説明

容器洗浄遠心乾燥装置及び容器洗浄遠心乾燥方法

【課題】 多数の容器を使用する工場において、容器乾燥装置の前工程として必ずあった容器洗浄装置の設置場所の確保が必要であった。
【解決手段】 扉部13を有する外装部12を有し、外装部12の内部に積層された容器Cを載置するターンテーブル1と、ターンテーブル1の上部にターンテーブル1の回転中心から同距離で対向する位置に2本づつ立設させるコラム2と、クランプ部4を開閉するクランプ開閉用シリンダー6と、ターンテーブル1から間隔を有した外周に外周方向において略等間隔に垂直方向に複数の洗浄管20を立設し、各々の洗浄管20は上下方向に複数ほぼ等間隔に洗浄ノズル21を内側に向かって設けた容器洗浄遠心乾燥機Aを有する容器洗浄遠心乾燥装置による。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、容器を洗浄するとともに遠心回転によって乾燥させる容器洗浄乾燥装置、詳細にはパン等の食品工場等で使用される食品容器等の容器洗浄遠心乾燥装置及び容器洗浄遠心乾燥方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パン等の食品工場等で使用される食品容器は、流通容器あるいはコンテナーとも呼ばれ硬質合成樹脂材等によって形成されている。このような容器は、繰り返し使用されるため洗浄及び乾燥の工程が必要であった。
【0003】
したがって、従来は容器乾燥装置とは別に容器洗浄装置を設けており、容器洗浄装置で洗浄した容器を段積みして搬送して容器乾燥装置に送り込んで乾燥させていた。
【0004】
容器を回転させて乾燥させる容器遠心乾燥装置としては、本願出願人により「容器に内接し周面の適宜部位で縦割する開閉自在の円筒回転体と、該円筒回転体を開閉せしめる開閉手段と、該円筒回転体を上下面において抑止せしめる掛止手段とから構成される容器乾燥装置(実開昭56−114395号)」および「積層された容器を載置する回転盤に回動管を適宜数立設し、該回動管に積層された容器の隅部を開閉自在に把持するクランプを固定リンクにより固定し、昇降自在な昇降フレームに固定されたカムフォロアを介して昇降し、回転自在であるスワッシュプレートと前記回動管とを連結プレートと折曲部を有する連結リンクを介して連結したことを特徴とする容器遠心乾燥装置(実公昭61−20471号)」が考案されている。
【0005】
また、本願出願人は、容器遠心乾燥装置として、「洗浄行程後の積層された容器を載置するターンテーブルと、ターンテーブルの回転中心に垂直方向に配置され上部軸中心部を通るプッシュプルロッドと、プッシュプルロッドに連結し駆動モータの回転を伝えずクランプ開閉用シリンダーのスラストのみを伝えるロータリーカップリングと、ターンテーブルの上部にターンテーブルの回転中心から同距離で対向する位置に2本づつ立設させるコラムと、対向するそれぞれ2本のコラムを上部で結合させるアッパープレートと、対向するそれぞれ2本のコラムの間に垂直方向に設けられる部分とアッパープレートに水平に設けられる部分とともに門形に設けられロータリーカップリングの作動により昇降する2つのクランプ開閉用ヨークと、それぞれのクランプ開閉用ヨークに上下に複数設けられるとともにそれぞれのクランプ開閉用ヨークの左右に設けられるリンク機構であるコネクティングロッドと、それぞれのコネクティングロッドが連結するクランプアームと、それぞれのクランプアームが連結しコラムに回動自在に設けられ積層された容器をセンタリングしつつ開閉自在に4つの隅部を固定する4つのクランプ部と、ターンテーブル、コラム、アッパープレートおよびクランプ部を回転させる駆動モータと、ターンテーブル回転中心に垂直方向に配置されるクランプ開閉用シリンダーとを有するとともに、
クランプ開閉用シリンダーは、プッシュプルロッドおよびロータリーカップリングを介してクランプ開閉用ヨークに連結し、それぞれのクランプ開閉用ヨークは、リンク機構であるコネクティングロッド及びクランクアームを介してクランプ部を開閉させるとともに、
少なくともコラムおよびクランプ部をカーボン系複合材で構成する容器遠心乾燥機を有することを特徴とする容器遠心乾燥装置(特許第3839220号)」を開示している。
【特許文献1】実開昭56−114395号公報
【特許文献2】実公昭61−20471号公報
【特許文献3】特許第3839220号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来は、容器乾燥装置の前工程として容器洗浄装置を別装置として設けており、その容器洗浄装置の設置場所の確保が必要である課題があった。
【0007】
また、別装置になるため設備費の他、保守、点検にもぞれぞれの作業が必要になる課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、扉部を有する外装部を有し、外装部の内部に積層された容器を載置するターンテーブルと、ターンテーブルの上部にターンテーブルの回転中心から同距離で対向する位置に2本づつ立設させるコラムと、対向するそれぞれ2本のコラムを上部で結合させるアッパープレートと、積層された容器をセンタリングしつつ開閉自在に4つの隅部を固定する4つのクランプ部と、ターンテーブル、コラム、アッパープレートおよびクランプ部を回転させる駆動モータと、ターンテーブル回転中心に垂直方向に配置されクランプ部を開閉するクランプ開閉用シリンダーと、
ターンテーブルから間隔を有した外周に外周方向において略等間隔に垂直方向に複数の洗浄管を立設し、各々の洗浄管は上下方向に複数ほぼ等間隔に洗浄ノズルを内側に向かって設けた容器洗浄遠心乾燥機を有することを特徴とする容器洗浄遠心乾燥装置を提案する。
【0009】
また、扉部を有する外装部を有し、外装部の内部に積層された容器を載置するターンテーブルと、ターンテーブルの上部にターンテーブルの回転中心から同距離で対向する位置に2本づつ立設させるコラムと、対向するそれぞれ2本のコラムを上部で結合させるアッパープレートと、対向するそれぞれ2本のコラムの間に垂直方向に設けられる部分とアッパープレートに水平に設けられる部分とともに門形に設けられロータリーカップリングの作動により昇降する2つのクランプ開閉用ヨークと、それぞれのクランプ開閉用ヨークに上下に複数設けられるとともにそれぞれのクランプ開閉用ヨークの左右に設けられるリンク機構であるコネクティングロッドと、それぞれのコネクティングロッドが連結するクランプアームと、それぞれのクランプアームが連結しコラムに回動自在に設けられ積層された容器をセンタリングしつつ開閉自在に4つの隅部を固定する4つのクランプ部と、ターンテーブル、コラム、アッパープレートおよびクランプ部を回転させる駆動モータと、ターンテーブル回転中心に垂直方向に配置されるクランプ開閉用シリンダーとを有し、
クランプ開閉用シリンダーは、プッシュプルロッドおよびロータリーカップリングを介してクランプ開閉用ヨークに連結し、それぞれのクランプ開閉用ヨークは、リンク機構であるコネクティングロッド及びクランクアームを介してクランプ部を開閉させるとともに、
ターンテーブルから間隔を有した外周に外周方向において略等間隔に垂直方向に複数の洗浄管を立設し、各々の洗浄管は上下方向に複数ほぼ等間隔に洗浄ノズルを内側に向かって設けた容器洗浄遠心乾燥機を有することを特徴とする容器洗浄遠心乾燥装置を提案する。
【0010】
更に、積層された容器を容器洗浄遠心乾燥機へ積層整列させた後、容器を供給搬出させる容器供給排出機によって開放された扉部から外装部内に搬入されターンテーブルの回転中心に載置されると同時に扉部が閉鎖され密閉状態にし、
次ぎに、洗浄管の洗浄ノズルより洗浄水により積層された容器へ、クランプ部によるクランプ前に洗浄水を吹付け第1次洗浄をした後、
クランプ部によって積層された容器を全体をクランプし、
次ぎにターンテーブルを低速で回転させながら洗浄管の洗浄ノズルより洗浄水により第2次又は第2次及び第3次洗浄をした後、洗浄水を止めて洗浄を停止後、
ターンテーブルの回転を高速回転として遠心乾燥後、ターンテーブルを停止させ、クランプ部によるクランプを解除し、
外装部の扉部を開けて段積み容器を、容器供給排出機によって外装部の外に排出することを特徴とする容器洗浄遠心乾燥方法を提案する。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、容器乾燥装置に洗浄装置が組み込まれているため、工程の中に容器洗浄装置が不要となるため設備費を削減できるとともに、容器洗浄装置を設置する場所の確保が必要がなくなり、工場のレイアウト等が行ないやすくなるメリットがある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
この発明の実施形態を示す容器洗浄遠心乾燥装置の全体内部正面説明図である図1、同じく全体内部側面説明図である図2、同じく全体内部平面説明図である図3、同じく全体正面図である図4、同じく全体側面図である図5、同じく全体平面図である図6、この発明の実施形態を示す容器洗浄遠心乾燥機の一部切欠内部説明図である図7、この発明の実施形態を示す容器洗浄遠心乾燥装置の洗浄システムのフローチャートである図8に基づいて説明する。
【0013】
この発明の容器洗浄遠心乾燥装置は、積層された容器Cを回転遠心乾燥させる容器洗浄遠心乾燥機Aと、容器洗浄遠心乾燥機Aに積層された容器Cを送り込み送り出す容器供給排出機Bと、容器洗浄遠心乾燥機Aに洗浄水を送り込み回収し洗浄後の水を濾過する洗浄機Wとからなる。
【0014】
容器Cは、適宜数積層され上流側の供給コンベアによって整列装置12まで搬送される。送られてくる積層された容器Cは整列装置12によって整列される。積層整列された容器Cは容器供給排出機Bによって容器洗浄遠心乾燥機Aへ送り込まれる。
【0015】
容器洗浄遠心乾燥機Aは、容器供給排出機Bによって送り込まれる積層された容器Bをほぼ回転中心に載置させ回転可能である平面視多角形状、この実施例では平面視八角形状のステンレス製ターンテーブル1と、ターンテーブル1の上部に複数固定して立設させるコラム2と、複数のコラム2を上部で結合させるアッパープレート3と、コラム2に回動自在に設けられ積層された容器Bをセンタリングしつつ開閉自在に容器Bの隅部を固定するクランプ部4と、ターンテーブル1、コラム2、アッパープレート3およびクランプ部4を回転させる駆動モータ5と、クランプ部4を開閉させるクランプ開閉用シリンダー6と、ターンテーブル1から間隔を有した外周に外周方向において略等間隔に複数垂直方向に立設し上下方向に複数ほぼ等間隔に洗浄ノズル21を内側に向かって設けた洗浄管20とを有する。容器洗浄遠心乾燥機Aは、外装部12の供給側及び排出側に開閉自在の両開き扉部13を有し、両開き扉部13が閉鎖されることにより容器洗浄遠心乾燥機Aは密閉状態になる。
【0016】
ターンテーブル1は、下部で駆動モータ5とVベルトによって連結している。駆動モータ5は、回生制動型インバータ及びモータを使用している。クランプ部4は、積層された容器Cの四隅をクランプする内直角部を有する4つの垂直方向に設けられた部材からなり、この実施形態ではそれぞれ上下3つのクランプアーム11に連結している。また、この実施形態では、コラム2はターンテーブル1の回転中心から同距離で対向する位置に2本づつ配設される。
【0017】
容器洗浄遠心乾燥機Aの部材の少なくともコラム2およびクランプ部4は、カーボン系複合材で構成し、搬送されターンテーブル1上に載置される容器Bに洗浄後でも残留するアルカリ性洗剤等の各種洗剤に対する耐腐食性を強化している。また容器洗浄遠心乾燥機Aの内壁面は、ゲルコート仕上げFRP樹脂材で表面加工し、コーナー部を湾曲状に形成している。
【0018】
クランプ開閉用シリンダー6は、ターンテーブル1の回転中心に垂直方向に配置され上部軸中心部を通るプッシュプルロッド7および駆動モータ5の回転を伝えずクランプ開閉用シリンダー6のスラストのみを伝えるロータリーカップリング8を介してコラム2の間に垂直方向に複数設けられたクランプ開閉用ヨーク9に連結する。
【0019】
クランプ開閉用ヨーク9は、それぞれの複数のコラム2の間に垂直方向に設けられアッパープレート3に水平に設けられる部分とともに門形に設けられている。それぞれ対向する位置に垂直に配設されるクランプ開閉用ヨーク9に、上下に複数の、この実施形態では3つのリンク機構であるコネクティングロッド10を左右に設けており、それぞれのコネクティングロッド10を、それぞれクランプアーム11に連結している。それぞれのクランプアーム11は積層された容器Bの四隅をクランプする内直角部を有する4つのクランプ部4に連結している。
【0020】
コネクティングロッド10は、クランク開閉用ヨーク9と回動自在に連結しており、クランプ部4が積層された容器Bの四隅をクランプする閉状態では水平状態になり、クランプ部4が開状態において上部では互いの間隔が狭く、下部では互いの間隔が広い状態になる。
【0021】
洗浄管20は、この実施形態ではターンテーブル1から間隔を有した外周に外周方向において略等間隔に4本垂直方向に立設しており、上下方向に8つの洗浄ノズル21を内側に向かってほぼ等間隔に設けている。
【0022】
4本の洗浄管20は、上流部で洗浄機Wの送水管22に接続している。
【0023】
容器洗浄遠心乾燥機Aの下部には洗浄後の洗浄水を集水し、洗浄機Wに設けられている循環ろ過水タンク23へ送水する循環水路24を設けている。
【0024】
洗浄機Wは、送水管22、洗浄ポンプ25、循環水ろ過装置26,循環ろ過水タンク23、清浄水タンク27等を有し、送水管22は、選択的に上流では循環ろ過水タンク23と清浄水タンク27に接続しており、下流では洗浄管20の上流側端部(上端)に接続している。循環ろ過水タンク23と清浄水タンク27は、ヒーター及び温度センサーを有しており内部の水を一定の温度の温水に保つ。
【0025】
次に、この発明の容器洗浄遠心乾燥装置の作用について説明する。この発明の実施形態に使用する容器Cは平面視長方形のものを使用し、適宜数積層され上流側の供給コンベアによって整列装置12まで搬送され、整列装置12によって積層整列される。積層された容器Cは、長手方向端面側から容器洗浄遠心乾燥機Aへ入ると、外装部12に設けた両開き扉部19が閉まり密閉状態になる。
【0026】
容器洗浄遠心乾燥機A内へ送り込まれた積層された容器Cは、ターンテーブル1の回転中心付近に載置される。この状態で容器洗浄遠心乾燥装置の起動スイッチをON状態にすると、容器洗浄遠心乾燥機A及び洗浄機Wへ指示信号が送られ連動して自動的に両機とも駆動する。
【0027】
指示信号にしたがって洗浄機Wの洗浄ポンプ25が作動し、循環ろ過水タンク23から循環ろ過水を送水管22を通して4本の洗浄管20へ一定の圧力を掛けて送水する。洗浄管20へ送水されたろ過水は、洗浄ノズル21から積層された容器Cへ向けて末広がり状、特に図に示すように上下に末広がり状に散水され、積層された容器Cを第1次洗浄する。
【0028】
次ぎに、クランプ開閉用シリンダー6が作動し、ターンテーブル1の回転中心に垂直方向に配置され上部軸中心部を通るプッシュプルロッド7を下降させる。プッシュプルロッド7は、駆動モータ5の回転を伝えずクランプ開閉用シリンダー6のスラストのみを伝えるロータリーカップリング8を介して門形の垂直方向に2本設けられたクランプ開閉用ヨーク9を下降させる。
【0029】
それぞれ対向する2本のクランプ開閉用ヨーク9が下降すると、上下3つのリンク機構である左右のコネクティングロッド10は、上部では互いの間隔が狭く、下部では互いの間隔が広い状態である上端連結部が下降してクランプ開閉用ヨーク9に対して回動して一本の水平状態になる。それぞれのコネクティングロッド10は他端部をそれぞれクランプアーム11に連結しており、コネクティングロッド10の一字状の水平状態によりそれぞれのクランプアーム11は4つのクランプ部4を回動させ、容器Cの4つの隅部を外方から挟み込み容器Cをターンテーブル1の回転中心で動かないように固定する。容器Cのクランプされた状態は、短手方向両端面であり、アッパープレート3は、回転中心から比較的短い。
【0030】
このときクランプ開閉用シリンダー6の下方への圧力により容器Cは、上部からプッシュプルロッド7により押圧されるとともに、互いに隣のコネクティングロッド10と一字状の水平状態になることによって、容器Cの回転による遠心力に確実に抗することが可能になる。他の実施形態としては、コネクティングロッド10を重層的に複数設けることによりフェイルセーフ構造として遠心回転力に対抗させ安全性を高めている。
【0031】
容器Cがクランプ部4でホールド(挟持)されると、駆動モータ5が作動し、回転力はVベルトによってターンテーブル1に伝えられターンテーブル1を低速で回転させると同時に洗浄機Wの洗浄ポンプ25を作動させ、再度循環ろ過水タンク23よりろ過水を送水管22を通して4本の洗浄管20へ一定の圧力を掛けて送水する。洗浄管20へ送水された循環ろ過水は、洗浄ノズル21から積層された容器Cへ向けて末広がり状、特に図に示すように上下に末広がり状に散水され、低速回転する積層された容器Cを第2次洗浄する。このときクランプ開閉用シリンダー6へは、ターンテーブル1が回転してもロータリーカップリング8の作用により回転力が伝わることがない。
【0032】
一定の時間の第2次洗浄の後、循環ろ過水タンク23から清浄水タンク27へ供給するタンクを切換え、清浄水タンク27から清浄水を送水管22を通して4本の洗浄管20へ一定の圧力を掛けて送水する。洗浄管20へ送水された清浄水は、洗浄ノズル21から積層された容器Cへ向けて末広がり状、特に図に示すように上下に末広がり状に散水され、低速回転する積層された容器Cを第3次洗浄する。
【0033】
更に、予め定められた一定時間の後、洗浄ポンプ25を停止、洗浄機Wからの送水を停止する。
【0034】
次に、駆動モータ5への指示信号、或いは予め設定されている時間後ターンテーブル1の回転数を一定回転数まで加速させ高速回転とする。容器Cを回転遠心力により遠心乾燥(脱水)させた後、駆動モータ5を回転制動により定位置に停止させる。この制動時に容器洗浄遠心乾燥機Aの主要部材が、カーボン系複合材で構成されているため従来に比し軽量化されているため回転する装置の回転慣性モーメントを大幅に減少させることができる。また容器洗浄遠心乾燥機Aの内壁面は、ゲルコート仕上げFRP樹脂材で表面加工し、コーナー部を湾曲状に形成しているため、コーナー部にゴミ、埃、水滴が溜まりにくくなるとともに水滴の排出時間も速くなるため、衛生状態が向上する。
【0035】
遠心乾燥させ終わった積層された容器Cは、外装部12の両開き扉部13を開放して容器供給排出機Bによって排出コンベアへ排出される。
【0036】
次ぎに、この発明の実施形態を示す容器洗浄遠心乾燥装置の洗浄システムのフローチャートに基づいて洗浄機Wの作用について説明する。
【0037】
積層された容器Cがターンテーブル1の回転中心付近に載置され、容器洗浄遠心乾燥装置の起動スイッチをON状態にすると、容器洗浄遠心乾燥機A及び洗浄機Wへ指示信号が送られ連動して自動的に両機とも駆動される。
【0038】
洗浄機Wにおいて、循環ろ過水タンク(図においてはろ過タンク)23及び清浄水タンク(図においては温水タンク)27は、温度調節器によって一定の温度の温水にして洗浄準備状態を完了する。洗浄ポンプ25が起動すると、第1次洗浄の場合は、循環ろ過水タンク23から循環ろ過水を送水管22を通して4本の洗浄管20へ一定の圧力を掛けて送水する。洗浄を行なったろ過水は、循環ろ過水装置である複数の装置(図では複数の洗浄タンク)を経てろ過水は循環ろ過水タンクへ循環水路24を通って戻される。この循環ろ過水の水は第1次洗浄、及び第2次洗浄に用いる。
【0039】
第3次洗浄は、清浄水タンク27からの清浄水によって行なわれ、洗浄を行なった後の清浄水は、洗浄を行なったろ過水と同様に循環ろ過水装置である複数の装置(図では複数の洗浄タンク)を経てろ過水は循環ろ過水タンクへ循環水路24を通って戻される。この循環ろ過水の水は第1次洗浄、及び第2次洗浄に用いる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
この発明は、多数の容器を繰り返し使用する工場、特にパン等の食品工場等で使用される食品容器等の容器を、洗浄し乾燥させる装置として利用可能性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】この発明の実施形態を示す容器洗浄遠心乾燥装置の全体内部正面説明図
【図2】同じく全体内部側面説明図
【図3】同じく全体内部平面説明図
【図4】同じく全体正面図
【図5】同じく全体側面図
【図6】同じく全体平面図
【図7】この発明の実施形態を示す容器洗浄遠心乾燥機の一部切欠内部説明図
【図8】この発明の実施形態を示す容器洗浄遠心乾燥装置の洗浄システムのフローチャート
【符号の説明】
【0042】
A 容器遠心乾燥機
1 ターンテーブル
2 コラム
3 アッパープレート
4 クランプ部
5 駆動モータ
6 クランプ開閉用シリンダー
7 プッシュプルロッド
8 ロータリーカップリング
9 クランプ開閉用ヨーク
10 コネクティングロッド
11 クランプアーム
12 外装部
13 両開き扉部
20 洗浄管
21 洗浄ノズル
B 容器供給排出機
W 洗浄機
22 送水管
23 循環ろ過水タンク
24 循環水路
25 洗浄ポンプ
26 循環ろ過装置
27 清浄水タンク
C 容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
扉部を有する外装部を有し、外装部の内部に積層された容器を載置するターンテーブルと、ターンテーブルの上部にターンテーブルの回転中心から同距離で対向する位置に2本づつ立設させるコラムと、対向するそれぞれ2本のコラムを上部で結合させるアッパープレートと、積層された容器をセンタリングしつつ開閉自在に4つの隅部を固定する4つのクランプ部と、ターンテーブル、コラム、アッパープレートおよびクランプ部を回転させる駆動モータと、ターンテーブル回転中心に垂直方向に配置されクランプ部を開閉するクランプ開閉用シリンダーと、
ターンテーブルから間隔を有した外周に外周方向において略等間隔に垂直方向に複数の洗浄管を立設し、各々の洗浄管は上下方向に複数ほぼ等間隔に洗浄ノズルを内側に向かって設けた容器洗浄遠心乾燥機を有することを特徴とする容器洗浄遠心乾燥装置。
【請求項2】
扉部を有する外装部を有し、外装部の内部に積層された容器を載置するターンテーブルと、ターンテーブルの上部にターンテーブルの回転中心から同距離で対向する位置に2本づつ立設させるコラムと、対向するそれぞれ2本のコラムを上部で結合させるアッパープレートと、対向するそれぞれ2本のコラムの間に垂直方向に設けられる部分とアッパープレートに水平に設けられる部分とともに門形に設けられロータリーカップリングの作動により昇降する2つのクランプ開閉用ヨークと、それぞれのクランプ開閉用ヨークに上下に複数設けられるとともにそれぞれのクランプ開閉用ヨークの左右に設けられるリンク機構であるコネクティングロッドと、それぞれのコネクティングロッドが連結するクランプアームと、それぞれのクランプアームが連結しコラムに回動自在に設けられ積層された容器をセンタリングしつつ開閉自在に4つの隅部を固定する4つのクランプ部と、ターンテーブル、コラム、アッパープレートおよびクランプ部を回転させる駆動モータと、ターンテーブル回転中心に垂直方向に配置されるクランプ開閉用シリンダーとを有し、
クランプ開閉用シリンダーは、プッシュプルロッドおよびロータリーカップリングを介してクランプ開閉用ヨークに連結し、それぞれのクランプ開閉用ヨークは、リンク機構であるコネクティングロッド及びクランクアームを介してクランプ部を開閉させるとともに、
ターンテーブルから間隔を有した外周に外周方向において略等間隔に垂直方向に複数の洗浄管を立設し、各々の洗浄管は上下方向に複数ほぼ等間隔に洗浄ノズルを内側に向かって設けた容器洗浄遠心乾燥機を有することを特徴とする容器洗浄遠心乾燥装置。
【請求項3】
積層された容器を容器洗浄遠心乾燥機へ積層整列させた後、容器を供給搬出させる容器供給排出機によって開放された扉部から外装部内に搬入されターンテーブルの回転中心に載置されると同時に扉部が閉鎖され密閉状態にし、
次ぎに、洗浄管の洗浄ノズルより洗浄水により積層された容器へ、クランプ部によるクランプ前に洗浄水を吹付け第1次洗浄をした後、
クランプ部によって積層された容器を全体をクランプし、
次ぎにターンテーブルを低速で回転させながら洗浄管の洗浄ノズルより洗浄水により第2次又は第2次及び第3次洗浄をした後、洗浄水を止めて洗浄を停止後、
ターンテーブルの回転を高速回転として遠心乾燥後、ターンテーブルを停止させ、クランプ部によるクランプを解除し、
外装部の扉部を開けて段積み容器を、容器供給排出機によって外装部の外に排出することを特徴とする容器洗浄遠心乾燥方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−296198(P2008−296198A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−148141(P2007−148141)
【出願日】平成19年6月4日(2007.6.4)
【出願人】(000177298)三鈴工機株式会社 (8)
【Fターム(参考)】