増幅回路および光変調器用ドライバ回路
【課題】大振幅出力および広帯域周波数特性を確保することができ、特に光変調器のドライバICに適用可能な増幅回路を提供する。
【解決手段】増幅回路は、入力段トランジスタ11と出力段トランジスタ12とを含み、入力された信号を入力段トランジスタ11および出力段トランジスタ12で増幅して出力する多段増幅部10と、多段増幅部10の出力を、該多段増幅部における出力段トランジスタ12の入力に帰還する帰還部20と、を備える。帰還部20は、第1帰還トランジスタ21a、第2帰還トランジスタ21bおよび帰還抵抗RFを含み、多段増幅部10の出力を、第1帰還トランジスタ21a、第2帰還トランジスタ21bおよび帰還抵抗RFを介して出力段トランジスタ12の入力に帰還する。
【解決手段】増幅回路は、入力段トランジスタ11と出力段トランジスタ12とを含み、入力された信号を入力段トランジスタ11および出力段トランジスタ12で増幅して出力する多段増幅部10と、多段増幅部10の出力を、該多段増幅部における出力段トランジスタ12の入力に帰還する帰還部20と、を備える。帰還部20は、第1帰還トランジスタ21a、第2帰還トランジスタ21bおよび帰還抵抗RFを含み、多段増幅部10の出力を、第1帰還トランジスタ21a、第2帰還トランジスタ21bおよび帰還抵抗RFを介して出力段トランジスタ12の入力に帰還する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、増幅回路、および光変調器を駆動する光変調器用ドライバ回路に関する。
【背景技術】
【0002】
次世代ネットワーク(Next Generation Network:NGN)の実現に向け、伝送速度の向上と高密度波長多重とによる大容量フォトニクスネットワークの構築が進むなか、高速の光伝送システムを導入する機運が高まっている。
【0003】
高速の光伝送システムの実現には、光変調器を駆動する広帯域・大振幅の専用ドライバICの開発が必須である。例えば、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)を用いた光変調器(LN変調器)において、40Gビット/秒という高速の光変調を実現するためには、広帯域で動作することに加えて、電気光学効果を得るための4〜5Vp−p程度の大振幅の電圧を出力できるドライバ回路(ドライバIC)が必要となる。
【0004】
広帯域の増幅回路としては、従来から帰還型増幅回路が知られている。例えば、特許文献1には、帰還型増幅回路を対として用いて差動構成としたものが記載されている。
図14は、上記特許文献1に記載された増幅回路の要部構成を示している。
【0005】
この増幅回路は、入力段トランジスタ11、出力段トランジスタ12および負荷抵抗RLを有する二段のエミッタ接地増幅回路10と、帰還トランジスタ21および帰還抵抗RFを有する帰還回路20Aとを備えた帰還型増幅回路を2つ用いて差動構成としている。
【0006】
上記帰還型増幅回路では、二段の増幅で周波数特性が低下した信号を、二段目の増幅段の入力に帰還することで最終的な高周波成分を増加させて広帯域の周波数特性を確保することできる。
【特許文献1】特開平10−247831号公報(図9)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述したように、光変調器を駆動するドライバICには、広帯域化だけではなく、大振幅化も求められており、上記従来の帰還型増幅回路の出力を大振幅化して、これをドライバICに適用することが考えられる。
【0008】
しかしながら、上記従来の帰還型増幅回路の出力を大振幅化する場合には次のような問題がある。
すなわち、従来構成では、広帯域の周波数特性を確保すべく帰還抵抗RFの値が比較的小さく設定されており、出力段トランジスタ12のコレクタ側(図中のB点)の電位とベース側(図中のA点)の電位との差が小さい、言い換えれば、出力の動作点電位が低く(低電位VEE側に)なっており、単に出力の大振幅化を図ろうとしても、下側の振幅増加が制限されてしまう。
【0009】
このため、従来構成にて大振幅の出力動作を可能とするには、下側の振幅増加が制限されないように、出力段トランジスタ12のコレクタ側(B点)とベース側(A点)との間の電位差を大きくする(すなわち、出力の動作点電位を上昇させる)必要がある。
【0010】
出力段トランジスタ12のコレクタ側(B点)とベース側(A点)との間の電位差を大きくする方法としては、帰還抵抗RFの値または駆動電流(制御電流)Iの値を大きくすることが考えられる。
【0011】
ところが、帰還抵抗RFの値を大きくするとA点での周波数特性の劣化を招き、また、駆動電流Iの値を大きくすると、帰還トランジスタ21を大きなサイズに変更する必要があることから、図15の等価回路に示すような負荷抵抗RLに対して並列にみえる、帰還段トラジスタ21のコレクタ−ベース間の寄生容量CCBも大きくなって、B点での周波数特性が劣化してしまう。
【0012】
このように、従来構成の増幅回路においては、広帯域な周波数特性の確保と、大振幅出力とを両立させることが困難であった。
本発明は、このような課題に着目してなされたものであり、大振幅出力および広帯域周波数特性を確保することができ、特に光変調器のドライバICに適用可能な増幅回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明はその一態様として増幅回路を提供する。この増幅回路は、入力段トランジスタと出力段トランジスタとを含み、入力された信号を少なくとも前記入力段トランジスタおよび前記出力段トランジスタで増幅して出力する多段増幅部と、前記多段増幅部の出力を、該多段増幅部における前記出力段トランジスタの入力に帰還する帰還部と、を備え、前記帰還部は、第1帰還トランジスタ、第2帰還トランジスタおよび帰還抵抗とを含み、前記多段増幅部の出力を、前記第1帰還トランジスタ、前記第2帰還トランジスタおよび前記帰還抵抗を介して前記出力段トランジスタの入力に帰還することを特徴とする。ここで、トランジスタには、バイポーラトランジスタおよび電界効果トランジスタの双方が含まれる。
【発明の効果】
【0014】
上記増幅回路によれば、比較的簡易な構成によって、直流設計・出力の動作点電位の調整を容易とし、従来では困難であった、広帯域の周波数特性の確保と大振幅出力とを両立させることができる。これにより、高速の光伝送システムに用いる光変調器、特に、電気光学効果を利用する光変調器(LN変調器等)のドライバICに好適な増幅回路(ドライバ回路)を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を適用した好ましい実施形態について説明する。なお、本明細書および図面においては、共通する構成(要素)については同一の符号を付している。
図1は、本発明が適用された光変調器を示している。この光変調器は、電気光学効果を有するニオブ酸リチウム(LiNbO3)からなる基板上に光導波路、電極等が形成されたLN変調器である。図1において、LN変調器1は、光導波路として、入力導波路2、該入力導波路2から分岐した一対の分岐導波路3,4および該一対の分岐導波路3,4が合流した出力導波路5を有する。
【0016】
一方の分岐導波路3上には信号電極6が配置され、他方の分岐導波路4上には接地電極7が配置されている。信号電極6は、その出力端が抵抗8を介して接地されて進行波電極を構成している。ドライバIC9は、入力された電気信号を増幅して信号電極6の入力端に供給する。なお、図では省略しているが、分岐導波路中3,4を伝搬する光が、信号電極6、接地電極7によって吸収されるのを防ぐために、光導波路1と信号電極6、接地電極7との間にはバッファ層が設けられる。
【0017】
このような構成において、外部から入力導波路2に与えられた光信号LINは分岐されて分岐導波路3,4にそれぞれ送られる。ドライバIC9から信号電極6に電気信号が入力されると、信号電極6と接地電極7との間に電界が発生し、この電界によって分岐導波路3,4の屈折率が変化する。これにより、分岐導波路3,4を伝搬する光の位相差が変化してマッハツェンダ干渉によって、強度変調された光信号LOUTが出力導波路5から出力される。
【0018】
ここで、既述したように、近年、光変調器のドライバIC、特に、LN変調器等の電気光学効果を利用する光変調器のドライバICには高出力・広帯域化が求められている。以下、このような光変調器のドライバICに適用可能な、大振幅出力および広帯域周波数特性を確保できる増幅回路について説明する。
【0019】
図2は、本発明の第1実施形態による増幅回路の要部構成を示す回路図である。この実施形態では、トランジスタとしてバイポーラトランジスタを用いている。
この第1実施形態による増幅回路は、図14に示された帰還型増幅回路の帰還トランジスタ21の入力側に更にトランジスタを挿入した構成を有している。
【0020】
図2に示すように、本実施形態による増幅回路は、二段のエミッタ接地増幅回路(本発明の「多段増幅部」に相当する)10と、この二段のエミッタ接地増幅回路10の出力を該二段のエミッタ接地増幅回路10における二段目の増幅段の入力に帰還する帰還回路(本発明の「帰還部」に相当する)20と、を有する。
【0021】
二段のエミッタ接地増幅回路10は、一段目の入力段トランジスタ11、二段目(最終段)の出力段トランジスタ12および負荷抵抗RLを有する。
入力段トランジスタ11は、そのベース端子が増幅回路の入力端子INに接続され、エミッタ端子が定電流源13を介して低電位VEE1に接続されている。この入力段トランジスタ11は、外部から入力端子INを介してベース端子に入力された信号を増幅してコレクタ端子から出力する。この入力段トランジスタ11が本発明の第1エミッタ接地トランジスタに相当する。
【0022】
出力段トランジスタ12は、そのベース端子が入力段トランジスタ11のコレクタ端子に接続され、エミッタ端子が定電流源14を介して低電位VEE2に接続され、コレクタ端子が負荷抵抗13を介して高電位VCCに接続されている。この出力段トランジスタ12は、ベース端子(出力段トランジスタの入力端子に相当する)入力された入力段トランジスタ11の出力をさらに増幅してコレクタ端子から出力する。この出力段トランジスタ12が本発明の第2エミッタ接地トランジスタに相当する。なお、この出力段トランジスタ12のコレクタ端子と負荷抵抗RLとの間に出力端子OUTが接続される。
【0023】
一方、帰還回路20は、2つの帰還トランジスタ(第1帰還トランジスタ21a、第2帰還トランジスタ21b)および帰還抵抗RFを有する。ここでは、第2帰還トランジスタ21bが、図14における帰還トランジスタ21に相当するものとする。
【0024】
第1帰還トランジスタ21aは、そのベース端子が出力段トランジスタ12のコレクタ端子(出力段トランジスタの出力端子に相当する)に接続され、コレクタ端子が高電位(電源電位)Vccに接続されている。この第1帰還トランジスタ21aが本発明の第1コレクタ接地トランジスタに相当する。
【0025】
第2帰還トランジスタ21bは、そのベース端子が第1帰還トランジスタ21Aのエミッタ端子に接続され、コレクタ端子が高電位(電源電位)Vccに接続されている。この第2帰還トランジスタ21bが本発明の第2コレクタ接地トランジスタに相当する。
【0026】
すなわち、帰還回路20において、第1帰還トランジスタ21aと第2帰還トランジスタ21bとは、ダーリントン接続されている。
帰還抵抗RFは、第2帰還トランジスタ21bのエミッタ端子と、出力段トランジスタ12のベース端子(出力段トランジスタの入力端子)との間に接続されている。
【0027】
ここで、本実施形態では、入力段トランジスタ11のエミッタ端子が低電位VEE1に接続され、出力段トランジスタ12のエミッタ端子が低電位VEE2に接続されており、例えば、低電位VEE1=−1(V)とし、低電位VEE2=0(V)のように異なる電位に接続することができる(この場合、例えば、高電位Vcc=8〜10(V)とする)。但し、両者を共通の低電位VEE(例えば、0(V))に接続してもよい。
【0028】
次に、かかる第1実施形態による増幅回路と作用を説明する。
既述したように、図14に示された従来の帰還型増幅回路において、出力の大振幅化を図ろうとする場合には、帰還抵抗RFまたは駆動電流Iを増加させなければならなかった。しかし、そうすると周波数特性の劣化を招いてしまうことから、大振幅出力と広帯域の周波数特性の確保とを両立させることが難しかった。
【0029】
これに対し、上記第1実施形態による増幅回路では、図14に示された従来の帰還型増幅回路に対して、第1帰還トランジスタ21aが追加された構成を有しており、二段のエミッタ接地増幅回路10の出力が、第1帰還トランジスタ21a、第2帰還トランジスタ21bおよび帰還抵抗RFを介して出力段トランジスタ22の入力に帰還される。
【0030】
トランジスタのベース−エミッタ間には電圧降下が生じるから、第1実施形態による増幅回路では、従来の帰還型増幅回路に比べて、第1帰還トランジスタ21aが追加された分、B点(第1帰還トランジスタ21aのベース)とC点(第2帰還トランジスタ21bのエミッタ)との間の電圧降下が大きくなる。この結果、帰還抵抗RFや駆動電流Iの値を増大することなく(さらに言えば、帰還抵抗RFの値をできるだけ小さくしつつ)、B点とA点(出力段トランジスタ12のベース)との間の電位差を確保することができ、増幅回路の出力の動作点電位(直流レベル)を上昇させることが可能となる。これにより、広帯域の周波数特性を確保するように構成された従来の帰還型増幅回路においても、A点での周波数特性の劣化を防止(さらには、改善)しつつ、出力の大振幅化が可能となる。
【0031】
さらに、第1帰還トランジスタ21a(すなわち、従来に対して追加された帰還トランジスタ)のサイズを、第2帰還トランジスタ21b(すなわち、従来の帰還トランジスタ)のサイズよりも小さくすれば、負荷抵抗RLに対して並列に見える、第1帰還トランジスタ21aのコレクタ−ベース間の寄生容量を、前述の図15の等価回路に示した従来の寄生容量CCBよりも抑えることができ、B点での周波数特性の劣化も防止(改善)することができる。
【0032】
このように、第1実施形態による増幅回路によれば、広帯域の周波数特性を確保しつつ出力の大振幅化が可能となるのであるが、ドライバIC9に適用する場合には、トランジスタのバラツキ等の影響についても排除できる回路構成とするのが望ましい。
【0033】
そこで、ドライバIC9に適用する場合には、図3に示すように、上記第1実施形態による増幅回路を2つ用いて差動対を構成して「帰還型差動増幅回路」とする。このように差動構成とすることで、同相雑音や各トランジスタ等のバラツキの影響を排除して、よりドライバIC9に好適な回路とすることができる。
【0034】
図4は、本実施形態による増幅回路(帰還型差動増幅回路)および図14に示された従来の帰還型増幅回路(帰還型差動増幅回路)の出力波形を示している。
図4に示すように、本実施形態では、従来構成に比べて、大振幅の電圧(ここでは、4Vp−p)を出力させたときの応答性が大きく改善され、良好な出力波形を得ることができることが確認された。
【0035】
以上説明した第1実施形態では、トランジスタとしてバイポーラトランジスタを用いているが、電界効果トランジスタを用いて構成することもできる。
図5は、トランジスタとして電界効果トランジスタを用いた第2実施形態による増幅回路の要部構成を示す回路図である。基本構成は上記第1実施形態と同じである。
【0036】
図5に示すように、第2実施形態による増幅回路は、二段のソース接地増幅回路100と、この二段のソース接地増幅回路100の出力を該二段のソース接地増幅回路100における二段目の増幅段の入力に帰還する帰還回路200と、を有する。
【0037】
二段のソース接地増幅回路100は、一段目の入力段トランジスタ101、二段目(最終段)の出力段トランジスタ102および負荷抵抗RLを有する。
入力段トランジスタ101は、そのゲート端子が増幅回路の入力端子INに接続され、ソース端子が定電流源13を介して低電位VEE1に接続されている。この入力段トランジスタ101は、入力端子INを介してゲート端子に入力された信号を増幅してドレイン端子から出力する。この入力段トランジスタ101が本発明の第1ソース接地トランジスタに相当する。
【0038】
出力段トランジスタ102は、そのゲート端子が入力段トランジスタ101のドレイン端子に接続され、ソース端子が定電流源14を介して低電位VEE2に接続され、ドレイン端子が負荷抵抗RLを介して高電位VCCに接続されている。この出力段トランジスタ102は、ゲート端子(出力段トランジスタの入力端子に相当する)入力された入力段トランジスタ101の出力をさらに増幅してドレイン端子から出力する。この出力段トランジスタ102が本発明の第2ソース接地トランジスタに相当する。なお、この出力段トランジスタ102のドレイン端子と負荷抵抗RLとの間に出力端子OUTが接続される。
【0039】
帰還回路200は、2つの帰還トランジスタ(第1帰還トランジスタ201a、第2帰還トランジスタ201b)および帰還抵抗RFを有する。
第1帰還トランジスタ201aは、そのゲート端子が出力段トランジスタ102のドレイン端子(出力段トランジスタの出力端子に相当する)に接続され、ソース端子が定電流源15に接続され、ドレイン端子が高電位(電源電位)Vccに接続されている。この第1帰還トランジスタ201aが本発明の第1ドレイン接地トランジスタに相当する。
【0040】
第2帰還トランジスタ201bは、そのゲート端子が第1帰還トランジスタ201aのソース端子に接続され、ドレイン端子が高電位(電源電位)Vccに接続されている。この第2帰還トランジスタ201bが本発明の第2ドレイン接地トランジスタに相当する。
【0041】
すなわち、帰還回路200において、第1帰還トランジスタ201aと第2帰還トランジスタ201bとがカスケード接続されている。ここで、図には示していないが、必要に応じて、第1帰還トランジスタ201aと第2帰還トランジスタ201bとの間に整合回路を設けるようにしてもよい。なお、整合回路としては、例えば入出力インピーダンスを整合するものが該当するが、このような整合回路は公知であるので、ここでの説明は省略する(特開平11−298260号公報等を参照)。
【0042】
帰還抵抗RFは、第2帰還トランジスタ201bのソース端子と、出力段トランジスタ102のゲート端子(出力段トランジスタの入力端子)との間に接続されている。
そして、ドライバIC9に適用する場合には、上記第1実施形態と同様、図6に示すように、上記第2実施形態による増幅回路を2つ用いて差動対を構成して「帰還型差動増幅回路」とする。かかる第2実施形態によっても上記第1実施形態と同様の作用、効果を得ることができる。
【0043】
ところで、以上の第1、第2実施形態では、2つのトランジスタを用いた二段の増幅部(回路)と、2つのトランジスタを用いた帰還部(回路)と、を有する増幅回路について説明したが、これらに限るものではない。増幅回路が、3以上の増幅段を有する多段増幅部(回路)を備えてもよいし、3以上のトランジスタを用いた帰還部(回路)を備えてもよい。
【0044】
すなわち、入力段トランジスタと出力段トランジスタとを含み、外部からの入力信号を少なくとも前記入力段トランジスタおよび前記出力段トランジスタで増幅して出力する多段増幅部(回路)と、この多段増幅部(回路)の出力を前記出力段トランジスタの入力に帰還する帰還部(回路)とを備え、前記帰還部(回路)が、前記多段増幅部(回路)の出力を、少なくとも2つの帰還トランジスタと帰還抵抗とを介して前記出力段トランジスタの入力に帰還する構成とすればよい。
【0045】
また、上記第1実施形態、上記第2実施形態は、それぞれ本発明の基本的な実施形態を示したものに過ぎず、様々な変形が可能であることを言うまでもない。以下に参考として、上記第1、第2実施形態のそれぞれの変形例をいくつか示しておく。
【0046】
図7〜図10は、第1実施形態(帰還型差動増幅回路)の変形例を示している。なお、図において符号を省略した要素については上記第1実施形態(図2,3)と同じである。
図7は、第1実施形態(図3)における出力段トランジスタ12のコレクタ端子に接続される抵抗(エミッタ抵抗)R1を追加したものである。図8、図9は、さらに第1帰還トランジスタ21aのエミッタ端子に接続される定電流源16を追加したものである。なお、図8と図9とでは定電流源16の接続形態が異なる。図10は、図7に対して、さらに第1帰還トランジスタ21aのコレクタ端子および第2帰還トランジスタ21bのコレクタ端子にそれぞれに接続される抵抗R2,R3を追加したものである。ここで、図7〜図10で追加された各要素を適宜組み合わせて構成してもよいことはもちろんである。
【0047】
図11〜図13は、第2実施形態(帰還型差動増幅回路)の変形例を示している。なお、図において符号を省略した要素については、上記第2実施形態(図5,6)と同じである。
【0048】
図11は、第2実施形態(図6)における出力段トランジスタ102のドレイン端子に接続される抵抗(ソース抵抗)R4を追加したものである。図12は、さらに第1帰還トランジスタ201aのソース端子に接続された定電流源の接続形態を変形したものである。図13は、図11に対して、さらに第1帰還トランジスタ201aのドレイン端子および第2帰還トランジスタ201bのドレイン端子にそれぞれ接続される抵抗R5,R6を追加したものである。ここで、図11〜図13で追加された各要素を適宜組み合わせて構成してもよいことはもちろんである。
【0049】
さらに、必要に応じて、第1実施形態およびその変形例(図2,3,7〜10)における二段のエミッタ接地増幅回路10(すなわち、多段増幅部)と、第2実施形態およびその変形例(図5,6,11〜13)における帰還回路200(すなわち、帰還部)とを組み合わせて帰還型増幅回路(帰還型差動増幅回路)を構成することも可能である。またその逆に、第1実施形態およびその変形例における帰還回路20(すなわち、帰還部)と、第2実施形態およびその変形例における二段のソース接地増幅回路100(すなわち、多段増幅部)とを組み合わせて帰還型増幅回路(帰還型差動増幅回路)を構成することも可能である。
【0050】
これらの各種変形例においても、上記第1、第2実施形態と同様、広帯域の周波数特性を確保しつつ出力の大振幅化を実現できる。
【0051】
ここで、以上説明した実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0052】
(付記1)入力段トランジスタと出力段トランジスタとを含み、入力信号を少なくとも前記入力段トランジスタおよび前記出力段トランジスタで増幅して出力する多段増幅部と、
前記多段増幅部の出力を、該多段増幅部における前記出力段トランジスタの入力に帰還する帰還部と、を備え、
前記帰還部は、第1帰還トランジスタ、第2帰還トランジスタおよび帰還抵抗を含み、
前記多段増幅部の出力を、前記第1帰還トランジスタ、前記第2帰還トランジスタおよび前記帰還抵抗を介して前記出力段トランジスタの入力に帰還することを特徴とする増幅回路。
【0053】
(付記2)付記1記載の増幅回路であって、
前記多段増幅部は、
ベース端子に入力された前記入力信号を増幅してコレクタ端子から出力する、前記入力段トランジスタとしての第1エミッタ接地トランジスタと、
ベース端子に入力された前記第1エミッタ接地トランジスタの出力を増幅してコレクタ端子から出力する、前記出力段トランジスタとしての第2エミッタ接地トランジスタと、
前記第2エミッタ接地トランジスタのコレクタ端子に接続された負荷抵抗と、
を含むことを特徴とする増幅回路。
【0054】
(付記3)付記2記載の増幅回路であって、
前記第1エミッタ接地トランジスタのエミッタ端子および前記第2エミッタ接地トランジスタのエミッタ端子に定電流源を接続したことを特徴とする増幅回路。
【0055】
(付記4)付記2又は付記3記載の増幅回路であって、
前記第1エミッタ接地トランジスタのエミッタ端子と、前記第2エミッタ接地トランジスタのエミッタ端子とを、異なる電位に接続したことを特徴とする増幅回路。
【0056】
(付記5)付記1〜4のいずれか1つに記載の増幅回路であって、
前記帰還部は、
ベース端子が前記出力段トランジスタの出力端子に接続された、前記第1帰還トランジスタとしての第1コレクタ接地トランジスタと、
ベース端子が前記第1コレクタ接地トランジスタのエミッタ端子に接続された、前記第2帰還トランジスタとしての第2コレクタ接地トランジスタと、
前記第2コレクタ接地トランジスタのコレクタ端子と、前記出力段トランジスタの入力端子との間に接続された帰還抵抗と、
を含むことを特徴とする増幅回路。
【0057】
(付記6)付記5記載の増幅回路であって、
前記第1コレクタ接地トランジスタのエミッタ端子に定電流源を接続したことを特徴とする増幅回路。
【0058】
(付記7)付記1記載の増幅回路であって、
前記多段増幅部は、
ゲート端子に入力された前記入力信号を増幅してドレイン端子から出力する、前記入力段トランジスタとしての第1ソース接地トランジスタと、
ゲート端子に入力された前記第1ソース接地トランジスタの出力を増幅してドレイン端子から出力する、前記出力段トランジスタとしての第2ソース接地トランジスタと、
前記第2ソース接地トランジスタのドレイン端子に接続された負荷抵抗と、
を含むことを特徴とする増幅回路。
【0059】
(付記8)付記7記載の増幅回路であって、
前記第1ソース接地トランジスタのソース端子および前記第2ソース接地トランジスタのソース端子に定電流源を接続したことを特徴とする増幅回路。
【0060】
(付記9)付記7又は付記8に記載の増幅回路であって、
前記第1ソース接地トランジスタのソース端子と、前記第2ソース接地トランジスタのソース端子とを、異なる電位に接続したことを特徴とする増幅回路。
【0061】
(付記10)付記1、7〜9のいずれか1つに記載の増幅回路であって、
前記帰還部は、
ゲート端子が前記出力段トランジスタの出力端子に接続された、前記第1帰還トランジスタとしての第1ドレイン接地トランジスタと、
ゲート端子が前記第1ドレイン接地トランジスタのソース端子に接続された、前記第2帰還トランジスタとしての第2ドレイン接地トランジスタと、
前記第2ドレイン接地トランジスタのドレイン端子と、前記出力段トランジスタの入力端子との間に接続された帰還抵抗と、
を含むことを特徴とする増幅回路。
【0062】
(付記11)付記10記載の増幅回路であって、
前記第1ドレイン接地トランジスタのソース端子に定電流源を接続したことを特徴とする増幅回路。
【0063】
(付記12)付記1〜11のいずれか1つに記載の増幅回路を対として用いて差動構成としたことを特徴とする増幅回路。
【0064】
(付記13)電気光学効果を利用する光変調器のドライバ回路であって、
付記1〜12のいずれか1つに記載の増幅回路を含むことを特徴とする光変調器用ドライバ回路。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明が適用されたLN変調器を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態による増幅回路を示す図である。
【図3】第1実施形態による増幅回路を対とした差動増幅回路を示す図である。
【図4】第1実施形態による増幅回路および従来の帰還型増幅回路の出力波形を示す図である。
【図5】本発明の第2実施形態による増幅回路を示す図である。
【図6】第2実施形態による増幅回路を対とした差動増幅回路を示す図である。
【図7】第1実施形態による増幅回路(差動増幅回路)の変形例を示す図である。
【図8】第1実施形態による増幅回路(差動増幅回路)の変形例を示す図である。
【図9】第1実施形態による増幅回路(差動増幅回路)の変形例を示す図である。
【図10】第1実施形態による増幅回路(差動増幅回路)の変形例を示す図である。
【図11】第2実施形態による増幅回路(差動増幅回路)の変形例を示す図である。
【図12】第2実施形態による増幅回路(差動増幅回路)の変形例を示す図である。
【図13】第2実施形態による増幅回路(差動増幅回路)の変形例を示す図である。
【図14】従来の帰還型増幅回路を示す図である。
【図15】従来の帰還型増幅回路を大振幅化した場合の問題点を説明する図である。
【符号の説明】
【0066】
1…光変調器(LN変調器)、9…ドライバIC、10…二段のエミッタ接地増幅回路(多段増幅部)、11…入力段トランジスタ、12…出力段トランジスタ、13〜16…定電流源、20…帰還回路(帰還部)、21…帰還トランジスタ、21a…第1帰還トランジスタ、21b…第2帰還トランジスタ、100…二段のソース接地増幅回路(多段増幅部)、101…入力段トランジスタ、102…出力段トランジスタ、200…帰還回路(帰還部)、201a…第1帰還トランジスタ、201b…第2帰還トランジスタ、RL…負荷抵抗、RF…帰還抵抗
【技術分野】
【0001】
本発明は、増幅回路、および光変調器を駆動する光変調器用ドライバ回路に関する。
【背景技術】
【0002】
次世代ネットワーク(Next Generation Network:NGN)の実現に向け、伝送速度の向上と高密度波長多重とによる大容量フォトニクスネットワークの構築が進むなか、高速の光伝送システムを導入する機運が高まっている。
【0003】
高速の光伝送システムの実現には、光変調器を駆動する広帯域・大振幅の専用ドライバICの開発が必須である。例えば、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)を用いた光変調器(LN変調器)において、40Gビット/秒という高速の光変調を実現するためには、広帯域で動作することに加えて、電気光学効果を得るための4〜5Vp−p程度の大振幅の電圧を出力できるドライバ回路(ドライバIC)が必要となる。
【0004】
広帯域の増幅回路としては、従来から帰還型増幅回路が知られている。例えば、特許文献1には、帰還型増幅回路を対として用いて差動構成としたものが記載されている。
図14は、上記特許文献1に記載された増幅回路の要部構成を示している。
【0005】
この増幅回路は、入力段トランジスタ11、出力段トランジスタ12および負荷抵抗RLを有する二段のエミッタ接地増幅回路10と、帰還トランジスタ21および帰還抵抗RFを有する帰還回路20Aとを備えた帰還型増幅回路を2つ用いて差動構成としている。
【0006】
上記帰還型増幅回路では、二段の増幅で周波数特性が低下した信号を、二段目の増幅段の入力に帰還することで最終的な高周波成分を増加させて広帯域の周波数特性を確保することできる。
【特許文献1】特開平10−247831号公報(図9)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述したように、光変調器を駆動するドライバICには、広帯域化だけではなく、大振幅化も求められており、上記従来の帰還型増幅回路の出力を大振幅化して、これをドライバICに適用することが考えられる。
【0008】
しかしながら、上記従来の帰還型増幅回路の出力を大振幅化する場合には次のような問題がある。
すなわち、従来構成では、広帯域の周波数特性を確保すべく帰還抵抗RFの値が比較的小さく設定されており、出力段トランジスタ12のコレクタ側(図中のB点)の電位とベース側(図中のA点)の電位との差が小さい、言い換えれば、出力の動作点電位が低く(低電位VEE側に)なっており、単に出力の大振幅化を図ろうとしても、下側の振幅増加が制限されてしまう。
【0009】
このため、従来構成にて大振幅の出力動作を可能とするには、下側の振幅増加が制限されないように、出力段トランジスタ12のコレクタ側(B点)とベース側(A点)との間の電位差を大きくする(すなわち、出力の動作点電位を上昇させる)必要がある。
【0010】
出力段トランジスタ12のコレクタ側(B点)とベース側(A点)との間の電位差を大きくする方法としては、帰還抵抗RFの値または駆動電流(制御電流)Iの値を大きくすることが考えられる。
【0011】
ところが、帰還抵抗RFの値を大きくするとA点での周波数特性の劣化を招き、また、駆動電流Iの値を大きくすると、帰還トランジスタ21を大きなサイズに変更する必要があることから、図15の等価回路に示すような負荷抵抗RLに対して並列にみえる、帰還段トラジスタ21のコレクタ−ベース間の寄生容量CCBも大きくなって、B点での周波数特性が劣化してしまう。
【0012】
このように、従来構成の増幅回路においては、広帯域な周波数特性の確保と、大振幅出力とを両立させることが困難であった。
本発明は、このような課題に着目してなされたものであり、大振幅出力および広帯域周波数特性を確保することができ、特に光変調器のドライバICに適用可能な増幅回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明はその一態様として増幅回路を提供する。この増幅回路は、入力段トランジスタと出力段トランジスタとを含み、入力された信号を少なくとも前記入力段トランジスタおよび前記出力段トランジスタで増幅して出力する多段増幅部と、前記多段増幅部の出力を、該多段増幅部における前記出力段トランジスタの入力に帰還する帰還部と、を備え、前記帰還部は、第1帰還トランジスタ、第2帰還トランジスタおよび帰還抵抗とを含み、前記多段増幅部の出力を、前記第1帰還トランジスタ、前記第2帰還トランジスタおよび前記帰還抵抗を介して前記出力段トランジスタの入力に帰還することを特徴とする。ここで、トランジスタには、バイポーラトランジスタおよび電界効果トランジスタの双方が含まれる。
【発明の効果】
【0014】
上記増幅回路によれば、比較的簡易な構成によって、直流設計・出力の動作点電位の調整を容易とし、従来では困難であった、広帯域の周波数特性の確保と大振幅出力とを両立させることができる。これにより、高速の光伝送システムに用いる光変調器、特に、電気光学効果を利用する光変調器(LN変調器等)のドライバICに好適な増幅回路(ドライバ回路)を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を適用した好ましい実施形態について説明する。なお、本明細書および図面においては、共通する構成(要素)については同一の符号を付している。
図1は、本発明が適用された光変調器を示している。この光変調器は、電気光学効果を有するニオブ酸リチウム(LiNbO3)からなる基板上に光導波路、電極等が形成されたLN変調器である。図1において、LN変調器1は、光導波路として、入力導波路2、該入力導波路2から分岐した一対の分岐導波路3,4および該一対の分岐導波路3,4が合流した出力導波路5を有する。
【0016】
一方の分岐導波路3上には信号電極6が配置され、他方の分岐導波路4上には接地電極7が配置されている。信号電極6は、その出力端が抵抗8を介して接地されて進行波電極を構成している。ドライバIC9は、入力された電気信号を増幅して信号電極6の入力端に供給する。なお、図では省略しているが、分岐導波路中3,4を伝搬する光が、信号電極6、接地電極7によって吸収されるのを防ぐために、光導波路1と信号電極6、接地電極7との間にはバッファ層が設けられる。
【0017】
このような構成において、外部から入力導波路2に与えられた光信号LINは分岐されて分岐導波路3,4にそれぞれ送られる。ドライバIC9から信号電極6に電気信号が入力されると、信号電極6と接地電極7との間に電界が発生し、この電界によって分岐導波路3,4の屈折率が変化する。これにより、分岐導波路3,4を伝搬する光の位相差が変化してマッハツェンダ干渉によって、強度変調された光信号LOUTが出力導波路5から出力される。
【0018】
ここで、既述したように、近年、光変調器のドライバIC、特に、LN変調器等の電気光学効果を利用する光変調器のドライバICには高出力・広帯域化が求められている。以下、このような光変調器のドライバICに適用可能な、大振幅出力および広帯域周波数特性を確保できる増幅回路について説明する。
【0019】
図2は、本発明の第1実施形態による増幅回路の要部構成を示す回路図である。この実施形態では、トランジスタとしてバイポーラトランジスタを用いている。
この第1実施形態による増幅回路は、図14に示された帰還型増幅回路の帰還トランジスタ21の入力側に更にトランジスタを挿入した構成を有している。
【0020】
図2に示すように、本実施形態による増幅回路は、二段のエミッタ接地増幅回路(本発明の「多段増幅部」に相当する)10と、この二段のエミッタ接地増幅回路10の出力を該二段のエミッタ接地増幅回路10における二段目の増幅段の入力に帰還する帰還回路(本発明の「帰還部」に相当する)20と、を有する。
【0021】
二段のエミッタ接地増幅回路10は、一段目の入力段トランジスタ11、二段目(最終段)の出力段トランジスタ12および負荷抵抗RLを有する。
入力段トランジスタ11は、そのベース端子が増幅回路の入力端子INに接続され、エミッタ端子が定電流源13を介して低電位VEE1に接続されている。この入力段トランジスタ11は、外部から入力端子INを介してベース端子に入力された信号を増幅してコレクタ端子から出力する。この入力段トランジスタ11が本発明の第1エミッタ接地トランジスタに相当する。
【0022】
出力段トランジスタ12は、そのベース端子が入力段トランジスタ11のコレクタ端子に接続され、エミッタ端子が定電流源14を介して低電位VEE2に接続され、コレクタ端子が負荷抵抗13を介して高電位VCCに接続されている。この出力段トランジスタ12は、ベース端子(出力段トランジスタの入力端子に相当する)入力された入力段トランジスタ11の出力をさらに増幅してコレクタ端子から出力する。この出力段トランジスタ12が本発明の第2エミッタ接地トランジスタに相当する。なお、この出力段トランジスタ12のコレクタ端子と負荷抵抗RLとの間に出力端子OUTが接続される。
【0023】
一方、帰還回路20は、2つの帰還トランジスタ(第1帰還トランジスタ21a、第2帰還トランジスタ21b)および帰還抵抗RFを有する。ここでは、第2帰還トランジスタ21bが、図14における帰還トランジスタ21に相当するものとする。
【0024】
第1帰還トランジスタ21aは、そのベース端子が出力段トランジスタ12のコレクタ端子(出力段トランジスタの出力端子に相当する)に接続され、コレクタ端子が高電位(電源電位)Vccに接続されている。この第1帰還トランジスタ21aが本発明の第1コレクタ接地トランジスタに相当する。
【0025】
第2帰還トランジスタ21bは、そのベース端子が第1帰還トランジスタ21Aのエミッタ端子に接続され、コレクタ端子が高電位(電源電位)Vccに接続されている。この第2帰還トランジスタ21bが本発明の第2コレクタ接地トランジスタに相当する。
【0026】
すなわち、帰還回路20において、第1帰還トランジスタ21aと第2帰還トランジスタ21bとは、ダーリントン接続されている。
帰還抵抗RFは、第2帰還トランジスタ21bのエミッタ端子と、出力段トランジスタ12のベース端子(出力段トランジスタの入力端子)との間に接続されている。
【0027】
ここで、本実施形態では、入力段トランジスタ11のエミッタ端子が低電位VEE1に接続され、出力段トランジスタ12のエミッタ端子が低電位VEE2に接続されており、例えば、低電位VEE1=−1(V)とし、低電位VEE2=0(V)のように異なる電位に接続することができる(この場合、例えば、高電位Vcc=8〜10(V)とする)。但し、両者を共通の低電位VEE(例えば、0(V))に接続してもよい。
【0028】
次に、かかる第1実施形態による増幅回路と作用を説明する。
既述したように、図14に示された従来の帰還型増幅回路において、出力の大振幅化を図ろうとする場合には、帰還抵抗RFまたは駆動電流Iを増加させなければならなかった。しかし、そうすると周波数特性の劣化を招いてしまうことから、大振幅出力と広帯域の周波数特性の確保とを両立させることが難しかった。
【0029】
これに対し、上記第1実施形態による増幅回路では、図14に示された従来の帰還型増幅回路に対して、第1帰還トランジスタ21aが追加された構成を有しており、二段のエミッタ接地増幅回路10の出力が、第1帰還トランジスタ21a、第2帰還トランジスタ21bおよび帰還抵抗RFを介して出力段トランジスタ22の入力に帰還される。
【0030】
トランジスタのベース−エミッタ間には電圧降下が生じるから、第1実施形態による増幅回路では、従来の帰還型増幅回路に比べて、第1帰還トランジスタ21aが追加された分、B点(第1帰還トランジスタ21aのベース)とC点(第2帰還トランジスタ21bのエミッタ)との間の電圧降下が大きくなる。この結果、帰還抵抗RFや駆動電流Iの値を増大することなく(さらに言えば、帰還抵抗RFの値をできるだけ小さくしつつ)、B点とA点(出力段トランジスタ12のベース)との間の電位差を確保することができ、増幅回路の出力の動作点電位(直流レベル)を上昇させることが可能となる。これにより、広帯域の周波数特性を確保するように構成された従来の帰還型増幅回路においても、A点での周波数特性の劣化を防止(さらには、改善)しつつ、出力の大振幅化が可能となる。
【0031】
さらに、第1帰還トランジスタ21a(すなわち、従来に対して追加された帰還トランジスタ)のサイズを、第2帰還トランジスタ21b(すなわち、従来の帰還トランジスタ)のサイズよりも小さくすれば、負荷抵抗RLに対して並列に見える、第1帰還トランジスタ21aのコレクタ−ベース間の寄生容量を、前述の図15の等価回路に示した従来の寄生容量CCBよりも抑えることができ、B点での周波数特性の劣化も防止(改善)することができる。
【0032】
このように、第1実施形態による増幅回路によれば、広帯域の周波数特性を確保しつつ出力の大振幅化が可能となるのであるが、ドライバIC9に適用する場合には、トランジスタのバラツキ等の影響についても排除できる回路構成とするのが望ましい。
【0033】
そこで、ドライバIC9に適用する場合には、図3に示すように、上記第1実施形態による増幅回路を2つ用いて差動対を構成して「帰還型差動増幅回路」とする。このように差動構成とすることで、同相雑音や各トランジスタ等のバラツキの影響を排除して、よりドライバIC9に好適な回路とすることができる。
【0034】
図4は、本実施形態による増幅回路(帰還型差動増幅回路)および図14に示された従来の帰還型増幅回路(帰還型差動増幅回路)の出力波形を示している。
図4に示すように、本実施形態では、従来構成に比べて、大振幅の電圧(ここでは、4Vp−p)を出力させたときの応答性が大きく改善され、良好な出力波形を得ることができることが確認された。
【0035】
以上説明した第1実施形態では、トランジスタとしてバイポーラトランジスタを用いているが、電界効果トランジスタを用いて構成することもできる。
図5は、トランジスタとして電界効果トランジスタを用いた第2実施形態による増幅回路の要部構成を示す回路図である。基本構成は上記第1実施形態と同じである。
【0036】
図5に示すように、第2実施形態による増幅回路は、二段のソース接地増幅回路100と、この二段のソース接地増幅回路100の出力を該二段のソース接地増幅回路100における二段目の増幅段の入力に帰還する帰還回路200と、を有する。
【0037】
二段のソース接地増幅回路100は、一段目の入力段トランジスタ101、二段目(最終段)の出力段トランジスタ102および負荷抵抗RLを有する。
入力段トランジスタ101は、そのゲート端子が増幅回路の入力端子INに接続され、ソース端子が定電流源13を介して低電位VEE1に接続されている。この入力段トランジスタ101は、入力端子INを介してゲート端子に入力された信号を増幅してドレイン端子から出力する。この入力段トランジスタ101が本発明の第1ソース接地トランジスタに相当する。
【0038】
出力段トランジスタ102は、そのゲート端子が入力段トランジスタ101のドレイン端子に接続され、ソース端子が定電流源14を介して低電位VEE2に接続され、ドレイン端子が負荷抵抗RLを介して高電位VCCに接続されている。この出力段トランジスタ102は、ゲート端子(出力段トランジスタの入力端子に相当する)入力された入力段トランジスタ101の出力をさらに増幅してドレイン端子から出力する。この出力段トランジスタ102が本発明の第2ソース接地トランジスタに相当する。なお、この出力段トランジスタ102のドレイン端子と負荷抵抗RLとの間に出力端子OUTが接続される。
【0039】
帰還回路200は、2つの帰還トランジスタ(第1帰還トランジスタ201a、第2帰還トランジスタ201b)および帰還抵抗RFを有する。
第1帰還トランジスタ201aは、そのゲート端子が出力段トランジスタ102のドレイン端子(出力段トランジスタの出力端子に相当する)に接続され、ソース端子が定電流源15に接続され、ドレイン端子が高電位(電源電位)Vccに接続されている。この第1帰還トランジスタ201aが本発明の第1ドレイン接地トランジスタに相当する。
【0040】
第2帰還トランジスタ201bは、そのゲート端子が第1帰還トランジスタ201aのソース端子に接続され、ドレイン端子が高電位(電源電位)Vccに接続されている。この第2帰還トランジスタ201bが本発明の第2ドレイン接地トランジスタに相当する。
【0041】
すなわち、帰還回路200において、第1帰還トランジスタ201aと第2帰還トランジスタ201bとがカスケード接続されている。ここで、図には示していないが、必要に応じて、第1帰還トランジスタ201aと第2帰還トランジスタ201bとの間に整合回路を設けるようにしてもよい。なお、整合回路としては、例えば入出力インピーダンスを整合するものが該当するが、このような整合回路は公知であるので、ここでの説明は省略する(特開平11−298260号公報等を参照)。
【0042】
帰還抵抗RFは、第2帰還トランジスタ201bのソース端子と、出力段トランジスタ102のゲート端子(出力段トランジスタの入力端子)との間に接続されている。
そして、ドライバIC9に適用する場合には、上記第1実施形態と同様、図6に示すように、上記第2実施形態による増幅回路を2つ用いて差動対を構成して「帰還型差動増幅回路」とする。かかる第2実施形態によっても上記第1実施形態と同様の作用、効果を得ることができる。
【0043】
ところで、以上の第1、第2実施形態では、2つのトランジスタを用いた二段の増幅部(回路)と、2つのトランジスタを用いた帰還部(回路)と、を有する増幅回路について説明したが、これらに限るものではない。増幅回路が、3以上の増幅段を有する多段増幅部(回路)を備えてもよいし、3以上のトランジスタを用いた帰還部(回路)を備えてもよい。
【0044】
すなわち、入力段トランジスタと出力段トランジスタとを含み、外部からの入力信号を少なくとも前記入力段トランジスタおよび前記出力段トランジスタで増幅して出力する多段増幅部(回路)と、この多段増幅部(回路)の出力を前記出力段トランジスタの入力に帰還する帰還部(回路)とを備え、前記帰還部(回路)が、前記多段増幅部(回路)の出力を、少なくとも2つの帰還トランジスタと帰還抵抗とを介して前記出力段トランジスタの入力に帰還する構成とすればよい。
【0045】
また、上記第1実施形態、上記第2実施形態は、それぞれ本発明の基本的な実施形態を示したものに過ぎず、様々な変形が可能であることを言うまでもない。以下に参考として、上記第1、第2実施形態のそれぞれの変形例をいくつか示しておく。
【0046】
図7〜図10は、第1実施形態(帰還型差動増幅回路)の変形例を示している。なお、図において符号を省略した要素については上記第1実施形態(図2,3)と同じである。
図7は、第1実施形態(図3)における出力段トランジスタ12のコレクタ端子に接続される抵抗(エミッタ抵抗)R1を追加したものである。図8、図9は、さらに第1帰還トランジスタ21aのエミッタ端子に接続される定電流源16を追加したものである。なお、図8と図9とでは定電流源16の接続形態が異なる。図10は、図7に対して、さらに第1帰還トランジスタ21aのコレクタ端子および第2帰還トランジスタ21bのコレクタ端子にそれぞれに接続される抵抗R2,R3を追加したものである。ここで、図7〜図10で追加された各要素を適宜組み合わせて構成してもよいことはもちろんである。
【0047】
図11〜図13は、第2実施形態(帰還型差動増幅回路)の変形例を示している。なお、図において符号を省略した要素については、上記第2実施形態(図5,6)と同じである。
【0048】
図11は、第2実施形態(図6)における出力段トランジスタ102のドレイン端子に接続される抵抗(ソース抵抗)R4を追加したものである。図12は、さらに第1帰還トランジスタ201aのソース端子に接続された定電流源の接続形態を変形したものである。図13は、図11に対して、さらに第1帰還トランジスタ201aのドレイン端子および第2帰還トランジスタ201bのドレイン端子にそれぞれ接続される抵抗R5,R6を追加したものである。ここで、図11〜図13で追加された各要素を適宜組み合わせて構成してもよいことはもちろんである。
【0049】
さらに、必要に応じて、第1実施形態およびその変形例(図2,3,7〜10)における二段のエミッタ接地増幅回路10(すなわち、多段増幅部)と、第2実施形態およびその変形例(図5,6,11〜13)における帰還回路200(すなわち、帰還部)とを組み合わせて帰還型増幅回路(帰還型差動増幅回路)を構成することも可能である。またその逆に、第1実施形態およびその変形例における帰還回路20(すなわち、帰還部)と、第2実施形態およびその変形例における二段のソース接地増幅回路100(すなわち、多段増幅部)とを組み合わせて帰還型増幅回路(帰還型差動増幅回路)を構成することも可能である。
【0050】
これらの各種変形例においても、上記第1、第2実施形態と同様、広帯域の周波数特性を確保しつつ出力の大振幅化を実現できる。
【0051】
ここで、以上説明した実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0052】
(付記1)入力段トランジスタと出力段トランジスタとを含み、入力信号を少なくとも前記入力段トランジスタおよび前記出力段トランジスタで増幅して出力する多段増幅部と、
前記多段増幅部の出力を、該多段増幅部における前記出力段トランジスタの入力に帰還する帰還部と、を備え、
前記帰還部は、第1帰還トランジスタ、第2帰還トランジスタおよび帰還抵抗を含み、
前記多段増幅部の出力を、前記第1帰還トランジスタ、前記第2帰還トランジスタおよび前記帰還抵抗を介して前記出力段トランジスタの入力に帰還することを特徴とする増幅回路。
【0053】
(付記2)付記1記載の増幅回路であって、
前記多段増幅部は、
ベース端子に入力された前記入力信号を増幅してコレクタ端子から出力する、前記入力段トランジスタとしての第1エミッタ接地トランジスタと、
ベース端子に入力された前記第1エミッタ接地トランジスタの出力を増幅してコレクタ端子から出力する、前記出力段トランジスタとしての第2エミッタ接地トランジスタと、
前記第2エミッタ接地トランジスタのコレクタ端子に接続された負荷抵抗と、
を含むことを特徴とする増幅回路。
【0054】
(付記3)付記2記載の増幅回路であって、
前記第1エミッタ接地トランジスタのエミッタ端子および前記第2エミッタ接地トランジスタのエミッタ端子に定電流源を接続したことを特徴とする増幅回路。
【0055】
(付記4)付記2又は付記3記載の増幅回路であって、
前記第1エミッタ接地トランジスタのエミッタ端子と、前記第2エミッタ接地トランジスタのエミッタ端子とを、異なる電位に接続したことを特徴とする増幅回路。
【0056】
(付記5)付記1〜4のいずれか1つに記載の増幅回路であって、
前記帰還部は、
ベース端子が前記出力段トランジスタの出力端子に接続された、前記第1帰還トランジスタとしての第1コレクタ接地トランジスタと、
ベース端子が前記第1コレクタ接地トランジスタのエミッタ端子に接続された、前記第2帰還トランジスタとしての第2コレクタ接地トランジスタと、
前記第2コレクタ接地トランジスタのコレクタ端子と、前記出力段トランジスタの入力端子との間に接続された帰還抵抗と、
を含むことを特徴とする増幅回路。
【0057】
(付記6)付記5記載の増幅回路であって、
前記第1コレクタ接地トランジスタのエミッタ端子に定電流源を接続したことを特徴とする増幅回路。
【0058】
(付記7)付記1記載の増幅回路であって、
前記多段増幅部は、
ゲート端子に入力された前記入力信号を増幅してドレイン端子から出力する、前記入力段トランジスタとしての第1ソース接地トランジスタと、
ゲート端子に入力された前記第1ソース接地トランジスタの出力を増幅してドレイン端子から出力する、前記出力段トランジスタとしての第2ソース接地トランジスタと、
前記第2ソース接地トランジスタのドレイン端子に接続された負荷抵抗と、
を含むことを特徴とする増幅回路。
【0059】
(付記8)付記7記載の増幅回路であって、
前記第1ソース接地トランジスタのソース端子および前記第2ソース接地トランジスタのソース端子に定電流源を接続したことを特徴とする増幅回路。
【0060】
(付記9)付記7又は付記8に記載の増幅回路であって、
前記第1ソース接地トランジスタのソース端子と、前記第2ソース接地トランジスタのソース端子とを、異なる電位に接続したことを特徴とする増幅回路。
【0061】
(付記10)付記1、7〜9のいずれか1つに記載の増幅回路であって、
前記帰還部は、
ゲート端子が前記出力段トランジスタの出力端子に接続された、前記第1帰還トランジスタとしての第1ドレイン接地トランジスタと、
ゲート端子が前記第1ドレイン接地トランジスタのソース端子に接続された、前記第2帰還トランジスタとしての第2ドレイン接地トランジスタと、
前記第2ドレイン接地トランジスタのドレイン端子と、前記出力段トランジスタの入力端子との間に接続された帰還抵抗と、
を含むことを特徴とする増幅回路。
【0062】
(付記11)付記10記載の増幅回路であって、
前記第1ドレイン接地トランジスタのソース端子に定電流源を接続したことを特徴とする増幅回路。
【0063】
(付記12)付記1〜11のいずれか1つに記載の増幅回路を対として用いて差動構成としたことを特徴とする増幅回路。
【0064】
(付記13)電気光学効果を利用する光変調器のドライバ回路であって、
付記1〜12のいずれか1つに記載の増幅回路を含むことを特徴とする光変調器用ドライバ回路。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明が適用されたLN変調器を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態による増幅回路を示す図である。
【図3】第1実施形態による増幅回路を対とした差動増幅回路を示す図である。
【図4】第1実施形態による増幅回路および従来の帰還型増幅回路の出力波形を示す図である。
【図5】本発明の第2実施形態による増幅回路を示す図である。
【図6】第2実施形態による増幅回路を対とした差動増幅回路を示す図である。
【図7】第1実施形態による増幅回路(差動増幅回路)の変形例を示す図である。
【図8】第1実施形態による増幅回路(差動増幅回路)の変形例を示す図である。
【図9】第1実施形態による増幅回路(差動増幅回路)の変形例を示す図である。
【図10】第1実施形態による増幅回路(差動増幅回路)の変形例を示す図である。
【図11】第2実施形態による増幅回路(差動増幅回路)の変形例を示す図である。
【図12】第2実施形態による増幅回路(差動増幅回路)の変形例を示す図である。
【図13】第2実施形態による増幅回路(差動増幅回路)の変形例を示す図である。
【図14】従来の帰還型増幅回路を示す図である。
【図15】従来の帰還型増幅回路を大振幅化した場合の問題点を説明する図である。
【符号の説明】
【0066】
1…光変調器(LN変調器)、9…ドライバIC、10…二段のエミッタ接地増幅回路(多段増幅部)、11…入力段トランジスタ、12…出力段トランジスタ、13〜16…定電流源、20…帰還回路(帰還部)、21…帰還トランジスタ、21a…第1帰還トランジスタ、21b…第2帰還トランジスタ、100…二段のソース接地増幅回路(多段増幅部)、101…入力段トランジスタ、102…出力段トランジスタ、200…帰還回路(帰還部)、201a…第1帰還トランジスタ、201b…第2帰還トランジスタ、RL…負荷抵抗、RF…帰還抵抗
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力段トランジスタと出力段トランジスタとを含み、入力信号を少なくとも前記入力段トランジスタおよび前記出力段トランジスタで増幅して出力する多段増幅部と、
前記多段増幅部の出力を、該多段増幅部における前記出力段トランジスタの入力に帰還する帰還部と、を備え、
前記帰還部は、第1帰還トランジスタ、第2帰還トランジスタおよび帰還抵抗を含み、
前記多段増幅部の出力を、前記第1帰還トランジスタ、前記第2帰還トランジスタおよび前記帰還抵抗を介して前記出力段トランジスタの入力に帰還することを特徴とする増幅回路。
【請求項2】
請求項1記載の増幅回路であって、
前記多段増幅部は、
ベース端子に入力された前記入力信号を増幅してコレクタ端子から出力する、前記入力段トランジスタとしての第1エミッタ接地トランジスタと、
ベース端子に入力された前記第1エミッタ接地トランジスタの出力を増幅してコレクタ端子から出力する、前記出力段トランジスタとしての第2エミッタ接地トランジスタと、
前記第2エミッタ接地トランジスタのコレクタ端子に接続された負荷抵抗と、
を含むことを特徴とする増幅回路。
【請求項3】
請求項2記載の増幅回路であって、
前記第1エミッタ接地トランジスタのエミッタ端子および前記第2エミッタ接地トランジスタのエミッタ端子に定電流源を接続したことを特徴とする増幅回路。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の増幅回路であって、
前記帰還部は、
ベース端子が前記出力段トランジスタの出力端子に接続された、前記第1帰還トランジスタとしての第1コレクタ接地トランジスタと、
ベース端子が前記第1コレクタ接地トランジスタのエミッタ端子に接続された、前記第2帰還トランジスタとしての第2コレクタ接地トランジスタと、
前記第2コレクタ接地トランジスタのコレクタ端子と、前記出力段トランジスタの入力端子との間に接続された帰還抵抗と、
を含むことを特徴とする増幅回路。
【請求項5】
請求項1記載の増幅回路であって、
前記多段増幅部は、
ゲート端子に入力された前記入力信号を増幅してドレイン端子から出力する、前記入力段トランジスタとしての第1ソース接地トランジスタと、
ゲート端子に入力された前記第1ソース接地トランジスタの出力を増幅してドレイン端子から出力する、前記出力段トランジスタとしての第2ソース接地トランジスタと、
前記第2ソース接地トランジスタのドレイン端子に接続された負荷抵抗と、
を含むことを特徴とする増幅回路。
【請求項6】
請求項5記載の増幅回路であって、
前記第1ソース接地トランジスタのソース端子および前記第2ソース接地トランジスタのソース端子に定電流源を接続したことを特徴とする増幅回路。
【請求項7】
請求項1、5、6のいずれか1つに記載の増幅回路において、
前記帰還部は、
ゲート端子が前記出力段トランジスタの出力端子に接続された、前記第1帰還トランジスタとしての第1ドレイン接地トランジスタと、
ゲート端子が前記第1ドレイン接地トランジスタのソース端子に接続された、前記第2帰還トランジスタとしての第2ドレイン接地トランジスタと、
前記第2ドレイン接地トランジスタのドレイン端子と、前記出力段トランジスタの入力端子との間に接続された帰還抵抗と、
を含むことを特徴とする増幅回路。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1つに記載の増幅回路を対として用いて差動構成としたことを特徴とする増幅回路。
【請求項9】
電気光学効果を利用する光変調器のドライバ回路であって、
請求項1〜8のいずれか1つに記載の増幅回路を含むことを特徴とする光変調器用ドライバ回路。
【請求項1】
入力段トランジスタと出力段トランジスタとを含み、入力信号を少なくとも前記入力段トランジスタおよび前記出力段トランジスタで増幅して出力する多段増幅部と、
前記多段増幅部の出力を、該多段増幅部における前記出力段トランジスタの入力に帰還する帰還部と、を備え、
前記帰還部は、第1帰還トランジスタ、第2帰還トランジスタおよび帰還抵抗を含み、
前記多段増幅部の出力を、前記第1帰還トランジスタ、前記第2帰還トランジスタおよび前記帰還抵抗を介して前記出力段トランジスタの入力に帰還することを特徴とする増幅回路。
【請求項2】
請求項1記載の増幅回路であって、
前記多段増幅部は、
ベース端子に入力された前記入力信号を増幅してコレクタ端子から出力する、前記入力段トランジスタとしての第1エミッタ接地トランジスタと、
ベース端子に入力された前記第1エミッタ接地トランジスタの出力を増幅してコレクタ端子から出力する、前記出力段トランジスタとしての第2エミッタ接地トランジスタと、
前記第2エミッタ接地トランジスタのコレクタ端子に接続された負荷抵抗と、
を含むことを特徴とする増幅回路。
【請求項3】
請求項2記載の増幅回路であって、
前記第1エミッタ接地トランジスタのエミッタ端子および前記第2エミッタ接地トランジスタのエミッタ端子に定電流源を接続したことを特徴とする増幅回路。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の増幅回路であって、
前記帰還部は、
ベース端子が前記出力段トランジスタの出力端子に接続された、前記第1帰還トランジスタとしての第1コレクタ接地トランジスタと、
ベース端子が前記第1コレクタ接地トランジスタのエミッタ端子に接続された、前記第2帰還トランジスタとしての第2コレクタ接地トランジスタと、
前記第2コレクタ接地トランジスタのコレクタ端子と、前記出力段トランジスタの入力端子との間に接続された帰還抵抗と、
を含むことを特徴とする増幅回路。
【請求項5】
請求項1記載の増幅回路であって、
前記多段増幅部は、
ゲート端子に入力された前記入力信号を増幅してドレイン端子から出力する、前記入力段トランジスタとしての第1ソース接地トランジスタと、
ゲート端子に入力された前記第1ソース接地トランジスタの出力を増幅してドレイン端子から出力する、前記出力段トランジスタとしての第2ソース接地トランジスタと、
前記第2ソース接地トランジスタのドレイン端子に接続された負荷抵抗と、
を含むことを特徴とする増幅回路。
【請求項6】
請求項5記載の増幅回路であって、
前記第1ソース接地トランジスタのソース端子および前記第2ソース接地トランジスタのソース端子に定電流源を接続したことを特徴とする増幅回路。
【請求項7】
請求項1、5、6のいずれか1つに記載の増幅回路において、
前記帰還部は、
ゲート端子が前記出力段トランジスタの出力端子に接続された、前記第1帰還トランジスタとしての第1ドレイン接地トランジスタと、
ゲート端子が前記第1ドレイン接地トランジスタのソース端子に接続された、前記第2帰還トランジスタとしての第2ドレイン接地トランジスタと、
前記第2ドレイン接地トランジスタのドレイン端子と、前記出力段トランジスタの入力端子との間に接続された帰還抵抗と、
を含むことを特徴とする増幅回路。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1つに記載の増幅回路を対として用いて差動構成としたことを特徴とする増幅回路。
【請求項9】
電気光学効果を利用する光変調器のドライバ回路であって、
請求項1〜8のいずれか1つに記載の増幅回路を含むことを特徴とする光変調器用ドライバ回路。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−62739(P2010−62739A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−224867(P2008−224867)
【出願日】平成20年9月2日(2008.9.2)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月2日(2008.9.2)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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