説明

塗布膜形成装置および塗布膜形成方法

【課題】露光装置へのパーティクルの持ち込みを極力少なくすることができる塗布膜形成装置を提供すること。
【解決手段】レジスト膜の露光前に基板に対してレジスト膜等からなる塗布膜を形成する塗布膜形成装置は、基板Wに塗布処理等を行う処理部と、基板を処理部へ搬入する前に少なくとも基板の裏面およびエッジ部を洗浄する塗布前洗浄ユニットと、基板を処理部へ搬入する前に基板Wの裏面およびエッジ部の状態を検査する検査ユニットと、洗浄後、検査ユニットで基板の検査を行わせ、その検査結果に基づいて基板の裏面およびエッジ部におけるパーティクルの状態が許容範囲か否かを判断し、許容範囲であった場合に前記処理部への基板の搬入を許容し、許容範囲からはずれた場合に前記塗布前洗浄ユニットで基板の洗浄を行ってから処理部への基板の搬入を許容する制御部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、露光処理に先立って基板にレジスト膜等の塗布膜を形成する塗布膜形成装置および塗布膜形成方法に関し、特にダブルパターニング技術に適した塗布膜形成装置および塗布膜形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造においては、被処理基板である半導体ウエハ(以下、単にウエハという)上に回路パターンを形成するためにフォトリソグラフィ技術が用いられている。フォトリソグラフィを用いた回路パターンの形成は、ウエハ上にレジスト液を塗布してレジスト膜を形成し、このレジスト膜に光を照射して回路パターンに対応するようにレジスト膜を露光した後、これを現像処理するといった手順で行われる。
【0003】
半導体デバイスは近時、動作速度の向上等の観点から高集積化の傾向にあるため、フォトリソグラフィ技術においては、ウエハ上に形成される回路パターンの微細化が要求されている。そこで、45nmノードの高解像度を実現するフォトリソグラフィ技術として、ウエハと露光用の投影レンズとの間に空気よりも高い屈折率を有する純水等の露光液を供給し、露光液の屈折率を利用して投影レンズからの照射光の波長を短くすることにより露光の線幅を細くする液浸(Immersion)露光が提案されている(例えば特許文献1参照)。また、パターニングを2回行って微細パターンを形成するダブルパターニングと称する技術も提案されている。これら液浸露光技術とダブルパターニング技術は組み合わせて用いることが検討されている。
【0004】
ダブルパターンニング技術は、エッチング前に2回露光を行う必要があり、露光前に発生したパーティクルが露光機に持ち込まれやすい。ウエハ裏面にパーティクルがある場合、露光処理時にパーティクルがある箇所でデフォーカスを起こすおそれがある。従来デフォーカスは比較的大きなパーティクルがある場合に発生していたが、技術ノードの微細化にともないデフォーカスを起こすパーティクルサイズが小さくなっており、このようなウエハ裏面のパーティクルが無視し得ない問題となりつつある。また、このような微細化にともなってフォトリソグラフィの際の工程数も増え、ウエハ裏面へパーティクルが付着するリスクも大きくなっている。したがって、今まで以上にレジスト膜等を形成する塗布膜形成装置から露光装置にパーティクルが持ち込まれ難くすることが求められる。
【特許文献1】国際公開2005−029559号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、露光装置へのパーティクルの持ち込みを極力少なくすることができる塗布膜形成装置および塗布膜形成方法を提供することを目的とする。
また、そのような塗布膜形成方法を実行するための制御プログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点では、レジスト膜の露光前に基板に対してレジスト膜またはレジスト膜と他の膜からなる塗布膜を形成する塗布膜形成装置であって、基板にレジスト膜またはレジスト膜と他の膜を塗布する一または複数の塗布ユニットおよび基板に対して塗布膜形成に必要な熱的処理を行う一または複数の熱的処理ユニットを有する処理部と、基板を前記処理部へ搬入する前に少なくとも基板の裏面およびエッジ部を洗浄する塗布前洗浄ユニットと、基板を前記処理部へ搬入する前に基板の裏面およびエッジ部の状態を検査する塗布前検査ユニットと、前記塗布前洗浄ユニットでの基板の洗浄後、前記塗布前検査ユニットで基板の検査を行わせ、その検査結果に基づいて基板の裏面およびエッジ部におけるパーティクルの状態が許容範囲か否かを判断し、許容範囲であった場合に前記処理部への基板の搬入を許容する制御部とを具備することを特徴とする塗布膜形成装置を提供する。
【0007】
上記第1の観点の装置において、前記処理部と前記露光装置との間に設けられたインターフェイス部と、前記インターフェイス部にて基板を露光装置へ搬入前に少なくとも基板の裏面およびエッジ部を洗浄する露光前洗浄ユニットと、基板を露光装置へ搬入前に基板の裏面およびエッジ部の状態を検査する露光前検査ユニットとをさらに具備し、前記制御部は、前記露光前洗浄ユニットでの基板の洗浄後、前記露光前検査ユニットで基板の検査を行わせ、その検査結果に基づいて基板の裏面およびエッジ部におけるパーティクルの状態が許容範囲か否かを判断し、許容範囲であった場合に前記露光装置への基板の搬入を許容する構成とすることができる。
【0008】
また、上記第1の観点の装置において、前記処理部に設けられた、露光後の基板に現像処理を施す現像ユニットおよび現像処理の前後に必要な熱的処理を行う熱的処理ユニットと、現像処理後に前記処理部から搬出された基板について、少なくとも基板の裏面およびエッジ部を洗浄する現像後洗浄ユニットと、現像処理後に基板の裏面およびエッジ部の状態を検査する現像後検査ユニットとをさらに具備し、前記制御部は、前記現像後洗浄ユニットでの基板の洗浄後、前記現像後検査ユニットで基板の検査を行わせ、その検査結果に基づいて基板の裏面およびエッジ部におけるパーティクルの状態が許容範囲か否かを判断し、許容範囲であった場合に次工程への基板の供給を許容する構成とすることができる。
【0009】
本発明の第2の観点では、レジスト膜の露光前に基板に対してレジスト膜またはレジスト膜と他の膜からなる塗布膜を形成する塗布膜形成装置であって、基板にレジスト膜またはレジスト膜と他の膜を塗布する一または複数の塗布ユニットおよび基板に対して塗布膜形成に必要な熱的処理を行う一または複数の熱的処理ユニットを有する処理部と、基板を前記処理部へ搬入する前に少なくとも基板の裏面およびエッジ部を洗浄する塗布前洗浄ユニットと、基板を前記処理部へ搬入する前に基板の裏面およびエッジ部の状態を検査する塗布前検査ユニットと、前記塗布前検査ユニットで基板の検査を行わせ、その検査結果に基づいて基板の裏面およびエッジ部におけるパーティクルの状態が許容範囲か否かを判断し、許容範囲であった場合に前記処理部への基板の搬入を許容し、許容範囲からはずれた場合に前記塗布前洗浄ユニットで基板の洗浄を行ってから前記処理部への基板の搬入を許容する制御部とを具備することを特徴とする塗布膜形成装置を提供する。
【0010】
上記第2の観点の装置において、前記処理部と前記露光装置との間に設けられたインターフェイス部と、前記インターフェイス部にて基板を前記露光装置へ搬入前に少なくとも基板の裏面およびエッジ部を洗浄する露光前洗浄ユニットと、基板を前記露光装置へ搬入前に板の裏面およびエッジ部の状態を検査する露光前検査ユニットとをさらに具備し、前記制御部は、前記露光前検査ユニットで基板の検査を行わせ、その検査結果に基づいて基板の裏面およびエッジ部におけるパーティクルの状態が許容範囲か否かを判断し、許容範囲であった場合に前記露光装置への基板の搬入を許容し、許容範囲からはずれた場合に前記露光前洗浄ユニットで基板の洗浄を行ってから前記露光装置への基板の搬入を許容する構成とすることができる。
【0011】
また、上記第2の観点の装置において、前記処理部に設けられた、露光後の基板に現像処理を施す現像ユニットおよび現像処理の前後に必要な熱的処理を行う熱的処理ユニットと、現像処理後に前記処理部から搬出された基板について、少なくとも基板の裏面およびエッジ部を洗浄する現像後洗浄ユニットと、現像処理後に基板の裏面およびエッジ部の状態を検査する現像後検査ユニットとをさらに具備し、前記制御部は、前記現像後検査ユニットで基板の検査を行わせ、その検査結果に基づいて基板の裏面およびエッジ部におけるパーティクルの状態が許容範囲か否かを判断し、許容範囲であった場合に次工程への基板の供給を許容し、許容範囲からはずれた場合に前記現像後洗浄ユニットで基板の洗浄を行ってから次工程への基板の供給を許容する構成とすることができる。
【0012】
上記第1および第2の観点において、前記露光装置としては、液体を介して露光処理を施す液浸露光装置を用いることができる。また、前記塗布前洗浄ユニットは、基板に洗浄液を供給する洗浄液供給機構、および基板の裏面およびエッジ部を洗浄するブラシを有する構成とすることができる。
【0013】
本発明の第3の観点では、レジスト膜を露光装置で露光する前に処理部にて基板に対してレジスト膜またはレジスト膜と他の膜からなる塗布膜を形成する塗布膜形成方法であって、基板を前記処理部へ搬入する前に少なくとも基板の裏面およびエッジ部を洗浄する工程と、前記洗浄後、基板を前記処理部へ搬入する前に基板の裏面およびエッジ部の状態を検査する工程と、その検査結果に基づいて基板の裏面およびエッジ部におけるパーティクルの状態が許容範囲か否かを判断する工程と、前記パーティクルの状態が許容範囲であった場合に前記処理部へ基板を搬入する工程と、前記処理部において基板にレジスト膜またはレジスト膜と他の膜を塗布する工程と、前記処理部において基板に対して塗布膜形成に必要な熱的処理を行う工程とを有することを特徴とする塗布膜形成方法を提供する。
【0014】
上記第3の観点の方法において、基板を露光装置へ搬入する前に少なくとも基板の裏面およびエッジ部を洗浄する工程と、前記露光前の洗浄後、前記露光装置へ搬入する前に基板の裏面およびエッジ部の状態を検査する工程と、その検査結果に基づいて基板の裏面およびエッジ部におけるパーティクルの状態が許容範囲か否かを判断する工程と、前記パーティクルの状態が許容範囲であった場合に前記露光装置へ基板を搬入する工程とをさらに有するようにすることができる。
【0015】
また、上記第3の観点の方法において、露光後の基板に現像処理を施す工程と、現像処理の前後に必要な熱的処理を行う工程と、現像処理後に少なくとも基板の裏面およびエッジ部を洗浄する工程と、前記現像処理後の洗浄後に少なくとも基板の裏面およびエッジ部の状態を検査する工程と、その検査結果に基づいて基板の裏面およびエッジ部におけるパーティクルの状態が許容範囲か否かを判断する工程と、パーティクルの状態が許容範囲であった場合に次工程へ基板を供給する工程とをさらに有するようにすることができる。
【0016】
本発明の第4の観点では、レジスト膜を露光装置で露光する前に処理部にて基板に対してレジスト膜またはレジスト膜と他の膜からなる塗布膜を形成する塗布膜形成方法であって、基板を前記処理部に搬入する前に基板の裏面およびエッジ部の状態を検査する工程と、その検査結果に基づいて基板の裏面およびエッジ部におけるパーティクルの状態が許容範囲か否かを判断する工程と、前記パーティクルの状態が許容範囲であった場合に前記処理部へ基板を搬入する工程と、前記パーティクルの状態が許容範囲からはずれた場合に基板の洗浄を行ってから前記処理部へ基板を搬入する工程と、前記処理部において基板にレジスト膜またはレジスト膜と他の膜を塗布する工程と、前記処理部において基板に対して塗布膜形成に必要な熱的処理を行う工程とを有することを特徴とする塗布膜形成方法を提供する。
【0017】
上記第4の観点の方法において、基板を露光装置へ搬入する前に基板の裏面およびエッジ部の状態を検査する工程と、その検査結果に基づいて基板の裏面およびエッジ部におけるパーティクルの状態が許容範囲か否かを判断する工程と、 前記パーティクルの状態が許容範囲であった場合に前記露光装置へ基板を搬入する工程と、前記パーティクルの状態が許容範囲からはずれた場合に基板の洗浄を行ってから前記露光装置へ基板を搬入する工程とをさらに有するものとすることができる。
【0018】
また、上記第4の観点の方法において、露光後の基板に現像処理を施す工程と、
現像処理の前後に必要な熱的処理を行う工程と、現像処理後に基板の裏面およびエッジ部の状態を検査する工程と、その検査結果に基づいて基板の裏面およびエッジ部におけるパーティクルの状態が許容範囲か否かを判断する工程と、前記パーティクルの状態が許容範囲であった場合に次工程へ基板を供給する工程と、前記パーティクルの状態が許容範囲からはずれた場合に基板の洗浄を行ってから次工程へ基板を供給する工程とをさらに有するものとすることができる。
【0019】
さらに、上記第4の観点の方法において、前記露光装置として、液体を介して露光処理を施す液浸露光装置を用いることができる。
【0020】
本発明の第5の観点では、コンピュータ上で動作し、塗布膜形成装置を制御する制御プログラムが記憶されたコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、前記制御プログラムは、実行時に、上記第3または第4の観点の方法が行われるように、コンピュータに前記塗布膜形成装置を制御させることを特徴とするコンピュータ読取可能な記憶媒体を提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、レジスト膜等の塗布膜の形成を行う処理部に基板を搬入する前に少なくとも基板の裏面およびエッジ部を洗浄し、基板の裏面およびエッジ部のパーティクルの状態を検査し、パーティクルが許容範囲だったウエハのみを処理部に搬入して塗布処理に供するので、パーティクルで汚染された基板が処理部に搬入されることなく、その後の露光装置での露光処理において、基板の裏面のパーティクルによりデフォーカスのおそれを少なくすることができる。また、塗布処理に入る前に不適切な基板を除外することができるので、不必要な処理を省略することが可能となり、処理効率を向上させることができる。さらに、インラインで洗浄および検査を行って不適切なウエハを除外するので、迅速な処理を行うことができる。
【0022】
また、本発明によれば、レジスト膜等の塗布膜の形成を行う処理部に基板を搬入する前にウエハの裏面およびエッジ部のパーティクルの検査を行い、その結果許容範囲のものは塗布処理を行い、許容範囲を外れるものは洗浄を行ってから塗布処理を行うようにしたので、洗浄するウエハの枚数を減らすことができ、効率的である。また、検査を洗浄前に行うことにより、検査結果に基づいて洗浄を行うようにすることができ、より効率的な洗浄を行うことができる。
【0023】
さらに、基板を露光装置に搬入する前にも基板の洗浄・検査を行って不適切なウエハを除外することにより、露光装置に搬入される基板の裏面およびエッジ部のパーティクルをより一層少なくすることができ、より信頼性の高い処理を行うことができる。
【0024】
さらにまた、現像処理後のウエハに対しても洗浄・検査を行って不適切な基板を除外することにより、ダブルパターニング処理における2回目のパターニングに供する基板のパーティクルをさらに一層少なくして、より一層信頼性の高い処理を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る塗布・現像装置を備えたパターン形成装置の概略平面図であり、図2はその概略斜視図である。
【0026】
パターン形成装置1は、半導体基板であるウエハWに所定のレジストパターンを形成するためのものであり、ウエハWにレジスト等を塗布し、かつ露光後の現像を行う塗布・現像装置2と、ウエハWに液浸露光処理を施す露光装置3とを備えている。塗布・現像装置2は、ウエハWの搬送ステーションであるカセットステーション11と、ウエハWに所定の処理を施す複数の処理ユニットを有する処理ステーション12と、処理ステーション12および露光装置3の間でウエハWを受け渡すためのインターフェイスステーション13とを備えている。カセットステーション11、処理ステーション12、インターフェイスステーション13および露光装置3は、この順にパターン形成装置1の長さ方向(Y方向)に直列に配置されている。
【0027】
カセットステーション11は、複数枚、例えば13枚のウエハWが収容されたウエハカセット(CR)を載置するカセット載置台11aと、カセット載置台11a上のウエハカセット(CR)と後述する処理ステーション12の第3処理ユニット群G3に設けられたトランジションユニットとの間でウエハWを搬送するためのウエハ搬送部11cとをY方向に直列に有している。カセット載置台11a上には、ウエハカセット(CR)を位置決めするための位置決め部11bが、パターン形成装置1の幅方向(X方向)に複数、例えば5個設けられており、ウエハカセット(CR)は、その開口がウエハ搬送部11cの筐体の壁面に設けられた開閉部11eと対向するように、位置決め部11b位置に載置される。ウエハ搬送部11cは、その筐体内に配置された、ウエハWを保持可能な搬送ピック11dを有し、この搬送ピック11dによりカセット載置台11a上の各ウエハカセット(CR)と処理ステーション12との間でウエハWを搬送するように構成されている。
【0028】
図2に示すように、カセットステーション11の下部には塗布・現像装置2の全体を制御する制御部20が設けられている。この制御部20の詳細は後述する。また、露光装置3にも図示しない制御部が設けられている。
【0029】
処理ステーション12は、カセットステーション11から搬送されてきたウエハを洗浄し検査する洗浄・検査部12aと、レジスト膜の塗布膜形成および露光後のレジスト膜の現像、さらにはそれらに付随する熱処理等の処理を行う塗布・現像処理部12bとを有している。
【0030】
洗浄・検査部12aは、正面側に第1の処理ユニット群Gを有し、背面側に第2の処理ユニット群Gを有し、これら第1および第2の処理ユニット群GおよびGの間にウエハ搬送機構14が配置されている。図3に示すように、第1の処理ユニット群Gは、受け渡しユニット(TRS)とウエハWの裏面およびエッジ部を洗浄する2台の洗浄ユニット(CLN)とが3段に積み重ねられて構成されており、第2の処理ユニット群Gは第1検査ユニット(CHK1)と検査によってリジェクトされたウエハWが収容される第1リジェクトウエハカセット(RCR1)が2段に積み重ねられている。ウエハ搬送機構14は、ウエハWを受け渡すためのフォーク14aを有している。このフォーク14aは、上下動および旋回が可能であり、第1処理ユニット群G、第2処理ユニット群Gの各ユニット、および、後述する第5の処理ユニット群Gの受け渡しユニット(TRS1)にアクセス可能である。
【0031】
塗布・現像処理部12bは、筐体15内に配置されており、その前面側(図1下側)に、カセットステーション11側からインターフェイスステーション13側に向かって順に、第3処理ユニット群Gと第4処理ユニット群Gとを有し、その背面側(図1上方)に、カセットステーション11側からインターフェイスステーション13側に向かって順に、第5処理ユニット群G、第6処理ユニット群Gおよび第5処理ユニット群Gを有している。また、塗布・現像処理部12bは、第5処理ユニット群Gと第6処理ユニット群Gとの間に第1主搬送部Aを有し、第6処理ユニット群Gと第7処理ユニット群Gとの間に第2主搬送部Aを有している。また、第1主搬送部Aの裏面側には、第8処理ユニット群Gが設けられている。
【0032】
図2に示すように、第3処理ユニット群Gは、ウエハWに露光時の光の反射を防止する反射防止膜を形成する2つのボトムコーティングユニット(BARC)と、ウエハWにレジスト膜を形成する3つのレジスト塗布ユニット(COT)とが積み重ねられて構成されている。第4処理ユニット群Gは、ウエハWに現像処理を施す例えば3つの現像ユニット(DEV)と、ウエハWに形成されたレジスト膜の表面に撥水性を有する保護膜(トップコート膜)を形成する例えば2つのトップコーティングユニット(ITC)とが積み重ねられて構成されている。
【0033】
第5処理ユニット群G、第6処理ユニット群G、第7処理ユニット群Gは、例えば、レジスト塗布後のウエハWに加熱処理を施すプリベークユニット(PAB)、現像処理後のウエハWに加熱処理を施すポストベークユニット(POST)、露光後現像前のウエハWに加熱処理を施す露光後ベークユニット(PEB)、疎水化処理またはプリベークされたウエハWを所定温度に調整するための温調ユニットである冷却ユニット(CPL1)と、露光後ベークユニット(PEB)で加熱されたウエハWを所定温度に調整する温調ユニットである冷却ユニット(CPL3)とポストベークユニット(POST)で加熱されたウエハWを冷却する冷却ユニット(CPL4)等が例えば10段に積み重ねて構成されている。また、第8処理ユニット群Gは、ウエハWに疎水化処理を施すアドヒージョンユニット(ADH)を例えば2段積み重ねて構成されている。これらは、例えば図4に示すように配置されている。図4に示すように、第5処理ユニット群Gはカセットステーション11と第1主搬送部Aとの間でのウエハWの受け渡し部となる受け渡しユニット(TRS1)を有し、第7処理ユニット群Gは第2主搬送部Aとインターフェイスステーション13の後述する第1インターフェイスステーション搬送機構21との間でのウエハWの受け渡し部となる受け渡しユニット(TRS2)を有している。
【0034】
プリベークユニット(PAB)およびポストベークユニット(POST)はいずれも加熱プレートを備え、第1主搬送部Aおよび第2主搬送部Aの双方からアクセスすることができるように構成されている。一方、露光後ベークユニット(PEB)は、ウエハWを加熱する加熱プレートおよび加熱後のウエハを冷却する冷却プレートを備え、やはり第1主搬送部Aおよび第2主搬送部Aの双方からアクセスすることができるように構成されている。
【0035】
第1主搬送部Aは、ウエハWを保持可能な第1主ウエハ搬送アーム16を有し、この第1主ウエハ搬送アーム16は、第3処理ユニット群G、第5処理ユニット群Gおよび第6処理ユニット群G、第8処理ユニット群Gの各ユニットに選択的にアクセスできるようになっている。第2主搬送部Aは、ウエハWを保持可能な第2主ウエハ搬送アーム17を有し、この第2主ウエハ搬送アーム17は、第4処理ユニット群G、第6処理ユニット群Gおよび第7処理ユニット群Gの各ユニットに選択的にアクセスできるようになっている。
【0036】
第3処理ユニット群Gと洗浄・検査部12aとの間および第4処理ユニット群Gとインターフェイスステーション13との間にはそれぞれ、第3および第4処理ユニット群G、Gに供給される処理液の温度調節装置や温度湿度調節用のダクト等を備えた温度湿度調節ユニット18が設けられている(図1参照)。また、第3および第4処理ユニット群G、Gの下側にはそれぞれ、これらに薬液を供給するケミカルユニット(CHM)が設けられている(図2参照)。
【0037】
インターフェイスステーション13は、図5に示す概略斜視図に示すように、筐体内に配置された、処理ステーション12側の第1インターフェイスステーション13aと、露光装置3側の第2インターフェイスステーション13bとを有している。第1インターフェイスステーション13aには、第7処理ユニット群Gの開口部と対面するように、ウエハWを搬送するための第1ウエハ搬送機構21が設けられており、第2インターフェイスステーション13bには、ウエハWを搬送するための第2ウエハ搬送機構22が設けられている。
【0038】
第1インターフェイスステーション13aの正面側には、ウエハ周辺部の余分なレジストを除去するためにウエハWのエッジ部のみを選択的に露光する周辺露光装置(WEE)と、露光装置3に搬送されるウエハWを一時収容するイン用バッファカセット(INBR)と、露光装置3から搬送されたウエハWを一時収容するアウト用バッファカセット(OUTBR)と、露光装置3に搬送される前のウエハを洗浄する前洗浄ユニット(PRECLN)と、露光装置3から搬送されたウエハWを洗浄する後洗浄ユニット(POCLN)とが積み重ねられて構成された第9処理ユニット群Gが配置されている。第1インターフェイスステーション13aの背面側には、ウエハWを高精度に温調する高精度温調ユニット(CPL)が例えば2段に積み重ねられて構成された第10処理ユニット群G10が配置されている。
【0039】
一方、第2インターフェイスステーション13bの正面側には、レジスト膜等の塗布膜を形成したウエハWの裏面およびエッジ部を検査する第2検査ユニット(CHK2)と検査の結果リジェクトされたウエハWを収容するための第2リジェクトウエハカセット(RCR2)とが2段に積み重ねられて構成された第11処理ユニット群G11が配置されている。
【0040】
第1ウエハ搬送機構21は、ウエハWを受け渡すためのフォーク21aを有している。このフォーク21aは、上下動および旋回が可能であり、第7処理ユニット群G、第9処理ユニット群G、第10処理ユニット群G10の各ユニットにアクセス可能であって、これにより各ユニット間でのウエハWの搬送を行う。
【0041】
第2ウエハ搬送機構22は、ウエハWを受け渡すための上下2本のフォーク22a、22bを有している。これらフォーク22a、22bは、図1のY方向に沿った水平移動、上下動および旋回が可能であり、第9処理ユニット群Gの前洗浄ユニット(PRECLN)および後洗浄ユニット(POCLN)、第10処理ユニット群G10の各ユニット、第11処理ユニット群G11の各ユニット、露光装置3の後述するインステージ3aおよびアウトステージ3bにアクセス可能であって、これら各部の間でウエハWの搬送を行う。
【0042】
第1インターフェイスステーション13aの上部には、第1インターフェイスステーション13aまたはインターフェイスステーション13の気流を調整する気流調整部23が設けられ、第2インターフェイスステーション13bの上部には、露光装置から搬送されたウエハWが乾燥しないように第2インターフェイスステーション13bまたはインターフェイスステーション13を加湿する加湿部24が設けられている。
【0043】
上記洗浄・検査部12aにおける洗浄ユニット(CLN)は、図6の概略断面図に示すように、ウエハWを収容する筐体60と、筐体60内でウエハWをその裏面を上にした状態で水平に保持して回転させるスピンチャック61と、スピンチャック61に保持されたウエハWに洗浄液として薬液および純水を供給する洗浄液供給機構62と、洗浄機構63と、スピンチャック61に保持されたウエハWから振り切られた洗浄液等の処理液を受け止めるカップ体64と、スピンチャック61を回転させるモータ65とを備えている。
【0044】
筐体60の側壁には、ウエハWを搬入出するための搬入出口60aが形成されている。搬入出口60aにはシャッタ60bが設けられている。スピンチャック61は、昇降可能であり、ウエハWの下面を真空吸着してウエハWを保持した状態でモータ65によって回転される。
【0045】
洗浄液供給機構62は、洗浄液として薬液を供給するための薬液供給源62aと、純水を供給するための純水供給源62bと、薬液供給源62aからの薬液および純水供給源62bからの純水をスピンチャック61に保持されたウエハWの表面(上面)エッジ部に供給する表面側ノズル62cと、薬液供給源62aからの薬液および純水供給源62bからの純水をスピンチャック61に保持されたウエハWの裏面(下面)に供給する裏面側ノズル62dと、薬液供給源62aからの薬液および純水供給源62bからの純水を表面側ノズル62cおよび裏面側ノズル62dに導く導管62eと、薬液と純水とを切り替えるとともに流量を調節するバルブ62fとを有している。
【0046】
洗浄機構63は、ウエハ裏面洗浄ブラシ63aと、ウエハエッジ部洗浄ブラシ63bを有している。ウエハ裏面洗浄ブラシ63aはウエハWの裏面(下面)に沿って移動可能に構成され、ウエハ裏面をスクラブ洗浄することが可能となっている。また、ウエハエッジ部洗浄ブラシ63bは洗浄中にはエッジ部に固定され、ウエハWを回転させることによりウエハWのエッジ部をスクラブ洗浄することが可能となっている。
【0047】
カップ体64は、ウエハWを保持したスピンチャック61が下降した位置にあるときにスピンチャック61に保持されたウエハWを囲繞するように設けられている。また、カップ体64は、その上端部が上方に向かって内側に傾斜しており、ウエハWから振り切られた洗浄液および裏面側ノズル62dから供給された洗浄液を確実に受け止めることができるようになっている。カップ体64内の底壁には、受け止めた洗浄液を排出する排出管64aが接続されている。
【0048】
インターフェイスステーション13の前洗浄ユニット(PRECLN)も基本的には上記洗浄ユニット(CLN)と同様の構成を有している。ただし、ウエハWの表面を洗浄する必要がある場合には、表面側ノズル62cはウエハWの中心直上に位置することが可能に構成される。一方、後洗浄ユニット(POCLN)は、ブラシによるスクラブ洗浄は必要がないので、ブラシは設けられていない。その他の構成は前洗浄ユニット(PRECLN)と同様となっている。
【0049】
なお、洗浄ユニット(CLN)、前洗浄ユニット(PRECLN)は、ブラシを設ける代わりに、超音波洗浄ノズルを用いてもよい。その場合には裏面側の超音波洗浄ノズルはスキャン可能にして、表面側の超音波洗浄ノズルはエッジ部に固定とすればよい。
【0050】
第1検査ユニット(CHK1)は、図7の概略構成図に示すように、筐体71と、筐体71内でウエハWを回転可能に保持するスピンチャック72と、スピンチャック72を回転させるモータ73と、スピンチャック72に保持されたウエハWの表面のエッジ部、ベベル部、裏面をそれぞれ撮像する3つのCCDカメラ72a、72b、72cとを有している。そして、このCCDカメラ72a、72b、72cによりウエハWの表面エッジ部、ベベル部、裏面を撮像し、画像処理することによりその状態が把握されるようになっている。ウエハWの裏面を撮像するCCDカメラ72はウエハWの裏面に沿って移動可能となっており、ウエハW裏面の大部分を検査することができるようになっている。また、筐体71の側壁には、ウエハ搬入出口71aが設けられており、このウエハ搬入出口71aはシャッタ71bにより開閉可能となっている。この検査ユニット(CHK)での検査項目としては、ウエハWエッジ部におけるレジスト膜等の塗布膜のはがれ、および塗布状態を挙げることができる。また、これらCCDカメラ72a、72b、72cの代わりに光学的なカメラを用いてもよく、元素分析機能を持たせて、パーティクルの付着状態を把握するようにしてもよい。
なお、第2検査ユニット(CHK2)も同様に構成される。
【0051】
露光装置3は、インターフェイスステーション13から搬送されたウエハWを載置するインステージ3aと、インターフェイスステーション13に搬送されるウエハWを載置するアウトステージ3bと、レジスト膜が形成されたウエハWを所定の液体に浸漬させた状態でレジスト膜を露光する液浸露光部30と、インステージ3a、液浸露光部30およびアウトステージ3bの間でウエハWを搬送するウエハ搬送機構25とを有している。
【0052】
液浸露光部30は、図8の概略断面図に示すように、ウエハWが載置されるステージ31と、図示しない光源からの露光光で照明されたマスクのパターン像をステージ31上のウエハWに投影露光する投影レンズ32と、ステージ31上のウエハWと投影レンズ32との間に、露光液として例えば純水を供給する供給口33、およびこの露光液を回収する回収口34が形成された露光液流通部材35とを備え、これらが図示しない開閉可能なチャンバー内に収容されて構成されている。
【0053】
ステージ31は、水平方向に移動可能、かつ微小回転可能に設けられている。また、ステージ31は、載置されたウエハWを囲むように環状突出部36を有し、この環状突出部36により、載置されたウエハWを保持するとともに、ウエハWに供給された露光液の流出を防止できるように構成されている。投影レンズ32は、マスクのパターン像を所定の倍率でウエハWに投影露光するように構成されている。なお、光源からの露光光としては、KrFエキシマレーザ光等の遠紫外光やArFエキシマレーザ光等の真空紫外光などが用いられる。露光液流通部材35は、投影レンズ32の先端部はたは下端部の周囲に環状に設けられており、供給口33および回収口34がそれぞれ、下部に周方向に間隔をあけて複数形成されている。そして、各供給口33から露光液が供給されるとともに、供給された露光液が各回収口34から例えば吸引されて回収されるように構成されている。
【0054】
上記制御部20は、図9のブロック図に示すように、塗布・現像装置2の各ユニットおよび各搬送機構等の各構成部を制御するマイクロプロセッサ(MPU)を備えたコントローラ51と、オペレータがパターン形成装置1の各構成部を管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボードや、パターン形成装置1の各構成部の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等からなるユーザーインターフェイス52と、処理に必要な情報が記憶された記憶部53とを有している。
【0055】
記憶部53は、塗布・現像装置2で実行される各種処理をコントローラ51の制御にて実現するための種々の制御プログラムや、処理条件データや処理手順等が記録されたレシピ、さらは処理に必要なデータベース等を格納している。
【0056】
処理に際しては、ユーザーインターフェイス52からの指示等を受けて、任意のレシピを記憶部53から呼び出してコントローラ51に実行させることで、コントローラ51の制御下で、塗布・現像装置2において所望の各種処理が行われる。レシピは、例えば、CD−ROM、ハードディスク、フレキシブルディスク、不揮発性メモリなどの読み出し可能な記憶媒体に記憶されている。なお、レシピは適宜の装置から例えば専用回線を介して随時伝送させてオンラインで利用したりすることも可能である。
【0057】
制御部20は、図10の模式図に示すように、塗布・現像装置2の全体をコントロールするが、洗浄ユニット(CLN)等での洗浄後または洗浄前に、第1および第2検査ユニット(CHK1、CHK2)によるウエハWの裏面およびエッジ部を検査した結果に基づいて、エッジ部の状態が許容範囲であるか否かを判断し、それに基づいてその後の処理を制御する機能も有している。
【0058】
次に、以上のように構成されたパターン形成装置1における処理動作の一実施形態について図11のフローチャートを参照して説明する。
まず、ウエハ搬送部11cの搬送ピック11dにより、ウエハカセット(CR)から1枚のウエハWを取り出し、処理ステーション12に搬入する(ステップ1)。このとき、搬入されたウエハWは、第1の処理ユニット群Gの受け渡しユニット(TRS)に受け渡される。
【0059】
次いで、ウエハ搬送機構14により受け渡しユニット(TRS)のウエハWを第1の処理ユニット群Gの洗浄ユニット(CLN)に搬入しウエハWの裏面およびエッジ部を洗浄する(ステップ2)。このときの洗浄は、ウエハWをスピンチャック61に保持させ、ウエハWを回転しつつ、表面側ノズル62cからウエハWの表面エッジ部に、裏面側ノズル62dからウエハWの裏面に薬液を供給しつつブラシ63a、63bによりウエハWの裏面およびエッジ部をスクラブ洗浄する。その後、洗浄液を純水に切り替えてリンス処理を行い、純水の供給を停止した後、ウエハWを高速で回転させて振り切り乾燥を行う。この洗浄処理により、前工程のエッチングや成膜によりウエハWの裏面やエッジ部に付着したパーティクルを除去することができる。
【0060】
次に、洗浄後のウエハWをウエハ搬送機構14により第2の処理ユニット群Gの第1検査ユニット(CHK1)に搬送し、ウエハWの裏面およびエッジ部の検査を行う(ステップ3)。エッジ部の検査は、スピンチャック72にウエハWを保持させて、ウエハWをゆっくり回転させながら、ウエハWの表面のエッジ部、ベベル部、裏面を3つのCCDカメラ72a、72b、72cで撮像し、画像処理して、パーティクルの状態を把握する。裏面のCCDカメラ72cはスキャンさせてほぼ裏面全面のパーティクルの状態を検査する。
【0061】
そして、第1検査ユニット(CHK1)での検査結果は制御部20のコントローラ51に出力されて、ウエハWの裏面およびエッジ部のパーティクルが許容範囲であるか否かを判定する(ステップ4)。ウエハWの裏面およびエッジ部のパーティクルが許容範囲である場合には、ウエハWをそのまま次の工程に供する。すなわち、ウエハWを塗布・現像処理部12bに搬入し、レジスト塗布等の塗布処理およびそれに付随する熱処理等の他の処理を行う(ステップ5)。一方、ウエハWの裏面およびエッジ部のパーティクルが許容範囲から外れた場合には、ウエハWを検査ユニット(CHK)の上の第1リジェクトウエハカセット(RCR1)に搬送し、処理から除外する(ステップ6)。
【0062】
上記ステップ5の塗布処理においては、塗布・現像処理部12bの第5処理ユニット群Gに設けられた受け渡しユニット(TRS1)に載置された状態から、第1および第2主搬送部A、Aにより、レシピの順序に従って、第3〜7処理ユニット群G〜G所定のユニットにウエハWを順次搬送し、ウエハWに一連の処理を施す。例えば、アドヒージョンユニットでのアドヒージョン処理、ボトムコーティングユニット(BARC)での反射防止膜の形成、レジスト塗布ユニット(COT)でのレジスト膜の形成、トップコーティングユニット(ITC)での保護膜の形成、プリベークユニットでのプリベーク処理を行う。
【0063】
上記ステップ5の処理を終えたウエハWは、インターフェイスステーション13にて、第1ウエハ搬送機構21によりウエハWを搬送して、周辺露光装置(WEE)での周辺露光処理を行い(ステップ7)、さらに前洗浄ユニット(PRECLN)での露光前洗浄処理を行う(ステップ8)。
【0064】
塗布処理後のウエハWは、塗布処理の前に洗浄ユニット(CLN)にて洗浄を行って第1検査ユニットの検査の結果パーティクルが許容範囲であることが確認されたものであるから必ずしも露光前の洗浄は必要ではないが、塗布・現像装置2で新たに付着するパーティクルも多少は存在し、これがウエハWの裏面やエッジ部に付着することもあり、これを洗浄するためにステップ8の露光前洗浄を行うことが好ましい。この洗浄処理は、ステップ2の洗浄処理と同様のスクラブ洗浄により行うことができる。ただし、液浸露光前の洗浄も兼ねていることから表面側ノズル62aによりウエハWの表面(上面)の洗浄も行うことが好ましい。
【0065】
次に、この洗浄後のウエハWを第2ウエハ搬送機構22により第11の処理ユニット群G11の第2検査ユニット(CHK2)に搬送し、ウエハWの裏面およびエッジ部の検査を行う(ステップ9)。エッジ部の検査は上記ステップ3と同様に行われる。
【0066】
そして、第2検査ユニット(CHK2)での検査結果は制御部20のコントローラ51に出力されて、ウエハWの裏面およびエッジ部のパーティクルが許容範囲であるか否かを判定する(ステップ10)。ウエハWの裏面およびエッジ部のパーティクルが許容範囲である場合には、ウエハWをそのまま次の工程に供する。すなわち、ウエハWを露光装置3に搬入し、ウエハ搬送機構25によって液浸露光部30に搬送してウエハWに液浸露光処理を施す(ステップ11)。一方、ウエハWの裏面およびエッジ部のパーティクルが許容範囲から外れた場合には、ウエハWを第2検査ユニット(CHK2)の上の第2リジェクトウエハカセット(RCR2)に搬送し、処理から除外する(ステップ12)。
【0067】
その後、ウエハ搬送機構25によってウエハWをアウトステージ3bに搬送し、次いで、インターフェイスステーション13の第2ウエハ搬送機構22によってウエハWを後洗浄ユニット(POCLN)に搬送してウエハWを後洗浄する(ステップ13)。その後、第7処理ユニット群Gの受け渡しユニット(TRS2)を介して、ウエハWを塗布・現像部12bに搬入し、第1および第2主搬送部A、Aにより、レシピの順序に従って、第3〜7処理ユニット群G〜G所定のユニットにウエハWを順次搬送して現像処理およびその前後に行われる熱処理等の他の処理を行う(ステップ14)。例えばポストエクスポージャーベークユニットでのポストエクスポージャーベーク処理、現像ユニット(DEV)での現像処理、ポストベークユニットでのポストベーク処理を順次行う。
【0068】
その後、ウエハWを、第5処理ユニット群Gに設けられた受け渡しユニット(TRS1)を介して洗浄・検査部12aに搬送し、ダブルパターニング処理における2回目のパターニングに備えて洗浄ユニット(CLN)により現像後のウエハWの裏面およびエッジ部の洗浄を行う(ステップ15)。この洗浄は必ずしも必要はないが、現像処理およびその前後の加熱処理を行う際に付着したパーティクルを除去する点から行うことが好ましい。
【0069】
この洗浄の後、さらに第1検査ユニット(CHK1)でウエハWの裏面およびエッジ部の検査を行う(ステップ16)。エッジ部の検査は上記ステップ3と同様に行われる。
【0070】
そして、この検査結果は制御部20のコントローラ51に出力されて、ウエハWの裏面およびエッジ部のパーティクルが許容範囲であるか否かを判定する(ステップ17)。ウエハWの裏面およびエッジ部のパーティクルが許容範囲である場合には、そのウエハWを2回目のパターニング用のカセットに収容し(ステップ18)、ウエハWの裏面およびエッジ部のパーティクルが許容範囲から外れた場合には、ウエハWを第1検査ユニット(CHK1)の上の第1リジェクトウエハカセット(RCR1)に搬送し、処理から除外する(ステップ19)。
【0071】
以上のようにして、レジスト膜等の塗布処理(フォトリソグラフィ工程)を行う塗布・現像部12bに搬入する前にインラインで洗浄処理を行い、ウエハWの裏面およびエッジ部のパーティクル状態を検査し、パーティクルが許容範囲だったウエハのみを塗布・現像部12bに搬入して塗布処理に供するので、パーティクルで汚染されたウエハが塗布・現像装置2に搬入されることがなく、その後の露光装置3での露光処理において、ウエハWの裏面のパーティクルによりデフォーカスのおそれを少なくすることができる。また、塗布処理に入る前に不適切なウエハWを除外することができるので、不必要な処理を省略することが可能となり、処理効率を向上させることができる。さらに、インラインで洗浄および検査を行って不適切なウエハを除外するので、迅速な処理を行うことができる。
【0072】
また、露光前にもウエハの洗浄を行い、その後検査を行って不適切なウエハを除外することにより、露光装置に搬入されるウエハの裏面およびエッジ部のパーティクルをより一層少なくすることができ、より信頼性の高い処理を行うことができる。
【0073】
さらに、現像処理後のウエハに対しても洗浄を行い、その後検査を行って不適切なウエハを除外することにより、ダブルパターニング処理における2回目のパターニングに供するウエハのパーティクルをさらに一層少なくして、より一層信頼性の高い処理を実現することができる。
【0074】
なお、上述したステップ6、12、19において処理から除外されたウエハWについては、そのまま処理を行わないようにしてもよいが、ロットの最後にもう一度処理を行うようにしてもよい。そして、洗浄処理後の検査でOKとなった際には、そのまま処理を継続する。また、検査の結果NGとなった場合にはリジェクトウエハとしてカセットに戻す。
【0075】
次に、パターン形成装置1における処理動作の他の実施形態について図12のフローチャートを参照して本発明の方法の他の実施形態について説明する。
上記実施形態では、全てのウエハWを洗浄してから検査して、検査結果がOKであったもののみを次工程に供給するようにしたが、洗浄の必要性が小さいことが分かっており、洗浄の効果がほぼ信頼できる場合には、先に検査を行って、検査の結果、ウエハWの裏面およびエッジ部のパーティクルがNGであったもののみを洗浄するようにしてもよく、本実施形態ではそのような例について説明する。
【0076】
図12に示すように、まず、ウエハ搬送部11cの搬送ピック11dにより、ウエハカセット(CR)から1枚のウエハWを取り出し、処理ステーション12に搬入する(ステップ21)。このとき、搬入されたウエハWは、第1の処理ユニット群Gの受け渡しユニット(TRS)に受け渡される。
【0077】
次いで、ウエハ搬送機構14により受け渡しユニット(TRS)のウエハWをウエハ搬送機構14により第2の処理ユニット群Gの第1検査ユニット(CHK1)に搬送し、ウエハWの裏面およびエッジ部の検査を行う(ステップ22)。この際の検査は、上記ステップ3と同様に行う。
【0078】
そして、第1検査ユニット(CHK1)での検査結果は制御部20のコントローラ51に出力されて、ウエハWの裏面およびエッジ部のパーティクルが許容範囲であるか否かを判定する(ステップ23)。ウエハWの裏面およびエッジ部のパーティクルが許容範囲である場合には、ウエハWをそのまま次の工程に供する。すなわち、ウエハWを塗布・現像処理部12bに搬入し、レジスト塗布等の塗布処理およびそれに付随する熱処理等の他の処理を行う(ステップ24)。
【0079】
一方、ウエハWの裏面およびエッジ部のパーティクルが許容範囲から外れた場合には、ウエハWを第1の処理ユニット群Gの洗浄ユニット(CLN)に搬入しウエハWの裏面およびエッジ部を洗浄する(ステップ25)。このときの洗浄は、上記ステップ2と同様に行うことができる。
【0080】
洗浄後のウエハWは、上記ステップ24に従って塗布・現像処理部12bに搬入され、レジスト塗布等の塗布処理およびそれに付随する熱処理等の他の処理が行われる。
【0081】
上記ステップ24の処理を終えたウエハWは、従前の実施形態と同様に周辺露光処理を行い(ステップ26)、次いで第11の処理ユニット群G11の第2検査ユニット(CHK2)にて、ウエハWの裏面およびエッジ部の検査を行う(ステップ27)。エッジ部の検査は上記ステップ3と同様に行われる。
【0082】
塗布処理後のウエハWは、第1検査ユニットの検査の結果パーティクルが許容範囲であることが確認されたものまたはパーティクルが許容範囲でない場合に洗浄を経たものであるから必ずしも検査は必要ではないが、塗布・現像装置2で新たに付着するパーティクルも多少は存在し、これがウエハWの裏面やエッジ部に付着することもあるため検査を行うことが好ましい。
【0083】
そして、第2検査ユニット(CHK2)での検査結果は制御部20のコントローラ51に出力されて、ウエハWの裏面およびエッジ部のパーティクルが許容範囲であるか否かを判定する(ステップ28)。ウエハWの裏面およびエッジ部のパーティクルが許容範囲である場合には、ウエハWそのまま次の工程に供する。すなわち、ウエハWを露光装置3に搬入し、ウエハ搬送機構25によって液浸露光部30に搬送してウエハWに液浸露光処理を施す(ステップ29)。
【0084】
一方、ウエハWの裏面およびエッジ部のパーティクルが許容範囲から外れている場合には、ウエハWを第9の処理ユニット群Gの前洗浄ユニット(PRECLN)に搬入しウエハWの裏面およびエッジ部を洗浄する(ステップ30)。このときの洗浄は、上記ステップ2と同様に行うことができる。洗浄後のウエハWは、上記ステップ29に従って露光装置3に搬入され、ウエハ搬送機構25によって液浸露光部30に搬送されて液浸露光処理が施される。
【0085】
その後、ウエハ搬送機構25によってウエハWをアウトステージ3bに搬送し、次いで、上記実施形態のステップ13と全く同様に、後洗浄ユニット(POCLN)による後洗浄を行い(ステップ31)、さらに第3〜7処理ユニット群G〜G所定のユニットに現像処理およびその前後に行われる熱処理等の他の処理を行う(ステップ32)。
【0086】
その後、ウエハWを、第5処理ユニット群Gに設けられた受け渡しユニット(TRS1)を介して洗浄・検査部12aに搬送し、ダブルパターニング処理における2回目のパターニングに備えて第1検査ユニット(CHK1)でウエハWの裏面およびエッジ部の検査を行う(ステップ33)。この検査は必ずしも必要はないが、現像処理およびその前後の加熱処理を行う際にウエハWの裏面およびエッジ部にパーティクルが付着する場合もあるので行うことが好ましい。
【0087】
そして、この検査結果は制御部20のコントローラ51に出力されて、ウエハWの裏面およびエッジ部のパーティクルが許容範囲であるか否かを判定する(ステップ34)。ウエハWの裏面およびエッジ部のパーティクルが許容範囲である場合には、そのウエハWを2回目のパターニング用のカセットに収容し(ステップ35)、ウエハWの裏面およびエッジ部のパーティクルが許容範囲から外れた場合には、洗浄ユニット(CLN)により現像後のウエハWの裏面およびエッジ部の洗浄を行い(ステップ36)、その後上記ステップ35に従ってウエハWを2回目のパターニング用のカセットに収容する。
【0088】
本実施形態では、従前の実施形態と異なり、塗布前にウエハの裏面およびエッジ部のパーティクルの検査を行い、その結果許容範囲のものは塗布処理を行い、許容範囲を外れるものは洗浄を行ってから塗布処理を行うようにしたので、洗浄するウエハの枚数を減らすことができ、効率的である。また、検査を洗浄前に行うことにより、検査結果に基づいて洗浄を行うようにすることができ、より効率的な洗浄を行うことができる。具体的には、検査によりパーティクルの付着位置を特定し、その位置のみを重点的に洗浄するようにすることができる。
【0089】
また、露光前にもウエハの検査を行い、パーティクルが付着しているウエハを洗浄してから露光装置に搬入するようにしたので、より信頼性の高い処理を行うことができる。
【0090】
さらに、現像処理後のウエハに対しても検査を行い、パーティクルが付着しているウエハを洗浄するようにしたので、ダブルパターニング処理における2回目のパターニングに供するウエハのパーティクルをさらに一層少なくして、より一層信頼性の高い処理を実現することができる。
【0091】
なお、この実施形態は、あまり洗浄の必要性が高くなく、洗浄によりほぼ確実にウエハ裏面およびエッジ部のパーティクルを除去することができる場合に有効であるが、より信頼性を高めるため、検査によりNGとなってその後洗浄したウエハを適当なタイミングでピックアップし、これらについて再度検査し、許容範囲から外れたものについて除外するようにしてもよい。
【0092】
以上、本発明の典型的な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、塗布・現像装置に本発明を適用した場合について示したが、塗布処理およびそれに付随する処理のみを行う装置に適用してもよい。また、本実施形態では検査ユニットにおいてCCDカメラにてエッジ部の状態を検査したが、これに限るものではなく、光学的カメラ等、他のものを用いることができる。さらに、上記実施形態では、本発明を液浸露光装置用の塗布・現像装置に適用したが、通常の露光装置用のものにも適用可能である。ささらにまた、上記実施形態では、検査ユニットでの検査結果をコントローラによって許容範囲か否かを判断するようにしたが、検査画像からオペレータが判断するようにしてもよい。さらにまた、上記実施形態では塗布前に洗浄および検査を行う他、露光前および現像後にも洗浄および検査を行う例について示したが、露光前および現像後の洗浄および検査については、必須ではなく、これらの一方または両方を省略してもよい。さらにまた、塗布前の検査および洗浄を行う他、上記他のいずれかまたは両方の検査および洗浄を行う場合には、それらの1または2を先の実施形態のように洗浄処理後に検査するようにし、他を後の実施形態のように検査後に洗浄するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の一実施形態に係る塗布・現像装置を備えたパターン形成装置の概略平面図。
【図2】図1に示すパターン形成装置を示す概略斜視図。
【図3】図1に示すパターン形成装置の塗布・現像装置における洗浄・検査部を示す概略側面図。
【図4】図1に示すパターン形成装置の塗布・現像装置における主に第3処理ユニット群G3、第4処理ユニット群G、第5処理ユニット群Gの構成を説明するための模式図。
【図5】図1に示すパターン形成装置の塗布・現像装置におけるインターフェイスステーションを示す概略斜視図。
【図6】図1に示すパターン形成装置の塗布・現像装置における洗浄・検査部の洗浄ユニットを示す概略断面図。
【図7】図1に示すパターン形成装置の塗布・現像装置における洗浄・検査部の検査ユニットを示す概略断面図。
【図8】図1のパターン形成装置に搭載された露光装置における液浸露光部の構造例を示す概略図。
【図9】図1に示すパターン形成装置の塗布・現像装置における制御部の要部を示すブロック図。
【図10】制御部による塗布・現像装置の制御を説明するための模式図。
【図11】図1のパターン形成装置における処理動作の一実施形態を示すフローチャート。
【図12】図1のパターン形成装置における処理動作の他の実施形態を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0094】
1;パターン形成装置
2;塗布・現像装置
3;露光装置
20;制御部
30;液浸露光部
51;コントローラ
52;ユーザーインターフェイス
53;記憶部
COT;レジスト塗布ユニット
BARC;ボトムコーティングユニット
ITC;トップコーティングユニット
CLN;洗浄ユニット
PRECLN;前洗浄ユニット
CHK1、CHK2;検査ユニット
W;半導体ウエハ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レジスト膜の露光前に基板に対してレジスト膜またはレジスト膜と他の膜からなる塗布膜を形成する塗布膜形成装置であって、
基板にレジスト膜またはレジスト膜と他の膜を塗布する一または複数の塗布ユニットおよび基板に対して塗布膜形成に必要な熱的処理を行う一または複数の熱的処理ユニットを有する処理部と、
基板を前記処理部へ搬入する前に少なくとも基板の裏面およびエッジ部を洗浄する塗布前洗浄ユニットと、
基板を前記処理部へ搬入する前に基板の裏面およびエッジ部の状態を検査する塗布前検査ユニットと、
前記塗布前洗浄ユニットでの基板の洗浄後、前記塗布前検査ユニットで基板の検査を行わせ、その検査結果に基づいて基板の裏面およびエッジ部におけるパーティクルの状態が許容範囲か否かを判断し、許容範囲であった場合に前記処理部への基板の搬入を許容する制御部と
を具備することを特徴とする塗布膜形成装置。
【請求項2】
前記処理部と前記露光装置との間に設けられたインターフェイス部と、
前記インターフェイス部にて基板を露光装置へ搬入前に少なくとも基板の裏面およびエッジ部を洗浄する露光前洗浄ユニットと、
基板を露光装置へ搬入前に基板の裏面およびエッジ部の状態を検査する露光前検査ユニットとをさらに具備し、
前記制御部は、前記露光前洗浄ユニットでの基板の洗浄後、前記露光前検査ユニットで基板の検査を行わせ、その検査結果に基づいて基板の裏面およびエッジ部におけるパーティクルの状態が許容範囲か否かを判断し、許容範囲であった場合に前記露光装置への基板の搬入を許容することを特徴とする請求項1に記載の塗布膜形成装置。
【請求項3】
前記処理部に設けられた、露光後の基板に現像処理を施す現像ユニットおよび現像処理の前後に必要な熱的処理を行う熱的処理ユニットと、
現像処理後に前記処理部から搬出された基板について、少なくとも基板の裏面およびエッジ部を洗浄する現像後洗浄ユニットと、
現像処理後に基板の裏面およびエッジ部の状態を検査する現像後検査ユニットとをさらに具備し、
前記制御部は、前記現像後洗浄ユニットでの基板の洗浄後、前記現像後検査ユニットで基板の検査を行わせ、その検査結果に基づいて基板の裏面およびエッジ部におけるパーティクルの状態が許容範囲か否かを判断し、許容範囲であった場合に次工程への基板の供給を許容することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の塗布膜形成装置。
【請求項4】
レジスト膜の露光前に基板に対してレジスト膜またはレジスト膜と他の膜からなる塗布膜を形成する塗布膜形成装置であって、
基板にレジスト膜またはレジスト膜と他の膜を塗布する一または複数の塗布ユニットおよび基板に対して塗布膜形成に必要な熱的処理を行う一または複数の熱的処理ユニットを有する処理部と、
基板を前記処理部へ搬入する前に少なくとも基板の裏面およびエッジ部を洗浄する塗布前洗浄ユニットと、
基板を前記処理部へ搬入する前に基板の裏面およびエッジ部の状態を検査する塗布前検査ユニットと、
前記塗布前検査ユニットで基板の検査を行わせ、その検査結果に基づいて基板の裏面およびエッジ部におけるパーティクルの状態が許容範囲か否かを判断し、許容範囲であった場合に前記処理部への基板の搬入を許容し、許容範囲からはずれた場合に前記塗布前洗浄ユニットで基板の洗浄を行ってから前記処理部への基板の搬入を許容する制御部と
を具備することを特徴とする塗布膜形成装置。
【請求項5】
前記処理部と前記露光装置との間に設けられたインターフェイス部と、
前記インターフェイス部にて基板を前記露光装置へ搬入前に少なくとも基板の裏面およびエッジ部を洗浄する露光前洗浄ユニットと、
基板を前記露光装置へ搬入前に板の裏面およびエッジ部の状態を検査する露光前検査ユニットとをさらに具備し、
前記制御部は、前記露光前検査ユニットで基板の検査を行わせ、その検査結果に基づいて基板の裏面およびエッジ部におけるパーティクルの状態が許容範囲か否かを判断し、許容範囲であった場合に前記露光装置への基板の搬入を許容し、許容範囲からはずれた場合に前記露光前洗浄ユニットで基板の洗浄を行ってから前記露光装置への基板の搬入を許容することを特徴とする請求項4に記載の塗布膜形成装置。
【請求項6】
前記処理部に設けられた、露光後の基板に現像処理を施す現像ユニットおよび現像処理の前後に必要な熱的処理を行う熱的処理ユニットと、
現像処理後に前記処理部から搬出された基板について、少なくとも基板の裏面およびエッジ部を洗浄する現像後洗浄ユニットと、
現像処理後に基板の裏面およびエッジ部の状態を検査する現像後検査ユニットとをさらに具備し、
前記制御部は、前記現像後検査ユニットで基板の検査を行わせ、その検査結果に基づいて基板の裏面およびエッジ部におけるパーティクルの状態が許容範囲か否かを判断し、許容範囲であった場合に次工程への基板の供給を許容し、許容範囲からはずれた場合に前記現像後洗浄ユニットで基板の洗浄を行ってから次工程への基板の供給を許容することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の塗布膜形成装置。
【請求項7】
前記露光装置は、液体を介して露光処理を施す液浸露光装置であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の塗布膜形成装置。
【請求項8】
前記塗布前洗浄ユニットは、基板に洗浄液を供給する洗浄液供給機構、および基板の裏面およびエッジ部を洗浄するブラシを有することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の塗布膜形成装置。
【請求項9】
レジスト膜を露光装置で露光する前に処理部にて基板に対してレジスト膜またはレジスト膜と他の膜からなる塗布膜を形成する塗布膜形成方法であって、
基板を前記処理部へ搬入する前に少なくとも基板の裏面およびエッジ部を洗浄する工程と、
前記洗浄後、基板を前記処理部へ搬入する前に基板の裏面およびエッジ部の状態を検査する工程と、
その検査結果に基づいて基板の裏面およびエッジ部におけるパーティクルの状態が許容範囲か否かを判断する工程と、
前記パーティクルの状態が許容範囲であった場合に前記処理部へ基板を搬入する工程と、
前記処理部において基板にレジスト膜またはレジスト膜と他の膜を塗布する工程と、
前記処理部において基板に対して塗布膜形成に必要な熱的処理を行う工程と
を有することを特徴とする塗布膜形成方法。
【請求項10】
基板を露光装置へ搬入する前に少なくとも基板の裏面およびエッジ部を洗浄する工程と、
前記露光前の洗浄後、前記露光装置へ搬入する前に基板の裏面およびエッジ部の状態を検査する工程と、
その検査結果に基づいて基板の裏面およびエッジ部におけるパーティクルの状態が許容範囲か否かを判断する工程と、
前記パーティクルの状態が許容範囲であった場合に前記露光装置へ基板を搬入する工程とをさらに有することを特徴とする請求項9に記載の塗布膜形成方法。
【請求項11】
露光後の基板に現像処理を施す工程と、
現像処理の前後に必要な熱的処理を行う工程と、
現像処理後に少なくとも基板の裏面およびエッジ部を洗浄する工程と、
前記現像処理後の洗浄後に少なくとも基板の裏面およびエッジ部の状態を検査する工程と、
その検査結果に基づいて基板の裏面およびエッジ部におけるパーティクルの状態が許容範囲か否かを判断する工程と、
パーティクルの状態が許容範囲であった場合に次工程へ基板を供給する工程とをさらに有することを特徴とする請求項9または請求項10に記載の塗布膜形成方法。
【請求項12】
レジスト膜を露光装置で露光する前に処理部にて基板に対してレジスト膜またはレジスト膜と他の膜からなる塗布膜を形成する塗布膜形成方法であって、
基板を前記処理部に搬入する前に基板の裏面およびエッジ部の状態を検査する工程と、
その検査結果に基づいて基板の裏面およびエッジ部におけるパーティクルの状態が許容範囲か否かを判断する工程と、
前記パーティクルの状態が許容範囲であった場合に前記処理部へ基板を搬入する工程と、
前記パーティクルの状態が許容範囲からはずれた場合に基板の洗浄を行ってから前記処理部へ基板を搬入する工程と、
前記処理部において基板にレジスト膜またはレジスト膜と他の膜を塗布する工程と、
前記処理部において基板に対して塗布膜形成に必要な熱的処理を行う工程と
を有することを特徴とする塗布膜形成方法。
【請求項13】
基板を露光装置へ搬入する前に基板の裏面およびエッジ部の状態を検査する工程と、
その検査結果に基づいて基板の裏面およびエッジ部におけるパーティクルの状態が許容範囲か否かを判断する工程と、
前記パーティクルの状態が許容範囲であった場合に前記露光装置へ基板を搬入する工程と、
前記パーティクルの状態が許容範囲からはずれた場合に基板の洗浄を行ってから前記露光装置へ基板を搬入する工程と
をさらに有することを特徴とする請求項12に記載の塗布膜形成方法。
【請求項14】
露光後の基板に現像処理を施す工程と、
現像処理の前後に必要な熱的処理を行う工程と、
現像処理後に基板の裏面およびエッジ部の状態を検査する工程と、
その検査結果に基づいて基板の裏面およびエッジ部におけるパーティクルの状態が許容範囲か否かを判断する工程と、
前記パーティクルの状態が許容範囲であった場合に次工程へ基板を供給する工程と、
前記パーティクルの状態が許容範囲からはずれた場合に基板の洗浄を行ってから次工程へ基板を供給する工程と
をさらに有することを特徴とする請求項12または請求項13に記載の塗布膜形成方法。
【請求項15】
前記露光装置は、液体を介して露光処理を施す液浸露光装置であることを特徴とする請求項9から請求項14のいずれか1項に記載の塗布膜形成方法。
【請求項16】
コンピュータ上で動作し、塗布膜形成装置を制御する制御プログラムが記憶されたコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、前記制御プログラムは、実行時に、請求項9から請求項15のいずれかの方法が行われるように、コンピュータに前記塗布膜形成装置を制御させることを特徴とするコンピュータ読取可能な記憶媒体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−135583(P2008−135583A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−321009(P2006−321009)
【出願日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】