説明

干渉変調器の色ずれを高めるためのデバイス

干渉変調器によって反射された色は、画角に応じて変化しうる。このように、色の範囲は観測者に対して前記干渉変調器を回転させることにより見える。観測者と干渉変調器との間にテクスチャード加工層を位置することにより、色の範囲を含むパターンが前記観測者によって見られ、及びこのようにして前記色の範囲は単一の画角から見えうる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、微小電気機械システム(MEMS)、及び干渉系デバイスのようなそれと同様のデバイスに関連している。
【背景技術】
【0002】
微小電気機械システムは、微小機械素子、アクチュエータ、及び電子機器を含んでいる。微笑機械素子は、堆積、エッチング、及び/または、基板及び/または堆積された材料層の一部をエッチング除去するか、または電気的及び電気機械的デバイスを形成するために層を追加する他の微小機械工程、を利用して作り出されてもよい。MEMSの一つのタイプは干渉変調器と呼ばれている。ここで利用されるように、干渉変調器または干渉光変調器は光学干渉の原理を利用して光を選択的に吸収し及び/または反射するデバイスに関する。ある実施形態において、干渉変調器は一対の導電性プレートを備えていてもよく、その一方または両方は、全体または一部が透明性及び/または反射性であり、適当な電気シグナルの適用で相対運動できる。特定の実施形態において、一つのプレートは基板上に堆積された安定層を備えており、及び/または他のプレートは空隙により前記安定層から分離された金属薄膜を備えていてもよい。ここでより詳細に述べられるように、一つのプレートの他のプレートに対する位置は、前記干渉変調器上の光入射の光干渉を変化させうる。他の実施形態において、両方のプレートは干渉系スタックを形成するために互いに対して固定されている。そのようなデバイスは広い応用の範囲を有しており、それらの特性が、存在する製品及びまだ開発されていない新しい製品を改善することに活かされるように、これらのタイプのデバイスの特性を技術的に利用及び/または修正することに有益である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一つの実施形態において、干渉変調器スタックであって、入射光に対して少なくとも部分的に透明である吸収体層と、前記吸収体層に対して固定された反射体層と、及び前記吸収体層と前記反射体層との間に配置され、前記干渉変調器スタックの内部に干渉ギャップを画定しているスペーサ層と、及び前記反射体層とは反対の前記吸収体層側に配置されたテクスチャード加工層と、を含んでいる干渉変調器スタックを含んだアセンブリが提供される。
【0004】
他の実施形態において、表示要素であって、前記表示要素によって反射された光の波長は画角の関数である表示要素と、実質的にランダムなテクスチャーを有している表面を含む重なり層であって、前記テクスチャード加工層は第1の屈折率を有する第1の材料と第2の屈折率を有する第2の材料との間の境界を形成し、及び表示要素によって反射された光は前記表示要素にわたって実効画角を変化させるために前記テクスチャード加工面で屈折される表示要素を含んでいる光学的構造が提供される。
【0005】
他の実施形態において、吸収体と、前記吸収体層と重なっている反射体と、少なくとも一つの光学的機構を含んでいる追加の層と、を含んでいる干渉変調器であって、前記追加の層は、前記吸収体層が実質的に一様な距離で前記反射体から分離される前記干渉変調器の一様な部分と重なり、前記一様な部分における第1の点から観測者に反射された光は光の第1ピーク波長及び前記一様な部分における第2の点から反射された光は光の第2ピーク波長を含んでおり、前記第1のピーク波長は、前記第2のピーク波長と異なるようになり、光の前記第1または第2のピーク波長のどちらも、他の調波を含んでいない干渉変調器を含んでいる表示要素が提供される。
【0006】
一つの実施形態において、干渉的に光を変調するための手段であって、前記変調手段によって反射された光は画角に応じて変化する手段と、前記変調手段にわたって実効画角を変化させるために前記変調手段によって反射された光を屈折させるための手段と、を含んでいる光学構造が提供される。
【0007】
本願は、カラーで作成された少なくとも一つの図面含んでいる。カラー図面の本願のコピーは要求と必要な費用で提供されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の干渉変調器の可動反射層が緩和位置にあり、及び第2実施形態の可動反射層が作動位置にあるところの干渉変調器ディスプレイの一つの実施形態の一部を描いている等角図である。
【図2】3×3干渉変調器ディスプレイを組み込んでいる電子デバイスの一つの実施形態を図示しているシステムブロック図である。
【図3】図1の干渉変調器の例となる実施形態に対して印加された電圧対可動ミラー位置の図である。
【図4】干渉変調器ディスプレイを駆動するために利用されうる行及び列電圧のセットの図である。
【図5A】図2における3×3干渉変調器でのディスプレイデータの例となるフレームを図示している。
【図5B】図5Aの前記フレームを書くために利用されうる行及び列シグナルに対する一つの例となるタイミング図を図示している。
【図6A】複数の干渉変調器を備えている画像表示デバイスの実施形態を図示するシステムブロック図である。
【図6B】複数の干渉変調器を備えている画像表示デバイスの実施形態を図示するシステムブロック図である。
【図7A】図1のデバイスの断面図である。
【図7B】干渉変調器の代わりとなる実施形態の断面図である。
【図7C】干渉変調器の他の代わりとなる実施形態の断面図である。
【図7D】干渉変調器のさらに他の変わりとなる実施形態の断面図である。
【図7E】干渉変調器の追加の代わりとなる実施形態の断面図である。
【図8】基板に結合され、テクスチャード加工された薄層を備えている干渉変調器の断面である。
【図9A】基板上に堆積された干渉変調器スタックの断面図である。
【図9B】二つの異なる画角での図9Aの構造のスペクトル応答を示している。
【図9C】二つの異なる画角での図9Aの構造のスペクトル応答を示している。
【図9D】前記画角が変化するとき図9Aの構造によって反射された色を図示する色度図である。
【図10A】その上に結合されたテクスチャード加工薄層を有する干渉変調器であって、前記テクスチャード加工されたはく層はプリズム構造を含んでいるところの干渉変調器の断面図である。
【図10B】図10の構造の俯瞰図である。
【図11】その上に結合されたプリズム構造を含む薄層を有する干渉変調器スタックの別の実施形態の断面図である。
【図12A】その上に結合された球面レンズ構造を含む薄層を有する干渉変調器スタックの断面図である。
【図12B】図12Aの構造の俯瞰図である。
【図12C】その上に結合された二つの球面レンズを含む薄層を有する干渉変調器の別の実施形態の断面図である。
【図13A】干渉変調器アレイとテクスチャード加工層を備えたアセンブリの別の実施形態の断面図である。
【図13B】干渉変調器アレイとテクスチャード加工層を備えたアセンブリの別の実施形態の断面図である。
【図13C】干渉変調器アレイとテクスチャード加工層を備えたアセンブリの別の実施形態の断面図である。
【図13D】干渉変調器アレイとテクスチャード加工層を備えたアセンブリの別の実施形態の断面図である。
【図14A】スペーサの高さが変化されるときに、図9Aと同様の構造に対する第1のオーダ及び第2のオーダの色の変化を図示している色度図である。
【図14B】画角に応じた第2のオーダの色に対する色の変化を図示している色度図である。
【図14C】画角に応じた第1のオーダの色に対する色の変化を図示している色度図である。
【図14D】スペーサ材料の屈折率が図14Bの創作に利用されるスペーサと比べて増加するとき、図9Aのスタックに対する色の変化を図示している色度図である。
【図15A】半透明な干渉変調器スタックの実施形態である。
【図15B】半透明な干渉変調器スタックの実施形態である。
【図15C】図15Aの前記構造の吸収体側での透過した色及び反射された色をプロットする色度図である。
【図15D】図15Aの前記構造の反射体側での透過した色及び反射した色をプロットする色度図である。
【図16】前記干渉変調器アレイのどちらかの側にテクスチャード加工層を備えている両面アセンブリの断面図である。
【図17A】物体が接着層内部に懸架されているアセンブリの断面図である。
【図17B】物体が接着層内部に懸架されているアセンブリの断面図である。
【図18A】積層されたフロントライトを備えているアセンブリの断面図である。
【図18B】分離されたバックライトを備えているアセンブリの断面図である。
【図18C】積層されたバックライトを備えているアセンブリの断面図である。
【図19】前記干渉変調器と観察者の間に位置したテクスチャード加工層を備えている干渉変調器を設計するための例としての工程を図示するフローチャートである。
【図20】その上に形成された干渉変調器を有している変調器基板と重なるテクスチャード加工ガラス層の上部カラー写真である。
【図21】異なる角度で取られた図20のテクスチャード加工ガラス層及び干渉変調器基板のカラー写真である。
【図22】タイル状変調器基板と重なるテクスチャード加工ガラス層の上部カラー写真である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の詳細な説明は、本願発明の特定の具体的な実施形態に向けられている。しかしながら、本願発明は多数の異なる方法で実施が可能である。この説明において、類似の構造は類似の番号が図面全体を通して指定されるように参照番号が付けられる。以下の説明から明らかであるように、実施形態は、動いているか(例えばビデオ)または静止しているか(静止画)どちらかの、そしてそのままでまたは図画でイメージを表示するために構成されている任意のデバイスで実装されうる。さらに、とりわけ実施形態は、タイルまたは他の装飾用パネル、または被覆物のような構造上のまたは美観的な構造に限定されないものを含んでいる様々なデバイスまたは要素で実装され、または関連されうる。他の実施形態において、それらは、限定されないがワイヤレスデバイス、ハンドヘルドまたは携帯コンピュータ、腕時計、時計、または電光掲示板または信号を含むディスプレイデバイスとともに利用されうる。
【0010】
ある実施形態において、所望の光学出力を提供するために干渉変調器の色ずれ特性を利用することは美的に望ましい。この光学出力は観測者と干渉変調器の間のテクスチャード加工層の位置調整を通して修正されうる。静的干渉変調器が、ある実施形態において利用されうる。
【0011】
干渉系MEMSディスプレイ要素を備えている一つの干渉変調器ディスプレイの実施形態は、図1で図示されている。これらのデバイスにおいて、画素は明か暗状態のどちらかである。明(「オン」または「オープン」)状態において、前記ディスプレイ要素は利用者に入射可視光の大部分を反射させる。暗(「オフ」または「クローズ」)状態にあるとき、ディスプレイ要素は、前記利用者に入射可視光のほとんどを反射させない。実施形態に依存して、「オン」及び「オフ」状態の光反射特性は反転されうる。MEMS画素は、黒及び白に加えてカラーディスプレイを可能にするために選択された色を顕著に反射するよう構成されうる。
【0012】
図1は、画像ディスプレイの一連の画素における二つの隣接する画素を示す等角図であり、各画素はMEMS干渉変調器を備えている。ある実施形態において、干渉変調器ディスプレイは、これらの干渉変調器の行/列アレイを備えている。各干渉変調器は、少なくとも一つの可変次元を有する共鳴光学ギャップを形成するために、互いから可変及び制御可能な距離で位置された一対の反射層を含んでいる。一つの実施形態において、前記反射層の一方は、二つの位置の間に移動されうる。緩和位置としてここで参照される第1の位置では、可変反射層が部分的な反射層から相対的に大きな距離に位置されている。作動位置としてここで参照されている第2の位置では、可動反射層が部分的反射層により近接して位置される。二つの層から反射する入射光は、可動反射層の位置に依存して構築的に、または破壊的に干渉し、各画素に対して全体の反射または非反射状態のどちらかを提供する。
【0013】
図1における画素アレイの描画位置は、二つの隣接する干渉変調器12a及び12bを含んでいる。左側の干渉変調器12aにおいて、可動干渉変調器14aは光学スタック16aから所定距離で緩和位置に図示されており、部分的に反射層を含んでいる。右側の干渉変調器12bにおいて、前記可動反射層14bは前記光学スタック16bに隣接した作動位置に図示されている。
【0014】
ここで参照されるように、前記光学スタック16a及び16b(集合的に光学スタック16として参照する)は一般的にいくつかの溶解層を備えており、インジウムスズ酸化物のような電極、クロムのような部分的な反射層、及び透明誘電体を含んでいる。前記光学スタック16はこのように、電気的に導電性であり、部分的に透明であり、及び部分的に反射性であり、そして、例えば透明基板20上に一つ以上の上層を堆積することによって製造されうる。前記部分的な反射層は、様々な金属、半導体、及び誘電体のような部分的な反射性である様々な材料から形成されうる。前記部分的な反射層は一つ以上の材料層で形成され、前記層のそれぞれは一つの材料か材料の組み合わせで形成されうる。
【0015】
いくつかの実施形態において、前記光学スタック16の層は、平行ストライプでパターン化され、さらに以下で述べられるようにディスプレイデバイス内の行電極を形成しうる。前記可動反射層14a、14bはポスト18の頂部に堆積された(行電極16a、16bに対して直角の)堆積金属層の一連の平行ストライプ、及び前記ポスト18の間に堆積された中間犠牲材料として形成されうる。前記犠牲材料がエッチ除去されるとき、前記可動反射層14a、14bは、画定された空隙19によって前記光学スタック16a、16bから分離される。アルミニウムのような高い導電性及び反射性材料は反射層14のために利用され、これらのストライプはディスプレイデバイスにおいて列電極を形成しうる。
【0016】
全く電圧が印加されない場合、前記空隙19は、図1の画素12aによって図示されるような機械的に緩和状態にある前記可動反射層14aと共に、可動反射層14aと光学スタック16aの間に残っている。しかしながら、電位差が選択された行及び列に印加されるとき、対応する画素で行及び列電極の交点で形成されたキャパシタは帯電され、そして静電力が共に前記電極を引く。前記電圧が十分に高い場合、前記可動反射層14は、前記光学スタック16に対して変形され、及びねじ曲げられる。前記光学スタック16内部の誘電層(図示せず)は、図1における右側の画素12bにより図示されたように、短絡することを避け、及び層14及び16の間の分離距離を制御する。その振る舞いは、印加された電位差の極性に関係なく同じである。この方法で、反射対非反射画素状態を制御しうる行/列作動は従来のLCD及び他のディスプレイ技術で利用されるような多くの方法と類似している。
【0017】
図2から図5Bは、ディスプレイ応用において干渉変調器アレイを利用するための一つの例となる工程及びシステムを図示している。
【0018】
図2は、本願発明の態様を組み込みうる電気デバイスの一つの実施形態を図示しているシステムブロック図である。例となる実施形態において、前記電気デバイスは、ARM、ペンティアムII(登録商法)、ペンティアムIII(登録商法)、ペンティアムIV(登録商法)、ペンティアム(登録商法)プロ、8051、MIPS(登録商標)、パワーPC(登録商標)、ALPHA(登録商標)のような任意の多目的シングルまたはマルチチップマイクロプロセッサ、またはデジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラ、またはプログラム可能ゲートアレイのような任意の特定目的用マルチプロセッサでありうるプロセッサ21を含んでいる。従来技術のように、前記プロセッサ21は、一つ以上のソフトウェアモジュールを実行するために構成されうる。オペレーティングシステムの実行に加えて、前記プロセッサはウェブブラウザ、電話アプリケーション、電子メールプログラム、または任意の他のソフトウェアアプリケーションを含む一つ以上のソフトウェアアプリケーションを実行するために構成される。
【0019】
一つの実施形態において、前記プロセッサ21は同様に、アレイドライバ22と通信するために構成される。一つの実施形態において、前記アレイドライバは、ディスプレイアレイまたはパネル30に信号を提供する行ドライバ回路24及び列ドライバ回路26を含んでいる。図1で図示された前記アレイの断面積は、図2の線1−1により示されている。MEMS干渉変調器に対して、前記行/列作動プロトコルは図3で図示されたこれらのデバイスのヒステリシス特性の利点を取りうる。それは例えば、可動層に緩和状態から作動状態へ変形を起こすために10ボルトの電位差を必要としうる。しかしながら、前記電圧がその値から減少されるとき、前記可動層は前記電圧が10ボルト以下に後退するようにその状態を維持する。前記図3の例となる実施形態において、前記可動層は2ボルト以下の電圧降下まで完全に緩和しない。このように、図3で図示された例において約3から7Vで印加された電圧の窓が存在し、これは前記デバイスは緩和または作動状態のどちらかの状態にある。これは「ヒステリシスウインドウ」または「安定ウインドウ」のようにここで参照される。図3のヒステリシス特性を有するディスプレイアレイに対して、前記行/列作動プロトコルは、行ストローブの間、作動化されるストアされた行におけるピクセルは約10ボルトの電圧差にされ、及び緩和される画素はゼロボルトに近い電圧差にされるように設計されうる。前記ストローブの後、前記画素は、どのような状態の行ストローブでもそれらに置かれているままとなるように、約5ボルトの定常状態電圧差にさらされる。後に書かれるように、各画素は、この例において3から7ボルトの「安定ウインドウ」内部に電位差を見る。この特性は、作動または緩和の事前状態のどちらかにおいても、図1に図示された画素設計を、同一の印加された電圧状態の下で安定とさせる。作動または緩和状態のどちらかにある干渉変調器の各画素は必然的に、固定または可動反射層によって形成されたキャパシタであるので、この状態はほとんどパワー消失なくヒステリシスウインドウの範囲の電圧で保たれうる。必然的に、印加された電位が固定される場合、前記画素への電流フローは無い。
【0020】
一般的な応用において、表示フレームは、第1の行における所望の一連の作動画素に従って一連の列電極をアサートすることによって生み出されうる。行パルスはそれから行1の電極に印加され、アサートされた列ラインに対応する画素を作動化する。アサートされた一連の列電極は、第2の行における所望の一連の作動画素に対応するために変更される。パルスが行2電極に印加され、アサートされた列電極に従って行2内で適切な画素を作動化する。行1画素は行2パルスによって影響を受けず、前記行1パルスの間に設定された状態のままとなる。これは前記フレームを製造するための順次的な方法で全体の一連の行に対して繰り返される。一般的に、前記フレームは一秒あたりいくつかの所望の数のフレームでこの工程を連続的に繰り返すことによって新しいディスプレイデータでリフレッシュ及び/またはアップデートされる。表示フレームを製造するための画素アレイの行及び列電極を駆動するための多様なプロトコルはよく知られており、本願発明に関連して利用されうる。
【0021】
図4、5A及び5Bは図2の3×3アレイ上の表示フレームを生み出すため一つの可能な作動プロトコルを図示している。図4は、図3のヒステリシスカーブを示している画素に対して利用されうる一連の列及び行電圧レベルを図示している。図4の実施形態において、画素の作動化は適切な列を−Vbiasに、そして適切な行を+ΔVに設定することを含んでおり、これはそれぞれ−5ボルト及び+5ボルトに対応している。前記画素を緩和することは、前記適切な列を+Vbiasに、そして前記適切な行を同じ+ΔVに設定することによって達成され、前記画素を通してゼロボルトの電位差を生み出す。前記行ボルトがゼロに保たれるこれらの行において、前記画素は、前記列が+Vbiasまたは−Vbiasのどちらかに関係なく、それらが元々の状態にあった状態となる。図4に図示されるように、上で述べられたものに対して反対の極性の電圧が利用されうることが望まれており、例えば、画素の作動化は適切な列を+Vbiasに、及び前記適切な行を−ΔVに設定することを含んでいる。この実施形態において、画素を緩和することは、前記適切な列を−Vbiasに、そして適切な行を同様の−ΔVに設定することによって達成され、前記画素を通してゼロボルトの電位差を生成する。
【0022】
図5Bは、作動化された画素が非反射性となる図5Aで図示された表示設計をもたらす図2の3×3アレイに適用された一連の行及び列信号を示すタイミング図である。図5Aで図示された前記フレームを書くことに先立って、前記画素は如何なる状態も取り、全ての行は0ボルトであり、全ての列は+5ボルトである。これらの印加された電圧と共に、全ての画素は既存の作動または緩和状態で安定する。
【0023】
図5Aのフレームにおいて、画素(1,1)、(1,2)、(2,2)、(3,2)及び(3,3)が作動化される。これを達成するために、行1に対する「ラインタイム」の間に、列1及び2は−5Vに設定され、及び列3は+5ボルトに設定される。これは、全ての前記画素が3から7ボルトの安定ウインドウのままであるため、任意の画素の状態を変えない。行1はそれから、0から最大5ボルトまで行き、ゼロに戻るパルスでストローブされる。これは(1,1)及び(1,2)画素を作動化し、及び(1,3)画素を緩和させる。前記アレイにある他の画素は影響を受けない。行2を所望のように設定するために、列2は−5ボルトに設定され、そして、列1及び3は+5ボルトに設定される。行2に適用された同様のストローブはそれから、画素(2,2)を作動化し、及び画素(2,1)及び(2,3)を緩和させる。再び、前記アレイの他の画素は影響を受けない。行3は、列2及び3を−5ボルトに、そして列1を+5ボルトに設定することによって同様に設定される。前記行3のストローブは図5Aで示されたような行3の画素を設定する。前記フレームの書き込みの後、前記行電位はゼロになり、そして、前記列電位は+5または−5ボルトのどちらかに残ったままとなり、そして、前記電極はそれから図5Aの配置で安定する。前記同様の工程が、数十のまたは数百の行及び列のアレイに対して適用されうることは予期される。同様に、行及び列作動を実施するために利用されるタイミング、シーケンス、及び電圧レベルが上で述べられた一般的な原理の範囲内で幅広く変化しうる。上記例は単に例としてあり、如何なる作動電圧方法がここで述べられたシステム及び方法と共に利用されうる。
【0024】
図6A及び6Bはディスプレイデバイス40の実施形態を図示しているシステムブロック図である。前記ディスプレイデバイス40は、例えば、携帯電話でありうる。しかしながら、ディスプレイデバイス40の同様の構成要素またはそのわずかな変化はテレビ及び携帯メディアプレイヤー、または電光掲示板のようなディスプレイデバイスの様々なタイプの実例となる。そのようなディスプレイデバイスは、例えば、スピーカー、マイクロフォン、またはコンディショニングハードウェアを含んでいなくてもよく、そして、以下に議論される特定の他の構成要素を利用することで幅広く制御可能となりうる。
【0025】
ディスプレイデバイス40はハウジング41、ディスプレイ30、アンテナ43、スピーカー45、入力デバイス48、及びマイクロフォン46を含んでいる。前記ハウジング41は、一般的に、射出成形及び真空成形を含む、当業者に周知である様々な製造工程のから形成される。加えて、前記ハウジング41は、制限されないが、プラスチック、金属、ガラス、ラバー、及びセラミック、またはそれらの組み合わせを含む様々な材料から作られうる。一つの実施形態において、前記ハウジング41は、異なる色、または異なるロゴ、絵、またはシンボルを含む他の取り外し可能な部分で交換されうる取り外し可能部分(図示せず)を含んでいる。
【0026】
例としてのディスプレイデバイス40のディスプレイ30は、ここで述べられたような双安定ディスプレイを含む様々なディスプレイでありうる。他の実施形態において、前記ディスプレイ30は、当業者に周知のEL、OLED、STN LCE、または上で述べたようなTFT LCDのようなフラットパネルディスプレイ、またはCRTまたは他の管状ディスプレイのような非フラットパネルディスプレイを含んでいる。しかしながら、本願の実施形態を述べる目的のために、前記ディスプレイ30はここで述べられるような干渉変調器ディスプレイを含んでいる。
【0027】
例としてのディスプレイデバイス40の一つの実施形態の構成要素は、図6Bで概略的に図示されている。図示された例としてのディスプレイデバイス40は、ハウジング41を含んでおり、少なくとも部分的に組み込まれた追加の構成要素を含みうる。例えば、一つの実施形態において、例としてのディスプレイデバイス40はトランシーバ47に結合されたアンテナ43を含むネットワークインターフェイス27を含んでいる。前記トランシーバ47は、コンディショニングハードウェア52に結合されるプロセッサ21に接続される。前記コンディショニングハードウェア52は信号を調節(例えば信号をフィルタする)ために構成されうる。コンディショニングハードウェア52はスピーカー45及びマイクロフォン46に接続される。前記プロセッサ21は同様に、入力デバイス48及びドライバコントローラ29に接続される。前記ドライバコントローラ29はフレームバッファ28及びアレイドライバ22に接続され、これは順にディスプレイアレイ30に接続される。電源サプライ50は、特に例としてのディスプレイデバイス40の設計によって要求されるように全ての構成要素に電力を供給する。
【0028】
前記ネットワークインターフェイス27は、アンテナ43及びトランシーバ47を含んでおり、前記例としてのディスプレイデバイス40はネットワークを通して一つ以上のデバイスと通信することができる。一つの実施形態において、前記ネットワークインターフェイス27は、前記プロセッサ21の要求を軽減するための処理能力を有していてもよい。前記アンテナ43は、信号を伝送または受信するための当業者に周知の任意のアンテナである。一つの実施形態において、前記アンテナは、IEEE802.11(a),(b),または(g)を含んでいるIEEE803.11標準のRF信号を伝送または受信する。他の実施形態において、前記アンテナはBLUETOOTH標準の信号を伝送または受信する。携帯電話の場合、前記アンテナはCDMA、GSM、AMPS,またはワイヤレス携帯電話ネットワーク内部で交信するために利用される他の周知の信号を受信するために設計される。前記トランシーバ47は前記アンテナ43から受信した信号を前処理し、それらは前記プロセッサ21によって受信され、さらに処理されうる。前記トランシーバ47は同様に、前記プロセッサ21から受信した信号を処理し、それらは前記アンテナ43を経て例としてのディスプレイデバイス40から伝送されうる。
【0029】
別の実施形態において、前記トランシーバ47は受信器によって置き換えられうる。さらに別の他の実施形態において、ネットワークインターフェイス27は、前記プロセッサ21に送られる画像データを貯蔵または生み出すことのできるイメージソースにより置き換えられうる。例えば、前記イメージソースはデジタルビデオディスク(DVD)、またはイメージデータを含むハードディスクドライブ、またはイメージデータを生み出すソフトウェアモジュールでありうる。
【0030】
プロセッサ21は一般的に、例としてのディスプレイデバイス40の全ての操作を制御する。前記プロセッサ21は、前記ネットワークインターフェイス27またはイメージソースからの圧縮されたイメージデータのようなデータを受信し、そして、前記データを生のイメージデータに、または生のイメージデータに素早く処理された形式に処理する。前記プロセッサ21はそれから、処理されたデータを前記ドライバコントローラ29に、またはストレージのためのフレームバッファ28に送る。生データは一般的に、イメージ内部の各位置でイメージ特性を識別する情報を参照する。例えば、そのような特性は色、彩度、及びグレースケールレベルを含んでいる。
【0031】
一つの実施形態において、前記プロセッサ21は、例としてのディスプレイデバイス40の操作を制御するためのミニコントローラ、CPU、または論理ユニットを含んでいる。コンディショニングハードウェア52は一般的に、前記スピーカー45に信号を伝送するための、及び前記マイクロフォン46からの信号を受信するための増幅器またはフィルタを含んでいる。コンディショニングハードウェア52は、前記例としてのディスプレイデバイス40内部で個別の構成要素であってもよく、または前記プロセッサ21または他の構成要素の内部に組み込まれていてもよい。
【0032】
前記ドライバコントローラ29は、前記プロセッサ21によって生成された生の画像データを前記プロセッサ21、または前記フレームバッファ28のどちらかから直接取り、そして、前記アレイドライバ22に高速で伝送するために適切な生の画像データに再構成する。特に、前記ドライバコントローラ29は前記生の画像データをラスターのようなフォーマットを有するデータフロー内に前記生の画像データを再フォーマットし、前記ディスプレイアレイ30を横切ってスキャニングするために適した時間オーダを有するようになる。それから、前記ドライバコントローラ29は、前記アレイドライバ22にフォーマットされた情報を送る。LCDコントローラのようなドライバコントローラ29がスタンドアロン集積回路(IC)のようなシステムプロセッサ21に関係付けられているにもかかわらず、そのようなコントローラは多くの方法で実装されうる。それらはハードウェアのようなプロセッサ21に組み込まれるか、ソフトウェアのようなプロセッサ21に組み込まれるか、または前記アレイドライバ22と共にハードウェア内に完全に統合されうる。
【0033】
一般的に、前記アレイドライバ22は前記ドライバコントローラ29からのフォーマットされた情報を受け、一秒あたり多数回印加された平行な一連の波形内へのビデオデータを、前記ディスプレイ画素のx−yマトリクスから来る百及び数千のリードに再形成する。
【0034】
一つの実施形態において、前記ドライバコントローラ29、アレイドライバ22、及びディスプレイアレイ30は、ここで述べられたディスプレイのいかなるタイプに対して適している。例えば、一つの実施形態において、ドライバコントローラ29は、従来のディスプレイコントローラまたは双安定ディスプレイコントローラ(例えば、干渉変調器コントローラ)である。別の実施形態において、アレイドライバ22は、従来のドライバまたは双安定ディスプレイドライバ(例えば、干渉変調器ディスプレイ)である。一つの実施形態において、ドライバコントローラ29は、アレイドライバ22で統合される。そのような実施形態は、携帯電話、時計、及び他の小領域ディスプレイのような高集積システムに共通である。さらに他の実施形態において、ディスプレイアレイ30は、一般的なディスプレイアレイまたは双安定ディスプレイアレイ(例えば、干渉変調器のアレイを含むディスプレイ)である。
【0035】
前記入力デバイス48は、例としてのディスプレイデバイス40の操作を制御するために利用することが可能である。一つの実施形態において、入力デバイス48は、クワーティキーボードまたは電話キーパッド、ボタン、スイッチ、タッチセンサスクリーン、または圧力または熱感薄膜のようなキーパッドを含んでいる。一つの実施形態において、前記マイクロフォン46は例としてのディスプレイデバイス40に対して入力デバイスである。前記マイクロフォン46が前記デバイスにデータを入力するために利用されるとき、ボイスコマンドが、例としてのディスプレイデバイス40の操作を制御するために使用者によって提供されうる。
【0036】
電源供給50は、従来技術で周知のような様々なエネルギーストレージデバイスを含みうる。例えば、一つの実施形態において、電源供給50は、ニッケルカドミウムバッテリーまたはリチウムイオンバッテリーのような再充電可能バッテリーである。他の実施形態において、電源供給50は、再生可能なエネルギー源、キャパシタ、またはプラスチック太陽電池を含む太陽電池、及び太陽電池塗料である。他の実施形態において、電源供給50は、壁コンセントから出力を受けるために構成される。
【0037】
いくつかの実施形態において、電気表示システム内のいくつかの場所に位置されうるドライバコントローラにおいて、上で述べたように制御プログラムできる電子機器が存在する。いくつかの実施形態において、制御プログラムできる電子機器はアレイドライバ22内に存在する。当業者は、上記した最適化は任意の数のハードウェア及び/またはソフトウェア構成要素において、そして様々な構成において実装されうる。
【0038】
上で説明した原理に従って操作する干渉変調器の構造の詳細は広く変化しうる。例えば、図7Aから7Eは、可動反射層14及び/またはその支持構造の5つの異なる実施形態を図示している。図7Aは、金属材料14が直角に伸びている支持体18上に堆積された図1の実施形態の断面図である。図7Bにおいて、前記可動反射層14は、テザー32で角だけ支持体に取り付けられる。図7Cにおいて、前記可動反射層は、可変層34から懸架され、これは固定金属を備えていてもよい。前記可変層34は、前記可変層34の周囲の周りの金属20に直接または間接的に接続している。これらの接続は支持ポストとしてここで参照されている。図7Dに図示されている前記実施形態は、前記可変層34がとどまる支持ポストプラグ42を有している。前記可動反射層14は、図7Aから7Cのように、前記空隙にわたって懸架されたままでるが、可変層34は、前記可変層34と前記光学スタック16の間のホールを満たすことにより前記支持ポストを形成しない。むしろ、前記支持ポストは平坦化材料で形成され、これは支持ポストプラグ42を形成するために利用される。図7Eで図示された実施形態は、図7Dで示された実施形態に基づいているが、図7Aから7Cで図示された任意の実施形態と作用するように適用され、同様に追加の実施形態は示されていない。図7Eで示された実施形態において、金属の追加層または他の導電性材料はバス構造44を形成するために利用されている。これは信号が前記干渉変調器の後部に沿ってルーティングすることを可能にし、そうでなければ前記基板20上に形成される必要があるディスプレイの数を削除する。
【0039】
図7で示されたような実施形態において、前記干渉変調器は、イメージが前記透明基板20の前側から見られる直視型デバイスのように機能し、前記前側は、前記変調器が配置される側とは反対の側である。これらの実施形態において、前記反射層14は任意的に、前記基板20と向かい側の反射層側上で干渉変調器の一部を保護し、前記可変層24を含んでいる。これは、前記保護された領域が、前記イメージのクオリティに負の影響を与えることなく構成され及び操作されることを可能にしている。そのようなシールディングは図7Eのバス構造44を可能にし、これは、アドレッシング及び前記アドレッシングに起因する移動のような前記変調器の電気機械的特性から前記変調器の光学特性を分離する能力を提供している。この分離可能な変調器設計は、変調器の電気機械的な態様及び光学的な態様に対して利用される構造的設計と材料が互いに独立に選択され、機能することを可能にしている。さらに、図7Cから7Eで示された実施形態は、その機械的特性から反射層14の光学特性の分離に由来する追加の利点を有しており、これは可変層34により実行されうる。これは、前記反射層14に対して利用される構造設計及び材料が前記光学特性に関して最適化されることを可能にし、及び前記可変層34に対して利用される構造設計及び材料が所望の機械的特性に関して最適化されることを可能にしている。
【0040】
上で述べた干渉変調器の実施形態が可変層を有する干渉変調器に関連しているにも関わらず、他の実施形態が可能であることは理解される。特に、静的干渉変調器が提供されてもよく、これは、誘電体材料のような光透過性材料により画定された干渉系空隙により分離された第1の部分的な反射層と少なくとも部分的に反射性である第2の層を含んでいる。前記第2の層は、実施形態に依存して、部分的に反射性であってもよく、または完全に反射性であってもよい。例えば、反射層という用語の使用が部分的な反射層を排除することを目的としていないことは理解されるけれども、第1の部分的な反射層は、部分的な反射層としてここで参照され、前記第2の反射層は反射層として参照され、そして、前記二つの層は共に、反射層として集合的に参照されてもよい。
【0041】
そのような静的干渉変調器において、前記静的干渉変調器が静電気的作動であることを目的としてないように、電極としての使用に対して導電性材料を選択または含む必要がない。同様に、前記二つの層を通って電圧を印加する必要がないように、前記反射層は必ずしも互いに電気的に独立ではない。このように、非導電性材料は反射層を形成するために利用されてもよく、そして導電性材料は前記干渉系空隙を画定するために利用されてもよい。別の実施形態において、静的干渉変調器は光透過性層の変わりに空隙を備えていてもよい。さらなる実施形態において、静的干渉変調器は、作動可能な干渉変調器と同一であってもよく、単に作動されなくてもよい。前記空隙を画定するための固体材料の使用が追加の安定性を提供してもよく、しかしながら、加えてさらに以下で述べられる可能な利点を提供してもよいことが理解される。
【0042】
特定の干渉変調器により反射された波長は、前記光が入射する初期反射層と、第2の反射層との間の光路長の関数である。このように、法線に対する角度が増加するように前記光路長が大きくなると共に、法線に対してある角度をなして見られるとき、前記光路が増加するように、この光路長は入射角及び画角に応じて変化する。このように、静的干渉変調器を考慮しても、画角を変化させるために観測者に対して干渉変調器を傾けることによって、前記反射された波長は変形されうる。
【0043】
図8は、薄層材料120に結合された基板102上に形成された干渉系スタック110を備えている例としての静的干渉変調器構造100を図示している。前記干渉系スタック110は、吸収体112、反射体116、及び前記吸収体112と前記反射体116の間の干渉系空隙のサイズを制御するスペーサ114を含む静的干渉変調器構造を備えている。
【0044】
図示された実施形態において、前記干渉変調器スタックは前記基板102を通して観測されるために構成される。前記基板102はこのように、ガラス、ポリカーボネート、またはポリエチレンテレフタレート(PET)のような光透過性材料を望ましくは備えている。ある実施形態において、他の材料が利用されてもよいことが理解できるにも関わらず、前記吸収体112はモリブデン、クロム、またはチタンを、入射光の一部を反射するため及び入射光を通して透過するために適した厚さで備えている。他の材料が利用されてもよいにも関わらず、前記スペーサ114は、酸化ケイ素、酸化亜鉛、または酸化アルミニウムのような誘電体層を所望の厚さで備えていても良く、部分的にまたは完全に反射性のどちらかの厚さであってもよい。他の適切な反射性材料が利用されてもよいにも関わらず、前記反射体116は、例えば、アルミニウムまたは金を備えていても良い。
【0045】
図示された実施形態が基板側から見えるように構成されているにも関わらず、反射体116及び吸収体112の位置が反転される場合、前記スタック110は反対体側からでも見えるように構成されるだろう。そのような実施形態において、前記反射体116及び前記基板102は、十分な機械的強度とともに単一の反射層備えうる。
【0046】
上で述べたような作動干渉変調器とは対照的に、前記反射体は前記吸収体に向かって静電気的に作動可能であってもよく、反対に、変調器スタック110のような静的干渉変調器は静電気的に作動されなくてもよい。このようにして、より広い範囲の材料が作動干渉変調器と比較して静的干渉変調器の使用に適していてもよい。例えば、前記スペーサ層114は誘電体材料を備えている必要はなく、前記吸収体112及び反射体116は導電性材料を備えている必要も無い。前記反射層116と前記吸収体112の両方は、それらの機械的柔軟性を十分に考慮することなく選択されうる。
【0047】
前記干渉変調器スタック110によって反射された光は、線130a、130b、及び130cによって示されている。前記光によってとられる可変路は、それが通る様々な層の反射率に起因している。線130aは前記干渉変調器から反射され、屈折率がN1の基板102の法線に角度132aで移動する。前記基板102と屈折率N2を有する薄層120の間の境界に到達するまでに、前記光は角度132bで線130bに沿って反射し及び移動する。同様に、前記薄層120と前記構造100が見られ、屈折率がN3を有する他の媒体との間の境界に到達するまでに、前記光は線130cから前記観測者に沿って再び反射し、及び移動する。
【0048】
一つの媒体から次へ通過するときの反射量はスネルの法則によって決定されうる。
sin(θ)=Nsin(θ
【0049】
上記式は、光が媒体xから媒体yを通過するとき、二つの材料の屈折率N、N、及び入射角θ及び反射角θを示している。前記角度は、入射位置での法線から測定され、前記法線は前記二つの媒体の境界に直角である。このように、光は高屈折率を有する媒体から低屈折率へ通過するとき、前記屈折角は入射角より大きい。入射角または前記二つの屈折率の間の差のどちらかが非常に大きい場合、前記光は内部に全反射され、及び前記低屈折率の媒体へ通過しないだろう。
【0050】
干渉系構造100が見られる位置での角度は、観測者に向かって反射された光路を変更し、光路長を増加させ、それ故、法線からの角度のような干渉系空隙の実効高さは増加する。この光路長の変化は反射波長のピークに影響を与え、観測者が見る可視光の色を変化させる。干渉変調器の視点の実効角度は、この屈折によって変更される。このように、前記スタック材料及びスタック厚さ、前記基板材料及び薄層材料及びそれらの設計の選択は認識される色を変更するために利用されうる。
【0051】
図9Aは基板102上に形成された例としての干渉系スタック110を図示している。単純化のために、この実施形態において薄層120は使われていない。この特定の実施形態において、前記基板102は、屈折率1.61を有するPETを備えており、前記吸収体112は80Åのモリブデン層を備えており、前記スペーサ114は4200Åの酸化ケイ素層を備えており、及び前記反射体116は500Åのアルミニウム層を備えている。線130dは、干渉変調器スタック110から角度132dで観測される。干渉変調器スタックが法線(132d=0°)に沿って観測されるとき、前記第2のオーダの反射率ピークは640nm(赤色光)であり、第3のオーダの反射率ピークは約430nm(青色光)であり、赤紫色の知覚される色を生成する。前記スペクトル応答は図9Bに図示されている。
【0052】
図9Aのデバイスが非ゼロ角度で基板内部から観測されるとき、反射率ピークはシフトする。前記角度132dが増加するとき、前記反射率ピークはより短い波長にシフトする。図9Cは、前記法線に対して25°の角度(132d=25°)で観測されるときの図9のデバイスのスペクトル応答である。図9Dは、前記角度132dが点134aで0°から点134bで50°まで変化するとき、CIE1931色空間色度図によって示された、前記基板内部から観測者によって見られた様々な色の図である。前記色度図は、それらの鮮明度に独立してそれらの色度に応じて色をプロットしている。図9Dは同様に、可視光の実効境界136、及びRGB空間の境界を図示している。
【0053】
以上のように、前記観測者に対して前記デバイスを傾かせることにより、または前記デバイスに対して視野角を移動させることにより、視野角132dが増加するにつれて、観測者によって見られる認識される色は大きく変化する。それは赤紫色から始まり、一周して赤紫色を通るにも関わらず、観測者に認識される色は赤紫色から緑や青のような色を通って移動するだろう。
【0054】
干渉系スタックにおける材料の厚さ及び構成を変化させることにより、特定の視野角で観測される特定の色が生み出されうる。他の実施形態において、以下で大きく詳細に検討されるように、前記反射体は少なくとも部分的に透明であってもよく、及び前記スペクトル応答は、両側から観測されるときの視野角に応じて変化してもよい。
【0055】
加えて、前記観測者と干渉系スタック110の間の薄層120の適用は、視野角に起因した色ずれの範囲を修正するために利用されうる。特定の実施形態において、前記薄層は実質的に平坦であり、前記薄層は角度の色ずれの範囲を制限するために利用されうる。前記基板102及び前記薄層120が屈折率1.61を有するPETを備えているような図8の前記構造100のような構造において、132c=45°となるように前記基板100が45°で観測される場合、角度132a及び132bはおおよそ26.1°となるだろう。前記角度がほとんど90°まで増加される場合、平面構造100に対する最大角、角度132a、132bはおおよそ38.4までしか増加しないだろう。これは、視野角の変化に応じて前記スペクトル応答の変化率を大きく減少させ、及び前記視野角が変化するとき認識される色の潜在範囲を限定する。
【0056】
他の実施形態において、前記薄層120及び基板102の屈折率は異なっていてもよい。そのような実施形態において、前記角度132a及び132bは、前記薄層120と前記基板102の間の境界での屈折に起因して異なるだろう。一つの実施形態において、前記薄層は屈折率1.61を有するPETを備えていてもよく、及び前記基板は屈折率1.54を有するガラスを備えていてもよい。そのような実施形態において、同一の屈折率を有する屈折率同一の接着剤の利用を前記二つの層の一つとして仮定して、角度132cが45°のとき、角度132bは26.1°であり、及び角度132aは27.4°である。前記薄層120の屈折率が下に位置する基板102のものより大きいので、前記基板から前記薄層を通過するとき、前記光は前記法線の方向に反射し、及び前記薄層から空気のような外部媒体を通過するとき、前記法線から離れて反射する。
【0057】
ある実施形態において、この色ずれは美観的に望ましく、及び前記干渉変調器の前記色ずれ特性は様々な方法で利用されうる。特に、ある実施形態において、前記干渉変調器から反射された光の少なくとも一部の光路を変更するために、アセンブリは非平面な表面を有する薄層のようなテクスチャード加工表面が前記観測者と前記干渉変調器との間で位置して提供されうる。特に、以下でより詳細に述べられるように、前記観測者から離れる方向に通常反射される光が、前記テクスチャード加工表面の形状に起因して前記観測者に向かって直ちに反射されてもよいことが理解される。前記観測者は、前記テクスチャード加工表面の形状に関連したパターンに色の範囲を観測しうる。
【0058】
ある実施形態において、薄層220は、干渉変調器に非ゼロ角度で配向される表面を備えうる。図10Aはそのような表面を備えている干渉系構造200の実施形態を図示している。前記構造220は、前記干渉変調器スタック110に対して非ゼロ角度で配向した表面222aを有するプリズムストライプ222の形態で光学機構を備えている前記薄層220に結合された干渉変調器スタック110を備えている。単純化のために、前記図示された基板を含んでいないが、他の実施形態において、実施形態は基板102(図8を参照)のような基板が前記薄層120bと前記干渉系スタック110の間に配置されてもよいことは理解される。
【0059】
第1の光線230aは前記スタック110に角度232aで前記干渉変調器スタック110から離れ、前記薄層220の平面位置で前記観測者に向かって前記薄層を通過し、前記光は前記法線に対して角度232bで、線230bに沿って観測者に向かって屈折及び移動される。第2の光線230cは前記スタック110に対して角度232cで前記干渉変調器スタックから離れ、プリズムストライプ222aの角のある表面222aを通して前記観測者に向かって前記薄層220を通過し、前記光は、前記法線に対して角度232dで、線230dに沿って観測者に向かって屈折及び移動される。前記観測者に到達する二つの光線230c及び230dは平行な光路に沿って移動しているけれども、線230a及び230bにより示された前記二つの光線の初期光路は平行でない。
【0060】
このように、前記構造200は、図8で示される位置及び角度で観測され、前記光線230bは、ラミネートされていない干渉系スタック110が法線に対して角度232aで観測された場合に見られる色として前記観測者に認識され、前記光線230dは、前記スタック110が法線に対して角度232cで観測された場合に見られる色として認識される。図10Bは、観測者に見られるパターンを図示しており、前記プリズムストライプ222は第1の色として表れ、及びプリズムストライプ222の間の前記薄層220の部分は第2の色として現れる。
【0061】
特定の実施形態において、前記スタック110は、吸収体112が80Åのモリブデンを備えており、スペーサ114が4200Åの酸化ケイ素を備えており、反射体116は500Åのアルミニウムを備えている図9Aに関して前に述べられた前記スタックを備えうる。前記薄層220は、屈折率1.61を有するPET層を備えており、及びPETを備えている基板102(図示せず)は、前記薄層220と前記スタック110の間に配置されうる。薄層220の前記頂部表面は、10mm幅及び10mm間隔で分離されたプリズムストライプを備えており、前記角のある表面222aは前記薄層220の平面位置に対して30°の角度で配向されている。前記基板200が45°の角度で観測されるとき、角度232aは26.1°となり、及び角度232cは39.3°となる。このように、前記ストライプ222はおおよそ470nmの波長ピークを有する青色が現れ、前記ストライプ222の間のスペースはおおよそ560nmのピークを有する緑色が現れる。
【0062】
この特定のスタックが図9Dで示されたスペクトル応答を有するので、前記観測者によって所定の位置で見られる色は、前記スタックの視野角が変化するとき見られる色の範囲を示す色パスに沿った点により与えられる。この特定の実施形態と配向において、前記ストライプ222の色は色度図上の点134cでの色によって与えられ、及び前記ストライプの間の領域における前記薄層の色は点134cでの色によって与えられる。前記構造200の視野角が変化するように、前記ストライプと間の空間の色は図9Dに示される色パスに沿って変化する。
【0063】
所定の実施形態において、プリズムストライプ222のような機構は、特定のパターンが観測されるように、所望の距離で立っている観測者によって区別されてもよい。他の実施形態において、前記機構のいくつかまたは全ては、個々の機構が個別に区別されないような大きさか密度であってもよい。そのような実施形態において、これらの領域は、複数の構成画素を利用することによって、初期の色のような特定の色を表示するためのカラーディスプレイにおいて利用されるような、色混合または拡散効果を引き起こしうる。
【0064】
これらの実施形態において、観測者に向かって反射された光は、独立の干渉変調器スタックにより生み出されない波長成分を有しうる。例えば、上で述べた機構は、非常に小さいスケール上に形成される場合、または前記観測者が前記構造から非常に遠くに位置される場合、結果としての光は前記構造の様々な位置から来る青及び緑の波長の成分でありうる。特に前記光は470nm及び560nmの両方のピークを有しうる。そのような波長成分を有する光は、上で説明したような特定のスタックだけを利用することで形成されないが、前記薄層の上または内部に光学機構を含ませることでそのような可能な波長の組み合わせを可能にする。
【0065】
図11は、プリズム222の形態における光学機構を備えている構造200bの他の実施形態を図示している。前記プリズムストライプ222の表面の一つが前記干渉系スタック110に実質的に垂直である図10Aの実施形態に対して、図11の実施形態は、前記干渉系スタック110に対する比較的浅い角度で配向された他の平面222bを有するプリズムストライプを備えている。角度232eで線230fから離れる光線230cは、表面222bで屈折され、及び前記法線に対して角度232fで線230fに沿って前記薄層220から離れる。前記基板222a及び222bが前記基板に対して相対的に配向している相対的に浅い角度により、両方が幅広い角度にわたって見られ、幅広い角度で観測されるとき、三色の混合を生み出す。
【0066】
他の実施形態において、光学機構が利用されてもよく、これは湾曲または連続的に変化する表面を備えている。図12Aは、干渉変調器スタック110及び球面レンズ構造322のような湾曲面の形態で光学機構を備えている薄層320を含む構造300を図示している。線330aは角度332aで干渉系スタック110から離れ、及び球面レンズ構造322の端部で屈折し、観測者に向かって法線に対して角度332bで線330bに沿って移動することがわかる。角度332とは異なる角度332cでスタック110から離れる線330cは、球面レンズ構造322の異なる部分を通過し、及び前記観測者に向かって角度332dで線330dに沿って移動するために屈折し、角度332dは角度332bに対して実質的に平行である。
【0067】
実質的に一定色の離散領域として見える角度平面を備えているプリズム構造に対して、湾曲または連続的な可変表面は色の勾配として現れる。図12Bは、正の球面レンズ構造322を備えている構造300の俯瞰図を図示している。そのような実施形態において、一つの角度で観測されるとき、前記観測者に隣接した正の球面レンズ構造322の一部は、前記観測者から離れた前記レンズ構造322側よりも多くの角度の色ずれを実証する。
【0068】
前記レンズ構造の高さ(または、前記薄層において曲線的な凹みの形態をとりうる負のレンズ構造の場合においては深さ)は同様に、色ずれの深さに影響を与える。図12Cは、球面レンズ機構322及び324を備えている構造300bの他の実施形態を図示しており、レンズ324は、レンズ322より浅い。線330eが前記スタック100から離れる角度332eと、線320fが前記スタック110から離れる角度332fとの間の差は、角度332aと332cとの間の差よりも小さく、及び前記浅いレンズ構造324にわたる角度の色ずれは、レンズ322により示されたものより小さくなることがわかる。
【0069】
他の実施形態において、ファセットされた機構はプリズムまたは曲面構造の平面に利用され、及びそのような機構の如何なる組み合わせが利用されてもよい。例えば、単一の光学機構は平面及び曲面の両方を備えうる。プリズム構造は、異なる表面が異なる位置及び視野角で観測されるように、互いに関連して異なって配向されうる。如何なるタイプの光学機構は、分離され、レンズ状であり、パターン状にまたは所望の形状またはイメージに配置され、または美観的な効果のためにランダムに配置されうる。
【0070】
そのようなアセンブリは様々な応用に利用されうる。ある応用において、前記アセンブリは、アーキテクチャ、設計、及び構造の分野において利用されてもよく、及び構築材料内に統合されるか、または設計要素として利用されてもよい。そのようなアセンブリを備えている壁板は構成または設計に十分に利用されてもよい。そのようなアセンブリは、フレームのバックグラウンドにおけるような多くの設計要素において統合されてもよい。所望の形状の干渉変調器は、美観的に魅力的な及び眼を引くロゴを提供するために、そのようなアセンブリにおいて利用されうる。他の利用の幅広い変化が意図され、及び可能である。
【0071】
図13Aから13Dは、干渉変調器アレイを支持する基板に隣接して位置されたテクスチャード加工ガラス層を含む断面ポテンシャル構造を図示している。アセンブリ400aは干渉変調器アレイまたはスタック410を支持する変調器基板102を備えていることが図13Aで見られる。上で述べられた薄層のようなテクスチャード加工層420aは、前記干渉変調器アレイ410から接着剤408を経て前記基板の反対側に固定される。ランダムテクスチャーを有するように示されているが、ここで述べられた光学機構を利用する規則的なパターンが同じように利用されることが理解される。ある実施形態において、前記テクスチャード加工層は、前記テクスチャーに存在しうる如何なるパターンが観測者によって即座に認識されないように、実質的にランダムなパターンを有しうる。
【0072】
図13Aに図示された実施形態において、テクスチャード加工層420aは単一側だけがテクスチャード加工されており、他の実施形態においては、前記干渉変調器アレイ410により反射された光の実効光路を変更させる屈折率が変化するように、前記テクスチャード加工層420aが反転されうるにも関わらず、これは図示された実施形態において、前記干渉変調器アレイから離されて位置された側にある。図13Bにおいて、アセンブリ400bは、層420bのテクスチャード加工側が前記変調器基板102に面する側でテクスチャード加工された図13Aのアセンブリ400aとは異なる。図13Dにおいて、層420dのテクスチャーは、荒く見えるミクロなテクスチャーであってもよく、別の実施形態において、前記層420d内に空気または他の泡を含むような層内部にテクスチャーを備えていてもよい。
【0073】
そのようなテクスチャード加工層の効果は、実質的にランダムまたは規則的なパターンを備えていても、前記アセンブリによって反射された光のパターンを提供することである。所定の実施形態において、均一な色を提供するために、または視野角に応じた色ずれを最小化するために設計された補正層に対して、これらのカラーパターンは魅力的な光学的効果を提供するために、観測者によって容易に区別できるものであってもよい。上述したように、プリズム機構の場合、これらのカラーパターンは色の明確な区域を備えていてもよく、曲面機構または実質的なランダムテクスチャーの場合に色勾配を備えていてもよい。
【0074】
テクスチャード加工層420a及び他のテクスチャード加工層は、限定するものではないがガラス及びポリマーを含む様々な材料を備えうる。前記応用において他で述べた光学機構に加えて、そのような層は副層またはストライエーションを備えていてもよく、及び所定の実施形態において、液体か半液体であってもよく、及び追加の層によって平面に保たれていてもよい。層420a及び他のテクスチャード加工層は、所定の実施形態において、前記テクスチャード加工材料の端から美学を利用させるため、干渉変調器アレイの全体、または干渉変調器の全体を被覆しない。
【0075】
所定の実施形態において、分離されたテクスチャード加工層及び接着剤の代わりに、テクスチャード加工接着層だけが提供されうる。光透過性接着層が提供され、エンボス加工され、及びそれから所望の形状に形成するために硬化されうる。他の実施形態において、前記接着層は、前記基板102と前記テクスチャード加工層420a及び420bの間の全領域にわたって延長しなくてもよく、前記テクスチャード加工層部分と前記基板との間に位置した空隙があってもよい。特定の実施形態において、特に、前記テクスチャード加工層が(図13Bに図示されているように)前記基板に隣接したテクスチャード加工層を備えているとき、前記接着層は、前記テクスチャード加工層が前記基板に接触するか、または近づくところにだけ位置されうる。他の実施形態において、クリップや他のファスナーのような機械的構成要素は、前記変調器基板に対して前記テクスチャード加工表面を固定するために利用され、または前記の二つは互いに関する位置に独立に維持されうる。
【0076】
所定の実施形態において、以下でさらに詳細に述べられるように、前記接着層及び前記反射面の一方、または両方のような前記構造内部の所定の層は、それらを通って輝く光の波長にさらに影響を与えるために着色されるか色づけされうる。このように、観測者によって見られた色が前記テクスチャード加工層及び接着層の色、さらに干渉変調器アレイの色によって影響が与えられるような追加の方法によって、前記アセンブリの色ずれ特性が強化され変化されうる。例として、緑色のテクスチャード加工ガラスとともに利用される赤紫色の干渉変調器は、結果のパターンの一部において白色を製造する。
【0077】
所定の実施形態において、前記テクスチャード加工層のテクスチャーは必然的に、「レイングラス」のような、または空気泡が含まれたアーキテクチャルガラスのようにランダムである。他の実施形態において、上述したように、前記テクスチャーは、角張ったガラスのような特定のパターンまたは特定の光学特性を有しうる。特定の実施形態において、前記テクスチャーは、例えば、上で述べたようなタイプのレンズ構造のようなレンズ設計を備えている。所定の実施形態において、このレンズ設計はより平坦なテクスチャード加工層が利用されることを可能とするように従来のレンズまたはフレネルレンズでありうる。上で述べたように、前記レンズは、所定の角度での特定の色ずれを生み出すか、または色ずれの範囲を制御するために設計されうる。前記レンズは、特定の視野角でのイメージまたはパターンを生み出すために設計されうる。他の実施形態において、プリズムまたはホログラフィック構造は前記テクスチャード加工層として利用されるか、前記テクスチャード加工層に加えて利用されうる。
【0078】
上で述べたように、所定の実施形態において、前記接着層は、前記接着層と前記等価屈折率の隣接層との間の境界で屈折を最小化するために隣接する層が等価屈折率でありうる。しかしながら、他の実施形態において、前記接着層は前記隣接する層とは異なる屈折率を備えていてもよく、これは各境界で屈折を引き起こす。所定の実施形態において、前記干渉変調器アレイに向う方向の光の全内部屈折を避けるか最小化するために、前記接着層は前記変調器基板の屈折率より低い屈折率を有するように選択される。しかしながら、前記接着層の屈折率及び結果の全内部反射角を変化させることにより、前記アセンブリの色ずれ特性は所望の方法で変更されうる。全内部反射角を制御することにより、干渉変調器により反射された光の最大の光路が制御され、それによって前記色ずれを制御する。
【0079】
所定の実施形態において、干渉変調器アレイはテクスチャード加工層の背面上に配置されうる。しかしながら、前記テクスチャード加工表面から離れた変調器基板を提供することにより、より大きな柔軟性が前記テクスチャード加工表面に対して利用可能な材料に関して利用可能である。特に、前記テクスチャード加工表面は、ガラス層の場合、追加の構造的強度を提供するために、前記干渉変調器を損害し、破壊する温度で強化される。所定の実施形態において、前記テクスチャード加工層は前記アセンブリに対して第1の構造的な支持体でありうる。任意の適切な市販のテクスチャード加工ガラスがアセンブリを製造することに利用されうる。さらに、両側にテクスチャード加工された層の場合、干渉変調器アレイを形成するためにテクスチャード加工表面を被覆することは困難である。所定の実施形態において、前記テクスチャード加工層は、前記層のサイズが構成要素に依存して大きく変化することが理解され、及び前記アセンブリの利用を目的としているにも関わらず、厚さが約2.3mmかそれより大きいガラス層を備えていてもよい。例えば、前記テクスチャード加工層が基板に結合した薄層を備えている実施形態において、前記テクスチャード加工層または前記基板の一つは、機械的強度を提供する比較的厚い層を備えており、より厚い層が他の層として利用されることも可能としている。
【0080】
アレイとして述べられたにも関わらず、干渉変調器要素のいくつかが基板上に提供されてもよく、前記基板の一部または全てにわたって伸びているわずかな単一の干渉変調器も含んでいる。加えて、前記干渉変調器アレイ104が前記テクスチャード加工表面及び接着層から前記基板の反対側に置かれるように描かれているにも関わらず、静的干渉変調器104は前記テクスチャード加工表面として前記基板の同一側に提供されうる。静的干渉変調器構造の剛性は、前記テクスチャード加工層が前記干渉変調器アレイに直接接着されることを可能にしている。そのような実施形態において、部分的な反射体層及び前記反射体層の位置を反転することが望まれ、これによって前記部分的な反射体層が前記反射体層と前記テクスチャード加工層の間に位置される。さらに、上で記載したように、そのような実施形態において、前記変調器基板は光に反射的である必要はなく、及び任意の適切な透明なまたは不透明な材料を備えていてもよい。
【0081】
所定の実施形態において、単一の干渉変調器構造が提供されてもよく、これは前記基板の一部または全部にわたって伸びていてもよい。他の実施形態では、異なる光学的ギャップを有している静的干渉変調器のタイル状の構造が提供されてもよく、及び前記テクスチャード加工ガラスは、様々な色を混合し、及び前記タイルの端部を不鮮明にするために作用しうる。別の実施形態において、可変的厚さを有する誘電体スペーサ層の堆積物を通るような、可変的光学ギャップを有する単一の干渉変調器構造が提供されてもよい。そのような可変的厚さの干渉変調器の厚さの変化の範囲は、所望の色を提供するために制御されうる。他の実施形態において、前記異なる干渉変調器は、同一の光学ギャップを有しているが、異なる干渉変調器の間で異なる色特性(普通角で、及び普通角から離れた角で明確な色)を提供するために、材料の選択が変化していてもよい。
【0082】
しかしながら、ここで述べた実施形態が、静的干渉変調器構造に関して最初に述べられたにも関わらず、図1の干渉変調器16のような作動干渉変調器が利用されてもよい。しかしながら、ある態様において、これらの実施形態は干渉変調器ディスプレイのようなデバイスとは異なっていてもよい。
【0083】
例えば、デバイスがアーキテクチュラルガラスまたは類似の装飾的要素として使用される場合、前記デバイスはディスプレイのような同一の解像度は必要ない。所定の実施形態において、前記画素は非常に大きく作られてもよく、所定の実施形態において、複数の、または全てに等しい画素が同時に駆動される。特定の実施形態において、全体アレイは第1状態と第2状態の間で同時に駆動されうる。リフレッシュ速度はディスプレイにおけるよりも装飾的応用においては非常に遅くてもよく、これは低い複雑性のドライバ回路の利用、及びディスプレイ内で受け入れられないある程度干渉変調器の作動を遅くする材料の利用を可能にしている。
【0084】
たとえパターンの要素を識別することが観測者に対して所望ではない実施形態においても、前記要素または画素はディスプレイにおけるものより非常に大きく作られうる。観測者は、それらがディスプレイより、アーキテクチュラルガラスのような実施形態から非常に遠くに離れて立っているため、及びテクスチャード加工ガラスが、均一な色の画素または領域の間の境界を暗くするので、これは両方になされうる。20−20画像は、一つの弧の角度で分離された空間パターンを解像できる能力として定義される。5mの距離で、20−20画素を有する観測者は1.5mmまたは大まかに1インチあたり17画素の特徴分離を見ることができるが、50cmの距離では、見える分離は0.15mmまたは1インチあたり175画素である。
【0085】
加えて、前記アレイの大部分が同時にアクセスされうるので、ドライバの複雑性、バシング、及びアドレス系が減少されうる。層のマスキングはほとんど必要なく、同様に、バシング層または支持体構造のようなマスクされない要素はラージスケールの実施形態においてほとんど顕著でない。色状態と暗状態の間を切り替える干渉変調器がそのような実施形態において利用されうるにも関わらず、二つの異なる色を切り替える2色干渉変調器が所定の応用においてより望まれうる。
【0086】
前記干渉ギャップの厚さは、可能な色の範囲が前記空隙に依存しているように、観測者によって観測されうるパターンの内部で反射された色のポテンシャル範囲を定義するために修正されうる。このように、特定の寸法は、前記パターンの内部で観測可能な特定所望の色の範囲を定義するために利用されうる。幅広い範囲の色における特定の実施形態が望まれ、前記干渉ギャップ厚さは第1のオーダの赤色、または第2のまたはより高次のオーダの色を提供するために選択されうる。第2のオーダの色は一般的に、所定の実施形態において望まれうる、前記デバイスにわたる幅広い色ずれ、及びより飽和された色を提供する。
【0087】
図14Aは、スペーサ層の900Åから4500Åの変化に応じて、図9Bの前記スタックの軸上の第1オーダの色502と第2オーダの色504の両方の変化を示している色度図500を図示している。前記スペーサ層の厚さの変化から引き起こされた軸上の色ずれは、所定のスペーサの厚さに対して視野角の変化に起因した光路の増加から引き起こされる色の変化に等しい。色度図の外側での前記第2のオーダの色504は、前記図の内部付近の第1のオーダの色502よりもより大きな彩度を示している。光路の短い変化にわたって素早いまたは顕著な色の遷移の領域は、視野角に応じてより視覚的な鋭い色ずれを提供し、及び観測者によって観測されうる幅広い色を提供しうる。例えば、結果としての第2のオーダの色が色506によって与えられるように前記スペーサの厚さが選択される場合、前記視野角の増加に等しい前記スペーサ層の増加は素早く及び明確な色の変化を生み出し、視覚的な顕著な効果を提供する。
【0088】
図14B及び14Cは、より高次のオーダの色に対して増加した効果を相対的に図示しており、視野角が0°(軸上)から25°に変化するような二つの異なるスタックに対する可視色の範囲を示している。図14Bは、3400Åの酸化ケイ素層を備えているスペーサ層を有するスタックに対する色度図を図示しており、第2のオーダの緑色(525nm)の色の軸上のピークを生じている。これに対して、図14Cは、1620Åの酸化ケイ素層を備えているスペーサ層を有しているスタックに対する色度図を図示しており、第1オーダの緑色(525nm)の軸上のピークカラーを生じている。同一の前記視野角の変化にわたって、前記第2のオーダの緑色のスタックは前記第1オーダの緑色のスタックの色ずれ512より非常に大きな色ずれ510を提供していることが見られる。
【0089】
前記干渉変調器スタック110の特性は、内部に含まれている層の構成を変化させることにより変化されうる。例えば、図14Bの前記スペーサ層は、酸化ケイ素層より高い屈折率を有している酸化亜鉛の2500Åの層を備えているスペーサ層で置き換えられ、図14Bのスタックのような同一の軸上の色(525nmで第2のオーダーの緑色)を有するスタックを生じる。しかしながら、視野角が0°(軸上)から25°に変化するとき、色514の変化は、前記スペーサ層が図14Bにおける酸化ケイ素を備えたときより小さいことがわかる。このように、いくつかの実施形態において、視野角に応じた色ずれは前記スペーサ層の屈折率を増加させることにより減少されうる。吸収体、反射体、及び基板を含む様々な層への他の修正は、前記光学スタックの特性を変化させるためになされ、多層及びマルチキャビティの構造は干渉系スタックのスペクトル出力を変更するために利用されうる。
【0090】
加えて、二つの層の反射率は少なくとも半透明である干渉変調器を提供するために選択されうる。透明の度合いは所望の応用に依存して変更されうる。特定の実施形態において、干渉変調器アレイの一部だけ透明であってもよく、及び反対に、反射部が所望の形状で形成されていてもよい。
【0091】
図15Aは、透明な干渉変調器構造のように作用しうる構造600の実施形態を図示している。構造600はその上に形成される干渉系スタック610、及び両側に形成されたテクスチャード加工薄層620a及び620bを有する基板102を備えている。前記スタックは80Åのモリブデン吸収体612、4200Åの酸化ケイ素スペーサ614、及びいくつかの実施形態において約30Åから120Åの間の厚さの部分的に透明なアルミニウムを備えている反射体616を含んでいる。特定の実施形態において、前記反射体616は、おおよそ20%から25%の透明ピークを有している80Åのアルミニウム層を備えていてもよい。図15Bは、前記スタック610が前記反射体616と前記テクスチャード加工薄層620bの間の追加のスペーサ層618を含んでいるわずかに修正された構造600bを図示している。所定の実施形態において、この追加の層618は、前記デバイスにわたって追加の色の制御を提供し、または前記隣接するスタックに物理的な保護を提供するために半透明干渉変調器及び反射性干渉変調器の両方で利用されうる。
【0092】
構造600のような半透明干渉変調器構造は、吸収体側及び反射体側の両方から特定の色を反射させる。反射体616の厚さが減少するにつれて、吸収体から反射された色の彩度は現象し、及び反射体側から反射された色の彩度は増加する。前記反射された色に加えて、色は干渉系スタック610を通して透過される。上記実施形態において、前記透過した色は、吸収体側から反射した色と同一であり、同時に反射体側から反射された色は近似的に補色的である。所定の実施形態において、半透明干渉変調器構造は、両側からの実質的に同一の色を反射するために構成されうる。これは例えば、対称的な変調器スタックの利用を通してなされ、前記吸収体及び反射体は同一の厚さで同一の材料を備えている。例えば、一つのそのような変調器スタックは、スペーサ層の両側に30Åから120Åの間の厚さを有するアルミニウム層を備えている。そのような実施形態において、実質的に同一の色は両側から反射され、及び透過した色は近似的に補色的でありうる。
【0093】
図15Cは、前記スペーサ層614が2000Åから3700Åで変化されるような図15Aのデバイスの吸収体側での透過した色630と反射した色632を図示している色度図である。前記吸収体側での透過した光630と反射した色632の変化が類似していることがわかる。図15Dは、前記反射体側での前記透過した色630及び前記反射した色634が互いにおおよそ補色的であることを図示している色度図である。
【0094】
両面干渉変調器が提供され、これは第1の部分的な反射体または吸収体層、第1の干渉系空隙を画定する第1のスペーサ層、反射層、第2の干渉系空隙を画定する第2スペーサ層、及び第2の部分的な反射体または吸収体層を備えている。このように、両側から、両面干渉変調器は、単一側干渉変調器に関して上で述べたように機能する。材料及び厚さは、両側で類似の光学的応答を提供するために類似または同一であってもよく、前記厚さまたは材料は両側で異なる光学的応答を提供するために他の実施形態において異なっていてもよい。加えて、そのような両側干渉変調器の一方または両側は上で述べたようなテクスチャード加工層を備えていてもよい。
【0095】
図16で描かれたアセンブリ700のような所定の実施形態において、変調器構造102、及び前記変調器基板の両側に接着層108を経て接着したテクスチャード加工層720を備えている両面アセンブリが提供されてもよい。一つの実施形態において、前記変調器基板は、前記変調器基板の一方の側に位置された両面干渉変調器を有する光透過性の基板を備えうる。他の実施形態において、前記変調器基板は、前記変調器基板の両側に干渉変調器アレイ(図示せず)を備えうる。他の実施形態において、前記変調器アレイは前記変調器基板の一方の側で単一の半透明干渉変調器アレイを備えうる。図13Aと類似して設計及び配向されたテクスチャード加工層を備えるように描かれたにも関わらず、前記テクスチャード加工層及び図13Aかr13Dの任意の配向、及び他の適切なテクスチャード加工層はこれに結びついて、及び以下の実施形態に結びついて利用されうる。
【0096】
他の実施形態において、一つ以上の物体が前記干渉変調器の前に懸架されうる。図17Aのアセンブリ800a及び図17Bのアセンブリ800bのような特定の実施形態において、そのような物体804は、接着層108内部に懸架され、または、前記テクスチャード加工層820の内部表面に対して懸架されうる。特定の実施形態において、これらの物体は、それらが前記干渉変調器アレイにより反射された光により後ろから照明されるように、半透明であってもよい。特定の実施形態において、これらの物体は、装飾的、半透明、または透明であってもよく、及び多種多様の物体であり、限定されないが、ミクロスフィアまたは装飾的な葉または紙のような物体を含んでいる。そのような実施形態において、前記物体804の照明は、周りの領域の色が視野角に応じて変化すると同時に前記物体が相対的に一定の色で照明されるように、視野角に依存しうる。
【0097】
所定の実施形態において、照明が前記干渉変調器に提供されてもよい。図18Aから18Cは、様々なアセンブリ構造に結びついて利用されうる照明系の多様な実施形態を図示している。図18Aにおいて、アセンブリ900aは、接着層108と変調器基板102の間に配置されたフロントライト光ガイド層904を含んでおり、これは、前記基板の両側に位置され、及び前記フロントライトから散乱または反射された光が前記干渉変調器またはスタックにより調節され、及び観測者に反射されまたは透過されるように構成された干渉変調器またはスタックを備えていてもよい。前記図示された実施形態において、前記テクスチャード加工層は前記フロントライトの操作を妨げないように、前記光ガイド層904はテクスチャード加工層920の下に位置される。他の実施形態において、前記フロントライトは前記基板から光学的に独立していてもよい。いくつかの実施形態において、前記基板102の両側にフロントライトガイド層904と共に、上で述べたような両面デバイスが提供されていてもよい。
【0098】
当然のことながら、前記フロントライトガイド層904は、前記層904の長さに沿った光が透過するように構成されてもよく、及び前記干渉変調器アレイに向かって光を反射させるように構成された、インクドット、拡散器、及びプリズムまたはホログラムフィルムのような構造を備えていてもよい。他の実施形態において、前記フロントライトは異なる効果を提供するために前記干渉変調器アレイから離れた光を反射させるために構成されうる。前記接着層108は好ましくは全体の内部反射を経て前記層904の下に光を伝播することを促進させるように、フロントライト904より低い屈折率を有する材料を備えている。ある実施形態において、これは低屈折率感圧接着剤であってもよい。他の実施形態において、前記テクスチャード加工層920は低屈折率材料を備えうる。
【0099】
図18Bは、前記変調器基板が少なくとも部分的に光透過性であり、及び前記干渉変調器アレイまたはスタック(図示せず)が半透明である別のアセンブリ900bを図示している。そのような実施形態において、前記干渉変調器またはスタックの後ろに配置された光源914は、前記干渉変調器を通る光を提供し、及び前記アセンブリを照明するために提供されうる。
【0100】
同様に、図18Cは、半透明変調器スタックまたはアレイの使用に適している。図18Bにおいて、アセンブリ900cは、バックライトが図18Aのフロントライト光ガイド層904と類似のバックライト光ガイド層916を取ることを除いて、図18Dのアセンブリ900bに構造的に類似している。前記バックライト層916は、前記変調器基板及び前記半透明干渉変調器アレイを通して光を反射するために構成されている。前記バックライトは、前記バックライトが、前記干渉変調器またはスタックを通過して光を透過するバックライト及び前記スタックまたはアレイの隣接側を照明するフロントライトの両方として必然的に働くように、前記バックライトに隣接する側の前記干渉変調器またはスタックにより反射された光を増大するように働きうる。
【0101】
所定の実施形態において、上で述べられた照明要素は、パンクロ(白色)光を出力するために構成されうる。他の実施形態において、前記照明要素は、モノクロ(色)光を出力するために構成されうる。例えば、所定の実施形態において、前記光源は、前記干渉系スタックまたは変調器の軸上のピーク波長に対応した波長を有する光を出力するために構成されうる。そのような実施形態において、前記干渉系スタックまたは変調器により反射された光の量は、視野角の増加に応じて減少し、及び反射波長のピークは前記光源の波長から離れて移動する。他の実施形態において、観測者が法線から離れて移動するにつれて輝度が増加するように、特定の軸外視野角でのピークに対応する波長のような、前記干渉変調器またはスタックの軸上ピーク以外の波長が利用されうる。
【0102】
他の実施形態において、または上の実施形態に結びついて、着色または色づけされた層が同様の効果を提供するために利用されうる。例えば、他の波長の光より大きな所定の波長の光を透過する層が、特定の視野角で反射された色を強調するか縮小させるために利用されうる。
【0103】
所定の実施形態において、干渉変調器アレイを備えている変調器基板は、エンドユーザにより所望の接着及びテクスチャード加工層と統合されるための要素として提供されうる。前記アセンブリにより反射されるための前記パターン及び色は、構成、サイズ、及び他の構成要素の形状により大きく影響が与えられうるので、エンドユーザは所望の光学的出力を提供するために前記アセンブリを構成することにおいて、大いに自由を有しうる。さらなる実施形態において、前記変調器基板は、アセンブリを完成させるための適切な要素に関連する情報、及びそれを組立てるための説明書と共にパッケージ内で提供されうる。前記提供された情報は、例えば、前記変調器基板によって反射されうるポテンシャルカラーの範囲、及び特定の接着剤またはテクスチャード加工層が得られうるより限定された範囲に関する情報を含んでいてもよい。懸架された物体に提供されうる実質的に一定の照明の構成は、この情報内に含まれうる。さらに、例えば屋外使用にさらに適している接着剤またはテクスチャード加工層に関する情報のような、所定の利用に対して特定の要素の適正に関する情報が含まれていてもよい。
【0104】
さらなる実施形態において、提供されたパッケージは利用される接着剤を含んでいる。この接着剤は分離して搭載してもよく、前記変調器基板に事前塗布されてもよく、及び例えばピールオフ層または他の保護パッケージングによって保護されていてもよい。著しいテクスチャード加工層が利用され、及び前記テクスチャード加工層及び前記基板の間に空隙が無いことが望まれる実施形態において、事前塗布された接着剤よりもむしろ分離してパッケージされた接着剤の使用が望まれうる。他のさらなる実施形態において、この変調器基板は、フロントライト及びバックライト光ガイド層のような統合照明を含んでいてもよい。他の実施形態において、適切なテクスチャード加工層が提供されうる。
【0105】
装飾的な干渉変調器デバイスを設計するための工程フロー1000の一つの実施形態は、次のように進められる。前記工程は、軸上の色が選択されうるステップ1010で始まる。前記軸上の色が前記干渉変調器スタックに対して(または縮小された干渉変調器に対して)短い光路を示すように、前記軸上の色は干渉変調器構造により生成された可能な色の一つの境界を定め、及び前記多様な層の適切な要素及び厚さを決定するように利用されうる。以下でより詳細に述べられるように、しかしながら、後に続く設計考慮は軸上の色の選択が再び訪れるか修正されることを引き起こしうる。
【0106】
前記工程はそれから、干渉変調器構造の種類が決定されるステップ1020に移る。前記デバイスが逆光とされる場合、半透明干渉変調器が利用される。前記デバイスが複数側から観測される場合、半透明干渉変調器または両面干渉変調器が利用されうる。前記デバイスが単一の側だけから観測される場合、及び逆光とされる必要が無い場合、両面または半透明干渉変調器が同様に利用されうるけれども、単一側干渉変調器が一般的に利用されうる。
【0107】
前記工程はそれから、所望の色彩度が決定されるステップ1030に移る。ほとんど色の彩度が望まれない場合、選択された軸上の色の第1のオーダの色が利用される。より大きな色彩度が望まれる場合、第2のまたは高次のオーダの選択された軸上の色が利用される。
【0108】
前記工程はそれから、色ずれの所望の量が決定されるステップ1040に移る。色ずれの大きな量が望まれる場合は、高いプロファイルを有する表面テクスチャー機構及び前記干渉系スタックまたは変調器に対して急角度での表面が利用されてもよく、及び離散的に見えるテクスチャード機構が利用されうる。加えて、低屈折率を有するスペーサ材料が利用されうる。色ずれが非常に重要な場合、視野角またはスペーサ厚に起因した色変化の最大に近い色を抜き出すために選択された色の修正が利用されうる。色ずれが低い量で望まれる場合、前記反対の設計選択がなされ、低いプロファイルと浅い角度を有する光学機構を利用しており、高屈折率なスペーサ材料を利用しており、及び色変化の最小値に近い色を利用している。加えて、表面機構よりむしろ、前記薄層または他のテクスチャード加工層内部に組み込まれた機構を利用することが望まれる。
【0109】
最後に、前記工程は、前記所望の色変化の効果を提供するために、前記テクスチャーまたは光学機構が選択されるステップ1050に移る。実質的に一定の色の離散的な領域が望まれる場合、上で述べたプリズムストライプのような平面を有する機構が利用されてもよい。色の漸進的な変化が望まれる場合、上で述べた球面レンズ機構のような機構が利用されてもよく、またはランダムパターンは曲げられてもよい。
【0110】
上記の工程フローは装飾的な機構の設計において例としてのステップを説明したにも関わらず、他のステップ及び設計の決定がなされてもよく、及び上記ステップのいくつかが省略されてもよいことが理解される。例えば、作動干渉変調器構造の利用は、そのような構造の詳細と共に意図されうる。
【0111】
図20から22は上述した色ずれ機構を図示している。図20は、その上に形成された干渉変調器を有する変調器基板の上に重なるテクスチャード加工ガラス層の上部カラー写真である。この実施形態において、干渉変調器は第2のオーダの赤色及び第3のオーダの青色の組み合わせで形成される。図21は、前記変調器基板にほとんど平行な角度を取る図20の前記テクスチャード加工ガラス層及び干渉変調器基板のカラー写真である。前記認識された色は観測者に対する光の角度、及び前記テクスチャード加工ガラス層と前記干渉変調器の表面に対する前記観測者の角度に依存していることは注意すべきである。例えば、前記テクスチャード加工ガラスの端部からの反射は黄色として現れ、前記テクスチャード加工ガラスの端部を通して観測された色は、緑及び紫の色点を示しており、同時に、前記テクスチャード加工ガラスの頂部表面から見られる色は黄色、金色、赤色、緑色、及び紫色の様々に変わる色合いを示している。図22は、タイル状の変調器基板と重なるテクスチャード加工ガラス層の上部カラー写真であり、前記干渉変調器タイルの境界のぼけを図示している。
【0112】
上で詳細な説明が示され、様々な実施形態に適用されるような本願発明の新規な特性が述べられ及び指摘されると同時に、図示されたデバイスの形態または工程の詳細において様々な省略、代替、及び変更が本願発明の精神から逸脱することなく当業者によってなされることが理解される。例えば、反射した色が前記視野角に応じて変化する任意のディスプレイデバイスと共に、上で述べたタイプのテクスチャード加工層が利用されえうる。認識されているように、いくつかの特性が他と分離して利用されるか実施されるように、ここで説明した特性及び利点の全てを提供しない形態の範囲内で本願発明は具体化される。
【符号の説明】
【0113】
12a、12b 干渉変調器
14、14a、14b 可動反射層
16a、16b 光学スタック
18 支持体
19 空隙
20 透明基板
21 プロセッサ
22 アレイドライバ
24 行ドライバ回路
26 列ドライバ回路
27 ネットワークインターフェイス
28 フレームバッファ
29 ドライバコントローラ
30 ディスプレイ
32 テザー
34 可変層
40 ディスプレイデバイス
41 ハウジング
42 支持ポストプラグ
43 アンテナ
44 バス構造
45 スピーカー
46 マイクロフォン
47 トランシーバ
48 入力デバイス
50 電源サプライ
52 コンディショニングハードウェア
100 静的干渉変調器構造
102 基板
104 干渉変調器アレイ
108 接着層
110 干渉変調器スタック
112 吸収体
114 スペーサ
116 反射体
120、120b 薄層
130a、130b、130c、130d 線
132a、132b、132c、132d 角度
300 構造
320 薄層
322 球面レンズ構造
330a、330b、330c、330d、330e 線
332 角度
400a、400b アセンブリ
408 接着材
410 干渉変調器アレイ
420a テクスチャード加工層
500 色度図
610 干渉系スタック
612 モリブデン吸収体
614 酸化ケイ素スペーサ
616 反射体
618 スペーサ層
620a テクスチャード加工薄層
900a、900b、900c アセンブリ
904 フロントライトガイド層
914 光源
916 バックライトガイド層
920 テクスチャード加工層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
干渉変調器であって、入射光に対して少なくとも部分的に透過性である吸収体層と、前記吸収体層に対して固定された反射体層と、前記吸収体層と前記反射体層の間に配置され、前記干渉変調器スタック内部に干渉系空隙を画定するスペーサ層と、を備えている干渉変調器と、
前記反射体層とは反対の吸収体層の側面に配置されたテクスチャード加工層と、
を備えているアセンブリ。
【請求項2】
前記テクスチャード加工層は、前記アセンブリが多数の色のパターンを反射するように構成されている請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記アセンブリにより反射された色のパターンが、観測者によって識別できる請求項2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記色のパターンは、画角に応じて変化している請求項2に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記スペーサ層は、実質的に一定の厚さを有している請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記テクスチャード加工層は、干渉変調器スタックの少なくとも一部の実効画角を変更するために構成された光学機構を備えている請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記光学機構は、プリズム構造を備えている請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記光学機構は、球面レンズを備えている請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記基板は、前記干渉系スタックに隣接して位置された第1の表面と、前記干渉系スタックとは反対の前記基板の側面に位置された第2の表面と、を備えており、前記基板の第1の表面は前記光学機構を備えている請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記基板は、前記干渉系スタックに隣接して位置された第1の表面と、前記干渉系スタックとは反対の前記基板の側面に位置された第2の表面と、を備えており、前記基板の第2の表面は前記光学機構を備えている請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項11】
テクスチャード加工層は、平面な外表面を備えており、前記光学機構は前記テクスチャード加工層内部に配置されている請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記テクスチャード加工層と前記吸収体層との間に配置された基板をさらに備えており、前記基板は接着剤を経て前記テクスチャード加工層に結合されている請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記接着剤は、隣接する層と実質的に同一の屈折率を有している材料を備えている請求項12に記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記接着剤は、前記接着剤内部に配置された光学構造を備えている請求項12に記載のアセンブリ。
【請求項15】
前記アセンブリ内部の前記層の少なくとも一つは着色されている請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項16】
前記反射体層は、入射光に対して少なくとも部分的に透明である請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項17】
前記吸収体及び前記反射体は、実質的に同一の材料及び厚さを備えている請求項16に記載のアセンブリ。
【請求項18】
前記反射体層に隣接する前記干渉変調器スタックの側面に配置された第2のテクスチャード加工層をさらに備えている請求項16に記載のアセンブリ。
【請求項19】
前記反射体層に隣接する前記干渉変調器スタックの側面に配置された光ガイド層をさらに備えており、前記光ガイド層は、前記干渉変調器スタックに向かう光を反射するために構成さている請求項16に記載のアセンブリ。
【請求項20】
前記テクスチャード加工層と前記吸収体層との間に配置された光ガイド層をさらに備えており、前記光ガイド層は前記吸収体層に向かう光を反射するように構成されている請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項21】
前記干渉変調器スタックは、前記干渉変調器スタックに垂直な角度で観測されるとき、可視の範囲内で少なくとも第2のオーダの色を反射するように構成されている請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項22】
表示素子であって、前記表示素子によって反射された光の波長が画角の関数となる表示素子と、
実質的にランダムなテクスチャーを有した表面を備えている重なり層であって、前記テクスチャード加工面は第1の屈折率を有する第1の材料と第2の屈折率を有する第2の材料との間の境界を形成し、及び前記表示素子にわたって実効画角を変化させるために、前記表示素子によって反射された光が前記テクスチャード加工面で屈折されるところの重なり層と、
を備えている光学構造。
【請求項23】
画角の増加が、画角の増加につれて大きな色ずれを引き起こすように前記表示素子が構成されている請求項22に記載の光学構造。
【請求項24】
前記テクスチャード加工面は、前記表示素子に非ゼロ角度で配向された実質的に平坦な領域を備えている請求項22に記載の光学構造。
【請求項25】
前記テクスチャード加工面は、曲面領域を備えている請求項22に記載の光学構造。
【請求項26】
前記テクスチャード加工面は、観測者によって即座に識別されうるパターンを備えていない請求項22に記載の光学構造。
【請求項27】
干渉変調器であって、吸収体と、前記吸収体層に重なっている反射体とを備えている干渉変調器と、
少なくとも一つの光学機構を備えている追加の層であって、前記追加の層は、前記吸収体層が実質的に一様な距離で前記反射体から分離されている前記干渉変調器の一様部分と重なっており、前記一様部分の第1の点から観測者に反射された光は、光の波長の第1のピークを備えており、前記一様部分の第2の点から観測者に反射された光は、光の波長の第2のピークを備えており、前記第1のピーク波長は前記第2のピーク波長と異なっており、光の波長の第1または第2のピークのどちらも他の調波を備えていないところの追加の層と、
を備えている表示素子。
【請求項28】
前記第1のピーク波長は、第1の画角で前記干渉変調器により反射されたピーク波長に対応しており、前記第2のピーク波長は第2の画角で前記干渉変調器により反射されたピーク波長に対応しており、前記第1の角度は前記第2の角度と異なっている請求項27に記載の表示素子。
【請求項29】
光を干渉的に変調するための手段であって、前記変調手段によって反射された光は画角に応じて変化するところの手段と、
前記変調手段にわたって実効画角を変化させるために、前記変調手段によって反射された光を屈折させるための手段と、
を備えている光学構造。
【請求項30】
前記変調手段は、干渉変調器を備えている請求項29に記載の光学構造。
【請求項31】
前記屈折手段は、実質的にランダムなテクスチャーを有する表面を備えている請求項29に記載の光学構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図8】
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【図9A】
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【図9D】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図14D】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図9B】
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【図9C】
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【公表番号】特表2010−538306(P2010−538306A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−520137(P2010−520137)
【出願日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【国際出願番号】PCT/US2008/071501
【国際公開番号】WO2009/018287
【国際公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.GSM
【出願人】(508095337)クォルコム・メムズ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド (133)
【Fターム(参考)】