説明

基板処理装置

【課題】複数の排気管を接続する排気下流側接続部のメンテナンスを容易にする。
【解決手段】筐体を備えた基板処理装置であって、基板を処理する処理室201を内側に有する反応容器207と、該反応容器207の外周側から前記基板を加熱する加熱装置と、前記反応容器207の下端を閉塞する蓋体と、前記反応容器内にガスを供給するガス供給管230と、前記加熱装置と前記蓋体との間の前記反応容器207の側壁に一体成形され該反応容器207内を排気する複数の排気管231とを筐体内に有し、前記複数の排気管231の排気下流側接続部を、前記筐体一側面に面するメンテナンスエリア側に配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板処理装置に係り、例えば半導体製造装置において用いられる基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図7に、従来の基板処理装置に用いられている縦型処理炉の断面図を示す。
縦型処理炉302は図示しない筐体内に設けられる。この縦型処理炉302は、ヒータユニット306と、ヒータユニット306内に挿入される反応容器307とから構成される。反応容器307は、反応管303と反応管303を支持する炉口フランジ309とから構成される。反応管303は、アウターチューブ305と、アウターチューブ305内に設けられるインナーチューブ304から構成される。炉口フランジ309は、ガス供給管(図示せず)と排気管331とを備える。炉口フランジ309は金属製である(例えば、特許文献1参照)。インナーチューブ304の内側に、複数枚のウェーハ200を多段に装填したボート317が挿入される。ボート317を支持するシールキャップ319によって炉口フランジ309が閉じられる。
ガス供給管から反応管303内にガスを供給しつつ、反応後の残ガス等を排気管331から排気させる過程でボート317に装填された複数枚のウェーハ200が処理される。
【0003】
このような縦型処理炉302を組立てるには、縦型処理炉302の下部スペースを利用して、縦型処理炉302への反応管303の挿脱を行う必要がある。縦型処理炉302への反応容器307の挿脱は、図示しないボートエレベータ、及び着脱装置により行われている(例えば、特許文献2参照)。ヒータベース351に固定されたヒータユニット306の下部に開口された開口部から反応容器307を装着する。反応容器307は、排気管331が突出されているため、排気管331より上側までをヒータユニット306内に挿入することになり、反応容器307の一部はヒータユニット306からはみ出すことになる。排気管331はガスの流れを考慮し、円筒状で口径が大きいことが望ましい。しかし、排気管331の口径が大きいと、反応容器307のヒータユニット306からはみ出す部分が長くなり、縦型処理炉302自体が上方向に大きくなる。一方、反応容器307の上下方向の長さを小さくすることによって、縦型処理炉302を小さくすることは可能であるが、反応容器307の上下方向の長さを小さくすると、ウェーハ処理枚数が減少し、生産能力が落ちるので好ましくない。
【0004】
また、上述した排気管はガス供給管にくらべ管径が大きく、接続クランプ等、接続、取外しの際に、作業スペースを多く必要とする。また、排気管は筐体の一側面に面するメンテナンスエリア側を向いていない。
【0005】
【特許文献1】特開平8−120453号公報
【特許文献2】特開平11−67679号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来技術ではつぎのようなことがいえる。
(1)炉口フランジが金属製であるため、金属汚染の原因になっていた。
(2)基板処理能力を落とさずに、排気能力を高くするために排気管の管径を大きすると、反応容器の上下方向の長さが長くなるため、その分装置の高さが高くなってしまう。また、反応容器をヒータユニットから挿脱する際に下部スペースを利用するが、排気管の管径を大きくすると、下部スペースも当該挿脱スペースを確保するよう上下方向に長くする必要があり、結果として装置高さが高くなり、装置が顧客のクリーンルームに入らなくなってしまうおそれもある。
(3)ガス供給管にくらべ排気管は管径が大きく、接続クランプ等、接続、取外しの際に、作業スペースを多く必要とするため、排気管の排気管下流側接続部のメンテナンスに手間がかかる上、排気管がメンテナンスエリア側を向いていないため、排気管内の副生成物の清掃作業が大変である。
【0007】
本発明の目的は、排気能力を落とさず、装置の高さを抑えることが可能な基板処理装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、複数の排気管を接続する排気下流側接続部のメンテナンスを容易にすることが可能な基板処理装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、排気管を複数にした場合の排気管の強度を増すことが可能な基板処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一の態様によれば、筐体を備えた基板処理装置であって、基板を処理する処理室を内側に有する反応容器と、該反応容器の外周側から前記基板を加熱する加熱装置と、前記反応容器の下端を閉塞する蓋体と、前記反応容器内にガスを供給するガス供給管と、前記加熱装置と前記蓋体との間に位置する前記反応容器の側壁に一体成形され該反応容器内を排気する複数の排気管と、を筐体内に有し、前記複数の排気管の排気下流側接続部を、前記筐体一側面に面するメンテナンスエリア側に配置する基板処理装置が提供される。
【0009】
本発明の他の態様によれば、基板を処理する処理室を内側に有する反応容器と、該反応容器の外周側から前記基板を加熱する加熱装置と、前記反応容器の下端を閉塞する蓋体と、前記反応容器内にガスを供給するガス供給管と、前記加熱装置と前記蓋体との間に位置する前記反応容器の側壁に一体成形され該反応容器内を排気する複数の排気管と、該複数の排気管を併合するよう該排気管に一体成形される排気下流側接続部とを備える基板処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、排気能力を落とさず、装置の高さを抑えることが可能になる。また、他の態様によっては、複数の排気管を接続する排気下流側接続部のメンテナンスを容易にすることができる。さらに、他の態様によっては、排気管を複数にした場合の排気管の強度を増すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明を実施するための最良の形態において、基板処理装置は、一例として、半導体装置(IC)の製造方法における処理工程を実施する半導体製造装置として構成されている。尚、以下の説明では、半導体製造装置として基板に酸化、拡散処理やCVD処理などを行なう縦型の半導体製造装置(以下、単に処理装置という)に適用した場合について述べる。図3は、本発明の実施の形態に適用される処理装置の斜透視図として示されている。また、図4は図3に示す処理装置の側面透視図である。
【0012】
図3および図4に示されているように、シリコン等からなるウェーハ(基板)200を収納したウェーハキャリアとしてフープ(基板収容器、以下ポッドという。)110が使用されている本実施の形態の処理装置100は、筐体111を備えている。筐体111の正面壁111aの正面前方部にはメンテナンス可能なように設けられた開口部としての正面メンテナンス口103が開設され、この正面メンテナンス口103を開閉する正面メンテナンス扉104、104がそれぞれ建て付けられている。
筐体111の正面壁111aにはポッド搬入搬出口(基板収容器搬入搬出口)112が筐体111の内外を連通するように開設されており、ポッド搬入搬出口112はフロントシャッタ(基板収容器搬入搬出口開閉機構)113によって開閉されるようになっている。
【0013】
ポッド搬入搬出口112の正面前方側にはロードポート(基板収容器受渡し台)114が設置されており、ロードポート114はポッド110を載置されて位置合わせするように構成されている。ポッド110はロードポート114上に工程内搬送装置(図示せず)によって搬入され、かつまた、ロードポート114上から搬出されるようになっている。
【0014】
筐体111内の前後方向の略中央部における上部には、回転式ポッド棚(基板収容器載置棚)105が設置されており、回転式ポッド棚105は複数個のポッド110を保管するように構成されている。すなわち、回転式ポッド棚105は垂直に立設されて水平面内で間欠回転される支柱116と、支柱116に上中下段の各位置において放射状に支持された複数枚の棚板(基板収容器載置台)117とを備えており、複数枚の棚板117はポッド110を複数個宛それぞれ載置した状態で保持するように構成されている。
【0015】
筐体111内におけるロードポート114と回転式ポッド棚105との間には、ポッド搬送装置(基板収容器搬送装置)118が設置されており、ポッド搬送装置118は、ポッド110を保持したまま昇降可能なポッドエレベータ(基板収容器昇降機構)118aと搬送機構としてのポッド搬送機構(基板収容器搬送機構)118bとで構成されており、ポッド搬送装置118はポッドエレベータ118aとポッド搬送機構118bとの連続動作により、ロードポート114、回転式ポッド棚105、ポッドオープナ(基板収容器蓋体開閉機構)121との間で、ポッド110を搬送するように構成されている。
【0016】
筐体111内の前後方向の略中央部における下部には、サブ筐体119が後端にわたって構築されている。サブ筐体119の正面壁119aにはウェーハ200をサブ筐体119内に対して搬入搬出するためのウェーハ搬入搬出口(基板搬入搬出口)120が一対、垂直方向に上下二段に並べられて開設されており、上下段のウェーハ搬入搬出口120、120には一対のポッドオープナ121、121がそれぞれ設置されている。
【0017】
ポッドオープナ121はポッド110を載置する載置台122、122と、ポッド110のキャップ(蓋体)を着脱するキャップ着脱機構(蓋体着脱機構)123、123とを備えている。ポッドオープナ121は載置台122に載置されたポッド110のキャップをキャップ着脱機構123によって着脱することにより、ポッド110のウェーハ出し入れ口を開閉するように構成されている。
【0018】
サブ筐体119はポッド搬送装置118や回転式ポッド棚105の設置空間から流体的に隔絶された移載室124を構成している。移載室124の前側領域にはウェーハ移載機構(基板移載機構)125が設置されており、ウェーハ移載機構125は、ウェーハ200を水平方向に回転ないし直動可能なウェーハ移載装置(基板移載装置)125aおよびウェーハ移載装置125aを昇降させるためのウェーハ移載装置エレベータ(基板移載装置昇降機構)125bとで構成されている。図3に模式的に示されているようにウェーハ移載装置エレベータ125bは、耐圧の筐体111右側端部とサブ筐体119の移載室124前方領域右端部との間に設置されている。これら、ウェーハ移載装置エレベータ125bおよびウェーハ移載装置125aの連続動作により、ウェーハ移載装置125aのツイーザ(基板保持体)125cをウェーハ200の載置部として、ボート(基板保持具)217に対してウェーハ200を装填(チャージング)および脱装(ディスチャージング)するように構成されている。
【0019】
移載室124の後側領域には、ボート217を収容して待機させる待機部126が構成されている。待機部126の上方には、縦型処理炉202が設けられている。縦型処理炉202の下端部は、炉口シャッタ(炉口開閉機構)147により開閉されるように構成されている。
【0020】
図3に模式的に示されているように、耐圧の筐体111右側端部とサブ筐体119の待機部126右端部との間にはボート217を昇降させるためのボートエレベータ(基板保持具昇降機構)115が設置されている。ボートエレベータ115の昇降台に連結された連結具としてのアーム128(図4参照)には蓋体としてのシールキャップ219が水平に据え付けられており、シールキャップ219はボート217を垂直に支持し、縦型処理炉202の下端部を閉塞可能なように構成されている。
ボート217は複数本の保持部材を備えており、複数枚(例えば、50枚〜125枚程度)のウェーハ200をその中心を揃えて垂直方向に整列させた状態で、それぞれ水平に保持するように構成されている。
【0021】
図3に模式的に示されているように移載室124のウェーハ移載装置エレベータ125b側およびボートエレベータ115側と反対側である左側端部には、清浄化した雰囲気もしくは不活性ガスであるクリーンエア133を供給するよう供給フアンおよび防塵フィルタで構成されたクリーンユニット134が設置されており、ウェーハ移載装置125aとクリーンユニット134との間には、図示はしないが、ウェーハの円周方向の位置を整合させる基板整合装置としてのノッチ合わせ装置135が設置されている。
【0022】
クリーンユニット134から吹き出されたクリーンエア133は、ノッチ合わせ装置135およびウェーハ移載装置125a、待機部126にあるボート217に流通された後に、図示しないダクトにより吸い込まれて、筐体111の外部に排気がなされるか、もしくはクリーンユニット134の吸い込み側である一次側(供給側)にまで循環され、再びクリーンユニット134によって、移載室124内に吹き出されるように構成されている。
【0023】
次に、本実施の形態の処理装置の動作について説明する。
【0024】
図3および図4に示されているように、ポッド110がロードポート114に供給されると、ポッド搬入搬出口112がフロントシャッタ113によって開放され、ロードポート114の上のポッド110はポッド搬送装置118によって筐体111の内部へポッド搬入搬出口112から搬入される。
【0025】
搬入されたポッド110は回転式ポッド棚105の指定された棚板117へポッド搬送装置118によって自動的に搬送されて受け渡され、一時的に保管された後、棚板117から一方のポッドオープナ121に搬送されて載置台122に移載されるか、もしくは直接ポッドオープナ121に搬送されて載置台122に移載される。この際、ポッドオープナ121のウェーハ搬入搬出口120はキャップ着脱機構123によって閉じられており、移載室124にはクリーンエア133が流通され、充満されている。例えば、移載室124にはクリーンエア133として窒素ガスが充満することにより、酸素濃度が20ppm以下と、筐体111の内部(大気雰囲気)の酸素濃度よりも遥かに低く設定されている。
【0026】
載置台122に載置されたポッド110はその開口側端面がサブ筐体119の正面壁119aにおけるウェーハ搬入搬出口120の開口縁辺部に押し付けられるとともに、そのキャップがキャップ着脱機構123によって取り外され、ウェーハ出し入れ口を開放される。
【0027】
ポッド110がポッドオープナ121によって開放されると、ウェーハ200はポッド110からウェーハ移載装置125aのツイーザ125cによってウェーハ出し入れ口を通じてピックアップされ、ノッチ合わせ装置135にてウェーハを整合した後、移載室124の後方にある待機部126へ搬入され、ボート217に装填(チャージング)される。ボート217にウェーハ200を受け渡したウェーハ移載装置125aはポッド110に戻り、次のウェーハ200をボート217に装填する。
【0028】
この一方(上段または下段)のポッドオープナ121におけるウェーハ移載機構125によるウェーハのボート217への装填作業中に、他方(下段または上段)のポッドオープナ121には回転式ポッド棚105から別のポッド110がポッド搬送装置118によって搬送されて移載され、ポッドオープナ121によるポッド110の開放作業が同時進行される。
【0029】
予め指定された枚数のウェーハ200がボート217に装填されると、炉口シャッタ147によって閉じられていた縦型処理炉202の下端部が、炉口シャッタ147によって、開放される。続いて、ウェーハ200群を保持したボート217はシールキャップ219がボートエレベータ115によって上昇されることにより、縦型処理炉202内へ搬入(ローディング)されて行く。
【0030】
ローディング後は、縦型処理炉202にてウェーハ200に任意の処理が実施される。処理後は、ノッチ合わせ装置135でのウェーハの整合工程を除き、上述の逆の手順で、ウェーハ200およびポッド110は筐体111の外部へ払出される。
【0031】
次に、上述した縦型処理炉202の詳細について説明し、さらにヒータユニット206から反応容器207を着脱する着脱装置について説明する。
【0032】
[処理炉]
上述した処理炉について詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態で好適に用いられる処理装置の縦型処理炉202の概略構成図であり、縦断面図として示されている。
【0033】
図1に示されているように、縦型処理炉202は加熱装置としてのヒータを有するヒータユニット206を備える。ヒータユニット206は有天円筒形状をしており、保持板としてのヒータベース251に支持されることにより垂直に据え付けられている。
【0034】
ヒータユニット206は、有天円筒形状の断熱部材271、該断熱部材271を覆う金属板のヒータカバー272、及び前記断熱部材271の内面に沿って立設された発熱線支持柱273、該発熱線支持柱273により支持されコイル状に成形されたヒータとしての発熱線274から主に構成されている。
【0035】
ヒータユニット206の内側には、ヒータユニット206と同心円状に反応管203が配設されている。反応管203は内部反応管としてのインナーチューブ204と、その外側に設けられた外部反応管としてのアウターチューブ205とから構成されている。
【0036】
インナーチューブ204は、インナーチューブ204内でウェーハ200を処理する際に、上端内フランジ286の上面に載置される。このインナーチューブ204は、非金属であって耐熱耐食性を有する材料、例えば石英(SiO2)または炭化シリコン(SiC)等の耐熱性材料からなる。上端および下端が開口して、下端にフランジ281を有した円筒形状に形成されている。インナーチューブ204の筒中空部には処理室201が形成されており、基板としてのウェーハ200を、後述するボート217によって水平姿勢で垂直方向に多段に整列した状態で収容可能に構成されている。
【0037】
アウターチューブ205は、非金属であって耐熱耐食性を有する材料、例えば石英または炭化シリコン等の耐熱性材料からなり、内径がインナーチューブ204の外径よりも大きく上端が閉塞し下端が開口して、下端にフランジ283を有した円筒形状に形成されており、インナーチューブ204と同心円状に設けられている。
【0038】
アウターチューブ205の下方には、アウターチューブ205と同心円状に連結され、反応管203の下端を保持する保持具としてのインレットマニホールド209が配設されている。インレットマニホールド209は、耐熱耐食性を有する材料、例えばステンレス等からなり、上端および下端が開口して、上端に外フランジ285および内フランジ286を、下端にフランジ287を有した円筒形状に形成されている。インレットマニホールド209は、その内フランジ286がインナーチューブ204のフランジ281に係合しており、その外フランジ285がアウターチューブ205のフランジ283に係合しており、インナーチューブ204、アウターチューブ205をそれぞれ支持するように設けられている。
なお、インレットマニホールド209とアウターチューブ205との間にはシール部材としての図示しないOリングが設けられている。インレットマニホールド209はヒータベース251に支持される。インレットマニホールド209がヒータベース251に支持されることにより、反応管203は垂直に据え付けられた状態となっている。
【0039】
インレットマニホールド209にはガス導入部としての単数または複数のガス供給管230が処理室201内に連通するように接続されている。ガス供給管230の接続側と反対側である上流側には、ガス流量制御器としてのMFC(マスフローコントローラ)241を介して図示しない処理ガス供給源や不活性ガス供給源が接続されている。MFC241には、ガス流量制御部235が電気的に接続されており、供給するガスの流量が所望の量となるよう所望のタイミングにて制御するように構成されている。
【0040】
インレットマニホールド209の下方には、インレットマニホールド209の下端開口を気密に閉塞可能な蓋体としてのシールキャップ219が設けられている。シールキャップ219はインレットマニホールド209の下端に垂直方向下側から当接されるようになっている。シールキャップ219は例えばステンレス等の金属からなり、円盤状に形成されている。シールキャップ219の上面にはインレットマニホールド209の下端と当接するシール部材としてのOリング289が設けられる。シールキャップ219の処理室201と反対側には、ボート217を回転させる回転機構254が設置されている。回転機構254の回転軸255はシールキャップ219を貫通して、後述するボート217に接続されており、ボート217を回転させることでウェーハ200を回転させるように構成されている。シールキャップ219は反応管203の外部に垂直に設備された昇降機構としてのボートエレベータ115によって垂直方向に昇降されるように構成されており、これによりボート217を処理室201に対し搬入搬出することが可能となっている。回転機構254及びボートエレベータ115には、駆動制御部237が電気的に接続されており、所望の動作をするよう所望のタイミングにて制御するように構成されている。
【0041】
ヒータユニット206とシールキャップ219との間に位置する反応容器207の側壁、例えばアウターチューブ205の側壁に、反応容器207内を排気する複数の排気管231が一体成形されている。本実施の形態では、複数の排気管231は、円筒直管形状をしており、ヒータユニット206の下端から外部に露出しているアウターチューブ205の下部に一体的に設けられている。
【0042】
上述した反応管203とインレットマニホールド209により反応容器207が形成される。
【0043】
図2に示すように、複数の排気管231、複数例えば2つの排気管231は、アウターチューブ205の周方向に隣接して同一高さ位置に設けられている。また、複数の排気管231は管軸を同方向、例えば水平方向に向けて設けられている。それらの方向は、ともに筐体111の一側面、例えば背面側に面する後述するメンテナンスエリア210側に向けられている。
【0044】
複数の排気管231のインレットマニホールド209との接続側と反対側である排気下流側には、排気下流側接続部が設けられている。この排気下流側接続部は、複数の排気管231を併合するよう排気管231に一体成形され、複数の排気管231の上下左右位置を保持するようになっている。排気下流側接続部は、実施の形態によっては、図示するように、補強及び接続用となるよう共通フランジ275で形成されている。排気下流側接続部を共通フランジ275で形成することにより、例えば金属材からなる排気ダクト276(図1参照)と接続するための接続クランプ等、接続、取外しを容易にしている。
【0045】
図1に示すように、排気管231の下流側には圧力検出器としての圧力センサ245および圧力調整装置242を介して真空ポンプ等の真空排気装置246が接続されており、処理室201内の圧力が所定の圧力(真空度)となるよう真空排気し得るように構成されている。圧力調整装置242および圧力センサ245には、圧力制御部236が電気的に接続されており、圧力制御部236は圧力センサ245により検出された圧力に基づいて圧力調整装置242により処理室201内の圧力が所望の圧力となるよう所望のタイミングにて制御するように構成されている。
【0046】
基板保持具としてのボート217は、例えば石英や炭化珪素等の耐熱性材料からなり、複数枚のウェーハ200を水平姿勢でかつ互いに中心を揃えた状態で整列させて多段に保持するように構成されている。なおボート217の下部には、例えば石英や炭化珪素等の耐熱性材料からなる円板形状をした断熱部材としての断熱板216が水平姿勢で多段に複数枚配置されており、ヒータユニット206からの熱がインレットマニホールド209側に伝わりにくくなるよう構成されている。
【0047】
反応管203内には、温度検出器としての温度センサ263が設置されている。ヒータユニット206の特に発熱線274と温度センサ263には、電気的に温度制御部238が接続されており、温度センサ263により検出された温度情報に基づきヒータユニット206への通電具合を調整することにより処理室201内の温度が所望の温度分布となるよう所望のタイミングにて制御するように構成されている。
【0048】
ガス流量制御部235、圧力制御部236、駆動制御部237、温度制御部238は、操作部、入出力部をも構成し、基板処理装置全体を制御する主制御部239に電気的に接続されている。これら、ガス流量制御部235、圧力制御部236、駆動制御部237、温度制御部238、主制御部239はコントローラ240として構成されている。
【0049】
次に、上記構成に係る縦型処理炉202を用いて、半導体デバイスの製造工程の一工程として、CVD法によりウェーハ200上に薄膜を形成する方法について説明する。尚、以下の説明において、基板処理装置としての処理装置を構成する各部の動作はコントローラ240により制御される。
【0050】
複数枚のウェーハ200がボート217に装填(ウェーハチャージ)されると、図1に示されているように、複数枚のウェーハ200を保持したボート217は、ボートエレベータ115によって持ち上げられて処理室201に搬入(ボートローディング)される。この状態で、シールキャップ219はOリング289を介してインレットマニホールド209の下端をシールした状態となる。
【0051】
処理室201内が所望の圧力(真空度)となるように真空排気装置246によって真空排気される。この際、処理室201内の圧力は、圧力センサ245で測定され、この測定された圧力に基づき圧力調整装置242が、フィードバック制御される。また、処理室201内が所望の温度となるようにヒータユニット206によって加熱される。この際、処理室201内が所望の温度分布となるように温度センサ263が検出した温度情報に基づきヒータユニット206への通電具合がフィードバック制御される。続いて、回転機構254により、ボート217が回転されることで、ウェーハ200が回転される。
【0052】
次いで、処理ガス供給源から供給され、MFC241にて所望の流量となるように制御されたガスは、ガス供給管230から処理室201内に導入される。導入されたガスは処理室201内を上昇し、インナーチューブ204の上端開口から筒状空間250に流出して複数の排気管231から排気される。ガスは処理室201内を通過する際にウェーハ200の表面と接触し、この際に熱CVD反応によってウェーハ200の表面上に薄膜が堆積(デポジション)される。
【0053】
予め設定された処理時間が経過すると、不活性ガス供給源からガス供給管230を介して不活性ガスが供給され、処理室201内が不活性ガスに置換されるとともに、処理室201内の圧力が常圧に復帰される。
【0054】
その後、ボートエレベータ115によりシールキャップ219が下降されて、インレットマニホールド209の下端が開口されるとともに、処理済ウェーハ200がボート217に保持された状態でインレットマニホールド209の下端から反応管203の外部に搬出(ボートアンローディング)される。その後、処理済ウェーハ200はボート217より取出される(ウェーハディスチャージ)。
【0055】
[着脱装置]
ところで、このような縦型処理炉202を組立てるには、縦型処理炉202の下方に隣接して設けた予備室としての移載室124を利用して、縦型処理炉202への反応容器207の挿脱を行う必要がある。縦型処理炉202への反応容器207の着脱は、台車、ボートエレベータ115、及びシールキャップ219に載置される着脱治具を用いて行われる。
まず、筐体111のメンテナンスエリア210回りを説明し、次に反応容器着脱の概略的な説明をする。
【0056】
図5に示すように、縦型処理炉202のうち、特に反応容器207の交換作業が適当な間隔で必要になる。縦型処理炉202の交換作業を行う場合は、ボートエレベータ115を利用して反応容器207を昇降させることにより、装置の背面下部の移載室124を通して反応容器207の交換を行う。こうすることにより、台車500を用いて反応容器207の交換作業を行うことができる。
尚、反応容器207の交換作業は、反応容器207自体を新しく交換する作業に限らず、反応容器207に付着した反応生成物を縦型処理炉202外でウェット洗浄し、反応生成物が除去された反応容器を再び取り付ける作業も含まれる。
【0057】
処理装置は、縦型処理炉202の下方側に連設される予備室としての移載室124と、移載室124の一側面に開口されるメンテナンス開口部278とを有する。メンテナンス開口部278は扉279を有し、扉279を開けることにより、移載室124の一側面に隣接するメンテナンスエリア210と連通可能に設けられる。また、このメンテナンス開口部278は、反応容器207の下端で反応容器207を支持部としての内フランジ286および着脱治具400が反応容器207を支持した状態で、移載室124とメンテナンスエリア210との間で水平移動可能にしている。なお、メンテナンス開口部278は、排気管231に接続される接続クランプや排気ダクト276を配置する必要があるため、反応容器207の下端および着脱治具400が反応容器207を支持した状態では、移載室124とメンテナンスエリア210との間で、容易には水平移動できないような大きさで開口されている。
【0058】
[反応容器着脱の説明]
上述したボートエレベータ115、台車500、及び着脱治具400を用いて行う縦型処理炉202への反応容器207の着脱方法(主に装着方法)の説明を行う。
【0059】
図6は反応容器207のうちのアウターチューブ205及びインレットマニホールド209を接合した反応容器本体208の組み込み手順を示す概略説明図である。
【0060】
図6を用いて反応容器本体208組込み手順についてに説明する。ここで、着脱治具400は、シールキャップ219に載置される共通治具用アダプタ401及び共通治具402と、台車500上に設けられるスライドアーム505からシールキャップ219に移載されるアウター治具403とから構成される。
【0061】
(a)筐体111の一側面に面するメンテナンスエリア210側のメンテナンス開口部278の扉279を開く。ボートエレベータ115を最下位置迄降下させる(図5参照)。ボートエレベータ115に載置されるシールキャップ219上に、着脱治具としての共通治具用アダプタ401を固定し、この共通治具用アダプタ401に共通治具402を嵌合する。台車500(図5参照)のスライドアーム505をメンテナンスエリア210に後退させた位置で、スライドアーム505に着脱治具としてのアウター治具403を載置する。
【0062】
(b)更にアウター治具403上に、アウターチューブ205及びインレットマニホールド209を接合した反応容器本体208を立設する。反応容器本体208をアウター治具403を介して立設したスライドアーム505を、台車500のハンドル501を持って、メンテナンス開口部278を通って、ヒータユニット206の下方まで前進させ、反応容器本体208の中心をヒータユニット206の軸心に合わせる。このとき、排気管を複数としてので、反応容器本体208は、上下方向の長さを長くする必要がないため、メンテナンス開口278に対し、接触することもなく、ヒータユニット206の下方まで前進させることができる。
【0063】
(c)ボートエレベータ115によりシールキャップ219を介して共通治具用アダプタ401に嵌合している共通治具402を上昇させ、共通治具402上にアウター治具403を受載する。
【0064】
(d)アウター治具403がスライドアーム505から離反する迄上昇した位置で、前記スライドアーム505を後退させる。
【0065】
(e)更に、共通治具402を上昇させ、アウターチューブ205をヒータユニット206内に挿入する。インレットマニホールド209をヒータベース251に固着して、反応容器本体208をヒータユニット206に装着する。
【0066】
(f)シールキャップ219を最下位置迄降下させ、共通治具402上に受載したアウター治具403を取り去る。
これによりヒータユニット206への反応容器本体208の組込みが終わる。
【0067】
反応容器本体208の取外しは前述した装着とは逆の手順で行われる。
【0068】
ところで、排気管231の筒径を大きくした場合にも、排気能力は確保できるが、排気管231の筒径を大きくすると、アウターチューブ205をヒータユニット206に取り付けないし取り外す際に、ヒータユニット206に取り付け取り外すアウターチューブ205は、筐体111背面からメンテナンス開口部278を通って炉直下へ移動させるか、もしくは炉直下から水平移動させて筐体11背面にあるメンテナンス開口部278より引き出す作業をする必要がある。このために、ヒータユニット206の垂直方向の長さを短くする、すなわちヒータユニット206の垂直方向の均熱エリアの長さを短くするか、もしくは/ないし、メンテナンス開口部278の上端よりアウターチューブ205の上端が低くなるよう、アウターチューブ205の垂直方向の長さを短くする必要がある。ヒータユニット206の均熱エリアや、アウターチューブ205等の垂直方向の長さを短くすると、ウエハの処理空間が短くなってしまうことになり、一度に処理するウェーハ枚数を減らすこととなってしまいスループットが悪化してしまう。
【0069】
また、縦型装置全体の垂直方向の高さは極力低くした方が良い。すなわち、縦型装置全体の垂直方向の高さを高くすると、縦型装置を設置するクリーンルームの高さより大きくなってしまうので、クリーンルームに設置できなくなってしまう恐れが生じてしまう。
【0070】
また、メンテナンス開口部278の上端直上には、排気管231の排気下流側接続部があるため、メンテナンス開口部278の上端をさらに上方に拡径することも容易にはできない。さらに、メンテナンス開口部278を上方に拡径するなると、反応容器207の着脱時には、排気管231の排気下流側接続部と接続される筐体111の外にある排気ダクト276を取外したりしなければならなくなる。
このような制約下において、ウェーハの大径化により反応容器も大容量化しているため、一度に処理できるウェーハ枚数を縦型装置で上げるためには、より高い排気能力が必要とされる。この場合、排気管の管径を大きくした場合でも排気能力は確保できる。しかし、単数の排気管でその管径を大きくすると、ヒータユニットとインレットマニホールドとの間隔が広くなり、ヒータユニット下部のエリアが広がり、装置高が高くなってしまう。
【0071】
本実施の形態では、排気管231の本数を複数本設けるようにしたので、排気管231の総排気量で、単数排気管とした従来例と同等のガスの流れを確保できるために、各排気管231の管径を大きくする必要がない。しかも、複数本の円筒状の排気管231を周方向同一高さ、同方向に向けるように配置するようにしている。このような構造とすることによって、排気管231の成形部分の高さを抑えるようにしたので、ヒータユニット206とインレットマニホールド209との間隔を狭くすることができ、ヒータユニット206下部のエリアを極力小さくすることが可能となる。したがって、装置全体高さを高くする等することなく、処理室201内の排気を同じ方向の排気経路でかつ同等の排気能力を確保できる。したがって、上述したような問題を解決することができる。
【0072】
なお、排気管231を排気ダクト276と接続する排気管231の排気下流側接続部よりも下流側のエリアでは、排気管231の排気下流側接続部よりも上流側のエリアと比べて、鉛直方向にヒータユニット206が存在しないエリアとなるので、鉛直方向のエリアはそれほど小さくする必要性が少ない。
【0073】
また、排気管231の配置は、成膜時にウェーハ200上に成膜される薄膜の膜厚等に大きく影響する。そのため、排気管231の配置を変更すると、これまで大量に実績データとして蓄積されてきた成膜条件を変更することになり、その変更には多大な労力を必要とする。しかし、本発明の実施の形態では、排気管231の位置を従来例の排気管231の位置とほとんど変更することなく、同一方向とすることができるので、排気管231を複数本化する場合であっても、上記労力を最小限とすることができる。
【0074】
なお、単数の排気管であっても、開口面積やコンダクタンスを同等にするよう考慮しつつ、排気管の形状を水平方向長尺な角型管や楕円管にすると、上記ヒータユニット206の下部のエリアを小さくすることは可能である。しかし、排気管に石英材を用いると、金属等と比べて強度的に劣ることになる。この点で本実施の形態では、排気管231を複数としたことにより、単数の場合にくらべて排気管231の強度を増すことができる。
また、排気管231を、金属製のインレットマニホールド209ではなく、非金属である石英製のアウターチューブ205に一体形成するようにして、排気管231およびその周辺を石英化している。このような構造とすることによって、処理室201内の金属露出部分を少なくし、金属汚染を低減することが可能な反応容器207を実現することができる。
【0075】
また、複数の排気管231それぞれの排気下流側接続部として共通フランジ275を、筐体111の一側面に面するメンテナンスエリア210側に向けて同方向に配置するようにしている。このような構造とすることで、ガス供給管230にくらべ管径が大きく、接続クランプ等、接続、取外しの際に作業スペースを多く必要とする排気管231の排気管下流側接続部のメンテナンスが容易になる。また、排気管231内に副生成物が溜まったとしても排気下流側接続部がメンテナンスエリア210側に配置されていることによって、容易に清掃作業をすることができる。
【0076】
また、複数の排気管231の排気下流側接続部を一つの共通フランジ275により一体成形することで、石英製にすることで弱くなってしまう排気管の強度を増すことができる。さらにー度の作業で複数の排気管231の排気下流側接続部に接続されている接続クランプ等を取付け取外しできるのでメンテナンスを容易にすることができる。
尚、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更が可能であることはいうまでもない。例えば、反応容器本体はアウターチューブとインレットマニホールドとを一体的に形成して材質を石英材としたものでも良い。
【0077】
以下に本発明の好ましい態様を付記する。
【0078】
第1の態様は、基板を処理する処理室を内側に有する反応容器と、該反応容器の外周側から前記基板を加熱する加熱装置と、前記反応容器の下端を閉塞する蓋体と、
前記反応容器にガスを供給するガス供給管と、前記加熱装置と前記蓋体との間の前記反応容器の側壁に一体成形され該反応容器内を排気する複数の排気管とを筐体内に有し、前記複数の排気管の排気下流側接続部を、前記筐体一側面に面するメンテナンスエリア側に配置する基板処理装置である。
【0079】
加熱装置と蓋体との間の反応容器の側壁に一体成形され反応容器内を排気する複数の排気管を筐体内に有することによって、従来の単数の排気管と同等の排気能力を確保できる。また、複数の排気管の排気下流側接続部を、筐体一側面に面するメンテナンスエリア側に配置することによって、ガス供給管にくらべ配管径が大きく、接続クランプ等、接続、取外しの際に作業スペースを多く必要とする排気管の排気管下流側接続部のメンテナンスが容易になる。また、排気管内に副生成物が溜まったとしても排気下流側接続部がメンテナンスエリア側に配置されていることによって、容易に清掃作業をすることができる。
【0080】
第2の態様は、基板を処理する処理室を内側に有する反応容器と、該反応容器の外周側から前記基板を加熱する加熱装置と、前記反応容器の下端を閉塞する蓋体と、
前記反応容器にガスを供給するガス供給管と、前記加熱装置と前記蓋体との間の前記反応容器の側壁に一体成形される複数の排気管と、該複数の排気管を併合するよう該排気管に一体成形される排気下流側接続部とを備える基板処理装置である。
【0081】
加熱装置と蓋体との間の反応容器の側壁に複数の排気管を一体成形することによって、従来の単数の排気管と同等の排気能力を確保できる。また、複数の排気管を併合するよう排気管に一体成形される排気下流側接続部を備えることによって、反応容器の側壁に複数の排気管を一体成形にすることで、反応容器に一体成形することにより弱くなってしまう排気管の強度を増すことができる。さらにー度の作業で、複数の排気管の排気下流側接続部に接続されている接続クランプ等を取付け取外しできるので、メンテナンスを容易にすることができる。
【0082】
第3の態様は、第1の態様において、該複数の排気管を併合するよう該排気管に一体成形される排気下流側接続部とを有する基板処理装置である。
複数の排気管を併合するよう排気管に一体成形される排気下流側接続部を有することによって、反応容器の側壁に一体成形されるために弱くなってしまう排気管の強度を増すことができる。さらにー度の作業で、複数の排気管の排気下流側接続部に接続されている接続クランプ等を取付け取外しできるので、メンテナンスを容易にすることができる。
【0083】
第4の態様は、第2、第3の態様において、前記排気下流側接続部は、フランジ形状である基板処理装置である。排気下流側接続部がフランジ形状であることによって、複数の排気管に排気下流側接続部を介して接続される排気ユニットの接続を容易にすることができる。
【0084】
第5の態様は、第1、第2の態様において、前記反応容器は、側壁に前記複数の排気管が一体成形される反応管と、該反応管の下端を保持する保持具とで構成されている基板処理装置である。
反応容器が、側壁に複数の排気管が一体成形される反応管と、反応管の下端を保持する保持具とで構成されることによって、反応容器にガスを供給するガス供給管を保持具に設けることができる。
【0085】
第6の態様は、第5の態様において、前記反応管は非金属であって耐熱耐食性を有する材料で形成されている基板処理装置である。反応管を非金属であって耐熱耐食性を有する材料で形成することによって、金属汚染を低滅できる。
【0086】
第7の態様は、第5の態様において、前記反応管は石英材で形成されている基板処理装置である。反応管を石英材で形成することによって金属汚染を低滅できる。
【0087】
第8の態様は、第1、第2の態様において、前記排気管は、円筒直管形状である基板処理装置である。排気管が円筒直管形状であることによって、排気コンダクタンスを大きくすることができるとともに、メンテナンスをより容易にすることができる。
【0088】
第9の態様は、基板を処理する処理室を内側に有する反応管であって、該反応管の下方に複数の排気管が一体成形されるとともに前記複数の排気管の下流側接続部が併合されている反応管である。
反応管の下方に複数の排気管が一体成形されることによって、従来の単数の排気管と同等の排気能力を確保できる。また、複数の排気管の下流側接続部が併合されている反応管であることによって、反応容器に複数の排気管を一体成形にすることで、反応容器に一体成形することにより弱くなってしまう排気管の強度を増すことができる。さらにー度の作業で、複数の排気管の排気下流側接続部に接続されている接続クランプ等を取付け取外しできるので、メンテナンスを容易にすることができる。
【0089】
第10の態様は、第1の態様において、前記筐体内であって、前記処理室の下方に予備室を隣設して設け、該予備室の一側面には、該予備室とメンテナンスエリアとを連通可能にし、前記反応容器の下端を反応容器着脱治具で保持した状態で前記予備室と前記メンテナンスエリアとの間で水平移動可能に開口するメンテナンス開口部を有する基板処理装置である。
筐体内の処理室の下方に予備室を隣設して設け、予備室の一側面には、予備室とメンテナンスエリアとを連通可能にし、反応容器の下端を反応容器着脱治具で保持した状態で予備室とメンテナンスエリアとの間で水平移動可能に開口するメンテナンス開口部を有することによって、反応容器のメンテナンスが容易になる。
【0090】
第11の態様は、反応容器の内側に有する処理室を蓋体にて閉塞し前記反応容器の外周側から加熱装置により基板を加熱する工程と、前記反応容器内にガスを供給する工程と、前記加熱装置と前記蓋体との間の前記反応容器の側壁に一体成形される複数の排気管から前記反応容器内を排気する工程と、前記筐体一側面に面するメンテナンスエリア側に配置される前記複数の排気管の排気下流側接続部から前記複数の排気管内を排気する工程とを有する半導体装置の製造方法である。
【0091】
筐体一側面に面するメンテナンスエリア側に配置される複数の排気管の排気下流側接続部から複数の排気管内を排気することによって、従来の単数の排気管と同等の排気能力を確保できる。また、筐体一側面に面するメンテナンスエリア側に配置される複数の排気管の排気下流側接続部から複数の排気管内を排気することによって、ガス供給管にくらべ配管径が大きく、接続クランプ等、接続、取外しの際に作業スペースを多く必要とする排気管の排気管下流側接続部のメンテナンスが容易になる。また、排気管内に副生成物が溜まったとしても排気下流側接続部がメンテナンスエリア側に配置されていることによって、容易に清掃作業をすることができる。
【0092】
第12の態様は、反応容器の内側に有する処理室を蓋体にて閉塞し前記反応容器の外周側から加熱装置により基板を加熱する工程と、前記加熱装置と前記蓋体との間の前記反応容器の側壁に一体成形される複数の排気管から前記反応容器内を排気する工程と、該複数の排気管を併合するよう該排気管に一体成形される排気下流側接続部から前記複数の排気管内を排気する工程とを有する半導体装置の製造方法である。
【0093】
加熱装置と蓋体との間の反応容器の側壁に一体成形される複数の排気管から反応容器内を排気することによって、従来の単数の排気管と同等の排気能力を確保できる。
また、複数の排気管を併合するよう排気管に一体成形される排気下流側接続部から複数の排気管内を排気することによって、反応容器の側壁に複数の排気管を一体成形にすることで、反応容器に一体成形することにより弱くなってしまう排気管の強度を増すことができる。さらにー度の作業で、複数の排気管の排気下流側接続部に接続されている接続クランプ等を取付け取外しできるので、メンテナンスを容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の一実施の形態による基板処理装置の処理炉の構成を示す概略縦断面である。
【図2】本発明の一実施の形態による複数の排気管を設けたアウターチューブの要部を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施の形態による処理装置の斜透視図である。
【図4】本発明の一実施の形態による処理装置の側面透視図である。
【図5】本発明の一実施の形態による処理装置の別な側面から見た透視図である。
【図6】本発明の一実施の形態による反応容器本体の組み込み手順を示す概略説明図、
【図7】従来例による基板処理装置の処理炉の構成を示す概略縦断面である。
【符号の説明】
【0095】
111 筐体
200 ウェーハ(基板)
201 処理室
207 反応容器
206 ヒータユニット(加熱装置)
209 メンテナンスエリア
219 シールキャップ(蓋体)
230 ノズル(ガス供給管)
231 排気管
275 共通フランジ(排気下流側接続部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体を備えた基板処理装置であって、
基板を処理する処理室を内側に有する反応容器と、
該反応容器の外周側から前記基板を加熱する加熱装置と、
前記反応容器の下端を閉塞する蓋体と、
前記反応容器内にガスを供給するガス供給管と、
前記加熱装置と前記蓋体との間に位置する前記反応容器の側壁に一体成形され該反応容器内を排気する複数の排気管と、
を前記筐体内に有し、
前記複数の排気管の排気下流側接続部を、前記筐体一側面に面するメンテナンスエリア側に配置する基板処理装置。
【請求項2】
基板を処理する処理室を内側に有する反応容器と、
該反応容器の外周側から前記基板を加熱する加熱装置と、
前記反応容器の下端を閉塞する蓋体と、
前記反応容器内にガスを供給するガス供給管と、
前記加熱装置と前記蓋体との間に位置する前記反応容器の側壁に一体成形され該反応容器内を排気する複数の排気管と、
該複数の排気管を併合するよう該排気管に一体成形される排気下流側接続部とを備える基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−78548(P2008−78548A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−258694(P2006−258694)
【出願日】平成18年9月25日(2006.9.25)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】