説明

撮像装置及び固体撮像装置の制御方法

【課題】プリ発光に際して、高速シャッター動作時であっても正確な光量を検出し、精度の高いEF測光を可能とする。
【解決手段】光電変換素子を含む画素がマトリクス状に複数配置され、一又は複数ライン単位で信号を読み出すとともに、任意のブロック領域から信号を読み出しが可能とされた固体撮像素子4を備える撮像装置において、プリ発光に際して、読み出し水平画素数、駆動周波数、水平ブランキング時間、読み出し垂直画素数のいずれか値を変えることにより、固体撮像素子4の所定のブロック領域からの信号読み出し方式をシャッター速度により定まる蓄積時間内にて最初に読み出すラインと最後に読み出すラインとが時間的に重なるようにしたプリ発光読み出しモードに切り替える。プリ発光読み出しモードでは、プリ発光させて得られた画像とプリ発光させずに得られた2つの画像を用いて本発光量を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測光用のプリ発光を行うようにした撮像装置及び固体撮像装置の制御方法に関する。より具体的には、CMOS型センサのように、光電変換素子を含む画素が2次元状に複数配置され、一又は複数ライン単位で露光期間をずらして駆動可能とされた固体撮像装置を用いて測光を行う場合に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、光電変換素子を高密度・高集積化させた固体撮像装置がビデオカメラやデジタルカメラ等に用いられており、記録媒体に複数枚の画像データを記録したり、画像データをプリントアウトやディスプレイ表示したりすることが可能となっている。
【0003】
この種のビデオカメラやデジタルカメラ等には自動露光(AE:Automatic Exposure)機能が採用されており、昼光時には、撮像面の光量を測定して適切な露光量を測定して最適な露光条件で露光するようになっている。
【0004】
また、フラッシュランプや電子ストロボが備えられており、光量の少ない夜間や室内の暗い領域では、瞬間的なフラッシュ(閃光)を発光させて撮影することが行われている。
【0005】
AEの場合、フラッシュ発光時に瞬時にAE調節することは現実的に困難であるため、測光用のプリ発光を行い、その際の光量を測定してフラッシュ発光前にAE調節を終えておき、正規の撮影を行うようにしている。通常、固体撮像装置の蓄積時間外でプリ発光しても、正確にフラッシュ光量を測定することができないので、フラッシュ発光タイミングに同期して蓄積動作を行っている。
【0006】
近年、ビデオカメラやデジタルカメラ等において、高解像化のため、微細化プロセスを用いた光電変換素子のセルサイズ縮小が精力的に行われている。
【0007】
一方、光電変換信号出力が低下すること等から、光電変換信号を増幅して出力することが可能な増幅型の固体撮像装置が注目されている。このような増幅型の固体撮像装置には、BASIS、MOS型、SIT、AMI、CMD等のXYアドレス型センサの2次元固体撮像装置がある。
【0008】
また、2次元固体撮像装置として、高密度化と高S/NによりCCD(Charge Coupled Device)型センサが優れて用いられている。
【0009】
2次元固体撮像装置を有するデジタルカメラ等において、画像撮像時に該撮像の露光条件を適切に調整して、固体撮像装置の感度に応じた露光時間を設定する。この露光時間の設定の際、2次元エリアセンサの一部に当たっている光の量を測定して、その値がある目標値になるまで絞り等のパラメータを振って、最適値を見つけている。この動作をAE(Automatic Exposure)と称する。
【0010】
デジタルカメラのAEの場合、CCD型2次元エリアセンサでは、全画素データを全部読み出して記憶媒体に格納し、その中から所定のブロック領域を抽出し、一度蓄積する。その後、適切な所定露光レベルと比較し、シャッター速度や絞り等のパラメータを変更して、再度ブロック領域を抽出して所定露光レベルと比較し、数回の繰り返しで、露光レベルが所定露光レベルとなったときの条件を露光条件と決定する。
【0011】
図16を参照して、CCDを用いた固体撮像装置によるAE方式を説明する。インターライン転送方式及びフレーム転送方式のいずれであっても、CCD型センサ61から時系列に読み出される画像信号がA/D変換器62でデジタル画像信号に変換され、フレームメモリ63に1フレーム分書き込まれる。
【0012】
AEのためには、特に中心部のブロック領域だけを読み出し、そのブロック領域の画像信号レベルを積分器64で積分し、当該ブロック領域の全積分値を求める。このブロック領域の全積分値と予め定められた所定露光レベルとを判定回路65で比較し、その比較結果に差異があれば、露光条件設定回路66に出力する。この露光条件は、CCD型センサ61への露光時間・シャッター速度や絞り度合い、CCD型センサ61の蓄積時間等をいい、シャッター速度等を変更する。露光条件設定回路66での設定に応じて、再度CCD型センサ61を動作し、ブロック領域の露光積分値を検出し、判定回路65で比較・判定し、露光の最適値を求める。
【0013】
このAE方式では、図16(b)のタイミングチャートに示すように、ローレベルで示す露光時間の蓄積時(1)と、その蓄積後のフレームメモリ63からブロック領域の読み出し積分した時をハイレベルで示すAE評価時(2)と、各AE評価時のAE値(3)とで表される。なお、(3)の点線で示しているのが所定AE値である。これをグラフで示せば、図16(c)となり、3回目の露光検出値ではAE値が高すぎて、4回目のAE値のときの露光条件をAE用の条件とすることで、最適なAEを実行することができる。
【0014】
【特許文献1】特開2000―196951号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
ところで、近年では、安価で複雑なタイミング発生回路を必要とせず且つ単一電源で動作して消費電力も少ない等の理由により、CMOS型センサを用いるケースが増えてきている。
【0016】
ところが、CMOS型センサにおいては、ライン単位で信号を読み出すため、ライン毎に光電荷を蓄積する開始時間がずれてしまう。そのため、AEのための光量蓄積のライン毎のタイミングずれが生じ、AE評価のためのブロック領域からプリ発光の光がずれてしまうことがある。
【0017】
この対策として、例えば特許文献1には、ブロック領域での各読み出しラインが時間的に重なる期間にプリ発光させることで、ブロック領域全てにプリ発光が照射されるように制御することが開示されている。
【0018】
しかしながら、日中シンクロ等の高速にシャッター動作が行われた場合、ブロック領域での各読み出しラインが時間的に重なる期間が存在しないことがある。その場合に任意のタイミングでプリ発光させると、CMOS型センサには、外光及びフラッシュの反射光からなる撮影光による光電荷と、外光のみからなる撮影光による光電荷とが混在して蓄積される。そのため、正確な光量を検出することができないという問題がある。
【0019】
また、通常プリ発光時における読み出しは、画素を加算又は間引くことで、EF測光演算に要する時間を高速化している。
【0020】
しかしながら、電子ズーム時において全画角の出力をメモリに蓄え、電子ズーム領域についてEF測光演算を行うと、EF調光のための画素数が更に減少するためストロボ発光量演算の精度が落ちてしまうという問題もある。
【0021】
本発明は上記のような点に鑑みてなされたものであり、プリ発光に際して、高速シャッター動作時であっても正確な光量を検出し、精度の高いEF測光を可能にすることを目的とする。また、電子ズーム時においても精度の高いEF測光を可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の撮像装置は、光電変換素子を含む画素が複数ライン配置された撮像手段と、一又は複数ライン単位で露光期間をずらすように前記撮像手段を駆動する駆動手段と、前記撮像手段の所定の領域からの信号の読み出しモードを、前記撮像手段から順次出力される連続画像を表示手段に表示する第1の読み出しモードとは異なる第2の読み出しモードに切り替え可能な制御手段と、前記第2の読み出しモードを、最初に読み出すラインの露光期間の一部と最後に読み出すラインの露光期間の一部とが時間的に重なるように駆動する駆動手段とを備え、前記第2の読み出しモードにおいてプリ発光させずに露光した前記光電変換素子の出力とプリ発光させて露光した前記光電変換素子の出力を用いて本発光量を決定する点に特徴を有する。
本発明の他の撮像装置は、光電変換素子を含む画素が複数ライン配置された撮像手段と、一又は複数ライン単位で露光期間をずらすように前記撮像手段を駆動する駆動手段と、前記撮像手段の所定の領域からの信号の読み出しモードを、前記撮像手段から順次出力される連続画像を表示手段に表示する第1の読み出しモードとは異なる第2の読み出しモードに切り替え可能な制御手段と、前記第2の読み出しモードを、前記第1の読み出しモードよりも、前記撮像手段の所定の領域からの信号の読み出し期間を短くするように駆動する駆動手段とを備え、前記第2の読み出しモードにおいてプリ発光させずに露光した前記光電変換素子の出力とプリ発光させて露光した前記光電変換素子の出力を用いて本発光量を決定する点に特徴を有する。
本発明の他の撮像装置は、光電変換素子を含む画素が複数ライン配置された撮像手段と、一又は複数ライン単位で露光期間をずらすように前記撮像手段を駆動する駆動手段と、プリ発光に際して、前記撮像手段の所定の領域からの信号の読み出しモードを、前記撮像手段から順次出力される連続画像を表示手段に表示する第1の読み出しモードとは異なる第2の読み出しモードに切り替え可能な制御手段と、前記第2の読み出しモードを、最初に読み出すラインの露光期間の一部と最後に読み出すラインの露光期間の一部とが時間的に重なるように駆動する駆動手段とを備え、前記第2の読み出しモードにおいて電気的に画角を変化させる電子ズーム時には前記撮像手段の該電子ズーム領域の信号を読み出す点に特徴を有する。
本発明の他の撮像装置は、光電変換素子を含む画素が複数ライン配置された撮像手段と、一又は複数ライン単位で露光期間をずらすように前記撮像手段を駆動する駆動手段と、プリ発光に際して、前記撮像手段の所定の領域からの信号の読み出しモードを、前記撮像手段から順次出力される連続画像を表示手段に表示する第1の読み出しモードとは異なる第2の読み出しモードに切り替え可能な制御手段と、前記第2の読み出しモードを、前記第1の読み出しモードよりも、前記撮像手段の所定の領域からの信号の読み出し期間を短くするように駆動する駆動手段とを備え、前記第2の読み出しモードにおいて電気的に画角を変化させる電子ズーム時には前記撮像手段の該電子ズーム領域の信号を読み出す点に特徴を有する。
本発明の固体撮像装置の制御方法は、光電変換素子を含む画素が複数ライン配置された撮像手段と、一又は複数ライン単位で露光期間をずらすように前記撮像手段を駆動する駆動手段と、プリ発光に際して、前記撮像手段の所定の領域からの信号の読み出しモードを、前記撮像手段から順次出力される連続画像を表示手段に表示する第1の読み出しモードとは異なる第2の読み出しモードに切り替え可能な制御手段と、前記第2の読み出しモードを、最初に読み出すラインの露光期間の一部と最後に読み出すラインの露光期間の一部とが時間的に重なるように駆動する駆動手段とを備えた固体撮像装置の制御方法であって、前記第2の読み出しモードにおいてプリ発光させずに露光した前記光電変換素子の出力とプリ発光させて露光した前記光電変換素子の出力を用いて本発光量を決定する点に特徴を有する。
本発明の他の固体撮像装置の制御方法は、光電変換素子を含む画素が複数ライン配置された撮像手段と、一又は複数ライン単位で露光期間をずらすように前記撮像手段を駆動する駆動手段と、プリ発光に際して、前記撮像手段の所定の領域からの信号の読み出しモードを、前記撮像手段から順次出力される連続画像を表示手段に表示する第1の読み出しモードとは異なる第2の読み出しモードに切り替え可能な制御手段と、前記第2の読み出しモードを、前記第1の読み出しモードよりも、前記撮像手段の所定の領域からの信号の読み出し期間を短くするように駆動する駆動手段とを備えた固体撮像装置の制御方法であって、前記第2の読み出しモードにおいてプリ発光させずに露光した前記光電変換素子の出力とプリ発光させて露光した前記光電変換素子の出力を用いて本発光量を決定する点に特徴を有する。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、高速シャッター動作時であっても、プリ発光読み出しモードとすることでEF評価ブロック領域の全てにプリ発光を照射することが可能である。さらに、プリ発光読み出しモードにおいてプリ発光させずに露光した光電変換素子の出力とプリ発光させて露光した光電変換素子の出力を用いて本発光量を決定するので、精度の高いEF測光を可能となる。また、電子ズーム時には電子ズーム領域の信号を読み出すことにより、ストロボ発光量演算の精度を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
<撮像装置の構成>
図1は、本発明の実施形態に係る撮像装置の構成を示す図である。被写体からの光が絞り羽根1を通り、レンズ2により撮像素子4へ結像されることで光電変換が行われる。なお、絞りやレンズ等の光学的構成要素を光学系という。フィルター群3は、モアレ等を防ぐ為に光の高域をカットする光学ローパス・フィルター、色補正フィルター、及び赤外線をカットする赤外線カットフィルター等が組み合わされている。
【0025】
撮像素子4で変換された光信号は、アドレス指定部8からの信号によりXアドレス選択部6及びYアドレス選択部5にて2次元で画素位置選択が行われ、タイミング調整部7に読み出される。タイミング調整部7では、撮像素子4からの出力(1〜複数本)のタイミング調整が行われる。そして、タイミング調整部7から出力された信号は、AGC(オートゲインコントロール)10により電圧が制御され、A/D変換器11によりデジタル信号に変換される。
【0026】
カメラDSP12は、動画又は静止画の画像処理を行う。MPU14は、画像処理の際に使われるパラメータをカメラDSP12に設定したり、AE(自動露光:Automatic Exposure)処理やAF(自動焦点: Automatic Focusing)処理を行ったりする。また、MPU14は、不図示のズームコントローラ(ズーム操作部)からの指示に基づいて、電子ズームの制御(画像の切り出し制御)を行う。AF制御は、フォーカス・モーター51によりレンズ2に含まれるフォーカス・レンズ(不図示)を前後に動かして行う。
【0027】
画像処理する際の一時的な記憶領域としてDRAM13が用いられ、不揮発性の記憶領域として画像記録媒体18が用いられる。画像記録媒体18は、例えばスマート・メディア、磁気テープ、又は光ディスク等である。
【0028】
また、画像処理後の画像表示を行うためにビデオエンコーダ15、及び、CRT16等が設けられている。モニター17は、例えばLCDにより構成される。モニター17に撮像した画像データを逐次表示すれば、電子ビューファインダ(EVF:Electric View Finder)機能を実現することができ、画像記録媒体18に記憶する前に被写体像を確認することができる。これらの出力装置は、CRT16、及び、モニター17に限らず、プリンタ等を用いてもよい。
【0029】
また、表示領域指定部19は、撮像素子4の領域内で一部分の読み出しを行う場合に、その位置を指定するポインタ装置である。また、発振器9は、絞り羽根1や、タイミング調整部7、カメラDSP12及びMPU14へ種々なクロックを供給して、各部のタイミングを統一して取る集中タイミング用の発振器である。
【0030】
<読み出し動作>
図2は、CMOS型センサの回路図である。同図において、B11〜B44はフォトダイオード等の光電変換素子、光電変換素子の蓄積電荷を読み出して増幅する増幅型MOSトランジスタ、増幅型MOSトランジスタを活性する選択MOSトランジスタ等を有する画素である。本実施形態では4×4の画素で示しているが、マトリクス状に複数の画素を有している。
【0031】
プリ発光読み出しモードでは、水平方向に2画素、垂直方向に2画素加算平均を行うものとする。具体的には、垂直シフトレジスタ801から水平ライン毎に読み出すVSEL1を出力し、VSEL1の制御パルスによって選択された各画素の光出力は、各垂直出力線VSIG1〜VSIG4に読み出され、加算回路802に蓄積される。
【0032】
図3に、加算回路802で、水平方向B11、B12及び垂直方向B21、B22が加算される様子を示す。各画素に接続された垂直出力線から転送スイッチ901、902を介してB11、B12画素の光出力が蓄積コンデンサ903、904に蓄積する。次のタイミングに図2のVSEL2を出力し、B21、B22の信号成分を転送スイッチ905、906を介して蓄積コンデンサ907、908に蓄積する。その後、水平シフトレジスタ803からの制御信号によって転送スイッチ909、910、911、912をオンすることにより、水平出力線913には、水平方向であるB11及びB12さらに垂直方向であるB21及びB22が加算され水平垂直2画素加算が完了する。
【0033】
<プリ発光読み出しモード動作>
次に、CMOS型センサ等ローリング式電子シャッター方式を用いたときのタイミングずれについて、図4のCMOS型センサの読み出し方式とEF(ストロボ測光)の説明図を参照しつつ説明する。図4(a)は、例えばCMOS型センサによるEF評価ブロック領域のプリストロボ発光による光電荷の蓄積タイミング状態を示している。CMOS型センサに受けた光電荷を蓄積しようとする場合、各ラインn,n+1,n+2の蓄積開始がそれぞれずれる。
【0034】
また、EF動作について、ある時間にストロボをプリ発光する場合の光強度は、時間を横軸として図4(b)に示すように変化し、この光量変化をCMOS型センサが受けて、全エリア内から抽出された一部のブロック領域を評価する。このとき、EF評価ブロック領域のラインn〜n+m全てがプリ発光期間内に電荷の蓄積を行わなければならない。つまり、EF評価ブロック領域の全面がプリ発光による光を受光しなくてはストロボ光を正しく検出することができないため精度が落ちてしまう。図4の例では、EF評価ブロック領域の全てにプリ発光が照射されている例を示している。
【0035】
それでは、どのような場合に、EF評価ブロック領域の全てにプリ発光が照射されなくなってしまうのか、例を挙げて説明する。
【0036】
[通常ストロボ撮影時(シャッター速度1/60)]
図5に、EF評価ブロック領域の蓄積時間のタイミングを示す。いま、シャッター速度は1/60sであるので蓄積時間は16.7msとなる。また、1ライン読み出すのに必要な時間を24μsとし、さらにEVFにおける垂直方向ライン数が180本と仮定すると、読み出し時間は、24μs×180=4.3msとなる。さらにプリ発光時間を20μsと仮定すると、図5から明らかなようにEFブロック領域の全ライン重なり期間が12.4msであることから、その重なり時間でプリ発光させることにより、EF評価ブロック領域の全ラインにプリ発光を照射することができる。
【0037】
[日中シンクロ時(シャッター速度1/250)]
図6に、EF評価ブロック領域の蓄積時間のタイミングを示す。いま、シャッター速度は1/250sであるので蓄積時間は4msとなる。また、1ライン読み出すのに必要な時間及び垂直方向ライン数を通常フラッシュ撮影時と同じにすると、図6から明らかなようにEF評価ブロック領域の全ラインに時間的に重なる期間が生じない。つまり、EF評価ブロック領域の全ラインにプリ発光を照射することができない。
【0038】
このように日中シンクロ時等の高速シャッターが切られる場合、1ライン読み出すのに必要な時間に比べて蓄積時間が短くなるため、EF評価ブロック領域の全てにプリ発光を照射することができない。
【0039】
上記の結果から、最高同調シャッター速度、EF評価ブロック領域からの読み出し時間、プリ発光時間が下式(1)を満足したときに初めてEF評価ブロック領域の全てにプリ発光を照射することができる。
最高同調シャッター速度≧読み出し時間+プリ発光時間・・・(1)
【0040】
そこで、プリ発光時には下記のパラメータを変えることにより、プリ発光読み出しモードとして動作させる。
(1)読み出し水平画素数
(2)駆動周波数
(3)水平ブランキング時間
(4)読み出し垂直画素数
【0041】
(1)、(2)、(3)の値を変えることによりタイミング図の平行四辺形の傾きを変えることができる。この様子を図7に示す。また、(4)の値を変えると読み出すライン数が変化するため、タイミングが図8のように変化する。これら4つの値のうち少なくとも1つの値を変えることで、シャッター速度により定まる蓄積時間内にて最初に読み出すラインと最後に読み出すラインとが時間的に重なるようにすることができ、EF評価ブロック領域の全てにプリ発光が照射されるようなプリ発光読み出しモードとすることができる。
【0042】
<ストロボ測光シーケンス>
図9は、ストロボオン時におけるシーケンス図である。EVF読み出しモードにて、不図示のシャッターボタンの半押しによりスイッチSW1がONになると(ステップS901)、AE処理、AF処理が実行され(ステップS902)、露光及びピントが調整される。その後、不図示のシャッターボタンの全押しによりスイッチSW2がONになると(ステップS903)、読み出しモードはプリ発光読み出しモードに移行する(ステップS904)。
【0043】
このプリ発光読み出しモードにおいて、プリ発光させない状態で露光を行い(以下、「プリプリ露光」と称する)(ステップS905)、次にプリ発光させた状態で露光を行う(以下、「プリ露光」と称する)(ステップS906)。その後、プリプリ露光による出力とプリ露光による出力とを用いて、本発光演算を行う(ステップS907)。
【0044】
次に、本露光読み出しモードに移行し(ステップS908)、ステップS907により求められた本発光量による本露光を行い(ステップS909)、信号処理(ステップS910)を施して、画像データが記録媒体に記録される。このようにスイッチSW2がONになった直後にプリ発光読み出しモードに切り替え、プリ発光させずに露光した出力を読み出した後、プリ発光させて露光した出力を読み出し、これら2つの画像データによりストロボの本発光量を決定するようにしたのが本発明の特徴の一つである。
【0045】
なお、プリ発光させずに露光して出力読み出した後に、プリ発光させて露光して出力を読み出す順となっているが、その順番は逆であってもかまわない。本実施形態の順番にした理由は、プリ発光と本発光との間隔を短くするためである。つまり、被写体はプリ発光が本発光であると誤認識し、撮影が完了したと勘違いして動いてしまうことを防ぐためである。
【0046】
また、プリプリ露光及びプリ露光した画像はEVF表示しない。これは後述するように、露出が合っていないためである。
【0047】
<ストロボ発光量演算>
次に、プリプリ露光による出力及びプリ露光による出力を用いたストロボ発光量演算について説明する。演算にはプリプリ露光とプリ露光の差分値を用いるため、プリプリ露光及びプリ露光における露出条件を同じにするとともに、両者を同じモードで駆動し読み出すことで、加算間引きを等しくし感度条件も合わせることが必要である。図10に、両者の読み出し方法を水平垂直2分の1に共通にしたときの概念図を示す。
【0048】
ステップS1:被写体重みの算出
図11のプリプリ露光画像及びプリ露光画像を用いて被写体重みを算出する。なお、両者の露光条件は同じである。これらの画像を6×6のブロックに分割する。ただし、ブロック分割数は6に限るものではない。このとき、プリ発光の強さFLASHijは下式(2)で与えられる。
FLASHij=Yfij−Ydij・・・(2)
ただし、Yfijはプリ露光測光値、すなわち外光+プリ発光による輝度値であり、Ydijはプリプリ露光測光値、すなわち外光による輝度値である。
【0049】
なお、輝度値の算出は下式(3)で算出する。式(3)において、WbR、WbG、WbBはそれぞれ赤、緑、青のホワイトバランス係数であり、R、G、Bはそれぞれ赤、緑、青のブロック積分平均値である。
Y=3×WbR×R+6×WbG×G+WbB×B・・・(3)
【0050】
さらに、被写体は画面中央にいる確率が高いので、下式(4)のように、図12に示すような中央重点重みWijをプリ発光の強さFLASHijに乗算することで被写体重みWlijを算出する。
Wlij=FLASHij×Wij・・・(4)
【0051】
ステップ2:ストロボ発光量の決定
図13は、プリプリ露光及びプリ露光の被写体輝度値(DL及びFL)を表す。なお、DL及びFLは、ステップ1で求めた被写体重みWijを用いて下式(5)で算出する。
【0052】
【数1】

【0053】
このとき、プリ発光による輝度値は図13からFL−DLとなる。また、Yrefを予め定めた被写体の適正輝度値とすると、本発光量は、Yref−DLとなる。したがって、プリ発光量に対して何倍の発光量を照射すればよいか(ΔEFと呼ぶ)については、下式(6)で算出することができる。
【0054】
【数2】

【0055】
式(6)で算出したΔEF、すなわちプリ発光量の何倍を照射すればよいかの値はプリプリ露光時及びプリ露光時についてであり、本露光の露出時には当てはまらない。したがって、式(6)の値を本露光時における値に変換しなければならない。そこで、下式(7)を用いて変換を行う。
【0056】
【数3】

【0057】
ただし、ΔSv、ΔAv、ΔTvはそれぞれISO感度差分値、F値差分値、シャッター速度差分値であり、下式(8)で求める。なお、プリ発光時の設定は、F値:Avp、シャッター速度:Tvp、ISO感度:Svpであり、本発光時の設定は、F値:Avc、シャッター速度:Tvc、ISO感度:Svcである。
【0058】
【数4】

【0059】
以上説明したように、高速シャッター動作時であっても、プリ発光読み出しモードとすることでEF評価ブロック領域の全てにプリ発光を照射することが可能である。さらに、同駆動モードにおいてプリプリ露光及びプリ露光を行い、これらの画像データの差分値から本発光量を演算することにより、ストロボ調光の精度を向上させることができる。
【0060】
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態では、プリ発光読み出しモードにおいて垂直画素数を間引いて読み出すことで、各ラインに時間的な重なりが生じるように設定していた。しかしながら、センサの総画素数によるが通常垂直ラインの間引き数は12分の1程度であるため、全画角の出力をメモリに蓄え、電子ズーム領域について上記処理を行うと、更なるライン数の減少によりストロボ発光量演算の精度が落ちてしまうおそれがある。
【0061】
そこで、電子ズーム時には、CMOS型センサの特徴である部分読み出しをプリ発光読み出しモードに適用する。つまり、電子ズーム時には、プリ発光読み出しモードにおいて電子ズーム領域のみを読み出すことで、読み出し速度を上げ、全ラインに時間的な重なりが生じるようする。
【0062】
さらに、間引き数をズーム倍率が上がるにつれて減少させることで、EF調光積分に用いるライン数を増加させ、ストロボ発光量演算の精度を向上させる。
【0063】
なお、ストロボ測光のシーケンス及びストロボ測光演算方法は第1の実施形態で述べたものと同様であるので、ここではその説明は省略する。
【0064】
<部分読み出し動作>
図14は、9×9画素の撮像素子4の構成を示している。撮像素子4の一部の領域から信号を出力する動作について説明する。それぞれのX方向、Y方向の各9画素を指定するために、水平デコーダ部23及び垂直デコーダ部24を備えている。
【0065】
また、画素部115に例示として、3×3画素部毎にブロック52で区分されている。なお、上述した垂直シフトレジスタ部801及び垂直デコーダ部24は、図1のYアドレス選択部5に、水平シフトレジスタ部803及び水平デコーダ部23は、図1のXアドレス選択部6に相当する。
【0066】
ここでの水平デコーダ部23はHD0〜HD1が入力され、水平シフトレジスタ部803はクロックパルス(CLK)と水平リセットパルス(HRES)が入力される。垂直方向も同じ構成であり、垂直デコーダ部24はVD0〜VD1が入力され、垂直シフトレジスタ部801はクロックパルス(CLK)と垂直リセットパルス(VRES)が入力される。水平部と垂直部とは略同一なので、以下、水平方向だけで論じていく。
【0067】
まず、水平デコーダ部23の入力HD0〜HD1は、2本(bit)なので、これだけで水平9画素を全て指定することはできないが、3画素までなら直接指定することはできる。このため、図14では水平9画素を3画素ずつの3ブロックに分け、そのブロックの先頭画素の3画素を水平デコーダ部23で指定できるように構成したものである。
【0068】
水平シフトレジスタ部803は、水平デコーダ部23と撮像素子4の間に位置している。そして、水平デコーダ部23から得られる各ブロック52の先頭位置を受け取り、クロックパルスCLKにより、その位置から撮像素子4を1画素ずつ走査させるように構成したものである。この位置を読み出し先頭位置(開始位置)と称する。走査を止めるときは水平リセットパルスHRESにより、水平シフトレジスタ部803の内容を消去する。
【0069】
ここでは水平部について説明したが、垂直デコーダ部24及び垂直シフトレジスタ部801についても同様である。つまり、選択されたブロックを水平ラインの並びで選択する場合に、上記と同様にデコードして、垂直シフトレジスタ部801で画素読み出し領域を選択することにより、同様な動作で同一の効果を奏し得る。
【0070】
また、水平デコーダ部23の入力がHD0〜HD1の2bitであるとの説明であったが、この入力数を増やすことでアドレス指定を細かく設定することも可能である。
【0071】
<電子ズーム時の読み出し動作>
次に、電子ズーム時の信号の読み出し動作ついて説明する。まず、図15(a)及び図15(b)を参照して、通常の撮像時の読み出し動作と電子ズーム時の読み出し動作について説明する。
【0072】
図15は電子ズーム動作の概念図である。図15(a)は全画角読み出しを示しており、図15(b)は電子ズーム時の読み出しを示している。全画角読み出し時には、第1の実施形態で説明した加算制御を利用して、例えば撮像素子4の4画素を加算して信号を出力することにより、画素数を少なくして読み出しを行う。概念的にいうと、図15(a)の斜線の画素の信号、つまり、縦横24×16画素の範囲から12×8画素の信号を読み出すという読み出し動作になる。
【0073】
これに対して、電子ズーム時(例えば、ズーム倍率2倍の場合)には、非加算制御を利用して、24×16画素の範囲から中央の連続した12×8画素の信号を読み出す。すなわち、所定の領域を切り出して信号を読み出すものであり、図15(b)の斜線の画素の信号を読み出す動作になる。
【0074】
このような動作により、全画角読み出し時においてEF調光に用いる積分画素数は12×8個となる。これに対して、電子ズーム時(例えば、ズーム倍率2倍の場合)でもEF調光に用いる積分画素数は全画角読み出し時と同じ12×8個となる。この結果、EF測光演算に用いる画素数は電子ズーム倍率によらず一定であるため、演算精度を電子ズーム倍率に依存させないことが可能となる。
【0075】
なお、第2の実施形態では、全画角読み出し時における加算を2分の1とし、電子ズーム時においては水平垂直間引きなしとしたが、電子ズーム時における加算又は間引き数を全画角より少なくすればよい。勿論さらに加算又は間引き数を少なくして、全画角読み出し時におけるEF調光精度以上に電子ズーム時における調光精度を向上させてもよい。
【0076】
また、本実施形態では、電子ズーム倍率2倍の場合のみを説明したが、他の電子ズーム倍率においても倍率が上がるにつれて、加算又は間引き数を減少させることは言うまでもない。
【0077】
以上説明したように、電子ズーム時ではズーム領域のみを読み出しを行い、さらに電子ズーム倍率に応じて加算又は間引き数を減少させることでストロボ発光量演算の精度を向上させることができる。
【0078】
なお、本発明の目的は、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0079】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、プログラムコード自体及びそのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0080】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0081】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(基本システム或いはオペレーティングシステム)等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0082】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】実施形態に係る撮像装置の構成を示す図である。
【図2】CMOS型センサの回路図である。
【図3】加算回路の回路構成を示す図である。
【図4】CMOS型センサの読み出し方式とEFを説明するための図である。
【図5】シャッター速度が1/60の場合でのEF評価ブロックの蓄積時間のタイミングを示す図である。
【図6】シャッター速度が1/250の場合でのEF評価ブロックの蓄積時間のタイミングを示す図である。
【図7】読み出し水平画素数又は駆動周波数又は水平ブランキング時間を変えたときの蓄積時間のタイミングを示す図である。
【図8】読み出し垂直画素数を変えたときの蓄積時間のタイミングを示す図である。
【図9】ストロボオン時における処理動作を説明するためのシーケンス図である。
【図10】プリプリ露光時とプリ露光時の読み出しを説明するための概念図である。
【図11】プリプリ露光時の画像とプリ露光時の画像を示す図である。
【図12】中央重点重み表わす図である。
【図13】ストロボ発光量決定のための概念を説明するための図である。
【図14】撮像素子の一部の領域から信号を出力する動作を説明するための図である。
【図15】電子ズーム倍率と間引き数の概念を説明するための図である。
【図16】CCDを用いた固体撮像装置によるAE方式を説明するための図である。
【符号の説明】
【0084】
1 絞り羽根
2 レンズ
3 フィルター群
4 撮像素子
5 Yアドレス選択部
6 Xアドレス選択部
7 タイミング調整部
8 アドレス指定部
9 発振器
10 AGC(オートゲインコントロール)
11 A/D変換器
12 カメラDSP
13 DRAM
14 MPU
15 ビデオエンコーダ
16 CRT
17 モニター
18 画像記録媒体
19 表示領域指定部
51 フォーカス・モーター
803 水平シフトレジスタ
802 加算回路
801 垂直シフトレジスタ
23 水平デコーダ部
24 垂直デコーダ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電変換素子を含む画素が複数ライン配置された撮像手段と、
一又は複数ライン単位で露光期間をずらすように前記撮像手段を駆動する駆動手段と、
前記撮像手段の所定の領域からの信号の読み出しモードを、前記撮像手段から順次出力される連続画像を表示手段に表示する第1の読み出しモードとは異なる第2の読み出しモードに切り替え可能な制御手段と、
前記第2の読み出しモードを、最初に読み出すラインの露光期間の一部と最後に読み出すラインの露光期間の一部とが時間的に重なるように駆動する駆動手段とを備え、
前記第2の読み出しモードにおいてプリ発光させずに露光した前記光電変換素子の出力とプリ発光させて露光した前記光電変換素子の出力を用いて本発光量を決定することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
光電変換素子を含む画素が複数ライン配置された撮像手段と、
一又は複数ライン単位で露光期間をずらすように前記撮像手段を駆動する駆動手段と、
前記撮像手段の所定の領域からの信号の読み出しモードを、前記撮像手段から順次出力される連続画像を表示手段に表示する第1の読み出しモードとは異なる第2の読み出しモードに切り替え可能な制御手段と、
前記第2の読み出しモードを、前記第1の読み出しモードよりも、前記撮像手段の所定の領域からの信号の読み出し期間を短くするように駆動する駆動手段とを備え、
前記第2の読み出しモードにおいてプリ発光させずに露光した前記光電変換素子の出力とプリ発光させて露光した前記光電変換素子の出力を用いて本発光量を決定することを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
光電変換素子を含む画素が複数ライン配置された撮像手段と、
一又は複数ライン単位で露光期間をずらすように前記撮像手段を駆動する駆動手段と、
プリ発光に際して、前記撮像手段の所定の領域からの信号の読み出しモードを、前記撮像手段から順次出力される連続画像を表示手段に表示する第1の読み出しモードとは異なる第2の読み出しモードに切り替え可能な制御手段と、
前記第2の読み出しモードを、最初に読み出すラインの露光期間の一部と最後に読み出すラインの露光期間の一部とが時間的に重なるように駆動する駆動手段とを備え、
前記第2の読み出しモードにおいて電気的に画角を変化させる電子ズーム時には前記撮像手段の該電子ズーム領域の信号を読み出すことを特徴とする撮像装置。
【請求項4】
光電変換素子を含む画素が複数ライン配置された撮像手段と、
一又は複数ライン単位で露光期間をずらすように前記撮像手段を駆動する駆動手段と、
プリ発光に際して、前記撮像手段の所定の領域からの信号の読み出しモードを、前記撮像手段から順次出力される連続画像を表示手段に表示する第1の読み出しモードとは異なる第2の読み出しモードに切り替え可能な制御手段と、
前記第2の読み出しモードを、前記第1の読み出しモードよりも、前記撮像手段の所定の領域からの信号の読み出し期間を短くするように駆動する駆動手段とを備え、
前記第2の読み出しモードにおいて電気的に画角を変化させる電子ズーム時には前記撮像手段の該電子ズーム領域の信号を読み出すことを特徴とする撮像装置。
【請求項5】
前記第2の読み出しモードでは、シャッター速度が、前記撮像手段の所定の領域からの読み出し時間とプリ発光時間との和以上となる条件を満たすようにすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
読み出し水平画素数、駆動周波数、水平ブランキング時間、読み出し垂直画素数のうちいずれか一又は複数の値を変更することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記第2の読み出しモードでは、前記撮像手段から順次出力される連続画像を表示手段に表示しないことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項8】
自動露光処理の動作開始を指示する第1のスイッチと、撮影開始を指示する第2のスイッチとを有し、フラッシュオン時において、前記第2のスイッチがオンになった時に前記第2の読み出しモードに切り替えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記第2の読み出しモードでは、プリ発光させずに露光して前記光電変換素子の出力を読みだした後にプリ発光させて露光することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記第2の読み出しモードにおいて、プリ発光させずに露光した前記光電変換素子の出力とプリ発光させて露光した前記光電変換素子の出力を用いて本発光量を決定することを特徴とする請求項3又は4に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記第2の読み出しモードにおいて、前記電子ズームの倍率が拡大するにつれて撮像領域の画素の加算もしくは間引き数を減少させることを特徴とする請求項3又は4又は10に記載の撮像装置。
【請求項12】
光電変換素子を含む画素が複数ライン配置された撮像手段と、一又は複数ライン単位で露光期間をずらすように前記撮像手段を駆動する駆動手段と、前記撮像手段の所定の領域からの信号の読み出しモードを、前記撮像手段から順次出力される連続画像を表示手段に表示する第1の読み出しモードとは異なる第2の読み出しモードに切り替え可能な制御手段と、前記第2の読み出しモードを、最初に読み出すラインの露光期間の一部と最後に読み出すラインの露光期間の一部とが時間的に重なるように駆動する駆動手段とを備えた固体撮像装置の制御方法であって、
前記第2の読み出しモードにおいてプリ発光させずに露光した前記光電変換素子の出力とプリ発光させて露光した前記光電変換素子の出力を用いて本発光量を決定することを特徴とする固体撮像装置の制御方法。
【請求項13】
光電変換素子を含む画素が複数ライン配置された撮像手段と、一又は複数ライン単位で露光期間をずらすように前記撮像手段を駆動する駆動手段と、前記撮像手段の所定の領域からの信号の読み出しモードを、前記撮像手段から順次出力される連続画像を表示手段に表示する第1の読み出しモードとは異なる第2の読み出しモードに切り替え可能な制御手段と、前記第2の読み出しモードを、前記第1の読み出しモードよりも、前記撮像手段の所定の領域からの信号の読み出し期間を短くするように駆動する駆動手段とを備えた固体撮像装置の制御方法であって、
前記第2の読み出しモードにおいてプリ発光させずに露光した前記光電変換素子の出力とプリ発光させて露光した前記光電変換素子の出力を用いて本発光量を決定することを特徴とする固体撮像装置の制御方法。
【請求項14】
光電変換素子を含む画素が複数ライン配置された撮像手段と、一又は複数ライン単位で露光期間をずらすように前記撮像手段を駆動する駆動手段と、プリ発光に際して、前記撮像手段の所定の領域からの信号の読み出しモードを、前記撮像手段から順次出力される連続画像を表示手段に表示する第1の読み出しモードとは異なる第2の読み出しモードに切り替え可能な制御手段と、前記第2の読み出しモードを、最初に読み出すラインの露光期間の一部と最後に読み出すラインの露光期間の一部とが時間的に重なるように駆動する駆動手段とを備えた固体撮像装置の制御方法であって、
前記第2の読み出しモードにおいて電気的に画角を変化させる電子ズーム時には前記撮像手段の該電子ズーム領域の信号を読み出すことを特徴とする固体撮像装置の制御方法。
【請求項15】
光電変換素子を含む画素が複数ライン配置された撮像手段と、一又は複数ライン単位で露光期間をずらすように前記撮像手段を駆動する駆動手段と、プリ発光に際して、前記撮像手段の所定の領域からの信号の読み出しモードを、前記撮像手段から順次出力される連続画像を表示手段に表示する第1の読み出しモードとは異なる第2の読み出しモードに切り替え可能な制御手段と、前記第2の読み出しモードを、前記第1の読み出しモードよりも、前記撮像手段の所定の領域からの信号の読み出し期間を短くするように駆動する駆動手段とを備えた固体撮像装置の制御方法であって、
前記第2の読み出しモードにおいて電気的に画角を変化させる電子ズーム時には前記撮像手段の該電子ズーム領域の信号を読み出すことを特徴とする固体撮像装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−235893(P2007−235893A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−58382(P2006−58382)
【出願日】平成18年3月3日(2006.3.3)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】