説明

成膜装置及び成膜方法

【課題】分子線エピタキシー(MBE)による成膜に先立って、原料蒸発源セルの周辺に存する不純物を、原料を浪費することなく除去して所期の高真空度を達成し、容易且つ確実に信頼性の高い成膜を実現する成膜装置、成膜方法、及び化合物半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】MBE装置は、原料10が充填される坩堝11と、坩堝11を覆うように配置された第1のヒータ13と、第1のヒータ13を覆うように配置された熱反射板14と、熱反射板を覆うように配置された第2のヒータ15とを備えた原料蒸発源セル2と、原料蒸発源セル2の少なくとも一部を囲み、その壁面を液体窒素温度に冷却することができるシュラウド4とを含み構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成膜装置及び成膜方法に関する。
【背景技術】
【0002】
化合物半導体装置のような半導体デバイスを構成する、例えば化合物半導体層を成膜する際には、分子線エピタキシー(Molecular Beam Epitaxy:MBE)装置が用いられている。MBE装置は、超高真空に保たれており、高純度な成膜が得られる成膜装置である。MBE装置には、成膜が行われるチャンバ、原料を加熱して蒸発させる原料蒸発源セル、真空排気する排気ポンプが設けられている。チャンバ内には、液体窒素温度に冷却し、冷却面に不純物ガスを凝縮又は吸着させるシュラウドが配置されている。
【0003】
MBE装置では、以下の手順により、超高真空を実現している。坩堝に原料を充填した後、まず、チャンバを真空排気しながらベーキングする。坩堝に原料を充填するときは、チャンバを大気開放するため、大気中の水等の不純物がチャンバの内壁等に吸着する。ベーキングでは、シュラウドを液体窒素温度に冷却せずに、チャンバの外部に取り付けたヒータで加熱するので、チャンバの内壁などに吸着しているガスは放出され排気ポンプに排気される。これにより、チャンバ内の大部分の不純物ガスが除去され、チャンバを高真空にすることができる。その後、更に真空度を高めるために、シュラウドに液体窒素を導入し、チャンバ内に僅かに残留している不純物ガスを、冷却されたシュラウド表面に凝縮または吸着させる。一般的なMBE装置では、上記のような手順を経て超高真空を実現した後、原料蒸発源セルのヒータを加熱し原料を蒸発させ、成膜を開始する。
【0004】
ここで、原料蒸発源セルのヒータを加熱した時に、原料蒸発源セル周辺のシュラウド表面に凝縮又は吸着した不純物ガスがヒータ熱により放出され、成膜層に混入する。少数キャリアを扱うデバイスなど、成膜層の純度に注意を要する成膜を行う場合は、放出された不純物ガスが成膜層に混入すると特性の劣化などの原因となるため好ましくない。そこで、高純度な成膜層を得るために、以下の手順を経る。具体的には、成膜中にシュラウド表面に凝縮又は吸着した不純物ガスが放出され、成膜層に混入するのを抑制する。原料蒸発源セル周辺のシュラウド表面に凝縮又は吸着した不純物ガスは、原料を蒸発させるためにヒータを加熱した際に、そのヒータ熱により放出される。そのため、成膜を開始する前に、原料蒸発源セルのヒータを成膜時に使用する坩堝温度より高温にし、長時間保持する。これにより、原料蒸発源セルの周辺部のシュラウドに凝縮又は吸着している不純物ガスを除去する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−214787号公報
【特許文献2】特開2003−34591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
原料蒸発源セルは、図1に示すように、原料100を充填する坩堝101と、坩堝101を加熱するヒータ102と、ヒータ熱を閉じ込める熱反射板103とを備えて構成されている。原料蒸発源セルを囲むように設けられたシュラウド104に凝縮又は吸着している不純物ガスは、ヒータ102で坩堝101を加熱した時に、熱反射板103が温められることで発生する輻射熱で放出される。ところがこの場合、ヒータ102は熱反射板103に囲われていることから、輻射によるガス放出効果は小さい。そのため、原料蒸発源セルの周辺の不純物ガスを除去するためには、坩堝101を加熱するヒータ102で成膜時に使用する坩堝温度より高温にし、長時間加熱する必要がある。同時に、坩堝101が長時間加熱されることになるので、坩堝101に充填した原料100の蒸発が進み、浪費してしまい好ましくないという問題がある。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、成膜に先立って、原料蒸発源セルの周辺に存する不純物を、原料を浪費することなく除去して所期の高真空度を達成し、容易且つ確実に信頼性の高い成膜を実現する成膜装置、成膜方法、及び化合物半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
成膜装置の一態様は、原料が充填される坩堝と、前記坩堝を覆うように配置された第1のヒータと、前記第1のヒータを覆うように配置された熱反射板と、前記熱反射板を覆うように配置された第2のヒータとを含む。
【0009】
成膜方法の一態様は、原料が充填される坩堝と、前記坩堝を覆うように配置された第1のヒータと、前記第1のヒータを覆うように配置された熱反射板と、前記熱反射板を覆うように配置された第2のヒータとを含む成膜装置を用いた成膜方法であって、前記第2のヒータを作動させて加熱する工程と、前記第1のヒータを作動させて加熱して前記坩堝内の前記原料を蒸発させ、基板の表面に成膜する工程とを含む。
【発明の効果】
【0010】
上記の諸態様によれば、成膜に先立って、原料蒸発源セルの周辺に存する不純物を、原料を浪費することなく除去して所期の高真空度を達成し、容易且つ確実に信頼性の高い成膜が実現する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】従来のMBE装置における原料蒸発源セルの概略構成を示す模式図である。
【図2】第1の実施形態によるMBE装置の概略構成を示す模式図である。
【図3】第1の実施形態によるMBE装置の原料蒸発源セルの概略構成を示す断面図である。
【図4】第1の実施形態によるMBE装置を用いた成膜方法を示すフロー図である。
【図5】第1の実施形態によるMBE装置の機能を説明するための模式図である。
【図6】第2の実施形態によるMBE装置の概略構成を示す模式図である。
【図7】第2の実施形態によるMBE装置の原料蒸発源セルの概略構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、成膜装置、成膜方法、及び化合物半導体装置の製造方法の具体的な諸実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
(第1の実施形態)
本実施形態では、成膜装置として、MBE装置を例示する。
図2は、第1の実施形態によるMBE装置の概略構成を示す模式図である。図3は、第1の実施形態によるMBE装置の原料蒸発源セルの概略構成を示す断面図である。
【0014】
このMBE装置は、図2に示すように、成膜が行われるチャンバ1と、成膜の原料10を加熱して蒸発させる原料蒸発源セル2と、チャンバ1内を真空排気する排気ポンプ3とを備えている。チャンバ1内には、原料蒸発源セル2の少なくとも一部を囲み、その壁面を液体窒素温度に冷却することができるシュラウド4と、被成膜対象である基板20を保持固定する基板ホルダ5とが配置されている。
【0015】
原料蒸発源セル2は、図3に示すように、坩堝11、温度制御機構12、第1のヒータ13、熱反射板14、第2のヒータ15を備え、これらが支柱17を介してフランジ16により支持されている。
坩堝11は、例えばPBN(Pyrolitic Boron Nitride:熱分解窒化ホウ素)からなり、原料10が充填される。温度制御機構12は、坩堝11の底部位に配置された熱電対12aを有しており、坩堝11の温度を精密に制御する。第1のヒータ13は、例えばタングステン(W)からなり、坩堝11の側面を覆うように配置されている。熱反射板14は、例えばタンタル(Ta)からなり、第1のヒータ13を覆うように配置されている。第2のヒータ15は、例えばWからなり、熱反射板14を覆うように配置されている。第1のヒータ13及び第2のヒータ15のリード線がフランジ16のフィードスルーを通して外部に接続されている。本実施形態では、例えば図示のように、第1のヒータ13及び第2のヒータ15のリード線が温度制御機構12に接続され、温度制御機構12が第1のヒータ13及び第2のヒータ15の加熱をそれぞれ制御するように構成される。熱反射板14を囲むようにシュラウド4の側壁4aが配置されており、液体窒素を用いて側壁4aを極低温に冷却し、その表面(冷却面)に不純物ガスを凝縮又は吸着させる。
【0016】
以下、上記のように構成されたMBE装置を用いた成膜方法について、図4を用いて説明する。
先ず、坩堝11内に原料10を充填する(ステップS1)
続いて、チャンバ1内を排気ポンプ3で真空排気しながら、200℃程度でベーキングする(ステップS2)。このベーキングにより、チャンバ1内に存する水等の不純物ガスの大部分が除去される。
続いて、シュラウド4に液体窒素を導入し、側壁4aの冷却面を約−196℃に冷却する(ステップS3)。この冷却面に、チャンバ1内に僅かに残留している不純物ガスが凝縮又は吸着される。これにより、チャンバ1内が超高真空状態となる。
【0017】
続いて、例えば温度制御機構12の制御により、原料蒸発源セル2の熱反射板14の外周に配置された第2のヒータ15を、例えば400℃程度に加熱する(ステップS4)。このとき、図5に示すように、第2のヒータ15の周辺部位は、第2のヒータ15から輻射熱が放出されることで温められる。第2のヒータ15の外側には熱反射部材が存しないため、原料蒸発源セル2を囲むシュラウド4の側壁4aの表面が効率良く加熱される。側壁4aの冷却面に凝縮又は吸着していた不純物ガスは、第2のヒータ15からの輻射熱により側壁4aの冷却面から放出される。一方、第2のヒータ15の内側には熱反射板14が配置されているため、熱反射板14の外側に配置された第2のヒータ15を加熱することによる坩堝11の温度上昇が抑止される。
【0018】
これにより、原料10の蒸発を抑制し、且つ、原料蒸発源セル2の周辺部位に配置されたシュラウド4の側壁4aの冷却面に凝縮又は吸着した不純物ガスを除去することができる。第2のヒータ15は、坩堝11を加熱するための第1のヒータ13の熱反射板14を介した外側全体を覆うように配置させている。そのため、坩堝11を加熱したときの輻射熱を良く再現できるので、シュラウド4の側壁4aの冷却面に凝縮又は吸着した不純物ガスを効果的に除去することができる。
【0019】
続いて、例えば温度制御機構12の制御により、第2のヒータ15の加熱を停止し、坩堝11が所望温度、例えば900℃程度となるように熱反射板14の内側に配置された第1のヒータ13を加熱し、坩堝1内の原料10を蒸発させる(ステップS5)。これにより、図2に示したチャンバ1内の基板ホルダ5に設置された基板20の表面に原料10の薄膜が成膜される。
【0020】
具体的に、基板20として例えばGaAs基板を用い、上記のMBE装置を用いてGaAs層、InAs層、InGaAs層等をGaAs基板上に形成することができる。積層形成されたこれらの化合物半導体層に所定の電極等を適宜形成することにより、所期の化合物半導体装置を得ることができる。
【0021】
第1のヒータ13の外側は熱反射板14で覆われているが、温められた熱反射板14から放射される輻射熱により、原料蒸発源セル2の周辺部位に配置されたシュラウド4の側壁4aの冷却面が加熱される。ところが、熱反射板14の外周にある第2のヒータ15の輻射熱により、側壁4aの冷却面に凝縮又は吸着していた不純物ガスは除去されている。そのため、原料10を蒸発させるために坩堝11を加熱しても、側壁4aの冷却面からの不純物ガスはない。本実施形態では、ステップS4を実行することにより、坩堝11を高温で長時間加熱することなく、また、坩堝11に充填された原料10を浪費することなく、シュラウド4の側壁4aの冷却面に凝縮又は吸着した不純物ガスを容易且つ確実に除去することができる。
【0022】
以上説明したように、本実施形態によれば、成膜に先立って、原料蒸発源セル2の周辺に存する不純物を、原料10を浪費することなく除去して所期の高真空度を達成し、容易且つ確実に信頼性の高い成膜が実現する。
【0023】
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について説明する。本実施形態では、第1の実施形態と同様に、MBE装置及びこれを用いた成膜方法について開示するが、MBE装置の原料蒸発源セルに非熱反射板が付加された点で第1の実施形態と相違する。
図6は、第2の実施形態によるMBE装置の概略構成を示す模式図である。図7は、第2の実施形態によるMBE装置の原料蒸発源セルの概略構成を示す断面図である。なお、第1の実施形態によるMBE装置の構成部材等と同様のものについては、同符号を付して詳しい説明を省略する。
【0024】
このMBE装置は、図6に示すように、成膜が行われるチャンバ1と、成膜の原料10を加熱して蒸発させる原料蒸発源セル21と、チャンバ1内を真空排気する排気ポンプ3とを備えている。チャンバ1内には、原料蒸発源セル21の少なくとも一部を囲み、その壁面を液体窒素温度に冷却することができるシュラウド4と、被成膜対象である基板を保持固定する基板ホルダ5とが配置されている。
【0025】
原料蒸発源セル21は、図7に示すように、坩堝11、温度制御機構12、第1のヒータ13、熱反射板14、第2のヒータ15、非熱反射板22を備え、これらが支柱17を介してフランジ16により支持されている。
非熱反射板22は、例えばPBNからなり、第2のヒータ15を覆うように配置されている。第2のヒータ15を遮蔽するように非熱反射板22を設けることにより、MBE装置の使用を重ねることによる第2のヒータ15への成膜材料等の付着を防止することができる。非熱反射板22は熱を遮蔽・反射しないため、第2のヒータ15を加熱した際に、第2のヒータ15から発生した輻射熱は非熱反射板22で遮られることなく、効率良くシュラウド4の側壁4aに到達する。なお、非熱反射板22としては、PBN製の代わりに、例えばサファイア製のものを用いても良い。
【0026】
本実施形態でも、第1の実施形態と同様に、図4で示したステップS1〜S5を順次実行し、図6に示したチャンバ1内の基板ホルダ5に設置された基板20の表面に原料10の薄膜を成膜する。
【0027】
ここで、ステップS4では、第2のヒータ15の周辺部位は、第2のヒータ15から輻射熱が放出されることで温められる。第2のヒータ15の外側には熱反射部材が存しないため、原料蒸発源セル21を囲むシュラウド4の側壁4aの表面が効率良く加熱される。第2のヒータ15を覆う非熱反射板22は、第2のヒータ15から側壁4aへの熱輻射を妨げることはない。側壁4aの冷却面に凝縮又は吸着していた不純物ガスは、第2のヒータ15からの輻射熱により側壁4aの冷却面から放出される。一方、第2のヒータ15の内側には熱反射板14が配置されているため、熱反射板14の外側に配置された第2のヒータ15を加熱することによる坩堝11の温度上昇が抑止される。
【0028】
これにより、原料10の蒸発を抑制し、且つ、原料蒸発源セル21の周辺部位に配置されたシュラウド4の側壁4aの冷却面に凝縮又は吸着した不純物ガスを除去することができる。第2のヒータ15は、坩堝11を加熱するための第1のヒータ13の熱反射板14を介した外側全体を覆うように配置させている。そのため、坩堝11を加熱したときの輻射熱を良く再現できるので、シュラウド4の側壁4aの冷却面に凝縮又は吸着した不純物ガスを効果的に除去することができる。
【0029】
ステップS5では、第2のヒータ15の周辺部位は、第2のヒータ15から輻射熱が放出されることで温められる。第2のヒータ15の外側には熱反射部材が存しないため、原料蒸発源セル21を囲むシュラウド4の側壁4aの表面が効率良く加熱される。側壁4aの冷却面に凝縮又は吸着していた不純物ガスは、第2のヒータ15からの輻射熱により側壁4aの冷却面から放出される。一方、第2のヒータ15の内側には熱反射板14が配置されているため、熱反射板14の外側に配置された第2のヒータ15を加熱することによる坩堝11の温度上昇が抑止される。
【0030】
これにより、原料10の蒸発を抑制し、且つ、原料蒸発源セル21の周辺部位に配置されたシュラウド4の側壁4aの冷却面に凝縮又は吸着した不純物ガスを除去することができる。第2のヒータ15は、坩堝11を加熱するための第1のヒータ13の熱反射板14を介した外側全体を覆うように配置させている。そのため、坩堝11を加熱したときの輻射熱を良く再現できるので、シュラウド4の側壁4aの冷却面に凝縮又は吸着した不純物ガスを効果的に除去することができる。
【0031】
本実施形態でも、基板20として例えばGaAs基板を用い、上記のMBE装置を用いてGaAs層、InAs層、InGaAs層等をGaAs基板上に形成することができる。積層形成されたこれらの化合物半導体層に所定の電極等を適宜形成することにより、所期の化合物半導体装置を得ることができる。
【0032】
以上説明したように、本実施形態によれば、成膜に先立って、原料蒸発源セル21の周辺に存する不純物を、原料10を浪費することなく除去して所期の高真空度を達成し、容易且つ確実に信頼性の高い成膜が実現する。
【0033】
以下、成膜装置及び成膜方法の諸態様について、付記としてまとめて記載する。
【0034】
(付記1)原料が充填される坩堝と、
前記坩堝を覆うように配置された第1のヒータと、
前記第1のヒータを覆うように配置された熱反射板と、
前記熱反射板を覆うように配置された第2のヒータと
を含むことを特徴とする成膜装置。
【0035】
(付記2)前記第2のヒータを覆うように配置された非熱反射板を更に含むことを特徴とする付記1に記載の成膜装置。
【0036】
(付記3)前記第2のヒータを囲むシュラウドを更に含むことを特徴とする付記1又は2に記載の成膜装置。
【0037】
(付記4)前記第1のヒータ及び前記第2のヒータをそれぞれ制御する温度制御機構を更に含むことを特徴とする付記1〜3のいずれか1項に記載の成膜装置。
【0038】
(付記5)前記温度制御機構は、前記坩堝の温度を測定する熱電対を有することを特徴とする付記4に記載の成膜装置。
【0039】
(付記6)原料が充填される坩堝と、
前記坩堝を覆うように配置された第1のヒータと、
前記第1のヒータを覆うように配置された熱反射板と、
前記熱反射板を覆うように配置された第2のヒータと
を含む成膜装置を用いた成膜方法であって、
前記第2のヒータを作動させて加熱する工程と、
前記第1のヒータを作動させて加熱して前記坩堝内の前記原料を蒸発させ、基板の表面に成膜する工程と
を含むことを特徴とする成膜方法。
【0040】
(付記7)前記成膜装置は、前記第2のヒータを囲むシュラウドを更に含み、
前記第2のヒータを作動させて加熱し、前記シュラウドの表面に存する不純物を除去することを特徴とする付記6に記載の成膜方法。
【符号の説明】
【0041】
1 チャンバ
2,21 原料蒸発源セル
3 排気ポンプ
4 シュラウド
4a 側壁
5 基板ホルダ
10 原料
11 坩堝
12 温度制御機構
12a 熱電対
13 第1のヒータ
14 熱反射板
15 第2のヒータ
16 フランジ
17 支柱
20 基板
22 非熱反射板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料が充填される坩堝と、
前記坩堝を覆うように配置された第1のヒータと、
前記第1のヒータを覆うように配置された熱反射板と、
前記熱反射板を覆うように配置された第2のヒータと
を含むことを特徴とする成膜装置。
【請求項2】
前記第2のヒータを覆うように配置された非熱反射板を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
【請求項3】
前記第2のヒータを囲むシュラウドを更に含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の成膜装置。
【請求項4】
前記第1のヒータ及び前記第2のヒータをそれぞれ制御する温度制御機構を更に含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の成膜装置。
【請求項5】
原料が充填される坩堝と、
前記坩堝を覆うように配置された第1のヒータと、
前記第1のヒータを覆うように配置された熱反射板と、
前記熱反射板を覆うように配置された第2のヒータと
を含む成膜装置を用いた成膜方法であって、
前記第2のヒータを作動させて加熱する工程と、
前記第1のヒータを作動させて加熱して前記坩堝内の前記原料を蒸発させ、基板の表面に成膜する工程と
を含むことを特徴とする成膜方法。
【請求項6】
前記成膜装置は、前記第2のヒータを囲むシュラウドを更に含み、
前記第2のヒータを作動させて加熱し、前記シュラウドの表面に存する不純物を除去することを特徴とする請求項5に記載の成膜方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−35710(P2013−35710A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−172232(P2011−172232)
【出願日】平成23年8月5日(2011.8.5)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】