携帯ヘルスチェック装置およびそれを用いた呼気分析サービス方法
【課題】呼気分析センサを高感度・小型化した携帯ヘルスチェック装置を実現し、特定利用者に対し、特定時間に呼気分析サービスを提供する。
【解決手段】腸内嫌気性細菌の異常増殖や消化不良症候群の検知に必要ながら小型センサでは検知困難だった水素に対し、気相成長三酸化タングステンを用いて携帯ヘルスチェック装置を実現する。
また、利用者の声紋等を用いた個人認証手段を携帯ヘルスチェック装置に搭載する。また、一定時刻に利用者を携帯電話で呼び出すような仕組みを携帯ヘルスチェック装置に搭載する。
さらに、呼気成分の検知情報を、通信回線を介してセンタサーバで受信し、該サーバで該検知情報を分析あるいは統計処理し、該分析または該統計処理の結果をデータベース内のアドバイス情報と照合し、該照合の結果に基づくアドバイス情報を前記サーバから当該利用者の携帯電話へ送信する。
【解決手段】腸内嫌気性細菌の異常増殖や消化不良症候群の検知に必要ながら小型センサでは検知困難だった水素に対し、気相成長三酸化タングステンを用いて携帯ヘルスチェック装置を実現する。
また、利用者の声紋等を用いた個人認証手段を携帯ヘルスチェック装置に搭載する。また、一定時刻に利用者を携帯電話で呼び出すような仕組みを携帯ヘルスチェック装置に搭載する。
さらに、呼気成分の検知情報を、通信回線を介してセンタサーバで受信し、該サーバで該検知情報を分析あるいは統計処理し、該分析または該統計処理の結果をデータベース内のアドバイス情報と照合し、該照合の結果に基づくアドバイス情報を前記サーバから当該利用者の携帯電話へ送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定のガス(例えば水素ガス)に感応するガスセンサを具備した携帯ヘルスチェック装置、およびそれを用いた呼気分析サービスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガスセンサ用金属酸化物の製造方法を開示したものがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1は、ガスセンサに最もよく用いられる金属酸化物である酸化スズSnO2の場合、酸素ラジカルを併用した電子ビーム蒸着法が、プラズマ励起化学的気相堆積(PECVD)法、有機金属気相堆積(MOCVD)法、スパッタリング法、熱酸化法、等に比較して優れていると説明している。
また、従来、携帯電話機として、人体から発せられる呼気に含まれる成分に感応する半導体ガスセンサを内蔵する構成を開示するものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2001−59160号公報
【0004】
【特許文献2】特開2000−341375号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2に開示された、人体から発せられる呼気に含まれる成分に感応する半導体ガスセンサを内蔵する携帯電話機では、自然に行われる会話中に発せられる呼気に含まれる成分のうち、口臭の元であるメチルメルカプタンや、飲酒後の臭いの元であるエチレンの検出を、二酸化錫(SnO2)からなるセンサを用いて行っていた。その一方で、1999年頃から、呼気分析と疾病の関係が明らかにされてきて、携帯電話が爆発的に普及し、またその所有者が常時携帯するという社会変化と相まって、携帯電話での呼気分析を、口臭チェックや飲酒後の酩酊度チェックにとどまらず、健康管理に適用したいというニーズが拡大している。
【0006】
呼気化学の研究成果によれば、例えば、腸内嫌気性細菌の異常増殖や消化不良症候群では水素、糖尿病ではアセトン、肝疾患ではアンモニア、腎疾患ではトリメチルアミンが呼気成分に含まれる。しかし、これらのガスのうち、水素だけはSnO2では感度が低く、新たなセンサ材料が必要であった。本発明の第1の目的は、水素に対する感度の高い小型センサを含むセンサアレイを搭載した携帯ヘルスチェック装置を提供することである。
【0007】
また、上記の通り、健康管理を携帯電話で行うようになると、プライバシー保護の問題を無視できなくなり、これまでの口臭・アルコールセンサ内蔵携帯電話では設けていなかった個人認証が必要となる。本発明の第2の目的は、使用者に負担をかけない簡易な認証方法を有する携帯ヘルスチェック装置を提供することである。
また、上記健康診断には、毎日同じ時間にデータ収集する必要のあるものも存在するが、携帯電話利用者の自主性に任せていては、呼気分析を忘れがちになる恐れがある。そこで、本発明の第3の目的は、呼気分析を定期的に実施できる携帯ヘルスチェック装置を提供することである。
【0008】
また、上記口臭・アルコールセンサは携帯電話内での診断が可能であったが、例えば、肝臓・腎臓病患者が家庭で普段生活している場合の健康管理サポートとなると、個人の携帯電話内では判断を下せない場合が発生する。本発明の第4の目的は、健康管理を目的に専門的な診断を行う場合の呼気分析サービス方法を提供することである。
また、上記肝臓・腎臓病患者のモニタなどを医師の診断などで定期的に実施している場合に、患者が外出先で急に体調が悪くなり、緊急で精密診断が必要となる場合があり得る。本発明の第5の目的は、このような緊急時のサポート手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の代表的なものの一例を示せば以下の通りである。すなわち、本発明の携帯ヘルスチェック装置は、携帯無線端末と、該携帯無線端末の内側および外側の少なくとも一方に配設されたガスセンサとを具備して成り、前記ガスセンサのセンス結果に基づいて、前記ガスセンサのセンス対象が属する人体の健康に関する情報を前記携帯無線端末に表示するよう構成され、前記ガスセンサは水素センサを含んで成ることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の呼気分析サービス方法は、携帯ヘルスチェック装置によって検知された前記携帯ヘルスチェック装置の利用者の呼気成分に係る検知情報を、前記携帯ヘルスチェック装置から通信回線を介してセンタサーバで受信するステップと、前記センタサーバにて前記検知情報に対する情報処理を行うステップと、前記情報処理の結果と、前記センタサーバからアクセス可能に設けられたデータベース内の複数のアドバイス情報との照合を行うステップと、前記複数のアドバイス情報の中から前記照合の結果に基づいて選択されたアドバイス情報を前記センタサーバから直接的または間接的に前記利用者に属する前記携帯ヘルスチェック装置へ送信するステップとを具備して成ることを特徴とし、また、ここにおける携帯ヘルスチェック装置が上述の要件を満たすことを特徴とする。
【0011】
特に、本発明の第1の目的を達成するためには、水素検知材料として水素感度の高い三酸化タングステン(WO3)を選択し、MOCVD(Metalorganic Chemical Vapor Deposition)法により形成した高感度・小型水素センサを携帯ヘルスチェック装置に搭載するよう構成すれば好適である。
【0012】
また、本発明の第2の目的を達成するためには、携帯ヘルスチェック装置利用者の「もしもし」等の発声における声紋、パスワード入力、または認証省略登録のいずれかの個人認証方法を携帯ヘルスチェック装置に搭載するよう構成すれば好適である。
また、本発明の第3の目的を達成するためには、携帯ヘルスチェック装置使用者または該使用者の健康を管理する者が、一定時刻に使用者を携帯電話で呼び出すような仕組みを携帯ヘルスチェック装置に搭載すれば好適である。
【0013】
また、本発明の第4の目的を達成するためには、呼気成分の検知情報を、携帯電話の通信回線を介してセンタサーバで受信し、該サーバで前記検知情報を分析あるいは統計処理し、該分析または該統計処理の結果をデータベース内のアドバイス情報と照合し、該照合の結果に基づくアドバイス情報を前記サーバから当該利用者の携帯電話へ送信するようにした呼気分析サービス方法が好適である。
【0014】
また、本発明の第5の目的を達成するためには、検知情報が緊急性を示した場合に、自動的に利用者が通常通院している病院に通知するとともに、携帯電話から分析結果とともに位置情報を送信する手段と、受信した病院側で担当医の確認を行い、緊急度と利用者の位置を考慮し、該病院への来院か、使用者のいる近くの病院を地図付きで照会する呼気分析サービス方法が好適である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、水素に対する感度の高い小型センサを含むセンサアレイを搭載した携帯ヘルスチェック装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の第1の目的に関し、WO3をMOCVD法により形成し、触媒膜としてPd15nmを堆積した水素センサに関して、図6を用いて説明する。図6は携帯電話のマイク部分に搭載可能、または携帯電話に外付け可能なガスセンサのサイズとして、0.5mm角サイズ検知膜で検知可能なガス感度を1とした場合の相対感度を、ガス濃度に対してプロットした実験結果である。従来のSnO2膜(膜厚1μm)12では、メチルメルカプタン、トリメチルアミン、アセトンに対する感度はあったものの、水素に対する感度は十分ではなかった。また、水素向けにセンサ検知膜をWO3に変えても、従来のスパッタならびに酸化で作製している限り、水素分子を原子状水素に解離させる触媒膜を最適化しても、実用上必要な1000ppmの水素感度を0.5mm角で得ることはできなかった。
【0017】
それに対し、ジケトンW錯体原料を用いたMOCVD法により、500℃に加熱したガラス基板上に形成したWO3膜(膜厚1μm)13では、100ppmの水素に対する感度まで得られた。特開2001−59160号公報と最適製造方法が異なったのは、WO3が柱状結晶になりやすい傾向があり、MOCVDが最も柱状結晶の径を小さくでき、結果として表面積を最大にできたためであると推定する。このように、従来、不適と考えられてきたCVDをWO3に適用し、センサとしての効果を見出したのは、本発明が初めてであり、これによって水素を含む呼気分析機能を携帯無線端末に搭載することが可能となった。
【0018】
本発明の第2の目的に関しては、使用者の呼気の声紋分析、使用者によるパスワード入力、あるいは利用者の事前または逐次の認証省略手続き、のいずれかを携帯ヘルスチェック装置に導入することにより、プライバシー保護が必須な利用者には個人認証機能提供を、プライバシー保護が不要な利用者には個人認証省略機能提供をすることにより、全ての使用者にプライバシーの問題への対応が可能となる効果がある。
【0019】
本発明の第3の目的に関しては、利用者または利用者が指定する医師の設定した時間に携帯電話の呼び出し音または呼び出し振動を発生させ、利用者が電話に出て呼気を収集するようにした結果、呼気分析を忘れがちな使用者が、呼気分析を定期的に実施できる効果がある。
【0020】
本発明の第4の目的に関しては、携帯電話の無線通信機能を利用し、センササーバのデータベースや医師の判断を元に呼気分析診断を行い、その結果を上記携帯電話の画面上に表示させる手段を、センタサーバの統計処理または医師への問い合わせにより実現する結果、健康管理を目的に専門的な診断を行う場合の呼気分析サービスが実現できる効果がある。
【0021】
本発明の第5の目的に関しては、携帯電話が位置検出機能を備え、緊急時に利用者が契約した医師の病院近くにいるか否かを判定し、近くにいて、かつ担当医師が病院にいる場合には医師に予約連絡をし、近くにいても担当医師が不在またはかかりつけの病院から離れて存在している場合には、使用者の近くの病院を携帯電話画面に表示するとともに、その近くの病院に予約と利用者の病歴情報をセンタサーバから送信する手段を入れるようにした結果、肝臓・腎臓病患者のモニタなどを医師の診断などで定期的に実施している場合に、患者が外出先で急に体調が悪くなり、緊急で精密診断が必要となる場合のサポート手段を実現できる効果がある。
【実施例1】
【0022】
本発明の第1の実施例を、図1から図6を用いて説明する。
図1および図3は本発明による携帯ヘルスチェック装置の正面外観図である。前面には、少なくとも、マイク用窓1、入力テンキー2、電話開始ボタン3、電話停止ボタン4、呼気分析開始ボタン5、ディスプレイ6、アンテナ7、およびガスセンサ11または14が備わっており、ガスセンサ11は図1に示すように携帯ケルスチェック装置のマイク用窓1の内側に、ガスセンサ14は図3に示すように携帯ヘルスチェック装置の外側に設けられている。図3のように外側にガスセンサを設置する場合は、携帯電話に充電器を接続するコネクタを利用するのが簡便であり、本実施例でもそのような形態を用いた。図2および図4はそれぞれガスセンサ11、14における検知膜の配置構造を示す平面図である。
【0023】
図4の携帯ヘルスチェック装置外付けガスセンサ15では、携帯電話用マイク窓を兼用できないため、呼気収集用窓15を設けた。ここで、検知膜として、どちらも0.5mm角のSnO2膜(膜厚1μm)12およびWO3膜(膜厚1μm)13用いた。SnO2膜(膜厚1μm)12は室温でスパッタ法により堆積し、酸素雰囲気で500℃にて30分間アニールして形成した。一方、WO3膜(膜厚1μm)13はジケトンW錯体原料を用いたMOCVD法により、500℃に加熱したガラス基板上に形成し、表面に触媒膜としてPd(膜厚15nm)を堆積した。後者では、MOCVD後の酸素雰囲気でのアニールは特に実施していない。
【0024】
次に、本実施例における携帯ヘルスチェック装置の回路構成を示すブロック図を図5に示す。メモリに格納されたプログラムやデータに基づいた処理を行う中央処理ユニットには、駆動回路を通じて液晶ディスプレイ6が接続されており、中央処理ユニットでの演算・処理結果が表示される。一方、送受信回路にはアンテナ、送話部、受話部が接続されており、送話部からの音声信号が送受信回路で所定の送信信号に変換されて、アンテナを通じて送信される。また、アンテナからの受信信号は、送受信回路で音声信号に変換されて、受話部に供給される。このような通常の携帯電話構成に加え、本実施例では、中央処理ユニットにSnO2膜12からなるメチルメルカプタン、トリメチルアミン、アセトン等のガスセンサ、およびWO3膜13からなる水素センサからなるガスセンサが接続され、携帯ヘルスチェック装置を構成している。
【0025】
図6は図1から図5に示す携帯ヘルスチェック装置を用いて、メチルメルカプタン、トリメチルアミン、アセトン、水素に対する感度の分析をした結果である。従来技術のスパッタ法を用いて作製されたWO3膜では、実用上必要な1000ppmの水素感度を0.5mm角で得ることはできなかったのに対し、本発明のWO3膜13では100ppmの感度まで得ることができた。
【0026】
本発明によれば、水素センサにMOCVD法により形成したWO3を用いた結果、水素センサを含む呼気分析用ガスセンサを携帯電話のマイク部分に搭載、または携帯電話に外付けした携帯ヘルスチェック装置を実現できる効果がある。
なお、本実施例では、SnO2膜12とWO3膜13の2つのみ並置しているが、SnO2ではメチルメルカプタン、トリメチルアミン、アセトン等の選択性が得られないため、これらを厳密に測定し分ける用途には、例えば、SnO2膜12を複数用意して、それぞれのガスに適した触媒膜をSnO2膜12上に設けるか、メチルメルカプタン、トリメチルアミン、アセトン等のガスに対して、SnO2と異なる感度を有する金属酸化物膜を並置すればよいのはもちろんである。
【実施例2】
【0027】
本発明の第2の実施例を、図1、図3、図5、および図7を用いて説明する。
図7は携帯ヘルスチェック装置の利用者を認証する手順を示すフローチャートである。なお、通常、携帯電話は常に着信待ちのため電源が投入されている。しかし、電源が切れた状態から開始するのであれば、図示していないが、携帯電話の主電源をオンすることから始める。
【0028】
はじめに、携帯電話が着信待ち受けの状態で、使用者が図1および図3に「測定」と記したボタンを押して呼気分析測定を開始することにした。続いて、携帯ヘルスチェック装置から「呼気分析を開始します」という呼気分析の開始通知を音声で出すようにした。この際、呼気成分を測定していることを他人に知られたくない利用者向けに電話の呼び出し音を出す設定や、公共スペース等にいて音を出せない利用者および聴力の弱い利用者向けに振動させる設定も可能なようにした。
従来、口臭センサやアルコールセンサ内蔵した携帯電話では設けていなかった個人認証を本実施例では以下の3通り採用した。
【0029】
第1の利用者認証方法は、もしもし等の利用者の発声に伴う声紋を利用するものである。利用者はあらかじめ声紋をインターネットで接続された認証局に登録しておき、呼気分析のたびに、インターネットを経由して、声紋による個人認証を受けるものである。このインターネット接続を利用した認証は利用者が意識せずに実施されるため、利用者に手続き上の負担をかけることはない特徴がある。なお、本実施例では、声紋登録・認証に周知の必要な音声認識ならびに音声合成の技術を用いた。
【0030】
第2の利用者認証方法は、利用者に事前にパスワードを携帯ヘルスチェック装置に登録してもらい、呼気分析のたびに利用者にパスワードを入力してもらうものである。インターネットを介した認証がないため、実際の呼気分析に移るまでの時間を短縮できる一方、パスワード入力の手間が若干かかるが、利用者にそれほど負担をかけずに認証できる特徴がある。本実施例では、パスワードとして4桁の数字を用いた。
【0031】
第3の利用者認証方法は、利用者に事前または逐次、認証省略手続きを行ってもらい、認証を省略するものである。これは元々認証を不要と考える利用者の便宜を図るものであるが、登録利用者以外の人が試しにゲストとして利用する場合にも対応できる。本実施例では、事前に「図1または図3の「開始」ボタンを再度押すことにより認証省略する」設定を利用者メニューに設け、その設定を行った利用者は、逐次、「開始」ボタンを押して認証省略する方法を採用した。
【0032】
上記いずれかの利用者個人認証の結果、携帯ヘルスチェック装置の利用者に利用資格があると判定されると、「呼気を吹きかけてください。」という音声を流し、利用者に呼気の吹きかけをさせるようにした。この際、呼気成分を測定していることを他人に知られたくない利用者、公共スペース等にいて音を出せない利用者、ならびに聴力の弱い利用者向けに向けに、図1および図3に示すディスプレイ6に文字で表示する設定や、視力の弱い利用者向けに振動させる設定も可能なようにした。
【0033】
利用者が通常携帯電話で話している要領で、センサ部に呼気を吹き込んだ後、センサが呼気成分を検知できた場合、データを図5に示すメモリに格納するとともに、結果をディスプレイ6に表示する一方、呼気成分の検知に問題があった場合、利用者に対して、音声、表示、振動等の手段で再測定を促すように設定した。
【0034】
最後に再分析が必要かどうかを利用者に対して、音声、表示、振動等の手段で確認するように設定した。
本実施例によれば、携帯ヘルスチェック装置使用者の「もしもし」等の発生における声紋、パスワード入力、または認証省略登録のいずれかの個人認証方法を携帯ヘルスチェック装置に搭載するようにした結果、使用者に負担をかけずに、プラバシーに配慮した携帯ヘルスチェック装置を実現できる効果がある。
【実施例3】
【0035】
本発明の第3の実施例を以下、説明する。
本実施例では、実施例1および2で説明した携帯ヘルスチェック装置に、タイマー機能を設けた。具体的なタイマー利用方法としては、毎日同じ時間にデータ収集する必要のある呼気分析に関して、呼気分析を忘れがちな携帯ヘルスチェック装置利用者に対し、毎日一定時間に電話の呼び出しを音または振動で実施するように、携帯ヘルスチェック装置使用者自身または該使用者の健康を管理する者が設定する例が挙げられる。
本実施例によれば、利用者の発声を促す呼び出し音または振動をあらかじめ定められた時間に与える設定がなされるため、呼気分析を定期的に実施できる携帯ヘルスチェック装置を実現できる効果がある。
【実施例4】
【0036】
本発明の第4の実施例を、図8を用いて説明する。
図8は呼気分析サービス方法を示すモデル図である。21は実施例1から3で説明した複数の携帯ヘルスチェック装置21(図1および図3参照)がインターネット等の通信回線を介してセンタサーバ22と接続されている。
【0037】
本実施例では、携帯ヘルスチェック装置21の利用者の呼気成分に関する検知情報を、通信回線を介してセンタサーバで受信し、該サーバで該検知情報を分析あるいは統計処理し、該分析または該統計処理の結果をデータベース内のアドバイス情報と照合し、該照合の結果に基づくアドバイス情報を前記サーバから該利用者の携帯ヘルスチェック装置へ送信するシステムを構築し、携帯ヘルスチェック装置利用者への呼気分析サービスを実施した。
本実施例によれば、例えば、肝臓・腎臓病等の患者が家庭で普段生活している場合の健康管理サポートとなると、個人の携帯電話内では判断を下せない場合に対し、健康管理を目的に専門的な診断が可能な呼気分析サービス方法を提供できる効果がある。
【実施例5】
【0038】
本発明の第5の実施例を、図9から図11を用いて説明する。
図9はGPS(Global Positioning System)位置検出システムを用いた呼気分析サービス方法を示すモデル図である。また、図10および図11は携帯ヘルスチェク装置21のディスプレイ6(図1および図3参照)に示す位置情報の例である。
【0039】
携帯ヘルスチェック装置21はGPS衛星群23からの位置検出基礎情報受信し、インターネット等の通信回線を介して接続されたセンタサーバ22において利用者の呼気成分に関する検知情報を、分析あるいは統計処理し、該分析または該統計処理の結果をデータベース内のアドバイス情報と照合し、該照合の結果に基づくアドバイス情報を前記サーバから該利用者の携帯ヘルスチェック装置へ送信する際に、該センサで検知した検知情報が緊急性を示した時に、該検知情報と該携帯ヘルスチェック装置の位置情報を、前記通信回線を介して、自動的に前記使用者が通常通院している病院24に電話で通知するとともに、該検知情報と該位置情報をインターネットで受信した病院にて該利用者の担当医の確認を行い、該担当医が該緊急性と該位置情報を考慮して、該利用者が向かうべき病院を呼気分析サービス会社に指定すると、呼気分析サービス会社が該利用者の最寄の駅までの地図(図10)や、向かうべき病院の住所と交通手段(図11)を該携帯ヘルスチェック装置の画面上に表示させるようにした。
【0040】
本実施例によれば、肝臓・腎臓病患者のモニタなどを医師の診断などで定期的に実施している場合に、患者が外出先で急に体調が悪くなり、緊急で精密診断が必要となる場合のサポート手段を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明による携帯無線端末の内側にガスセンサを具備した、携帯ヘルスチェック装置の正面図である。
【図2】本発明による携帯ヘルスチェック装置に内蔵されたガスセンサ内における複数検知膜の配置状態を示す平面図である。
【図3】本発明による携帯無線端末の外側にガスセンサを具備した、携帯ヘルスチェック装置の正面図である。
【図4】本発明による携帯ヘルスチェック装置に外付けされたガスセンサ内における呼気収集用窓および複数検知膜の配置状態を示す平面図である。
【図5】本発明による携帯ヘルスチェック装置の回路構成を示すブロック図である。
【図6】0.5mm角サイズの検知膜で検知可能なガス感度を1とした場合の相対感度を、ガス濃度に対してプロットした実験結果を示す図である。
【図7】本発明による携帯ヘルスチェック装置の利用者認証手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明による呼気分析サービス方法を示すモデル図である。
【図9】本発明によるGPS位置検出システム連動呼気分析サービス方法を示すモデル図である。
【図10】本発明による位置情報表示画面の一例を示す図である。
【図11】本発明による位置情報表示画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
1・・・マイク用窓、2・・・入力テンキー、3・・・電話開始ボタン、4・・・電話停止ボタン、5・・・呼気分析開始ボタン、6・・・ディスプレイ、7・・・アンテナ、11・・・ガスセンサ、12・・・SnO2膜、13・・・WO3膜、14・・・ガスセンサ、15・・・呼気収集用窓、21・・・携帯ヘルスチェック装置、22・・センタサーバ、23・・・GPS衛星、24・・・病院。
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定のガス(例えば水素ガス)に感応するガスセンサを具備した携帯ヘルスチェック装置、およびそれを用いた呼気分析サービスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガスセンサ用金属酸化物の製造方法を開示したものがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1は、ガスセンサに最もよく用いられる金属酸化物である酸化スズSnO2の場合、酸素ラジカルを併用した電子ビーム蒸着法が、プラズマ励起化学的気相堆積(PECVD)法、有機金属気相堆積(MOCVD)法、スパッタリング法、熱酸化法、等に比較して優れていると説明している。
また、従来、携帯電話機として、人体から発せられる呼気に含まれる成分に感応する半導体ガスセンサを内蔵する構成を開示するものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2001−59160号公報
【0004】
【特許文献2】特開2000−341375号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2に開示された、人体から発せられる呼気に含まれる成分に感応する半導体ガスセンサを内蔵する携帯電話機では、自然に行われる会話中に発せられる呼気に含まれる成分のうち、口臭の元であるメチルメルカプタンや、飲酒後の臭いの元であるエチレンの検出を、二酸化錫(SnO2)からなるセンサを用いて行っていた。その一方で、1999年頃から、呼気分析と疾病の関係が明らかにされてきて、携帯電話が爆発的に普及し、またその所有者が常時携帯するという社会変化と相まって、携帯電話での呼気分析を、口臭チェックや飲酒後の酩酊度チェックにとどまらず、健康管理に適用したいというニーズが拡大している。
【0006】
呼気化学の研究成果によれば、例えば、腸内嫌気性細菌の異常増殖や消化不良症候群では水素、糖尿病ではアセトン、肝疾患ではアンモニア、腎疾患ではトリメチルアミンが呼気成分に含まれる。しかし、これらのガスのうち、水素だけはSnO2では感度が低く、新たなセンサ材料が必要であった。本発明の第1の目的は、水素に対する感度の高い小型センサを含むセンサアレイを搭載した携帯ヘルスチェック装置を提供することである。
【0007】
また、上記の通り、健康管理を携帯電話で行うようになると、プライバシー保護の問題を無視できなくなり、これまでの口臭・アルコールセンサ内蔵携帯電話では設けていなかった個人認証が必要となる。本発明の第2の目的は、使用者に負担をかけない簡易な認証方法を有する携帯ヘルスチェック装置を提供することである。
また、上記健康診断には、毎日同じ時間にデータ収集する必要のあるものも存在するが、携帯電話利用者の自主性に任せていては、呼気分析を忘れがちになる恐れがある。そこで、本発明の第3の目的は、呼気分析を定期的に実施できる携帯ヘルスチェック装置を提供することである。
【0008】
また、上記口臭・アルコールセンサは携帯電話内での診断が可能であったが、例えば、肝臓・腎臓病患者が家庭で普段生活している場合の健康管理サポートとなると、個人の携帯電話内では判断を下せない場合が発生する。本発明の第4の目的は、健康管理を目的に専門的な診断を行う場合の呼気分析サービス方法を提供することである。
また、上記肝臓・腎臓病患者のモニタなどを医師の診断などで定期的に実施している場合に、患者が外出先で急に体調が悪くなり、緊急で精密診断が必要となる場合があり得る。本発明の第5の目的は、このような緊急時のサポート手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の代表的なものの一例を示せば以下の通りである。すなわち、本発明の携帯ヘルスチェック装置は、携帯無線端末と、該携帯無線端末の内側および外側の少なくとも一方に配設されたガスセンサとを具備して成り、前記ガスセンサのセンス結果に基づいて、前記ガスセンサのセンス対象が属する人体の健康に関する情報を前記携帯無線端末に表示するよう構成され、前記ガスセンサは水素センサを含んで成ることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の呼気分析サービス方法は、携帯ヘルスチェック装置によって検知された前記携帯ヘルスチェック装置の利用者の呼気成分に係る検知情報を、前記携帯ヘルスチェック装置から通信回線を介してセンタサーバで受信するステップと、前記センタサーバにて前記検知情報に対する情報処理を行うステップと、前記情報処理の結果と、前記センタサーバからアクセス可能に設けられたデータベース内の複数のアドバイス情報との照合を行うステップと、前記複数のアドバイス情報の中から前記照合の結果に基づいて選択されたアドバイス情報を前記センタサーバから直接的または間接的に前記利用者に属する前記携帯ヘルスチェック装置へ送信するステップとを具備して成ることを特徴とし、また、ここにおける携帯ヘルスチェック装置が上述の要件を満たすことを特徴とする。
【0011】
特に、本発明の第1の目的を達成するためには、水素検知材料として水素感度の高い三酸化タングステン(WO3)を選択し、MOCVD(Metalorganic Chemical Vapor Deposition)法により形成した高感度・小型水素センサを携帯ヘルスチェック装置に搭載するよう構成すれば好適である。
【0012】
また、本発明の第2の目的を達成するためには、携帯ヘルスチェック装置利用者の「もしもし」等の発声における声紋、パスワード入力、または認証省略登録のいずれかの個人認証方法を携帯ヘルスチェック装置に搭載するよう構成すれば好適である。
また、本発明の第3の目的を達成するためには、携帯ヘルスチェック装置使用者または該使用者の健康を管理する者が、一定時刻に使用者を携帯電話で呼び出すような仕組みを携帯ヘルスチェック装置に搭載すれば好適である。
【0013】
また、本発明の第4の目的を達成するためには、呼気成分の検知情報を、携帯電話の通信回線を介してセンタサーバで受信し、該サーバで前記検知情報を分析あるいは統計処理し、該分析または該統計処理の結果をデータベース内のアドバイス情報と照合し、該照合の結果に基づくアドバイス情報を前記サーバから当該利用者の携帯電話へ送信するようにした呼気分析サービス方法が好適である。
【0014】
また、本発明の第5の目的を達成するためには、検知情報が緊急性を示した場合に、自動的に利用者が通常通院している病院に通知するとともに、携帯電話から分析結果とともに位置情報を送信する手段と、受信した病院側で担当医の確認を行い、緊急度と利用者の位置を考慮し、該病院への来院か、使用者のいる近くの病院を地図付きで照会する呼気分析サービス方法が好適である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、水素に対する感度の高い小型センサを含むセンサアレイを搭載した携帯ヘルスチェック装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の第1の目的に関し、WO3をMOCVD法により形成し、触媒膜としてPd15nmを堆積した水素センサに関して、図6を用いて説明する。図6は携帯電話のマイク部分に搭載可能、または携帯電話に外付け可能なガスセンサのサイズとして、0.5mm角サイズ検知膜で検知可能なガス感度を1とした場合の相対感度を、ガス濃度に対してプロットした実験結果である。従来のSnO2膜(膜厚1μm)12では、メチルメルカプタン、トリメチルアミン、アセトンに対する感度はあったものの、水素に対する感度は十分ではなかった。また、水素向けにセンサ検知膜をWO3に変えても、従来のスパッタならびに酸化で作製している限り、水素分子を原子状水素に解離させる触媒膜を最適化しても、実用上必要な1000ppmの水素感度を0.5mm角で得ることはできなかった。
【0017】
それに対し、ジケトンW錯体原料を用いたMOCVD法により、500℃に加熱したガラス基板上に形成したWO3膜(膜厚1μm)13では、100ppmの水素に対する感度まで得られた。特開2001−59160号公報と最適製造方法が異なったのは、WO3が柱状結晶になりやすい傾向があり、MOCVDが最も柱状結晶の径を小さくでき、結果として表面積を最大にできたためであると推定する。このように、従来、不適と考えられてきたCVDをWO3に適用し、センサとしての効果を見出したのは、本発明が初めてであり、これによって水素を含む呼気分析機能を携帯無線端末に搭載することが可能となった。
【0018】
本発明の第2の目的に関しては、使用者の呼気の声紋分析、使用者によるパスワード入力、あるいは利用者の事前または逐次の認証省略手続き、のいずれかを携帯ヘルスチェック装置に導入することにより、プライバシー保護が必須な利用者には個人認証機能提供を、プライバシー保護が不要な利用者には個人認証省略機能提供をすることにより、全ての使用者にプライバシーの問題への対応が可能となる効果がある。
【0019】
本発明の第3の目的に関しては、利用者または利用者が指定する医師の設定した時間に携帯電話の呼び出し音または呼び出し振動を発生させ、利用者が電話に出て呼気を収集するようにした結果、呼気分析を忘れがちな使用者が、呼気分析を定期的に実施できる効果がある。
【0020】
本発明の第4の目的に関しては、携帯電話の無線通信機能を利用し、センササーバのデータベースや医師の判断を元に呼気分析診断を行い、その結果を上記携帯電話の画面上に表示させる手段を、センタサーバの統計処理または医師への問い合わせにより実現する結果、健康管理を目的に専門的な診断を行う場合の呼気分析サービスが実現できる効果がある。
【0021】
本発明の第5の目的に関しては、携帯電話が位置検出機能を備え、緊急時に利用者が契約した医師の病院近くにいるか否かを判定し、近くにいて、かつ担当医師が病院にいる場合には医師に予約連絡をし、近くにいても担当医師が不在またはかかりつけの病院から離れて存在している場合には、使用者の近くの病院を携帯電話画面に表示するとともに、その近くの病院に予約と利用者の病歴情報をセンタサーバから送信する手段を入れるようにした結果、肝臓・腎臓病患者のモニタなどを医師の診断などで定期的に実施している場合に、患者が外出先で急に体調が悪くなり、緊急で精密診断が必要となる場合のサポート手段を実現できる効果がある。
【実施例1】
【0022】
本発明の第1の実施例を、図1から図6を用いて説明する。
図1および図3は本発明による携帯ヘルスチェック装置の正面外観図である。前面には、少なくとも、マイク用窓1、入力テンキー2、電話開始ボタン3、電話停止ボタン4、呼気分析開始ボタン5、ディスプレイ6、アンテナ7、およびガスセンサ11または14が備わっており、ガスセンサ11は図1に示すように携帯ケルスチェック装置のマイク用窓1の内側に、ガスセンサ14は図3に示すように携帯ヘルスチェック装置の外側に設けられている。図3のように外側にガスセンサを設置する場合は、携帯電話に充電器を接続するコネクタを利用するのが簡便であり、本実施例でもそのような形態を用いた。図2および図4はそれぞれガスセンサ11、14における検知膜の配置構造を示す平面図である。
【0023】
図4の携帯ヘルスチェック装置外付けガスセンサ15では、携帯電話用マイク窓を兼用できないため、呼気収集用窓15を設けた。ここで、検知膜として、どちらも0.5mm角のSnO2膜(膜厚1μm)12およびWO3膜(膜厚1μm)13用いた。SnO2膜(膜厚1μm)12は室温でスパッタ法により堆積し、酸素雰囲気で500℃にて30分間アニールして形成した。一方、WO3膜(膜厚1μm)13はジケトンW錯体原料を用いたMOCVD法により、500℃に加熱したガラス基板上に形成し、表面に触媒膜としてPd(膜厚15nm)を堆積した。後者では、MOCVD後の酸素雰囲気でのアニールは特に実施していない。
【0024】
次に、本実施例における携帯ヘルスチェック装置の回路構成を示すブロック図を図5に示す。メモリに格納されたプログラムやデータに基づいた処理を行う中央処理ユニットには、駆動回路を通じて液晶ディスプレイ6が接続されており、中央処理ユニットでの演算・処理結果が表示される。一方、送受信回路にはアンテナ、送話部、受話部が接続されており、送話部からの音声信号が送受信回路で所定の送信信号に変換されて、アンテナを通じて送信される。また、アンテナからの受信信号は、送受信回路で音声信号に変換されて、受話部に供給される。このような通常の携帯電話構成に加え、本実施例では、中央処理ユニットにSnO2膜12からなるメチルメルカプタン、トリメチルアミン、アセトン等のガスセンサ、およびWO3膜13からなる水素センサからなるガスセンサが接続され、携帯ヘルスチェック装置を構成している。
【0025】
図6は図1から図5に示す携帯ヘルスチェック装置を用いて、メチルメルカプタン、トリメチルアミン、アセトン、水素に対する感度の分析をした結果である。従来技術のスパッタ法を用いて作製されたWO3膜では、実用上必要な1000ppmの水素感度を0.5mm角で得ることはできなかったのに対し、本発明のWO3膜13では100ppmの感度まで得ることができた。
【0026】
本発明によれば、水素センサにMOCVD法により形成したWO3を用いた結果、水素センサを含む呼気分析用ガスセンサを携帯電話のマイク部分に搭載、または携帯電話に外付けした携帯ヘルスチェック装置を実現できる効果がある。
なお、本実施例では、SnO2膜12とWO3膜13の2つのみ並置しているが、SnO2ではメチルメルカプタン、トリメチルアミン、アセトン等の選択性が得られないため、これらを厳密に測定し分ける用途には、例えば、SnO2膜12を複数用意して、それぞれのガスに適した触媒膜をSnO2膜12上に設けるか、メチルメルカプタン、トリメチルアミン、アセトン等のガスに対して、SnO2と異なる感度を有する金属酸化物膜を並置すればよいのはもちろんである。
【実施例2】
【0027】
本発明の第2の実施例を、図1、図3、図5、および図7を用いて説明する。
図7は携帯ヘルスチェック装置の利用者を認証する手順を示すフローチャートである。なお、通常、携帯電話は常に着信待ちのため電源が投入されている。しかし、電源が切れた状態から開始するのであれば、図示していないが、携帯電話の主電源をオンすることから始める。
【0028】
はじめに、携帯電話が着信待ち受けの状態で、使用者が図1および図3に「測定」と記したボタンを押して呼気分析測定を開始することにした。続いて、携帯ヘルスチェック装置から「呼気分析を開始します」という呼気分析の開始通知を音声で出すようにした。この際、呼気成分を測定していることを他人に知られたくない利用者向けに電話の呼び出し音を出す設定や、公共スペース等にいて音を出せない利用者および聴力の弱い利用者向けに振動させる設定も可能なようにした。
従来、口臭センサやアルコールセンサ内蔵した携帯電話では設けていなかった個人認証を本実施例では以下の3通り採用した。
【0029】
第1の利用者認証方法は、もしもし等の利用者の発声に伴う声紋を利用するものである。利用者はあらかじめ声紋をインターネットで接続された認証局に登録しておき、呼気分析のたびに、インターネットを経由して、声紋による個人認証を受けるものである。このインターネット接続を利用した認証は利用者が意識せずに実施されるため、利用者に手続き上の負担をかけることはない特徴がある。なお、本実施例では、声紋登録・認証に周知の必要な音声認識ならびに音声合成の技術を用いた。
【0030】
第2の利用者認証方法は、利用者に事前にパスワードを携帯ヘルスチェック装置に登録してもらい、呼気分析のたびに利用者にパスワードを入力してもらうものである。インターネットを介した認証がないため、実際の呼気分析に移るまでの時間を短縮できる一方、パスワード入力の手間が若干かかるが、利用者にそれほど負担をかけずに認証できる特徴がある。本実施例では、パスワードとして4桁の数字を用いた。
【0031】
第3の利用者認証方法は、利用者に事前または逐次、認証省略手続きを行ってもらい、認証を省略するものである。これは元々認証を不要と考える利用者の便宜を図るものであるが、登録利用者以外の人が試しにゲストとして利用する場合にも対応できる。本実施例では、事前に「図1または図3の「開始」ボタンを再度押すことにより認証省略する」設定を利用者メニューに設け、その設定を行った利用者は、逐次、「開始」ボタンを押して認証省略する方法を採用した。
【0032】
上記いずれかの利用者個人認証の結果、携帯ヘルスチェック装置の利用者に利用資格があると判定されると、「呼気を吹きかけてください。」という音声を流し、利用者に呼気の吹きかけをさせるようにした。この際、呼気成分を測定していることを他人に知られたくない利用者、公共スペース等にいて音を出せない利用者、ならびに聴力の弱い利用者向けに向けに、図1および図3に示すディスプレイ6に文字で表示する設定や、視力の弱い利用者向けに振動させる設定も可能なようにした。
【0033】
利用者が通常携帯電話で話している要領で、センサ部に呼気を吹き込んだ後、センサが呼気成分を検知できた場合、データを図5に示すメモリに格納するとともに、結果をディスプレイ6に表示する一方、呼気成分の検知に問題があった場合、利用者に対して、音声、表示、振動等の手段で再測定を促すように設定した。
【0034】
最後に再分析が必要かどうかを利用者に対して、音声、表示、振動等の手段で確認するように設定した。
本実施例によれば、携帯ヘルスチェック装置使用者の「もしもし」等の発生における声紋、パスワード入力、または認証省略登録のいずれかの個人認証方法を携帯ヘルスチェック装置に搭載するようにした結果、使用者に負担をかけずに、プラバシーに配慮した携帯ヘルスチェック装置を実現できる効果がある。
【実施例3】
【0035】
本発明の第3の実施例を以下、説明する。
本実施例では、実施例1および2で説明した携帯ヘルスチェック装置に、タイマー機能を設けた。具体的なタイマー利用方法としては、毎日同じ時間にデータ収集する必要のある呼気分析に関して、呼気分析を忘れがちな携帯ヘルスチェック装置利用者に対し、毎日一定時間に電話の呼び出しを音または振動で実施するように、携帯ヘルスチェック装置使用者自身または該使用者の健康を管理する者が設定する例が挙げられる。
本実施例によれば、利用者の発声を促す呼び出し音または振動をあらかじめ定められた時間に与える設定がなされるため、呼気分析を定期的に実施できる携帯ヘルスチェック装置を実現できる効果がある。
【実施例4】
【0036】
本発明の第4の実施例を、図8を用いて説明する。
図8は呼気分析サービス方法を示すモデル図である。21は実施例1から3で説明した複数の携帯ヘルスチェック装置21(図1および図3参照)がインターネット等の通信回線を介してセンタサーバ22と接続されている。
【0037】
本実施例では、携帯ヘルスチェック装置21の利用者の呼気成分に関する検知情報を、通信回線を介してセンタサーバで受信し、該サーバで該検知情報を分析あるいは統計処理し、該分析または該統計処理の結果をデータベース内のアドバイス情報と照合し、該照合の結果に基づくアドバイス情報を前記サーバから該利用者の携帯ヘルスチェック装置へ送信するシステムを構築し、携帯ヘルスチェック装置利用者への呼気分析サービスを実施した。
本実施例によれば、例えば、肝臓・腎臓病等の患者が家庭で普段生活している場合の健康管理サポートとなると、個人の携帯電話内では判断を下せない場合に対し、健康管理を目的に専門的な診断が可能な呼気分析サービス方法を提供できる効果がある。
【実施例5】
【0038】
本発明の第5の実施例を、図9から図11を用いて説明する。
図9はGPS(Global Positioning System)位置検出システムを用いた呼気分析サービス方法を示すモデル図である。また、図10および図11は携帯ヘルスチェク装置21のディスプレイ6(図1および図3参照)に示す位置情報の例である。
【0039】
携帯ヘルスチェック装置21はGPS衛星群23からの位置検出基礎情報受信し、インターネット等の通信回線を介して接続されたセンタサーバ22において利用者の呼気成分に関する検知情報を、分析あるいは統計処理し、該分析または該統計処理の結果をデータベース内のアドバイス情報と照合し、該照合の結果に基づくアドバイス情報を前記サーバから該利用者の携帯ヘルスチェック装置へ送信する際に、該センサで検知した検知情報が緊急性を示した時に、該検知情報と該携帯ヘルスチェック装置の位置情報を、前記通信回線を介して、自動的に前記使用者が通常通院している病院24に電話で通知するとともに、該検知情報と該位置情報をインターネットで受信した病院にて該利用者の担当医の確認を行い、該担当医が該緊急性と該位置情報を考慮して、該利用者が向かうべき病院を呼気分析サービス会社に指定すると、呼気分析サービス会社が該利用者の最寄の駅までの地図(図10)や、向かうべき病院の住所と交通手段(図11)を該携帯ヘルスチェック装置の画面上に表示させるようにした。
【0040】
本実施例によれば、肝臓・腎臓病患者のモニタなどを医師の診断などで定期的に実施している場合に、患者が外出先で急に体調が悪くなり、緊急で精密診断が必要となる場合のサポート手段を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明による携帯無線端末の内側にガスセンサを具備した、携帯ヘルスチェック装置の正面図である。
【図2】本発明による携帯ヘルスチェック装置に内蔵されたガスセンサ内における複数検知膜の配置状態を示す平面図である。
【図3】本発明による携帯無線端末の外側にガスセンサを具備した、携帯ヘルスチェック装置の正面図である。
【図4】本発明による携帯ヘルスチェック装置に外付けされたガスセンサ内における呼気収集用窓および複数検知膜の配置状態を示す平面図である。
【図5】本発明による携帯ヘルスチェック装置の回路構成を示すブロック図である。
【図6】0.5mm角サイズの検知膜で検知可能なガス感度を1とした場合の相対感度を、ガス濃度に対してプロットした実験結果を示す図である。
【図7】本発明による携帯ヘルスチェック装置の利用者認証手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明による呼気分析サービス方法を示すモデル図である。
【図9】本発明によるGPS位置検出システム連動呼気分析サービス方法を示すモデル図である。
【図10】本発明による位置情報表示画面の一例を示す図である。
【図11】本発明による位置情報表示画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
1・・・マイク用窓、2・・・入力テンキー、3・・・電話開始ボタン、4・・・電話停止ボタン、5・・・呼気分析開始ボタン、6・・・ディスプレイ、7・・・アンテナ、11・・・ガスセンサ、12・・・SnO2膜、13・・・WO3膜、14・・・ガスセンサ、15・・・呼気収集用窓、21・・・携帯ヘルスチェック装置、22・・センタサーバ、23・・・GPS衛星、24・・・病院。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯無線端末と、
該携帯無線端末の内側および外側の少なくとも一方に配設されたガスセンサとを具備して成り、
前記ガスセンサのセンス結果に基づいて、前記ガスセンサのセンス対象が属する人体の健康に関する情報を前記携帯無線端末に表示するよう構成され、
前記ガスセンサは水素センサを含んで成る
ことを特徴とする携帯ヘルスチェック装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記センス結果は前記携帯無線端末の内部にて加工され、加工されたセンス結果を表示することを特徴とする携帯ヘルスチェック装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記センス結果は前記携帯無線端末に通信回線を介して接続されたセンタサーバにて加工され、加工されたセンス結果を前記センタサーバから直接的または間接的に受信し、受信した前記加工されたセンス結果を表示することを特徴とする携帯ヘルスチェック装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記水素センサは、有機金属化学的気相堆積法を用いて作製された酸化タングステンを水素検知材料として含んで構成されていることを特徴とする携帯ヘルスチェック装置。
【請求項5】
請求項1において、
前記ガスセンサによるセンシングに係るサービスを利用する利用者の認証を行う機能を更に具備して成ることを特徴とする携帯ヘルスチェック装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記認証は、前記利用者の発声に伴う声紋に基づいて行われることを特徴とする携帯ヘルスチェック装置。
【請求項7】
請求項5において、
前記認証は、前記利用者のパスワード入力に基づいて行われることを特徴とする携帯ヘルスチェック装置。
【請求項8】
請求項5において、
前記認証は、前記利用者の事前または逐次の認証省略手続きにより省略可能となるよう構成されていることを特徴とする携帯ヘルスチェック装置。
【請求項9】
請求項1において、
前記携帯ヘルスチェック装置は、前記利用者の発声を所定の時刻に催促する構成を含んで成ることを特徴とする携帯ヘルスチェック装置。
【請求項10】
請求項9において、
前記催促する構成は、呼び出し音および振動の少なくとも一方を前記利用者に与える機能を有する構成であることを特徴とする携帯ヘルスチェック装置。
【請求項11】
携帯ヘルスチェック装置によって検知された前記携帯ヘルスチェック装置の利用者の呼気成分に係る検知情報を、前記携帯ヘルスチェック装置から通信回線を介してセンタサーバで受信するステップと、
前記センタサーバにて前記検知情報に対する情報処理を行うステップと、
前記情報処理の結果と、前記センタサーバからアクセス可能に設けられたデータベース内の複数のアドバイス情報との照合を行うステップと、
前記複数のアドバイス情報の中から前記照合の結果に基づいて選択されたアドバイス情報を前記センタサーバから直接的または間接的に前記利用者に属する前記携帯ヘルスチェック装置へ送信するステップと
を具備して成る呼気分析サービス方法であって、
前記携帯ヘルスチェック装置は、
携帯無線端末と、
該携帯無線端末の内側および外側の少なくとも一方に配設されたガスセンサとを具備して成り、
前記ガスセンサのセンス結果に基づいて、前記ガスセンサのセンス対象が属する人体の健康に関する情報を前記携帯無線端末に表示するよう構成され、
前記ガスセンサは水素センサを含んで成る
ことを特徴とする呼気分析サービス方法。
【請求項12】
請求項11において、
前記携帯ヘルスチェック装置を前記利用者へ配布するステップを更に具備して成ることを特徴とする呼気分析サービス方法。
【請求項13】
請求項11において、
前記情報処理は、前記検知情報に対する分析および統計処理の少なくとも一方を含んで成ることを特徴とする呼気分析サービス方法。
【請求項14】
請求項11において、
前記センス結果は前記携帯無線端末の内部にて加工され、加工されたセンス結果を表示することを特徴とする呼気分析サービス方法。
【請求項15】
請求項11において、
前記センス結果は前記携帯無線端末に通信回線を介して接続されたセンタサーバにて加工され、加工されたセンス結果を前記センタサーバから直接的または間接的に受信し、受信した前記加工されたセンス結果を表示することを特徴とする呼気分析サービス方法。
【請求項16】
請求項11において、
前記水素センサは、有機金属化学的気相堆積法を用いて作製された酸化タングステンを水素検知材料として含んで構成されていることを特徴とする呼気分析サービス方法。
【請求項17】
請求項11において、
前記ガスセンサによるセンシングに係るサービスを利用する利用者の認証を行う機能を更に具備して成ることを特徴とする呼気分析サービス方法。
【請求項18】
請求項17において、
前記認証は、前記利用者の発声に伴う声紋に基づいて行われることを特徴とする呼気分析サービス方法。
【請求項19】
請求項17において、
前記認証は、前記利用者のパスワード入力に基づいて行われることを特徴とする呼気分析サービス方法。
【請求項20】
請求項17において、
前記認証は、前記利用者の事前または逐次の認証省略手続きにより省略可能となるよう構成されていることを特徴とする呼気分析サービス方法。
【請求項21】
請求項11において、
前記携帯ヘルスチェック装置は、前記利用者の発声を所定の時刻に催促する構成を含んで成ることを特徴とする呼気分析サービス方法。
【請求項22】
請求項21において、
前記催促する構成は、呼び出し音および振動の少なくとも一方を前記利用者に与える機能を有する構成であることを特徴とする呼気分析サービス方法。
【請求項23】
請求項11において、
前記検知情報の中に緊急性を示す情報が含まれているか否かを判定するステップと、
前記検知情報に緊急性を示す情報が含まれていると判定した場合に、前記検知情報および前記携帯ヘルスチェック装置の所在位置に関する位置情報を含む情報を、予め登録された病院に前記センタサーバから前記通信回線を介して通知するステップと、
前記検知情報および前記携帯ヘルスチェック装置の所在位置に関する位置情報を含む情報を受信した前記予め登録された病院にて前記利用者の担当医を確認させるステップと、
前記担当医に前記検知情報および前記携帯ヘルスチェック装置の所在位置に関する位置情報を確認させるステップと、
前記利用者が向かうべき病院を前記担当医に指定させるステップと、
前記利用者が向かうべき病院の所在地に係る情報を前記携帯ヘルスチェック装置に送信して前記携帯ヘルスチェック装置の画面上に表示させるステップと
を更に具備して成ることを特徴とする呼気分析サービス方法。
【請求項24】
請求項23において、
前記予め登録された病院は、前記利用者が通常通院している病院であることを特徴とする呼気分析サービス方法。
【請求項25】
請求項23において、
前記利用者が向かうべき病院の所在地に係る情報は、少なくとも該病院の住所および地図を含むことを特徴とする呼気分析サービス方法。
【請求項1】
携帯無線端末と、
該携帯無線端末の内側および外側の少なくとも一方に配設されたガスセンサとを具備して成り、
前記ガスセンサのセンス結果に基づいて、前記ガスセンサのセンス対象が属する人体の健康に関する情報を前記携帯無線端末に表示するよう構成され、
前記ガスセンサは水素センサを含んで成る
ことを特徴とする携帯ヘルスチェック装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記センス結果は前記携帯無線端末の内部にて加工され、加工されたセンス結果を表示することを特徴とする携帯ヘルスチェック装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記センス結果は前記携帯無線端末に通信回線を介して接続されたセンタサーバにて加工され、加工されたセンス結果を前記センタサーバから直接的または間接的に受信し、受信した前記加工されたセンス結果を表示することを特徴とする携帯ヘルスチェック装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記水素センサは、有機金属化学的気相堆積法を用いて作製された酸化タングステンを水素検知材料として含んで構成されていることを特徴とする携帯ヘルスチェック装置。
【請求項5】
請求項1において、
前記ガスセンサによるセンシングに係るサービスを利用する利用者の認証を行う機能を更に具備して成ることを特徴とする携帯ヘルスチェック装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記認証は、前記利用者の発声に伴う声紋に基づいて行われることを特徴とする携帯ヘルスチェック装置。
【請求項7】
請求項5において、
前記認証は、前記利用者のパスワード入力に基づいて行われることを特徴とする携帯ヘルスチェック装置。
【請求項8】
請求項5において、
前記認証は、前記利用者の事前または逐次の認証省略手続きにより省略可能となるよう構成されていることを特徴とする携帯ヘルスチェック装置。
【請求項9】
請求項1において、
前記携帯ヘルスチェック装置は、前記利用者の発声を所定の時刻に催促する構成を含んで成ることを特徴とする携帯ヘルスチェック装置。
【請求項10】
請求項9において、
前記催促する構成は、呼び出し音および振動の少なくとも一方を前記利用者に与える機能を有する構成であることを特徴とする携帯ヘルスチェック装置。
【請求項11】
携帯ヘルスチェック装置によって検知された前記携帯ヘルスチェック装置の利用者の呼気成分に係る検知情報を、前記携帯ヘルスチェック装置から通信回線を介してセンタサーバで受信するステップと、
前記センタサーバにて前記検知情報に対する情報処理を行うステップと、
前記情報処理の結果と、前記センタサーバからアクセス可能に設けられたデータベース内の複数のアドバイス情報との照合を行うステップと、
前記複数のアドバイス情報の中から前記照合の結果に基づいて選択されたアドバイス情報を前記センタサーバから直接的または間接的に前記利用者に属する前記携帯ヘルスチェック装置へ送信するステップと
を具備して成る呼気分析サービス方法であって、
前記携帯ヘルスチェック装置は、
携帯無線端末と、
該携帯無線端末の内側および外側の少なくとも一方に配設されたガスセンサとを具備して成り、
前記ガスセンサのセンス結果に基づいて、前記ガスセンサのセンス対象が属する人体の健康に関する情報を前記携帯無線端末に表示するよう構成され、
前記ガスセンサは水素センサを含んで成る
ことを特徴とする呼気分析サービス方法。
【請求項12】
請求項11において、
前記携帯ヘルスチェック装置を前記利用者へ配布するステップを更に具備して成ることを特徴とする呼気分析サービス方法。
【請求項13】
請求項11において、
前記情報処理は、前記検知情報に対する分析および統計処理の少なくとも一方を含んで成ることを特徴とする呼気分析サービス方法。
【請求項14】
請求項11において、
前記センス結果は前記携帯無線端末の内部にて加工され、加工されたセンス結果を表示することを特徴とする呼気分析サービス方法。
【請求項15】
請求項11において、
前記センス結果は前記携帯無線端末に通信回線を介して接続されたセンタサーバにて加工され、加工されたセンス結果を前記センタサーバから直接的または間接的に受信し、受信した前記加工されたセンス結果を表示することを特徴とする呼気分析サービス方法。
【請求項16】
請求項11において、
前記水素センサは、有機金属化学的気相堆積法を用いて作製された酸化タングステンを水素検知材料として含んで構成されていることを特徴とする呼気分析サービス方法。
【請求項17】
請求項11において、
前記ガスセンサによるセンシングに係るサービスを利用する利用者の認証を行う機能を更に具備して成ることを特徴とする呼気分析サービス方法。
【請求項18】
請求項17において、
前記認証は、前記利用者の発声に伴う声紋に基づいて行われることを特徴とする呼気分析サービス方法。
【請求項19】
請求項17において、
前記認証は、前記利用者のパスワード入力に基づいて行われることを特徴とする呼気分析サービス方法。
【請求項20】
請求項17において、
前記認証は、前記利用者の事前または逐次の認証省略手続きにより省略可能となるよう構成されていることを特徴とする呼気分析サービス方法。
【請求項21】
請求項11において、
前記携帯ヘルスチェック装置は、前記利用者の発声を所定の時刻に催促する構成を含んで成ることを特徴とする呼気分析サービス方法。
【請求項22】
請求項21において、
前記催促する構成は、呼び出し音および振動の少なくとも一方を前記利用者に与える機能を有する構成であることを特徴とする呼気分析サービス方法。
【請求項23】
請求項11において、
前記検知情報の中に緊急性を示す情報が含まれているか否かを判定するステップと、
前記検知情報に緊急性を示す情報が含まれていると判定した場合に、前記検知情報および前記携帯ヘルスチェック装置の所在位置に関する位置情報を含む情報を、予め登録された病院に前記センタサーバから前記通信回線を介して通知するステップと、
前記検知情報および前記携帯ヘルスチェック装置の所在位置に関する位置情報を含む情報を受信した前記予め登録された病院にて前記利用者の担当医を確認させるステップと、
前記担当医に前記検知情報および前記携帯ヘルスチェック装置の所在位置に関する位置情報を確認させるステップと、
前記利用者が向かうべき病院を前記担当医に指定させるステップと、
前記利用者が向かうべき病院の所在地に係る情報を前記携帯ヘルスチェック装置に送信して前記携帯ヘルスチェック装置の画面上に表示させるステップと
を更に具備して成ることを特徴とする呼気分析サービス方法。
【請求項24】
請求項23において、
前記予め登録された病院は、前記利用者が通常通院している病院であることを特徴とする呼気分析サービス方法。
【請求項25】
請求項23において、
前記利用者が向かうべき病院の所在地に係る情報は、少なくとも該病院の住所および地図を含むことを特徴とする呼気分析サービス方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−75447(P2006−75447A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−264801(P2004−264801)
【出願日】平成16年9月13日(2004.9.13)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月13日(2004.9.13)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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