり抜き、くり抜いた部分に金属板を取り付けたものでもよく、あるいは、無反射部91の中心部に金属膜を蒸着したもの等各種の構成を有することができる。
【0061】
レーザセンサ45は、ケーシング31の外側に設けられている。このとき、ケーシング31は、少なくとも一部がウェハWの上面で反射された光を透過する透過部材31cよりなる。そして、ケーシング31、透過部材31c、及びレーザセンサ45は、レーザセンサ45の光源88からのレーザ光が透過部材31cを通過してウェハWの上面に照射されるとともに、ウェハWの上面で反射した光が透過部材31cを通過してレーザセンサ45の受光素子89に受光されるように、配置されている。透過部材31cとしては、透明性、及び、処理液等の各種の薬品への耐性の点から、例えばポリ塩化ビニル(PVC)等の樹脂又は石英ガラスを用いることができる。
【0062】
また、ミラー部材90は、ケーシング31の外側に設けられていてもよく、図2に示すように、仕切り部材57の上方すなわち気体導入部55に設けられていてもよい。
【0063】
制御部100は、マイクロプロセッサ(コンピュータ)からなるプロセスコントローラ101を有しており、基板処理装置10の各構成部がこのプロセスコントローラ101に接続されて制御される構成となっている。また、プロセスコントローラ101には、工程管理者が基板処理装置10の各構成部を管理するためにコマンドの入力操作などを行うキーボードや、基板処理装置10の各構成部の可動状況を可視化して表示するディスプレイ等からなるユーザーインターフェース102が接続されている。さらに、プロセスコントローラ101には、基板処理装置10で実行される各種処理をプロセスコントローラ101の制御にて実現するための制御プログラムや、処理条件に応じて基板処理装置10の各構成部に所定の処理を実行させるための制御プログラムすなわちレシピが格納された記憶部103が接続されている。レシピは記憶部103の中の記憶媒体に記憶されている。記憶媒体は、ハードディスクや半導体メモリであってもよい。また、他の装置から、例えば専用回線を介してレシピを適宜伝送させるようにしてもよい。
【0064】
そして、必要に応じて、ユーザーインターフェース102からの指示等にて任意のレシピを記憶部103から呼び出してプロセスコントローラ101に実行させる。これにより、プロセスコントローラ101の制御下で、モータ51、昇降機構47、レーザセンサ45、処理液供給機構33を含む各部材を制御し、基板処理装置10での所望の処理が行われる。
【0065】
図9は、プロセスコントローラ101がレーザセンサ45を制御する制御系の構成を示す図である。
【0066】
プロセスコントローラ101は、例えばマイクロコントローラ104とIOボード105を有している。マイクロコントローラ104は、IOボード105を介して制御信号をレーザセンサ45の光源88に入力する。制御信号が入力された光源88は、光をウェハWに照射する。ウェハWに照射された光がウェハWの上面、ミラー部材90、再びウェハWの上面で反射され、反射された光が受光素子89に検出される。受光素子89で検出された光は、レーザセンサ45内に設けられた例えばアンプにより増幅されて検出信号となり、検出信号は、IOボード105を介してマイクロコントローラ104に入力される。マイクロコントローラ104では、入力された検出信号に基づいて、ウェハWの保持状態が正常であるか否かを判定する。
【0067】
また、IOボード105には、デジタル信号を入出力するポートPRT1に加え、アナログ信号を入出力するポートPRT2を有していてもよい。
【0068】
次に、上記した制御部100により液処理ユニット22を用いて行なわれる基板処理方法について説明する。
【0069】
図10及び図11は、本実施の形態に係る基板処理装置を用いた基板処理方法における各工程の手順を説明するためのフローチャートである。
【0070】
予め、搬入出ステーション1のキャリア載置部11に載置されたウェハキャリアWCから搬送機構15によりウェハWを取り出して受け渡し棚20の載置部に載置し、この動作を連続的に行う。
【0071】
そして、ステップS11では、受け渡し棚20の載置部に載置されたウェハWは、処理ステーション2の搬送機構24により順次搬送されて、いずれかの液処理ユニット22に搬入される。液処理ユニット22では、ウェハ保持アーム24aが、出入口31aを通って、ケーシング31の外部から内部へ前進する。ウェハ保持アーム24aがケーシング31の内部へ前進した状態で、昇降機構47によりリフトピンプレート41が下方位置から上方位置に移動し、ウェハWは、ウェハ保持アーム24aからリフトピンプレート41のリフトピン41bに受け渡される。リフトピン41bにウェハWが受け渡された状態で、ウェハ保持アーム24aを出入口31aを通ってケーシング31の内部から外部へ後退させ、昇降機構47によりリフトピンプレート41を上方位置から下方位置に移動させる。そして、リフトピンプレート41を下方位置に移動させるときに、リフトピンプレート41の下面により被押圧部材43cが下方に押圧され、クランプ部材43が軸43aを中心として回動することによって、ウェハWはクランプ部材43に側方から保持される(保持工程)。
【0072】
次いで、ステップS12では、レーザセンサ45の光源88からレーザ光Lを発光する(レーザON)。そして、発光されたレーザ光Lはケーシング31の透過部材31cを通してウェハWの上面であって、ウェハWの中心以外の領域A1に照射される。次いで、ステップS13において、クランプ部材43に保持されたウェハWを、モータ51により保持プレート42の中心を回転軸として、クランプ部材43とともに回転させると同時に(モータ回転開始)、図11に示すステップS31〜ステップS35を行う。
【0073】
ステップS31では、ウェハWに照射された光がウェハWの上面、ミラー部材90、再びウェハWの上面で反射され、反射された光L3の光量をレーザセンサ45の受光素子89により検出する(検出工程)。そして、ステップS32では、光量を検出した検出値が所定値よりも小さいか否かを判定する(判定工程)。
【0074】
この所定値は、処理を行う前に予め決定しておく。具体的には、例えば以下のようにして決定することができる。予め、ウェハWの保持状態が正常であるときにレーザセンサ45で検出される検出値(正常時の検出値)と、ウェハWの保持状態が正常でないときにレーザセンサ45で検出される検出値(異常時の検出値)とを検出しておく。そして、所定値が、正常時の検出値の最小値よりも小さい値になるように決定する。
【0075】
図12及び図13に示すように、ウェハWが所定の位置に保持されているとき、すなわちウェハWの保持状態が正常であるときは、レーザセンサ45からのレーザ光LがウェハWの上面の領域A1で反射された光L1は、ミラー部材90の反射部92内の領域A2に入射する。光L1が領域A2に入射すると、入射した光L1は領域A2で反射し、反射した光L2が再びウェハWの上面の領域A1又はその近傍に照射される。ウェハWの上面の領域A1又はその近傍に照射された光L2は、ウェハWの上面の領域A1又はその近傍で反射し、反射した光L3が受光素子89に受光されることによって、ウェハWの上面で反射された光量が検出される。このとき、レーザセンサ45の受光素子89により検出される光量の検出値は、相対的に大きくなる。
【0076】
一方、図14及び図15に示すように、例えばクランプ部材43の上に乗り上げているときなど、ウェハWが所定の位置に保持されていないとき、すなわちウェハWの保持状態が正常でないときを考える。すると、レーザセンサ45からのレーザ光Lは、クランプ部材43の上に乗り上げているウェハWの上面の領域A1に照射される。領域A1に照射されたレーザ光Lは、領域A1で反射される。しかし、ウェハWの保持状態が正常でないときは、ウェハWが水平面から傾いているため、領域A1で反射された光L1´の光路は、図12に示す光L1の光路とは異なる。従って、反射された光L1´はミラー部材90の反射部92以外の領域、又は、ミラー部材90の周辺の領域である、領域A2´に照射される。そして、領域A2´に照射された光L1´のうち、再びウェハWの上面の領域A1又はその近傍で反射された光が受光素子89に戻る割合はほとんど零近くまで減少する。従って、レーザセンサ45の受光素子89により検出される光量の検出値は、相対的に小さくなる。
【0077】
予め、ステップS31を行う前、検出した検出値が所定値よりも小さいと判定された判定工程(判定処理)の回数の合計である回数パラメータNを0としておく。そして、ステップS32において、受光素子89により検出された検出値が所定値よりも小さくないときは、回数パラメータを、現在値Nに1を加算せずNのままとし、再びステップS31(検出工程)とステップS32(判定工程)を行う。一方、ステップS32において、受光素子89により検出された検出値が所定値よりも小さいときは、回数パラメータを、現在値Nに1を加算することによってN+1とし、再びステップS31(検出工程)とステップS32(判定工程)を行う。
【0078】
ステップS13により、ウェハWは保持プレート42の中心を回転軸として回転しているため、制御部100は、ステップS31(検出工程)を、ウェハW上の検出位置を変えながら連続的に行う。連続的に検出した検出値から、任意に複数個の検出値を抽出して所定値と比較・判定する。また、例えばステップS32(判定工程)からステップS31(検出工程)に戻るときに待ち時間(ポーズ)を挿入する等により、検出位置を連続的に変えず、所定の間隔になるように又はランダムに検出位置を変えながら、ステップS31(検出工程)とステップS32(判定工程)を複数回行うようにしてもよい。
【0079】
このようにしてステップS31(検出工程)とステップS32(判定工程)を複数回行った後、ステップS34を行う。ステップS34では、検出値が所定値よりも小さいと判定された判定工程(判定処理)の回数の合計である回数パラメータNが所定回数に達しているかを判定する。この回数パラメータNの所定回数についても、処理開始前に正常時と異常時の検出値をもとに決めておく。そして、回数パラメータNが所定回数に達していないときは、ウェハWの保持状態が正常であると判定し(ステップS35)、ステップS14へ進む。
【0080】
一方、回数パラメータNが所定回数に達しているときは、ウェハWの保持状態が正常でないと判定し(ステップS36)、処理を中止する。あるいは、処理の中止に代え、ウェハWをクランプ部材43により再度保持し直してもよい。すなわち、昇降機構47によりリフトピンプレート41を下方位置から上方位置に移動させ、リフトピンプレート41の下面により被押圧部材43cへの下方への押圧を解除し、クランプ部材43を軸43aを中心として回動させることによって、一旦、クランプ部材43によるウェハWの保持を解除する(図6参照)。その後、リフトピンプレート41を再び下方位置に移動させ、リフトピンプレート41の下面により被押圧部材43cが下方に押圧され、クランプ部材43が軸43aを中心として回動することによって、ウェハWをクランプ部材43の保持部材43bにより側方から再度保持してもよい(図5参照)。すなわち、ウェハWの保持状態が正常でないと判定したときに、クランプ部材43の保持部材43bをウェハWに対して後退及び前進させることによってウェハWを保持し直してもよい。
【0081】
また、ステップS33からステップS31に戻る際に、毎回ステップS34を介して戻るようにしてもよい。これにより、ウェハの保持状態が正常でないときに、予め決められた複数回の判定工程(判定処理)をすべて行わなくても、回数パラメータが所定回数に達した時点で、正常でないことを判定することができる。
【0082】
また、ステップS33において、一回前の判定工程(判定処理)において検出値が所定値よりも小さいと判定されたときのみ、回数パラメータを、現在値Nに1を加算することによってN+1とするようにしてもよい。このとき、ステップS34において、判定工程(判定処理)を複数回行う際に、所定回数だけ連続して検出値が所定値よりも小さいと判定されたときに、ウェハWの保持状態が正常でないと判定するようにすることができる。従って、受光素子89の検出誤差等の影響を排除することができ、ウェハWの保持状態をより正確に検出することができる。
【0083】
図16は、検出回数と光量の検出値との関係の一例を模式的に示すグラフである。
【0084】
ウェハWの保持状態が正常であるときは、図16に示すように、検出回数すなわち検出位置に関わらず、相対的に大きな検出値が検出される。一方、ウェハWの保持状態が正常でないときは、図16に示すように、相対的に小さな検出値が検出される。
【0085】
ところが、例えばレーザ光をウェハWの上面で反射させると、ウェハW上に形成されている膜種、ウェハW上で加工されている膜の表面状態等の影響により、光量の検出値が想定された値と異なる場合がある。また、ウェハW上の検出位置を変えたときに、ウェハW上で加工されている膜の表面状態等の影響により、検出位置によって、検出値が大きく変動することがある。
【0086】
具体的には、ウェハWが乗り上げているクランプ部材43と検出位置との関係により、ウェハW上の検出位置を変えたときに、検出位置によって、検出値が大きく変動することがある。
【0087】
図16に示す例では、ステップS31(検出工程)とステップS32(判定工程)を100回行う際に、検出回数が90回以上の領域(図16の破線で囲まれた領域II)において、光量の検出値が所定値よりも大きくなっている。このような現象は、平面視において、ウェハWの中心からウェハWが乗り上げているクランプ部材43に向かう方向と、光L、L1、L2、L3のいずれかの方向とが、例えば平行になるときに、観測されることがある。一方で、図16の破線で囲まれた領域Iに示すように、ウェハWが乗り上げているクランプ部材43周辺以外の検出位置では、光量の検出値が所定値よりも大きくなることがほとんどない。すなわち、図16に示す例では、ウェハWの保持状態が正常でないときに、領域Iにおいて回数パラメータNが所定回数に達するため、領域IIにおいて光量の検出値が所定値よりも大きくなるにも関わらず、ウェハWの保持状態が正常でないと判定することができる。従って、図7に示すように、ウェハW上の検出位置を変えながら、判定工程(判定処理)を複数回行う。これにより、ウェハWがクランプ部材43に乗り上げている方向に起因する光量の変動の影響を排除することができ、ウェハWの保持状態が誤検出されることを更に防止することができる。
【0088】
更に、ウェハWがクランプ部材43−1又はクランプ部材43−2に乗り上げている場合、その周辺以外では検出値が小さい。また、ウェハWがクランプ部材43−3に乗り上げている場合、クランプ部材43−1からクランプ部材43−2の間の検出値は、全体に亘り小さい。従って、3つのうちの2つのクランプ部材の間で検知すれば、検出値が小さいポイントが多くなり、検出値が所定値よりも小さいと判定される回数が多くなるため、ウェハWの保持状態が正常でないと判定できる。よって、ウェハWを全周(360°)に亘り回転させなくても、ウェハWの保持状態を正確に検出することができるため、スループットを向上できる。
【0089】
本実施の形態では、一例としてクランプ部材43は、ウェハWの周方向に沿って等間隔に、すなわち120°毎に、3つ設けられている。従って、少なくともクランプ部材43−1に対応した第1の検出位置から、クランプ部材43−1の隣のクランプ部材43−2に対応した第2の検出位置まで、例えば120°の範囲でウェハWを回転させればよい。
【0090】
図16に示した例では、120°の範囲でウェハWを回転させ、その際に、ステップS31(検出工程)とステップS32(判定工程)を複数回行うことができる。
【0091】
ステップS34においてウェハWの保持状態が正常であると判定したときは(ステップS35)、図10に示すステップS14へ進む。ステップS14では、レーザセンサ45の光源88からのレーザ光Lの発光を停止し(レーザOFF)、次いで、ステップS15を行う。ステップS15では、各種の基板処理を行う(基板処理工程)。
【0092】
例えば、回転機構35により保持プレート42を回転させることによって、クランプ部材43に保持されているウェハWを回転させる。そして、回転しているウェハWに、ノズルブロック61により、例えばSC1等の処理液を供給する。次いで、処理液を供給したウェハWに、ノズルブロック61により、例えば純水等のリンス液を供給する。次いで、リンス液を供給したウェハWを高速で回転させて、振り切り乾燥する。
【0093】
ステップS15(基板処理工程)の後、ステップS16において光源88からレーザ光Lを発光し(レーザON)、ステップS17において保持プレート42の位置合わせをしている間に、再び、ステップS31〜ステップS35の判定工程(判定処理)を行ってもよい。これにより、基板処理工程の後のウェハWの保持状態が正常であることを確認することができる。
【0094】
このとき、処理工程前に検出した位置と同じ位置を検出するのが、正確性の観点から好ましい。同じ位置について、処理前は保持状態が正常であったが、処理後は保持状態が正常でなかった場合には、処理中にウェハWがクランプ部材43から外れたり、又は、ウェハWが割れたりする等の異常が発生したことを検知することができる。
【0095】
また、ステップS31〜ステップS35の判定工程(判定処理)を行っている間、複数回の検出工程(ステップS31)が終了し次第、ステップS18において、回転機構35のモータ51の回転が停止され(モータ回転停止)、クランプ部材43に保持されているウェハWの回転も停止される。
【0096】
次いで、ステップS19では、光源88からのレーザ光Lの発光を停止する(レーザOFF)。次いで、ステップS20では、昇降機構47によって、リフトピンプレート41が上方位置に移動させられて、ウェハWが受け渡し位置(上方位置)に上昇する。そして、搬送機構24により液処理ユニット22からウェハWを搬出する(受け渡し工程)。搬出したウェハWは、搬送機構24により受け渡しステージ19の受け渡し棚20に載置され、更に、受け渡し棚20から搬送機構15によりウェハキャリアWCに戻される。
【0097】
以上の一連の工程により、一枚のウェハWの処理が終了する。
【0098】
以上、本発明の好ましい実施の形態について記述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0099】
例えば、光源から照射される光がレーザ光である場合に限られず、照射される光が、LED等の各種の光源から照射される光であってもよい。
【0100】
また、例えば、処理液による処理として、レジスト膜を塗布する塗布処理、塗布されたレジスト膜を加熱又は冷却する熱処理、レジスト膜を露光した後、例えばアルカリ性の現像液により現像する現像処理、及び現像処理後のリンス処理にも適用可能である。
【符号の説明】
【0101】
10 基板処理装置
32 基板保持機構
35 回転機構
42 保持プレート
43 クランプ部材
45 レーザセンサ
88 光源
89 受光素子
100 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する基板処理装置において、
基板が載置される載置台と、
前記載置台の中心を回転軸として、前記載置台を前記基板とともに回転させる回転部と、
前記基板の表面に光を照射する光源と、
前記基板の表面に照射された光が前記基板の表面で反射した光量を検出する検出部と、
前記回転部及び前記検出部の動作を制御する制御部と
を有し、
前記制御部は、検出した前記光量の検出値が予め決められた所定値よりも小さいか否かを判定する判定処理を、前記基板の検出位置を変えながら複数回行い、前記検出値が前記所定値よりも小さいと判定された回数の合計が予め決められた回数に達したとき、前記基板の保持状態が正常でないと判定するものである、基板処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記判定処理を、前記回転部により前記検出位置を連続的に変えながら複数回行うものである、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記判定処理を複数回行う際に、前記所定回数連続して前記検出値が前記所定値よりも小さいと判定されたときに、前記基板の保持状態が正常でないと判定するものである、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記基板処理装置は、前記載置台に載置されている基板を保持する保持部を更に有し、
前記保持部は、前記基板の周縁部を保持する複数の保持部であり、
前記制御部は、前記基板の検出位置を、一の保持部に対応した第1の検出位置から前記一の保持部の隣の保持部に対応した第2の検出位置まで変えながら、前記判定処理を複数回行うものである、請求項1から請求項3のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記光源は、前記基板の表面であって、前記基板の中心以外の領域に光を照射するものである、請求項1から請求項4のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記基板を処理する前に前記判定処理を行うとともに、前記基板を処理した後に前記判定処理を行うものである、請求項1から請求項5のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項7】
基板を処理する基板処理方法において、
載置台に載置されている基板を保持部により保持する保持工程と、
前記基板の表面に照射した光が前記基板の表面で反射した光量を検出部により検出する検出工程と、
検出した検出値が所定値よりも小さいか否かを判定する判定工程と
を有し、
前記検出工程は、前記載置台の中心を回転軸として、前記保持部により保持された前記基板を回転させ、前記基板の検出位置を変えながら複数回行い、
前記判定工程は、前記検出値が前記所定値よりも小さいと判定された回数の合計が所定回数に達したとき、前記基板の保持状態が正常でないと判定する、基板処理方法。
【請求項8】
前記検出工程を、前記検出位置を連続的に変えながら複数回行う、請求項7に記載の基板処理方法。
【請求項9】
前記判定工程を複数回行う際に、前記所定回数連続して前記検出値が前記所定値よりも小さいと判定されたときに、前記基板の保持状態が正常でないと判定する、請求項8に記載の基板処理方法。
【請求項10】
前記保持部は、前記基板の外周に沿って等間隔に設けられた、前記基板の周縁部を保持する複数の保持部であり、
前記検出工程は、前記基板の検出位置を、一の保持部に対応した第1の検出位置から前記一の保持部の隣の保持部に対応した第2の検出位置まで変えながら行い、前記判定工程を複数回行う際に、前記回数の合計が前記所定回数に達したとき、前記基板の保持状態が正常でないと判定する、請求項7から請求項9のいずれかに記載の基板処理方法。
【請求項11】
前記検出工程は、前記基板の表面であって、前記基板の中心以外の領域に照射した光が前記領域で反射した光量を検出するものである、請求項7から請求項10のいずれかに記載の基板処理方法。
【請求項12】
前記基板を処理する前に前記判定工程を行うとともに、前記基板を処理した後に前記判定工程を行う、請求項7から請求項11のいずれかに記載の基板処理方法。
【請求項13】
コンピュータに請求項7から請求項12のいずれかに記載の基板処理方法を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−16697(P2013−16697A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−149364(P2011−149364)
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】