説明

差動増幅回路、レギュレータモジュール及びハイパワーアンプ

【課題】製造時の工程及び製品の消費電力の点で優れたレギュレータモジュール、及びそれを用いたバイアス回路を提供する。
【解決手段】パワーアンプモジュールとレギュレータモジュール801を含むパワーアンプをバイポーラトランジスタと電界効果トランジスタとを同一基板上に備える技術によって1チップで構成する。レギュレータモジュール801はデプリーション型トランジスタによる差動増幅回路を内包する。該差動増幅回路の一方のFETQ4のソース端子を、ダイオード接続したバイポーラトランジスタQ7を介して、FETQ3のソース端子と接続することで、バイポーラトランジスタQ7の電位差をレギュレータの出力電圧とすることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯電話装置などに用いる電力増幅器、特にパワーアンプ内部のレギュレータモジュールとパワーアンプモジュールの構成に関する。
【背景技術】
【0002】
第3世代仕様(一般的にはW−CDMA及びCDMA2000)の携帯電話機は、既に世界的に普及している。この第3世代の携帯電話機でも電力増幅器は不可欠である。これらの仕様においては、単一の仕様であっても複数の周波数帯域への対応が求められる。例えば、W−CDMA仕様においては800MHz、2.0GHzなどに対応することが現在の市場ではほぼ必須といえる。また、第2世代の仕様(GSMなど)では、異なる周波数帯域が割り振れられていることもある。
【0003】
この複数の周波数帯域への対応には電力増幅器を複数の帯域または複数の方式に対応できるマルチモード電力増幅器を用いるか、複数のシングルモード電力増幅器を用いるか、設計者は選択することとなる。
【0004】
シングルモード電力増幅器を用いる場合、小型かつ低価格化の要請が強い。この観点から、シングルモード電力増幅器を構成するに際しては1チップ化が望ましいこととなる。しかし、従来は高周波特性に優れたHBTプロセスを用いたパワーアンプモジュールと、バイアス電圧を供給するMOSFETプロセスを用いた電圧レギュレータモジュールの2チップで構成されている。
【0005】
図1は、従来のシングルモード電力増幅器の構成を表す回路図である。この従来のシングルモード電力増幅器(パワーアンプ)は、レギュレータモジュール801とパワーアンプモジュール802を含んで構成される。
【0006】
パワーアンプモジュール802はダイオード接続2段積みの構成となっている。このパワーアンプモジュール802が用いるHBTプロセスではレギュレータモジュール801の出力電圧として2.8V以上必要となる。
【0007】
一方レギュレータモジュール801は、出力段にMOSFETを有する。このMOSFETのドレイン・ソース間電圧を0.3Vとすると、この従来のレギュレータモジュール801が必要とする最低動作電源電圧は約3.1Vとなる。
【0008】
この従来のシングルモード電力増幅器では2チップ構成となる為小型化に限界があり、また価格競争力も低下する。
【0009】
また、最低動作電源電圧は3.1Vとなるため、低電圧駆動を指向する装置に適用することはできない。
【0010】
さらにレギュレータモジュール801の出力電圧2.8Vには製品毎にランダムなばらつきが生じる。このばらつきに起因して従来のパワーアンプモジュール802は利得感度を有している。このばらつきの原因は、バンドギャップ電圧1.23Vとの偏差を非反転増幅器で約2.3倍に増幅して出力するためである。この偏差が所定の値以上となると製品としての取り扱いに難を生じ、歩留まりの低下となる。
【0011】
また、従来のレギュレータモジュール801はエンハンスメントMOSで構成されていた。そのため、差動増幅器801bの基準としてバンドギャップ回路などの電圧発生回路801aの1.23V出力が必要であった。この電圧発生回路801aにより、レギュレータモジュール801の回路規模が増大することとなる。
【0012】
特開2002−344259号公報(特許文献1)では、このレギュレータモジュール801の回路規模の増大への対策として、デプリーション型トランジスタ及びエンハンスメント型トランジスタを用いて差動増幅回路を構成し、閾値の差分を内部基準電圧とすることでチップサイズの増大を防ぐことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2002−344259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかし、閾値を代えるにはチャネル表面のインプラ濃度を変える必要がある。デプリーション型トランジスタ及びエンハンスメント型トランジスタの形成はそれぞれ別工程であるため、製品毎に独立した閾値ばらつきの差、ひいては内部基準電圧の差が生じることとなる。
【0015】
本発明の目的は、製造時の工程及び製品の消費電力の点で優れたレギュレータモジュール、及びそれを用いたバイアス回路を提供することにある。
【0016】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次の通りである。
【0018】
本発明の代表的な実施の形態に関わる差動増幅回路は、第1のデプリーション型FETと、第2のデプリーション型FETと、第3のデプリーション型FETと、ベース端子とコレクタ端子が接続されたバイポーラトランジスタと、を含み、第3のデプリーション型FETのソース端子及びゲート端子、及び第1のデプリーション型FETのゲート端子は接地され、第3のデプリーション型FETのドレイン端子は第1のデプリーション型FETのソース端子及びバイポーラトランジスタのエミッタ端子に接続され、第2のデプリーション型FETのソース端子はバイポーラトランジスタのコレクタ端子及びベース端子に接続される。
【発明の効果】
【0019】
本発明に関わるレギュレータモジュールを用いる事で、レギュレータモジュール及びパワーアンプモジュールを1チップMMIC(モノリシックマイクロ波集積回路)化することが可能となる。
【0020】
また、本発明に関わるレギュレータモジュールを用いる事で、バンドギャップ電圧発生回路が不要となり、回路規模の縮小が可能となる。
【0021】
また、本発明に関わるレギュレータモジュールを用いる事で、駆動用電圧を3V未満にすることが可能となり、リチウムイオンバッテリによる駆動も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】従来のシングルモード電力増幅器の構成を表す回路図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に関わるレギュレータモジュールの回路図である。
【図3】デプリーション型トランジスタ及びエンハンスメント型トランジスタの動作領域の違いを表す概念図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に関わる別のレギュレータモジュールの回路図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に関わる別のレギュレータモジュールの回路図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に関わる別のレギュレータモジュールの回路図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に関わるレギュレータモジュールの回路図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に関わる別のレギュレータモジュールの回路図である。
【図9】本発明に関わるレギュレータモジュールをHPAで用いた場合の回路図である。
【図10】本発明に関わるレギュレータモジュールを別のHPAで用いた場合の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下の実施の形態においては、便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明する。しかし、特に明示した場合を除き、それは互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部又は全部の変形例、詳細、補足説明などの関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数など(個数、数値、量、範囲などを含む)に言及する場合、特に明示した場合及び原理的に明らかに特定の数に限定される場合などを除き、その特定の数に限定されるものでなく、特定の数以上でも以下でも良い。
【0024】
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素は、特に明示した場合及び原理的に明らかに必須であると考えられる場合を除き、必ずしも必須のものでないことは言うまでもない。なお、実施の形態で、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:またはMOSFETトランジスタと略す)と記載した場合、ゲート絶縁膜として非酸化膜を除外するものではない。
【0025】
以下、図を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【0026】
(第1の実施の形態)
図2は、本発明の第1の実施の形態に関わるレギュレータモジュールの回路図である。この図を用いて本実施の形態について説明する。
【0027】
このレギュレータモジュールは、能動負荷Q1、Q2、FETQ3、Q4、定電流源Q5、FETQ6、バイポーラトランジスタQ7、抵抗R1より構成される。バイポーラトランジスタQ7以外の素子は全てデプリーション型トランジスタで構成されている。
【0028】
能動負荷Q1、Q2はFETQ3、Q4に電源電圧VDDを入力する際の負荷となるFET抵抗である。能動負荷Q1、Q2のゲート・ソース間端子を短絡することで、これらのFETは抵抗として機能する。
【0029】
定電流源Q5は、FETQ3のソース端子及びバイポーラトランジスタQ7のエミッタ端子を同電位にするための定電流源である。
【0030】
バイポーラトランジスタQ7は、NPN型の構成を採る。バイポーラトランジスタQ7は、コレクタ・ベース間を短絡することで、ダイオード接続されている。このバイポーラトランジスタQ7の存在により、FETQ4のソース端子はFETQ3のソース端子に対してバイポーラトランジスタQ7のベース・エミッタ間電圧Vbe(例えばGaAs HBTの場合には約1.3V)分高くなることとなる。
【0031】
FETQ3、Q4及びバイポーラトランジスタQ7は差動増幅器の構成となっている。
【0032】
図3はデプリーション型トランジスタ及びエンハンスメント型トランジスタの動作領域の違いを表す概念図である。なお本図は、あくまでも概念図であり、図3は正確なグラフではない。
【0033】
この図からも明らかなように、デプリーション型トランジスタではゲート・ソース間電圧(ソース端子から見たゲート端子の相対的な電圧)が0Vであってもドレイン端子に電流を流すことができる。FETQ3はこれを利用する。
【0034】
FETQ3のゲート端子は接地されている。一方ソース端子は定電流源Q5を介して接地されている。従って、ゲート・ソース間電圧Vgsが0Vであっても、FETQ3は問題なく動作する。
【0035】
FETQ4もFETQ3同様デプリーション型トランジスタである。FETQ4のゲート端子は抵抗R1を介して接地されている。また、FETQ4のソース端子の電位も、定電流源Q5に加えてバイポーラトランジスタQ7を介しているため、FETQ3のソース端子の電位よりも上昇する。
【0036】
上記のようにFETQ4のソース端子及びゲート端子ともに、電位がFETQ3の対応する端子よりも高いため、結果としてゲート・ソース間電圧VgsはFETQ3及びFETQ4共に略同一となる。なお、FETQ3のゲート端子は接地されており、またFETQ3のソース端子は接地電位と略同一となる。このため、FETQ4側から出力すると、バイポーラトランジスタQ7のベース・エミッタ間電圧Vbe分だけ、差動増幅器の出力を高い電圧にすることができる。
【0037】
FETQ6はFETQ3及びFETQ4からなる差動増幅回路の出力電圧(FETQ4のドレイン端子の電圧)をゲートに入力しソース端子から電圧を出力するドレイン接地回路である。FETQ6は、出力トランジスタとして働く。この出力電圧がFETQ4のゲート端子に帰還されることでFETQ4のゲート・ソース間電圧が変化する。
【0038】
FETQ6の出力電圧はレギュレータモジュールの出力になると共にFETQ4に帰還される。これにより、出力される電圧を一定に、すなわちバイポーラトランジスタQ7のベース・エミッタ間電圧Vbeに保つことが可能となる。
【0039】
上述のように構成することで以下の利点が得られる。
【0040】
上記の回路では、バイポーラトランジスタQ7のベース・エミッタ間電圧Vbe(1.3V)を基準電圧として、差動増幅器を形成する。バイポーラトランジスタQ7を含むレギュレータモジュールは、バイポーラトランジスタと電界効果トランジスタとを同一基板上に備えるプロセスで形成できる。従って、増幅素子としてバイポーラトランジスタを用いるパワーアンプモジュールとこのレギュレータモジュールを使う場合、パワーアンプモジュールとレギュレータモジュールを同一基板上に形成することが可能となる。つまり、レギュレータモジュールのバイポーラトランジスタと、パワーアンプモジュールのバイポーラトランジスタとが同一基板上に形成されるため、ベース・エミッタ間電圧の温度依存性や素子ばらつきをキャンセルすることが可能となる。
【0041】
また、バイポーラトランジスタでは、ベース・エミッタ間電圧の閾値ばらつきは数十mV程度である。従って、出力電圧偏差を小さく抑えることが可能となる。
【0042】
加えて、上述する回路をバイポーラトランジスタと電界効果トランジスタとを同一基板上に備えるプロセス(例えばBIFETなど)で作成することで、1チップ化することが可能となる。
【0043】
なお、通常考えられる変更は本実施の形態の射程に含まれる。図4ないし図6は、この第1の実施の形態の変形例を列挙する図である。
【0044】
図4は、本発明の第1の実施の形態に関わる別のレギュレータモジュールの回路図である。この例では抵抗R1に代えて、FETQ8を挿入している。
【0045】
図5は、本発明の第1の実施の形態に関わる別のレギュレータモジュールの回路図である。この例では、FETQ6をバイポーラトランジスタQ6bに置き換えている。
【0046】
図6は、本発明の第1の実施の形態に関わる更に別のレギュレータモジュールの回路図である。この図の回路では、図4及び図5の対応を両方行っている。
【0047】
これらの一般的な技術を転用するような変形は、当然に本願発明の射程に含まれる。
【0048】
(第2の実施の形態)
次に本発明の第2の実施の形態について図を用いて説明する。
【0049】
図7は、本発明の第2の実施の形態に関わるレギュレータモジュールの回路図である。
【0050】
図2のレギュレータモジュールの抵抗R1に代えて、図7のレギュレータモジュールは、抵抗R11、抵抗R12から構成される分圧回路DIVを挿入する点で特徴がある。この分圧回路DIVの挿入により、抵抗R11、R12からなる分圧回路DIVは、FETQ6の出力電圧を分圧する。そして、この分圧した電位をFETQ4に帰還する構成を採る。
【0051】
このようにすることで、レギュレータモジュールの出力電圧(=FETQ6の出力電圧)を、バイポーラトランジスタQ7のベース・エミッタ間電圧の(R11+R12)/R12とすることができる。これにより本実施の形態のレギュレータモジュールは図1の差動増幅器801bの機能を有することとなる。
【0052】
なお、本実施の形態でも、第1の実施の形態同様に、FETQ6をバイポーラトランジスタQ6bに置き換えることが可能である。この置き換えたものが図8である。図8は、本発明の第2の実施の形態に関わる別のレギュレータモジュールの回路図である。
【0053】
(第3の実施の形態)
次に本発明の第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態は、第1の実施の形態、第2の実施の形態のレギュレータモジュールを実際にどのように使うかについての応用例である。
【0054】
上記に記載したレギュレータモジュールをハイパワーアンプ(HPA)でどのように用いるかを表すのが、本実施の形態である。
【0055】
図9は、本発明に関わるレギュレータモジュールをHPAで用いた場合の回路図である。
【0056】
このHPAではRF入力信号を2度増幅する構成を採る。この際、前段をドライバ段、後段をパワー段と称呼する。各段には、本発明に関わるレギュレータモジュールが、バイアスモジュールとして接続されている。本図上では、これらのバイアスモジュールは破線で囲まれている。また、本図では、レギュレータモジュールの電源電圧VDDは2.3Vである。図上では電源電圧VDDを省略し「2.3V」とのみ記載している。
【0057】
RF信号端子より入力されたRF入力信号は、入力整合回路を経由してドライバ段に入力される。この際、レギュレータモジュール801−1の出力によりドライバ段のパワーアンプモジュール802−1のバイアス電圧が設定される。
【0058】
パワー段についても同様である。ドライバ段の出力は段間整合回路を経由して、パワー段に入力される。この際、レギュレータモジュール801−2の出力によりパワー段のパワーアンプモジュール802−2のバイアス電圧が設定される。
【0059】
上述のように、第1の実施の形態に関わる図2のレギュレータモジュールの出力はバイポーラトランジスタQ7のベース・エミッタ間電圧Vbeと略同一となる。この図2のレギュレータモジュールに代えて図7のレギュレータモジュールを用いれば、バイアス電圧を増加させることが可能となる。
【0060】
図10は、本発明に関わるレギュレータモジュールを別のHPAで用いた場合の回路図である。こちらでは、図7のレギュレータモジュールを用いているが、もちろん図2のレギュレータモジュールでも動作する。
【0061】
図10の構成では、レギュレータモジュール外にワイドラー型カレントミラーを有している。これにより、各段のベース電流を制御する構成となっており、精度の高いバイアス設定を可能にしている。
【0062】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは言うまでもない。
【0063】
特に、一般的にGaAs等の化合物半導体では、FETをエンハンスメント動作とするためには、プロセス的な困難さや、電気特性低下など(の問題点)を伴う。また、GaAsのホールの移動度は低いため、P型のFETは実用性が低い。したがって、本発明の技術をGaAs等の化合物半導体で実現する場合、エンハンスメント型、P型のFETを使わなくて済むため、シリコン基板上に形成する場合に比べて、その効果は大きい。
【符号の説明】
【0064】
801、801−1、801−2…レギュレータモジュール、
801a…電圧発生回路、801b…差動増幅器、
802、802−1、802−2…パワーアンプモジュール。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のデプリーション型FETと、第2のデプリーション型FETと、第3のデプリーション型FETと、ベース端子とコレクタ端子が接続されたバイポーラトランジスタと、を含む差動増幅回路であって、
前記第3のデプリーション型FETのソース端子及びゲート端子、及び前記第1のデプリーション型FETのゲート端子は接地され、
前記第3のデプリーション型FETのドレイン端子は前記第1のデプリーション型FETのソース端子及び前記バイポーラトランジスタのエミッタ端子に接続され、
前記第2のデプリーション型FETのソース端子は前記バイポーラトランジスタのコレクタ端子及びベース端子に接続されることを特徴とする差動増幅回路。
【請求項2】
請求項1記載の差動増幅回路において、前記第1のデプリーション型FETのドレイン端子及び前記第2のデプリーション型FETのドレイン端子は電源に接続された能動負荷に別個独立に接続されることを特徴とする差動増幅回路。
【請求項3】
請求項1または2記載の差動増幅回路において、該差動増幅回路がバイポーラトランジスタと電界効果トランジスタとを同一基板上に備える技術で構成されていることを特徴とする差動増幅回路。
【請求項4】
第1のデプリーション型FETと第2のデプリーション型FETを差動増幅させ、第3のデプリーション型FETが出力トランジスタとして働くレギュレータモジュールであって、
前記第1のデプリーション型FETのゲート端子は接地され、
前記第3のデプリーション型FETのソース端子の出力電圧が前記第2のデプリーション型FETのゲート端子に帰還されることを特徴とするレギュレータモジュール。
【請求項5】
請求項4記載のレギュレータモジュールにおいて、更にダイオード接続されたバイポーラトランジスタを有し、
前記バイポーラトランジスタのコレクタ端子及びベース端子は前記第2のデプリーション型FETのソース端子に接続され、
前記バイポーラトランジスタのエミッタ端子及び前記第1のデプリーション型FETのソース端子が同電位であることを特徴とするレギュレータモジュール。
【請求項6】
請求項4記載のレギュレータモジュールにおいて、前記第3のデプリーション型FETのソース端子の出力電圧が分圧された後に前記第2のデプリーション型FETのゲート端子に入力することで帰還されることを特徴とするレギュレータモジュール。
【請求項7】
請求項4記載のレギュレータモジュールにおいて、前記第3のデプリーション型FETのソース端子の出力が該レギュレータモジュールの出力となることを特徴とするレギュレータモジュール。
【請求項8】
請求項7記載のレギュレータモジュールにおいて、該レギュレータモジュールの出力がパワーアンプモジュールに接続されていることを特徴とするレギュレータモジュール。
【請求項9】
請求項8記載のレギュレータモジュールにおいて、該レギュレータモジュールが前記パワーアンプモジュールと同一チップ上にバイポーラトランジスタと電界効果トランジスタとを同一基板上に備える技術で構成されていることを特徴とするレギュレータモジュール。
【請求項10】
レギュレータモジュールが出力する直流成分をバイアスとするパワーアンプモジュールが電力増幅するハイパワーアンプであって、
前記レギュレータモジュールは第1のデプリーション型FETと、第2のデプリーション型FETと、第3のデプリーション型FETと、ダイオード接続されたバイポーラトランジスタと、を含む差動増幅回路を有し、
前記第3のデプリーション型FETのソース端子及びゲート端子、及び前記第1のデプリーション型FETのゲート端子は接地され、
前記第3のデプリーション型FETのドレイン端子は前記第1のデプリーション型FETのソース端子及び前記バイポーラトランジスタのエミッタ端子に接続され、
前記第2のデプリーション型FETのソース端子は前記バイポーラトランジスタのコレクタ端子及びベース端子に接続されることを特徴とするハイパワーアンプ。
【請求項11】
請求項10記載のハイパワーアンプにおいて、前記第3のデプリーション型FETのソース端子電圧が前記直流成分をバイアスとすることを特徴とするハイパワーアンプ。
【請求項12】
請求項10または11記載のハイパワーアンプにおいて、該ハイパワーアンプがバイポーラトランジスタと電界効果トランジスタとを同一基板上に備える技術で構成されていることを特徴とするハイパワーアンプ。
【請求項13】
レギュレータモジュールと、パワーアンプモジュールと、を含むハイパワーアンプであって、
前記レギュレータモジュールと前記パワーアンプモジュールがバイポーラトランジスタと電界効果トランジスタとを同一基板上に備える技術で一チップ上に構成されていることを特徴とするハイパワーアンプ。
【請求項14】
請求項13記載のハイパワーアンプにおいて、前記レギュレータモジュールは第1のFETと第2のFETを有する2以上のFETを含む差動増幅回路を含み、
前記第1のFETのソース端子は所定の電位に接続され、
前記第2のFETのソース端子はダイオード接続された前記バイポーラトランジスタを介して前記所定の電位に接続され、
前記第2のFETのドレイン端子電圧で前記パワーアンプモジュールへの出力電圧を駆動することを特徴とするハイパワーアンプ。
【請求項15】
請求項14記載のハイパワーアンプにおいて、前記パワーアンプモジュールへの出力電圧を前記第2のFETのゲート端子に帰還することを特徴とするハイパワーアンプ。
【請求項16】
請求項14記載のハイパワーアンプにおいて、前記パワーアンプモジュールへの出力電圧を分圧して前記第2のFETのゲート端子に帰還することを特徴とするハイパワーアンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−23583(P2012−23583A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−160219(P2010−160219)
【出願日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】