説明

床用粘着フィルムおよびそれを用いた床構造体、並びにその床面の維持管理方法

【課題】フロアーポリッシュ組成物との密着性および耐久性に優れた床用粘着フィルムおよびそれを用いた床構造体、並びにその床面の維持管理方法を提供する。
【解決手段】床面に貼付するための粘着剤層7を有するタックシート8と、その上面に積層されるオーバーラミフィルム5とを備えた床用粘着フィルム1であって、上記オーバーラミフィルム5を構成する基材フィルム2上面に、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂のいずれか一種類からなるコート層3が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床用粘着フィルムおよびそれを用いた床構造体、並びにその床面の維持管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、広告や誘導サイン等の絵柄が印刷された表示フィルム(シートと呼ばれるものも含む)を、人の動線や陳列商品との関係を考慮して、店舗等の床面の特定スペースに接着して使用することが行われている。上記表示フィルムは、例えば、図7に示すように、基材層50の下面に、床面に貼付するための粘着層51が形成され、印刷による表示部からなるグラフィック層52が、上記基材層50の上面に形成された構成になっている。そして、上記グラフィック層52の上面には、これを保護するために、ポリ塩化ビニル系樹脂やポリエチレンテレフタレート系樹脂からなるオーバーラミフィルム53が積層されている。なお、上記粘着層51の下面には、使用時までこれを保護する剥離紙54が取り付けられている。
【0003】
例えば、床面に接着して使用するのに好適な広告宣伝用の貼着シートとして、絵柄を印刷可能な印刷受容粘着シートと、印刷した後の印刷受容粘着シートの表面を保護するためのオーバーラミフィルムとを組み合わせた粘着シート組合せ体が開示されている(特許文献1を参照)。上記オーバーラミフィルムは、最表面が、電離放射線硬化型樹脂の硬化物中に、その硬化物よりも高硬度の無機質粒子を含有してなる透明な表面樹脂層からなり、その裏面上に、熱可塑性樹脂からなる透明基材シートと、透明粘着剤層と、離型シートが順に積層された構成になっている。
【0004】
このものは、オーバーラミフィルムの最表面層を、非常に硬い特殊な透明表面樹脂層とすることで、シート厚が薄いにもかかわらず、耐久性のある表示シートを提案するものである。しかしながら、このものは、印刷受容粘着シートの表面を強固に保護するものの、オーバーラミフィルムの表面自体は、従来の表示シートと同様、フロアーポリッシュ組成物とのなじみ性がなく、ワックス掛けによって美観上および耐久上の維持管理をすることができない。また、印刷受容粘着シート裏面の粘着層も、剥離自在ではなく、床面に強固に接着するため、不用になっても簡単に剥がせないという問題がある。
【0005】
一方、床面に貼着した床材の表面に装飾フィルム載置後、あるいは床材の表面の描画用耐水性着色材料により直接画像を形成して意匠を施した後、この装飾フィルムの上に少なくとも1層の水系の紫外線硬化型コ−ティング剤の塗膜を設け、この塗膜を紫外線の照射によって硬化させることにより、耐久性のある様々な意匠を付与できるようにした床面の装飾方法および床面用装飾材が開示されている(特許文献2を参照)。
【0006】
また、キャリアフィルムの上面にアルカリ可溶性トップコート、架橋性トップコート、永久トップコートを施した積層体や、積層フィルムの上面にトップコートを施す積層体が開示されている(特許文献3、4を参照)。そして、フィルム上面に蒸発硬化型コーティング剤、雰囲気硬化型コーティング剤、エネルギー硬化型コーティング剤および永久架橋型コーティング剤を施した処理表面および処理方法が開示されている(特許文献5を参照)。
【0007】
さらに、張替え可能な店舗用床フィルムであって、可撓性を有する樹脂製のベースフィルムと、ベースフィルムの裏面に形成される床面に貼着する接地層とを有し、この店舗用床フィルムの表面の色または図柄が異なる複数種類を用意して、それら複数種類から選択し、店舗用床面保護フィルムとして用いる張替え可能な店舗用床フィルムが開示されている(特許文献6参照)。また、商品が陳列される商品陳列部に対し、陳列された商品の広告情報が表面に表示されるシート状の広告シートを、その商品の陳列区画の正面の床面上に着脱可能に配置し、広告対象商品を他の商品から引き立たせ、客に購買のモティベーションを与えるための広告表示構造及びそれに使用する広告シートが開示されている(特許文献7を参照)。
【特許文献1】特開2005−70686号公報
【特許文献2】特開2003−113668号公報
【特許文献3】国際公開WO2004/056562号公報
【特許文献4】国際公開WO2004/056563号公報
【特許文献5】国際公開WO2004/108409号公報
【特許文献6】特開2003−247175号公報
【特許文献7】特開2000−276087号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献2のものは、装飾フィルムの上に少なくとも1層の水系の紫外線硬化型コ−ティング剤の塗膜を設けることを構成要件としており、上記塗膜を設けるには、紫外線照射装置を必要とするとともに、紫外線を取り扱うための資格者でなければ、作業ができないといった制約がある。そして、紫外線の照射により、店舗等の内装や陳列棚等の商品に影響がないように配慮し、必要に応じて商品等を移動しなければならないといった問題がある。さらに、紫外線硬化型コーティング剤は半永久的な塗膜であるために剥離がしにくく、また、床面に対する粘着性が強く、フィルムを除去する際に強い糊残り等があり、原状復帰が困難である、等の問題がある。
【0009】
また、特許文献3、4および5には、標章を有するキャリアフィルム上面に、各種コーティング剤を塗布することが記載されているが、上記コーティング剤は、ワックス掛けに用いられるフロアーポリッシュ組成物に該当するものである。したがって、これらを、一般的な材質からなるキャリアフィルム上面に塗布し皮膜化しても、キャリアフィルムに対し、充分な密着性や耐久性を得ることはできず、フィルム表面を、通常の床面のように、長期にわたって美麗に維持管理することはできないという問題がある。
【0010】
さらに、上記特許文献6および7には、片面に図柄等の情報表示がなされたフィルムもしくはシートであって、床面への粘着性が比較的弱く、剥離しやすいものが記載されている。これらは、短期間で張り替えることを前提としており、その表面を、長期にわたって美麗に維持管理することについては、何ら記述も示唆もない。
【0011】
このように、従来の表示フィルムでは、表示部をオーバーラミフィルムで被覆保持することは記載されていても、床面の維持管理に用いられるフロアーポリッシュ組成物を、その表面にも塗布し、これをオーバーラミフィルム表面と強固に密着させて、床面とフィルム表面とを一体的に保護することについて、記載も示唆もない。そして、フィルム表面が防汚処理されているものは殆どなく、歩行等によって一旦汚れてしまうと、汚れがフィルムに沈着しやすいために、表示部を有するフィルムにおいては、文字や色彩等の美観が容易に損なわれてしまい広告宣伝効果やサイン効果も薄らいでしまうという問題がある。
【0012】
一方、フィルム表面が防汚処理されたものにあっては、フィルム表面がすべり易いものとなる傾向にあり、問題となっている。また、フィルムが貼ってある場所とそうでない所との表面の状態(すべり抵抗)が異なる為に、歩行に違和感があるものとなり危険性が危惧されている。
【0013】
そして、室内用タイプのフィルムでは、フィルム全体の厚みが、おおむね300μm程度のものが使用され、また、屋外用または屋内用タイプのものでは、フィルム全体の厚みが、250〜400μmのものが使用されるとともに、特に、表面に耐久性を持たせたものにあっては、フィルム全体の厚みが1〜2mmになるものが多く、微妙な段差となって歩行の妨げとなったり、また、店舗・施設等のハードフロアに対して実施される一般的な床メンテナンス作業(ポリッシャーや自動床洗浄機による表面洗浄、あるいはバーニッシャーによるバフ作業)の実施等によってフィルムの端部がめくれたり、破損することが頻繁に起こるという問題がある。そこで、上記特許文献6、7のように、比較的短期間で張り替えることを前提とするものを除き、表示フィルムには、床材に対し、強固な接着力をもたせ、半永久的に貼着することが多い。
【0014】
しかしながら、上記のように、床材に半永久的貼着する表示フィルムを用いた場合、店舗改装や人の動線の変化、広告期間の終了等により、これらを剥がしたり、張り替えたりする作業を行うと、当然、フィルムが裂けて剥離困難を生じ、また無理に剥がすと剥がした後の糊残りや、フィルムが貼られていたところとそうでないところとの美観に違いが起こるといった問題がある。このため、一旦貼った表示フィルムは、商品の配置が変わっても、元の場所に貼った状態のままで捨て置かれるケースが多く見受けられる。また、フィルムを剥がすことはできても床面が傷つくため、原状復帰のために多大な作業時間を要するという問題がある。
【0015】
そこで、フロアーポリッシュ組成物との密着性、耐久性に優れ、その上面をフロアーポリッシュ組成物の保護皮膜によって美麗に維持管理することができ、しかも剥離作業は簡単に行なうことのできる床用粘着フィルムが求められている。また、床用粘着フィルムに、広告やサイン等を表示するグラフィック層を設けることにより、商品等の広告宣伝効果やアイキャッチ効果を高めたものにおいて、とりわけその要望が強い。
【0016】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、フロアーポリッシュ組成物との密着性および耐久性に優れ、しかも剥離自在な床用粘着フィルムを提供することを目的とする。また、フロアーポリッシュ組成物との密着性、耐久性に優れた床用粘着フィルムを用いた床構造体と、その床面の維持管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記の目的を達成するため、本発明は、床面に剥離自在に貼付される床用粘着フィルムであって、床面に貼付するための粘着剤層を有するタックシートと、その上面に、直接もしくは他の層を介して積層されるオーバーラミフィルムとを備え、上記オーバーラミフィルムを構成する基材フィルム上面には、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂のいずれか一種類からなる、上記保護皮膜形成用のコート層が形成されており、床面に貼付後の上記床用粘着フィルムの表面に、フロアーポリッシュ組成物による保護皮膜が形成されるようになっている床用粘着フィルムを第1の要旨とする。
【0018】
また、本発明は、そのなかでも、特に、上記オーバーラミフィルムを構成する基材フィルムの材質が、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニルおよびポリオレフィンのいずれかである床用粘着フィルムを第2の要旨とし、上記タックシートが、下面に粘着剤層を有する合成紙である床用粘着フィルムを第3の要旨とする。
【0019】
さらに、本発明は、それらのなかでも、特に、上記タックシートの上面に、文字、図形および色彩の少なくとも一つによって構成された表示部を含むグラフィック層が形成されている床用粘着フィルムを第4の要旨とし、上記タックシートの粘着剤層の粘着力が、JIS Z 0237に準じて測定される対SUS粘着力が50〜500N/mとなるように設定されている床用粘着フィルムを第5の要旨とする。
【0020】
また、本発明は、それらのなかでも、特に、上記タックシートの粘着剤層が、複数の凹部と該凹部の外縁の少なくとも一部に隣接する外縁凸部とを有するものである床用粘着フイルムを第6の要旨とする。
【0021】
そして、本発明は、床材の上面に、直接もしくは他の層を介して、上記第1〜第6のいずれかの要旨である床用粘着フィルムが貼着され、その上面にフロアーポリッシュ組成物による保護皮膜が形成されている床構造体を第7の要旨とし、そのなかでも、特に、上記床材の上面に、フロアーシーラー組成物およびフロアーポリッシュ組成物の少なくとも一方による基礎皮膜が形成され、その上に上記床用粘着フィルムが貼着されている床構造体を第8の要旨とする。
【0022】
そして、本発明は、上記第7または第8の要旨である床構造体の床面を維持する方法であって、上記床面の保護皮膜の摩耗・汚損に応じて、(イ)床表面を洗浄する工程と、(ロ)床表面を乾燥する工程と、(ハ)バフにより床表面の保護皮膜を熱可塑化して平滑化し光沢を向上させる工程とを備えた維持管理を、日常的に行う床面の維持管理方法を第9の要旨とする。
【0023】
また、本発明は、上記第7または第8の要旨である床構造体の床面を維持する方法であって、上記床面の保護皮膜の摩耗・汚損に応じて、(イ)床表面を洗浄する工程と、(ロ)床表面を乾燥する工程と、(ニ)床表面の保護皮膜の形成材料と同一材料を、既設保護皮膜上に塗布・乾燥して、新たな保護皮膜を追加形成する工程とを備えた維持管理を、定期的に行う床面の維持管理方法を第10の要旨とする。
【0024】
そして、本発明は、それらのなかでも、特に、上記(イ)の工程において、ポリッシャーもしくは自動床洗浄機を用いて洗浄を行うようにした床面の維持管理方法を第11の要旨とする。
【0025】
さらに、本発明は、上記第7または第8の要旨である床構造体の床面を維持する方法であって、上記床面の保護皮膜の磨耗・汚損に応じて、上記(イ)、(ロ)、(ハ)の工程を備えた日常的な維持管理および上記(イ)、(ロ)、(ニ)の工程を備えた定期的な維持管理の少なくとも一方とともに、(ホ)床表面の保護皮膜の少なくとも一部を剥離洗浄してすすいだ後乾燥する工程と、(ヘ)床表面の保護皮膜の形成材料と同一材料を、既設保護皮膜の少なくとも一部が剥離された床表面に塗布・乾燥して、新たな保護皮膜を再形成する工程とを備えた維持管理を、総合的に行う床面の維持管理方法を第12の要旨とする。
【0026】
そして、そのなかでも、特に、上記(ホ)の工程において、ポリッシャーもしくは自動床洗浄機を用いて剥離洗浄およびすすぎを行うようにした床面の維持管理方法を第13の要旨とする。
【0027】
また、上記第9〜第13のいずれかの要旨である床面の維持管理方法により維持された床面において、床用粘着フィルムを剥がして、床材表面の美観回復・原状復帰を行うようにした床面の維持管理方法を第14の要旨とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明の床用粘着フィルムは、床面に剥離自在に貼付され、貼付後その表面にフロアーポリッシュ組成物による保護皮膜が形成されるよう設定された粘着フィルムであって、床面に貼付するための粘着剤層を有するタックシートと、オーバーラミフィルムとを積層した構成において、上記オーバーラミフィルムとして、基材フィルム上面にアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂のいずれか一種類からなる、上記保護皮膜形成用のコート層が形成されている。したがって、上記コート層の上面に、フロアーポリッシュ組成物からなる保護皮膜を、優れた密着強度で形成することができる。
【0029】
すなわち、本発明の床用粘着フィルムによれば、フィルム自身の強度や床に対する密着性がさほど高くなくても、その上面に形成されるフロアーポリッシュ組成物からなる保護皮膜によって、フィルム表面およびフィルムと床面との密着性が、充分に高い強度で保護されるため、床用粘着フィルムの厚みを、ごく薄いフィルムとして作製することができる。これが、本発明の大きな特徴である。
【0030】
そして、フロアーポリッシュ等の保護皮膜が、周囲の床面から殆ど段差のない状態で、床用粘着フィルムの上面および端部を覆うため、その上を人が歩行したり一般的な床メンテナンス作業(洗浄、バフ)を行っても、フィルムの端部がめくれたりすることがないという利点を有する。そして、フィルムが貼ってある場所とそうでない所との表面に、連続してフロアーポリッシュ等の保護皮膜を施すことにより、床用粘着フィルム貼着部と、それ以外の部分におけるすべり抵抗を同一にすることができ、歩行の際の違和感や危険性を生じることがないという利点を有する。
【0031】
また、本発明の床用粘着フィルムのなかでも、特に、タックシートの上面に、文字、図形および色彩の少なくとも一つによって構成された表示部を含むグラフィック層が形成されているものは、上記の利点に加えて、これを用いた床構造体の床面において、商品等の広告宣伝効果やサイン効果を高めることができる。
【0032】
そして、上記グラフィック層が形成された床用粘着フィルムは、店舗改装や、広告期間終了等の理由から、その表示を変更するために、これを床面から剥がしたり、張り替えたりする作業が行われるが、床面に対し剥離自在に設定されているため、床面への糊残りが少なく、簡単に剥離することができ、また容易に原状復帰できるという利点を有する。
【0033】
そして、本発明の床用粘着フィルムを床材の上に貼着し、さらにこの上にフロアーポリッシュ組成物からなる保護皮膜を形成してなる床構造体によれば、上記保護皮膜が優れた密着性および耐久性を保持するため、人が歩行しても汚れにくく、かつ滑りにくいという利点を有する。また、床用粘着フィルム自体は、床面に対し剥離自在であっても、上記フロアーポリッシュ組成物からなる保護皮膜の形成によって、床面に貼付された床用粘着フィルムは、歩行や床洗浄等の維持管理時においても剥離や破損を生じないという利点を有する。
【0034】
さらに、本発明の床面の維持管理方法によれば、上記フロアーポリッシュ組成物からなる保護皮膜と本発明の床用粘着フィルムとの密着性および耐久性を、長期にわたって良好な状態に維持することができ、それにより、常に汚れのない床用粘着フィルム表面を維持することができる。そして、店舗、施設等において、床面を清潔かつ安全に維持することができるという利点を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
つぎに、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
【0036】
図1は、本発明の一実施の形態である床用粘着フィルムを示している。この床用粘着フィルム1は、床面に剥離自在に貼付され、貼付後その表面にフロアーポリッシュ組成物による保護皮膜が形成されるよう設定されたもので、3層構造のオーバーラミフィルム5と、2層構造のタックシート8とが、図示のように積層形成された構成になっている。上記オーバーラミフィルム5は、基材フィルム2の上面に、上記保護皮膜形成用のコート層3が形成され、上記基材フィルム2の下面に粘着剤層4が形成されている。そして、上記タックシート8は、基材層6の下面に、床面に剥離自在に貼付するための粘着剤層7が形成されている。なお、上記タックシート8の粘着剤層7の下面は、使用時に除去される剥離紙9によって被覆されている。
【0037】
上記オーバーラミフィルム5の基材フィルム2の材質としては、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン,ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等)、ポリスチレン、ポリアクリル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアセタール等があげられ、なかでも、耐久性の点からポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニルおよびポリオレフィンが好ましく、特に、バフ作業等に対する耐熱性の点からポリエチレンテレフタレートであることが好ましい。
【0038】
そして、上記基材フィルム2の厚みは、用途により適宜選択できるが、通常、10〜200μm程度に設定することが好ましく、より好ましくは15〜100μm程度である。厚みが10μm未満では床用用途としての耐久性が不充分になるおそれがあり、逆に200μmを超えると未施工の床面との段差が発生し、施工後に床用粘着フィルムが剥離する原因となるおそれがあるからである。
【0039】
また、上記基材フィルム2の上面に形成される、保護皮膜形成用のコート層3の材質としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂のいずれか1種類が用いられる。
【0040】
上記アクリル系樹脂としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2−エチルブチル(メタ)アクリレート、n−へキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、べンジル(メタ)アクリレート、へキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−n−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシブチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−ニトロ−2−メチルプロピル(メタ)アクリレート、フルフリル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロへキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、テトラピラニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シンナミル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェニルエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸等のアクリル系単量体、アクリロニトリル、酢酸ビニル、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、メチルクロトナート、無水マレイン酸、スチレン、α−メチルスチレン等のエチレン性単量体等の単量体を単独で用いるか、もしくは2種以上を共重合させて得られるコポリマーをあげることができる。なお、上記「(メタ)アクリレート」は、「アクリレートおよびメタクリレートの少なくとも一方」を意味し、上記「(メタ)アクリル酸」は、「アクリル酸およびメタクリル酸の少なくとも一方」を意味する。
【0041】
また、上記ウレタン系樹脂としては、主剤にイソシアネート基含有成分を用い、副剤に活性水素を含有する成分を用い、両者の反応により製造されるいわゆるウレタン樹脂が好ましく、またウレタン樹脂と他の共重合可能な不飽和カルボン酸との共重合物であってもよい。他の共重合可能な不飽和カルボン酸としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、イタコン酸等があげられる。
【0042】
そして、上記酢酸系ビニル樹脂としては、酢酸ビニル系樹脂を主成分として、酢酸ビニルを単独で使用してもよく、また酢酸ビニルと他の共重合可能な不飽和カルボン酸との共重合物であってもよい。
【0043】
これらの樹脂には、必要に応じて、ブロッキング防止のためにコート層中に有機顔料や無機顔料等を配合することができる。なかでも有機顔料が、透明性に優れるので好ましい。顔料の配合は、コート層中に5質量%以下であることが好ましい。5質量%より多い場合は、得られる床用粘着フィルムの透明性が低下しやすいものとなる。
【0044】
上記コート層3の形成方法としては、例えば、メタリングバー方式、グラビアロール方式、エアナイフ方式、スプレー方式、リバースロール方式などのコーティング方法から、適宜のものを用いることができる。なお、コート層3を得るための塗工量(塗膜乾燥重量)は0.05〜5.0g/m2 であることが好ましい。より好ましくは0.1〜1.5g/m2 であることが好ましい。0.05g/m2 より少ないと均一な塗布層の形成が難しくなるおそれがあり、1.5g/m2 を超えると、透明性が低下したり、ブロッキングが生じやすくなるおそれがある。
【0045】
上記コート層3の厚みは、0.05〜8μmであることが好ましく、0.1〜2μmであることがより好ましい。すなわち、0.05μmより少ないと均一な塗膜が形成できず、8μmを超えると透明性が低下するとともに、ブロッキングが生じやすくなる。
【0046】
また、基材フィルム2の下面に形成される粘着剤層4の材質については、特に限定するものではないが、なかでも、アクリル系プレモノマーもしくはアクリル系モノマー等を主成分とするアクリル系粘着剤が、透明性、耐候性の点から好ましい。上記アクリル系粘着剤としては、特に限定されず、アクリル基を含有するビニルモノマー、エポキシ基を有するビニルモノマー、アルコキシル基を有するビニルモノマー、エチレンオキシド基を有するビニルモノマー、アミノ基を有するビニルモノマー、アミド基を有するビニルモノマー、ハロゲン原子を有するビニルモノマー、リン酸基を有するビニルモノマー、スルホン酸基を有するビニルモノマー、シラン基を有するビニルモノマー、フェニル基を有するビニルモノマー、ベンジル基を有するビニルモノマー、テトラヒドロフルフリル基を有するビニルモノマー、その他の共重合可能なモノマー等を含有するものがあげられる。
【0047】
そして、上記粘着剤層4の粘着力は、JIS Z 0237に準じて測定される対SUS粘着力が200N/m(約500gf/25mm)以上となるように設定することが好適である。すなわち、200N/m未満では、オーバーラミフィルム5が、タックシート8(後述するように、タックシート8と粘着剤層4の間にグラフィック層が介在する場合は、グラフィック層)から剥がれてしまうおそれがあるからである。
【0048】
上記粘着剤層4となる樹脂材料には、その粘着物性向上のため、各種添加剤、例えばロジン等の天然樹脂、変成ロジン、ロジンおよび変成ロジンの誘導体、ポリテルペン系樹脂、テルペン変成体、脂肪族系炭化水素樹脂、シクロペンタジエン系樹脂、芳香族系石油樹脂、フェノール系樹脂、アルキル−フェノール−アセチレン系樹脂、クマロン−インデン系樹脂、ビニルトルエン−α−メチルスチレン共重合体をはじめとする粘着付与剤、架橋剤、老化防止剤、安定剤、オイル等の軟化剤、充填剤、安定剤等を必要に応じて添加できる。これらは、必要に応じて2種類以上を併用して使用することもできる。また、耐候性を向上させるために、粘着剤層4に、ベンゾフェノン系あるいはベンゾトリアゾール系などの有機系紫外線吸収剤を添加してもよい。
【0049】
また、架橋剤としては、従来公知のものが使用できる。例えば、上記粘着剤層4に用いられるアクリル樹脂を合成する際に用いられる架橋剤としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレンジオールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能ビニル化合物があげられる。そして、合成されたアクリル樹脂に添加配合される架橋剤としては、エチレングリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジアミングリシジルアミン、N,N,N′,N′−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、1,3−ビス(N,N′−ジアミングリシジルアミノメチル)シクロヘキサン等のエポキシ基を有する化合物、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタンイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタリンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート等のイソシアネート基を有する化合物、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、もしくはエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレートに代表されるアルミニウムキレート化合物やチタンキレート化合物等の金属キレート化合物、トリメチロールプロパン−β−アジリジニルプロピオーネートに代表されるアジリジン架橋剤等があげられる。
【0050】
一方、タックシート8を構成する基材層6としては、いわゆる合成紙、プラスチックフィルム等、従来から同様の用途に用いられているどのような材質であってもよい。また、その厚みは、15〜300μmに設定することが好適である。すなわち、15μm未満では、印刷加工等の工程において強度が不充分となるおそれがあり、逆に300μmを超えると、全体の厚みが厚くなって周囲の床面との段差が生じるおそれがあるからである。
【0051】
上記合成紙としては、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン等を基材とし、表面に印刷受理層を設けたものがあげられる。また、上記プラスチックフィルムとしては、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン,ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアセタール等からなるフィルムがあげられる。これらのなかでも、ポリプロピレンを基材とし、印刷受理層としてピグメント塗工層を設けた合成紙を用いることが、後述するグラフィック層を形成する場合の印刷特性に優れており、好ましく用いられる。
【0052】
そして、上記基材層6に用いられる合成紙、プラスチックフィルム等の引張強度は、4〜25kN/mであることが好ましい。すなわち、引張強度が4kN/mより弱いと、再剥離作業時に、基材層6が切れてしまうおそれがあり、25kN/mより強いと、貼り付け作業がしにくくなるおそれがある。
【0053】
また、上記基材層6の下面に形成される粘着剤層7の材質は、ゴム系、アクリル系、ビニルエーテル系、ウレタン系、シリコーン系等が好ましく、その形態としては、溶剤型、エマルジョン型、ホットメルト型等を用いることが好ましい。そして、気泡が容易に抜けるように、上記粘着剤層7が、複数の凹部と該凹部の外縁の少なくとも一部に隣接する外縁凸部が設けられている構造(特開2005−298674号参照)であることが特に好ましい。なかでも、剥離自在な床用粘着フィルム1とするための好適な粘着剤として、アクリル系粘着剤に、前述の、粘着剤層4に用いることのできる架橋剤を用いたものが好適である。
【0054】
なお、上記基材層6の下面に形成される粘着剤層7の粘着力は、JIS Z 0237に準じて測定される対SUS粘着力が、50〜500N/m(約130〜1280gf/25mm)となるよう設定することが好ましく、なかでも、200〜400N/m(約510〜1020gf/25mm)がより好ましい。すなわち、上記対SUS粘着力が50N/mより低い場合は、粘着力が低すぎて床用粘着フィルム1が床面から容易に剥がれるおそれがあり、逆に、500N/mより高い場合は、粘着力が高すぎて剥離作業が困難になるとともに、床面への糊残りが生じやすくなるおそれがある。
【0055】
上記床用粘着フィルム1は、例えばつぎのようにして製造することができる。すなわち、まず、基材フィルム2の上面にコート層3を形成するとともに、その下面に粘着剤層4を形成することにより、オーバーラミフィルム5を作製する。なお、上記粘着剤層4には剥離紙を貼付する。一方、基材層6の片面に粘着剤層7を形成することにより、タックシート8を作製する。そして、上記オーバーラミフィルム5の下面の剥離紙を剥がしながら、両者を貼り合わせることにより、図1に示すような床用粘着フィルム1を得ることができる。
【0056】
このようにして得られる床用粘着フィルム1は、床面に貼付するための粘着剤層7を有するタックシート8と、オーバーラミフィルム5とを積層した構成において、上記オーバーラミフィルム5の基材フィルム2上面に、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂のいずれか一種類からなるコート層3が形成されているため、上記コート層3の上面に、フロアーポリッシュ組成物からなる保護皮膜を、優れた密着性および耐久性で形成することができる。
【0057】
特に、上記コート層3が、アクリル系樹脂によって形成されたものである場合には、床用粘着フィルム1の上面に塗布したフロアーポリッシュ組成物皮膜の初期光沢性に優れ、ウレタン系樹脂によって形成されたものである場合には、耐汚染性に優れた床用粘着フィルム1を得ることができる。そして、なかでも、店舗、施設等の広告宣伝用途である場合には、アクリル系樹脂もしくはウレタン系樹脂を選択してコート層3を形成することが、美観に優れたもとのとなり、好適である。
【0058】
なお、本発明の床用粘着フィルム1において、上記のように、店舗、施設の広告宣伝や何らかの表示を行う用途に用いる場合に、タックシート8として、基材層6の上面に、図2に示すように、文字,色彩,図形等のグラフィック層10を形成したものが用いられる。上記グラフィック層10は、基材層6の上面に、通常用いられる溶剤系インク、水性インクのほか、紫外線硬化型インク等のエネルギー硬化型インクを用いて印刷を施すことによって得ることができる。なかでも、色彩、色相および明度を維持させる観点から、エネルギー硬化型インクを用いて印刷を施すことが好ましい。
【0059】
また、上記タックシート8の基材層6として、図3に示すように、プラスチックフィルム6aの上に、オーバーラミフィルム5におけるコート層3と同様のコート層3′を設け、上記コート層3′の上面に、グラフィック層10を設けたものを用いてもよい。なお、上記グラフィック層10は、コート層3′の上面に正像で印刷形成されるだけでなく、プラスチックフィルム6a(透明)の裏面に逆像で印刷形成してもよい。
【0060】
上記グラフィック層10の印刷方式としては、印刷枚数が多い場合に用いられるオフセット印刷や、印刷枚数が少ない場合に用いられる電子写真方式、インクジェット記録方式、熱転写記録方式に代表されるオンデマンド印刷等、常用の印刷方法があげられる。
【0061】
上記タックシート8の基材層6として用いられるプラスチックフィルム6aの材質は、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン,ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等)、ポリスチレン、メチルメタクリレート、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアセタール等があげられる。
【0062】
なお、上記床用粘着フィルム1は、上記のようにオーバーラミフィルム5とタックシート8との2種類のフィルムを貼り合わせたものであっても、オーバーラミフィルム5、タックシート8および任意のプラスチックフィルムの1種以上とを適宜組み合わせた積層フィルムであってもよい。そして、これらのシートやフィルムの積層は、予め片面に粘着剤層を形成して剥離紙で保護したものを、その剥離紙を剥がして、予め積層しておくことが、使い勝手がよく、好ましい。
【0063】
そして、本発明の床用粘着フィルムは、例えば、縦200〜1000mm×横300〜1500mmといった比較的小さなサイズのものを、陳列商品の位置や人の動線に合わせて、特定の店舗床面に貼付する用途に用いることができる。そして、百貨店、スーパーマーケット、コンビニエンスストア等の売り場の通路等において、1枚の帯状フィルムを長手方向に貼付する用途や、特定サイズのものを敷きつめていく用途に用いることができる。また、同様にして、フロア全体に敷きつめる用途に用いることもできる。
【0064】
特に、本発明の床用粘着フィルムは、床面に対し剥離自在であることから、売り場のレイアウト変更時や期間限定広告の期間終了に伴う広告撤去時に、従来の表示フィルムのように剥がすことができずにそのまま放置せざるを得なくなるようなことがなく、簡単な作業で容易に剥がすことができることが大きな特徴である。したがって、とりわけ「フロアーマーキング用フィルム」と称されて広く広告POPやサインとして汎用されているサイズ(縦200〜1000mm×横300〜1500mm)の用途において、本発明の効果を最大限に発揮することができ、好適である。そして、その全体の厚みも、すでに述べたように、例えば230μm以下という、非常に薄い厚みに設定することができるため、床面から段差を生じることなく、長期にわたって良好に用いることができる。
【0065】
つぎに、本発明の床構造体について説明する。
【0066】
図4は、本発明の床構造体の一実施の形態を示している。この床構造体は、床材20上に、上記床用粘着フィルム1(オーバーラミフィルム5とタックシート8の積層構造の詳細は省略)が貼着され、その上に保護皮膜21が形成された構成になっている。
【0067】
上記床材20としては、特に限定はないが、ビニル系、合成樹脂塗り床等の化学床、石床、セメント床、フローリング床(木床)等、各種の床を構成する床材があげられる。なかでも、バフによる熱可塑化で得られる光沢復元効果の発現が顕著な化学床や石床といった「ハードフロア」であることが好ましい。
【0068】
また、上記保護皮膜21は、フロアーポリッシュ組成物によって形成される。
【0069】
上記フロアーポリッシュ組成物とは、「JFPA(日本フロアーポリッシュ工業会)規格−00」、フロアーポリッシュ試験方法通則の用語において、「清掃のために用いられる化学製品のうち、床材の保護・美観維持のために塗布するもので、乾燥後に皮膜を形成し、経日後必要なとき、化学的および物理的方法によって容易に除去できるものを指し、通称「床用ワックス」とも呼ばれている。」として定義されるものである。
【0070】
なお、上記フロアーポリッシュ組成物は、水性、乳化性および油性に分類され、水性のものとしてポリマータイプおよびワックスタイプがあげられ、乳化性のものとしてワックスタイプがあげられる。そして、油性のものとして、同じくワックスタイプが分類されている。
【0071】
そして、これらフロアーポリッシュの品質規格は、「JFPA規格−101」に水性フロアーポリッシュの品質規格が、「JFPA規格−102」には油性フロアーポリッシュの品質規格が、そしてまた、「JFPA規格−103」には乳化性フロアーポリッシュの品質規格が定められている。このうち、水性フロアーポリッシュ組成物においては、水性床用樹脂分散体、可塑剤、皮膜形成助剤、アルカリ可溶性樹脂、滑り調整剤、濡れ性向上剤等の成分で構成される。
【0072】
本発明に用いられるフロアーポリッシュ組成物としては、特に制限を受けるものではなく、水性、乳化性、油性のいずれのタイプでもよいが、フロアーポリッシュ組成物としては水性が主流となっており、入手のしやすさや価格面からも、水性のものを選択することが好ましい。
【0073】
上記フロアーポリッシュ組成物として市販されているものとしては、例えば、商品名:ジェイセイバー(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:シグニチャープレミアム(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:ステイタスEX(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:スプリント・ウエットルック(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:スプリント・プロ(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:ニュースターダム(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:シールド(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:グロリア(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:ワンステップ(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:ファーストステップ(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:ステイタス(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:ハイヌーン(ブッチャー社製)、商品名:トレードマーク(ラムジー社製)等があげられる。本発明においては、なかでも、特にバフによる熱可塑化が良好な点から、商品名:ジェイセイバー(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:シグニチャープレミアム(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:ステイタス−EX(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:ハイヌーン(ブッチャー社製)、商品名:トレードマーク(ラムジー社製)が好ましい。
【0074】
このようにして得られた床構造体は、最上面に、フロアーポリッシュ組成物による保護皮膜21が形成されているため、光沢復元性、耐ブラックヒールマーク(BHM)性、耐スカッフ(SM)性に優れている。しかも、模式的な図5に示すように、上記フロアーポリッシュ組成物による保護皮膜21が、床用粘着フィルム1の周囲の床面に連続的に形成されているため、床用粘着フィルム1自身は床面に対し剥離自在であっても、その周囲が、上記保護皮膜21によって強固に密着保護されているため、端部がめくり上がったり損傷したりすることがない。そして、上記床用粘着フィルム1上の保護皮膜21が経時的に摩耗して美観等が低下した場合には、後述するような、簡素な作業において床面の維持管理をすることができるという特徴を備えているため、作業時間が軽減でき、コスト面においても低コストで行うことができるという利点を有する。
【0075】
なお、本発明の床構造体において、床材20と床用粘着フィルム1との間に、図6に示すように、フロアーポリッシュ組成物、フロアーシーラー組成物および塗料等による少なくとも一種の皮膜(以下、「基礎皮膜」という)22を形成するようにしてもよい。
【0076】
上記基礎皮膜22の形成に用いられる上記フロアーポリッシュ組成物は、清浄で乾燥された床面に対して、通常、一層当たり10〜15g/m2 の塗布量の割合で複数回の塗布・乾燥が繰り返し行われる。なお、本発明では、従来のように2層〜6層を塗り重ねてもよい。
【0077】
また、床材20の種類によっては、例えばその表面が多孔質面で、その凹凸をシーリングすること等を目的として、フロアーポリッシュ組成物皮膜を形成させる前に、フロアーシーラー組成物等の皮膜を形成するようにしてもよい。この場合、上記基礎皮膜22として、フロアーシーラー皮膜と、フロアーポリッシュ皮膜の2層が形成される。また、基礎皮膜22として、床材20上にフロアーシーラー皮膜のみを形成してもよい。
【0078】
なお、上記「フロアーシーラー組成物」とは、「JFPA(日本フロアーポリッシュ工業会)規格−00」、フロアーポリッシュ試験方法通則の用語において、「乾燥後に皮膜を形成し、物理的・化学的方法により容易に除去できない製品」として定義されるものである。
【0079】
上記フロアーシーラー組成物は、通常、一層当たり10〜20g/m2 の塗布量の割合で塗布・乾燥が繰り返し行われ、通常、1層〜4層を塗り重ねることが行われる。本発明においては、多孔質の床材表面の凹凸等をシーリングする目的の場合、任意に、1〜2層を塗り重ねることで充分である。2層以上を塗り重ねても、シーリング剤としての上記目的からの効果は飽和にあり、また、コスト、作業時間(作業性)の点から不利なものとなる。
【0080】
上記フロアーポリッシュ組成物やフロアーシーラー組成物は、スプレー塗布、ローラー塗布、ブラシ塗布、刷毛塗り、モップによる塗布等の通常の方法により、被塗物に塗布することができる。塗布条件としての温度、湿度等の調節は、適宜乾燥機、送風機、エアコンディショナー等によって行うことができる。
【0081】
そして、その塗布後の乾燥は、通常、常温(5〜35℃)で行われるが、より好適には20〜25℃前後で乾燥することが行われる。これにより、可剥離性の保護膜が形成される。なお、基礎膜の形成過程において水分の蒸発を促進させるために、送風,加熱または両者の併用等の水分除去手段を適宜用いるようにしてもよい。これにより、基礎皮膜の形成時間を調整することが容易となるが、加熱手段は、あくまでも水分の蒸発のためのものであって、基礎皮膜22形成のために加熱を必須構成要件とするものではない。
【0082】
また、フロアーポリッシュ組成物やフロアーシーラー組成物を用いた上記基礎皮膜22の代わりに、ウレタン塗料、紫外線硬化型塗料等の塗料を塗布乾燥させることにより、塗料による基礎皮膜22を形成させてもよい。
【0083】
一方、床用粘着フィルム1上に形成されたフロアーポリッシュ組成物による保護皮膜21は、上記フロアーポリッシュ組成物による基礎皮膜22の形成と同様の作業により形成することができ、特に、床用粘着フィルム1上に、1〜3層を塗り重ねることが好適である。
【0084】
そして、上記フロアーポリッシュ組成物による保護皮膜21は、バフにより熱可塑化して平滑化し、光沢の向上した皮膜として再形成することができる。
【0085】
上記バフ作業は、作業場所や作業面積に応じて、通常、ポリッシャーもしくはバーニッシャーを用いて行われる。このとき、ポリッシャーもしくはバーニッシャーに装着されるフロアパッドとしては、高速バフ専用パッドが用いられ、例えば、商品名:シャイニングパッド・バフ用(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:バーニッシュ・デイリーソフト(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:バーニッシュ・デイリーハード(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、白パッド(例えば、商品名:ホワイトスーパーポリッシュパッド/住友3M社製)、モッピングパッド(例えば、住友3M社製)等のワックスの軽い洗浄・つや出し作業、焼き付け作業用途で用いられる比較的柔らかなフロアパッドを用いることが好ましく、特に、商品名:シャイニングパッド・バフ用(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:バーニッシュ・デイリーソフト(ジョンソン・プロフェッショナル社製)のいずれかを用いることが好適である。このときのパッドの回転速度は、通常、1500〜3000回転で行われ、光沢復元性能と作業性の点から、2000〜2500回転で行うことが特に好ましい。
【0086】
つぎに、本発明の床面維持管理方法について詳細に説明する。
【0087】
すなわち、本発明の床面維持管理方法は、上記本発明の床構造体を対象とするもので、床用粘着フィルム上に形成したフロアーポリッシュ組成物皮膜からなる保護皮膜の摩耗に応じて、(1)床面の日常維持管理方法、(2)床面の定期維持管理方法、および(3)総合維持管理方法の3種類の維持管理方法が適宜使い分けられるようになっている。
【0088】
上記(1)床面の日常維持管理方法は、歩行等による傷や光沢度の低下、ヒールマークや汚れ等の付着などといった床用粘着フィルム上に形成したフロアーポリッシュ組成物の保護皮膜の摩耗に応じて、
・床面表面を洗浄する(表面洗浄工程)。
・床面表面を乾燥させる(表面乾燥工程)。
・バフにより保護皮膜を熱可塑して平滑化し光沢を向上させる(バフ工程)。
という3工程を備えており、基本的に毎日、例えば1〜3回/日の割合で行うことによって、所望の光沢度、美観、耐久性等を復元維持させるものである。
【0089】
また、上記(2)床面の定期維持管理方法は、歩行等による傷や光沢度の低下、ヒールマークや汚れ等の付着などといった床用粘着フィルム上に形成したフロアーポリッシュ組成物の保護皮膜の摩耗に応じて、
・床面表面を洗浄する(表面洗浄工程)。
・床面表面を乾燥する(表面乾燥工程)。
・フロアーポリッシュ組成物を塗布・乾燥してフロアーポリッシュ組成物の保護皮膜を再形成する(保護皮膜の再形成工程)。
という3工程を備えており、例えばおおよそ4〜12回/年の割合で行うことによって、所望の光沢度、美観、耐久性等を復元維持させるものである。なお、コンビニエンスストアの場合には、通常、1回/月の割合で行われる。
【0090】
さらに詳しく述べると、上記(1)床面の日常維持管理方法では、(イ)床面表面を洗浄する工程と、(ロ)床面表面を乾燥する工程と、(ハ)バフによりフロアーポリッシュ組成物の保護皮膜を熱可塑化して平滑化し光沢を向上させる工程を備えている。
【0091】
上記床面表面を洗浄する工程(イ)では、床面のゴミや汚れをダストモップやほうきを用いて除去した後に、水または床用クリーナーの希釈液を用いて、モップ等で汚れ等を拭き取っても、あるいは、自動床用洗浄機を用いて床面を洗浄してもよく、フロアーポリッシュ組成物の保護皮膜を傷めることなく、該皮膜のみを表面洗浄することを目的として行われる。このとき、表面洗浄廃液は、ウェットバキュームやフロアスクイジー等を用いて回収することが好適である。
【0092】
そして、表面洗浄後、水道水によりすすぎを行い、すすぎ廃液は、バキュームやスクイジーを用いて回収する。また、床面は、拭きあげた後、乾燥させる(工程〔ロ〕)。
【0093】
つぎに、バフによりフロアーポリッシュ組成物の保護皮膜を熱可塑化して平滑化し光沢を向上させる(工程〔ハ〕)。
【0094】
そして、歩行頻度の度合いやフロアーポリッシュ組成物の保護皮膜に摩耗や汚れを認めた場合、通常、毎日、例えば1〜14回/週の割合で上記一連の作業を繰り返すことにより、床面の清浄・美観を回復させることができる。なお、コンビニエンスストアの場合には、通常、2〜3回/日の割合で行うことができる。
【0095】
なお、上記フロアーポリッシュ組成物の保護皮膜を表面洗浄する工程(イ)においては、床面表面の汚れの度合いや作業場所や作業面積に応じて、ポリッシャー、自動床用洗浄機を用いた機械洗浄や、モップ,ブラシ等を用いた手作業による洗浄が行われる。
【0096】
特に、機械洗浄で行う場合には、ポリッシャー、自動床用洗浄機に装着されるフロアパッドとしては、白パッド(例えば、商品名:ホワイトスーパーポリッシュパッド/住友3M社製)、赤パッド(例えば、商品名:レッドバッファーパッド/住友3M社製)等のフロアーポリッシュ組成物皮膜の軽い洗浄・つや出し作業用途で用いられる比較的柔らかなフロアパッドを用いることが好ましい。
【0097】
また、上記表面洗浄する工程(イ)において好適に用いることのできる床用クリーナーとしては、界面活性剤を主剤とする、商品名:無リン・フォワード(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:フォワード・ノンリンス(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、洗浄王(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、ディープスクラバー(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:バンノークリーナー(ティーポールディバーシー社製)、商品名:サニタリークリーナー(ティーポールディバーシー社製)等があげられる。このほか、後述する床用剥離剤を適宜希釈して用いることもできるが、希釈作業の容易性や薬剤の取り扱いの容易性から、上記床用クリーナーを用いることが特に好ましい。
【0098】
そして、上記バフによりフロアーポリッシュ組成物の保護皮膜を熱可塑化して平滑化し光沢を向上させる工程(ハ)においても、作業場所や作業面積に応じて、ポリッシャーもしくはバーニッシャーを用いて行われる。このとき装着されるフロアパッドとしては、商品名:シャイニングパッド・バフ用(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:バーニッシュ・デイリーソフト(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:バーニッシュ・デイリーハード(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:バーニッシュパッドB50(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、白パッド(例えば、商品名:ホワイトスーパーポリッシュパッド/住友3M社製)等のワックスの軽い洗浄・つや出し作業、焼き付け作業用途で用いられる比較的柔らかなフロアパッドを用いることが好ましく、特に、商品名:シャイニングパッド・バフ用(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:バーニッシュ・デイリーソフト(ジョンソン・プロフェッショナル社製)のいずれかを用いることが好適である。このときのパッドの回転速度は、通常、1500〜3000回転で行われ、光沢復元性能と作業性の点から、2000〜2500回転で行うことが特に好ましい。
【0099】
また、(2)床面の定期維持管理方法では、(イ)床面表面を洗浄する工程と、(ロ)床面表面を乾燥する工程と、(ニ)フロアーポリッシュ組成物を塗布・乾燥して保護皮膜を追加形成する工程とを備えている。
【0100】
上記床面表面を洗浄・乾燥する工程(イ),(ロ)は、前述の日常維持管理方法における床面表面の洗浄・乾燥工程(イ),(ロ)と同様であり、その説明を省略する。
【0101】
そして、フロアーポリッシュ組成物を塗布・乾燥して保護皮膜を追加形成するには、まず、床面に、モップやアプリケーター等を用いて、フロアーポリッシュ組成物を、一層当たり、おおよそ10〜15g/m2 の塗布量の割合で塗布・乾燥する工程を行い、1〜2層の保護皮膜を追加形成する(工程〔ニ〕)。
【0102】
そして、歩行頻度の度合いや保護皮膜に摩耗や汚れを認めた場合、通常、4〜12回/年の割合で上記一連の作業を繰り返すことにより、床面の清浄・美観を回復させることができる。
【0103】
なお、上記追加形成された保護皮膜を表面洗浄する工程、バフにより熱可塑化してフロアーポリッシュ組成物の保護皮膜を平滑化し光沢を向上させる工程も、前述の、日常維持管理方法と同様であり、その説明を省略する。
【0104】
また、(3)床面の総合維持管理方法は、上記(1)床面の日常維持管理方法と、上記(2)床面の定期維持管理方法とを繰り返すとともに、所定の期間毎に、(ホ)フロアーポリッシュ組成物の保護皮膜の少なくとも一部を剥離洗浄してすすぐ工程(表面剥離洗浄−すすぎ工程)と、(ヘ)床面の表面を乾燥して、新たにフロアーポリッシュ組成物を塗布・乾燥して保護皮膜を再形成する工程(保護皮膜の再形成工程)とを含む床面の総合維持管理方法である。
【0105】
上記床面の総合維持管理方法における剥離洗浄には、例えば、床用剥離剤を用いて、所望の光沢度、美観、耐久性等の回復が困難となったフロアーポリッシュ組成物の保護皮膜の少なくとも一部を剥離洗浄することを目的として行われる。このとき、保護皮膜の劣化度合い等に応じて、床用剥離剤水溶液の濃度を調整することにより、剥離洗浄によって除去する保護皮膜の層数を適宜に設定することができる。通常、床用粘着フィルム上の保護皮膜の全部を剥離洗浄除去し、新たな保護皮膜を形成するが、問題のない保護皮膜の一部を残して再利用する場合もあり、その場合は、保護皮膜の塗布回数(新たに形成する保護皮膜の追加層数)を減らすことができるため、作業時間の短縮と管理コストの低減化を実現することができる。また、このときの剥離洗浄廃液は、ウエットバキュームやフロアースクイジー等を用いて回収することが好適である。
【0106】
そして、上記剥離洗浄後、水道水によりすすぎを行い、すすぎ廃液も、バキュームやスクイジーを用いて回収する。また、床面は、拭きあげた後、乾燥させる。
【0107】
そして、上記床用粘着フィルム上または問題のない保護皮膜の一部が残る床用粘着フィルム上に、モップやアプリケーター等を用いて、フロアーポリッシュ組成物を、一層当たり、おおよそ10〜15g/m2 の塗布量の割合で塗布・乾燥する工程を繰り返し、1〜3層により構成された保護皮膜を形成する。
【0108】
なお、上記剥離洗浄する工程においては、作業場所や作業面積に応じて、ポリッシャー、自動床用洗浄機を用いた機械洗浄や、モップ,ブラシ等を用いた手作業による剥離洗浄が行われるが、作業効率等から、ポリッシャー、自動床用洗浄機等を用いた機械剥離洗浄であることが好ましい。
【0109】
特に、機械剥離洗浄を行う場合には、ポリッシャー、自動床用洗浄機に装着されるフロアパッドとしては、通常、フロアーポリッシュ組成物皮膜の剥離作業用途で用いられる黒パッド(例えば、商品名:ハイプロパッド、ストリッピングパッド/住友3M社製)、茶パッド(例えば、商品名:ブラウンストリッパーパッド/住友3M社製)が、フロアーポリッシュ組成物皮膜からなる保護皮膜の少なくとも一部を剥離する目的で用いられる。
【0110】
また、上記剥離洗浄する工程において好適に用いることのできる床用剥離剤としては、特に制限はないが、例えば、水酸化アルカリ金属塩等のアルカリ剤および、エタノールアミン等のアミン化合物やジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル等のグリコール系溶剤、ベンジルアルコール等の芳香族系アルコール等から選ばれる溶剤を主剤とする、商品名:ゲットオフ(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:トルネーダー(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、オールゴーHG低臭(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、パワーゴープレミアム(ジョンソン・プロフェッショナル社製)等があげられる。
【0111】
そして、上記再形成された保護皮膜を表面洗浄する工程、同じく上記再形成された保護皮膜をバフにより熱可塑化して平滑化し光沢を向上させる工程は、前述の日常維持管理方法と同様であり、その説明を省略する。
【0112】
また、特に、広告宣伝効果やサイン効果を目的とした床用粘着フィルムを用いた場合には、所定の期間が経過した時点で、剥がしたり、張り替えたりする作業が行われる。このときの作業としては、上記表面洗浄や剥離洗浄により、上記床用粘着フィルムの上に形成された保護皮膜を除去した後に床用粘着フィルムを剥がしてもよいし、あるいは、保護皮膜の上からカッター等で床用粘着フィルムの端部の一部または全部を取り出してから剥がした後に、表面洗浄や剥離洗浄を行うものであってもよい。このとき、本発明の床用粘着フィルムは、可剥離性であることから、フィルムが裂けたり、著しく伸びることなく、また、糊残りが殆どない状態で剥がすことができる。このため、原状復帰が容易なものとなっている。
【実施例】
【0113】
つぎに、本発明の実施例を、比較例と併せて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0114】
〔実施例1〕
まず、オーバーラミフィルムの基材フィルムとして、厚み25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:「エンブレットS25」:ユニチカ社製)を用い、その上に、アクリル系樹脂コート剤(アクリル酸アルキルコポリマーアンモニウム、商品名:「ジュリマーAT−210」、日本純薬社製)1g/m2 を塗布してコート層を形成した。また、上記基材フィルムの裏面に、アクリル系粘着剤(2−エチルヘキシルアクリレートを主成分とするアクリル酸エステル共重合体、商品名:「BPS1109」、東洋インキ製造社製)15g/m2 を塗工して粘着剤層を形成し、剥離紙(グラシン紙にオルガノポリシロキサンを塗工して離型処理したもの、商品名:「グラシンセパG6W」、王子タック社製)を取り付けた。
【0115】
一方、タックシートの基材層として、厚み80μmの合成紙(商品名:「ユポSGS80」、ユポ・コーポレーション社製)を用い、その片面に、アクリル系粘着剤(商品名:「BPS−3841」、東洋インキ製造社製)30g/m2 を塗布して粘着剤層を形成し、厚み60μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(商品名:「PY−102♯60」、王子製紙社製)を熱針穿孔処理し、その片面にシリコーン処理を施してなる剥離紙(孔径400μm、孔数180個/cm2 )を取り付けた。これによって、粘着剤層には、上記剥離紙の孔開口部が転写されて、気泡の抜け道となる、多数の凹部と該凹部の外縁の少なくとも一部に隣接する外縁凸部が形成された。
【0116】
そして、上記オーバーラミフィルムの剥離紙を除去して上記タックシートの基材層の上面(粘着剤層が形成されていない方の面)に貼り合わせることにより、目的とする床用粘着フィルムを得た。
【0117】
〔実施例2〜15、比較例1〜4〕
床用粘着フィルムの構成を、後記の表1〜表5に示すように変更した。それ以外は、実施例1と同様にして実施例2〜15、比較例1〜4の供試床用粘着フィルムを得た。なお、得られた各床用粘着フィルムの総厚についても、各表に併せて示した。ただし、塗膜厚みについては、近似的に、塗工量1g/cm2 の厚みを1μmとした。
【0118】
【表1】

【0119】
【表2】

【0120】
【表3】

【0121】
【表4】

【0122】
【表5】

【0123】
なお、上記表1〜表5において、実施例2〜15、比較例1〜4に用いられる材料の詳細は以下のとおりである。ただし、指示のないものは、実施例1と同一品が用いられている。
〔基材フィルム〕
*1:ポリ塩化ビニルフィルム 商品名「FCZA2481」、アキレス社製
*2:ポリオレフィン系フィルム(ポリプロピレンを主成分とするポリオレフィン系樹脂 )、理研ビニル工業社製
*3:二軸延伸ポリプロピレンフィルム
商品名「アルファンSD−101」、王子製紙社製
*6:ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:50μm)
商品名「エンブレットS5」、ユニチカ社製
*7:ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:188μm)
商品名「エンブレット0188」、ユニチカ社製
〔コート剤〕
*4:ウレタン系樹脂からなるコート剤
商品名「AH420」、大日本インキ化学社製
*5:酢酸ビニル系樹脂からなるコート剤
商品名「ラミスターRメジウム」、東洋インキ製造社製
〔タックシート基材層〕
*8:合成紙(厚み:150μm)
商品名「ユポFPG150」、ユポコーポレーション社製
*9:合成紙(厚み:300μm)
商品名「ユポFPG300」、ユポコーポレーション社製
〔タックシートの粘着剤層〕
*11〜14:表4に示すような粘着力となるようにアクリル系粘着剤組成物の組成を調 製。
〔基材フィルム下面の粘着剤層およびタックシートの粘着剤層の粘着力〕
*10:JIS Z 0237に準じて測定される対SUS粘着力の値で、その単位は、 N/mである(表11も同じ)。
【0124】
つぎに、上記各種床用粘着フィルムを用いて、以下に述べる方法に従い、密着性試験1、密着性試験2、耐洗浄機試験、耐バフ試験、フィルムの耐久性試験の5項目について、評価試験を行った。ただし、いずれに試験においても、実施例1〜5、9〜15においては、フロアーポリッシュ組成物として、アクリル/スチレン系フロアーポリッシュ組成物(商品名:シグニチャープレミアム、ジョンソン・プロフェッショナル社製)を用い、実施例6〜8においては、同じく、アクリル/ウレタン系フロアーポリッシュ組成物(商品名:ステイタスEX、ジョンソン・プロフェッショナル社製)を用いた。
【0125】
(1)密着性試験1
〔試験方法〕
ホモジニアスタイル(東リ社製、MSプレーン5626)に、基礎皮膜としてのフロアーポリッシュ組成物を15g/m2 の塗布量の割合で、塗布・硬化を2回繰り返した後、供試床用粘着フィルムを貼り、保護皮膜としてのフロアーポリッシュ組成物を15g/m2 の塗布量の割合で、塗布・硬化を2回繰り返した。そして、一週間後に、保護皮膜の上に、水道水で湿らせた濾紙を10分あるいは1時間放置して、保護皮膜を膨潤させ、水分をペーパータオル(商品名:キムワイプ(登録商標))でふき取った後、直ちに保護皮膜の表面にセロテープ(登録商標)を貼って、これを剥がしたときの保護皮膜とフィルムとの密着状態を、以下の評価基準により判定した。
【0126】
〔評価基準〕
○:保護皮膜が残存している。
×:保護皮膜が剥がれる。
【0127】
(2)密着性試験2
〔試験方法〕
ホモジニアスタイル(東リ社製、MSプレーン5626)に、基礎皮膜としてのフロアーポリッシュ組成物を15g/m2 の塗布量の割合で、塗布・硬化を2回繰り返した後、供試床用粘着フィルムを貼り、保護皮膜としてのフロアーポリッシュ組成物を15g/m2 の塗布量の割合で、塗布・硬化を2回繰り返し、1日間乾燥させたものを試験片とした。
(a)この試験片を、スネルカプセル(耐ヒールマーク性試験機)の所定の位置に取り付ける。
(b)試験ドラム内に標準ゴムブロック6個を入れ、毎分70回転の速度で順方向に間欠的に7秒間を100回、次いで逆方向に間欠的に7秒間を100回、計1,400秒間試験機を稼動させる。
(c)試験片を耐ヒールマーク性試験機より取り出し、ペーパータオル(商品名:キムワイプ(登録商標))で表面を軽くなでて、表面に付着したゴミ・ほこり等を除去した後の保護皮膜の損傷度合いを目視により、以下の評価基準で判定した。
【0128】
〔評価基準〕
10点満点評価とし、
1〜2:殆ど、容易に剥がれる
3〜4:大半が剥がれる
5〜8:少し剥がれる
9〜10:殆ど剥がれない
であり、5以上であるものは、実用性があるものと判断した。
【0129】
(3)耐洗浄性試験
〔試験方法〕
フロアーポリッシュ組成物で維持管理してある床面を床用アルカリクリーナー(商品名:無りんフォワード、ジョンソン・プロフェッショナル社製)の60倍希釈液、洗浄用パッド(商品名:赤パッド、住友3M社製)で洗浄し、乾燥後に、供試床用粘着フィルムを貼り、保護皮膜としてのフロアーポリッシュ組成物を15g/m2 の塗布量の割合で、塗布・硬化を2回繰り返した。そして、1週間乾燥後、自動床洗浄機(商品名:JA−17、ジョンソン・プロフェッショナル社製)、床用アルカリクリーナー(商品名:無りんフォワード、ジョンソン・プロフェッショナル社製)の60倍希釈液、洗浄用パッド(商品名:赤パッド、住友3M社製)で10回洗浄した後の保護皮膜の密着状態を観察し、以下の評価基準に従って判定した。
【0130】
〔評価基準〕
○:保護皮膜が維持されている
△:保護皮膜の一部に損傷が認められる
×:保護皮膜の損傷が著しい
【0131】
(4)耐バフ性試験
〔試験方法〕
上記耐洗浄性試験終了後の保護皮膜を乾燥し、バフ機(商品名:クリーンスターD−380N、アマノ社製)、バフ用パッド(商品名:イレーザーバーニッシュパッド、住友3M社製)で、10往復バフ後の保護皮膜の状態を観察し、以下の評価基準により判定した。
【0132】
〔評価基準〕
○:保護皮膜が維持されている
△:保護皮膜の一部に損傷が認められる
×:保護皮膜の損傷が著しい
【0133】
(5)フィルムの耐久性試験
〔試験方法〕
フロアーポリッシュ組成物で維持管理してある床面を床用アルカリクリーナー(無りんフォワード、ジョンソン・プロフェッショナル社製)の60倍希釈液、洗浄用パッド(商品名:赤パッド、住友3M社製)で洗浄し、乾燥後、供試床用粘着フィルムを貼り、保護皮膜としてのフロアーポリッシュ組成物を15g/m2 の塗布量の割合で、塗布・硬化を2回繰り返した。そして、翌日より、自動床洗浄機(商品名:JA−17、ジョンソン・プロフェッショナル社製)、水道水、洗浄用パッド(商品名:赤パッド、住友3M社製)で洗浄し、バフ機(商品名:クリーンスターD−380N、アマノ社製)、バフ用パッド(商品名:イレーザーバーニッシュパッド、住友3M社製)を用いて毎日バフ作業を行い、1ヵ月後の保護皮膜の状態を目視で観察し、また、フィルムの耐久性を以下の評価基準により判定した。
【0134】
〔評価基準〕
○:良い
△:わずかに損傷が認められる
×:フィルムの端部に損傷が認められる
××:フィルム全体に損傷が認められる
【0135】
これらの評価結果を、下記の表6〜表10に併せて示す。
【0136】
【表6】

【0137】
【表7】

【0138】
【表8】

【0139】
【表9】

【0140】
【表10】

【0141】
〔比較例5〜9〕
また、比較例5〜7として、それぞれ実施例1〜3の床用粘着フィルムの上面にフロアーポリッシュ組成物による保護皮膜を施さなかった。また、比較例8、9として、下記の表11に示すように、オーバーラミフィルムとして、本発明の構成とは異なる種類のコート層を設け、他の構成は上記実施例と同様の供試床用粘着フィルムを得た。これらについても、その上面には、フロアーポリッシュ組成物による保護皮膜を施さなかった。
【0142】
【表11】

【0143】
なお、上記表11において、比較例8および9に用いられる材料の詳細は以下のとおりである。ただし、指示のないものは、前記実施例1と同一品が用いられている。
〔コート剤〕
*15:シリコーン系樹脂
商品名「SD−7320」、東レ・ダウコーニング社製
*16:ポリオレフィン系樹脂
商品名「アロベース SB−1010」、ユニチカ社製
【0144】
そして、これらについても、前記と同様にして、耐洗浄試験(比較例5〜7は無理なため、比較例8、9のみ)と、耐バフ性試験と、フィルムの耐久性試験を行った。その結果を、下記の表12、表13に併せて示す。
【0145】
【表12】

【0146】
【表13】

【0147】
上記フィルムの耐久性を評価した後、床面から床用粘着フィルムを手で剥がし、剥がし作業時のフィルムの可剥離性および糊残り性を、以下の評価基準により判定した。これらの結果を、後記の表14〜表17に併せて示す。
【0148】
〔評価基準〕
・フィルムの可剥離性(剥離時のフィルムの裂け、破断)の有無
○:なし
△:わずかに裂け、破断あり
×:有り
・糊残りの有無
○:なし
△:わずかに糊残りあり
×:有り
【0149】
【表14】

【0150】
【表15】

【0151】
【表16】

【0152】
【表17】

【0153】
前記表6〜表10および上記表12〜表17の結果から、実施例品である床用粘着フィルムは、比較例品に比べて、全ての評価項目において、優れた評価が得られていることがわかる。また、比較例5〜9においては、フロアーポリッシュ組成物による保護皮膜が施されていないため、土砂や歩行等によって、フィルムが直接損傷を受け、フィルムの裂けや破断による可剥離性の低下が認められた。加えて、土砂や歩行による汚れが目立ち、美観を低下させるとともに、広告宣伝効果やサイン効果を低下させるものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【0154】
【図1】本発明の床用粘着フィルムの一実施例を示す説明図である。
【図2】本発明の床用粘着フィルムの他の実施例を示す説明図である。
【図3】本発明の床用粘着フィルムのさらに他の実施例を示す説明図である。
【図4】本発明の床構造体の一実施例を示す説明図である。
【図5】本発明の床構造体の効果の説明図である。
【図6】本発明の床構造体の他の実施例を示す説明図である。
【図7】従来の表示シートの一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0155】
1 床用粘着フィルム
2 基材フィルム
3 コート層
4,7 粘着剤層
5 オーバーラミフィルム
6 基材層
8 タックシート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面に剥離自在に貼付される床用粘着フィルムであって、床面に貼付するための粘着剤層を有するタックシートと、その上面に、直接もしくは他の層を介して積層されるオーバーラミフィルムとを備え、上記オーバーラミフィルムを構成する基材フィルム上面には、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂のいずれか一種類からなる、上記保護皮膜形成用のコート層が形成されており、床面に貼付後の上記床用粘着フィルムの表面に、フロアーポリッシュ組成物による保護皮膜が形成されるようになっていることを特徴とする床用粘着フィルム。
【請求項2】
上記オーバーラミフィルムを構成する基材フィルムの材質が、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニルおよびポリオレフィンのいずれかである請求項1記載の床用粘着フィルム。
【請求項3】
上記タックシートが、下面に粘着剤層を有する合成紙である請求項1または2記載の床用粘着フィルム。
【請求項4】
上記タックシートの上面に、文字、図形および色彩の少なくとも一つによって構成された表示部を含むグラフィック層が形成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の床用粘着フィルム。
【請求項5】
上記タックシートの粘着剤層の粘着力が、JIS Z 0237に準じて測定される対SUS粘着力が50〜500N/mとなるように設定されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の床用粘着フィルム。
【請求項6】
上記タックシートの粘着剤層が、複数の凹部と該凹部の外縁の少なくとも一部に隣接する外縁凸部とを有するものである請求項1〜5のいずれか一項に記載の床用粘着フィルム。
【請求項7】
床材の上面に、直接もしくは他の層を介して、請求項1〜6のいずれかに記載の床用粘着フィルムが貼着され、その上面にフロアーポリッシュ組成物による保護皮膜が形成されていることを特徴とする床構造体。
【請求項8】
上記床材の上面に、フロアーシーラー組成物およびフロアーポリッシュ組成物の少なくとも一方による基礎皮膜が形成され、その上に上記床用粘着フィルムが貼着されている請求項7記載の床構造体。
【請求項9】
請求項7または8記載の床構造体の床面を維持管理する方法であって、上記床面の保護皮膜の摩耗・汚損に応じて、(イ)床表面を洗浄する工程と、(ロ)床表面を乾燥する工程と、(ハ)バフにより床表面の保護皮膜を熱可塑化して平滑化し光沢を向上させる工程とを備えた維持管理を、日常的に行うことを特徴とする床面の維持管理方法。
【請求項10】
請求項7または8記載の床構造体の床面を維持管理する方法であって、上記床面の保護皮膜の摩耗・汚損に応じて、(イ)床表面を洗浄する工程と、(ロ)床表面を乾燥する工程と、(ニ)床表面の保護皮膜の形成材料と同一材料を、既設保護皮膜上に塗布・乾燥して、新たな保護皮膜を追加形成する工程とを備えた維持管理を、定期的に行うことを特徴とする床面の維持管理方法。
【請求項11】
上記(イ)の工程において、ポリッシャーもしくは自動床洗浄機を用いて洗浄を行うようにした請求項9または10記載の床面の維持管理方法。
【請求項12】
請求項7または8記載の床構造体の床面を維持管理する方法であって、上記床面の保護皮膜の磨耗・汚損に応じて、請求項9の床面の維持管理および請求項10の床面の維持管理の少なくとも一方とともに、(ホ)床表面の保護皮膜の少なくとも一部を剥離洗浄してすすいだ後乾燥する工程と、(ヘ)床表面の保護皮膜の形成材料と同一材料を、既設保護皮膜の少なくとも一部が剥離された床表面に塗布・乾燥して、新たな保護皮膜を再形成する工程とを備えた維持管理を、総合的に行うことを特徴とする床面の維持管理方法。
【請求項13】
上記(ホ)の工程において、ポリッシャーもしくは自動床洗浄機を用いて剥離洗浄およびすすぎを行うようにした請求項12記載の床面の維持管理方法。
【請求項14】
上記請求項9〜13のいずれかに記載の維持管理方法により維持された床構造体の床面において、床用粘着フィルムを剥がして、床材表面の美観回復・原状復帰を行うようにしたことを特徴とする床面の維持管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−291824(P2007−291824A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−219815(P2006−219815)
【出願日】平成18年8月11日(2006.8.11)
【特許番号】特許第3935493号(P3935493)
【特許公報発行日】平成19年6月20日(2007.6.20)
【出願人】(598028648)ジョンソンディバーシー株式会社 (30)
【出願人】(595178748)王子タック株式会社 (76)
【出願人】(000122298)王子製紙株式会社 (2,055)
【Fターム(参考)】