説明

変位センサシステム、センサ用コントローラ及び表示制御プログラム

【課題】複数の測定対象物それぞれの形状に応じた波形の比較を、作業者に簡易且つ正確にさせることが可能な技術を開示する。
【解決手段】変位センサシステム10は、変位センサ11、表示画面33Aを有する表示部33、制御回路30を備え、制御回路30は、変位センサ11から出力された測定信号SG3に基づき、複数のワークWそれぞれの形状に対応した複数の信号波形V1〜V4それぞれについて当該信号波形のうち基準レベルを示す部位である基準部位X1〜X4を抽出する抽出処理と、当該抽出処理で抽出された基準部位X1〜X4同士を一致させた状態で、複数の信号波形V1〜Vを表示画面33Aに表示させる表示処理とを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定対象物の変位を光学的に測定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば下記特許文献1には、光源からの光を測定対象物に照射し、その反射光をイメージセンサで受光して、当該反射光のイメージセンサにおける受光位置に基づき光源及びイメージセンサから測定対象物までの距離を測定する光学式変位計が開示されている。このような光学式変位計は、移動機構により、光源からの光の照射方向に交差する方向に測定対象物を相対的に移動させることで、各移動位置に対応するイメージセンサでの受光位置に基づき測定対象物の表面形状を測定する形状測定に利用されることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−50711公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、複数の測定対象物を、移動機構により順次移動させつつ、光学式変位計で測定された測定対象物ごとの変位に応じた複数の波形を、表示装置の表示画面上で互いに比較したい場合がある。例えば、複数の測定対象物が同じ型番の製品である場合、表示画面に表示された複数の波形を視覚的に比べることにより、製造ばらつきや欠陥品等を抽出することができる。
【0005】
しかし、上記波形の比較は作業者の目で行うため、作業者にとって簡易且つ正確に比較させる必要がある。
【0006】
本明細書では、複数の測定対象物それぞれの形状に応じた波形の比較を、作業者に簡易且つ正確にさせることが可能な技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書によって開示される変位センサシステムは、相対的に移動する複数の測定対象物に順次、光を照射する投光部と、前記各測定対象物からの反射光を受光する受光面を有し、その反射光の前記受光面上での受光位置に応じた位置信号を出力する位置検出部と、表示画面を有する表示部と、前記位置検出部から出力された前記位置信号に基づき、前記複数の測定対象物それぞれの形状に対応した複数の信号波形それぞれについて当該信号波形のうち基準レベルを示す部位である基準部位を抽出する抽出処理、及び、前記抽出処理で抽出された前記基準部位同士を一致させた状態で、前記複数の信号波形を前記表示画面に表示させる表示処理を実行する制御部と、を備える。
【0008】
この発明によれば、複数の信号波形が、基準レベルを示す基準部位同士を一致させた状態で表示部の表示画面に表示される。従って、複数の信号波形を、基準部位同士を一致させない状態で表示させる構成に比べて、複数の信号波形の比較を、作業者に簡易且つ正確にさせることができる。
【0009】
上記変位センサシステムでは、作業者に前記基準レベルを任意の値に設定させる設定部を備えてもよい。
この発明によれば、作業者が設定する基準レベルの値に応じて、複数の信号波形の表示パターンを変更させることができる。
【0010】
上記変位センサシステムでは、作業者の入力操作を受け付ける操作部を備え、前記制御部は、前記抽出処理において、前記複数の信号波形を前記表示画面に表示させ、前記複数の信号波形の横方向における位置関係を、前記操作部での入力操作に応じて任意に決定し、その決定された位置関係にある前記複数の信号波形の交差部位の信号レベルを、前記基準レベルとして設定してもよい。
この発明によれば、作業者が表示画面上で複数の信号波形の位置関係を任意に変更することにより、複数の信号波形を比較する基準となる基準レベル及び基準部位を決定することができる。
【0011】
上記変位センサシステムでは、メモリを備え、前記制御部は、設定された前記基準レベルを前記メモリに記憶し、これ以降の前記抽出処理において前記メモリに記憶された前記基準レベルを読み出して前記基準部位を抽出してもよい。
この発明によれば、一度、基準レベルを設定した後は、これ以降の抽出処理ごとに基準レベルを設定する必要がなく、メモリに記憶されている基準レベルを利用することができる。
【0012】
センサ用コントローラは、相対的に順次移動する複数の測定対象物それぞれの形状に応じた位置信号を出力する変位センサと通信可能に接続されるセンサ用コントローラであって、表示画面を有する表示部と、前記変位センサから出力された前記位置信号に基づき、前記複数の測定対象物それぞれの形状に対応した複数の信号波形それぞれについて当該信号波形のうち基準レベルを示す部位である基準部位を抽出する抽出処理、及び、前記抽出処理で抽出された前記基準部位同士を一致させた状態で、前記複数の信号波形を前記表示画面に表示させる表示処理を実行する制御部と、を備える。
【0013】
表示制御プログラムは、相対的に順次移動する複数の測定対象物それぞれの形状に応じた位置信号を出力する変位センサを有する変位センサシステムと通信可能に接続され、表示画面を有する表示部を備える情報処理装置が有するコンピュータに、前記変位センサから出力された前記位置信号に基づき、前記複数の測定対象物それぞれの形状に対応した複数の信号波形それぞれについて当該信号波形のうち基準レベルを示す部位である基準部位を抽出する抽出処理と、前記抽出処理で抽出された前記基準部位同士を一致させた状態で、前記複数の信号波形を前記表示画面に表示させる表示処理と、を実行させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、複数の測定対象物それぞれの形状に応じた波形の比較を、作業者に簡易且つ正確にさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】一実施形態に係る変位センサシステムの全体構成を示す概要図
【図2】ワーク形状比較処理を示すフローチャート
【図3】複数の信号波形の表示パターンの一例を示す模式図(その1)
【図4】基準レベル設定画面を示す模式図
【図5】複数の信号波形の表示パターンの一例を示す模式図(その2)
【発明を実施するための形態】
【0016】
一実施形態を図1〜図5を参照しつつ説明する。
【0017】
1.変位センサシステムの全体構成
図1は、:変位センサシステム10の全体構成を示す概要図である。この変位センサシステム10は、変位センサ11と、当該変位センサ11と信号ケーブルを介して接続されるセンサ用コントローラ12とを備える。同図には、変位センサ11の下方に、複数のワークWを、所定方向、具体的には同図に示す白抜き矢印方向に、順次搬送する搬送機構が有するベルト13が示されている。複数のワークWは、測定対象物の一例であり、本実施形態では、同じ規格で製造された複数の電子部品である。
【0018】
(1)変位センサ
変位センサ11は、投光素子としてのレーザダイオード(LD)15と、そのレーザダイオード15を駆動するためのLD駆動回路16と、レーザダイオード15から発せられたレーザ光L1をワークW表面上に照射させる投光レンズ17とを備えている。これらのレーザダイオード15、LD駆動回路16及び投光レンズ17は、投光部の一例である。
【0019】
また、変位センサ11は、受光レンズ18と、その受光レンズ18を透過したレーザ光L2を受光する位置検出素子としてのCCDリニアセンサ19と、そのCCDリニアセンサ19を駆動するためのCCD駆動回路20とを備えている。これらの受光レンズ18、CCDリニアセンサ19及びCCD駆動回路20が位置検出部の一例である。
【0020】
レーザダイオード15から発せられたレーザ光L1は、投光レンズ17を透過してワークW上に照射される。そして、このワークW上での拡散反射光L2は、受光レンズ18を透過してCCDリニアセンサ19に入射する。このCCDリニアセンサ19において各画素に蓄積された電荷は、CCD駆動回路20によって読み出され、時系列の電圧信号SG1に変換される。
【0021】
CCD駆動回路20が所定の転送用クロックをCCDリニアセンサ19に与えることにより、CCDリニアセンサ19は、各画素に蓄積された電荷を1画素ずつ順番に転送する。そして、CCD駆動回路20は、全画素の蓄積電荷に対応する時系列の電圧信号SG1を出力する。
【0022】
また、変位センサ11は、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)によって構築された制御回路21、出力回路22を備えている。制御回路21は、後述するワーク形状比較処理において、LD駆動回路16に駆動信号SG2を与えてレーザダイオード15に投光動作をさせる一方で、所定の設定サンプリング周期でCCD駆動回路20を駆動させてCCDリニアセンサ19の各画素の蓄積電荷を転送させる受光動作を実行させて、CCD駆動回路20からの電圧信号SG1をA/D変換して受ける。また、制御回路21は、上記設定サンプリング周期Tごとに、CCD駆動回路20から受ける各電圧信号SG1に基づく測定信号SG3を、出力回路22を介して順次、センサ用コントローラ12に与える。なお、この測定信号SG3が位置信号の一例である。
【0023】
以上の構成により、変位センサ11では、CCDリニアセンサ19の受光面19a上における拡散反射光L2の受光位置Pが、変位センサ11からワークWの照射スポットQまでの距離によって移動する。制御回路21は、受光位置Pを、電圧信号SG1を解析して検出することによりワークWの高さ変位を測定することできる。
【0024】
(2)センサ用コントローラ
センサ用コントローラ12は、例えばFPGAによって構築された制御回路30、操作パネル31、メモリ32及び表示部33を備えている。制御回路30は、制御部の一例であり、後述するワーク形状比較処理を実行する。操作パネル31は、変位センサ11やセンサ用コントローラ12の各動作条件などの各種設定を行うためのものであり、設定部及び操作部の一例である。メモリ32には、ワーク形状比較処理を実行するためのプログラム等が記憶されており、不揮発性メモリであることが好ましい。表示部33の例としては、液晶ディスプレイ、LCDが挙げられる。
【0025】
また、センサ用コントローラ12には、ワークセンサ40が有線または無線により通信可能に接続されている。ワークセンサ40の検出領域は、変位センサ11の測定領域に対して、ベルト13の搬送方向の上流側に配置されている。ワークセンサ40は、検出領域内にてワークWを検出するごとに、検出信号SG4を出力する。
【0026】
2.ワーク形状比較処理
図2はワーク形状比較処理を示すフローチャートである。例えば作業者が操作パネル31にてワーク形状比較の実行指示を入力すると、制御回路30は、図2に示すワーク形状比較処理を実行する。また、変位センサ11は、図示しない電源スイッチがオンされると、制御回路21は、変位センサ11に前述した投光動作及び受光動作を繰り返し実行させ、設定サンプリング周期ごとに、CCD駆動回路20からの電圧信号SG1を受けて、CCDリニアセンサ19の受光面19a上の全画素から最大受光量の画素を検出し、このピーク画素の位置に対応した測定信号SG3を、センサ用コントローラ12へ出力する。なお、制御回路21は、センサ用コントローラ12の制御回路30からの指示をトリガとして、上記投光動作及び受光動作等を開始してもよい。
【0027】
制御回路30は、まずワークカウント値Kをゼロに初期化し(S1)、ワークセンサ40がワークWを検出したかどうかを判断する(S2)。制御回路30は、ワークセンサ40から検出信号SG4を受けると、ワークWを検出したと判断し(S2:YES)、ワークカウント値Kに1を加算する(S3)。制御回路30は、ワークWの検出時またはその所定時間経過時をトリガとして、ワークW1つ分に対応する測定信号SG3を、変位センサ11から取得する取得処理を開始する(S4)。
【0028】
具体的には、制御回路30は、ワークWの検出時等から設定時間だけ経過するまで、変位センサ11が出力する測定信号SG3を取得し、当該測定信号SG3に応じた測定データをメモリ32に時系列で順次格納していく。なお、設定時間は、ワークWの搬送方向における長さに応じて設定されており、予めメモリ32に記憶されている。なお、S3の処理とS4の処理の順番は逆であってもよい。
【0029】
制御回路30は、上記測定処理を終了すると、ワークカウント値Kが上限値N、例えば4であるかどうかを判断し(S5)、ワークカウント値Kが上限値N未満であると判断すれば(S5:NO)、S2に戻る。一方、制御回路30は、ワークカウント値Kが上限値Nであると判断すれば(S5:YES)、メモリ32に、基準レベルが既に設定済かどうかを判断する(S6)。制御回路30は、基準レベルが設定済でなければ(S6:NO)、メモリ32に格納されたワークWごとの測定データ群を読み出して、各ワークWに対応する複数の信号波形V1〜V4を、表示部33の表示画面33Aに同時に表示させる(S7)。
【0030】
図3は、複数の信号波形V1〜V4の表示パターンの一例を示す模式図である。また、当該表示画面33Aには、第1設定モードと第2設定モードのアイコンが表示されている。前述したように、各信号波形V1〜V4は、いずれもワークWの検出時等をトリガとして取得された測定信号SG3に基づき形成されたものである。しかし、ベルト13の搬送速度のバラツキや、ベルト13上でのワークWの位置ずれ等により、同図に示すように、各信号波形V1〜V4のピーク位置は、時間軸においてばらつく。このため、作業者は、図3に示す表示画面33Aでは、複数の信号波形V1〜V4の波形、換言すれば、複数のワークWの形状を比較することが難しい。
【0031】
作業者が操作パネル31を操作して、第1設定モードのアイコンを選択すると(S8:YES)、制御回路30は、図4に示す基準レベル設定画面50を表示画面33Aに表示させる(S9)。この基準レベル設定画面50には、基準レベルの値と、基準時間の値とをそれぞれ任意に入力可能な入力欄50A,50Bが表示されている。なお、基準レベルの入力範囲を、複数の信号波形V1〜V4の波形のうち、ピーク値が最も低い波形の当該ピーク値以下に制限することが好ましい。なお、基準レベルは、信号波形のうち勾配が大きい部位に対応するレベルを設定することが好ましい。また、基準レベルは、一の信号波形のピーク値に設定してもよい。
【0032】
作業者により操作パネル31にて基準レベル及び基準時間の値が入力されると(S10:YES)、制御回路30は、基準レベル及び基準時間の入力値を、メモリ32に記憶する(S11)。次に、制御回路30は、図5に示すように、当該基準レベル及び基準時間の値を基準として、複数の信号波形V1〜V4を表示画面33Aに同時に表示させる(S12)。具体的には、制御回路30は、信号波形V1〜V4ごとに、基準レベルを示す部位である基準部位X1〜X4をそれぞれ抽出する抽出処理を実行する。
【0033】
続いて、制御回路30は、各基準部位X1〜X4が基準時間で一致するように、複数の信号波形V1〜V4を、時間軸方向においてスライド移動させ、基準部位X1〜X4が一致した状態で、複数の信号波形V1〜V4を表示画面33Aに表示させる表示処理を実行する。これにより、作業者は、図3の表示パターンに比べて、図5の表示パターンにより、複数の信号波形V1〜V4の波形を比較し易くなる。図5の例では、信号波形V4が、他の信号波形V1〜V3と大きく相違する。従って、作業者は、信号波形V4に対応するワークWが欠陥品である可能性が高いと判断することができる。
【0034】
制御回路30は、作業者の入力操作により図5の終了アイコンが押下されると(S13:YES)、表示部33の画面表示を終了し、本ワーク形状比較処理を終了する。一方、作業者が操作パネル31を操作して、第2設定モードのアイコンを選択すると(S8:NO)、制御回路30は、図示しない波形移動画面を表示させる。この波形移動画面の例としては、例えば図3の表示画面に対し、第1設定モード、第2設定モードのアイコンの代わりに、各波形の選択ボタン、波形を左に移動させる左ボタン、波形を右に移動させる右ボタン、確定ボタンが表示されたものが挙げられる。
【0035】
例えば作業者の入力操作により、各信号波形V1〜V4が図5に示す位置に移動され、確定ボタンが押下されると(S16:YES)、制御回路30は、このときの各信号波形V1〜V4の交差部位の高さの値及び時間を、基準レベル及び基準時間としてメモリ32に記憶する(S11)。
【0036】
なお、制御回路30は、基準レベルが設定済でも(S6:YES)、作業者が操作パネル31にて基準レベルの変更指示を入力した場合には(S14:YES)、S7に進む。制御回路30は、基準レベルが設定済で(S6:YES)、且つ、作業者が操作パネル31にて基準レベルの変更指示を入力しない場合には(S14:NO)、S12に進む。
【0037】
3.本実施形態の効果
本実施形態によれば、複数の信号波形V1〜V4が、基準レベルを示す基準部位X1〜X4同士を一致させた状態で表示部33の表示画面33Aに表示される。従って、複数の信号波形V1〜V4を、基準部位同士1〜X4を一致させない状態で表示させる構成に比べて、複数の信号波形V1〜Vの比較を、作業者に簡易且つ正確にさせることができる。
【0038】
また、第1設定モードを選択すれば、作業者が設定する基準レベルの値に応じて、複数の信号波形V1〜V4の表示パターンを変更させることができる。作業者は、基準レベルの値を適宜変更することにより、最も比較し易い表示パターンで複数の信号波形V1〜V4を表示させることができる。
【0039】
また、第2設定モードを選択すれば、作業者が表示画面33A上で複数の信号波形V1〜V4の位置関係を任意に変更することにより、複数の信号波形V1〜V4を比較する基準となる基準レベル及び基準部位を決定することができる。更に、一度、基準レベルを設定した後は、これ以降の抽出処理ごとに基準レベルを設定する必要がなく、メモリ32に記憶されている基準レベルを利用することができる。
【0040】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0041】
(1)上記実施形態では変位センサ11とセンサ用コントローラ12とは、信号ケーブルを介して通信可能とされていた。しかし、これに限らず、変位センサ11とセンサ用コントローラ12とが無線通信可能とされた構成でもよい。また、変位センサシステム10は、変位センサ11とセンサ用コントローラ12とが別体であったが、両者が1つの筺体により一体化されたものでもよい。また、変位センサシステム10、具体的には、センサ用コントローラ12に通信可能に接続される情報処理装置、例えばパーソナルコンピュータに、上記ワーク形状比較処理の一部または全部を実行させる構成でもよい。
【0042】
(2)上記実施形態では、制御部の一例として、FPGAによって構築された制御回路30を例に挙げた。しかし、制御部は、これに限らず、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)など、他のハード回路で構成されたものや、1または複数のCPU,ROM.RAMを有する構成でもよい。更に、制御部は、変位センサ11に設けられた制御回路21であって、当該制御回路21で図2に示すワーク形状比較処理を実行してもよい。更に、制御部は、制御回路21,30を有して構成され、これらの制御回路21,30が協働して上記ワーク形状比較処理を実行する構成でもよい。
【0043】
(3)上記実施形態では、ワークセンサ40によるワークWの検出時等をトリガとして、ワークW1つ分の測定信号SG3の取得を開始した。しかし、ワークセンサ40を利用しない構成でもよい。例えば、複数のワークW分の測定信号SG3を継続して取得し、当該測定信号SG3の信号列を、上記設定時間ごとに区切ることで、各ワークWの信号波形とする構成でもよい。また、変位センサ11からの測定信号SG3の信号レベルが所定の閾値以上になったことをトリガとして、ワークW1つ分の測定信号SG3の取得を開始してもよい。
【0044】
(4)上記実施形態では、作業者が基準レベルを設定する例を説明した。しかし、制御回路30が、ピーク値が最も低い波形の当該ピーク値や、最大値と最小値との間の値、例えば中心値を、基準レベルとして自動で設定する構成でもよい。
【0045】
(5)上記実施形態では、第1設定モードと第2設定モードを選択して実行する例を説明した。しかし、第1設定モード及び第2設定モードのいずれか1つだけを実行する構成でもよい。
【符号の説明】
【0046】
10:変位センサシステム 11:変位センサ 12:センサ用コントローラ 15:レーザダイオード 16:LD駆動回路 17:投光レンズ 18:受光レンズ 19:CCDリニアセンサ 19a:受光面 20:CCD駆動回路 30:制御回路 31:操作パネル 32:メモリ 33:表示部 33A:表示画面 SG3:測定信号 X1〜X4:基準部位 V1〜V4:信号波形 W:ワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相対的に移動する複数の測定対象物に順次、光を照射する投光部と、
前記各測定対象物からの反射光を受光する受光面を有し、その反射光の前記受光面上での受光位置に応じた位置信号を出力する位置検出部と、
表示画面を有する表示部と、
前記位置検出部から出力された前記位置信号に基づき、前記複数の測定対象物それぞれの形状に対応した複数の信号波形それぞれについて当該信号波形のうち基準レベルを示す部位である基準部位を抽出する抽出処理、及び、
前記抽出処理で抽出された前記基準部位同士を一致させた状態で、前記複数の信号波形を前記表示画面に表示させる表示処理を実行する制御部と、を備える変位センサシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の変位センサシステムであって、
作業者に前記基準レベルを任意の値に設定させる設定部を備える、変位センサシステム。
【請求項3】
請求項1に記載の変位センサシステムであって、
作業者の入力操作を受け付ける操作部を備え、
前記制御部は、前記抽出処理において、前記複数の信号波形を前記表示画面に表示させ、前記複数の信号波形の横方向における位置関係を、前記操作部での入力操作に応じて任意に決定し、その決定された位置関係にある前記複数の信号波形の交差部位の信号レベルを、前記基準レベルとして設定する、変位センサシステム。
【請求項4】
請求項2または3に記載の変位センサシステムであって、
メモリを備え、
前記制御部は、設定された前記基準レベルを前記メモリに記憶し、これ以降の前記抽出処理において前記メモリに記憶された前記基準レベルを読み出して前記基準部位を抽出する、変位センサシステム。
【請求項5】
相対的に順次移動する複数の測定対象物それぞれの形状に応じた位置信号を出力する変位センサと通信可能に接続されるセンサ用コントローラであって、
表示画面を有する表示部と、
前記変位センサから出力された前記位置信号に基づき、前記複数の測定対象物それぞれの形状に対応した複数の信号波形それぞれについて当該信号波形のうち基準レベルを示す部位である基準部位を抽出する抽出処理、及び、
前記抽出処理で抽出された前記基準部位同士を一致させた状態で、前記複数の信号波形を前記表示画面に表示させる表示処理を実行する制御部と、を備えるセンサ用コントローラ。
【請求項6】
相対的に順次移動する複数の測定対象物それぞれの形状に応じた位置信号を出力する変位センサを有する変位センサシステムと通信可能に接続され、表示画面を有する表示部を備える情報処理装置が有するコンピュータに、
前記変位センサから出力された前記位置信号に基づき、前記複数の測定対象物それぞれの形状に対応した複数の信号波形それぞれについて当該信号波形のうち基準レベルを示す部位である基準部位を抽出する抽出処理と、
前記抽出処理で抽出された前記基準部位同士を一致させた状態で、前記複数の信号波形を前記表示画面に表示させる表示処理と、を実行させる、表示制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−11566(P2013−11566A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−145791(P2011−145791)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000106221)パナソニック デバイスSUNX株式会社 (578)
【Fターム(参考)】