説明

抗酸化活性が改善された微量養分を含有する組成物及びその使用

活性物質と担体と少なくとも1種の共粉砕用補助物質とからなる少なくとも3成分の混合物の乾式共粉砕プロセスにより得ることができる微細粉末形状の組成物であって、前記活性物質が特に抗酸化活性を有する1又は複数種の微量養分物質で構成される組成物。このような組成物は、活性物質の含量が等しい溶液に比較して、活性物質の抗酸化力が著しく増加している。このような効果は、特に、医薬、化粧品及び食餌−栄養の分野の抗酸化組成物に含まれる活性物質の使用のために特に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性物質として特に抗酸化活性を有する少なくとも1種の微量養分(micronutrient)物質と、担体と少なくとも1種の共粉砕用物質とを含む、乾式共粉砕(dry co-grinding)プロセスにより得ることができる少なくとも3成分の組成物、製造方法並びに化粧品及び食餌−栄養(dietary-nutritional)の分野におけるその医薬又は医薬部外品(parapharmaceutical)の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
細胞性の酸化ストレスに対する防御的な生物学的特性のために、近年、抗酸化化合物は、明らかに治療の目的のためにいくつかの疾患において、又は本質的に予防の目的のために準生理学的(paraphysiological)条件の下で適用するための興味の対象であると考えられている。実際に、それらの使用は、多種多様であり得、よって医薬及び医薬部外品の分野、特に化粧品及び食餌−栄養の部門で広く用いられ得る。
【0003】
しかし、このような化合物の多くは、所望の医薬及び医薬部外品の目的のために適する組成物の工業的製造プロセスの間の取り扱いが困難である。なぜなら、例えば、これらは頻繁に、水性及び有機的の両方の溶媒環境での溶解度が乏しいか、又はその他の好ましくない物理化学的特徴を有するからである。上記の問題点に加えて、そして特に溶解度に関する問題点に関して、技術的観点から、これらの化合物は頻繁に、酸化現象によるそれらの分解を避けるために、過度に厳しいプロセスに供することができず、このことがこれらを所望の目的のために実際に使用可能にしないであろうことを考慮に入れることも不可欠である。
【0004】
抗酸化物に関連する配合に関する技術的困難性は、フラボノイド類、ビタミン類、鉱物塩、ポリフェノール類、リポ酸、硫化アミノ酸、EDTA、グルタチオン、カロテノイド類、メラトニン、又はユビデカレノンのような化合物によっても例証される。例えば、ユビデカレノンは、その生物活性のために特に興味深い化合物であり、この理由により、強心活性を有する多くの専門的な薬物療法において治療用としてしばしば用いられている。しかし、医薬的観点から、ワックス様の稠度と乏しい溶解度及び分散性とを有する、取り扱い困難な化合物であることも知られている。さらに、これは、45と48℃の間の融点を有する低融点により特徴付けられる。溶解度に関して、ユビデカレノンは、水又は水性の環境に特に可溶性ではないが(<<0.1 mg/ml)、ジオキサン、エーテル及び塩化メチレンには溶解度が乏しい。さらに、これはプラスチックに対して非常に高い親和性を有する。
【0005】
水性又は有機的な環境で溶解度が乏しい活性物質から本質的になる微細粉末形状の組成物の製造に一般的に関連する問題を解決するために、本出願人は、活性物質の安定性についての疑いのない利点を有する、共粉砕時間を著しく低減しかつより緩やかな粉砕操作条件下での粉砕を可能にする共粉砕用補助物質の存在下での、問題の活性物質の物理化学的特徴に応じて活性物質が親水性又は疎水性の担体に包含されている乾式共粉砕プロセスを開発した。特許出願WO03/097012に記載されているこのプロセスは、対応する活性物質/担体の2成分組成物に関して溶解度及び溶解特性が著しく改善された活性物質/担体/共粉砕用補助物質の3成分組成物を得ることを可能にする。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
水性環境に容易に分散でき、かつ水性環境におそらく可溶性である微細粉末形状の組成物を得るために上記のプロセスを抗酸化剤に適用することにより、本出願人は、驚くべきことに、得られた組成物が、溶液の等しい活性物質含量を考慮すると著しく増加した抗酸化力を示すことを見出した。
【0007】
よって、本発明の目的は、有効成分と、担体と、少なくとも1種の共粉砕用補助物質とを含む少なくとも3成分の組成物の乾式共粉砕プロセスにより得ることができる、良好な加工特性を有する微細粉末形状の組成物であって、上記の有効成分が、抗酸化活性を有する少なくとも1種の微量養分物質を含みかつ有効成分/担体の重量比が1未満である量で存在し、上記の共粉砕プロセスが90分未満行われ、それにより上記の組成物の抗酸化活性が、同じ条件下で同量の活性物質を単独で含有する溶液の抗酸化活性よりも大きいことを特徴とする組成物を提供することである。
【0008】
本発明の好ましい態様によると、上記の担体は、上記の少なくとも3成分の混合物の全量の50重量%以上の量で存在する。
本発明の別の好ましい態様によると、抗酸化活性の増進は、少なくとも3成分の組成物が60分を超えない共粉砕プロセスを受けるときに達成される。
【0009】
本発明のさらなる目的は、上記の組成物の製造方法、並びに化粧品及び食餌−栄養の分野での該組成物の医薬的又は医薬部外的な使用を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図面の簡単な説明
図1:15分間の機械的−化学的活性化に供した実施例6 (リポ酸/ポリビニルピロリドン/グリシン 1/8.5/0.5)、及び90分間の機械的−化学的活性化に供した例C (リポ酸/ポリビニルピロリドン/グリシン l/8.5/0.5)の高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)。
図2:15分間の機械的−化学的活性化に供した実施例4の組成物(ユビデカレノン/γ-シクロデキストリン/グリシン 1/8/1)の抗酸化活性。
図3:60分間の機械的−化学的活性化に供した実施例8の組成物(レスベラトロール/β-シクロデキストリン/グリシン 1.5/7/1.5)、及び120分間の機械的−化学的活性化に供した例D (レスベラトロール/β-シクロデキストリン/グリシン 1.5/7/1.5)の抗酸化活性。
【0011】
本発明の目的及び利点は、以下の詳細な説明により、よりよく理解されるだろう。
以前に引用した特許出願WO03/097012は、活性物質が、問題の活性物質の物理化学的特徴に応じて親水性又は疎水性の担体に包含されている、共粉砕時間を著しく低減できる共粉砕用補助物質の存在下での乾式共粉砕プロセスを記載している。上記のプロセスは、乏しい溶解度及び/又は安定性により取り扱いが困難な物質又は有効成分に関連する技術的−医薬的困難性を克服する狙いに合致する。上記のプロセスを用いて、対応する活性物質/担体の2成分の組成物に関して溶解度及び溶解特性が著しく改善された活性物質/親水性又は疎水性の担体/共粉砕用補助物質の3成分の組成物を得ることができる。
【0012】
共粉砕時間を低減させ、かつ3成分組成物に含まれる活性成分の溶解度/分散性を改善する目的に必須なものは、アミノ酸、リンゴ酸、フマル酸、アスコルビン酸、クエン酸、多価アルコール、エチレンジアミン四酢酸、界面活性剤、レシチン、リン脂質及びその誘導体からなる群より選択される共粉砕用補助物質の存在であるが、親水性担体は、デキストリン及びその誘導体(環状誘導体を含む)、デキストラン、直鎖状及び架橋のポリビニルピロリドン及びそれらの誘導体、セルロース及びその誘導体、マンノグルカン、キトサン、ガラクトマンナン並びにデンプングリコール酸ナトリウムからなる群より選択でき、疎水性担体は、エチルセルロース、ポリアクリレート及びその誘導体、ポリメタクリレート及びその誘導体、ポリスチレン及びその誘導体、シリカからなる群より選択できる。
【0013】
WO03/097012に準ずる目的のために、共粉砕用補助物質は、対応する2成分組成物との3成分組成物の比較から明らかなように、必須である。3成分組成物の共粉砕プロセスのために、i) 1:0.1と1:100の間、好ましくは1:0.5と1:50の間の活性物質/担体;ii) 1:0.1と1:20の間、好ましくは1:0.2と1:10の間の活性物質:共粉砕用補助物質の活性物質/担体/共粉砕用補助物質の重量比が考えられる。共粉砕時間は、0.25時間と24時間の間に含まれる。
【0014】
今回、抗酸化物質を含有する少なくとも3成分の組成物を、共粉砕プロセスにより機械的−化学的活性化に供することにより、水性環境における溶解度又は分散性の改善に加えて、比較的短い粉砕時間で抗酸化活性の予期しない増進が達成されることが見出された。さらに、驚くべきことに、抗酸化活性のこのような増進は、組成物のより大きい溶解度と常に関連しているわけではない。
【0015】
上記の結果をもたらすプロセスは、有効成分と担体との間の特定の比により特徴付けられる。より正確には、有効成分又は活性物質は、1未満、好ましくは0.8未満、より好ましくは0.5未満の担体との重量比で存在する。
担体は、少なくとも3成分の組成物の量に対して少なくとも50%の重量パーセンテージで存在するのが好ましい。好ましくは、担体は、少なくとも3成分の組成物の量に対して少なくとも60%の重量/重量パーセンテージで存在する。
【0016】
抗酸化活性の増進は、少なくとも3成分の混合物を、共粉砕プロセスにより、90分未満、好ましくは60分以下の期間の機械的−化学的活性化に供するときに得ることができる。上記の組成物の抗酸化活性の増進は、同じ条件下(溶液中)での同量の活性物質単独の抗酸化活性と比較することにより測定される。
【0017】
乾式共粉砕プロセスは、既知の手段、例えばボールミル、ブレードミル、振動ミル、遠心ミル及び遊星形ミルを用いて行うことができる。
用語「乾式」により、本明細書においては、いずれの溶媒も用いず、かつ得られる少なくとも3成分の組成物が10重量%未満、好ましくは5重量%未満、より好ましくは3重量%未満の液体を有するプロセスを意味する。
【0018】
抗酸化又は抗フリーラジカルの活性を有する微量養分のクラスに一般的に属する好ましい活性物質又は有効成分は、限定されないが、ユビデカレノン、リポ酸、リコピン、レスベラトロール、緑茶抽出物、アスタキサンチン、ピクノジェノール、ゲニステイン、トコフェロール及びトコトリエノール、レチノール、カロテノイド、アスコルビン酸、グルタチオン、硫化アミノ酸及びその誘導体、フラボノイド及びその混合物及び誘導体、ポリフェノール及びその混合物及び誘導体を含み得る。
【0019】
抗酸化物質を用いる本発明の目的のために、親水性又は両親媒性の担体、特にデキストリン及びその誘導体(環状も)、デキストラン、直鎖状、分岐状及び架橋のポリビニルピロリドン、セルロース及びその誘導体、マンノグリコサン、キトサン、アルギン酸塩及びその誘導体、ガラクトマンナン並びにデンプングリコール酸ナトリウムからなる群より選択される担体を、含まれる担体(inclusion carriers)として用いることが好ましく、共粉砕用補助物質は、アミノ酸、弱酸(例えばリンゴ酸、フマル酸、アスコルビン酸、クエン酸)、多価アルコール、エチレンジアミン四酢酸及びその塩、界面活性剤、レシチン、リン脂質及びその誘導体からなる群より、好ましくはグリシン、リジン、セリン及びエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムからなる群より選択される。
【0020】
活性物質:担体:共粉砕用補助物質からなる3成分の混合物の加工性を改善する目的のために、種々の特性を有しかつ例えば技術的(易流動性(free flowability)、残存湿度)又は感覚刺激的な特徴を改善できる追加の(1種又は複数)共粉砕用補助物質、例えばグリチルリシネート、ソルビトール、シリカ、キレート剤、アミノ酸、甘味剤、無機酸化物を用いることができる。
【0021】
本発明の組成物の実験室及びパイロットプラントの両方の規模での調製のいくつかの実施例を、本発明の限定しない説明として以下に記載する。
【実施例】
【0022】
実施例1
ユビデカレノン/コポビドン/グリシン 1/8/1の3成分組成物
回転体ミキサ(rotating body mixer)を用いて得られたユビデカレノン(3 g)、コポビドン(24 g)及びグリシン(3 g)の1/8/1重量比の混合物30 gを、遊星形ミルのジャーに装填し、200 rpmの速度で15分間の機械的−化学的活性化に供した。プロセスの完了時に、微細粉末の形状の生成物を排出し、355μmで篩にかけた。1/8/1の重量比のユビデカレノン/コポビドン/グリシンの3成分混合物質を、10%のユビデカレノン含量で得た。
【0023】
実施例2
ユビデカレノン/β-シクロデキストリン/グリシン 1/8/1の3成分組成物
回転体ミキサを用いて得られたユビデカレノン(100 g)、コポビドン(800 g)及びグリシン(100 g)の1/8/1重量比の混合物1 kgを、高エネルギー振動ミルのチャンバに装填し、15分間の機械的−化学的活性化に供した。プロセスの完了時に、微細粉末の形状の生成物を排出し、710μmで篩にかけた。1/8/1の重量比のユビデカレノン/コポビドン/グリシンの3成分混合物質を、10%のユビデカレノン含量で得た。
【0024】
実施例3
ユビデカレノン/コポビドン/グリシン 20/75/5の3成分組成物
回転体ミキサを用いて得られたユビデカレノン(200 g)、コポビドン(750 g)及びグリシン(50 g)の20/75/5重量比の混合物1 kgを、高エネルギー振動ミルのチャンバに装填し、30分間の機械的−化学的活性化に供した。プロセスの完了時に、微細粉末の形状の生成物を710μmで篩にかけた。ユビデカレノン/コポビドン/グリシン混合物質を、20/75/5の重量パーセントの比で得た。
【0025】
実施例4
ユビデカレノン/γ-シクロデキストリン/グリシン 1/8/1の3成分組成物
3 gのユビデカレノン、24 gのγ-シクロデキストリン及び3.0 gのグリシンを、回転体ミキサ中で10分間混合し、次いで混合物を遊星形ミルのジャーに装填し、200 rpmの速度で15分間の機械的−化学的活性化に供した。プロセスの完了時に、微細粉末の形状の生成物を排出し、355μmで篩にかけた。1/8/1重量比のユビデカレノン/γ-シクロデキストリン/グリシン3成分混合物質を、10%のユビデカレノン含量で得た。
【0026】
実施例5
リポ酸/直鎖状ポリビニルピロリドン/グリシン 1/8/1の3成分組成物
3 gのリポ酸、24 gの直鎖状ポリビニルピロリドン及び3 gのグリシンを、回転体ミキサ中で10分間混合した。次いで、混合物を遊星形ミルのジャーに装填し、150 rpmの速度で15分間の機械的−化学的活性化に供した。プロセスの完了時に、微細粉末の形状の生成物を排出し、355μmで篩にかけた。1/8/1重量比のリポ酸/直鎖状PVP/グリシンの3成分混合物質を、10%のリポ酸含量で得た。
【0027】
実施例6
リポ酸/直鎖状ポリビニルピロリドン/アルギニン 1/8.5/0.5の3成分組成物
3 gのリポ酸、25.5gの直鎖状ポリビニルピロリドン及び1.5 gのアルギニンを、回転体ミキサ中で10分間混合した。次いで、混合物を遊星形ミルのジャーに装填し、150 rpmの速度で15分間の機械的−化学的活性化に供した。プロセスの完了時に、微細粉末の形状の生成物を排出し、355μmで篩にかけた。1/8.5/0.5の重量比のリポ酸/直鎖状PVP/アルギニンの3成分混合物質を、10%のリポ酸含量で得た。
【0028】
実施例7
レスベラトロール/β-シクロデキストリン/グリシン/グリチルリチン酸アンモニウム 1.5/7.5/0.5/0.5の4成分組成物
4.5 gのレスベラトロール、22.5 gのβ-シクロデキストリン、1.5 gのグリシン及び1.5gのグリチルリチン酸アンモニウムを、回転体ミキサ中で10分間混合し、次いで、遊星形ミルのジャーに装填し、200 rpmの速度で30分間、機械的−化学的活性化に供した。プロセスの完了時に、微細粉末の形状の生成物を排出し、355μmで篩にかけた。1.5/7.5/0.5/0.5の重量比のレスベラトロール/β-シクロデキストリン/グリシン/グリチルリチン酸アンモニウムの4成分混合物質を、15%のレスベラトロール含量で得た。
【0029】
実施例8
レスベラトロール/β-シクロデキストリン/グリシン 1.5/7/1.5の3成分組成物
4.5 gのレスベラトロール、21.0gのβ-シクロデキストリン及び4.5 gのグリシンを、回転体ミキサで10分間混合し、次いで、遊星形ミルのジャーに装填し、200 rpmの速度で60分間の機械的−化学的活性化に供した。プロセスの完了時に、微細粉末の形状の生成物を排出し、355μmで篩にかけた。1.5/7/1.5の重量比のレスベラトロール/β-シクロデキストリン/グリシンの3成分混合物質を、15%のレスベラトロール含量で得た。
【0030】
実施例9
リポ酸/β-シクロデキストリン/アルギニン 2/7/1の3成分組成物
6 gのリポ酸、21 gのβ-シクロデキストリン及び3 gのアルギニンを、回転体ミキサ中で10分間混合し、次いで混合物を遊星形ミルのジャーに装填し、120 rpmの速度で30分間の機械的−化学的活性化に供した。プロセスの完了時に、微細粉末の形状の生成物を排出し、355μmで篩にかけた。2/7/1の重量比のリポ酸/β-シクロデキストリン/アルギニンの3成分混合物質を、20%のリポ酸含量で得た。
【0031】
実施例10
緑茶乾燥抽出物/β-シクロデキストリン/グリシン 3.5/5.5/1.0の3成分組成物
10.5 gの緑茶乾燥抽出物、16.5 gのβ-シクロデキストリン及び3 gのグリシンを、回転体ミキサ中で10分間混合した。次いで、混合物を遊星形ミルのジャーに装填し、150 rpmの速度で60分間の機械的−化学的活性化に供した。プロセスの完了時に、微細粉末の形状の生成物を排出し、355μmで篩にかけた。3.5/5.5/1.0の重量比の緑茶乾燥抽出物/β-シクロデキストリン/グリシンの3成分混合物質を、35%の緑茶乾燥抽出物含量で得た。
【0032】
実施例11
緑茶乾燥抽出物/ポビドン/セリン 3.0/6.0/1.0の3成分組成物
9 gの緑茶乾燥抽出物、18 gのポビドン及び3 gのセリンを、回転体ミキサ中で10分間混合した。次いで、混合物を遊星形ミルのジャーに装填し、200 rpmの速度で30分間、機械的−化学的活性化に供した。プロセスの完了時に、微細粉末の形状の生成物を排出し、355μmで篩にかけた。3/6/1の重量比の緑茶乾燥抽出物/ポビドン/セリンの3成分混合物質を、30%の緑茶乾燥抽出物含量で得た。
【0033】
実施例12
緑茶乾燥抽出物/β-シクロデキストリン/セリン/グリチルリチン酸アンモニウム 4/5/0.5/0.5の4成分組成物
12 gの緑茶乾燥抽出物、15 gのβ-シクロデキストリン、1.5 gのセリン、1.5 gのグリチルリチン酸アンモニウムを、回転体ミキサ中で10分間混合した。次いで、混合物を遊星形ミルのジャーに装填し、250 rpmの速度で15分間の機械的−化学的活性化に供した。プロセスの完了時に、微細粉末の形状の生成物を排出し、355μmで篩にかけた。4/5/0.5/0.5の重量比の緑茶乾燥抽出物/β-シクロデキストリン/セリン/グリチルリチン酸アンモニウムの4成分混合物質を、40%の緑茶乾燥抽出物含量で得た。
【0034】
実施例13
アスタキサンチン/β-シクロデキストリン/グリシン 1.5/8/0.5の3成分組成物
4.5 gのアスタキサンチン、24 gのβ-シクロデキストリン及び1.5 gのグリシンを、回転体ミキサ中で10分間混合した。次いで、混合物を遊星形ミルのジャーに装填し、120 rpmの速度で75分間の機械的−化学的活性化に供した。プロセスの完了時に、微細粉末の形状の生成物を排出し、355μmで篩にかけた。1.5/8/0.5の重量比のアスタキサンチン/β-シクロデキストリン/グリシンの3成分混合物質を、15%のアスタキサンチン含量で得た。
【0035】
実施例14
アスタキサンチン/ポビドン/アスコルビン酸/グルコン酸Zn 2.5/5.5/1.5/0.5の4成分組成物
7.5 gのアスタキサンチン、16.55 gのポビドン、4.5 gのアスコルビン酸、1.5 gのグルコン酸亜鉛を、回転体ミキサ中で10分間混合した。次いで、混合物を遊星形ミルのジャーに装填し、200 rpmの速度で35分間、機械的−化学的活性化に供した。プロセスの完了時に、微細粉末の形状の生成物を排出し、355μmで篩にかけた。2.5/5.5/1.5/0.5の重量比のアスタキサンチン/ポビドン/アスコルビン酸/グルコン酸Znの4成分混合物質を、25%のアスタキサンチン含量で得た。
【0036】
実施例15
ピクノジェノール/β-シクロデキストリン/グリシン 2.5/6.5/1の3成分組成物
7.5 gのピクノジェノール、19.5 gのβ-シクロデキストリン及び3 gのグリシンを、回転体ミキサ中で10分間混合した。次いで、混合物を遊星形ミルのジャーに装填し、150 rpmの速度で45分間の機械的−化学的活性化に供した。プロセスの完了時に、微細粉末の形状の生成物を排出し、355μmで篩にかけた。2.5/6.5/1の重量比のピクノジェノール/β-シクロデキストリン/グリシンの3成分混合物質を、25%のピクノジェノール含量で得た。
【0037】
実施例16
リコピン/キトサン/グリチルリチン酸アンモニウム/グリシン 2/6/1.5/0.5の4成分組成物
6 gのリコピン、18 gのキトサン、4.5 gのグリチルリチン酸アンモニウム及び1.5 gのグリシンを、回転体ミキサ中で10分間混合した。次いで、混合物を遊星形ミルのジャーに装填し、200 rpmの速度で25分間、機械的−化学的活性化に供した。プロセスの完了時に、微細粉末の形状の生成物を排出し、355μmで篩にかけた。2/6/1.5/0.5の重量比のリコピン/キトサン/グリチルリチン酸アンモニウム/グリシンの4成分混合物質を、20%のリコピン含量で得た。
【0038】
実施例17
ゲニステイン/β-シクロデキストリン/N-アセチルシステイン/EDTA 1/7.5/1/0.5の4成分組成物
3 gのゲニステイン、22.5 gのβ-シクロデキストリン、3 gのN-アセチルシステイン及び1.5 gのEDTAを、回転体ミキサ中で10分間混合した。次いで、混合物を遊星形ミルのジャーに装填し、200 rpmの速度で30分間の機械的−化学的活性化に供した。プロセスの完了時に、微細粉末の形状の生成物を排出し、355μmで篩にかけた。1/7.5/1/0.5の重量比のゲニステイン/β-シクロデキストリン/N-アセチルシステイン/EDTAの4成分混合物質を、10%のゲニステイン含量で得た。
【0039】
実施例18
ゲニステイン/β-シクロデキストリン/メチオニン 2/7/1の3成分組成物
6 gのゲニステイン、21 gのβ-シクロデキストリン、3 gのメチオニンを、回転体ミキサ中で10分間混合した。次いで、混合物を遊星形ミルのジャーに装填し、200 rpmの速度で30分間、機械的−化学的活性化に供した。プロセスの完了時に、微細粉末の形状の生成物を排出し、355μmで篩にかけた。2/7/1の重量比のゲニステイン/β-シクロデキストリン/メチオニンの3成分混合物質を、20%のゲニステイン含量で得た。
【0040】
実施例19
ゲニステイン/β-シクロデキストリン/アスコルビン酸 2/7/1の3成分組成物
6 gのゲニステイン、21 gのβ-シクロデキストリン、3 gのアスコルビン酸を、回転体ミキサ中で10分間混合した。次いで、混合物を遊星形ミルのジャーに装填し、120 rpmの速度で45分間の機械的−化学的活性化に供した。プロセスの完了時に、微細粉末の形状の生成物を排出し、355μmで篩にかけた。2/7/1の重量比のゲニステイン/β-シクロデキストリン/アスコルビン酸の3成分混合物質を、20%のゲニステイン含量で得た。
【0041】
実施例20
ゲニステイン/β-シクロデキストリン/アスコルビン酸 1/4/5の3成分組成物
3 gのゲニステイン、12 gのβ-シクロデキストリン、15 gのアスコルビン酸を、回転体ミキサ中で10分間混合した。次いで、混合物を遊星形ミルのジャーに装填し、120 rpmの速度で45分間の機械的−化学的活性化に供した。プロセスの完了時に、微細粉末の形状の生成物を排出し、355μmで篩にかけた。1/4/5の重量比のゲニステイン/β-シクロデキストリン/アスコルビン酸の3成分混合物質を、10%のゲニステイン含量で得た。
【0042】
実施例21
ゲニステイン/β-シクロデキストリン/N-アセチルメチオニン 1/4/5の3成分組成物
3 gのゲニステイン、12 gのβ-シクロデキストリン、15 gのN-アセチルメチオニンを、回転体ミキサ中で10分間混合した。次いで、混合物を遊星形ミルのジャーに装填し、120 rpmの速度で75分間の機械的−化学的活性化に供した。プロセスの完了時に、微細粉末の形状の生成物を排出し、355μmで篩にかけた。1/4/5の重量比のゲニステイン/β-シクロデキストリン/N-アセチルメチオニンの3成分混合物質を、10%のゲニステイン含量で得た。
【0043】
実施例22
ゲニステイン/β-シクロデキストリン/グルタミン酸 1/5/4の3成分組成物
3 gのゲニステイン、15 gのβ-シクロデキストリン、12 gのグルタミン酸を、回転体ミキサ中で10分間混合した。次いで、混合物を遊星形ミルのジャーに装填し、150 rpmの速度で60分間の機械的−化学的活性化に供した。プロセスの完了時に、微細粉末の形状の生成物を排出し、355μmで篩にかけた。1/5/4の重量比のゲニステイン/β-シクロデキストリン/グルタミン酸の3成分混合物質を、10%のゲニステイン含量で得た。
【0044】
実施例23
ユビデカレノン/コポビドン/グリシン 3/6/1の3成分組成物
回転体ミキサを用いて得られたユビデカレノン(300 g)、コポビドン(600 g)及びグリシン(100 g)の3/6/1重量比の混合物1 kgを、高エネルギー振動ミルに装填し、25分間の機械的−化学的活性化に供した。プロセスの完了時に、微細粉末の形状の生成物を排出し、710μmで篩にかけた。3/6/1の重量比のユビデカレノン/コポビドン/グリシンの3成分混合物質を、30%のユビデカレノン含量で得た。
【0045】
実施例24
ユビデカレノン/コポビドン/グリシン 25/65/10の3成分組成物
回転体ミキサを用いて得られたユビデカレノン(250 g)、コポビドン(650 g)及びグリシン(100 g)の25/65/10重量比の混合物1 kgを、高エネルギー振動ミルに装填し、25分間の機械的−化学的活性化に供した。プロセスの完了時に、微細粉末の形状の生成物を排出し、710μmで篩にかけた。25/65/10の重量比のユビデカレノン/コポビドン/グリシンの3成分混合物質を、25%のユビデカレノン含量で得た。
【0046】
比較例
例A
ユビデカレノン/コポビドン/グリシン 1/8/1の3成分組成物
回転体ミキサを用いて得られたユビデカレノン(3 g)、コポビドン(24 g)及びグリシン(3 g)の1/8/1重量比の混合物30 gを、遊星形ミルのジャーに装填し、200 rpmの速度で90分間、機械的−化学的活性化に供した。プロセスの完了時に、軟性の加工できない物質を得た。
【0047】
例B
ユビデカレノン/コポビドン/グリシン 2/7.5/0.5の3成分組成物
回転体ミキサを用いて得られたユビデカレノン(200 g)、コポビドン(750 g)及びグリシン(50 g)の20/75/5重量比の混合物1 kgを、高エネルギー振動ミルのチャンバに装填し、120分間の機械的−化学的活性化に供した。プロセスの完了時に、軟性の加工できない物質を得た。
【0048】
例C
リポ酸/直鎖状PVP/アルギニン 1/8.5/0.5の3成分組成物
3 gのリポ酸、25.5 gの直鎖状ポリビニルピロリドン及び1.5 gのグリシンを、回転体ミキサ中で10分間混合し、次いで、遊星形ミルのジャーに装填し、150 rpmの速度で90分間、機械的−化学的活性化に供した。プロセスの完了時に、軟性の加工できない物質を得た。
【0049】
例D
レスベラトロール/β-シクロデキストリン/グリシン 1.5/7/1.5の3成分組成物
4.5 gのレスベラトロール、21 gのβ-シクロデキストリン及び4.5 gのグリシンを、回転体ミキサ中で10分間混合し、次いで、遊星形ミルのジャーに装填し、120分間の機械的−化学的活性化に供した。プロセスの完了時に、粘着性の加工できない物質を得た。
【0050】
例E
緑茶乾燥抽出物/ポビドン/セリン 3.0/6.0/1.0の3成分組成物
9 gの緑茶乾燥抽出物、18 gのポビドン及び3 gのセリンを、回転体ミキサ中で10分間混合し、次いで、混合物を遊星形ミルのジャーに装填し、120分間の機械的−化学的活性化に供した。プロセスの完了時に、皮殻質(crusty)で容易に加工できない物質を得た。
【0051】
例F
緑茶乾燥抽出物/β-シクロデキストリン/セリン/グリチルリチン酸アンモニウム 4.5/4.5/0.5/0.5の4成分組成物
13.5 gの緑茶乾燥抽出物、13.5 gのβ-シクロデキストリン、1.5 gのセリン、1.5 gのグリチルリチン酸アンモニウムを、回転体ミキサ中で10分間混合した。次いで、混合物を遊星形ミルのジャーに装填し、120分間の機械的−化学的活性化に供した。プロセスの完了時に、形態(morphology)が乏しい粉末の形状の生成物を排出した。4.5/4.5/0.5/0.5の重量比の緑茶乾燥抽出物/β-シクロデキストリン/セリン/グリチルリチン酸アンモニウムの4成分混合物質を、45%の緑茶乾燥抽出物の含量で得た。
【0052】
例G
アスタキサンチン/β-シクロデキストリン/グリシン 5.5/4.0/0.5の3成分組成物
16.5 gのアスタキサンチン、12 gのβ-シクロデキストリン及び1.5 gのグリシンを、回転体ミキサ中で10分間混合した。次いで、混合物を遊星形ミルのジャーに装填し、120分間の機械的−化学的活性化に供した。プロセスの完了時に、皮のような(crust-like)生成物を得た。
【0053】
例H
ピクノジェノール/β-シクロデキストリン/グリシン 6.5/2.5/1の3成分組成物
19.5 gのピクノジェノール、7.5 gのβ-シクロデキストリン及び3 gのグリシンを、回転体ミキサ中で10分間混合した。次いで、混合物を遊星形ミルのジャーに装填し、45分間の機械的−化学的活性化に供した。プロセスの完了時に、皮殻質の生成物を排出した。6.5/2.5/1の重量比のピクノジェノール/β-シクロデキストリン/グリシンの3成分混合物質を、65%のピクノジェノール含量で得た。
【0054】
例I
リコピン/キトサン/グリチルリチン酸アンモニウム/グリシン 2/6/1.5/0.5の4成分組成物
6 gのリコピン、18 gのキトサン、4.5 gのグリチルリチン酸アンモニウム及び1.5 gのグリシンを、回転体ミキサ中で10分間混合した。次いで、混合物を遊星形ミルのジャーに装填し、120分間の機械的−化学的活性化に供した。プロセスの完了時に、皮のような生成物を得た。
【0055】
例L
ゲニステイン/β-シクロデキストリン/メチオニン 2/7/1の3成分組成物
6 gのゲニステイン、21 gのβ-シクロデキストリン、3 gのメチオニンを、回転体ミキサ中で10分間混合した。次いで、混合物を遊星形ミルのジャーに装填し、120分間の機械的−化学的活性化に供した。プロセスの完了時に、粘着性の加工困難な物質を得た。
【0056】
例M
ゲニステイン/β-シクロデキストリン/アスコルビン酸 5/4/1の3成分組成物
15 gのゲニステイン、12 gのβ-シクロデキストリン、3 gのアスコルビン酸を、回転体ミキサ中で10分間混合した。次いで、混合物を遊星形ミルのジャーに装填し、45分間の機械的−化学的活性化に供した。プロセスの完了時に、微細粉末の形状の生成物を排出し、355μmで篩にかけた。5/4/1の重量比のゲニステイン/β-シクロデキストリン/アスコルビン酸の3成分混合物質を、50%のゲニステイン含量で得た。
【0057】
組成物の特徴決定
上記の例のようにして調製した組成物を、残存結晶度、及びpH=7の緩衝水中の溶解度に関して、含有されている活性物質との比較で特徴決定した。さらに、抗酸化活性も、蛍光分光測定により、含有されている活性物質の同じ濃度の溶液との比較で評価した。
【0058】
A. 溶解度
過剰の粉末を、沈殿が得られるまで、pH=7の緩衝水に加える。
溶液中に存在する活性物質の最大量を、適切な分析法(例えばUV分光法、HPLC)により、24時間後(平衡)に確かめる。
【0059】
B. 示差走査熱量測定法(DSC)
DSCは、加熱を進めた後の融解の間の粉末で発生する熱交換の測定に基づき、粉末の結晶度の評価を可能にする技術である。
【0060】
C. 抗酸化活性
抗酸化活性は、ORAC (Oxygen Radical Absorbance Capacity;酸素ラジカル吸収能力)テストを用いて測定した。このテストは、Caoらにより1993年に開発された(Oxygen-radical absorbance capacity assay for antioxidants. Free Rad. Biol. Med. 1993;14: 303〜11)。
このテストは、オキシダントの存在下で、抗酸化物質により誘導された、蛍光標識の活性の損失の阻害を測定することに基づく。
実際には、酸化剤(AAPH)の作用によりその蛍光を失う蛍光標識(フルオレセイン)を準備し、抗酸化活性を、酸化剤の作用を打ち消す抗酸化物質の能力による、時間経過に伴う標識の蛍光の維持について評価した。
抗酸化活性は、時間経過(0から360分まで)に伴う標識の蛍光の減衰を測定する蛍光分光アッセイにより評価した。フルオレセインナトリウム標識の蛍光の測定を、515 nmの波長で蛍光分光計を用いて行った。
抗酸化活性は、サンプルと同じ濃度のTrolox (登録商標)に関する抗酸化力として表す。
特徴決定の結果を、以下の表1〜8に報告する。
【0061】
【表1】

【0062】
【表2】

【0063】
【表3】

【0064】
【表4】

【0065】
【表5】

【0066】
【表6】

【0067】
【表7】

【0068】
【表8】

【0069】
例えば、図1は、実施例6と例Cのクロマトグラムの比較を示し、図3及び4は、それぞれ実施例4及び8の抗酸化活性を示す。
得られた結果の分析は、共粉砕プロセスにより得られ、かつ本発明の主題を形成する少なくとも3成分の組成物の抗酸化活性を強化する有利な効果が、活性物質/担体の比及び90分未満でなければならない機械的−化学的活性化に依存することを示す。さらに、上記の効果は、溶解度の増加とは無関係であることが観察されるだろう。
さらに、共粉砕用補助物質の添加が、上記の効果に対してはいずれの著しい寄与もないことが観察されるだろう。
【0070】
このことは、共粉砕加工のパラメータ、すなわち担体/活性物質の規定された重量比及び機械的−化学的活性化時間が、その抗酸化活性の増加により予防目的及び/又は予防的治療目的の医薬分野、並びに医薬部外の化粧品及び食餌−栄養の分野の両方において活用できる「複数混合物」の特徴を有する組成物の形成を決定するために必須の条件であることを示す。実際に、本発明の組成物は、活性物質の量/効果のより好ましい比を有する生成物を調製するのに用いることができる。実際に、等しい抗酸化効果を有する抗酸化物質の量を限定する可能性は、いずれの許容性/毒性の潜在的な効果に対して好ましい影響を与えるだろう。
【0071】
本発明に従って得られる粉末形状の少なくとも3成分の組成物は、よって、薬剤として又は食餌性サプリメントとして又は化粧品として予防の目的又は治療の目的のために用いるのに適する製品に製造及び処方できる。このような使用について、本発明の主題を形成する組成物は、粉末形状で、或いは医薬的、医薬部外的又は食餌−栄養的に許容される賦形剤及び希釈剤との混合物として調製できる。これらは、また、例えばカプセル剤、錠剤、ペースト、ゲル、液剤又は懸濁剤、スプレーのような種々の形で、このようなその他の形に適合された医薬的、医薬部外的及び食餌−栄養的に許容される賦形剤及び希釈剤とともに用いることができる。さらに、医薬部外的及び化粧品の使用について、本発明の組成物は、化粧品において許容される賦形剤又は希釈剤とともに、ローション、クリーム、軟膏、ペースト、ゲル、パッチ、ムース、フォーム、スティック及びスプレーの形並びにこのような使用のために知られるその他の局所的な形に処方できる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】15分間の機械的−化学的活性化に供した実施例6 (リポ酸/ポリビニルピロリドン/グリシン 1/8.5/0.5)、及び90分間の機械的−化学的活性化に供した例C (リポ酸/ポリビニルピロリドン/グリシン l/8.5/0.5)の高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)。
【図2】15分間の機械的−化学的活性化に供した実施例4の組成物(ユビデカレノン/γ-シクロデキストリン/グリシン 1/8/1)の抗酸化活性。
【図3】60分間の機械的−化学的活性化に供した実施例8の組成物(レスベラトロール/β-シクロデキストリン/グリシン 1.5/7/1.5)、及び120分間の機械的−化学的活性化に供した例D (レスベラトロール/β-シクロデキストリン/グリシン 1.5/7/1.5)の抗酸化活性。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効成分と担体と少なくとも1種の共粉砕用補助物質とを含む少なくとも3成分の組成物の乾式共粉砕プロセスにより得ることができる、良好な加工性を有する粉末形状の組成物であって、前記有効成分が抗酸化活性を有する少なくとも1種の微量養分を含み、有効成分/担体の重量比が1未満であり、前記共粉砕プロセスが90分未満行われ、それにより前記組成物の抗酸化活性が、同じ条件下で同じ量の活性物質を単独で含有する溶液の抗酸化活性よりも大きいことを特徴とする組成物。
【請求項2】
担体が、少なくとも3成分の混合物の全量の50重量%以上の量で存在することを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
共粉砕プロセスが、60分又はそれ未満の時間行われる請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
抗酸化活性を有する微量養分が、ユビデカレノン、リポ酸、リコピン、レスベラトロール、緑茶抽出物、アスタキサンチン、ピクノジェノール、ゲニステイン、トコフェロール、トコトリエノール、レチノール、カロテノイド、ロディオラ、アスコルビン酸、グルタチオン、硫化アミノ酸又はその誘導体、フラボノイド又はその混合物若しくは誘導体、ポリフェノール又はその混合物若しくは誘導体からなる群より選択される請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
担体が、直鎖状若しくは環状のデキストリン又はその誘導体、デキストラン、直鎖状、分岐状若しくは架橋のポリビニルピロリドン、セルロース又はその誘導体、マンノグリコサン、キトサン、アルギン酸塩又はその誘導体、ガラクトマンナン、或いはデンプングリコール酸ナトリウムからなる群より選択される親水性又は両親媒性の担体である請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
共粉砕用補助物質が、アミノ酸、弱酸、多価アルコール、エチレンジアミン四酢酸又はその塩、界面活性剤、レシチン、リン脂質又はその誘導体からなる群より選択される請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
共粉砕用補助物質が、グリシン、リジン、セリン、アルギニン、メチオニン、アスコルビン酸、グルタミン酸及びエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムからなる群より選択される請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
有効成分が、0.9未満の担体との重量比で存在する請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
有効成分が、0.5未満の担体との重量比で存在する請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
担体の含量が、3成分組成物の量に対して50重量%を超えて99.8重量%までに含まれる請求項2に記載の組成物。
【請求項11】
1分と90分未満の間の時間の乾式共粉砕プロセスにより得られる請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
1又は複数種の他の共粉砕用補助物質が、活性物質と担体と少なくとも1種の共粉砕用補助物質とを含む混合物に加えられる請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
他の共粉砕用補助物質が、グリチルリチン酸アンモニウム、ソルビトール、シリカ、キレート剤、アミノ酸、甘味剤及び無機酸化物からなる群より選択される請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
治療目的の投与のために適合された医薬の形の医薬品の製造のための請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物の使用。
【請求項15】
皮膚の化粧の目的に適合された医薬部外品の形の化粧品の製造のための請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物の使用。
【請求項16】
食餌補助の目的に適合された医薬部外品の形の食餌−栄養製品の製造のための請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物の使用。
【請求項17】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の微細な粉末の形状の組成物を得るための乾式共粉砕プロセス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−543756(P2009−543756A)
【公表日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−521962(P2008−521962)
【出願日】平成18年7月18日(2006.7.18)
【国際出願番号】PCT/EP2006/064385
【国際公開番号】WO2007/009997
【国際公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(508018462)アクティメックス エス.アール.エル. (1)
【氏名又は名称原語表記】ACTIMEX S.r.l.
【住所又は居所原語表記】AREA Science Park,Basovizza s.s.14. Km 163.5,I−34012 Trieste,Italy
【Fターム(参考)】