説明

座標検出装置

【課題】 表示面における遮光物の座標位置を取得するまでの処理時間が短く、かつ表示面に接触した遮光物が検出光を遮光したことを適切に判断することができないことで発生する誤検出を防止することができる座標検出装置を提供する。
【解決手段】 座標検出装置10は、矩形状の表示面5を有する表示部5aと、複数の発光素子6aと、複数の受光素子6bと、座標位置検出部とを備える。表示面5は、第1側辺1aと、第2側辺2aと、第3側辺3aと、第4側辺4aとによって形成される。第1側辺1aと第2側辺2aとが接続された第1接続部1b、および第3側辺3aと第4側辺4aとが接続された第3接続部3bのそれぞれ近傍において発光素子6aが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、座標検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光学式タッチパネルなどの座標検出装置は、表示面における人間の指などの遮光物により遮光された部分の座標位置を検出する。図3は、従来の座標検出装置100における、表示面5、ならびに発光素子6aおよび受光素子6bを示す図面である。
【0003】
座標検出装置100では、表示面5の第1側辺1aおよび第2側辺2aに沿って複数の発光素子6aが配列し、表示面5の第3側辺3aおよび第4側辺4aに沿って複数の受光素子6bが配列している。発光素子6aは、表示面5を挟んで対向する受光素子6bに向かって検出光7を出射する。座標検出装置100は、発光素子6aから出射された検出光7が、表示面5に接触した遮光物によって遮光されて、受光素子6bにおける検出光7の受光量が低下したことを検出すると、表示面5に接触した遮光物の座標位置を、検出光7の受光量が低下した受光素子6bの位置に基づいて検出する。
【0004】
発光素子6aからは、対向する受光素子6bに向かって検出光7を出射すると、この検出光7とは異なる方向へサイド光8も出射される。そのため、このような構成の座標検出装置100では、全ての発光素子6aから同時に検出光7を出射させる同時スキャンを行うと、サイド光8が、受光素子6bに受光されるおそれがある。
【0005】
具体的には、第3側辺3aの第4側辺4a側に沿って設けられる受光素子6bに向かって検出光7を出射する、第1側辺1aの第4側辺4a側に沿って設けられた発光素子6aから出射されたサイド光8が、第4側辺4aの第1側辺1a側に沿って設けられた受光素子6bに受光されるおそれがある。また、第4側辺4aの第3側辺3a側に沿って設けられる受光素子6bに向かって検出光7を出射する、第2側辺2aの第3側辺3a側に沿って設けられた発光素子6aから出射されたサイド光8が、第3側辺3aの第2側辺2a側に沿って設けられた受光素子6bに受光されるおそれがある。
【0006】
そして、サイド光8が、受光素子6bに受光されると、遮光物が検出光7を遮光したことを適切に判断することができないという誤検出を起こすおそれがある。たとえば、対向する発光素子6aとの間に遮光物があって、本来なら光を受光しないはずの受光素子6bがサイド光8を受光してしまうと、対向する発光素子6aとの間に遮光物がないという誤検出を起こすおそれがある。
【0007】
このような問題を解決するため、特許文献1には、第1側辺1aと第4側辺4aとの接続部近傍の領域17を通過する検出光7を出射する第1側辺1aの発光素子6aと、領域17を通過する検出光7を出射する第2側辺2aの発光素子6aとが、異なるタイミングで検出光7を出射し、第2側辺2aと第3側辺3aとの接続部近傍の領域18を通過する検出光7を出射する第1側辺1aの発光素子6aと、領域18を通過する検出光7を出射する第2側辺2aの発光素子6aとが、異なるタイミングで検出光7を出射する座標検出装置が開示されている。特許文献1に開示の座標検出装置であれば、サイド光8を受光素子6bに受光させずに、検出光7のみを受光させることができるので、遮光物が検出光7を遮光したことを適切に判断することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−210292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に開示の座標検出装置では、同時スキャンを行っていないので、表示面における遮光物の座標位置を取得するまでの処理時間が長くなる。
【0010】
本発明の目的は、表示面における遮光物の座標位置を取得するまでの処理時間が短く、かつ表示面に接触した遮光物が検出光を遮光したことを適切に判断することができないことで発生する誤検出を防止することができる座標検出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、第1側辺と、第1側辺に直交する第2側辺と、第1側辺に対向する第3側辺と、第2側辺に対向する第4側辺とによって形成される矩形状の表示面を有する表示部と、
第1側辺に沿って設けられ、対向する側辺に向けて光を出射する発光素子からなる第1発光部であって、該発光素子が、第1側辺の、第2側辺に連なる側の最端部に配置される第1発光部と、
第2側辺に沿って設けられ、対向する側辺に向けて光を出射する発光素子からなる第2発光部であって、該発光素子が、第2側辺の、第1側辺に連なる側の最端部に配置される第2発光部と、
第3側辺に沿って設けられ、対向する側辺に向けて光を出射する発光素子からなる第3発光部であって、該発光素子が、第3側辺の、第4側辺に連なる側の最端部に配置される第3発光部と、
第4側辺に沿って設けられ、対向する側辺に向けて光を出射する発光素子からなる第4発光部であって、該発光素子が、第4側辺の、第3側辺に連なる側の最端部に配置される第4発光部と、
第1側辺、第2側辺、第3側辺および第4側辺に沿って、表示面を挟んで各発光素子と対向する位置にそれぞれ設けられ、各発光素子から出射される光を受光する複数の受光素子と、
対向する前記発光素子から光が出射されているときに、前記受光素子における前記光の受光量が、予め定める閾値未満であれば、当該発光素子から当該受光素子に至る光路上に物体が存在すると判断し、存在すると判断された物体の、表示面における座標位置を、前記受光量が予め定める閾値未満である前記受光素子の位置に基づいて検出する座標位置検出部とを備えることを特徴とする座標検出装置である。
【0012】
また本発明は、座標位置検出部は、全ての発光素子が同時に検出光を出射する同時スキャン方式によって座標位置を検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、座標検出装置は、矩形状の表示面を有する表示部と、第1発光部と、第2発光部と、第3発光部と、第4発光部と、複数の受光素子と、座標位置検出部とを備える。
【0014】
表示面は、第1側辺と、第1側辺に直交する第2側辺と、第1側辺に対向する第3側辺と、第2側辺に対向する第4側辺とによって形成される。第1発光部は、第1側辺に沿って設けられ、対向する側辺に向けて光を出射する発光素子からなり、該発光素子が、第1側辺の、第2側辺に連なる側の最端部に配置される。第2発光部は、第2側辺に沿って設けられ、対向する側辺に向けて光を出射する発光素子からなり、該発光素子が、第2側辺の、第1側辺に連なる側の最端部に配置される。第3発光部は、第3側辺に沿って設けられ、対向する側辺に向けて光を出射する発光素子からなり、該発光素子が、第3側辺の、第4側辺に連なる側の最端部に配置される。第4発光部は、第4側辺に沿って設けられ、対向する側辺に向けて光を出射する発光素子からなり、該発光素子が、第4側辺の、第3側辺に連なる側の最端部に配置される。複数の受光素子は、第1側辺、第2側辺、第3側辺および第4側辺に沿って、表示面を挟んで発光部と対向する位置にそれぞれ設けられ、各発光素子から出射される光を受光する。座標位置検出部は、対向する発光素子から検出光が出射されているときに、受光素子における前記検出光の受光量が、予め定める閾値未満であれば、発光素子から受光素子に至る光路を遮光物が遮光したと判断し、表示面における遮光物が遮光した座標位置を、前記検出光の受光量が予め定める閾値未満である受光素子の位置に基づいて検出する。
【0015】
発光素子が、第1側辺の、第2側辺に連なる側の最端部、第2側辺の、第1側辺に連なる側の最端部、第3側辺の、第4側辺に連なる側の最端部および第4側辺の、第3側辺に連なる側の最端部に配置されることによって、発光素子から出射されるサイド光がどの受光素子にも受光されない。このような座標表示装置において同時スキャンを行うことによって、表示面における遮光物の座標位置を取得するまでの処理時間を短くすることができるとともに、サイド光が受光素子に受光されることで発生する誤検出を防止することができる。
【0016】
また本発明によれば、座標位置検出部は、全ての発光素子が同時に検出光を出射する同時スキャン方式によって座標位置を検出するので、交互スキャン方式の場合よりも、表示面における遮光物の座標位置を取得するまでの処理時間を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の一形態である座標検出装置10の構成を示すブロック図である。
【図2】座標検出装置10における表示面5、ならびに複数の発光素子6aおよび複数の受光素子6bを示す図面である。
【図3】従来の座標検出装置100における、表示面、ならびに発光素子および受光素子を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の実施の一形態である座標検出装置10の構成を示すブロック図である。図2は、座標検出装置10における表示面5、ならびに複数の発光素子6aおよび複数の受光素子6bを示す図面である。座標検出装置10は、表示面5を有する表示部5aと、第1〜第4発光部11a〜14aと、第1〜第4受光部11b〜14bと、第1〜第4増幅部21〜24と、第1〜第4レベル判定部31〜34と、第1〜第4パラレル/シリアル変換部41〜44と、発光制御部51と、受光制御部50と、座標位置検出部52と、制御部53と、表示駆動部54と、プログラム記憶部55と、作業記憶部56とを含む。
【0019】
座標検出装置10は、表示面5において第1〜第4発光部11a〜14aを構成する発光素子6aから出射された検出光7を遮光した遮光物の座標位置を検出する。遮光物としては、人の指などが挙げられ、座標検出装置10は、テレビジョン装置、パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、携帯電話などに用いられる。
【0020】
表示部5aは表示面5を有し、液晶、プラズマなどの表示素子によって、画像を表示させるものである。表示面5は、第1〜第4側辺1a〜4aを有する矩形状に形成されている。具体的には、表示面5は、外周方向に沿って接続された第1側辺1aと、第1側辺1aに直交する第2側辺2aと、第1側辺1aに対向する第3側辺3aと、第2側辺2aに対向する第4側辺4aとによって、矩形状に形成されている。第1側辺1aおよび第3側辺3aは、y方向に平行であり、x方向に平行な第2側辺2aおよび第4側辺4aよりも短い長さ寸法を有している。たとえば、表示面5が60インチの場合、第1側辺1aおよび第3側辺3aの長さは79cmであり、第2側辺2aおよび第4側辺4aの長さは130cmである。第2側辺2aおよび第4側辺4aは、中央部に明らかな撓みが生じるなどの悪影響が現れない長さまで長くすることができる。
【0021】
表示面5は、4個の接続部を有しており、第1側辺1aと第2側辺2aとの接続部が、第1接続部1bであり、第2側辺2aと第3側辺3aとの接続部が、第2接続部2bであり、第3側辺3aと第4側辺4aとの接続部が、第3接続部3bであり、第1側辺1aと第4側辺4aとの接続部が、第4接続部4bである。
【0022】
第1〜第4発光部11a〜14aは、複数の発光素子6aからなる。第1〜第4発光部11a〜14aを構成する複数の発光素子6aは、発光制御部51に電気的に接続されており、複数の発光素子6aは、発光制御部51から電力を供給されると、表示面5の面内側に向けて検出光7として赤外線を出射する。発光素子6aは、LED(Light-Emitting Diode)である。発光素子6aの光量は、対応する側辺の間の距離、発光素子6aのレンズ形状、発光素子6aの数量、受光素子6bの感度、後述する増幅部の増幅性能等により決定される。
【0023】
第1発光部11aは、表示面5の第1側辺1aの中央から最端まで第1接続部1bに向かって設けられる。第2発光部12aは、表示面5の第2側辺2aの中央から最端まで第1接続部1bに向かって設けられる。第3発光部13aは、表示面5の第3側辺3aの中央から最端まで第3接続部3bに向かって設けられる。第4発光部14aは、表示面5の第4側辺4aの中央から最端まで第3接続部3bに向かって設けられる。
【0024】
座標検出装置10は、全ての発光素子6aから同時に検出光7を出射させる同時スキャン方式、または第1発光部11aおよび第3発光部13aの発光素子6aと、第2発光部12aおよび第4発光部14aの発光素子6aとを交互に順次出射させる交互スキャン方式のどちらであってもよいが、本実施形態では、同時スキャン方式である。同時スキャンを行うことによって、交互スキャンを行う場合よりも、表示面5における遮光物の座標位置を取得するまでの処理時間を短くすることができる。
【0025】
第1〜第4受光部11b〜14bは、第1〜第4発光部11a〜14aを構成する複数の発光素子6aから出射された検出光7を受光する複数の受光素子6bからなる。
【0026】
第1受光部11bは、表示面5を挟んで第3発光部13aと対向するように、表示面5の第1側辺1aの中央から最端まで第4接続部4bに向かって設けられる。第2受光部12bは、表示面5を挟んで第4発光部14aと対向するように、表示面5の第2側辺2aの中央から最端まで第2接続部2bに向かって設けられる。第3受光部13bは、表示面5を挟んで第1発光部11aと対向するように、表示面5の第3側辺3aの中央から最端まで第2接続部2bに向かって設けられる。第4受光部14bは、表示面5を挟んで第2発光部12aと対向するように、表示面5の中央から最端まで第4側辺4aの第4接続部4bに向かって設けられる。
【0027】
そのため、具体的に、第1受光部11bおよび第3受光部13bには、受光素子6bが4個並んで設けられ、第2受光部12bおよび第4受光部14bには、受光素子6bが8個並んで設けられる。第1受光部11bは、第3発光部13aを構成する発光素子6aから出射された検出光7を受光し、第2受光部12bは、第4発光部14aを構成する発光素子6aから出射された検出光7を受光し、第3受光部13bは、第1発光部11aを構成する発光素子6aから出射された検出光7を受光し、第4受光部14bは、第2発光部12aを構成する発光素子6aから出射された検出光7を受光する。
【0028】
第1〜第4受光部11b〜14bのそれぞれの受光素子6bは、第1〜第4増幅部21〜24にそれぞれ電気的に接続されており、受光素子6bは、受光した検出光7を電気信号に変換し、変換した電気信号を、それぞれに対応する第1〜第4増幅部21〜24に出力する。
【0029】
発光素子6aからは、対向する受光素子6bに向かって出射される強度の強い検出光7の他に、この検出光7とは異なる方向へ出射される、強度の弱いサイド光8も出射される。
【0030】
そのため、図3に示す従来の座標検出装置100のように、表示面5の第1側辺1aおよび第2側辺2aに沿って複数の発光素子6aが配列し、表示面5の第3側辺3aおよび第4側辺4aに沿って複数の受光素子6bが配列している場合、同時スキャンを行うと、第1側辺1aの第4側辺4a側に沿って設けられた発光素子6aから出射された検出光7が、第4側辺4aの第1側辺1a側に沿って設けられた受光素子6bに受光されてしまい、遮光物が検出光7を遮光したことを適切に判断することができないという誤検出を起こすおそれがある。また、同様の誤検出が、第2側辺2aの第3側辺3a側に沿って設けられた発光素子6aから出射された検出光7が、第3側辺3aの第2側辺2a側に沿って設けられた受光素子6bに受光されて起こるおそれがある。
【0031】
本実施形態の座標検出装置10は、第1側辺1aおよび第2側辺2aにおける、第1接続部1b側の最端部、ならびに第3側辺3aおよび第4側辺4aにおける、第3接続部3b側の最端部に発光素子6aが配置され、第1側辺1aおよび第4側辺4aにおける、第4接続部4b側の最端部、ならびに第2側辺2aおよび第3側辺3aにおける、第2接続部2b側の最端部に受光素子6bが配置されている。すなわち、第1〜第4接続部1b〜4bそれぞれにおいて、最も近い位置に配置される2つの素子が同じ種類の素子である。
【0032】
このような構成であることによって、たとえば第2発光部12aにおける第1接続部1b側の最端部に配置された発光素子6aからのサイド光8は、第1発光部11aの発光素子6aに向かって出射され、サイド光8がどの受光素子6bにも受光されないので、同時スキャンをしても、サイド光8が受光素子6bに受光されることで発生する誤検出を防止することができる。
【0033】
本実施形態では、第1側辺1aに沿って配列している素子のうち、発光素子6aおよび受光素子6bがそれぞれ4個、第2側辺2aに沿って配列している素子のうち、発光素子6aおよび受光素子6bがそれぞれ8個であるが、第1〜第4接続部1b〜4bそれぞれにおいて、最も近い位置に配置される2つの素子が同じ種類の素子であれば、この構成に限定されない。
【0034】
たとえば、第1側辺1aおよび第2側辺2aにおいて、第1接続部1b側の最端部のみ発光素子6aが設けられて、受光素子6bが第1側辺1aに7個、第2側辺2aに15個設けられてもよい。
【0035】
前述の誤検出防止の効果は、表示面5のサイズに応じて、第1〜第4側辺1a〜4aそれぞれにおける発光素子6aが配置される範囲を変更することで、より確実に発揮される。
【0036】
第1〜第4側辺1a〜4aの長さが長いほど、すなわちサイズの大きい表示面5を用いるほど、より強度の強い検出光7を出射できる発光素子6aを用いる必要があり、強度の強い検出光7を出射できる発光素子6aを用いるほど、サイド光8が届く範囲が広くなり、前述の誤検出が発生しやすくなるおそれがある。そのため特にサイズの大きい表示面5を用いる場合には、第1側辺1aおよび第2側辺2aにおける第1接続部1b側の最端部、または第3側辺3aおよび第4側辺4aにおける第3接続部3b側の最端部のみに発光素子6aを設けるよりも、これらの最端部から複数個連続して発光素子6aを設けるほうが前述の誤検出をより確実に防止することができる。複数個連続して発光素子6aを設ける範囲は、発光素子6aの指向性特性、および受光素子6bの受光特性などによって適宜調整する。
【0037】
なお、第1〜第4側辺1a〜4aそれぞれの長さに対して上記の範囲だけ発光素子6aが配置されていれば、第1〜第4側辺1a〜4aの中央部では、発光素子6aと受光素子6bとが交互に配列されていてもよい。
【0038】
第1〜第4増幅部21〜24は、受光素子6bで変換した電気信号を増幅させる複数の増幅手段からなる。全ての受光素子6bには、それぞれ1個の増幅手段が電気的に接続されている。増幅手段で増幅された電気信号は、それぞれに対応する第1〜第4レベル判定部31〜34に出力される。
【0039】
第1〜第4レベル判定部31〜34は、複数のレベル判定手段からなる。全ての増幅手段には、それぞれ1個のレベル判定手段が電気的に接続されている。レベル判定手段は、増幅手段で増幅させた電気信号が、予め定める閾値以上であるか否か判定するとともに、この判定結果に基づいて、入力された電気信号をデジタル信号に変換する。レベル判定手段で変換されたデジタル信号は、それぞれに対応する第1〜第4パラレル/シリアル変換部41〜44に出力される。
【0040】
第1〜第4パラレル/シリアル変換部41〜44は、レベル判定手段から出力された複数のデジタル信号であるパラレルデータを、パラレル/シリアル変換し、シリアルデータに変換する。第1パラレル/シリアル変換部41には、第1レベル判定部31を構成する全てのレベル判定手段が電気的に接続されている。第2パラレル/シリアル変換部42には、第2レベル判定部32を構成する全てのレベル判定手段が電気的に接続されている。第3パラレル/シリアル変換部43には、第3レベル判定部33を構成する全てのレベル判定手段が電気的に接続されている。第4パラレル/シリアル変換部44には、第4レベル判定部34を構成する全てのレベル判定手段が電気的に接続されている。第1〜第4パラレル/シリアル変換部41〜44は、受光制御部50と電気的に接続されており、第1〜第4パラレル/シリアル変換部41〜44でシリアルデータに変換されたデジタル信号を、受光制御部50に出力する。
【0041】
受光制御部50は、第1〜第4パラレル/シリアル変換部41〜44から受信したデジタル信号を、受光素子6bの位置に合わせたX軸、Y軸のデータに並び替える。受光制御部50は、座標位置検出部52に電気的に接続されており、受光制御部50でX軸、Y軸に並び替えられたデータを座標位置検出部52に出力する。
【0042】
発光制御部51は、全ての発光素子6aおよび座標位置検出部52に電気的に接続されており、発光素子6aには電力を供給する。座標位置検出部52には、発光素子6aへの電力供給に関するデータを出力する。
【0043】
座標位置検出部52は、受光制御部50でX軸、Y軸に並び替えられたデータと、発光制御部51から出力されたデータとから、検出光7が遮光されている、表示面5における座標位置を検出する。座標位置検出部52は、制御部53に電気的に接続されており、検出光7が遮光されている、表示面5における座標位置のデータを制御部53に出力する。
【0044】
制御部53は、座標位置検出部52の他に、発光制御部51、作業記憶部56、プログラム記憶部55および表示駆動部54に電気的に接続されており、これらを制御することで、前述までの座標検出装置10の全ての動作を制御する。
【0045】
プログラム記憶部55には、制御部53にて実行されるプログラムが記憶されており、制御部53は、プログラム記憶部55に記憶されているプログラムに基づいて制御を行う。
【0046】
作業記憶部56には、制御部53にてプログラムの実行時に必要となる記憶内容を記憶する。記憶内容としては、受光制御部50でX軸、Y軸に並び替えられたデータなどが挙げられる。
【0047】
表示駆動部54は、制御部53により指示された内容を表示面5に表示させる。たとえば、検出光7が遮光されている、表示面5における座標位置、すなわち、遮光物が接触している表示面5における座標位置に、画像を表示させる。
【符号の説明】
【0048】
1a 第1側辺
2a 第2側辺
3a 第3側辺
4a 第4側辺
5 表示面
5a 表示部
10 座標検出装置
11a 第1発光部
12a 第2発光部
13a 第3発光部
14a 第4発光部
11b 第1受光部
12b 第2受光部
13b 第3受光部
14b 第4受光部
21,22,23,24 第1〜第4増幅部
31,32,33,34 第1〜第4レベル判定部
41,42,43,44 第1〜第4パラレル/シリアル変換部
50 受光制御部
51 発光制御部
52 座標位置検出部
53 制御部
54 表示駆動部
55 プログラム記憶部
56 作業記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1側辺と、第1側辺に直交する第2側辺と、第1側辺に対向する第3側辺と、第2側辺に対向する第4側辺とによって形成される矩形状の表示面を有する表示部と、
第1側辺に沿って設けられ、対向する側辺に向けて光を出射する発光素子からなる第1発光部であって、該発光素子が、第1側辺の、第2側辺に連なる側の最端部に配置される第1発光部と、
第2側辺に沿って設けられ、対向する側辺に向けて光を出射する発光素子からなる第2発光部であって、該発光素子が、第2側辺の、第1側辺に連なる側の最端部に配置される第2発光部と、
第3側辺に沿って設けられ、対向する側辺に向けて光を出射する発光素子からなる第3発光部であって、該発光素子が、第3側辺の、第4側辺に連なる側の最端部に配置される第3発光部と、
第4側辺に沿って設けられ、対向する側辺に向けて光を出射する発光素子からなる第4発光部であって、該発光素子が、第4側辺の、第3側辺に連なる側の最端部に配置される第4発光部と、
第1側辺、第2側辺、第3側辺および第4側辺に沿って、表示面を挟んで各発光素子と対向する位置にそれぞれ設けられ、各発光素子から出射される光を受光する複数の受光素子と、
対向する前記発光素子から光が出射されているときに、前記受光素子における前記光の受光量が、予め定める閾値未満であれば、当該発光素子から当該受光素子に至る光路上に物体が存在すると判断し、存在すると判断された物体の、表示面における座標位置を、前記受光量が予め定める閾値未満である前記受光素子の位置に基づいて検出する座標位置検出部とを備えることを特徴とする座標検出装置。
【請求項2】
座標位置検出部は、全ての発光素子が同時に光を出射する同時スキャン方式によって前記座標位置を検出することを特徴とする請求項1に記載の座標検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−88940(P2013−88940A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−227323(P2011−227323)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】