説明

携帯電話機の録音サービス装置及び無線情報伝送装置

【課題】 携帯電話機の所持人が会話を録音したいと感じたとき通話の録音サービスを行う携帯電話機の録音サービス装置を提供する。
【解決手段】 携帯電話機10から送信される音声情報を録音すると共に、該録音された音声情報を携帯電話機10の使用者からの要請に応じて再生する録音サービス局30を用いた録音サービス装置において、携帯電話機10の集音した音声情報を録音サービス局30により録音することを指示する録音モード指定手段12と、録音サービス局30に録音された音声情報を携帯電話機10により再生することを指示する再生モード指定手段14とを具備するものである。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話機における録音サービスの提供に関する。更に本発明は、携帯電話機をデジタルカメラや集音マイクの情報伝送機器として用いる情報伝送サービスの提供に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、有線電話では電話機やファクシミリ装置で録音サービスが行われている(例えば、特開平7−273899号公報参照)。このような有線電話用の電話機やファクシミリ装置は、端末が比較的大型であるため録音機や大容量の音声録音用RAMを搭載することが容易である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、携帯電話機では寸法が小型で重量も70g程度と非常に軽量であるため、有線電話用の電話機やファクシミリ装置のような録音機能を端末に持たせることは非常に困難であるという課題があった。他方、色々な人との交渉において、相手に悟られずに証拠として会話の内容又は周囲の状況を録音しておきたい場合もある。そこで、通話を録音したいというニーズに端末単体では対応できないという課題があった。
【0004】本発明は上述する課題を解決するもので、携帯電話機の所持人が会話を録音したいと感じたとき通話の録音サービスを行う携帯電話の録音サービス装置を提供することを目的とする。本発明の他の目的は、従来の有線ケーブルに代えて携帯電話機を無線回線を用いた情報伝送の端末機器として用いる無線情報伝送装置を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求項1に記載の携帯電話の録音サービス装置は、図1に示すように、携帯電話機10から送信される音声情報を録音すると共に、該録音された音声情報を携帯電話機の10使用者からの要請に応じて再生する録音サービス局30を用いた録音サービス装置において、携帯電話機10の集音した音声情報を録音サービス局30により録音することを指示する録音モード指定手段12と、録音サービス局30に録音された音声情報を携帯電話機10により再生することを指示する再生モード指定手段14とを具備することを特徴とするものである。
【0006】このように構成された装置において、録音サービス局30は複数の運営主体が運営しており、例えば大企業の通信設備管理部門が社内向けに運営したり、通信事業者が中小企業向けにボイスメールシステムを運営している。さらに、地域や職域毎に録音サービス局が運営されていても良い。録音モード指定手段12は、携帯電話機10の集音した音声情報を録音サービス局30により録音することを指示するもので、例えば録音サービス局30に対して電話をかける事により行う。再生モード指定手段14は、録音サービス局30に録音された音声情報を携帯電話機10により再生することを指示するもので、例えば既に録音された音声情報を有する録音サービス局30に対して電話をかける事により行う。
【0007】好ましくは、請求項2に記載のように、録音モード指定手段12は、さらに携帯電話機10の集音するマイクロフォンの指向性と感度の調整を可能とする構成とすると、利便性が高まる。また、請求項3に記載のように、録音モード指定手段12は、さらに録音サービス局30が複数存在する場合に、携帯電話機10での通話料金が最も安価となる録音サービス局に回線接続して録音する録音設備選定手段20を備える構成とすると良い。
【0008】上記課題を解決する請求項4に記載の携帯電話の録音サービス装置は、携帯電話機10から送信される音声情報を録音すると共に、該録音された音声情報を該携帯電話機10の使用者からの要請に応じて再生する録音サービス局30を用いた録音サービス装置において、録音された音声情報を文字情報に変換する手段32と、該文字情報を前記携帯電話機の使用者からの要請に応じて返信する手段34とを具備することを特徴としている。好ましくは、請求項5に記載のように、携帯電話機10による録音サービス局30から返信された文字情報の受信は、フィクシミリ受信モード、電子メールモード、又はWebページ閲覧モードである構成とすると、汎用性が高まる。
【0009】上記課題を解決する請求項6に記載の無線情報伝送装置は、画像や音声等の情報を所定のデータ形式に変換する手段40と、データ変換手段40で変換された情報を予め定められた伝送場所50に送信する携帯電話機10とを具備し、伝送場所50で情報利用者は携帯電話機10より送信された情報を記録・保持する構成としている。好ましくは、請求項7に記載のように、データ変換手段に入力される情報はデジタルカメラ又は集音マイクから提供される構成とすると良い。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態を説明する構成ブロック図である。図において、携帯電話機10は移動体通信によって通話を行うもので、例えば地上通信設備ではPDC、GSM、IS−54、PHS、W−CDMA、Bluetooth、静止通信衛星、低軌道周回衛星等がある。録音モード指定手段12は、携帯電話機10の集音した音声情報を録音サービス局30により録音することを指示するもので、例えば録音サービス局30に対して電話をかける事により行う。録音モード指定手段12は、携帯電話機10の集音するマイクロフォンの指向性と感度の調整を可能とすることで、最適な録音レベルが得られるように運用できる。再生モード指定手段14は、録音サービス局30に録音された音声情報を携帯電話機10により再生することを指示するもので、例えば既に録音された音声情報を有する録音サービス局30に対して電話をかける事により行う。
【0011】録音設備選定手段20は、録音サービス局30が複数存在する場合に、携帯電話機10での通話料金が最も安価となる録音サービス局に回線接続して録音するものである。録音設備選定手段20は、LSI化されて携帯電話機10に組み込まれていても良く、また外付けオプションや副基地局に設けられていても良い。録音サービス局30は複数の運営主体が運営しており、例えば大企業の通信設備管理部門が社内向けに運営したり、通信事業者が中小企業向けにボイスメールシステムを運営している。さらに、地域や職域毎に録音サービス局が運営されていても良い。録音サービス局30の録音はディジタル録音でも良く、またアナログ録音でも良い。
【0012】このように構成された装置の動作を次に説明する。携帯電話機10の所持人は、会話をしていて録音したいと感じたとする。すると、所持人は録音モード指定手段12により録音開始を指示する。好ましくは、録音するときに、記録データコードと共に所定番号にアクセスする。ここで、記録データコードは記録データが複数ある場合にデータを識別するIDである。すると、録音設備選定手段20により最適な録音サービス局30が選定される。そして、携帯電話機10と録音サービス局30との回線接続が完了すると、録音が開始される。携帯電話機10を切るなどの終了操作が行われるまで、集音した情報の録音は継続される。
【0013】後日、携帯電話機10の所持人は、録音された会話を再生しようとする。この場合、再生モード指定手段14により、録音設備選定手段20に選定される録音サービス局30に電話をかける。録音サービス局30は録音された音声情報のうち、電話をかけてきた携帯電話機10の電話番号にかかる音声情報を再生する。もし複数の音声情報があるときは、自動音声応答装置等を用いて再生する音声情報の選択を行うと良い。
【0014】続いて、録音サービス局が音声情報を文字情報として記録している第2の実施例を説明する。図1の装置において、録音サービス局30は、文字情報変換手段32と文字情報返信手段34を有している。文字情報変換手段32は、録音された音声情報を文字情報に変換するもので、例えば音声認識システムを用いて録音した音声を標準フォーマットとしてコード化する。文字情報返信手段34は、文字情報変換手段32で変換した文字情報を携帯電話機10の使用者からの要請に応じて返信する。文字情報返信手段34は、インターネットの通信規格であるHTTP、TLS−SSL、TCP/IP、UDP/IPを用いても良く、またWAP(Wireless Access Protocol)の通信規格であるWSP、WTLS、WDP、UDP/IPを用いても良い。
【0015】図2は、文字情報返信手段から返信される文字情報の受信の説明図である。PC(パーソナルコンピュータ)又は携帯電話機10は、フィクシミリ受信モード、電子メールモード、又はWebページ閲覧モードの何れかで、文字情報返信手段34から返信された文字情報を受信する。Webページは、インターネットであればHTMLやJavaで記載されていれば良く、またWAPであればWMLで記載されていれば良い。PCで文字情報を受信すれば、文書として印刷することができる。
【0016】図3は本発明の第3の実施の形態を説明する構成ブロック図である。図において、データ変換器40は、デジタルカメラ42で撮影した画像情報を携帯電話機10の送信できるデータ形式に変換するもので、例えばインターネットであれば静止画像用のGIF形式を用いる。伝送場所50は、携帯電話機10から送信された画像情報を記録するもので、例えばインターネットであればサーバーとなる。伝送場所50では、第三者が擬似的にリアルタイムでデジタルカメラ42で撮影した画像情報を確認記録保持することができる。
【0017】図4は本発明の第4の実施の形態を説明する構成ブロック図である。図において、データ変換器40は、集音マイク44で集音した音響情報を携帯電話機10の送信できるデータ形式に変換するもので、例えばインターネットであればPCM録音用のWAV形式を用いる。伝送場所50は、携帯電話機10から送信された音響情報を記録するもので、例えばインターネットであればサーバーとなる。伝送場所50では、第三者が擬似的にリアルタイムで集音マイク44で集音した音響情報を確認記録保持することができる。
【0018】尚、上記実施例においてはデータ変換器40に接続される情報機器としてデジタルカメラ42や集音マイク44の場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、温度圧力・流量などの物理量情報でもよく、また自動販売機における販売個数などの経営情報でも良い。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の携帯電話機の録音サービス装置によれば、携帯電話機から送信される音声情報を録音すると共に、該録音された音声情報を携帯電話機の使用者からの要請に応じて再生する録音サービス局を用いた録音サービス装置において、携帯電話機の集音した音声情報を録音サービス局により録音することを指示する録音モード指定手段と、録音サービス局に録音された音声情報を携帯電話機により再生することを指示する再生モード指定手段とを具備する構成としたので、携帯電話機の所持人が会話を録音したいと感じたとき通話の録音サービスを利用することが簡便に行える。
【0020】また、本発明の無線情報伝送装置は、画像や音声等の情報を所定のデータ形式に変換する手段と、データ変換手段で変換された情報を予め定められた伝送場所に送信する携帯電話機とを具備し、伝送場所で情報利用者は携帯電話機より送信された情報を記録・保持する構成としたので、従来の有線ケーブルに代えて携帯電話機を無線回線を用いた情報伝送の端末機器として用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態を説明する構成ブロック図である。
【図2】 文字情報返信手段から返信される文字情報の受信の説明図である。
【図3】 本発明の第3の実施の形態を説明する構成ブロック図である。
【図4】 本発明の第4の実施の形態を説明する構成ブロック図である。
【符号の説明】
10 携帯電話機
12 録音モード指定手段
14 再生モード指定手段
20 録音設備選定手段
30 録音サービス局
32 文字情報変換手段
34 文字情報返信手段
40 データ変換手段
50 伝送場所

【特許請求の範囲】
【請求項1】 携帯電話機から送信される音声情報を録音すると共に、該録音された音声情報を該携帯電話機の使用者からの要請に応じて再生する録音サービス局を用いた録音サービス装置において、前記携帯電話機の集音した音声情報を前記録音サービス局により録音することを指示する録音モード指定手段と、前記録音サービス局に録音された音声情報を前記携帯電話機により再生することを指示する再生モード指定手段と、を具備することを特徴とする携帯電話機の録音サービス装置。
【請求項2】 前記録音モード指定手段は、さらに前記携帯電話機の集音するマイクロフォンの指向性と感度の調整を可能とすることを特徴とする請求項1に記載の携帯電話機の録音サービス装置。
【請求項3】 前記録音モード指定手段は、さらに前記録音サービス局が複数存在する場合に、前記携帯電話機での通話料金が最も安価となる録音サービス局に回線接続して録音する録音設備選定手段を有することを特徴とする請求項1に記載の携帯電話機の録音サービス装置。
【請求項4】 携帯電話機から送信される音声情報を録音すると共に、該録音された音声情報を該携帯電話機の使用者からの要請に応じて再生する録音サービス局を用いた録音サービス装置において、前記録音された音声情報を文字情報に変換する手段と、該文字情報を前記携帯電話機の使用者からの要請に応じて返信する手段と、を具備することを特徴とする携帯電話機の録音サービス装置。
【請求項5】 前記携帯電話機による前記録音サービス局から返信された文字情報の受信は、フィクシミリ受信モード、電子メールモード、又はWebページ閲覧モードであることを特徴とする請求項4に記載の携帯電話機の録音サービス装置。
【請求項6】 画像や音声等の情報を所定のデータ形式に変換する手段と、該データ変換手段で変換された情報を予め定められた伝送場所に送信する携帯電話機とを具備し、前記伝送場所で情報利用者は前記携帯電話機より送信された情報を記録・保持することを特徴とする無線情報伝送装置。
【請求項7】 前記データ変換手段に入力される情報はデジタルカメラ又は集音マイクから提供されることを特徴とする請求項6に記載の無線情報伝送装置。

【図2】
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【図1】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2001−177653(P2001−177653A)
【公開日】平成13年6月29日(2001.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−361961
【出願日】平成11年12月20日(1999.12.20)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】