説明

外観検査装置

【課題】観察者の検査にかかる自由度を向上させることができる外観検査装置を提供すること。
【解決手段】観察対象の基板Wを保持する基板ホルダ21を有する基板保持装置2と、基板ホルダ21の移動方向および移動量を操作するコントローラ3とを備えた外観検査装置1であって、コントローラ3は、互いに直交する3つの軸からなり、コントローラに固定された第1座標系に対する並進または回転に基づいて定められ、基板ホルダ21が並進または回転を行なう移動方向と、基板ホルダ21の移動方向における移動量とを含む信号を基板保持装置2に送信する信号送信部34を備え、基板保持装置2は、信号送信部34によって送信された信号を受信する第1信号受信24部と、第1信号受信部24が受信した信号をもとに、互いに直交する3つの軸からなる第2座標系を基準として基板ホルダ21を駆動制御する制御部と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラットパネルディスプレイ用のガラス基板や半導体基板やプリント基板などの外観を検査する外観検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラス基板や半導体基板やプリント基板などの外観を検査する外観検査装置は、検査対象の基板表面に照明光を当てて、基板上の欠陥を目視にて検査するための装置である。基板の外観を検査する観察者は、照明光に対する基板の傾斜角度を変更させるなどして、基板上に欠陥が存在するか否かを確認する。
【0003】
ところで、近年のガラス基板等の大型化に伴って外観検査装置も大型化してきている。検査対象のガラス基板の一辺の長さは数メートルにおよぶため、観察者は、基板に沿って移動することで欠陥の確認を行なっている。この際、観察者は、基板の傾斜角度を変更して欠陥の確認を行なう必要もある。しかしながら、基板の傾斜角度を操作する操作部が固定されている場合、操作部と基板の観察位置とを往復して外観検査を行なわなければならなかった。
【0004】
上述した課題を解決しうる検査装置として、基板を保持する基板保持部の傾斜角度等を操作する複数のジョイスティックを有する可動操作部が、基板に沿って移動可能な検査装置が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1に示す検査装置によれば、基板を観察する位置において、ジョイスティックによって基板の傾斜角度、照明光入射角度および顕微鏡の位置を変更し、基板の外観検査を効率的に行なうことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−250783号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1が開示する検査装置では、可動操作部が検査装置本体に取り付けられているため、観察者は、可動操作部が動く範囲での観察に限定されてしまう。このため、観察箇所の基板位置で傾斜角度の変更ができるものの、可動操作部の近傍でしか観察ができず、観察者の検査の自由度は制限されたままであった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、観察者の検査にかかる自由度を向上させることができる外観検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる外観検査装置は、観察対象の基板を保持する基板ホルダを有する基板保持部と、該基板ホルダの移動方向および移動量を操作するコントローラとを備えた外観検査装置であって、前記コントローラは、互いに直交する3つの軸からなり、当該コントローラに固定された第1座標系に対する並進または回転に基づいて定められ、前記基板ホルダが並進または回転を行なう移動方向と、前記基板ホルダの移動方向における移動量とを含む信号を前記基板保持部に送信する信号送信部を備え、前記基板保持部は、前記信号送信部によって送信された前記信号を受信する第1信号受信部と、前記第1信号受信部が受信した前記信号をもとに、互いに直交する3つの軸からなる第2座標系を基準として前記基板ホルダを駆動制御する制御部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明にかかる外観検査装置は、基板保持部と離間して信号を送信するコントローラから得られたコントローラの移動方向、移動量を含む情報をもとに基板を移動または回転させるようにしたので、観察者の外観検査にかかる自由度を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1にかかる外観検査装置の概略構成を示す模式図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態1にかかる外観検査装置のコントローラの構成を示す模式図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態1にかかる外観検査装置の機能構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態1にかかる外観検査装置の基板(基板ホルダ)の移動および/または回転方向を示す模式図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態1にかかる外観検査装置を側面から見た部分断面図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態1にかかる外観検査装置の基板ホルダの構成を示す模式図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態1にかかる外観検査装置の基板の移動を示す図である。
【図8】図8は、本発明の実施の形態1にかかる外観検査装置の基板の移動を示す図である。
【図9】図9は、本発明の実施の形態1にかかる基板移動処理を示すフローチャートである。
【図10】図10は、本発明の実施の形態1にかかる外観検査装置の変形例1であるコントローラの動作を示す図である。
【図11】図11は、本発明の実施の形態1にかかる外観検査装置の変形例1であるコントローラの動作を示す図である。
【図12】図12は、本発明の実施の形態1にかかる外観検査装置の変形例1であるコントローラの動作を示す図である。
【図13】図13は、本発明の実施の形態1にかかる外観検査装置の変形例2である外観検査装置の概略構成を示す模式図である。
【図14】図14は、本発明の実施の形態1にかかる外観検査装置の変形例2である基板移動処理を示すフローチャートである。
【図15】図15は、本発明の実施の形態2にかかる外観検査装置の概略構成を示す模式図である。
【図16】図16は、本発明の実施の形態2にかかる外観検査装置のコントローラの構成を示す模式図である。
【図17】図17は、本発明の実施の形態2にかかる外観検査装置のコントローラの構成を示す模式図である。
【図18】図18は、本発明の実施の形態2にかかる外観検査装置の機能構成を示すブロック図である。
【図19】図19は、本発明の実施の形態2にかかる外観検査装置の欠陥領域の座標算出処理を説明する図である。
【図20】図20は、本発明の実施の形態2にかかる外観検査装置の欠陥領域の座標算出処理を説明する図である。
【図21】図21は、本発明の実施の形態2にかかる外観検査装置の欠陥領域の座標算出処理を説明する図である。
【図22】図22は、本発明の実施の形態2にかかる外観検査装置のコントローラのモニタを示す模式図である。
【図23】図23は、本発明の実施の形態3にかかる外観検査装置の概略構成を示す模式図である。
【図24】図24は、本発明の実施の形態3にかかる外観検査装置のコントローラの構成を示す模式図である。
【図25】図25は、本発明の実施の形態3にかかる外観検査装置の機能構成を示すブロック図である。
【図26】図26は、本発明の実施の形態3にかかる外観検査装置の欠陥領域の座標算出処理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。なお、以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明において参照する各図は、本発明の内容を理解でき得る程度に形状、大きさ、および位置関係を概略的に示してあるに過ぎず、従って、本発明は各図で例示された形状、大きさ、および位置関係のみに限定されるものではない。
【0012】
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1にかかる外観検査装置について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明では、FPD用のガラス基板や半導体基板やプリント基板などの基板を目視によって確認・検査する外観検査装置を例に挙げて説明する。
【0013】
図1は、本実施の形態1にかかる外観検査装置の概略構成を示す模式図である。図1に示すように、外観検査装置1は、矩形をなす基板Wを保持する基板保持部としての基板保持装置2と、観察者Mによって操作されるコントローラ3と、を備える。なお、基板保持装置2の基板Wには、たとえば、プリント配線等が実装された基板、欠陥部分に対して行うレーザ照射修復や塗布修正等の修復処理が行われた基板、配線等の寸法測定、膜厚測定、色測定などの測定処理が行なわれる前後の基板等が含まれる。
【0014】
基板保持装置2は、基板Wを保持する基板ホルダ21と、基板Wに照明光を照射する照明部22と、基板保持装置2の外部から基板ホルダ21に保持された基板Wを確認するための窓23と、コントローラ3からの信号を受信する第1信号受信部24とを備える。
【0015】
基板ホルダ21は、コントローラ3の操作によって互いに直交する3つの軸の回りの回転および各軸方向の並進が可能である。図1では、この3つの軸として、水平方向、図の奥行き方向および鉛直方向に移動可能であるとともに、これらの方向の軸を中心軸として回転させて、観察者Mに対する基板Wの位置および/または傾斜角度を変更させることができる。
【0016】
第1信号受信部24は、所定の形式にしたがった情報の送受信を行うインターフェースとしての機能を有し、コントローラ3と無線通信によって情報の送受信を行なう。また、第1信号受信部24は、受信したコントローラ3からの信号を制御部41に入力する。なお、第1信号受信部24は、コントローラ3からの信号を受信するとともに、コントローラ3側に信号を送信することも可能である。また、信号の送受信は、無線LAN等の図示しない通信ネットワークを介してもよい。
【0017】
コントローラ3は、図2に示すように、本体部30の主面Sa側に並進ボタン31および回転ボタン32が配設され、本体部30の側面には速度変更ボタン33が配設されている。また、本体部30の長手方向の一端側であってコントローラ3をユーザが通常の持ち方で持った場合の前方側(図2の上端側)には、第1信号受信部24に信号を送信する信号送信部34が設けられている。
【0018】
コントローラ3は、モーションセンサ等の図示しないセンサを有し、このセンサによって定まるコントローラ3に固定された互いに直交する3つの軸からなる第1座標系(X軸、Y軸、Z軸)に対する並進または回転に基づいて、基板ホルダを水平方向、奥行き方向および鉛直方向の各方向に移動または回転させるための信号を基板保持装置2側に送信する。
【0019】
コントローラ3は、並進ボタン31または回転ボタン32が押下された状態でX軸、Y軸およびZ軸に沿った動作により、基板ホルダ21に保持された基板Wの位置および/または傾斜角度を変更させるための信号を信号送信部34から第1信号受信部24に送信する。
【0020】
並進ボタン31は、基板ホルダ21の各軸方向に対する並進を指示する信号として設定する信号を入力する。また、回転ボタン32は、基板ホルダ21の各軸を中心軸とする回転を指示する信号として設定する信号を入力する。
【0021】
速度変更ボタン33は、基板Wの並進または回転の速度を低速、中速、高速の3段階で切り替えることができる。なお、コントローラ3に速度変更ボタン33を配設せずに、コントローラ3の移動速度(加速度)によって、並進または回転の速度を低速、中速、高速の3段階で切り替えるようにすることも可能である。
【0022】
信号送信部34は、所定の形式にしたがった情報の送受信を行うインターフェースとしての機能を有し、基板保持装置2の第1信号受信部24と無線通信によって情報の送受信を行なう。
【0023】
図3は、外観検査装置1の機能構成を示すブロック図である。基板保持装置2は、上述した照明部22および第1信号受信部24と、基板保持装置2全体の制御を行なう制御部200と、基板ホルダ21等を駆動させる駆動部210と、基板Wの情報等の各種情報を出力する出力部211と、検査対象の基板の処理に必要な諸情報や指示情報等を入力する入力部212とを有する。
【0024】
制御部200は、CPU等を用いて構成され、基板保持装置2の各部の処理および動作を制御する。制御部200は、各構成部位に入出力される情報について所定の入出力制御を行い、かつ、この情報に対して所定の情報処理を行う。
【0025】
出力部211は、ディスプレイ、プリンタ、スピーカー等を用いて構成される。また、入力部211は、キーボード、マウス、マイクロフォン等を用いて構成される。
【0026】
また、制御部200は、水平方向、奥行き方向および鉛直方向への基板Wの並進、または水平方向、奥行き方向および鉛直方向のいずれかの方向の軸を中心軸として基板Wを回転させるかを判断する移動方向判断部201と、移動方向判断部201で判断された移動方向または回転方向に対する基板Wの移動量を判断する移動量判断部202とを有する。移動方向判断部201および移動量判断部202は、信号受信部24が受信した信号をもとに、基板Wの移動方向または回転方向、移動量を判断する。
【0027】
コントローラ3は、上述した信号送信部34と、コントローラ3全体の制御を行なう制御部300と、基板Wの移動にかかる移動方向、回転方向、移動速度等を指示入力する入力部310とを備える。
【0028】
制御部300は、CPU等を用いて構成され、コントローラ3の各部の処理および動作を制御する。制御部51は、各構成部位に入出力される情報について所定の入出力制御を行い、かつ、この情報に対して所定の情報処理を行う。
【0029】
入力部310は、たとえば、図3に示す並進ボタン31が押下されている場合、制御部300に対して並進ボタン31が押下されている旨の情報を出力する。制御部300は、入力部310からの情報と、図示しないセンサ等によるコントローラ3の移動方向、移動量の情報とを含む信号を信号送信部34に出力する。
【0030】
上述した外観検査装置1では、コントローラ3から送信される信号が、第1信号受信部24に受信され、受信された信号が制御部41に出力されると、駆動制御信号に変換され、この駆動制御信号をもとに、制御部200によって移動方向または回転方向、および移動量が判断された後、制御部200の制御のもと、駆動部210が基板ホルダ21を移動させる。
【0031】
つぎに、基板ホルダ21の駆動について、図4〜8を参照して説明する。図4は、基板W(基板ホルダ21)の移動および/または回転方向を示す模式図である。基板ホルダ21は、図4に示すように、基板ホルダ21が移動する水平方向、奥行き方向および鉛直方向に対応する第2座標系(x軸、y軸、z軸)に対して並進Tx,Ty,Tz、またはx軸、y軸およびz軸を中心軸とする回転Rx,Ry,Rzが可能である。なお、第2座標系(x軸、y軸、z軸)は、コントローラ3の第1座標系(X軸、Y軸、Z軸)にそれぞれ対応付けされている。
【0032】
図5は、外観検査装置1を側面から見た部分断面図である。図5に示す基板保持装置2は、基板Wを保持する基板ホルダ21を支持して回転Rxで回転させる回転軸25と、回転軸25を保持し、並進Tyが可能であるとともに、回転Rzで回転可能な支柱26とを有する。なお、y軸およびz軸は、x軸方向の基板ホルダ21の中央を中心とする軸をなす。
【0033】
また、図6は、基板ホルダ21の構成を示す模式図である。図6に示す基板ホルダ21は、基板Wの面がx−z平面と平行に保持された状態を示し、回転軸25によって回転Rxを行なう第1基板ホルダ21aと、第1基板ホルダ21aに保持され、並進Tzを行なう第2基板ホルダ21bと、第2基板ホルダ21bに保持され、並進Txを行なう第3基板ホルダ21cと、第3基板ホルダ21cに保持され、基板Wを支持するとともに、回転Ryを行なう第4基板ホルダ21dとを有する。なお、この場合、y軸にかかる回転の中心軸は、y軸と平行な軸であって基板ホルダ21の中央に位置している。
【0034】
なお、第4基板ホルダ21dは、吸着によって基板Wを支持してもよいし、支持部材によって基板Wを固定して支持してもよい。また、駆動部210は、第2基板ホルダ21bと第3基板ホルダ21cとを図示しないリニアモータ等によって駆動し、第4基板ホルダ21dを図示しない回転モータ等によって回転させる。
【0035】
つづいて、基板W(基板保持部21)の移動について図7,8を参照して説明する。図7は、観察者Mによって並進ボタン31が押下された状態でZ軸方向にコントローラ3が移動された場合であって、第2基板ホルダ21bのz軸方向への移動(並進Tz)を示している。制御部200は、駆動制御信号をもとに移動方向判断部201および移動量判断部202がそれぞれ判断した移動方向(回転方向)及び移動量に基板ホルダ21、ここでは、第2基板ホルダ21bを移動させる。
【0036】
また、図8は、図7の状態に基板Wが移動した後、観察者Mによってコントローラ3において回転ボタン32が押下された状態でY軸方向にコントローラ3が移動した場合であって、第4基板ホルダ21dがy軸に平行な軸を中心軸として回転したことを示している。コントローラ3において、回転ボタン32が押下された場合、移動方向判断部201は、コントローラ3がX軸、Y軸またはZ軸のうち移動した方向の軸に対応する軸(x軸、y軸またはz軸)を中心軸として判断する。
【0037】
なお、基板ホルダ21の移動の停止は、並進ボタン31または回転ボタン32が押下された状態でコントローラ3の動作が終了した際であってもよいし、並進ボタン31または回転ボタン32の押下が解除された際であってもよい。すなわち、基板ホルダ21の移動量は、コントローラ3の動作時間(量)または並進ボタン31または回転ボタン32の押下時間により決定される。
【0038】
ここで、基板保持装置2が行なう基板移動の流れを、図9を参照して説明する。図9は、本実施の形態1にかかる基板移動処理を示すフローチャートである。まず、制御部20は、コントローラ3から信号を受信すると、信号を駆動制御信号に変換する(ステップS102)。
【0039】
制御部200は、移動方向判断部201に対して、押下されたボタンが並進ボタン31であるか回転ボタンであるかを判断させる(ステップS104)。ステップS104において、移動方向判断部201は、押下されたボタンが並進ボタン31であると判断すると(ステップS104:並進)、移動方向がx軸、y軸およびz軸のうちどの軸方向であるかを判断する(ステップS106)。
【0040】
移動方向判断部201によって移動方向の軸が決定されると、制御部200は、移動量判断部202に駆動制御信号をもとに、移動量を算出させる(ステップS108)。その後、制御部200は、駆動部210に得られた移動方向および移動量に基板W(基板ホルダ21)を移動させ(ステップS110)、移動後、基板移動処理を終了する。
【0041】
一方、ステップS104において、移動方向判断部201は、押下されたボタンが回転ボタン32であると判断すると(ステップS104:回転)、回転軸がx軸、y軸およびz軸のうちどの軸であるかを判断する(ステップS112)。
【0042】
移動方向判断部201によって回転軸が決定されると、制御部200は、移動量判断部202に駆動制御信号をもとに、移動量(回転角)を算出させる(ステップS114)。その後、制御部200は、駆動部210に決定された中心軸および移動量に基板W(基板ホルダ21)を回転させ(ステップS116)、回転後、基板移動処理を終了する。
【0043】
上述した実施の形態1にかかる外観検査装置によれば、コントローラから得られたコントローラの移動方向、移動量を含む信号をもとに基板を並進および/または回転させるようにしたので、観察者の検査場所が限定されることなく、かつ直感的に基板の位置および角度を調節することができるため、観察者の外観検査にかかる自由度を向上させることが可能となる。
【0044】
なお、上述した実施の形態1において、照明部22に対してもコントローラ3で操作可能としてもよい。この場合、コントローラ3に照明操作ボタンを配設することによって、上述した移動処理を照明部22に対しても行なって、基板Wに対する照明光の照射角度を変更させることができる。また、外観検査装置(基板保持装置)が顕微鏡、撮像装置等を有する場合、その駆動系(レンズの駆動、撮像範囲の調節等)に対して移動(回転)処理を行わせることが可能である。ここで、基板ホルダ操作用のコントローラと照明部操作用のコントローラとを別個用意して、それぞれのコントローラで基板ホルダおよび照明部を操作してもよい。
【0045】
また、1つのコントローラによって、複数の基板保持装置の各基板ホルダを駆動するようにすることも可能である。この場合、赤外線、バーコードリーダ、Bluetooth(登録商標)等を用いて操作対象の基板保持装置にコントローラを登録して操作してもよいし、基板保持装置とコントローラとの距離に応じて操作する基板保持装置を切り替えてもよいし、コントローラに装置選択ボタンを配設してもよい。
【0046】
(変形例)
図10〜12は、本発明の実施の形態1にかかる外観検査装置の変形例1であるコントローラ3の動作を示す図である。コントローラ3が有する固有の座標系(X軸、Y軸、Z軸)において、図5のx軸を中心軸として基板Wを回転させる場合、観察者Mは、例えば、図10に示すように、コントローラ3を弧状移動させることによってX軸の回りに回転させる。この場合においても、本体部30の進行方向に位置する端部が常に進行方向を向いていることが好ましく、本体部30の主面Saは、軌跡の外周または内周の一方向を向いた状態で回転されればより好ましい。なお、Y軸およびZ軸についても同様の動作で図5に示すy軸およびz軸それぞれを中心軸として回転させることができる。
【0047】
また、図8に示すようにy軸に平行な中心軸で基板Wを回転させる場合、観察者Mは、例えば、図11に示すように、Y軸の回りにコントローラ3を回転させる。このとき、本体部30の進行方向に位置する端部が常に進行方向を向いていることが好ましく、本体部30の主面Saは、軌跡の外周または内周の一方向を向いた状態で回転されればより好ましい。なお、X軸およびZ軸についても同様の動作で図5に示すx軸およびz軸それぞれを中心軸として回転させることができる。
【0048】
さらに、図5に示すz軸を中心軸として基板Wを回転させる場合、観察者Mは、例えば、図12に示すように、Z軸の回り(X−Y平面)にコントローラ3を回転させる。この場合も、本体部30の主面Saは、軌跡の外周または内周の一方向を向いた状態で回転されることが好ましい。なお、Y−Z平面およびX−Z平面についても同様の動作で図5に示すx軸およびy軸それぞれを中心軸として回転させることができる。
【0049】
上述した変形例1にかかるコントローラ3の動作によって、より直感的に基板の回転操作を行なうことを可能とする。なお、この変形例1にかかる操作の場合は、移動ボタンまたは回転ボタンを押下しない場合であっても基板の軸方向の移動および回転を制御することが可能となる。例えば、図10に示す動作によってx軸を中心軸とする回転、図11に示す動作によってy軸を中心軸とする回転、図12に示す動作によってz軸を中心軸とする回転となる割り当てを行なうことで実現することができる。
【0050】
図13は、本実施の形態1にかかる外観検査装置の変形例2である外観検査装置の概略構成を示す模式図である。図13に示す外観検査装置1aは、矩形をなす基板Wを保持する基板保持装置2aと、観察者Mによって操作されるコントローラ3と、を備える。
【0051】
基板保持装置2aは、上述した基板ホルダ21、照明部22、窓23および第1信号受信部24と、コントローラ3の動作に応じて光、音等を出力する報知部27とを備える。
【0052】
図14は、本発明の実施の形態1にかかる外観検査装置の変形例2である基板移動処理を示すフローチャートである。まず、制御部200は、図9に示す基板移動処理と同様に、コントローラ3から信号を受信すると、信号を駆動制御信号に変換する(ステップS202)。
【0053】
制御部200は、駆動制御信号をもとに、並進ボタン31または回転ボタン32等の入力部310の入力ボタン(並進ボタン31または回転ボタン32)が押下されているか否かを判断する(ステップS204)。このとき、入力ボタンが押下されている場合(ステップS204:Yes)、制御部200は、上述した基板移動処理(ステップS104〜S116)に対応する処理(ステップS206〜S218)を行う。
【0054】
一方、入力ボタンが押下されていない場合(ステップS204:No)、制御部200は、駆動制御信号をもとに、コントローラ3の加速度を算出し、この加速度が閾値を超えているか否かを判断する(ステップS220)。加速度が閾値を超えていない場合(ステップS220:No)、制御部200は、基板移動処理を終了する。
【0055】
また、加速度が閾値を超えている場合(ステップS220:Yes)、制御部200は、コントローラ3の操作異常であると判断し、出力部211に操作異常である旨の情報を出力して報知部27に報知処理を行なわせ(ステップS222)、報知後、基板移動処理を終了する。
【0056】
上述した変形例2にかかる外観検査装置1aによれば、コントローラ3の操作が異常である場合に、基板Wの移動処理は行わずに、報知処理を行うため、コントローラ3の落下等による基板Wの無駄な移動を防止するとともに、観察者Mに対してコントローラ3の操作異常がある旨を報知することができる。
【0057】
また、コントローラ3の操作異常をより確実に防止するために、コントローラ3にストラップが取り付けられていることが好ましい。なお、このストラップは、手首に挿通可能な環状をなすものであってもよいし、首から下げられる程度の環状をなすものであってもよい。
【0058】
(実施の形態2)
図15は、本実施の形態2にかかる外観検査装置の概略構成を示す模式図である。図15に示すように、外観検査装置4は、上述した第2座標系を有し、矩形をなす基板Wを保持する基板保持装置2bと、上述した第1座標系を有し、観察者Mによって操作されるコントローラ3aと、を備える。なお、基板保持装置2bの基板Wには、たとえば、プリント配線等が実装された基板、欠陥部分に対して行うレーザ照射修復や塗布修正等の修復処理が行われた基板、配線等の寸法測定、膜厚測定、色測定などの測定処理が行なわれる前後の基板等が含まれる。
【0059】
基板保持装置2bは、実施の形態1と同様の構成を有する照明部22および窓23と、コントローラ3aからの信号を受信するとともに、赤外線の照射の有無を確認する送受信部24aと、基板Wを保持する基板ホルダ28と、を備える。
【0060】
基板ホルダ28は、実施の形態1と同様に、コントローラ3aの操作によって、保持する基板Wをx軸、y軸およびz軸方向に移動可能であるとともに、これらの軸を中心軸として回転させて、観察者Mに対する基板Wの位置および/または角度を変更させることができる。また、基板ホルダ28は、コントローラ3aからのレーザを受信する第2信号受信部29を有する。
【0061】
コントローラ3aは、図16,17に示すように、本体部30aの主面Sa側に上述した並進ボタン31、回転ボタン32および速度変更ボタン33が配設され、さらにレーザ送信ボタン36が配設されている。また、本体部30aの長手方向の先端側には、第1信号受信部24aに信号を送信するとともに基板保持装置2bからの信号を受信する送受信部35と、レーザを送信するレーザ送信部35aとが設けられている。図17に示すように、本体部30aの背面Sbには、モニタ37が設けられている。なお、モニタ37は、主面Saに設けられていてもよい。
【0062】
図18は、本実施の形態2にかかる外観検査装置4の機能構成を示すブロック図である。基板保持装置2bは、上述した照明部22、送受信部24a、駆動部210、出力部211および入力部212と、基板Wを保持する基板ホルダ28と、レーザ送信部35aが送信したレーザを受信する第2信号受信部29と、基板保持装置2b全体の制御を行なう制御部203とを備える。
【0063】
制御部203は、CPU等を用いて構成され、基板保持装置2bの各部の処理および動作を制御する。制御部203は、各構成部位に入出力される情報について所定の入出力制御を行い、かつ、この情報に対して所定の情報処理を行う。制御部203は、送受信部24aを介してコントローラ3におけるレーザ送信ボタン36の押下状態を確認する。
【0064】
また、制御部203は、上述した移動方向判断部201および移動量判断部202と、レーザが照射されている間のコントローラ3aの移動方向および移動量をもとに、レーザの照射終了時のコントローラ3が指し示す基板ホルダ28上の座標を算出する座標算出部204とを備える。
【0065】
送受信部24aは、所定の形式にしたがった情報の送受信を行うインターフェースとしての機能を有し、コントローラ3aの送受信部35と無線通信によって接続されている。送受信部24aは、コントローラ3aからの信号を受信するとともに、コントローラ3a側に信号を送信する。
【0066】
コントローラ3aは、上述した送受信部35およびレーザ送信部35aと、コントローラ3a全体の制御を行なう制御部301と、基板Wの移動にかかる移動方向、回転方向、移動速度およびレーザの送信等を指示入力する入力部311と、基板Wの情報等の各種情報を出力するモニタとしての出力部37とを備える。
【0067】
制御部301は、CPU等を用いて構成され、コントローラ3aの各部の処理および動作を制御する。制御部301は、各構成部位に入出力される情報について所定の入出力制御を行い、かつ、この情報に対して所定の情報処理を行う。
【0068】
送受信部35は、所定の形式にしたがった情報の送受信を行うインターフェースとしての機能を有し、基板保持装置2bの送受信部24aと無線通信によって接続されている。
【0069】
レーザ送信部35aは、観察者Mによってレーザ送信ボタン36が押下されると、制御部301の制御のもと、レーザを送信する。
【0070】
上述した外観検査装置4では、コントローラ3aから送信される信号が、第1信号受信部24aで受信され、受信された信号が制御部203に出力されると、駆動制御信号に変換され、この駆動制御信号をもとに、制御部203によって移動方向または回転方向、および移動量が判断された後、駆動部210が基板ホルダ21を駆動して基板Wが移動する。また、レーザ送信ボタン36の押下によってコントローラ3aからレーザが発射され、第2信号受信部29がレーザを受信すると、第2信号受信部29は、レーザを受信した旨の情報を制御部203に出力する。
【0071】
つぎに、本実施の形態2にかかる外観検査装置の欠陥領域の座標算出処理について、図19〜21を参照して説明する。まず、観察者Mは、コントローラ3aのレーザ送信ボタン36を押下して、コントローラ3a(レーザ送信部35a)からレーザを発射させ、図19に示すように、基板ホルダ28の第2信号受信部29にレーザを照射する。このとき、第2信号受信部29がレーザを受信すると、レーザを受信した旨の情報を制御部203に出力する。レーザを第2信号受信部29に受信させることによって、座標算出部204は、欠陥領域Qの座標を測定するための基準位置として第2信号受信部29を登録する。
【0072】
その後、観察者Mは、レーザ送信ボタン36を押下した状態を維持しながら、欠陥領域Qまでレーザを移動させる(図20参照)。このときレーザは、ポインタとしての役割を有し、コントローラ3aによって容易に欠陥領域Qを指し示すことができる。観察者Mは、コントローラ3aによって欠陥領域Qを指し示すと、レーザ送信ボタン36の押下状態を解除する。
【0073】
レーザ送信ボタン36の押下状態が解除されると、制御部203は、レーザの照射が終了した時点のコントローラ3aが指し示す座標を、第2信号受信部29がレーザを受信したタイミング(基準)をもとに欠陥領域Qの座標を算出する指示信号を座標算出部204に出力する(図21参照)。
【0074】
座標算出部204は、第2信号受信部29の基準位置情報をもとに、送受信部24aが得たコントローラ3aの移動方向および移動量を用いて、欠陥領域Qの基板ホルダ28上の座標を算出する。この座標は、基板ホルダ28に対する相対的な座標として算出される。算出された欠陥領域の座標は、基板保持装置2bの図示しない記憶部に記憶される。
【0075】
座標算出部204によって座標が算出された欠陥領域Qは、図22に示すように、モニタ37に欠陥位置表示Mqとして表示される。モニタ37には、基板Wと欠陥位置表示Mqとの画像が表示される。コントローラ3は、モニタ37の表示画面上で、図示しない撮像部によって撮像され、送受信部24a,35を介して受信した基板Wの画像を基板ホルダ28の位置に対応させて表示する。図22に示す表示画像では、基板Wが、たとえば、1枚の基板Wから液晶パネルWaが4枚切り出せる基板を示しており、この基板Wの画像と座標算出された欠陥位置表示Mqの画像との合成画像が表示される。
【0076】
上述した実施の形態2にかかる外観検査装置によれば、実施の形態1と同様に、コントローラから得られたコントローラの移動方向、移動量を含む信号をもとに基板を移動および/または回転させるようにしたので、観察者の検査場所が限定されることなく、かつ直感的に基板の位置および角度を調節することができるため、観察者の外観検査にかかる自由度を向上させることが可能となる。さらに、コントローラによって欠陥領域を指し示すことで欠陥領域の座標を算出して、指し示した欠陥領域をモニタに合成表示させることができ、再度基板を観察する際の欠陥の確認が容易となる。なお、第2信号受信部は、基板ホルダ上であって、基準位置として登録可能であれば、如何なる位置に設けられてもよい。
【0077】
(実施の形態3)
図23は、本発明の実施の形態3にかかる外観検査装置の概略構成を示す模式図である。また、図24は、本実施の形態3にかかる外観検査装置のコントローラの構成を示す模式図である。図23に示すように、外観検査装置5は、上述した第2座標系を有し、矩形をなす基板Wを保持する基板保持装置2cと、上述した第1座標系を有し、観察者Mによって操作されるコントローラ3bと、を備える。
【0078】
基板保持装置2cは、実施の形態1と同様の構成を有する照明部22および窓23と、第1信号受信部24bと、基板Wを保持する基板ホルダ28aと、を備える。
【0079】
基板ホルダ28aは、実施の形態1と同様に、コントローラ3bの操作によって、保持する基板Wをx軸、y軸およびz軸方向に移動可能であるとともに、これらの軸を中心軸として回転させて、観察者Mに対する基板Wの位置および/または角度を変更させることができる。また、基板ホルダ28aは、基板ホルダ28aの角部に設けられ、基板ホルダ28aからコントローラ3b側に赤外線を送信する4つの赤外線送信部29a〜29dを有する。
【0080】
コントローラ3bは、図24に示すように、本体部30bの主面Sa側に並進ボタン31、回転ボタン32および速度変更ボタン33が配設され、さらに撮像ボタン39が配設されている。また、本体部30bの長手方向の先端側には、送受信部24bに信号を送信する信号送信部35が設けられている。また、本体部30bの側面には、送受信部35に隣接して撮像部38が設けられている。なお、コントローラ3bは、図17に示すようなモニタ37を有する。
【0081】
コントローラ3bは、並進ボタン31または回転ボタン32が押下された状態でx軸、y軸またはz軸方向に移動することで、基板ホルダ28aに保持された基板Wの位置および/または角度を変更させるための信号を信号送信部34から第1信号受信部24bに送信する。また、撮像部38は、基板W等の画像のほか、送信部29a〜29dが発する赤外線を捕捉して撮像することができる。
【0082】
図25は、本実施の形態3にかかる外観検査装置5の機能構成を示すブロック図である。基板保持装置2cは、上述した照明部22、送受信部24bと、基板Wを保持する基板ホルダ28a、赤外線送信部29a〜29d、駆動部210、出力部211および入力部212と、基板保持装置2c全体の制御を行なう制御部205とを備える。
【0083】
制御部205は、CPU等を用いて構成され、基板保持装置2cの各部の処理および動作を制御する。制御部205は、各構成部位に入出力される情報について所定の入出力制御を行い、かつ、この情報に対して所定の情報処理を行う。
【0084】
また、制御部205は、上述した移動方向判断部201および移動量判断部202と、赤外線送信部29a〜29dによって送信された赤外線をもとにコントローラ3が指し示す座標を算出する座標算出部206とを備える。
【0085】
座標算出部206は、図26に示すように、コントローラ3bが撮像した画像中の赤外線の入射角をもとに、コントローラ3bが撮像時に指し示した欠陥領域Qの基板ホルダ28a上の座標を算出する。座標算出部206は、撮像部38が撮像した画像中の送信部29a〜29dのそれぞれの入射角を用いることによって、コントローラ3bの基板ホルダ28aに対する相対的な傾斜角度を求め、この傾斜角度をもとにコントローラ3bが指し示す位置の座標を算出する。なお、座標算出部206は、上述した赤外線の入射角度と、画像中の送信部29a〜29dの配置とを用いてコントローラ3bの傾斜角度を算出してもよい。
【0086】
コントローラ3bは、上述した送受信部35、レーザ送信部35a、出力部37および撮像部38と、コントローラ3a全体の制御を行なう制御部302と、基板Wの移動にかかる移動方向、回転方向、移動速度およびレーザの送信、撮像等を指示入力する入力部312とを備える。制御部302は、観察者Mによって撮像ボタン39が押下されると、撮像部38に撮像処理を行わせる。なお、レーザ送信部35aおよびレーザ送信ボタン36は、欠陥位置Qを指し示す補助的な役割を示すために用いられる。
【0087】
上述した外観検査装置5では、コントローラ3bから送信される信号が、送受信部24bから制御部205に出力されると、駆動制御信号に変換され、この駆動制御信号をもとに、制御部205によって移動方向または回転方向、および移動量が判断された後、制御部205の制御のもと、駆動部210が基板ホルダ28aを駆動して基板Wが移動する。また、外観検査装置5は、撮像部38が撮像した撮像画像をもとに座標算出部206が算出した欠陥領域Qの座標を算出し、欠陥領域の表示を行なうことができる。
【0088】
上述した本実施の形態3によっても、実施の形態1,2と同様に、コントローラから得られたコントローラの移動方向、移動量を含む3次元情報をもとに基板を移動および/または回転させるようにしたので、観察者の検査場所が限定されることなく、かつ直感的に基板の位置および角度を調節することができるため、観察者の外観検査にかかる自由度を向上させることが可能となる。さらに、コントローラによって欠陥領域を指し示して画像を撮像することで欠陥領域の座標を算出して、指し示した欠陥領域をモニタに表示させることができ、再度基板を観察する際の欠陥の確認が容易となる。
【0089】
上述した実施の形態1〜3にかかる外観検査装置において、基板保持装置とコントローラとは、無線によって接続されているものとして説明したが、有線によって接続されていてもよい。この場合、基板保持装置とコントローラとを接続するケーブルは、観察者の移動を妨げない程度の長さを有していることが好ましい。
【0090】
また、上述したコントローラによって、複数台の基板保持装置を操作することも可能である。この場合、コントローラに操作対象の基板保持装置を選択可能なボタン等を配設することで実現することができる。
【0091】
なお、上述した基板ホルダは、国際公開第2001/022069号公報に記載されているようなアクチュエータで構成されるものであってもよい。
【0092】
以上のように、本発明にかかる外観検査装置は、観察対象物の観察を行なう観察者の自由度を向上させることに有用である。
【符号の説明】
【0093】
1,1a,4,5 外観検査装置
2,2a,2b,2c 基板保持装置
3,3a,3b コントローラ
21,28,28a 基板ホルダ
22 照明部
23 窓
24 第1信号受信部
24a,24b,35 送受信部
25 回転軸
26 支柱
27 報知部
29 第2信号受信部
29a〜29d 赤外線送信部
30,30a,30b 本体部
31 並進ボタン
32 回転ボタン
33 速度変更ボタン
34 信号送信部
35a レーザ送信部
36 レーザ送信ボタン
37 モニタ(出力部)
38 撮像部
39 撮像ボタン
200,203,205,300,301,302 制御部
201 移動方向判断部
202 移動量判断部
204,206 座標算出部
210 駆動部
211 出力部
212 入力部
310,311,312 入力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
観察対象の基板を保持する基板ホルダを有する基板保持部と、該基板ホルダの移動方向および移動量を操作するコントローラとを備えた外観検査装置であって、
前記コントローラは、
互いに直交する3つの軸からなり、当該コントローラに固定された第1座標系に対する並進または回転に基づいて定められ、前記基板ホルダが並進または回転を行なう移動方向と、前記基板ホルダの移動方向における移動量とを含む信号を前記基板保持部に送信する信号送信部を備え、
前記基板保持部は、
前記信号送信部によって送信された前記信号を受信する第1信号受信部と、
前記第1信号受信部が受信した前記信号をもとに、互いに直交する3つの軸からなる第2座標系を基準として前記基板ホルダを駆動制御する制御部と、
を備えたことを特徴とする外観検査装置。
【請求項2】
前記コントローラは、レーザを送信するレーザ送信部を有し、
前記基板保持部は、
前記基板ホルダに設けられ、前記レーザ送信部から送信されたレーザを受信する第2信号受信部と、
前記第2信号受信部を基準として、前記レーザ送信部からのレーザの送信が終了した時点で前記コントローラが指し示す前記基板ホルダ上の座標を算出する座標算出部と、
前記座標算出部で算出された座標に対応する位置情報を表示出力する出力部と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の外観検査装置。
【請求項3】
前記コントローラは、赤外線を捕捉して撮像可能な撮像部を有し、
前記基板保持部は、
前記基板ホルダから外部へ向けて前記赤外線を送信する複数の赤外線送信部と、
前記複数の赤外線送信部が送信する赤外線の入射角をもとに、前記コントローラが指し示す前記基板ホルダ上の座標を算出する座標算出部と、
前記座標算出部で算出された座標に対応する位置情報を表示出力する出力部と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の外観検査装置。
【請求項4】
前記コントローラは、
前記信号送信部が送信する前記信号を前記基板ホルダの前記第2座標系に対する並進を指示する信号として設定する信号を入力する並進ボタンと、
前記信号送信部が送信する前記信号を前記基板ホルダの前記第2座標系に対する回転を指示する信号として設定する信号を入力する回転ボタンと、
を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の外観検査装置。
【請求項5】
前記基板保持部は、前記コントローラの操作異常を報知する報知部を有し、
前記制御部は、前記並進ボタンまたは前記回転ボタンによる入力状態と、該コントローラの加速度とをもとに、前記コントローラの操作異常の有無を判断することを特徴とする請求項4に記載の外観検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2012−18145(P2012−18145A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−157212(P2010−157212)
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】