説明

携帯端末、携帯端末の制御方法およびプログラム

【課題】携帯端末の所持者が迷子になった場合などに、所持者自身が携帯端末を操作して迷子状態を解消可能な携帯端末、携帯端末の制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】所定のモードに対応した動作を実行する携帯端末110であって、当該携帯端末110の現在位置を取得する位置取得部212と、所定の地理的な範囲を予め記憶した範囲記憶部224と、現在位置が範囲から外れているか否かを判定する判定部214と、判定部214が、範囲から外れていると判定した場合に、第1モードから当該第1モードよりも動作が限定された第2モードに切り替えるモード切替部216と、を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末の所持者が予め記憶した地理的範囲から外れたかを判定する携帯端末、携帯端末の制御方法およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、PHS(Personal Handy phone System)や携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)やスマートフォン等の様々な携帯端末の高機能化が進み、当該携帯端末の現在位置に依存するサービスも提供されている。昨今は、GPS(Global Positioning System)衛星からの信号を捕捉する機能を搭載するに到り、正確な位置情報を得られるようになってきている。
【0003】
この位置情報を利用して、周辺の店舗検索や、ナビゲーションシステムまでが実現されている。また、子ども向けの携帯端末の中には、GPS機能やPHSの基地局網を活用して、所持している携帯端末の現在位置情報をもとに、かかる端末を所持している子どもの現在位置を取得する技術が知られている。例えば特許文献1には、携帯端末の所持者の移動範囲を予め登録する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2002−99971号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら特許文献1に記載の技術の場合には、所定の移動範囲からの逸脱を、携帯端末自体が自動的にコールセンタ等に通報する。そのため、所定の移動範囲から逸脱して迷子と思われた子どもも、単に移動範囲から誤って一時的に出たにすぎないなど、迷子になったわけではない場合も少なくない。かかる通報の真偽を確認する確認信号に対して、異常なしと応答することは携帯端末の所持者にとって煩雑である。
【0005】
そこで本発明は、このような課題に鑑み、携帯端末の所持者が迷子になった場合などに、所持者自身が携帯端末を操作して迷子状態を解消可能な携帯端末、携帯端末の制御方法およびプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明にかかる携帯端末の代表的な構成は、所定のモードに対応した動作を実行する携帯端末であって、当該携帯端末の現在位置を取得する位置取得部と、所定の地理的な範囲を予め記憶した範囲記憶部と、現在位置が範囲から外れているか否かを判定する判定部と、判定部が、範囲から外れていると判定した場合に、第1モードから当該第1モードよりも動作が限定された第2モードに切り替えるモード切替部とを備えることを特徴とする。
【0007】
上記の構成によれば、当該携帯端末は、携帯端末の所持者が所定の地理的な範囲から離れて迷子になったと判定すると、第2モードに切り替え、当該携帯端末の表示部に第2メニューを表示する機能を有する。また、第2メニューに含まれるコマンドを、操作者が幼児であっても操作可能なものとすれば、携帯端末の所持者である幼児は、自ら携帯端末を操作して迷子状態を解消することが可能である。
【0008】
上記各モードに対応したメニューを表示する表示部と、第1モードであるときに表示部に表示される第1メニューに含まれるコマンド及び、第2モードであるときに表示部に表示される第2メニューに含まれるコマンドを記憶するメニュー記憶部と、を備え、第2メニューに含まれるコマンドの数は、第1メニューに含まれるコマンドの数より少ないとよい。
【0009】
上記の構成によれば、迷子になって、不安な精神状態にある幼児が操作することを想定すると、迷子モードにおいて当該携帯端末の表示部に表示される迷子メニューに含まれる迷子コマンドは、通常メニューの通常コマンドより選択肢が少ないほうが、操作者は迷わずに済み、自ら操作できる可能性が高まるからである。
【0010】
上記第2モードに含まれるコマンドの候補である複数のコマンドを、コマンド一覧として選択可能に提示するコマンド提示部と、コマンド一覧から任意のコマンドを選択するための操作部と、を備え、メニュー記憶部は、操作部によって選択されたコマンドを、第2モードに含まれるコマンドとして記憶するとよい。
【0011】
上記の構成によれば、携帯端末の所持者である幼児の保護者は、操作部を用いて、コマンド一覧から第2メニューに含まれるコマンドを選択し、第2メニューを自ら設定可能である。第2メニューに含まれるコマンドは、幼児であっても操作可能なものとする必要があるため、このように、予め、保護者等が、設定しておくことが望ましい。例えば「○○に電話する」「帰り道を表示する」など、平易な表現で表示されるコマンドを選択することで、幼児が操作可能となる。
【0012】
上記第2メニューに含まれるコマンドは、ワンタッチ式で実行されるコマンドを含むとよい。ワンタッチ式で実行されるコマンドは、緊急時においても少ない手順で確実に操作できるからである。
【0013】
上記モード切替部は、第2モードから第1モードに切り替え可能であり、モード切替部がモードを切り替える際に、報知動作を行う報知部を備え、第1モードから第2モードに切り替える際の報知部による報知動作が、第2モードから第1モードに切り替わる際の報知部による報知動作と異なるとよい。
【0014】
例えば、範囲から外れた場合には音とLED(Light Emitting Diode)で、また所定の範囲に戻った場合には、バイブレーションでというように、異なる動作により携帯端末の所持者に対して、現在位置に関する情報を報知する。このような動作を行うことにより、携帯端末の所持者は、所定の範囲から外れた場合と同範囲に戻った場合とを容易に区別して認識することができる。また、かかる構成によれば、携帯端末の所持者に対して、携帯端末の操作を自ら行わせるまでもなく、所定の範囲に戻るように促す効果も期待できる。
【0015】
上記の課題を解決するために、本発明にかかる携帯端末の制御方法の代表的な構成は、所定のモードに対応した動作を実行する携帯端末の制御方法であって、当該携帯端末の現在位置を取得し、現在位置が所定の地理的な範囲から外れているか否かを判定し、判定部が、範囲から外れていると判定した場合に、第1モードから当該第1モードよりも動作が限定されている第2モードに切り替えることを特徴とする。
【0016】
上述した携帯端末における技術的思想に対応する構成要素やその説明は、当該携帯端末操作方法にも適用可能である。
【0017】
上記の課題を解決するために、本発明にかかるプログラムの代表的な構成は、コンピュータを、携帯端末の現在位置を取得する位置取得部と、所定の地理的な範囲を予め記憶した範囲記憶部と、現在位置が範囲から外れているか否かを判定する判定部と、判定部が範囲から外れていると判定した場合に、携帯端末を動作させる基準となるモードとして、第1モードから当該第1モードよりも動作が限定された第2モードに切り替えるモード切替部として機能させることを特徴とする。
【0018】
上述した携帯端末における技術的思想に対応する構成要素やその説明は、当該プログラムにも適用可能である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、携帯端末の所持者が迷子になった場合などに、所持者自身が携帯端末を操作して迷子状態を解消可能な携帯端末、携帯端末操作方法およびプログラムを提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0021】
(無線通信システム)
図1は本実施形態にかかる携帯端末110が利用する無線通信システム100の概略構成を示す図である。かかる無線通信システム100は、携帯端末110と、基地局120と、インターネットや専用回線等の通信網130と、中継サーバ140とを含んで構成される。
【0022】
上記無線通信システム100では、携帯端末110を利用して他の携帯端末150に電話しようと試みた場合、ユーザは、自己の携帯端末110を操作して、無線通信可能領域にある基地局120と無線通信を確立し、通信網130、中継サーバ140、および、他の携帯端末150の無線通信可能領域にある基地局120を介して、通信相手の有する他の携帯端末150と音声通話を遂行する。
【0023】
(携帯端末110)
図2は携帯端末110の概略的な機能を示した機能ブロック図である。かかる携帯端末110は、制御部210と、記憶部222と、表示部228と、操作部230と、無線通信部232と、GPS取得部233と、音声入力部234と、音声出力部236と、振動部238と、発光部240を備えている。さらに携帯端末110の制御部210は、各機能部位として、位置取得部212と、判定部214と、モード切替部216と、コマンド提示部218と、報知部220とを備えている。また携帯端末の110の記憶部222は、範囲記憶部224と、メニュー記憶部226とを記憶している。
【0024】
制御部210は、中央処理装置(CPU:Center Processing Unit)を含む半導体集積回路(共に図示せず)により携帯端末110全体を管理および制御する。他の機能としては、記憶部222に格納されたプログラムを用いて、通話機能や、メール配信機能、後述するモード切替部216を利用した機能などを実行する。
【0025】
記憶部222は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、EPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、不揮発性RAM、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等で構成される。
【0026】
表示部214は、カラーまたは単色のディスプレイで構成され、通信網130を介してアプリケーションサーバ(図示せず)から提供される、または記憶してある、WebブラウザやアプリケーションのGUI(Graphical User Interface)を表示することができる。
【0027】
操作部230は、キーボード、十字キー、ジョイスティック等のスイッチから構成され、ユーザの操作入力を受け付ける。
【0028】
無線通信部232は、無線通信システム100における基地局120と無線通信を行う。かかる無線通信としては、例えば、基地局120内でフレームを時分割した複数のタイムスロットをそれぞれ携帯端末110のチャネルに割り当てて通信を行うTDMA−TDD方式(TDMA: Time Division Multiple Access:時分割多重方式,TDD:Time Division Duplex:時分割複信)、OFDMA方式(Orthogonal Frequency Division Multiplex Access:直交周波数分割多元接続)等が用いられる。
【0029】
GPS取得部233は、現在位置情報を取得する機能を有する。GPS取得部233は、位置取得部212からの制御により、GPS衛星500からの信号を受信して、当該携帯端末110の経緯度を取得する。かかる経緯度情報は、携帯端末110で現在位置情報として利用する。図2においてGPS衛星500は1つしか図示していないが、GPS取得部233は、一般に3〜5個のGPS衛星500から信号を受け、現在位置の経緯度を絶対値として取得することができる。なお、無線通信部232は、GPS取得部233がGPS信号を捕捉不可能となった際に、現在位置情報を取得する代替手段として基地局120に対して現在位置情報を要求し、これを取得することもできる。
【0030】
音声入力部234は、マイクロフォン等の音声を取り込む際に用いる部材であり、音声出力部236は、スピーカー、圧電ブザーなどの音を発する部材を指す。振動部238は、小刻みな振動を発生させるバイブレーション機能を有する部材である。発光部240は、携帯端末110の各部を発光させる為に具備されており、暗い場所で操作する際に操作部230や表示部を照らし出す働きを有している。
【0031】
音声入力部234、音声出力部236、振動部238および発光部240の使用する事例としては、通話機能やメール機能を使用する際の着信時にそれぞれを同時、または別に用いることができる。
【0032】
(第1モードと第2モードの定義)
図3は、携帯端末110が第1モードである通常モードの場合(図3(a))と第2モードである迷子モードの場合(図3(b))の表示部228を、それぞれ例示する図である。本実施形態では、代表的なモードとして迷子モードおよび通常モードを用いて説明する。
【0033】
図3(a)の表示部228に表示された通常モードとは、通常使用されるモードであり、すべての機能を用いることができる。表示部228は通常モードにおける代表的なメニューである第1メニューを表示した状態であり、かかるメニューを通常メニューと称する。さらに、通常メニューに含まれるコマンドを通常コマンドと称する。
【0034】
表示部228は、すべての機能の大まかな分類を表示した状態を示しているが、本実施形態で示した図は一例にすぎず、異なる形態のメニューを用いることもできる。
【0035】
図3(b)の表示部228に表示された迷子モードとは、通常モードと比べ実行できる機能が制限されたモードである。図3(b)は迷子モードにおける代表的なメニューである第2メニューを表示した状態であり、かかるメニューを迷子メニューと称する。さらに、迷子メニューに含まれるコマンドを迷子コマンドと称する。
【0036】
迷子メニューで迷子コマンドのみを表示する理由は次の通りである。迷子モードが実行されている携帯端末110の所持者(以下単に「所持者」と記載する。)は迷子になって、不安定な精神状態にある幼児であることが想定される。そのため、迷子メニューでは、かかる迷子の幼児であっても操作に迷うことがないよう、極端に少数のコマンドのみを表示している。
【0037】
(ワンタッチ式)
迷子コマンドは、操作者である幼児が確実に操作可能であることも重要である。選択肢が少なくても、難しい表記であったり、操作に何段階ものステップを要したりするコマンドは、迷子コマンドに含めるべきでない。
【0038】
そこで、迷子コマンドは、容易な操作が可能であるワンタッチ式で実行されるコマンドとすることもできる。ワンタッチ式とは、操作の指示を出す際に操作部230に具備されたボタンを一度押すだけで実行される操作の形態を指す。ワンタッチ式とすることにより、所持者は、緊急時であっても、1回あるいはごく少ない手順で、直観的な操作を行うことができる。
【0039】
ワンタッチ式の迷子コマンドは、携帯端末110に具備された操作部230のボタンによって操作してもよいし、表示部228をタッチスクリーン式にすることにより、表示されたメニューを指やスタイラス等で直接選択することとしてもよい。
【0040】
(迷子コマンドの設定)
携帯端末110は、迷子モードで使用する迷子コマンドを任意に設定することが可能である。操作者は、コマンド提示部218によって携帯端末110の表示部228に提示された迷子コマンドの候補の中から、操作部230を使用して、迷子コマンドを選択する。
【0041】
迷子コマンドは、提示された選択可能なコマンド一覧の中から複数選択することが可能である。提示される迷子コマンドの一例として、例えば「○○に電話する」「帰り道を表示する」など、平易な表現で表示されるコマンドを選択することで、幼児が容易に操作することが可能となる。
【0042】
かかる迷子コマンドを選択する際には、操作部230を用いて操作を行う。迷子コマンドは、メニュー記憶部226に記憶する。
【0043】
上記の構成によれば、所持者である幼児の保護者は、操作部230を用いて、好適な迷子コマンドを選択し、迷子メニューを自らの好みや実情にあわせて設定し登録することが可能となる。
【0044】
携帯端末110が迷子モードに切り替えられるのは、携帯端末の所持者が所定の地理的な範囲から外れて迷子になったと判定された場合である。この、所持者が行動を許可されている所定の地理的な範囲(以下、適宜、「所定の範囲」と略称する)も、予め登録可能である。所定の範囲に関する登録は、所持者の保護者等が操作部230またはパソコン(図示せず)などを通じて行う。また、携帯端末110の購入時に予め販売店の店頭などで登録してもよいし、大まかな範囲登録済みの携帯端末を購入して利用してもよい。
【0045】
(迷子モードと通常モードの切り替え)
本実施形態の携帯端末110は、現在位置情報を活用することにより、迷子モードと、その他のモードの1つである通常モードとを切り替えることができる。
【0046】
当該携帯端末110は、現在位置が上記の地理的な範囲から外れているか否かを判定する判定部214を具備している。判定部214は、所持者が行動を許可されている、所定の範囲と現在位置情報とを比較する。判定部214は、所持者が所定の範囲から外れて迷子になったと判定すると、モード切替部216に携帯端末110の所持者が所定の範囲から外れていることを通知する。
【0047】
通知されたモード切替部216は、携帯端末110を通常モードから迷子モードに切り替える。迷子モードになると、携帯端末110の表示部228には、迷子メニューが表示される。
【0048】
さらにモード切替部216は、迷子モードになったあと携帯端末110の所持者が所定の範囲に戻った場合、通常モードへ切り替える。通常モードでは、表示部228のような通常メニューが表示される。
【0049】
(報知部)
携帯端末110は、上記判定部214による判定が、所定の範囲内から外れた場合や、またはその逆となった際に、変更後の判定それぞれに応じた、異なる報知動作を行わせる報知部220をさらに具備している。
【0050】
報知部220は、音声出力部236、振動部238、発光部240などを制御して、携帯端末110の所持者が所定の範囲を外れた場合や、外れた状態から所定の範囲に戻った場合、上記の各部を制御し、適切な報知動作を行う。具体的に一例を挙げれば、所定の範囲から外れた場合には、音声出力部236による音と発光部240によるLEDを用いて報知動作を行う。逆に、所定の範囲に戻った場合には、振動部238によってバイブレーションを発生させ、所持者に対して外れた時と異なる動作により、現在位置に関する情報を報知する。
【0051】
携帯端末は、上記の報知動作を異ならせることにより、携帯端末110の所持者に、現在位置が所定の範囲内か否かを容易に区別して認識させることができる。携帯端末110の所持者は、表示部228等を確認するまでもなく、所定の範囲から外れたことを認識できるため、携帯端末110の所持者に対して、所定の範囲に戻るように促す効果も期待できる。
【0052】
本実施形態で示した具体例は一例にすぎず、報知動作はここで説明したものと異なる動作としてもよく、携帯端末110の所持者の保護者等が、操作部230を用いて任意に設定することが可能である。
【0053】
(迷子モードと通常モードの切り替え方法)
次に、迷子モードと通常モードの切り替え方法について説明する。図4は、迷子モードと通常モードの切り替えに関する動作について説明するフローチャートである。携帯端末110の所持者が予め登録された所定の地理的な範囲内を歩いているとする。携帯端末110は、迷子コマンドがすでに登録されている状態にあるものとする。
【0054】
まず現在位置を位置取得部212がGPS取得部233を通じてGPS衛星500から取得し、現在位置が所定の地理的な範囲から外れているか否かを、判定部214が判定する(S400)。
【0055】
判定の結果外れている場合(S400の“YES”)は、携帯端末110をモード切替部216が迷子モードに切り替え(S402)、迷子メニューを表示部228に表示する(S403)。判定の結果外れていない場合は(S400の“NO”)、所定の時間ごとに現在位置情報の取得と所定の範囲から外れているか否かの判定を行う。
【0056】
報知部220は、迷子モードに切り替わったことを音声出力部236や振動部238などを制御して、携帯端末110の所持者に報知する(S404)。報知の後、位置取得部212は現在位置を取得し、判定部214は、取得された新しい現在位置に基づき所定の範囲から外れているか否かの判定を行う(S406)。
【0057】
判定の結果外れている場合(S406の“NO”)は、表示部228に迷子メニューを表示し続ける。判定の結果外れていない場合は(S406の“YES”)、携帯端末110をモード切替部216が通常モードに切り替え(S408)、通常メニューを表示部228に表示する(S409)。
【0058】
通常モードへの切り替えが完了すると、報知部220は音声出力部236や発光部240等を制御し、携帯端末110の所持者に対して、所定の範囲へ戻ったことを報知する(S410)。このとき、所定の範囲から外れた場合(S404)とは別の手段を用いて報知する。
【0059】
なお、本明細書の迷子モードと通常モードの切り替え方法における各工程は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。
【0060】
(プログラム)
本実施形態にかかるプログラムの代表的な構成は、コンピュータ(図示しない)または携帯端末110を、携帯端末110の現在位置を取得する位置取得部212と、所定の地理的な範囲を予め記憶した記憶部222と、現在位置が所定の範囲から外れているか否かを判定する判定部214と、携帯端末110が迷子モードであるときに当該携帯端末110の表示部228に表示される迷子メニューに含まれる迷子コマンドを記憶するメニュー記憶部226と、判定部214が、現在位置が所定の範囲から外れていると判定した場合に、当該携帯端末110を迷子モードに切り替えるモード切替部216と、して機能させることを特徴とする。
【0061】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、携帯端末の所持者が予め記憶した地理的範囲から外れたかを判定する携帯端末、携帯端末の制御方法およびプログラムに利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本実施形態にかかる携帯端末が利用する無線通信システムの概略構成を示す図である。
【図2】携帯端末の概略的な機能を示した機能ブロック図である。
【図3】携帯端末が通常モードである場合と迷子モードである場合の表示部を、それぞれ例示する図である。
【図4】迷子モードと通常モードの切り替え動作について説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0064】
100 …無線通信システム
110 …携帯端末
120 …基地局
130 …通信網
140 …中継サーバ
150 …他の携帯端末
210 …制御部
212 …位置取得部
214 …判定部
216 …モード切替部
218 …コマンド提示部
220 …報知部
222 …記憶部
224 …範囲記憶部
226 …メニュー記憶部
228 …表示部
230 …操作部
232 …無線通信部
233 …GPS取得部
234 …音声入力部
236 …音声出力部
238 …振動部
240 …発光部
500 …GPS衛星

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のモードに対応した動作を実行する携帯端末であって、
当該携帯端末の現在位置を取得する位置取得部と、
所定の地理的な範囲を予め記憶した範囲記憶部と、
前記現在位置が前記範囲から外れているか否かを判定する判定部と、
前記判定部が、前記範囲から外れていると判定した場合に、第1モードから当該第1モードよりも動作が限定された第2モードに切り替えるモード切替部と、
を備えることを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
各モードに対応したメニューを表示する表示部と、
前記第1モードであるときに前記表示部に表示される第1メニューに含まれるコマンド及び、前記第2モードであるときに前記表示部に表示される第2メニューに含まれるコマンドを記憶するメニュー記憶部と、を備え、
前記第2メニューに含まれるコマンドの数は、前記第1メニューに含まれるコマンドの数より少ないことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記第2モードに含まれるコマンドの候補である複数のコマンドを、コマンド一覧として選択可能に提示するコマンド提示部と、
前記コマンド一覧から任意のコマンドを選択するための操作部と、を備え、
前記メニュー記憶部は、前記操作部によって選択されたコマンドを、前記第2モードに含まれるコマンドとして記憶することを特徴とする請求項2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記第2メニューに含まれるコマンドは、ワンタッチ式で実行されるコマンドを含むことを特徴とする請求項2または3に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記モード切替部は、前記第2モードから前記第1モードに切り替え可能であり、
前記モード切替部がモードを切り替える際に、報知動作を行う報知部を備え、
前記第1モードから前記第2モードに切り替える際の前記報知部による報知動作が、前記第2モードから前記第1モードに切り替わる際の前記報知部による報知動作と異なることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項6】
所定のモードに対応した動作を実行する携帯端末の制御方法であって、
当該携帯端末の現在位置を取得し、
前記現在位置が所定の地理的な範囲から外れているか否かを判定し、
前記判定部が、前記範囲から外れていると判定した場合に、第1モードから当該第1モードよりも動作が限定されている第2モードに切り替えることを特徴とする携帯端末の制御方法。
【請求項7】
コンピュータを、
携帯端末の現在位置を取得する位置取得部と、
所定の地理的な範囲を予め記憶した範囲記憶部と、
前記現在位置が前記範囲から外れているか否かを判定する判定部と、
前記判定部が前記範囲から外れていると判定した場合に、前記携帯端末を動作させる基準となるモードとして、第1モードから当該第1モードよりも動作が限定された第2モードに切り替えるモード切替部と、
して機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2010−154124(P2010−154124A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−328756(P2008−328756)
【出願日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】