説明

接続制御システム、接続制御方法、およびプログラム

【課題】 接続を行うための情報を事前に設定することなくコンピュータ同士を接続して、容易にアプリケーション等の共有を行うことができる接続制御システムを提供する。
【解決手段】 通知サーバ40は、電話機10電話機15の通話接続の要求または開始を検出すると、電話機10の電話番号(発信者番号)と電話機15の電話番号(宛先番号)を通話識別情報として接続管理サーバ50に送信し、そこで通話識別情報が記憶装置に記憶される。接続管理サーバ50は、情報端末20からの接続要求の際に受信した端末識別情報と、記憶されている発信者番号とを比較し、さらに情報端末25からの接続要求の際に受信した端末識別情報と、記憶されている宛先番号とを比較する。これらの比較結果がいずれも一致である場合、情報端末20と情報端末25を接続し、両端末においてアプリケーション等の共有を実現することにより、ユーザコラボレーションを可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、情報端末のネットワーク経由での接続を制御する接続制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワークの普及により、パーソナルコンピュータやPDAのような情報端末のほとんどが、ネットワークを経由して互いに接続され、情報のやり取りを行うことができるようになってきている。こうした、情報端末のネットワーク化により、各情報端末のユーザは、アプリケーション、ファイルやドキュメント等のコンピュータ資源、および情報端末の表示装置に表示された画面の内容等を、他のユーザとの間でリアルタイムに共有し、協働して作業を行うことが可能となり、この仕組みをASP等により提供するサービスも存在する。
【0003】
しかしながら、このようなサービスを利用するにあたって、ユーザは、あらかじめ相手のコンピュータのネットワークアドレスや接続手順などの、接続を行うための情報を前もって用意しておく必要がある。そのため、ユーザは、当該情報を、接続用のリストとして事前に準備したり、接続のたびに電子メールで受信(交換)したり、ホームページ等で公開したりしなければならない。
【0004】
こうした事前の作業は、ユーザにとっては煩雑なものであり、より簡単に情報端末を接続してアプリケーションの共有等を行うことができる方法が求められている。
【0005】
一方で、従来より、作業空間を共有するためにコンピュータ同士の接続を行う方法が提案されている。たとえば、特許文献1の装置では、特定の2台のコンピュータの接続が、それぞれのコンピュータのユーザによる(音声電話システムによる)通話によって制御される。より具体的には、ユーザによる音声通話の発呼側電話番号と着呼側電話番号が、ローカルネットワーク(各ユーザの拠点(ローカルサイト)に敷設されている構内ネットワーク)上のサーバにPBX経由で提供されると、この発呼側電話番号と着呼側電話番号に対応するコンピュータのネットワークアドレスがそれぞれ、前もって用意された対応テーブルを用いて求められ、その後、求められたネットワークアドレスを用いて、対応するコンピュータ同士が広域ネットワークを介して接続される。
【0006】
また、相互に接続された情報端末の間でやりとりされた記録ならびに、共同で作られた文書等が、情報端末操作者の合意の上なされたものである事を証明するのは極めて困難である。
【0007】
現在行われている方式は、証明されるべき内容が定形であり、かつ情報端末操作者がその定型フォーマット提供者が確認しうる何らかの事前登録が必要である。また、不定形な内容を不特定の当事者間で合意したことを証明する方法として、当事者が順にデジタル署名をする方法がある。これも、当事者全員が秘密鍵ならびに公開鍵証明書をあらかじめ持っておく必要がある。
【0008】
こうした行為は、不時に不特定の相手間で発生する不特定な内容の情報交換を情報端末間の通信で行った事を証明するには多くの制限が課せられる為、事前の作業なく利用可能な方法が求められている。
【特許文献1】特開平8−321889号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1の装置では、コンピュータのユーザが、そのコンピュータに対応付けられた電話番号を用いて音声通話を行うことによって、コンピュータの接続が行われるよう制御される。しかしながら、こうした装置でも、依然として、接続相手を特定した上で、接続先コンピュータのネットワークアドレス等の情報を事前に把握し、それを電話番号と対応付けて対応テーブルに記憶しておかなければならない。対応テーブルは、ローカルサイトのサーバに用意しておくが、このサーバには、PBXから音声通話の発呼側電話番号と着呼側電話番号を受信する機能を設けておく必要もある。
【0010】
また、特許文献1の装置では、接続先のコンピュータが正当な接続対象であるかどうかを確認するための仕組みや、接続先コンピュータのユーザが、接続を拒否したり共有対象を選択できる仕組みがなく、セキュリティーが考慮されたシステムとなっていない。ここで、接続先コンピュータのユーザによる接続の拒否や共有対象の選択は、システムのユーザビリティを向上させる上でも有用である。
【0011】
さらに、PBXを経由する音声通話の場合、同じ発呼側電話番号と着呼側電話番号の通話が複数存在する可能性があるが(たとえば、あるローカルサイトから、異なる内線を使って同時に、別のローカルサイトに対してそれぞれ通話を行う場合)、特許文献1の装置では、そのような場合に、これらの通話ごとにコンピュータ同士の接続をそれぞれ区別して実現させることができない。
【0012】
したがって、本発明の目的は、接続を行うための情報を事前に設定することなく、不特定のユーザの通話に基づいて、コンピュータ同士を接続して、容易にアプリケーション等の共有を実現して、ユーザコラボレーションを可能とすることができる接続制御システムを提供することにある。
【0013】
また、本発明のさらなる目的は、ユーザの音声通話を利用して接続するコンピュータを識別するとともに、当該ユーザのローカルサイトにおいて大幅な改良を加えることなく、コンピュータ同士を接続して、容易にアプリケーション等の共有を行うことができる接続制御システムを提供することにある。
【0014】
さらに、本発明の目的は、接続先コンピュータの正当性を確認するための仕組みや、接続先コンピュータのユーザが接続を拒否したり共有対象を選択できる仕組みを実現する、高度なセキュリティーと高いユーザビリティを備えた接続制御システムを提供することにある。
【0015】
また、本発明のさらなる目的は、1つのローカルサイトから別のローカルサイトにされた複数の音声通話のそれぞれについて、コンピュータ同士の接続を個別に実現する接続制御システムを提供することにある。
【0016】
さらに、本発明の目的は、相互に接続されたコンピュータ間での作業が、コンピュータ操作者相互の合意の下で行われ、かつその記録が改竄されていない事を証明する手段を提供する事にある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の第1の実施態様は、通知サーバと接続管理サーバとを含む接続制御システムにである。ここで、通知サーバは、音声通話ネットワーク上における通話接続の要求または開始を検出する通話検出手段と、検出された通話接続の要求または開始に係る発信電話機または発信者を識別する発信識別情報と、検出された通話接続の要求または開始に係る着信電話機または着信者を識別する着信識別情報を通話識別情報として、接続管理サーバに通知する通話識別情報通知手段とを備え、接続管理サーバは、通知サーバから受信した通話識別情報の、発信識別情報と着信識別情報とを対応付けて一時的に記憶手段に記憶する通話識別情報管理手段と、接続要求を受けた情報端末から、情報端末または情報端末のユーザを識別する端末識別情報を受信する端末識別情報受信手段と、端末識別情報が、記憶手段に記憶された通話識別情報の発信識別情報および着信識別情報のいずれかと一致するかどうかを判定する端末識別情報判定手段と、端末識別情報が発信識別情報に一致する情報端末と、端末識別情報が当該発信識別情報に対応する着信識別情報に一致する他の情報端末とから、それぞれ接続要求を受けた場合に、これらの情報端末が接続されるよう制御する接続制御手段とを備えるように構成される。
【0018】
本発明の第2の実施態様は、上記第1の実施態様の接続制御システムにおいて、接続管理サーバが、発信識別情報に該当する情報端末からパスワードの登録を受け付け、記憶された通話識別情報と関連付けてパスワードを記憶するパスワード管理手段をさらに備え、接続制御手段が、着信識別情報に該当する情報端末から記憶されたパスワードと同一のパスワードを受信した場合に、接続が許可されるよう制御するように構成される。
【0019】
本発明の第3の実施態様は、上記第1の実施態様の接続制御システムにおいて、通話識別情報管理手段が、一時的に記憶手段に記憶された通話識別情報を、所定時間経過後、情報端末の接続終了後、または当該通話識別情報に対応する通話接続の終了後に削除するように構成される。
【0020】
本発明の第4の実施態様は、上記第1の実施態様の接続制御システムにおいて、接続制御手段が、情報端末が接続される場合、接続された情報端末に対し、少なくとも一部において、共通の情報が提供されるように構成される。
【0021】
本発明の第5の実施態様は、通知サーバと接続管理サーバとを含む接続制御システムによって実行される接続制御方法である。当該方法は、通知サーバにおいて、音声通話ネットワーク上の通話接続の要求または開始を検出する通話検出ステップと、検出された通話接続の要求または開始に係る発信電話機または発信者を識別する発信識別情報と、検出された通話接続の要求または開始に係る着信電話機または着信者を識別する着信識別情報を通話識別情報として、接続管理サーバに通知する通話識別情報通知ステップとを備え、接続管理サーバにおいて、通知サーバから受信した通話識別情報の、発信識別情報と着信識別情報とを対応付けて一時的に記憶手段に記憶する通話識別情報管理ステップと、接続要求を受けた情報端末から、情報端末または情報端末のユーザを識別する端末識別情報を受信する端末識別情報受信ステップと、端末識別情報が、記憶手段に記憶された通話識別情報の発信識別情報および着信識別情報のいずれかと一致するかどうかを判定する端末識別情報判定ステップと、端末識別情報が発信識別情報に一致する情報端末と、端末識別情報が当該発信識別情報に対応する着信識別情報に一致する他の情報端末とから、それぞれ接続要求を受けた場合に、これらの情報端末が接続されるよう制御する接続制御ステップとを備えるように構成される。
【0022】
本発明の第6の実施態様は、通知サーバと接続管理サーバとを含む接続制御システムにおいて実行されるプログラムである。当該プログラムは、通知サーバに、音声通話ネットワーク上の通話接続の要求または開始を検出する通話検出手段、および、検出された通話接続の要求または開始に係る発信電話機または発信者を識別する発信識別情報と、検出された通話接続の要求または開始に係る着信電話機または着信者を識別する着信識別情報を通話識別情報として、接続管理サーバに通知する通話識別情報通知手段として機能させ、接続管理サーバに、通知サーバから受信した通話識別情報の、発信識別情報と着信識別情報とを対応付けて一時的に記憶手段に記憶する通話識別情報管理手段、接続要求を受けた情報端末から、情報端末または情報端末のユーザを識別する端末識別情報を受信する端末識別情報受信手段、端末識別情報が、記憶手段に記憶された通話識別情報の発信識別情報および着信識別情報のいずれかと一致するかどうかを判定する端末識別情報判定手段、および、端末識別情報が発信識別情報に一致する情報端末と、端末識別情報が当該発信識別情報に対応する着信識別情報に一致する他の情報端末とから、それぞれ接続要求を受けた場合に、これらの情報端末が接続されるよう制御する接続制御手段として機能させるように構成される。
【0023】
本発明の第7の実施態様は、接続管理サーバの管理下で接続された複数のコンピュータ間で、リアルタイムに交信し、修正された結果を、接続されたコンピュータ操作者合意の上、その記録等が、当該コンピュータ間でリアルタイムに行われた事を、(操作者の申告ではなく)上記第一の実施態様の接続制御システムで知りえた情報を付加し、改竄不能な証明書付文書へと変換し保存可能とする手段として機能するよう構成される。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る接続制御システムにより、事前の煩雑な設定なしに、容易にアプリケーション等の共有を行うことができるコンピュータ同士の接続が可能となる。また、こうした、コンピュータ同士の接続は、ユーザの音声通話を利用して接続するコンピュータを識別するとともに、当該ユーザのローカルサイトにおいて大幅な改良を加えることなく実現される。
【0025】
本発明に係る接続制御システムにより、接続先コンピュータの正当性を確認し、接続先コンピュータのユーザが接続の拒否したり共有対象を選択でき、高度なセキュリティーと高いユーザビリティが提供される。また、1つのローカルサイトから別のローカルサイトにされた複数の音声通話がされている場合でも、それぞれの通話接続(の要求または開始)について、コンピュータ同士の接続を個別に実現することができる。
【0026】
本発明に係る接続制御システムならびに接続管理サーバにより、事前の煩雑な設定や準備なく、コンピュータ操作者間でリアルタイムに交換、加工された文書の正真性を、(コンピュータ操作者が加工できない)その操作者の属性情報を付加した上で保証した文書として相互に保存することが実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
最初に、本発明の一実施態様に係る接続制御システムの概要を、図1を参照して説明する。本発明の接続制御システム1は、通知サーバ40と接続管理サーバ50を含み、たとえば、電話機10と電話機15との間の、音声通話ネットワーク30を経由した通話接続の要求または開始に基づいて、情報端末20と情報端末25との間の、ネットワーク60経由の接続を制御する。
【0028】
この例では、電話機10と電話機15は、PSTN(公衆電話通信網)といった音声通話ネットワーク30によって通話接続がされる固定電話であり、回線交換方式により、相手方の電話機との通話を可能にする。また、情報端末20と情報端末25の代表例はパーソナルコンピュータであるが、スマートフォン・PDAのような携帯型をはじめとする様々なタイプのコンピュータが含まれる。これらのコンピュータは、ルータやモデムを介して、あるいは無線通信網を介してネットワーク60に接続される。
【0029】
なお、本明細書では、情報端末20と情報端末25との間の、ネットワーク60経由のコネクションを単に「接続」と呼び、「接続要求」とは、情報端末に関する接続の要求を意味する。他方、電話機10と電話機15との間の、音声通話ネットワーク30を介した通話のためのコネクションを、情報端末間の接続と区別するために「通話接続」と呼び、「通話接続の要求」は、電話機間における通話接続の要求を意味する。
【0030】
また、ここでは、電話機10は、電話機15に対して発信(呼び出し、発呼)を行う電話機であり、情報端末20と同じサイトにあって、基本的には、情報端末20のユーザと同じユーザによって操作されるものである。一方、電話機15は、電話機10からの呼び出しを着信(着呼)し、応答する電話機であり、情報端末25と同じサイトにあって、基本的には、情報端末25のユーザと同じユーザによって操作される。
【0031】
通知サーバ40は、たとえば、通信キャリアの交換ネットワーク内(音声通話ネットワーク30内)に配置され、電話機10と電話機15との通話接続の要求または、通話接続の開始を検出し、得られた通話識別情報70を接続管理サーバ50に送信する。通話接続の要求または開始は、音声通話ネットワーク30上を流れる信号やデータを取得することによって検出される。
【0032】
たとえば、音声通話ネットワーク30が、いわゆる共通線信号方式であり、通話の音声を通すための通話路網と、電話による通話における一連の動作を制御する信号をやりとりする信号網から構成されている場合、「通話接続の要求」は、電話機10から電話機15への発信(通話相手の呼び出し)により信号網に送出される接続要求信号を取得することによって検出され、「通話接続の開始」は、電話機10からの発信に対して電話機15が応答(すなわち、受話器を上げること)した場合に、信号網に送出される応答情報(応答したことを伝える情報)を取得することによって検出される。通話識別情報70は、発信電話機(電話機10)または発信者を識別する発信識別情報と、着信電話機(電話機15)または着信者を識別する着信識別情報を含み、識別情報は、たとえば、発信者番号(電話機10の電話番号)や宛先番号(電話機15の電話番号)であり、これらの電話番号は、上述の信号網に送出される接続要求信号に含まれている。
【0033】
接続管理サーバ50は、IPネットワークのようなネットワーク60上に配置され、さらに、ネットワーク75によって、通知サーバ40に接続される。ネットワーク75としては、専用線や、インターネット等の公衆IPネットワークなど、様々なネットワークが考えられる。接続管理サーバ50は、通知サーバ40から通話識別情報70を受信すると、これを一時的に記憶装置に記憶する。その後、情報端末20から接続要求がされた場合に、情報端末20から端末識別情報81(たとえば、電話機10の電話番号)を受信して、端末識別情報81が通話識別情報70の発信識別情報を一致していれば、接続管理サーバ50と情報端末20を所定のプロトコルにより接続する。
【0034】
その後、同様に、情報端末25から接続要求がされた場合に、情報端末25から端末識別情報82(たとえば、電話機15の電話番号)を受信して、端末識別情報82が通話識別情報70の着信識別情報と一致していれば、接続管理サーバ50と情報端末25を所定のプロトコルにより接続し、最終的に、情報端末20と情報端末25とが所定のプロトコルで接続され、両端末間でのアプリケーション共有等が可能になる。また、ここで、情報端末20から、必要に応じてパスワードを接続管理サーバ50に提供することができ、情報端末25から、そのパスワードが正しく入力されたときにのみ、情報端末25を接続管理サーバ50に接続するようにしてもよい。
【0035】
この例では、電話機10および電話機15を、共に、音声通話ネットワーク30に接続される固定電話としたが、本発明に係る接続制御システムでは、様々なタイプの電話機を用いることができ、また、それらのタイプの様々な組み合わせで通話を行っても、同様の効果を奏することができる。たとえば、電話機として、携帯電話やIP電話など、さまざまなタイプの電話機(およびネットワーク)を利用できる。通知サーバ40は、たとえば、No.7共通線信号方式におけるサーバに組み込まれ(またはこのサーバに接続され)、PSTNを介した電話機10と電話機15との間の通話接続の要求または開始を検出する。また、通知サーバ40は、電話機10と電話機15がIP電話であるような場合は、SIPサーバから、これらの通話接続に関する情報を取得するようにできる。さらに、通知サーバ40は、ゲートキーパーやゲートウエイ等に接続されることにより、異なるキャリア間のIP電話の通話接続に関する情報を取得することができる。いずれにせよ、通知サーバ40は、電話機10からの発信または電話機15による応答を検知し、発信者番号と宛先番号を把握できる限り、どこに配置されていてもよい。
【0036】
本発明の接続制御システム1では、音声通話ネットワーク30は、基本的にパブリックネットワークである。ただし、通知サーバ40を、各ユーザサイト(ローカルサイト)のネットワーク(プライベートネットワーク)上に配置されるPBXや他の通信機器、または、これらに接続するコンピュータとして構成することもできる。
【0037】
図1の例では、通知サーバ40と接続管理サーバ50とはネットワーク75によって接続されるが、使用条件や利用状況(ネットワークシステムの環境)等によっては、通知サーバ40と接続管理サーバ50を1つのコンピュータによって構成することも可能である。たとえば、通知サーバ40がIP電話による通話の検出のみを目的とする場合(ネットワーク60と音声通話ネットワーク30が、少なくとも一部で重複する場合)、通知サーバ40と接続管理サーバ50を1つのコンピュータによって構成し、当該コンピュータをIPネットワーク上に配置するようにできる。
【0038】
また、この例では、2つの情報端末を接続して、2者間でのアプリケーション共有等を実現するようになっているが、通話接続の要求または開始を複数行うことによって、3者以上の間で情報端末を接続するように制御することもできる。さらに、情報端末20と情報端末25とが所定のプロトコルで接続された場合に、SSL等を利用することによって、インターネットのようなネットワーク60上で、安全な通信を保証することができる。
【0039】
次に、図2のブロック図を参照して、本発明の一実施態様に係る接続制御システムの各構成要素の機能について説明する。
【0040】
通知サーバ40は、通話検出部41、通話識別情報通知部42、およびネットワークインタフェース(I/F)部43を含む。
【0041】
通話検出部41は、音声通話ネットワーク30を経由して行われる電話機10と電話機15との間の通話接続の要求または開始を検出する。通話接続の要求の検出は、電話機10が電話機15に対して発信した際に、音声通話ネットワーク30を流れる信号やデータ等を検知することによって行われる。また、通話接続の開始の検出は、たとえば、電話機15が電話機10からの発信を着信した場合や、電話機15のユーザが電話機10からの発信に対して受話器を取って応答した場合等に、音声通話ネットワーク30を流れる信号やデータ等を取得することによって行われる。また、必要に応じて、通話検出部41は、電話機10と電話機15との間の通話接続の終了を検出することもできる。
【0042】
通話識別情報通知部42は、通話検出部41によって通話接続の要求または開始が検出された場合に、検知データから、当該通話接続の要求または開始に係る発信者番号と宛先番号を取得し、これを通話識別情報70として接続管理サーバ50に送信する。また、このような発信者番号と宛先番号が、通話接続の要求が行われる際にのみ取得可能である環境であって、通話接続の開始が検出されたタイミングで通話識別情報70を接続管理サーバ50に送信する必要がある場合、発信者番号と宛先番号は、通話接続の要求が行われたタイミングで取得され後で所定の領域に記憶され、通話接続の開始が検出されたタイミングでの処理に引き継がれる。
【0043】
通話識別情報70が接続管理サーバ50に送信されるタイミングは、通話検出部41がどのタイミングで通話接続の要求または開始を検出するかによる。たとえば、電話機10が電話機15に対して発信を行った際にネットワークを流れるデータを検知する場合は、この後に通話識別情報70が接続管理サーバ50に送信される。また、通話識別情報通知部42は、必要に応じて、電話機10と電話機15との間の通話接続が終了したことを接続管理サーバ50に通知する。
【0044】
ネットワークI/F部43は、電話機10と電話機15との間の通話接続を実現するために信号やデータが流れる音声通話ネットワーク30と、通知サーバ40と接続管理サーバ50とを繋ぐネットワーク75に対する接続を実現し、これらのネットワークとの間のデータ送受信をコントロールする。
【0045】
接続管理サーバ50は、通話識別情報管理部51、パスワード管理部52、接続管理部53、ネットワークインタフェース(I/F)部54を含む。また、接続管理サーバ50は、記憶装置55を備え、記憶装置55には、通話識別情報データ56とパスワードデータ57が記憶される。
【0046】
通話識別情報管理部51は、通知サーバ40の通話識別情報通知部42から通話識別情報70を受信し、その通話識別情報70を、通話識別情報データ56として記憶装置55に記憶する。図3Aには、通話識別情報データ56の例が示されている。通話識別情報データ56は、「セッション番号」、「発信者番号」、および「宛先番号」の各項目からなり、セッション番号ごとに、発信者番号と宛先番号とが対応付けられて管理される。ここでは、電話機同士の通話接続(開始された通話接続のほか、接続要求を行っている状態も含む)をセッション番号を用いて管理しているが、このセッション番号は、後述するパスワードデータ57との対応付けを行う便宜上の項目であり、たとえば、通話識別情報データ56の各レコードにパスワードを記憶するように設計すれば不要となる項目である。
【0047】
また、この例では、通話識別情報として、発信者番号や宛先番号等の電話番号が用いられているが、通話接続の要求または開始に係る(すなわち、通話をするときに用いられる)電話機または通話の発信者・着信者を識別できるかぎり、どのような識別子が用いられてもよい。通知サーバ40から送信される通話識別情報70には、発信者番号と宛先番号が含まれ、通話識別情報管理部51は、この通話識別情報70を受信すると、通話識別情報データ56を1レコード追加し、新たに番号を採番してセッション番号にセットするとともに、発信者番号と宛先番号を、対応する項目に記憶する。
【0048】
こうして記憶されたレコードは所定のタイミングまで、一時的に記憶される。たとえば、通話識別情報管理部51は、通話識別情報データ56のレコードの追加や情報端末20と情報端末25との接続が開始されてから所定の時間が経過した後、情報端末20と情報端末25との接続が終了した後、電話機10と電話機15との間の通話接続が終了した後等に、このレコードを削除する。ただし、通話接続の終了後に当該レコードを削除するには、通知サーバ40から、通話接続が終了した旨の通知を受ける必要がある。
【0049】
また、ここでは、通話識別情報管理部51が、接続管理サーバ50の記憶装置55に、通話識別情報データ56とパスワードデータ57を記憶しているが、接続管理サーバ50によってアクセスが可能なかぎり、他のコンピュータの記憶装置やインターネット上の記憶装置など、どのような記憶手段に記憶してもよい。
【0050】
パスワード管理部52は、情報端末20が接続要求を行った場合に、この情報端末20からパスワードを受信し、そのパスワードをパスワードデータ57として記憶装置55に記憶する。図3Bには、パスワードデータ57の例が示されている。パスワードデータ57は、「電話番号」、および「パスワード」の各項目からなる。パスワード管理部52は、パスワードを受信すると、電話番号とパスワードを対応付けて、記憶する。このデータは、通話識別情報データ56で情報端末25の電話番号に対応する情報端末から、同じパスワードが送られた事を確認するか、一定時間経過するまで、一時的に記憶される。
【0051】
接続管理部53は、通話接続の発信ユーザに係る端末である情報端末20からの接続要求を受信すると、この情報端末20から、この情報端末または発信ユーザを識別する端末識別情報(ここでは、通話接続の要求または開始に用いた電話機10の電話番号)を受信する。また、同様に、通話接続の着信ユーザに係る端末である情報端末25からの接続要求を受信すると、この情報端末25から、この情報端末または着信ユーザを識別する端末識別情報(ここでは、通話接続の要求または開始に用いた電話機15の電話番号)を受信する。
【0052】
接続管理部53は、次に、情報端末20または情報端末25からの接続要求が、電話機による通話接続の要求または開始に基づく正当なものであるかどうかを判定する。このことは、各情報端末から受信した端末識別情報が、通知サーバ40から受信した通話識別情報の発信識別情報または着信識別情報と一致するかどうかを判定することによって行われる。すなわち、情報端末20については、接続要求の際に発信ユーザから指定された電話番号(端末識別情報)が、通話識別情報データ56のいずれかのレコードの発信者番号に一致するかどうかを、通話識別情報データ56を参照することによりチェックする。
【0053】
情報端末20による接続要求が正当なものであった場合、後述する情報端末20の接続制御部21が、パスワード入力を促す画面を情報端末20の表示装置に表示する。その後、情報端末20からパスワードを受信したら、これを記録するために、受信したパスワードをパスワード管理部52に渡す。
【0054】
本発明に係る接続制御システムでは、セキュリティーレベルを向上させるために、発信ユーザが設定するパスワードを用いて、情報端末25の認証を行うことができるが、必須ではない。
【0055】
接続管理部53は、次に、通話接続の着信ユーザに係る端末である情報端末25からの接続要求を受信すると、この要求が電話機による通話接続の要求または開始に基づく正当なものであるかどうかを判定する。すなわち、情報端末25については、接続要求の際に着信ユーザから指定された電話番号(端末識別情報)が、通話識別情報データ56の、上記の情報端末20のチェックで一致したレコードの宛先番号に一致するかどうかを、通話識別情報データ56を参照することによりチェックする。
【0056】
正当な接続要求であった場合は、後述する情報端末25の接続制御部26が、パスワード入力を促す画面を情報端末25の表示装置に表示する。その後、情報端末25からパスワードを受信したら、このパスワードが、発信ユーザの情報端末20から登録されたパスワードと同じかどうかを、パスワードデータ57ならびに通話識別情報データ56を参照してチェックする。情報端末25から入力されたパスワードが正当であった場合、情報端末25のユーザが正当なユーザであるとして、接続管理サーバ50を経由した情報端末20と情報端末25との間の接続が許可される。また、パスワードのチェックがない場合、情報端末25は、情報端末25から受信した電話番号が、宛先番号と一致した時点で、情報端末20と接続される。また、情報端末20と情報端末25との間の接続を、直接、ピアトゥーピア接続とすることもできる。
【0057】
本発明に係る接続制御システムでは、情報端末20と情報端末25の接続に先立って、それぞれのユーザ同士で電話機を用いた通話接続の要求または開始の検出を行うので、通常、パスワードは、通話接続中に発信ユーザ(情報端末20のユーザ)から着信ユーザ(情報端末25のユーザ)に伝えられる。このように、通話接続中の会話によってパスワードが伝達されることで、パスワードの漏洩や改ざんが防止され、さらにセキュリティーレベルの高いシステムが実現される。しかしながら、それ以外の方法(たとえば、電子メールやファクシミリなど)でパスワードが伝達されてもよい。
【0058】
また、接続要求の順序は、企業やユーザ間のルールに基づいて設定できる。すなわち、発信ユーザの情報端末20が先でもよいし、逆に、着信ユーザの情報端末25が先に行ってもよい。先に接続要求を行ったユーザが、パスワード(ワンタイムパスワード)を登録し、後に接続要求を行ったユーザが、その登録されたパスワードと同じパスワードを入力すれば、接続が行われることになる。
【0059】
また、ここで、接続管理部53は、電話機を用いた通話接続の要求または開始の検出に応じて情報端末の接続を制御するので、通話接続の要求が行われている状態、すなわち、まだ、着信ユーザが電話機に出ておらず通話接続が開始されていない状態で、情報端末の接続を行うこともできる。また、通話接続が開始されてはじめて、すなわち、着信ユーザが着信に応答してはじめて、情報端末の接続を行うことができるようにすることもできる。
【0060】
ネットワークI/F部54は、通知サーバ40と接続管理サーバ50とを繋ぐネットワーク75に対する接続、および情報端末20と情報端末25に対するネットワーク60を介した接続を実現し、これらのネットワークとの間のデータ送受信をコントロールする。
【0061】
情報端末20は、接続制御部21、およびネットワークインタフェース(I/F)部22を含む。また、情報端末20は記憶装置23を備え、記憶装置23には、端末識別情報登録データ24が記憶される。
【0062】
接続制御部21は、情報端末20のユーザ(発信ユーザ)の操作に応じて、接続管理サーバ50への接続要求を行い、最終的に情報端末25と接続して、この間でアプリケーション共有等を行う。接続制御部21は、たとえば、情報端末20にインストールされた、「情報端末接続マネージャ」といったプログラムによって実現される。接続制御部21は、前もって情報端末20のユーザから入力された、関連する電話機10の電話番号を端末識別情報として受け取り、情報端末20の記憶装置23に、端末識別情報登録データ24として記憶しておく。
【0063】
また、接続制御部21は、情報端末20のユーザから接続要求の指示があると、接続管理サーバ50に接続し、端末識別情報登録データ24に記憶されている端末識別情報(電話番号)を接続管理サーバ50に送信する。接続管理サーバ50が、これを正当な接続要求であると判定した場合、パスワード入力画面を表示させ、ユーザによるパスワード入力を促す。入力されたパスワードは、上述のように、接続管理サーバ50のパスワード管理部52により、パスワードデータ57として記憶装置55に記憶される。
【0064】
この例では、情報端末接続マネージャは、情報端末20にインストールされるプログラムを想定しているが、ASP(アプリケーションサービスプロバイダ)等により提供されてもよい。この場合、端末識別情報登録データ24は、記憶装置23ではなく、インターネット上の所定のサーバに配置されうる。
【0065】
また、端末識別情報登録データ24は、常に用意しておく必要は無く、情報端末20のユーザが、接続要求を行う際に、毎回入力するようにしてもよい。また、さらにセキュリティーレベルを向上させるために、端末識別情報登録データ24として、電話機10の電話番号だけでなく、宛先番号である電話機15の電話番号をも含めるように設計することもできる。
【0066】
ネットワークI/F部22は、ネットワーク60に対する接続を実現し、接続管理サーバ50、および情報端末25との間のデータ送受信をコントロールする。
【0067】
情報端末25は、接続制御部26、およびネットワークインタフェース(I/F)部27を含む。また、情報端末25は、記憶装置28を備え、そこには、端末識別情報登録データ29が記憶される。
【0068】
情報端末25のユーザ(着信ユーザ)の操作に応じて、接続管理サーバ50への接続要求を行い、最終的に情報端末20と接続して、この間でアプリケーション共有等を行う。この着信ユーザの操作は接続管理サーバ50への接続要求であるが、実質的には、情報端末20のユーザからされた接続要求の応答操作となる。
【0069】
接続制御部26は、情報端末20にインストールされた、「情報端末接続マネージャ」と同様のプログラムによって実現される。接続制御部26は、前もって情報端末25のユーザから入力された、関連する電話機15の電話番号を受け取り、情報端末25の記憶装置28に、端末識別情報登録データ29として記憶しておく。
【0070】
また、接続制御部26は、情報端末25のユーザから接続要求の指示があると、接続管理サーバ50に接続し、端末識別情報登録データ29として記憶されている電話番号を接続管理サーバ50に送信する。接続管理サーバ50が、これを正当な接続要求であると判定した場合、パスワード入力画面を表示させ、ユーザによるパスワード入力を促す。入力されたパスワードは、上述のように、接続管理サーバ50の接続管理部53により、対応するセッション番号のパスワードデータ57と比較され、一致していれば、アプリケーション共有等のための、接続管理サーバ50を経由した接続が、情報端末20と情報端末25の間で可能となる。
【0071】
端末識別情報登録データ29は、常に用意しておく必要は無く、情報端末25のユーザが、接続要求を行う際に、毎回入力するようにしてもよい。また、さらにセキュリティーレベルを向上させるために、端末識別情報登録データ29として、電話機15の電話番号だけでなく、発信者番号である電話機10の電話番号をも含めるように設計することができる。
【0072】
ネットワークI/F部27は、ネットワーク60に対する接続を実現し、接続管理サーバ50、および情報端末20との間のデータ送受信をコントロールする。
【0073】
この例では、情報端末20と情報端末25は、それぞれパスワードを入力するものとして説明されているが、上述のように、パスワードの使用を省略することができる。
【0074】
接続管理サーバ50により、情報端末20と情報端末25との間で、接続管理サーバ50を経由したデータ送受信が可能になると、情報端末20の接続制御部21と情報端末25の接続制御部26が協働して、両端末におけるアプリケーション共有等を実現する。たとえば、共有アプリケーションに対して情報端末20のユーザが操作を行った場合に、接続制御部21は、その操作と操作によるアプリケーションの変化を表現するためのデータを接続管理サーバ50に送信し、接続管理サーバ50はそれを情報端末25に送信し、これらのデータを受信した接続制御部26は、当該データに基づいて、情報端末25の表示装置に、当該操作と当該操作によるアプリケーションの変化を再現する。
【0075】
このような、情報端末20と情報端末25とを用いた共同作業は、アプリケーションの共有(協働操作や同時表示)を行う場合に限られるものではない。たとえば、複数のユーザにおいて音声と映像を共有してビデオ会議を行ったり、相手の情報端末に入力文字を表示させるチャットウインドウを提供したり、所定のコンピュータリソースを共有して閲覧・編集するといった様々な用途があり、本発明に係る接続制御システムでは、複数の情報端末に対し、少なくとも一部において、共通の情報が提供される。
【0076】
また、こうした、複数の情報端末における共有については、権限や機能の違いにより、各ユーザには、ホストやゲストといった情報端末ごとの地位が与えられるが、本発明に係る接続制御システムでは、発信ユーザがホストとなる必要は無い。また、発信ユーザと着信ユーザが同じ権限、機能を有するように設定することもできる。
【0077】
次に、図4を参照して、情報端末20における端末識別情報登録データ24の登録と、情報端末25における端末識別情報登録データ29の登録を行うための画面(電話番号登録画面)について説明する。これらの登録は、いずれも、前述した情報端末接続マネージャによって行われるものである。
【0078】
図4Aは、情報端末20で端末識別情報登録データ24を登録するための電話番号登録画面100を表している。ここで、情報端末20のユーザは、電話番号入力領域110に、当該ユーザが使用する電話機(ここでは、電話機10)の電話番号を入力し、登録ボタン120を押下する。登録ボタン120が押下されると、情報端末接続マネージャは、入力された電話番号を端末識別情報登録データ24として記憶装置23に登録する。また、図4Aの例では、電話番号を複数(ここでは、電話番号1〜電話番号3までの3つ)登録することができるようになっている。このように構成することで、1人のユーザで複数の電話機を使い分ける場合や、1台の情報端末20を複数のユーザで使い分ける場合などに、柔軟に対応することができる。もちろん、1つの電話番号だけを登録しておくことも可能である。
【0079】
一方、図4Bは、情報端末25で端末識別情報登録データ29を登録するための電話番号登録画面150を表している。ここで、情報端末25のユーザは、電話番号入力領域160に、当該ユーザが使用する電話機(ここでは、電話機15)の電話番号を入力し、さらに、発信元電話番号入力領域170に、発信ユーザが使用する電話機(ここでは、電話機10)の電話番号を入力し、登録ボタン180を押下する。登録ボタン180が押下されると、情報端末接続マネージャは、入力された電話番号を端末識別情報登録データ29として記憶装置28に登録する。ここで、図4Aの電話番号登録画面100のように、電話番号と発信元電話番号の組を、複数登録しておくようにもできる。
【0080】
図4に示す例では、情報端末20においては、情報端末20のユーザが使用する電話機の電話番号を入力するようにし、情報端末25においては、情報端末25のユーザが使用する電話機の電話番号の他に、発信元の電話機の電話番号も入力させるようにしている。このようにすることで、通話接続の相手をより厳密に特定することができ、セキュリティーの強化が図られる。もちろん、図4Aのように、当該ユーザの使用する電話番号だけを入力させるようにすることも可能である。
【0081】
図5は、情報端末20において、接続要求を行う際に表示される画面(発信側接続指示画面)を、時間の経過とともに順に示している。図5Aの発信側接続指示画面200は、情報端末20のユーザが、接続の開始を指示する画面である。情報端末20のユーザが、電話番号指定領域210においてプルダウン表示により表示させた複数の電話番号のうち1つを指定し、接続開始ボタン220を押下すると、接続制御部21が、端末識別情報登録データ24を用いて、当該操作が正当な接続要求であるかどうかを判定する。ここでは、図4Aの電話番号登録画面100で登録された複数の電話番号に応じて、電話番号指定領域210に複数の電話番号が表示されている。もちろん、使用する電話番号が1つしかない場合は、電話番号指定領域210の表示を省略することができる。
【0082】
正当な接続要求であると判定されると、画面は、図5Bの発信側接続指示画面250に遷移する。ここでは、ステータス表示部260に、「サーバへの接続を開始します・・・」と表示され、ガイドメッセージ表示部270には、「パスワードを入力してください」と表示され、その下のパスワード入力領域280にパスワードを入力するよう促される。正当な接続要求でない場合は、図5Aの発信側接続指示画面200で所定のエラーメッセージが表示される。ここで、情報端末20のユーザがパスワード入力領域280にパスワードを入力し、NEXTボタン290を押下すると、接続制御部21が、接続管理サーバ50に入力されたパスワードを送信し、これがパスワードデータ57に記憶される。
【0083】
その後、画面は、図5Cの発信側接続指示画面300に遷移する。ここでは、ステータス表示部310に、「着信側の接続を待っています・・・」と表示され、着信側が接続要求を行うまで、あるいはタイムアウトになるまで、この画面の表示が継続される。
【0084】
図6は、情報端末25において、接続要求を行う際に表示される画面(着信側接続指示画面)を、時間の経過とともに順に示している。図6Aの着信側接続指示画面400は、情報端末25のユーザが、接続の開始を指示する画面である。情報端末25のユーザが接続開始ボタン410を押下すると、接続制御部26が、端末識別情報登録データ29を用いて、当該操作が正当な接続要求であるかどうかを判定する。
【0085】
正当な接続要求であると判定されると、画面は、図6Bの着信側接続指示画面450に遷移する。ここでは、ステータス表示部460に、「サーバへの接続を開始します・・・」と表示され、ガイドメッセージ表示部470には、「パスワードを入力してください」と表示され、その下のパスワード入力領域480にパスワードを入力するよう促される。正当な接続要求でない場合は、図6Aの着信側接続指示画面400で所定のエラーメッセージが表示される。ここで、情報端末25のユーザがパスワード入力領域480にパスワードを入力し、NEXTボタン490を押下すると、接続制御部26が、接続管理サーバ50に入力されたパスワードを送信し、そこでパスワードが一致するかどうか判定される。
【0086】
パスワードが一致しなかった場合は、図6Cの着信側接続指示画面500に示すように、ステータス表示部510で、「パスワードが違います」と表示される。パスワードを再入力する場合は、BACKボタン520を押下し、再び、図6Bの着信側接続指示画面450を表示させる。
【0087】
図6Bの着信側接続指示画面450において、情報端末25のユーザから正しいパスワードが入力されると、接続管理サーバ50を経由して、情報端末20と情報端末25とが接続され、両端末の間のデータ送受信が実現される。このとき、たとえば、情報端末20の表示装置の表示は、図5Cの発信側接続指示画面300から、図7に示すような発信側接続指示画面600に遷移する。
【0088】
図7Aの発信側接続指示画面600では、ガイドメッセージ表示部610に、接続中の電話番号とコンピュータ名が表示され、情報端末20と情報端末25との間のデータ送受信が可能であることが示される。また、共有対象指示領域620には、情報端末20と情報端末25との間で何を共有するかを指定する。ここでは、たとえば、共有するコンピュータの画面を指定選択できるようになっている。
【0089】
情報端末20の表示装置に、図7の発信側接続指示画面600が表示されると、情報端末25の表示装置にも、これと同様の画面が表示されて、情報端末20と情報端末25との間のデータ送受信が可能であることが示される。
【0090】
情報端末20、情報端末25のいずれかが、図7Aの画面で共有すべきコンピュータ名を選択すると、画面は、図7Bに遷移する。両者が合意、不合意ボタン630を押下し、共に合意であれば、選択した画面に遷移する。不合意者がいる場合は、画面は図7Aにもどる。
【0091】
次に、図8のフローチャートと図3を参照して、本発明に係る接続制御システム1における、通話接続の要求または開始の検出に係る処理と、発信側情報端末(情報端末20)での接続要求の処理について説明する。
【0092】
最初に、通話接続の要求または開始の検出に係る処理について説明する。まず、ステップS12において、通知サーバ40の通話検出部41が、音声通話ネットワーク30等のネットワークに流れる信号・データを監視して、通話接続の要求または開始を検出する。検出された場合(ステップS12のYES)、ステップS14に進み、そこで、通話識別情報通知部42は、通話接続の要求または開始に係る発信者番号と宛先番号を含む通話識別情報70を、接続管理サーバ50に送信する。その後、接続管理サーバ50の通話識別情報管理部51は、通知サーバ40から受信した識別情報を通話識別情報データ56に記憶する。
【0093】
ここで、たとえば、発信者番号が情報端末20の電話番号「06−0123−4567」であり、宛先番号が情報端末25の電話番号「06−0123−5678」であった場合は、通話識別情報70は、図3Aに示す通話識別情報データ56の1レコード目(セッション番号=「0001」)のように記憶される。
【0094】
次に、発信側情報端末での接続要求の処理について説明する。まず、ステップS22において、情報端末20のユーザの指示に基づいて、接続制御部21により接続要求が行われる。ステップS28において、接続管理サーバ50は、接続要求で受信した端末識別情報81が、通話識別情報データ56に記憶されているレコードの発信者番号と一致するかどうかを判定する。一致しない場合(ステップS28のNO)、接続制御部21によって、情報端末20の表示装置にエラー表示を行うよう制御する(ステップS24)。存在する場合(ステップS28のYES)、接続制御部21によって、情報端末20のユーザにパスワード入力を求める表示を行うよう制御する(ステップS30)。
【0095】
たとえば、接続管理サーバ50は、情報端末20の電話番号「06−0123−4567」を端末識別情報81として受信し、図3Aに示す通話識別情報データ56に記憶されているレコードの発信者番号に、この電話番号があるかどうかを判定する。そうすると、この発信者番号は、1レコード目(セッション番号=「0001」)の発信者番号と一致し、この場合は、ステップS30に進む。
【0096】
ステップS26において、情報端末20の接続制御部21は、情報端末20のユーザからパスワードを入力すると、このパスワードを接続管理サーバ50に送信する。ステップS32において、接続管理サーバ50のパスワード管理部52は、受信したパスワードをパスワードデータ57に、上記検出された通話接続の要求または開始に係る通話識別情報70に関連付けて記憶する。
【0097】
たとえば、情報端末20の接続制御部21は、図3Bに示すように情報端末20に対応する電話番号と関連付けて情報端末20からのパスワード「pass11」を記憶する。これによって、通話接続の要求または開始された通話接続とパスワードが対応付けられる。
【0098】
次に、図9のフローチャートを参照して、本発明に係る接続制御システム1における、着信側情報端末(情報端末25)での接続要求の処理について説明する。まず、ステップS42において、情報端末25のユーザの指示に基づいて、接続制御部26により接続要求が行われる。ステップS54において、接続管理サーバ50は、接続要求で受信した端末識別情報82が、通話識別情報データ56に記憶されているレコードの宛先番号のなかにあるかどうかを判定する。存在しない場合(ステップS54のNO)、接続制御部26によって、情報端末25の表示装置にエラー表示を行うよう制御する(ステップS44)。存在する場合(ステップS54のYES)、接続制御部26によって、情報端末25のユーザにパスワード入力を求める表示を行うよう制御する(ステップS56)。
【0099】
たとえば、接続管理サーバ50は、情報端末25の電話番号「06−0123−5678」を端末識別情報82として受信し、図3Aに示す通話識別情報データ56に記憶されているレコードの宛先番号に、この電話番号があるかどうかを判定する。そうすると、この宛先番号は、1レコード目(セッション番号=「0001」)の宛先番号と一致し、この場合は、ステップS56に進む。
【0100】
ステップS46において、情報端末25の接続制御部26は、情報端末25のユーザからパスワードを入力すると、このパスワードを接続管理サーバ50に送信する。ステップS58において、接続管理サーバ50の接続管理部53は、受信したパスワードが、対応する、要求された通話接続または開始された通話接続のパスワードデータ57と一致するかどうかを判定する。一致しない場合(ステップS58のNO)、接続制御部26によって、情報端末25の表示装置にエラー表示を行うよう制御する(ステップS48)。
【0101】
情報端末25のユーザから受信したパスワードは、図3Bに示すパスワード「pass11」と対応する電話番号が、図3Aの情報端末25に対応する電話番号と一致するか否かを判別する。一致しなければステップS48でエラー表示がされる。
【0102】
一致する場合(ステップS58のYES)、接続管理サーバ50の接続管理部53は、情報端末20と情報端末25との間のデータ送受信を可能とし、情報端末20の接続制御部21、情報端末25の接続制御部26のそれぞれに通知する(ステップS60)。その後、情報端末20の接続制御部21は、ステップS66において、接続制御を開始し、情報端末25の接続制御部26は、ステップS50において、接続制御を開始する。
【0103】
情報端末20の接続制御部21、または情報端末25の接続制御部26から、接続の切断(アプリケーション共有等の終了)指示があった場合(ステップS62)、ステップS64において、接続管理サーバ50の接続管理部53は、情報端末20と情報端末25との接続の終了を制御する。ここで、情報端末20の接続制御部21は、ステップS68において、接続管理サーバ50の接続管理部53の制御に基づき、接続を終了する。情報端末25の接続制御部26も同様に、ステップS52において、接続管理サーバ50の接続管理部53の制御に基づき、接続を終了する。
【0104】
ここで、図3Aに示す通話識別情報データ56のセッション番号「0011」〜「0014」のレコードには、同じ発信者番号と宛先番号の組が記憶されているが、これは、PBXを経由して、1つのサイトの複数の内線電話から、他のサイトの内線電話に同時に通話接続が行われているような状態を示している。このような場合、各通話接続は、図3Bに示すパスワードデータ57に記憶された、対応する電話番号とパスワードによって区別される。たとえば、発信者番号「03−0123−4567」、内線「001」のユーザAが、宛先番号「03−0123−5678」、内線「009」のユーザBと通話接続を開始した場合、他にも、発信者番号「03−0123−4567」と宛先番号「03−0123−5678」の間で通話接続が行われていても、ユーザAは、当該通話接続に対応するパスワードを設定して、そのパスワードをユーザBに入力させることにより、ユーザAとユーザBの間の通話接続を他のものと区別するようにできる。
【0105】
PBXを介した通話接続により、音声通話ネットワーク30上に、内線番号や内線電話機を識別する情報が流れる場合は、通話識別情報データ56の各レコードに、発信内線番号、宛先内線番号といった項目を設け、内線電話を用いた通話接続を特定することも考えられる。
【0106】
また、図3Aに示す通話識別情報データ56のセッション番号「0056」、「0057」のレコードには、同じ発信者番号から異なる2つの宛先番号への通話接続が行われ、この通話接続に関する通話識別情報が記憶されている。このように、発信者番号「03−0123−2222」のユーザは、宛先番号「03−0123−1111」および宛先番号「03−0123−3333」に、順次発信を行うことにより、3者間でのアプリケーション共有等が可能な情報端末の接続を可能とすることができる。なお、この場合、通話識別情報データ56の各レコードを削除するタイミングは、通話接続の終了によってではなく、たとえば、通話接続の開始後所定期間が経過した後や、情報端末の接続が終了した後で行われるよう制御される。
【0107】
これまで、本発明の接続制御システムについて、一実施形態を参照して説明してきたが、他の様々なシステム構成やデータ構成を用いて本発明を実施することができる。図3に示すデータも一例にすぎない。たとえば、図3Aの通話識別情報データ56に2つの接続状態フラグを用いて、情報端末20および情報端末25の接続状態を個別に把握するなど、様々な設計が可能である。
【0108】
次に、図10を参照して、本発明の接続制御システム1の通知サーバ40、および接続管理サーバ50として用いられるコンピュータのハードウエア構成の例について説明する。ただし、図10のコンピュータ700は、通知サーバ40や接続管理サーバ50として機能するコンピュータの代表的な構成を例示したにすぎない。また、情報端末20や情報端末25として機能するコンピュータも同様の構成要素により構成されうる。
【0109】
コンピュータ700は、CPU(Central Processing Unit)701、メモリ702、音声出力装置703、ネットワークインタフェース704、ディスプレイコントローラ705、ディスプレイ706、入力機器インタフェース707、キーボード708、マウス709、外部記憶装置710、外部記録媒体駆動装置711、およびこれらの構成要素を互いに接続するバス712を含んでいる。
【0110】
CPU701は、コンピュータ700の各構成要素の動作を制御し、OSの制御下で、本発明に係る接続制御システム1の機能を実行する。たとえば、通知サーバ40においては、通話検出部41、通話識別情報通知部42、およびネットワークI/F部43の各機能の実行を制御する。また、接続管理サーバ50においては、通話識別情報管理部51、パスワード管理部52、接続管理部53、およびネットワークI/F部54の各機能の実行を制御する。
【0111】
メモリ702は通常、不揮発性メモリであるROM(Read Only Memory)、および揮発性メモリであるRAM(Random Access Memory)から構成される。ROMには、コンピュータ700の起動時に実行されるプログラム等が格納される。RAMには、CPU701で実行される通知サーバ40や接続管理サーバ50の各機能を実現するためのプログラムや、それらのプログラムが実行中に使用するデータが一時的に格納される。
【0112】
音声出力装置703は、たとえば、スピーカ等の機器であり、動画プレイヤー等から音声データを受け取り、音声を出力する。
【0113】
ネットワークインタフェース704は、ネットワーク720に接続するためのインタフェースである。ネットワーク720は、たとえば、図1に示したネットワーク60、ネットワーク75、音声通話ネットワーク30等に対応する。通知サーバ40のネットワークI/F部43や接続管理サーバ50のネットワークI/F部54は、ネットワークインタフェース704に対してデータ送受信に関する制御を行う機能部である。
【0114】
ディスプレイコントローラ705は、CPU701が発行する描画命令を実際に処理するための専用コントローラである。ディスプレイコントローラ705で処理された描画データは、一旦グラフィックメモリに書き込まれ、その後、ディスプレイ706に出力される。ディスプレイ706は、たとえば、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)で構成される表示装置である。
【0115】
入力機器インタフェース707は、キーボード708やマウス709から入力された信号を受信して、その信号パターンに応じて所定の指令をCPU701に送信する。情報端末20や情報端末25のユーザは、図4ないし図7に示した表示画面に対して、キーボード708やマウス709を用いて、表示画面の入力領域に値を入力したり、ボタンの押下を行ったりする。
【0116】
外部記憶装置710は、たとえば、ハードディスクドライブ(HDD)のような記憶装置であり、この装置内には上述したプログラムやデータが記録され、実行時に、必要に応じてそこからメモリ702のRAMにロードされる。たとえば、接続管理サーバ50の記憶装置55が、このような記憶装置に対応する。
【0117】
外部記録媒体駆動装置711は、CD(Compact Disc)、MO(Magneto-Optical Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)などの可搬型の外部記録媒体730の記録面にアクセスして、そこに記録されているデータを読み取る装置である。外部記録媒体730には、本発明に係る接続制御システム1を実現するための通知サーバ40のプログラムや、接続管理サーバ50のプログラムも記録することが可能である。外部記録媒体730に記録されているデータは、外部記録媒体駆動装置711を介して外部記憶装置710に格納され、プログラムであれば、実行時にメモリ702のRAMにロードされる。
【0118】
本発明に係る接続制御システム1を実現するためのプログラムの他の流通形態としては、ネットワーク上の所定のサーバから、ネットワーク720およびネットワークインタフェース704を介して外部記憶装置710に格納されるというルート等も考えられる。こうして格納されたプログラムは、上記と同様に、実行時にメモリ702のRAMにロードされ、実行される。
【0119】
前述のように、こうしたコンピュータの構成は基本的に、通知サーバ40、接続管理サーバ50、情報端末20、および情報端末25に共通であるが、通知サーバ40や接続管理サーバ50といったサーバコンピュータについては、音声出力装置703、ディスプレイコントローラ705、ディスプレイ706、入力機器インタフェース707、キーボード708、およびマウス709は必須の構成要素ではない。
【0120】
次に、本発明の接続制御システム1をさらに発展させた別の実施形態について説明する。この接続制御システムは、図1に示す接続制御システム1に、アプリケーションサーバ90を追加したものである。アプリケーションサーバ90は、ネットワーク60に接続され、情報端末20と情報端末25が接続管理サーバ50経由で接続された後で、接続管理サーバ50に替わって、情報端末20と情報端末25との間の接続を中継する。
【0121】
すなわち、情報端末20と情報端末25は、電話機10と電話機15との通話接続の要求または開始、および発信ユーザと着信ユーザの接続要求によって、接続管理サーバ50に接続(リンク)された後、アプリケーションサーバ90に再度リンク(リリンク)される。
【0122】
接続管理サーバ50は、事前に登録された情報、ユーザが接続要求時に指定した情報、発信ユーザや着信ユーザ(接続相手)、またはユーザが共有をしようとするアプリケーション等に応じて、情報端末20と情報端末25との間の接続をアプリケーションサーバ90にリリンクさせるかどうか判定する。リリンクさせる接続であると判定した場合は、たとえば、所定のプロトコルによって、情報端末20、情報端末25のIPアドレス等をアプリケーションサーバ90に通知し、リリンク要求を実行する。アプリケーションサーバ90は、接続管理サーバ50のリリンク要求に応じて、情報端末20と情報端末25との間の接続の中継を開始する。
【0123】
なお、ここでは、接続管理サーバ50からアプリケーションサーバ90への自動的なリリンクを、一例を用いて説明したが、他の様々な既知の手法によって、これを行うよう制御することができる。このような仕組みによって、情報端末20と情報端末25は、たとえば、共有アプリケーションごとに異なるアプリケーションサーバ90によって接続の仲介がされるようにコントロールされうる。
【0124】
次に、本発明により接続された、コンピュータ間の交信により実現し得る実施形態について図11を参照して説明する。以上本発明で述べてきた手順で、接続管理サーバ50を経由して、情報端末20と情報端末25が相互に交信を行った結果、その記録を相互に確認した上で改竄不能な形で残す事に合意する。
【0125】
接続管理サーバ50は、情報端末20ならびに、情報端末25から記録として残すように指示を受けると(ステップS70)、接続管理サーバ50は両者から指示がでた事を確認し(ステップS72)、指示のあった通信記録に、図3Cのデータベースから、電話番号10、情報端末20のコンピュータ名(接続時に取得)、電話番号15、情報端末25のコンピュータ名、通知サーバ40から情報を受け取った時間(電話受付時間)、情報端末20と情報端末25が、接続管理サーバ50経由で接続を開始した時間(接続開始時間)を取得する。これに接続記録作成要求のあった時間(打合せ記録作成時間)や文書を確認した時間(文書確認時間)を合わせて、図12のように打合せ記録に付加し(ステップS73)、情報端末20ならびに、情報端末25に記録内容の確認を求める(ステップS74)。
【0126】
情報端末20ならびに、情報端末25から内容確認指示を受けると(ステップS75)、接続管理サーバ50は今回の作業の為に、非対称の暗号鍵のペアを生成する(ステップS76)。
【0127】
ステップS76で生成したペアの内、一方を公開鍵とし、接続管理サーバ50に固有の秘密鍵でデジタル署名した、公開鍵のデジタル証明書を作成する(ステップS77)。また、ステップS78で、残る一方を秘密鍵とし、ステップS75で確認を得た、交信記録ならびに付属文書にデジタル署名を行う(または、本文を秘密鍵で暗号化する)。
【0128】
接続管理サーバ50は、デジタル署名付文書(交信記録、付属文書)とデジタル証明書を収納した文書フォルダー(交信内容証明書)を作成し、情報端末20ならびに、情報端末25がその文書フォルダーをコピーできるようにする(ステップS79)。この文書フォルダーを作成すると同時に、ステップS78で利用した秘密鍵を廃棄する(ステップS80)。
【0129】
情報端末20、情報端末25は、接続管理サーバ50から交信内容証明書をコピーし、各自コンピュータで保管する。
【0130】
なお、接続管理サーバ50で使用する、自デジタル証明書は、公的CA局発行の物が望ましいが要件ではない。また、この機能を実行するハードウェアは、接続管理サーバ50のハードウェアとは分離されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】本発明の一実施形態に係る接続制御システムの概要を示す略線図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る接続制御システムの機能ブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る接続制御システムにおいて使用される識別情報データおよびパスワードデータの例を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る接続制御システムにおいて、情報端末の表示装置に表示される画面の例を示す略線図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る接続制御システムにおいて、情報端末の表示装置に表示される画面の例を示す略線図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る接続制御システムにおいて、情報端末の表示装置に表示される画面の例を示す略線図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る接続制御システムにおいて、情報端末の表示装置に表示される画面の例を示す略線図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る接続制御システムにおいて、通話接続の要求または開始の検出に係る処理、および発信側情報端末からの接続要求の処理に関する処理手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態に係る接続制御システムにおいて、着信側情報端末からの接続要求の処理に関する処理手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態に係る接続制御システムの各構成要素を構成するコンピュータのハードウエア構成の例を示す略線図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る接続制御システムにおいて、交信記録証明の作成、発行処理に関する処理手順を示すフローチャートである。
【図12】本発明の一実施形態に係る接続制御システムにおいて、交信記録に付加するデータの例を示す図である。
【符号の説明】
【0132】
1・・・接続制御システム、20・・・情報端末、25・・・情報端末、30・・・音声通話ネットワーク、40・・・通知サーバ、50・・・接続管理サーバ、60・・・ネットワーク、70・・・通話識別情報、75・・・ネットワーク、81・・・端末識別情報、82・・・端末識別情報、90・・・アプリケーションサーバ、700・・・コンピュータ、701・・・CPU、702・・・メモリ、703・・・音声出力装置、704・・・ネットワークインタフェース、705・・・ディスプレイコントローラ、706・・・ディスプレイ、707・・・入力機器インタフェース、708・・・キーボード、709・・・マウス、710・・・外部記憶装置、711・・・外部記録媒体駆動装置、712・・・バス、720・・・ネットワーク、730・・・外部記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通知サーバと接続管理サーバとを含む接続制御システムにおいて、
前記通知サーバは、
音声通話ネットワーク上における通話接続の要求または開始を検出する通話検出手段と、
検出された前記通話接続の要求または開始に係る発信電話機または発信者を識別する発信識別情報と、検出された前記通話接続の要求または開始に係る着信電話機または着信者を識別する着信識別情報を通話識別情報として、前記接続管理サーバに通知する通話識別情報通知手段とを備え、
前記接続管理サーバは、
前記通知サーバから受信した前記通話識別情報の、前記発信識別情報と前記着信識別情報とを対応付けて一時的に記憶手段に記憶する通話識別情報管理手段と、
接続要求を受けた情報端末から、前記情報端末または前記情報端末のユーザを識別する端末識別情報を受信する端末識別情報受信手段と、
前記端末識別情報が、前記記憶手段に記憶された前記通話識別情報の前記発信識別情報および前記着信識別情報のいずれかと一致するかどうかを判定する端末識別情報判定手段と、
前記端末識別情報が前記発信識別情報に一致する情報端末と、前記端末識別情報が当該発信識別情報に対応する前記着信識別情報に一致する他の情報端末とから、それぞれ接続要求を受けた場合に、これらの情報端末が接続されるよう制御する接続制御手段とを備えることを特徴とする接続制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載の接続制御システムにおいて、
前記接続管理サーバは、
前記発信識別情報に該当する情報端末からパスワードの登録を受け付け、前記記憶された通話識別情報と関連付けて前記パスワードを記憶するパスワード管理手段をさらに備え、
前記接続制御手段は、前記着信識別情報に該当する情報端末から前記記憶されたパスワードと同一のパスワードを受信した場合に、前記接続が許可されるよう制御することを特徴とする接続制御システム。
【請求項3】
請求項1に記載の接続制御システムにおいて、
前記通話識別情報管理手段は、前記一時的に記憶手段に記憶された通話識別情報を、所定時間経過後、前記情報端末の接続終了後、または当該通話識別情報に対応する通話接続の終了後に削除することを特徴とする接続制御システム。
【請求項4】
請求項1に記載の接続制御システムにおいて、
前記接続制御手段は、前記情報端末が接続される場合、接続された情報端末に対し、少なくとも一部において、共通の情報が提供されるよう制御することを特徴とする接続制御システム。
【請求項5】
通知サーバと接続管理サーバとを含む接続制御システムによって実行される接続制御方法において、
前記通知サーバにおいて、
音声通話ネットワーク上の通話接続の要求または開始を検出する通話検出ステップと、
検出された前記通話接続の要求または開始に係る発信電話機または発信者を識別する発信識別情報と、検出された前記通話接続の要求または開始に係る着信電話機または着信者を識別する着信識別情報を通話識別情報として、前記接続管理サーバに通知する通話識別情報通知ステップとを備え、
前記接続管理サーバにおいて、
前記通知サーバから受信した前記通話識別情報の、前記発信識別情報と前記着信識別情報とを対応付けて一時的に記憶手段に記憶する通話識別情報管理ステップと、
接続要求を受けた情報端末から、前記情報端末または前記情報端末のユーザを識別する端末識別情報を受信する端末識別情報受信ステップと、
前記端末識別情報が、前記記憶手段に記憶された前記通話識別情報の前記発信識別情報および前記着信識別情報のいずれかと一致するかどうかを判定する端末識別情報判定ステップと、
前記端末識別情報が前記発信識別情報に一致する情報端末と、前記端末識別情報が当該発信識別情報に対応する前記着信識別情報に一致する他の情報端末とから、それぞれ接続要求を受けた場合に、これらの情報端末が接続されるよう制御する接続制御ステップとを備えることを特徴とする接続制御方法。
【請求項6】
通知サーバと接続管理サーバとを含む接続制御システムにおいて実行されるプログラムであって、
前記通知サーバに、
音声通話ネットワーク上の通話接続の要求または開始を検出する通話検出手段、および、
検出された前記通話接続の要求または開始に係る発信電話機または発信者を識別する発信識別情報と、検出された前記通話接続の要求または開始に係る着信電話機または着信者を識別する着信識別情報を通話識別情報として、前記接続管理サーバに通知する通話識別情報通知手段として機能させ、
前記接続管理サーバに、
前記通知サーバから受信した前記通話識別情報の、前記発信識別情報と前記着信識別情報とを対応付けて一時的に記憶手段に記憶する通話識別情報管理手段、
接続要求を受けた情報端末から、前記情報端末または前記情報端末のユーザを識別する端末識別情報を受信する端末識別情報受信手段、
前記端末識別情報が、前記記憶手段に記憶された前記通話識別情報の前記発信識別情報および前記着信識別情報のいずれかと一致するかどうかを判定する端末識別情報判定手段、および、
前記端末識別情報が前記発信識別情報に一致する情報端末と、前記端末識別情報が当該発信識別情報に対応する前記着信識別情報に一致する他の情報端末とから、それぞれ接続要求を受けた場合に、これらの情報端末が接続されるよう制御する接続制御手段として機能させるプログラム。
【請求項7】
請求項1に記載の接続制御システムにおいて、
前記接続管理サーバは、前記接続制御手段の制御により接続された情報端末から要求があれば、情報端末相互間の通信記録ならびに相互の合意の下作成された文書等を、前記通知サーバより受け取った、発信識別情報、着信識別情報、並びにその情報を受け取った時間と、前記接続制御手段の制御に従って接続した情報端末名、接続開始時間、デジタル署名作成時間を付加した上でデジタル署名つきの文書とする機能を備え、
当該情報端末から要求があれば、前記デジタル署名つきの文書を配信することを特徴とする接続制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−219589(P2010−219589A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−60477(P2009−60477)
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【出願人】(509074324)株式会社アールティ・コラボ (1)
【Fターム(参考)】