説明

情報提示システム

【課題】認識率の高い情報提示システムを提供する。
【解決手段】車両に搭載され、ロボット100を駆動させる駆動部120と、車両の状態に応じて発生した情報を出力する出力部130とを有するロボット100と、車両の状態に応じて発生した情報を取得する情報取得部210と、取得した情報に呼応して、駆動部120によりロボット100を駆動させ、ロボット100に情報を提示する旨を乗員に通知する動作を行わせる動作制御部220と、この情報を提示する旨を乗員に通知する動作の後、ロボット100に情報の提示動作を行わせる情報提示部230とを有するロボット制御装置200とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗員に情報を提示する情報提示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
報知用立体物を車内に配置し、その身振り等の動作によって情報を乗員に表示するものが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−104103号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術においては、立体物に対して、常に乗員の意識が向けられている訳ではないので、乗員が提示された情報のうち、初期に提示された情報を認知できない虞があった。
【0005】
そこで、上記課題に鑑み本発明は、乗員が提示される情報のうち、初期に提示された情報であっても認知することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、表示体が予告動作を行うことで情報が提示される旨を知らせ、予告動作が行われた後に、表示体が提示動作を行うことで乗員に情報を提示する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、表示体による予告動作によって、乗員がその後に情報が提示されることを知ることができ、提示される情報を最初から認知する準備ができるため、提示された情報のうち、初期に提示された情報であっても認知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0009】
《第1実施形態》
本実施形態に係る情報提示システムの構成の概要を説明する。
【0010】
[システム概要]
図1は、本実施形態第1の実施形態に係る情報提示システムの概要を示すブロック構成図である。
【0011】
図1に示すように、本実施形態の情報提示システム1000は、表示体Qと、制御装置Rとを備える。
【0012】
表示体Qは、例えば人間や動物を模したロボット100である。制御装置Rはロボット100に所定の動作を行わせることにより、乗員へ特定の情報を提示し、又は乗員に特定の情報が提示されることを予め知らせる。
【0013】
制御装置Rは、ロボット100を制御するロボット制御装置200を有する。
【0014】
情報提示システム1000は、ナビゲーション装置300、障害物報知装置400、車両コントローラ500及び着座検出装置700が、互いに情報の授受が可能なように有線又は無線の通信手段で接続されている。
【0015】
図2及び図3は、本実施形態に係る情報提示システム1000の搭載例を示す図である。
【0016】
図2及び図3に示すように、ロボット100は、車両のダッシュボードの上面に設置される。
【0017】
ロボット100の設置位置は、有線又は無線の通信手段を介してロボット100等と接続可能であり、また乗員の視界領域内であれば良く、例えばAピラー(フロントピラー)でも良い。
【0018】
次に、ロボット100の構成を説明する。図4に示すように、ロボット100は、制御部110と、駆動部120と、出力部130とを有する。
【0019】
制御部110は、ロボット制御装置200の制御に従い、駆動部120及び出力部130を制御する。
【0020】
駆動部120は、車両側にて検出された報知対象物に関する報知情報に対応づけられた複数の動作、例えば回転動作、発話動作、発光動作といった複数の種類の動作、及びこれらを任意に組み合わせた複数のパターンの動作を実行する。
【0021】
出力部130は、スピーカ131及び発光体132を含み、車両側にて検出された報知対象物に関する報知情報を提示(出力)する。
【0022】
スピーカ131は、ロボット制御装置200からの動作命令に基づいてTTS(Text To Speech)機能により報知情報を読み上げる。
【0023】
発光体132は、ロボット制御装置200からの動作命令に基づいて発光動作を行う。発光体132としては、ランプやLEDを用いることができる。発光体132は、ロボット100の正面側fに設けることができる。
【0024】
ここで、図5及び図6を用いて、ロボット100の構成について詳述する。
【0025】
なお、図5(A)に示すように、正面側fとは、例えばロボット100を擬人化した場合や動物に似せた場合であれば、その顔部分が正面側fとなる。ロボット100の特定部分に人の目に似せた目部材e1,e2を設けることで、人や動物に似せることができ、これら目部材e1,e2が設けられている側が正面側fとなる。
【0026】
発光体132は、目部材e1,e2の近傍に設けることができる。
【0027】
発光体132は、目部材e1,e2の中に設けることができる。所定方向を向くロボット100の目e1,e2を発光させることにより、乗員の注意を引き、指し示す方向を提示できる。発光体132の発光制御の具体的手法は、特に限定されず、公知の手段を用いることができる。
【0028】
次に、駆動部120は、図5に示される、ロボット100がダッシュボードに固定又は係合されるベース部121と、所定の方向に延在しロボット100の回転軸となる第1軸Gと、第1軸Gを回転軸としてロボット本体101を任意の回転速度で回転させるモータ機構122とを有する。なお、第1軸Gとモータ機構122については、一般的に知られている器械技術を適用することができるので、それらの説明を省略する。
【0029】
図5(B)及び(C)に示すように、モータ機構122が駆動することで、ロボット100は、第1軸G廻りに回転動作を行う。このように、駆動部120は、ロボット100を第1軸G廻りに所定角度だけ回転させることにより、ロボット100にその正面側fを任意の方向に向ける動作をさせることができる。
【0030】
また、図6(A)に示すように、ロボット100の駆動部120は、さらに、第1軸Gとは異なる方向に延在する第2軸Hと、この第2軸Hを回転軸としてロボット本体101を回転させるモータ機構124とを備えても良い。なお、モータ機構124については一般的に知られている器械技術であるので、説明を省略する。
【0031】
第1軸Gとは異なる方向に延在する第2軸Hを有する場合のロボット100の回転動作について詳述すると、ロボット100を第2軸Hの回転角度に応じて、その正面側fの向く方向を変化させることができる。ロボット100の正面側fを向ける方向は、水平方向を基準に(0°として)、第2軸H廻りの回転角度により定義することができる。ロボット100に、タイヤ廻り等の車両の下方向を指示させる場合、駆動手段120はロボット100を第2軸H廻りに水平方向から下方へ所定角度(例えば−30°)回転させる。また、ロボット100に、車両の進行方向に所定距離Xだけ離隔した路面方向を指示させる場合、駆動手段120はロボット100を第2軸H廻りに水平方向から下方へ所定角度(例えば−15°)回転させる。さらに、ロボット100に、車両の進行方向に向って所定距離Y(Y>X)だけ離隔した路面方向を指示させる場合、駆動手段120はロボット100を第2軸H廻りに水平方向から上方へ所定角度(例えば+5°)回転させる。このように、駆動手段120は、ロボット100´を第2回転軸H廻りに所定角度だけ回転させることにより、ロボット100´の正面側fを任意の方向に向けることができる。
【0032】
次に、ロボット制御装置200について説明する。
【0033】
図4に示すように、ロボット制御装置200は、情報取得部210と、動作制御部220と、情報提示部230とを有する。
【0034】
情報取得部210は、車両の状態に応じて発生した情報を、ナビゲーション装置300、障害物報知装置400、車両コントローラ500、着座検出装置700から取得する。
【0035】
なお、車両の状態に応じて発生した情報は、ナビゲーション装置300が提示する経路案内情報、障害物検知装置400が提示する障害物情報、車両コントローラ500が提示する速度情報、エネルギー残量情報、時刻情報、着座検出装置700が提示又は出力する乗員の着座状況を少なくとも含む。
【0036】
ナビゲーション装置300は、現在位置取得部310と、地図情報記憶部320と、経路算出部330と、案内部340とを有する。
【0037】
現在位置取得部310はGPS機能等を用いて自車両の現在位置を検出する。
【0038】
地図情報記憶部320は電子地図情報を記憶する。
【0039】
また、経路算出部330は、自車両の現在位置と電子地図情報とに基づいて、経路計算、経路案内を行う。
【0040】
案内部340は、案内情報を外部に送出する。
【0041】
ナビゲーション装置300は、自車両が経路案内を行う案内ポイントに接近すると、提示情報としての経路案内情報をロボット制御装置200へ出力する。
【0042】
障害物報知装置400は、撮像部410と、障害物判断部420と、報知部430とを有する。
【0043】
撮像部410は、赤外線カメラやCCDカメラなどであり、車両周囲を撮像する。
【0044】
障害物判断部420は、周知の手法により障害物の存在、障害物と車両との相対的位置関係、障害物の接近、障害物の危険度等を判断する。
【0045】
報知部430は障害物に関する提示情報を外部に送出する。
【0046】
障害物判断部420は、後述する着座検出装置700から車両座席の着座状態を取得し、着座状態に応じた障害物を検出する。たとえば、ドライバシートの後ろの後部座席に乗員が着座している場合に限り、その右バックドア周辺の障害物を報知することができる。
【0047】
車両コントローラ500は、車両に関する情報を取得する。車両に関する情報は、操舵角情報、速度情報、ブレーキ操作情報、車間距離情報を含む。
【0048】
車両コントローラ500は、車両に関する情報を所定の周期でロボット制御装置200又は他の車載装置300,400,700へ送出する。
【0049】
着座検出装置700は、周知の手法で車両の座席(ドライバ席、助手席、後部座席)の着座の有無を検出する。本実施形態では圧力センサを用いているが、特にこれに限定されない。
【0050】
着座検出装置700は、着座情報を所定の周期でロボット制御装置200又は他の車載装置へ送出する。
【0051】
次に、表1を用いて、情報取得部210が、ナビゲーション装置300、障害物報知装置400、車両コントローラ500、着座検出装置700から取得した車両に関する情報(車両情報)とロボット100が出力する提示情報との対応関係の一例を示す。
【0052】
【表1】

動作制御部220は、情報取得部210が提示情報の取得及び/又は提示情報の発生に呼応して(提示情報の取得を示す信号及び/又は提示情報の発生を示す信号をトリガとして)、ロボット100が、運転者に向けて情報を提示する旨を知らせる予告動作(以下、「コンタクト動作」ともいう)を行うように制御する。
【0053】
予告動作(コンタクト動作)は、ロボット100が乗員に連絡をとるような動作、ロボット100が乗員と対話をする動作など、ロボット100と乗員とで関係を形成するための動作を含む。
【0054】
図4に示すように、動作制御部220は、情報提示トリガ取得部221と、動作命令部223とを有する。
【0055】
情報提示トリガ取得部221は、情報取得部210が提示情報を取得した旨の情報、又は提示情報が発生した旨の情報を取得する。
【0056】
これらの情報は動作制御部220がロボット100に予告動作を実行させる契機(トリガ)となる。
【0057】
動作命令部223は、ロボット100が運転者に向けて情報を提示する旨を知らせる予告動作として、ロボット100の駆動部120にロボット100の正面側fが車両に搭乗する乗員の方に向くようにロボット100を回転させる動作を行うための制御信号を出力する。
【0058】
情報提示部230は、動作制御部220がロボット100に情報を提示する旨を知らせる予告動作をさせた後、ロボット100に情報の提示動作を行わせる。
【0059】
提示動作は、例えば提示する情報に方向が含まれる場合にロボット100の正面をその方向に向かせる提示動作、提示する情報に方向が含まれる場合にロボット100をその方向に動かす提示動作、スピーカ131を介して情報を音声で出力する提示動作等である。
【0060】
[予告動作制御及び特定情報提示動作制御]
図7は、第1実施形態の情報提示システム1000の処理手順を示すフローチャート図である。
【0061】
ステップ10において、情報提示システム1000が起動(イグニションON)されると、ロボット100の制御部110は、駆動部120を制御し、ロボット100を定常方向に向かせる。
【0062】
定常方向は、ロボット100が車両進行方向の前方側、つまり乗員が通常視認している方向である。なお、起動時において定常方向を向かせる動作の制御は、ロボット100の制御部110や車両側のロボット制御装置200が行うようにしてもよい。
【0063】
ステップ11において、情報取得部210は、ナビゲーション装置300、障害物報知装置400、車両コントローラ500、着座検出装置700から提示情報又は提示情報が発生した旨の情報を取得する。また、情報取得部210はその旨を動作制御部220へ送出する。
【0064】
ステップ11において、情報取得部210が提示情報を取得しない場合は、ステップ14に進む。ステップ14において、ロボット制御装置200は、イグニッションOFF直後、又はイグニッションOFF後所定時間が経過したら処理を終了する。
【0065】
他方、ステップ11において、情報取得部210が提示情報を取得した場合は、ステップ12に進む。ステップ12において、動作制御部220は、情報取得後、ロボット100に乗員に情報を提示する旨を知らせる予告動作を行わせる。例えば、動作制御部220は、ロボット100に回転動作を行わせる。
【0066】
ステップ13において、情報提示手段230は、取得した提示情報の内容に応じてロボット100に情報の提示動作を実行させるための動作命令をロボット100に向けて出力する。
【0067】
提示動作が完了したら、ステップ10に戻り、ロボット100の正面側を定常方向へ向ける。ロボット100を定常方向に向けておくことにより、次に行われる予告動作を行うロボット100の動きの量を大きくすることができる。
【0068】
以上の説明より、動作制御部220がロボット100に情報を提示する旨を知らせる予告動作をさせ、その後に情報提示部230がロボット100に情報を提示するための提示動作を行わせることにより、ユーザが情報の提示が開始されることを認識した後に情報を提示することができる。
【0069】
したがって、乗員の意識を情報が提示されることへ向けさせることができ、乗員の意識が向けられた状態で、情報の提示を行うことができるため、提示される情報を最初から認知する準備ができるため、提示された情報のうち、初期に提示された情報であっても認知することができる。
【0070】
なお、上記実施例で示した構成以外に、例えば、図8に示すように、ロボット100に設けた目部材e1,e2の中心部分に目玉部材e10及びe20を設けても良い。目玉部材e10及びe20は、ロボット制御装置200からの動作命令に基づいて左右移動、上下移動、回転移動を行わせる目玉駆動機構(図示しない)を備える。なお、目玉駆動機構の具体的構成は特に限定されず、公知の手段を用いることができる。
【0071】
このように、ロボット100に設けた目部材e1,e2の中心部分に目玉部材e10及びe20を設けたので、ロボット100の動作を人や動物の瞬きに似せることができるので、さらに乗員が親近感を持つことができる。
【0072】
また、目部材e1,e2には、往復運動により目e1,e2を開閉する瞼部材M1,M2を設けても良い。瞼部材M1,M2はロボット制御装置200からの動作命令に基づいて往復運動を行わせる瞼駆動機構を備える。なお、瞼駆動機構の具体的構成は特に限定されず、公知の手段を用いることができる。
【0073】
このように、ロボット100に設けられた目部材e1,e2に、目玉部材e10,e20や瞼部材M1,M2を設けることにより、さらにロボット100を擬人化又は擬動物化することができるので、ロボット100に対する親近感をさらに向上させることができる。
【0074】
また、ロボット100の向きをさらに明確にするために、例えば動物の角に似せた突起物、尾に似せた突起物、耳に似せた突起物、動物の手又は前足に似せた突起物と、各突起物を駆動させる駆動機構(図示しない)を設けても良い。
【0075】
このように、ロボット100に、上記突起物を設けることにより、ロボット100の正面側、背面側をさらに明確に乗員に理解させることができる。さらに、上記突起物を動かすことにより、ロボット100が乗員に背中を向けた状態でも、ロボット100の動きを、乗員により認識させることができる。
【0076】
また、本実施形態のロボット100の頭部に、角部材T1を設けても良い。
【0077】
角部材T1は、ロボット制御装置200からの動作命令に基づいて、その先端を左右移動、前後移動、及び回転移動させる角駆動機構(図示しない)を有する。角駆動機構の具体的構成は特に限定されず、公知の手段を用いることができる。
【0078】
このように、ロボット100の上面に角部材T1を設けることで、例えばロボット100が指し示す方向へ向けることで、ロボット100が指示する方向を乗員が認識しやすくなる。
【0079】
また、図示はしないが、ロボット100の後面に、尾部材を設けても良い。先の角部材T1と同様に、ロボット制御装置200からの動作命令に基づいて、尾部材を左右移動、前後移動、及び回転移動させる尾駆動機構を有する。尾駆動機構の具体的構成は特に限定されず、公知の手段を用いることができる。
【0080】
このように、ロボット100に尾部材を設けることで、ロボット100が指し示す方向へ尾部材を向けることで、指示方向をより具体的に指し示す方向を提示することができる。
【0081】
また、図8に示すように、ロボット100に、人の手に似せたハンド部材H1,H2と、これらハンド部材H1,H2の先端を、ロボット制御装置200からの動作命令に基づいて、左右移動、上下移動、回転移動させるハンド駆動機構(図示しない)を設けても良い。ハンド駆動機構HK1の具体的構成は特に限定されず、公知の手段を用いることができる。
【0082】
このように、ロボット100にハンド部材を設けることで、例えばロボット100が指し示す方向へ、ハンド部材の先端を向けることにより、指示方向をより具体的に指し示す方向を提示することができる。
【0083】
また、上記各突起物の動作に合わせて発光体132を発光させても良い。
【0084】
このように、上記各突起物の動作に合わせて発光体132を発光することにより、乗員の突起物の動作への意識を高めることができる。
【0085】
《第2実施形態》
第2実施形態の情報提示システム1000は、ロボット100を回転させ、その正面側が車両の乗員の方を向くことにより予告動作を行わせた後に、情報を提示する。
【0086】
図9に示すように、情報提示システム1000は、ロボット100、ロボット制御装置200、ドライバ位置検出装置600を備える。
【0087】
また、同図に示すように、ロボット100は、制御部110と、駆動部120と、出力部130とを有する。
【0088】
ロボット100の具体的な構成を図10及び図11に示す。
【0089】
駆動部120は、図10(A)に示される、第1軸Gと、第1軸Gを回転軸としてロボット100を回転させるモータ機構122と、第1軸Gとは異なる方向に延在する第2軸Hと、第2軸Hを回転軸としてロボット本体101を回転させるモータ機構124を有する。なお、第1軸G、第2軸Hとモータ機構124については、一般的に知られている器械技術を適用することができるので、詳細な説明は省略する。
【0090】
第1軸Gの延在方向と第2軸Hの延在方向との関係は特に限定されない。
【0091】
また、第1軸Gと第2軸Hは交差して設けること、又は交差しないように設けることができる。図11には、第2軸Hを第1軸Gと略直交する方向に延在させたロボット100の例を示す。
【0092】
ロボット100は、モータ機構124が駆動すると、図11(B)及び(C)に示すように、ロボット100は第2軸Hを回転軸として回転動作を行う。
【0093】
この動作により、ロボット本体101は、正面側fを第2軸H廻りの任意の方向に向けることができる。ロボット100の正面側fが車両の乗員(ドライバを含む)の頭部(顔部)を向くようにロボット100を回転させた場合、乗員は自己を見上げるロボット100を観察することができる。
【0094】
このように、第1軸G廻りに回転した後、第2軸廻りに回転するという二段階の動作により、ロボット100に乗員を見上げる動作をさせることができ、ロボット100は乗員の注意を惹きつけることができる。
【0095】
また、本実施形態のロボット100の正面側fには、人や動物の目に似せた目部材e1,e2を設けることができる。ロボット100に目部材e1,e2を設けることにより、振り返ったロボット100と乗員とは互いに目を合わせ、いわゆるアイコンタクトをとることができる。
【0096】
さらに、第1軸Gを鉛直方向に対して傾斜させた場合は、ロボット100の予告動作において、目部材e1,e2の擬似視線が乗員の顔又は頭の方を向くため、ロボット100は乗員とアイコンタクトをとることができる。
【0097】
また、ロボット100の出力部130は、スピーカ131と発光体132とを有する。
【0098】
スピーカ131は、ロボット制御装置200からの動作命令に基づいてTTS(Text To Speech)機能により提示情報を読み上げる。
【0099】
発光体132は、ロボット制御装置200からの動作命令に基づいて発光動作を行う。
【0100】
発光体132としては、ランプやLEDを用いることができる。
【0101】
発光体132は、ロボット100の正面側fに設けることができる。
【0102】
図10(A)に示すように、発光体132を目部材e1,e2の近傍に設けることができる。また、図11(A)に示すように、目部材e1,e2の中に設けることができる。
【0103】
振り返ったロボット100,100´の目e1,e2が発光することにより、乗員の注意を惹くことができる。なお、発光体132の発光制御の具体的手法は特に限定されず、公知の手段を用いることができる。
【0104】
次に、ロボット制御装置200について説明する。
【0105】
図9に示すように、ロボット制御装置200は、情報取得部210と、動作制御部220と、情報提示部230とを有する。
【0106】
情報取得部210は、車両の状態に応じて発生した情報(当該情報が発生した旨の信号を含む)を、ナビゲーション装置300、障害物報知装置400、車両コントローラ500、着座検出装置700から取得する。
【0107】
本実施形態において、車両の状態に応じて発生した情報は、ナビゲーション装置300が提示する経路案内情報、障害物検知装置400が提示する障害物情報、車両コントローラ500が提示する速度情報、エネルギー残量情報、時刻情報、着座検出装置700が提示又は出力する乗員の着座状況を少なくとも含む。
【0108】
情報取得部210は、ナビゲーション装置300、障害物報知装置400、車両コントローラ500、着座検出装置700からこれらの提示情報を取得する。
【0109】
動作制御部220は、情報提示トリガ取得部221と、回転角度決定部222と、動作命令部223とを有し、動作制御部220は、情報取得部210が提示情報を取得したこと及び/又は提示情報の発生を取得したことを契機として、ロボット100に、たとえば乗員に向けて情報を提示する旨を知らせる予告動作(以下、「コンタクト動作」ともいう)を行わせるための制御信号を生成する。
【0110】
情報提示トリガ取得部221は、情報取得部210が提示情報を取得した旨の情報、又は提示情報が発生した旨の情報を取得する。これらの情報は動作制御部220がロボット100に予告動作を実行させる契機(トリガ)となる。
【0111】
回転角度決定部222は、ロボット100の設置位置とドライバが着座するドライバシートの位置との位置関係に基づいて、予告動作におけるロボット100の回転角度を決定する。
【0112】
予告動作におけるロボット100の回転角度は、ロボット100の正面側fが回転開始の方向(車両の進行方向など予め定義した定常方向)からドライバシートの着座面の方を向く位置までの角度とする。ロボット100の正面側fが車両のドライバシートの着座面の方を向くため、予告動作の際に、ロボット100がドライバを見るという状況を実現することができる。具体的には、図15に示すように、ロボット100の中心とヘッドレストの頭部支持面の中心とを結んだ方向(およびその方向を基準とした所定角度以内の方向)を、予告動作におけるロボット100の回転角度とする。図15に示す車両の例では、車両の直進方向を基準(0°)とすると、ロボット100の回転角度は+135°(±α°,αは予め定めた所定の値)となる。これにより、ロボット100の正面側fがヘッドレストの頭部支持面側を向くため、予告動作の際に、ロボット100がドライバの頭部又は顔を見るという状況を実現することができる。
【0113】
ここで、定常方向について説明する。定常方向はロボット100の配置、ドライバシートの配置等に基づいて適宜決定することができる。例えば図16に示すように、ロボット100の中心とヘッドレストの頭部支持面の中心とを結んだ直線Y1と、このY1に対して水平面において垂直に交わる直線X1との交点を原点とした座標系を定義し、第1象限(x>0,y>0)と、第2象限(x<0,y>0)の方向を定常方向とすることができる。
【0114】
また、図17に示すように、ロボットの中心と通る車両の直進方向に沿う直線Y2と、このY2に対して水平面において垂直に交わる直線X2との交点を原点とした座標系を定義し、第1象限(x>0,y>0)の方向を定常方向とすることができる。
【0115】
また、定常方向をステアリング(図においてHDで示す)の操舵角に基づいて決定することができる。ロボット100の正面側fは、車両の進行方向、つまりドライバと同じ方向を向く。定常方向、つまり、定常方向を向くロボット100の回転角の算出手法は特に限定されないが、[定常方向を向くロボット100の回転角=ステアリングの操舵角×(90°/720°(ステアリングの最大操舵角))を用いて算出することができる。なお、定常方向をステアリングの操舵角に応じて変化させる場合、定常方向の限界を定義する。このように、ドライバのステアリングの操舵操作と連動してロボット100の回転角度を変える(首を動かす)ことにより、ドライバとロボット100とは、同じ方向を向くため、一体感(パートナー感)を感じることができる。
【0116】
提示情報に右又は左といった方向情報が含まれている場合、動作命令に、ロボット100の正面側fが方向情報に対応する方向を向くように第1軸Gを回転軸としてロボット100を回転させる命令を含ませることができる。方向情報に対応する方向にロボット100の正面側fを向けることにより、提示情報が示す方向をドライバに直感的に知らせることができる。
【0117】
次に、回転角度は、ロボット100の位置とドライバとの位置関係に基づいて決定することができる。本実施形態では、回転角度決定部222が、ロボット100の位置と、ドライバシート(図中SHで示す)、ヘッドレスト(図中HRで示す)、又は実際に検出された乗員の顔若しくは頭部の位置との位置関係に基づいて、予告動作におけるロボット100の回転角度を決定する。
【0118】
これにより、ロボット100の正面側fがヘッドレストの頭部支持面側を向くため、予告動作の際に、ロボット100が乗員の頭部又は顔を見るという状況を実現することができる。
【0119】
動作命令部223は、予告動作として、ロボット100の駆動部120にロボット100の正面側fが車両に搭乗する乗員の方に向くようにロボット100を回転させる動作を、ロボット100に行わせる。この動作により、ロボット100は、第1軸G廻りに回転し、乗員は自己を見るロボット100を観察することができる。
【0120】
この状態を図12に示す。図12に示すように、予告動作を行うロボット100の正面側f(影を付した部分)は、乗員の方を向いている。
【0121】
動作制御部220は、ロボット100を第1軸G廻りに回転させた後、第1軸Gと略直交する第2軸Hを回転軸として、ロボット100の正面側fが車両に搭乗する乗員の頭部(顔部)を向くように回転させる。
【0122】
この状態を図13及び図14に示す。図13に示すように、ロボット100の正面側fは、破線E1の方向に沿って乗員を見た後、直線E2の方向に沿って乗員を見上げる。
【0123】
また、図14は、図13に示す状態を横から見た図である。図13及び図14に示すように、ロボット100は、回転して乗員を振り返り、さらに、乗員を見上げて、乗員に関係構築を働きかける予告動作を行う。
【0124】
また、情報提示部230は、図9に示すように、提示情報分析部231と、対応動作決定部232と、提示動作命令部233とを有する。
【0125】
提示情報分析部231は、情報取得部210が取得した提示情報の内容を分析する。
【0126】
具体的には、提示情報分析部231は、ナビゲーション装置300、障害物報知装置400、車両コントローラ500、着座検出装置700からロボット100側へ送出された提示情報の内容が、たとえば「右折ガイド」、「左折ガイド」、「右注意」、「左注意」、「右ドア開を禁止」又は「左ドア開を禁止」であると分析する。
【0127】
対応動作決定部232は、予め定義した提示情報の内容と提示動作の動作命令との対応関係を参照して、取得した提示情報に対応する動作命令を決定する。
【0128】
ここで、提示情報の内容と動作命令との対応関係の一例を図18に示す。動作命令には、ロボット100の駆動部120に対する駆動命令と、ロボット100のスピーカ131に対する発話命令と、発光体132に対する発光命令とを含む。
【0129】
動作命令の一例を図19に示す。図19に示すように提示動作の動作命令は、駆動命令(回転量、回転方向及び回転タイミング)、発話命令(発話内容、発話開始タイミング、発話終了タイミング)、発光命令(発光態様、発光タイミング、発光時間)、実行タイミング、及び実行時間を含む。
【0130】
提示動作命令部233は、対応動作決定部231が決定した動作命令をロボット100の制御部110に向けて送出する。
【0131】
ナビゲーション装置300は、現在位置取得部310と、地図情報記憶部320と、経路算出部330と、案内部340とを有する。
【0132】
現在位置取得部310は、GPS機能等を用いて自車両の現在位置を検出する。
【0133】
地図情報記憶部320は、電子地図情報を記憶する。
【0134】
経路算出部330は、自車両の現在位置と電子地図情報とに基づいて、経路計算、経路案内を行う。
【0135】
案内部340は、案内情報を外部に送出する。
【0136】
本実施形態のナビゲーション装置300は、自車両が経路案内を行う案内ポイントに接近すると、提示情報としての経路案内情報をロボット制御装置200側へ送出する。ロボット制御装置200の情報取得部210はこの提示情報を取得する。なお、ナビゲーション装置300の態様は、限定されず、公知のナビゲーション装置を用いることができる。
【0137】
障害物報知装置400は、撮像部410と、障害物判断部420と、報知部430とを有する。
【0138】
撮像部410は、赤外線カメラやCCDカメラなどであり、車両周囲を撮像する。
【0139】
障害物判断部420は、所定の手法により障害物の存在、障害物と車両との相対的位置関係、障害物の接近、障害物の危険度等を判断する。
【0140】
また、障害物判断部420は、後述する着座検出装置700から車両座席の着座状態を取得し、着座状態に応じた障害物を検出することができる。たとえば、ドライバシートの後ろの後部座席に乗員が着座している場合に限り、その右バックドア周辺の障害物を報知することができる。
【0141】
報知部430は、障害物に関する提示情報を外部に送出する。障害物報知装置400の態様は、特に限定されず、この種の公知の障害物報知装置、又は超音波を用いた公知の障害物報知装置を用いることができる。
【0142】
車両コントローラ500は、車両に関する情報を取得する。なお、車両に関する情報は、操舵角情報、速度情報、ブレーキ操作情報、車間距離情報を含む。
【0143】
車両コントローラ500は、車両に関する情報を所定の周期でロボット制御装置200又はナビゲーション装置300、障害物報知装置400、車両コントローラ500、着座検出装置700へ出力する。
【0144】
車両コントローラ500は、運転状態を評価する運転評価部510をさらに備えてもよい。運転評価部510は、操舵角の変化、速度変化、ブレーキ操作のタイミング、車間距離等から運転状態を評価し、評価結果を提示情報としてロボット制御装置200側へ送出する。ロボット制御装置200の情報取得部210はこれらの提示情報を取得する。
【0145】
ドライバ位置検出装置600は、シート位置検出部610、赤外線画像撮像部620、カメラ630、ドライバ位置算出部640を有する。
【0146】
シート位置検出部610は、ドライバシートの位置、ヘッドレストの位置を検出する。
【0147】
赤外線画像撮像部620は、例えば赤外線カメラであり、ドライバの視界を遮らないように車両内に設置され、乗員などを撮像する。
【0148】
カメラ630は、例えばCCDカメラなどであり、ドライバの視界を遮らないように車両内に設置され、乗員などを撮像する。
【0149】
ドライバ位置算出部640は、シート位置検出部610及び赤外線画像撮像部620、カメラ630から取得する画像情報に基づいて、着座しているドライバの頭部位置を算出する。なお、ドライバの頭部位置は、予めユーザIDとともにドライバ位置検出装置600に記憶させておくことができる。予め定めたユーザIDとシート位置は、ユーザIDの入力に呼応してドライバ位置検出装置600から送出され、回転角度決定部222が取得する。これにより、車種、ドライバ個人ごとのシート位置設定に応じて、ロボット100の振り向き角度(予告動作の回転角度)を設定することができ、ロボット100をドライバの方向に振り返らせることができる。
【0150】
着座検出装置700は、車両の座席(ドライバ席、助手席、後部座席)の着座の有無を検出する。着座の有無を検出する方法は、特に限定されないが、本実施形態では圧力センサを用いる。
【0151】
着座検出装置700は、着座情報を所定の周期でロボット制御装置200又は他の車載装置へ送出する。取得された車両情報と車載装置側が出力する提示情報との対応関係の一例は、上掲の表1に示す。
【0152】
[動作命令生成処理]
図20は本実施形態の情報提示システム1000で行われる動作命令生成処理を説明するためのフローチャート図、図21(A)〜(D)は、図20の処理に対応するロボット100の動作を説明する図である。
【0153】
図20に示すように、ステップ100−101において、ロボット100の制御部110は、情報提示システム1000が起動(イグニションON)されるとともに、駆動部120を制御し、ロボット100を定常方向に向かせる。
【0154】
ロボット100は、図21(A)に示すように車両進行方向の前方側、すなわちドライバと同じ方向を向く。起動時において定常方向を向かせる動作の制御は、ロボット100の制御部110が行うようにしたが、車両側のロボット制御装置200が行うようにすることができる。
【0155】
ステップ102において、情報取得部210は、ナビゲーション装置300、障害物報知装置400、車両コントローラ500、着座検出装置700から提示情報又は提示情報が発生した旨の情報を取得し、情報を取得した旨を制御部220へ出力する。提示情報が発生しない場合は、ステップ112へ進み、イグニッションOFF後、又はイグニッションOFF後所定時間が経過したら処理を終了する。
【0156】
ステップ103において、回転角度決定部222は、ドライバ位置検出装置600からドライバの顔(頭)の位置、ドライバシートの位置、又はヘッドレストの位置を取得する。
【0157】
ステップ104において、回転角度決定部222は、予告動作におけるロボット100の回転角度を決定する。動作命令部223が、決定した回転角度に基づいて、ロボット100の制御部110へ第1軸G及び/又は第2軸Hを回転軸として回転させる動作命令を送出する。
【0158】
回転角度決定部222は、取得したドライバの位置情報に基づいて、ロボット100の正面側fがドライバの方を向くように、第1軸Gを回転軸とした回転角度と、必要に応じて第2軸Hを回転軸とした回転角度を決定する。なお、回転角度が予め決定されている場合には、その値を読み込んでも良い。
【0159】
ステップ105において、制御部110は、ロボット100を所定の回転角度だけ回転させるように駆動部120を制御する。このとき、図21(B)に示すように、ロボット100は乗員を振り返る予告動作を行う。
【0160】
ステップ106において、提示情報分析部231は、取得した提示情報の内容を分析する。
【0161】
ステップ107から108において、対応動作決定部232は、提示情報の内容と動作命令との対応関係を参照し、動作命令を決定・作成する。
【0162】
ステップ109から110において、対応動作決定部232は、動作命令が方向指示を含むものである場合、ロボット100の正面側fを指示方向に向かせる命令を含む動作命令を作成する。
【0163】
ステップ111において、提示動作命令部233は、作成した動作命令をロボット100に向けて送出する。提示動作が完了したら、101に戻り、ロボット100の正面側を定常方向へ向ける。
【0164】
本処理において、ロボット100の予告動作(105)の実行処理の後に、提示動作の動作命令の生成・送出処理(106〜111)を行っているが、予告動作(105)の後に提示動作を行うのであれば、この提示動作の動作命令の生成・送出処理(106〜111)を予告動作105の実行処理と同時、またはその前に行うことができる。
【0165】
次に、ステップ100からステップ111までの処理を経て生成された提示動作の動作命令に基づくロボット100の動作例を図22〜図24及び図21に基づいて説明する。
【0166】
図22は、「右折ガイド」の情報提示処理を説明するためのフローチャート図、図23は、「右注意」の情報提示処理を説明するためのフローチャート図、図24は、「右ドア開を禁止」の情報提示処理を説明するためのフローチャート図である。
【0167】
[右折ガイド提示処理]
図22に示すように、制御部110が提示動作命令部233から出力された動作命令を受けることで制御フローが開始(ステップ1100)される。
【0168】
ステップ1101において、制御部110は、スピーカ131から提示動作命令部233から出力された命令に基づく音声、ここでは「次の角を」を音声出力させる。
【0169】
ステップ1102において、制御部110は、音声出力が終了したか否かを判断する。
【0170】
ステップ1103において、駆動部120は、提示動作命令部233から出力された命令に基づく制御部110からの指令に基づいてロボット100を回転させる。ここでは、回転角度は+45°である。図21(C)に示すように、ロボット100は指示された方向(+45°)を向く動作を行う。
【0171】
ステップ1104において、制御部110は、ロボット100の回転動作が終了したか否かを判断する。
【0172】
ステップ1105において、制御部110は、ロボット100の回転動作が終了したと判断されたとき、発光体132を発光させる。
【0173】
ステップ1106において、制御部110は、所定時間にわたり発光体を発光させたか否かを判断する。
【0174】
ステップ1107において、、制御部110は、発光体132による所定時間の発光が終了したと判断し、スピーカ131から提示動作命令部233から出力された命令に基づく音声、ここでは「右折してください」を音声出力させる。スピーカ131からの音声出力が終了したら、図20に示されるステップ101へ戻り、図21(D)に示すように、ロボット100を定常方向に向かせる。
【0175】
[右注意情報提示処理]
図23に示すように、制御部110が提示動作命令部233から出力された動作命令を受けることで制御フローが開始される。
【0176】
ステップ1201において、駆動部120は、提示動作命令部233から出力された命令に基づく制御部110からの指令に基づいてロボット100を回転させる。ここでは、回転角度は+45°である。図21(C)に示すように、ロボット100は指示された方向(+45°)を向く動作を行う。
【0177】
ステップ1202において、制御部110はロボット100の回転動作が終了したか否かを判断する。
【0178】
ステップ1203において、制御部110はロボット100の回転動作が終了した後、発光体132の点滅発光を開始するとともに、スピーカ131に提示動作命令部233から出力された命令に基づく音声、ここでは「何かくるよ」を音声出力させる。
【0179】
ステップ1204において、制御部110は、点滅発光及び音声出力が終了したか否かを判断し、終了したときは図20の101へ戻り、図21(D)に示すように、ロボット100を定常方向に向かせる。
【0180】
[右ドア開を禁止情報提示処理]
図24に示すように、制御部110が提示動作命令部233から出力された動作命令を受けることで制御フローが開始される。
【0181】
ステップ1301において、駆動部120は、提示動作命令部233から出力された命令に基づく制御部110からの指令に基づいてロボット100を回転させる。ここでは、回転角度は+45°である。図21(C)に示すように、ロボット100は指示された方向(+45°)を向く動作を行う。
【0182】
ステップ1302において、制御部110はロボット100の回転動作が終了したか否かを判断する。
【0183】
ステップ1303において、制御部110はロボット100の回転動作が終了した後、発光体132の点滅発光を開始するとともに、スピーカ131に提示動作命令部233から出力された命令に基づく音声、ここでは「こっちは開けないで、ぶつかっちゃうよ」を音声出力させる。
【0184】
ステップ1304において、制御部110は点滅発光及び音声出力が終了したか否かを判断し、終了したときは図20の101へ戻り、図21(D)に示すように、ロボット100を定常方向に向かせる。
【0185】
本実施形態の情報提示システム100は、情報提示に先立ち、立体物としてのロボット100が、その正面側fを乗員の正面側を向くように回転する予告動作を行うので、予告動作によって、乗員がその後に情報が提示されることを知ることができ、提示される情報を最初から認知する準備ができるため、提示された情報のうち、初期に提示された情報であっても認知することができる。また、このような予告動作により、乗員とロボット100は、情報提示に先立ち、連絡を取り合い、パートナー関係を作ることができるので、提示情報に対する乗員の注意を惹きつけることができる。
【0186】
情報提示部230は、ロボット100に情報提示動作を行わせた後、ロボット100に定常方向を向かせるため、次の提示情報発生に伴う予告動作時におけるロボット100の回転量を大きくすることができる。これにより、乗員はロボット100が振り返ったこと認識することができる。
【0187】
なお、上記実施例で示した構成以外に、例えば、ロボット100に設けた目部材e1,e2の中心部分に目玉部材e10及びe20を設けても良い。目玉部材e10及びe20は、ロボット制御装置200からの動作命令に基づいて左右移動、上下移動、回転移動を行わせる目玉駆動機構(図示しない)を備える。なお、目玉駆動機構の具体的構成は特に限定されず、公知の手段を用いることができる。
【0188】
このように、ロボット100に設けた目部材e1,e2の中心部分に目玉部材e10及びe20を設けたので、ロボット100の動作を人や動物の瞬きに似せることができるので、さらに乗員が親近感を持つことができる。
【0189】
また、目部材e1,e2には、往復運動により目e1,e2を開閉する瞼部材M1,M2を設けても良い。瞼部材M1,M2はロボット制御装置200からの動作命令に基づいて往復運動を行わせる瞼駆動機構を備える。なお、瞼駆動機構の具体的構成は特に限定されず、公知の手段を用いることができる。
【0190】
このように、ロボット100に設けられた目部材e1,e2に、目玉部材e10,e20や瞼部材M1,M2を設けることにより、さらにロボット100を擬人化又は擬動物化することができるので、ロボット100に対する親近感をさらに向上させることができる。
【0191】
また、本実施形態の動作命令部223は、ロボット100を回転させた後、目玉駆動機構により、ロボット100の目玉部材e10,e20を上下、左右又は回転動作をさせることができる。
【0192】
さらに、本実施形態の動作命令部223は、ロボット100を回転させた後、瞼駆動機構により、瞼部材M1,M2を往復運動させることができる。
【0193】
これにより、回転動作後にこれらの動作を予告動作として行うことにより、乗員の注意を惹き、ロボット100と乗員との関係を構築することができる。
【0194】
また、動作命令部223は、ロボット100を回転させた後、ロボット100の発光体132を発光させることができる。
【0195】
これにより、回転動作後に発光動作を予告動作として行うことにより、乗員にロボット100の存在をアピールし、乗員の注意を惹くことができる。
【0196】
また、図13及び図14に示すように、第1軸Gを第1軸G´のように、その延在方向を鉛直方向に対して傾斜させても良い。第1軸G´を鉛直方向に対して傾斜させた場合、第1軸G´廻りに回転させたロボット100は、乗員を振り返りながら見上げる動作を行う。特に、ロボット100の設置位置が乗員の顔又は頭部の位置よりも低い場合(又は高い場合)、ロボット100の正面fを乗員の方(又はドライバの顔若しくは頭部)に向けることができる。図13に示すように、第1軸G´の傾斜角度は、予告動作を行うロボット100の正面側fが、乗員の顔又は頭部の方を向くように設定することができる。ロボット100に目部材e1,e2を設ける場合は、目部材e1,e2の擬似視線が乗員の顔又は頭部、好ましくは乗員の目の位置と交わるように、第1軸G´の傾斜角度αを設定することができる。
【0197】
これにより、情報提示に先立ち、ロボット100が乗員を振り返る又は乗員を振り返ってから見上げることにより、情報を提示する旨を知らせて乗員の注意を喚起し、提示情報の認識率を向上させることができる。
【0198】
また、回転角度決定部222は、ロボット100の設置位置とドライバが着座するドライバシートの位置との位置関係に基づいて、予告動作におけるロボット100の回転角度を決定してもよい。この場合、予告動作におけるロボット100の回転角度は、ロボット100の正面側fが回転開始の方向(車両の進行方向など予め定義した定常方向)からドライバシートの着座面の方を向く位置までの角度とする。ロボット100の正面側fが車両のドライバシートの着座面の方を向くため、予告動作の際に、ロボット100がドライバを見るという状況を実現することができる。
【0199】
また、回転角度決定部222は、ロボット100の設置位置とドライバが使用するヘッドレストの位置との位置関係に基づいて、予告動作におけるロボット100の回転角度を決定してもよい。この場合、予告動作におけるロボット100の回転角度は、ロボット100の正面側fが回転開始の方向(車両の進行方向など予め定義した定常方向)からヘッドレストの頭部支持面の方を向く位置までの角度とする。
【0200】
具体的には、図15に示すように、ロボット100の中心とヘッドレストの頭部支持面の中心とを結んだ方向(およびその方向を基準とした所定角度以内の方向)を、予告動作におけるロボット100の回転角度とする。図15に示す車両の例では、車両の直進方向を基準(0°)とすると、ロボット100の回転角度は+135°(±α°,αは予め定めた所定の値)となる。なお、ドライバの頭の存在を考慮して、基準となるヘッドレストの頭部支持面の中心位置を、車両進行方向側に所定距離だけずらすことがきる。
【0201】
これにより、ロボット100の正面側fがヘッドレストの頭部支持面側を向くため、予告動作の際に、ロボット100がドライバの頭部又は顔を見るという状況を実現することができる。
【0202】
また、回転角度決定部222は、ドライバ位置検出装置600により検出されたドライバの顔又は頭の位置とロボット100の設置位置との位置関係に基づいて、予告動作におけるロボット100の回転角度を決定することができる。ドライバの顔の位置又は頭の位置は、赤外画像撮像部620又はカメラ630が撮影したドライバシートを含む周辺領域の画像情報に基づいて、ドライバ位置算出部が算出する。ロボット100の回転角度は、ロボット100の正面側fが、回転開始の方向(車両の進行方向など予め定義した定常方向)から検出されたドライバの頭又は顔の方を向く位置までの角度とする。
【0203】
これにより、ロボット100の正面側fが実際に検出されたドライバの顔又は頭の位置を向くため、予告動作において、ロボット100がドライバの頭部又は顔を見るという状況を実現することができる。また、同じ車両を共用する場合であっても、個々のドライバに応じて、ロボット100の振り向き角度(予告動作の回転角度)を設定することができる。
【0204】
また、回転角度決定部222は、ロボット100を、第2軸Hを回転軸として回転させる場合、その回転角度を、ロボット100の目e1,e2の位置と、ドライバ位置算出部640により算出されるドライバの目の位置との位置関係に基づいて決定してもよい。たとえば、第2軸H廻りの回転角度は、ロボット100の正面側fの目e1,e2の位置が、第1軸G廻りに回転した方向から検出されたドライバの目の方を向く位置までの角度とする。
【0205】
これにより、ロボット100は乗員(ドライバを含む)を振り返るとともに乗員の目を見つめるような動作を行うことができるので、さらにロボット100に対する乗員の親近感を増加させることができる。
【0206】
また、方向情報に対応する方向にロボット100を向かせた後、発光体132を発光させる命令を動作命令に含ませることができる。方向情報に対応する方向にロボット100の正面側fを向けてから、発光することにより、提示情報が示す方向を乗員に明示することができる。
【0207】
また、方向情報に対応する方向にロボット100を向かせた後、提示情報をスピーカ131から出力させる命令を、動作命令に含ませることができる。方向情報に対応する方向にロボット100の正面側fを向けてから、発話を行うことにより、提示情報が示す方向を認識させた上で、案内又は警告等の情報を伝えることができるため、情報を伝達することができる。
【0208】
《第3実施形態》
第3実施形態の情報提示システム1300は、第2実施形態と比べて動作制御部220がドライバ応答取得部224を備える点を特徴とする。重複した説明を避けるため、ここでは本実施形態の特徴点を中心に説明を行う。
【0209】
図25は、第3実施形態の情報提示システム1300に係るブロック構成を示す図である。
【0210】
第3実施形態の情報提示システム1300は、第2の実施形態の情報システム1000における動作制御部220がドライバ応答取得部224を有する点、並びに車両コントローラ500が運転評価部510を有する点で異なる。以下、ドライバ応答取得部224並びに運転評価部510について説明する。
【0211】
ドライバ応答取得部224は、情報取得部210が取得した提示情報が所定の注意情報である場合に、ドライバへ応答を促す提示を行い、ドライバからの応答入力を待機する。
【0212】
ドライバからの応答は、発話による応答、所定のスイッチを操作することによる応答、ロボット100に触れることによる応答などがあるため、応答取得部224は予め、少なくとも一つ以上の触覚センサ(図示しない)又は集音マイク(図示しない)などが設けられている。ドライバからの応答を検知できるものであれば、これらに特に限定されない。
【0213】
運転評価部510は、ナビゲーション装置300、障害物報知装置400、車両コントローラ500、着座検出装置700から取得した車両情報に基づいて、予め定義されている「運転評価に関する提示情報」を選択し、情報取得部210へ出力する。情報取得部210は、所定の注意情報を取得した場合、ドライバ応答取得部224にその旨を出力する。
【0214】
ここで、「運転評価に関する提示情報」のについて説明すると、例えば発進して10秒後の速度が20km/h以上である場合、燃費の悪化を招来する運転であると評価し、「エコ運転を心がける」旨の情報を提示する。
【0215】
次に、本実施形態の動作処理について、図27を参照して説明する。
【0216】
[動作処理]
図27は本実施形態の情報提示システム1000で行われる動作命令生成処理を説明するためのフローチャートであり、具体的には「環境を重視した運転ではない」という注意情報(提示情報)を提示する処理を示す。
【0217】
なお、図27に示されるフローチャートは、図20に示されるフローチャートの105の予告動作の後に続く処理であり、制御部110がロボット100を所定の回転角度だけ回転させるように駆動部120を制御し、図21(B)に示すように、ロボット100はドライバを振り返る予告動作を行ったのち、制御フローが開始される。
【0218】
ステップ2101において、ドライバ応答取得部224は、ロボット100による予告動作が行われた後、ドライバからの応答入力を待機する。ドライバからの応答が所定時間経過するまで無いときは、図20に示されるフローチャートのステップ101へ戻る。
【0219】
ステップ2102において、ドライバ応答取得部224は、所定時間経過するまでにドライバからの応答があった旨を情報提示部230に通知する。そして、情報提示部230は、図26に例示するような提示情報と動作命令との対応情報を参照して注意情報に対応する提示動作を選択する。提示動作命令部233は、選択された提示動作がロボット100によって行われるように、動作命令を制御部100へ出力する。
【0220】
ステップ2103において、制御部110は、ロボット100を所定の回転角度だけ回転させるように駆動部120を制御する。このとき、図21(B)に示すように、ロボット100はドライバを振り返る予告動作を行う。そして、制御部110は、スピーカ131から、「ちょっとアクセル踏みすぎだよ」という内容の音声情報を出力させる。
【0221】
ステップ2104において、制御部110は、ドライバに注意を促す発話(提示動作)が完了したか否かを判断し、完了した場合は、(2104)、図20に示されるフローチャートのステップ101へ戻る。
【0222】
本実施形態の情報提示システム1300は、第1実施形態と同様に、情報提示に先立ち、表示体の一例としてのロボット100が、その正面側fをドライバの正面側を向くように回転する予告動作を行うので、乗員が予告動作が行われた後に情報が提示されることを知ることができ、提示される情報を最初から認知する準備ができるため、提示された情報のうち、初期に提示された情報であっても認知することができる。
【0223】
また、このような予告動作により、乗員とロボット100は、情報提示に先立ち、連絡を取り合い、パートナー関係を作ることができるので、提示情報に対する乗員の注意を惹きつけることができる。
【0224】
また、本実施形態によれば、ロボット100が予告動作を行い、ドライバからの応答を確認してから情報提示を行うので、ドライバに対して積極的に提示しにくい注意情報をドライバが受け容れ易いように提示することができる。
【0225】
また、予告動作によりパートナー感(一体感)をドライバに与えた状態で、ドライバの意思に基づいて注意情報を提示するので、ドライバは反発することなく注意を受け容れることができる。
【0226】
なお、上記実施例で示した構成以外に、例えば、本実施形態の動作命令は回転命令を含む。動作命令部223は、ドライバからの応答があった場合、その旨を情報提示部230に通知するとともにロボット100を回転させる他の予告動作(第2の予告動作)を行わせても良い。
【0227】
これにより、最初に行う予告動作とは別に、注意情報を提示する直前にロボット100を回転させる他の予告動作(第2の予告動作)を行うことにより、注意情報への関心を惹きつけることができる。
【0228】
《第4実施形態》
第4実施形態の情報提示システム1400は、第2実施形態と比べて動作制御部220が観察動作命令部226を備える点を特徴とする。重複した説明をさけるために特徴店を中心に説明を行う。
【0229】
図29は、第4実施形態の情報システム1400に掛かるブロック構成を示す図である。
【0230】
第4実施形態の情報システム1400は、第2実施形態の動作制御部220が観察動作命令部226を有する点で異なる。
【0231】
観察動作命令部226は、情報を提示する旨を知らせる予告動作を行う前のロボット100に予告動作と異なる動作である、車両の周囲を観察する動作を行わせる命令を動作命令部223へ出力する。
【0232】
ここで、車両の周囲を観察する動作は、予め定義することができ、ロボット100が車両の周囲を見回すようにロボット100をG軸廻りにその正面の向きを変化させる動作、ロボット100をG軸廻りに所定角度の範囲で左右に回転させる動作、ロボット100の腕部材H1、角部材TK1などの向きを左右に移動させる動作等とすることができる。
【0233】
また、観察動作命令部226は、ロボット100が車両の周囲を観察する動作として、ロボット100に、その正面側が、情報の検出された領域の方を向く動作を実行させてもよい。この情報が検出された領域の方向は、障害物検知装置400から情報取得部210を介して取得する。
【0234】
図30は、本実施形態の情報提示システム1400の制御手順を示すフローチャート図である。図30に示す制御手順は、第2実施形態で説明した図20に示す制御手順と共通し、ステップ101とステップ102の間に、ロボット100による観察動作制御が追加される。
【0235】
ステップ1011において、観察動作命令部226は、ステップ101でロボット100を定常方向に向かせた後、障害物検知装置400、ナビゲーション装置300が処理を開始した旨の信号を取得する。
【0236】
ステップ1012において、観察動作命令部226は、障害物検知装置400、ナビゲーション装置300が処理を開始した旨の信号を取得すると、動作命令部223を介して、ロボット100に車両の周囲を観察する動作を実行させる。そして、ステップ102で情報を取得すると、ロボット100に周囲を観察する動作を中止させ、ステップ103以降の処理を行う。ステップ103以降の処理は、図20に基づいて説明した第2実施形態における処理と同じである。
【0237】
このように、情報を提示する旨を知らせる予告動作の前に、この予告動作とは異なる動作、すなわち周囲を観察する動作をロボット100に行わせることにより、情報を提示する旨をロボット100の動作の変化を正確に伝えることができる。つまり、ドライバは、ロボット100が周囲を観察する動作をしている間は情報が提示されず、ロボット100が周囲を観察する動作を中止して、情報を提示する旨を知らせる予告動作をしたときに、何か情報が提示されることを認識することができる。
【0238】
《第5実施形態》
第5実施形態の情報提示システム1500は、情報を、自車両に対する影響が大きい第1の情報とそれ以外の第2の情報に分類し、情報が第1の情報である場合は、ロボット100に情報を提示する旨の動作をさせ、その後に情報の提示動作をさせる点を特徴とする。
【0239】
第1の情報は、障害物報知装置400が報知の対象とする注意情報を含む。注意情報は、障害物の存在、障害物の存在の可能性、運転者の車両の制御(運転)に関する注意など、車両の走行に関する注意を含む。
【0240】
図31に、第5実施形態の情報提示システム1500のブロック構成を示す。
【0241】
図31に示すように、第5実施形態のロボット制御装置200は、先に説明した第2実施形態の情報提示システム1000に対して、さらに情報分類部250を備える。
【0242】
ここでは重複した説明は省略し、第1実施形態〜第4実施形態の情報提示システムに関する記載を援用する。
【0243】
情報取得部210は、車両側にて検出された自車両に関する車両情報と、車両側にて検出された報知対象物に関する報知情報を含む情報を、ナビゲーション装置300、障害物報知装置400が備える各種センサ装置4100、車両コントローラ500から取得する。
【0244】
車両側にて検出された自車両に関する車両情報は、特に限定されず、ナビゲーション装置300が出力する経路案内情報を含む。
【0245】
ナビゲーション装置300は、現在位置取得部310と、地図情報記憶部320と、経路算出部330と、案内部340とを有する。
【0246】
現在位置取得部310はGPS機能等を用いて自車両の現在位置を検出する。
【0247】
地図情報記憶部320は電子地図情報を記憶する。
【0248】
経路算出部330は、自車両の現在位置と電子地図情報とに基づいて、経路計算、経路案内を行う。
【0249】
案内部340は、案内情報を外部に出力する。
【0250】
ナビゲーション装置300は、自車両が経路案内を行う案内ポイントに接近すると、報知情報としての経路案内情報をロボット制御装置200側へ出力する。
【0251】
障害物報知装置400は、同図に示すように、CCDカメラ等の撮像部を備えた画像センサ装置410と、赤外線カメラを備えた赤外線センサ装置420と、超音波を送受信する超音波センサ430と、ミリ波を送受信するミリ波センサ440とを有する。
【0252】
各種センサ装置4100は、この他にも、通常用いられる報知対象物検出のためのセンサを備えることができる。各種センサ装置4100は、車両周囲を撮像した画像、車両周囲に送出した超音波又はミリ波に基づいて、公知の手法により、障害物の存在、障害物と自車両との距離、障害物の静動、障害物の速度、障害物と自車両との相対位置、障害物と自車両との相対速度、障害物の種別(障害物が歩行者である、障害物が二輪車である、障害物が車両である、障害物が静止物である)といった報知情報を検出する。そして、各種センサ装置4100は、検出した報知情報を、ロボット制御装置200の情報取得部210へ向けて送出する。
【0253】
車両コントローラ500は、車両側にて検出された自車両に関する車両情報を取得する。
【0254】
この車両情報は、車両の操作情報、車両の状態情報その他の車両情報を含む。
【0255】
車両の操作情報は、操舵角情報、速度情報、ブレーキ操作情報、ギア操作情報、ワイパ操作情報、ライト操作情報、フォグランプ操作情報、リアデフォッガー操作情報その他の自車両の操作に関する情報を含む。車両の状態情報は、車速情報、加速度情報、明度センサ情報、雨滴センサ情報その他の自車両の状態に関する情報を含む。
【0256】
情報取得部210は、取得した車両情報と報知対象物に関する報知情報を、必要に応じて、後述する情報分類部250、動作制御部220に送出する。
【0257】
情報分類部250は、走行場面判断部251と、分類部252とを有する。
【0258】
走行場面判断部251は、情報取得部210が取得した車両情報に基づいて、自車両の走行場面を推定し、推定された走行場面が予め記憶されている所定の走行場面にあるか否かを判断する。
【0259】
まず、走行場面判断部251は、予め定義された「車両情報と走行場面との対応関係」を参照し、取得した「車両情報」に対応する車両の走行場面を推測する。「車両情報と走行場面との対応関係」の具体的な一例を図32に示す。
【0260】
たとえば、タイミングt1においてナビゲーション装置300から現在位置情報「交差点10m前」を取得した場合、自車両は交差点に差し掛かったと推測できる。
【0261】
次に、t1の後のタイミングt2においてナビゲーション装置300から現在位置情報「交差点通過」を取得した場合、自車両は交差点を通過したと推測できる。
【0262】
これらの情報により、走行場面判断部251は、t1からt2までの間、自車両は走行場面「交差点」に存在すると判断できる。このt1からt2までの間に検出された車両情報及び報知情報が後述する情報分類処理の対象となる。
【0263】
そして、走行場面判断部251は、推測した走行場面(ここでは、交差点通過)が、情報を提示すべき場面として予め定義された「所定の走行場面」であるか否かを判断する。
【0264】
ここで、所定の走行場面は、予め任意に定義することができる。具体的には、「交差点通過」の場面、「右左折」の場面、「車線変更」の場面、「発進」の場面、「駐車」の場面などの運転に関するサポート情報が必要と考えられる場面を「所定の走行場面」として定義することができる。
【0265】
分類部252は、情報取得部210により取得された報知情報を、自車両に対する影響が大きいと判断される「第1の情報」と、第1の情報以外の「第2の情報」とに報知情報を分類する。また、分類部252は情報取得部210を介し、所定の走行場面にて検出された報知情報の内容とその確度を取得する。
【0266】
図33に、走行場面が「交差点」、「車線変更(右)」、「車線変更(左)」又は「発進」の際に検出された報知情報の内容とその報知情報の確度の例を示す。分類部252が取得した報知情報の確度の高低は、予め設定された報知情報の信頼性が確保できる閾値を基準とした相対的な評価である。つまり、報知情報の確度が所定の信頼度を示す閾値よりも高ければ「高」と評価し、その閾値よりも低ければ「低」と評価する。
【0267】
報知情報の確度は、報知情報の詳細度の観点から定義することができ、また報知情報の正確度の観点から定義することができる。
【0268】
具体的に、報知情報の詳細度の観点から定義する場合、報知対象物に関して検出された情報が詳しいほど確度が高いと定義できる。たとえば、「人間が進行方向10m以内に存在する」という報知情報の確度は、「何かしら(人か物か判らない)報知対象物がある」という報知情報の確度に比べて、相対的に確度が高いと定義することができる。
【0269】
また、報知情報の正確度の観点から定義する場合、報知対象物に関して検出された情報が確からしいほど、報知情報の確度が高いと定義できる。
【0270】
たとえば、「基準パターンとのマッチング率がQ%(閾値R<Q)」という報知情報の確度は、「基準パターンとのマッチング率がP%(閾値R>P)」という報知情報の確度に比べて、相対的に精度が高いと定義することができる。また、「設けられたセンサ数がK個(閾値L<K)」の各種センサ装置4100により検出された報知情報の確度は、「設けられたセンサ数がM個(閾値L>M)」の各種センサ装置4100により検出された報知情報の確度よりも相対的に精度が高いと定義することができる。
【0271】
分類部252は、情報取得部210を介して、車両コントローラ500から自車両の操作情報、車両の状態情報その他の車両情報を取得する。この車両情報により、自車両がどのような動きをするかを判断することができる。
【0272】
例えば、自車両のブレーキが解除された旨の車両情報によれば、自車両がこれから走行(移動)すると判断することができ、自車両の右ウィンカーが操作された旨の車両情報によれば、自車両がこれから右方向に移動すると判断することができる。
【0273】
さらに、車両情報と報知情報とを対比すれば、報知対象物(歩行者、他車両、静止物)と自車両とが走行場面において接近する関係にあるのか、離隔する関係にあるのか、といった点、すなわち、報知対象物が自車両に与える影響の度合いを判断することができる。
【0274】
報知対象物が検出された走行場面において、自車両が動く場合、自車両が報知対象物に接近する場合、自車両が報知対象物から離隔しない場合、報知対象物が自車両に与える影響は大きいと判断できる。
【0275】
分類部252は、所定の走行場面にて検出された報知情報の内容とその報知情報の確度とに基づいて、取得した報知情報を、走行場面における自車両に対する影響が大きいと判断される第1の情報と、第1の情報以外の第2の情報とに分類する。
【0276】
具体的に、分類部252は、取得された報知情報の内容が予め定義された所定の内容であり、かつ報知情報の確度が所定の信頼度を示す閾値以上である場合、報知情報が自車両に与える影響は大きいとして、その報知情報を第1の情報に分類する。
【0277】
報知情報の内容は、報知情報に係る報知対象物が自車両に与える影響が大きいか否かという観点から予め定義しておくことができる。例えば、自車両が存在する走行場面において、「報知対象物が存在する」といった包括的な内容や、「報知対象物の位置が所定距離以内」、「報知対象物に接近中」、「後続車両が接近」、「歩行者検出」といった具体的な内容の報知情報を、自車両に与える影響が大きい報知情報として定義することができる。
【0278】
また、「報知情報の内容」は走行場面ごとに定義することができる。これにより、具体的な走行場面にて検出された報知情報が、その走行場面において自車両に影響を与える情報であるのか否かを判断することができる。
【0279】
また、分類部252は、報知情報の確度が所定の信頼度を示す閾値未満であれば、報知情報の内容が予め定義した所定の内容であっても、その報知情報に係る報知対象物が自車両に与える影響は高くないと判断し、その報知情報を第1の情報ではなく、第2の情報に分類する。
【0280】
さらに、分類部252は、「報知情報と車両情報との組み合わせと、自車両に与える影響度評価との対応関係」に基づいて、報知情報が自車両に与える影響を判断することができる。
【0281】
具体的に、分類部252は、報知情報の内容と車両情報の内容との組み合わせが、自車両に対する影響が大きいと予め定義された組み合わせである場合、その報知情報が自車両に与える影響が大きいと判断する。
【0282】
図34に、「報知情報と車両情報との組み合わせと、自車両に与える影響度評価との対応関係」の一例を示した。交差点において、「右接近物あり」の報知情報と、車速0Km/hの車両情報を取得した場合、自車両は静止しており報知対象物が自車両に与える影響は小さいと考えられる。このため、図34に示すように、この報知情報と車両情報との組み合わせには影響度「小」を対応づける。他方、交差点において、「右接近物あり」の報知情報と、車速が0Km/h以外の車両情報を取得した場合、自車両は走行中であり報知対象物が自車両に与える影響は大きいと考えられる。このため、図34に示すように、この報知情報と車両情報との組み合わせには影響度「大」を対応づける。
【0283】
なお、図34に示した組み合わせは限定されず、報知対象物ありの報知情報に対して自車両の非停止を示す車両情報(ブレーキ解除)、報知対象物ありの報知情報に対して自車両の接近を示す車両情報(操舵角操作)、移動対象物ありの報知情報に対して相対速度アップを示す車両情報(加速度0km>0)など、適宜定義することができる。
【0284】
たとえば、図35に示すように、報知情報の内容が予め定義された所定の内容(「右接近物あり」等)であり、報知情報の確度が所定の信頼度以上であり(確度「高」)であり、車両情報に基づいて影響が大きいと判断された(影響「大」)である場合、その報知情報を自車両に与える影響が大きいと判断される「第1の情報」に分類する。
【0285】
また、分類部252は、第1の情報に分類された報知情報以外の報知情報を、第2の情報に分類する。この第2の情報は、(1)その内容が予め定義された所定の内容以外の報知情報、例えば「報知対象物(右接近物)なし」等の報知する必要性の比較的低い情報、(2)その確度が所定の信頼度未満である報知情報、例えば、確度が「低」または「検知不可」といった情報、及び(3)車両情報に基づいて影響が小さいと判断された報知情報、例えば、自車両に対する影響度が「小」と評価された情報を含む。
【0286】
また、乗員に正確な情報を提示する観点から、報知情報の確度を重視し、報知情報の確度が所定の信頼度を示す閾値未満である場合は、報知情報の内容が予め定義した所定の内容であり、自車両への影響が大きい場合であっても、その報知情報を第1の情報ではなく、第2の情報に分類することができる。
【0287】
このように、第1の情報は報知対象物の自車両への影響が大きい情報であるから、乗員に正確に認識させるべき情報である。他方、第2の情報は、自車両への影響が第1の情報に比して相対的に低く、乗員の認識が正確でなくても許容できる情報である。本実施形態では、各報知情報が自車両に与える影響を考慮し、これら報知情報を2つに分類することができるため、各報知情報の特性に応じた手法で情報を提示することができる。
【0288】
次に動作制御部220について説明する。動作制御部220は、情報提示トリガ取得部221と、動作命令部223を有する。
【0289】
動作命令部223は、分類部252により報知する情報が第1の情報に分類された場合は、情報を提示する前に、ロボット100に車両の乗員に向けて情報を提示する旨を知らせる予告動作を行わせる。予告動作は、特に限定されず、第1実施形態において説明したように、ロボット100を回転させる動作、腕部H1、角部材TK1、尾部材を動かす動作などでもよいし、第2実施形態において説明したように、ロボット100の正面を乗員の方へ向かせる動作、ロボット100の擬似視線を乗員の方へ向かせる動作など、特に限定されない。また、これらのロボット100の動作に、発光動作、音声出力などの動作を組み合わせてもよい。
【0290】
また、動作命令部223は、ロボット100に予告動作をさせる前に、車両が所定の走行場面を走行する際に、ロボット100に車両の周囲を監視する動作を行わせることができる。
【0291】
車両の周囲を監視する動作は走行場面に応じて予め決定しておくことができる。図36に、各走行場面における車両の周囲を監視する動作の例を示す。図36に示すように、交差点においては、ロボット100に第1軸G廻りの回転動作(進行方向を基準(0°)として+45°から−45°の範囲を往復する回転動作)を車両の周囲を監視する動作とする。この動作をロボット100に実行させた場合、乗員は周囲(注意領域)をキョロキョロと見回すロボット100を観察することができる。図36に示すように、周囲を監視する動作は、所定の走行場面において報知情報の検出領域の方にロボット100の正面側fを向ける動作とすることができる。このロボット100の動作により、走行場面において注意すべき範囲を乗員に示すことができる。
【0292】
また、動作命令部223は、走行場面に応じて周囲を監視する動作を行わせる動作命令を生成し、ロボット100の制御部110に送出する。このセンシング動作は、情報の提示動作に先立って行うことができる。このように、走行場面において周囲を監視する動作を情報の提示前に実行することにより、監視動作で乗員の意識レベルを向上させてから、情報を提示することができる。乗員の意識を報知情報発生前から段階的に向上させることができるため、乗員は報知情報発生時に備えることができる。
【0293】
次に情報提示部230について説明する。
【0294】
情報提示部230は、判断部234、情報提示分析部231、対応動作決定部232、提示動作命令部233を有する。
【0295】
判断部234は、分類部252により情報が第1の情報と分類された場合は、ロボット100が情報を提示する旨を通知する動作をした後に、ロボット100に情報の提示動作を行わせる。他方、判断部234は、分類部252により情報が第2の情報と分類された場合は、ロボット100が情報を提示する旨を通知する動作が実行されるのを待つことなく、ロボット100に情報の提示動作を行わせる。
【0296】
情報提示部230の提示情報分析部231、対応動作決定部232、及び提示動作命令部233の機能及び動作は、第2実施形態における提示情報分析部231、対応動作決定部232、及び提示動作命令部233の機能及び動作と共通する。
【0297】
次に、提示動作の動作命令に含めることができる動作の内容について説明する。
【0298】
本実施形態における提示動作の内容は特に限定されないが、報知情報に方向情報が含まれている場合、提示動作にロボット100の正面側fが方向情報に対応する方向を向く動作を含めることができる。このロボット100の動作により、乗員(ドライバを含む)に注視させたい指示方向を指し示すことができる。このロボット100の様子を見た乗員は、ロボット100が指し示す方向に何か(報知対象物)があると認識し、その方向に注意を向けることができる。
【0299】
また、ロボット100の正面側fに人の目に似せた目部材e1,e2を設けた場合は、提示動作にロボット100の目部材e1,e2の擬似視線が方向情報に対応する方向を向く動作を含めることができる。これにより、目部材e1,e2の擬似視線の向きで指示方向を指し示すことができ、乗員に注視させたい指示方向を具体的に示すことができる。
【0300】
加えて、前述したように、ロボット100の正面部分に発光体132が設けられている場合は、ロボット100の正面側fが報知情報に含まれる方向情報の方向を向くようにロボット100を駆動させた後、発光体132を発光させることができる。指示方向に向けて発光することにより、指し示す方向を明確に示すことができる。
【0301】
また、前述したように、ロボット100の出力部130がスピーカ131を備える場合、ロボット100の正面側fが報知情報に含まれる方向情報の方向を向くようにロボット100を駆動させた後、報知情報をスピーカ131から出力させることができる。指示方向を指し示した状態で報知情報に対応するテキストを読み上げることにより、注意すべき方向と内容を乗員に伝えることができる。
【0302】
他方、報知情報に方向情報が含まれていない場合は、ロボット100の正面側fが車両の乗員の方を向くようにロボット100を駆動させた後、報知情報をスピーカ131から出力させることができる。報知情報に方向情報が含まれていない場合、ロボット100が所定方向を向いてしまうと、乗員は報知情報がその方向に関するものであると誤解してしまうおそれがある。本実施形態のように、乗員の方を向いて発話することにより、特定の方向を指し示すことなく報知情報を乗員に伝えることができる。
【0303】
次に、図37に基づいて本実施形態の情報提示システム1500の動作を説明する。図37は本実施形態の情報提示システム1500の処理を説明するためのフローチャート図である。図37の処理は、図7に示す第1実施形態の情報提示システム1000の処理と基本的に共通する。
【0304】
ステップ10において、情報提示システム1000が起動(イグニションON)されると、ロボット100の制御部110が、駆動部120を制御し、ロボット100を定常方向に向かせる。
【0305】
ステップ11において、情報取得部210は、ナビゲーション装置300、障害物報知装置400、車両コントローラ500、着座検出装置700から車両情報と報知情報を含む情報を取得すると、その車両情報旨を情報分類部250へ出力する。一方、情報取得部210は、車両情報と報知情報を含む情報を取得できなかったときは、ステップ14へ進み、イグニッションOFF又はイグニッションOFF後所定時間が経過したら処理を終了する。
【0306】
ステップ501においては、走行場面判断部251は、車両情報に基づいて、現在の走行場面を判断する。具体的には、走行場面判断部251は、図32に示すような対応関係を参照して、車両情報に基づいて自車両の走行場面を判断する。
【0307】
ステップ502において、走行場面判断部251は、先に判断した走行場面が、所定の走行場面であるか否かを判断する。所定の走行場面でないときは、ステップ11へ戻り、新たに車両情報と報知情報を取得する。
【0308】
ステップ503において、情報分類部250は、所定の走行場面にて検出された報知情報の内容と報知情報の確度とに基づいて、自車両に対する影響が大きいと判断される第1の情報と、第1の情報以外の第2の情報とに情報を分類する。なお、ステップ503の処理の詳細については後述する。
【0309】
ステップ504において、先のステップ503で分類された情報が、第1の情報であるときは、ステップ12へ進む。他方、ステップ503で分類された情報が、第1の情報でないときは、動作制御部220はステップ12の処理を実行しないので、情報提示部230は、すぐにロボット100に情報の提示動作を実行させるべく、ステップ13へ進める。
【0310】
ステップ12において、動作制御部220は、ロボット100に、乗員に情報を提示する旨を通知する動作を実行させる。
【0311】
ステップ13において、動作制御部220は、ロボット100に、情報(第1の情報)の提示動作を実行させる。
【0312】
ロボット100に実行させる動作の態様は、特に限定されず他の実施形態において開示した動作の何れかの態様とすることができる。
【0313】
次に、図38に基づいて、ステップ503で行われる報知情報の分類処理を説明する。
【0314】
ステップ511において、情報取得部210は報知情報を取得する。
【0315】
ステップ512において、情報取得部210は取得した報知情報の確度を取得する。
【0316】
ステップ513において、情報取得部210は取得した報知情報の確度レベルが所定の信頼度を示す閾値以上であるか否かを判断する。報知情報の確度レベルが所定の信頼度を示す好き位置以上であるときは、ステップ514へ進む。報知情報の確度レベルが所定の信頼度を示す閾値以上でないときは、ステップ515へ進む。
【0317】
ステップ514において、情報取得部210は報知情報の影響度を判断するため、車両情報を取得する。
【0318】
ステップ515において、情報分類部250は車両情報に基づいて、報知情報を「第1の情報」と「第2の情報」とに分類する。具体的に、情報分類部250は、取得された報知情報の内容が予め定義された所定の内容であり、かつ報知情報の確度が所定の信頼度を示す閾値以上であるとともに、報知情報の内容と車両情報の内容との組み合わせが、自車両に対する影響が大きいと予め定義された組み合わせである場合、報知情報の自車両に与える影響は大きいと判断し、その報知情報を第1の情報に分類する。それ以外の報知情報は、自車両に与える影響は小さいと判断し、第2の情報に分類する。
【0319】
情報分類部250は、車両情報を用いることなく、所定の走行場面にて検出された報知情報の内容とその報知情報の確度とに基づいて、自車両に対する影響が大きい「第1の情報」と、第1の情報以外の「第2の情報」とに報知情報を分類することができる。報知情報の分類が完了したら、図37に示すステップ504の処理へ進む。
【0320】
以上のように構成され、動作する本実施形態の情報提示システム1500は、以下の効果を奏する。
【0321】
本実施形態の情報提示システム1500は、ロボット100の動きで報知情報を提示するにあたり、報知情報を、自車両に対する影響が大きいと判断される「第1の情報」と、この第1の情報以外の「第2の情報」とに分類し、自車両に対する影響が高いと判断された第1の情報を提示する場合は、乗員に向けて予告動作をさせた後、ロボット100に情報の提示動作を行わせる。このように、自車両に対する影響が大きい情報については、乗員の注意を喚起してから提示するため、乗員は情報を最初から適切に認識することができる。
【0322】
また、自車両の現在の場面と、報知情報の内容と、報知情報の確度とに基づいて報知情報を第1の情報と第2の情報とに分類するため、自車両に対する影響の大きい第1の情報を定量的な判断に基づいて抽出することができる。
【0323】
さらに、車両が所定の走行場面に存在する場合に車両の周囲を監視する動作を行うことにより、自車両が周囲に注意をするべき走行場面に進入することを乗員に知らせることができるとともに、各走行場面において注意すべき方向乃至範囲を乗員に示すことができる。
【0324】
《第6実施形態》
第6実施形態の情報提示システム1600は、報知情報の確からしさ(確度)が所定の閾値未満である場合、その確度不足の理由を、報知情報に含ませて提示する点を特徴とする。
【0325】
図39は、第6実施形態に係るブロック構成を示す図である。図39に示すように、本実施形態の情報提示部230は、報知情報の確度を分析する確度分析部235を備える。重複した説明を避けるため、ここでは本実施形態の特徴点を中心に説明する。
【0326】
確度分析部235は、情報取得部210が取得した報知情報の確度が所定の信頼度を示す閾値未満である場合は、情報取得部210が取得した報知情報、車両情報等の情報に基づいて、この報知情報の確度が所定の信頼度を示す閾値未満である理由を分析する。
【0327】
図40に、各種センサ装置4100の検知を妨げ、センシング精度低下の原因となる検出障害情報と、検出障害情報から分析された確度低下の理由とを対応づけて示す。確度分析部235は、図40に示す検出障害情報と検出障害理由との対応関係を参照して、情報取得部210を介して取得した車両情報、報知情報その他の情報に基づいて、報知情報の確度が閾値未満である理由を分析する。
【0328】
検出障害情報は各種センサ装置4100の検出原理に応じて異なるため、各種センサ装置4100に検出される情報ごと、検出手法ごとに定義することが好ましい。検出障害理由分析部235は、車両コントローラ500の明度センサが検出した「明度所定値以下」という検出障害情報に基づいて、CCDカメラの撮像データについて「明度不十分」という検出障害理由を分析する。図40には検出障害情報と検出障害理由との対応関係の一例を示したが、センシング精度の理由と原因に相当の因果関係があるものであれば、例示したものに限定されない。
【0329】
情報提示部230は、確度分析部235により分析された理由を含む情報を出力部130のスピーカ131に発話出力させる。この発話出力させる発話テキストは、予め検出障害情報、検出障害理由と対応づけて記憶しておくことが好ましい。図40に、検出障害情報、検出障害理由と対応づけた発話テキストの一例を示す。
【0330】
また、検出障害理由と、その理由を提示するための発話テキストの態様は特に限定されず、出力する情報は検出障害理由テキストと精度レベル通知テキストとを含む。つまり、明度が不十分であるため精度が閾値以下となった場合、「暗くて」という検出障害理由テキストと、「センシングできなかった」という確度レベル通知テキストをロボット100のスピーカ131に発話させる。
【0331】
図41のフローチャートに基づいて、本実施形態の情報提示システム1600動作を説明する。図41に示すステップ10〜504までの処理は、第5実施形態の処理と共通する。報知情報が第1の情報ではない場合(ステップ504でN)に、確度分析部235が機能する。
【0332】
ステップ601において、確度分析部235は、情報取得部210により取得された情報の中から検出障害情報として定義された情報を抽出する(601)。
【0333】
ステップ602において、検出障害情報が抽出された場合、検出障害理由分析部235は、図40に示す対応関係を参照して、報知精度の確度が所定の閾値未満である理由を分析する(602)。
【0334】
ステップ603において、対応動作決定部232は、図40に示す検出障害理由と発話テキストとの対応関係を参照して、ステップ602で分析した検出障害理由に対応する検出障害理由テキストと確度レベル通知のテキストを含む情報提示動作を決定する(603)。
【0335】
ステップ604において、対応動作決定部233は、検出障害理由テキストと確度レベル通知のテキストを含む発話テキストを発話させる命令を含む動作命令を作成する(604)。提示動作の態様は特に限定されず、ロボット100の動作と発話テキストの発話とを含む提示動作であってもよい。
【0336】
ステップ13において、提示動作命令部283は、作成した動作命令をロボット100の制御部に送出し、ロボット100にその動作命令を実行させる(13)。動作命令を受けたロボット100は、報知情報の確度が所定閾値未満である理由、例えば「暗くて」というテキストを発話する。
【0337】
以上のように構成され、動作する本実施形態の情報提示システム1600は、第5実施形態の情報提示システム1500と同様の作用効果を奏する。
【0338】
さらに、本実施形態によれば、各種センサ装置4100が検出した報知情報の確度が所定の信頼度を示す閾値未満である場合、その理由を乗員に通知することができる。これにより、乗員は、センシングの環境を考慮して報知情報を利用することができる。
【0339】
なお、本実施形態の説明では重複した記載を避けるため、第5実施形態と共通する部分は説明を割愛したが、本実施形態に係る情報提示システム1600の説明のために第1〜第5実施形態に関する説明及び図面を援用することができる。
【0340】
本実施形態では、表示体の一態様として、立体物であるロボット100と、制御装置としてのロボット制御装置200とを有する情報提示システムの一例を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、本明細書では、制御装置の一態様として、情報取得手段の一例としての情報取得部210と、動作制御手段の一例としての動作制御部220と、情報提示手段の一例としての情報提示部230と、情報分類手段の一例としての情報分類部250を備えるロボット制御装置200を説明するが、本発明がこの態様に限定されるものではない。さらに、本明細書では、検出障害理由分析機能としての確度分析部235を備える情報提示部230について説明したが、この態様に限定されるものではない。
【0341】
《第7実施形態》
第7実施形態の情報提示システム1700は、第1〜第6実施形態では車両側に搭載されていたロボット制御装置3200を、ロボット3100に搭載した点を特徴とする。図42は、本実施形態のブロック構成を示す図である。本実施形態におけるロボット本体3101の機能は、第1乃至第6実施形態におけるロボット100の機能に対応する。提示情報は車載装置(ナビゲーション装置300、障害物報知装置400の各種センサ装置4100、車両コントローラ500)から取得する。説明の便宜のため、処理の内容が共通するものには、共通する符号を付した。
【0342】
本実施形態の処理の内容は、第1乃至第6実施形態の情報提示システムの処理の内容と基本的に共通し、処理を行う構成が車両側の装置ではなく、ロボット3100側にある点が異なるが、第1乃至第6実施形態の情報提示システムと同様の内容である。
【0343】
図43は、本実施形態の情報提示処理の一例を示すフローチャート図である。処理の内容は、第2実施形態の情報提示処理に対応する。
【0344】
図43に示すように、ステップ3100において、情報提示システム1700が起動(イグニションON)されると、ステップ3101に進む。ステップ3101において、ロボット100の制御部110は、駆動部120を制御し、ロボット100を定常方向に向かせる。
【0345】
ステップ3102において、ロボット3100の情報取得部3210は、車載装置(300,400,500,700)から提示情報又は提示情報が発生した旨の情報を取得すると、その旨をロボット3100の動作制御部3220へ送出する。
【0346】
ステップ3103において、動作制御部3220は、情報を提示する旨を通知する動作をロボット3100に実行させるため、車両側のドライバ位置検出装置600からドライバの顔(頭)の位置、ドライバシートの位置、又はヘッドレストの位置を取得する。
【0347】
続くステップ3104において、予告動作におけるロボット3100の回転角度を決定する。動作制御部3220は、第1軸Gを回転軸とした回転角度と、必要に応じて第2軸Hを回転軸とした回転角度を決定する。回転角度が予め決定されている場合には、その値を読み込む。
【0348】
動作制御部3220は、決定した回転角度で、第1軸G、第2軸Hを回転軸として回転させる命令をロボット3100の制御部110に送出する。
【0349】
ステップ3105において、ロボット3100の制御部110は、駆動部120に、ロボッ3100を所定の回転角度だけ回転させる。ロボット3100はドライバ(乗員)を振り返る動作、つまり、情報を提示する旨を知らせる予告動作を行う。
【0350】
ステップ3106において、情報提示部3230は、取得した提示情報の内容を分析する。
【0351】
ステップ3107において、情報提示部3230は、提示情報の内容と動作命令との対応関係を参照する。
【0352】
ステップ3108において、動作命令を決定・作成する。
【0353】
ステップ3109において、この動作命令が方向指示を含むものであるか否かを判断する。そして、ステップ3110において、動作命令が方向指示を含むものである場合、情報提示部3230は、ロボット3100の正面側fを指示方向に向かせる命令を含む動作命令を作成する。
【0354】
ステップ3101において、情報提示部3230は、作成した動作命令をロボット3100に向けて送出する。提示動作が完了したら、3101に戻り、ロボット3100の正面側を定常方向へ向ける。このように、ロボット3100を定常方向に向けておくことにより、次に行われる予告動作の移動量を大きくすることができる。
【0355】
本実施形態の情報提示システム1700は、第1実施形態、第6実施形態と同様に、情報提示に先立ち、表示体としてのロボット3100が、その正面側fを乗員の正面側を向くように回転する動作、つまり、情報を提示する旨を知らせる予告動作(コンタクト動作ともいう)を行うので、この動作の後に提示する提示情報の認識率を向上させることができる。このような予告動作により、乗員とロボット100は、情報提示に先立ち、連絡を取り合い、パートナー関係を作ることができるので、提示情報に対する乗員の注意を惹きつけることができる。
【0356】
本実施形態の情報提示システム1700によれば、第1乃至第6実施形態の情報提示システムと同様の作用及び効果を奏することができる。
【0357】
さらに、本構成によれば、ロボット3100側に処理を加えるだけで、機能をバージョンアップすることができる。つまり、新たな情報提示処理を追加するなどのバージョンアップ時において、車両側のシステムに手を入れることなく、ロボット3100側に処理を加えるだけで済むというメリットがある。
【0358】
本実施形態の説明では重複した記載を避けるため、第1〜第6実施形態と共通する部分は説明を割愛したが、本実施形態に係る情報提示システム1700の説明のために第1〜第6実施形態に関する説明及び図面を援用することができる。
【0359】
本実施形態では、表示体の一態様として、立体物であるロボット本体3101と、制御装置としてのロボット制御装置3210とを有するロボット3100を、情報提示システムの一例として説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、本明細書では、制御装置の一態様として、情報取得手段の一例としての情報取得部3210と、動作制御手段の一例としての動作制御部3220と、情報提示手段の一例としての情報提示部3230を備えるロボット制御装置3200を説明するが、本発明がこの態様に限定されるものではない。
【0360】
《第8実施形態》
第8実施形態の情報提示システム1800は、第1〜第7実施形態におけるロボット100のように、所定の動作を行う動作物を、立体表示装置4100を用い、映像で表示する点を特徴とする。
【0361】
図44は、本実施形態の情報提示システム1800のブロック構成図である。図44に示すように、本実施形態の情報提示システム1800は、立体表示装置4100と、制御装置4200と、出力部4300とを有する。
【0362】
立体表示装置4100は、制御装置4200の制御命令に基づいて、情報を伝える伝達媒体としての動作物の映像の表示する表示部4110と、表示する動作物の映像データを記憶する表示データ記憶部4120とを有する。本実施形態において、表示する動作物を、第1実施形態〜第7実施形態において説明したロボット100とし、立体表示装置4100を介して動作するロボット100の姿態を表示してもよい。
【0363】
図45(A)に立体表示装置4100の構成の概要を示し、図45(B)に立体表示装置4100の平面図を示す。図45(A)に示すように、立体表示装置4100は、半球形状の投射面4102と、動作物の映像を再生する再生装置4103と、投射用の光源4104と、再生装置4103を回転させる回転駆動部4105とを有する。また、ベース部4106はこれらを支持するとともに、表示部4110、表示データ記憶部4120を収納する。
【0364】
投射面4102は光透過性を有し、再生装置4103により投射された動作物の映像は投射面4102の外側から視認できる。
【0365】
再生装置4103は、回転駆動部4105の駆動により、立体表示装置4100の設置面に対して略垂直方向の第1軸G廻りに回転する。再生装置4103が回転すると、投射面4120に投射された動作物の映像も回転する。再生装置4103の回転により、任意の方向を向く動作物を投射面4120に映し出すことができる。再生装置4103は、投射する映像を切り替える映像切換機能を有する。再生装置4103は、制御装置4200の制御命令に従い、異なる態様の動作物の映像を再生することができる。
【0366】
動作物の映像の態様は特に限定されないが、図45(B)に示すように、人の目に似せた目e1,e2を含ませることができる。この場合は、目e1,e2を正面側に表示する。このように、目e1,e2を設けることにより、予告動作において、動作物の映像が乗員を見つめる又は見上げるといった表情を表現することができる。また、お互いの目を合わせてアイコンタクトを行うことができる。これにより、動作物の映像と乗員との間に関係を形成することができる。また、目e1,e2とともに目玉e10,e20や、瞼(図示せず)を動作物の映像に含ませることができる。目玉を動かす動作、瞼をまばたきする動作により表情をより豊かにすることができる。
【0367】
本実施形態の出力部4130は、スピーカ4131を有する。スピーカ4131の機能は、第1〜第3実施形態のスピーカと共通する。また、第1実施形態と同様に、立体表示装置4100の正面側のフランジ部4107に発光体(図示せず)を設けることができる。
【0368】
図46は、本実施形態の処理を示すフローチャート図である。情報の処理の流れは、基本的に図20に示す第2実施形態の処理と共通する。
【0369】
図46に示すように、ステップ4100において、システムが起動(イグニションON)されると、ステップ4101に進む。
【0370】
ステップ4101において、立体表示装置4100の表示部4110は、その正面側が定常方向(乗員の正面側ではない方向,例えば車両の進行方向)に向いた動作物の映像を表示する。
【0371】
ステップ4102において、情報取得部4210は、車載装置(300,400,500,700)から提示する情報又は提示する情報が発生した旨の情報を取得すると、その旨を動作制御部4220へ送出する。
【0372】
ステップ4103において、動作制御部4220は、車両側のドライバ位置検出装置600からドライバの顔(頭)の位置、ドライバシートの位置、又はヘッドレストの位置を取得する。
【0373】
ステップ4104において、動作制御部4220は、予告動作における動作物の映像の回転角度を決定する。動作制御部4220は、第1軸G(図45参照)を回転軸とし、表示する映像の回転角度を決定する。回転角度が予め決定されている場合には、その値を読み込む。動作制御部4220は、決定した回転角度で動作物の映像を回転させる命令を表示部4110に送出する。
【0374】
ステップ4105において、表示部4110は、回転駆動部4105により再生装置4103を所定の回転角度だけ回転させ、立体表示装置4100に、その正面側が乗員の方を向く動作物の映像を表示する。立体表示装置4100は、乗員を振り返る動作(予告動作)を行う動作物の映像を表示する。
【0375】
ステップ4106において、情報提示部4230は、取得した提示情報の内容を分析する。
【0376】
ステップ4107において、情報提示部4230は、提示情報の内容と動作命令との対応関係を参照し、続くステップ4108において、動作命令を決定・作成する。
【0377】
ステップ4109において、動作命令に方向指示が含まれているか否かを判断する。動作命令が方向指示を含むものである場合、情報提示部4230は、その正面側fが指示方向に向いた動作物の映像を表示させる制御命令を作成する。
【0378】
ステップ4111において、情報提示部4230は、作成した制御命令を立体表示装置4100に向けて送出する。提示動作が完了したら、4101に戻り、動作物の正面側を定常方向へ向けた映像を表示する。これにより、次に表示される動作物の予告動作の移動量を大きくすることができる。
【0379】
なお、本実施形態では、再生装置4103を回転させることにより、動作物の映像の向きを変化させるようにしたが、予め準備した動作物が回転する映像を用いて、動作物が予告動作をする動画の映像、動作物が提示動作をする動画の映像を表示することができる。この場合、回転方向を自由に設定することができるため、動作物の複雑な動きを表示することができる。
【0380】
本実施形態の情報提示システム1800は、第1〜第7実施形態と同様に、情報の提示に先立ち、その正面側fを乗員の方を向くように回転する予告動作を行う動作物の映像を表示するので、予告動作後に提示される情報の認識率を向上させることができる。情報の提示に先立ち、予告動作を行う動作物の映像を表示することにより、乗員と動作物とが連絡を取り合い、パートナー関係を作ることができ、提示する情報に対する乗員の注意を惹きつけることができる。
【0381】
また、本実施形態によれば、映像により表示された動作物を乗員のドライビングパートナーとして機能させるため、有体のロボットを用いる場合よりも、複雑な動きを表現することができる。また、表示データ記憶部4120のデータを追加、編集するだけで乗員ごとに動作物の映像(ドライビングパートナー)を設定することができる。
【0382】
なお、本実施形態の説明では、重複した記載を避けるため、第1〜第7実施形態と共通する部分は説明を割愛したが、本実施形態に係る情報提示システム1800の説明のために第1〜第7実施形態に関する説明及び図面を援用することができる。
【0383】
本実施形態では、立体表示部の一例としての立体表示装置4100と、出力手段の一例としての出力部4300と、制御装置の一例としての制御装置4200とを有する情報提示システムの一例を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、本明細書では、制御装置の一態様として、情報取得手段の一例としての情報取得部4210と、動作制御手段の一例としての動作制御部4220と、情報提示手段の一例としての情報提示部4230とを備える制御装置4200を説明するが、本発明がこの態様に限定されるものではない。
【0384】
《第9実施形態》
第9実施形態の情報提示システム1900は、第1〜第8実施形態におけるロボット100のように、所定の動作を行う動作物を、虚像表示装置を用い、三次元虚像で表示する点を特徴とする。
【0385】
図47は、本実施形態の情報提示システム1900のブロック構成図である。図47に示すように、本実施形態の情報提示システム1900は、虚像表示装置5100と、制御装置5200と、出力部5300とを有する。
【0386】
虚像表示装置5100は、再生光照射部5110と、ホログラム設定部5120と、マスタホログラム5130とを有する。
【0387】
再生光照射部5110は、制御装置5200の制御命令に基づいて、マスタホログラム5130を再生するための再生光を、予め準備したマスタホログラム5130へ照射する。再生光の光源としては、ハロゲンランプ、キセノンランプといったランプ、発光ダイオード、半導体レーザなどを用いることができる。
【0388】
マスタホログラム5130は、情報を伝える伝達媒体としての動作物が動作を行う過程を、所定間隔ごとに記録した一又は複数のホログラムである。動作物を、第1実施形態〜第7実施形態において説明したロボット100とし、虚像表示装置5100を介して動作するロボット100の姿態を表示してもよい。このマスタホログラムは、その正面側が車両に搭乗する乗員の方を向くロボット100が予告動作を行う過程を所定間隔ごとに記録した一又は複数のホログラムを含む。マスタホログラム5130は、動作物(例えばロボット100)の正面側が車両のドライバシートの着座面の方を向く予告動作の過程、又は動作物の正面側が車両のヘッドレストの頭部支持面の方を向く予告動作の過程を、所定間隔で記録した一又は複数のホログラムを含む。また、所定の定常方向(乗員の方ではない方向)を向く動作物が、その正面側を車両に搭乗する乗員の方へ向かせるまでの予告動作を所定時間経過ごとに記録したホログラムも含む。
【0389】
マスタホログラム5130は、動作物が乗員の方を向く動作のほか、動作物が乗員を見上げる動作、動作物が乗員の方向以外の所定方向(定常方向)を向く過程、動作物が所定の指示方向を向く動作など、動作物の任意の動きの過程を所定間隔ごとに記録したホログラムを含む。
【0390】
ホログラムの作成手法は特に限定されず、公知の手法を用いることができる。たとえば、レーザ光をビームスプリッタで2つに分け、一方のレーザ光を動作中の動作物に照射し、動作中の動作物に反射した物体光を得る。他方のレーザ光は参照光として直接記録材料に導く。これら物体光と参照光との干渉縞を記録材料に記録する。
【0391】
本実施形態のマスタホログラム5130は、動作物の一連の動作の過程を所定時間ごとに区切り、各タイミングにおける動作物の静止姿態をマスタホログラム5130として記録する。マスタホログラム5130を、時間の経過に従い順次再生すると、動作物の動作をアニメーションのように表現することができる。動作過程を記録したマスタホログラム5130の数が多いほど、すなわち、各マスタホログラム同士の時間間隔が短いほど、連続した滑らかな動作を表現することができる。
【0392】
また、マスタホログラム5130にその動作が記録される動作物の態様は、特に限定されないが、第8実施形態の動作物映像と同様に、動作物の像にはロボット100の目e1,e2に相当する像を含ませることができる。この場合、目e1,e2を正面側に表示する。このように、目e1,e2を設けることにより、予告動作において、動作物の虚像が乗員を見つめる、又は見上げるといった表情を表現することができ、動作物の虚像と乗員との間に関係を形成することができる。また、目e1,e2とともに目玉e10,e20や、瞼(図示せず)を含ませれば、動作物の表情をより豊かにすることができる。
【0393】
マスタホログラム5130の記録材料は、ポリビニルカルバゾール、アクリル系等のフォトポリマー、重クロム酸ゼラチン、光レジスト材料などの感光材料を用いることができる。
【0394】
ホログラム設定部5120は、準備した一又は複数のマスタホログラム5130を、記録時の動作の時間軸に従い、再生光が照射される再生位置に順次設定する。ホログラム設定部5120が順次設定したマスタホログラム5130に、再生光を順次照射することで、動作物の動きが再生され、所定の動作を行う動作物の三次元虚像を表示することができる。三次元虚像は、フロントガラス部分に表示することができる。また、専用のホログラフィク用表示装置をダッシュボード近傍に設けることができる。
【0395】
出力部5300は、スピーカ5310を有し、提示情報を読み上げる。その機能は、第1〜第4実施形態と共通する。
【0396】
図48は、本実施形態の処理を示すフローチャート図である。情報の処理の流れは、図20に示す第1実施形態の処理と共通し、予告動作及び提示動作を行う主体が、有体のロボット100ではなく、動作物の三次元虚像(ホログラフィック像)である点が異なる。
【0397】
図48に示すように、ステップ5100において、情報提示システム1900が起動(イグニションON)されると、続くステップ5101において、ホログラム設定部5120は、その正面側が定常方向(乗員の正面側ではない方向、例えば車両の進行方向)に向いた動作物(例えばロボット100)の虚像を表示する。動作物の虚像の表示方向は、再生時におけるマスタホログラム5130の設置方向、再生光源の位置等により適宜設定する。本実施形態では、予め設定した再生時におけるマスタホログラム5130の設置方向及び再生光源の位置を基準として、動作物の虚像が所定方向を向くマスタホログラム5130を作成しておく。
【0398】
ステップ5102において、情報取得部5210が、車載装置(300,400,500,700)から提示情報又は提示情報が発生した旨の情報を取得すると、その旨を動作制御部5220へ送出する。
【0399】
ステップ5103において、動作制御部5220は、虚像表示装置5100に、その正面側が車両の乗員の方を向く予告動作を行う動作物の動作過程を所定間隔で記録した複数のマスタホログラムを連続再生させる。このステップ5103において、その正面側が乗員の方を向く予告動作を行う動作物の三次元虚像が表示される。
【0400】
ステップ5104において、情報提示部5230は、取得した提示情報の内容を分析する。
【0401】
ステップ5105において、情報提示部5230は、提示情報の内容と動作命令との対応関係を参照し、続くステップ5106において動作命令を決定・作成する。
【0402】
ステップ5107において、動作命令が方向指示を含むと判断された場合は、ステップ5108において、情報提示部5230は、その正面側fが指示方向を向く提示動作を行う動作物の三次元虚像を表示させる命令を含む制御命令を作成する。
【0403】
ステップ5109において、情報提示部5230は、作成した制御命令を、虚像表示装置5100に向けて送出する。その後、ステップ5101へ戻り、その正面側fが定常方向を向く提示動作を行う動作物の三次元虚像を表示させる。次に表示される動作物の予告動作の移動量を大きくするためである。
【0404】
なお、三次元虚像の表示手法は特に限定されず、公知の技術を用いることができる。例えば、特開平9−113845に示される三次元画像表示装置を用いて、本実施形態における予告動作、提示動作等を行う動作物の三次元虚像を表示することができる。
【0405】
本実施形態の情報提示システム1900は、第1実施形態と同様に、情報提示に先立ち、その正面側fを乗員の方を向く予告動作を行う動作物の三次元虚像を表示するので、予告動作の後に提示する提示情報の認識率を向上させることができる。このような予告動作により、乗員と動作物映像は、情報提示に先立ち、連絡を取り合い、パートナー関係を作ることができるので、提示情報に対する乗員の注意を惹きつけることができる。
【0406】
本実施形態の説明では、重複した記載を避けるため、第1〜第8実施形態と共通する部分は説明を割愛したが、本実施形態に係る情報提示システム1900の説明のために第1〜第8実施形態に関する説明及び図面を援用することができる。
【0407】
本実施形態では、虚像表示装置の一例としての虚像表示装置5100と、出力手段としての出力部5300と、制御装置の一例としての制御装置5200とを有する情報提示システムの一例を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、本明細書では、制御装置の一態様として、情報取得手段の一例としての情報取得部5210と、動作制御手段の一例としての動作制御部5220と、情報提示手段の一例としての情報提示部5230とを備える制御装置5200を説明するが、本発明がこの態様に限定されるものではない。
【0408】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0409】
《第10実施形態》
第10実施形態の情報提示システム2000は、第1〜第7実施形態におけるロボット100のように、所定の動作を行う動作物の二次元画像を、ナビゲーション装置300のディスプレイ350(表示装置)に表示する点を特徴とする。
【0410】
図49は、本実施形態の情報提示システム2000のブロック構成図である。図49に示すように、本実施形態の情報提示システム2000は、ナビゲーション装置300のディスプレイの表示を制御する制御装置6200と、出力部6300とを有する。
【0411】
本実施形態のナビゲーション装置300は、制御装置6200の制御命令に基づいて、情報を伝える伝達媒体としての動作物の映像の表示するディスプレイ350を有する。ディスプレイ350は、ナビゲーション装置300において利用される一般的なものを用いることができる。
【0412】
また、制御装置6200の情報提示部6230は、表示する動作物の映像データを記憶する表示データ記憶部6231を有する。本実施形態において、表示する動作物を、第1実施形態〜第7実施形態において説明したロボット100とし、ディスプレイ350を介して動作するロボット100の姿態を表示してもよい。ここでは、表示装置としてナビゲーション装置300のディスプレイ350を利用する例を示したが、本システム用のディスプレイを別途設けてもよい。
【0413】
図50は、本実施形態の処理を示すフローチャート図である。情報の処理の流れは、基本的には、図20に示す第1実施形態の処理と共通する。
【0414】
本実施形態では、ナビゲーション装置300のディスプレイ350にロボット100などの動作物の二次元画像を、表示するため、情報を取得した後に動作物の二次元画像を表示する。例えば、地図画面が表示されている状態から、情報の取得後に、画面を切り替えて動作物を表示する。
【0415】
図50に示すように、ステップ6100において、情報提示システム2000が起動(イグニションON)すると、ナビゲーション装置300も起動する。
【0416】
ステップ6101において、情報取得部6210は、車載装置(300,400,500,700)から提示情報又は提示情報が発生した旨の情報を取得すると、その旨を動作制御部6220へ送出する。
【0417】
ステップ6102において、動作制御部6220は、ディスプレイ350に表示されている、例えば地図画面から、正面側が定常状態から車両の乗員の方を向く予告動作を行う動作物の動作過程を表す画像へと切り換えて表示させる。これにより、ステップ6103において正面側が乗員の方を向く予告動作を行う動作物の二次元画像が表示される。
【0418】
ステップ6104において、情報提示部6230は、取得した提示情報の内容を分析する。
【0419】
ステップ6105において、情報提示部6230は、提示情報の内容と動作命令との対応関係を参照する。ステップ6106において、情報提示部6230は、動作命令を決定・作成する。
【0420】
ステップ6107において、動作命令が方向指示を含むものである場合(6107でY)、情報提示部6230は、その正面側fが指示方向を向く提示動作を行う動作物の二次元画像を表示させる命令を作成する(6108)。
【0421】
ステップ6109において、情報提示部6230は、作成した制御命令を案内部6340に向けて送出する。その後、6101へ戻り、その正面側fが定常方向を向く提示動作を行う動作物の二次元画像を表示させる。次に表示される動作物の予告動作の移動量を大きくするためである。
【0422】
本実施形態の情報提示システム2000は、第1実施形態と同様に、情報提示に先立ち、その正面側fを乗員の方を向く予告動作を行う動作物の二次元画像を表示するので、予告動作の後に提示する提示情報の認識率を向上させることができる。このような予告動作により、乗員と案内部6340に表示される動作物の二次元画像とは、情報提示に先立ち、連絡を取り合い、パートナー関係を作ることができるので、提示情報に対する乗員の注意を惹きつけることができる。
【0423】
また、ナビゲーション装置のディスプレイ350を利用して、動作物の二次元画像を表示するので、ロボットを設けるためのスペースが無い場合でも同様の効果を得ることができる。
【0424】
本実施形態の説明では、重複した記載を避けるため、第1〜第9実施形態と共通する部分は説明を割愛したが、本実施形態に係る情報提示システム2000の説明のために第1〜第9実施形態に関する説明及び図面を援用することができる。
【0425】
本実施形態では、動作物の二次元画像をナビゲーション装置300のディスプレイ350に表示する一例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、フロントガラスに設けられたヘッドアップディスプレイ装置に動作物の二次元画像を投影しても良い。
【0426】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0427】
本実施形態では、表示装置の一例としてのナビゲーション装置300のディスプレイ350と、出力手段の一例としての出力部6300と、制御装置の一例としての制御装置6200とを有する情報提示システムの一例を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、本明細書では、制御装置の一態様として、情報取得手段の一例としての情報取得部6210と、動作制御手段の一例としての動作制御部6220と、情報提示手段の一例としての情報提示部6230とを備える制御装置6200を説明するが、本発明がこの態様に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0428】
【図1】第1実施形態の情報提示システムの概要を示すブロック構成図である。
【図2】第1実施形態の情報提示システムの配置例を示す図である。
【図3】第1実施形態の情報提示システムの他の配置例を示す図である。
【図4】第1実施形態の情報提示システムのブロック構成図である。
【図5】第1実施形態に係るロボットの構成及び動作を説明するための図である。
【図6】第1実施形態に係るロボットの他の構成及び動作を説明するための図である。
【図7】本実施形態の情報提示システムの処理を説明するためのフローチャート図である。
【図8】第1実施形態に係るロボットのさらに他の構成及び動作を説明するための図である。
【図9】第2実施形態の情報提示システムの概要を示すブロック構成図である。
【図10】第2実施形態に係るロボットの構成及び動作を説明するための図である。
【図11】第2実施形態に係るロボットの他の構成及び動作を説明するための図である。
【図12】ロボットの正面側が乗員の方を向いた状態を説明するための図である。
【図13】ロボットの正面側が乗員の方を向いた状態を説明するための他の図である。
【図14】図13に示す状態を横から見た図である。
【図15】ロボットの回転角度の設定例を説明するための図である。
【図16】ロボットの定常方向の第1の例を示す図である。
【図17】ロボットの定常方向の第2の例を示す図である。
【図18】提示情報の内容と動作命令との対応関係の一例を示す図である。
【図19】動作命令の一例を説明するための図である。
【図20】本実施形態の情報提示システムの処理を説明するためのフローチャート図である。
【図21】(A)〜(D)は、図20に示す処理に対応するロボット100の動作を説明するための図である。
【図22】「右折ガイド」の提示動作を説明するためのフローチャート図である。
【図23】「右注意」の提示動作を説明するためのフローチャート図である。
【図24】「右ドア開禁止」の提示動作を説明するためのフローチャート図である。
【図25】第3実施形態の情報提示システムのブロック構成図である。
【図26】提示情報と動作命令との対応情報の一例を示す図である。
【図27】環境を重視した運転に関する注意情報(提示情報)を提示する処理を示すフローチャート図である。
【図28】運転に関する注意情報(提示情報)を提示する処理を示すフローチャート図である。
【図29】第4実施形態の情報提示システムのブロック構成図である。
【図30】第4実施形態の情報提示システムの処理を示すフローチャート図である。
【図31】第5実施形態の情報提示システムのブロック構成図である。
【図32】車両情報と走行場面との対応関係の一例を示す図である。
【図33】報知情報の内容と確度(精度)の一例を示す図である。
【図34】報知情報の内容と車両情報との組み合わせと、影響度との対応付けの一例を示す図である。
【図35】走行場面ごとの、報知情報と影響度と分類の対応関係の一例を示す図である。
【図36】走行場面とセンシング動作との対応関係の一例を示す図である。
【図37】第5実施形態の情報提示システムの処理の概要を説明するためのフローチャート図である。
【図38】報知情報の分類処理を説明するためのフローチャート図である。
【図39】第6実施形態の情報提示システムのブロック構成図である。
【図40】精度障害情報と、精度障害理由と、発話テキストとの対応関係の一例を示す図である。
【図41】第6実施形態の情報提示システムの処理の概要を説明するためのフローチャート図である。
【図42】第7実施形態の情報提示システムのブロック構成図である。
【図43】第7実施形態の情報提示システムの処理の概要を説明するためのフローチャート図である。
【図44】第8実施形態の情報提示システムのブロック構成図である。
【図45】図45(A)は、第8実施形態の立体表示装置の概要を示す図、図45(B)は立体表示装置の平面図である。
【図46】第8実施形態の情報提示システムの処理を示すフローチャート図である。
【図47】第9実施形態の情報提示システムのブロック構成図である。
【図48】第9実施形態の情報提示システムの処理を示すフローチャート図である。
【図49】第10実施形態の情報提示システムのブロック構成図である。
【図50】第10実施形態の情報提示システムの処理を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0429】
100,101…ロボット、立体物、表示体、動作物
110…駆動部
120…駆動部
130…出力部
131…スピーカ
132…発光体
200…ロボット制御装置
210…情報取得部
220…動作制御部
221…情報提示トリガ取得部
222…回転角度決定部
223…動作命令部
224…ドライバ応答取得部
226…観察動作命令部
230…情報提示部
231…提示情報分析部
232…対応動作決定部
233…提示動作命令部
234…判断部
235…精度障害理由分析部
250…情報分類部
251…走行場面判断部
252…分類部
300…ナビゲーション装置
400…障害物報知装置
500…車両コントローラ
600…着座検出装置
700…ドライバ位置検出装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、動作を行う動作物を表す表示体と、前記表示体を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、車両の状態に応じて発生する情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段により取得された情報に呼応して、前記表示体に前記車両の乗員に向けて前記情報を提示する旨を知らせる予告動作をする動作物を表示させる動作制御手段と、
前記予告動作をする動作物を表示させた後、前記表示体に前記情報の提示をさせる情報提示手段と、を有する情報提示システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報提示システムにおいて、
前記制御装置は、
前記情報取得手段により取得された情報の内容に基づいて、前記情報を前記車両に対する影響が大きいと判断される第1の情報と、前記第1の情報以外の第2の情報とに分類する情報分類手段をさらに備え、
前記動作制御手段は、
前記情報分類手段が前記情報を第1の情報に分類された場合は、前記表示体に前記予告動作をする動作物を表示させ、
前記情報提示手段は、
前記情報分類手段により前記情報が第1の情報と分類された場合は、前記表示体に前記予告動作を行わせた後に、前記情報の提示を行わせ、前記情報分類手段により前記情報が第2の情報と分類された場合は、前記表示体に前記情報の提示を行わせる情報提示システム。
【請求項3】
請求項2に記載の情報提示システムにおいて、
前記情報取得手段は、
少なくとも前記車両に関する車両情報と、前記車両で検出した報知対象物に関する報知情報を取得し、
前記情報分類手段は、
前記情報取得手段が取得した車両情報に基づいて、前記車両が所定の走行場面にあることを判断し、前記所定の走行場面において検出された前記報知情報の内容と当該検出された報知情報の確度とに基づいて、前記取得した報知情報を、前記車両に対する影響が大きいと判断される第1の情報と、前記第1の情報以外の第2の情報とに分類する情報提示システム。
【請求項4】
請求項3に記載の情報提示システムにおいて、
前記情報分類手段は、前記取得された報知情報の内容が予め定義された所定の内容であり、かつ前記報知情報の確度が所定の閾値以上である場合、前記報知情報を第1の情報に分類する情報提示システム。
【請求項5】
請求項3に記載の情報提示システムにおいて、
前記情報分類手段は、前記取得された報知情報の内容が予め定義された所定の内容であり、かつ前記報知情報の確度が所定の閾値以上であるとともに、前記報知情報と前記車両情報との組み合わせが、前記自車両に対する影響が大きいと予め定義された組み合わせである場合、前記報知情報を第1の情報に分類する情報提示システム。
【請求項6】
請求項3〜5の何れか一項に記載の情報提示システムにおいて、
前記表示体は、車両の状態に応じて発生した情報を音声出力する出力手段を有し、
前記情報提示手段は、前記情報取得手段が取得した報知情報の確度が所定の閾値未満である場合は、前記情報取得手段が取得した前記車両情報及び/又は報知情報に基づいて、当該報知情報の確度が所定の閾値未満である理由を分析する確度分析部を有し、前記確度分析部が分析した理由を含む報知情報を前記出力手段に出力させる情報提示システム。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか一項に記載の情報提示システムにおいて、
前記表示体は、動きにより所定の動作を乗員に示す立体物であり、
前記制御装置は、前記立体物の動きを制御し、
前記制御装置は、車両の状態に応じて発生する情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が取得した情報に呼応して、前記立体物に前記予告動作を行わせる動作制御手段と、
前記予告動作をさせた後、前記立体物に前記情報の提示動作を行わせる情報提示手段と、を有する情報提示システム。
【請求項8】
請求項7に記載の情報提示システムにおいて、
前記立体物は、
第1軸を回転軸として前記立体物を回転させる駆動手段と、
車両の状態に応じて発生した情報を出力する出力手段とを有し、
前記動作制御手段は、
前記情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段により取得した情報に呼応して、前記駆動手段により前記立体物を回転させ、前記立体物の正面側が前記車両の前記乗員の方を向くことにより、前記予告動作を行わせ、
前記情報提示手段は、
前記予告動作をさせた後、前記立体物に、前記情報の提示動作を行わせる情報提示システム。
【請求項9】
請求項1〜8の何れか一項に記載の情報提示システムにおいて、
前記動作制御手段は、
前記情報取得手段によって取得した前記情報が所定の注意情報であるとき、前記予告動作を行わせた後、所定時間、前記乗員からの応答を待機し、前記乗員からの応答がされたことを前記情報提示手段に通知し、
前記情報提示手段は、
前記動作制御手段から前記通知を取得した後、前記立体物に、前記注意情報の提示動作を行わせる情報提示システム。
【請求項10】
請求項1〜8の何れか一項に記載の情報提示システムにおいて、
前記動作制御手段は、
前記情報取得手段が取得した情報が所定の注意情報であるとき、前記予告動作の後、所定時間、前記ドライバからの応答を待機し、前記ドライバからの応答があったとき、当該応答があったことを前記情報提示手段に通知するとともに、前記駆動手段により前記立体物を回転させる予告動作をさせ、
前記情報提示手段は、前記予告動作をした後に、前記立体物に、前記注意情報の提示動作を行わせる情報提示システム。
【請求項11】
請求項1〜6の何れか一項に記載の情報提示システムであって、
前記表示体は、車両に搭載され、所定の動作を行う動作物を表示する立体表示部であり、
車両の状態に応じて発生した情報を出力する出力手段をさらに備え、
前記制御装置は、
前記立体表示部の表示動作と前記出力手段の出力動作を制御し、
前記制御装置は、
車両の状態に応じて発生する情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が取得した情報に呼応して、前記予告動作を行う動作物の映像を前記立体表示部に表示させる表示制御手段と、
前記予告動作を行う動作物の映像が前記立体表示部に表示された後、前記立体表示部及び/又は前記出力手段に、前記情報取得手段が取得した前記情報を出力させる情報提示手段と、を有する情報提示システム。
【請求項12】
請求項11に記載の情報提示システムにおいて、
前記表示制御手段は、
前記情報取得手段が前記取得した情報に呼応して、正面側が前記車両の乗員の方を向く、前記予告動作を行う動作物の映像を前記立体表示部に表示させ、
前記情報提示手段は、
前記予告動作を行う動作物の映像が前記立体表示部に表示された後、前記情報取得手段が取得した前記情報を提示する情報提示システム。
【請求項13】
請求項1〜6の何れか一項に記載の情報提示システムであって、
前記表示体は、車両に搭載され、予告動作を行う動作物の三次元虚像を表示する虚像表示装置であり、
車両の状態に応じて発生した情報を出力する出力手段をさらに備え、
前記制御装置は、
前記虚像表示装置の表示動作と前記出力手段の出力動作を制御し、
前記虚像表示装置は、
前記予告動作を行う動作物の動作過程を所定間隔ごとに記録した一又は複数のマスタホログラムを有し、
前記制御装置は、前記情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が取得した前記情報に呼応して、前記マスタホログラムを再生させ、前記予告動作に対応する三次元虚像を前記虚像表示装置に表示させる表示制御手段と、
前記予告動作を行う動作物の三次元虚像を表示させた後、前記出力手段に、前記情報取得手段が取得した情報の提示動作を行わせる情報提示手段と、を有する情報提示システム。
【請求項14】
請求項13に記載の情報提示システムにおいて、
前記虚像表示装置は、
前記三次元虚像の正面側が前記車両の乗員の方を向く前記予告動作を行う動作物の動作過程を所定間隔ごとに記録した一又は複数のマスタホログラムを有し、
前記表示制御手段は、
前記情報取得手段が取得した前記情報に呼応して、前記マスタホログラムを再生し、正面側が前記車両に搭乗する乗員の正面側を向く前記予告動作に対応する三次元虚像を前記虚像表示装置に表示させ、
前記情報提示手段は、
前記予告動作を行う動作物の三次元虚像を表示させた後、前記出力手段に前記情報取得手段が取得した情報の提示動作を行わせる、情報提示システム。
【請求項15】
請求項14に記載の情報提示システムにおいて、
前記表示制御手段は、その正面側が前記車両のドライバシートの着座面の方を向いて、前記予告動作を行う動作物の三次元虚像を、前記虚像表示装置に表示させる情報提示システム。
【請求項16】
請求項15に記載の情報提示システムにおいて、
前記表示制御手段は、その正面側が前記車両のヘッドレストの頭部支持面の方を向いて、前記予告動作を行う動作物の三次元虚像を、前記虚像表示装置に表示させる情報提示システム。
【請求項17】
請求項14〜16の何れか一項に記載の情報提示システムにおいて、
前記表示制御手段は、
前記動作物が前記予告動作を行う動作物の三次元虚像を前記虚像表示装置に表示させる前に、前記車両の周囲を監視する動作を行う動作物の三次元虚像を前記虚像表示装置に表示させ、
前記動作物が前記車両の周囲を監視する動作は、前記動作物の正面側が前記情報取得手段により取得された情報の検出された領域の方に向く動作である情報提示システム。
【請求項18】
請求項1〜6に記載の情報提示システムであって、
前記表示体は、車両に搭載され、所定の動作を行う動作物の二次元画像を表示する表示装置であり、
車両の状態に応じて発生した情報を出力する出力手段をさらに備え、
前記制御装置は、前記表示装置の表示動作と前記出力手段の出力動作を制御し、
前記制御装置は、前記情報を提示する旨を知らせる動作を行う動作物の動作過程を所定間隔ごとに記憶した画像データと、
前記情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段により取得された情報に呼応して、前記表示装置に前記画像データを再生することにより、前記動作物が前記予告動作を行う動作物の二次元画像を前記表示装置に表示させる表示制御手段と、
前記情報を提示する旨を知らせる動作を行う動作物の二次元画像を表示させた後、前記出力手段に、前記情報取得手段が取得した情報の提示動作を行わせる情報提示手段と、を有する情報提示システム。
【請求項19】
請求項18に記載の情報提示システムにおいて、
前記画像データは、正面側が前記車両の乗員の方を向く予告動作の動作過程が所定間隔ごとに記憶された二次元画像であり、
前記表示制御手段は、
前記情報取得手段が取得した前記情報に呼応して、前記画像データを再生し、正面側が前記車両に搭乗する乗員の正面側を向いて、前記予告動作を行う動作物の二次元画像を前記表示装置に表示させ、
前記情報提示手段は、前記予告動作を行う動作物の二次元画像を表示させた後、前記出力手段に前記情報取得手段が取得した情報の提示動作を行わせる、情報提示システム。
【請求項20】
請求項19に記載の情報提示システムにおいて、
前記表示制御手段は、
正面側が前記車両の座席の着座面の方を向いて、前記予告動作を行う動作物の二次元画像を、前記表示装置に表示させる情報提示システム。
【請求項21】
請求項19に記載の情報提示システムにおいて、
前記表示制御手段は、
その正面側が前記車両のヘッドレストの頭部支持面の方を向いて、予告動作を行う動作物の二次元画像を、前記表示装置に表示させる情報提示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【公開番号】特開2009−120181(P2009−120181A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−228401(P2008−228401)
【出願日】平成20年9月5日(2008.9.5)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】