説明

基板処理装置及び半導体装置の製造方法

【課題】加熱部からの熱輻射による封止部材の劣化を抑制する。
【解決手段】処理容器と、処理容器内に設けられ基板が載置される基板載置部と、基板載置部内に設けられ基板を加熱する加熱部と、処理容器に隣接する熱輻射減衰部と、ガス導入部に封止部材を介して接続され処理容器内に処理ガスを供給するガス供給管と、を備え、熱輻射減衰部は、加熱部と封止部材とを結ぶ線上に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を処理する基板処理装置及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、DRAMやIC等の半導体装置を製造するに際し、処理容器と、前記処理容器内に設けられ基板が載置される基板載置部と、前記基板載置部内に設けられ前記基板を加熱する加熱部と、前記処理容器にOリング等の封止部材を介して接続され、前記処理室内に処理ガスを供給するガス供給管と、を備えた基板処理装置が用いられている。前記加熱部により前記基板を加熱しつつ、前記ガス供給管から前記処理室内に処理ガスを供給することにより、例えば成膜処理等の基板処理が実施されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記加熱部を用いて基板を加熱すると、処理容器とガス供給管との間に設けられたOリング等の封止部材が、前記加熱部からの熱輻射によって加熱されて変色するなど劣化してしまい、処理容器内の気密性が低下してしまう場合があった。また、Oリング等の封止部材が熱により溶融してしまうことで、処理室内や基板が汚染されてしまう場合があった。
【0004】
本発明は、加熱部からの熱輻射による封止部材の劣化を抑制することが可能な基板処理装置及び半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、処理容器と、前記処理容器内に設けられ基板が載置される基板載置部と、前記基板載置部内に設けられ前記基板を加熱する加熱部と、前記処理容器に隣接する熱輻射減衰部と、前記ガス導入部に封止部材を介して接続され前記処理容器内に処理ガスを供給するガス供給管と、を備え、前記熱輻射減衰部は、前記加熱部と前記封止部材とを結ぶ線上に設けられている基板処理装置が提供される。
【0006】
本発明の他の態様によれば、基板を処理容器へ搬入し、基板載置部に基板を載置する工程と、前記基板を前記基板載置部内に設けた加熱部により加熱する工程と、処理ガス供給管と封止部材を介して接続され、前記基板載置部と前記封止部材を結ぶ線上に設けられた熱輻射減衰部を経由して、前記処理容器に処理ガスを供給し、基板を処理する工程と、前記基板を処理室から搬出する工程と、を有する半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る基板処理装置及び半導体装置の製造方法によれば、加熱部からの熱輻射による封止部材の劣化を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る基板処理装置の概略構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るガス導入部によりOリングへと向かう熱輻射が遮蔽される様子を示す模式図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係るガス導入部によりOリングへと向かう熱輻射が遮蔽される様子を示す模式図である。
【図4】本発明の第3の実施形態に係るガス導入部によりOリングへと向かう熱輻射が遮蔽される様子を示す模式図である。
【図5】本発明の第4の実施形態に係るガス導入部によりOリングへと向かう熱輻射が遮蔽される様子を示す模式図である。
【図6】本発明の第5の実施形態に係るガス導入部によりOリングへと向かう熱輻射が遮蔽される様子を示す模式図である。
【図7】本発明の第5の実施形態に係るガス導入部の斜視図である。
【図8】本発明の他の実施形態に係るガス導入部を示す模式図である。
【図9】本発明の更に他の実施形態に係るガス導入部を示す模式図である。
【図10】従来の基板処理装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<本発明の第1の実施形態>
(1)基板処理装置の構成
以下に、本発明の第1の実施形態にかかる基板処理装置の構成について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態にかかる基板処理装置の断面構成図である。図2は、本発明の第1の実施形態に係るガス導入部によりOリングへと向かう熱輻射が遮蔽される様子を示す模式図である。
【0010】
本実施形態にかかる基板処理装置は、変形マグネトロン型プラズマ源(Modified Magnetron Typed Plasma Source)を用いて基板をプラズマ処理するMMT装置として構成されている。MMT装置は、電界と磁界とにより高密度プラズマを発生させる装置であり、放電用電極から放出された電子をドリフトさせながらサイクロイド運動させることで、プラズマを長寿命化させると共に電離生成率を増大させ、高密度プラズマを生成するように構成されている。基板処理装置が備える処理室内に基板を搬入し、処理ガスを処理室内に導入して処理室をある一定の圧力に保ち、放電用電極に高周波電力を供給して電界を形成すると共に磁界を形成して処理室内にマグネトロン放電を起こし、処理ガスを励起分解等させることにより、基板表面を酸化又は窒化させる等の拡散処理や、基板上への成膜処理や、基板表面のエッチング処理等の各種プラズマ処理を基板に施すことができるように構成されている。
【0011】
基板処理装置は、例えばシリコンからなる基板としてのウエハ200をプラズマ処理する処理炉202を備えている。処理炉202は、第1の材質で構成された処理容器203と、処理容器203内に設けられ基板としてのウエハ200が載置される基板載置部としてのサセプタ217と、サセプタ217内に設けられウエハ200を加熱する加熱部としてのヒータ217hと、処理容器203に設けられたガス導入部203aと、第2の材質で構成されると共に、ガス導入部203aに封止部材としてのOリング203bを介して接続され処理室201内に処理ガスを供給するガス供給管234と、処理容器203内のガスを排気するガス排気ラインと、処理容器203内にプラズマを発生させるプラズマ発生機構と、を備えている。また、基板処理装置は、ガス供給ライン、排気ライン、プラズマ発生機構、及びヒータ217hをそれぞれ制御する制御部としてのコントローラ121を備えている。
【0012】
(処理容器)
図1に示すとおり、処理炉202が備える処理容器203は、第1の容器である一体成型されたドーム型(ベルジャ型)の上側容器210と、第2の容器である碗型の下側容器211と、を備えている。上側容器210が下側容器211の上に被せられることにより、内部に処理室201を備えた処理容器203が構成される。上側容器210は、第1の材質として例えば酸化アルミニウム又は石英等の非金属材料により構成され、下側容器211は、例えばアルミニウムにより構成されている。
【0013】
処理室201内の底側中央には、ウエハ200が載置される基板載置部としてのサセプ
タ217が配置されている。サセプタ217は、ウエハ200上に形成する膜の金属汚染を低減することが出来るよう、例えば、窒化アルミニウム、セラミックス、石英等により構成されている。特に、耐プラズマ性材質を求めた場合、石英が望ましい。石英とすることで、プラズマによるエッチングに起因するパーティクルの発生を抑制することが出来る。
【0014】
サセプタ217の内部には、加熱部としてのヒータ217hが一体的に埋め込まれている。ヒータ217hは、サセプタ217上に載置されたウエハ200を加熱するように構成されている。ヒータ217hに電力を供給することで、ウエハ200の温度を所定の温度に昇温できるように構成されている。
【0015】
サセプタ217は、下側容器211とは電気的に絶縁されている。サセプタ217の内部には、インピーダンスを変化させる電極としての第2の電極(図中省略)が装備されている。この第2の電極は、インピーダンス可変手段274を介して接地されている。インピーダンス可変手段274は、コイルや可変コンデンサから構成されており、コイルのパターン数や可変コンデンサの容量値を制御することにより、第2の電極(図中省略)及びサセプタ217を介して、ウエハ200の電位を制御できるようになっている。
【0016】
サセプタ217には、サセプタ217を昇降させるサセプタ昇降手段268が設けられている。サセプタ217には、貫通孔217aが設けられている。一方、前述の下側容器211底面には、ウエハ200を突上げるウエハ突上げピン266が、少なくとも貫通孔217aの個数に対応する本数だけ設けられている。ウエハ突上げピン266は、サセプタ昇降手段268によりサセプタ217が下降させられた時に、サセプタ217とは非接触な状態で貫通孔217aを突き抜けるように配置されている。
【0017】
下側容器211の側壁には、仕切弁としてのゲートバルブ244が設けられている。ゲートバルブ244を開けることにより、搬送手段(図中省略)を用いて処理室201内外にウエハ200を搬送することができるよう構成されている。ゲートバルブ244を閉めることにより、処理室201を気密に封止することができるよう構成されている。
【0018】
処理容器203(上側容器210)の上部には、例えば熱輻射減衰部としての筒状のガス導入部203aが設けられている。すなわち、ガス導入部203aは、ヒータ217hとOリング203bとを結ぶ線上に設けられている。ガス導入部203aは、例えば窒化アルミニウム、セラミックス、石英等により構成されている。特に、耐プラズマ性材質を求めた場合、石英が望ましい。石英とすることで、プラズマによるエッチングに起因するパーティクルの発生を抑制することが出来る。ガス導入部203aの下流端には、ガス導入口(開口)238が形成されている。ガス導入部203aの上流端には、封止部材としてのOリング203bを介して、後述するガス供給管234が接続されている。このように構成されることで、ガス導入部203aは、ヒータ217hからOリング203bへと向かう熱輻射を遮蔽することで減衰させ、Oリング203bの加熱を抑制することが可能となる。ガス導入部203aが石英の場合、Oリング203bとガス導入口238との距離、すなわちガス導入部203aの高さ方向の距離を、ヒータ217hからOリング203bへと向かう輻射熱が、減衰されるような距離とする。熱輻射を減衰させることで、Oリング203bの温度を劣化させないような温度とすることができる。
【0019】
(ガス供給ライン)
上述したように、ガス導入口238には、処理容器203内(処理室201内)に処理ガスを供給するガス供給管234が、封止部材としてのOリング203bを介して接続されている。
【0020】
ガス供給管234の上流側には、処理ガスとしてのOガスを供給する酸素ガス供給管232aと、処理ガスとしてのHガスを供給する水素ガス供給管232bと、不活性ガス(パージガス)としてのNガスを供給する不活性ガス供給管232cと、が合流するように接続されている。
【0021】
酸素ガス供給管232aには、酸素ガス供給源250a、流量制御装置としてのマスフローコントローラ251a、開閉弁であるバルブ252aが上流から順に接続されている。水素ガス供給管232bには、水素ガス供給源250b、流量制御装置としてのマスフローコントローラ251b、開閉弁であるバルブ252bが上流から順に接続されている。不活性ガス供給管232cには、不活性ガス供給源250c、流量制御装置としてのマスフローコントローラ251c、開閉弁であるバルブ252cが上流から順に接続されている。
【0022】
主に、ガス供給管234、酸素ガス供給管232a、水素ガス供給管232b、不活性ガス供給管232c、酸素ガス供給源250a、水素ガス供給源250b、不活性ガス供給源250c、マスフローコントローラ251a〜252c、バルブ252a〜252cにより、ガス供給ラインが構成される。ガス供給管234、酸素ガス供給管232a、水素ガス供給管232b、不活性ガス供給管232cは、第2の材質として例えば石英、酸化アルミニウム、SUS等の金属材料等により構成されている。
【0023】
バルブ252a〜252cを開閉させることにより、マスフローコントローラ251a〜252cにより流量制御しながら、バッファ室237を介して処理室201内にOガス、Hガス、Nガスを供給自在に構成されている。
【0024】
(ガス排気ライン)
下側容器211の側壁下方にはガス排気口235が設けられている。ガス排気口235には、ガス排気管231が接続されている。ガス排気管231には、圧力調整器であるAPC242、開閉弁であるバルブ243b、排気装置である真空ポンプ246が、上流から順に接続されている。主に、ガス排気管231、APC242、バルブ243b、真空ポンプ246により、処理室201内を排気するガス排気ラインが構成されている。真空ポンプ246を作動させ、バルブ243bを開けることにより、処理室201内を排気することが可能なように構成されている。また、APC242の開度を調整することにより、処理室201内の圧力値を調整できるように構成されている。
【0025】
(プラズマ生成機構)
処理容器203(上側容器210)の外周には、処理室201内のプラズマ生成領域224を囲うように、第1の電極としての筒状電極215が設けられている。筒状電極215は、筒状、例えば円筒状に形成されている。筒状電極215には、インピーダンスの整合を行うための整合器272を介して、高周波電力を発生する高周波電源273が接続されている。
【0026】
また、筒状電極215の外側表面の上下端側には、上部磁石216a及び下部磁石216bがそれぞれ取り付けられている。上部磁石216a及び下部磁石216bは、筒状、例えばリング状に形成された永久磁石によりそれぞれ構成されている。上部磁石216a及び下部磁石216bは、処理室201の半径方向に沿った両端(すなわち、各磁石の内周端と外周端)にそれぞれ磁極を有している。そして、上部磁石216a及び下部磁石216bの磁極の向きは、互いに逆向きになるよう配置されている。すなわち、上部磁石216a及び下部磁石216bの内周部の磁極同士は異極となっている。これにより、筒状電極215の内側表面に沿って、円筒軸方向の磁力線が形成される。
【0027】
主に、筒状電極215、整合器272、高周波電源273、上部磁石216a、下部磁石216bにより、プラズマ生成機構(プラズマ生成部)が構成される。処理室201内に処理ガスとしてのOガスとHガスとの混合ガスを導入した後、筒状電極215に高周波電力を供給して電界を形成するとともに、上部磁石216a及び下部磁石216bを用いて磁界が形成されることにより、処理室201内にマグネトロン放電プラズマが生成される。この際、上述の電磁界が、放出された電子を周回運動させることにより、プラズマの電離生成率が高まり、長寿命の高密度プラズマを生成させることができる。
【0028】
なお、筒状電極215、上部磁石216a、及び下部磁石216bの周囲には、これらが形成する電磁界が外部環境や他処理炉等の装置に悪影響を及ぼさないように、電磁界を有効に遮蔽するための遮蔽板223が設けられている。
【0029】
(コントローラ)
制御手段としてのコントローラ121は、信号線Aを通じてAPC242、バルブ243b、及び真空ポンプ246を、信号線Bを通じてサセプタ昇降手段268を、信号線Cを通じてゲートバルブ244を、信号線Dを通じて整合器272、及び高周波電源273を、信号線Eを通じてマスフローコントローラ251a〜252c、バルブ252a〜252cを、さらに図示しない信号線を通じてサセプタに埋め込まれたヒータやインピーダンス可変手段274を、それぞれ制御するように構成されている。
【0030】
(2)半導体装置の製造方法
続いて、上記の基板処理装置により実施される本発明の一実施形態にかかる半導体装置の製造方法について説明する。なお、以下の説明において、基板処理装置を構成する各部の動作は、コントローラ121により制御される。
【0031】
(ウエハの搬入工程)
まず、ウエハ200の搬送位置までサセプタ217を下降させて、サセプタ217の貫通孔217aにウエハ突上げピン266を貫通させる。その結果、突き上げピン266が、サセプタ217表面よりも所定の高さ分だけ突出した状態となる。
【0032】
続いて、ゲートバルブ244を開き、図中省略の搬送手段を用いて処理室201内にウエハ200を搬入する。その結果、ウエハ200は、サセプタ217の表面から突出したウエハ突上げピン266上に水平姿勢で支持される。
【0033】
処理室201内にウエハ200を搬入したら、搬送手段を処理室201外へ退避させ、ゲートバルブ244を閉じて処理室201内を密閉する。そして、サセプタ昇降手段268を用いてサセプタ217を上昇させる。その結果、ウエハ200はサセプタ217の上面に配置される。その後、ウエハ200を所定の処理位置まで上昇させる。
【0034】
なお、ウエハ200を処理室201内に搬入する際には、ガス排気ラインにより処理室201内を排気しつつ、ガス供給ラインから処理室201内に不活性ガスとしてのNガスを供給し、処理室201内をNガスで満たすと共に、酸素濃度を低減させておくことが好ましい。すなわち、真空ポンプ246を作動させ、バルブ243bを開けることにより、処理室201内を排気しつつ、バルブ252cを開けることにより、バッファ室237を介して処理室201内にNガスを供給することが好ましい。
【0035】
(ウエハの昇温工程)
続いて、サセプタの内部に埋め込まれたヒータ217hに電力を供給し、ウエハ200の温度が所定温度になるように加熱する。この際、ヒータ217hからの熱輻射は処理室201内の下方から上方に向けて放射される。但し、上述したように、本実施形態に係る
ガス導入部203aは、ヒータ217hとOリング203bとを結ぶ線上に設けられている。そのため、ヒータ217hからOリング203bへと向かう熱輻射がガス導入部203aにより遮蔽されて減衰され、Oリング203bの温度上昇が抑制される。
【0036】
(処理ガスの導入工程)
続いて、バルブ252cを閉め、バルブ252a,252bを開け、OガスとHガスとの混合ガスである処理ガスを、バッファ室237を介して処理室201内に導入(供給)する。このとき、処理ガス中に含まれるOガスの流量及び処理ガス中に含まれるHガスの流量を所定の流量とするように、マスフローコントローラ251a,251bの開度をそれぞれ調整する。また、処理ガス供給後の処理室201内の圧力が所定の圧力となるように、APC242の開度を調整する。
【0037】
(処理ガスのプラズマ生成工程)
処理ガスの導入を開始した後、筒状電極215に対して、高周波電源273から整合器272を介して高周波電力を印加することにより、処理室201内(ウエハ200の上方のプラズマ生成領域224内)にマグネトロン放電プラズマを生成させる。即ち、プラズマ生成部により、処理ガスをプラズマ状態とする。なお、印加する電力は、例えば800W以下の出力値とする。このときのインピーダンス可変手段274は、予め所望のインピーダンス値に制御しておく。
【0038】
上述のようにプラズマを生成させることにより、処理室201内に導入された処理ガス(OガスとHガスとの混合ガス)が活性化する。そして、ゲート絶縁膜の側壁が、プラズマにより活性化された処理ガス中に晒され、熱酸化される。そして、ウエハ200の表面に熱酸化膜が形成される。なお、混合ガス中のHガスの流量を調整することで、ウエハ200上の金属表面の酸化を抑制しつつ、例えばシリコン面のみを酸化させる選択酸化が可能となる。
【0039】
その後、所定の処理時間が経過したら、高周波電源273からの電力の印加を停止して、処理室201内におけるプラズマ生成を停止する。熱酸化量は、Oガスの流量、Hガスの流量、処理室201内の圧力、ウエハ200の温度、高周波電源273からの供給電力量及び供給時間により規定される。
【0040】
(処理室内の排気工程)
処理室201内におけるプラズマ生成を停止したら、バルブ252a,252bを閉めて処理室201内への処理ガスの供給を停止し、処理室201内を排気する。この際、バルブ252cを開けて処理室201内へNガスを供給し、処理室201内に残留している処理ガスや反応生成物の排出を促す。その後、APC242の開度を調整し、処理室201内の圧力を、処理室201に隣接するバキュームロックチャンバ(ウエハ200の搬出先。図示せず)と同じ圧力に調整する。
【0041】
(ウエハの搬出工程)
処理室201内の圧力が大気圧に復帰したら、サセプタ217をウエハ200の搬送位置まで下降させ、ウエハ突上げピン266上にウエハ200を支持させる。そして、ゲートバルブ244を開き、図中省略の搬送手段を用いてウエハ200を処理室201外へ搬出し、本実施形態にかかる半導体装置の製造を終了する。
【0042】
(3)本実施形態にかかる効果
本実施形態によれば、以下に示す1つまたは複数の効果を奏する。
【0043】
本実施形態によれば、処理容器203(上側容器210)の上部には、熱輻射減衰部と
しての筒状のガス導入部203aが設けられている。ガス導入部203aは、ヒータ217hとOリング203bとを結ぶ線上に設けられている。そのため、ヒータ217hからOリング203bへと向かう熱輻射がガス導入部203aにより遮蔽され、Oリング203bの温度上昇が抑制される。そして、Oリング203bの劣化による処理容器203内の気密性の低下等を抑制できる。また、Oリング203bの溶融による処理室201内やウエハ200の汚染等を抑制できる。
【0044】
また、本実施形態によれば、ガス導入部203aが、ヒータ217hとOリング203bとを結ぶ線上に設けられていることから、処理室201内に生成したマグネトロン放電プラズマにOリング203bが晒され難くなる。そして、Oリング203bの劣化による処理容器203内の気密性の低下等を抑制できる。
【0045】
参考までに、従来の基板処理装置の構成例について図10を参照しながら説明する。
【0046】
従来の基板処理装置では、処理容器203’を構成する上側容器210’は、上部が開口されていた。そして、上側容器210’の開口は、Oリング203b’を介してガス導入口238’が設けられた蓋体204’により閉塞されるように構成されていた。処理容器203’内(処理室201’内)の底側中央に設けられたサセプタ217’には、サセプタ217’上に載置されたウエハ200を加熱するヒータ217h’が一体的に埋め込まれていた。従来の基板処理装置では、ヒータ217h’とOリング203b’との間に熱輻射を遮蔽する部材が設けられていないため、Oリング203b’がヒータ217h’からの熱輻射を受け易く、温度上昇により劣化してしまう場合があった。またOリング203b’が熱により溶融してしまい、処理室201’内やウエハ200が汚染されてしまう場合があった。また、マグネトロン放電プラズマにOリング203bが晒されてしまい、Oリング203bが劣化して処理容器203内の気密性が低下してしまう場合があった。これに対し、本実施形態では、ヒータ217hとOリング203bとを結ぶ線上にガス導入部203aを設けることとしているため、上述の課題を解決することが可能である。
【0047】
<本発明の第2の実施形態>
以下に、本発明の第2の実施形態について図3を参照しながら説明する。図3は、本発明の第2の実施形態に係る熱輻射減衰部としてのガス導入部203aによりOリング203bへと向かう熱輻射が遮蔽されて減衰される様子を示す模式図である。
【0048】
本実施形態では、筒状のガス導入部203aが、熱輻射の減衰効率が高く耐プラズマ性を有する白色ガラス(白色石英、不透明石英)で構成されている点が、上述の実施形態とは異なる。その他の構成は、上述の実施形態と同じである。
【0049】
本実施形態によれば、筒状のガス導入部203aが白色ガラスで構成されていることから、ヒータ217hからOリング203bへと向かう熱輻射が更に確実に減衰され、Oリング203bの温度上昇が更に抑制される。そして、Oリング203bの劣化による処理容器203内の気密性の低下を更に抑制できる。また、Oリング203bの溶融による処理室201内やウエハ200の汚染等を更に抑制できる。
【0050】
<本発明の第3の実施形態>
以下に、本発明の第3の実施形態について、図4を参照しながら説明する。図4は、本発明の第3の実施形態に係るガス導入部203aによりOリング203bへと向かう熱輻射が遮蔽される様子を示す模式図である。
【0051】
本実施形態では、熱輻射減衰部としてのガス供給管234から供給された処理ガスを分散するガス分散部(シャワーヘッド)240を備えている点が、第1及び第2の実施形態
と異なる。ガス分散部240は、ヒータ217hとOリング203bとを結ぶ線上に設けられている。その他の構成は、上述の実施形態と同じである。
【0052】
具体的には、ガス分散部240は、水平姿勢で保持されたシャワー板240aを備えている。シャワー板240aは、例えば円盤状の平板として構成されている。シャワー板240aの外周には筒状の側壁241aが設けられている。側壁241aの上端は、ガス導入口238の外周を囲うように、上側容器210の内壁に気密に接続されている。シャワー板240aには、複数のガス噴出孔239aが面内に分散するように設けられている。シャワー板240aと上側容器210とに挟まれる空間は、ガス導入部203aを介してガス供給管234から供給された処理ガスを分散するバッファ室237として機能する。
【0053】
本実施形態によれば、以下に挙げる1つ又は複数の効果を更に奏する。
【0054】
本実施形態によれば、熱輻射減衰部としてのガス導入部203a及びガス分散部240が、ヒータ217hとOリング203bとを結ぶ線上に設けられている。その結果、ヒータ217hからOリング203bへと向かう熱輻射がシャワー板240aによって更に確実に減衰され、Oリング203bの温度上昇が更に抑制される。そして、Oリング203bの劣化による処理容器203内の気密性の低下を更に抑制できる。また、Oリング203bの溶融による処理室201内やウエハ200の汚染等を更に抑制できる。なお、シャワー板240a、側壁241aを白色ガラスにより構成することで、ヒータ217hからOリング203bへと向かう熱輻射が更に確実に減衰される。
【0055】
また、本実施形態によれば、熱輻射減衰部としてのガス導入部203a及びガス分散部240が、ヒータ217hとOリング203bとを結ぶ線上に設けられていることから、処理室201内に生成したマグネトロン放電プラズマにOリング203bが晒され難くなる。そして、Oリング203bの劣化による処理容器203内の気密性の低下等を抑制できる。また、Oリング203bの溶融による処理室201内やウエハ200の汚染等を抑制できる。
【0056】
また、本実施形態によれば、ガス供給管234から供給された処理ガスが、熱輻射減衰部としてのガス分散部240によって分散される。そのため、ウエハ200に供給される処理ガス供給量の面内均一性が向上し、基板処理の面内均一性が向上する。
【0057】
<本発明の第4の実施形態>
以下に、本発明の第4の実施形態について、図5を参照しながら説明する。図5は、本発明の第4の実施形態に係るガス導入部203a及びガス分散部240によりOリング203bへと向かう熱輻射が遮蔽される様子を示す模式図である。
【0058】
本実施形態に係る熱輻射減衰部としてのガス分散部240は、複数の孔が設けられたシャワー板が積層されてなり、シャワー板に設けられた各ガス噴出孔は、サセプタ217のウエハ載置面から見て、隣接する上下間で互いに重なり合わないように配置されている。その他の構成は、上述の実施形態と同じである。
【0059】
具体的には、ガス分散部240は、水平姿勢で上下に積層されたシャワー板240a(上側)、240b(下側)を備えている。シャワー板240a及び240bは、例えば円盤状の平板としてそれぞれ構成されている。シャワー板240bの径は、シャワー板240aの径よりも大きく構成されている。シャワー板240aの外周には側壁241aが設けられている。側壁241aの上端は、ガス導入口238の外周を囲うように、上側容器210の内壁に気密に接続されている。シャワー板240bの外周には側壁241bが設けられている。側壁241bの上端は、側壁241aの外周を囲うように、上側容器21
0の内壁に気密に接続されている。シャワー板240aには、複数のガス噴出孔239aが面内に分散するように設けられている。シャワー板240bには、複数のガス噴出孔239bが面内に分散するように設けられている。シャワー板240aと上側容器210の内壁とに挟まれる空間は、ガス導入部203aを介してガス供給管234から供給された処理ガスを分散するバッファ室237aとして機能する。シャワー板240aとシャワー板240bとに挟まれる空間は、シャワー板240aを介して供給された処理ガスを更に分散するバッファ室237bとして機能する。
【0060】
なお、ガス噴出孔239aとガス噴出孔239bとは上下間で互いに重なり合わないように構成されている。すなわち、ヒータ217hからOリング203b方向を見た場合に、Oリング203bが、シャワー板240a(上側)或いはシャワー板240b(下側)の少なくともいずれか一方により隠されて見えないように構成されている。
【0061】
本実施形態によれば、以下に挙げる1つ又は複数の効果を更に奏する。
【0062】
まず、本実施形態によれば、熱輻射減衰部としてのガス導入部203a及びガス分散部240が、ヒータ217hとOリング203bとを結ぶ線上に設けられている。その結果、ヒータ217hからOリング203bへと向かう熱輻射が、シャワー板240a,240bによって更に確実に減衰され、Oリング203bの温度上昇が更に抑制される。そして、Oリング203bの劣化による処理容器203内の気密性の低下を更に抑制できる。また、Oリング203bの溶融による処理室201内やウエハ200の汚染等を更に抑制できる。なお、シャワー板240a,240b、側壁241a,241bを白色ガラスにより構成することで、ヒータ217hからOリング203bへと向かう熱輻射が更に確実に減衰される。
【0063】
また、本実施形態によれば、ガス噴出孔239aとガス噴出孔239bとは上下間で互いに重なり合わないように構成されている。すなわち、ヒータ217hからOリング203b方向を見た場合に、Oリング203bが、シャワー板240a(上側)或いはシャワー板240b(下側)の少なくともいずれか一方により隠されて見えないように構成されている。そのため、ヒータ217hからOリング203bへと向かう熱輻射が更に確実に減衰され、Oリング203bの温度上昇が更に抑制される。そして、Oリング203bの劣化による処理容器203内の気密性の低下を更に抑制できる。また、Oリング203bの溶融による処理室201内やウエハ200の汚染等を更に抑制できる。
【0064】
また、本実施形態によれば、熱輻射減衰部としてのガス導入部203a及びガス分散部240が、ヒータ217hとOリング203bとを結ぶ線上に設けられていることから、処理室201内に生成したマグネトロン放電プラズマにOリング203bが晒され難くなる。そして、Oリング203bの劣化による処理容器203内の気密性の低下等を抑制できる。また、Oリング203bの溶融による処理室201内やウエハ200の汚染等を抑制できる。
【0065】
また、本実施形態によれば、ガス供給管234から供給された処理ガスが、ガス分散部240によって分散される。そのため、ウエハ200に供給される処理ガス供給量の面内均一性が向上し、基板処理の面内均一性が向上する。
【0066】
<本発明の第5の実施形態>
以下に、本発明の第5の実施形態について、図6、図7を参照しながら説明する。図6は、本発明の第5の実施形態に係る熱輻射減衰部としてのガス分散部240によりOリング203bへと向かう熱輻射が遮蔽される様子を示す模式図である。図7は、本発明の第5の実施形態に係るガス導入部の斜視図である。
【0067】
本実施形態に係るガス分散部240は、上端が開口され下端が閉塞された円筒部を備えている。円筒部の側面である側壁241cには、複数個のガス噴出孔239cが面内に分散するように設けられている。円筒部の底面である底板240cにはガス噴出孔が設けられていない。即ち、底板240cは無孔板である。その他の構成は上述の実施形態と同じである。
【0068】
本実施形態によれば、以下に挙げる1つ又は複数の効果を更に奏する。
【0069】
まず、本実施形態によれば、熱輻射減衰部としてのガス導入部203a及びガス分散部240が、ヒータ217hとOリング203bとを結ぶ線上に設けられている。その結果、ヒータ217hからOリング203bへと向かう熱輻射が円筒部の底板240cによって更に確実に遮蔽され、Oリング203bの温度上昇が更に抑制される。そして、Oリング203bの劣化による処理容器203内の気密性の低下を更に抑制できる。また、Oリング203bの溶融による処理室201内やウエハ200の汚染等を更に抑制できる。なお、底板240c、側壁241cを白色ガラスにより構成することで、ヒータ217hからOリング203bへと向かう熱輻射が更に確実に遮蔽される。
【0070】
また、本実施形態によれば、ガス噴出孔239cは円筒部の側壁241cに設けられ、円筒部の底板240cには設けられていない。そのため、ヒータ217hからOリング203bへと向かう熱輻射が底板240cによって更に確実に遮蔽され、Oリング203bの温度上昇が更に抑制される。そして、Oリング203bの劣化による処理容器203内の気密性の低下を更に抑制できる。また、Oリング203bの溶融による処理室201内やウエハ200の汚染等を更に抑制できる。
【0071】
また、本実施形態によれば、熱輻射減衰部としてのガス導入部203a及びガス分散部240が、ヒータ217hとOリング203bとを結ぶ線上に設けられていることから、処理室201内に生成したマグネトロン放電プラズマにOリング203bが晒され難くなる。そして、Oリング203bの劣化による処理容器203内の気密性の低下等を抑制できる。また、Oリング203bの溶融による処理室201内やウエハ200の汚染等を抑制できる。
【0072】
<本発明の他の実施形態>
上述の実施形態では、ヒータ217hとOリング203bとを結ぶ線上に熱輻射減衰部としてのガス導入部203aやガス分散部240を設けることにより、Oリング203bの温度上昇を抑制することとしていたが、本発明は係る実施形態に限定されない。本実施形態では、図8に示すように、封止部材としてのOリング203bの位置をヒータ217hから引き離すことにより、Oリング203bに照射される熱輻射量を低減させ、Oリング203bの温度上昇を抑制させている。また、本実施形態では、Oリング203bの位置をこのように配置することで、処理室201内に生成したマグネトロン放電プラズマにOリング203bが晒され難くなるようにし、Oリング203bの劣化を抑制するようにしている。
【0073】
<本発明の更に他の実施形態>
上述の実施形態に係る上側容器210は、一体成型されたドーム型(ベルジャ型)の容器として構成されていたが、本発明は係る形態に限定されない。例えば、図9に示すように、上側容器210の上端を開口することとし、上側容器210の上端開口を、封止部材としてのOリング210bを介して蓋体204により閉塞することとしてもよい。直径が450mmを超える大型のウエハ200を処理するために、一体成型された上側容器210をそのまま大型化(大径化)しようとすれば、処理容器203が外圧に耐え切れずに潰
れてしまう場合がある。本実施形態によれば、蓋体204を別途設けることにより、処理容器203の外圧に対する耐圧性を向上させることが可能となる。
【0074】
なお、係る場合、上側容器210の内壁であって、ヒータ217hとOリング210bとを結ぶ線上に、熱輻射を遮蔽する白色石英からなる熱輻射抑制部203cを設けることとする。このように構成することで、ヒータ217hからのOリング210bへと向かう熱輻射が熱輻射減衰部としての熱輻射抑制部203cにより遮蔽され、Oリング203bの温度上昇を抑制し、Oリング203bの劣化による処理容器203内の気密性の低下等を抑制できる。また、Oリング203bの溶融による処理室201内やウエハ200の汚染等を抑制できる。
【0075】
<本発明の更に他の実施形態>
上述の実施形態では、プラズマを用いてウエハ200の表面を酸化させる酸化処理を行う場合を例に挙げて説明したが、本発明は係る形態に限定されない。すなわち、酸化処理に限らず、例えば窒化処理、成膜処理、エッチング処理を行う場合であっても本発明は好適に適用可能である。また、プラズマを用いる基板処理に限定されず、プラズマを用いない基板処理であっても本発明は好適に適用可能である。
【0076】
以上、本発明の実施の形態を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0077】
<本発明の好ましい態様>
以下に、本発明の好ましい態様について付記する。
【0078】
本発明の一態様によれば、
処理容器と、
前記処理容器内に設けられ基板が載置される基板載置部と、
前記基板載置部内に設けられ前記基板を加熱する加熱部と、
前記処理容器に隣接する熱輻射減衰部と、
前記ガス導入部に封止部材を介して接続され前記処理容器内に処理ガスを供給するガス供給管と、を備え、
前記熱輻射減衰部は、前記加熱部と前記封止部材とを結ぶ線上に設けられている基板処理装置が提供される。
【0079】
好ましくは、前記熱輻射減衰部は、白色ガラスで構成されている。
【0080】
本発明の他の態様によれば、
処理容器と、
前記処理容器内に設けられ基板が載置される基板載置部と、
前記基板載置部内に設けられ前記基板を加熱する加熱部と、
前記処理容器に設けられたガス導入部と、
前記ガス導入部に封止部材を介して接続され前記処理容器内に処理ガスを供給するガス供給管と、
前記ガス供給管から供給された処理ガスを分散するガス分散部と、を備え、
前記ガス分散部は、前記加熱部と前記封止部材とを結ぶ線上に設けられている
基板処理装置が提供される。
【0081】
好ましくは、前記処理ガス分散部は、ガス供給孔に近接する、第一の孔郡を有する第一のシャワープレートと、前記第一のシャワープレートと前記基板載置部との間に設けられた、第二の孔郡を有する第二のシャワープレートと、を有し、
前記第一の孔及び第二の孔は、前記基板支持面から見て重ならないよう構成されている。
【0082】
また好ましくは、前記ガス分散部は側面に孔が設けられ、底面が無孔板である。
【0083】
本発明の更に他の態様によれば、
基板を処理容器へ搬入し、基板載置部に基板を載置する工程と、
前記基板を前記基板載置部内に設けた加熱部により加熱する工程と、
処理ガス供給管と封止部材を介して接続され、前記基板載置部と前記封止部材を結ぶ線上に設けられた熱輻射減衰部を経由して、前記処理容器に処理ガスを供給し、基板を処理する工程と、
前記基板を処理室から搬出する工程と、
を有する半導体装置の製造方法が提供される。
【0084】
本発明の更に他の態様によれば、
処理容器と、
前記処理容器内に設けられ基板が載置される基板載置部と、
前記基板載置部内に設けられ前記基板を加熱する加熱部と、
前記処理容器に設けられたガス導入部と、
前記ガス導入部に封止部材を介して接続され前記処理容器内に処理ガスを供給するガス供給管と、を備え、
前記ガス導入部は、前記加熱部と前記封止部材とを結ぶ線上に設けられている基板処理装置が提供される。
【0085】
本発明の更に他の態様によれば、
基板が載置され内部に加熱部を有する基板載置部と、
処理ガスを供給し、第1の材質で構成されるガス供給管と、
前記ガス供給管が封止部材を介して接続されるガス導入部を有し、前記基板載置部が内包され、第2の材質で構成される処理室と、を備え、
前記ガス導入部は、前記加熱部と前記封止部材とを結ぶ線上に設けられている基板処理装置が提供される。
【0086】
本発明の更に他の態様によれば、
処理容器と、
前記処理容器内に設けられ基板が載置される基板載置部と、
前記基板載置部内に設けられ前記基板を加熱する加熱部と、
前記処理容器に設けられたガス導入部と、前記ガス導入部に封止部材を介して接続され前記処理容器内に処理ガスを供給するガス供給管と、
前記ガス供給管から供給された処理ガスを分散するガス分散部と、を備え、
前記ガス分散部は、前記加熱部と前記封止部材とを結ぶ線上に設けられている基板処理装置が提供される。
【0087】
本発明の更に他の態様によれば、
基板が載置され内部に加熱部を有する基板載置部と、
処理ガスを供給し、第1の材質で構成されるガス供給管と、
前記ガス供給管が封止部材を介して接続されるガス導入部及び前記ガス供給管から供給された処理ガスを分散するガス分散部を有し、前記基板載置部が内包され、第2の材質で構成される処理室と、を備え、
前記ガス分散部は、前記加熱部と前記封止部材とを結ぶ線上に設けられている基板処理装置が提供される。
【0088】
好ましくは、前記封止部材はOリングとして構成されている。
【0089】
また好ましくは、前記ガス導入部は、前記加熱部から前記封止部材へ向かう熱輻射を減衰させる白色ガラスにより構成されている。
【0090】
また好ましくは、前記ガス分散部は、複数個のガス噴出孔が面内に分散するように設けられたシャワー板を備えている。
【0091】
また好ましくは、
前記ガス分散部は、上端が開口され下端が閉塞された円筒部を備え、
前記円筒部の側壁には複数個のガス噴出孔が面内に分散するように設けられ、
前記円筒部の底板にはガス噴出孔が設けられていない。
【0092】
また好ましくは、前記封止部材は、前記加熱部から前記封止部材に照射される熱輻射を低減させるように、前記加熱部から所定の距離だけ離した位置に設けられている。
【0093】
また好ましくは、前記処理容器の内壁であって前記加熱部と前記封止部材とを結ぶ線上に、前記封止部材に照射される熱輻射を低減させる熱輻射抑制部が設けられている。
【符号の説明】
【0094】
200 ウエハ(基板)
203 処理容器
203a ガス導入部(熱輻射減衰部)
203b Oリング(封止部材)
210b Oリング(封止部材)
217 サセプタ(基板載置部)
217h ヒータ(加熱部)
234 ガス供給管(熱輻射減衰部)
240 ガス分散部(熱輻射減衰部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理容器と、
前記処理容器内に設けられ基板が載置される基板載置部と、
前記基板載置部内に設けられ前記基板を加熱する加熱部と、
前記処理容器に隣接する熱輻射減衰部と、
前記ガス導入部に封止部材を介して接続され前記処理容器内に処理ガスを供給するガス供給管と、を備え、
前記熱輻射減衰部は、前記加熱部と前記封止部材とを結ぶ線上に設けられている基板処理装置。
【請求項2】
前記熱輻射減衰部は、白色ガラスで構成されている請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
基板を処理容器へ搬入し、基板載置部に基板を載置する工程と、
前記基板を前記基板載置部内に設けた加熱部により加熱する工程と、
処理ガス供給管と封止部材を介して接続され、前記基板載置部と前記封止部材を結ぶ線上に設けられた熱輻射減衰部を経由して、前記処理容器に処理ガスを供給し、基板を処理する工程と、
前記基板を処理室から搬出する工程と、
を有する半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−232637(P2010−232637A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−22974(P2010−22974)
【出願日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】