説明

基板処理装置及び基板処理方法

【課題】誤った処理液が基板に供給されることを効果的に抑制する技術を提供する。
【解決手段】基板処理装置100は、ボトル70を設置するキャビネット60を備える。キャビネット60は、フレーム61により、Y軸方向に沿って複数の設置区画に区分されており、各設置区画には処理液を収容した収容容器70が設置される。また、設置区画には読取部81が埋設されており、ボトル70の底面には内容物に関するボトル情報を記憶したICタグシール82が貼付されている。基板処理装置100は、ボトル70が設置区画に設置された状態で、読取部81によりICタグシール82からボトル情報を読み取る。そして、基板処理装置100は、取得したボトル情報を、各設置区画に設置されるべきボトル70について、予め登録されている情報と照合することにより、設置されているボトル70の適否を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体基板、液晶表示装置等の表示装置用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板等(以下、「基板」と称する。)に対してレジスト塗布処理や現像処理等の所定の処理を行う基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、半導体や表示装置等の製品は、基板に対して洗浄、レジスト塗布、露光、現像、エッチング、層間絶縁膜の形成、熱処理及びダイシング等、一連の処理を施すことにより製造される。これらの処理のうち、例えばレジスト塗布処理、現像処理及びそれらに付随する熱処理のそれぞれを行う処理ユニットを複数組み込み、搬送ロボットによりそれら各処理ユニット間で基板の循環搬送を行って、基板を処理する基板処理装置(いわゆるコータ&デベロッパ)が広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような基板処理装置では、複数種類の処理液(例えば、レジスト、洗浄液、現像液等)が使用されるが、基板に対して処理液を供給する処理液供給機構に誤った処理液が供給されることを防止するため、処理液を収容する収容容器を管理するシステムがこれまでにも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
具体的に、特許文献2では、処理液を使い切った収容容器を新たな収容容器に交換する際に、交換用の収容容器に付設されているバーコードがバーコードリーダーにより読み取られる。そして予め登録されている情報と、読み取られた情報とが照合されて、交換しようとしている収容容器の適否が判定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−324139号公報
【特許文献2】特開2001−217217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記の技術では、収容容器を設置する前に、バーコードを読み取って収容容器の適否を判定するため、判定後に誤った設置場所に収容容器を設置してしまう懸念があった。特に、複数の収容容器を一度に交換するような場合には、設置場所を取り違えて配置してしまうおそれがあった。そのため、誤った処理液が基板に供給されるおそれがあった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、誤った処理液が基板に供給されることを効果的に抑制する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、第1の態様は、収容容器に収容された処理液を基板に供給して、当該基板を処理する基板処理装置であって、複数の収容容器を設置するための複数の設置区画を有する容器設置部と、前記複数の設置区画のそれぞれに対して設置されるべき収容容器の内容物についての情報が、前記複数の設置区画のそれぞれに関連づけられて保存されているテーブル情報を記憶するテーブル情報記憶部と、前記収容容器のそれぞれに付設され、前記複数の収容容器のそれぞれの内容物についての第1情報を保持する第1情報保持部と、前記複数の設置区画のうち特定の設置区画に設置されている収容容器に付設された前記第1情報保持部から、前記第1情報を読み取る第1情報読取部と、前記テーブル情報と前記第1情報とを照合する照合部とを含むことを特徴とする。
【0009】
また、第2の態様は、第1の態様に係る基板処理装置において、前記複数の収容容器のうちのいずれかの収容容器から処理液を供給したことを示す第2情報を取得する第2情報取得部と、前記第2情報取得部が取得した前記第2情報を処理液の供給に関する履歴情報として記憶する第2情報記憶部とを含むことを特徴とする。
【0010】
また、第3の態様は、第2の態様に係る基板処理装置において、前記複数の収容容器のうちの第1収容容器と第2収容容器とのそれぞれから同一種類の処理液が供給され、当該処理液を基板に向けて吐出するノズルと、前記第1収容容器と前記第2収容容器との間で、前記ノズルに対する処理液の供給源を切り換える切換部とを含むことを特徴とする。
【0011】
また、第4の態様は、第1〜第3のいずれか1の態様に係る基板処理装置において、前記照合部による照合結果に基づいて、前記複数の収容容器に収容された処理液を基板に向けて供給する処理液供給機構、を含むことを特徴とする。
【0012】
また、第5の態様は、第1〜第4のいずれか1の態様に係る基板処理装置において、前記第1情報読取部は、前記第1情報保持部から電磁的に前記第1情報を読み取ることを特徴とする。
【0013】
また、第6の態様は、第1〜第5のいずれか1の態様に係る基板処理装置において、前記第1情報保持部は、前記複数の収容容器の底面に貼付されるシール型のIDタグであり、前記第1情報読取部は、前記容器設置部に設置されている状態の収容容器の底面と対向する位置に設けられることを特徴とする。
【0014】
また、第7の態様は、容器設置部が有する設置区画に設置された収容容器に収容されている処理液を基板に供給して、当該基板を処理する基板処理方法において、(a)複数の設置区画のそれぞれに対して設置されるべき収容容器の内容物についての情報が、前記複数の設置区画のそれぞれに関連づけられて保存されているテーブル情報を取得する工程と、(b)前記複数の設置区画のうち、特定の設置区画に設置されている収容容器の内容物についての第1情報を取得する工程と、(c)前記(a)工程にて取得される前記テーブル情報と、前記(b)工程にて取得される前記第1情報とを照合する工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の第1の態様に係る基板処理装置によると、収容容器の内容物についての第1情報を、容器設置部の設置区画に設置された状態で取得して、当該第1情報を、各設置区画に設置されるべき収容容器の内容物の情報が保存されたテーブル情報と照合するため、収容容器を不適切な設置区画に設置することを抑制できる。したがって、誤った処理液が基板に供給されることを効果的に抑制できる。
【0016】
また、第2の態様に係る基板処理装置によると、処理液供給に関する情報が履歴として記録されるため、複数の収容容器の中から、吐出エラー(例えば、液の枯渇や液詰まり等によってノズルから処理液が吐出されない等の誤作動)の要因となった収容容器を容易に特定できる。
【0017】
また、第3の態様に係る基板処理装置によると、1のノズルに対して複数の処理液の供給源を設けることで基板処理装置の稼働効率を向上させつつ、吐出エラーが起こった際に、同一種類の処理液が収容された複数の収容容器の中から、吐出エラーの要因となっている収容容器を容易に特定できる。
【0018】
また、第4の態様に係る基板処理層によると、誤った処理液が収容容器から基板へ供給されることを効果的に抑制できる。
【0019】
また、第6の態様に係る基板処理装置によれば、第1情報保持部をシール型とすることで、第1情報保持部の付設スペースを小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係る基板処理装置の外観を示す図である。
【図2】実施形態に係る基板処理装置の本体部を示す平面図である。
【図3】実施形態に係る基板処理装置の本体部の液処理部を示す正面図である。
【図4】実施形態に係るキャビネットの概略を示す正面図である。
【図5】実施形態に係るボトルの底面を示す図である。
【図6】実施形態に係るキャビネットの設置区画のそれぞれにボトルを設置している状態を示す正面図である。
【図7】実施形態に係る処理液供給機構を示す概略図である。
【図8】実施形態に係る制御機構の概略を示すブロック図である。
【図9】実施形態に係る基板処理装置の基本動作を示す流れ図である。
【図10】実施形態に係るボトル設置情報の構成の一例を示す図である。
【図11】処理液吐出処理時の基板処理装置の動作手順を示す図である。
【図12】ボトル交換処理時における基板処理装置の動作手順を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付の図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0022】
<1. 実施形態>
<1.1. 基板処理装置の構成及び機能>
<概略構成>
図1は、本発明の実施形態に係る基板処理装置100の外観を示す図である。また、図2は、実施形態に係る基板処理装置100の本体部101を示す平面図である。図3は、実施形態に係る基板処理装置100の本体部101の液処理部を示す正面図である。
【0023】
なお、図1及びそれ以降の各図では、図示及び説明の都合上、Z軸方向が鉛直方向を表し、XY平面が水平面を表すものとして定義するが、それらは位置関係を把握するために便宜上定義するものであって、以下に説明する各方向を限定するものではない。
【0024】
本実施形態の基板処理装置100は、半導体ウェハ等の基板Wにフォトレジスト膜を塗布形成するとともに、パターン露光後の基板Wに現像処理を行う装置(いわゆるコータ&デベロッパ)である。なお、本発明に係る基板処理装置100の処理対象となる基板Wは半導体ウェハに限定されるものではなく、液晶表示装置用のガラス基板やフォトマスク用ガラス基板等や、その他の電子機器用の基板であってもよい。
【0025】
本実施形態の基板処理装置100は、主に本体部101とホストコンピュータ102とに大別される。本体部101は、インデクサブロック10、バークブロック20、レジスト塗布ブロック30、現像処理ブロック40及びインターフェイスブロック50の5つのブロックが一方向(X方向)に並べられて構成されている。バークブロック20、レジスト塗布ブロック30、現像処理ブロック40は、基板Wに処理を行う処理ユニット及び当該処理ユニットに基板を搬送する搬送ロボットを備える処理ブロックである。
【0026】
なお、ここでの「処理ユニット」とは、基板Wに液を供給して処理を行う液処理ユニット(塗布処理ユニットBRC、塗布処理ユニットSC、現像処理ユニットSD)及び基板Wの熱処理を行う熱処理ユニット(加熱ユニット、冷却ユニット、密着強化処理ユニット)の他、基板Wに所定の処理を行うユニットを含むものとする。
【0027】
連接された3つの処理ブロック(バークブロック20、レジスト塗布ブロック30、現像処理ブロック40)の一端(−X側端部)には、インデクサブロック10が接続されており、その反対側の他端(+X側端部)には、インターフェイスブロック50が接続されている。そして、インターフェイスブロック50の他端側には、外部装置である露光ユニット(ステッパ)EXPが接続配置されている。すなわち、連接された3つの処理ブロックの他端と露光ユニットEXPとの間にインターフェイスブロック50が配置されている。
【0028】
<インデクサブロック10>
インデクサブロック10は、装置外から受け取った未処理基板を装置内に搬入するとともに、現像処理の終了した処理済み基板を装置外に搬出するためのブロックである。インデクサブロック10は、複数のキャリアC(本実施形態では4個)を並べて載置する載置台11と、各キャリアCから未処理の基板Wを取り出すとともに、各キャリアCに処理済みの基板Wを収容するインデクサロボットIRとを備えている。
【0029】
インデクサロボットIRは、載置台11に沿って(Y軸方向に沿って)水平移動可能であるとともに昇降(Z軸方向)移動及び鉛直方向に沿った軸心周りの回転動作が可能である可動台12を備えている。そして、可動台12には、基板Wを水平姿勢で保持する2つの保持アーム13a,13bが搭載されている。
【0030】
保持アーム13a,13bは、相互に独立して前後にスライド移動可能に構成されている。また、保持アーム13a,13bのそれぞれは、Y軸方向への水平移動や、Z軸方向への昇降移動、水平面内の旋回動作及び旋回半径方向に沿って進退移動が可能となっている。これにより、インデクサロボットIRは、保持アーム13a,13bを個別に各キャリアCに進入させて、未処理の基板Wを取り出したり、処理済みの基板Wを収容したりすることができる。
【0031】
なお、キャリアCの形態としては、基板Wを密閉空間に収容するFOUP(Front Opening Unified Pod)の他に、SMIF(Standard Mechanical Inter Face)ポッドや収容基板Wを外気に曝すOC(Open Cassette)であってもよい。
【0032】
インデクサブロック10とこれに隣接して設けられているバークブロック20との間には、雰囲気遮断用の隔壁15が設けられている。この隔壁15には、インデクサブロック10とバークブロック20との間で基板Wの受け渡しを行うために基板Wを載置する2つの基板載置部PASS1,PASS2が上下に積層されて設けられている。
【0033】
上側の基板載置部PASS1は、インデクサブロック10からバークブロック20へ基板Wを搬送するために使用される。基板載置部PASS1は3本の支持ピンを備えており、インデクサブロック10のインデクサロボットIRはキャリアCから取り出した未処理の基板Wを基板載置部PASS1の3本の支持ピン上に載置する。基板載置部PASS1に載置された基板Wは、後述のバークブロック20の搬送ロボットTR1により受け取られる。
【0034】
一方、下側の基板載置部PASS2は、バークブロック20からインデクサブロック10へ基板Wを搬送するために使用される。基板載置部PASS2も3本の支持ピンを備えており、バークブロック20の搬送ロボットTR1が処理済みの基板Wを基板載置部PASS2の当該3本の支持ピン上に載置する。そして、基板載置部PASS2に載置された基板Wは、インデクサロボットIRにより受け取られてキャリアCに収容される。なお、後述の基板載置部PASS3〜PASS10の構成は、基板載置部PASS1,PASS2と同様の構成を有する。
【0035】
基板載置部PASS1,PASS2は、隔壁15の中央付近を貫通するように設けられている。また、基板載置部PASS1,PASS2には、基板Wの有無を検出する光学式のセンサ(図示せず)が設けられている。これら各センサの検出信号に基づいて、インデクサロボットIRや搬送ロボットTR1が基板載置部PASS1,PASS2に対して基板Wを受け渡しできる状態にあるかどうかが判断される。
【0036】
<バークブロック20>
バークブロック20は、露光時に発生する定在波やハレーションを減少させるために、フォトレジスト膜の下地に反射防止膜を塗布形成するための処理ブロックである。バークブロック20は、基板Wの表面に反射防止膜を塗布形成するための下地塗布処理部21と、反射防止膜の塗布形成に付随する熱処理を行う2つの熱処理タワー22,23と、下地塗布処理部21及び熱処理タワー22,23に対して基板Wの受け渡しを行う搬送ロボットTR1とを備える。
【0037】
下地塗布処理部21は、搬送ロボットTR1を挟んで、熱処理タワー22,23と対向するように配置されている。具体的には、下地塗布処理部21が装置正面側(−Y側)に、2つの熱処理タワー22,23が装置背面側(+Y側)に、それぞれ位置している。
【0038】
図3に示すように、下地塗布処理部21は同様の構成を備えた4つの塗布処理ユニットBRCを上下に積層配置して構成されている。それぞれの塗布処理ユニットBRCは、基板Wを略水平姿勢で吸着保持して略水平面内にて回転させるスピンチャック26、スピンチャック26上に保持された基板Wの上面に反射防止膜用の塗布液を吐出する塗布ノズル27、スピンチャック26を回転駆動させるスピンモータ(図示せず)、スピンチャック26上に保持された基板Wの周囲を囲むように配置されるカップ(図示せず)等を主に備えている。
【0039】
また、図示を省略するが、熱処理タワー22には、基板Wを所定の温度にまで加熱する複数の加熱ユニットや、加熱された基板Wを冷却して所定の温度にまで降温するとともに基板Wを当該所定の温度に維持する複数の冷却ユニット及びレジスト膜と基板Wとの密着性を向上させるためにHMDS(ヘキサメチルジシラザン)の蒸気雰囲気中で基板Wを熱処理する複数の密着強化処理ユニットが、鉛直方向に沿って上下に重なるようにして積層配置されている。また、熱処理タワー23についても、複数の加熱ユニット及び複数の冷却ユニットが鉛直方向に沿って上下に重なるようにして積層配置されている。
【0040】
搬送ロボットTR1は、基板Wを略水平姿勢で保持する搬送アーム24a,24bを上下2段に近接させて備えている。搬送アーム24a,24bのそれぞれは、先端部が平面視で「C」字形状になっており、この「C」字形状のアームの内側部分から内方に突き出た複数本のピンで、基板Wの周縁を下方から支持する。
【0041】
また、搬送ロボットTR1は、図示しない駆動機構によって搬送アーム24a,24bを鉛直方向に沿った昇降移動及び鉛直方向に沿った軸心周りの回転動作が可能となるように構成されている。また、搬送ロボットTR1は、搬送アーム24a,24bのそれぞれを、互いに独立して水平方向に進退移動することができる。したがって、搬送アーム24a,24bのそれぞれは、昇降移動、水平面内の旋回動作及び旋回半径方向に沿った進退移動のそれぞれが可能となっている。
【0042】
搬送ロボットTR1は、2台の搬送アーム24a,24bをそれぞれ個別に基板載置部PASS1,PASS2、熱処理タワー22,23に設けられた熱処理ユニット、下地塗布処理部21に設けられた塗布処理ユニットBRC及び後述の基板載置部PASS3,PASS4に対して進入させて、基板Wの受け渡しを行う。
【0043】
<レジスト塗布ブロック30>
レジスト塗布ブロック30は、反射防止膜が塗布形成された基板W上にレジストを塗布してレジスト膜を形成する処理ブロックである。レジスト塗布ブロック30は、下地塗布された反射防止膜の上にレジストを塗布するレジスト塗布処理部31と、レジスト塗布処理に付随する熱処理を行う2つの熱処理タワー32,33と、レジスト塗布処理部31及び熱処理タワー32,33に対して基板Wの受け渡しを行う搬送ロボットTR2とを備える。
【0044】
レジスト塗布ブロック30は、バークブロック20と現像処理ブロック40との間に挟まれるようにして設けられている。レジスト塗布ブロック30とバークブロック20との間にも、雰囲気遮断用の隔壁25が設けられている。そして隔壁25には、バークブロック20とレジスト塗布ブロック30との間で基板Wの受け渡しを行うために基板Wを載置する2つの基板載置部PASS3,PASS4が上下に積層されて設けられている。基板載置部PASS3,PASS4は、上述の基板載置部PASS1,PASS2と同様の構成を備えている。
【0045】
すなわち、上側の基板載置部PASS3は、バークブロック20からレジスト塗布ブロック30へ基板Wを搬送するために使用される。バークブロック20の搬送ロボットTR1が基板載置部PASS3に基板Wを載置し、レジスト塗布ブロック30の搬送ロボットTR2がこれを受け取る。
【0046】
また、下側の基板載置部PASS4は、レジスト塗布ブロック30からバークブロック20へ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、レジスト塗布ブロック30の搬送ロボットTR2が基板Wを基板載置部PASS4に載置し、バークブロック20の搬送ロボットTR1がこれを受け取る。
【0047】
基板載置部PASS3,PASS4は、隔壁25の一部に部分的に貫通して設けられている。また、基板載置部PASS3,PASS4には、基板Wの有無を検出する光学式のセンサ(図示省略)が設けられており、各センサの検出信号に基づいて、搬送ロボットTR1,TR2が基板載置部PASS3,PASS4に対して基板Wを受け渡しできる状態にあるか否かが判断される。
【0048】
レジスト塗布ブロック30においては、搬送ロボットTR2を挟んでレジスト塗布処理部31と熱処理タワー32,33とが対向して配置されている。具体的には、レジスト塗布処理部31が(−Y)側に、2つの熱処理タワー32,33が(+Y)側に、それぞれ位置している。
【0049】
図3に示すように、レジスト塗布処理部31は、上下に積層配置された4つの塗布処理ユニットSCを備えている。それぞれの塗布処理ユニットSCは、基板Wを略水平姿勢で吸着保持して略水平面内にて回転させるスピンチャック36、このスピンチャック36上に保持された基板W上にフォトレジストの塗布液を吐出する塗布ノズル37、スピンチャック36を回転駆動させるスピンモータ(図示せず)及びスピンチャック36上に保持された基板Wの周囲を囲繞するカップ(図示せず)等を備えている。
【0050】
また、熱処理タワー32には、図示を省略するが、基板Wを所定の温度にまで加熱する複数の加熱ユニット及び加熱された基板Wを冷却して所定の温度にまで降温するとともに基板Wを当該所定の温度に維持する複数の冷却ユニットが、上下に積層配置されている。一方、熱処理タワー33にも複数の加熱ユニット及び複数の冷却ユニット上下に積層配置されている。
【0051】
図2に示すように、搬送ロボットTR2は、搬送ロボットTR1と同様の構成を備えており、基板Wを略水平姿勢で保持する搬送アーム34a,34bを上下2段に近接させて備えている。搬送アーム34a,34bは、「C」字形状のアームの内側から内方に突き出た複数本のピンで基板Wの周縁を下方から支持する。
【0052】
搬送ロボットTR2は、2個の搬送アーム34a,34bをそれぞれ個別に基板載置部PASS3,PASS4、熱処理タワー32,33に設けられた熱処理ユニット、レジスト塗布処理部31に設けられた塗布処理ユニットSC及び後述の基板載置部PASS5,PASS6に対して進入させて、基板Wの受け渡しを行う。
【0053】
<現像処理ブロック40>
現像処理ブロック40は、露光処理後の基板Wに対して現像処理を行うための処理ブロックである。現像処理ブロック40は、パターンが露光された基板Wに対して現像液を供給して現像処理を行う現像処理部41と、現像処理後の熱処理を行う熱処理タワー42と、露光直後の基板Wに熱処理を行う熱処理タワー43と、現像処理部41及び熱処理タワー42に対して基板Wの受け渡しを行う搬送ロボットTR3とを備える。
【0054】
図3に示すように、現像処理部41は、上下に積層配置された5つの現像処理ユニットSDを備えている。各現像処理ユニットSDは、基板Wを略水平姿勢で吸着保持して略水平面内にて回転させるスピンチャック46、このスピンチャック46上に保持された基板W上に現像液を供給するノズル47、スピンチャック46を回転駆動させるスピンモータ(図示せず)及びスピンチャック46上に保持された基板Wの周囲を囲繞するカップ(図示せず)等を主に備えている。
【0055】
図3に示すように、熱処理タワー42には、基板Wを所定の温度にまで加熱する複数の加熱ユニット及び加熱された基板Wを冷却して所定の温度にまで降温するとともに基板Wを当該所定の温度に維持する複数の冷却ユニットが上下に積層配置されている。一方、熱処理タワー43にも、複数の加熱ユニット及び複数の冷却ユニットが上下に積層配置されている。
【0056】
熱処理タワー43の加熱ユニットは露光直後の基板Wに対して露光後加熱処理(Post Exposure Bake)を行う。すなわち、熱処理タワー43の加熱ユニット及び冷却ユニットに対しては、後述するインターフェイスブロック50の搬送ロボットTR4が基板Wの搬出入を行う。
【0057】
現像処理ブロック40は、レジスト塗布ブロック30とインターフェイスブロック50との間に挟み込まれるようにして設けられている。現像処理ブロック40とレジスト塗布ブロック30との間にも、雰囲気遮断用の隔壁35が設けられている。この隔壁35にレジスト塗布ブロック30と現像処理ブロック40との間で基板Wの受け渡しを行うために基板Wを載置する2つの基板載置部PASS5,PASS6が上下に積層して設けられている。基板載置部PASS5,PASS6は、上述の基板載置部PASS1,PASS2と同様の構成を備えている。
【0058】
上側の基板載置部PASS5は、レジスト塗布ブロック30から現像処理ブロック40へ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、レジスト塗布ブロック30の搬送ロボットTR2が基板載置部PASS5に載置した基板Wは、現像処理ブロック40の搬送ロボットTR3により受け取られる。
【0059】
一方、下側の基板載置部PASS6は、現像処理ブロック40からレジスト塗布ブロック30へ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、現像処理ブロック40の搬送ロボットTR3が基板載置部PASS6に載置した基板Wは、レジスト塗布ブロック30の搬送ロボットTR2により受け取られる。
【0060】
基板載置部PASS5,PASS6は、隔壁35の一部に部分的に貫通して設けられている。また、基板載置部PASS5,PASS6には、基板Wの有無を検出する光学式のセンサ(図示省略)が設けられており、各センサの検出信号に基づいて、搬送ロボットTR2,TR3が基板載置部PASS5,PASS6に対して基板Wを受け渡しできる状態にあるか否かが判断される。
【0061】
また、熱処理タワー43には、現像処理ブロック40とインターフェイスブロック50との間で基板Wの受け渡しを行うための2つの基板載置部PASS7,PASS8が上下に近接して組み込まれている。
【0062】
上側の基板載置部PASS7は、現像処理ブロック40からインターフェイスブロック50へ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、現像処理ブロック40の搬送ロボットTR3が基板載置部PASS7に載置した基板Wは、インターフェイスブロック50の搬送ロボットTR4により受け取られる。
【0063】
また、下側の基板載置部PASS8は、インターフェイスブロック50から現像処理ブロック40へ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、インターフェイスブロック50の搬送ロボットTR4が基板載置部PASS8に載置した基板Wは、現像処理ブロック40の搬送ロボットTR3により受け取られる。
【0064】
なお、基板載置部PASS7,PASS8は、現像処理ブロック40の搬送ロボットTR3及びインターフェイスブロック50の搬送ロボットTR4の両側(図2中、−Y側及び+X側)に対して開口している。
【0065】
図2に示すように、搬送ロボットTR3は、基板Wを略水平姿勢で保持する搬送アーム44a,44bを上下に近接させて備えている。搬送アーム44a,44bは、「C」字形状のアームの内側から内方に突き出た複数本のピンで基板Wの周縁を下方から支持する。搬送ロボットTR3は、搬送ロボットTR1,TR2と同様に、搬送アーム44a,44bのそれぞれを、個別に基板載置部PASS5,PASS6、熱処理タワー42に設けられた熱処理ユニット、現像処理部41に設けられた5つの現像処理ユニットSD及び熱処理タワー43の基板載置部PASS7,PASS8に対して進入させて、基板Wの受け渡しを行う。
【0066】
<インターフェイスブロック50>
インターフェイスブロック50は、現像処理ブロック40に対して隣接するように配置され、レジスト膜が塗布形成された未露光の基板Wを外部装置である露光ユニットEXPに渡すとともに、露光済みの基板Wを露光ユニットEXPから受け取って現像処理ブロック40に渡すブロックである。
【0067】
インターフェイスブロック50は、露光ユニットEXPとの間で基板Wの受け渡しを行うための搬送機構IFRの他に、レジスト膜が形成された基板Wの周縁部を露光する2つのエッジ露光ユニットEEWと、現像処理ブロック40の熱処理タワー43及びエッジ露光ユニットEEWに対して基板Wを受け渡しする搬送ロボットTR4とを備える。
【0068】
エッジ露光ユニットEEWは、図3に示すように、基板Wを略水平姿勢で吸着保持して略水平面内にて回転させるスピンチャック56及びスピンチャック56に保持された基板Wの周縁に光を照射して露光する光照射器57等を備えている。2つのエッジ露光ユニットEEWは、インターフェイスブロック50の中央付近において、鉛直方向沿って積層配置されている。
【0069】
また、エッジ露光ユニットEEWの下側には、2つの基板載置部PASS9,PASS10、基板戻し用のリターンバッファRBF及び基板送り用のセンドバッファSBFが上下に積層配置されている。
【0070】
上側の基板載置部PASS9は搬送ロボットTR4から搬送機構IFRに基板Wを渡すために使用され、また、下側の基板載置部PASS10は搬送機構IFRから搬送ロボットTR4に基板Wを渡すために使用される。
【0071】
リターンバッファRBFは、例えば、何らかの障害によって現像処理ブロック40が露光済みの基板Wの現像処理を行うことができない場合に、現像処理ブロック40の熱処理タワー43で露光後加熱処理を既に終えた基板Wを一時的に収容保管する保管場所となる。また、センドバッファSBFは、露光ユニットEXPが未露光の基板Wの受け入れをできないときに、露光処理前の基板Wを一時的に収容保管する保管場所となる。
【0072】
リターンバッファRBF及びセンドバッファSBFは、いずれも複数枚の基板Wを多段に収容できる収容棚によって構成されている。なお、リターンバッファRBFに対しては搬送ロボットTR4が進入し、センドバッファSBFに対しては搬送機構IFRが進入する。
【0073】
現像処理ブロック40の露光後ベーク処理部43に隣接して配置されている搬送ロボットTR4は、基板Wを略水平姿勢で保持する搬送アーム54a,54bを上下に近接させて備えており、その構成及び動作機構は搬送ロボットTR1〜TR3と同様の構成となっている。
【0074】
また、搬送機構IFRは、Y軸方向の水平移動、昇降移動及び鉛直方向に沿った軸心周りの回転動作が可能な可動台52を備え、その可動台52に基板Wを水平姿勢で保持する2つの保持アーム53a,53bを搭載している。保持アーム53a,53bは相互に独立して前後にスライド移動可能とされている。よって、保持アーム53a,53bのそれぞれは、Y軸方向に沿った水平移動、昇降移動、水平面内の旋回動作及び旋回半径方向に沿った進退移動を行う。
【0075】
露光ユニットEXPは、本体部101にてレジスト塗布された基板Wに対して、露光処理を行う。露光ユニットEXPには、基板受渡場所として露光前の基板Wが載置される搬入テーブルTIと、露光後の基板Wが載置される搬入テーブルTOとが設けられている。
【0076】
搬入テーブルTI及び搬入テーブルTOは、基板載置部PASS1〜PASS10と同様に、3本の支持ピンを備えている。インターフェイスブロック50の搬送機構IFRは、レジスト塗布された露光前の基板Wを搬入テーブルTIに載置するとともに、搬入テーブルTOに置かれた露光後の基板Wを受け取る。
【0077】
また、図示を省略するが、露光ユニットEXPは、搬入テーブルTIに載置された露光前の基板Wを受け取るとともに、露光後の基板Wを搬入テーブルTOに載置する基板搬送機構(搬送ロボット)を備えている。
【0078】
<キャビネット60>
図3に示すように、インデクサブロック10の下端部分には、基板Wに供給するための処理液を収容した複数のボトル70が設置されるキャビネット60が備えられている。このキャビネット60については、図4を参照しつつ説明する。
【0079】
図4は、実施形態に係るキャビネット60の概略を示す正面図である。キャビネット60は、骨格部分であるフレーム61と、基板処理装置100内に固定された移動機構62とを主に備える。
【0080】
キャビネット60は、Y軸方向に長手方向を有しており、その内部がフレーム61によりY軸方向に沿って複数のブロックに区分されている。これら複数のブロックのそれぞれは、1本のボトル70が設置可能なブロック(設置区画)となっている。また、各設置区画のボトル70の設置面(すなわち、ボトル70の底と接触する面)には、読取部81(例えばアンテナ)が埋設されている。基板処理装置100は、内部的に各設置区画に対して識別番号(設置区画番号)を付与しており、各設置区画がその場所ごとに識別可能となっている。
【0081】
移動機構62は、フレーム61を移動させるためのガイドレールを有しており、フレーム61をY軸方向に沿ってスライド移動させることが可能となっている。これにより、オペレータは、手動でフレーム61を装置外に引き出すことができる。
【0082】
図5は、実施形態に係るボトル70の底面70Bを示す図である。本実施形態に係る基板処理装置100に使用されるボトル70の底面70Bには、ボトル70に関する情報(具体的には、内容物の種類(種類情報)やボトル70固有の識別番号(識別情報)。以下、「ボトル情報」と称する。)(第1情報)を記憶したICタグシール82が貼付されている。このICタグシール82と読取部81とは、RFID(Radio Frequency IDentification)システムを構成しており、ICタグシール82が保持しているボトル情報は、読取部81により電磁的に読み取り可能となっている。
【0083】
図6は、実施形態に係るキャビネット60の設置区画のそれぞれにボトル70を設置している状態を示す正面図である。同図に示すように、各設置区画にボトル70が設置されている状態(すなわち、ボトル70の底面70Bと読取部81とが、互いに対向している状態)で、各設置区画の読取部81により、ボトル70に貼付(付設)されたICタグシール82からボトル情報が読み取られる。なお、読み取られたボトル情報は、後述の読取制御部RCへ送信される。
【0084】
図7は、実施形態に係る処理液供給機構90を示す概略図である。なお、図7では、ボトル70a(第1収容容器)及びボトル70b(第2収容容器)のそれぞれに収容されている同一種類の処理液(ここでは、レジスト)を、塗布処理ユニットSCの塗布ノズル37へ供給する処理液供給機構90を示している。
【0085】
図7に示すように、本実施形態では、塗布処理ユニットSCの塗布ノズル37に対して、2つの処理液供給機構90a,90bが接続されている。処理液供給機構90a,90bのそれぞれは、ガス供給部91a,91b、ガス配管92a,92b、貯留部93a,93b、液配管94a,94b,95a,95b、検出器96a,96bを主に備える。
【0086】
ガス供給部91a,91bは、ガス配管92a,92bを介して、ボトル70a,70bの内部空間に窒素ガスをそれぞれ供給して圧力を上昇させる。これにより、ボトル70a,70bのそれぞれの処理液が、液配管94a,94bを介して、貯留部93a,93bに送液される。
【0087】
貯留部93a,93bは、ボトル70a,70bのそれぞれから塗布処理ユニットSCへ向けて送液される処理液(ここでは、レジスト)を一時的に貯留する。そして、検出器96a,96bは、この貯留部93a,93bに貯留されている処理液量を検出する。詳細には、検出器96a,96bは、貯留部93a,93b内の処理液の液位を光学的に検出することにより、貯留部93a,93b内に処理液が所定量以上貯留されているかどうかを検査する。この検出結果は、後述の処理液供給制御部PSCに出力され、主制御部MCへ送られる。なお、検出器96は、光学的に液位を検出するものであってもよいが、貯留部93a,93b内に設けられるフロート式のレベルセンサ等であってもよい。
【0088】
液配管95a,95bは、一方端が貯留部93a,93bのそれぞれに接続しており、他端が切換部97により連結されて塗布ノズル37に接続している。切換部97は、液配管95aと塗布ノズル37、あるいは、液配管95bと塗布ノズル37のいずれかに、処理液供給の接続状態を切り換える。すなわち、切換部97は、ボトル70a及びボトル70bとの間で、塗布ノズル37に対する処理液の供給源を切り換えることができる。
【0089】
なお、図示を省略するが、他の液処理ユニット(塗布処理ユニットBRC、現像処理ユニットSD)についても、塗布処理ユニットSCと同様に、1のノズル(塗布ノズル27,ノズル47)に対して複数の処理液供給機構90が設けられる。
【0090】
このように、本実施形態では、液処理ユニットのノズルに対して、複数の処理液供給機構90を備えることにより、1の処理液供給機構90に吐出エラー等の問題が発生した場合であっても、他の処理液供給機構90により対応できるため、装置の可動効率を向上させることができる。もちろん、1のノズルに対して1の処理液供給機構90が接続される構成でもよい。
【0091】
<制御機構>
図8は、実施形態に係る制御機構の概略を示すブロック図である。本実施形態に係る基板処理装置100の本体部101は、主制御部MC、ブロック制御部BC、処理ユニット制御部PUC、読取制御部RC及び処理液供給制御部PSCを主に備えている。
【0092】
これら各制御部のハードウェアとしての構成は、一般的なコンピュータと同様である。すなわち、各制御部は、各種演算処理を行うCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリ(ROM)、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAM、制御用アプリケーションや各種データを記憶する磁気ディスク等を備えている。
【0093】
主制御部MCは、本体部101全体の管理、メインパネルMPの管理、ブロック制御部BC、読取制御部RC及び処理液供給制御部PSCの管理を主に担当する。メインパネルMPは、主制御部MCのディスプレイとして機能する。また、主制御部MCに対してはキーボードKBから種々のコマンドを入力することができる。なお、メインパネルMPをタッチパネルにて構成し、メインパネルMPから主制御部MCに入力作業を行うようにしてもよい。
【0094】
なお、図8では一つのブロック制御部BCのみを示しているが、本実施形態では、図2または3に示す各ブロック(インデクサブロック10、バークブロック20、レジスト塗布ブロック30、現像処理ブロック40及びインターフェイスブロック50)のそれぞれに対して、個別にブロック制御部BCが設けられている。また、各ブロック制御部BCは、対応するブロック内の基板搬送管理及び各処理ユニットの動作管理を主に担当する。
【0095】
具体的に、例えばブロック制御部BCは、特定の基板載置部(例えば、基板載置部PASS1)に基板Wを載置したという情報を、隣接するブロックのブロック制御部BCに送る。そして、基板Wを受け取ったブロックのブロック制御部BCは、当該基板載置部から基板Wを受け取ったという情報を元のブロックのブロック制御部BCに送り返す。
【0096】
このようなブロック制御部BC間の情報の送受信は、主制御部MCを介して行われる。そして、各ブロック制御部BCはブロック内に基板Wが搬入された旨の情報を搬送ロボット制御部TCに与え、該搬送ロボット制御部TCが搬送ロボット(例えば、搬送ロボットTR1)を制御してブロック内で基板Wを所定の手順に従って循環搬送させる。なお、搬送ロボット制御部TCは、ブロック制御部BC上でCPUが所定のプログラムに従って動作することにより実現される制御部である。
【0097】
また、処理ユニット制御部PUCは、対応のブロックに備えられた特定の処理ユニット(例えば、塗布処理ユニットBRC)の動作を管理する制御部であり、例えばスピンコントローラやベークコントローラが備えられる。スピンコントローラは、ブロック制御部BCの指示に従ってブロック内に配置されたスピンユニット(例えば、塗布処理ユニットBRC)を直接制御するものである。具体的には、スピンコントローラは、例えばスピンモータを制御して基板Wの回転数を調整する。また、ベークコントローラは、ブロック制御部BCの指示に従ってブロック内に配置された熱処理ユニット(ホットプレート、クールプレート、加熱部等)を直接制御する。
【0098】
また、基板処理装置100に設けられた制御階層のさらに上位の制御機構として、本体部101とLAN回線を介して接続されたホストコンピュータ102が備えられている。ホストコンピュータ102は、各種演算処理を行うCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリ(ROM)、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリ(RAM)及び制御用アプリケーションやデータ等を記憶しておく記憶部102Mを備えており、一般的なコンピュータと同様の構成を有している。
【0099】
なお、ホストコンピュータ102には、本体部101が、1台または2台以上接続される。ホストコンピュータ102は、接続されているそれぞれの本体部101に処理手順及び処理条件を記述したレシピ情報を送信する。そして、ホストコンピュータ102から渡されたレシピ情報は、本体部101の主制御部MCの記憶部(メモリ)に記憶される。
【0100】
読取制御部RCは、上述のキャビネット60の各区画に埋設された読取部81の管理を主に担当する。読取制御部RCは、主制御部MCの命令に基づいて、読取部81にボトル情報を読み取らせる。この読み取りにより取得されたボトル情報は、主制御部MCを介して、ホストコンピュータ102へ送信される。
【0101】
処理液供給制御部PSCは、処理液供給機構90の管理を主に担当する。本実施形態では、処理液供給制御部PSCは、主制御部MCからの指示に基づいて、ガス供給部91a,91bからボトル70内へ窒素ガスを供給することにより、各液処理ユニットへの処理液供給を制御する。また、処理液供給制御部PSCは、処理液供給機構90の検出器96a,96bから出力される検出結果を、主制御部MCに伝達する。基板処理装置100は、この検出結果に基づいて、後述のボトル交換処理を実行する。
【0102】
以上が、基板処理装置100の構成及び機能の説明である。次に、基板処理装置100の基板処理の動作手順について説明する。
【0103】
<1.2. 基板処理装置の動作>
<基板処理装置の基本動作手順>
図9は、実施形態に係る基板処理装置100の基本動作を示す流れ図である。なお、以下に説明する基板処理装置100の動作は、特に断らない限り、主制御部MCの制御に基づくものとする。まず、基板処理装置100の電源が投入されると、基板処理装置100は、所定の初期設定を行った後、各ボトル70に収容されている処理液の種類情報やボトル70固有の識別情報をホストコンピュータ102に送信する。ホストコンピュータ102は受信した情報を記憶部102Mに記録する(ステップS1)。
【0104】
より詳細には、基板処理装置100は、読取部81により、キャビネット60の各設置区画に設置されたボトル70に付設されているICタグシール82のそれぞれから、各ボトル70のボトル情報が読み取られる。そして読み取られたボトル情報が、各ボトル70の設置場所を示す設置区画の番号(設置区画情報)と関連づけられて、ホストコンピュータ102に出力される。そして、ホストコンピュータ102は、主制御部MCから送られてきた情報をボトル設置情報D10(テーブル情報)として記憶部102Mに格納する。
【0105】
図10は、実施形態に係るボトル設置情報D10の構成の一例を示す図である。同図に示すように、ボトル設置情報D10には、キャビネット60の設置区画ごとに割り当てられた番号(設置区画番号)に対して、各設置区画に設置されているボトル70の具体的な処理液の種類情報とボトル70の固有の識別情報とが関連づけられて記録されている。
【0106】
このようなボトル設置情報D10の登録が完了すると、基板処理装置100は、一連の基板処理を実行する(ステップS2)。ここで、基板処理装置100の基板処理の諸処理について、以下に説明する。
【0107】
まず、キャリアCに収容された基板Wがインデクサブロック10に搬入されると、基板処理装置100は、当該基板Wを基板載置部PASS1に載置して、搬送ロボットTR1により熱処理タワー22の密着強化処理ユニットに搬送して所定の密着強化処理を実行する。その後、基板処理装置100は、当該基板Wを熱処理タワー22,23の冷却ユニットに搬送して冷却する。
【0108】
次に、基板処理装置100は、基板Wを塗布処理ユニットBRCに搬送して、その表面に反射防止膜の塗布液を供給して回転塗布する。回転塗布が完了すると、基板処理装置100は、熱処理タワー22,23のいずれかの加熱ユニットに搬送し、加熱処理によって、基板W上に下地の反射防止膜を焼成させる。
【0109】
そして、基板処理装置100は、基板Wを加熱ユニットから取り出して、冷却ユニットに搬送して冷却する。冷却後の基板Wは、搬送ロボットTR1により、基板載置部PASS3に載置される。
【0110】
基板載置部PASS3に基板Wを載置すると、基板処理装置100は、搬送ロボットTR2により基板Wを受け取って熱処理タワー32,33のいずれかの冷却ユニットに搬送し、基板Wを所定温度に温度調整する。
【0111】
温度調整が完了すると、基板処理装置100は、温度調整済みの基板Wを塗布処理ユニットSCに搬送し、基板Wに対してレジストを供給して回転塗布する。レジスト塗布処理が終了すると、基板処理装置100は、塗布処理ユニットSCから基板Wを取り出して、加熱ユニットに搬送し、基板Wを加熱(Post Applied Bake)することにより、基板W上にレジスト膜を形成させる。
【0112】
熱処理が完了すると、基板処理装置100は、加熱ユニットから基板Wを取り出して、冷却ユニットに搬送して冷却し、冷却後の基板Wを、基板載置部PASS5に載置させる。
【0113】
基板載置部PASS5に基板Wを載置すると、基板処理装置100は、搬送ロボットTR3により、当該基板Wを受け取って、基板載置部PASS7に載置する。当該基板Wは、さらに搬送ロボットTR4により受け取られ、上下いずれかのエッジ露光ユニットEEWに搬入される。エッジ露光ユニットEEWでは、基板Wの端縁部の露光処理(エッジ露光処理)が行われる。
【0114】
エッジ露光処理が完了すると、基板処理装置100は、基板Wを搬送ロボットTR4により基板載置部PASS9に載置し、さらに搬送機構IFRにより受け取って、露光ユニットEXPの搬入テーブルTIに載置する。
【0115】
露光ユニットEXPに搬入された基板Wは、パターン露光処理に供される。パターン露光処理が完了した露光済みの基板Wは、図示しない搬送機構により露光ユニットEXPの搬入テーブルTOに載置される。基板処理装置100は、搬入テーブルTOに載置された基板Wを搬送機構IFRにより受け取って、基板載置部PASS10に載置する。
【0116】
基板Wを基板載置部PASS10に載置すると、基板処理装置100は、搬送ロボットTR4により当該基板Wを受け取って、熱処理タワー43の加熱ユニットに搬送して、露光後加熱処理(Post Exposure Bake)を行う。
【0117】
露光後加熱処理が終了すると、基板処理装置100は、搬送ロボットTR4により基板Wを加熱ユニットから取り出して基板載置部PASS8に載置し、搬送ロボットTR3により当該基板Wを受け取って熱処理タワー42の冷却ユニットに搬送し、基板Wを冷却することで、所定温度に正確に温度調整する。
【0118】
次に、基板処理装置100は、冷却ユニットから基板Wを取り出して現像処理部41の現像処理ユニットSDに搬送し、基板Wに現像液を供給して、現像処理を実行する。現像処理が完了すると、基板処理装置100は、基板Wを熱処理タワー42の加熱ユニットに搬送して加熱処理し、さらにその後、冷却ユニットに搬送して冷却処理する。
【0119】
冷却処理が完了すると、基板処理装置100は、基板Wを冷却ユニットから取り出して、基板載置部PASS6に載置し、搬送ロボットTR2により当該基板Wを基板載置部PASS4へ載置する。さらに、基板処理装置100は、基板載置部PASS4に載置された基板Wを、搬送ロボットTR1により基板載置部PASS2に載置する。これにより、一連の諸処理が完了した基板がインデクサブロック10に格納される。
【0120】
基板載置部PASS2に載置された諸処理の済んだ基板Wは、インデクサロボットIRによって所定のキャリアCに収容される。その後、所定枚数の処理済み基板Wが収容されたキャリアCが装置外部に搬出されて、一連の基板処理が完了する。
【0121】
以上が、基板処理装置100の基板処理の動作手順についての説明である。次に、基板処理装置100の各液処理ユニットでの処理液吐出時における動作手順について、図11を参照しつつ説明する。
【0122】
<処理液吐出処理時の基板処理装置の動作手順>
図11は、処理液吐出処理時の基板処理装置100の動作手順を示す図である。
【0123】
まず基板処理装置100は、処理手順が記述されたレシピ情報に基づき、各液処理ユニットへ処理液を供給すべき時機に、処理液供給制御部PSCに対して処理液の供給を指示する(ステップS21)。
【0124】
処理液の供給を指示すると、基板処理装置100は、特定の液処理ユニットに対して処理液を供給する(ステップS22)。具体的には、基板処理装置100は、処理液を供給すべき液処理ユニットのノズルに接続されている特定のボトル70に対して、窒素ガスを供給する(図7参照)。これにより、液処理ユニットに保持された基板Wに処理液が吐出される。
【0125】
処理液を供給すると、基板処理装置100は、処理液を供給したことを示す供給情報をホストコンピュータ102へ送信する。そしてホストコンピュータ102は、当該供給情報を、供給履歴情報(第2情報)として記憶部102Mに記録する(ステップS23)。具体的には、主制御部MCが、処理液を供給したボトル70に関する情報(例えば、処理液を供給したボトル70が設置されている設置区画番号)をホストコンピュータ102に伝達して、ホストコンピュータ102が、当該情報を供給履歴情報として供給時間等とともに記憶部102Mに記録する。
【0126】
これにより、例えば、処理液が基板Wに供給されない等の吐出エラーが発生したときに、記録された供給履歴情報が参照されることで、どの処理液系統で問題が生じたかを容易に特定できる。したがって、交換等が行われるべきボトル70を容易に特定できる。
【0127】
特に、本実施形態では、上述のように、1のノズルに対して、複数の処理液供給機構90が接続されている。すなわち、ノズルには、同一種類の処理液が収容された複数のボトル70に接続されており、吐出エラーが起こった際に、一見しただけではどのボトル70からの処理液吐出が問題となっているかが分かりにくいことがある。特に、同一種類の処理液を収容している収容容器70の場合、容器形状やラベルが同じである等のために外観では区別できないことが多い。
【0128】
しかし、本実施形態では、記憶部102Mに記録された供給履歴情報を記録する際に、処理液の種類毎ではなく、ボトル70毎に処理液の供給履歴情報を取得している。したがって、複数のボトル70の中から、エラーの原因となった際に処理液の供給源となっていたボトル70を特定できるため、ボトル70の交換や処理液供給機構90の点検等を的確に行うことができる。
【0129】
供給履歴情報を記録すると、基板処理装置100は、ボトル70の交換が必要か否かを判定する(ステップS24)。具体的には、処理液供給機構90の検出器96a,96bが、貯留部93a,93b内の処理液量を検出して、貯留されている処理液が所定の基準量を下回っているかどうかを検出する。これにより、基板処理装置100は、該当するボトル70に十分な処理液が残存しているかどうか検出して、ボトル交換が必要か否かを判断する。
【0130】
ボトル70の交換が必要と判定した場合には(ステップS24にてYES)、基板処理装置100は、ボトル交換処理を実行する(ステップS25)。このステップS25の動作手順の詳細については後述する。一方、交換が不要と判定された場合(ステップS24にてNO)や、ステップS25のボトル交換処理が完了した場合には、基板処理装置100は、処理液の吐出処理の動作を終了する。
【0131】
以上が、基板処理装置100の処理の液吐出処理時の動作手順の説明である。次に、ステップS25の基板処理装置100のボトル交換処理時の動作手順について、図12を参照しつつ説明する。
【0132】
<ボトル交換処理時の基板処理装置の動作手順>
図12は、ボトル交換処理時における基板処理装置100の動作手順を示す流れ図である。
【0133】
ボトル交換処理を開始すると、基板処理装置100は、ボトル70の交換が必要なことをオペレータに警告するため、所定の警告通知を行う(ステップS31)。具体的に、本実施形態では、交換すべきボトル70の設置区画番号とボトル情報等が、ホストコンピュータ102の表示部に表示される。
【0134】
オペレータは、この警告表示に従って交換を要するボトル70をキャビネット60から取り外し、収容物が同じの新たなボトル70を設置する。そして、オペレータは、ホストコンピュータ102に対して、警告を停止させるための所定のリセット入力を行う。ホストコンピュータ102は、このリセット入力があったか否かを判定することで(ステップS32)、ボトル70の交換が完了したかどうかを判断する。基板処理装置100は、このリセット入力があった場合には、ステップS33へ進む。リセット入力がない場合は、ステップS31へ戻り、警告通知を引き続き行う。
【0135】
リセット入力があった場合(ステップS32においてYES)、基板処理装置100は、警告表示を解除する。そして、基板処理装置100は、交換を要することを検出したボトル70の設置区画に埋設されている読取部81によって、交換されたボトル70のIDタグシール82に記録されたボトル情報を読み取る(ステップS33)。そして、主制御部MCは、読み取ったボトル情報とともに、該ボトル70の設置区画情報をホストコンピュータ102へ送信する(ステップS34)。
【0136】
ボトル情報及び設置区画情報がホストコンピュータ102へ送信されると、基板処理装置100は、ホストコンピュータ102が取得した情報と予め登録されているボトル設置情報D10とを照合することにより、設置されたボトル70が適切なものか否かを判定する(ステップS35)。
【0137】
具体的に、ステップS35では、(1)交換対象となっていた空のボトル70が新たなボトル70に交換されているかどうか、また、(2)同じ種類の処理液のボトル70に交換されているか、の2点について判定を行う。このうちの(1)については、基板処理装置100は、キャビネット60の該当する設置区画番号の位置に、交換前に設置されていたボトルのボトルIDとは異なるボトルIDが割り振られているボトル70が設置されたか否かで判定される。また、(2)については、予め登録されていた処理液の種類と同じ処理液のボトル70かどうかで判断される。
【0138】
照合処理の結果、設置されているボトル70が、適切であると判定された場合には(ステップS35にてYES)、基板処理装置100は、交換後のボトル70から、処理液を供給する準備のための処理を行う(ステップS36)。詳細には、基板処理装置100は、ボトル70に接続されたガス供給部を駆動することで交換後のボトル70に所定量の窒素ガスを供給して、処理液の吐出準備を行う。なお、ホストコンピュータ102は、ボトル設置情報D10について、交換前のボトル70の識別情報を交換後のボトル70の識別情報に更新する。
【0139】
一方、ステップS35にて設置されたボトル70が不適切であると判定された場合には(ステップS35にてNO)、基板処理装置100は、ホストコンピュータ102の表示部に警告表示を行う(ステップS37)。ここでの警告表示は、交換したボトル70が誤りであることを通知する表示である。なお、このステップS37の警告表示の際に、ステップS31で表示した内容(交換すべきボトル70の設置区画番号や処理液の種類)についても、交換を容易にするという観点から、表示されることが好ましい。
【0140】
警告表示されると、オペレータは、この警告に従って再交換を要するボトル70をキャビネット60から取り外し、収容物が同じ新たなボトル70に交換する。そして、オペレータは、ホストコンピュータ102に対して、警告を停止させるための所定のリセット入力を行う。ホストコンピュータは、このリセット入力があったか否かを判定することで(ステップS38)、ボトル70の交換が行われたどうかを判断する。
【0141】
基板処理装置100は、リセット入力がなかった場合には(ステップS38にてNO)、基板処理装置100はステップS37へ戻り、警告表示を引き続き行う。一方、リセット入力があった場合には(ステップS38にてYES)、基板処理装置100は、ステップS33へ進み、以降の各ステップを実行する。
【0142】
以上が、本実施形態に係る基板処理装置100の動作説明である。本実施形態に係る基板処理装置100によれば、ボトル70に関するボトル情報を、キャビネット60の設置区画に設置された状態で取得して、ボトル設置情報D10と照合する。これにより、ボトル70を不適切な設置区画に設置することを抑制できる。したがって、誤った処理液が基板に供給されることを効果的に抑制できる。
【0143】
<2. 変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
【0144】
例えば、上記実施形態では、キャビネット60の各設置区画に設置されているボトル70のボトル情報を取得して、ホストコンピュータ101がボトル設置情報D10を生成するようにしているが、例えば、オペレータが設置区画番号毎に処理液の種類情報を予め登録しておき、実際に設置されているボトル70が正しいかどうかを判定できるようにしてもよい。この場合には、種類情報が一致したボトル70についてはボトル設置情報D10に識別情報を追記し、種類情報が一致しなかったボトル70についてはオペレータに警告通知をするように基板処理装置100を構成すればよい。
【0145】
また、上記実施形態では、ボトル70の設置場所を、インデクサブロック10の下端部に設けられたキャビネット60としているが、もちろんこれ以外の場所に設置するようにしてもよい。例えば、基板処理装置100の天井部分にボトル70を設置できるように基板処理装置100を構成してもよい。
【0146】
また、上記実施形態では、基板処理装置100は、検出器96により貯留部93a,93bの貯留量を検出することで、ボトル70の交換時期を把握しているが、例えば、処理液の使用量をホストコンピュータ102が演算するようにしてもよい。具体的には、主制御部MCからホストコンピュータ102へ送信される供給履歴情報に基づいて、各液処理ユニットで処理毎に使用される処理液量から総使用量を演算できる。したがって、各ボトル70に元々収容されていた処理液の収容量と上記総使用量とを比較することで、ボトル70に残存する処理液量を演算できる。
【0147】
また、上記実施形態では、ステップS31において、表示部に警告表示することで基板処理装置100は警告通知を行うと説明したが、警告通知の手法は、このようなものに限られない。例えば、警告灯を本体部101に設置して、警告灯を点灯することで警告通知するようにしてもよい。また、各設置区画にも比較的小型の警告灯を設け、交換を要するボトル70の設置された設置区画にて交換時に点灯させることで、交換時の誤りをより低減できる。さらに、ブザー等を設けることによりオペレータに音で警告通知することも妨げられない。
【0148】
また、上記実施形態では、RFIDシステムにより、ボトル70のボトル情報を取得するようにしているが、赤外線IDシステムやバーコード読み取りシステムにより、キャビネット60に設置するボトル70のボトル情報を取得するようにしてもよい。
【0149】
さらに、上記実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜に組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0150】
100 基板処理装置
101 本体部
102 ホストコンピュータ
102M 記憶部
20 バークブロック
27,37 塗布ノズル
47 ノズル
60 キャビネット
70,70a,70b ボトル
70B 底面
81 読取部
82 タグシール
90,90a,90b 処理液供給機構
97 切換部
BC ブロック制御部
BRC 塗布処理ユニット
D10 ボトル設置情報(テーブル情報)
MC 主制御部
PSC 処理液供給制御部
RC 読取制御部
SC 塗布処理ユニット
SD 現像処理ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容容器に収容された処理液を基板に供給して、当該基板を処理する基板処理装置であって、
複数の収容容器を設置するための複数の設置区画を有する容器設置部と、
前記複数の設置区画のそれぞれに対して設置されるべき収容容器の内容物についての情報が、前記複数の設置区画のそれぞれに関連づけられて保存されているテーブル情報を記憶するテーブル情報記憶部と、
前記収容容器のそれぞれに付設され、前記複数の収容容器のそれぞれの内容物についての第1情報を保持する第1情報保持部と、
前記複数の設置区画のうち特定の設置区画に設置されている収容容器に付設された前記第1情報保持部から、前記第1情報を読み取る第1情報読取部と、
前記テーブル情報と前記第1情報とを照合する照合部と、
を含むことを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理装置において、
前記複数の収容容器のうちのいずれかの収容容器から処理液を供給したことを示す第2情報を取得する第2情報取得部と、
前記第2情報取得部が取得した前記第2情報を処理液の供給に関する履歴情報として記憶する第2情報記憶部と、
を含むことを特徴とする基板処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の基板処理装置において、
前記複数の収容容器のうちの第1収容容器と第2収容容器とのそれぞれから同一種類の処理液が供給され、当該処理液を基板に向けて吐出するノズルと、
前記第1収容容器と前記第2収容容器との間で、前記ノズルに対する処理液の供給源を切り換える切換部と、
を含むことを特徴とする基板処理装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の基板処理装置において、
前記照合部による照合結果に基づいて、前記複数の収容容器に収容された処理液を基板に向けて供給する処理液供給機構、
を含むことを特徴とする基板処理装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の基板処理装置において、
前記第1情報読取部は、前記第1情報保持部から電磁的に前記第1情報を読み取ることを特徴とする基板処理装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の基板処理装置において、
前記第1情報保持部は、前記複数の収容容器の底面に貼付されるシール型のIDタグであり、
前記第1情報読取部は、前記容器設置部に設置されている状態の収容容器の底面と対向する位置に設けられることを特徴とする基板処理装置。
【請求項7】
容器設置部が有する設置区画に設置された収容容器に収容されている処理液を基板に供給して、当該基板を処理する基板処理方法において、
(a) 複数の設置区画のそれぞれに対して設置されるべき収容容器の内容物についての情報が、前記複数の設置区画のそれぞれに関連づけられて保存されているテーブル情報を取得する工程と、
(b) 前記複数の設置区画のうち、特定の設置区画に設置されている収容容器の内容物についての第1情報を取得する工程と、
(c) 前記(a)工程にて取得される前記テーブル情報と、前記(b)工程にて取得される前記第1情報とを照合する工程と、
を含むことを特徴とする基板処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−171258(P2010−171258A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−13251(P2009−13251)
【出願日】平成21年1月23日(2009.1.23)
【出願人】(506322684)株式会社SOKUDO (158)
【Fターム(参考)】