説明

情報提供装置および情報提供方法

【課題】車両が利用できる可能性の高い充電施設の情報を、適切に提供可能な情報提供装置を提供する。
【解決手段】複数の車両の車両情報を取得する車両情報取得手段220と、複数の車両の充電履歴に関する充電履歴情報を取得する充電履歴情報取得手段220と、充電施設の位置および充電施設の利用の状況を少なくとも含む充電施設に関する充電施設情報を取得する充電施設情報取得手段220と、要求車両からの要求に応じて、要求車両が利用可能な充電施設を対象充電施設として探索する探索手段220と、要求車両以外の車両の中から対象充電施設を利用する可能性のある車両を特定車両として特定する特定手段220と、特定車両が対象充電施設を利用する可能性を利用可能性として予測する利用可能性予測手段220と、利用可能性に基づく情報を要求車両に提供する提供手段210,220とを備えることを特徴とする情報提供装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置および情報提供方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、充電施設の予約状況に基づいて、充電施設を利用できる時間帯を予測し、予測した充電施設を利用できる時間帯の情報を、車両に提供する技術が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−262525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、充電施設を利用できる時間帯を充電施設の予約状況に基づいて予測するものであるため、自車両が充電施設に到着するまでの間に、充電施設を予約していない他車両により充電施設が利用されてしまう場合があり、このような場合に、自車両が充電施設に到着して直ぐに自車両の充電を開始できない場合があった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、車両が利用できる可能性の高い充電施設の情報を、適切に提供可能な情報提供装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、複数の車両の車両情報および複数の車両の充電履歴に関する充電履歴情報に基づいて、要求車両が利用可能な充電施設を対象充電施設として探索し、要求車両以外の車両の中から、対象充電施設を利用する可能性のある車両を特定車両として特定し、特定車両の車両情報に基づいて、特定車両が対象充電施設を利用する可能性を利用可能性として予測し、予測した利用可能性に基づく情報を要求車両に提供することで、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、要求車両以外の車両が充電施設を利用する可能性を予測することができるため、要求車両が利用できる可能性の高い充電施設の情報を、適切に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態に係る情報提供装置の構成図である。
【図2】利用確率テーブルの一例を示す図である。
【図3】本実施形態に係る情報提供処理を示すフローチャートである。
【図4】本実施形態に係る情報提供処理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
図1は、本実施形態に係る情報提供システムの構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態の情報提供システムは、車両に搭載される車載装置100と、車両用の充電器を複数備える充電施設200と、車両外部に設置される情報センタ300とから構成される。なお、図1においては、説明を簡単化するため、単一の車載装置100、および単一の充電施設200のみを例示しているが、本実施形態の情報提供システムにおいて、情報センタ300は、複数の車載装置100、および複数の充電施設200と情報の授受が可能となっている。
【0011】
本実施形態に係る情報提供システムは、車載装置100からの要求に応じて、情報センタ300において、要求を行った車載装置100を搭載する車両(以下、要求車両とも言う。)が利用できる充電施設の探索し、探索された充電施設が要求車両以外の車両に利用される可能性を予測することで、要求車両が充電施設を利用できる可能性を示す情報を利用可能性情報として、要求車両のユーザに提供するものである。
【0012】
まず、車載装置100の構成について説明する。車載装置100は、例えば、車両に搭載されるナビゲーション装置であり、図1に示すように、車載通信装置110、GPS(Global Positioning System)120、車載制御装置130、地図データベース140、履歴データベース150、バッテリコントローラ160、およびディスプレイ170から構成される。これらの構成は、CAN(Controller Area Network)その他の車載LANによって接続され、相互に情報の授受を行うことができる。
【0013】
車載通信装置110は、携帯電話機、PHS(Personal Handy-phone System)、または無線LANなどの通信端末であり、車両情報(車両情報の詳細については後述する)を車載制御装置130から受信し、受信した車両情報を情報センタ300に送信する。また、車載通信装置110は、情報センタ300から、自車両が充電施設を利用できる可能性を示す利用可能性情報を受信し、受信した利用可能性情報を車載制御装置130に送信する。さらに、本実施形態において、車載通信装置110は、利用可能性情報を要求する要求情報を、車載制御装置130から受信し、情報センタ300に送信する。
【0014】
GPS120は、複数の衛星通信から送信される電波を検出して、自車両の位置情報、自車両の進行方向情報、および現在の時刻情報を、周期的(例えば、N秒ごと)に取得する。GPS120により取得された各情報は、車載制御装置130に送信される。
【0015】
地図データベース140には、地図データが格納されており、これらの地図データは、自車両の位置情報、充電施設の位置情報、および利用可能性情報とともに、ディスプレイ170の画面上に表示される。
【0016】
履歴データベース150には、自車両の充電履歴情報が記憶されている。履歴データベース150に記憶されている充電履歴情報は、充電開始時のバッテリの残容量情報、充電開始時の車両位置情報、および充電開始時の時刻情報の各情報の履歴である。履歴データベース150に記憶されている充電履歴情報は、車載制御装置130により、定期的に、情報センタ300に送信され、情報センタ300のセンタデータベース330に蓄積される。
【0017】
バッテリコントローラ160は、図示しない電流センサおよび電圧センサからの検出データに基づいて、自車両のバッテリの残容量を、周期的に演算し、その演算結果を、車載制御装置130に送信する。
【0018】
車載制御装置130は、プログラムを格納したROM(Read Only Memory)と、このROMに格納されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)とから構成される。なお、動作回路としては、CPU(Central Processing Unit)に代えて又はこれとともに、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などを用いることができる。
【0019】
車載制御装置130は、ROMに格納されたプログラムをCPUにより実行することにより、目的地を設定する目的地設定機能、自車両の現在位置から目的地までの走行経路を探索する走行経路探索機能、走行可能距離を算出する走行可能距離算出機能、車両情報を取得する車両情報取得機能、自車両の充電履歴情報を履歴データベース150に記憶させる履歴情報記憶機能、履歴データベース150から充電履歴情報を取得する充電履歴情報取得機能と、充電履歴情報および車両情報を情報センタ300に送信する送信機能、利用可能性情報を要求する要求機能、利用可能性情報をディスプレイ170に提示させる提示機能を実現する。以下において、車載制御装置130が備える各機能について説明する。
【0020】
車載制御装置130の目的地設定機能は、自車両の目的地を設定する。目的地設定機能による目的地の設定は、例えば、図示しない入力装置を介して、ユーザにより目的地が入力された場合に、入力された目的地を、車載制御装置130のRAMに記憶させることで、行われる。
【0021】
走行経路探索機能は、GPS120から送信された車両の位置情報と、地図データベース140に記憶されている地図データと、目的地設定機能により設定された目的地情報とに基づいて、自車両の現在位置から目的地までの走行経路を探索し、探索した走行経路の情報を車載制御装置130のRAMに記憶させる。なお、本実施形態において、走行経路探索機能は、例えば、自車両の現在位置から目的地まで最も早く到着できる経路を走行経路として探索することができる。
【0022】
車載制御装置130の走行可能距離算出機能は、例えば、バッテリの残容量および自車両の電力消費量情報に基づいて、自車両の走行可能距離を算出し、算出した走行可能距離の情報を車載制御装置130のRAMに記憶させる。
【0023】
車載制御装置130の車両情報取得機能は、GPS120から、自車両の位置情報、自車両の走行方向情報、および現在の時刻情報を取得し、また、バッテリコントローラ160から、バッテリの残容量情報を取得する。さらに、車両情報取得機能は、目的地設定機能により設定された目的地情報と、走行経路探索機能により探索された走行経路情報と、走行可能距離算出機能により算出された走行可能距離情報とを車載制御装置130のRAMから取得する。そして、車両情報取得機能は、取得した自車両の位置情報、自車両の走行方向情報、バッテリの残容量情報、目的地情報、走行経路情報、および走行可能距離情報を車両情報とし、これら車両情報を、車載通信装置110を介して、情報センタ300に送信する。
【0024】
車載制御装置130の履歴情報記憶機能は、外部電源によるバッテリの充電が開始された際に、充電開始時のバッテリの残容量情報、充電開始時の自車両の位置情報、および充電開始時の時刻情報を、履歴データベース150に記憶させることにより、充電履歴情報を生成する。
【0025】
車載制御装置130の充電履歴情報取得機能は、履歴データベース150に記憶されている充電履歴情報を取得する。
【0026】
車載制御装置130の送信機能は、充電履歴情報取得機能により取得された充電履歴情報と、車両情報取得機能により取得された車両情報とを、定期的に、車載通信装置110を介して、情報センタ300に送信する。なお、送信機能により送信された充電履歴情報および車両情報は、情報センタ300により受信され、情報センタ300のセンタデータベース330に記憶されることとなる。
【0027】
車載制御装置130の要求機能は、利用可能性情報を要求する要求情報を、車載通信装置110を介して、情報センタ300に送信する。なお、要求機能による利用可能性情報の要求方法は、特に限定されず、例えば、所定の間隔で、情報センタ300に対して利用可能性情報の要求を行う構成としてもよいし、あるいは、図示しない入力装置を介したユーザの操作により、ユーザの任意のタイミングで、利用可能性情報の要求を行う構成としてもよい。
【0028】
車載制御装置130の提示機能は、情報センタ300から、自車両が充電施設を利用できる可能性を示す利用可能性情報(詳細は後述する)を取得した場合に、利用可能性情報をディスプレイ170に送信することで、ディスプレイ170に、利用可能性情報を表示させる。
【0029】
ディスプレイ170は、利用可能性情報を、車載制御装置130の提示機能から受信し、受信した利用可能性情報を、ディスプレイ170に備える画面上に表示する。具体的には、ディスプレイ170は、利用可能性情報に基づいて、例えば、自車両が利用できる可能性の高い充電施設を、他の充電施設の表示とは異なる色や異なるアイコンで表示することにより、自車両が利用できる可能性の高い充電施設をユーザに案内することができる。なお、利用可能性情報を、車両のユーザに提示するための装置としては、ディスプレイ170に限定されるものではなく、例えば、スピーカを用いて、音声により、利用可能性情報を、車両のユーザに提示するような装置であってもよい。
【0030】
次に、充電施設200について説明する。充電施設200は、車両に搭載されるバッテリを充電するための施設であり、図1に示すように、充電施設用通信装置210と、充電施設用制御装置220と、複数の充電器230〜230とを備えている。
【0031】
充電施設用通信装置210は、充電施設情報(充電施設情報の詳細については後述する)を、充電施設用制御装置220から受信し、受信した充電施設情報を、情報センタ300に送信する。
【0032】
充電器230〜230は、車両に搭載されるバッテリを充電するための装置である。
【0033】
充電施設用制御装置220は、プログラムが格納されたROMと、このROMに格納されたプログラムを実行するCPUと、アクセス可能な記憶装置として機能するRAMと、を備えており、ROMに格納されたプログラムをCPUにより実行することにより、充電施設情報を取得する充電施設情報取得機能を実現する。
【0034】
充電施設用制御装置220の充電施設情報取得機能は、充電施設用制御装置220のRAMに記憶されている充電施設の位置情報、充電施設が備える充電器の個数情報を取得する。また、充電施設情報取得機能は、充電器230〜230から、車両により各充電器230〜230が利用されているか否かを示す充電施設の利用状況情報、および車両のバッテリが満充電となるまでの充電時間情報を取得する。そして、充電施設情報取得機能は、取得した充電施設の位置情報、充電施設が備える充電器の個数情報、利用状況情報、および充電時間情報を充電施設情報とし、これら充電施設情報を、充電施設用通信装置210を介して、周期的に、情報センタ300に送信する。
【0035】
次に情報センタ300について説明する。情報センタ300は、例えば、車両の外部に設置されるサーバなどであり、情報センタ300の管理範囲内に存在する複数の車載装置100から送信された車両情報および充電履歴情報と、情報センタ300の管理範囲内に存在する複数の充電施設200から送信された充電施設情報とに基づいて、車載装置100を搭載する車両が充電施設を利用できる可能性を予測することで、該車両が充電施設を利用できる可能性を示す情報を利用可能性情報として生成し、生成した利用可能性情報を車載装置100に提供する。情報センタ300は、図1に示すように、センタ通信装置310と、センタ制御装置320と、センタデータベース330とを備える。
【0036】
センタ通信装置310は、情報センタ300の管理範囲内に存在する複数の充電施設200から送信された充電施設情報と、情報センタ300の管理範囲内に存在する複数の車載装置100から送信された車両情報および充電履歴情報とを受信し、受信したこれらの情報をセンタ制御装置320に送信する。また、センタ通信装置310は、センタ制御装置320により生成された利用可能性情報を、センタ制御装置320から受信し、受信した利用可能性情報を車載装置100に送信する。
【0037】
センタ制御装置320は、ROM、CPU、およびRAMとから構成されており、ROMに格納されたプログラムを、CPUで実行することで、車載装置100から送信された充電履歴情報および車両情報と充電施設200から送信された充電施設情報とをセンタデータベース330に記憶させる記憶機能、利用可能性情報を要求する車両から要求情報および要求車両の車両情報を取得する要求情報取得機能、図示しない交通情報サーバから交通情報を取得する交通情報取得機能、車両が利用可能な充電施設を探索する充電施設探索機能、充電施設を利用する可能性のある車両を特定する特定機能、車両が充電施設を利用した実績に基づく利用確率テーブルを生成するテーブル生成機能、特定機能により特定された車両が充電施設を利用する可能性を予測する利用可能性予測機能、利用可能性情報を生成する利用可能性情報生成機能の各機能を実現する。以下、センタ制御装置320が備える各機能について説明する。
【0038】
センタ制御装置320の記憶機能は、センタ通信装置310を介して、車載装置100から定期的に送信される充電履歴情報および車両情報を取得し、取得した充電履歴情報および車両情報をセンタデータベース330に記憶させる。また、記憶機能は、充電施設200から送信された充電施設情報を取得し、取得した充電施設情報をセンタデータベース330に記憶させる。
【0039】
センタ制御装置320の要求情報取得機能は、利用可能性情報を要求する要求車両の車載装置100から、利用可能性情報を要求する要求情報と、要求情報に付随して送信された要求車両の車両情報とを、センタ通信装置310を介して、取得する。
【0040】
センタ制御装置320の交通情報取得機能は、センタ通信装置310を介して、図示しない交通情報センタから交通情報を取得する。
【0041】
センタ制御装置320のテーブル生成機能は、車両が充電施設を利用した実績に基づいて、車両が充電施設を利用する確率を内容とする利用確率テーブルを生成する。ここで、図2は、テーブル生成機能により生成された利用確率テーブルの一例を示す図である。利用確率テーブルは、図2に示すように、充電施設ごとに生成されており、各利用確率テーブルは、充電施設の位置から車両の位置までの距離、および車両のバッテリの残容量に応じて、車両が充電施設を利用する確率を有している。例えば、図2に示す利用確率テーブル(図2の上側の利用確率テーブル)では、充電施設の位置から0km〜5kmの範囲に存在し、バッテリの残容量がSOC0%〜10%の範囲である車両は、20%の確率で充電施設を利用し、また、充電施設の位置から6km〜10kmの範囲に存在し、バッテリの残容量がSOC0%〜10%の範囲である車両は、18%の確率で充電施設を利用することを示している。
【0042】
ここで、テーブル生成機能による利用確率テーブルの生成方法について説明する。テーブル生成機能による利用確率テーブルの生成方法は、特に限定されないが、本実施形態においては、例えば、充電施設の位置から0km〜5kmを半径とする範囲内に存在し、バッテリの残容量がSOC0%〜10%の範囲にある複数の車両について、該充電施設を実際に利用したか否かを検出する。そして、検出の結果、車両が充電施設を利用した実績を統計処理することにより、図2に示すように、充電施設の位置から0km〜5kmの範囲に存在し、バッテリの残容量がSOC0%〜10%の範囲である車両が充電施設を利用する確率を求めることができる。同様に、テーブル生成機能は、他の条件(充電施設の位置からの距離、およびバッテリの残容量が異なる条件)において、複数の車両が充電施設を利用した実績を統計処理することで、図2に示すような利用確率テーブルを生成することができる。
【0043】
また、テーブル生成機能は、図2に示すように、所定の時間帯ごとに、利用確率テーブルを生成する。例えば、図2に示す例では、6時00分から9時00分までの時間帯に応じた利用確率テーブル、9時00分から12時00分までの時間帯に応じた利用確率テーブル、同様に、他の時間帯に応じた利用確率テーブルが生成されている。テーブル生成機能は、例えば、6時00分〜6時10分の間に、充電施設の位置から所定の範囲に存在し、バッテリの残容量が所定の範囲にある複数の車両が充電施設を利用した実績を統計処理することで、図2に示すように、6時00分から9時00分までの時間帯に対応する利用確率テーブルを生成することができる。このように、各時間帯に応じた利用確率テーブルを生成することで、時間帯によって異なる交通状況の影響(例えば、朝の通勤時は渋滞する可能性が高く、一方、昼は朝と比べて交通量が少ないなど)を考慮した、精度高い利用確率テーブルを生成することができる。
【0044】
なお、テーブル生成機能による利用確率テーブルの生成方法は、上述した方法に限られず、例えば、各車両の充電履歴情報に基づいて、各車両が過去に充電施設を利用した実績を取得し、取得した過去の実績に基づいて、利用確率テーブルを生成する構成としてもよい。また、例えば、充電施設周辺の道路の形状(例えば、勾配など)や、充電に係る費用を加味して、利用確率テーブルを作成する構成としてもよい。例えば、複数の充電施設が比較的近い位置に存在する場合に、道路の形状や充電費用などにより、各充電施設を利用する確率が異なる場合があるためである。
【0045】
また、本実施形態に係る利用確率テーブルにおいて、図2に示す「0km〜5km」の距離範囲は、充電施設の位置からの距離が0km以上であり6km未満の範囲であることを意味しており、また、図2に示す「6km〜10km」の距離範囲は、充電施設の位置からの距離が6km以上であり11km未満の範囲であることを意味している。また、図2に示す充電施設の位置からの距離が上述した範囲と異なる範囲においても同様である。さらに、本実施形態に係る利用確率テーブルにおいて、図2に示す「0%〜10%」のバッテリ残容量の範囲は、バッテリの残容量がSOC0%以上でありSOC11%未満の範囲であることを意味しており、また、図2に示す「11%〜20%」のバッテリ残容量の範囲は、バッテリの残容量がSOC11%以上でありSOC21%未満の範囲であることを意味している。また、バッテリの残容量が上述した範囲と異なる範囲においても同様である。なお、図2に示す利用確率テーブルは一例であり、例えば、図2に示す「0km〜5km」の距離範囲が、充電施設の位置からの距離が0km以上であり5km以下の範囲を意味するものとして、利用確率テーブルを生成してもよい。また同様に、バッテリの残容量の範囲についても、例えば、図2に示す「0%〜10%」のバッテリ残容量の範囲が、SOC0%以上であり10%以下の範囲を意味するものとして、利用確率テーブルを生成してもよい。
【0046】
また、センタ制御装置320の充電施設探索機能、特定機能、利用可能性予測機能、および利用可能性情報生成機能は、車両が充電施設を利用できる可能性を示す利用可能性情報の生成を実現するための機能である。なお、これらの機能の詳細については、後述する。
【0047】
センタデータベース330には、情報センタ300の管理範囲内に存在する複数の車載装置100から送信された車両情報および充電履歴情報と、情報センタ300の管理範囲内に存在する複数の充電施設200から送信された充電施設情報が記憶されている。また、センタデータベース330には、センタ制御装置320のテーブル生成機能により生成された利用確率テーブルも記憶されている。センタデータベース330に記憶されている車両情報、充電履歴情報、充電施設情報、および利用確率テーブルは、後述する情報提供処理において利用可能性情報を生成するために用いられる。
【0048】
続いて、図3を参照して、本実施形態の情報提供処理について説明する。図3は、本実施形態に係る情報提供処理を示すフローチャートである。本実施形態に係る情報提供処理は、情報センタ300のセンタ制御装置320により行われるものであり、利用可能性情報を要求する車両(以下、要求車両という。)が搭載する車載装置100の要求機能により、要求情報が情報センタ300に送信され、センタ制御装置320の要求情報取得機能により要求情報が取得されることで開始されるものである。また、図4は、本実施形態の情報提供処理を説明するための図である。以下においては、図4(A)に示す充電施設S〜Sのうち、要求車両が利用できる可能性の高い充電施設の利用可能性情報を、要求車両に提供する場面例を例示して説明する。
【0049】
まず、ステップS101では、センタ制御装置320の要求情報取得機能により、要求車両の車載装置100から送信された要求情報が取得されたか否かの判断が行われる。要求情報が取得されたと判断された場合は、ステップS102に進み、一方、ステップS101において、要求情報が取得されていないと判断された場合は、ステップS101で待機する。続くステップS102では、要求情報取得機能により、要求車両の車載装置100から要求情報とともに送信された要求車両の車両情報の取得が行われる。
【0050】
そして、ステップS103〜S105では、センタ制御装置320の充電施設探索機能により、要求車両が利用できる充電施設の探索が行われる。まず、ステップS103では、充電施設探索機能により、ステップS102で取得された要求車両の車両情報のうち要求車両の位置情報および走行可能距離情報と、センタデータベース330に記憶されている充電施設情報のうち充電施設の位置情報とに基づいて、要求車両の走行可能距離の範囲内に存在する充電施設の探索が行われ、探索された充電施設が到達可能充電施設とされる。このように、走行可能距離情報に基づいて、到達可能充電施設を探索することにより、要求車両が到達できる充電施設を適切に探索することができる。
【0051】
例えば、図4に示す例において、図4(A)に示すように、充電施設S〜Sの9つの充電施設が存在し、要求車両の走行可能距離の範囲内に、充電施設S〜Sのうちの充電施設S〜Sが存在する場合、充電施設探索機能は、要求車両の走行可能距離情報に基づいて、要求車両が到達可能な充電施設である充電施設S〜Sを到達可能充電施設として探索する。
【0052】
そして、ステップS104では、充電施設探索機能により、ステップS102で取得された要求車両の車両情報のうち要求車両の位置情報と、センタデータベース330に記憶されている充電施設情報のうち到達可能充電施設の位置情報とに基づいて、要求車両が到達可能充電施設に到着する時刻の予測が行われる。具体的には、まず、充電施設探索機能により、要求車両の位置情報と、到達可能充電施設の位置情報とに基づいて、要求車両の現在位置から到達可能充電施設までの走行経路の探索が行われる。そして、充電施設探索機能により、探索された走行経路情報に、センタ制御装置320の交通情報取得機能により取得された交通情報を加味して、要求車両が到達可能充電施設に到着する時刻が到着時刻として予測される。このように、交通情報を用いて、到達充電施設情報までの走行経路の交通状況を予測することで、要求車両が到達可能充電施設に到着する到着時刻を精度高く予測することができる。
【0053】
ステップS105では、充電施設探索機能により、センタデータベース330に記憶されている充電施設情報のうち到達可能充電施設の利用状況情報に基づいて、スッテプS104で予測された到着時刻に要求車両が利用できる到達可能充電施設が、対象充電施設として特定される。例えば、充電施設探索機能は、到達可能充電施設の予約状況に基づいて、到着時刻に予約が入っていない充電器を有する到達可能充電施設を、要求車両が到着時刻に利用できる対象充電施設として特定する。
【0054】
次に、ステップS106〜S109では、センタ制御装置320の特定機能により、ステップS105で特定された各対象充電施設ごとに、各対象充電施設を利用する可能性のある特定車両の特定が行われる。以下においては、図4(B)に示すように、充電施設Sを対象充電施設として、対象充電施設Sを利用する可能性のある特定車両を特定する処理を例示して説明する。
【0055】
まず、ステップS106では、センタ制御装置320の特定機能により、要求車両以外の車両の中から、対象充電施設の周辺に存在する車両の抽出が行われ、抽出された車両が周辺車両とされる。具体的には、特定機能は、センタデータベース330に記憶されている充電施設情報のうち対象充電施設の位置情報と、ステップS102で取得された要求車両の車両情報のうち要求車両の位置情報とに基づいて、対象充電施設の位置を中心とし、対象充電施設の位置から要求車両の位置までを半径とする円状の範囲を決定する。そして、特定機能は、センタデータベース330に記憶されている車両情報のうち要求車両以外の車両の位置情報に基づいて、決定した円状の範囲内に存在する要求車両以外の車両を抽出し、周辺車両とする。このように、本実施形態では、対象充電施設の位置を中心とし、対象充電施設の位置から要求車両の位置までを半径とする円状の範囲に存在する要求車両以外の車両を抽出することで、要求車両よりも先に対象充電施設を利用する可能性のある周辺車両を適切に抽出することができる。
【0056】
例えば、図4に示す例においては、図4(B)に示すように、特定機能は、対象充電施設Sの位置を中心とし、対象充電施設Sの位置と要求車両の位置とを半径とする円状の範囲を決定する。そして、特定機能は、この円状の範囲に存在する要求車両以外の車両V〜Vを抽出し、抽出した車両V〜Vを周辺車両とする。
【0057】
続くステップS107では、特定機能により、センタデータベース330に記憶されている充電履歴情報のうち周辺車両の残容量履歴情報(充電開始時のバッテリの残容量の履歴)に基づいて、ステップS106で抽出された周辺車両のうち、対象充電施設を利用する可能性のある車両の抽出が行われ、抽出された車両が対象車両とされる。具体的には、特定機能は、ステップS106で抽出された周辺車両の充電開始時のバッテリの残容量の履歴情報に基づいて、例えば、充電開始時のバッテリの残容量の平均値を算出する。そして、特定機能は、センタデータベース330に記憶されている車両情報のうち周辺車両のバッテリの残容量情報に基づいて、各周辺車両について、現在のバッテリの残容量と、充電開始時のバッテリの残容量の平均値とを比較し、周辺車両のうち、現在のバッテリの残容量が、充電開始時のバッテリの残容量の平均値よりも低い車両を、対象車両として抽出する。このように、本実施形態では、現在のバッテリの残容量が、充電開始時のバッテリの残容量の平均値よりも低い車両を抽出することにより、対象充電施設を利用する可能性の高い車両を適切に抽出することができる。
【0058】
例えば、図4に示す例において、周辺車両Vの充電開始時のバッテリの残容量の平均値が「SOC20%」である場合、図4(C)に示すように、周辺車両Vの現在のバッテリの残容量は「SOC10%」であるため、特定機能は、現在のバッテリの残容量である「SOC10%」が、充電開始時のバッテリの残容量の平均値である「SOC20%」よりも低い周辺車両Vを対象車両として抽出する。また、図4に示す例において、周辺車両Vの充電開始時のバッテリの残容量の平均値が「SOC20%」である場合、図4(C)に示すように、周辺車両Vの現在のバッテリの残容量である「SOC30%」は、周辺車両Vの充電開始時のバッテリの残容量の平均値である「SOC20%」よりも高いため、特定機能は、周辺車両Vを対象車両の対象から除外する。同様に、周辺車両Vの充電開始時のバッテリの残容量の平均値が「SOC20%」である場合、特定機能は、現在のバッテリの残容量が「SOC70%」である周辺車両Vを対象車両の対象から除外する。一方、図4に示す例において、周辺車両Vの充電開始時のバッテリの残容量の平均値が「SOC40%」である場合、特定機能は、図4(C)に示すように、現在のバッテリの残容量が「SOC30%」である周辺車両Vを対象車両として抽出する。このように、上述した例では、特定機能により、周辺車両V〜Vの中から、周辺車両Vおよび周辺車両Vが対象車両として抽出される。
【0059】
ステップS108では、特定機能により、センタデータベース330に記憶されている充電履歴情報のうち対象車両の充電場所履歴情報(充電開始時の車両位置情報の履歴)に基づいて、対象車両による利用頻度の高い充電施設の検出が行われ、利用頻度の高い充電施設を利用できない対象車両が特定車両として特定される。具体的には、特定機能は、まず、対象車両の充電場所履歴情報に基づいて、各対象車両が充電を行った頻度の高い充電施設を常用充電施設として検出する。例えば、特定機能は、自宅や会社の駐車場など、対象車両が充電を行った頻度が全体の30%以上となる充電施設を、対象車両が充電を行った頻度の高い常用充電施設として検出することができる。そして、特定機能は、センタデータベース330に記憶されている車両情報のうち対象車両の走行可能距離情報または対象車両のバッテリの残容量情報に基づいて、対象車両の中から、常用充電施設に到達することができない車両を抽出し、抽出した車両を特定車両として特定する。このように、本実施形態では、常用充電施設に到達することができる対象車両は、常用充電施設において充電を行う可能性が高いものと判断し、特定車両の対象から除外することで、対象充電施設を利用する可能性の高い特定車両を適切に特定することができる。
【0060】
例えば、図4に示す例において、図4(D)に示すように、対象車両Vについて常用充電施設Sが検出されており、対象車両Vのバッテリの残容量「SOC10%」では、対象車両Vが常用充電施設Sに到達できない場合に、特定機能は、対象車両Vを特定車両として特定する。一方、図4(D)に示すように、対象車両Vについて常用充電施設Sが検出されており、対象車両Vのバッテリの残容量「SOC30%」で、対象車両Vが常用充電施設Sに到達可能な場合に、特定機能は、対象車両Vを特定車両の対象から除外する。これにより、図4に示す例では、図4(E)に示すように、対象車両Vのみが特定車両として特定されることとなる。
【0061】
このように、ステップS106〜S108では、特定機能により、対象充電施設を利用する可能性のある特定車両の特定が行われる。なお、ステップS108において、常用充電施設を探索できない場合や、常用充電施設が対象充電施設である場合は、特定機能は、対象車両を特定車両として特定し、ステップS109に進むことができる。
【0062】
また、特定機能による特定車両の特定方法は、上述した方法に限定されるものではなく、上述した方法にかえて、または上述した方法に加えて、以下に説明する方法を用いることができる。例えば、特定機能は、車両が目的地に向かう際に対象充電施設を経由した場合、走行経路が大きく遠回りになるものと判断される場合は、車両は該対象充電施設を利用しないものと判断し、該車両を特定車両の対象から除外することができる。具体的には、特定機能は、センタデータベース330に記憶されている車両情報のうち車両の走行方向情報および車両の位置情報と、センタデータベース330に記憶されている充電施設情報のうち対象充電施設の位置情報とに基づいて、車両の走行方向に対する対象充電施設の位置を検出し、車両の走行方向に対して90度以上となる方向に、対象充電施設が存在する場合は、該車両はこの対象充電施設を利用する可能性が低いと判断し、該車両を特定車両の対象から除外することができる。また、特定車両は、センタデータベース330に記憶されている車両情報のうち車両の走行経路情報および目的地情報と、センタデータベース330に記憶されている充電施設情報のうち対象充電施設の位置情報とに基づいて、対象充電施設を経由して目的地まで走行した場合の走行距離と、対象充電施設を経由せずに目的地まで走行した場合の走行距離とを算出し、対象充電施設を経由して目的地まで走行した場合の走行距離が、対象充電施設を経由せずに目的地まで走行した場合の走行距離よりも50%以上長い場合は、この車両は対象充電施設を利用する可能性が低いと判断して、該車両を特定車両の対象から除外することができる。
【0063】
そして、ステップS109では、センタ制御装置320の利用可能性予測機能により、図2に示す利用確率テーブルを用いて、ステップS108で特定された特定車両が、対象充電施設を利用する可能性の予測が行われる。具体的には、利用可能性予測機能は、まず、センタデータベース330に記憶されている車両情報のうち特定車両の位置情報と、センタデータベース330に記憶されている充電施設情報のうち対象充電施設の位置情報とに基づいて、特定車両の位置から対象充電施設の位置までの距離を算出する。そして、利用可能性予測機能は、図2に示す利用確率テーブルを参照して、算出した特定車両の位置から対象充電施設までの距離と、センタデータベース330に記憶されている車両情報のうち特定車両のバッテリの残容量とに応じた利用確率を、特定車両が対象充電施設を利用する可能性として予測する。例えば、図2に示す利用確率テーブルを用いた場合、特定車両の位置から対象充電施設までの距離が0km〜5kmの範囲に存在し、かつ、バッテリの残容量がSOC0%〜10%の範囲である特定車両について、対象充電施設を利用する可能性が20%として予測される。また、特定車両の位置から対象充電施設までの距離が6km〜10kmの範囲であり、バッテリの残容量がSOC0%〜10%の範囲である特定車両について、対象充電施設を利用する可能性が18%として予測される。
【0064】
そして、ステップS110では、センタ制御装置320の利用可能性情報生成機能により、ステップS105で特定された全ての対象充電施設について、ステップS106〜ステップS109の処理が行われたか否かの判断が行われる。全ての対象充電施設について、ステップS106〜ステップS109の処理が行われた場合は、ステップS111に進む。一方、ステップS106〜ステップS109の処理を行っていない対象充電施設があると判断された場合は、ステップS106に戻り、ステップS106〜ステップS109の処理が行われていない対象充電施設について、ステップS106〜ステップS109の処理が行われる。
【0065】
ステップS111では、利用可能性情報生成機能により、ステップS109において予測された全ての特定車両の利用可能性に基づいて、利用指数の算出が行われる。具体的には、利用可能性情報生成機能は、全ての特定車両において予測された利用可能性を足し合わせた値を、利用指数として算出する。例えば、ある対象充電施設について2台の特定車両が特定され、一方の特定車両の利用可能性が20%として予測され、他方の特定車両の利用可能性が18%として予測された場合、利用可能性情報生成機能は、一方の特定車両について予測された利用可能性である20(%)と、他方の特定車両について予測された利用可能性である18(%)とを足し合わせた38を、利用指数として算出する。
【0066】
なお、利用可能性情報生成機能による利用指数の算出方法は、上述した方法に限定されるものではなく、例えば、以下に説明する方法で利用指数を算出することができる。例えば、利用可能性情報生成機能は、特定車両の対象から除外された車両についても対象充電施設を利用する可能性があるものとして、特定車両の対象から除外された車両の利用可能性を考慮して、利用指数を算出する構成としてもよい。また、利用可能性情報生成機能は、センタデータベース330に記憶されている充電施設情報のうち対象充電施設の利用状況情報に基づいて、全ての特定車両において予測された利用可能性を足し合わせた値を、充電施設が備える充電器のうち利用されていない充電器の個数で割り、利用指数を算出する構成としてもよい。例えば、全ての特定車両において予測された利用可能性を足し合わせた値が38であり、かつ、対象充電施設が備える充電器のうち利用されていない充電器の個数が2台である場合、利用可能性情報生成機能は、全ての特定車両において算出された利用可能性を足し合わせた値である38を、対象充電施設が備える充電器のうち利用されていない充電器の個数である2で割って求めた19を、利用指数として算出することができる。
【0067】
そして、ステップS112では、センタ制御装置320の利用可能性情報生成機能により、ステップS111で算出された利用指数に基づいて、利用可能性情報の生成が行われる。ここで、利用指数が低い対象充電施設ほど、要求車両が対象充電施設に到着して直ぐに充電を開始できる可能性が高い。そのため、利用可能性情報生成機能は、要求車両が利用できる可能性の高い対象充電施設の情報を要求車両のユーザに提供するため、対象充電施設の充電施設情報に、例えば、利用指数に応じたポイント情報や、要求車両が利用できる可能性が高い(すなわち、利用指数が小さい)対象充電施設であることを識別するためのフラグ情報を付加することで、利用可能性情報を生成する。
【0068】
そして、ステップS113では、利用可能性情報生成機能により、センタ通信装置310を介して、ステップS112で生成された利用可能性情報の送信が行われ、要求車両の車載装置100に利用可能性情報が提供される。これにより、要求車両の車載装置100においては、車載通信装置110を介して、情報センタ300から送信された利用可能性情報が受信され、車載制御装置120の提示機能により、受信された利用可能性情報がディスプレイ170に送信される。その結果、ディスプレイ170により、利用可能性情報が表示される。具体的には、ディスプレイ170の画面上に、例えば、要求車両が利用できる可能性の高い(利用指数の小さい)対象充電施設が、要求車両が利用できる可能性の低い他の充電施設の表示とは異なる色、または異なるアイコンで表示され、これにより、要求車両が利用できる可能性の高い対象充電施設を、要求車両のユーザに案内することができる。
【0069】
以上のように、本実施形態では、要求車両による要求に応じて、要求車両が利用可能な充電施設を対象充電施設として探索し、探索された対象充電施設を利用する可能性のある要求車両以外の車両を特定車両として特定する。そして、本実施形態では、特定された特定車両が、探索された対象充電施設を利用する可能性を利用可能性として予測し、予測した利用可能性に基づいて、要求車両が対象充電施設を利用する可能性を示す利用可能性情報を生成する。そして、このように生成された利用可能性情報が、要求車両のユーザに提供される。このように、本実施形態によれば、要求車両以外の車両により充電施設が利用される可能性を予測するができるため、要求車両が利用できる可能性の高い充電施設の情報を、要求車両に適切に提供することができる。特に、本実施形態では、要求車両が対象充電施設に到着する時刻を予測し、予測された到着時刻に、要求車両が利用できる可能性の高い充電施設の情報を提供することで、要求車両が充電施設に到着して直ぐに充電を開始できる可能性の高い充電施設の情報を、要求車両に提供することができる。
【0070】
また、本実施形態においては、図2に示すように、車両が充電施設を利用した実績に基づいて、車両が充電施設を利用する確率を内容とする利用確率テーブルを充電施設ごとに生成し、この利用確率テーブルを用いて、特定車両が対象充電施設を利用する利用可能性を予測する。これにより、本実施形態においては、特定車両が充電施設を利用する可能性を適切に予測することができ、要求車両が充電施設を利用できる可能性を示す利用可能性情報を、要求車両に適切に提供することができる。
【0071】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0072】
なお、上述した実施形態のセンタ制御装置320の記憶機能および要求情報取得機能は本発明の車両情報取得手段に、センタ制御装置320の記憶機能は本発明の充電履歴情報取得手段および充電施設情報取得手段に、センタ制御装置320の充電施設探索機能は本発明の探索手段、算出手段、および到着時刻予測手段に、センタ制御装置320の特定機能は本発明の特定手段に、センタ制御装置320の利用可能性予測機能は本発明の利用可能性予測手段に、センタ制御装置320の利用可能性情報生成機能およびセンタ通信装置310は本発明の提供手段に、センタ制御装置320の交通情報取得機能は本発明の交通情報取得手段に、センタ制御装置320のテーブル生成機能は本発明の生成手段に、それぞれ相当する。
【符号の説明】
【0073】
100…車載装置
110…車載通信装置
120…GPS
130…車載制御装置
140…地図データベース
150…履歴データベース
160…バッテリコントローラ
170…ディスプレイ
200…充電施設
210…充電施設用通信装置
220…充電施設用制御装置
230〜230…充電器
300…情報センタ
310…センタ通信装置
320…センタ制御装置
330…センタデータベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車両の車両情報を取得する車両情報取得手段と、
複数の車両の充電履歴に関する充電履歴情報を取得する充電履歴情報取得手段と、
充電施設の位置および前記充電施設の利用の状況を少なくとも含む充電施設に関する情報である充電施設情報を取得する充電施設情報取得手段と、
要求車両からの要求に応じて、前記要求車両が利用可能な充電施設を対象充電施設として探索する探索手段と、
前記要求車両以外の車両の中から、前記要求車両以外の車両の車両情報および/または充電履歴情報に基づいて、前記対象充電施設を利用する可能性のある車両を特定車両として特定する特定手段と、
前記特定車両の車両情報に基づいて、前記特定車両が前記対象充電施設を利用する可能性を利用可能性として予測する利用可能性予測手段と、
前記利用可能性に基づく情報を前記要求車両に提供する提供手段と、を備えることを特徴とする情報提供装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報提供装置であって、
前記車両情報は、車両の位置情報および走行可能距離情報を含み、
前記探索手段は、前記要求車両の位置情報および前記要求車両の走行可能距離情報に基づいて、前記要求車両が到達可能な充電施設を前記対象充電施設として探索することを特徴とする情報提供装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の情報提供装置であって、
前記探索手段は、前記対象充電施設を探索する際に、前記充電施設情報取得手段により取得された前記充電施設情報を用いることを特徴とする情報提供装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の情報提供装置であって、
前記要求車両の車両情報に基づいて、前記要求車両が前記対象充電施設に到達するまでの走行経路を算出する算出手段と、
交通情報を取得する交通情報取得手段と、
前記算出手段により算出された走行経路と、前記交通情報取得手段により取得された前記交通情報とに基づいて、前記要求車両が前記対象充電施設に到着する時刻を予測する到着時刻予測手段とをさらに有し、
前記探索手段は、前記予測手段により予測された時刻に利用可能な充電施設を、前記対象充電施設として探索することを特徴とする情報提供装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の情報提供装置であって、
前記特定手段は、前記対象充電施設の位置を中心とし、前記対象充電施設の位置から前記要求車両の位置までを半径とする円状の範囲に存在する前記要求車両以外の車両を検出し、検出した前記要求車両以外の車両の中から、前記特定車両を特定することを特徴とする情報提供装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の情報提供装置であって、
前記充電履歴情報は、充電開始時のバッテリの残容量に関する残容量履歴情報を含み、
前記特定手段は、前記要求車両以外の車両のバッテリの残容量と、前記要求車両以外の車両の残容量履歴情報とに基づいて、前記要求車両以外の車両の中から、前記特定車両を特定することを特徴とする情報提供装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の情報提供装置であって、
前記充電履歴情報は、バッテリの充電を行った場所に関する充電場所履歴情報を含み、
前記特定手段は、前記要求車両以外の車両の充電場所履歴情報に基づいて、前記要求車両以外の車両の中から、前記特定車両を特定することを特徴とする情報提供装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の情報提供装置であって、
充電施設ごとに、車両が充電施設を利用した実績に基づいて、車両が充電施設を利用する確率を内容とするテーブルを生成する生成手段をさらに有し、
前記利用可能性予測手段は、前記対象充電施設に対応する前記テーブルを用いて、前記特定車両が前記対象充電施設を利用する可能性を前記利用可能性として予測することを特徴とする情報提供装置。
【請求項9】
複数の車両の車両情報および複数の車両の充電履歴に関する充電履歴情報を取得し、要求車両からの要求に応じて、前記要求車両が利用可能な充電施設を対象充電施設として探索し、前記要求車両以外の車両の中から、前記要求車両以外の車両の車両情報および/または充電履歴情報に基づいて、前記対象充電施設を利用する可能性のある車両を特定車両として特定し、前記特定車両の車両情報に基づいて、前記特定車両が前記対象充電施設を利用する可能性を利用可能性として予測し、予測した前記利用可能性に基づく情報を前記要求車両に提供することを特徴とする情報提供方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−2667(P2012−2667A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−137929(P2010−137929)
【出願日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】