説明

基板処理装置

【課題】ブラシによる基板周縁部の洗浄を短時間で行うことができ、しかも、処理幅が小さい場合でも充分な洗浄力を確保できる基板処理装置を提供する。
【解決手段】基板処理装置は、ウエハWを洗浄するためのスポンジブラシ18を備えている。スポンジブラシ18は、非圧縮状態において断面横向きV字形の溝を形成する一対のテーパー面をなす第1洗浄面29および第2洗浄面30を有している。スポンジブラシ18は、中心軸線L1に沿って圧縮された状態で一対の支持板71,72の間に保持されている。この圧縮状態では、第1および第2洗浄面29,30は互いに当接している。第1および第2洗浄面29,30の間にウエハWの周縁部が導入され、その状態でウエハWが回転される。これにより、ウエハW表裏面の周縁領域13,14および周端面がスクラブ洗浄される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基板をブラシで洗浄処理する基板処理装置に関する。処理対象となる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板などが含まれる。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造工程では、たとえば、半導体ウエハなどの基板をブラシで洗浄する洗浄処理が行われる。具体的には、水平面内で基板が回転させられた状態で、当該基板に処理液が供給される。さらに、基板が回転させられた状態で、当該基板にブラシが当接される。これにより、基板に付着している異物がブラシにより擦り取られ、擦り取られた異物が処理液によって洗い流される。
【0003】
下記特許文献1には、逆円錐台形状の第1部分と、円錐台形状の第2部分とを連接して、第1部分が有する第1テーパー面および第2部分が有する第2テーパー面によって基板周縁部に対向する横向きV字状の溝を形成したスポンジブラシが開示されている。第1テーパー面は、基板の一方表面(上面)の周縁領域および基板の周端面に擦りつけられる第1洗浄面であり、第2テーパー面は、基板の他方表面(下面)の周縁領域および基板の端面に擦りつけられる第2洗浄面である。これらの第1および第2洗浄面を基板に対して順に当接させることによって、基板上面の周縁領域および基板下面の周縁領域ならびに基板周端面の異物を擦り取ることができる。
【0004】
洗浄力を制御するために、スポンジブラシを基板に対して押し込むときの押し込み量が制御される。押し込み量とは、たとえば、第1洗浄面を基板周端面に接近させていくときに、第1洗浄面が基板周端面に当接した状態(押し込み量=零)から、スポンジブラシを基板内方に移動させた距離をいう。この押し込み量は、スポンジブラシの弾性変形量にほかならないから、押し込み量の大小を制御することによって、スポンジブラシが基板周縁部に及ぼす洗浄力を制御することができる。
【特許文献1】特開2007−273612号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述の先行技術の構成では、基板上面の周縁領域を第1洗浄面でスクラブする工程と、基板下面の周縁領域を第2洗浄面でスクラブする工程とを同時に行うことができない。そのため、基板周縁部の洗浄処理に要する時間が長くなる。
また、スポンジブラシの押し込み量を制御することによって洗浄力を調節する構成であるため、処理幅(洗浄幅)と洗浄力とを独立して調節することができない。たとえば、基板周縁部の洗浄可能領域の幅が1mmであれば、ブラシの押し込み量は1mmに設定せざるを得ないが、この場合は、むろん、1mmの押し込み量に対応する洗浄力となる。したがって、3mmの押し込み量に対応する洗浄力が必要な場合には、洗浄力不足のために、洗浄不良となるおそれがある。
【0006】
そこで、この発明の目的は、ブラシによる基板周縁部の洗浄を短時間で行うことができ、しかも、処理幅が小さい場合でも充分な洗浄力を確保できる基板処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するための請求項1記載の発明は、基板(W)を保持して回転させる基板保持回転機構(3)と、弾性変形可能な材料からなり、非圧縮状態において前記基板保持回転機構に保持された基板の主面に対して傾斜した状態となる第1洗浄面(29;29A)、およびこの第1洗浄面に対向する第2洗浄面(30;30A)を有し、前記基板保持回転機構に保持された基板の周縁部を前記第1洗浄面および前記第2洗浄面の間に導入して洗浄するためのブラシ(18;18A)と、このブラシを前記第1洗浄面および前記第2洗浄面が互いに当接するように圧縮して保持する圧縮保持手段(55;21,36,37)とを含む、基板処理装置である。「基板の周縁部」とは、基板の一方主面の周縁領域(13)、基板の他方主面の周縁領域(14)、および基板の周端面(15)を含む部分をいう。
【0008】
なお、この項において、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表すものとする。
この構成では、弾性変形可能な材料からなるブラシは、非圧縮状態において基板の主面に対して傾斜した第1洗浄面と、これに対向する第2洗浄面とを有している。これらの洗浄面の間に基板の周縁部を導入し、基板保持回転機構によって基板を回転させることにより、当該基板の周縁部をスクラブ洗浄することができる。このとき、ブラシは、圧縮保持手段によって、第1および第2洗浄面が互いに当接するように(互いに当接する方向にブラシの復元力が作用するように)圧縮された状態に保持される。すなわち、ブラシを圧縮して、第1洗浄面および第2洗浄面を互いに当接する方向にブラシの復元力が作用する状態に保持し、これらの第1および第2洗浄面間に基板の周縁部を導入してスクラブ洗浄するようになっている。弾性変形可能な材料からなるブラシが圧縮状態とされるため、その復元力によって、第1および第2洗浄面が基板の周縁部に押し付けられる。つまり、基板周縁部の洗浄に必要な洗浄力は、圧縮状態のブラシの復元力によって与えられる。その一方で、基板周縁部における処理幅は、第1および第2洗浄面の間への基板の導入量を調整することによって、必要な値とすることができる。このように、洗浄力と処理幅とを独立して調整することができる。
【0009】
したがって、処理幅が小さい場合であっても、洗浄力不足となることがない。また、第1および第2洗浄面の周縁領域を同時にスクラブ洗浄することができるので、基板周縁部の洗浄に要する時間を短縮することができる。
前記ブラシは、スポンジブラシであってもよい。より具体的には、PVA(ポリビニルアルコール)で構成された多孔質弾性材料からなるものであってもよい。
【0010】
前記第1および第2洗浄面は、非圧縮状態において、基板保持回転機構によって保持された基板の周縁部に向かって開いた断面楔形の溝を形成していてもよい。
また、前記第1洗浄面は、たとえば、基板主面の法線方向に平行な中心軸線を有する円錐台形状であってもよい。また、前記第2主面は、基板主面に平行な平坦面であってもよいし、基板主面の法線方向に平行な中心軸を有する円錐台形状であってもよい。さらに具体的には、前記第1洗浄面が、基板保持回転機構に保持された基板の主面に沿う一方向に向かって窄まる円錐台形状であり、前記第2洗浄面が、前記第1洗浄面の前記一方向側端部から前記一方向側に向けて広がる円錐台形状であってもよい。つまり、たとえば、基板保持回転機構が基板を水平姿勢に保持するものである場合には、第1洗浄面は倒立円錐台形状を有し、第2洗浄面は、第1洗浄面の下端に連なる円錐台形状を有していてもよい。このとき、第1および第2洗浄面は、基板保持回転機構に保持された基板に向かって広がる断面V字形の溝を形成することになる。
【0011】
また、前記ブラシを、基板保持回転機構に保持された基板の周縁部に当接する処理位置と、この処理位置から退避した退避位置との間で移動させるブラシ移動機構(23,24)がさらに含まれていてもよい。
また、ブラシを回転対称形状に形成しておき、このブラシをその中心軸線まわりに自転させるブラシ自転機構(22)がさらに備えられていてもよい。この場合、ブラシの中心軸線は基板保持回転機構に保持された基板の法線方向に平行とされることが好ましい。さらに具体的には、基板の回転軸線とブラシの中心軸線とが平行とされることが好ましい。
【0012】
請求項2記載の発明は、前記圧縮保持手段が、前記ブラシの圧縮量を変更する可変圧縮手段(60〜63,71,72)を含む、請求項1記載の基板処理装置である。
この構成によれば、ブラシの圧縮量を変化させることができる。ブラシの圧縮量を変化させることにより、基板に作用するブラシの復元力、すなわち、洗浄力が変化することになる。したがって、必要な洗浄力に応じて圧縮量を調整することによって、基板に対して確実に所望の処理を施すことができる。
【0013】
請求項3記載の発明は、前記第2洗浄面が、前記第1洗浄面とともに前記基板保持回転機構に保持された基板の周縁部を受け容れるV字形溝(基板に向かって開いた断面V字形の溝)を形成するように当該基板の主面に対して傾斜している、請求項1または2記載の基板処理装置である。
この構成によれば、第1および第2洗浄面が、基板保持回転機構に保持された基板の周縁部を受け入れるV字形の溝を形成するものであるので、基板の周縁部を第1および第2洗浄面の間にスムーズに受け入れることができる。また、圧縮状態のブラシの第1および第2洗浄面間に基板を導入したときに、基板端面に第1および第2洗浄面の形状が馴染むので、基板端面の良好なスクラブ洗浄が可能になる。さらにまた、基板の両主面に対してほぼ均一な洗浄処理を施すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置1の概略構成を示す平面図である。また、図2は、図1に示す基板処理装置1の内部の図解的な側面図である。
この基板処理装置1は、基板の一例としての半導体ウエハW(以下、単に「ウエハW」という。)を1枚ずつ処理する枚葉型の装置である。基板処理装置1は、隔壁2aで区画された処理室2内に、ウエハWを水平に保持して回転させるためのスピンチャック3と、ウエハWの表面(上面。たとえば、デバイスが形成されるデバイス面)に処理液を供給するための表面ノズル4と、ウエハWの裏面(下面。たとえばデバイスが形成されない非デバイス面)に処理液を供給するための裏面ノズル5と、ウエハWを洗浄するためのブラシ機構6とを備えている。
【0015】
スピンチャック3は、この実施形態では、真空吸着式のチャックである。このスピンチャック3は、鉛直な方向に延びたスピン軸7と、このスピン軸7の上端に取り付けられて、ウエハWを水平な姿勢でその裏面(下面)を吸着して保持する吸着ベース8と、スピン軸7と同軸に結合された回転軸を有するスピンモータ9とを備えている。ウエハWの裏面が吸着ベース8に吸着保持された状態で、スピンモータ9が駆動されると、ウエハWがスピン軸7の中心軸線まわりに回転する。
【0016】
表面ノズル4および裏面ノズル5には、それぞれ処理液供給管10および処理液供給管11が接続されている。これらの処理液供給管10,11には、処理液バルブ12を介して、図示しない処理液供給源からの処理液が供給される。表面ノズル4は、処理液供給管10を通して供給される処理液を、スピンチャック3に保持されたウエハWの表面の中央に向けて吐出する。また、裏面ノズル5は、処理液供給管11を通して供給される処理液を、スピンチャック3に保持されたウエハWの裏面の周端縁と吸着ベース8との間に向けて吐出する。
【0017】
ノズル4,5に供給される処理液としては、たとえば純水(脱イオン化された純水)が用いられている。処理液は、純水に限らず、炭酸水、イオン水、オゾン水、還元水(水素水)または磁気水などの機能水であってもよいし、アンモニア水またはアンモニア水と過酸化水素水との混合液などの薬液であってもよい。
ブラシ機構6は、スピンチャック3によるウエハWの保持位置よりも上方で略水平に延びる揺動アーム16と、ウエハWの回転範囲外に設定されて、揺動アーム16を支持するアーム支持軸17と、揺動アーム16の先端に保持されて、ウエハWの周縁部を洗浄するためのスポンジブラシ18とを備えている。
【0018】
ウエハWの周縁部とは、ウエハWの表面の周縁領域13、ウエハWの裏面の周縁領域14および周端面15を含む部分をいう。また、周縁領域13,14とは、たとえば、ウエハWの周端縁から幅数ミリメートル程度の環状の領域をいう。
揺動アーム16の先端部には、鉛直方向に延びる回転軸61が回転可能に設けられている。回転軸61の下端部は揺動アーム16から下方に突出しており、当該下端部には、スポンジブラシ18が保持されている。
【0019】
また、回転軸61には、揺動アーム16の内部において、スポンジブラシ18を回転させるためのブラシ自転機構22と、スポンジブラシ18を上下方向に圧縮した圧縮状態で保持する圧縮保持機構55とに結合されている。ブラシ自転機構22は、回転軸61を回転させることにより、スポンジブラシ18を自転させることができるものである。揺動アーム16の上面側には、ブラシ自転機構22および圧縮保持機構55などを収容するためのケース16aが固定されている。
【0020】
アーム支持軸17は、鉛直方向に延びている。アーム支持軸17の上端部は、揺動アーム16の一端部(基端部)の下面に結合されている。アーム支持軸17には、ブラシ移動手段としての昇降駆動機構23および揺動駆動機構24が結合されている。アーム支持軸17には、昇降駆動機構23および揺動駆動機構24の駆動力がそれぞれ入力されるようになっている。
【0021】
昇降駆動機構23の駆動力がアーム支持軸17に入力されると、揺動アーム16およびアーム支持軸17が一体的に上下動される。また、揺動駆動機構24の駆動力がアーム支持軸17に入力されると、アーム支持軸17を支点として揺動アーム16が水平方向に揺動される。
昇降駆動機構23および揺動駆動機構24が揺動アーム16を移動させることにより、スポンジブラシ18がウエハWの周縁部に当接して当該周縁部を洗浄する処理位置と、前記処理位置から退避して待機するときの待機位置との間で、スポンジブラシ18を移動させることができる。図1に、スポンジブラシ18が処理位置にあるときの揺動アーム16の位置を二点鎖線で示し、スポンジブラシ18が待機位置にあるときの揺動アーム16の位置を実線で示す。図2に示すように、待機位置には、スポンジブラシ18を収容するための待機ポッド25が配置されている。待機ポッド25は、有底筒状の容器であり、スポンジブラシ18は、この待機ポッド25内において待機させられ、その間に洗浄される。
【0022】
図3(a)(b)(c)は、スポンジブラシ18の構成を示す側面図であり、図3(a)は非圧縮状態のスポンジブラシ18の構成を示し、図3(b)(c)は中心軸線L1に沿って圧縮した状態のスポンジブラシ18の構成を示している。図3(b)は圧縮量が大きい場合、図3(c)は圧縮量が小さい場合を示す。
スポンジブラシ18は、たとえば、PVA(ポリビニルアルコール)その他の樹脂材料を用いたスポンジ材によって形成されている。スポンジブラシ18は、たとえば、使用状態において鉛直方向に沿うことになる中心軸線L1まわりに回転対称な略鼓状に形成されている。ウエハWの周縁部を洗浄するための洗浄面(後述の第1洗浄面29および第2洗浄面30)は、中心軸線L1を取り囲むスポンジブラシ18の外表面の一部に設けられている。スポンジブラシ18は、ウエハWの表面の周縁領域13および周端面15の上側領域を洗浄するための第1洗浄部26と、ウエハWの裏面の周縁領域14および周端面15の下側領域を洗浄するための第2洗浄部27とを一体的に備えている。スポンジブラシ18には、その中心軸線L1に沿って延びる貫通孔28が形成されている。
【0023】
第1洗浄部26は、その上部26aが略円柱状をなし、下部26bが下方に向けて窄まる略倒立円錐台状をなしている。第1洗浄部26の下部26bの側面は、上端縁が上部26aの側面の下端縁に連続し、中心軸線L1に対して45度の傾斜角度を有して、下方ほど中心軸線L1に近づくように傾斜している。この第1洗浄部26において、下部26bの側面がウエハWの表面の周縁領域13および周端面15の上側領域に当接する第1洗浄面29となっている。
【0024】
また、第2洗浄部27は、第1洗浄部26の下端に一体的に結合されて、第1洗浄部26と中心軸線を共有するように配置されている。この第2洗浄部27は、上部27aが下方に向けて拡がる略円錐台状をなし、下部27bが略円柱状をなしている。第2洗浄部27の上部27aの側面は、上端縁が第1洗浄部26の下部26bの側面の下端縁に連続し、中心軸線L1に対して45度の傾斜角度を有して、下方ほど中心軸線L1から離れるように傾斜している。また、上部27aの側面の下端縁は、下部27bの側面の上端縁に連続している。この第2洗浄部27において、上部27aの側面がウエハWの裏面の周縁領域14および周端面15の下側領域に当接する第2洗浄面30となっている。
【0025】
第1および第2洗浄面29,30は中心軸線L1に沿って対向しており、中心軸線L1に垂直な方向に向かって開く断面楔形(より具体的には断面V字形)の溝を形成している。
中心軸線L1に沿って圧縮した図3(b)(c)の状態では、第1および第2洗浄面29,30が互いに当接し、弾性圧縮によって生じるスポンジブラシ18自身の復元力によって、第1および第2洗浄面29,30は互いに向かって押し付けられている。図3(b)(c)に示す圧縮状態では、第1および第2洗浄面29,30の全体が互いに当接している。より具体的には、図3(b)には、スポンジブラシ18を第1および第2洗浄面29,30の全体が互いに当接する状態(第1および第2洗浄面29,30の外側エッジ部における圧縮量が零の状態)まで圧縮し、その状態からさらに所定の第1圧縮量だけ圧縮した状態が示されている。また、図3(c)には、スポンジブラシ18を第1および第2洗浄面29,30の全体が互いに当接する状態(第1および第2洗浄面29,30の外側エッジ部における圧縮量が零の状態)まで圧縮し、その状態からさらに所定の第2圧縮量だけ圧縮した状態が示されている。前記第1圧縮量は、前記第2圧縮量よりも大きい。たとえば、第1圧縮量は、ウエハWの厚さ(たとえば2mm)程度としてもよいし、第2圧縮量はウエハWの厚さの半分程度としてもよい。
【0026】
圧縮量が大きい図3(b)の状態では、第1および第2洗浄面29,30が互いに対して押し付けあう復元力が大きくなり、比較的大きな洗浄力が得られる。これに対して、圧縮量が小さい図3(c)の状態では、第1および第2洗浄面29,30を互いに押し付けあう復元力が比較的小さいので、比較的小さな洗浄力となる。
図4は、スポンジブラシ18を圧縮状態で揺動アーム16に保持するための圧縮保持機構55の構造例を示す図解図である。揺動アーム16の下面から回転軸61が突出し、この回転軸61の下端に樹脂材料からなる支持板71が固定されている。さらに、支持板71を貫通して回転軸62が突出していて、この回転軸62の下端部に支持板72が固定されている。そして、支持板71,72の間にスポンジブラシ18が保持されている。つまり、支持板71の下面がスポンジブラシ18の上端面に当接し、支持板72の上面がスポンジブラシ18の下端面に当接している。回転軸62は、スポンジブラシ18の中心軸線L1に沿って形成された貫通孔28(図3参照)を挿通し、スポンジブラシ18の下面に至っている。
【0027】
回転軸62は、回転軸61を挿通し、揺動アーム16の上面に取り付けられたブラシ駆動用シリンダ63の駆動軸63aによって押し込まれるように構成されており、回転軸62と駆動軸63aとは結合されておらず、別体となっている。
回転軸62は、外周面にその軸方向に沿うキーが形成されたスプライン軸部62aを有している。このスプライン軸部62aは、スリーブ64に挿通している。スリーブ64の内面には、スプライン軸部62aのキーと係合するキー溝が、その軸方向に沿って形成されている。
【0028】
回転軸61は中空軸となっていて、その外周面にはプーリ65が固定されており、その内面には、スリーブ64の下側部が固定されている。プーリ65には、ベルト66が巻き回されていて、このベルト66は、別のプーリ67からの回転力をプーリ65に伝達するようになっている。プーリ67には、ブラシ回転用モータ68からの回転力が与えられるようになっている。ブラシ回転用モータ68は、揺動アーム16の上面に固定されている。このようにして、ブラシ回転用モータ68などによって、ブラシ自転機構22が構成されている。
【0029】
回転軸62の上端には、フランジ62bが形成されている。そして、スリーブ64の上側部には、フランジ62bと回転軸61の上端面との間に、圧縮コイルばね60が巻装されている。これにより、下側の支持板72に結合された回転軸62は、コイルばね60によって上方へと付勢されている。したがって、ブラシ駆動用シリンダ63の駆動軸63aを上方へ引っ込めた状態では、駆動軸63aの下端とフランジ62bの上面とが離れた状態となり、下側の支持板72は、上側の支持板71に向けて、コイルばね60による付勢力によって押し付けられることになる。これにより、一対の支持板71,72の間に保持されたスポンジブラシ18は、中心軸線L1に沿って圧縮された状態(図3(b)参照)で保持されることになる。また、ブラシ駆動用シリンダ63を駆動すると、駆動軸63aはコイルばね60の付勢力に抗して支持板72を下方へと所定距離だけ移動させる。これにより、支持板72が支持板71から離反する方向へと変位するため、スポンジブラシ18がそれに応じて伸張し、圧縮量が小さな状態(図3(c))となる。このようにして、ブラシ駆動用シリンダ63によって、スポンジブラシ18の圧縮量を2段階に調整することができる。
【0030】
このように、圧縮コイルばね60、回転軸61,62および支持板71,72などによって、スポンジブラシ18を圧縮状態で保持するための圧縮保持機構55が構成されており、ブラシ駆動用シリンダ63などによってスポンジブラシ18の圧縮量を変化させる可変圧縮手段が構成されている。
スポンジブラシ18の圧縮量を無段階に調整するには、たとえば、ブラシ駆動用シリンダ63の代わりに、ボールねじ機構のような無段階調整機構を備えればよい。
【0031】
ブラシ回転用モータ68を回転駆動すると、この回転が、プーリ67、ベルト66およびプーリ65を介して回転軸61に伝達され、この回転軸61が回転する。一方、回転軸61の回転は、スリーブ64を介して、これにスプライン結合している回転軸62に伝達されるから、回転軸62は第1回転軸61とともに回転することになる。回転軸62上において支持板71,72間に圧縮状態で保持されているスポンジブラシ18もまた、その中心軸線L1まわりに回転駆動されることになる。
【0032】
図5は、基板処理装置1の電気的構成を説明するためのブロック図である。
基板処理装置1は、マイクロコンピュータを含む制御部51を備えている。この制御部51には、使用者によって処理レシピ(ウエハWの処理のための各種条件)を入力するためのレシピ入力キー52が接続されている。さらに、制御部51には、スピンモータ9、処理液バルブ12、ブラシ駆動用シリンダ63、ブラシ自転機構22、昇降駆動機構23、揺動駆動機構24などが制御対象として接続されている。
【0033】
図6は、基板処理装置1におけるウエハWの処理を説明するための工程図である。また、図7は、ウエハWの処理中におけるスポンジブラシ18の状態を示す側面図である。
ウエハWの処理に先立ち、使用者によって、レシピ入力キー52が操作されて、ウエハWの周端面15に対するスポンジブラシ18の洗浄力および処理幅(洗浄幅)が設定されている(ステップS1)。洗浄力とは、ウエハWの周縁領域13,14および周端面15にスポンジブラシ18の洗浄面(第1洗浄面29および第2洗浄面30)が押し付けられるときの力をいう。また、処理幅とは、ウエハWの周縁領域13,14に第1および第2洗浄面が押し付けられるときの幅(ウエハWの回転半径方向の幅)をいう。洗浄力は、この実施形態では、2段階に設定でき、この洗浄力は、ブラシ駆動用シリンダ63の制御によってスポンジブラシ18の圧縮量を2段階に制御することによって調整されるようになっている。
【0034】
処理室2内にウエハWが搬入され(ステップS2)、そのウエハWがスピンチャック3に保持されると、制御部51によりスピンモータ9が制御されて、スピンチャック3によるウエハWの回転が開始される(ステップS3)。次いで、制御部51により処理液バルブ12が開かれて、表面ノズル4および裏面ノズル5からそれぞれウエハWの表面および裏面への処理液の供給が開始される(ステップS4)。
【0035】
また、制御部51によって、ブラシ駆動用シリンダ63が制御され、設定された洗浄力に応じて駆動軸63aの位置が制御される(ステップS5)。すなわち、弱い洗浄力が選択されているときには、駆動軸63aが下方へと突出させられ、スポンジブラシ18の圧縮量が小さくされる(図3(c)参照)。一方、強い洗浄力が選択されているときには、駆動軸63aが上方に退避させられた状態とされ、スポンジブラシ18の圧縮量が大きくされる(図3(b)参照)。
【0036】
一方、制御部51によりブラシ自転機構22が制御されて、スポンジブラシ18が、たとえばウエハWの回転方向と同方向に回転される。その後、制御部51により昇降駆動機構23および揺動駆動機構24が制御されて、スピンチャック3により回転されるウエハWの周縁部(表裏面の周縁領域13,14および周端面15)に、スポンジブラシ18の第1および第2洗浄面29,30が当接される(ステップS6)。
【0037】
具体的には、まず、昇降駆動機構23が制御されて、スポンジブラシ18の高さ位置が制御される。つまり、第1および第2洗浄面29,30が互いに当接する当接位置の高さが、スピンチャック3に保持されているウエハWの高さに合わせ込まれる。図3(b)(c)から理解されるとおり、第1および第2洗浄面29,30の当接位置の高さは、スポンジブラシ18の圧縮量の大小によって異なる。そこで、制御部51は、レシピ入力キー52から設定された洗浄力(圧縮量に対応)に応じた高さの位置にスポンジブラシ18を移動させる。
【0038】
次に、揺動駆動機構24が制御されて、揺動アーム16が旋回し、スポンジブラシ18が水平移動される。これにより、図7に示すように、ウエハWの周縁部がスポンジブラシ18の第1および第2洗浄面29,30の間に食い込み、第1洗浄面29がウエハW表面の周縁領域13に押し付けられるとともに、第2洗浄面30がウエハW裏面の周縁領域14に押し付けられる。さらに、周端面15の上側領域には第1洗浄面29が押し付けられ、周端面15の下側領域には第2洗浄面30が押し付けられる。第1および第2洗浄面29,30は、非圧縮状態においてウエハWに向かって開く断面V字形の溝を形成するテーパー面をなしているため(図3(a)参照)、第1および第2洗浄面29,30は、周端面15に対してよく馴染み、この周端面15に確実に当接することができる。
【0039】
スポンジブラシ18の水平移動は、レシピ入力キー52から設定された処理幅に応じて制御される。すなわち、設定された処理幅の領域に第1および第2洗浄面29,30が接触するように、スポンジブラシ18の水平位置が制御される。
このようにして制御された水平位置にスポンジブラシ18が配置されると、ウエハWの回転によって、第1および第2洗浄面29,30は、ウエハWの周縁部(周縁領域13,14および周端面15)に摺接することになる。これにより、ウエハWの周縁部に付着しているパーティクル等の異物がスポンジブラシ18によって擦り取られ、当該周縁部がスクラブ洗浄される。スポンジブラシ18により擦り取られた異物は、ウエハWに供給される処理液によって洗い流される。
【0040】
スポンジブラシ18がウエハWに当接してから所定時間が経過すると、制御部51により昇降駆動機構23および揺動駆動機構24が制御されて、スポンジブラシ18が待機位置に退避される(ステップS7)。また、スポンジブラシ18が待機位置に戻される間に、ブラシ自転機構22が停止されて、スポンジブラシ18の回転が停止される。さらに、制御部51により処理液バルブ12が閉じられて、表面ノズル4および裏面ノズル5からの処理液の供給が停止される(ステップS8)。
【0041】
その後は、制御部51によりスピンモータ9が制御されて、ウエハWが高速(たとえば、3000rpm)で回転される(ステップS9)。これにより、ウエハWに付着している処理液が振り切られ、ウエハWが乾燥される。
ウエハWの高速回転が所定時間にわたって続けられると、スピンモータ9が停止されて、スピンチャック3によるウエハWの回転が停止される(ステップS10)。そして、ウエハWが静止した後、その処理済みのウエハWが処理室2から搬出されていく(ステップS11)。
【0042】
以上のように本実施形態では、スポンジブラシ18が中心軸線L1に沿って圧縮した圧縮状態で保持されており、その第1および第2洗浄面29,30の間にウエハWの周縁部が導入されることにより、ウエハWの周縁部がスクラブ洗浄される。これにより、ウエハWの表裏面の周縁領域13,14を同時にスクラブ洗浄することができ、周端面15のスクラブ洗浄も同時に行うことができる。したがって、ウエハW周縁部の洗浄に要する時間を短縮することができる。
【0043】
しかも、ウエハWに対する洗浄力は、圧縮されたスポンジブラシ18の復元力によって得られるので、スポンジブラシ18に対するウエハW周縁部の押し込み量に関係なく、必要な洗浄力を得ることができる。したがって、処理幅が小さく、スポンジブラシ18に対するウエハWの押し込み量が少ない場合であっても、洗浄力不足になるおそれがない。
さらにまた、第1および第2洗浄面29,30は、非圧縮状態においてウエハWの周縁部に向かって開く横向きV字溝を形成しているので、ウエハWが導入されたときに、その周端面15に馴染みやすい。そのため、周端面15に対する洗浄も良好に行うことができる。
【0044】
図8は、この発明の他の実施形態に係る基板処理装置の構成を説明するための図であり、スポンジブラシ18を圧縮状態で保持するための構成が分解した状態で示されている。前述の実施形態では、スポンジブラシ18の圧縮量を変化させることができる圧縮量調節機構(ブラシ駆動用シリンダ63など)を備えた構成について説明したが、この実施形態では、圧縮量調節機構を省いて、スポンジブラシ18を一定の圧縮量で回転軸61に取り付けるようにしている。この回転軸61は、前述の第1の実施形態の場合とは異なり、中空軸である必要はない。
【0045】
回転軸61の下端にホルダ取付部20を介してブラシホルダ21が取り付けられている。ホルダ取付部20は、回転軸61が挿通された円板状の上面部31と、この上面部31の周縁から下方に向けて延びる円筒状の側面部32とを一体的に備えている。上面部31は、回転軸61の下端部に取り付けられたリング33により支持されている。また、側面部32の内周面には、ねじが切られた雌ねじ部34aが一体的に形成されている。
【0046】
ブラシホルダ21は、略円柱状の樹脂ブロック35と、樹脂ブロック35の中心軸線上に配置され、上端部が樹脂ブロック35の下面に挿入されて固定された芯材36と、この芯材36の下端に取り付けられるプレート37とを備えている。
樹脂ブロック35の上端部には、周面にねじが切られた雄ねじ部34bが一体的に形成されている。この雄ねじ部34bとホルダ取付部20の雌ねじ部34aとを螺合させることにより、ブラシホルダ21がホルダ取付部20に取り付けられている。
【0047】
また、樹脂ブロック35の上面には、回転軸61の下端部が嵌合された嵌合孔39が形成されている。回転軸61の下端部は、たとえば四角柱状とされており、嵌合孔39は、回転軸61の下端部の形状に対応する形状(四角柱状)とされている。回転軸61の回転は、回転軸61の下端部から樹脂ブロック35に伝達される。
芯材36の下端部の外周面には、外ねじを螺刻した雄ねじ部36aが形成されている。これに対応して、プレート37の中央部には、内ねじを螺刻した雌ねじ部37aが形成されている。プレート37の雌ねじ部37aを芯材36の雄ねじ部36aに螺合させることにより、プレート37を芯材36に取り付けることができる。プレート37は、スポンジブラシ18の下面全域に対向することができる上面を有しており、この実施形態では、たとえば、円形に形成されている。むろん、プレート37の芯材36への螺着を容易にするために、プレート37を六角形その他の多角形形状に形成してもよい。
【0048】
芯材36は、スポンジブラシ18の貫通孔28を挿通できるように構成されている。すなわち、スポンジブラシ18を中心軸線L1(図3参照)に沿って圧縮することによって、芯材36を貫通孔28に挿通して、その下端部をスポンジブラシ18の下面から下方に突出させることができ、その状態で、雄ねじ部36aにプレート37を螺着することができる。これにより、図8において二点鎖線で示すように、スポンジブラシ18を圧縮状態でブラシホルダ21に取り付けることができる。圧縮状態のスポンジブラシ18は、ブラシホルダ21の下面とプレート37との間に挟持されて、第1および第2洗浄面29,30が互いに当接した圧縮状態で保持される。このように、ブラシホルダ21、芯材36およびプレート37などによって、スポンジブラシ18を圧縮状態で保持するための圧縮保持手段が構成されている。
【0049】
このような構成によっても、スポンジブラシ18の圧縮量が一定ではあるが、処理幅が小さいときでも充分な洗浄力を得ることができる。圧縮量の変更による洗浄力の調節は、必要であれば、芯材36に対するプレート37の螺着位置を調整することによって手動で行うことができる。
この発明の実施の形態の説明は以上であるが、この発明は、前述の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。たとえば、前述の実施形態では、第1および第2洗浄面29,30がいずれもテーパー面(円錐台形状をなす湾曲面)であり、これらが横向きV字形断面の溝を形成する例について説明したが、たとえば、一対の洗浄面のうちの一方のみをテーパー面とし、他方を平面(中心軸線L1に垂直な平面。ウエハWの主面に平行な平面)として、これらの一対の洗浄面によって断面楔形の溝を形成することとしてもよい。図9に、ウエハWの上面に対向する第1洗浄面29Aをテーパー面とし、ウエハWの下面に対向する第2洗浄面30Aを中心軸線L1に垂直な平坦面としたスポンジブラシ18Aの非圧縮状態の構成を示す。
【0050】
さらに、前述の実施形態では、ウエハW周縁部のスクラブ洗浄の際に、スポンジブラシ18を中心軸線L1まわりに自転させるようにしているが、スポンジブラシ18を静止状態で(自転させることなく)、ウエハWの周縁部に摺接させてスクラブ洗浄を行うこともできる。この場合、スポンジブラシ18は、必ずしも回転対称形に構成される必要はない。
【0051】
また、前述の実施形態では、処理対象となる基板としてウエハWを取り上げたが、ウエハWに限らず、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板などの他の種類の基板が処理対象とされてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施形態に係る基板処理装置の概略構成を示す平面図である。
【図2】図1に示す基板処理装置の内部の図解的な側面図である。
【図3】スポンジブラシの構成を示す側面図である。
【図4】スポンジブラシを圧縮状態で保持するための圧縮保持機構の構造例を示す図解図である。
【図5】前記基板処理装置の電気的構成を説明するためのブロック図である。
【図6】前記基板処理装置におけるウエハの処理を説明するための工程図である。
【図7】ウエハの処理中におけるスポンジブラシの状態を示す側面図である。
【図8】この発明の他の実施形態に係る基板処理装置の構成を説明するための図である。
【図9】スポンジブラシの他の構成例を示す側面図である。
【符号の説明】
【0053】
1 基板処理装置 2 処理室
2a 隔壁 3 スピンチャック
4 表面ノズル 5 裏面ノズル
6 ブラシ機構 7 スピン軸
8 吸着ベース 9 スピンモータ
10 処理液供給管 11 処理液供給管
12 処理液バルブ 13 ウエハ表面の周縁領域
14 ウエハ裏面の周縁領域 15 周端面
16 揺動アーム 16a ケース
17 アーム支持軸 18 スポンジブラシ
18A スポンジブラシ 20 ホルダ取付部
21 ブラシホルダ 22 ブラシ自転機構
23 昇降駆動機構 24 揺動駆動機構
25 待機ポッド 26 第1洗浄部
26a 上部 26b 下部
27 第2洗浄部 27a 上部
27b 下部 28 貫通孔
29 第1洗浄面 29A 第1洗浄面
30 第2洗浄面 30A 第2洗浄面
31 上面部 32 側面部
33 リング 34a 雌ねじ部
34b 雄ねじ部 35 樹脂ブロック
36 芯材 36a 雄ねじ部
37 プレート 37a 雌ねじ部
39 嵌合孔 51 制御部
52 レシピ入力キー 55 圧縮保持機構
61 回転軸 62 回転軸
62a スプライン軸部 62b フランジ
63 ブラシ駆動用シリンダ 63a 駆動軸
64 スリーブ 65 プーリ
66 ベルト 67 プーリ
68 ブラシ回転用モータ 71 支持板
72 支持板 L1 中心軸線
W ウエハ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を保持して回転させる基板保持回転機構と、
弾性変形可能な材料からなり、非圧縮状態において前記基板保持回転機構に保持された基板の主面に対して傾斜した状態となる第1洗浄面、およびこの第1洗浄面に対向する第2洗浄面を有し、前記基板保持回転機構に保持された基板の周縁部を前記第1洗浄面および前記第2洗浄面の間に導入して洗浄するためのブラシと、
このブラシを前記第1洗浄面および前記第2洗浄面が互いに当接するように圧縮して保持する圧縮保持手段とを含む、基板処理装置。
【請求項2】
前記圧縮保持手段が、前記ブラシの圧縮量を変更する可変圧縮手段を含む、請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記第2洗浄面が、前記第1洗浄面とともに前記基板保持回転機構に保持された基板の周縁部を受け容れるV字形溝を形成するように当該基板の主面に対して傾斜している、請求項1または2記載の基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−212118(P2009−212118A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−50559(P2008−50559)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】