説明

感圧接着剤シリコーン組成物

本発明は、MQ(OH)型のヒドロキシル化シリコーン樹脂Aと、ヒドロキシル化シリコーンゴムBと、DVi及び/又はMVi単位を有する、MQ型又はMQ(OH)型のビニル官能性シリコーン樹脂Eである第3成分と、を含むシリコーン組成物に関するものである。また、本発明は、当該シリコーン組成物の製造方法、当該架橋シリコーン組成物で少なくとも部分的に覆われた支持体を備える複合材、及び、当該シリコーン組成物の、支持体上に接着力を付与する目的で該支持体の表面を完全に又は部分的に被覆するための使用に関するものでもある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコーンを主成分とする感圧接着剤組成物、それらの製造方法及びそれらの用途に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、感圧接着剤組成物は、「感圧接着剤(pressure−sensitive adhesive)」の頭文字PSAで表される。そのため、本発明の場合、これらは「シリコーンPSA」組成物である。
【0003】
感圧接着剤とは、単に接触によって又は僅かな圧力の作用下で表面に接着することのできる接着剤のことである。所定のシリコーン組成物を含めて、数種類の感圧接着剤がある。シリコーンPSAは、他の種類のPSAと比較して特定の利点を有する。シリコーンPSAは、広範囲の温度にわたる使用が可能であり、これらは、過酷な物理的又は化学的条件に対して抵抗性のある(湿気、溶媒、酸、UV放射に対する抵抗性)組成物である。これらは微生物の攻撃に耐える。シリコーンPSAは優れた誘電特性を持つ。さらに、これらは、例えばポリエステルやポリイミド、プリント回路などを含め、通説では困難とされる表面にも接着する。
【0004】
ブルースターシリコーンズ社は、MQ(OH)型のヒドロキシル官能性シリコーン樹脂及びα,ω−ヒドロキシル直鎖シリコーンゴムのトルエン溶液を含む、Rhodorsil(登録商標)400という商品名の高度化シリコーンPSA組成物を販売している。ここで、用語「高度化」とは、一般には加熱によって得られるSiOH基の部分縮合を意味することが想定されている。
【0005】
米国特許第5602214号には、MQ(OH)型のヒドロキシル官能性シリコーン樹脂及びα,ω−ヒドロキシル直鎖シリコーンゴムだけでなく、シリコーンオイルも含むシリコーン感圧接着剤組成物が記載されている。
【0006】
仏国特許第2705355号には、
・アルケニル官能基でもアルケニル官能基でなくてもよいヒドロキシル官能性MQシロキサン樹脂と、
・ヒドロキシル官能性シリコーンゴムと、
・MDT(OH)又はDT(OH)型のヒドロキシル官能性シリコーン液と
を混合させることによって得られた、感圧接着剤用の組成物として使用できる組成物が記載されている。
【0007】
この組成物は、このような組成物を架橋することによって得られた複合材のせん断強度の観点からすると満足のいくものではない。
【0008】
さらに、シリコーン樹脂を処理加工することの困難さが、シリコーンPSA組成物を使用することに対する障害となっている。実際に、これらのシリコーンPSA組成物を製造する所定の工程は、高温でかつ数時間にわたって実施されるが、これはかなりのエネルギー費となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第5602214号明細書
【特許文献2】仏国特許第2705355号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、接着剤としての性能が、特に粘着性に関して既知のシリコーンPSA組成物の性能に匹敵する、又はさらには改善されたシリコーン感圧接着剤組成物を得ることが望ましいであろう。当該接着剤組成物の製造コストは有利に低減され、しかも得られる架橋化合物の機械的性質も改善されるはずである。
【0011】
偶然にも、長期にわたるリサーチ後に、本願出願人は、満足のいくシリコーン接着剤組成物を開発した。
【課題を解決するための手段】
【0012】
したがって、本願発明の要旨は、
・MQ(OH)型のヒドロキシル官能性シリコーン樹脂A(ここで、M:R123SiO1/2及びQ(OH):(OH)SiO3/2であり、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に、
・1個以上のハロゲン原子で置換されていてよい、1〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルキル基;及び
・6〜14個の炭素原子を有するアリール又はアルキルアリール基
から選択される)と、
・ヒドロキシル官能性シリコーンゴムBと、
・MQ型又はMQ(OH)型のビニル官能性シリコーン樹脂Eである第3成分であって、DVi及び/又はMVi単位を含むもの(ここで、M:R123SiO1/2、MVi:R124SiO1/2、DVi:R14SiO2/2、Q:SiO4/2及びQ(OH):(OH)SiO3/2であり、該R1、R2及びR3基は、それぞれ独立に、
・1個以上のハロゲン原子で置換されていてよい、1〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルキル基;及び
・6〜14個の炭素原子を有するアリール又はアルキルアリール基
から選択され、R4はビニル基である。)と
を含むシリコーン組成物である。
【0013】
有利には、このシリコーン組成物は、MDT(OH)又はDT(OH)型のヒドロキシル官能性シリコーン樹脂C(ここで、M:R123SiO1/2、D:R12SiO2/2及びT(OH):(OH)R1SiO2/2であり、該R1、R2及びR3基は、それぞれ独立に、
・1個以上のハロゲン原子で置換されていてよい、1〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルキル基;及び
・6〜14個の炭素原子を有するアリール又はアルキルアリール基
から選択される。)も含む。
【0014】
このシリコーン組成物は、1種以上の有機溶媒Sを含んでいてよい。
【0015】
また、好ましい上記シリコーン組成物は、
・縮合触媒F;及び
・中和剤G、
有利にはその両方を含む。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書及び特許請求の範囲において、定冠詞又は不定冠詞、例えば「縮合触媒」という表現における「a」は、文脈が正反対の説明(数値の「1」)を明らかに示さない限り、複数形(「いくつかの」又は「一以上の」)とも解すべきであることに留意すべきである。特に示さない限り、使用する技術用語及び科学用語に、当業者が一般的に認めたそれらの意味を与えることが望ましい。
【0017】
以下において、ポリオルガノシロキサン(POS)オイル、ゴム及び樹脂は、記号M、D、T及びQを用いて様々なシロキシ単位を表す慣例の表記法を使用して従来通りに記載されている。この表記法では、シロキシ単位の珪素原子は、多くの酸素原子との1個の(M)、2個の(D)、3個の(T)又は4個の(Q)共有結合に関わっている。酸素原子が2個の珪素原子間で共有されている場合には、これは1/2と見なし、省略された式では示さない。一方、酸素原子が珪素原子に結合したアルコキシ又はヒドロキシル基に属する場合には、この化学官能基は、省略した式の括弧間に示される。デフォルトでは、珪素原子の残りの結合は炭素原子と関わっている。一般に、C−Si結合によって珪素に結合された炭化水素系基には触れていないが、これは、通常、アルキル基、例えばメチル基に相当する。例えば、省略された式T(OR)2は、2個のアルコキシ基を含む、珪素原子が3個の酸素原子に結合した単位、すなわち、アルキルジアルコキシシロキシ単位RSi(OR)21/2(ここで、Rはアルキル基である)を表す。そういうわけで、この炭化水素系基が特定の官能基である場合には、これは上付で表される。例えば、省略式MViは、珪素原子が酸素原子に結合し、C−Si結合を形成するその炭化水素系基の一つがビニル基である単位、すなわち、ジアルキルビニルシロキシ単位R2Si(Vi)O1/2(ここで、Rはアルキル基である。)を表す。
【0018】
これらの式において、Rは、ヘテロ原子で置換されていてよい様々な飽和又は不飽和の、特に芳香族炭化水素系基を表すことができる。Rの意味は、以下の説明で特定されるであろう。
【0019】
表現「実質的に直鎖状の」とは、Tシロキシ単位及び/又はQシロキシ単位も含むDシロキシ単位からなるポリオルガノシロキサンオイルであって、T及びQシロキシ単位が100個の珪素原子当たり1個以下であるものを意味すると解すべきである。
【0020】
表現「シリコーン樹脂」とは、かなりの割合のT及び/又はQシロキシ単位と、随意にD及び/又はMシロキシ単位とを含むポリシロキサンをいう。表現「かなりの割合」とは、少なくとも5%、好ましくは25%、特に30%を超える単位(モル%)を意味するものとする。
【0021】
表現「シリコーンゴム」とは、高分子量、例えば100000g/モルを超える、好ましくは125000を超える、特に200000を超える、特に250000g/モルを超えるポリジアルキルシロキサンであって、その末端が反応性基で官能化されていてよいものをいう。
【0022】
本願において及び以下において、MQ(OH)型のヒドロキシル官能性シリコーン樹脂Aとは、M:R123SiO1/2、Q:SiO4/2及びQ(OH):(OH)SiO3/2シロキシ単位から構成される共重合体をいう。R1、R2及びR3基は、それぞれ独立に、
・1〜8個の炭素原子、特に1〜6個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルキル基、例えば、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル及びn−ヘキシル基であって、1個以上のハロゲン原子、特に2又は3個のハロゲン原子で置換されていてよいもの(特に、3,3,3−トリフルオルプロピル基が挙げられる);並びに
・6〜14個の炭素原子を有するアリール又はアルキルアリール基、特にフェニル、キシリル及びトリル基
から選択される。
【0023】
「アルキル」基は、ヒドロキシル官能性シリコーン樹脂Aについては、好ましくは、主鎖内に1〜6個の範囲の炭素原子数、好ましくは1〜3又は4個の範囲の炭素原子数を有する低級アルキル基である。この鎖は直鎖又は分岐であってよく、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどが挙げられる。これらの化合物は、脂肪族若しくは環式炭化水素系基又はハロゲンで置換されていてよい。
【0024】
ヒドロキシル官能性シリコーン樹脂Aは、例えば、40〜80モル%のM単位、30〜55モル%のQ単位、5〜15モル%のQ(OH)単位及び該樹脂の乾燥重量に対して0.5〜4重量%の−OHヒドロキシル単位を含む。
【0025】
そのブルックフィールド粘度は、特に10〜40mm2/sである。
【0026】
本発明を実施するための優先的な条件下では、ヒドロキシル官能性シリコーン樹脂Aは、45〜55モル%のM単位、38〜45モル%のQ単位、7〜10モル%のQ(OH)単位及び該樹脂の乾燥重量に対して2.3〜3重量%の−OHヒドロキシル単位を含み、そのブルックフィールド粘度は12〜18mm2/sである。
【0027】
ヒドロキシル官能性シリコーンゴムBは、例えば高モル質量のα,ω−ジヒドロキシルポリジアルキルシロキサン、好ましくは平均分子量Mn>100000g/mol、特にMn>150000g/molを有するα,ω−ジヒドロキシルポリジメチルシロキサンである。
【0028】
ポリジアルキルシロキサンにおいて、「アルキル」基は、好ましくは主鎖内に1〜10個の範囲の炭素原子数、好ましくは1〜3個の範囲の炭素原子数を有する低級アルキル基である。この鎖は直鎖又は分岐であってよく、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどが挙げられる。これらの化合物は、脂肪族若しくは環式炭化水素系基又はハロゲンで置換されていてよい。
【0029】
また、ヒドロキシル官能性シリコーンゴムBは、ポリジメチルシロキサンと、主として鎖末端にシラノール基が位置したポリメチルフェニルシロキサンとの統計共重合体であることもできる。
【0030】
Vi及び/又はMVi単位を含むMQ又はMQ(OH)型のビニル官能性シリコーン樹脂Eは、例えば、好ましくは5重量%未満のVi基を含み、好ましくは0.4重量%未満のOHを含む(該樹脂の乾物に対して)MDViQ(OH)、MMViQ(OH)樹脂である。この樹脂は、多くの場合40〜65%の乾物で芳香族又は脂肪族溶媒中に予備分散できる。この樹脂のモル質量は、例えば、2000〜4000g/molの範囲にあることができる。
【0031】
これ(これら)は、本発明の架橋性シリコーン組成物の全乾燥重量の1〜20重量%、有利には2〜15重量%、好ましくは2.5〜10重量%を占めることができる。
【0032】
本発明のシリコーン組成物がヒドロキシル官能性シリコーン樹脂Cを含む場合に、このものは、MDT(OH)又はDT(OH)型のものであり、ここで、M、D及びT単位は、好ましくは、メチル官能性単位又はフェニル官能性単位、特にメチル官能性単位である。
【0033】
ヒドロキシル官能性シリコーン樹脂Cは、例えば、15〜30モル%のD単位、50〜75モル%のT単位、0〜20モル%のM単位及び該樹脂の乾燥重量に対して0.1〜3重量%の−OHヒドロキシル単位を含む。
【0034】
そのブルックフィールド粘度は、特に500〜8000mm2/s、好ましくは800〜1200mm2/sである。
【0035】
本発明のシリコーン組成物は、シリコーン活物質100%当たり、乾燥/乾燥基準で、例えば:
・20〜80重量%、好ましくは35〜60重量%、特に45〜50重量%のヒドロキシル官能性シリコーン樹脂A;
・20〜80重量%、好ましくは30〜55重量%、特に35〜45重量%のヒドロキシル官能性シリコーンゴムB;
・1〜20重量%、有利には2〜15重量%、好ましくは2.5〜10重量%のビニル官能性シリコーン樹脂E;及び
・1〜35重量%、好ましくは2〜30重量%、特に5〜20重量%、特に5〜16重量%のヒドロキシル官能性シリコーン樹脂C
を含むことができる。
【0036】
本発明のシリコーン組成物が1種以上の有機溶媒Sを含む場合には、これらは、例えば芳香族又は脂肪族溶媒(ヘキサン、ヘプタンなど)、好ましくはトルエン、キシレン又は随意にアルキルベンゼン、或いはオイル留分、例えば、エクソン社によりExxsol(登録商標)D40又はD60という商品名で販売されている脱芳香族化脂肪族炭化水素であることができる。これらの溶媒は、一般に、60〜200℃の沸点を有する。
【0037】
これ(これら)は、本発明の架橋性シリコーン組成物の総重量の20〜80重量%、有利には30〜60重量%、好ましくは35〜50重量%、特に40〜60%を占めることができる。
【0038】
使用できる縮合触媒Fは、例えば、アルカリ金属、アミン又は有機金属塩、好ましくはKOH及びNaOHなどのアルカリ性塩基であり、随意に水溶液、特にこれらの塩基の1種(例えばKOH)と1種の(又は1種以上)シリコーンオリゴマーとの反応によって得られるシラノレートである。
【0039】
触媒は、シラノールを考慮したその有効性、転化反応の温度及びこれらのシラノールの縮合によって形成される水の除去を促進させることのできる技術(再蒸留器、ディーン・スターク装置など)を使用するかどうかに依存する。これ(これら)は、乾燥シリコーン混合物に対して、重量を基準にして10〜2000ppm、好ましくは20〜1500ppm、特に本発明の乾燥シリコーン組成物の総重量の35〜1500ppmを占めることができる。
【0040】
使用できる中和剤Gは、例えば、有機酸又は鉱酸、好ましくは燐酸又は酢酸又は炭酸、特に燐酸と1種(又は1種以上)のシリコーンオリゴマーとの反応生成物である。
【0041】
中和剤の添加量は、もちろん、転化反応のために使用される縮合触媒の量に依存する。この添加量を、シリコーンPSAの良好な中和、又は随意に転化のために導入される塩基の量に対してわずかに過剰モルの酸を得ることを視野に入れて調節することが必要である。シリコーンPSAの転化の質は、残留シラノールを検査することによって監視できる。
【0042】
通常、PSAは、比較的濃縮された状態(典型的には50重量%未満の溶媒を含有する)で販売されており、被覆利用者は、一般に、支持体へのシリコーン付着物の厚さを調節するために、該利用者の被覆器に応じて、被覆操作を実施する少し前にPSAとトルエンなどの溶媒による希釈を行う。
【0043】
したがって、本発明は、例えば所定容量の溶媒を添加することによって希釈された上記組成物であって、該希釈組成物が、シリコーン固形分として、20〜60重量%、好ましくは25〜55重量%、特に30〜50重量%を含有することができるようなものを目的とする。
【0044】
その浴の処方中に、多くの場合、塗布機により、架橋剤、特に、オーブンに入る時にその支持体上での補完的な架橋を開始させることを可能にする、過酸化物などのラジカル経路で架橋する試剤が添加される。したがって、本発明の好ましいシリコーン組成物は、1種以上の架橋剤、特に過酸化物、例えば、過酸化2,4−ジクロロベンゾイル(DCB)などのラジカル経路によって架橋するものも含有する。
【0045】
上記シリコーン組成物は、概して、有機溶媒S中において、
・MQ(OH)型のヒドロキシル官能性シリコーン樹脂A(ここで、M:R123SiO1/2及びQ(OH):(OH)SiO3/2であり、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に、
・1個以上のハロゲン原子で置換されていてよい、1〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルキル基;及び
・6〜14個の炭素原子を有するアリール又はアルキルアリール基
から選択される)と、
・ヒドロキシル官能性シリコーンゴムBと、
・MQ型又はMQ(OH)型のビニル官能性シリコーン樹脂Eであって、DVi及び/又はMVi単位を含むもの(ここで、M:R123SiO1/2、MVi:R124SiO12、DVi:R14SiO2/2、Q:SiO4/2及びQ(OH):(OH)SiO3/2であり、該R1、R2及びR3基は、それぞれ独立に、
・1個以上のハロゲン原子で置換されていてよい、1〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルキル基;及び
・6〜14個の炭素原子を有するアリール又はアルキルアリール基;
から選択され、
4はビニル基である。)
とを混合させることによって製造できる。
【0046】
また、上記混合物に、MDT(OH)又はDT(OH)型のヒドロキシル官能性シリコーン樹脂C(ここで、M:R123SiO1/2、D:R12SiO2/2及びT(OH):(OH)R1SiO2/2であり、該R1、R2及びR3基は、それぞれ独立に、
・1個以上のハロゲン原子で置換されていてよい、1〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルキル基;及び
・6〜14個の炭素原子を有するアリール又はアルキルアリール基
から選択される。)
を取り入れることも可能である。
【0047】
また、随意成分、すなわち、縮合触媒F、続いて中和剤Gを配合することも可能である。
【0048】
また、上記混合物に随意成分の縮合剤を配合することも可能である。
【0049】
最後に、上記混合物に溶媒を配合することも可能である。
【0050】
上記シリコーン組成物は、特に、次のように製造できる:
(a)有機溶媒S中において、MQ(OH)型のヒドロキシル官能性シリコーン樹脂Aと、ヒドロキシル官能性シリコーンゴムBと、DVi及び/又はMVi単位を含むMQ又はMQ(OH)型のビニル官能性シリコーン樹脂Eと、MDT(OH)又はDT(OH)型のヒドロキシル官能性シリコーン樹脂Cとを混合させ、続いて、随意に該混合物全体を高温で混合し;続いて、必要に応じて、なお高温で縮合触媒Fを添加し、縮合反応が生じるまで放置し、続いて該混合物に中和剤Gを添加して所期の組成物を得る。
(b)有機溶媒S中において、MQ(OH)型のヒドロキシル官能性シリコーン樹脂Aと、ヒドロキシル官能性シリコーンゴムBと、DVi及び/又はMVi単位を含むMQ又はMQ(OH)型のビニル官能性シリコーン樹脂Eとを混合させ、該集合体全体を高温で混合し、続いて、なお高温で、縮合触媒Fを添加し、縮合反応が生じるまで放置し、次いでこの混合物に中和剤G、続いて随意にMDT(OH)又はDT(OH)型のヒドロキシル官能性シリコーン樹脂Cを添加して所期の組成物を得、必要に応じて、これに架橋剤、特にラジカル経路により架橋する試剤若しくは有機溶媒又はその両方を添加して、該溶媒を蒸発させた後に所望の厚みのシリコーン被着物をもたらすことを可能にする被覆浴を得る。この浴の固形分は、通常、数十マイクロメートル(例えば30〜60μm)の最終(乾燥)シリコーン被着物を得るように、およそ25〜50%のシリコーンである。これらの値は、勿論例示であり、目標とする塗布特性による。
(c)有機溶媒S中において、MQ(OH)型のヒドロキシル官能性シリコーン樹脂Aと、ヒドロキシル官能性シリコーンゴムBとを混合し、混合したこれらに、MDT(OH)又はDT(OH)型のヒドロキシル官能性シリコーン樹脂CとDVi及び/又はMVi単位を含むMQ又はMQ(OH)型のビニル官能性シリコーン樹脂Eとを添加し、縮合反応が生じるまで放置し、次いで、必要に応じて架橋剤、特にラジカル経路により架橋する試剤若しくは有機溶媒又はその両方を添加して、(b)と同様に被覆浴を得る。
【0051】
MQ(OH)型のヒドロキシル官能性シリコーン樹脂Aと、ヒドロキシル官能性シリコーンゴムBと、DVi及び/又はMVi単位を含むMQ又はMQ(OH)型のビニル官能性シリコーン樹脂Eとを有機溶媒S中において高温で混合させる場合には、該有機溶媒の沸点に近い温度、すなわち溶媒の沸点±5℃に等しい温度でこの混合を実施することが可能である。
【0052】
シラノールの縮合を促進させるために、形成された水の除去を促進させることが可能な装置、例えば一般には「ディーン・スターク」又は「再蒸留」装置と呼ばれる、溶剤から水性相を回収及び分離することが可能な(該溶剤は反応器に再循環される)装置を使用することができる。
【0053】
本発明の要旨であるシリコーン組成物は、非常に有利な特性及び品質を有する。これらは、シリコーン感圧接着剤組成物の製造のためにそれらを使用することを妥当にする感圧接着剤に架橋できる。
【0054】
一方で、本発明のシリコーン感圧接着剤組成物は、特に、顕著な粘着特性、剥離強度特性及びせん断強度特性に同時に恵まれている。
【0055】
事実、PSA組成物の主な特性は、粘着性、剥離強度及びせん断強度である。粘着性は、感圧接着剤の接着力を特徴付けるものであり、次の2つの要因を必要とする。すなわち、瞬間的に創り出される支持体との結合の性質及び該接着剤の粘弾性である。剥離強度は、その支持体から粘着テープを分離させるのに必要な力を評価することを可能にする。せん断強度は、ぶら下がった錘によって課せられるせん断力にさらされた接着剤の抵抗性を周囲温度で測定することを可能にする。当業者に周知の様々な基準測定法が存在する。
【0056】
これらの特性を以下の実験の部で例示する。これらは、支持体の表面の全体的な又は部分的な被膜に接着力を付与するために上記架橋性シリコーン組成物を使用するだけの価値を与えるだけでなく、過酸化物が予め配合された上記架橋性シリコーン組成物で表面を完全に又は部分的に被覆し、続いて溶媒の除去及び使用する過酸化物の活性化を可能にする温度でシリコーン処理支持体を加熱することによって架橋を実施する、支持体上に接着力を付与するための方法においても、上記架橋性シリコーン組成物を使用するだけの価値を与える。
【0057】
そういうわけで、本発明の別の要旨は、上記架橋シリコーン組成物で少なくとも部分的に覆われた支持体を備える複合材である。
【0058】
この支持体は、適用分野に応じて非常に様々な性質のものであることができる。例えば、金属、アルミニウム、又はガラスなどの表面エネルギーの高い支持体が挙げられる。また、例えば、ポリエステル、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート又は所定のポリジメチルシロキサンから作られたフィルムなどのプラスチック類も挙げられる。
【0059】
支持体の種類に応じて、様々な技術を導入することができるであろう。
【0060】
特に、シート、フィルム、ストリップなどのような平坦な支持体については、塗布機、特にローラーを有する塗布機を使用することが可能であろう。
【0061】
また、上記架橋性シリコーン組成物の好ましい処理加工条件は、上で対象とした本発明の他の要旨、特に上記架橋シリコーン組成物で少なくとも部分的に覆われた支持体を備える複合材にも当てはまる。
【0062】
以下の実施例は、本発明を例示するものである。
【実施例】
【0063】
材料及び物質:
次の材料及び物質を使用した:
・ディーン・スターク装置及び冷却器を備える1リットルガラス反応器;
・ステンレススチール製スクレーピングアンカー型撹拌器;
・熱流体(シリコーンオイル)を含有し、かつ、磁気撹拌器ホットプレート上に設置されるステンレススチール製ビーカーから構成される加熱浴;
・Me3SiO12単位(約50mol%)、SiO2単位(約40%)及びQ(OH)単位(約10%)から構成され、トルエン中60%の活物質を含有し、Mn=2800g/molを有し、2.5重量%のOH(乾燥樹脂に対して)を含み、しかも15mm2/sの粘度を有する、MQ(OH)シリコーン樹脂(A);
・800mm/10の粘稠度を有し、しかもMn=330000g/molを有するα,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサンゴム(B);
・MDViQ(OH)単位から構成され、乾燥樹脂の重量を基準にして2.5%のVi及び0.3%のOHを含有し、モル質量Mn=3270g/molを有する、60%キシレン溶液の状態のシリコーン樹脂(E);
・MDT(OH)単位から構成され、モルで表して約64%のMeSiO32単位、23%のMe2SiO単位及び13%のMe3SiO12単位を含み、Mn=1680g/molを有し、R/Si比=1.4を有し、しかも0.5%のOH(重量基準)及び1000mm2/sの粘度を有する、シリコーン樹脂(C);
・縮合触媒(F)のトルエン溶液(試験直前に調製):KOHとシロキサンオリゴマー(D4、M2)との反応生成物2.7gをトルエン40gに希釈。初期反応生成物を14.5%のKOHで滴定したところ、密度=1.023を有していた;
・トルエンで希釈された中和用溶液(G)(試験直前に調製):H3PO4とシロキサンオリゴマー(D4及び47V3)との反応生成物6gをトルエン61.9gで希釈。初期反応生成物を8.5%のH3PO4で滴定したところ、密度=1.580を有していた。
【0064】
対照:
これらのPSAの粘度は、ブルックフィールドDV−II+装置を使用してニードル5及び2.5の速度で測定する。
PSAの固形分は、およそ1gのPSAから、通風オーブン内に150℃で1時間にわたり放置した後の重量損失を測定することによって決定する。
【0065】
製造:
例1:本発明に従う感圧接着剤(PSA)組成物の製造
500gのMQ(OH)樹脂(A)及び255gのトルエンを反応器に導入し、次いで110rpmの速度で撹拌を開始する。
シリコーンゴム(B)(255g)を少しずつ添加すると同時に1時間にわたり撹拌する。
加熱浴を運転状態にし、そして反応混合物の温度が113℃に達したときに、6.78gの縮合触媒希釈溶液を導入する。トルエン還流下で4時間にわたり撹拌した後に、この触媒を、中和用溶液9.05gを導入することによって中和する。20分後に、この加熱浴を取り出し、混合物を冷却のために放置する。架橋性ベース組成物(CBR1という)が得られる。
得られた40.00gのベース組成物CBR1のアリコートを取り出し、続いて、さらに撹拌しながらかつ低温で、1.00gのMDViQ(OH)樹脂(E)、0.63gの過酸化2,4−ジクロロベンゾイル(DCB)及び20.54gのトルエンを添加する。
得られた感圧接着剤組成物をガラス製の小瓶に充填する。
【0066】
例2〜6:本発明に従う感圧接着剤(PSA)組成物の製造
例1の手順に従ったが、ただし、表1で示すベース組成物CBR1、トルエン、過酸化DCB及びMDViQ(OH)樹脂(E)の量(gで表す)を使用した。
【0067】
【表1】

【0068】
比較例1:MDViQ(OH)樹脂(E)を含まない感圧接着剤(PSA)組成物の製造
例1で得られた40.00gのベース組成物CBR1のアリコートを取り出し、そして0.63gの過酸化DCB及び20.54gのトルエンを撹拌しながらかつ低温で添加する。
得られた対照の感圧接着剤組成物をガラス製の小瓶に充填する。
【0069】
例7:本発明に従う感圧接着剤(PSA)組成物の製造
709.85gのMQ(OH)樹脂(A)及び403.75gのトルエンを反応器に導入し、次いで110rpmの速度で撹拌を開始する。
シリコーンゴム(B)(386.40g)を少量ずつ添加すると同時に1時間にわたって撹拌する。自己発熱によって到達した温度はおよそ40〜45℃である。このゴムを完全に溶解させた後に、均質な混合物の状態のこのベース組成物を周囲温度で保存する。架橋性ベース組成物(CBR2という)が得られる。
次に、40.39gのベース組成物CBR2のアリコートに、撹拌しながらかつ低温で、3.08gのMDViQ(OH)樹脂(E)、20.57gの過酸化DCB及び20.57gのトルエンを添加する。
得られた感圧接着剤組成物をガラス製の小瓶に充填する。
【0070】
例8:本発明に従う感圧接着剤(PSA)組成物の製造
40.62gのベース組成物CBR2のアリコートに、撹拌しながらかつ低温で、3.03gのMDViQ(OH)樹脂(E)、1.05gのMDT(OH)樹脂(C)、0.63gの過酸化DCB及び20.60gのトルエンを添加する。
得られた感圧接着剤組成物をガラス製の小瓶に詰める。
【0071】
例9及び10:本発明に従う感圧接着剤(PSA)組成物の製造
例8の手順に従ったが、ただし、表2に示すベース組成物CBR2、トルエン、過酸化DCB、MDT(OH)樹脂(C)及びMDViQ(OH)樹脂(E)の量(gで表す)を使用した。
【0072】
【表2】

【0073】
比較例2:MDViQ(OH)樹脂(E)を有しない感圧接着剤(PSA)組成物の製造
例7で得られた39.93gのベース組成物CBR2のアリコートに、撹拌しながらかつ低温で、0.63gの過酸化DCB及び20.55gのトルエンを添加する。
得られた対照の感圧接着剤組成物をガラス製の小瓶に充填する。
【0074】
複合材の製造:
例1〜10並びに比較例1及び2について、上記混合物は、既に所要の固形分であり、かつ、すでに過酸化物触媒を含有してた。そのため、これらのものを、36μmの厚さを有するポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムにそのままの状態で塗布した。被覆を、支持体(PETフィルム)とドクターブレードとの間隔を調節することによって所望の塗り厚を得ることを可能にする被覆ベンチ上で実施する。このようにして、50μmの厚みの被覆を実施した。続いて、ヒュームフード下で15分間にわたり溶媒を蒸発させ、そして、170℃のオーブン内で2分間にわたりラジカル架橋を開始させる。
こうして、上記接着剤が被覆されたPETフィルムを得る。
続いて、この接着剤を、1μmのフルオロシリコーンが被覆され、かつ、いかなるバブルも除去するために3m/分の速度で、25kg/cm次いで45kg/cmの圧力のプレス下を通ったポリエチレンテレフタレートのフィルムで保護する。これらの集合体を「複合材」という。
【0075】
組成物及びフィルムの特性:
上記接着剤が被覆されたポリエチレンテレフタレートフィルムの特性を、次の試験を使用して実証した:
【0076】
試験プロトコール
1.粘着性:
ASTM D2979「Probe Tack」基準法。力センサーに連結された金属棒と試料とを1cm/sの速度で接触させる。この接触時間は1秒である。接着剤被覆フィルムからこの棒を分離させるのに必要な力を測定し、これをg/cm2で表す。
【0077】
2.剥離強度:
ASTM D330A基準法。接着剤被覆フィルムを金属板に貼り付ける。1分の放置時間後に、このフィルムを該板から180℃の角度及び300mm/分の一定速度で引き離す。剥離強度をセンサーで測定する(g/cmで表す)。
【0078】
3.せん断強度:
PSTC 107A及びASTM D6463A改変「Shear Test」基準法。接着剤被覆フィルムを金属板に結合させる。これに7日に設定された最大時間にわたり1kgの錘をかける。接着剤の粘着破壊前の時間を測定し、これを時間で表す。
【0079】
結果
【表3】

【0080】
上記結果は、MDViQ樹脂を低温で添加すると、PSAの特性について、
・剥離強度(57%)が大きく増加すること;及び
・せん断強度が有意に増加すること
を示している。
【0081】
【表4】

【0082】
低温での後添加によって、MDT(OH)樹脂(C)の添加は、剥離強度を低下させることなくPSAの粘着性をかなり有意に増加させることを可能にする。
【0083】
結論
上記結果は、
・MDViQ樹脂が剥離強度及びせん断強度を増大させることを可能にすること;
・MDT(OH)樹脂を補助的に添加すると機械的性質を低下させることなく粘着性が増大すること(剥離強度)
を示している。
【0084】
上記結果は、高度化されておらず、かつ、完全に許容できる接着特性を有するPSAを製造することが可能であることを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコーン組成物であって、
・MQ(OH)型のヒドロキシル官能性シリコーン樹脂A(ここで、M:R123SiO1/2及びQ(OH):(OH)SiO3/2であり、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に、
・1個以上のハロゲン原子で置換されていてよい、1〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルキル基;及び
・6〜14個の炭素原子を有するアリール又はアルキルアリール基
から選択される。)と、
・ヒドロキシル官能性シリコーンゴムBと、
・MQ型又はMQ(OH)型のビニル官能性シリコーン樹脂Eである第3成分であって、DVi及び/又はMVi単位(ここで、M:R123SiO1/2、MVi:R124SiO1/2、DVi:R14SiO2/2、Q:SiO4/2及びQ(OH):(OH)SiO3/2であり、該R1、R2及びR3基は、それぞれ独立に、
・1個以上のハロゲン原子で置換されていてよい、1〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルキル基;及び
・6〜14個の炭素原子を有するアリール又はアルキルアリール基
から選択され、R4はビニル基である。)と
を含む組成物。
【請求項2】
MDT(OH)又はDT(OH)型のヒドロキシル官能性シリコーン樹脂C(ここで、M:R123SiO1/2、D:R12SiO2/2及びT(OH):(OH)R1SiO2/2であり、該R1、R2及びR3基は、それぞれ独立に、
・1個以上のハロゲン原子で置換されていてよい、1〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルキル基;及び
・6〜14個の炭素原子を有するアリール又はアルキルアリール基
から選択される。)も含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
縮合触媒F及び中和剤Gも含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記ヒドロキシル官能性シリコーン樹脂Aが、40〜80モル%のM単位、30〜55モル%のQ単位、5〜15モル%のQ(OH)単位及び該樹脂の乾燥重量に対して0.5〜4重量%の−OHヒドロキシル単位を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
前記ヒドロキシル官能性シリコーンゴムBがモル質量≧40000g/molを有するα,ω−ジヒドロキシルポリジアルキルシロキサンであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
前記DVi及び/又はMVi単位を含むMQ又はMQ(OH)型のビニル官能性シリコーン樹脂Eが、該樹脂の乾物に対して5重量%未満のVi基及び0.4重量%未満のOHを含むMDViQ(OH)、MMViQ(OH)樹脂であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
前記MDT(OH)又はDT(OH)型のヒドロキシル官能性シリコーン樹脂Cにおいて、該M、D及びT単位がメチル官能性又はフェニル官能性の単位であることを特徴とする、請求項2〜6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
前記ヒドロキシル官能性シリコーン樹脂Cが、15〜30モル%のD単位、50〜75モル%のT単位、0〜20モル%のM単位及び該樹脂の乾燥重量に対して0.1〜3重量%の−OHヒドロキシル単位を含むことを特徴とする、請求項2〜6のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
シリコーン活物質100%当たり、乾燥/乾燥基準で、
・20〜80重量%のヒドロキシル官能性シリコーン樹脂A;
・20〜80重量%のヒドロキシル官能性シリコーンゴムB;
・1〜20重量%のビニル官能性シリコーン樹脂E;及び
・1〜35重量%のヒドロキシル官能性シリコーン樹脂C
を含むことを特徴とする、請求項2〜8のいずれかに記載の組成物。
【請求項10】
1種以上の架橋剤も含むことを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の組成物。
【請求項11】
シリコーン感圧接着剤組成物の製造方法であって、有機溶媒S中において、
・MQ(OH)型のヒドロキシル官能性シリコーン樹脂A(ここで、M:R123SiO1/2及びQ(OH):(OH)SiO3/2であり、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に、
・1個以上のハロゲン原子で置換されていてよい、1〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルキル基;及び
・6〜14個の炭素原子を有するアリール又はアルキルアリール基;
から選択される。)と、
・ヒドロキシル官能性シリコーンゴムBと、
・MQ型又はMQ(OH)型のビニル官能性シリコーン樹脂Eであって、DVi及び/又はMVi単位を含むもの(ここで、M:R123SiO1/2、MVi:R124SiO1/2、DVi:R14SiO2/2、Q:SiO4/2及びQ(OH):(OH)SiO3/2であり、該R1、R2及びR3基は、それぞれ独立に、
・1個以上のハロゲン原子で置換されていてよい、1〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルキル基;及び
・6〜14個の炭素原子を有するアリール又はアルキルアリール基;
から選択され、R4はビニル基である。)と
を混合させることを特徴とする、前記方法。
【請求項12】
前記混合物に、MDT(OH)又はDT(OH)型のヒドロキシル官能性シリコーン樹脂C(ここで、M:R123SiO1/2、D:R12SiO2/2及びT(OH):(OH)R1SiO2/2であり、該R1、R2及びR3基は、それぞれ独立に、
・1個以上のハロゲン原子で置換されていてよい、1〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルキル基;及び
・6〜14個の炭素原子を有するアリール又はアルキルアリール基
から選択される。)
も取り入れることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記混合物に縮合触媒F及び中和剤Gも配合することを特徴とする、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
請求項1〜10のいずれかに記載の架橋シリコーン組成物で少なくとも覆われた支持体を備えた複合材。
【請求項15】
請求項1〜10のいずれかに記載のシリコーン組成物の、支持体上に接着力を付与する目的で該支持体の表面を完全に又は部分的に被覆するための使用。

【公表番号】特表2011−524432(P2011−524432A)
【公表日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−510968(P2011−510968)
【出願日】平成21年5月25日(2009.5.25)
【国際出願番号】PCT/EP2009/056281
【国際公開番号】WO2009/144192
【国際公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(507421304)ブルースター・シリコーンズ・フランス (62)
【Fターム(参考)】