説明

基板処理装置及びその液交換方法

【課題】液交換後の温調時に内槽ドレイン配管への通液を行うことにより、廃液設備への悪影響が生じることを防止するとともに、装置への悪影響が生じること及びプロセス不良を防止することができる。
【解決手段】制御部33が、古い燐酸溶液を排出した後、処理槽1に新たな燐酸溶液を供給する。その燐酸溶液をポンプAPで外槽5、循環配管7、内槽3に至る通常循環経路で循環させつつ燐酸溶液の温調を行うが、温調が完了するまでに少なくとも一度は内槽ドレイン配管11を通る一時経路に処理液を流通させる。したがって、古い燐酸溶液が内槽ドレイン配管11に残留していたとしても、新たな燐酸溶液で置換することができる。その結果、内槽ドレイン配管11に残留していた古い燐酸溶液に起因して廃液設備に悪影響が及ぶことを防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハ、液晶ディスプレイ用基板、プラズマディスプレイ用基板、有機EL用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスプレイ用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、太陽電池用基板(以下、単に基板と称する)を処理液に浸漬させることにより、基板に対して処理を行う基板処理装置及びその液交換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の装置として、処理液を貯留する内槽と、内槽に処理液を供給する噴出管と、内槽から溢れた処理液を回収する外槽と、噴出管と外槽とを連通接続した循環配管と、循環配管内の処理液を循環させるポンプと、内槽の内部に貯留する処理液を排出するための底部排出口と、循環配管のうちポンプの上流側と底部排出口とを連通接続した内槽ドレイン配管と、循環配管のうちポンプの下流側で分岐し、処理液を排液するための排液管と、備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このように構成された基板処理装置では、例えば、燐酸(HPO)を含む燐酸溶液を処理液として用いている場合がある。燐酸溶液を処理液として用いるには、内槽に燐酸溶液を供給し、内槽から溢れた燐酸溶液を外槽から循環配管に流通させ、噴出管から再び燐酸溶液を内槽へ戻す。このとき、循環配管中において燐酸溶液を約160℃の高温の処理温度に温調している。
【0004】
ところで、燐酸溶液には、溶液が古くなったことを判断する基準として使用限度(ライフとも呼ばれる)が設定されているのが一般的である。例えば、予め規定された使用回数(ライフカウントとも呼ばれる)に達した場合や、予め規定された使用時間(ライフタイムとも呼ばれる)に達すると、燐酸溶液を排出して新たな燐酸溶液に交換している。その際には、まず外槽から循環配管、排液管の経路で排液し、次に、内槽から底部排出口、内槽ドレイン配管、循環配管、排液管の経路で排液している。排液後、新たな燐酸溶液を供給し、新たな燐酸溶液を上述したように供給するとともに温調を行う。そして、温調が完了した後に、使用限度に達するまでの間、その燐酸溶液で次の基板を処理するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−86982号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、シリコンを含む基板を処理した燐酸溶液には、飽和濃度に近いシロキ酸(SiO成分)が含まれており、古くなった燐酸溶液の温度が低下するとシロキ酸の結晶が析出して固化する傾向がある。従来の装置では、古くなった燐酸溶液を排出する際にだけ、内槽ドレイン配管に燐酸溶液が流通されるので、特に内槽ドレイン配管の内部で固化が生じる恐れがある。特に、排出時には燐酸溶液の温度は処理温度に近いが、新たな燐酸溶液の温調を行っている間に、内槽ドレイン配管内の温度が低下して、シロキ酸の固化が顕著に生じやすい。
【0007】
このような固化が生じた状態で、次の液交換時に燐酸溶液が排出されると、シロキ酸の固まりが廃液設備に流れ込むので、廃液設備に支障を生じる恐れがある。また、液交換時に循環配管内にもシロキ酸の固まりが残留する恐れもあり、そのような場合には、新たな燐酸溶液にシロキ酸が混入して、循環配管中における流路抵抗が高い箇所(例えば、フィルタ)にシロキ酸が溜まりやすくなる等の装置への悪影響が生じたり、燐酸溶液に浸漬されている基板に付着したりして、プロセス不良が生じたりする問題がある。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、液交換後の温調時に内槽ドレイン配管への通液を行うことにより、廃液設備への悪影響が生じることを防止するとともに、装置への悪影響が生じること及びプロセス不良を防止することができる基板処理装置及びその液交換方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、基板を処理液により処理する基板処理装置において、処理液を貯留し、基板を収容して基板に対して所定の処理を行う内槽及び前記内槽から溢れる処理液を回収する外槽とを備えた処理槽と、前記内槽と前記外槽とを連通接続する循環配管と、前記循環配管に配設され、処理液を前記外槽側から前記内槽側に送るためのポンプと、前記循環配管のうち、前記ポンプの上流側と、前記内槽とを連通接続する内槽ドレイン配管と、前記循環配管のうち、前記ポンプの下流側に設けられ、処理液を排出するための排液管と、前記循環配管、前記内槽ドレイン配管、前記排液管を通して前記処理槽に貯留されていた処理液を排出した後、新たな処理液を供給し、その処理液を前記ポンプで前記外槽、前記循環配管、前記内槽に至る通常循環経路で循環させつつ処理液の温調を行う際に、温調が完了するまでに少なくとも一度は前記内槽ドレイン配管を通る一時経路に処理液を流通させる制御手段と、を備えていることを特徴とするものである。
【0010】
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、制御手段は、循環配管、内槽ドレイン配管、排液管を通して処理槽に貯留されていた処理液を排出した後、処理槽に新たな処理液を供給する。次に、その処理液をポンプで外槽、循環配管、内槽に至る通常循環経路で循環させつつ処理液の温調を行うが、その際に、温調が完了するまでに少なくとも一度は内槽ドレイン配管を通る一時経路に処理液を流通させる。したがって、古い処理液が内槽ドレイン配管に残留していたとしても、新たな処理液で置換することができる。その結果、内槽ドレイン配管に残留していた古い処理液に起因して廃液設備に悪影響が及ぶことを防止することができる。また、古い処理液が固化する前に新たな処理液で内槽ドレイン配管内を洗浄することになるので、古い処理液の固化に起因する装置への悪影響を防止することができ、プロセスに悪影響を与えることを防止できる。
【0011】
また、本発明において、前記制御手段は、前記通常循環経路と、前記一時経路とを交互に切り換えることが好ましい(請求項2)。通常循環経路と一時経路とを交互に切り換えることにより、外槽内の処理液の温度が低下することを抑制することができる。したがって、温調完了までの時間が長くなる弊害を防止できる。
【0012】
また、本発明において、前記制御手段は、処理液の温度が所定温度に昇温されてから、前記一時経路へ処理液を流通させることが好ましい(請求項3)。処理液の温度が所定温度に昇温されてから一時経路に処理液を流通させるので、粘度が高い処理液を使用している場合であっても、内槽ドレイン配管内における置換を円滑に行うことができる。
【0013】
また、本発明において、前記制御手段は、前記一時経路への処理液の流通時間を、前記通常循環経路への処理液の流通時間よりも短くすることが好ましい(請求項4)。一時経路への流通時間を通常循環経路よりも短くするので、外槽内に貯留する処理液の温度が低下することを抑制できる。したがって、温調完了までの時間が長くなる弊害を防止できる。
【0014】
また、本発明において、前記制御手段は、処理液の温度が処理液の沸点に達するまでに、前記一時経路へ処理液を流通させることが好ましい(請求項5)。処理液が沸点に達してから一時経路へ処理液を流通させると、その際に突沸が生じて内槽ドレイン配管が激しく振動する恐れがある。しかし、処理液の温度が沸点に達するまでに一時経理への処理液流通を行わせることにより、そのような不都合を防止することができる。
【0015】
また、本発明において、前記内槽ドレイン配管の流路断面積を調整する流量調整手段をさらに備え、前記制御手段は、前記内槽ドレイン配管の処理液を排出する際に、前記内槽における処理液の残りが少なくなった場合に、前記流量調整手段を操作して前記内槽ドレイン配管の流量を小さくすることが好ましい(請求項6)。流量調整手段による流量を小さくすることにより、内槽内の処理液が少なくなった状態であっても処理液を効率的に排出させることができる。したがって、古くなった処理液が残留する量を極めて少なくすることができ、一時経路へ新たな処理液を流通させた際に置換度合いを高めることができる。
【0016】
また、本発明において、前記内槽ドレイン配管の外周面に配設され、前記内槽ドレイン配管に振動を付与する振動付与手段をさらに備え、前記制御手段は、前記内槽ドレイン配管の処理液を排出した後、前記振動付与手段を作動させることが好ましい(請求項7)。内槽ドレイン配管に振動付与手段によって振動を付与するので、内槽ドレイン配管に古い処理液が残留するのを抑制することができる。したがって、一時経路へ新たな処理液を流通させた際に、古い処理液が混入することを抑制できる。
【0017】
また、本発明において、前記内槽ドレイン配管の上流側から純水を供給する純水供給手段と、前記内槽ドレイン配管の上流側から気体を供給する気体供給手段とをさらに備え、前記制御手段は、前記内槽ドレイン配管の処理液を排出した後、前記純水供給手段から前記内槽ドレイン配管に純水を流通させ、前記気体供給手段から気体を供給することが好ましい(請求項8)。純水供給手段で純水を内槽ドレイン配管に供給することにより、古い処理液を流し去ることができる。気体供給手段で気体を内槽ドレイン配管に供給することにより、配送ドレイン配管内の純水を排出させることができる。したがって、新たな処理液が一時経路に供給された際に、古い処理液が混入することを抑制できる。
【0018】
また、請求項9に記載の発明は、処理液を貯留し、基板を浸漬させて基板に対する処理を行う内槽と、内槽から溢れた処理液を回収する外槽とを備えた処理槽のうち、前記内槽と前記外槽とを連通接続した循環配管とを備え、基板を処理液により処理する基板処理装置の液交換方法において、前記循環配管から前記外槽の処理液を排出する外槽ドレイン過程と、前記循環配管の上流側と前記内槽とを連通接続した内槽ドレイン配管から前記内槽の処理液を排出する内槽ドレイン過程と、前記処理槽に新たな処理液を供給する新液供給過程と、前記新たな処理液を、前記外槽、前記循環配管、前記内槽に至る通常循環経路で循環させつつ温調を行う温調過程と、前記温調過程により処理液の温調が完了するまでに、少なくとも一度は前記内槽ドレイン配管を通る一時経路に処理液を流通させる一時経路流通過程と、を備えていることを特徴とするものである。
【0019】
[作用・効果]請求項9に記載の発明によれば、循環配管から外槽の処理液を排出し、内槽ドレイン配管から内槽の処理液を排出した後、処理槽に新たな処理液を供給し、通常循環経路で処理液を循環させつつ温調を行う。その際には、処理液の温調が完了するまでに、少なくとも一度は内槽ドレイン配管を通る一時経路に処理液を流通させる。したがって、古い処理液が内槽ドレイン配管に残留していたとしても、新たな処理液で置換することができる。その結果、内槽ドレイン配管に残留していた古い処理液に起因して廃液設備に悪影響が及ぶことを防止することができる。また、古い処理液が固化する前に新たな処理液で内槽ドレイン配管内を洗浄することになるので、古い処理液の固化に起因する装置への悪影響を防止することができ、プロセスに悪影響を与えることを防止できる。
【0020】
また、本発明において、前記一時経路流通過程は、前記温調過程と交互に実施されることが好ましい(請求項10)。通常循環経路と一時経路とを交互に切り換えることにより、外槽内の処理液の温度が低下することを抑制することができる。したがって、温調完了までの時間が長くなる弊害を防止できる。
【0021】
また、本発明において、前記一時経路流通過程は、新たな処理液の温度が所定温度に昇温されてから実施されることが好ましい(請求項11)。処理液の温度が所定温度に昇温されてから一時経路に処理液を流通させるので、粘度が高い処理液を使用している場合であっても、内槽ドレイン配管内における置換を円滑に行うことができる。
【0022】
また、本発明において、前記一時経路流通過程は、前記温調過程よりも短い時間だけ実施されることが好ましい(請求項12)。一時経路への流通時間を通常循環経路よりも短くするので、外槽内に貯留する処理液の温度が低下することを抑制できる。したがって、温調完了までの時間が長くなる弊害を防止できる。
【0023】
また、本発明において、前記一時経路流通過程は、前記温調過程において処理液の温度が処理液の沸点に達するまでに実施されることが好ましい(請求項13)。処理液が沸点に達してから一時経路へ処理液を流通させると、その際に突沸が生じて内槽ドレイン配管が激しく振動する恐れがある。しかし、処理液の温度が沸点に達するまでに一時経理への処理液流通を行わせることにより、そのような不都合を防止することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る基板処理装置によれば、制御手段は、循環配管、内槽ドレイン配管、排液管を通して処理槽に貯留されていた処理液を排出した後、処理槽に新たな処理液を供給する。次に、その処理液をポンプで外槽、循環配管、内槽に至る通常循環経路で循環させつつ処理液の温調を行うが、その際に、温調が完了するまでに少なくとも一度は内槽ドレイン配管を通る一時経路に処理液を流通させる。したがって、古い処理液が内槽ドレイン配管に残留していたとしても、新たな処理液で置換することができる。その結果、内槽ドレイン配管に残留していた古い処理液に起因して廃液設備に悪影響が及ぶことを防止することができる。また、古い処理液が固化する前に新たな処理液で内槽ドレイン配管内を洗浄することになるので、古い処理液の固化に起因する装置への悪影響を防止することができ、プロセスに悪影響を与えることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】実施例に係る基板処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】装置の液交換時における動作を示すフローチャートである。
【図3】装置の液交換時における動作を示すフローチャートである。
【図4】液交換時のタイムチャートである。
【図5】(a)は、液交換時のタイムチャートであり、(b)は、液交換時の処理液の温度変化を示すグラフである。
【図6】第1の変形例を示す概略構成図である。
【図7】第2の変形例を示す概略構成図である。
【図8】第3の変形例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の一実施例を説明する。
図1は、実施例に係る基板処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【0027】
この基板処理装置は、複数枚の基板Wを処理液に浸漬させて基板Wに対して所定の処理を行うものである。ここでは、処理液として燐酸溶液(HPO)を例にとって説明する。
【0028】
処理槽1は、内槽3と外槽5とを備えている。内槽3は、処理液を貯留し、基板Wを処理液に対して接触させて所定の処理を行う。外槽5は、内槽3の周囲に配設されており、内槽3から溢れた処理液を回収する。また、内槽3は、貯留している処理液を加熱する槽ヒータHE2を外周面に備えている。
【0029】
外槽5には、循環配管7の一端側が連通接続されている。具体的には、循環配管7の一端側が外槽5の上部から配置され、底部近くに開口するように配置されている。循環配管7の他端側は、内槽3の底部に連通接続されている。
【0030】
循環配管7は、外槽5側にあたる上流側から順に、開閉弁CH1と、ポンプAPと、開閉弁CH3と、インラインヒータHE1と、フィルタ9とを備えている。開閉弁CH1は、外槽5から循環配管7への処理液の流通を制御する。ポンプAPは、循環配管7における処理液を圧送して循環させる。開閉弁CH3は、循環配管7におけるインラインヒータHE1側への処理液の流通を制御する。インラインヒータHE1は、循環配管7を流通する処理液を加熱する。フィルタ9は、循環配管7を流通する処理液に含まれるパーティクル等の異物を吸着除去する。
【0031】
内槽3は、内槽ドレイン配管11を備えている。この内槽ドレイン配管11は、一端側が内槽3の上部から配置され、底部近くに開口するように配置されている。内槽ドレイン配管11の他端側は、循環配管7におけるポンプAPの上流側であって、開閉弁CH1の下流側に連通接続されている。内槽ドレイン配管11は、内槽ドレイン配管11における処理液の流通を制御する開閉弁CH2を備えている。
【0032】
循環配管7の開閉弁CH3の上流側には、回収配管13の一端側が連通接続されている。回収配管13の他端側は、図示しない回収ユニットに連通接続されている。回収配管13は、処理液の流通を制御する開閉弁CH5を備えている。回収配管13における開閉弁CH5の上流側には、廃液配管15の一端側が連通接続されている。廃液配管15の他端側は、図示しない廃液ユニットに連通接続されている。廃液配管15は、処理液の流通を制御する開閉弁CH4を備えている。
【0033】
なお、回収配管13が本発明における「排液管」に相当する。
【0034】
また、循環配管7は、インラインヒータHE1の下流側と、フィルタ9の下流側であって内槽3の上流側との間をバイパスするバイパス配管17を備えている。バイパス配管17は、処理液の流通を制御する開閉弁DR2を備えている。また、循環配管7は、フィルタ9の内部と、ポンプAPの下流側であって開閉弁CH3の上流側とを連通接続したフィルタドレイン配管19を備えている。フィルタドレイン配管19は、流通を制御する開閉弁DR3を備えている。
【0035】
内槽3には、三本の供給配管が配設されている。供給配管21は、一端側が処理液供給源23に連通接続され、他端側が内槽3の底面近くに開口するように配置されている。供給配管21は、処理液の供給量を調整可能な流量調整弁SU4を備えている。供給配管25は、一端側が処理液供給源27に連通接続され、他端側が内槽3の底面近くに開口するように配置されている。供給配管25は、処理液の供給量を調整可能な流量調整弁SU5を備えている。供給配管29は、一端側が純水供給源31に連通接続され、他端側が内槽3の底面近くに開口するように配置されている。供給配管29は、純水の供給量を調整可能な流量調整弁SU6を備えている。上述した処理液供給源23,27は、例えば、燐酸溶液(HPO)を供給する。
【0036】
上述した開閉弁CH1〜CH5、DR2、DR3の開閉動作や、槽ヒータHE2の温調制御、ポンプAPの作動/停止、インラインヒータHE1の温度制御、流量調整弁SU4〜6の流量調整は、制御部33によって統括的に行われる。制御部33は、図示しないCPUやメモリなどで構成されている。
【0037】
なお、上述した制御部33は、本発明における「制御手段」に相当する。
【0038】
次に、図2〜5を参照して、上述した装置の動作について説明する。なお、図2及び図3は、装置の液交換時における動作を示すフローチャートであり、図4は、液交換時のタイムチャートである。また、図5(a)は、液交換時のタイムチャートであり、図5(b)は、液交換時の処理液の温度変化を示すグラフである。
【0039】
なお、以下の説明においては、処理槽1及び循環配管7に古い燐酸溶液が処理液として貯留しており、そのライフがアップして処理液の交換が必要になった時点から説明を行う。その際の状態は、図4における0時点からt1時点に示されるようになっているものとする。具体的には、開閉弁CH1〜CH5が閉止され、DR2,DR3が閉止され、ポンプAPが停止され、槽ヒータHE1及びインラインヒータHE2がオフにされ、流量調整弁SU4〜SU6が閉止された状態である。
【0040】
ステップS1(外槽の排液)
外槽5に貯留している燐酸溶液の排出を行う。具体的には、制御部33は、t1時点からt5時点にわたって開閉弁CH1を開放する。また、t1時点からt6時点にわたってポンプAPを作動させる。さらに、t1時点からt4時点にわたって開閉弁CH3を開放し、t3時点からt8時点にわたって開閉弁CH5を開放する。また、t1時点からt2時点にわたって槽ヒータHE1及びインラインヒータHE2を作動させる。
【0041】
これにより、t4時点で開閉弁CH3が閉止されるまでは、循環配管7を古い燐酸溶液が循環される。また、t2時点までは燐酸溶液が処理温度に温調される。そして、開閉弁CH3が閉止されるt4時点から、開閉弁CH1が閉止されるt5時点までの間に、外槽5に貯留している古い燐酸溶液が回収配管13を通して、図示しない回収ユニットに回収される。排出する古い燐酸溶液を温調しているのは、燐酸溶液の粘度が高いので、流動性を高めておいて排出効率を高くするためである。処理液の粘度が低い場合には、温調を行う必要はない。
【0042】
なお、ステップS1が本発明における「外槽ドレイン過程」に相当する。
【0043】
ステップS2(内槽の排液)
内槽3に貯留している燐酸溶液の排出を行う。制御部33は、t5時点からt6時点にわたって開閉弁CH2を開放し、ポンプAPによって内槽3内に貯留している燐酸溶液を回収配管13から排出する。
【0044】
なお、ステップS2が本発明における「内槽ドレイン過程」に相当する。
【0045】
ステップS3(配管の排液)
循環配管7に貯留している燐酸溶液を排出する。制御部33は、t6時点でポンプAPを停止させるとともに、開閉弁DR2,DR3を開放し、回収配管13から燐酸溶液を排出する。循環配管7と内槽3との接続部及びバイパス配管17から回収配管13まで、高さが徐々に低くなるように設けられている。これにより、フィルタ9内に滞留している古い燐酸溶液やインラインヒータHE1の上流や下流に対流している古い燐酸溶液を自重により排出する。
【0046】
ステップS4(洗浄水の投入)
処理槽1に対して洗浄水を投入する。制御部33は、t7時点で開閉弁DR2,DR3を閉止し、流量制御弁SU6を所定流量で開放し、純水供給源31から純水を内槽3に対して供給する。
【0047】
ステップS5(フィルタ洗浄)
フィルタ9の洗浄を行う。制御部33は、t9時点でポンプAPを作動させて、循環配管7と処理槽1で純水を循環させる。これにより、フィルタ9に純水を流通させて洗浄を行う。
【0048】
ステップS6,S7(外槽の排液、内槽の排液)
外槽5の排液を行い、続いて内槽3の排液を行う。制御部33は、t11時点で開閉弁CH3を閉止し、廃液配管15を通して外槽5の純水を排出する。次に、制御部33は、t12時点からt13時点にわたって開閉弁CH2を開放し、廃液配管15を通して内槽3の純水を排出する。
【0049】
ステップS8(配管の排液)
処理槽1の排液に続いて、循環配管7の排液を行う。制御部33は、t13時点で開閉弁DR2,DR3を開放するとともに、ポンプAPを停止させる。さらに、開閉弁CH3を開放する。これにより、重力を利用して循環配管7の純水を廃液配管15から排出する。
【0050】
ステップS9,S10(処理液の投入、投入完了)
新たな処理液を処理槽1に投入する。制御部33は、t15時点で流量調整弁SU4,SU5を所定流量で開放し、内槽3に新たな燐酸溶液を供給する。このとき開閉弁CH4は閉止しておく。制御部33は、t16時点でポンプAPを作動させて、内槽3から外槽5に溢れた、新たな燐酸溶液を循環配管7を通して循環させる。処理槽1及び循環配管7を新たな燐酸溶液を満たした後、t17時点で流量調整弁SU4,SU5を閉止して、燐酸溶液の供給を停止する。
【0051】
なお、ステップS9,S10が本発明における「新液供給過程」に相当する。
【0052】
ステップS11,S12(温調開始)
新たな燐酸溶液の温調を開始する。制御部33は、t18時点において槽ヒータHE2とインラインヒータHE1を操作して、目標温度TTに向けて昇温を開始する。このときは、燐酸溶液は、外槽5から循環配管7を通る通常循環経路で循環されている。そして、図示しない温度センサからの温度が、所定温度T1に達するまで制御部33はこの状態を維持する。燐酸溶液の温度が所定温度T1に達したのがt20時点であるとすると、次の処理に移行する。ここでいう所定温度T1は、燐酸溶液の目標温度TT及び沸点TBよりも低い温度であり、粘度が高い燐酸溶液の流動性がある程度高くなる温度である。
【0053】
なお、ステップS11から、後述するステップS19までが本発明における「温調過程」に相当する。
【0054】
ステップS13,S14(一次経路の循環)
制御部33は、通常循環経路から一時経路に切り換える。そのために、制御部33は、t20時点において、開閉弁CH1を閉止するとともに開閉弁CH2を開放する。これにより、外槽5から循環配管7を通っていた燐酸溶液が、内槽3から内槽ドレイン配管11、循環配管7を通って循環するようになる。この一時経路による循環を、所定の循環時間だけ継続する。循環時間に達したら、次の処理に移行する。
【0055】
一時経路への切り換えを、燐酸溶液の温度が所定温度T1に上昇してから行うので、粘度が高い燐酸溶液であっても、内槽ドレイン配管11内における置換を円滑に行うことができる。また、ある程度昇温した状態で燐酸溶液を流通させた方が、内槽ドレイン配管11内に燐酸溶液のシロキ酸が固化していたとしても洗い流し易いからである。また、所定温度T1は、目標温度TT及び燐酸溶液の沸点TBよりも低く設定されている。これは、燐酸溶液が沸点に達してから一時経路へ流通させると、その際に突沸が生じて内槽ドレイン配管11が激しく振動する恐れがあるので、これを防止するためである。
【0056】
なお、ステップS13が本発明における「一時経路流通過程」に相当する。
【0057】
ステップS15,S16(通常循環経路の循環)
循環時間に達すると、制御部33は、一時経路から通常循環経路に戻す。つまり、t21時点において、開閉弁CH2を閉止するとともに、開閉弁CH1を開放する。これにより、燐酸溶液が外槽5から循環配管7を通る経路で循環される。この状態を循環時間が経過するまで維持し、循環時間に達すると次の処理に移行する
【0058】
ステップS17(一時経路の循環回数)
制御部33は、一時経路による循環を所定回数行ったか否かを判断し、その結果に基づいて処理を分岐する。つまり、一時経路による循環が所定回数に満たない場合には、ステップS13に戻って一時経路と通常経路循環の循環を実施する。一方、所定回数に達している場合には、次の処理に移行する。なお、この実施例では、所定回数が2回であるとし、その回数の処理を終えたとして次の処理に移行する。
【0059】
なお、上述した温調時において、一時経路における流通時間TN1,TN2の合計時間は、通常循環経路における流通時間TG1,TG2,TG3の合計時間よりも短くなるように設定されている。これは一時経路に流通させる時間が長いと、外槽5に貯留している燐酸溶液の温度が低下し、その結果、温調が完了するまでに長時間を要する不都合を回避するためである。
【0060】
ステップS18,S19(フィルタリング、温調継続、完了)
制御部33は、通常循環経路での循環を行いつつ、燐酸溶液の温調を継続し(t24時点からt27時点)、目標温度TTで安定した時点t27で開閉弁DR2を閉止して、目標温度TTに温調された燐酸溶液をフィルタ9に通す。これを所定時間だけ行うことによって、燐酸溶液中のパーティクル等を除去した後、基板Wを処理可能な状態になる。
【0061】
上述したように本実施例は、制御部33が、循環配管7、内槽ドレイン配管11、回収配管13を通して処理槽1に貯留されていた、古い燐酸溶液を排出した後、処理槽1に新たな燐酸溶液を供給する。次に、その燐酸溶液をポンプAPで外槽5、循環配管7、内槽3に至る通常循環経路で循環させつつ燐酸溶液の温調を行うが、その際に、温調が完了するまでに少なくとも一度は内槽ドレイン配管11を通る一時経路に処理液を流通させる。したがって、古い燐酸溶液が内槽ドレイン配管11に残留していたとしても、新たな燐酸溶液で置換することができる。その結果、内槽ドレイン配管11に残留していた古い燐酸溶液に起因して廃液設備に悪影響が及ぶことを防止することができる。また、古い燐酸溶液が固化する前に新たな燐酸溶液で内槽ドレイン配管11内を洗浄することになるので、古い燐酸溶液の固化に起因する装置への悪影響を防止することができ、プロセスに悪影響を与えることを防止できる。
【0062】
また、通常循環経路と一時経路とを交互に切り換えるので、外槽5内の燐酸溶液の温度が低下することを抑制することができる。したがって、温調完了までの時間が長くなる弊害を防止できる。
【0063】
また、燐酸溶液の温度が所定温度T1に昇温されてから一時経路に燐酸溶液を流通させるので、粘度が高い燐酸溶液であっても、内槽ドレイン配管11内における置換を円滑に行うことができる。
【0064】
一時経路への流通時間(t20時点〜t21時点のTN1、t22〜t23時点のTN2)を、通常循環経路への流通時間(t18時点〜t20時点のTG1、t21時点〜t22時点のTG2、t23時点〜t27時点のTG3)よりも短くするので、外槽5内に貯留する燐酸溶液の温度が低下することを抑制できる。したがって、温調完了までの時間が長くなる弊害を防止できる。
【0065】
また、制御部33は、燐酸溶液の温度がその沸点TBに達するまでに、一時経路へ燐酸溶液を流通させている。燐酸溶液が沸点TBに達してから一時経路へ流通させると、その際に突沸が生じて内槽ドレイン配管11が激しく振動する恐れがある。しかし、制御部33が上記のようなタイミングで流通させているので、そのような不都合を防止することができる。
【0066】
<第1の変形例>
上述した基板処理装置は、図6のように構成してもよい。なお、図6は、第1の変形例を示す概略構成図である。図6では、図1の構成の一部だけを示している。
【0067】
この装置は、内槽ドレイン配管11の開閉弁CH2の上流側と下流側とを連通接続する上流バイパス配管41を備えている。上流バイパス配管41は、上流側に開閉弁CH11を備え、その下流側に流量調整弁FR11を備えている。この流量調整弁FR11は、本発明における「流量調整手段」に相当する。
【0068】
上述したステップS2において、内槽3の燐酸溶液の残りが少なくなった場合には、制御部33は、開閉弁CH2を閉止するとともに、開閉弁CH11を開放する。そして、流量調整弁FR11の流量を小さくした状態に設定する。これにより、内槽3内の残り少ない燐酸溶液を効率的に排出させることができる。したがって、古くなった燐酸溶液が残留する量を極めて少なくすることができ、一時経路へ新たな燐酸溶液を流通させた際に置換度合いを高めることができる。
【0069】
<第2の変形例>
上述した基板処理装置は、図7のように構成してもよい。なお、図7は、第2の変形例を示す概略構成図である。
【0070】
この装置は、内槽ドレイン配管11に超音波振動付与ユニット43を備えている。この超音波振動付与ユニット43は、超音波振動を発生させる機能を備え、内槽ドレイン配管11の外周面に付設されている。
【0071】
このような構成を備えている場合は、上述したステップS2において内槽3の燐酸溶液を排出し終えた後、制御部33が超音波振動付与ユニット43を操作して、所定時間だけ超音波振動を付与させる。これにより、内槽ドレイン配管11の内面に付着している燐酸溶液の液滴が振動によって下流に流される。したがって、内槽ドレイン配管11に古い燐酸溶液が残留するのを抑制することができる。その結果、一時経路へ新たな燐酸溶液を流通させた際に、古い燐酸溶液が混入することを防止できる。
【0072】
<第3の変形例>
上述した基板処理装置は、図8のように構成してもよい。なお、図8は、第3の変形例を示す概略構成図である。
【0073】
この装置は、開閉弁CH2が、内槽ドレイン配管11のうち内槽3側にできるだけ近い位置に設けられている。開閉弁CH2の下流側近くには、注入管45の一端側が連通接続されている。注入管45の他端側は、純水供給源47が連通接続されている。注入管45は、開閉弁CH13を備えている。また、注入管45のうち、開閉弁CH13の下流側には、分岐管49の一端側が連通接続されている。分岐管49の他端側は、気体供給源51に連通接続されている。分岐管49は、開閉弁CH15を備えている。気体供給源51は、ドライエアや窒素ガスを供給するものであり、ここではドライエアを供給するものとする。
【0074】
なお、注入管45、純水供給源47、開閉弁CH13が本発明における「純水供給手段」に相当する。また、注入管45、分岐管49、気体供給源51、開閉弁CH15が本発明における「気体供給手段」に相当する。
【0075】
このような構成では、上述したステップS2において内槽3の燐酸溶液を排出し終えた後、開閉弁CH13を開放して純水供給源47から内槽ドレイン配管11に純水を供給する。次に、開閉弁CH13を閉止した後、開閉弁CH15を開放して気体供給源51からドライエアを内槽ドレイン配管11に供給する。このようにすることにより、純水で内槽ドレイン配管11内の古い燐酸溶液を流し去り、ドライエアで内槽ドレイン配管11内の純水を排出させることができる。したがって、新たな燐酸溶液が一時経路に供給された際に、古い燐酸溶液が混入することを抑制することができる。
【0076】
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0077】
(1)上述した実施例では、処理液として燐酸溶液を例にとったが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、内槽ドレイン配管11の内部で固化が生じやすい処理液であればどのような処理液であっても本発明を適用できる。例えば、フッ化アンモニウムとフッ化水素酸との混合液であるバッファードフッ化水素(BHF)を処理液とする場合であっても本発明を適用することができる。
【0078】
(2)上述した実施例では、温調を開始してから所定温度T1に達した後に一時経路へ処理液を流通させているが、本発明はこのような制御を必須とするものではない。
【0079】
(3)上述した実施例では、一時経路への処理液の流通を二回行っているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、一回の流通であってもよく、3回以上の流通を行うようにしてもよい。
【0080】
(4)上述した実施例では、循環配管7の一端側が外槽5の上部から配置され、内槽ドレイン配管11の一端側が内槽3の上部から配置されている。しかしながら、本発明はこのような構成に限定されるものではない。例えば、循環配管7の一端側が外槽5の底部に連通接続され、内槽ドレイン配管11の一端側が内槽3の底部に連通接続された構成であってもよい。
【符号の説明】
【0081】
W … 基板
1 … 処理槽
3 … 内槽
5 … 外槽
7 … 循環配管
CH1〜5 … 開閉弁
DR2,3 … 開閉弁
AP … ポンプ
11 … 内槽ドレイン配管
13 … 回収配管
15 … 廃液配管
17 … バイパス配管
19 … フィルタドレイン配管
33 … 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理液により処理する基板処理装置において、
処理液を貯留し、基板を収容して基板に対して所定の処理を行う内槽及び前記内槽から溢れる処理液を回収する外槽とを備えた処理槽と、
前記内槽と前記外槽とを連通接続する循環配管と、
前記循環配管に配設され、処理液を前記外槽側から前記内槽側に送るためのポンプと、
前記循環配管のうち、前記ポンプの上流側と、前記内槽とを連通接続する内槽ドレイン配管と、
前記循環配管のうち、前記ポンプの下流側に設けられ、処理液を排出するための排液管と、
前記循環配管、前記内槽ドレイン配管、前記排液管を通して前記処理槽に貯留されていた処理液を排出した後、新たな処理液を供給し、その処理液を前記ポンプで前記外槽、前記循環配管、前記内槽に至る通常循環経路で循環させつつ処理液の温調を行う際に、温調が完了するまでに少なくとも一度は前記内槽ドレイン配管を通る一時経路に処理液を流通させる制御手段と、
を備えていることを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理装置において、
前記制御手段は、前記通常循環経路と、前記一時経路とを交互に切り換えることを特徴とする基板処理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の基板処理装置において、
前記制御手段は、処理液の温度が所定温度に昇温されてから、前記一時経路へ処理液を流通させることを特徴とする基板処理装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記制御手段は、前記一時経路への処理液の流通時間を、前記通常循環経路への処理液の流通時間よりも短くすることを特徴とする基板処理装置。
【請求項5】
請求項3に記載の基板処理装置において、
前記制御手段は、処理液の温度が処理液の沸点に達するまでに、前記一時経路へ処理液を流通させることを特徴とする基板処理装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記内槽ドレイン配管の流路断面積を調整する流量調整手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記内槽ドレイン配管の処理液を排出する際に、前記内槽における処理液の残りが少なくなった場合に、前記流量調整手段を操作して前記内槽ドレイン配管の流量を小さくすることを特徴とする基板処理装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記内槽ドレイン配管の外周面に配設され、前記内槽ドレイン配管に振動を付与する振動付与手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記内槽ドレイン配管の処理液を排出した後、前記振動付与手段を作動させることを特徴とする基板処理装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記内槽ドレイン配管の上流側から純水を供給する純水供給手段と、
前記内槽ドレイン配管の上流側から気体を供給する気体供給手段とをさらに備え、
前記制御手段は、前記内槽ドレイン配管の処理液を排出した後、前記純水供給手段から前記内槽ドレイン配管に純水を流通させ、前記気体供給手段から気体を供給することを特徴とする基板処理装置。
【請求項9】
処理液を貯留し、基板を浸漬させて基板に対する処理を行う内槽と、内槽から溢れた処理液を回収する外槽とを備えた処理槽のうち、前記内槽と前記外槽とを連通接続した循環配管とを備え、基板を処理液により処理する基板処理装置の液交換方法において、
前記循環配管から前記外槽の処理液を排出する外槽ドレイン過程と、
前記循環配管の上流側と前記内槽とを連通接続した内槽ドレイン配管から前記内槽の処理液を排出する内槽ドレイン過程と、
前記処理槽に新たな処理液を供給する新液供給過程と、
前記新たな処理液を、前記外槽、前記循環配管、前記内槽に至る通常循環経路で循環させつつ温調を行う温調過程と、
前記温調過程により処理液の温調が完了するまでに、少なくとも一度は前記内槽ドレイン配管を通る一時経路に処理液を流通させる一時経路流通過程と、
を備えていることを特徴とする基板処理装置の液交換方法。
【請求項10】
請求項9に記載の基板処理装置の液交換方法において、
前記一時経路流通過程は、前記温調過程と交互に実施されることを特徴とする基板処理装置の液交換方法。
【請求項11】
請求項9または10に記載の基板処理装置の液交換方法において、
前記一時経路流通過程は、新たな処理液の温度が所定温度に昇温されてから実施されることを特徴とする基板処理装置の液交換方法。
【請求項12】
請求項9から11のいずれかに記載の基板処理装置の液交換方法において、
前記一時経路流通過程は、前記温調過程よりも短い時間だけ実施されることを特徴とする基板処理装置の液交換方法。
【請求項13】
請求項11に記載の基板処理装置の液交換方法において、
前記一時経路流通過程は、前記温調過程において処理液の温度が処理液の沸点に達するまでに実施されることを特徴とする基板処理装置の液交換方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−21232(P2013−21232A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−154970(P2011−154970)
【出願日】平成23年7月13日(2011.7.13)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】