説明

撮像装置、撮像方法及びプログラム

【課題】ストロボ光を発光する撮像装置で、被写体を適切な露光量で撮影すること。
【解決手段】メイン制御部10は、被写体周辺のシーンを判断するシーン判断部41と、被写体の顔を検出する顔検出部42と、ブレ検出部から受け取るブレ情報を基に、筐体の静止状態を判断する静止判断部43と、被写体の明るさを示すLV値を検出するLV値検出部46と、LV値検出部46が検出したLV値と所定の閾値を比較して、露出条件を仮定する露出条件仮定部45と、シーン判断部41が判断したシーンと、顔検出部42が検出した被写体の顔と、静止判断部43が判断した静止状態と、に基づいて、仮定した露出条件が適正であるか否かを判定する露出判定部44と、検出したLV値に基づいて、判定した露出条件に対応するプログラム線図47に変更して、露出条件を決定する露出条件決定部48と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば被写体を撮像して生成する画像ファイルを記録媒体に記録するデジタルスチルカメラに適用して好適な撮像装置、撮像方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルスチルカメラにより被写体を低照度または逆光の環境下で撮像する場合、ストロボを発光させ、その光で被写体を照らすことで、暗く沈んだ被写体を明るく撮像することができる。ストロボの発光時における、適正露光は、ストロボのガイドナンバ(GNo)、絞り(FNo)、被写体までの距離(m)により規定される。ISO(International Organization for Standardization)100相当の感度が得られるデジタルスチルカメラを用いた場合、適正露光は以下の式で定義される。
GNo=FNo×(被写体までの距離)
【0003】
例えば、GNo5のストロボを用いて、2m離れた被写体を撮影するとき、絞りをF2.5に設定すれば、適正露光が得られる。
【0004】
一般的に夜景や室内などの暗い場面の撮影時において、シャッタスピードが遅くなるため手ブレが起きやすく撮影をミスする確率が高くなる。一般に手ブレ防止の目安として撮影レンズの焦点距離分の1秒より速いシャッタスピードにしたほうが手ブレに起因する撮影ミスは生じにくいといわれている。このため、露出モードのプログラム線図の立ち上がりシャッタスピードを、撮影レンズの焦点距離分の1秒にする技術が知られている。
【0005】
特許文献1には、焦点距離fに対して、立ち上がりシャッタスピードTv=log2fで算出する場合に、ビット演算で近似する技術についての記載がある。
【特許文献1】特開平1−271732号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ストロボ撮影時には、次のような課題があった。例えば、夜景などの背景が暗い環境下での撮影時において、手ブレ防止可能な比較的高速のシャッタスピードでストロボ撮影を行うと、主被写体はストロボ光で適正露光に保たれるが、背景は露光不足で暗くなるため、撮影者の見た目とは異なる写真になってしまう。この課題を解決するためにシャッタスピードを低速にして背景の露光を適正にするスローシンクロと称される技術が用いられている。
【0007】
しかしながら、夜景等の背景が暗い環境下でストロボ撮影を行う場合、シャッタスピードが低速になるため三脚等を用いて手ブレを防止しなければならない。しかし、三脚を携帯することは、小型形状の携帯性が優れるカメラを使用するユーザにとって煩雑となってしまう。
【0008】
また、夜景と人物像を同時に撮影する場合、主被写体としての人物像がストロボ光の適正距離に位置していなければ、撮影した画像は明るすぎたり、暗すぎたりしてしまう。また、背景としての夜景も適切な露光量が得られず暗い画像となってしまう。また、撮影者がストロボ発光を設定していたとしても、ストロボ照射が意味をなさない夜景等の撮影を行うと無駄にストロボ発光することで不要な電力を消費してしまう。
【0009】
また、シャッタスピードを速くするだけだと、手ブレは起きにくいが、夜景などの暗い場面では背景が綺麗に撮影できなくなってしまう。最近ではAGC(Automatic Gain Control)処理の増幅利得(以下、ゲインと呼ぶ)を上げて高感度撮影することで背景も撮影できる技術が主流になっている。しかし、ゲインを上げるとノイズが多くなるため、夜景のような暗部シーンの全てには対応できないという課題があった。
【0010】
本発明はこのような状況に鑑みて成されたものであり、被写体を適切な露光量で撮影することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、光学系を介して結像した像光を撮像して撮像信号として出力するとともに、像光として得られる被写体側を発光部で照明し、撮像信号の取り込みタイミングに基づいて、像光の露光光量を制御し、被写体方向からの受光光量を検出し、装置の筐体に生じるブレを検出したブレ情報を出力し、発光部の非発光状態での光量を第1の輝度評価値として検出し、発光部より第1の光量のプリ発光を行ない、被写体から反射した反射光量を第2の輝度評価値として検出し、第1及び第2の輝度評価値がほぼ等しい場合、発光部の発光を禁止し、第1及び第2の輝度評価値が異なり、プリ発光の第1の光量が到達する距離に被写体がいる場合、被写体が適正露光になる第2の光量を本発光量とし、第1及び第2の輝度評価値が異なり、プリ発光の第1の光量が到達する距離に被写体がいない場合、光量を最大に調節した第3の光量を本発光量とするプリ調光による被写体判断を行い、それぞれの発光量で撮像を行う。この場合に、被写体周辺の光量が不足している場合に、被写体周辺を暗部シーンとして判断し、被写体の顔を検出し、装置の筐体に生じるブレを検出したブレ情報を基に、筐体が静止している状態を静止状態として判断し、被写体の明るさを示す値を検出し、被写体の明るさを示す値と所定の閾値を比較して、露出条件を仮定し、判断した暗部シーンと、検出した被写体の顔と、判断した静止状態と、に基づいて、仮定した露出条件が適正であるか否かを判定し、被写体の明るさを示す値に基づいて、判定した露出条件に対応するプログラム線図に変更して、露出条件を決定するようにしている。
【0012】
このようにしたことで、発光していない状態での受光量と、プリ発光での受光量に基づいて被写体の有無を判断して、その判断に基づいて適切な露光量で撮影を行う場合に、被写体周辺のシーンと、顔と、装置の筐体の静止状態に基づいて、露出条件を決定することが可能となった。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、発光していない状態での受光量と、プリ発光での受光量に基づいて被写体の有無を判断して、その判断に基づいて適切な露光量で撮影を行う場合に、被写体周辺のシーンと、被写体の顔と、装置の筐体の静止状態に基づいて、露出条件を決定することが可能である。このため、ユーザが撮像を行う場合に、複雑な設定を行うことなく、撮像装置の静止判断を行うことによって夜景や室内などの光量が不足する暗い場面であっても、適切な露出条件で露光光量を制御して、撮影を行うことが可能となるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の一実施の形態を、添付図面を参照して説明する。本実施の形態では、撮影した画像データを内蔵された記録媒体又は取り外し可能な外部記録媒体に記録(記憶)する、デジタルスチルカメラに適用した例としてある。
【0015】
まず、本例のデジタルスチルカメラの内部構成例について説明する。図1は、本例のデジタルスチルカメラ100の内部構成例を示したブロック図である。デジタルスチルカメラ100は、複数のレンズなどの光学系部品で構成されるレンズ部1を備え、レンズ部1を介して入射した像光をCCD(Charge Coupled Device)撮像素子4の撮像面に結像させる構成としてある。CCD撮像素子4は、後述するプリ発光等の外光を測定する光量検出部としての機能も有している。CCD撮像素子4が出力する撮像信号の取り込みタイミングは、撮像指示部としてのシャッタ操作部20によって指示される。
【0016】
レンズ部1は、絞り量の制御を行うアイリス機構2と、シャッタ制御を行うシャッタ機構3とを備える。アイリス機構2は、各部を制御するメイン制御部10から供給される制御信号によりレンズ部1を介して入射する光を透過させる開口の大きさを制御する。シャッタ機構3は、シャッタ操作部20の押下操作に応じて、メイン制御部10から供給される制御信号により駆動されることによって、レンズ部1を介して入射する光が透過する時間(露光時間)を制御する露光光量制御部としての機能を有する。こうして、アイリス機構2とシャッタ機構3は、露光光量を制御する。そして、CCD撮像素子4は、撮像面に結像された被写体像に応じた撮像出力信号を得ることができる。
【0017】
また、レンズ部1は、図示しないズーム制御機構部と、フォーカス制御機構部、手ブレ制御機構部とを含む。メイン制御部10からの制御信号は、レンズ制御部8を介してレンズ部1のズーム制御機構部とフォーカス制御機構部に供給されて、ズームとフォーカスが駆動制御される。本例のデジタルスチルカメラ100は、図示しない電源部より供給を受け、電源が入っている間は常にループ制御している。そして、明るさが変わったときにアイリス機構2とシャッタ機構3を変化させ、適正露出としている。
【0018】
また、撮影者がデジタルスチルカメラ100を手持ちした場合に生じる手ブレを検出するブレ検出部13は、メイン制御部10にカメラのブレに関するブレ情報を供給する。ブレ情報は、デジタルスチルカメラ100の筐体に対するピッチ(Pitch:縦ゆれ)、ヨー(Yaw:横ゆれ)方向に生じる角速度を、電圧値で表した値を含む。ブレ情報に含まれる電圧値は、メイン制御部10が備える図示しない手ブレ補正演算部で、対応する数値に換算される。そして、メイン制御部10は、ブレ情報から換算されるデジタルスチルカメラ100のブレ量、現在の補正光学系の位置情報に基づいて、補正光学系が移動すべき位置を決定する。補正光学系とは、手ブレを相殺するようにレンズ部1のブレを補正する手ブレ補正機構を備える系である。レンズ制御部8は、手ブレ補正機構を駆動制御することによって、デジタルスチルカメラ100に生じる手ブレを補正制御できる。
【0019】
アナログ処理を行うアナログ信号処理回路5は、サンプリング処理(S/H)や増幅処理(AGC)等の処理を行い、CCD撮像素子4から供給された撮像出力信号に所定のアナログ処理を施して画像信号を出力する。そして、アナログ信号処理回路5から出力された画像信号は、アナログ/デジタル変換回路6に供給される。アナログ/デジタル変換回路6は、アナログ信号処理回路5から供給されたアナログの画像信号を所定のサンプリングレートでサンプリングして、デジタルの画像信号に変換する。アナログ/デジタル変換回路6から出力されたデジタル画像信号は、デジタル処理を行うデジタル信号処理回路7に供給される。
【0020】
デジタル信号処理回路7は、アナログ/デジタル変換回路6から供給されたデジタル画像信号から、フレーミング、静止画像撮像、オートフォーカス、測光等に必要となる各種信号を生成する。例えば、フレーミング時には、入力画像信号から表示画像信号を生成し、画像を表示する表示部15に供給する。表示部15は、画像以外にも所定のガイダンスメッセージやアイコンを表示する。
【0021】
静止画像の撮像時には、デジタル信号処理回路7は、入力画像信号から1枚の静止画像信号を生成し、この静止画像に圧縮等の処理を施した後、取り外し可能な記録媒体16に保存する。記録媒体16は、メモリカードや、デジタルスチルカメラ100に内蔵したHDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等であってもよい。
【0022】
オートフォーカス時には、デジタル信号処理回路7は、入力画像信号から、画面内の所定領域の高周波数成分を検出し、その高周波数成分のレベルを示すパラメータを生成し、メイン制御部10へ供給する。また、測光時には、入力画像信号から、画面内の所定領域の光量成分(AE(Auto Exposure)信号と称する)を検出し、その光量レベルを示すパラメータを生成し、メイン制御部10へ供給する。
【0023】
撮影者により操作されるモーメンタリ型の押圧スイッチであるシャッタ操作部20は、複数の押圧状態を区別してスイッチングする機能を有する。例えば、シャッタ操作部20は、スイッチを全く押さない状態(オフ)と、スイッチを押し切った状態(深押し)と、スイッチを半分程度まで押した状態(半押し)の3つの状態を区別してスイッチングする。深押し状態は、画像を取り込むシャッタタイミング(撮像タイミング)を指示する状態であり、半押し状態は、画像の取り込み準備を指示する状態である。シャッタ操作部20の3つの押圧状態(オフ、半押し、深押し)は、メイン制御部10が判断する。
【0024】
所定のタイミング信号を生成するタイミング信号生成回路9は、CCD撮像素子4が1画面毎の画像信号の蓄積と読み出しに必要とする各種の駆動パルスを発生する。タイミング信号生成回路9から発生された各種パルスは、CCD撮像素子4に供給され、画像信号の撮像処理や出力処理のタイミング信号として用いられる。
【0025】
デジタルスチルカメラ100内の各部を制御するメイン制御部10は、マイクロコンピュータを備え、図示しないCPU(Central Processing Unit)、プログラムROM(Read Only Memory)、ワークエリア用RAM(Random Access Memory)と各種I/Oポート、インタフェースを有している。メイン制御部10は、露光量計算、レンズズームの制御、ストロボ発光制御、キャプチャイメージの記憶、リサイズ等の画像処理等の各種処理を行う。メイン制御部10には、レンズ部1のズーム機構やフォーカス機構を駆動制御するレンズ制御部8が接続される。
【0026】
また、メイン制御部10には、必要なストロボ光量を得られるまで充電し、発光制御を行う充電・発光回路制御部11を介して、像光として得られる被写体側にストロボ光を照明する発光部12が接続される。また、メイン制御部10には、ユーザが各種の操作入力を行うためのメニューキー、操作カーソル等を備えた操作入力部14と、例えばLCD(Liquid Crystal Display)パネルを備える表示部15と、記録媒体16と、例えば、USB(Universal Serial Bus)規格に準拠した入出力端子を備える外部インタフェース17と、電気的に書き換え可能なEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)18と、生成されたデータ等を一時保存するRAM(Random Access Memory)19が接続されている。
【0027】
発光部12は、例えば筐体の前面部や上部に取り付けられ、撮像対象となる被写体に対してストロボ光を照射するように設けられる。すなわち、発光部12は、レンズの光軸方向であって、レンズから前方に向かう方向に光を照射するように設けられている。そして、発光部12は、例えばキセノンランプのような放電器具であり、強い光を一瞬だけ発光し、強い閃光を被写体に照射することができる。発光部12の充電、発光を制御する充電・発光制御部11により発光部12は駆動され、その発光タイミングがメイン制御部10により制御される。また、被写体を撮像する本発光の前に、所定の発光量で発光部12をプリ発光させることもできる。プリ発光での測光データより、メイン制御部10は、CCD撮像素子4から撮像画面全体の輝度レベルを検出する。そして、メイン制御部10は、適正露光が得られる目標輝度レベルと比較して、発光部12の本発光としての発光量を決定する。
【0028】
図2は、メイン制御部10がEEPROM18に記録されているプログラムを実行して実現する機能ブロックのうち、特に露出条件の決定に関する機能ブロックの構成例を示している。ただし、図2に示す機能ブロックをハードウェアによって構成してもよい。
【0029】
メイン制御部10は、夜景や屋外などのシーンを判断するシーン判断部41と、被写体の顔を検出する顔検出部42と、デジタルスチルカメラ100が静止している状態を静止状態として判断する静止判断部43と、を備えており、各部は独立して制御される。さらに、メイン制御部10は、被写体や被写体周辺の明るさを示す値としてLV値を検出するLV値検出部46と、LV値検出部46が検出したLV値に基づいて露出条件を仮定する露出条件仮定部45と、仮定された露出条件が適正か否かを判定する露出判定部44と、複数種類のプログラム線図を含むプログラム線図47と、適切なプログラム線図に変更し、露出条件を決定する露出条件決定部48と、を備える。
【0030】
シーン判断部41は、例えば、EV(Exposure Value)情報、輝度情報、色情報、ヒストグラム、距離情報などによって夜景や屋外などのシーンを判断する制御部である。シーン判断部41は、被写体周辺の光量が不足している場合(例えば、EV情報が6EV以下の場合)に、被写体周辺を暗部シーンとして判断する。
顔検出部42は、例えば、画角内において顔の照合パターンによるマッチング処理等を行うことによって被写体の顔を検出する。
【0031】
静止判断部43は、ブレ情報に含まれるブレ検出部13からの出力と、静止時の出力を比較し、その偏差量と時間を基準としてデジタルスチルカメラ100の静止状態を判断する。
LV値検出部46は、デジタル信号処理回路7から受け取るAE信号に基づいて、被写体の明るさを示すLV値を検出する。
【0032】
露出条件仮定部45は、LV値検出から受け取るLV値と所定の閾値を比較し、その差に応じて露出条件を仮定する。例えば、検出されたLV値が所定の閾値よりも小さい場合、露出が不足しているので、シャッタスピードを遅くしたり、絞り量を小さくしたり、AGC処理のゲインを大きくしたりするように露出条件を仮定する。反対に、検出されたLV値が所定の閾値以上である場合、露出が過多であるので、シャッタスピードを速くしたり、絞り量を大きくしたり、AGC処理のゲインを小さくしたりするように露出条件を仮定する。仮定した露出条件のうち、絞り量を基準絞り量Ie、シャッタスピードを基準シャッタスピードTe、ゲインを基準ゲインGeとする。
【0033】
露出判定部44は、シーン判断部41が判断した暗部シーンと、顔検出部42が検出した被写体の顔と、静止判断部43が判断した静止状態と、に基づいて、露出条件仮定部45が露出条件として仮定した、基準絞り量Ie、基準シャッタスピードTe、基準ゲインGeが適正であるか否かを判定する。
【0034】
露出条件決定部48は、ユーザが指定した撮影モードに対応するプログラム線図47を、露出判定部44が判定した露出条件に対応するプログラム線図に変更し、検出されたLV値に基づいて露出条件を決定する。設定可能な撮影モード毎に対応するプログラム線図47は、例えばEEPROM18に保持されている。
【0035】
次に、背景が暗い夜景などのシーンにおける静止画撮影において、プリ発光、本発光のストロボ光を発光するストロボ発光モードを使用した場合に、自動で適正露光とするためにメイン制御部10が行う露光制御処理について、図3を参照して説明する。図3は、例えば夜景と人物を同時に撮影するモードである場合に、露光補正を行う処理のフローチャートである。本例では、撮影状況に応じてストロボの発光を許可するストロボ発光モードと、ストロボの発光を禁止するストロボ発光禁止モードと、被写体の有無によりストロボの発光を自動的に許可、禁止させるモードを切り替え設定可能である。
【0036】
まず、撮影時にストロボ発光モードを選択すると、手ブレ防止可能なシャッタスピードである(1/焦点距離)T1秒にシャッタスピードが設定される(ステップS1)。
【0037】
メイン制御部10は、発光量が固定のプリ発光量Pによるプリ発光状態で得られる輝度評価値YSを検出し、適正露光が得られる目標輝度レベルYTと比較する。つまり、輝度評価値YS,目標輝度レベルYT,プリ発光量Pより本発光時の発光量Qを決定することを特徴とするプリ発光調光方式を用いる。本発光時の発光量Qは次式で求めることができる。
Q=P×√(YT/YS)
Q:本発光時の発光量
P:固定のプリ発光量
YS:プリ発光状態で得られる輝度評価値
YT:適正露光が得られる目標輝度レベル
【0038】
測光においては、基準の明るさに対して露光を決める必要がある。そのため、AE信号に基づいて明るさを示すLV値を計算する(ステップS2)。そして、このLV値を基準閾値と比較し(ステップS3)、このLV値が基準閾値以上の場合は露光補正量1の処理を選択する(ステップS4)。これは光量が多すぎる場合は絞り量を大きく、シャッタスピード量を速く、もしくは画像信号を下げるAGC処理である。
【0039】
また、このLV値が基準閾値よりも小さい場合は露光補正量2の処理を選択する(ステップS5)。これは光量が少なすぎる場合は絞り量を小さく、シャッタスピード量を遅く、もしくは画像信号を上げるAGC処理である。また、これらの露光補正量は三種類以上備えられていても良いし、露光補正量を備えることなく個々のLV値等に応じて補正演算するような構成であっても良い。
【0040】
次に、夜景などの背景における露光量が適正に保たれ、ユーザによってシャッタボタン20が半押しされると(ステップS6)、適正露光量を確定し、ゲイン量G1を算出する(ステップS7)。本例のシャッタボタン20は、半押し、深押しの2つの押下状態を持つ。また、メイン制御部10が確定する適正露光量には、絞り量F1、シャッタスピードT1、ゲイン量G1等の値が含まれる。シャッタボタン20を半押しされていない場合、再度ステップS2の処理に戻り、LV値の計算を行う。
【0041】
次に、ユーザによってシャッタボタン20が「深押し」されると、撮影シーケンスに入る(ステップS8)。シャッタボタン20が「深押し」されていない場合、再度ステップS7の処理に戻り、適正露光量を確定する。
【0042】
ステップS8でシャッタボタン20が「深押し」された場合、発光量を固定したプリ発光を行う(ステップS9)。そして、メイン制御部10は、プリ発光によって、画角内に主被写体がいるかいないかを判断する(ステップS10)。ここで、主被写体とは、例えば「夜景+人物モード」における人物像を指す。ステップS10における、主被写体がいるかいないかの判断処理は、メイン制御部10が非発光状態で得られる輝度評価値Y0と、プリ発光状態で得られる輝度評価値YSを比較することで行われる。そして、Y0=YSならば主被写体がいないと判断できる。この結果は、プリ発光を行っても、人物からの反射光が得られないことを示しており、画角内に主被写体がいないことを意味する。
【0043】
通常、ストロボ発光モードをユーザが選択した時には主被写体がいることが前提ではあるが、必ずしも主被写体がいるとは限らない。例えば、間違ってストロボ発光モードを選択していた場合に、ユーザは夜景の背景のみを撮影したいにもかかわらずストロボ発光することにより、ユーザが予想していた画像と違う画像が撮影されてしまう。このような誤操作を防ぐために、メイン制御部10は、輝度評価値Y0と、輝度評価値YSの比較を行う。このため、強制的にプリ発光、本発光を行ってストロボ光を発光するストロボ発光モードに対して、プリ発光で主被写体から得られる反射光量をCCD撮像素子4で検出し、主被写体の有無を検出し、主被写体がいないと判断した場合、本発光を禁止するモードに設定しておく。
【0044】
ステップS10で、主被写体がいないと判断した場合、本発光を止めて露光を開始し、本発光禁止フラグF1=1と設定する(ステップS17)。本発光禁止フラグF1は、ストロボ光の本発光を制御する2値フラグであり、本発光禁止フラグF1=0であれば、本発光を行う。一方、本発光禁止フラグF1=1であれば、本発光を行わない。また、本発光禁止フラグF1は、メイン制御部10のワークエリアに格納されており、随時書き替えられる。
【0045】
こうして主被写体がいないシーンで撮影された画像は、背景のみ適正に露光された画像として得ることができる。また、このような誤発光を防ぐことによって、発光部12が無駄に発光することがなくなり、消費電力を抑えることができる。
【0046】
一方、ステップS10で、主被写体がいると判断した場合、主被写体がいる位置にストロボ光が達するか否かを輝度レベルで判断する(ステップS11)。主被写体がいる位置にストロボ光が達すると判断した場合、メイン制御部10がストロボ光の発光量Qを調節する(ステップS12)ことで、適正露光の画像が得られる。この場合の最終露光量は、絞り量F1、シャッタスピードT1、ゲイン量G1のままで確定する(ステップS13)。
【0047】
ステップS11で、主被写体がいる位置にストロボ光が達しないと判断した場合、光量が足りないため、そのまま撮影したのでは主被写体が暗くなってしまう。そこで、ストロボ光の発光量Qを最大に設定して、主被写体が適正露光になるようにストロボ光が達する位置までのゲイン量G2をメイン制御部10が計算する(ステップS18)。このようにして主被写体の撮影画像が暗くなってしまう問題を防ぐ。
【0048】
そして、計算されたゲイン量G2と、背景におけるゲイン量G1の差分ゲイン量G2−G1を元にして、更にシャッタスピード量を高速にしたシャッタスピードT2を決定する(ステップS19)。この場合は絞り量F1、シャッタスピードT2、ゲイン量G2で最終露光量が確定する(ステップS13)。
【0049】
ステップS13で最終露光量が確定すると、露光を開始し、本発光禁止フラグF1=0に設定し(ステップS14)、ストロボ光を本発光させ(ステップS15)、露光を終了する(ステップS16)。
【0050】
本例のデジタルスチルカメラ100は、露光を制御する処理に加えて、ユーザに適切な撮影を提示するガイダンス機能を有している。ガイダンス機能の自動判断のため、ステップS14における露光では本発光を行うので、本発光禁止フラグF1=0にする。一方、ステップS17における露光では本発光を禁止するので本発光禁止フラグF1=1とする。
【0051】
そして、ステップS17で本発光を止めて露光を開始した場合、所定時間後、露光を終了する(ステップS16)。このようにして被写体と背景のバランスをとり適正露光の画像を得ることができる。
【0052】
ここで、例えばガイドナンバ10のストロボ光を用いた場合、被写体に対して3mの距離が推奨距離であるならば、被写体が3m以内の距離に位置すればハードウェアで背景と被写体を共に調光することが可能である。一方、被写体が3mより遠くに位置する場合、デジタルスチルカメラ100は調光プログラム等のソフトウェアでゲイン量を向上させて推奨距離を延長する。ところで、ゲイン量が上がると背景のノイズも上がるため、シャッタスピードを速めることでノイズを抑制する。こうして、被写体と背景を共にバランスよく撮影することができる。
【0053】
具体的な数値を用いて説明すると、手ブレ防止可能なシャッタスピードT1として、例えばレンズの焦点距離が38mmであれば、シャッタスピードT1は1/40秒で設定される。このとき、ゲイン量G1はISO=100であるとする。そして、被写体が適正露光になるゲイン量G2がISO=200の設定となるなら、ゲイン差分量G2−G1=200−100=100である。このため、ゲイン量G2はゲイン量G1の2倍となることが分かる。この結果、シャッタスピードT2は、T2=T1×(1/2)=1/80秒に設定することで最終露光量を確定することができる。
【0054】
次に、ストロボ撮影時にガイダンス機能により、ユーザにストロボ発光の使用有無を促すようにしたストロボ撮影の処理例について、図4と図8〜図11を参照して説明する。図4は、1枚目の撮影後に行うストロボ撮影の制御表示処理例を示すフローチャートである。また、図8〜図11は、表示部15に表示させるガイダンスメッセージの表示例を示す。
【0055】
デジタルスチルカメラ100が、主被写体がいないと判断した場合であっても、ユーザが気付かないままストロボ発光モードを選択し、撮影を継続する場合がある。このような場合に、ストロボ発光モードのまま主被写体がいないシーンを撮影し続けないようにするため、メイン制御部10は、ユーザに注意喚起させるガイダンスを表示部15に表示するガイダンスモードによる制御を行う。シーンにより自動判断されるガイダンス機能には、例えば、「ストロボ発光モードを解除して下さい」や「夜景撮影モードに切り替えて下さい」等のメッセージやアイコンの表示がある。
【0056】
まず、デジタルスチルカメラ100のモード設定が、ストロボ発光モードか否かを判断する(ステップS21)。ストロボ発光モードでない場合、処理を終了する。ストロボ発光モードであれば、表示部15にガイダンスメッセージを表示させるガイダンスモードか否かを判断する(ステップS22)。ガイダンスモードでない場合、処理を終了する。
【0057】
続いて本発光禁止フラグF1=1であるか否かを判断する(ステップS23)。本発光禁止フラグF1=0の場合、ストロボ発光を行うため、処理を終了する。本発光禁止フラグF1=1の場合、デジタルスチルカメラ100が主被写体はいないと判断し、本発光を禁止している。この場合ユーザが気付かないままストロボ発光モードを選択し、撮影を続けたままになる場合になる可能性が極めて高いので、ガイダンス表示処理に入る。まずオートモードか否か判断する(ステップS24)。ここで、ストロボを発光するか否かを自動で判断するオートモード(オートストロボモード)を使用して露光を制御する。オートモードは、プリ発光を行い、CCD撮像素子4が検出した光量に基づいて、露光を補正し、発光部12の本発光を許可又は禁止する判断を自動的に行うモードである。
【0058】
オートモードの場合、次回以降の撮影でも主被写体がいない撮影になる可能性が極めて高い。このため、デジタルスチルカメラ100が自動的にストロボ発光を禁止する他のモードに設定を切り替える(ステップS25)。ここで、自動的に撮影モードが変わったことをユーザに知らせるために、図8に示すガイダンスメッセージ15cを表示部15に表示する。同時に表示部15には、切り替わった撮影モード(この場合は、ストロボ光の発光を禁止する夜景モードでありプリ発光、本発光は行わない。)を表すアイコン15aと、ストロボ発光禁止モードを表すアイコン15bを表示する(ステップS26)。
【0059】
ステップS24でオートモードではないと判断した場合、ユーザが手動でストロボ発光の動作・禁止を選択するガイダンスモードになる。ここでは、メイン制御部10の指令により、ストロボ発光禁止を奨めるガイダンスメッセージを表示部15に表示し、ユーザに現在の状態を適切に表示し、実際に発光禁止にするか否かはユーザが選択できるようになっている(ステップS27)。デジタルスチルカメラ100は主被写体がいないと判断しているので、図9に示すガイダンスメッセージ15eを表示する。同時に表示部15には、操作入力部14で「はい」か「いいえ」を選択可能な選択肢15fと、ストロボ発光状態を表すアイコン15dを表示する。この場合、例えばストロボ光の発光を許可した状態で、シャッタスピードを遅くするスローシンクロモードとしてある。
【0060】
そして、ユーザによって、発光禁止にするか否かについて、選択肢15fの「はい」又は「いいえ」が選択操作される(ステップS28)。選択肢15fの「はい」が選択された場合、ストロボ発光禁止モードに切り替え、図10に示すガイダンスメッセージ15gを表示する。同時に表示部15には、ストロボ発光の禁止状態を表すアイコン15bを表示し(ステップS29)、処理を終了する。
【0061】
一方、選択肢15fの「いいえ」が選択された場合、発光を禁止しないので、図11のようにガイダンスメッセージ15hを表示する。同時に表示部15には、ストロボ発光状態を表すアイコン15dと、被写体の撮影ガイドとなる人物枠15iを表示し(ステップS30)、処理を終了する。
【0062】
このようにデジタルスチルカメラ100は、被写体に対して適切な露光制御を行うことができる。また、デジタルスチルカメラ100は、自動判断してストロボ発光禁止モードに切り替えるガイダンス機能と、ユーザが手動に切り替えた場合はストロボ発光禁止モードとストロボ発光モードの各々をサポートするガイダンス機能を有する。このため、ユーザにとって適切な撮影をサポートできる。
【0063】
次に、メイン制御部10が行う撮影モード変更処理の例について、図5のフローチャートを参照して説明する。
初めに、シーン判断部41は、暗部シーンであるか否かを判断する(ステップS31)。暗部シーンでないと判断した場合、処理を終了する。一方、暗部シーンであると判断した場合、以下の制御を行う。
【0064】
次に、顔検出部42は、暗部シーンにおいて被写体の顔を検出する処理を行う(ステップS32)。顔検出部42は、画角内に「顔がある」と判断した場合は、ストロボ発光モードに変更する(ステップS33)。一方、顔検出部42は、画角内に「顔がない」と判断した場合は、プリ調光により、画角内に主被写体がいるか否かを判断する(ステップS37)。画角内に主被写体がいると判断した場合、ステップS33に処理を移す。暗部シーンである場合、主被写体が存在するにもかかわらず、主被写体の顔を検出することが困難な場合がある。このような場合に対応するため、ステップS32の処理では、プリ調光を行うことで、主被写体からの反射光を検出し、主被写体の顔を確実に検出することが可能となる。
【0065】
シーン判断部41は暗部シーンであると判断した場合、かつ、顔検出部42は画角内に「顔がある」と判断した場合、静止判断部43は、デジタルスチルカメラ100が静止しているか否かを判断する(ステップS34)。このとき、静止判断部43は、ブレ検出部13から得たブレ情報を基に手ブレ補正を行う手ブレ補正機構からの情報に基づいて、静止状態を判断する。通常、デジタルスチルカメラ100が安定した場所に置かれて静止している場合、手ブレ補正機構がオフになる。そして、手ブレ補正機構がオフになった情報とブレ情報に基づいて、静止判断が行われる。
【0066】
次に、静止判断部43は、デジタルスチルカメラ100が静止していると判断した場合、スローシンクロモードに移行し(ステップS35)、処理を終了する。このとき、デジタルスチルカメラ100は、三脚に固定されているか、安定した場所に置かれている状態である。
【0067】
スローシンクロモードとは、暗部シーンにおいて、ストロボ発光することで被写体(人物)を鮮明に撮影するとともに、シャッタスピードを遅くすることで、CCD撮像素子4での像光の露光光量を多くし、背景の暗部シーンを鮮明に撮影できるモードである。静止判断部43によって、デジタルスチルカメラ100の静止状態が判断されるため、画像信号を上げるAGC処理を行わずシャッタスピードを遅くすることができる。このため、ユーザは、ノイズレスで綺麗な画像を得ることができる。
【0068】
一方、ステップS34の処理で、顔検出部42は画角内に「顔がある」と判断した場合、かつ、静止判断部43はデジタルスチルカメラ100が静止していないと判断した場合、AGC処理を行い、シャッタスピードを速くすることで手ブレを防止できる露出モード(以後、プログラム線図と呼ぶ)に移行する(ステップS36)。このとき、デジタルスチルカメラ100は、ユーザが手持ちされていたり、不安定な場所に置かれていたりする状態である。シャッタスピードを速くした場合、CCD撮像素子4での像光の露光光量は少なくなる。
【0069】
高感度モードとは、感度を高めた状態とすることで、ストロボ発光と共に、通常のシャッタスピードであっても被写体を鮮明に撮影できる撮影モードである。高感度モードの場合、手ブレ補正機構はオンであり、常に手ブレ補正が行われている状態となる。例えば、標準設定がISO200でシャッタスピードが1/10秒である場合に、高感度モードに変更されることで、ISO800,ISO1600の順で、感度を高くすることができる。さらに、ストロボ発光することで被写体(人物)を鮮明に撮影できるとともに、AGC処理を行うことで背景の暗部シーンも撮影できる。このため、手ブレを防止できるシャッタスピードまで速くすることで、ユーザは、手持ちでも失敗しない画像を得ることができる。
【0070】
ステップS32の処理で、顔検出部42は画角内に顔がないと判断した場合であって、ステップS37の処理でプリ調光により画角内に主被写体がいないと判断した後、静止判断部43は、デジタルスチルカメラ100が静止しているか否かを判断する(ステップS38)。静止判断部43は、デジタルスチルカメラ100が静止していると判断した場合、夜景撮影に特化したプログラム線図に移行して、夜景モードに変更した後(ステップS39)、処理を終了する。
【0071】
夜景モードとは、人物がいない状態で夜景を撮影する際に適したモードである。この場合、画角内に人物はいないのでストロボを発光禁止にしてスローシャッタ撮影を行うようにする。このため、ユーザは、ノイズレスで綺麗な画像を得ることができる。
【0072】
一方、顔検出部42は画角内に顔がないと判断した場合、かつ、プリ調光により画角内に主被写体がいないと判断した場合、かつ、静止判断部43はデジタルスチルカメラ100が静止していないと判断した場合、上述した高感度モードに切り替えて(ステップS40)、処理を終了する。この場合、人物はいないのでストロボを発光禁止にしてAGC処理を行う。このようにして、背景の暗部シーンも撮影できるため、手ブレを防止できるシャッタスピードまで速くする。このため、ユーザは、手持ちでも失敗することなく鮮明な画像を得ることができる。
【0073】
ところで、デジタルスチルカメラ100には、多彩なシーンモードがあるが、各々のシーンモードによってプログラム線図が異なる場合がある。各々のシーンモードには、例えば、オートモード、高感度モード、風景モード、夜景モード、ポートレートモードがある。そして、設定されるシーンモードのプログラム線図に設定することを、「プログラム線図に移行する」と称している。
【0074】
次に、静止判断部43が行う静止判断処理の例について、図6のフローチャートを参照して説明する。この静止判断処理は、ブレ検出部13が出力するブレ情報に基づいて、ピッチ(Pitch:縦ゆれ)、ヨー(Yaw:横ゆれ)の両方向に共通して行われる。
【0075】
初めに、静止判断部43は、ブレ検出部13からの出力信号を、静止時の出力信号と比較し、偏差を求め、所定の閾値以下であるか否かを判断する(ステップS41)。この偏差が閾値以下の場合、デジタルスチルカメラ100は静止していると仮定して、静止している期間を計数する静止判断カウンタをインクリメントする(ステップS42)。静止時の出力信号との偏差は、ブレ検出部13からの出力にハイ・パス・フィルタ(HPF:High-pass filter)をかけた結果を利用してもよい。
【0076】
そして、ある時間以上経過した場合に、静止判断部43は、静止判断カウンタが所定の時間閾値より大きいか否かを判断する(ステップS43)。静止判断カウンタが所定の時間閾値より大きいと判断した場合、静止判断部43は、デジタルスチルカメラ100が静止していると判断する。そして、ピッチ又はヨー方向の静止状態を示す静止判断フラグを“TRUE”とし(ステップS44)、処理を終了する。静止判断フラグは、静止している場合に“1”を“TRUE”とし、静止していない場合に“0”を“FALSE”として読み替えられ、後に説明する最終静止判断処理(図7参照)で用いられる。
【0077】
一方、ステップS41で判断した結果、偏差が閾値より大きい場合、デジタルスチルカメラ100は静止していないとみなし、静止判断カウンタをゼロにリセットする(ステップS45)。
そして、ステップS41で判断した結果、偏差が閾値より大きい場合、又は、ステップ13で判断した結果、静止判断カウンタが所定の時間閾値以下であると判断した場合、静止判断フラグを“FALSE”とし(ステップS46)、処理を終了する。
【0078】
このようにして、手振れ補正機能のオン/オフにかかわらず、ピッチ方向とヨー方向のうち、少なくともいずれか一方向の静止状態を検出することが可能となる。
【0079】
次に、静止判断部43が行う最終静止判断処理の例について、図7のフローチャートを参照して説明する。最終静止判断処理とは、最終的にデジタルスチルカメラ100が静止しているか否かを静止判断部43が判断する処理である。基本的には、ピッチ方向とヨー方向の静止判断フラグが共に“TRUE”の場合に、最終静止判断を“TRUE”とする。
【0080】
初めに、静止判断部43は、ピッチ方向の静止判断フラグは“TRUE”であるか否かを判断する(ステップS51)。ピッチ方向の静止判断フラグは“TRUE”であると判断した場合、ヨー方向の静止判断フラグは“TRUE”であるか否かを判断する(ステップS52)。
ピッチ方向とヨー方向の静止判断フラグは共に“TRUE”であると判断した場合、最終静止判断フラグを“TRUE”にし(ステップS53)、処理を終了する。
【0081】
一方、ピッチ方向と、ヨー方向のうち、いずれかの方向の静止判断フラグは“TRUE”ではないと判断した場合、最終静止判断フラグを“FALSE”にし、処理を終了する(ステップS54)。
【0082】
このようにして、静止判断部43は、ピッチ方向とヨー方向を組み合わせて静止状態を検出することができる。
【0083】
次に、自動的に撮影モードが変更したことをユーザに通知するガイダンスメッセージの表示例について、図12と図13を参照して説明する。ガイダンスメッセージは、画像アイコンと共に表示部15に表示される。なお、既に説明した夜景モード(図8参照)と、スローシンクロモード(図11参照)については、詳細な説明を省略する。
【0084】
図12は、ストロボ発光モード、かつ、高感度モードに変更した場合のガイダンス表示例である。
表示部15の右側には、ストロボ発光モードを表すアイコン15jと、高感度モードを表すアイコン15kが表示される。表示部15の中央部には、ガイダンスメッセージ15lが表示される。表示部15の中央部の下側には、人物枠15iが表示される。
【0085】
図13は、ストロボ発光禁止モード、かつ、高感度モードに変更した場合のガイダンス表示例である。
表示部15の右側には、ストロボ発光禁止モードを表すアイコン15bと、高感度モードを表すアイコン15kが表示される。表示部15の中央部には、ガイダンスメッセージ15mが表示される。
【0086】
このようにすることで、被写体と、被写体周辺のシーンに応じて、適切な露光制御が行われるため、ユーザにとって適切な撮影をサポートできるようになった。
【0087】
以上説明した本実施の形態に係るデジタルスチルカメラ100によれば、プリ発光調光方式を用いて被写体を判別した上で、シーン判断部41と顔検出部42と静止判断部43から得られる情報と、LV値検出部46が検出したLV値に基づいて露出条件仮定部45が仮定した露出条件と、に基づいて露出条件が最適であるか否かを判定し、露出条件決定部48が暗部シーンのあらゆるパターンに対応したプログラム線図を用いて露出条件を決定することができる。このため、例えば暗部シーンに被写体がおり、顔検出部42が顔検出できない場合であっても、プリ発光して得られる被写体の反射光に基づいて、適切な強度でストロボ光を本発光して撮像することができる。このとき、プリ発光から本発光への切替えは自動的に行われるため、ユーザは複雑な操作を行うことなく、自動的に変更された撮影モードによって、良好な画像が得られるという効果がある。
【0088】
また、メイン制御部10は、撮影モードとして、ストロボ発光モードを伴うスローシンクロモードと、ストロボ発光モードを伴う高感度モードと、ストロボ発光禁止モードを伴う夜景モードと、ストロボ発光禁止モードを伴う高感度モードのいずれか1つのモードを選択して切り替えることが可能である。このため、被写体に対して適切な露光制御を行うと共に、撮影モードを切り替えた場合はストロボ発光禁止モードとストロボ発光モードの各々をサポートするガイダンス機能を有することによって、ユーザにとって適切な撮影をサポートできるようになった。
【0089】
また、夜景や室内などの暗部シーンにおいて、デジタルスチルカメラ100の静止判断を行うことによって、ユーザが色々な設定や撮影技術を用いなくても、簡単に良好な画像を得ることができる。例えば、手持ちではなく三脚に固定している場合はノイズレスで綺麗な画像が得られるという効果がある。一方、手持ちであれば手ブレしない画像が得られるという効果がある。
【0090】
また、シーン判断部41、顔判断部42、静止判断部43を用いることによって発光部12のストロボ発光を必要なときにだけ使用すればよいため、自然な画像が得られる。さらに、デジタルスチルカメラ100の消費電力を抑えることも可能であり、ユーザがデジタルスチルカメラ100の利用時間を伸ばすことができるという効果がある。
【0091】
また、背景が暗い夜景等の環境下における静止画撮影時に、プリ発光調光方式を併用してストロボ発光モードを使用した場合に、ストロボ光が達する位置に主被写体がいるか否かを自動的に判断することができる。このため、被写体にストロボ光が届かない場合であっても、シャッタスピードとAGCの適切な処理によって撮影した主被写体の像光が暗くならない。この結果、ユーザが撮影を失敗する可能性を減少させるという効果がある。
【0092】
また、上述した実施の形態では、夜景と人物を同時に撮影する場合に適用される露光制御技術について説明したが、背景が暗い夜景等の撮影シーンに限らず、あらゆるシーンにおいても本例で用いた露光制御技術を適用することができる。例えば、逆光時の撮影を行う場合でも、ストロボ発光とシャッタスピード、ゲインを適切に設定できるため、ユーザが意図した画像を容易に得られるという効果がある。
【0093】
なお、ストロボ発光モード使用時における露光制御を、操作入力部14によって手動でオン・オフ切り替え可能としてもよい。また、オートモードのオン・オフについては、操作入力部14によって手動でオン・オフにする制御を備える構成であっても良い。また、ガイダンスモードの判断をせず、常にガイダンスモードをオン状態としてもよいし、操作入力部14によって手動でガイダンスモードをオフ状態にとしてもよい。
【0094】
また、静止判断部43は、ピッチ方向とヨー方向の静止状態を判断するため、デジタルスチルカメラ100が静止しているか否かを確実に判断することができる。このため、適切な撮影モードに切り替えて撮影を行うことができるという効果がある。また、三脚で固定された安定した場所であっても、ピッチ方向はユーザがシャッタに触れることで静止判断フラグが“FALSE”になる場合もある。このため、ヨー方向のみで最終静止判断を行うようにしてもよい。あるいは、ピッチ方向のみで最終静止判断を行うようにしてもよい。
【0095】
また、静止判断基準(図5のステップS34,S38)が、ブレ検出部13で手ブレをオフにする判断基準とは異なる判断基準を持つようにしてもよい。これは暗部シーンを判断して露出条件を変える判断基準が、手ブレをオフにする静止判断基準と異なることで最適化できるからである。手ブレ防止の目安としては、撮影レンズの焦点距離分の1秒より速いシャッタスピードにしたほうが手ブレに起因する撮影ミスは生じにくいと言われている。このため、撮影レンズの焦点距離分の1秒より速いシャッタスピードとすればよい。
【0096】
また、上述した実施の形態に係る撮像装置は、デジタルスチルカメラ100に限定されない。例えば、レンズ交換式カメラ、フィルムカメラ等の他の構造のカメラに適用できることは明らかである。また、撮像装置は、シャッタ機構3を備えない構成としてもよい。この場合であっても、メイン制御部10は、CCD撮像素子が出力する撮像信号の取り込み速度を制御するため、適切なシャッタスピードで撮像することができる。
【0097】
また、シーン判断部41、顔検出部42、静止判断部43の各々において、操作入力部14によって手動でオフにする制御部を備える構成であっても良い。また、ガイダンス機能の制御に関しては、バイブレーション機能やアラーム機能等の各種報知機能を併用して、ユーザにストロボ発光制御の切り替えを促すようにしても同様の機能・効果を得ることが出来る。
【0098】
また、セルフタイマがある撮像装置ならば、セルフタイマがオンの場合はデジタルスチルカメラ100が三脚固定や固定されている場所に置かれている可能性が高い。このため、セルフタイマがオンならばシーン判断部41、顔検出部42、静止判断部43を動作させるような制御にしても良い。また、顔検出のオン/オフにかかわらずストロボ発光を禁止にしない構成であっても良い。この場合、メイン制御部10に、オンされて所定時間経過後に、シャッタ3に、CCD4が出力する撮像信号の取り込みタイミングを指示するセルフタイマを備えることによって、自動的にモードを変更することが可能である。
ここで、メイン制御部10がセルフタイマを備えた場合の処理例について、図14のフローチャートを参照して説明する。
【0099】
初めに、シーン判断部41は、暗部シーンであるか否かを判断する(ステップS61)。暗部シーンでないと判断した場合、処理を終了する。一方、暗部シーンであると判断した場合、セルフタイマはオンであるか否かを判断する(ステップS62)。
セルフタイマがオフである場合、手持ちであるか、安定した場所に置いているかは不明であるため、この処理を終了し、図5に示した撮影モード変更処理に移る。一方、セルフタイマがオンである場合、顔検出部42は、暗部シーンにおいて顔検出部42で顔検出を行う(ステップS63)。顔検出部42は、画角内に「顔がある」と判断した場合は、スローシンクロモードに変更し(ステップS64)、処理を終了する。一方、顔検出部42は、画角内に「顔がない」と判断した場合は、夜景モードに変更する(ステップS65)。
【0100】
このようにして、セルフタイマがオンである場合に、シーン判断部41、顔検出部42を動作させるような制御にすれば消費電力も抑えられ、ユーザが利用する使用時間を伸ばすことができるという効果がある。また、夜景などの背景が暗いシーンにおける静止画撮影においてストロボ発光モードを使用した場合であっても、適切なシャッタスピードにより手ブレを最小限に抑え、主被写体と背景のバランスをとり適正露光の画像を得ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の一実施の形態におけるデジタルスチルカメラの内部構成例を示したブロック図である。
【図2】本発明の一実施の形態におけるメイン制御部の内部構成例を示したブロック図である。
【図3】本発明の一実施の形態におけるストロボ撮影の処理例を示したフローチャートである。
【図4】本発明の一実施の形態におけるストロボ撮影(ガイダンス機能)の処理例を示したフローチャートである。
【図5】本発明の一実施の形態における撮影モード切替え処理の例を示したフローチャートである。
【図6】本発明の一実施の形態における静止判断処理の例を示したフローチャートである。
【図7】本発明の一実施の形態における最終静止判断処理の例を示したフローチャートである。
【図8】本発明の一実施の形態におけるガイダンス機能(夜景モード)の表示例を示した説明図である。
【図9】本発明の一実施の形態におけるガイダンス機能(ストロボ発光選択)の表示例を示した説明図である。
【図10】本発明の一実施の形態におけるガイダンス機能(ストロボ発光禁止)の表示例を示した説明図である。
【図11】本発明の一実施の形態におけるガイダンス機能(スローシンクロモード)の表示例を示した説明図である。
【図12】本発明の一実施の形態におけるガイダンス機能(ストロボ発光モードと高感度モード)の表示例を示した説明図である。
【図13】本発明の一実施の形態におけるガイダンス機能(ストロボ発光禁止モードと高感度モード)の表示例を示した説明図である。
【図14】本発明の他の実施の形態における撮影モード切替え処理の例を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0102】
1…レンズ部、2…アイリス機構、3…シャッタ機構、4…CCD撮像素子、5…アナログ信号処理回路、6…アナログ/デジタル変換回路、7…デジタル信号処理回路、8…レンズ制御部、9…タイミング信号生成回路、10…メイン制御部、11…充電・発光制御部、12…発光部、13…ブレ検出部、14…操作入力部、15…表示部、15a〜15m…ガイダンスメニュー,アイコン、16…記録媒体、17…外部インタフェース、18…EEPROM、19…RAM、20…シャッタ操作部、41…シーン判断部、42…顔検出部、43…静止判断部、44…露出判定部、45…露出条件仮定部、46…LV値検出部、47…プログラム線図、48…露出条件決定部、100…デジタルスチルカメラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学系を介して結像した像光を撮像信号として出力する撮像部と、
前記像光として得られる被写体側を照明する発光部と、
前記撮像部が出力する撮像信号の取り込みタイミングを指示する撮像指示部と、
前記撮像指示部に指示された前記撮像信号の取り込みタイミングに基づいて、前記撮像部での前記像光の露光光量を制御する露光光量制御部と、
前記被写体方向からの受光光量を検出する光量検出部と、
装置の筐体に生じるブレを検出してブレ情報として出力するブレ検出部と、
前記発光部の非発光状態での光量を第1の輝度評価値として前記光量検出部で検出し、前記発光部より第1の光量のプリ発光を行ない、前記被写体から反射した反射光量を第2の輝度評価値として前記光量検出部で検出し、
前記第1及び第2の輝度評価値がほぼ等しい場合、前記発光部の発光を禁止し、
前記第1及び第2の輝度評価値が異なり、前記プリ発光の第1の光量が到達する距離に前記被写体がいる場合、前記被写体が適正露光になる第2の光量を本発光量とし、
前記第1及び第2の輝度評価値が異なり、前記プリ発光の第1の光量が到達する距離に前記被写体がいない場合、光量を最大に調節した第3の光量を本発光量とするプリ調光による被写体判断を行い、
前記撮像指示部の指示に基づいて、前記それぞれの発光量で撮像を行う制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記被写体周辺の光量が不足している場合に、前記被写体周辺を暗部シーンとして判断するシーン判断部と、
前記被写体の顔を検出する顔検出部と、
前記ブレ検出部から受け取るブレ情報を基に、前記筐体が静止している状態を静止状態として判断する静止判断部と、
前記被写体の明るさを示す値を検出する被写体明るさ検出部と、
前記被写体明るさ検出部が検出した前記被写体の明るさを示す値と所定の閾値を比較して、露出条件を仮定する露出条件仮定部と、
前記シーン判断部が判断した前記暗部シーンと、前記顔検出部が検出した被写体の顔と、前記静止判断部が判断した静止状態と、に基づいて、前記露出条件仮定部が仮定した露出条件が適正であるか否かを判定する露出判定部と、
前記被写体明るさ検出部が検出した前記被写体の明るさを示す値に基づいて、前記露出判定部が判定した露出条件に対応するプログラム線図に変更して、前記露出条件を決定する露出条件決定部と、を備えることを特徴とする
撮像装置。
【請求項2】
請求項1記載の撮像装置において、
前記制御部は、
前記シーン判断部が暗部シーンと判断し、前記顔検出部が前記被写体の顔を検出し、前記静止判断部が静止状態であると判断した場合は、前記発光部を発光すると共に、前記露光光量を多くする第1のモードとし、
前記シーン判断部が暗部シーンと判断し、前記顔検出部が前記被写体の顔を検出し、前記静止判断部が静止状態ではないと判断した場合は、前記発光部を発光すると共に、前記撮像部が出力する撮像信号のゲインを上げる第2のモードとし、
前記シーン判断部が暗部シーンと判断し、前記顔検出部が前記被写体の顔を検出せず、前記プリ調光による被写体判断により前記被写体が存在すると判断し、前記静止判断部が静止状態であると判断した場合は、前記第1のモードとし、
前記シーン判断部が暗部シーンと判断し、前記顔検出部が前記被写体の顔を検出せず、前記プリ調光による被写体判断により前記被写体が存在すると判断し、前記静止判断部が静止状態ではないと判断した場合は、前記第2のモードとし、
前記シーン判断部が暗部シーンと判断し、前記顔検出部が前記被写体の顔を検出せず、前記プリ調光による被写体判断により前記被写体が存在していないと判断し、前記静止判断部が静止状態であると判断した場合は、前記露光光量を多くする第3のモードとし、
前記シーン判断部が暗部シーンと判断し、前記顔検出部が前記被写体の顔を検出せず、前記プリ調光による被写体判断により前記被写体が存在していないと判断し、前記静止判断部が静止状態ではないと判断した場合は、前記撮像部が出力する撮像信号のゲインを上げる第4のモードとすることを特徴とする
撮像装置。
【請求項3】
請求項2記載の撮像装置において、
前記ブレ情報は、前記装置の筐体に対するピッチ方向とヨー方向のうち、少なくともいずれか一方向のブレ情報を含むことを特徴とする
撮像装置。
【請求項4】
請求項3記載の撮像装置において、
前記第1〜4のモードに対して所定のガイダンスメッセージを表示する表示部を備えることを特徴とする
撮像装置。
【請求項5】
請求項4記載の撮像装置において、
前記制御部は、オンされて所定時間経過後に、前記露光光量制御部に、前記撮像部が出力する撮像信号の取り込みタイミングを指示するセルフタイマを備えることを特徴とする
撮像装置。
【請求項6】
請求項5記載の撮像装置において、
前記セルフタイマがオンされている場合に、前記シーン判断部が前記暗部シーンと判断し、前記顔検出部が前記被写体の顔を検出した場合は、前記発光部を発光すると共に、前記露光光量を多くすることを特徴とする
撮像装置。
【請求項7】
請求項5記載の撮像装置において、
前記セルフタイマがオンされている場合に、前記シーン判断部が前記暗部シーンと判断し、前記顔検出部が前記被写体の顔を検出していない場合は、前記発光部の発光を禁止すると共に、前記撮像部が出力する撮像信号のゲインを上げることを特徴とする
撮像装置。
【請求項8】
光学系を介して結像した像光を撮像して撮像信号として出力するとともに、前記像光として得られる被写体側を発光部で照明し、前記撮像信号の取り込みタイミングに基づいて、前記像光の露光光量を制御し、前記被写体方向からの受光光量を検出し、
前記発光部の非発光状態での光量を第1の輝度評価値として検出し、前記発光部より第1の光量のプリ発光を行ない、前記被写体から反射した反射光量を第2の輝度評価値として検出し、
前記第1及び第2の輝度評価値がほぼ等しい場合、前記発光部の発光を禁止し、
前記第1及び第2の輝度評価値が異なり、前記プリ発光の第1の光量が到達する距離に前記被写体がいる場合、前記被写体が適正露光になる第2の光量を本発光量とし、
前記第1及び第2の輝度評価値が異なり、前記プリ発光の第1の光量が到達する距離に前記被写体がいない場合、光量を最大に調節した第3の光量を本発光量とするプリ調光による被写体判断を行い、前記それぞれの発光量で撮像を行う撮像方法であって、
前記被写体周辺の光量が不足している場合に、前記被写体周辺を暗部シーンとして判断し、
前記被写体の顔を検出し、
装置の筐体に生じるブレを検出したブレ情報を基に、前記筐体が静止している状態を静止状態として判断し、
前記被写体の明るさを示す値を検出し、
前記被写体の明るさを示す値と所定の閾値を比較して、露出条件を仮定し、
前記判断した前記暗部シーンと、前記検出した被写体の顔と、前記判断した静止状態と、に基づいて、前記仮定した露出条件が適正であるか否かを判定し、
前記被写体の明るさを示す値に基づいて、前記判定した露出条件に対応するプログラム線図に変更して、前記露出条件を決定することを特徴とする
撮像方法。
【請求項9】
光学系を介して結像した像光を撮像して撮像信号として出力するとともに、前記像光として得られる被写体側を発光部で照明し、前記撮像信号の取り込みタイミングに基づいて、前記像光の露光光量を制御し、前記被写体方向からの受光光量を検出し、
前記発光部の非発光状態での光量を第1の輝度評価値として検出し、前記発光部より第1の光量のプリ発光を行ない、前記被写体から反射した反射光量を第2の輝度評価値として検出し、
前記第1及び第2の輝度評価値がほぼ等しい場合、前記発光部の発光を禁止し、
前記第1及び第2の輝度評価値が異なり、前記プリ発光の第1の光量が到達する距離に前記被写体がいる場合、前記被写体が適正露光になる第2の光量を本発光量とし、
前記第1及び第2の輝度評価値が異なり、前記プリ発光の第1の光量が到達する距離に前記被写体がいない場合、光量を最大に調節した第3の光量を本発光量とするプリ調光による被写体判断を行い、前記それぞれの発光量で撮像を行う、撮像を制御するプログラムであって、
前記被写体周辺の光量が不足している場合に、前記被写体周辺を暗部シーンとして判断する処理と、
前記被写体の顔を検出する処理と、
装置の筐体に生じるブレを検出したブレ情報を基に、前記筐体が静止している状態を静止状態として判断する処理と、
前記被写体の明るさを示す値を検出する処理と、
前記被写体の明るさを示す値と所定の閾値を比較して、露出条件を仮定する処理と、
前記判断した前記暗部シーンと、前記検出した被写体の顔と、前記判断した静止状態と、に基づいて、前記仮定した露出条件が適正であるか否かを判定する処理と、
前記被写体の明るさを示す値に基づいて、前記判定した露出条件に対応するプログラム線図に変更して、前記露出条件を決定する処理を行うことを特徴とする
プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−60471(P2009−60471A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−227167(P2007−227167)
【出願日】平成19年8月31日(2007.8.31)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】