説明

探索システム、探索対象端末、探索端末、探索方法、探索端末の制御方法、探索端末の制御プログラム及び探索端末の制御プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】探索対象者の位置を迅速に、かつ、精度良く把握することができる探索システム等を提供すること。
【解決手段】探索対象端末20は、位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて現在位置を測位して探索対象端末の現在位置を示す探索対象位置情報を生成する探索対象位置情報生成手段と、励振信号に対応する応答信号を送信する応答信号送信手段等を有し、探索端末82は、探索対象位置情報に示される探索対象端末20の現在位置と探索端末位置情報に示される探索端末82の現在位置を比較する位置比較手段と、位置比較手段の比較結果に基づいて、探索対象端末20に対して励振信号を送信する励振信号送信手段と、探索対象端末20から励振信号に対応する応答信号を受信する応答信号受信手段と、応答信号の方向を特定する応答信号方向特定手段等を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遭難者等の探索を行うための探索システム、探索対象端末、探索端末、探索方法、探索端末の制御方法、探索端末の制御プログラム及び探索端末の制御プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、位置情報衛星を使用する衛星航法システムである例えば、GPS(Global Positioning System)を利用してGPS受信機の現在位置を測位する測位システムが実用化されている。そして、GSP受信機で測位した遭難位置を、救助者側の地図上に表示して、遭難者を探索する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2001−325634号公報(図2等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来技術においては例えば、山間など、地図情報が十分でない場所では、大まかな地図表示しかされない。このため、従来は緯度及び経度という大まかな情報を利用して遭難者を捜索しなければならなかった。ところが、緯度及び経度には一定の幅があるため、正確な位置を特定することは困難である。このため、遭難者の探索に時間がかかる場合あるという問題がある。
【0004】
そこで、本発明は、探索対象者の位置を迅速に、かつ、精度良く把握することができる探索システム、探索対象端末、探索端末、探索方法、探索端末の制御方法、探索端末の制御プログラム及び探索端末の制御プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的は、第1の発明によれば、探索対象者が有する探索対象端末と、前記探索対象端末を探索する探索端末と、を有する探索システムであって、前記探索対象端末は、位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて現在位置を測位して探索対象端末の現在位置を示す探索対象位置情報を生成する探索対象位置情報生成手段と、前記探索対象位置情報を含む探索要求情報を、前記探索端末に送信する探索要求情報送信手段と、前記探索端末から励振信号を受信する励振信号受信手段と、前記励振信号に対応する応答信号を送信する応答信号送信手段と、を有し、前記探索端末は、前記探索要求情報を受信する探索要求情報受信手段と、位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて現在位置を測位して前記探索端末の現在位置を示す探索端末位置情報を生成する探索端末位置情報生成手段と、前記探索対象位置情報に示される前記探索対象端末の現在位置と前記探索端末位置情報に示される前記探索端末の現在位置を比較する位置比較手段と、前記位置比較手段の比較結果に基づいて、前記探索対象端末に対して前記励振信号を送信する励振信号送信手段と、前記探索対象端末から前記励振信号に対応する前記応答信号を受信する応答信号受信手段と、前記応答信号の方向を特定する応答信号方向特定手段と、を有することを特徴とする探索システムにより達成される。
【0006】
第1の発明の構成によれば、前記探索端末は、前記探索対象端末から前記探索要求情報を受信することができる。前記探索要求情報には、前記探索対象位置情報が含まれている。前記探索対象位置情報は例えば、前記探索対象者である例えば、遭難者の有する前記探索対象端末の現在位置を示す情報である。そして、前記探索対象位置情報は、位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて現在位置を測位して生成された情報であるから例えば、緯度及び経度によって特定される位置を示す情報である。
このため、前記探索端末は、その使用者である例えば、救助センターの職員に対して例えば、緯度及び経度によって特定される前記探索対象位置情報を提供することができる。
これにより、上述の救助センターの職員は、前記探索対象位置情報に示される緯度及び経度に基づいて、前記探索端末の使用者である前記探索対象者の捜索をすることができる。
【0007】
そして、前記探索端末は、上述の救助センターの職員に対して、前記探索対象位置情報に示される前記探索対象端末の現在位置と前記探索端末位置情報に示される前記探索端末の現在位置を比較する位置比較手段によって、前記探索対象端末の現在位置と前記探索端末の現在位置の比較結果を示す情報を提供することができる。
このため、上述の救助センターの職員は自己の現在位置が、前記探索対象端末の現在位置に近いか否かを判断することができる。
【0008】
しかし、緯度及び経度には一定の幅がある。このため、前記探索対象端末の正確な位置を特定することは困難である。このため、特に、山間など見通しの悪い場所においては、上述の救助センターの職員は前記探索対象端末の現在位置を示す緯度及び経度に基づいて、前記探索対象端末に接近したとしても、前記探索対象端末の使用者である前記探索対象者の発見に時間がかかる場合がある。
【0009】
ここで、前記探索端末が、前記探索対象端末が位置する方向を特定することができれば、前記探索端末は例えば、緯度及び経度で特定される前記探索対象位置情報に加えて、前記探索対象端末の現在位置の方向を示す情報によって、前記探索対象端末の現在位置を迅速に、かつ、精度良く把握することができる。
この点、第1の発明の構成によれば、前記探索端末は、前記探索対象端末に対して前記励振信号を送信する励振信号送信手段と、前記探索対象端末から前記応答信号を受信する応答信号受信手段と、前記応答信号の方向を特定する応答信号方向特定手段を有する。
従って、前記探索端末は、その使用者に、前記応答信号受信手段と前記応答信号方向特定手段によって、前記探索対象端末の位置する方向を示す情報を提供することができる。
【0010】
このため、既に前記探索対象端末に接近している上述の救助センターの職員は、前記探索対象端末が位置する方向へ例えば、徒歩で向かうことによって、前記探索対象端末の前記探索対象者を発見できる。
これにより、探索対象者の位置を迅速に、かつ、精度良く把握することができる救助システムを提供することができる。
【0011】
前記目的は、第2の発明によれば、探索対象者が有する探索対象端末であって、前記探索対象端末は、位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて現在位置を測位して探索対象端末の現在位置を示す探索対象位置情報を生成する探索対象位置情報生成手段と、前記探索対象位置情報を含む探索要求情報を、前記探索端末に送信する探索要求情報送信手段と、前記探索端末から励振信号を受信する励振信号受信手段と、前記探索端末に対して前記励振信号に対応する応答信号を送信する応答信号送信手段と、を有することを特徴とする探索対象端末によって達成される。
【0012】
第2の発明の構成によれば、位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて現在位置を測位して探索対象端末の現在位置を示す探索対象位置情報を生成する探索対象位置情報生成手段と、前記探索対象位置情報を含む探索要求情報を、前記探索端末に送信する探索要求情報送信手段を有する。
このため、前記探索対象端末は、前記探索対象端末に対して、前記探索対象位置情報を送信することができる。前記探索対象位置情報は前記位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて現在位置を測位して得られた情報であるから例えば、緯度及び経度で示されるおおまかな位置を示す情報である。
【0013】
したがって、前記探索対象端末が例えば、山中など見通しの悪い場所に位置する場合には、前記探索端末の使用者である例えば、救助センターの職員が、前記探索対象位置情報に示される緯度及び経度に対応する位置に移動しても、前記探索対象者を発見できないことがある。すなわち、上述の救助センターの職員が、前記探索対象端末の近くまで到達していても、前記探索対象者を発見できない場合がある。
【0014】
この場合、前記探索対象端末が、前記探索端末に対して、前記探索対象端末の位置する方向を報知する手段があれば、前記探索対象者は救助を受けることができる。
この点、前記探索対象端末は、前記探索端末から励振信号を受信する励振信号受信手段と、前記探索端末に対して前記励振信号に対応する応答信号を送信する応答信号送信手段を有する。
このため、前記探索対象端末は、前記探索端末に対して、前記探索対象端末の位置する方向を特定するための情報を提供することができる。
すなわち、前記探索対象端末が、前記探索端末に対して、探索対象者の位置を迅速に、かつ、精度良く把握するための情報を提供することができる。
【0015】
第3の発明は、第2の発明の構成において、前記探索要求情報は、前記探索対象位置情報を生成した時刻を示す時刻情報を含むことを特徴とする。
【0016】
第3の発明の構成によれば、前記探索対象端末は、前記探索端末に対して、前記探索対象位置情報と共に前記時刻情報を送信することができる。
このため、前記探索端末の使用者である例えば、救助センターの職員は、前記時刻情報に示される時刻から長時間が経過している場合には、前記探索対象者の体力の消耗を考慮して短時間で救助するために、救助者の人数を増やすなどの対応をとることができる。
すなわち、前記探索対象端末は、前記探索端末に対して、適切な探索活動とるための情報を提供することができる。
【0017】
前記目的は、第4の発明によれば、探索対象端末を探索する探索端末であって、前記探索端末は、前記探索対象端末の現在位置を示す探索対象位置情報を含む探索要求情報を受信する探索要求情報受信手段と、位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて現在位置を測位して前記探索端末の現在位置を示す探索端末位置情報を生成する探索端末位置情報生成手段と、前記探索対象位置情報と前記探索端末位置情報を比較する位置比較手段と、前記位置比較手段の比較結果に基づいて、前記探索対象端末に対して励振信号を送信する励振信号送信手段と、前記探索対象端末から前記励振信号に対応する前記応答信号を受信する応答信号受信手段と、前記応答信号の方向を特定する応答信号方向特定手段と、を有することを特徴とする探索端末によって達成される。
【0018】
第4の発明の構成によれば、前記探索端末は、前記探索対象端末から前記探索要求情報を受信することで前記探索対象位置情報を取得することができる。
さらに、前記探索端末は、前記応答信号方向特定手段によって、前記探索対象端末からの前記応答信号の方向を特定することによって、前記探索対象端末の位置する方向を特定することができる。
このため、例えば、前記探索端末を保持する救助センターの職員は、前記探索対象位置情報に示される例えば、緯度及び経度に対応する位置に移動した後に、前記探索端末によって特定された前記探索対象端末の位置する方向を捜索することで、前記探索対象者を発見することができる。
これにより、探索対象者の位置を迅速に、かつ、精度良く把握することができる。
【0019】
第5の発明は、第4の発明の構成において、前記位置比較手段が、前記探索対象位置情報に示される緯度及び経度と前記探索端末位置情報に示される緯度及び経度とが、同一性の範囲内にあると判断したときに、前記励振信号送信手段が前記励振信号を送信する構成となっていることを特徴とする。
【0020】
前記探索対象位置情報に示される緯度及び経度と、前記探索端末位置情報に示される緯度及び経度が前記同一性の範囲内にあるときは、前記探索対象端末と前記探索端末の位置は互いに近いと言える。
とすれば、この時点で、前記探索端末が、前記探索対象端末が位置する方向を特定することができれば、上述の救助センターの職員は前記探索対象端末が位置する方向へ例えば、徒歩で向かうことによって、前記探索対象者を発見できる。
なお、前記同一性の範囲内とは、前記位置比較手段が前記探索対象位置情報に示される緯度及び経度と、前記探索端末位置情報に示される緯度及び経度とが、少なくとも度及び分の単位において共通であることを意味する。
【0021】
この点、第5の発明の構成によれば、前記探索対象位置情報に示される緯度及び経度と、前記探索端末位置情報に示される緯度及び経度が同一性の範囲内にあると判断したときに、前記励振信号送信手段が前記励振信号を送信するから、前記探索対象端末が前記探索端末の位置と近い場合に、前記探索対象端末が位置する方向を特定することができる。
これにより、探索対象者の位置を迅速に、かつ、精度良く把握することができる。
【0022】
また、前記励振信号を発信するためには、電力を消費する。特に、前記探索端末が小型の携帯型の装置である場合には、電力消費量を少なくすることで、長時間の前記探索対象端末の探索を行うことができる。
この点、前記探索端末は、前記探索対象位置情報に示される緯度及び経度と、前記探索端末位置情報に示される緯度及び経度とが同一性の範囲内にあると判断したときに、前記励振信号を発信するから、前記探索対象端末の位置の探索を開始した時から前記励振信号を送信し続ける場合よりも、電力消費量を少なくすることができる。
【0023】
第6の発明は、第4の発明の構成において、前記位置比較手段が、前記探索端末の現在位置が前記探索対象端末からの前記応答信号の到達範囲内であると判断したときに、前記励振信号送信手段が前記励振信号を送信する構成となっていることを特徴とする。
【0024】
上述のように、前記励振信号送信手段の電力消費量を少なくすることで、長時間の前記探索対象端末の探索を行うことができる。
この点、前記探索端末は、前記探索端末の現在位置が前記探索対象端末からの前記応答信号の到達範囲内であると判断したときに、前記励振信号を発信する。このため、前記探索端末は、前記探索対象端末から前記応答信号を確実に受信できる地点に位置するときに前記励振信号を送信するから、電力を無駄に消費することを避けることができる。
【0025】
第7の発明は、第4の発明乃至第6の発明のいずれかの構成において、前記励振信号送信手段が前記励振信号を送信したときには、前記探索端末位置情報生成手段が駆動を停止する構成となっていることを特徴とする。
【0026】
前記探索端末位置情報生成手段である例えば、GPS装置を駆動するためには、電力を消費する。特に、前記探索端末が小型の携帯型の装置である場合には、電力消費量を少なくすることで、長時間の前記探索対象端末の探索を行うことができる。
この点、第7の発明の構成によれば、前記探索端末位置情報生成手段が前記励振信号を送信したときには、前記探索端末位置情報生成手段が駆動を停止するから、前記励振信号を送信した後も継続して前記測位手段の駆動を継続する場合よりも、電力消費量を少なくすることができる。
【0027】
第8の発明は、第4の発明乃至第6の発明のいずれかの構成において、前記応答信号受信手段が前記応答信号を受信したときには、前記探索端末位置情報生成手段が駆動を停止する構成となっていることを特徴とする。
【0028】
前記探索端末は、前記探索端末位置情報生成手段が前記応答信号を受信したときには、前記探索端末位置情報生成手段の駆動を停止する。
このため、前記探索対象端末から前記応答信号を受信するまでは前記探索端末位置情報生成手段の駆動を継続するから、前記探索対象端末の位置を見失うことを避けることができる。
これにより、前記応答信号を受信した後も継続して前記探索端末位置情報生成手段の駆動を継続する場合よりも、電力消費量を少なくすることができ、かつ、前記探索対象端末の位置を見失うことを避けることができる。
【0029】
前記目的は、第9の発明によれば、探索対象者が有する探索対象端末が、位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて現在位置を測位して探索対象端末の現在位置を示す探索対象位置情報を生成する探索対象位置情報生成ステップと、前記探索対象端末が、前記探索対象位置情報を含む探索要求情報を、前記探索対象端末の探索を行う探索端末に送信する探索要求情報送信ステップと、前記探索端末が、前記探索要求情報を受信する探索要求情報受信ステップと、前記探索端末が、位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて現在位置を測位して前記探索端末の現在位置を示す探索端末位置情報を生成する探索端末位置情報生成ステップと、前記探索端末が、前記探索対象位置情報と前記探索端末位置情報を比較する位置比較ステップと、前記探索端末が、前記位置比較ステップにおいて、前記探索対象位置情報に示される緯度及び経度と前記探索端末位置情報に示される緯度及び経度とが同一性の範囲内にあり、かつ、前記探索端末の現在位置が前記探索対象端末からの前記応答信号の到達範囲内であると判断したときに、前記探索対象端末に対して励振信号を送信する励振信号送信ステップと、前記探索対象端末が、前記励振信号を受信する励振信号受信ステップと、前記探索対象端末が、前記励振信号に対応する応答信号を送信する応答信号送信ステップと、前記探索端末が、前記探索対象端末から前記応答信号を受信する応答信号受信ステップと、前記探索端末が、前記応答信号の方向を特定する応答信号方向特定ステップと、を有することを特徴とする探索方法によって達成される。
【0030】
第9の発明の構成によれば、第1の発明の構成と同様に、前記探索対象端末の現在位置を迅速に、かつ、精度良く把握することができる。
さらに、前記探索端末は、前記探索端末の現在位置が前記探索対象端末からの前記応答信号の到達範囲内であると判断したときに、前記励振信号を発信する。このため、前記探索方法によれば、前記探索対象端末から前記応答信号を確実に受信できる地点に位置するときに前記励振信号を送信するから、電力を無駄に消費することを避けることができる。
【0031】
前記目的は、第10の発明によれば、探索対象端末を探索する探索端末が、前記探索対象端末から、前記探索対象端末の現在位置を示す探索対象位置情報を含む探索要求情報を受信する探索要求情報受信ステップと、前記探索端末が、位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて現在位置を測位して前記探索端末の現在位置を示す探索端末位置情報を生成する探索端末位置情報生成ステップと、前記探索端末が、前記探索対象位置情報と前記探索端末位置情報を比較する位置比較ステップと、前記探索端末が、前記位置比較ステップにおいて、前記探索対象位置情報に示される緯度及び経度と前記探索端末位置情報に示される緯度及び経度とが同一性の範囲内にあり、かつ、前記探索端末の現在位置が前記探索対象端末からの前記応答信号の到達範囲内であると判断したときに、前記探索対象端末に対して励振信号を送信する励振信号送信ステップと、前記探索端末が、前記探索対象端末から前記励振信号に対応する応答信号を受信する応答信号受信ステップと、前記探索端末が、前記応答信号の方向を特定する応答信号方向特定ステップと、を有することを特徴とする探索端末の制御方法によって達成される。
【0032】
第10の発明の構成によれば、第9の発明の構成と同様に、前記探索対象端末の現在位置を迅速に、かつ、精度良く把握することができ、さらに、電力を無駄に消費することを避けることができる。
【0033】
前記目的は、第11の発明によれば、コンピュータに、探索対象端末を探索する探索端末が、前記探索対象端末から、前記探索対象端末の現在位置を示す探索対象位置情報を含む探索要求情報を受信する探索要求情報受信ステップと、前記探索端末が、位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて現在位置を測位して前記探索端末の現在位置を示す探索端末位置情報を生成する探索端末位置情報生成ステップと、前記探索端末が、前記探索対象位置情報と前記探索端末位置情報を比較する位置比較ステップと、前記探索端末が、前記位置比較ステップにおいて、前記探索対象位置情報に示される緯度及び経度と前記探索端末位置情報に示される緯度及び経度とが同一性の範囲内にあり、かつ、前記探索端末の現在位置が前記探索対象端末からの前記応答信号の到達範囲内であると判断したときに、前記探索対象端末に対して励振信号を送信する励振信号送信ステップと、前記探索端末が、前記探索対象端末から前記励振信号に対応する応答信号を受信する応答信号受信ステップと、前記探索端末が、前記応答信号の方向を特定する応答信号方向特定ステップと、を実行させることを特徴とするコンピュータプログラムによって達成される。
【0034】
前記目的は、第12の発明によれば、コンピュータに、探索対象端末を探索する探索端末が、前記探索対象端末から、前記探索対象端末の現在位置を示す探索対象位置情報を含む探索要求情報を受信する探索要求情報受信ステップと、前記探索端末が、位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて現在位置を測位して前記探索端末の現在位置を示す探索端末位置情報を生成する探索端末位置情報生成ステップと、前記探索端末が、前記探索対象位置情報と前記探索端末位置情報を比較する位置比較ステップと、前記探索端末が、前記位置比較ステップにおいて、前記探索対象位置情報に示される緯度及び経度と前記探索端末位置情報に示される緯度及び経度とが同一性の範囲内にあり、かつ、前記探索端末の現在位置が前記探索対象端末からの前記応答信号の到達範囲内であると判断したときに、前記探索対象端末に対して励振信号を送信する励振信号送信ステップと、前記探索端末が、前記探索対象端末から前記励振信号に対応する応答信号を受信する応答信号受信ステップと、前記探索端末が、前記応答信号の方向を特定する応答信号方向特定ステップと、を実行させることを特徴とするコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体によって達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例である為、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0036】
図1は、本発明の実施の形態に係る救助システムである例えば、救助システム10を示す概略図である。
救助システム10は、探索対象者である例えば、甲が有する探索対象端末である例えば、遭難端末20を有する。この遭難端末20は、位置情報衛星である例えばGPS衛星12a,12b,12c及び12dからの位置関連信号である例えば、信号S1,S2,S3及びS4に基づいて現在位置を測位して遭難端末20の現在位置を示す後述の遭難位置情報152(図5参照)を生成する遭難端末GPS装置34を有する。この遭難端末GPS装置34は遭難位置情報生成手段の1例である。
遭難端末20はまた、RF(Radio Frequency)タグ36を有する。後述するように、RFタグ36は、外部からの励振信号に対応して、応答信号を発信できるように構成されている。
【0037】
救助システム10はまた、遭難端末20を探索する探索端末である例えば、救助端末82を有する。この救助端末82は、GPS衛星12a,12b,12c及び12dからの位置関連信号である例えば、信号S1,S2,S3及びS4に基づいて現在位置を測位して救助端末82の現在位置を示す後述の救助端末位置情報474(図9参照)を生成する救助端末GPS装置96を有する。この救助端末GPS装置96は救助端末位置情報生成手段の1例である。
救助端末82はまた、タグリーダ98を有する。このタグリーダ98は、遭難端末20のRFタグ36に励振信号を送信する励振信号送信手段の1例であり、RFタグ36から応答信号を受信する応答信号受信手段の1例でもある。
【0038】
救助端末82はその使用者である例えば、救助センターの使用者である乙とともに、ヘリコプター80に搭載されて移動し、無線通信の仲介基地である例えば、基地局50、及び、通信網である例えば、インターネット網55を介して、遭難端末20と通信可能に構成されている。救助端末82は、遭難端末20と、救助センターサーバ60を介して通信することもできるし、救助センターサーバ60を介さずに通信することもできる。
【0039】
図1に示すように、遭難者である甲は、遭難位置Zに位置する。しかし、救助端末82の使用者である乙が、遭難位置Zの近くに来たとしても、がれき15が障害になって、甲を容易に発見できない状況である。
【0040】
(遭難端末20のハードウエア構成について)
図2は遭難端末20の主なハードウエア構成を示す概略図である。
図2に示すように、遭難端末20は、コンピュータを有しており、コンピュータは、バス22を有する。
このバス22には、CPU(Central Processing Unit)24、記憶装置26等が接続されている。記憶装置26は例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等である。
【0041】
また、このバス22には、各種情報等を入力するための遭難端末入力装置28、各種情報を表示するための遭難端末表示装置30、基地局50及びインターネット網55を介して救助センターサーバ60と通信するための遭難端末通信装置32が接続されている。なお、遭難端末20は遭難端末通信装置32によって、救助センターサーバ60を介して、又は、救助センターサーバ60を介さずに、救助端末82と通信することができる。
このバス22にはまた、上述の遭難端末GPS装置34、時計38及びRFタグ36が接続されている。
【0042】
(RFタグ36のハードウエア構成について)
図3は、RFタグ36の主なハードウエア構成を示す概略図である。
RFタグ36は、塩化ビニール等からなるタグ本体36aを有すると共に、そのタグ本体36aにはICチップ36bが配置されている。つまり、RFタグ36は、ICタグである。
【0043】
RFタグ36は、IC(集積回路)36bを有すると共に、非接触且つ近接することで情報の送受信を行うアンテナ部36cを有している。このRFタグ36は、RFID(Radio Frequency Identification:無線を用いた自動認識)を利用しているため、このアンテナ部36cによって接触せずに電波を交信することで情報のやりとりが行える構成となっている。
すなわち、RFタグ36は、外部から励振信号を受信し、その励振信号に対応する応答信号を発信することができる。このRFタグ36は、励振信号受信手段及び応答信号発信手段の1例である。
【0044】
なお、本実施の形態とは異なり、RFタグ36は、電源装置(バッテリ)を有していてもよい。これにより、励振信号が弱い場合であっても、電波強度が強く、遠方まで到達することができる応答信号を送信することができる。
【0045】
(RFタグ36のソフトウエア構成について)
図4は、RFタグ36の主なソフトウエア構成等を示す概略図である。
図4に示すように、RFタグ36には、各部を制御するタグ制御部200、図1のRFタグリーダ98から励振信号を受信し、RFタグリーダ98に対して応答信号を送信するタグ通信部202を有する。
RFタグ36はまた、各種情報を記憶するタグ記憶部204を有する。タグ記憶部204には、図1の甲の氏名等の個人情報を示す使用者情報206が格納されている。そして、上述の応答信号には、使用者情報206が乗せられている。
このRFタグ36からの応答信号の到達距離は例えば、50メートル(m)乃至500メートル(m)である。
【0046】
(遭難端末20のソフトウエア構成について)
図5は、遭難端末20の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
図5に示すように、遭難端末20は、各部を制御する遭難端末制御部100を有する。 遭難端末20はまた、図2の遭難端末入力装置28に対応する遭難端末入力部102、図2の遭難端末表示装置30に対応する遭難端末表示部104、図2の遭難端末通信装置32に対応する遭難端末通信部106、図2の遭難端末GPS装置34に対応する遭難端末測位部108、図2のRFタグ36に対応する遭難端末RFタグ部110、図2の時計38に対応する遭難端末計時部112を有する。
【0047】
図5に示すように、遭難端末20はまた、各種プログラムを格納する遭難端末第1記憶部120、各種情報をあらかじめ格納している遭難端末第2記憶部140、遭難端末20が取得又は生成した情報を格納する遭難端末第3記憶部150を有する。
【0048】
図5に示すように、遭難端末20は遭難端末第1記憶部120に、遭難位置測位プログラム122を格納している。遭難位置測位プログラム122は、遭難端末制御部100が、遭難端末測位部108によって、現在位置を測位して遭難位置を示す遭難位置情報152を生成するための情報である。この遭難位置情報152は探索対象位置情報の1例である。
【0049】
遭難端末制御部100は、遭難位置測位プログラム122に基づいて、遭難端末20の現在位置である図1の遭難位置Zを示す遭難位置情報152を生成し、遭難端末第3記憶部150に格納する。遭難位置情報152は例えば、緯度情報、経度情報及び高度情報を含む。
遭難端末制御部100はまた、遭難位置測位プログラム122に基づいて、遭難端末測位部108の測位の誤差を示す遭難位置誤差情報154を生成し、遭難端末第3記憶部150に格納する。
【0050】
遭難端末20はまた、計時プログラム124を有する。計時プログラム124は、遭難端末制御部100が、上述の遭難位置情報152を生成した時刻を示す遭難時刻情報156を生成するための情報である。この遭難時刻情報156は、時刻情報の1例である。
遭難端末制御部100は、生成した遭難時刻情報156を遭難端末第3記憶部150に格納する。
【0051】
図5に示すように、遭難端末20は、遭難端末第2記憶部140に、使用者情報142及びRFタグ電波到達距離情報144を格納している。使用者情報142は例えば、図1の遭難者甲の氏名、甲の保護者等の連絡先情報を含む。RFタグ電波到達距離情報144は、図3のRFタグ36からの応答信号の到達距離を示す情報であり例えば、50メートル(m)を示す情報である。このRFタグ電波到達距離情報144に示される応答信号の到達距離の範囲は、応答信号の到達範囲の1例である。
【0052】
図5に示すように、遭難端末20は、遭難端末第2記憶部120に、救助要求情報生成プログラム126を格納している。救助要求情報生成プログラム126は、遭難端末制御部100が、図1の救助センターサーバ60、及び/又は、救助端末82に対して、送信する救助要求情報158を生成するための情報である。遭難端末制御部100は、救助要求情報生成プログラム126に基づいて、上述の使用者情報142、RFタグ電波到達距離情報144、遭難位置情報152、遭難位置誤差情報154及び遭難時刻情報156を含む救助要求情報158を生成し、遭難端末第3記憶部150に格納する。この救助要求情報158は探索要求情報の1例である。
【0053】
図5に示すように、遭難端末20は、救助要求情報送信プログラム128を有する。救助要求情報送信プログラム128は、遭難端末制御部100が、図1の救助センターサーバ60、及び/又は、救助端末82に対して、救助要求情報158を送信するための情報である。すなわち、救助要求情報送信プログラム128と遭難端末制御部100は、探索要求情報送信手段の1例である。
【0054】
上述のように、救助要求情報158は使用者情報142を含むから、遭難端末20は、図1の救助センターサーバ60、及び/又は、救助端末82に対して、遭難者甲の氏名、遭難者甲の保護者等の連絡先を報知することができる。
また、救助要求情報158は遭難位置情報152を含むから、図1の救助センターサーバ60、及び/又は、救助端末82に対して遭難位置Zを報知することができる。このため、ヘリコプター80に搭載された救助端末82が、遭難位置Zに向かうための情報を提供することができる。
【0055】
また、救助要求情報158は遭難位置誤差情報154を含むから、図1の救助端末82等に対して、遭難位置情報152に示される位置の測位誤差を報知することができる。このため、救助端末82が測位誤差を考慮して遭難端末20の位置を探索するための情報を提供することができる。
また、救助要求情報158は遭難時刻情報156を含む。このため、前記救助端末の保持者である救助センターの職員乙が、遭難時刻から長時間が経過しているにもかかわらず、遭難端末20の使用者甲を発見できない場合には、救助者の人数を増やすなどの対応をとるための情報を提供することができる。
すなわち、遭難端末20は、図1の救助端末82に対して、適切な救助活動とるための情報を提供することができる。
【0056】
また、救助要求情報158はRFタグ電波到達距離情報144を含むから、救助端末82等に対して、遭難端末20がRFタグ36を有すること、及び、RFタグ36の発信する電波の到達距離が例えば、50メートル(m)であることを報知することができる。このため、救助端末82に対して例えば、救助端末82が上述の遭難位置情報152に示される位置から50メートル(m)以内に近づいた場合には、RFタグ36からの電波を利用して、遭難端末20の位置の探索を行うための情報を提供することができる。
【0057】
(救助センターサーバ60のハードウエア構成について)
図6は図1の救助センターサーバ60の主なハードウエア構成を示す概略図である。
図6に示すように、救助センターサーバ60は、コンピュータを有しており、コンピュータは、バス62を有する。
このバス62には、CPU64、記憶装置66、外部記憶装置68等が接続されている。記憶装置66は例えば、RAM等である。外部記憶装置68は例えば、HD(Hard Disk)である。
【0058】
また、このバス62には、各種情報等を入力するためのセンター入力装置70、各種情報を表示するためのセンター表示装置74、基地局50及びインターネット網55を介して遭難端末20及び救助端末82と通信するためのセンター通信装置72が接続されている。
【0059】
(救助センターサーバ60のソフトウエア構成について)
図7は、救助センターサーバ60の主なソフトウエア構成等を示す概略図である。
図7に示すように、各部を制御するサーバ制御部300、図6のセンター通信装置72に対応するサーバ通信部302、図2のセンター表示装置74に対応するサーバ表示部304を有する。
【0060】
図7に示すように、救助センターサーバ60は、各種プログラムを格納するサーバ第1記憶部310、あらかじめ各種情報を格納しているサーバ第2記憶部320、及び、救助センターサーバ60が取得又は生成した情報を格納するサーバ第3記憶部330を有する。例えば、図1の遭難端末20から受信した救助要求情報158は救助要求情報332として、サーバ第3記憶部330に格納される。
【0061】
図7に示すように、救助センターサーバ60はサーバ第1記憶部310に、救助要求情報分析プログラム312を格納している。救助要求情報分析プログラム312は、サーバ制御部300が、救助要求情報332を分析し、救助要求情報332に含まれる使用者情報142(図5参照)等を取得するための情報である。
端末制御部300はまた、救助要求情報332を分析して取得した、遭難位置情報152(図5参照)を、異なる複数の地域で待機している救助端末82等の待機位置等を示す救助端末情報322と照会することによって例えば、遭難位置情報152に示される遭難位置Zに最も近い位置で待機している例えば、救助端末82に対して、救助命令を送信することができる。
サーバ制御部300は、救助命令を送信した対象である救助端末82の識別情報を、活動中救助端末情報334としてサーバ第3記憶部330に格納する。
これにより、救助センターサーバ60は、救助端末82が図1の遭難者甲の救助活動をしているという情報を保持することができる。
【0062】
(救助端末82のハードウエア構成について)
図8は救助端末82の主なハードウエア構成等を示す概略図である。
図8に示すように、救助端末82は、コンピュータを有しており、コンピュータは、バス84を有する。
このバス84には、CPU86、記憶装置88等が接続されている。記憶装置88は例えば、RAM等である。
【0063】
また、このバス84には、各種情報等を入力するための救助端末入力装置90、各種情報を表示するための救助端末表示装置92、基地局50及びインターネット網55を介して遭難端末20及び救助センターサーバ60と通信するための救助端末通信装置94が接続されている。救助端末通信装置94は、遭難端末20から救助センターサーバ60を介して、又は、救助センターサーバ60を介さずに、救助要求情報158(又は332)を受信することができる。この救助端末通信装置94は、探索要求情報受信手段の1例である。
【0064】
また、このバス84には、救助端末GPS装置96が接続されている。救助端末GPS装置96は、遭難端末20の位置を探索するための探索装置である。
また、このバス84には、タグリーダ98が接続されている。タグリーダ98もまた、遭難端末20の位置を探索するための探索装置である。タグリーダ98は、図1の遭難端末20のRFタグ36に対して、励振信号を送信し、RFタグ36から応答信号を受信することができるように構成されている。救助端末82のタグリーダ98と遭難端末20のRFタグ36との間の通信は、基地局等を介さずに直接に行われるため、基地局等を介す場合に比べて、近距離の通信である。
このタグリーダ98は、タグリーダ98の周囲の全方向からの応答信号を受信するのではなく、一方向からの応答信号だけを受信することができる構成になっている。
【0065】
(救助端末82のソフトウエア構成について)
図9は救助端末82の主なソフトウエア構成等を示す概略図である。
図9に示すように、救助端末82は、各部を制御する救助端末制御部400、図8の救助端末入力装置90に対応する救助端末入力部402、図8の救助端末表示装置92に対応する救助端末表示部404、図8の救助端末通信装置94に対応する救助端末通信部406、図8の救助端末GPS装置96に対応する救助端末測位部408、及び、図8のタグリーダ98に対応する救助端末タグリーダ部410を有する。
【0066】
図9に示すように、救助端末82は、各種プログラムを格納する救助端末第1記憶部420、各種情報を予め格納している救助端末第2記憶部450、救助端末82が取得又は生成した各種情報を格納する救助端末第3記憶部460を有する。
【0067】
図9に示すように、救助端末82は、救助端末第1記憶部420に、救助要求情報解析プログラム422を格納している。救助要求情報解析プログラム422は、救助端末制御部400が、救助要求情報158(又は332)を解析し、救助要求情報158(又は332)に含まれる使用者情報142(図5参照)等を取得するための情報である。救助端末82は取得した使用者情報142等を使用者情報462等として図9の救助端末第3記憶部460に格納する。
【0068】
図9に示すように、救助端末82は、探索装置起動プログラム424を有する。探索装置起動プログラム424は、救助端末制御部400が、探索装置である図8の救助端末GPS装置96及びタグリーダ98の起動を制御するための情報である。
救助端末82は、また、探索装置停止プログラム426を有する。探索装置停止プログラム426は、救助端末制御部400が、探索装置である図8の救助端末GPS装置96及びタグリーダ98の停止を制御するための情報である。
【0069】
すなわち、救助端末制御部400は、探索装置起動プログラム424及び探索装置停止プログラム426に基づいて、救助端末GPS装置96及びタグリーダ98の起動及び停止を制御することができる。例えば、救助端末制御部400は、探索装置起動プログラム424及び探索装置停止プログラム426に基づいて、救助端末GPS装置96及びタグリーダ98の双方を起動して作動させることもできるし、一方のみを起動して作動させることもできる。
【0070】
図9に示すように、救助端末82は、救助端末位置測位プログラム428を有する。救助端末位置測位プログラム428は、救助端末制御部400が、救助端末測位部408の測位結果に基づいて、救助端末位置を示す救助端末位置情報474を継続的に生成するための情報である。
救助端末制御部400は、生成した救助端末位置情報474を救助端末第3記憶部460に格納する。この救助端末位置情報474は、随時更新される。
また、救助端末制御部400は、救助端末位置測位プログラム428に基づいて、救助端末位置の測位の誤差を示す救助位置誤差情報476を生成し、救助端末第3記憶部460に格納する。
【0071】
救助端末82はまた、遭難位置ナビゲーションプログラム430を有する。遭難位置ナビゲーションプログラム430は、救助端末制御部400が、救助端末第2記憶部450に格納している地図情報452と、救助端末第3記憶部460に格納している遭難位置情報468と、救助端末位置情報474に基づいて、救助端末82を搭載した例えば、図1のヘリコプター80が向かうべき方向を救助端末表示部404に示すための情報である。
【0072】
救助端末82はまた、遭難位置救助端末位置確認プログラム432を有する。遭難位置救助端末位置確認プログラム432は、救助端末制御部400が、遭難位置情報468に示される遭難位置Zと救助端末位置情報474に示される救助端末の位置を比較し、遭難位置Zと救助端末82の位置が一致するか否かを確認するための情報である。すなわち、遭難位置救助端末位置確認プログラム432と救助端末制御部400は、位置比較手段の1例である。
【0073】
例えば、救助端末制御部400は、遭難位置救助端末位置確認プログラム432に基づいて、遭難位置Zの緯度及び経度と救助端末82の位置の緯度及び経度とが、同一性の範囲内にあるか否かを判断する。そして、救助端末制御部400は、遭難位置Zの緯度及び経度と救助端末82の位置の緯度及び経度が例えば、緯度経度を示す度、分、秒のうち、少なくとも度及び分が一致していれば、遭難位置Zの緯度及び経度と救助端末82の位置の緯度及び経度とが、同一性の範囲内にあると判断する。そして、例えば、救助端末制御部400は、図8の救助端末表示装置92にその旨を表示する。これにより、救助端末82の使用者乙は、ヘリコプター80で、遭難位置Z(図1参照)の上空を旋回するなどして、遭難端末20の使用者甲の捜索をすることができる。
なお、そして、救助端末制御部400は、遭難位置Zの緯度及び経度と救助端末82の位置の緯度及び経度が緯度経度を示す度、分、秒のうち、少なくとも度、分及び秒の整数部分が一致していれば、遭難位置Zの緯度及び経度と救助端末82の位置の緯度及び経度とが、同一性の範囲内にあると判断するように構成してもよい。これにより、遭難端末20が救助端末82の一層近くに位置する可能性が高い場合に、図8の救助端末表示装置92にその旨を表示することができる。
【0074】
しかし、山間等、地図情報が十分でない場所では、おおまかな地図表示しかされないため、緯度経度の情報や特徴のある目印を頼りに遭難者を捜索しなければならず、甲の捜索が困難な場合がある。
特に、図1に示すように、遭難者である甲ががれき15に埋もれている場合等は、救助端末82の位置が遭難位置Zに近いとしても、甲を発見することは困難である。
また、遭難端末GPS装置34(図2参照)及び救助端末GPS装置96(図8参照)による位置の測位には誤差がある。このため、遭難位置Zの緯度及び経度と救助端末82の位置の緯度及び経度とが同一性の範囲内にある場合であっても、遭難端末20の実際の位置と、救助端末82の実際の位置が双方の測位誤差のために離れていて、遭難者甲の発見が困難な場合もある。
この点、以下に説明するように、救助端末82は、近くに位置する遭難端末20の位置を探索するための構成を有している。
【0075】
すなわち、図9の救助端末制御部400は、捜索装置起動プログラム424に基づいて、遭難位置Zの緯度及び経度と救助端末82の位置の緯度及び経度が同一性の範囲内にあると判断した場合には、図8のタグリーダ98を起動し、励振信号を送信する。遭難位置Zの緯度及び経度と救助端末の位置の緯度及び経度が同一性の範囲内にある場合には、遭難端末20と救助端末82の位置は近く、励振信号の到達距離である例えば、50メートル(m)以内である可能性があると言える。
【0076】
この場合、励振信号は遭難端末20のRFタグ36(図4参照)に到達し、救助端末82のタグリーダ98は、遭難端末20のRFタグ36から、応答信号を受信する。この応答信号には、使用者情報206が載せられているから、救助端末82は使用者情報206を救助端末表示装置92(図8参照)に表示する等によって、遭難端末20の使用者甲の氏名等を、救助端末の使用者乙に報知することができる。このため、事前に甲の氏名を知っている乙は、RFタグ36の応答信号の到達距離内に遭難者甲の有する遭難端末20が位置し、その遭難端末20の使用者が捜索対象である甲であることを知ることができる。
そして、仮に、遭難者が甲以外に多数存在したとしても、捜索対象の甲を他人と識別することができる。
【0077】
さらに、図9に示すように、救助端末82は、タグ信号方向確認プログラム434を有する。タグ信号方向確認プログラム434は、救助端末制御部400が、図8のタグリーダ98が受信した図1の遭難端末20のRFタグからの応答信号の方向を特定するための情報である。すなわち、タグ信号方向確認プログラム434と救助端末制御部400は、応答信号方向特定手段の1例である。
上述のように、図8のタグリーダ98は、一方向からの応答信号のみを受信できるように構成されている。救助端末制御部400は、タグ信号方向確認プログラム434に基づいて、タグリーダ98が受信した応答信号の方向を特定する。
救助端末制御部400は、特定した応答信号の方向を示す情報をタグ信号方向情報478として救助端末第3記憶部460に格納する。
【0078】
図9に示すように、救助端末82は、タグ信号方向表示プログラム436を有する。タグ信号方向表示プログラム436は、救助端末制御部400が、タグ信号方向情報478を図8の救助端末表示装置92に表示するための情報である。これにより、救助端末82の使用者である乙は、遭難端末20の位置の方向を知ることができる。このため、既に遭難端末20のRFタグ36の応答信号の到達距離内に到達している乙は、救助端末82によって示される遭難端末20の位置の方向を例えば、徒歩によって捜索することにより、遭難者である甲を発見することができる。
これにより、探索対象者である甲の位置を迅速に、かつ、精度良く把握することができる。
【0079】
なお、図9の救助端末制御部400は、捜索装置起動プログラム424に基づいて、図8のタグリーダ98を起動し、励振信号を送信したときには、図8の救助端末GPS装置96の駆動を停止する。救助端末GPS装置96を駆動するためには、電力を消費する。特に、救助端末82が小型の携帯型の装置である場合には、電力消費量を少なくすることで、長時間の遭難端末20の位置の探索を行うことができる。この点、救助端末82は、タグリーダ98が励振信号を送信した場合には、救助端末GPS装置96が駆動を停止するから、励振信号を送信した後も継続して救助端末GPS装置96の駆動を継続する場合よりも、電力消費量を少なくすることができる。
【0080】
なお、本実施の形態とは異なり、応答信号方向特定手段としては例えば、救助端末82がRFタグ36からの応答信号の発信方向に接近するに連れて、救助端末82の図示しないスピーカからの信号着信音が次第に大きくなる構成でもよい。
【0081】
また、本実施の形態とは異なり、図9の救助端末制御部400は、捜索装置起動プログラム424に基づいて、救助端末82の位置が遭難端末20からの応答信号の到達範囲内である例えば、50メートル(m)以内であると判断したときに、図8のタグリーダ98を起動し、励振信号を送信する構成としてもよい。
これにより、救助端末82は、遭難端末20から応答信号を確実に受信できる地点に位置する場合に励振信号を送信するから、電力を無駄に消費することを避けることができる。
【0082】
さらに、本実施の形態とは異なり、図9の救助端末制御部400は、捜索装置起動プログラム424に基づいて、図8のタグリーダ98が遭難端末20から応答信号を受信したときに、図8の救助端末GPS装置96の駆動を停止するようにしてもよい。これにより、遭難端末20から応答信号を受信するまではタグリーダ98の駆動を継続する。すなわち、遭難端末20の位置を、救助端末GPS装置96又はタグリーダ98で探索し続けるから、遭難端末20の位置を見失うことを避けることができる。
これにより、遭難端末20から応答信号を受信した後も継続して救助端末GPS装置96の駆動を継続する場合よりも、電力消費量を少なくすることができ、かつ、遭難端末20の位置を見失うことを避けることができる。
【0083】
以上が本実施の形態に係る救助システム10の構成であるが、以下、その動作例を主に図10、図11、図12及び図13を使用して説明する。
図10及び図11は本実施の形態に係る救助システム10の動作例を示す概略フローチャートである。
図12及び図13は、救助端末82等を示す概略図である。
【0084】
図2の遭難端末20が、使用者甲によって遭難端末入力装置28の図示しない通知ボタンが押下られたことを判断すると(図10のステップST1)、遭難端末20の図示しない電源装置が電源供給を開始し(ステップST2)、図1のGPS衛星12a等からの信号S1等に基づいて遭難位置である現在位置の測位を開始する(ステップST3)。
【0085】
そして、遭難端末20は、遭難位置の測位が完了したと判断すると(図10のステップST4)、図1の遭難位置Zを示す遭難位置情報152(図5参照)を生成し、遭難端末第3記憶部150(図5参照)に格納する(ステップST5)。すなわち、ステップST3乃至ステップST5は、探索対象位置情報生成ステップの1例である。
ステップST5においては、遭難位置情報152に加えて、遭難時刻である現在時刻を示す遭難時刻情報156(図5参照)を生成して、遭難端末第3記憶部150(図5参照)に格納する。
【0086】
続いて、遭難端末20は、遭難位置情報152及び遭難時刻情報156を含む救助要求情報158(図5参照)を送信する(図11のステップST6)。すなわち、ステップST6は、探索要求情報送信ステップの1例である。
【0087】
図1の救助センターサーバ60は、基地局50、インターネット網55及び救助センターサーバ60を介して、上述のステップST6において送信された救助要求情報158を受信したことを判断する(ステップST7)と、図6のセンター表示装置74の図示しないシステム画面地図上に遭難端末20の遭難位置情報152及び遭難時刻情報156を表示する(ステップST8)。なお、図11に示すように、ステップST7においては、救助センターサーバ60は、常に、遭難端末20等から情報を受信するために待機している。
一方、救助センターサーバ60は、遭難端末20の位置に近い等の条件を満たす救助端末を選定し(ステップST9)し、遭難端末20の使用者甲の救助に向かうのに適切な救助端末82に対して、救助要求情報332(図7参照)及び出動要請情報(図示せず)を送信する(ステップST10)。救助要求情報332には、遭難端末20の遭難位置情報及び遭難時刻情報を含む。出動要請情報は、救助端末82に対して、その使用者乙に出動要請を報知させるための情報である。
【0088】
図1の救助端末82は、救助センターサーバ60から、上述のステップST10において送信された救助要求信号を受信したと判断すると(ステップST11)、図1のGPS衛星12a等からの信号S1等に基づいて現在位置を測位して、救助端末82の現在位置を示す救助端末位置情報474(図9参照)を生成する(ステップST12)。すなわち、ステップST12は、探索端末位置情報生成ステップの1例である。なお、図11に示すように、ステップST11においては、救助端末82は、常に、救助センターサーバ60等から情報を受信するために待機している。
そして、図1の乙に保持された救助端末82は、遭難端末20の遭難位置情報468(図9参照)及び救助端末位置情報474に基づいて、図12(a)に示すように例えば、ヘリコプター80に搭載されて、遭難端末20の遭難位置Zへ移動する(ステップST13)。
【0089】
救助端末82は、継続的に現在位置を測位し、救助端末位置情報474を更新している。一方、救助端末82は、遭難端末20から基地局50、インターネット網55及び救助センターサーバ60を介して、救助要求情報332(図7参照)を受信し、遭難位置情報468(図9参照)を更新している。なお、救助端末82は、救助センターサーバ60を介さずに、救助端末82から救助要求情報158(図5参照)を受信することもできる。
このように、救助端末82は、継続的に救助端末位置情報474及び遭難位置情報468を更新しつつ遭難位置Zに向かう。このため、図1の遭難端末20が使用者甲によって位置が移動しても、確実に遭難端末20の遭難位置Zに到達することができる。
【0090】
遭難位置Zへ向かう救助端末82は、遭難位置情報468に示される遭難端末20の遭難位置と、救助端末位置情報474に示される救助端末82の現在位置を比較する処理を継続的に実施する(ステップST14)。すなわち、ステップST14は、位置比較ステップの1例である。具体的には、救助端末82は、ステップST14において、遭難位置情報468に示される遭難端末20の遭難位置に対応する緯度及び経度と、救助端末位置情報474に示される救助端末82の現在位置に対応する緯度及び経度とが、同一性の範囲内であるかどうかを判断する。
なお、同一性の範囲とは、双方の位置の緯度及び経度が例えば、北緯38度20分東経140度15分というように、少なくとも度及び分の単位が共通である範囲である。
【0091】
救助端末82が図12(b)に示すように遭難位置Zの上空に位置し、遭難端末82が遭難位置情報468に示される遭難端末20の遭難位置と、救助端末位置情報474に示される救助端末82の現在位置とが、同一性の範囲内(以後、単に、同一性の範囲内という)であると判断したときには、双方の位置が同一性の範囲内であることを表示することによって、その使用者乙に報知する。ここで、乙が遭難端末20の使用者甲を発見すれば(ステップST15)そのまま救助に向かい、救助端末82は乙によって駆動を停止させられる。
しかし、図12(b)に示すように、救助端末82が遭難位置Zの上空に位置しても、がれき15が障害になって、乙が遭難端末20の使用者甲を発見できない場合がある。
この場合、乙は、遭難端末20の近くに到達していることは知っているから、狭い範囲を詳細に捜索するために例えば、図13に示すように、救助端末82を保持して、ヘリコプター80を降りて、徒歩で遭難端末20の使用者甲の捜索を行う。
【0092】
ここで、救助端末82は、遭難端末20の遭難位置と、救助端末位置情報474に示される救助端末82の現在位置が、同一性の範囲内であると判断し、一定時間である例えば、3分以内に駆動を停止させられない場合には、図8のタグリーダ98から励振信号を送信する(ステップST16)。
なお、救助端末82は、同一性の範囲内であると判断し、かつ、救助端末82の現在位置が遭難端末20からの応答信号の到達範囲内である例えば、50メートル(m)以内であると判断したときに、図8のタグリーダ98を起動し、励振信号を送信してもよい。これにより、救助端末82は、遭難端末20から応答信号を確実に受信できる地点に位置する場合に励振信号を送信するから、電力を無駄に消費することを避けることができる
上述のステップST16は、励振信号送信ステップの1例である。このステップST16において、救助端末82は、救助端末GPS装置96による遭難端末20の探索をタグリーダ98による探索に切替える。
【0093】
救助端末82が、図8の救助端末GPS装置96による探索によって遭難端末20のRFタグ36へ励振信号を送信し得る距離に位置していれば、遭難端末20は、救助端末82から励振信号を受信する(ステップST17)。すなわち、ステップST17は励振信号受信ステップの1例である。
励振信号を受信した遭難端末20は、応答信号を送信する(ステップST18)。すなわち、ステップST18は、応答信号送信ステップの1例である。
【0094】
続いて、救助端末82のタグリーダ98が応答信号を受信する(応答信号受信ステップの1例)。そして、救助端末82は、応答信号を受信したと判断し(ステップST19)、応答信号の方向を特定する(ステップST20)。このステップST20は、応答信号方向特定ステップの1例である。
救助端末82は、特定した応答信号の方向を図8の救助端末表示装置92に表示する。乙は、応答信号の方向を探索する(ステップST21)ことによって、がれき15に埋もれている遭難端末20の使用者甲を発見することができる。
【0095】
(プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体等について)
コンピュータに上述の動作例の救助要求情報受信ステップと、救助端末位置情報生成ステップと、位置比較ステップと、励振信号送信ステップと、応答信号受信ステップと、応答信号方向特定ステップ等とを実行させるための救助端末の制御プログラムとすることができる。
また、このような救助端末の制御プログラム等を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体等とすることもできる。
【0096】
これら救助端末の制御プログラム等をコンピュータにインストールし、コンピュータによって実行可能な状態とするために用いられるプログラム格納媒体は、例えばフロッピー(登録商標)のようなフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Compact Disc−Recordable)、CD−RW(Compact Disc−Rewriterble)、DVD(Digital Versatile Disc)などのパッケージメディアのみならず、プログラムが一時的若しくは永続的に格納される半導体メモリ、磁気ディスクあるいは光磁気ディスクなどで実現することができる。
【0097】
本発明は、上述の各実施の形態に限定されない。さらに、上述の各実施の形態は、相互に組み合わせて構成するようにしてもよい。また、本発明は、人ごみの中での待ち合わせ相手の特定や、紛失物の発見等にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の実施の形態に係る救助システムを示す概略図である。
【図2】遭難端末の主なハードウエア構成を示す概略図である。
【図3】RFタグの主なハードウエア構成を示す概略図である。
【図4】RFタグの主なソフトウエア構成等を示す概略図である。
【図5】遭難端末の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
【図6】救助センターサーバの主なハードウエア構成を示す概略図である。
【図7】救助センターサーバの主なソフトウエア構成等を示す概略図である。
【図8】救助端末の主なハードウエア構成等を示す概略図である。
【図9】救助端末の主なソフトウエア構成等を示す概略図である。
【図10】本実施の形態に係る救助システムの動作例を示す概略フローチャートである。
【図11】本実施の形態に係る救助システムの動作例を示す概略フローチャートである。
【図12】救助端末等を示す概略図である。
【図13】救助端末等を示す概略図である。
【符号の説明】
【0099】
10・・・救助システム、12a,12b,12c,12d・・・GPS衛星、15・・・がれき、20・・・遭難端末、34・・・遭難端末GPS装置、35・・・RFタグ、50・・・基地局、55・・・インターネット網、60・・・救助センターサーバ、80・・・ヘリコプター、82・・・救助端末、96・・・救助端末GPS装置、98・・・タグリーダ、120・・・遭難位置測位プログラム、126・・・救助要求情報生成プログラム、142・・・使用者情報、144・・・RFタグ電波到達距離情報、424・・・捜索装置起動プログラム、426・・・捜索装置停止プログラム、428・・・救助端末位置測位プログラム、432・・・遭難位置救助端末位置比較プログラム、434・・・タグ信号方向確認プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
探索対象者が有する探索対象端末と、
前記探索対象端末を探索する探索端末と、
を有する探索システムであって、
前記探索対象端末は、
位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて現在位置を測位して探索対象端末の現在位置を示す探索対象位置情報を生成する探索対象位置情報生成手段と、
前記探索対象位置情報を含む探索要求情報を、前記探索端末に送信する探索要求情報送信手段と、
前記探索端末から励振信号を受信する励振信号受信手段と、
前記励振信号に対応する応答信号を送信する応答信号送信手段と、
を有し、
前記探索端末は、
前記探索要求情報を受信する探索要求情報受信手段と、
位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて現在位置を測位して前記探索端末の現在位置を示す探索端末位置情報を生成する探索端末位置情報生成手段と、
前記探索対象位置情報に示される前記探索対象端末の現在位置と前記探索端末位置情報に示される前記探索端末の現在位置を比較する位置比較手段と、
前記位置比較手段の比較結果に基づいて、前記探索対象端末に対して前記励振信号を送信する励振信号送信手段と、
前記探索対象端末から前記励振信号に対応する前記応答信号を受信する応答信号受信手段と、
前記応答信号の方向を特定する応答信号方向特定手段と、
を有することを特徴とする探索システム。
【請求項2】
探索対象者が有する探索対象端末であって、
前記探索対象端末は、
位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて現在位置を測位して探索対象端末の現在位置を示す探索対象位置情報を生成する探索対象位置情報生成手段と、
前記探索対象位置情報を含む探索要求情報を、前記探索端末に送信する探索要求情報送信手段と、
前記探索端末から励振信号を受信する励振信号受信手段と、
前記探索端末に対して前記励振信号に対応する応答信号を送信する応答信号送信手段と、
を有することを特徴とする探索対象端末。
【請求項3】
前記探索要求情報は、前記探索対象位置情報を生成した時刻を示す時刻情報を含むことを特徴とする請求項2に記載の探索対象端末。
【請求項4】
探索対象端末を探索する探索端末であって、
前記探索端末は、
前記探索対象端末の現在位置を示す探索対象位置情報を含む探索要求情報を受信する探索要求情報受信手段と、
位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて現在位置を測位して前記探索端末の現在位置を示す探索端末位置情報を生成する探索端末位置情報生成手段と、
前記探索対象位置情報と前記探索端末位置情報を比較する位置比較手段と、
前記位置比較手段の比較結果に基づいて、前記探索対象端末に対して励振信号を送信する励振信号送信手段と、
前記探索対象端末から前記励振信号に対応する前記応答信号を受信する応答信号受信手段と、
前記応答信号の方向を特定する応答信号方向特定手段と、
を有することを特徴とする探索端末。
【請求項5】
前記位置比較手段が、前記探索対象位置情報に示される緯度及び経度と前記探索端末位置情報に示される緯度及び経度とが、同一性の範囲内にあると判断したときに、前記励振信号送信手段が前記励振信号を送信する構成となっていることを特徴とする請求項4に記載の探索端末。
【請求項6】
前記位置比較手段が、前記探索端末の現在位置が前記探索対象端末からの前記応答信号の到達範囲内であると判断したときに、前記励振信号送信手段が前記励振信号を送信する構成となっていることを特徴とする請求項4に記載の探索端末。
【請求項7】
前記励振信号送信手段が前記励振信号を送信したときには、前記探索端末位置情報生成手段が駆動を停止する構成となっていることを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれかに記載の探索端末。
【請求項8】
前記応答信号受信手段が前記応答信号を受信したときには、前記探索端末位置情報生成手段が駆動を停止する構成となっていることを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれかに記載の探索端末。
【請求項9】
探索対象者が有する探索対象端末が、位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて現在位置を測位して探索対象端末の現在位置を示す探索対象位置情報を生成する探索対象位置情報生成ステップと、
前記探索対象端末が、前記探索対象位置情報を含む探索要求情報を、前記探索対象端末の探索を行う探索端末に送信する探索要求情報送信ステップと、
前記探索端末が、前記探索要求情報を受信する探索要求情報受信ステップと、
前記探索端末が、位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて現在位置を測位して前記探索端末の現在位置を示す探索端末位置情報を生成する探索端末位置情報生成ステップと、
前記探索端末が、前記探索対象位置情報と前記探索端末位置情報を比較する位置比較ステップと、
前記探索端末が、前記位置比較ステップにおいて、前記探索対象位置情報に示される緯度及び経度と前記探索端末位置情報に示される緯度及び経度とが同一性の範囲内にあり、かつ、前記探索端末の現在位置が前記探索対象端末からの前記応答信号の到達範囲内であると判断したときに、前記探索対象端末に対して励振信号を送信する励振信号送信ステップと、
前記探索対象端末が、前記励振信号を受信する励振信号受信ステップと、
前記探索対象端末が、前記励振信号に対応する応答信号を送信する応答信号送信ステップと、
前記探索端末が、前記探索対象端末から前記応答信号を受信する応答信号受信ステップと、
前記探索端末が、前記応答信号の方向を特定する応答信号方向特定ステップと、
を有することを特徴とする探索方法。
【請求項10】
探索対象端末を探索する探索端末が、前記探索対象端末から、前記探索対象端末の現在位置を示す探索対象位置情報を含む探索要求情報を受信する探索要求情報受信ステップと、
前記探索端末が、位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて現在位置を測位して前記探索端末の現在位置を示す探索端末位置情報を生成する探索端末位置情報生成ステップと、
前記探索端末が、前記探索対象位置情報と前記探索端末位置情報を比較する位置比較ステップと、
前記探索端末が、前記位置比較ステップにおいて、前記探索対象位置情報に示される緯度及び経度と前記探索端末位置情報に示される緯度及び経度とが同一性の範囲内にあり、かつ、前記探索端末の現在位置が前記探索対象端末からの前記応答信号の到達範囲内であると判断したときに、前記探索対象端末に対して励振信号を送信する励振信号送信ステップと、
前記探索端末が、前記探索対象端末から前記励振信号に対応する応答信号を受信する応答信号受信ステップと、
前記探索端末が、前記応答信号の方向を特定する応答信号方向特定ステップと、
を有することを特徴とする探索端末の制御方法。
【請求項11】
コンピュータに、
探索対象端末を探索する探索端末が、前記探索対象端末から、前記探索対象端末の現在位置を示す探索対象位置情報を含む探索要求情報を受信する探索要求情報受信ステップと、
前記探索端末が、位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて現在位置を測位して前記探索端末の現在位置を示す探索端末位置情報を生成する探索端末位置情報生成ステップと、
前記探索端末が、前記探索対象位置情報と前記探索端末位置情報を比較する位置比較ステップと、
前記探索端末が、前記位置比較ステップにおいて、前記探索対象位置情報に示される緯度及び経度と前記探索端末位置情報に示される緯度及び経度とが同一性の範囲内にあり、かつ、前記探索端末の現在位置が前記探索対象端末からの前記応答信号の到達範囲内であると判断したときに、前記探索対象端末に対して励振信号を送信する励振信号送信ステップと、
前記探索端末が、前記探索対象端末から前記励振信号に対応する応答信号を受信する応答信号受信ステップと、
前記探索端末が、前記応答信号の方向を特定する応答信号方向特定ステップと、
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項12】
コンピュータに、
探索対象端末を探索する探索端末が、前記探索対象端末から、前記探索対象端末の現在位置を示す探索対象位置情報を含む探索要求情報を受信する探索要求情報受信ステップと、
前記探索端末が、位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて現在位置を測位して前記探索端末の現在位置を示す探索端末位置情報を生成する探索端末位置情報生成ステップと、
前記探索端末が、前記探索対象位置情報と前記探索端末位置情報を比較する位置比較ステップと、
前記探索端末が、前記位置比較ステップにおいて、前記探索対象位置情報に示される緯度及び経度と前記探索端末位置情報に示される緯度及び経度とが同一性の範囲内にあり、かつ、前記探索端末の現在位置が前記探索対象端末からの前記応答信号の到達範囲内であると判断したときに、前記探索対象端末に対して励振信号を送信する励振信号送信ステップと、
前記探索端末が、前記探索対象端末から前記励振信号に対応する応答信号を受信する応答信号受信ステップと、
前記探索端末が、前記応答信号の方向を特定する応答信号方向特定ステップと、
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−10331(P2006−10331A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−183752(P2004−183752)
【出願日】平成16年6月22日(2004.6.22)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】