説明

定着装置、画像形成装置、定着処理プログラム

【課題】トナーの種類に関わらず、当該トナーの種類に応じた適正な定着処理を行い、必要最小限の画像品質を維持しつつ、画像形成処理を継続する。
【解決手段】比較判定部136は、抽出したトナー種識別情報が入力されると、標準トナー種識別情報を読み出し、両者を比較する。判定結果が「標準ではない」の場合は、標準トナーよりも定着温度を高くし、かつ連続処理枚数の数を減少させる(必須)。それ以外に、「連続処理時インタバル」、「定着処理速度」、「最大画像濃度」、「冷却ファン能力」を変更することも可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定着装置、画像形成装置、定着処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現像剤としてトナーを用い、原画像に基づいて画像を形成する画像形成装置では、例えば、原画像(例えば、画像データ)に基づいて、感光体ドラムに静電潜像を形成した状態で、少なくともトナーを供給することでトナー像を生成すると共に、記録用紙にトナー像を転写した後、定着処理が施されるものが知られている。
【0003】
定着処理では、記録用紙(トナー像)に対して、加圧及び加熱処理がなされるが、このときの加熱温度、すなわち定着温度は、トナーの融点に基づいて設定される。
【0004】
特許文献1では、印刷装置に対して、当初想定されていなかった現像剤カートリッジが使用された場合でも、画像形成動作を停止することなく、印字品質の低下を回避しつつ、印刷を続行することのできる、セーフティモードを搭載した印刷装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−115054公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、本構成を有しない場合に比べて、融点が異なるトナーであっても、当該トナーの融点に応じた定着処理を行い、画像形成処理を継続することができる定着装置、画像形成装置、定着処理プログラムを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、少なくとも融点が異なることで分類されるトナーの種類を判別するトナー種判別手段によって判別されたトナーの種類に応じて、トナーへ付与する定着温度が変更されて加熱される加熱体を備え、相対的に高い融点のトナーが用いられた場合に、連続して定着できる記録用紙の枚数を制限させる制限手段に基づいて回転されること、を特徴としている。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、相対的に低い融点のトナーを標準トナーと定義した場合に、この標準トナーに基づいて標準定着温度が設定され、前記トナー種判別手段で判別されたトナーが標準トナーでない場合に、前記定着温度を、前記標準定着温度よりも高い温度にして前記過熱体が過熱される。
【0009】
請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載の発明において、前記トナー種判別手段で判別されたトナーが標準トナーでない場合に、連続して定着する記録用紙の用紙間隔を長くして定着させる。
【0010】
請求項4に記載の発明は、前記請求項2又は請求項3に記載の発明において、前記トナー種判別手段で判別されたトナーが標準トナーでない場合に、前記標準トナーに応じた標準定着温度と前記標準トナーでないトナーに応じた定着温度との温度差に基づいて、連続して定着する記録用紙の用紙間隔を長くして定着させる。
【0011】
請求項5に記載の発明は、前記請求項2又は請求項3に記載の発明において、前記トナー種判別手段で判別されたトナーが標準トナーでない場合に、記録用紙に対する定着処理速度を遅くして定着させる。
【0012】
請求項6に記載の発明は、前記請求項2又は請求項3に記載の発明において、前記トナー種判別手段で判別されたトナーが標準トナーでない場合に、前記標準トナーに応じた標準定着温度と前記標準トナーでないトナーに応じた定着温度との温度差に基づいて、記録用紙に対する定着処理速度を遅くして定着させる。
【0013】
請求項7に記載の発明は、前記請求項2又は請求項3に記載の発明において、前記トナー種判別手段で判別されたトナーが標準トナーでない場合に、最大画像濃度を低下させたトナー像を定着させる。
【0014】
請求項8に記載の発明は、前記請求項2又は請求項3に記載の発明において、前記トナー種判別手段で判別されたトナーが標準トナーでない場合に、前記標準トナーに応じた標準定着温度と前記標準トナーでないトナーに応じた定着温度との温度差に基づいて、最大画像濃度を低下させたトナー像を定着させる。
【0015】
請求項9に記載の発明は、前記請求項2又は請求項3に記載の発明において、前記トナー種判別手段で判別されたトナーが標準トナーでない場合に、冷却ファンによる冷却能力度合いが増加されて定着させる。
【0016】
請求項10に記載の発明は、前記請求項2又は請求項3に記載の発明において、前記トナー種判別手段で判別されたトナーが標準トナーでないの場合に、予め定めた定着温度の下で定着処理した記録用紙上の基準画像から補正情報を読み取り、この補正情報に基づいて、前記標準トナーでないトナーの適正定着温度を設定する。
【0017】
請求項11に記載の発明は、前記請求項1〜請求項10の何れか1項記載の発明において、前記トナーが標準の場合と標準でない場合との使用状態の電力量の差が明確となる情報を報知する。
【0018】
請求項12に記載の発明は、前記請求項1乃至請求項11の何れか1項記載の発明において、前記トナー種判別手段が、トナーが充填されたトナーカートリッジに取り付けられ、充填されたトナー種情報が記憶された記憶媒体と、前記トナーカートリッジが装填部に装填されたときに前記記憶媒体に記憶されたトナー種情報を読み取る読取手段と、を備える。
【0019】
請求項13に記載の発明は、前記請求項1〜請求項12の何れか1項記載の定着装置を用いて、記録用紙に画像を形成する画像形成装置である。
【0020】
請求項14に記載の発明は、少なくとも融点が異なることで分類されるトナーの種類を判別し、判別されたトナーの種類に応じて、トナーへ付与する定着温度を、それぞれに適した温度に変更し、相対的に高い融点のトナーが用いられた場合に、連続して定着できる記録用紙の枚数を制限することをコンピュータに実行させる定着処理プログラムである。
【0021】
請求項15に記載の発明は、前記請求項14に記載の発明において、相対的に低い融点のトナーを標準トナーと定義した場合に、この標準トナーに基づいて標準定着温度が設定され、前記判別されたトナーが標準トナーでないトナーの場合に、前記定着温度を、前記標準定着温度よりも高い温度にする。
【0022】
請求項16に記載の発明は、前記請求項15に記載の発明において、前記判別されたトナーが標準トナーでない場合に、前記標準トナーに応じた標準定着温度と前記標準トナーでないトナーに応じた定着温度との温度差に基づいて、連続処理時の処理間隔を長くする。
【0023】
請求項17に記載の発明は、前記請求項15に記載の発明において、前記判別されたトナーが標準トナーでない場合に、前記標準トナーに応じた標準定着温度と前記標準トナーでないトナーに応じた定着温度との温度差に基づいて、定着処理速度を遅くする。
【0024】
請求項18に記載の発明は、前記請求項15に記載の発明において、前記判別されたトナーが標準トナーでない場合に、前記標準トナーに応じた標準定着温度と前記標準トナーでないトナーに適した定着温度との温度差に基づいて、最大画像濃度を低下させる。
【0025】
請求項19に記載の発明は、前記請求項15に記載の発明において、前記判別されたトナーが標準トナーでない場合に、冷却ファンによる冷却能力度合いを増加させる。
【0026】
請求項20に記載の発明は、前記請求項15に記載の発明において、前記判別されたトナーが標準トナーでない場合に、予め定めた定着温度の下で定着処理した記録用紙上の基準画像から補正情報を読み取り、この補正情報に基づいて、前記標準トナーでないトナーの適正定着温度を設定する。
【0027】
請求項21に記載の発明は、前記請求項14〜請求項20の何れか1項記載の発明において、前記トナーが標準の場合と標準でない場合との使用状態の電力量の差が明確となる情報を報知する。
【発明の効果】
【0028】
請求項1記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、融点が異なるトナーであっても、当該トナーの融点に応じた定着処理を行い、画像形成処理を継続することができる。
【0029】
請求項2記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、定着温度を相対的に低く設定でき、環境負荷を相対的に軽くすることができる。
【0030】
請求項3記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、標準トナーでないトナーが適用されても、過加熱を防止することができる。
【0031】
請求項4記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、標準トナーでないトナーが適用されても、過加熱をより効率的に防止することができる。
【0032】
請求項5記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、標準トナーでないトナーが適用されても、定着温度が低い分の熱量を定着時間で補うことができる。
【0033】
請求項6記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、標準トナーでないトナーが適用されても、定着温度が低い分の熱量をより効率的に定着時間で補うことができる。
【0034】
請求項7に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、標準トナーでないトナーが適用されても、定着温度が低い分の熱量を画像濃度で補うことができる。
【0035】
請求項8に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、標準トナーでないトナーが適用されても、定着温度が低い分の熱量をより効率的に画像濃度で補うことができる。
【0036】
請求項9に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、標準トナーでないトナーが適用されても、標準定着温度よりも高い定着温度による過加熱を抑制することができる。 請求項10に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、標準トナーでないトナーを用いたときの適正な定着温度を設定することができる。
【0037】
請求項11に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、ユーザーに標準トナーを省電力の観点からも有利であることを報知することができる。
【0038】
請求項12に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、トナーが標準か標準でないかをトナーカートリッジの交換時に自動的に認識することができる。
【0039】
請求項13記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、トナーの種類に関わらず、当該トナーの種類に応じた適正な定着処理を行う画像形成装置を提供することができる。
【0040】
請求項14記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、融点が異なるトナーであっても、当該トナーの融点に応じた定着処理を行い、画像形成処理を継続することができる。
【0041】
請求項15記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、定着温度を相対的に低く設定でき、環境負荷を相対的に軽くすることができる。
【0042】
請求項16記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、標準トナーでないトナーが適用されても、過加熱を防止することができる。
【0043】
請求項17記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、標準トナーでないトナーが適用されても、定着温度が低い分の熱量を定着時間で補うことができる。
【0044】
請求項18に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、標準トナーでないトナーが適用されても、定着温度が低い分の熱量を画像濃度で補うことができる。
【0045】
請求項19に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、標準トナーでないトナーが適用されても、標準定着温度よりも高い定着温度による過加熱を抑制することができる。
【0046】
請求項20に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、標準トナーでないトナーを用いたときの適正な定着温度を設定することができる。
【0047】
請求項21に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、ユーザーに標準トナーを省電力の観点からも有利であることを報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本実施の形態に係るプリンタの概略構成図である。
【図2】本実施の形態に係るプリンタにおける制御ユニットのハード構成を示すブロック図である。
【図3】本実施の形態に係る装填部を図1の右側面から見た断面図である。
【図4】トナー種に基づく定着温度変更のための制御を機能的に示した制御ブロック図である。
【図5】トナー種に基づく定着温度変更のための制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】変形例に係り、(A)は定着温度設定のためのフィードバック制御の概略構成図、(B)は基準画像形成手順を示す用紙の正面図、(C)は基準画像の途切れ幅W−定着温度特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
図1には、画像形成装置としてのプリンタ10が示されている。プリンタ10は、フルカラー画像又は白黒画像を形成するデジタルプリンタである。
【0050】
プリンタ10内部のプリンタエンジン部10Aの上方には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各トナーを収容するトナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kが交換可能に設けられている。
【0051】
YMCKの各色毎のトナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kは、プリンタエンジン部10Aに設けられた装填部10B(図3参照)に装填されている。このトナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kは、装填部10Bに対して、着脱可能であり(図3の矢印A参照)、内部に充填された二成分現像剤が空になると、ユーザーにより交換されるようになっている。
【0052】
トナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kには、それぞれトナー供給路13Y、13M、13C、13Kの一端が接続されている。なお、トナー供給路13Y、13M、13C、13Kは、円管部材で構成されており、プリンタ10の側面に沿って下方側へ向けられた配置となっているが、途中経路の図示は省略している。
【0053】
また、プリンタ10内部の中央には、Y、M、C、Kの二成分現像剤に対応する4つの画像形成ユニット12(12Y、12M、12C、12K)が、図1の正面視にて右斜め下方に向けて互いに一部を重ねた状態で配置されている。
【0054】
画像形成ユニット12は、感光体28を備えている。感光体28の周囲には、感光体28の表面に接触して感光体28を一様に帯電する帯電装置の一例としての帯電ロールと、前述の露光光Lにより感光体28上に形成された静電潜像を各色の二成分現像剤(トナーとキャリア)で現像する現像部31と、転写後の感光体28の表面に光を照射して除電を行う除電装置の一例としてのイレーズランプと、除電後の感光体28の表面を清掃するクリーニングユニットとが設けられている。
【0055】
二成分現像剤は、非磁性タイプのトナーと、磁性を有するキャリアとが混合されたものである。ここで、トナー供給路13Y、13M、13C、13Kの他端が、4つの画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kにそれぞれ接続されており、各色のトナー及び少量のキャリアが各画像形成ユニット12に供給されるようになっている。なお、トナーとキャリアの配合率は、プリンタ10の処理仕様によって異なるが、トナー:キャリア=9:1程度である。一方、もともと、現像部31内の存在する二成分現像剤のトナーとキャリアの配合率は、プリンタ10の処理仕様によって異なるが、トナー:キャリア=1:9程度である。
【0056】
各画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kの上方には、転写部14が設けられている。転写部14は、中間転写ベルト16と、中間転写ベルト16の内側に配置され、各画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kの各トナー像を中間転写ベルト16に多重転写させる4つの一次転写部材としての一次転写ロール18Y、18M、18C、18Kと、中間転写ベルト16上で重ねられたトナー像を、記録用紙Pに転写させる二次転写ロール20とを有している。
【0057】
中間転写ベルト16は、図示しないモータで駆動される駆動ロール22と、中間転写ベルト16の張力を調整するテンションロール24と、二次転写ロール20と対向配置されたバックアップロール26とで構成されるローラ群に、一定の張力で巻き掛けられており、駆動ロール22により、図1の矢印X方向(反時計回り方向)に周回駆動されるようになっている。
【0058】
一次転写ロール18Y、18M、18C、18Kは、中間転写ベルト16を挟んでそれぞれの画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kの感光体28(28Y、28M、28C、28K)と対向配置されている。また、一次転写ロール18Y、18M、18C、18Kは、給電ユニット(図示省略)によって、トナー極性とは逆極性(本実施形態では一例として正極性)の転写バイアス電圧が印加されるようになっている。なお、二次転写ロール20も、給電ユニットによって、トナー極性とは逆極性の転写バイアス電圧が付与されるようになっている。
【0059】
また、中間転写ベルト16の駆動ロール22が設けられている位置の外周面には、クリーニング装置30が設けられている。クリーニング装置30は、クリーニングブラシ32及びクリーニングブレード34を備えており、クリーニングブラシ32及びクリーニングブレード34によって、中間転写ベルト16上の残留トナーや紙粉等を除去するようになっている。
【0060】
プリンタ10の記録用紙Pの搬送経路と反対側の側面近傍には、プリンタ10の各部の駆動制御を行う制御ユニット36が設けられている。また、画像形成ユニット12の下側には、帯電された感光体28の表面に各色に対応した露光光L(LY、LM、LC、LK)を照射して静電潜像を形成する露光ユニット40が設けられている。
【0061】
露光ユニット40は、4つの画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kに共通の1つのユニットで構成されており、4つの半導体レーザ(図示省略)を各色の色材階調データに応じて変調して、これらの半導体レーザから露光光LY、LM、LC、LKを階調データに応じて出射するように構成されている。なお、露光ユニット40は、各画像形成ユニット12毎に個別に設けてもよい。
【0062】
また、露光ユニット40は、矩形のフレーム38で密閉されており、内部には、各露光光Lを主走査方向に走査するためのfθレンズ(図示省略)及びポリゴンミラー42が設けられている。フレーム38の上面には、4本の露光光LY、LM、LC、LKを、各画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kの感光体28に向けて出射するためのガラス窓44Y、44M、44C、44Kが設けられている。
【0063】
ここで、露光ユニット40の半導体レーザから出射された露光光LY、LM、LC、LKはポリゴンミラー42に照射され、このポリゴンミラー42から反射した光がfθレンズを介して偏向走査される。ポリゴンミラー42で偏向走査された露光光LY、LM、LC、LKは、結像レンズ及び複数枚のミラーからなる光学系(図示省略)を介して、感光体28上の露光ポイントに走査露光される。
【0064】
一方、露光ユニット40の下側には、記録用紙Pが収納された給紙カセット46が配置されている。また、給紙カセット46の端部から鉛直方向上方には、記録用紙Pを搬送する用紙搬送路50が設けられている。
【0065】
用紙搬送路50には、記録用紙Pを給紙カセット46から送り出す給紙ロール48と、記録用紙Pを1枚ずつ給紙させる用紙分離搬送用のロール対52と、中間転写ベルト16上の画像の移動タイミングと記録用紙Pの搬送タイミングを合わせる用紙先端位置合わせロール54とが設けられている。ここで、給紙カセット46から給紙ロール48によって順次送出された記録用紙Pは、用紙搬送路50を経由して、間欠的に回転する用紙先端位置合わせロール54によって中間転写ベルト16の二次転写位置まで一旦搬送され、停止される。
【0066】
二次転写ロール20の上方には、定着装置60が設けられている。定着装置60は、加熱体の一例としての加熱された加熱ロール62と、この加熱ロール62に圧接された加圧ロール64とを備えている。加熱ロール62と加圧ロール64とは不図示のモータ及びギア列によって回転駆動される。モータからギア列を介して伝達された駆動力によって加熱ロール62が回転駆動され加熱ロール62に圧接して配置された加圧ロール64が連れ周りする。ここで、二次転写ロール20によって各色のトナー像が転写された記録用紙Pは、回転駆動される加熱ロール62と加圧ロール64との圧接部で熱及び圧力により加熱及び加圧されトナー像が記録用紙Pに定着され、記録用紙Pの搬送方向下流側に設けられた排出装置の一例としての排紙ロール66によって、プリンタ10の上部に設けられた排出部68に排出されるようになっている。また、トナー像の二次転写工程が終了した中間転写ベルト16の表面は、クリーニング装置30によって残留トナーや紙粉等が除去される。尚、加圧ロール64は、加熱ロール62に対して連れ周りではなくギア列を介して回転駆動されてもよい。また、加圧ロール64に換えてベルト状の加圧体を用いてもよい。
【0067】
図2に示される如く、制御ユニット36は、メインコントロール部70を含んでいる。メインコントロール部70は、CPU72、RAM74、ROM76、I/O(入出力部)78、及びこれらを接続するデータバスやコントロールバス等のバス80を有している。
【0068】
I/O78には、前記プリンタ10における搬送系や、画像形成のための走査露光系、現像系等の各処理系を制御し、管理するための印刷制御管理部88が接続されている。
【0069】
より詳細には、印刷制御管理部88には、搬送制御部100、走査露光制御部102、現像制御部104、転写制御部106、定着制御部108が接続され、各部の制御を管理している。
【0070】
印刷制御管理部88は、I/O78ではなく、直接バス80に接続された構成であってもよい。また、ここでは、印刷に関する制御を印刷制御管理部88に集約する構成としたが、当該制御をメインコントロール部70で実行する構成であってもよい。
【0071】
また、I/O78には、UI(ユーザ・インターフェイス)82が接続されている。UI82は、ユーザーからの入力指示を受け付け、かつユーザーへ画像処理に関する情報を報知する役目を有している。さらに、I/O78には、ハードディスク84が接続されている。また、I/O78は、I/F86を介して通信回線網90に接続されている。
【0072】
図3には、トナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kがプリンタエンジン部10Aに設けられた装填部10Bに装填された状態が概念的に示されている。
【0073】
トナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kの筐体は、筒状で内部に二成分現像剤が充填されている。このトナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kは、プリンタエンジン部10A側に設けられた装填部10Bに装填することで、当該プリンタエンジン部10A側の駆動系(歯車)と、トナーカートリッジ11Y、11M、11C、11K側の被駆動系(歯車)とが連結されるようになっている。
【0074】
トナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kは、プリンタエンジン部10A側の駆動系から受ける駆動力によって、二成分現像剤をプリンタエンジン部10A側のトナー供給路13Y、13M、13C、13Kへ吐出する。
【0075】
ここで、トナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kには、記録媒体92(以下「CRUM92」という)が取り付けられている。
【0076】
このCRUM92には、各種メンテナンス情報(CRUM情報)が記憶されるようになっている。その一部として、CRUM92には、二成分現像剤の一部であるトナーの種類を識別するトナー種識別情報が記憶されている。
【0077】
一方、プリンタエンジン部10Aの装填部10Bにおける最深部には、トナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kが装填されたときに、前記CRUM92と対向する位置に、情報読取兼書込部94が配置されている。この情報読取兼書込部94は、CRUM92に設けられた端子と接触して情報を読み取るタイプでもよいし、所謂RFIC(無線タグ)のように非接触側の情報読取機能を具備していてもよい。
【0078】
情報読取兼書込部94は、前記印刷制御管理部88に接続されており、トナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kが装填されたときに、少なくとも、CRUM情報の読取、書込が実行されるようになっている。
【0079】
ここで、本実施の形態では、印刷制御管理部88では、CRUM92からトナーの種類を示す識別情報を読み取り、装填されたトナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kに充填されているトナー(二成分現像剤)が標準であるか(以下、「標準トナー」という)、標準でないか(以下、必要に応じて「標準ではないトナー」或いは「非標準トナー」という)を判別すると共に、この判別結果に基づいて、定着処理に関する条件の設定変更処理が実行されるようになっている。
【0080】
本実施の形態に係る画像形成装置1の標準トナーは、旧仕様(本願出願前)で純正として扱われていた旧仕様トナーに比べて低融点である。言い換えれば、定着処理に必要な温度が相対的に低いので、デフォルト値(標準定着温度)は、相対的に低温に設定される。この設定により、前記旧仕様トナーは、「標準ではないトナー」の範疇と定義する(以下定義(1)、(2)参照)。
(定義1)標準トナー
→最も融点の低いトナー(再生品であっても、融点が同一であれば標準の範疇とする)
(定義2)標準ではないトナー
→標準トナーに比べて融点が高いトナー(同一社製の旧仕様トナーや異形式トナー、異社製トナー等)
例えば、標準ではないトナーを使用した場合の標準定着温度が175℃であるのに、本実施の形態に係るA社製の標準トナーを使用した場合の標準定着温度が140℃であり、標準トナーに比べて+35℃となっている。
【0081】
なお、A社製の純正ではあるが、本願出願時まで純正として扱われていたトナー(前記「旧仕様トナー」)は、今回適用される標準トナーよりも融点が高く、標準定着温度は165℃(標準トナーに比べて+25℃)である。
【0082】
この温度設定は、画像形成装置の処理能力が、20〜30ppm(毎分処理枚数)であり、さらに上級機種では、比例的に標準定着温度が高くなる。
【0083】
本実施の形態では、標準ではないトナーが適用されたときの設定変更処理として、以下の表1に示す対応を行う。
【0084】
【表1】

【0085】
上記表1において、実行条件とは、トナーの種類に応じて必ず設定変更するものを「必須」とし、それ以外に、選択的に設定変更するものを「選択」とした。「選択」項目は、何れも選択しなくてもよいし、複数組み合わせて選択してもよい。
【0086】
図4は、印刷制御管理部88における前述した「トナー種に基づく定着温度、並びに各種設置得変更対象の条件データ決定」に関する制御を、機能的示したブロック図である。なお、このブロック図は、あくまでも機能別に分類したものであり、印刷制御管理部88のハード構成を限定するものではない。
【0087】
印刷制御管理部88には、画像形成実行制御部132が設けられ、前記搬送制御部100、走査露光制御部102、現像制御部104、転写制御部106、定着制御部108がそれぞれ接続されている。
【0088】
また、印刷制御管理部88には、ジョブ実行指示信号が入力されるようになっており、このジョブ時刻指示信号の入力に基づいて、前記搬送制御部100、走査露光制御部102、現像制御部104、転写制御部106、定着制御部108のそれぞれを制御して、画像形成処理を実行する。
【0089】
印刷制御管理部88には、前記情報読取兼書込部94が接続されている。このため、印刷制御管理部88は、トナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kに取り付けられたCRUM92に記憶された情報を読み取り可能となっている。
【0090】
画像形成実行制御部132には、トナー種識別情報抽出部134が接続されている。このトナー種識別情報抽出部134は、前記画像形成実行制御部132からトナーカートリッジ交換情報が入力されると、情報読取兼書込部94を介して入手しているCRUM92に記憶されたCRUM情報から、トナー種識別情報を抽出する。
【0091】
トナー種識別情報抽出部134は、比較判定部136に接続されている。トナー種識別情報抽出部134は、抽出したトナー種識別情報を比較判定部136へ送出する。
【0092】
比較判定部136には、標準トナー種識別情報メモリ138が接続されており、前記抽出したトナー種識別情報が入力されると、標準トナー種識別情報メモリから標準トナー種識別情報を読み出し、両者を比較し、標準か標準ではないかを判定する。
【0093】
比較判定部136には、標準トナー用設定条件データ読出部140と、設定変更対象選択部142とが接続されている。
【0094】
比較判定部136での判定結果が「標準」である場合には、標準トナー用設定条件データ読出部140へ、起動信号を送出する。また、比較判定部136での判定結果が「標準ではない(非標準)」の場合には、設定変更対象選択部142へ、起動信号を送出する。
【0095】
標準トナー用設定条件データ読出部140には、標準トナー用設定条件データメモリ144が接続されている。このため、標準トナー用設定条件データ読出部140が、比較判定部136から起動信号を受けると、標準トナー用設定条件データメモリ144から標準トナー用設定条件データを読み出す。読み出した標準トナー用設定条件データは、データ出力部146を介して画像形成実行制御部132へ送出する。画像形成実行制御部132では、各部へ指示を展開し、実行される。
【0096】
一方、設定変更対象選択部142には、必須設定変更対象登録部148と、選択設定変更対象登録部150とが接続されている。設定変更対象選択部142が、比較判定部136から起動信号を受けると、必須設定変更対象登録部148及び選択設定変更対象登録部150からそれぞれ設定変更対象を選択する。
【0097】
本実施の形態では、前記表1のように、必須設定変更対象が、「定着温度」と「連続処理枚数」であり、選択設定変更対象が、「連続処理時インタバル」、「定着処理速度」、「最大画像濃度」、「冷却ファン能力」である。
【0098】
設定変更対象選択部142は、設定変更条件データ決定部152に接続されている。また、設定変更条件データ決定部152は、条件設定用パラメータメモリ154が接続されている。設定変更条件データ決定部152では、選択された設定変更対象の条件データを決定する。
【0099】
この決定は、必須設定変更対象である「定着温度」は最先に決定され、その他は、決定した定着温度と、標準トナーを用いたときの定着温度との差に応じて、予め段階的に定められている。例えば、表1において、「連続処理枚数」の場合、標準トナーを用いた場合よりも「少なく」としているが、この少なくする度合いを、数段階準備しておき、温度差が大きければ大きいほど、連続処理枚数を少なくする。なお、標準ではないトナーである場合に、一律に変更度合いを決めておいても良い。
【0100】
設定変更条件データ決定部152で決定した条件データは、データ出力部146を介して画像形成実行制御部132へ送出する。画像形成実行制御部132では、各部へ指示を展開し、実行される。
【0101】
以下に本実施の形態の作用を説明する。
【0102】
(画像形成手順)
画像データは、さらにイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色の色材階調データに変換され、露光ユニット40に順次出力される。露光ユニット40では、各色の色材階調データに応じて各露光光Lを出射して、各感光体28に走査露光を行い、潜像(静電潜像)が形成される。
【0103】
感光体28上に形成された静電潜像は、現像部によって、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像として顕在化される(現像)。そして、各画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kの感光体28上に順次形成された各色のトナー像は、4つの一次転写ロール18Y、18M、18C、18Kによって中間転写ベルト16上に順次多重転写される。
【0104】
中間転写ベルト16上に多重転写された各色のトナー像は、二次転写ロール20によって、搬送されてきた記録用紙P上に二次転写される。そして、記録用紙P上の各色のトナー像が定着装置60で定着され、定着後の記録用紙Pは、排出トレイ68に排出される。
【0105】
トナー像の転写工程が終了した後の感光体28の表面は、クリーニングユニット76によって残留トナーや紙粉等が除去される。また、中間転写ベルト16上の残留トナーや紙粉等が、クリーニング装置30で除去される。
【0106】
(定着処理条件変更制御)
図5のフローチャートに基づき、トナー種に基づく定着処理条件変更手順を説明する。
【0107】
ステップ200では、トナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kが交換されたか否かが判断され、否定判定された場合は、このルーチンは終了する。
【0108】
ステップ200で肯定判定されると、ステップ202へ移行してCRUM92に記憶されているCRUM情報を読み取る。
【0109】
次のステップ204では、読み取ったCRUM情報から、トナー種を識別する識別情報を抽出し、ステップ206へ移行する。
【0110】
ステップ206では、標準トナーの識別情報を読み出し、ステップ208へ移行して、抽出した識別情報と、標準トナーの識別情報とを比較する。
【0111】
この比較の結果、標準トナーであると判定されると(ステップ208の肯定判定)、ステップ210へ移行して標準トナー用設定条件データを読み出し、ステップ218へ移行する。
【0112】
また、ステップ208で、標準トナーではない(非標準トナー)と判定されると(否定判定)、ステップ212へ移行して設定変更対象を選択する。
【0113】
この選択では、必須設定変更対象として、「定着温度」と「連続処理枚数」が選択され、選択設定変更対象として、連続処理時インタバル」、「定着処理速度」、「最大画像濃度」、「冷却ファン能力」の中から少なくとも1つを選択する。或いは、選択しなくてもよい。
【0114】
次のステップ214では、標準ではないトナーを用いた場合の定着温度を決定し、次いでステップ216へ移行して決定して定着温度に応じて、各設定変更条件データを決定し、ステップ218へ移行する。
【0115】
なお、この設定変更条件のデータの標準トナー使用時に対する変更度合いは、定着温度に比例的に増減するが、一律に決めておいても良い。すなわち、今回の場合は、標準ではないトナーを使用した方が、定着温度が高いことがわかっているため、予め定めた一定の割合だけ各データを変更すればよい。
【0116】
より具体的には、標準ではないトナーを使用した場合は、連続処理枚数はN枚少なくする、連続処理時インタバルはt秒長くする、定着処理速度はvmm/sec遅くする、最大画像濃度はDだけ低くする、冷却ファン能力はRrpmだけファン回転速度を速くする、といった定量の変更であってもよい。
【0117】
ステップ218では、定着温度を指示すると共に、ステップ220へ移行して各設定変更対象へ変更指示を行い、このルーチンは終了する。
【0118】
なお、本実施の形態では、CRUM92からトナー種情報を読み取るようにしたが、トナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kの交換時等において、ユーザーが型番等を直接目視して、トナー種を判別し、入力するようにしてもよい。
【0119】
(変形例)
ここで、本実施の形態では、標準ではないトナーが仕様されたとき、自動的に定着温度等を調整するようにしたが、当該標準ではないトナーを使用したときの画質の状態を判別し、フィードバックすることも可能である。この場合、本実施の形態のプリンタ10の他にスキャナ96が必要となる(図6(A)参照)。
【0120】
すなわち、図6(B)に示される如く、標準ではないトナーが使用されることが判明した場合において、定着温度等を、予め定めた一律の設定変更条件データで変更し、基準画像PI(例えば、一定の幅寸法の線画像)の画像形成を指示する。
【0121】
その後、出力した用紙Pの基準画像PIにかかる部分を一旦折り曲げて開くと、定着の度合いによって、基準画像PI(線画像)に途切れが発生する。
【0122】
この用紙Pをスキャナ96で読み取り、基準画像PI(線画像)の途切れ幅Wを計測する。途切れ幅は、定着温度tの差Δtに比例することが知られているため(図6(C)参照)、この計測した基準画像PI(線画像)の途切れ幅Wに基づいて、最適定着温度を決定する。このフィードバックでの定着温度の設定は、用紙Pへの画像形成、途切れ幅の計測等の時間が必要となるが、この途切れ幅Wに基づいて設定した定着温度の下での画像形成は、標準ではないであっても、画質に影響を及ぼすことがない。
【0123】
なお、途切れ幅Wをスキャナ96を用いて自動的に計測したが、ユーザーが定規等を用いて直接計測し、手入力するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0124】
10 プリンタ
10A プリンタエンジン部
10B 装填部
11Y、11M、11C、11K トナーカートリッジ
12Y、12M、12C、12K 画像形成ユニット
13Y、13M、13C、13K トナー供給路
36 制御ユニット
60 定着装置
70 メインコントロール部
72 CPU
74 RAM
76 ROM
78 I/O
80 バス
88 印刷制御管理部
92 CRUM(トナー種判別手段)
94 情報読取兼書込部(トナー種判別手段)
100 搬送制御部
102 走査露光制御部
104 現像制御部
106 転写制御部
108 定着制御部
132 画像形成実行制御部
134 トナー種識別情報抽出部
136 比較判定部
138 標準トナー種識別情報メモリ
140 標準トナー用設定条件データ読出部
142 設定変更対象選択部
144 標準トナー用設定条件データメモリ
146 データ出力部
148 必須設定変更対象登録部
150 選択設定変更対象登録部
152 設定変更条件データ決定部(定着温度変更手段、処理枚数制限手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも融点が異なることで分類されるトナーの種類を判別するトナー種判別手段によって判別されたトナーの種類に応じて、トナーへ付与する定着温度が変更されて加熱される加熱体を備え、
相対的に高い融点のトナーが用いられた場合に、連続して定着できる記録用紙の枚数を制限させる制限手段に基づいて回転されること、
を特徴とする定着装置。
【請求項2】
相対的に低い融点のトナーを標準トナーと定義した場合に、この標準トナーに基づいて標準定着温度が設定され、前記トナー種判別手段で判別されたトナーが標準トナーでない場合に、前記定着温度を、前記標準定着温度よりも高い温度にして前記過熱体が過熱される請求項1記載の定着装置。
【請求項3】
前記トナー種判別手段で判別されたトナーが標準トナーでない場合に、連続して定着する記録用紙の用紙間隔を長くして定着させる請求項2記載の定着装置。
【請求項4】
前記トナー種判別手段で判別されたトナーが標準トナーでない場合に、前記標準トナーに応じた標準定着温度と前記標準トナーでないトナーに応じた定着温度との温度差に基づいて、連続して定着する記録用紙の用紙間隔を長くして定着させる請求項2又は請求項3記載の定着装置。
【請求項5】
前記トナー種判別手段で判別されたトナーが標準トナーでない場合に、記録用紙に対する定着処理速度を遅くして定着させる請求項2又は請求項3記載の定着装置。
【請求項6】
前記トナー種判別手段で判別されたトナーが標準トナーでない場合に、前記標準トナーに応じた標準定着温度と前記標準トナーでないトナーに応じた定着温度との温度差に基づいて、記録用紙に対する定着処理速度を遅くして定着させる請求項2又は請求項3記載の定着装置。
【請求項7】
前記トナー種判別手段で判別されたトナーが標準トナーでない場合に、最大画像濃度を低下させたトナー像を定着させる請求項2又は請求項3記載の定着装置。
【請求項8】
前記トナー種判別手段で判別されたトナーが標準トナーでない場合に、前記標準トナーに応じた標準定着温度と前記標準トナーでないトナーに応じた定着温度との温度差に基づいて、最大画像濃度を低下させたトナー像を定着させる請求項2又は請求項3記載の定着装置。
【請求項9】
前記トナー種判別手段で判別されたトナーが標準トナーでないの場合に、冷却ファンによる冷却能力度合いが増加されて定着させる請求項2又は請求項3記載の定着装置。
【請求項10】
前記トナー種判別手段で判別されたトナーが標準トナーでないの場合に、予め定めた定着温度の下で定着処理した記録用紙上の基準画像から補正情報を読み取り、この補正情報に基づいて、前記標準トナーでないトナーの適正定着温度を設定する請求項2又は請求項3記載の定着装置。
【請求項11】
前記トナーが標準の場合と標準でない場合との使用状態の電力量の差が明確となる情報を報知する請求項1〜10の何れか1項記載の定着装置。
【請求項12】
前記トナー種判別手段が、
トナーが充填されたトナーカートリッジに取り付けられ、充填されたトナー種情報が記憶された記憶媒体と、
前記トナーカートリッジが装填部に装填されたときに前記記憶媒体に記憶されたトナー種情報を読み取る読取手段と、
を備える請求項1〜請求項11の何れか1項記載の定着装置。
【請求項13】
前記請求項1〜請求項12の何れか1項記載の定着装置を用いて、記録用紙に画像を形成する画像形成装置。
【請求項14】
少なくとも融点が異なることで分類されるトナーの種類を判別し、
判別されたトナーの種類に応じて、トナーへ付与する定着温度を、それぞれに適した温度に変更し、
相対的に高い融点のトナーが用いられた場合に、連続して定着できる記録用紙の枚数を制限することをコンピュータに実行させる定着処理プログラム。
【請求項15】
相対的に低い融点のトナーを標準トナーと定義した場合に、この標準トナーに基づいて標準定着温度が設定され、前記判別されたトナーが標準トナーでないトナーの場合に、前記定着温度を、前記標準定着温度よりも高い温度にする請求項14記載の定着処理プログラム。
【請求項16】
前記判別されたトナーが標準トナーでない場合に、前記標準トナーに応じた標準定着温度と前記標準トナーでないトナーに応じた定着温度との温度差に基づいて、連続処理時の処理間隔を長くする請求項15記載の定着処理プログラム。
【請求項17】
前記判別されたトナーが標準トナーでない場合に、前記標準トナーに応じた標準定着温度と前記標準トナーでないトナーに応じた定着温度との温度差に基づいて、定着処理速度を遅くする請求項15記載の定着処理プログラム。
【請求項18】
前記判別されたトナーが標準トナーでない場合に、前記標準トナーに応じた標準定着温度と前記標準トナーでないトナーに適した定着温度との温度差に基づいて、最大画像濃度を低下させる請求項15記載の定着処理プログラム置。
【請求項19】
前記判別されたトナーが標準トナーでない場合に、冷却ファンによる冷却能力度合いを増加させる請求項15記載の定着処理プログラム。
【請求項20】
前記判別されたトナーが標準トナーでない場合に、予め定めた定着温度の下で定着処理した記録用紙上の基準画像から補正情報を読み取り、この補正情報に基づいて、前記標準トナーでないトナーの適正定着温度を設定する請求項15記載の定着処理プログラム。
【請求項21】
前記トナーが標準の場合と標準でない場合との使用状態の電力量の差が明確となる情報を報知する請求項14〜20の何れか1項記載の定着処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−186133(P2010−186133A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−31300(P2009−31300)
【出願日】平成21年2月13日(2009.2.13)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】