説明

局所製剤とその用法

【課題】
【解決手段】 本発明は(i)コンフリーまたはコンフリー由来の化合物あるいはその類似体もしくは誘導体と、(ii)浸透促進剤とを含み、任意にタンニン酸またはその類似体あるいは誘導体を含む局所製剤を提供する。本発明はまた(i)コンフリーまたはコンフリー由来の化合物あるいはその類似体もしくは誘導体と、(ii)タンニン酸またはその類似体あるいは誘導体とを含み、任意に浸透促進剤を含む局所製剤を提供する。また、キットと、本明細書に記述した有効成分の組み合わせを使用した炎症および/または変性状態の予防的または治療的処置の方法とを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、変性および/また炎症状態の治療または予防に用いる局所製剤とその用法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は多くの形態の変性および/または炎症状態の治療および予防に適用性を有するが、簡潔にするために、以下の記述は関節炎治療におけるその適用性を論じることに限定する。なお、本発明の製剤は他の変性および/または炎症状態の治療に用いることができる。
【0003】
関節炎は単独の関節または複数の関節の変性状態であり、通常、痛みと炎症を伴う。関節炎の最も一般的な2種類の形態は変形性関節症とリウマチ関節炎である。変形性関節症(OA)は関節軟骨の変性を特徴とする進行性のリウマチ性疾患である。OAはリウマチ性障害のうちで最もよく見られるもので、西欧社会において最も蔓延し、費用のかかる疾患の1つとなっていくであろう。
【0004】
OAに対して従来から採用されている治療処置には、理学療法および抗鬱薬療法の使用、患者の教育および体重管理が含まれる。さらに、薬物療法としては、パラセタモールなどの非オピオイド鎮痛薬、非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)、局所鎮痛薬、COX−2阻害剤、オピオイド鎮痛薬、関節内ステロイド注射がある。しかしながら、これらの治療法は一部の患者には効果の無いことも多く、NSAIDSはひどい副作用をもたらす可能性がある。例えば、NSAIDSを服用することで胃腸合併症が頻繁に報告されており、英国ではNSAIDSの服用のために毎年約12,000人の入院患者と約2000人の死者が出ている。したがって、OAの治療において有効性が高くかつ毒性の低い薬が必要と思われる。特に、従来の薬物療法に対して効き目が無い患者に対して安全かつ効果的な薬が必要である。この点で、多くの患者がますます補完代替療法(CAM)へと転じつつある。
【0005】
リウマチ疾患を患う人によるCAMの使用は広く普及し増加しつつある。関節炎は米国においてCAMで治療される第6番目の健康問題として最もよく引き合いに出されるものである。CAMを常用する個人はOAおよび深刻な痛みを持つ可能性が高い。筋骨格の問題に苦しむ患者はハーブ治療の使用者となり易い。従って、OAの治療においてハーブ薬の効果と安全性を決定することは重要である。
【0006】
ロング(Long)等による調査(非特許文献1)によると、OAにおけるハーブ薬および植物抽出物による痛みの軽減と、運動性、機能および障害の改善についての無作為化比較試験で有望な証拠が見つかっている。イーズモフ(Eazmov)、ジタジル(Gitadyl)、またはショウガ抽出物などのCAMに関して、臨床的に著しい有意な利点があるという証拠は無いが、単一無作為化比較試験ではルーマレックス(Reumalex)、ヤナギ樹皮、一般的なイラクサ、およびアーユルベーダのハーブ調合薬であるアーティキュリン−F(Articulin−F)を使用して症状を軽度ないし中程度軽減するという弱い証拠はある。OA症状を軽減することについて、デビルズクロウとアボカドおよび大豆抽出物の効能についても有望な証拠があり、また、ファイトドロール(phytodolor)とカプサイシンクリームの効能についても中程度に強い証拠がある。
【0007】
局所的に塗布するカプサイシンもまた侵害受容性疼痛ニューロンの亜集団を刺激することによりその作用を発揮すると提案されている。カプサイシンへの暴露はサブスタンスPの欠乏を引き起こし、それ以降ニューロンはカプサイシンそのものへの暴露を含む他の全ての暴露に非感受性となる。
【0008】
これらのハーブ薬には副作用の発生は低いと思われ、長期の慢性的なOAを患う患者に対して待望の代替薬を提供する可能性がある。
【0009】
コンフリーの根または葉(粗製の状態またはその抽出物のどちらかで)はOAの治療に使用されてきた。しかしながら、コンフリー抽出物を含む製剤はOAに関わる痛みに対して一時的な緩和を提供するために使用されてきたに過ぎない。例えば、特許文献1は筋肉痛治療用のハーブ組成物を記載し、その組成物はアロエ・ベラ(Aloe vera)、カプサイシン、ゴールデンシール、コンフリー根の超細断樹皮および水から成る。特許文献2は馬および犬の変形性関節炎の症状を緩和する治療に用いる摂取可能なハーブを基本とした製剤を記載する。この製剤は、動物の餌に添加される親密添加物として、デビルズクロウとコンフリーの混合物から成る(ある一実施形態では、タンポポ、ゴボウおよびイラクサの混合物を含んでも良い)。特許文献3は、精製木酢とコンフリーの葉などの植物の葉の成分から成る液状の強壮組成物の記載がある。これは関節炎を和らげると書かれているが、その主張を支持する実験的な証拠は提示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第5,958,418号明細書
【特許文献2】米国特許第6,333,056号明細書
【特許文献3】米国特許第4,059,695号明細書
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Long他著、Rheumatology、2001年、第40巻、p.779−793
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は炎症および/または変性状態に対するより効果的な予防または治療処置とそれに用いるための局所製剤とを提供することによって前述の従来技術の問題の幾つかを克服または少なくとも軽減する。
【0013】
本明細書には、文書、作用、材料、装置、物品などの検討が含まれるが、それは単に本発明の背景を提供するためである。本出願の各請求項の優先日以前にこれらの要素の一部あるいは全部が従来技術の基礎の一部を形成、あるいは、そのまま本発明に関連する分野におけるありふれた一般的知識となっていたということを提案主張するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0014】
第1の態様では、本発明は(i)コンフリーあるいはコンフリー由来の化合物、またはその類似体あるいは誘導体と、(ii)浸透促進剤とを含む局所製剤を提供する。コンフリーは粗製のコンフリーの葉や根の生成物や、コンフリーの根や葉の抽出物、またはそれらのどの組み合わせであってもよい。コンフリー由来の化合物はコンフリーに通常に見いだされる如何なる化合物でもよく、アラントイン、コリン、アスパラギン、フェノール酸(例えば、ローズマリー酸、クロロゲン酸、コーヒー酸、リソスペルミン酸など)、ロズマリン酸、揮発性油、タンニン、ステロイド系サポニン、トリテルペンおよびビタミンB12などがあるが、それらには限定されない。
【0015】
本発明の局所製剤中のコンフリーあるいはコンフリー由来化合物の量は当業者により特定の用途に合わせて変更してもよいが、本発明の一実施形態では、局所製剤の全重量の約0.5%から約40%までの量で存在する。
【0016】
本発明の他の態様では、局所製剤はタンニン酸もしくはその類似体あるいは誘導体を含んでもよい。タンニン酸(またはその類似体あるいは誘導体)は粗製植物抽出物(例えば、没食子抽出物)の状態、あるいは実質的に純粋な医薬品純度のものでもよい。本発明の局所製剤において使用されるタンニン酸(またはその類似体あるいは誘導体)の量は当業者により特定の用途に合わせて変更できるが、局所製剤の全重量の約2%から約20%までの量で存在してよい。
【0017】
本発明の局所製剤に用いられる浸透促進剤は、ルリヂサ油、ユーカリ油(ユーカリプタス・グロブルス(eucalyptus globulus)油など)、およびテトラヒドロピペリン(コスモペリンなど)、またはそれらの組み合わせから成るグループの中から選んでよい。本発明の局所製剤に用いる浸透促進剤の量は当業者により特定の用途に合わせて変更できるが、本発明の一実施形態では局所製剤の全重量の少なくとも0.05%の量で存在する。一実施形態において、浸透促進剤はユーカリプタス・グロブルス油である。ユーカリプタス・グロブルス(異名:ブルーガム)はフトモモ科に属する木である。ユーカリプタス・グロブルス油(ユーカリプタス・アエテロレウム(eucalyptus aetheroleum)としても知られる)は新鮮な葉体のおよそ0.45%から1.65%を占める。この油はテルペン1,8−シネオール(80−90%)、p−シメン、a−ピネン、リモネン、ゲリアノール、カンフェン、およびオイグローバルを含有する。葉のワックスは、メチルフラボンユーカリプチンのみならずケルセチン、クエルシトリン、およびルトシドなども含有する。ユーカリプタス・グロブルスは、当業者に公知な如何なる技術で調製することができ、特に限定されるものではないが、小枝もしくは新鮮な葉または乾燥した葉のエタノール抽出および/または水蒸気蒸留が含まれる。
【0018】
さらに他の態様では、本発明は(i)前述のようなコンフリーもしくはコンフリー由来の化合物、またはその類似体あるいは誘導体と、(ii)前述のようなタンニン酸またはその類似体あるいは誘導体とを含む局所製剤を提供する。本発明の局所製剤に使用するタンニン酸の量は当業者により特定の用途に合わせて変更できるが、局所製剤の全重量の約2%から約20%までの量で存在する。
【0019】
本発明の一実施形態では、局所製剤は浸透促進剤を含有してもよい。この浸透促進剤には、これに限定されるものではないが、前述のようなルリヂサ油、ユーカリ油(ユーカリプタス・グロブルス油など)、およびテトラヒドロピペリン(コスモペリンなど)、またはそれらの組み合わせが含まれる。
【0020】
本発明の製剤は、炎症および/または変性状態と、前記炎症および/または変性疾患に関連した痛み、腫れ、凝りおよび/または運動性の欠如に対して長期間の緩和を与えることが判明している。
【0021】
本発明の他の態様では、必要のある患者ならびに炎症および/または変性を起こした部位、もしくは炎症および/または変性を起こすと予期される部位に対して(i)コンフリーもしくはコンフリー由来の化合物、またはその類似体あるいは誘導体と、(ii)浸透促進剤とを含む局所製剤を塗布することと、任意に前記部位に対してタンニン酸を塗布することとを含む炎症および/または変性状態の予防的または治療的処置の方法を提供する。
【0022】
本発明のさらに他の態様では、必要のある患者ならびに炎症および/または変性を起こした部位、もしくは炎症および/または変性を起こすと予期される部位に対して(i)コンフリーもしくはコンフリー由来の化合物、またはその類似体あるいは誘導体と、(ii)タンニン酸またはその類似体あるいは誘導体とを含む局所製剤を塗布することと、任意に前記部位に対して浸透促進剤を塗布することとを含む炎症および/または変性状態の予防的または治療的処置の方法を提供する。
【0023】
炎症および/または変性状態の予防的または治療的処置に用いる薬物の製造における、前述のような局所製剤の利用法も提供する。前記処置は、その必要のある患者ならびに炎症および/または変性を起こした部位、もしくは炎症および/または変性を起こすと予期される部位に対してある量の前記局所製剤を塗布することを含む。
【0024】
本発明による方法ならびに用法に適合する炎症および/または変性状態の種類は、これらに限定されるものではないが、変形性関節症、リウマチ性関節炎、敗血性関節炎、痛風、仮性痛風、若年性関節炎、スチル病(Still's disease)、頸部脊椎炎、腰椎炎、肩関節周囲炎、踵骨棘、乾癬性関節炎、および強直性脊椎炎が含まれる。
【0025】
本発明のさらに他の態様では、前述のような浸透促進剤を含む第1容器と、前述のようなコンフリーもしくはコンフリー由来の化合物、またはその類似体あるいは誘導体を含む第2容器とを有するキットを提供する。このキットは前述のようなタンニン酸またはその類似体あるいは誘導体を含む第3容器を任意に含んでいてもよい。また、前述のようなコンフリーもしくはコンフリー由来の化合物、またはその類似体あるいは誘導体を含む第1容器と、前述のようなタンニン酸またはその類似体あるいは誘導体を含む第2容器とを有するキットを提供する。このキットは前述のような浸透促進剤を含む第3容器を任意に有してもよい。前述のような本発明による局所製剤を有する容器を含むキットを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0026】
第一の態様において、本発明は(i)コンフリーもしくはコンフリー由来の化合物、またはその類似体あるいは誘導体と、(ii)浸透促進剤とを含む局所製剤を提供する。
【0027】
コンフリーはムラサキ科の多年生のハーブで、黒くてカブのような形をした根と大きく毛様の幅広い葉を持ち、小さなベル形をした白色、クリーム色、紫色、またはピンク色の花をつける。コンフリーはヨーロッパに自生し、湿った草深い場所に育ち、イギリス諸島中の川岸や排水溝に広く生息している。コンフリーは有機栽培の園芸家と植物学者の両方によりその優れた有用性と多用性について長きに渡って認識されてきた。コンフリーはこれまでに気管支の不調や骨折および胃や静脈瘤性の潰瘍といった広範囲の様々な不快症状を治療するのに用いられてきた。
【0028】
コンフリーは粗製のコンフリー葉もしくは根の生成物や、コンフリーの根や葉の抽出物、またはそれらの如何なる組み合わせであってもよい。本発明の局所製剤におけるコンフリーの量は当業者により特定の用途に合わせて変更してもよいが、局所製剤の全重量の少なくとも0.5%の量を含有した場合、関節炎などの炎症および/または変性状態に関連した痛みと不快を緩和する特定の有益特性を持つことが判明している。本発明の他の実施形態では、コンフリーの量は本発明の局所製剤の全重量の約0.5%から約40%までの範囲である。
【0029】
コンフリー由来の化合物には、特に限定されるものではないが、アラントイン、コリン、アスパラギン、フェノール酸(例えば、ローズマリー酸、クロロゲン酸、コーヒー酸、およびリソスペルミン酸)、ロズマリン酸、揮発性油、タンニン、ステロイド系サポニン、トリテルペンおよびビタミンB12が含まれる。一実施形態では、コンフリー由来の化合物は、当業者に公知な方法によって抽出され、天然に存在する化合物でもよく、更に必要に応じて任意に少なくとも部分的に精製された物でもよい。一実施形態では、コンフリー由来の化合物は必要に応じて実質的に純粋な状態に精製される。本明細書で使用する「実質的に純粋」という用語は、典型的には、生体中で通常一緒に存在する他の化合物が実質的に共存していないという意味である。
【0030】
重要なこととして、本明細書で用いるコンフリー由来の化合物とは、例えば、コンフリーから抽出する方法によって得られた化合物、またはその抽出物に本発明を限定しようとするものではない。よって、本発明の他の実施形態では、コンフリー由来の化合物は当業者に公知な工程によって製造された合成物であってもよい。本発明のある幾つかの実施形態では、天然に存在する化合物と合成化合物との組み合わせも想定される。
【0031】
本発明の一実施形態では、コンフリー由来の化合物はアラントイン、またはその類似体あるいは誘導体である。アラントインは尿酸の酸化物である。
【0032】
【化1】

【0033】
本発明のある一実施形態では、アラントイン誘導体は次の化学構造を有し、純粋な状態、混合状態、またはラセミ体であるその全ての立体異性体であってよい。
【0034】
【化2】

【0035】
式中、R、R及びRはそれぞれ独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシルまたはアリールであり、XはOH、OR、NH、NHRまたはNRである。さらに他の実施形態では、R、R2及びR3はそれぞれ独立した水素であり、XがNHである。
【0036】
本発明の他の実施形態では、アラントイン誘導体は以下の化学構造を有する尿酸またはその類似体あるいはその誘導体であり、それらは純粋な状態、混合状態、またはラセミ体であるその全ての立体異性体であってよい。
【0037】
【化3】

【0038】
式中、R、R、RおよびRは独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシルまたはアリールである。ある一実施形態では、R、R、RおよびRが独立した水素である。
【0039】
本発明の他の実施形態では、コンフリー由来の化合物はコリンまたはその誘導体であり次の化学構造を有する。
【0040】
【化4】

【0041】
式中、XがNH、NHMe、NMeまたはNMeである。ある一実施形態では、コリン誘導体はそれの製薬学的に許容可能な塩であり、特に限定されるものではないが、無機酸(塩酸、硫酸、リン酸など)および有機酸(酢酸、プロピオン酸、ブタン酸または酒石酸など)などが含まれる。一実施形態では、コリン誘導体はXがNMeである無機塩である。
【0042】
本発明の他の実施形態では、コンフリー由来の化合物は化学式(4)の構造を有するロスマリン酸またはその誘導体であり、それは純粋な状態、混合状態、またはラセミ体であるその全ての立体異性体であってよい。
【0043】
【化5】

【0044】
式中、R、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシルまたはアリールである。ある一実施形態では、R、R、R、RおよびRはそれぞれ独立した水素である。
【0045】
ローズマリー酸は、以下に図示のようにコーヒー酸と水和コーヒー酸類似体のエステルである(R立体異性体はサルビアン酸としても知られる)。よって、コンフリー由来生成物の類似体および誘導体はコンフリー代謝物(すなわち前駆体)および/または局所的な投与後にその場所で酵素によってローズマリー酸が加水分解されて生じた生成物も含み、特に限定されるものではないが、これにはアルキル化、アシル化、および他の誘導体化したローズマリー酸類似体が含まれる。
【0046】
【化6】

【0047】
よって、本発明の他の実施形態では、コンフリー由来の化合物は、化学式(5)の構造を有するコーヒー酸、またはその誘導体であり、それは、純粋な状態、混合状態、またはラセミ体である全ての立体異性体であってよい。
【0048】
【化7】

【0049】
式中、R、R及びRはそれぞれ独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシルまたはアリールである。ある一実施形態では、R、R及びRはそれぞれ独立した水素である。
【0050】
本発明のさらに他の実施形態では、コンフリー由来の化合物は化学式(6)の構造を有する水和コーヒー酸、またはその誘導体であり、これは、純粋な状態、混合状態、またはラセミ体であるその全ての立体異性体であってよい。
【0051】
【化8】

【0052】
式中、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシルまたはアリールである。ある一実施形態では、R、R、RおよびRはそれぞれ独立した水素である。
【0053】
本明細書で用いる「アルキル」という用語は概して、飽和、直鎖、分岐、または環状の1から18個の炭素原子を有する全ての炭化水素残基をも意味し、「アルケニル」という用語は直鎖、分岐、または環状の1から18個の炭素原子を有する少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する全ての炭化水素残基をも意味し、「アルキニル」という用語は直鎖、分岐、または環状の1から18個の炭素原子を有し少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する全ての炭化水素残基をも意味し、「アシル」という用語はある部分にC=Oを含む残基を意味するが、カルボン酸、エステルまたはアミドを意味するものではない。一実施形態では、アシル残基は、RがH、アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールであるR−C=Oを含む。「アリール」という用語は、芳香族炭化水素残基を意味し、これにはフェニルがあるが、それには限定されない。
【0054】
本明細書で用いる「類似体」および「誘導体」という用語は互換的に用いられ、天然に存在する化合物の構造と実質的に同様の化学構造を有し、その天然に存在する同等物の生物学的機能の少なくとも一部を保持する化合物を意味する。類似体あるいは誘導体は天然に存在しているものでもよいし、当業者が利用可能な合成技術を用いて作成したものでもよい。
【0055】
本明細書で用いる「実質的に同様な」という用語は、化学構造の1つ以上の置換基の置換または付加の結果によって生じた類似体や誘導体が元の天然に存在する化合物の生物的な活性の少なくとも一部を有することを概して意味する。
【0056】
いくつかの実施形態では、少なくとも部分的に精製されたコンフリーの抽出物もしくはコンフリー由来の化合物、またはその類似体あるいは誘導体を含む製剤は、本明細書では「非薬物」製剤と呼ぶ。非薬物製剤には、それに限定されるものではないが、甘草抽出物(例えば、甘草の根の抽出物)、アシュワガンダ抽出物、デビルズクロウ抽出物、イカリソウの葉の抽出物およびラベンダー抽出物などの追加の抽出物が含まれてもよい。
【0057】
他の実施形態では、ここに記載したようなコンフリー由来の化合物またはその類似体あるいは誘導体を含む製剤は(合成品であるか、少なくとも部分的に精製された天然に存在する化合物であるかに関わらず)、本明細書では「薬物」製剤と呼ばれる。粗生成物、抽出物およびコンフリー由来の化合物(もしくは他の部分的に精製された有効成分)の組み合わせを含む局所製剤もまた本発明の一部として想定される。
【0058】
本明細書で用いた「少なくとも部分的に精製された」という用語は概して、化合物またはその類似体あるいは誘導体が、その天然の状態から少なくとも部分的に精製されたものであることを意味する。一実施形態では、少なくとも部分的に精製された化合物はそれと自然状態で会合するようなタンパク質、核酸、脂質、炭水化物または他の物質を実質上含まない。例えば、コンフリー由来の化合物またはその類似体あるいは誘導体は、それが見出される天然原料から取り出されるという点で、少なくとも部分的に精製されると考えられる。任意に、コンフリー由来の化合物またはその類似体あるいは誘導体は、ここに記載のものなど、常用の周知な方法を用いて更に精製可能である。本発明の一実施形態では、少なくとも部分的に精製されたコンフリー由来の化合物またはその類似体あるいは誘導体は製剤の全重量の少なくとも1または数質量パーセント、例えば、製剤の全重量の少なくとも約5質量パーセントを占めることができる。一実施形態では、少なくとも部分的に精製されたコンフリー由来の化合物またはその類似体あるいは誘導体は製剤の全重量の少なくとも約20質量パーセントを占める。他の一実施形態では、少なくとも部分的に精製されたコンフリー由来の化合物またはその類似体あるいは誘導体はさらに精製され、製剤の全重量の少なくとも約50質量パーセントを占めることができる。さらに他の一実施形態では、少なくとも部分的に精製されたコンフリー由来の化合物またはその類似体あるいは誘導体はさらに精製され、製剤の全重量の少なくとも約80質量パーセントを占めることできる。他の実施形態では、少なくとも部分的に精製されたコンフリー由来の化合物またはその類似体あるいは誘導体はさらに精製され、製剤の全重量の少なくとも約90質量パーセントまたは少なくとも約95質量パーセントもしくはそれ以上を占めることが可能である。本明細書で使用した「実質上含まない」という用語は概して、コンフリー由来の化合物またはその類似体あるいは誘導体を、それと自然状態で会合する分子を(乾燥重量で)約90%、70%、50%、30%、20%、10%または5%未満しか有さないように調製することを言う。
【0059】
(本明細書で記述するような)本発明の局所製剤におけるコンフリーまたはコンフリー由来の化合物またはその類似体あるいは誘導体の量は当業者により特定の用途に合わせて変更してもよいが、一実施形態では、コンフリーまたはコンフリー由来の化合物またはその類似体あるいは誘導体の量は局所製剤の全重量の少なくとも0.5% w/wである。このような製剤はここに記載するような炎症および/または変性状態(例えば、関節炎)に関連した痛みや不快を緩和する特定の有益特性を持つことが本出願人によって判明している。本発明の他の実施形態では、コンフリーまたはコンフリー由来の化合物またはその類似体あるいは誘導体の量は本発明の局所製剤の全重量の約0.5%から約40.0%の範囲になる。1つの例として、アラントインまたはその類似体あるいは誘導体は、本発明の局所製剤の全重量の約0.5%から約10.0%までの量で用いられる。
【0060】
本発明の局所製剤で用いられる浸透促進剤としては、これに限定されるものではないが、ルリヂサ油、ユーカリ油(例えば、ユーカリプタス・グロブルス油、ユーカリプタス・テレチコルティス(Eucalyptus tereticortis)油、ユーカリプタス・ロストラタ油)、テトラヒドロピペリン(THP)、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、オクタノール、ベンジルアルコールなど)、脂肪アルコール(例えば、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール)、脂肪酸(例えば、オレイン酸)、脂肪酸エステル(例えば、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル)、ポリオール(例えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール)、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、レシチン、スパン(SpansTM)、ポロキサマー、ミグリオール(MiglyolTM)、またはそれらの組み合わせが含まれる。他の適当な浸透促進剤としては、これに限定されるものではないが、ジエチレングリコール、モノエチルエーテル(トランスクトール(TranscutolTM)として市販されている)、n−デシルメチルスルホキシド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセタミド、ラウロカプラム(AzoneTM)、ジメチルホルムアミド、モノオレイン酸スクロース、アミドまたはその他の窒素化合物(例えば、尿素、2−ピロリドン、1−メチル−2−ピロリドン、エタノールアミン、ジエタノールアミンおよびトリエタノールアミン)、テルペン、アルカノン、有機酸(例えば、クエン酸、コハク酸)およびN−メチル−2−ピロリジン(ファーマソルブ(PharmasolveTM))、またはそれらの組み合わせが含まれる。
【0061】
本発明の局所製剤における浸透促進剤の量は、局所製剤に使用する有効薬剤(例えば、コンフリー、もしくはコンフリー由来の化合物、タンニン酸、またはそれらの類似体あるいは誘導体)の物理的および化学的特性によって、また、その組成物の他のいずれの成分の物理的および化学的特性によっても変更してよい。本発明の局所製剤で使用される浸透促進剤の量は当業者により特定の用途に合わせて変更できるが、浸透促進剤は本発明の局所製剤中に局所製剤の全重量の少なくとも0.05%w/wの量で存在してもよい。本発明のある一実施形態では、浸透促進剤の量は本発明の局所製剤の全重量の約0.05%から約75%までの範囲となる。
【0062】
本発明の局所製剤における有効薬剤と浸透促進剤の比率も、その有効薬剤の物理的および化学的特性、その薬理活性、および治療の状態と望まれる治療によって、また、局所製剤に含まれる他のいずれの成分の特性によって変更してよい。一実施形態では、局所製剤は活性薬剤と浸透促進剤を約1:1から約1:4の量比で含む。他の実施形態では、局所製剤は活性薬剤と浸透促進剤を約1:1から約1:2の量比で含む。
【0063】
本発明の他の実施形態では、局所製剤に用いられる浸透促進剤の量は、局所製剤の全重量の約0.2%から約1.0%である。
【0064】
浸透促進剤およびコンフリーまたはコンフリー由来の化合物またはその類似体あるいは誘導体に加えて、本発明の局所製剤はさらにタンニン酸またはその類似体あるいは誘導体を含んでもよい。一実施形態では、タンニン酸またはその類似体あるいは誘導体は(ここに前述のように)少なくとも部分的に精製された化合物である。タンニン酸(またはその類似体あるいは誘導体)は、コンフリーまたはコンフリー由来の化合物(またはその類似体あるいは誘導体)を作製中に(例えば、同時に)少なくとも部分的に精製された化合物として作製されてもよく、または少なくとも部分的に精製された化合物として単独に作製された後にコンフリーまたはコンフリー由来の化合物(またはその類似体あるいは誘導体)と混合されてもよく、またはそれらの組み合わせでもよい。本発明のある一実施形態では、タンニン酸は少なくとも部分的に精製された化合物として作製された後にコンフリーまたはコンフリー由来の化合物(またはその類似体あるいは誘導体)と混合される。
【0065】
タンニン酸は没食子酸分子とグルコースの重合体である。タンニン酸の構造をポリフェノール誘導体化した糖として以下に示す。
【0066】
【化9】

【0067】
その構成要素に分解すると、タンニン酸は単一のヘキソース(例えば、グルコース)とエステル結合した複数の没食子酸残基で構成される。
【0068】
よって、本発明の一実施形態では、タンニン酸誘導体は没食子酸、またはそのエステル(没食子酸二量体などがあるが、これには限定されない)であり、単独のものでもタンニン酸との混合物および/またはタンニン酸に部分的に集合したものでもどちらでもよい。さらに他の一実施形態では、タンニン酸の類似体あるいは誘導体は、フェノールの位置で、アルキル化、アシル化あるいは他の誘導体化されたタンニン酸誘導体でもよい。さらに他の一実施形態では、タンニン酸の類似体あるいは誘導体は投与後に酵素の作用を介してその場所でタンニン酸を放出するプロドラッグであってもよい。
【0069】
タンニン酸の類似体としては、限定されるものではないが、ローズマリー酸、コーヒー酸、クルクミン、リスベラトロール、サルビアン酸B(ローズマリー酸の酸化的二量体)およびフェルラ酸(クルクミンと構造的相似を持つ単純なフェノール類)が含まれる。
【0070】
【化10】

【0071】
ここに記述したタンニン酸の類似体または誘導体は、酸化的二量体化を受けて位置化学、環サイズおよび立体化学が異なったものも考えられる。
【0072】
よって、本発明の一実施形態では、タンニン酸の類似体あるいは誘導体は化学式(7)の構造を有するもので、これらは、純粋な状態、混合状態、またはラセミ体であるその全ての立体異性体であってよい。
【0073】
【化11】

【0074】
式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24およびR25はそれぞれ独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシルまたはアリールである。ある一実施形態では、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24およびR25はそれぞれ独立した水素である。
【0075】
本発明のさらに別の一実施形態では、タンニン酸の類似体あるいは誘導体は化学式(8)の構造を有する没食子酸またはその類似体あるいは誘導体であり、これは純粋な状態、混合状態、またはラセミ体であるその全ての立体異性体であってよい。
【0076】
【化12】

【0077】
式中、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシルまたはアリールである。ある一実施形態では、R、R、RおよびRはそれぞれ独立した水素である。
【0078】
本発明のさらに他の実施形態では、タンニン酸の類似体あるいは誘導体は化学式(9)の構造を有するクルクミン酸またはその類似体あるいは誘導体であり、これは純粋な状態、混合状態、またはラセミ体であるその全ての立体異性体であってよい。
【0079】
【化13】

【0080】
式中、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシルまたはアリールである。ある一実施形態では、RとRはそれぞれ独立して水素で、RとRはそれぞれ独立してメチル(Me)である。
【0081】
本発明のさらに別の一実施形態では、タンニン酸の類似体あるいは誘導体は化学式(10)の構造を有するフェルラ酸またはその類似体あるいは誘導体であり、これは純粋な状態、混合状態、またはラセミ体であるその全ての立体異性体であってよい。
【0082】
【化14】

【0083】
式中、R、RおよびRはそれぞれ独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシルまたはアリールである。ある一実施形態では、RとRはそれぞれ独立して水素であり、Rがメチル(Me)である。
【0084】
本発明のさらに別の一実施形態では、タンニン酸の類似体あるいは誘導体は化学式(11)の構造を有するリスベラトロールまたはその類似体あるいは誘導体であり、純粋な状態、混合状態、またはラセミ体であるその全ての立体異性体であってよい。
【0085】
【化15】

【0086】
式中、R、RおよびRはそれぞれ独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシルまたはアリールである。ある一実施形態では、R、RおよびRはそれぞれ独立して水素である。
【0087】
本発明の目的のためには、タンニン酸またはその類似体あるいは誘導体は、工業用水準のものや、没食子などから抽出された(前述したような)少なくとも部分的に精製された抽出物、または標準化抽出物でもよく、あるいはまた、実質的に純粋なもの、医薬品水準のもの、あるいはその誘導体であってもよい。一実施形態では、タンニン酸は、(i)タラ(Caesalpinia spinosa)の抽出物、(ii)タラ(Caesalpinia spinosa)、クエルカス・インフェクトリア(Quecus infectoria)およびラス・セミラタ(Rhus semilata)からの抽出物の混合物、(iii)クエルカス・インフェクトリア(Quecus infectoria)の没食子からの抽出物、(iv)ラス・セミラタ(Rhus semilata)の没食子からの抽出物、(v)ケプラチョ(Schinopsis lorentzii)の木質からの抽出物、および(vi)クリ(Castanea salvia)からの抽出物からなる群から選択される。
【0088】
本発明の局所製剤に用いるタンニン酸(またはその類似体あるいは誘導体)の量は当業者により特定の用途に合わせて変更できるが、局所製剤の全重量の少なくとも2%の量で存在してもよい。一実施形態では、タンニン酸(またはその類似体あるいは誘導体)は局所製剤の全重量の約2%から約20%の量で使用してもよい。
【0089】
本発明のさらに別の態様では、ここに記述したような(i)コンフリーまたはコンフリー由来の化合物、またはその類似体あるいは誘導体と、(ii)タンニン酸またはその類似体あるいは誘導体とを含む局所製剤を提供する。ここに記述したように、このような製剤は浸透促進剤をさらに含んでよい。
【0090】
タンニン酸(またはその類似体あるいは誘導体)は、コンフリーまたはコンフリー由来の化合物(またはその類似体あるいは誘導体)の作製中に(例えば、同時に)少なくとも部分的に精製された化合物として作製されてもよく、あるいは、少なくとも部分的に精製された化合物として単独に作製された後にコンフリーまたはコンフリー由来の化合物(またはその類似体あるいは誘導体)と混合されてもよく、またはそれらの組み合わせでもよい。本発明のある一実施形態では、タンニン酸は少なくとも部分的に精製された化合物として作製された後にコンフリーまたはコンフリー由来の化合物(またはその類似体あるいは誘導体)と混合される。
【0091】
本発明のさらに別の一実施形態では、コンフリー由来の化合物の類似体あるいは誘導体およびタンニン酸の類似体あるいは誘導体はそれらの製薬学的に許容可能な塩あるいはプロドラッグである。
【0092】
本明細書で用いる「製薬学的に許容可能なプロドラッグ」という用語は概して、生理的条件下あるいは加溶媒分解によって特定化合物(例えば、有効薬剤)へあるいは製薬学的に許容可能なその塩へ変換可能な化合物を意味する。
【0093】
本明細書で用いる「製薬学的に許容可能な塩」という用語は概して、特定化合物の遊離酸および遊離塩基の生物学的効果を保持し、生物学的あるいは他の点で有害ではない塩を意味する。本発明の製剤に用いられる化合物は、1つの十分に酸性の官能基か、1つの十分に塩基性の官能基か、あるいは両方の官能基を有し、それにより多数の無機または有機塩基、および無機または有機酸のいずれとも反応して製薬学的に許容可能な塩を形成することができる。製薬学的に許容可能な塩の例としては、本発明の化合物と鉱酸あるいは有機酸または無機塩基との反応により作製されるそれらの塩がある。それらの塩には、これに限定されるものではないが、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオン酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン−1,4−二酸塩、ヘキシン−1,6−二酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、スルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、ガンマ−ヒドロキ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩、メタン−スルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、およびマンデル酸塩が含まれる。
【0094】
含まれる成分の種類と量(例えば、浸透促進剤、コンフリー、コンフリー由来の化合物、タンニン酸、あるいはそれらの類似体あるいは誘導体)、本発明の局所製剤の所望の一貫性および予定の塗布形態に応じて、本組成による局所製剤におけるキャリア材料は、製薬学的に許容可能な油および水、および/または局所製剤において従来から用いられる製薬学的に許容可能な補助薬などのキャリア材料から構成されてもよい(例えば、軟膏、クリームおよびジェルの従来基材における)。構造形成剤、増粘剤、またはゲル生成剤を組成物に混ぜることが賢明である場合も多い。適当な薬剤としては、特に、高度に分散したケイ酸(例えば、市販品である「アエロジル(Aerosil)」)、ベントナイト、アルキル基が1から20個の炭素原子を含むようなアルキルアンモニウム塩(例えば、その中に16から18個の炭素原子を含むアルキル基があるジメチル−ジアルキル−アンモニウム塩)などで修飾されたモンモリロナイト(例えば、市販品である「ベントーネ(Bentone)」)のような修飾モンモリロナイト、有機構造形成剤、増粘剤および懸濁化剤(例えば、キサンタンガム、カラギーナンガム、セトステアリルアルコール)および修飾ヒマシ油製品(例えば、市販品である「アンチセトルCVP(Antisettle CVPTM)」)がある。
【0095】
本発明の局所製剤に用いられる製薬学的に許容可能な補助剤には、軟膏、ゼリーおよびローションの作製に従来から使用される補助剤が含まれる。例えば、増粘剤、乳化剤、酸化防止剤、吸湿剤、防黴剤、香料などがある。
【0096】
本発明による局所製剤は、如何なる従来方法で作製してもよい。一実施形態では、タンニン酸(またはその類似体あるいは誘導体)、グリセリン、メチルパラベン、およびコンフリー以外の抽出物をサイド容器中で混合し、溶液が完成するまで撹拌する。別のサイド容器中で、ヒマシ油を精油と均質になるまで混ぜる。適当なバッチ釜中で、アロエ・ベラ液をヒドロキシメチルグリシン酸ナトリウムとゲル化剤に添加してよく撹拌する。次にタンニン酸/グリセリン混合物をバッチ釜に加えてよく撹拌し、続いてヒマシ油混合物を加えて再びよく撹拌する。その後、混ぜ合わせた溶液を滑らかになるまで撹拌する。
【0097】
本発明による局所製剤は水性(例えば、水を含んでいるもの)でもよく、あるいは、非水性でもよく、体表面に塗布した直後から体表面より蒸発する水分が製剤内に維持されるように密封被膜層と任意に組み合わせて用いてもよい。
【0098】
浸透促進剤とコンフリー由来化合物(またはその類似体あるいは誘導体)を含む製剤やコンフリー由来化合物(またはその類似体あるいは誘導体)とタンニン酸(またはその類似体あるいは誘導体)を含む製剤は、変形性関節症などの不快症状を長期間緩和できることが判明している。理論に縛られることなく、本発明の製剤中の有効成分は炎症および/または変性の部位で相乗的に作用することができ、かつ1クールの処置後の緩和が永久的ではないにしても長続きすると思われる。一実施形態では、適当な1クールの処置は約1日から約100日の期間に亘って1日当たり1から5回の塗布である。他の一実施形態では、適当な1クールの処置は約1日から約180日の期間に亘って1日当たり1から5回の塗布である。別の一実施形態では、適当な1クールの処置は約15日から約90日の期間に亘って1日当たり3から4回の塗布である。
【0099】
さらに、浸透促進剤が存在する場合、現在幾つかのコンフリー系製剤で見られるような包帯または圧力パッドを適用する必要はなく、製剤を直接塗布することができる。
【0100】
本発明による局所製剤は、体表面に局所的に使用するのに適した組成物の形をとってもよく、その例としては、クリーム、ローション、溶液(例えば、噴霧液)、ゲル、軟膏、ペースト、硬膏剤、塗り薬、生体接着剤などである。典型的なゲル製剤は、グリセリン(5−20% w/w)、ヒマシ油(10−25%w/w)、タンニン酸(2−20%w/w)、アシュワガンダ抽出物(0.5−2.0% w/w)、ケルプ抽出物(0.5−2.0% w/w)、全コンフリー抽出物(0.5−40% w/w)、アロエ ベラ液(40−60% w/w)、ラベンダー油(0.1−0.3% w/w)、ユーカリ油(0.1−5% w/w)、メチルパラベン(0.1−0.3% w/w)およびヒドロキシメチルグリシン酸ナトリウム(0.1−0.3% w/w)から構成され得る。
【0101】
軟膏
軟膏は、当技術分野で周知のように、典型的にはワセリンまたはその他のワセリン誘導体を基剤とした半固体の調合薬である。使用しうる特定の軟膏基剤は、当業者には理解されるであろうが、有効薬剤の最適放出を提供し、他の望ましい性質(例えば、軟化性など)も同様に提供してくれるものである。他の担体または媒体と共に用いても、軟膏基剤は概して不活性、安定、非刺激性、非感作性である。軟膏基剤は、油脂性基剤、乳化性基剤、乳剤性基剤、水溶性基剤の4つのクラスに分類される。油脂性軟膏基剤には、例えば植物油、動物から得た脂肪、石油から得た半固体の炭化水素がある。乳化性軟膏基剤は、吸水性軟膏基剤としても知られ、水を殆どあるいは全く含んでいないもので、例えば、ヒドロキシステアリン酸硫酸塩、無水ラノリン、および親水性ワセリンがある。乳剤性軟膏基剤は、油中水型(w/o)乳剤と水中油型(o/w)乳剤のどちらでもよく、例えば、セチルアルコール、モノステアリン酸グリセリン、ラノリン、ステアリン酸、および様々な分子量のポリエチレングリコールや、それらの組み合わせがある。適当な炭化水素基剤の他の例として、硬性、軟性あるいは液状パラフィン、グリセロール、蜜ろう、金属せっけん、ガム糊、天然由来の油脂(アーモンド油、トウモロコシ油、ラッカセイ油、ヒマシ油、またはオリーブ油など)、羊毛脂あるいはその誘導体、脂肪酸(ステアリン酸またはオレイン酸など)、またはそれらの組み合わせがあるが、それらには限定されない。
【0102】
クリーム
クリームも当技術分野で周知のように、粘性のある液体または半固体の水中油型乳剤である。クリーム基剤は水洗可能で、油相、乳化剤、および水相から成っている。油相は「内」相とも呼ばれ、ワセリンおよびセチルアルコールやステアリルアルコールなどの脂肪族アルコールがある。水相は、必須な条件ではないが、通常は油相よりも量が多く、一般的に保湿剤を含む。クリーム製剤中の乳化剤は一般的に非イオン性、アニオン性、カチオン性、または両性の界面活性剤、あるいはそれらの組み合わせである。
【0103】
ゲル
当業者には理解されるであろうが、ゲル製剤は一般的に半固体の懸濁タイプ系である。単相ゲルは典型的には担体液のすみずみまで実質上均質に分散した有機巨大分子を含み、この担体液は典型的には水溶液であるがアルコールおよび任意に油を含んでもよい。典型例の「有機巨大分子」(すなわち、ゲル化剤)は、高分子の「カルボマー」族などの架橋アクリル酸ポリマー(例えば、CarbopolTMとして市場で入手可能なカルボキシポリアルキレン)である。ポリエチレンオキシド、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体、ポリビニルアルコール、およびポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびメチルセルロースなどのセルロース系ポリマー、カラギーナンガム、トラガカントおよびキサンタンガムなどのガム、アルギン酸ナトリウム、およびゼラチンも例として挙げられる。適当なゲルを形成する薬剤の他の例としては、カーボポールおよびペクチンなどのカルボキシポリメチレン誘導体がある。本発明の一実施形態では、ゲル化剤はキサンタンガムおよび/またはカラギーナンガムである。
【0104】
一実施形態では、増粘またはゲル化剤は組成物中においてw/w%で一般的に約0.2%から約5.0%までの量で存在する。他の一実施形態では、増粘またはゲル化剤は組成物中においてw/w %で一般的に約0.1%から約1.0%の量で存在する。本発明のさらに他の一実施形態では、局所ゲル製剤は最大3.0% w/wまでの量でゲル化剤(例えば、キサンタンガム)を含んでもよい。
【0105】
均一なゲルを作製するために、アルコールなどの希釈剤を添加してもよく、ゲル化剤を粉砕、機械混合または撹拌、あるいはそれらの組み合わにより分散させてもよい。
【0106】
ローション
ローションは典型的には摩擦せずに皮膚表面に塗布される調合薬であり、典型的には有効薬剤(例えば、コンフリー、タンニン酸)などの固体粒子を水またはアルコール基剤中に含む液体または半液体の調合薬である。ローションは通常は固体の懸濁液であり、本発明の目的のためには、水中油型の油性乳剤液からなってもよい。ローションはより流動性のある組成物の塗布が容易になるので、広範囲の身体領域を治療するのに使用することができる。一般的には、ローション中の不溶物は微細化されていることが望ましい。したがって、ローションは、典型的には、皮膚に接触する有効薬剤を局在させて保持するのに有用な化合物(例えば、メチルセルロース)、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどの他にも、より良い分散を提供する懸濁化剤を含むことになる。ローションは皮膚上の溶液の乾燥と冷却を早めるアルコールやアセトンなどの薬剤を含んでもよい。ローションはさらにグリセロールまたはヒマシ油あるいはラッカセイ油などの油脂などの保湿剤を含んでもよい。
また、本発明の局所製剤はリポソームおよび/またはミセルを用いて作製してもよい。
【0107】
リポソームは、脂質二重層からなる脂質壁を有する超小型小胞で、本発明における送達システムとして使用することができる。一般的に、リポソーム製剤は貧溶解性または不溶性の薬剤に対して採用される。本発明において使用するリポソーム調合薬には、カチオン性(正荷電)、アニオン性(負荷電)、および中性の調合薬がある。カチオン性リポソームは容易に入手可能である。例えば、N[1−(2,3−ジオレイロキシ)プロピル]−N,N,N−トリエチルアンモニウム(DOTMA)リポソームが商標名リポフェクチン(LipofectinTM)として入手可能である。同様に、アニオン性および中性のリポソームも容易に入手可能であり(例えば、アバンチ・ポーラー・リピッド(Avanti Polar Lipids)、バーミンガム、アラバマ州)、または容易に入手可能な材料を用いて容易に作製することも可能である。そのような材料としては、中でも特に、ホスファチジルコリン、コレステロール、ホスファチジルエタノールアミン、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、 および、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)がある。それらの材料も適当な比率でDOTMAと混合できる。それらの材料を使用したリポソームの製法は当技術分野において周知である。
【0108】
水溶液中のミセルは、当技術分野において、疎水性の炭化水素鎖が球体の中心に向かって配向され中核を形成する一方で、親水性頭部が外側の球殻を形成するように構成した界面活性剤分子からなるものとして知られる。ミセル形成は、ミセルが自然に生じるほど十分な高濃度の界面活性剤を含む水溶液中で行われる。ミセル形成に有用な界面活性剤としては、ラウリン酸カリウム、オクタンスルホン酸ナトリウム、デカンスルホン酸ナトリウム、ドデカンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドクサートナトリウム、臭化デシルトリメチルアンモニウム、臭化ドデシルトリメチルアンモニウム、臭化テトラデシルトリメチルアンモニウム、塩化テトラデシルトリメチルアンモニウム、塩化ドデシルアンモニウム、ポリオキシ−8−ドデシルエーテル、ポリオキシ−12−ドデシルエーテル、ノノキシノール−10およびノノキシノール−30があるが、それらには限定されない。
【0109】
ミセル製剤は 局所送達システムのリザーバーまたは体表面に塗布される局所製剤へ混入することで本発明と連繋して用いることができる。
【0110】
当業者に公知である様々な添加剤も本発明の局所製剤に含まれてもよい。例えば、比較的少量のアルコールなどの溶媒を特定の製剤成分を可溶化するのに用いてもよい。適当な溶媒としては、グリセリン、SD40アルコール、レシチン、ポロキサマー、ミグリオール(MiglyolTM)およびメチルピロリドン、またはそれらの組み合わせがある。その他の適当な溶媒には、グリセロール、希釈イソプロパノールアルコール、ヘキシレングリコール、およびプロピレングリコールがある。
【0111】
メントールも本発明の局所製剤に添加してよい。一実施形態では、本発明による局所製剤に界面活性剤を、例えば、約0.5%から5.0% w/wの量で用いてもよい。適当な界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルビリジニウム、ラウリン酸ナトリウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、ポロキサマー(Poloxamer)(231、182、184)、トウィーン(Tween)(20、40、60、80)およびスパン(SpanTM)があるが、それらに限定されない。
【0112】
保存時の腐敗を防ぐために(すなわち、酵母菌やかびなどの微生物の成育を阻害するために)、本発明の局所製剤に添加してもよいその他の薬剤として抗菌剤がある。適当な抗菌剤として典型的にはp−ヒドロキシ安息香酸のメチルおよびプロピルエステル(すなわち、メチルおよびプロピルパラベン)、安息香酸ナトリウム、ヒドロキシメチルグリシン酸ナトリウム、ソルビン酸、イミド尿素、ヨウ化カリウムおよびそれらの組み合わせからなる群の中から選択される。
【0113】
製剤は、また、組成物中の製薬学的活性を持つ基剤または他の成分から生じる皮膚刺激や皮膚損傷の可能性を最小化または排除するために、刺激緩和添加剤を含んでもよい。適当な刺激緩和剤には、例えばα−トコフェロール;モノアミン酸化酵素阻害剤、特に2−フェニル−1−エタノールなどのフェニルアルコール;グリセリン;アスコルビン酸およびアスコルビン酸塩;モネンシンなどのイオノフォア;両親媒性アミン;塩化アンモニウム;N−アセチルシステイン;シス−ウロカニン酸;カプサイシン;およびクロロキンがある。刺激緩和添加剤は、もし加えるならば、刺激や皮膚損傷を緩和するのに効果的な濃度で本製剤に混入してもよく、具体的には約0.05%から約1.0%(w/w)の濃度が相当する。
【0114】
本発明の局所製剤は、体表面に貼付される送達装置としての積層構造の中に有効薬剤(例えば、コンフリー、コンフリー由来の化合物、浸透促進剤、タンニン酸など)が含まれる従来の皮膚用パッチを用いて、皮膚または粘膜組織を介して投薬されてもよい。そのような構造において、局所製剤は上部支持層の下層にある層、あるいは「リザーバー」に含まれる。積層構造は、単一のリザーバーを有してもよいし、複数のリザーバーを有してもよい。
【0115】
一実施形態では、リザーバーは、局所製剤の送達中にこのシステムを皮膚に貼り付ける役目をする製薬学的に許容可能な粘着材料の高分子マトリックスからなる。具体的に、粘着材料は長期間の皮膚接触に適した感圧接着剤(SPA)であり、局所製剤と物理的且つ化学的に相性がよいものでなければならない。適当な粘着材料の例としては、ポリエチレン;ポリシロキサン;ポリイソブチレン;ポリアクリル酸;ポリアクリルアミド;ポリウレタン;可塑化エチレン−ビニルアセテート共重合体;およびポリイソブテン、ポリブタジエン、ポリスチレン−イソプレン共重合体、ポリスチレン−ブタジエン共重合体およびネオプレン(ポリクロロプレン)などの粘着性ゴムがあるが、それらには限定されない。好適な粘着剤はポリイソブチレンである。
【0116】
支持層はこの経皮システムの一次構造要素として機能し、柔軟性および好適には密封性を持つ装置を提供する。支持層に使用される材料は不活性で、この装置内に含有される局所製剤に含まれる有効薬剤のうちの1つ以上を吸収できないものでなければならない。支持層は好適には、パッチの上表面を介した透過による薬剤および/または媒体の損失を防ぐ保護被覆の役目をする可撓性エラストマー材料から成り、好適にはこのシステムにある程度の密封性を与えて、パッチに覆われた体表面の領域が使用中は保水状態になる。支持層に用いられる材料は、この装置が皮膚の輪郭に沿うことを可能にし、通常機械的な負担のかかる関節または他の屈曲点などの皮膚部位に、皮膚とその装置の間の柔軟性または弾力性の違いによって皮膚からその装置が剥離する可能性が殆どあるいは全くない状態で快適に装着できるものでなければならない。支持層に用いられる材料は、上述のように密封性のものが好ましいが、密封性のものあるいは透過性もののどちらでもよく、一般的には合成高分子(例えば、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、塩化ポリビニリジン、ポリエーテルアミド)、天然高分子(例えば、セルロース系材料)または、マクロ孔質織布物および不織布物に由来する。
【0117】
保存中および使用前には、この層構造は剥離ライナーを含んでもよい。使用直前に、この装置が皮膚に貼り付けられるように、この層は装置から取り除かれることができる。剥離ライナーは典型的には不透過性材料から作られるが、塗布前にその装置を保護するためだけに働く使い捨ての要素である。具体的には、剥離ライナーはその装置に含まれる局所製剤の1つ以上の成分を透過させず、使用前にパッチから簡単に剥離できる材料から形成される。
【0118】
別の一実施形態では、局所製剤含有リザーバーと皮膚接触粘着剤は、リザーバーの下層に粘着剤を置いた別々の層として存在する。このような場合、リザーバーは上述のように高分子マトリックスでもよい。あるいは、リザーバーは、閉鎖小室または「袋」に収容した液状または半固体状の局所製剤からなっても、またはヒドロゲルリザーバーでもよく、あるいは他の何らかの形態をとってもよい。当業者には理解されるであろうが、ヒドロゲルは、水を吸収して膨潤するが水には溶けない高分子ネットワークである。すなわち、ヒドロゲルは吸水性を提供する親水性の官能基を含むが、ヒドロゲルは水不溶性をもたらす架橋高分子からなる。一般的に、ヒドロゲルは、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリオキシエチレン、ポリビニルピロリドン、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)(poly(HEMA))、またはそれらの共重合体または混合物などの架橋親水性ポリマーからなる。特に好適な親水性高分子はHEMAとポリビニルピロリドンの共重合体である。
【0119】
追加的な層(例えば、中間織物層および/または速度制御膜)も、これら送達システムのいずれに存在してもよい。織物層はこの装置の製造を容易にするのに用いられ、一方速度制御膜は装置から局所製剤が透過する速度を制御するのに用いられる。速度制御膜は、もし用いるならば、このシステムにおいて、1つ以上のリザーバーの皮膚側に含まれる。このような膜を形成するのに使われる材料は、典型的には、局所製剤に含まれる1つ以上の成分の流動を制限するように選択される。速度制御膜を形成するのに有用な代表的な材料には、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、エチレン−エタクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニル酢酸メチル共重合体、エチレン−ビニル酢酸エチル共重合体、エチレン−ビニル酢酸プロピル共重合体、ポリイソプレン、ポリアクリロニトリル、エチレン−プロピレン共重合体などがある。
【0120】
一般的に、この経皮装置の下層表面(すなわち、皮膚接触領域)は約0.25cmから200cmの範囲の面積を有し、好ましくは1cmから25cm、より好ましくは2cmから10cmである。その領域はもちろん治療部位の大きさによって変化する。
【0121】
このような送達システムは、当技術分野で公知な従来のコーティングおよび積層技術を用いて作製されてもよい。例えば、粘着マトリックスシステムは、粘着剤と本発明の局所製剤の流体混合物を支持層の上に流延し、その後剥離ライナーを積層することによって作製できる。同様に、この粘着剤混合物を剥離ライナーの上に流延し、その後支持層を積層してもよい。あるいは、リザーバーは局所製剤不在のまま作製し、その後局所製剤を「浸漬」によって装薬してもよい。一般的に、これらのパッチは、溶媒の蒸発、膜の流延、溶融押出、薄膜の積層、打抜きなどによって作られる。局所製剤は一般的には、装置の作製後よりもパッチ製造中に装置に組み込まれる。
【0122】
送達システムは、送達システムの支持層の役目もする粘着性の被覆層を含んでもよく、この被覆層は体表面にパッチをよりよく固定するために用いられる。この被覆層は被覆層上の粘着剤が体表面に接触するようにリザーバーからはみ出すような大きさにする。被覆層は、粘着剤/リザーバー層が水和によって使用後数時間で接着性を失う可能性があるので有用である。このような被覆層を組み込むことにより、送達システムは必要な期間所定位置に留まる。
【0123】
本発明の他の一実施形態では、この送達システムはナノ粒子を含む。ナノ粒子は、有効薬剤を皮膚を介して送達するのに用いるために、本発明の製剤中のミクロエマルジョン内に、あるいはこのような製剤の媒体の一部として分散させてもよい。理論に縛られることなく、このようなナノ粒子は容易に皮膚に浸透して特定の皮膚層内に保持されうる。一実施形態では、ナノ粒子は、磁石に強く引き付けられる鉄鉱石から成る核を持つ。一実施形態ではナノ粒子は磁鉄鉱を含み、一実施形態ではこの磁鉄鉱はFeの一般式を持つ分子に相当する。ナノ粒子は磁鉄鉱の化学的な等価物を含みうる。例えば、一実施形態では(Fe,M)OFeである。一実施形態では、MはZn、Co、Ni、Mn、Cr、AuまたはAgでありうる。一実施形態では、送達システムに用いる本発明方法によるナノ粒子は1から100nmの範囲のサイズである。
【0124】
高分子も当業者に周知な一連の手段によってナノ粒子と結合させてよい。有効薬剤は、順に、高分子に結合させてから、ナノ粒子に結合させてもよいし、化合物の物理化学的特性の一機能として、ナノ粒子に直接に付着させてもよい。利用する高分子の選択は、採用した粒子の一機能であってもよい。一実施形態では、この高分子としては、ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリビニルアルコール、光重合可能なマクロマ(macromers)、それに限定されないがPLGAなどの生分解性高分子、またはそれらの組み合わせがある。他の一実施形態では、高分子は、界面活性剤、ポリエチレングリコール、リグノスルホン酸塩、ポリアクリルアミド、または生体高分子などを含む。さらに他の一実施形態では、生体高分子は、ポリペプチド、セルロースおよびヒドロキシエチルセルロースやカルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、アルギン酸、キトサン、脂質、デキストラン、デンプン、ジェランガムまたは他の多糖類、あるいはそれらの組み合わせを含む。
【0125】
本発明の局所製剤はまた、皮膚を介する有効成分の送達を促進する他の組成物を含んでもよい。例えば、本発明の一実施形態では、有効薬剤は、例えば、国際公開第2006/113668号パンフレット、国際公開第2006/129127号パンフレットおよび米国特許第60/671,892号明細書(これらの全ての内容が参考によりここに組み込まれている)に記載のように、ナノ粒子を用いた巨大分子集合体中に調合される。理論に縛られることなく、このタイプの巨大分子集合体は典型的には天然のリポ蛋白質を模倣し、それゆえに疎水性の有効薬剤を可溶化して皮膚の角質細胞内脂質層や親水性の細孔を透過させることによって、それらの有効薬剤の送達(例えば、経皮送達)を促進すると言われる。理論に縛られることなく、巨大分子集合体が皮膚の角質層の中に閉じこめられることにより、有効薬剤を持続的に皮膚のより深い層に放出できるようにする有効薬剤のリザーバーとして作用し、よって明瞭な治療的プロフィールを提供できる。このことは、有効薬剤の効能を高めることに繋がり、必要塗布回数や必要有効薬剤量を減らせるので、患者にとってより便利なものとなる。
【0126】
例えば局所薬剤送達分野の当業者には理解されるであろうが、局所塗布される送達システムのこれらおよび他のタイプおよび構成は、本発明の製剤に含まれる有効薬剤の送達を促進するために単独または組み合わせとして使用可能である。したがって、この送達システムは、ここに列挙した実施形態の如何なる単独または組み合わせも含むことができると理解されるべきである。
【0127】
適当な皮膚軟化剤または皮膚調整剤は、いずれも任意に本発明の局所製剤に含めてよい。適当な皮膚軟化剤としては、コレステロール、グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、セトステアリルアルコール、ラノリンアルコール、およびそれらの混合物があるが、それらには限定されない。任意に、ジメチコーン、鉱物油、または白色軟パラフィンも、スキンコンディショナーとして作用させるために比較的少量を製剤に混入させてもよい。皮膚軟化剤または皮膚調整剤はw/w%で約0.5%から約50%までの量で本発明の局所製剤中に存在してもよい。例えば、本発明のゲル製剤において、皮膚軟化剤または皮膚調整剤は一般的に最大約50%w/wの量が存在可能である。他の一実施形態では、本発明のクリームまたはローション製剤は皮膚軟化剤または皮膚調整剤を約0.5%から約15%w/wまでの量で含んでよい。
【0128】
本発明の製剤は任意に緩衝剤または中和剤を含んでよい。適当な緩衝剤の例として、クエン酸、乳酸、オレイン酸、リン酸ナトリウム、水、トリエタノールアミン、クエン酸ナトリウム塩、塩酸などがあるが、それらには限定されない。緩衝剤は、適当な緩衝効果のあるどのような量で組成物中に存在してもよい。ゲル製剤は一般的に、例えば水酸化ナトリウムやトリエタノールアミンなどの塩基を有する。本発明のゲル製剤は一般的に、例えばエタノールやイソプロパノールなどの揮発性の溶媒も有する。
【0129】
本発明の局所製剤は任意に防腐剤または酸化防止剤の成分を含んでもよい。このような防腐剤と酸化防止剤の例としては、アルキルアルコール、ベンジルアルコール、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン(メチルおよびプロピルパラベン)、ブチルパラベン、エデト酸2ナトリウム、クエン酸などがあるが、それらには限定されない。防腐剤および/または酸化防止剤は本発明の製剤中にw/wで約0.05%から約5.0%w/wまでの量で存在してもよい。他の一実施形態では、防腐剤および/または酸化防止剤は本発明の製剤中に約0.25%から約0.5%w/wまでの量で存在してもよい。
【0130】
いくつかの実施形態では、本発明の局所製剤は他の有効成分として、アルギニン、アスパラギン、アシュワガンダ抽出物、ウィタノライドまたはアシュワガンダ由来のアルカロイド、黒酢、醸造用酵母、ヒマシ油、リシノール酸、デビルズクロウおよび/またはそれに由来するハルパゴサイド、イカリソウの葉の抽出物、イカルリン、ユーカリ油(例えば、ユーカリプタス・グロブルス(Eucalyptus globulus)油、ユーカリプタス テレチコルティス(Eucalyptus tereticortis)油、ユーカリプタス ロストラタ(Eucalyptus rostrata)油、)、シネオールまたは他のユーカリ油由来のテルペン、乳香、ボスウェル酸、グリセリン、ケルプ、ヨウ素酸カリウム、アルギン、ラベンダー、1,8−シネオール、リナロール、酢酸リナロール、没食子抽出物、レシチン、甘草抽出物(例えば、甘草根抽出物)、グラブリジン、グリチルリシン酸、グリチルリチン酸モノアンモニウム塩、10−β−グリチルリチン酸、エラグ酸、ターメリック、クルクミン、テトラヒドロクルクミン(THC)があり、あるいはそれらの如何なる組み合わせでもよいが、それらには限定されない。理論に縛られることなく、その他の有効成分も生理的または病態生理的な経路に直接または間接的に作用することによって少なくとも部分的に本発明の製剤の効能に貢献し得る。
【0131】
本明細書で用いる「有効成分」、「有効薬剤」などという用語は概して、生理的または病態生理的な経路に直接または間接的に作用することによって少なくとも部分的に本発明の製剤の効能に貢献する化合物を意味する。例えば、理論に縛られることなく、タンニン酸(またはその類似体あるいは誘導体)は、他の有効成分(例えば、コンフリーまたはコンフリー由来の化合物またはその類似体あるいは誘導体)の目標経路と同じ経路であるか異なる経路であるかに関わらず、生理的または病態生理的な経路に直接作用するのではなく、他の有効成分の効能を高めることによって間接的に本発明の製剤の効能に貢献しうる。
【0132】
本発明の一実施形態として、その他の有効成分は、ここに記述したようにユーカリ油である。本発明の製剤中のユーカリ油の量は、使用の意図によって変化し得る。例えば、一実施形態では、ユーカリ油は、ホメオパシー製剤の当業者に公知なホメオパシーの量で存在、つまり、母液(すなわち、米国ホメオパシー薬局方認定の基準に従って作られたユーカリプタス・グロブルス(Eucalyptus globulus)油とアルコールの溶液)として存在するか、あるいは、より低濃度(例えば、約10分の1から約10,000分の1に希釈される)で存在する。理論に縛られることなく、ユーカリプタス・グロブルス(Eucalyptus globulus)油は ホメオパシーの原理に従って、関節炎に限定されないが、関節炎などの炎症性および/または変性状態を緩和するのに使用することができる。ある一実施形態では、本発明の局所製剤は約0.1%から約4%w/wのユーカリプタス・グロブルス(Eucalyptus globulus)油を含む。ユーカリ油は当技術分野で公知な如何なる工程によって得てもよいし、バイオケミカ・インターナショナル(Biochemica International)社などの商業的供給源から購入してもよい。
【0133】
他の一実施形態では、その他の有効成分は、粗製品(例えば、アシュワガンダ)、その抽出物(例えば、アシュワガンダ抽出物などの植物抽出物)、または例えば粗植物抽出物から当業者に公知な方法によって少なくとも部分的に精製された天然に存在する化合物でもよく、任意に必要に応じて実質的に純粋な形に精製してもよい。他の一実施形態では、その他の有効成分は当業者に公知な工程により製造された合成品でもよい。天然に存在する化合物と合成化合物の組み合わせも、本発明のいくつかの実施形態で想定される。
【0134】
製造方法
本発明の他の態様では、局所製剤の製造方法が提供され、その方法は(i)(ここに記述したような)コンフリーまたはコンフリー由来の化合物、またはその類似体あるいは誘導体と(ii)(ここに記述したような)浸透促進剤とを組み合わせることを含む。一実施形態では、この方法は(iii)(ここに記述したような)タンニン酸またはその類似体あるいは誘導体を添加する工程を含む。
【0135】
さらに本発明の他の態様では、局所製剤の製造方法が提供され、その方法は(i)(ここに記述したような)コンフリーまたはコンフリー由来の化合物、またはその類似体あるいは誘導体と(ii)(ここに記述したような)タンニン酸またはその類似体あるいは誘導体とを組み合わせることを含む。
【0136】
タンニン酸(またはその類似体あるいは誘導体)はコンフリーまたはコンフリー由来の化合物(またはその類似体あるいは誘導体)の作製中(例えば、同時に)少なくとも部分的に精製された化合物として作製されてもよく、または少なくとも部分的に精製された化合物として単独に作製された後にコンフリーまたはコンフリー由来の化合物(またはその類似体あるいは誘導体)と混合されてもよく、またはそれらの組み合わせでもよい。本発明のある一実施形態では、タンニン酸は少なくとも部分的に精製された化合物として作製された後にコンフリーまたはコンフリー由来の化合物(またはその類似体あるいは誘導体)と混合される。
【0137】
予防と治療の方法
本発明のさらに別の態様では、炎症および/または変性状態の予防的または治療的処置の方法を提供する。この方法は、その必要のある患者ならびに炎症および/または変性を起こした部位、もしくは炎症および/または変性を起こすと予期される部位に対して(i)コンフリーもしくはコンフリー由来の化合物、またはその類似体あるいは誘導体と、浸透促進剤とを含む局所製剤を塗布することと、任意に前記部位に対してタンニン酸を塗布することとを含む。
【0138】
本発明のさらに他の態様では、炎症および/または変性状態の予防的または治療的処置の方法を提供し、前記方法は、その必要のある患者ならびに炎症および/または変性を起こした部位、もしくは炎症および/または変性を起こすと予期される部位に対してコンフリーもしくはコンフリー由来の化合物、またはその類似体あるいは誘導体と、タンニン酸またはその類似体あるいは誘導体とを含む局所製剤を塗布することと、任意に前記部位に対して浸透促進剤を塗布することとを含む。
【0139】
有効成分(例えば、浸透促進剤、コンフリー、コンフリー由来の化合物、タンニン酸、およびそれらの類似体あるいは誘導体)が、本発明による単一の局所製剤に含まれて患者に塗布され得る一方で、それらが別々におよび所定の順序で塗布されることもできると理解されるであろう。
【0140】
よって、本発明の他の一実施形態では、炎症および/または変性状態の予防的または治療的処置の方法を提供し、その方法は、その必要のある患者ならびに炎症および/または変性を起こした部位、もしくは炎症および/または変性を起こすと予期される部位に対して(i)コンフリーもしくはコンフリー由来の化合物、またはその類似体あるいは誘導体と、(ii)タンニン酸またはその類似体あるいは誘導体とを塗布することと、任意にその部位に浸透促進剤を塗布することとを含む。
【0141】
本発明のさらに他の一実施形態では、炎症および/または変性状態の予防的または治療的処置の方法を提供し、その方法は、その必要のある患者ならびに炎症および/または変性を起こした部位、もしくは炎症および/または変性を起こすと予期される部位に対して(i)コンフリーもしくはコンフリー由来の化合物、またはその類似体あるいは誘導体と、(ii)浸透促進剤とを塗布することと、任意にその部位にタンニン酸またはその類似体あるいは誘導体を塗布することとを含む。
【0142】
有効成分を別々にまたは本発明の局所製剤中に組み合わせた成分として塗布する方法は、典型的には、炎症および/または変性を起こした部位(または炎症および/または変性を起こすと予期される部位)または、前述した炎症および/または変性に関連した痛み、腫れ、凝りおよび/または運動性の欠如の影響を受けた(あるいは受けると予期される)部位への塗布を含む。ある一実施様態では、有効成分(例えば、浸透促進剤、コンフリー、コンフリー由来の化合物、タンニン酸など)が罹患した部位(または罹患されると予期される部位)を取り囲む領域に塗布される。例えば、有効成分(例えば、浸透促進剤、コンフリー、コンフリー由来の化合物、タンニン酸など)は別々にまたは本発明の局所製剤中に組み合わせた成分として炎症および/または変性を起こした部位または起こすと予期される部位一面に塗布してもよい。局所製剤がクリーム、ゲル、軟膏またはローションであれば、体表面に拡げて穏やかに擦り込むことができる。
【0143】
投薬のあり方は、炎症および/または変性(または炎症および/または変性に関連した痛み、腫れ、凝りおよび/または運動性の欠如)の範囲、炎症、変性、痛み、腫れ、凝りおよび/または運動性の欠如の治療への反応など、容易に決定し得る数多くの因子に依存するが、通常は1日に1回以上の投薬を1クールの処置で数日から数ヶ月続けるか、治療効果が出るまでか、または患者の受ける炎症、変性、痛み、腫れ、凝りおよび/または運動性の欠如の範囲が著しく縮小するまで行う。通常の当業者は最適な投薬量、投薬方法、および反復率を容易に決定できる。ある一実施形態では、局所製剤を毎日1から5回塗布することを予定する。治療または予防に適当な1クールは約1日から約100日でよい。他の一実施形態では、適当な治療の1クールは、約15日から約90日にわたって1日につき3から4回の塗布である。
【0144】
本発明の別の態様では、炎症および/または変性状態の予防または治療処置のための薬物の製造において、ここで記述されたような局所製剤の用法が提供される。この処置は、その必要のある患者ならびに炎症および/または変性を起こした部位、もしくは炎症および/または変性を起こすと予期される部位にある量の前記局所製剤を塗布することを含む。
【0145】
本発明の方法と用法に適合する炎症および/または変性状態の種類には、リウマチ性関節炎、敗血性関節炎、痛風、仮性痛風、若年性関節炎、スチル病、頸部脊椎炎、腰椎炎、肩関節周囲炎、踵骨棘、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、および変形性関節症があるが、それらには限定されない。
【0146】
ある一実施形態では、患者は人間である。しかしながら、本発明による予防または治療の方法は、炎症および/または変性状態を引き起こし易い人間以外の対象にも適用可能であり、そのような対象として、馬、犬、猫、ウサギ、牛があるが、それらには限定さない。
【0147】
キット
本発明のさらに他の態様ではキットが提供される。そのキットは2つ以上の容器において、(i)(ここに記述したような)浸透促進剤、および(ii)(ここに記述したように)コンフリーまたはコンフリー由来の化合物、もしくはその類似体あるいは誘導体、または(iii)それらのいずれかの組み合わせを含む。任意にそのキットは、別の容器に(ここに記述したような)タンニン酸またはその類似体あるいは誘導体を含んでもよい、あるいは浸透促進剤と組み合わせる、またはコンフリーまたはコンフリー由来の化合物もしくはその類似体あるいは誘導体と組み合わせて、(ここに記述したような)タンニン酸またはその類似体あるいは誘導体を含んでもよい。
【0148】
本発明のさらに別の態様ではキットが提供される。そのキットは2つ以上の容器において、(i)(ここに記述したような)タンニン酸またはその類似体あるいは誘導体、および(ii)(ここに記述したような)コンフリーまたはコンフリー由来の化合物、またはその類似体あるいは誘導体、または(iii)それらのいずれかの組み合わせを含む。任意にそのキットは、別の容器に(ここに記述したような)浸透促進剤を含んでもよい、あるいはここに記述したようにタンニン酸(またはその類似体あるいは誘導体)と組み合わるか、またはコンフリーまたはコンフリー由来の化合物(もしくはその類似体あるいは誘導体)と組み合わせて、(ここに記述したような)浸透促進剤を含んでもよい。
さらに別の態様では、ここに記述したように本発明による局所製剤を有する容器を含むキットが提供される。
本発明によるキットはさらに、ここに記述したように炎症および/または変性状態の予防的または治療的処置における成分の用法に関する説明書を含んでもよい。
【0149】
本明細書には、文書、作用、材料、装置、物品などの検討が含まれるが、それは単に本発明の背景を提供するためである。本出願の各請求項の優先日以前にこれらの要素の一部あるいは全部が従来技術の基礎の一部を形成、あるいは、本発明に関連する分野におけるありふれた一般的知識となっていたということを提案主張するものではない。
最後に、ここに概説した本発明の精神から逸れることなく様々な他の改良および/または変更を行えることは理解されるはずである。
将来の特許出願が本出願に基づいて出願あるいは、優先権の主張がなされる可能性がある。
【実施例】
【0150】
本発明のいくつかの実施形態による局所製剤、および本発明のいくつかの実施形態による局所製剤の製造に使用できる手順は、後続の実施例において今から説明される。しかしながら、以下の説明は例示に過ぎず、決して上述した発明の一般性を制限するものであると解釈されるべきではないことは理解されなければならない。
【0151】
実 施 例 1
局所クリーム製剤の製造工程
器 材
製造工程中、305以上のグレードのステンレス鋼が製造工程で使用される。また、タイゴンまたは同等品質のチューブが材料の移送に使用される。ウォーキシャ(Waukesha)(または同様の容積式ポンプ)が材料移送に使用された。ライトニング型速度可変ミキサー、サイドスウィープミキサーおよびインラインホモジナイザーも次の製造工程で使用された。加熱と冷却の両方が製造工程中に必要とされるので、処理タンクと混合タンクはジャケットで覆った。
【0152】
洗浄と消毒
開始に先立ち、最終段階の製剤(またはその中間体)と接触する全ての部品は、使用前に適当な洗浄剤で徹底的に洗浄され、水洗され、適正に消毒される。
A.主混合タンク
主混合タンクに、全バッチ重量の50%の重量の水を秤量して入れ、DMDMヒダントイン(Hydantin)とグリセリンを添加する。中程度の速度で原料の混合を開始し、次に水を加熱し始める。ゆっくりとタンニン酸、アシュワガンダ抽出物、コンフリー抽出物、および、メチルパラベンを導入し、混合を続ける。混合物を約75℃に加熱してその温度を維持する。
B.キサンタンガム溶液
小さな容器の中に水の残り(50%)を秤量して入れ、高速ライトニングミキサー(high−Speed lighting mixer)を用いて渦を作る。キサンタンガムをゆっくりと撒き入れ始め、完全に水和するまで混合して、塊を形成したりフィッシュアイができるのを避ける。
C.油相混合タンク
油相混合タンクの中にヒマシ油、シロメチコン、ジメチコン、セチルアルコール、アルラセル(Arlacel)165、プロピルパラベン、および、オリーブ油を秤量して入れる。その混合物を75℃まで加熱し始め、その温度を維持しながら、その溶液が均一且つ透明になるまで混合する。
D.アルコールタンク
小さなタンクの中へ、SD40アルコールを低速度のミキサー(防爆ミキサーまたはエアーミキサーを用いる)で撹拌しつつ秤量して入れる。メントール、ユーカリ油およびレモン油を秤量して入れる。その溶液が透明且つ均一になり、全てのメントール結晶が完全に溶解するまで混合する。
E.プロピレングリコールタンク
小さなタンクの中に、プロピレングリコール、ファーマソルブ(phamasolve)(1−メチルピロリジノン)、乳香(ボスウェレイン(Boswellein)抽出物、およびコスモペリン(cosmoperine)を秤量して入れる。混合しながらその溶液を穏やかに温め、55℃まで加熱するが、過熱しないようにする。その溶液が透明且つ均一になるまで混合を続ける。
ポリプロピレングリコールタンク(工程E)の内容物をアルコールタンク(工程D)に移し入れ、およそ5から10分間、その溶液が透明且つ均一になるまで混合する。
F.最終調製
油相混合タンク(工程C)の内容物を主混合タンク(工程A)に移し入れ、およそ10から15分間および/または均一になるまで混合する。キサンタンガム溶液(工程B)が完全に水和したら、それを主混合タンクに移し入れ、およそ10から15分間あるいは均質になるまで混合する。次に、アルコールタンクの内容物を主混合タンクにゆっくりと移し入れ、溶液の貯留を避けながら、およそ15から20分間その溶液が均一且つ透明になるまで十分に混合する。全てのバッチ溶液をインラインホモジナイザーに必要な回数通す。
【0153】
実 施 例 2
局所ゲル製剤
原料 %w/w
アロエ・バーバデンシス(Aloe Barbadensis)葉汁 52.1
タンニン酸 15.0
コンフリー抽出物 10.0
グリセリン 10.0
ヒマシ油 10.0
キサンタンガム 2.0
ヨウ化カリウム 0.2
オレンジフラワー(Citrus Aurantium Dulsis)
種子抽出物 0.2
ラベンダー油 0.2
ユーカリ油 0.2
粉末アシュワガンダ根 0.1
粉末デビルズ・クロー・ライゾーム(Devils Claw
Rhizome)抽出物 0.1
粉末イカリソウ葉抽出物 0.1
ケルプ・ラミナリア(Keip Laminaria) 0.1
【0154】
実 施 例 3
局所薬製剤
原料 %w/w
ローズマリー酸 1.00
タンニン酸 10.00
テトラヒドロクルクミン(THC) 1.00
グリセリン 5.00
アラントイン 0.50
セチルアルコール 4.00
アルラセル 165 4.00
ヒマシ油 5.00
オイカリプトール(Eucalyptol) 4.00
ジメチコーン 2.00
レシチン 1.00
テトラヒドロピペリン(THP) 0.25
コハク酸トコフェロールポリエチレングリコール100 2.00
オレイン酸 2.00
リノレン酸 2.00
プロピレングリコール 5.00
メチルパラベン 0.20
プロピルパラベン 0.10
DMDMヒダントイン 0.20
水 50.75
計 100.00
水をアロエ汁で置き換えたり補うことも可能である。
【0155】
実 施 例 4
局所クリーム製剤A
原料 %w/w
アシュワガンダ(抽出物) 3.00
ヒマシ油 1.00
コンフリー(抽出物) 20.00
乳香(抽出物) 2.00
グリセリン 2.00
タンニン酸 10.00
水 26.40
ルリヂサ油 2.00
ユーカリ油 4.00
コスモペリン 0.30
SD40アルコール 5.00
シクロメチコーン 2.00
ジメチコーン 2.00
ファーマソルブ 2.00
セチルアルコール 5.00
アルラセル 165 5.00
ケルコロイド(Kelcoloid)HVF 0.75
プロピレングリコール 2.00
メントール 4.00
メチルパラベン 0.20
プロピルパラベン 0.10
DMDMヒダントイン 0.25
レモン油 1.00
計 100.00
【0156】
実 施 例 5
局所クリーム製剤B
原料 %w/w
アシュワガンダ(抽出物) 1.50
ヒマシ油 1.00
コンフリー(抽出物) 2.00
ボスウェレイン 1.00
グリセリン 2.00
タンニン酸 8.00
アラントイン 0.50
アロエ・ベラ(Aloe vera)汁 46.70
オリーブ油 2.00
ユーカリ油 4.00
テトラヒドロピペリン(THP) 0.25
SD40アルコール 8.00
シクロメチコーン 1.00
ジメチコーン 1.00
メチルピロリドン 1.50
セチルアルコール 4.00
アルラセル 165 4.00
キサンタンガム 1.00
プロピレングリコール 5.00
メントール 4.00
メチルパラベン 0.20
プロピルパラベン 0.10
DMDMヒダントイン 0.25
レモン油 1.00
計 100.00
【0157】
実 施 例 6
局所クリーム製剤C
原料 %w/w
アシュワガンダ(抽出物) 1.50
ヒマシ油 1.00
コンフリー(抽出物) 2.00
ボスウェレイン 1.00
グリセリン 2.00
タンニン酸 8.00
アラントイン 0.50
水 27.15
オリーブ油 2.00
ユーカリ油 4.00
テトラヒドロピペリン(THP) 0.30
SD40アルコール 4.00
シクロメチコーン 1.00
ジメチコーン 1.00
メチルピロリドン 2.00
セチルアルコール 4.00
アルラセル 165 4.00
キサンタンガム 4% 25.00
プロピレングリコール 4.00
メントール 4.00
メチルパラベン 0.20
プロピルパラベン 0.10
DMDMヒダントイン 0.25
レモン油 1.00
計 100.00
【0158】
実 施 例 7
局所クリーム製剤D
原料 %w/w
アシュワガンダ(抽出物) 1.50
ヒマシ油 1.00
コンフリー(抽出物) 10.00
ボスウェレイン 1.00
グリセリン 2.00
タンニン酸 10.00
水 40.15
オリーブ油 2.00
ユーカリ油 4.00
テトラヒドロピペリン(THP) 0.30
SD40アルコール 4.00
シクロメチコーン 2.00
ジメチコーン 1.00
メチルピロリドン 2.00
セチルアルコール 4.50
アルラセル 165 4.50
アルギン酸プロピレングリコール 0.50
プロピレングリコール 4.00
メントール 4.00
メチルパラベン 0.20
プロピルパラベン 0.10
DMDMヒダントイン 0.25
レモン油 1.00
計 100.00
【0159】
実 施 例 8
局所クリーム製剤E
原料 %w/w
アシュワガンダ(抽出物) 1.50
ヒマシ油 1.00
コンフリー(抽出物) 2.00
乳香(抽出物) 1.00
グリセリン 2.00
タンニン酸 10.00
オリーブ油 2.00
ユーカリ油 4.00
コスモペリン 0.25
SD40アルコール 4.00
シクロメチコーン 1.00
ジメチコーン 1.00
ファーマソルブ 1.50
セチルアルコール 5.00
アルラセル 165 5.00
キサンタンガム 1.00
プロピレングリコール 4.00
メントール 4.00
メチルパラベン 0.20
プロピルパラベン 0.10
DMDMヒダントイン 0.25
レモン油 1.00
水 48.20
計 100.00
【0160】
実 施 例 9
局所クリーム製剤F
原料 %w/w
アシュワガンダ(抽出物) 1.50
ヒマシ油 1.00
コンフリー(抽出物) 20.00
乳香(抽出物) 1.00
グリセリン 2.00
タンニン酸 10.00
オリーブ油 2.00
ユーカリ油 4.00
コスモペリン 0.25
SD40アルコール 4.00
シクロメチコーン 1.00
ジメチコーン 1.00
ファーマソルブ 1.50
セチルアルコール 5.00
アルラセル 165 5.00
アラントイン 1.00
キサンタンガム 1.00
プロピレングリコール 4.00
メントール 4.00
メチルパラベン 0.20
プロピルパラベン 0.10
DMDMヒダントイン 0.25
レモン油 1.00
アロエ・ベラ(Aloe vera)汁 29.20
計 100.00
【0161】
実 施 例 10
局所クリーム製剤G
原料 %w/w
アシュワガンダ(抽出物) 1.50
ヒマシ油 1.00
コンフリー(抽出物) 20.00
ボスウェレイン(抽出物) 1.00
グリセリン99% 2.00
タンニン酸 10.00
水 5.00
キサンタンガム 1.00
オリーブ油 4.00
ユーカリプタス・グロブラス油 4.00
コスモペリン(THP) 0.25
SD40アルコール 4.00
ダウ・コーニング(Dow Corning)345 1.00
ダウ・コーニング(Dow Corning)200 350 cts 1.00
1−メチル−2−ピロリジノン 1.50
セチルアルコール 4.50
アルラセル 165 4.50
プロピレングリコール 4.00
メチルパラベン 0.20
プロピルパラベン 0.10
DMDMヒダントイン 0.25
レモン油 1.00
抽出物複合物I 0.30
油複合物I 0.30
アロエ・ベラ(Aloe vera)汁 27.60
計 100.00
抽出物複合物Iはカモミール、ヤナギ樹皮(Willow Bark)、アルニカ(Arnica)、カレンデュラ(Calendula)、ノコギリソウ(Yarrow)、甘草の根(Licorice Root)、オレガノ、マジョラムおよびセイヨウオトギリソウ(St.John’s wort)を含む。油複合物Iは、レモンバーム、グレープフルーツ(白)、ブルーサイプレス(Blue Cypress)、ローズマリー油、セージ、レモン・マートル(Lemon Myrtle)を含む。
【0162】
実 施 例 11
局所クリーム製剤H
原料 %w/w
アシュワガンダ(抽出物) 1.50
ヒマシ油 1.00
コンフリー(抽出物) 10.00
ボスウェレイン(抽出物) 1.00
グリセリン99% 2.00
タンニン酸 10.00
水 15.00
キサンタンガム 1.00
オリーブ油 4.00
ユーカリプタス・グロブルス油 4.00
コスモペリン(THP) 0.25
SD40アルコール 4.00
ダウ・コーニング(Dow Corning)345 1.00
ダウ・コーニング(Dow Corning)200 350 cts 1.00
1−メチル−2−ピロリジノン 1.50
セチルアルコール 4.50
アルラセル 165 4.50
プロピレングリコール 4.00
メチルパラベン 0.20
プロピルパラベン 0.10
DMDMヒダントイン 0.25
レモン油 1.00
抽出物複合物I 0.30
油複合物I 0.30
アロエ・ベラ(Aloe vera)汁 27.60
計 100.00
抽出物複合物Iはカモミール、ヤナギ樹皮(Willow Bark)、アルニカ(Arnica)、カレンデュラ(Calendula)、ノコギリソウ(Yarrow)、甘草の根(Licorice Root)、オレガノ、マジョラムおよびセイヨウオトギリソウ(St.John’s wort)を含む。油複合物Iは、レモンバーム、グレープフルーツ(白)、ブルーサイプレス(Blue Cypress)、ローズマリー油、セージ、レモン・マートル(Lemon Myrtle)を含む。
【0163】
実 施 例 12
局所クリーム製剤−Aの製造工程
器材
製造工程中、305以上のグレードのステンレス鋼材料が製造工程で使用される。また、タイゴンまたは同等品質のチューブが材料の移送に使用される。ウォーキシャ(Waukesha)(または同様の容積式ポンプ)が材料移送に使用された。ライトニング型速度可変ミキサー、サイドスウィープミキサーおよびインラインホモジナイザーも以下の製造工程で使用された。加熱と冷却の両方が製造工程中に必要とされるので、処理タンクと混合タンクはジャケットで覆った。
【0164】
洗浄と消毒
開始に先立ち、最終段階の製剤(またはその中間体)と接触する全ての部品は、使用前に適当な洗浄剤で徹底的に洗浄され、水洗され、適正に消毒される。
【0165】
手順
コンフリー粗製物はコンベヤーに沿って受け渡され、制御された量の液体窒素を用いて冷却され、粉砕器を通され、例えば、微粉末状の粒子を生成する。
コンフリーの粉砕後、例えば以下の製造工程により局所製剤に用いることができる。
A.主混合タンク
主混合タンクに、全バッチ重量の50%の重量の水を秤量して入れ、DMDMヒダントインとグリセリンを添加する。中程度の速度で原料の混合を開始し、次に水を加熱し始める。ゆっくりとタンニン酸、アシュワガンダ抽出物、コンフリー抽出物、メチルパラベンを導入し、混合を続ける。混合物を75℃に加熱してその温度を維持する。
B.キサンタンガム溶液
小さな容器の中に水の残り(50%)を秤量して入れ、高速ライトニングミキサーを用いて渦を作る。キサンタンガムをゆっくりと撒き入れ始め、塊あるいはフィッシュアイができるのを避けながら、完全に水和するまで混合する。
C.油相混合タンク
油相混合タンクの中にヒマシ油、セチルアルコール、アルラセル(Arlacel)165、プロピルパラベン、および、オリーブ油を秤量して入れる。その混合物を75℃の温度まで加熱し始め、その温度を維持しながら、その溶液が均一且つ透明になるまで混合する。
D.アルコールタンク
小さなタンクの中に、SD40アルコールを秤量して、低速度のミキサー(防爆ミキサーまたはエアーミキサーを用いる)を通じて入れる。メントール、ユーカリ油およびレモン油を秤量して入れる。その溶液が透明且つ均一になり、全てのメントール結晶が完全に溶解するまで混合する。
E.プロピレングリコールタンク
小さなタンクの中に、プロピレングリコール、ファーマソルブ(phamasolve)(1−メチルピロリジノン)、乳香(ボスウェレイン(Boswellein)抽出物、およびコスモペリン(cosmoperine)を秤量して入れる。混合しながらその溶液を穏やかに温め、55℃まで加熱するが、過熱しないようにする。その溶液が透明且つ均一になるまで混合を続ける。
ポリプロピレングリコールタンク(工程E)の内容物をアルコールタンク(工程D)に移し入れ、およそ5から10分間、その溶液が透明且つ均一になるまで混合する。
F.最終調整
油相混合タンク(工程C)の内容物を主混合タンク(工程A)に移し入れ、およそ10から15分間および/または均一になるまで混合する。キサンタンガム溶液(工程B)が完全に水和したら、それを主混合タンクに移し入れ、およそ10から15分間あるいは均質になるまで混合する。次に、アルコールタンクの内容物を主混合タンクにゆっくりと移し入れ、溶液の貯留を避けながら、およそ15から20分間その溶液が均一且つ透明になるまで十分に混合する。全てのバッチ溶液をインラインホモジナイザーに必要な回数通す。
高圧の均質化工程を用いて、その全バッチが所定のPSI(例えば、1平方インチ当たり5,000〜15,000ポンドの圧力)で1回または2回通過させる。局所クリーム製剤に均一且つ均等に分散した粒径を作り出すために、例えば、BBBI機械を使用してもよい。
【0166】
実 施 例 13
局所クリーム製剤−Bの製造
A.主混合タンク
アロエベラ汁を秤量して入れ、水を足し、ライトニング・ミキサーまたは同様なミキサーを起動して渦を作る。次にアシュワガンダの粉末抽出物を加えて溶解するまで混合する。キサンタンガムをゆっくりと撒き入れ、塊あるいはフィッシュアイができるのを避けながら溶液が均一になるまで混合し続ける。グリセリンとDMDMヒダントインを加えてそのバッチをおよそ70℃に加熱し、その温度を維持する。
B.油相混合タンク
適当な容器にダウ・コーニング200、ダウ・コーニング345、オリーブ油、ヒマシ油、セチルアルコール、リポミュルス(Lipomulse)165、および、プロピルパラベンを秤量して入れ、混合物が透明且つ均一になるまでその混合物を75℃で加熱する。油相を主混合タンクに移し、10分間またはその溶液が均質になるまで混合を続ける。そのバッチを約40℃まで冷却し始める。
C.コンフリー抽出物の事前混合
別の容器にコンフリー抽出物を秤量して入れ、混合して渦を作る。タンニン酸をゆっくりと撒き入れて、塊ができるのを避けながら均一になるまで混合し、その後脇に置いておく。およそ40℃で、コンフリー抽出物の事前混合の内容物を主混合タンクに移し入れ、およそ10分間または均質になるまで混合を続ける。
C.プロピレングリコール−ボスウェレインの事前混合
適当な容器にプロピレングリコールと1−メチル−2−ピロリドンを秤量して入れ、次にメチルパラベン、コスモペリン(THP)と、ボスウェレイン抽出物を加えてその溶液が45℃になるまで温め、透明になるまで混合する。ユーカリプタス・グロブルス油とSD−40アルコールを加え、透明になるまで混合する。レモン油を加えて透明且つ均一になるまで混合を続ける。プロピレングリコール−ボスウェレインの事前混合タンクの内容物を主混合タンクに移し入れて均一且つ均質になるまで混合を続ける。抽出物複合物Iと油複合物Iを主混合タンクに加えておよそ10分間混合を続ける。
C.最終工程
全バッチをおよそ5から7分間またはクリームが滑らかになるまで均質化する(研究室のバッチには、中位の篩サイズを用いてホモミキサーを使用する)。
【0167】
実 施 例 14
局所クリーム製剤I
原料 %w/w
アシュワガンダ(抽出物) 1.50
ヒマシ油 2.50
コンフリー(粗製粉末)、上記実施例12で述べた工程に従って調製したもの
5.00
グリセリン 2.50
ケルプ(抽出物) 2.00
タンニン酸 10.00
乳香(抽出物) 1.00
レモン(精油) 1.00
コスモペリン(THP) 0.25
メントール 4.00
セチルアルコール 4.00
アルラセル 165 4.00
ユーカリ油 4.00
キサンタンガム 1.00
プロピレングリコール 2.00
メチルパラベン 0.20
プロピルパラベン 0.10
DMDMヒダントイン 0.25
SD40アルコール 5.00
プロピレングリコール 4.00
オリーブ油 2.00
M−ピロール(Pyrole) 1.50
水 42.20
計 100.00
【0168】
実 施 例 15
局所クリーム製剤J
原料 %w/w
キサンタンガム 1.00
ローズマリー酸 0.14
タンニン酸 10.00
テトラヒドロクルクミン(THC) 0.50
アラントイン 0.50
セチルアルコール 4.00
自己乳化型GMS 4.00
ユーカリプトール 5.00
ジメチコーン(ダウ・コーニング200) 2.00
SD40アルコール 5.00
M−ピロール(Pyrrole) 1.50
グリチルリチン酸 モノアンモニウム塩 0.29
18−β−グリチルリチン酸 0.29
ビタミンE TPGS 2.00
オレイン酸 5.00
プロピレングリコール 5.00
ゲルマベン(germaben)II 1.00
レモン油 1.00
水 51.77
計 100.00
【0169】
実 施 例 16
炎症および/または変性状態の治療
炎症および/または変性状態に関連する様々な疾患を抱える患者に対して、本発明による局所クリーム製剤で治療を行った。
患者1
治療開始の時点で、この患者は親指に変形性関節症の症状を示していた。治療の前にその患者は罹患した部位に痛みを感じており、その強さが5/10と記録された。本発明による局所製剤を用いた4週間の治療後、その患者は罹患した部位の痛みが1/10レベルにまで著しく弱まったことを感じた。その治療は耐容性が良好で、その患者は治療に対する副作用を全く訴えなかった。
患者2
治療開始の時点で、この患者は足底の筋膜炎/踵骨骨棘の症状を示していた。治療の前にその患者は罹患した部位に痛みを感じており、その強さが8/10と記録された。本発明による局所製剤を用いた4週間の治療後、その患者は罹患した部位の痛みが3/10レベルまで著しく弱まったことを感じた。その患者は治療を続けている。
患者3
治療開始の時点で、この患者は左肘に変形性関節症の症状を示していた。治療の前にその患者は罹患した部位に痛みを感じており、その強さが5/10と記録された。本発明による局所製剤を用いた4週間の治療後、その患者は著しい改善を感じ、罹患した部位の痛みが無くなった(記録された治療4週間後の痛みレベル:0/10)。その治療は耐容性が良好で、その患者は治療に対する副作用を全く訴えなかった。
患者4
治療開始の時点で、この患者は足底の筋膜炎/踵骨骨棘の症状を示していた。治療の前にその患者は罹患した部位に痛みを感じており、その強さが7/10と記録された。本発明による局所製剤を用いた4週間の治療後、その患者は罹患した部位の痛みが3/10レベルにまで著しく弱まったことを感じた。その患者は治療を続けている。
患者5
治療開始の時点で、この患者は膝に変形性関節症の症状を示していた。治療の前にその患者は罹患した部位に痛みを感じており、その強さが8/10と記録された。本発明による局所製剤を用いた1週間の治療後、その患者は罹患した部位の痛みが6/10レベルにまで著しく弱まったことを感じた。その患者は治療を続けている。
患者6
治療開始の時点で、この患者は右膝に変形性関節症の症状を示していた。治療の前にその患者は罹患した部位に激しい痛みを感じており、その強さが10/10と記録された。本発明による局所製剤を用いた5週間の治療後、その患者は罹患した部位の痛みが1/10レベルにまで著しく弱まったことを感じた。その患者は治療を続けている。
患者7
治療開始の時点で、この患者は左右の手の指に変形性関節症の症状を示していた。治療の前にその患者は罹患した部位に激しい痛みを感じており、その強さが10/10と記録された。柔軟性と運動性についても1〜10の点数を付けて記録した。1が最小の痛み、柔軟性あるいは運動性を示し、10が最大の痛み、柔軟性あるいは運動性を表す。
【0170】
【表1】

【0171】
実 施 例 17
炎症および/または変性状態の治療−無作為化比較臨床試験
(i)方法
5つの異なる製剤の無作為化比較臨床試験が関節炎の症状を示す患者の同齢集団に対して実施された。この調査に用いた製剤を以下に示す。
G1=コンフリー抽出物20%とタンニン酸
G2=コンフリー抽出物10%とタンニン酸
G3=コンフリー抽出物を含まない製剤
G4=タンニン酸を含まない製剤
G5=上記実施例15に記述した局所製剤J
【0172】
【表2】

【0173】
解析は2つの異なる採点体系、すなわちウォーマック(Womac)変形性関節症指標と数値的評価(Numerical Rating)スケールとを用いて行われた。ウォーマック変形性関節症指標は3次元、疾患特異的、自己管理式の健康状態評価基準である。それは、股および/または膝の変形性関節症を患う患者における痛みの部位、凝り、身体機能における臨床的に重要な症状を精査するものである。その指標は24の質問(5つは痛みに関し、2つは凝りに関し、17は身体機能に関する)から構成される。それは、様々な干渉後に起こる健康状態における臨床的に重要な変化を検知するのに十分な感度がある。
【0174】
数値的評価スケールは、患者が自分の痛みを記述する助けとなる痛み評価手段のうち、当技術分野で最もよく使われているものの1つである。痛みスケールは、痛みの強さやどれくらいの痛みを患者が感じているかを記述するのに一般に使われる1つの手段である(痛みスケールには、数値的評価スケール、視覚的アナログスケール、分類別スケール、痛み表情スケールがある)。数値的評価スケールでは、0(無痛)から10(考え得る最悪の痛み)までの数値の中から1つを選択することによって、その人物がどれくらいの痛みを感じているのかを同定するように質問される。このスケールは、活動能力についての患者自身の認識を評価するのにも使われる。
以下の結果は30人の患者の同齢集団から得られたデータを示す。
【0175】
(ii)結果−ウォーマック変形性関節症指標
【0176】
【表3】

【0177】
8週間の治療後のWomac変形性関節症指標の結果の解析によると、結果は、痛みに最も効果があったのは製剤G1(20%コンフリーとタンニン酸)で、凝りに最も効果があったのは製剤G2(10%コンフリーとタンニン酸)で、日常活動を行う上での困難を最も効果的に軽減したのは製剤G1(20%コンフリーとタンニン酸)であったことを示している。さらに、製剤G2(10%コンフリーとタンニン酸)は痛みに対して二番目に効果が高いことが分かり、一方で製剤G5(局所薬製剤)は凝りや日常活動を行う上での困難を軽減するのに二番目に効果が高いことが分かった。このコンフリーとタンニン酸を組み合わせて含有する3つの製剤はコンフリーかあるいはタンニン酸のみの製剤より優れている。
【0178】
これらの結果は、関節炎などの状態の治療において、個々の化合物の場合と比較してコンフリーとタンニン酸の間に相乗効果があると証明している。これは製剤の8週間の使用(試験期間)に基づいている。
【0179】
(ii)結果−数値的評価スケール
【0180】
【表4】

【0181】
これらの数値は、調査の当初と8週間の治療後において患者が用いた数値的評価スケールに基づく。過去の痛みは、最近48時間の痛みとは対照的に、過去30日間にわたる患者の痛みの数値的評価スケールに基づく。
【0182】
8週間の治療後の数値的評価スケールの解析結果によれば、過去30日間による痛みの緩和に最も効果があったのは製剤G1(20%コンフリーとタンニン酸)で、最近48時間による痛みの緩和に最も効果があったのは製剤G1(20%コンフリーとタンニン酸)で、日常活動を行う上での困難を最も効果的に軽減したのは製剤G1(20%コンフリーとタンニン酸)であった。さらに、製剤G2(10%コンフリーとタンニン酸)は各カテゴリー(すなわち、痛み、凝り、活動)で二番目に効果が高いことがわかった。これらのデータは、コンフリーとタンニン酸をそれぞれ単独で使用した場合と比較してコンフリーとタンニン酸を組み合わせた場合に相乗効果があることを示すものである。
【0183】
ウォーマック変形性関節症指標と数値的評価スケールは共に、コンフリーとタンニン酸を組み合わせて含有する製剤の方がそれぞれコンフリーとタンニン酸を単独で含む製剤よりも効果が高いと証明している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)コンフリーまたはコンフリー由来の化合物あるいはその類似体もしくは誘導体お よび
(ii)浸透促進剤
とを含有する局所製剤。
【請求項2】
前記コンフリー由来の化合物は、アラントイン、コリン、アスパラギン、フェノール酸、ロズマリン酸、揮発性油、タンニン、ステロイド系サポニン、トリテルペン、およびビタミンB12から構成される群の中から選択されることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の局所製剤。
【請求項3】
前記フェノール酸は、ローズマリー酸、クロロゲン酸、コーヒー酸、およびリトスペルミン酸から構成される群の中から選択されることを特徴とする、請求項5に記載の局所製剤。
【請求項4】
前記コンフリー由来の化合物類似体あるいは誘導体は、化学式(1)
【化1】

(式中、R、R及びRはそれぞれ独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシルまたはアリールであり、XはOH、OR、NH、NHR、またはNRである)
の構造を有することを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の局所製剤。
【請求項5】
、R及びRがそれぞれ独立した水素であり、XがNHであることを特徴とする、請求項7に記載の局所製剤。
【請求項6】
前記コンフリー由来の類似体あるいは誘導体は化学式(2)
【化2】

(式中、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシルまたはアリールである)
の構造を有することを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の局所製剤。
【請求項7】
、R、RおよびRがそれぞれ独立した水素であることを特徴とする、請求項9に記載の局所製剤。
【請求項8】
前記コンフリー由来の化合物類似体あるいは誘導体は化学式(3)
【化3】

(式中、XがNH、NHMe、NMeまたはNMeである)
の構造、あるいはその製薬学的に許容可能な塩を有することを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の局所製剤。
【請求項9】
前記類似体あるいは誘導体は、XがNMeの無機塩であることを特徴とする、請求項11に記載の局所製剤。
【請求項10】
前記コンフリー由来の類似体または誘導体は、化学式(4)
【化4】

(式中、R、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシルまたはアリールである)
の構造を有する化合物、あるいはその立体異性体の純粋状態、混合状態、またはラセミ体であることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の局所製剤。
【請求項11】
、R、R、RおよびRはそれぞれ独立した水素であることを特徴とする、請求項13に記載の局所製剤。
【請求項12】
前記コンフリー由来の類似体または誘導体は、化学式(5)
【化5】

(式中、R、R及びRはそれぞれ独立したH、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシルまたはアリールである)
の構造を有する化合物、あるいはその立体異性体の純粋状態、混合状態、またはラセミ体であることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の局所製剤。
【請求項13】
、R及びRはそれぞれ独立した水素であることを特徴とする、請求項15に記載の局所製剤。
【請求項14】
前記コンフリー由来の類似体または誘導体は、化学式(6)
【化6】

(式中、R、R、RおよびRはそれぞれ独立したH、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシルまたはアリールである)
の構造を有する化合物、あるいはその立体異性体の純粋状態、混合状態、またはラセミ体であることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の局所製剤。
【請求項15】
、R、RおよびRがそれぞれ独立した水素であることを特徴とする、請求項17に記載の局所製剤。
【請求項16】
タンニン酸、またはその類似体あるいは誘導体を含むことを特徴とする、請求項1から15のいずれかに記載の局所製剤。
【請求項17】
前記タンニン酸の類似体あるいは誘導体は、化学式(7)
【化7】

(式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24およびR25はそれぞれ独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシルまたはアリールである)
の構造を有する化合物、またはその立体異性体の純粋状態、混合状態、またはラセミ体であることを特徴とする、請求項16に記載の局所製剤。
【請求項18】
、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24およびR25がそれぞれ独立した水素であることを特徴とする、請求項17に記載の局所製剤。
【請求項19】
前記タンニン酸の類似体あるいは誘導体は、化学式(8)
【化8】

(式中、R、R、RおよびRはそれぞれ独立したH、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシルまたはアリールである)
の構造を有する化合物、またはその立体異性体の純粋状態、混合状態、またはラセミ体であることを特徴とする、請求項16に記載の局所製剤。
【請求項20】
、R、RおよびRがそれぞれ独立した水素であることを特徴とする、請求項19に記載の局所製剤。
【請求項21】
前記タンニン酸の類似体あるいは誘導体は、化学式(9)
【化9】

(式中、R、R、RおよびRがそれぞれ独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシルまたはアリールである)
の構造を有する化合物、またはその立体異性体の純粋状態、混合状態、またはラセミ体であることを特徴とする、請求項16に記載の局所製剤。
【請求項22】
とRがそれぞれ独立した水素で、RとRがそれぞれ独立したメチルであることを特徴とする、請求項21に記載の局所製剤。
【請求項23】
前記タンニン酸の類似体または誘導体は、化学式(10)
【化10】

(式中、R、RおよびRがそれぞれ独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシルまたはアリールである)
の構造を有する化合物、あるいはその立体異性体の純粋状態、混合状態、またはラセミ体であることを特徴とする、請求項16に記載の局所製剤。
【請求項24】
とRがそれぞれ独立した水素であり、Rがメチルであることを特徴とする、請求項23に記載の局所製剤。
【請求項25】
前記タンニン酸の類似体または誘導体は、化学式(11)
【化11】

(式中、R、RおよびRがそれぞれ独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシルまたはアリールである)
の構造を有する化合物、あるいはその立体異性体の純粋状態、混合状態、またはラセミ体であることを特徴とする、請求項16に記載の局所製剤。
【請求項26】
、RおよびRがそれぞれ独立した水素であることを特徴とする、請求項25に記載の局所製剤。
【請求項27】
(i)コンフリーまたはコンフリー由来の化合物あるいはその類似体もしくは誘導体お よび
(ii)タンニン酸またはその類似体あるいは誘導体
を含有することを特徴とする局所製剤。
【請求項28】
前記コンフリー由来の化合物類似体または誘導体は、化学式(1)
【化12】

(式中、R、R及びRはそれぞれ独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシルまたはアリールであり、XがOH、OR、NH、HNR、またはNRである)
の構造を有する化合物であることを特徴とする、請求項27に記載の局所製剤。
【請求項29】
、R及びRがそれぞれ独立した水素であり、XがNHであることを特徴とする、請求項28に記載の局所製剤。
【請求項30】
前記コンフリー由来の類似体または誘導体は、化学式(2)
【化13】

(式中、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシルまたはアリールである)
の構造を有する化合物であることを特徴とする、請求項27に記載の局所製剤。
【請求項31】
、R、RおよびRがそれぞれ独立した水素であることを特徴とする、請求項30に記載の局所製剤。
【請求項32】
前記コンフリー由来の化合物類似体または誘導体は、化学式(3)
【化14】

(式中、XがNH、NHMe、NMeまたはNMeである)
の構造を有する化合物、またはその製薬学的に許容可能な塩であることを特徴とする、請求項27に記載の局所製剤。
【請求項33】
前記類似体または誘導体は、XがNMeの無機塩であることを特徴とする、請求項32に記載の局所製剤。
【請求項34】
前記コンフリー由来の類似体または誘導体は、化学式(4)
【化15】

(式中、R、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシルまたはアリールである)
の構造を有する化合物、またはその立体異性体の純粋状態、混合状態、またはラセミ体であることを特徴とする、請求項27に記載の局所製剤。
【請求項35】
、R、R、RおよびRはそれぞれ独立した水素であることを特徴とする、請求項34に記載の局所製剤。
【請求項36】
前記コンフリー由来の類似体または誘導体は、化学式(5)
【化16】

(式中、R、R及びRはそれぞれ独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシルまたはアリールである)
の構造を有する化合物、またはその立体異性体の純粋状態、混合状態、またはラセミ体であることを特徴とする、請求項27による局所製剤。
【請求項37】
、R及びRはそれぞれ独立した水素であることを特徴とする、請求項36に記載の局所製剤。
【請求項38】
前記コンフリー由来の類似体または誘導体は、化学式(6)
【化17】

式中、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシルまたはアリールである)
の構造を有する化合物、またはその立体異性体の純粋状態、混合状態、またはラセミ体であることを特徴とする、請求項27に記載の局所製剤。
【請求項39】
、R、RおよびRはそれぞれ独立した水素であることを特徴とする、請求項38に記載の局所製剤。
【請求項40】
前記タンニン酸の類似体あるいは誘導体は、化学式(7)
【化18】

(式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24およびR25はそれぞれ独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシルまたはアリールである)
の構造を有する化合物、またはその立体異性体の純粋状態、混合状態、またはラセミ体であることを特徴とする、請求項27から39のいずれかに記載の局所製剤。
【請求項41】
、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24およびR25がそれぞれ独立した水素であることを特徴とする、請求項40に記載の局所製剤。
【請求項42】
前記タンニン酸の類似体あるいは誘導体は、化学式(8)
【化19】

(式中、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシルまたはアリールである)
の構造を有する化合物、またはその立体異性体の純粋状態、混合状態、またはラセミ体であることを特徴とする、請求項27から39のいずれかに記載の局所製剤。
【請求項43】
、R、R及びRはそれぞれ独立した水素であることを特徴とする、請求項42に記載の局所製剤。
【請求項44】
前記タンニン酸の類似体あるいは誘導体は、化学式(9)
【化20】

(式中、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシルまたはアリールである)
の構造を有する化合物、またはその立体異性体の純粋状態、混合状態、またはラセミ体であることを特徴とする、請求項27から39のいずれかに記載の局所製剤。
【請求項45】
とRがそれぞれ独立した水素で、RとRがそれぞれ独立したメチルであることを特徴とする、請求項44に記載の局所製剤。
【請求項46】
前記タンニン酸の類似体または誘導体は、化学式(10)
【化21】

(式中、R、RおよびRはそれぞれ独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシルまたはアリールである)
の構造を有する化合物、あるいはその立体異性体の純粋状態、混合状態、またはラセミ体であることを特徴とする、請求項27から39のいずれかに記載の局所製剤。
【請求項47】
とRはそれぞれ独立した水素であり、Rはメチルであることを特徴とする、請求項46に記載の局所製剤。
【請求項48】
前記タンニン酸の類似体または誘導体は、化学式(11)
【化22】

(式中、R、RおよびRがそれぞれ独立したH、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシルまたはアリールである)
の構造を有する化合物、あるいはその立体異性体の純粋状態、混合状態、またはラセミ体であることを特徴とする、請求項27から39のいずれかに記載の局所製剤。
【請求項49】
、RおよびRはそれぞれ独立した水素であることを特徴とする、請求項48に記載の局所製剤。
【請求項50】
浸透促進剤を含むことを特徴とする、請求項27から49のいずれかに記載の局所製剤。
【請求項51】
前記コンフリーまたはコンフリー由来の化合物あるいはその類似体もしくは誘導体は、前記局所製剤の全重量の少なくとも0.5%の量で含まれることを特徴とする、請求項1から50のいずれかに記載の局所製剤。
【請求項52】
前記コンフリーまたはコンフリー由来の化合物あるいはその類似体もしくは誘導体は、前記局所製剤の全重量の約0.5%から約40%までの量で含まれることを特徴とする、請求項1から50のいずれかに記載の局所製剤。
【請求項53】
前記タンニン酸もしくはその類似体あるいは誘導体は、実質的に純粋な、あるいは医薬品水準のタンニン酸もしくはその類似体あるいは誘導体であることを特徴とする、請求項16から52のいずれかに記載の局所製剤。
【請求項54】
前記タンニン酸もしくはその類似体あるいは誘導体は、前記局所製剤の全重量の少なくとも約2%の量で含まれることを特徴とする、請求項16から53のいずれかに記載の局所製剤。
【請求項55】
前記タンニン酸もしくはその類似体あるいは誘導体は、前記局所製剤の全重量の約2%から約20%まで量で含まれることを特徴とする、請求項16から53のいずれかに記載の局所製剤。
【請求項56】
前記浸透促進剤は、ルリヂサ油、ユーカリ油、およびテトラヒドロピペリンまたはそれらの組み合わせからなる群の中から選択されることを特徴とする、請求項1から26及び50のいずれかに記載の局所製剤。
【請求項57】
前記浸透促進剤は、前記局所製剤の全重量の少なくとも約0.05%の量で含まれることを特徴とする、請求項1から26、50および56のいずれかに記載の局所製剤。
【請求項58】
前記浸透促進剤は、前記局所製剤の全重量の約0.05%から約75%までの量で含まれることを特徴とする、請求項1から26、50および56のいずれかに記載の局所製剤。
【請求項59】
前記局所製剤が局所ゲル製剤であることを特徴とする、請求項1から58のいずれかに記載の局所製剤。
【請求項60】
前記局所製剤が水中油型乳剤であることを特徴とする、請求項1から58のいずれかに記載の局所製剤。
【請求項61】
炎症および/または変性状態の予防的または治療的処置の方法において、前記方法は、その必要のある患者、および当該患者の炎症および/または変性を起こした部位あるいは炎症および/または変性を起こすと予期される部位に対して、(i)コンフリーもしくはコンフリー由来の化合物、またはその類似体あるいは誘導体と、(ii)浸透促進剤とを塗布することを含むことを特徴とする方法。
【請求項62】
タンニン酸またはその類似体あるいは誘導体を、前記炎症および/または変性を起こした部位あるいは前記炎症および/または変性を起こすと予期される部位に塗布することを含むことを特徴とする、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
炎症および/または変性状態の予防的または治療的処置の方法において、前記方法は、その必要のある患者、および当該患者の炎症および/または変性を起こした部位あるいは炎症および/または変性を起こすと予期される部位に対して、(i)コンフリーもしくはコンフリー由来の化合物、またはその類似体あるいは誘導体と、(ii)タンニン酸またはその類似体あるいは誘導体とを塗布することを含むことを特徴とする方法。
【請求項64】
前記炎症および/または変性を起こした部位あるいは前記炎症および/または変性を起こすと予期される部位に浸透促進剤を塗布することを含むことを特徴とする、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
炎症および/または変性状態の予防的または治療的処置の方法において、前記方法は、その必要のある患者、および当該患者の炎症および/または変性を起こした部位あるいは炎症および/または変性を起こすと予期される部位に対して、請求項1から60のいずれかに記載の局所製剤を塗布することを含むことを特徴とする方法。
【請求項66】
前記炎症および/または変性状態は、変形性関節症、リウマチ性関節炎、敗血性関節炎、痛風、仮性痛風、若年性関節炎、スチル病、頸部脊椎炎、腰椎炎、肩関節周囲炎、踵骨棘、乾癬性関節炎、および強直性脊椎炎からなる群の中から選択されることを特徴とする、請求項61から65のいずれかに記載の方法。
【請求項67】
前記患者が人間であることを特徴とする、請求項61から66のいずれかに記載の方法。
【請求項68】
前記患者が人間以外の動物であることを特徴とする、請求項61から66のいずれかに記載の方法。
【請求項69】
前記人間以外の動物は、馬、犬、猫、兎および牛からなる群の中から選択されることを特徴とする、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
炎症および/または変性状態の予防的または治療的処置のための薬物の製造における請求項1から60のいずれかに記載の局所製剤の使用において、前記処置は、その必要のある患者ならびに当該患者の炎症および/または変性を起こした部位あるいは炎症および/または変性を起こすと予期される部位に対してある量の前記局所製剤を塗布することを含むことを特徴とする局所製剤の使用。
【請求項71】
前記炎症および/または変性状態は、変形性関節症、リウマチ性関節炎、敗血性関節炎、痛風、仮性痛風、若年性関節炎、スチル病、頸部脊椎炎、腰椎炎、肩関節周囲炎、踵骨棘、乾癬性関節炎、および強直性脊椎炎からなる群の中から選択されることを特徴とする、請求項70に記載の使用。
【請求項72】
前記患者が人間であることを特徴とする、請求項70または71に記載の使用。
【請求項73】
前記患者が人間以外の動物であることを特徴とする、請求項70または71に記載の使用。
【請求項74】
前記人間以外の動物は、馬、犬、猫、兎および牛からなる群の中から選択されることを特徴とする、請求項73に記載の使用。
【請求項75】
2つ以上の容器に(i)浸透促進剤と、(ii)コンフリーもしくはコンフリー由来の化合物、またはその類似体あるいは誘導体、あるいはそれらの組み合わせとを含むことを特徴とするキット。
【請求項76】
別の容器に、および/または前記浸透促進剤と組み合わせて、および/または前記コンフリーと組み合わせて、および/または前記コンフリー由来の化合物もしくはその類似体あるいは誘導体と組み合わせて、タンニン酸またはその類似体あるいは誘導体をさらに含むことを特徴とする、請求項75に記載のキット。
【請求項77】
2つ以上の容器に(i)タンニン酸もしくはその類似体あるいは誘導体と、(ii)コンフリーもしくはコンフリー由来の化合物、またはその類似体あるいは誘導体、またはそれらの組み合わせとを含むことを特徴とするキット。
【請求項78】
別の容器に、および/または前記タンニン酸もしくはその類似体あるいは誘導体と組み合わせて、および/または前記コンフリーと組み合わせて、および/または前記コンフリー由来の化合物もしくはその類似体あるいは誘導体と組み合わせて、浸透促進剤をさらに含むことを特徴とする、請求項77に記載のキット。
【請求項79】
請求項1から60のいずれかに記載の局所製剤を含む容器を含むことを特徴とするキット。
【請求項80】
ユーカリ油を含むことを特徴とする、請求項1から60のいずれかに記載の局所製剤。

【公表番号】特表2010−509374(P2010−509374A)
【公表日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−536560(P2009−536560)
【出願日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際出願番号】PCT/AU2007/001753
【国際公開番号】WO2008/058333
【国際公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【出願人】(509135430)アースリティス レリーフ プラス エル ティー ディー (1)
【氏名又は名称原語表記】Arthritis Relief Plus Ltd
【Fターム(参考)】