説明

多層レジスト積層体用剥離液及び多層レジスト積層体の処理方法

【課題】レジスト膜とその下層となる被膜とを同時に剥離することができる、レジスト剥離液を提供すること。
【解決手段】基板上に直接、又は他の層を介して形成される無機系レジスト下層膜と、前記無機系レジスト下層膜上に形成されるレジスト膜と、を有する多層レジスト積層体において、前記無機系レジスト下層膜及び前記レジスト膜を除去するために用いられる多層レジスト積層体用剥離液であって、(A)4級アンモニウム水酸化物、(B)水溶性有機溶剤、及び(C)水を含む多層レジスト積層体用剥離液。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層レジスト積層体用剥離液及び多層レジスト積層体の処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LSIの高集積化と高速度化に伴い、パターンルールの微細化が求められている中、汎用技術として用いられているフォトリソグラフィーにおいては、照射光の波長に由来する解像度の限界に近づきつつある。
【0003】
レジストパターン形成の際に使用するリソグラフィー用の光源としては、水銀灯のg線(436nm)、又はi線(365nm)が広く用いられていた。ここで、レジストパターンの更なる微細化のための手段として、照射光を短波長化する方法が有効とされてきた。このような短波長化された照射光の光源としては、KrFエキシマレーザー(248nm)や、ArFエキシマレーザー(193nm)が用いられている。
【0004】
一方、近年のパターンルールの急激な微細化に伴いレジスト膜の薄膜化が進行し、これによるレジストパターンのエッチング耐性の低下が問題となっていた。このような問題を解決する手段として、多層レジストプロセスが有効であるとされている。多層レジストプロセスとしては、レジスト膜と有機系レジスト下層膜との間にケイ素原子を含有する無機系レジスト下層膜を形成する3層レジストプロセスが知られている(非特許文献1参照)。
【0005】
ここで、基板上に積層体を形成し、積層体を構成するレジスト膜をパターニングする場合において、レジスト膜が適正にパターニングされなかった場合には、レジスト膜を除去して、レジスト膜が除去された積層体に再度レジスト膜を形成することが検討されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】J.Vac.Sci.Technol.,16(6),Nov./Dec.1979
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、多層レジストプロセスにおいては、レジスト膜のパターニング或いはレジスト膜の除去の際に無機系レジスト下層膜の表面が現像液又はレジスト剥離液に接触するため、当該無機系レジスト下層膜に変性又は荒れが生じる。そのため、再度レジスト膜を形成し、パターニングする際において、レジスト膜が適正にパターニングされない場合がある。
【0008】
本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものであり、レジスト膜と無機系レジスト下層膜とを同時に剥離することができる、多層レジスト積層体用剥離液を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、(A)4級アンモニウム水酸化物、(B)水溶性有機溶剤、及び(C)水を含む多層レジスト積層体用剥離液を用いたとき、レジスト膜と無機系レジスト下層膜とを同時に剥離できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
具体的には、本発明は以下のものを提供する。
【0011】
本発明の第一の態様は、基板上に直接、又は他の層を介して形成される無機系レジスト下層膜と、前記無機系レジスト下層膜上に形成されるレジスト膜と、を有する多層レジスト積層体において、前記無機系レジスト下層膜及び前記レジスト膜を除去するために用いられる多層レジスト積層体用剥離液であって、(A)4級アンモニウム水酸化物、(B)水溶性有機溶剤、及び(C)水を含む多層レジスト積層体用剥離液である。
【0012】
また、本発明の第二の態様は、基板上に直接、又は他の層を介して形成される無機系レジスト下層膜と、前記無機系レジスト下層膜上に形成されるレジスト膜と、を有する多層レジスト積層体から、本発明の多層レジスト積層体用剥離液を用いて、前記レジスト膜と、前記無機系レジスト下層膜とを除去する多層レジスト積層体の処理方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の多層レジスト積層体用剥離液によれば、レジスト膜とその下層に形成される無機系レジスト下層膜とを同時に剥離できるため、適正にパターニングされなかったレジスト膜及び無機系レジスト下層膜の剥離後、無機系レジスト下層膜と、レジスト膜とを再度形成してパターン形成することができる。また、本発明の多層レジスト積層体剥離液を用いて無機系レジスト下層膜を剥離した場合、パターン形成後の工程に影響を与えることがない。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0015】
<多層レジスト積層体用剥離液>
本発明の多層レジスト積層体用剥離液は、基板上に直接、又は他の層を介して形成される無機系レジスト下層膜と、前記無機系レジスト下層膜上に形成されるレジスト膜と、を有する多層レジスト積層体において、前記無機系レジスト下層膜及び前記レジスト膜を除去するために用いられる多層レジスト積層体用剥離液であって、(A)4級アンモニウム水酸化物、(B)水溶性有機溶剤、及び(C)水を含む。更に、本発明の多層レジスト剥離液は、防食剤、無機塩基を含んでいてもよい。
【0016】
[(A)4級アンモニウム水酸化物]
本発明の多層レジスト積層体用剥離液は、4級アンモニウム水酸化物を含む。4級アンモニウム水酸化物を配合することにより、レジスト膜や無機系レジスト下層膜の剥離性を向上させることができる。
【0017】
上記4級アンモニウム水酸化物としては、下記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
【化1】

[上記一般式(1)において、RからRは、炭素数1から4のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である。]
【0018】
4級アンモニウム水酸化物としては、上記一般式(1)で表される化合物の中でも、テトラメチルアンモニウム水酸化物、テトラエチルアンモニウム水酸化物、テトラプロピルアンモニウム水酸化物、テトラブチルアンモニウム水酸化物、メチルトリプロピルアンモニウム水酸化物、及びメチルトリブチルアンモニウム水酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることが入手しやすさの点から好ましい。更に、テトラメチルアンモニウム水酸化物、及び/又はテトラエチルアンモニウム水酸化物が、無機系レジスト下層膜の溶解性を向上できるという点から特に好ましい。
【0019】
本発明の多層レジスト積層体用剥離液においては、4級アンモニウム水酸化物が、0.25質量%以上20質量%以下含有されることが好ましく、1質量%以上15質量%以下含有されることが更に好ましい。4級アンモニウム水酸化物の含有量が、上記範囲内にあることにより、レジスト膜やその下層に形成される無機系レジスト下層膜の溶解性を良好に保ちつつ、その他の材料への腐食を防止することができる。
【0020】
[(B)水溶性有機溶剤]
水溶性有機溶剤としては、レジスト剥離液に慣用される化合物を用いることができる。水溶性有機溶剤は、アルカノールアミン系水溶性有機溶剤とそれ以外の水溶性有機溶剤に大別され、適宜選択して用いることができる。
【0021】
(アルカノールアミン系水溶性有機溶剤)
アルカノールアミン系水溶性有機溶剤としては特に限定されるものではないが、具体的には、モノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−ブチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、及びトリイソプロパノールアミン等を挙げることができる。これらの化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0022】
アルカノールアミン系水溶性有機溶剤としては、上記化合物の中でもモノエタノールアミン、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、及びN−メチルエタノールアミンが好ましい。
【0023】
(アルカノールアミン系水溶性有機溶剤以外の水溶性有機溶剤)
アルカノールアミン系水溶性有機溶剤以外の水溶性有機溶剤としては特に限定されるものではないが、具体的には、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ビス(2−ヒドロキシエチル)スルホン、及びテトラメチレンスルホン等のスルホン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルアセトアミド、及びN,N−ジエチルアセトアミド等のアミド類;N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシメチル−2−ピロリドン、及びN−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン等のラクタム類;β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、及びε−カプロラクトン等のラクトン類;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、及び1,3−ジイソプロピル−2−イミダゾリジノン等のイミダゾリジノン類;並びにエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、グリセリン、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、及び2,3−ブチレングリコール等の多価アルコール類、及びその誘導体を挙げることができる。これらの化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0024】
アルカノールアミン系水溶性有機溶剤以外の水溶性有機溶剤としては、上記化合物の中でも、ジメチルスルホキシド、ジメチルイミダゾリジノン、N−メチル−2−ピロリドン、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、及びジエチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。
【0025】
水溶性有機溶剤としては、アルカノールアミン系水溶性有機溶剤、及びそれ以外の水溶性有機溶剤のいずれを用いてもよいが、いずれかを単独で用いる場合には、アルカノールアミン系水溶性有機溶剤以外の水溶性有機溶剤を用いることが好ましい。この場合、アルカノールアミン系水溶性有機溶剤を用いた場合と比べ、レジスト膜や無機系レジスト下層膜以外の材料の腐食を、より一層抑制することができる。
【0026】
また、水溶性有機溶剤としては、アルカノールアミン系水溶性有機溶剤と、それ以外の水溶性有機溶剤とを混合溶剤として用いてもよい。このような混合溶剤とすることにより、レジスト膜の溶解性をより一層向上させることができる。
【0027】
(水溶性有機溶剤の含有量)
本発明の多層レジスト積層体用剥離液においては、水溶性有機溶剤が、20質量%以上99質量%以下含有されることが好ましく、40質量%以上80質量%以下含有されることが更に好ましい。水溶性有機溶剤の含有量が、上記範囲内にあることにより、レジスト膜やその下層に形成される無機系レジスト下層膜の溶解性を良好に保ちつつ、その他の材料への腐食を防止することができる。
【0028】
また、水溶性有機溶剤として、アルカノールアミン系水溶性有機溶剤と、それ以外の水溶性有機溶剤との混合溶剤を用いる場合には、アルカノールアミン系水溶性有機溶剤は多層レジスト剥離液の全量に対して、5質量%以上70質量%以下含有されることが好ましく、10質量%以上50質量%以下含有されることが更に好ましい。
【0029】
[(C)水]
本発明の多層レジスト積層体用剥離液は、水を含有する。水の含有量は、0.75質量%以上60質量%以下であることが好ましく、3質量%以上45質量%以下であることが更に好ましい。水の含有量が、上記範囲内にあることにより、レジスト膜やその下層に形成される無機系レジスト下層膜の溶解性を良好に保ちつつ、その他の材料への腐食を防止することができる。
【0030】
[(D)防食剤]
本発明の多層レジスト積層体用剥離液は、必要に応じて、防食剤を含有してもよい。防食剤としては、ベンゾトリアゾール系化合物、及びメルカプト基含有化合物の中から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
【0031】
(ベンゾトリアゾール系化合物)
ベンゾトリアゾール系化合物としては、下記一般式(2)で表されるベンゾトリアゾール系化合物を挙げることができる。
【0032】
【化2】

[上記一般式(2)において、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1から10の炭化水素基、カルボキシル基、アミノ基、水酸基、シアノ基、ホルミル基、スルホニルアルキル基、又はスルホ基であり、Qは水素原子、水酸基、置換基を有していてもよい炭素原子数1から14の炭化水素基(ただし、当該炭化水素基はアミド結合、又はエステル結合で中断されていてもよい)、又は下記一般式(3)で表される基である。]
【0033】
【化3】

[上記一般式(3)において、Rは炭素数1から6のアルキレン鎖であり、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、又は炭素数1から6のヒドロキシアルキル基若しくはアルコキシアルキル基である。]
【0034】
なお、上記一般式(2)において、R、R及びQの各定義中、炭化水素基は、芳香族炭化水素基又は脂肪族炭化水素基のいずれでもよく、不飽和結合を有していてもよく、更に直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。芳香族炭化水素基としては、例えばフェニル基、p−トリル基等を挙げることができる。直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、例えばメチル基、n−プロピル基、ビニル基等を挙げることができる。分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、例えばi−ブチル基、t−ブチル基等を挙げることができる。環状の脂肪族炭化水素基としては、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。置換基を有する炭化水素基としては、例えばヒドロキシアルキル基及びアルコキシアルキル基等を挙げることができる。
【0035】
また、上記一般式(2)において、Qとしては、上記一般式(3)で表される基であることが好ましい。特に上記一般式(3)で表される基の中でも、R及びRが、それぞれ独立に、炭素数1から6のヒドロキシアルキル基又はアルコキシアルキル基である基を選択することが好ましい。
【0036】
更に、Qは、上記一般式(2)で表される化合物が水溶性を示すように選択されることもまた好ましい。具体的には水素原子、炭素数1から3のアルキル基(即ち、メチル基、エチル基、プロピル基、及びイソプロピル基)、炭素数1から3のヒドロキシアルキル基、並びに水酸基等が好ましい。
【0037】
ベンゾトリアゾール系化合物としては、具体的には、例えばベンゾトリアゾール、5,6−ジメチルベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−メチルベンゾトリアゾール、1−アミノベンゾトリアゾール、1−フェニルベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシメチルベンゾトリアゾール、1−ベンゾトリアゾールカルボン酸メチル、5−ベンゾトリアゾールカルボン酸、1−メトキシ−ベンゾトリアゾール、1−(2,2−ジヒドロキシエチル)−ベンゾトリアゾール、及び1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)ベンゾトリアゾール;並びに「IRGAMET」シリーズとしてチバスペシャリティーケミカルズより市販されている、2,2’−{[(4−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル]イミノ}ビスエタノール、2,2’−{[(5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル]イミノ}ビスエタノール、2,2’−{[(4−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル]イミノ}ビスエタン、及び2,2’−{[(4−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル]イミノ}ビスプロパン等を挙げることができる。これらの中でも、1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−ベンゾトリアゾール、2,2’−{[(4−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル]イミノ}ビスエタノール、及び2,2’−{[(5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル]イミノ}ビスエタノール等が好ましく用いられる。これらのベンゾトリアゾール化合物は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0038】
(メルカプト基含有化合物)
上記メルカプト基含有化合物としては、メルカプト基に結合する炭素原子のα位、β位の少なくとも一方に、水酸基及び/又はカルボキシル基を有する化合物が好ましい。このような化合物として、具体的には1−チオグリセロール、3−(2−アミノフェニルチオ)−2−ヒドロキシプロピルメルカプタン、3−(2−ヒドロキシエチルチオ)−2−ヒドロキシプロピルメルカプタン、2−メルカプトプロピオン酸、及び3−メルカプトプロピオン酸等を挙げることができる。上記化合物の中でも、1−チオグリセロールを用いることが特に好ましい。
【0039】
(防食剤の含有量)
本発明の多層レジスト積層体用剥離液における上記防食剤の含有量は、0.05質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上1質量%以下であることが更に好ましい。防食剤の含有量が上記範囲内のものであることにより、配線層を構成する金属材料の腐食を有効に防止することができる。
【0040】
[(E)無機塩基]
本発明の多層レジスト積層体用剥離液は、必要に応じて、無機塩基を含有することができる。多層レジスト積層体用剥離液に無機塩基を含有させることにより、特に無機系レジスト下層膜の剥離性を良好なものとすることができる。
【0041】
本発明の多層レジスト積層体用剥離液に添加することができる無機塩基としては、特に限定されるものではないが、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、及び水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化物を用いることが好ましく、水酸化ナトリウム、及び水酸化カリウムを用いることがより好ましい。
【0042】
(無機塩基の含有量)
本発明の多層レジスト積層体用剥離液に無機塩基を含有させる場合、その含有量は、0.1mmol/L以上200mmol/L以下であることが好ましい。無機塩基の含有量が、上記範囲内にあることにより、配線層を構成する金属材料等に腐食等のダメージを与えることなく、レジスト膜やその下層に形成される無機系レジスト下層膜を良好に溶解することができる。上記含有量は、1mmol/L以上20mmol/L以下であることがより好ましい。
【0043】
[pH]
本発明においては、25℃に温調した多層レジスト積層体用剥離液100mlを、pH4及びpH7の標準液で校正したpHメーターにて1分間測定した場合に、当該多層レジスト積層体用剥離液のpHが10以上であることが好ましい。pHが10以上であることにより、レジスト膜やその下層に形成される無機系レジスト下層膜の溶解性を高めることができる。上記pHは、11以上であることがより好ましく、12以上であることが更に好ましい。
【0044】
[多層レジスト積層体用剥離液の調製方法]
本発明において、多層レジスト積層体用剥離液は、例えば多層レジスト積層体用剥離液における各成分を高濃度で含む溶液(濃縮液)を、水、水溶性有機溶剤等の溶媒で希釈することにより調製することができる。即ち、多層レジスト積層体用剥離液を調製するための濃縮液は、多層レジスト積層体用剥離液の配合、希釈に用いられる溶媒、及び希釈倍率等を考慮して、適宜調製されるものである。ここで、多層レジスト積層体用剥離液を調製するための濃縮液についても、多層レジスト積層体用希釈液と同様に、(A)4級アンモニウム水酸化物、(B)水溶性有機溶剤、及び(C)水を含有するものであり、本願発明の範囲内に属するものである。なお、上記濃縮液の希釈は、水のみで行うことが好ましい。上記のような濃縮液にすることにより、輸送等のコストを削減することができる。
【0045】
<多層レジスト積層体>
本発明の多層レジスト積層体用剥離液を適用する多層レジスト積層体としては、無機系レジスト下層膜とレジスト膜とを有する多層レジスト積層体であれば、特に限定されるものではない。しかしながら、当該多層レジスト積層体は、レジスト膜と、レジスト膜の下層に設けられ、ケイ素原子を含有する無機系レジスト下層膜と、無機系レジスト下層膜の下層に設けられる有機系レジスト下層膜とを有する3層レジスト積層体であることが好ましい。
【0046】
[有機系レジスト下層膜]
有機系レジスト下層膜の形成材料としては、2層レジスト積層体、及び3層レジスト積層体において、レジスト下層膜を形成されるために用いられるものを広く利用することができる。レジスト下層膜の形成材料は、酸素ガスによるエッチングが可能な炭化水素化合物であり、更にその下の基板をエッチングする場合のマスクとしての十分なエッチング耐性を、レジスト下層膜に付与できる化合物を用いることが好ましい。
【0047】
[無機系レジスト下層膜]
無機系レジスト下層膜は、公知の無機系レジスト下層膜形成用組成物を用いて形成することができる。特に本発明の多層レジスト積層体用剥離液を用いて好適に剥離することができる無機系レジスト下層膜は、ケイ素を含む無機系被膜であり、ケイ素系の無機系レジスト下層膜形成用組成物としては、各種ケイ素含有ポリマーを用いることができる。当該ケイ素含有ポリマーは、無機系レジスト下層膜形成用組成物の材料として従来用いられている材料であれば特に限定されないが、シロキサンポリマーを挙げることができる。このシロキサンポリマーとしては、例えば、下記一般式(4)で表される構成単位を有するポリマーを挙げることができる。
【化4】

[上記一般式(4)において、Rs1は、水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、アリール基、又はヒドロキシル基、ポリエーテル基、カルボニル基、エステル基、ラクトン基、アミド基、エーテル基、及びニトリル基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する1価の有機基を表し、複数のRs1は、互いに異なっていてもよい。aは0以上2以下の整数である。]
【0048】
上記シロキサンポリマーが有する上記一般式(4)で表される複数の構成単位は、それぞれが互いに異なっていてもよい。
【0049】
なお、上記シロキサンポリマーが、上記一般式(4)で示され、Rs1が有機基である構成単位を有するシロキサンポリマーであって、上記シロキサンポリマーの分子量に占める有機成分の分子量比率が高くなる場合、本発明の多層レジスト積層体用剥離液が無機塩基を含むことにより多層レジスト積層体用剥離液への無機系レジスト下層膜の溶解性が向上する傾向にある。このため、上記シロキサンポリマーが、上記一般式(4)で示され、Rs1が有機基である構成単位を有するシロキサンポリマーであって、前記シロキサンポリマーの分子量に占める有機成分の分子量比率が50%以上を占める場合には、多層レジスト積層体用剥離液が無機塩基を含有することが好ましい。
【0050】
特に、Rs1がフェニル基等の嵩高いアリール基である構成単位を多く有するシロキサンポリマーの場合には、多層レジスト積層用剥離液が無機塩基を含有することが好ましい。
【0051】
上記シロキサンポリマーは、下記一般式(5)で表されるモノマーを縮重合させることにより得ることができる。
【化5】

[上記一般式(5)において、Rs1及びaは上記と同様であり、Rs2は炭素数1以上5以下のアルコキシ基又はハロゲン原子を示し、複数のRs2は、互いに異なっていてもよい。]
【0052】
上記無機系レジスト下層膜形成用組成物は、上記シロキサンポリマー、溶剤、並びに必要に応じて界面活性剤及び酸発生剤等を含む。
【0053】
[レジスト膜]
レジスト膜の形成材料としては、従来公知のフォトレジスト組成物を用いることができる。当該フォトレジスト組成物としては、ネガ型フォトレジスト組成物であっても、ポジ型フォトレジスト組成物であってもよく、化学増幅型フォトレジスト組成物であっても、それ以外のフォトレジスト組成物であってもよい。しかしながら、レジスト膜を化学増幅型のフォトレジスト組成物を用いて形成することにより、きわめて高精度なパターンを得ることができる。
【0054】
なお、本発明においては、特にレジスト膜として有機系レジスト膜を用いることが好ましい。この有機系レジスト膜としては、ベースポリマーにシリコン等の無機成分を含まないものである。
【0055】
本発明の多層レジスト積層体用剥離液は、上記多層レジスト積層体においてレジスト膜が適切にパターニングされなかった場合に適用されるものである。即ち、露光されたレジスト膜を現像する際の現像液によって、無機系レジスト下層膜の表面の一部が変性するため、この無機系レジスト下層膜の上層に再度レジスト膜を形成したとしても、その後の工程において、適切にパターニングできない場合がある。このため、本発明の多層レジスト積層体用剥離液を用いて、適切にパターニングされなかったレジスト膜と、無機系レジスト下層膜とを除去し、その後、再度無機系レジスト下層膜とレジスト膜とを形成することによって、良好なレジストパターンを得ることができるものである。
【0056】
<多層レジスト積層体の処理方法>
本発明の多層レジスト積層体の処理方法は、基板上に直接、又は他の層を介して形成される無機系レジスト下層膜と、無機系レジスト下層膜上に形成されるレジスト膜と、を有する多層レジスト積層体から、本発明の多層レジスト積層体用剥離液を用いて、レジスト膜と、無機系レジスト下層膜とを除去する多層レジスト積層体の処理方法である。
【0057】
上記多層レジスト積層体の処理方法は、多層レジスト積層体を構成するレジスト膜をパターニングする場合において、レジスト膜が適正にパターニングされなかった場合に行われるものであり、適正にパターニングされなかった多層レジスト積層体から、レジスト膜と、無機系レジスト下層膜を除去するために行われるものである。
【0058】
本発明の多層レジスト積層体の処理方法においては、これを適用する多層レジスト積層体が3層レジスト積層体であることが好ましい。即ち、上述の通り、多層レジスト積層体は、有機系レジスト下層膜と、無機系レジスト下層膜と、レジスト膜とからなるものであることが好ましい。
【0059】
本発明の多層レジスト積層体の処理方法において、多層レジスト積層体と、多層レジスト積層体用剥離液とを接触させる方法としては、特に限定されるものではなく、通常行われる方法を採用することができる。具体的には、例えば浸漬法、パドル法、及びシャワー法等を用いて、多層レジスト積層体と、多層レジスト積層体用剥離液とを接触させる方法を挙げることができる。
【実施例】
【0060】
以下、本発明について、実施例を挙げて詳細に説明する。なお、本発明は以下に挙げる実施例に何ら限定されるものではない。
【0061】
<実施例1から5、比較例1から5>
下記表1に示す組成に基づき、多層レジスト積層体用剥離液を調製し、レジスト膜の剥離性、及び無機系レジスト下層膜の剥離性を評価した。なお、各試薬のうち入手元について特に記載の無いものに関しては、一般に市販されている試薬を用いた。また、表中の数値は、特に断りのない限り、質量%の単位で表されるものである。
【表1】

TMAH:テトラメチルアンモニウム水酸化物
DMSO:ジメチルスルホキシド
PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
EDG:ジエチレングリコールモノエチルエーテル
MDG:ジエチレングリコールモノメチルエーテル
【0062】
<評価>
[レジスト膜の剥離性]
シリコンウエハにレジスト膜形成用組成物を塗布し、90℃で90秒間プレベークした後、180℃で90秒間ポストベークして、膜厚450nmのレジスト膜を形成した。このレジスト膜を、実施例及び比較例の多層レジスト積層体用剥離液に、25℃で、浸漬し、以下の基準で15分後におけるレジスト膜の有無を評価した。結果を表1に示す。
◎:完全に剥離された
○:ほぼ剥離された
×:剥離できなかった
【0063】
なお、上記レジスト膜形成用組成物としては、以下の成分を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)/乳酸エチル(EL)=60/40の混合溶剤に溶解し、固形分濃度6.3質量%に調整したものを用いた。
【0064】
樹脂:下記化学式(C1)、(C2)、及び(C3)で表されるユニットを、C1:C2:C3=50:30:20(モル比)で有する樹脂(分子量10000)・・・100質量部
酸発生剤:下記化学式(A1)で表される化合物・・・13質量部
酸失活剤:トリ−n−ペンチルアミン・・・0.54質量部
添加剤:γ−ブチロラクトン・・・10質量部
サリチル酸・・・1.32質量部
XR104(商品名、大日本インキ化学社製)・・・0.10質量部
【化6】

【0065】
[無機系レジスト下層膜の剥離性]
20cmシリコンウエハに、有機系レジスト下層膜形成用材料を塗布し、250℃で90秒間加熱して、膜厚300nmの有機系レジスト下層膜を形成した。
【0066】
なお、上記有機系レジスト下層膜形成用材料は、1−アダマンチルメタクリレートから誘導される構成単位と、p−ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位との含有比率がモル比で60:40の共重合体(Mw=6000)100質量部、グリコールウリル系架橋剤(製品名:ニカラックMX270、三和ケミカル社製)20質量部、界面活性剤(製品名:XR104、大日本インキ化学社製)0.05質量部、添加剤(製品名:キャタリスト602、日本サイテック社製)1.0質量部をPGMEA/EL=6/4の混合溶剤に溶解して固形分濃度が14.3質量%となるように調整したものを用いた。
【0067】
次いで、上記有機系レジスト下層膜上に無機系レジスト下層膜形成用組成物を塗布し、250℃で90秒間加熱して、膜厚140nmの無機系レジスト下層膜を形成した。
【0068】
なお、無機系レジスト下層膜形成用組成物は、以下の樹脂A(質量平均分子量:9700)50質量部、樹脂B(質量平均分子量:720)50質量部、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムアセテート0.3質量部、マロン酸0.75質量部を、PGMEA/EL=6/4の混合溶剤に添加し、樹脂Aと樹脂Bとを合わせたポリマー固形分濃度が2.5質量%となるように調整したものを用いた。
【0069】
樹脂A
【化7】

【0070】
樹脂B
【化8】

【0071】
各樹脂の構成単位の右下に付記した数値は各構成単位の存在割合(モル比)を示す。
【0072】
この有機系レジスト下層膜及び無機系レジスト下層膜の積層体を、実施例及び比較例の多層レジスト積層体用剥離液に、25℃で1分間浸漬し、以下の基準で浸漬後の無機系レジスト下層膜の有無を評価した。結果を表1に示す。
◎:完全に剥離された
○:ほぼ剥離された
×:剥離できなかった
【0073】
[多層レジスト積層体の剥離性]
20cmシリコンウエハに、[無機系レジスト下層膜の剥離性]の評価において行った方法と同様の方法で膜厚300nmの有機系レジスト下層膜を形成し、その上に膜厚を50nmにした以外は[無機系レジスト下層膜の剥離性]の評価において行った方法と同様の方法で無機系レジスト下層膜を形成し、積層体を作成した。更に、その積層体上に、膜厚を120nmにした以外は[レジスト膜の剥離性]の評価において行った方法と同様の方法でレジスト膜を形成し、多層レジスト積層体を作成した。その多層レジスト積層体を、実施例及び比較例の多層レジスト積層体用剥離液に、25℃で3分間浸漬し、以下の基準で浸漬後の多層レジスト積層体の有無を評価した。結果を表1に示す。
◎:完全に剥離された
○:ほぼ剥離された
×:剥離できなかった
【0074】
表1より、本発明の多層レジスト積層体用剥離液は、レジスト膜と無機系レジスト下層膜との両方を良好に剥離できることが分かる。これに対し、比較例の多層レジスト積層体用剥離液は、レジスト膜及び無機系レジスト下層膜のいずれかに対する溶解性が良好であるが両方を良好に剥離することはできなかった。
【0075】
<実施例6から10>
下記表2に示す組成に基づき、実施例1に記載の組成物に、100ppm(約1.8mmol/L)から500ppm(約8.9mmol/L)の水酸化カリウム、500ppm(約12.5mmol/L)の水酸化ナトリウムを添加し、無機系レジスト下層膜の剥離性を評価した。なお、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムは、一般に市販されている試薬を用いた。また、表中の数値は、特に断りのない限り、質量%の単位で表されるものとする。
【表2】

TMAH:テトラメチルアンモニウム水酸化物
TEAH:テトラエチルアンモニウム水酸化物
DMSO:ジメチルスルホキシド
【0076】
<評価>
[無機系レジスト下層膜の剥離性]
20cmシリコンウエハに、有機系レジスト下層膜形成用材料を塗布し、250℃で90秒間加熱して、膜厚300nmの有機系レジスト下層膜を形成した。
【0077】
なお、上記有機系レジスト下層膜形成用材料は、1−アダマンチルメタクリレートから誘導される構成単位と、p−ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位との含有比率がモル比で60:40の共重合体(Mw=6000)100質量部、グリコールウリル系架橋剤(製品名:ニカラックMX270、三和ケミカル社製)20質量部、界面活性剤(製品名:XR104、大日本インキ化学社製)0.05質量部、添加剤(製品名:キャタリスト602、日本サイテック社製)1.0質量部をPGMEA/EL=6/4の混合溶剤に溶解して固形分濃度が14.3質量%となるように調整したものを用いた。
【0078】
次いで、上記有機系レジスト下層膜上に無機系レジスト下層膜形成用組成物を500rpmで1秒間、次いで1000rpmで30秒間スピン塗布し、100℃で1分間、次いで400℃で30分間加熱して、膜厚140nmの無機系レジスト下層膜を形成した。
【0079】
なお、無機系レジスト下層膜形成用組成物は、以下の樹脂C(質量平均分子量:9400)100質量部、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムアセテート0.3質量部、マロン酸0.75質量部を、PGMEA/EL=6/4の混合溶剤に添加し、樹脂Cのポリマー固形分濃度が2.5質量%となるように調整したものを用いた。
【0080】
樹脂C
【化9】

【0081】
各樹脂の構成単位の右下に付記した数値は各構成単位の存在割合(モル比)を示す。
【0082】
この有機系レジスト下層膜及び無機系レジスト下層膜の積層体を、実施例1、及び実施例6から10の多層レジスト積層体用剥離液に、25℃で1分から5分間浸漬し、以下の基準で浸漬後の無機系レジスト下層膜の有無を評価した。結果を表2に示す。
○:膜が完全に除去できた
×:膜残りが確認された
【0083】
以上より、本発明の多層レジスト積層体用剥離液に、無機塩基を添加することにより、無機系レジスト下層膜をより良好に剥離できることが分かった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に直接、又は他の層を介して形成される無機系レジスト下層膜と、
前記無機系レジスト下層膜上に形成されるレジスト膜と、を有する多層レジスト積層体において、前記無機系レジスト下層膜及び前記レジスト膜を除去するために用いられる多層レジスト積層体用剥離液であって、
(A)4級アンモニウム水酸化物、(B)水溶性有機溶剤、及び(C)水を含む多層レジスト積層体用剥離液。
【請求項2】
前記(A)4級アンモニウム水酸化物を、0.1質量%以上20質量%以下含む、請求項1に記載の多層レジスト積層体用剥離液。
【請求項3】
前記(A)4級アンモニウム水酸化物が、下記一般式(1)で表される化合物である、請求項1又は2に記載の多層レジスト積層体用剥離液。
【化1】

[上記一般式(1)において、RからRは、炭素数1から4のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である。]
【請求項4】
前記(A)4級アンモニウム水酸化物が、テトラメチルアンモニウム水酸化物、テトラエチルアンモニウム水酸化物、テトラプロピルアンモニウム水酸化物、テトラブチルアンモニウム水酸化物、メチルトリプロピルアンモニウム水酸化物、及びメチルトリブチルアンモニウム水酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1から3のいずれかに記載の多層レジスト積層体用剥離液。
【請求項5】
更に(D)防食剤を含む、請求項1から4のいずれかに記載の多層レジスト積層体用剥離液。
【請求項6】
更に(E)無機塩基を含む、請求項1から5のいずれかに記載の多層レジスト積層体用剥離液。
【請求項7】
前記多層レジスト積層体用剥離液のpHが10以上である、請求項1から6のいずれかに記載の多層レジスト積層体用剥離液。
【請求項8】
前記無機系レジスト下層膜が、シロキサンポリマーからなる請求項1から7のいずれかに記載の多層レジスト積層体用剥離液。
【請求項9】
基板上に直接、又は他の層を介して形成される無機系レジスト下層膜と、前記無機系レジスト下層膜上に形成されるレジスト膜と、を有する多層レジスト積層体から、請求項1から8に記載の多層レジスト積層体用剥離液を用いて、前記レジスト膜と、前記無機系レジスト下層膜とを除去する多層レジスト積層体の処理方法。

【公開番号】特開2010−250268(P2010−250268A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−271051(P2009−271051)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000220239)東京応化工業株式会社 (1,407)
【Fターム(参考)】