説明

新規ヘテロアリール誘導体

式(1)


(式中、環Zは、置換されていてもよいヘテロアリールを表し、
は、カルボキシル基またはアルコキシカルボニル基などを表し、
およびWは、置換されていてもよい低級アルキレンを表し、
Arは、置換されていてもよいアリーレンまたは置換されていてもよいヘテロアリーレンを表し、
は、単結合、低級アルキレンまたは低級アルケニレンなどを表し、
は、単結合または−NR10−などを表し、
Arは、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリールを表す)で表されるヘテロアリール誘導体、そのプロドラッグまたはそれらの薬学上許容される塩。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、抗糖尿病作用を有する新規なヘテロアリール化合物またはその塩に関する。詳しくはインスリン抵抗性を改善し、より安全に血糖値をコントロールする抗糖尿病作用を有する新規なヘテロアリール化合物に関する。さらに詳しくは、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)α活性化作用、PPARγ活性化作用、PPARα/γ活性化作用、またはPPARα/γ活性化調節作用を有する新規なヘテロアリール化合物に関する。
【背景技術】
近年の生活習慣の変化に伴い、糖尿病患者数は増加の一途を辿っており、1997年に我が国で行われた調査では、糖尿病が強く疑われる人が690万人、糖尿病の可能性を否定できない人が680万人いると推定されている。我が国の糖尿病患者の大半は、インスリン分泌能の低下とインスリン抵抗性を基本的病態とする2型糖尿病に分類され、それぞれの病態に対する薬剤が開発されてきた。
インスリン分泌能の低下に対しては、古くから知られているスルホニルウレア(SU)剤が広く使用されているが、重篤な副作用として低血糖の危険性があるほか、肥満が生じやすいことが知られている。
一方、インスリン抵抗性改善剤としては、チアゾリジンジオン系薬剤がある。
チアゾリジンジオン系薬剤として最初に発売されたのはトログリタゾンであるが、重篤な肝障害を生じ、発売中止となった。我が国では、現在、ピオグリタゾンが臨床の場で使用されているが、重篤な副作用として、循環血漿量の増加による心不全が報告されたため、平成12年10月に緊急安全性情報が出され、心不全、浮腫に対する注意が必要であることが示されている。欧米で用いられているロシグリタゾンについても、上気道感染、貧血、浮腫、体重増加などの副作用があるとされており、肝障害、循環器系の副作用などに対する懸念のないチアゾリジンジオン系薬剤は未だ発売されていない。
チアゾリジンジオン系薬剤はPPARγを活性化することにより、抗糖尿病作用を発揮すると考えられている。PPARにはα、γ、δ(β)などのサブタイプがあることが知られているが、高脂血症治療薬として用いられているフィブラート系薬剤(クロフィブラート、フェノフィブラートなど)は、PPARαを活性化することにより、薬理作用を発現すると考えられている。動物モデルにPPARα活性化剤を投与することにより、インスリン抵抗性が改善されることが近年報告されており(例えば、ジャーナル オブ バイオロジカル ケミストリー(Jornal of Biological Chemistry)、Vol.275、16638頁、2000年)、PPARα活性化剤が、高脂血症のみならず糖尿病に対しても良好な作用を示す可能性が示されつつある。
PPARγあるいはαとγ両者を活性化する化合物は、チアゾリジンジオン系薬剤以外にもイソオキサゾリジンジオンなど多数報告されているが(例えば、ジャーナル オブ メディシナル ケミストリー(Jornal of Medicinal Chemistry)、43、527頁、2000年)、臨床の場での有効性、安全性については、未だ不明である。現在、良好な抗糖尿病作用を示す安全性の高いPPARαアゴニスト、PPARγアゴニスト、PPARα/γアゴニストまたはPPARα/γ活性化調節剤が切望されている。
また、ピロール基を有する糖尿病治療剤が知られている(例えば、特開2002−121186、WO 02/085851、WO 2004/048341参照)が、臨床の場での有効性、安全性についての報告はない。
【発明の開示】
本発明が解決しようとする課題は、PPARα活性化作用、PPARγ活性化作用、またはPPARα/γ活性化作用を有し、インスリン抵抗性を改善し、安全性にも優れた、糖尿病予防または治療剤を供給することにある。
本発明者らは、鋭意研究した結果、新規ヘテロアリール誘導体がPPARα、PPARγ、またはPPARα/γを活性化し、インスリン抵抗性を改善することにより、高血糖状態を改善するとともに、安全性にも優れ、糖尿病の予防・治療に対して有用であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(1) 式(1)

(式中、環Zは、置換されていてもよいヘテロアリールを表し、
は、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換されていてもよいカルバモイル基、置換されていてもよい環状アミノカルボニル基、置換されていてもよいアルキルスルホニルカルバモイル基、置換されていてもよいアリールスルホニルカルバモイル基、またはテトラゾリル基を表し、
およびWは、置換されていてもよい低級アルキレンを表し、
Arは、置換されていてもよいアリーレン、または置換されていてもよいヘテロアリーレンを表し、
は、単結合、低級アルキレン、低級アルケニレン、または−Y−W−(式中、Yは、酸素原子、硫黄原子、−S(O)−または−S(O)−を表し、Wは、低級アルキレン、または低級アルケニレンを表す)を表し、
は、単結合、−NR10−、−NR10−W−(式中、R10は、水素原子、または置換されていてもよい低級アルキルを表し、Wは、低級アルキレンを表す)、低級アルキレン、または低級アルケニレンを表し、
Arは、置換されていてもよいアリール、または置換されていてもよいヘテロアリールを表す)で表されるヘテロアリール誘導体、そのプロドラッグまたはそれらの薬学上許容される塩。
(2)Wが低級アルキレン、低級アルケニレン、または−Y−W−(式中、Yは、酸素原子、硫黄原子、−S(O)−または−S(O)−を表し、Wは、低級アルキレン、または低級アルケニレンを表す)である上記1記載のヘテロアリール誘導体、そのプロドラッグまたはそれらの薬学上許容される塩。
(3)環Zが置換されていてもよいピロール環、置換されていてもよいピラゾール環、置換されていてもよいイミダゾール環、置換されていてもよいトリアゾール環、置換されていてもよいインドール環、置換されていてもよいインダゾール環、または置換されていてもよいベンズイミダゾール環であり、WがC−Cアルキレン、C−Cアルケニレン、または−Y1’−W5’−(式中、Y1’は、酸素原子、または硫黄原子であり、W5’がC−Cアルキレン、またはC−Cアルケニレンである)であり、Wが単結合、−NR10−、C−Cアルキレン、またはC−Cアルケニレンである上記1記載のヘテロアリール誘導体、そのプロドラッグまたはそれらの薬学上許容される塩。
(4)環Zが、式(2)

(式中、Rは、一つあるいは複数あってもよく、独立して水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、または置換されていてもよいチオールを表し、Rは、一つあるいは複数あってもよく、独立して水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいチオール、置換されていてもよいヒドロキシ、置換されていてもよい非芳香族複素環、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいアシル、またはアルキルスルホニルを表し、結合の方向はいずれであってもよい。)のいずれか一つである上記1記載のヘテロアリール化合物、そのプロドラッグまたはそれらの薬学上許容される塩。
(5)環Zが、置換されていてもよいピロール環、置換されていてもよいイミダゾール環、または置換されていてもよいベンズイミダゾール環である上記1,2いずれか記載のヘテロアリール化合物、そのプロドラッグまたはそれらの薬学上許容される塩。
(6)WおよびWが、置換されていてもよい直鎖のC−Cアルキレン基、または置換されていてもよい、環状構造を含むC−Cアルキレン基である上記1〜3いずれか記載のヘテロアリール化合物、そのプロドラッグまたはそれらの薬学上許容される塩。
(7)WおよびWが置換されていてもよいメチレン、またはエチレンであり、Wが、直鎖のC−Cアルキレン、C−Cアルケニレン、または−Y1’’−W5’−(式中、Y1’’が酸素原子であり、W5’’が直鎖のC−Cアルキレンである)であり、Wが、単結合、−NR10−、メチレン、またはトランスビニレンである上記1〜3いずれか記載のヘテロアリール化合物、そのプロドラッグまたはそれらの薬学上許容される塩。
(8)Arが、置換されていてもよいフェニレンであり、置換様式として、WがWの結合位置に対しメタ位またはパラ位である上記1〜6いずれか記載のヘテロアリール化合物、そのプロドラッグまたはそれらの薬学上許容される塩。
(9)環Zが式(3)

(式中、R2’が一つあるいは複数あってもよく、独立して水素原子、メチル、置換されていてもよいフェニル、または置換されていてもよいヘテロアリールである)であり、Rがカルボキシル基、置換されていてもよいアルキルスルホニルカルバモイル基、またはテトラゾリル基であり、WおよびWが置換されていてもよいメチレン、またはエチレンであり、Arが置換されていてもよいフェニレンであり、Wが直鎖のC−Cアルキレン、またはC−Cアルケニレンであり、Arが置換されていてもよいフェニルである上記1記載のヘテロアリール誘導体、そのプロドラッグまたはそれらの薬学上許容される塩。
(10)環Zが式(4)

(式中、R2’が一つあるいは複数あってもよく、独立して水素原子、メチル、置換されていてもよいフェニル、または置換されていてもよいヘテロアリールである)であり、Rがカルボキシル基、置換されていてもよいアルキルスルホニルカルバモイル基、またはテトラゾリル基であり、WおよびWが置換されていてもよいメチレン、またはエチレンであり、Arが置換されていてもよいフェニレンであり、Wが直鎖のC−Cアルキレン、またはC−Cアルケニレンであり、Arが置換されていてもよいフェニルである上記1記載のヘテロアリール誘導体、そのプロドラッグまたはそれらの薬学上許容される塩。
(11)環Zが式(5)

のいずれか一つであり、Rがカルボキシル基であり、Wが置換されていてもよいメチレン、またはエチレンであり、Wがメチレンであり、Arがフェニレンであり、Wがプロペニレンまたはプロピレンであり、Arが置換されていてもよいフェニルである上記1記載のヘテロアリール誘導体、そのプロドラッグまたはそれらの薬学上許容される塩。
(12)環Zが式(6)

(式中、R2’が一つあるいは複数あってもよく、独立して水素原子、メチル、置換されていてもよいフェニル、または置換されていてもよいヘテロアリールである)のいずれか一つであり、Rがカルボキシル基であり、Wが置換されていてもよいメチレン、またはエチレンであり、Wがメチレンであり、Arがフェニレンであり、Wがプロペニレンまたはプロピレンであり、Arが置換されていてもよいフェニルである上記1記載のヘテロアリール誘導体、そのプロドラッグまたはそれらの薬学上許容される塩。
(13)環Zが式(7)

であり、Rがカルボキシル基であり、Wが置換されていてもよいメチレン、Wがメチレンであり、Arがフェニレンであり、Wがプロペニレンまたはプロピレンであり、Arが置換されていてもよいフェニルである上記1記載のヘテロアリール誘導体、そのプロドラッグまたはそれらの薬学上許容される塩。
(14)環Zが式(7)

であり、Rがカルボキシル基であり、Wが炭素数1から3のアルキル基で置換されていてもよいメチレンであり、Wがメチレンであり、Arがフェニレンであり、Wがプロペニレンまたはプロピレンであり、Arが炭素数1から3のアルキル基もしくは炭素数1から3のアルコキシ基で置換されていてもよいフェニルである上記1記載のヘテロアリール誘導体、そのプロドラッグまたはそれらの薬学上許容される塩。
(15)環Zが式(8)

のいずれか一つであり、Rがカルボキシル基であり、Wが炭素数1から3のアルキル基で置換されていてもよいメチレンであり、Wがメチレンであり、Arがフェニレンであり、Wがプロペニレンまたはプロピレンであり、Arが炭素数1から3のアルキル基もしくは炭素数1から3のアルコキシ基で置換されていてもよいフェニルである上記1記載のヘテロアリール誘導体、そのプロドラッグまたはそれらの薬学上許容される塩。
(16)環Zが式(9)

であり、Rがカルボキシル基であり、Wが炭素数1から3のアルキル基で置換されていてもよいメチレンであり、Wがメチレンであり、Arがフェニレンであり、Wがプロペニレンであり、Arが炭素数1から3のアルキル基もしくは炭素数1から3のアルコキシ基で置換されていてもよいフェニルである上記1記載のヘテロアリール誘導体、そのプロドラッグまたはそれらの薬学上許容される塩。
(17)式(10)で表されるの化合物のうちのいずれかである上記1記載のヘテロアリール誘導体、そのプロドラッグまたはそれらの薬学上許容される塩。

本発明により、インスリン抵抗性を改善し、より安全にコントロールする、糖尿病に対する予防薬、または治療薬として有用な、新規ヘテロアリール誘導体またはその塩の提供が可能になった。
【発明を実施するための最良の形態】
本発明は、以下の新規なヘテロアリール誘導体およびその塩等に関する。
次に本発明に係る式(1)で表されるヘテロアリール誘導体の、該式中の定義につき、以下に具体的に説明する。
環Zにおけるヘテロアリールとしては、例えば、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、インドール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、もしくは式(11)

で表されるものが挙げられ、置換可能な位置に1−3個の置換基を有していてもよい。
ピロール環としては、例えばピロール−1,2−ジイル、ピロール−1,3−ジイル、ピロール−3,4−ジイル等が、ピラゾール環としては、例えばピラゾール−1,5−ジイル、ピラゾール−1,4−ジイル、ピラゾール−1,3−ジイル等が、イミダゾール環としては、例えばイミダゾール−1,2−ジイル、イミダゾール−1,5−ジイル、イミダゾール−1,4−ジイル、イミダゾール−4,5−ジイル等が、トリアゾール環としては、例えば1,2,4−トリアゾール−1,5−ジイル、1,2,4−トリアゾール−1,3−ジイル、1,3,4−トリアゾール−1,2−ジイル等が、インドール環としては、例えばインドール−1,2−ジイル、インドール−1,3−ジイル、インドール−1,6−ジイル等が、インダゾール環としては、例えばインダゾール−1,3−ジイル等が、ベンズイミダゾール環としては、ベンズイミダゾール−1,2−ジイル等が挙げられるが、好ましくは、ピロール−1,2−ジイル、ピロール−1,3−ジイル、イミダゾール−1,2−ジイル、イミダゾール−1,5−ジイル、1,2,4−トリアゾール−1,5−ジイル、インドール−1,2−ジイル、インドール−1,3−ジイル、ベンズイミダゾール−1,2−ジイルが挙げられる。
Arにおける、「置換されていてもよいアリール」のアリールとしては、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等が挙げられる。好ましくはフェニルが挙げられる。
Arにおける、「置換されていてもよいヘテロアリール」のヘテロアリールとしては、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子からなる群から任意に選ばれる1から3個のヘテロ原子を含む単環性または二環性のヘテロアリールが挙げられる。具体的には、チオフェン、フラン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、オキサゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール等の単環性5員環ヘテロアリール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアジン等の単環性6員環ヘテロアリール、インドール、イソインドール、インドリジン、インダゾール、プリン、4−H−キノリジン、キノリン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、ベンズイミダゾール、ベンズチアゾール、ベンズオキサゾール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン等の二環性ヘテロアリール等が挙げられ、より好ましくは、チオフェン、フラン、ピロール、ピリジン、インドール、ベンズチアゾール、ベンズオキサゾール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェンが挙げられる。
Arにおける、「置換されていてもよいアリーレン」のアリーレンとしては、例えばC−C10アリーレン基が挙げられ、具体的には1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−1,3−ジイル、ナフタレン−1,4−ジイル等が挙げられる。好ましくは1,3−フェニレン、1,4−フェニレンが挙げられる。
Arにおける、「置換されていてもよいヘテロアリーレン」のヘテロアリーレンとしては、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子からなる群から任意に選ばれる1から3個のヘテロ原子を含む単環性または二環性のヘテロアリーレン基が挙げられる。具体的には、ピリジン−ジイル、ピリミジン−ジイル、ピラジン−ジイル、ピリダジン−ジイル、トリアジン−ジイル等の単環性6員環ヘテロアリーレン、チオフェン−ジイル、フラン−ジイル、ピロール−ジイル、イミダゾール−ジイル、ピラゾール−ジイル、チアゾール−ジイル、オキサゾール−ジイル、イソチアゾール−ジイル、イソオキサゾール−ジイル等の単環性5員環ヘテロアリーレン、インドール―ジイル、イソインドール―ジイル、インドリジン―ジイル、インダゾール―ジイル、プリン―ジイル、4−H−キノリジン―ジイル、キノリン―ジイル、イソキノリン―ジイル、フタラジン―ジイル、ナフチリジン―ジイル、キノキサリン―ジイル、キナゾリン―ジイル、ベンズイミダゾール―ジイル、ベンズチアゾール―ジイル、ベンズオキサゾール―ジイル、ベンゾフラン―ジイル、ベンゾチオフェン―ジイル等の二環性ヘテロアリーレン等が挙げられ、より好ましくは、ピリジン―ジイル、チオフェン―ジイル、ピロール―ジイル、フラン―ジイル、インドール―ジイルが挙げられる。
Arにおける「置換されていてもよいアリール」、「置換されていてもよいヘテロアリール」、Arにおける「置換されていてもよいアリーレン」、「置換されていてもよいヘテロアリーレン」の置換基の数としては、それぞれ置換可能な位置に1〜5個、好ましくは1〜3個の置換基を有してもよい。該置換基としては、例えば置換されていてもよい低級アルキル、低級アルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、置換されていてもよい非芳香族複素環、ハロゲン原子、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいアシル、置換されていてもよいヒドロキシ基、置換されていてもよいチオール、アルキルスルホニル、シアノ、ニトロ、アルキル置換されていてもよいカルバモイル基が挙げられる。
「置換されていてもよい低級アルキル」の低級アルキルとしては、例えば、直鎖状、分枝状、または環状構造を含むC−Cアルキルが挙げられ、具体的には、直鎖状、または分枝状のアルキルとしては、メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、t−ブチルが挙げられる。環状構造を含むアルキルとしては、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロブチル、シクロブチルメチル、シクロペンチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル等が挙げられる。好ましくは、メチル、エチル、2−プロピル、シクロプロピルが挙げられる。
該「置換されていてもよい低級アルキル」における置換基としては、水酸基、オキソ、アミノ、C−Cモノアルキルアミノ(例えばメチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ等)、C−C12ジアルキルアミノ(例えばジメチルアミノ、エチルメチルアミノ、ジエチルアミノ等)、C−Cアルコキシ(例えばメトキシ、エトキシ、1−プロピルオキシ、2−プロピルオキシ等)、ハロゲン原子(例えばフッ素、塩素、臭素等)、C−Cハロアルコキシ(例えばトリフルオロメトキシ等)、非芳香族複素環(例えばモルホリノ、ピペリジノ、ピロリジノ、4−メチル−1−ピペラジノ等)、アリール(例えばフェニル、1−ナフチル等)、またはヘテロアリール(例えばピリジル、チエニル、フラニル等)が挙げられ、好ましくはメチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メトキシ、エトキシ、2―プロピルオキシ、フッ素、塩素、トリフルオロメトキシ、モルホリノ、ピペリジノ、ピロリジノ、フェニル、ピリジルが挙げられる。
「低級アルケニル」としては、直鎖状、分枝状、または環状構造を含むC−Cアルケニルが挙げられ、例えばビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル等が挙げられ、好ましくはビニル、2−プロペニルが挙げられる。
「アリール、置換アリール」のアリールとしては、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等が挙げられ、好ましくはフェニルが挙げられる。
「ヘテロアリール、置換ヘテロアリール」のヘテロアリールとしては、Arにおけるヘテロアリールと同様であり、好ましくはチオフェン、フラン、ピロール、ピリジン等が挙げられる。
「置換されていてもよい非芳香族複素環」の非芳香族複素環としては、環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし3個含有する炭素数2〜6のものが挙げられ、例えばモルホリノ、チオモルホリノ、ピペリジノ、ピロリジノ、4−メチル−1−ピペラジノ等が挙げられ、好ましくはモルホリノ、ピペリジノ、ピロリジノが挙げられる。
該「置換アリール、置換ヘテロアリール、置換されていてもよい非芳香族複素環」における置換基としては、C−Cアルキル(例えば、メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、t−ブチル等)、C−Cアルコキシ(例えばメトキシ、エトキシ、1−プロピルオキシ、2−プロピルオキシ等)、ハロゲン原子(例えばフッ素、塩素、臭素等)、C−Cハロアルコキシ(例えばトリフルオロメトキシ等)、C−Cハロアルキル(トルフルオロメチル等)が挙げられ、好ましくは、メチル、エチル、2−プロピル、メトキシ、エトキシ、フッ素、塩素、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルが挙げられる。
ハロゲン原子の例としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ、好ましくはフッ素、塩素が挙げられる。
「置換されていてもよいアミノ」としては、アミノ、C−Cアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル等)、C−Cアシル(例えばアセチル、プロピオニル等)、アリール(例えば、フェニル等)、またはヘテロアリールでモノまたはジ置換されていてもよいアミノが挙げられる。好ましくは、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、フェニルアミノ等が挙げられる。
「置換されていてもよいアシル」のアシルとしては、ホルミルの他、C−Cアルキル(例えば、メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、t−ブチル等)、アリール(例えば、フェニル等)、またはヘテロアリール(例えばチエニル、ピリジル等)とカルボニル基が結合した基が挙げられる。アシルとして好ましくは、アセチル、プロピオニル、シクロブタンカルボニル、シクロヘキサンカルボニル、ベンゾイル等が挙げられる。
該アシルは置換可能な位置に1−3個の置換基を有していてもよく、この場合の置換基としては、C−Cの直鎖または分枝状アルキル(好ましくはメチル、エチル、2−プロピル等)、C−Cの直鎖または分枝状アルコキシ(好ましくは、メトキシ、エトキシ、2−プロポキシ等)、ハロゲン(好ましくはフッ素、塩素)、ヒドロキシ、アミノ等が挙げられる。
「置換されていてもよいヒドロキシ基」としては、ヒドロキシ、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアラルキルオキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、または置換されていてもよいアシルオキシ等が挙げられる。
「置換されていてもよいアルコキシ」のアルコキシとしては、C−Cアルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、2−プロポキシ、シクロペンチルオキシ等)が挙げられ、好ましくは、メトキシ、エトキシ、2−プロピルオキシが挙げられる。また、隣接してアルキル、アルコキシがある場合は、隣接基と置換基を有する環を形成しても良く、具体的には、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、2−メチル―メチレンジオキシ、2−メチル―エチレンジオキシ、1−オキシ−2−エチレン、1−オキシ−2−プロピレン等が挙げられ、好ましくは、メチレンジオキシ、エチレンジオキシが挙げられる。
「置換されていてもよいアラルキルオキシ」のアラルキルオキシとしては、例えばフェニル―(C−Cアルキル)オキシが挙げられ、好ましくはベンジルオキシ、フェネチルオキシが挙げられる。
「置換されていてもよいアリールオキシ」のアリールオキシとしては、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ等が挙げられ、好ましくはフェニルオキシが挙げられる。
「置換されていてもよいアシルオキシ」のアシルオキシとしては、例えばアセチルオキシ、プロピオニルオキシ等が挙げられる。
前記「置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアラルキルオキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、または置換されていてもよいアシルオキシ」の置換基としては、例えばハロゲン(好ましくはフッ素、塩素)、C−Cの直鎖または分枝状アルコキシ(好ましくは、メトキシ、エトキシ、2−プロポキシ)、C−Cの直鎖または分枝状アルキル(好ましくはメチル、エチル、2−プロピル等)、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ等が挙げられる。
「置換されていてもよいチオール」としては、チオール、アルキルチオ、アラルキルチオ、アリールチオ、またはヘテロアリールチオ等が挙げられる。
アルキルチオとしては、例えばメチルチオ、エチルチオ、2−プロピルチオ、またはシクロペンチルチオ等が挙げられ、好ましくはメチルチオ、エチルチオが挙げられる。
アラルキルチオとしては、例えばフェニル―(C−Cアルキル)チオが挙げられ、好ましくはベンジルチオ、フェネチルチオが挙げられる。
アリールチオとしては、例えばフェニルチオ、1−ナフチルチオ等が挙げられ、好ましくはフェニルチオが挙げられる。
ヘテロアリールチオとしては、好ましくはピリジルチオ、イミダゾリルチオ等が挙げられる。
アルキルスルホニルとしては、直鎖または分枝のC−Cアルキルスルホニルが挙げられ、好ましくはメタンスルホニル、エタンスルホニル、2−プロピルスルホニル等が挙げられる。
「アルキル置換されていてもよいカルバモイル基」としては、例えばカルバモイル、直鎖もしくは分枝鎖のC−Cモノアルキルアミノカルボニル、または直鎖もしくは分枝鎖のC−C12ジアルキルアミノカルボニルが挙げられる。直鎖または分枝鎖のC−Cアルキルアミノカルボニルとしては、好ましくは、メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、プロピルアミノカルボニル、2−プロピルアミノカルボニルが挙げられる。直鎖または分枝鎖のC−C12ジアルキルアミノカルボニルとしては、例えば、同一または異なるアルキルで置換されたカルバモイルが挙げられ、好ましくは、ジメチルアミノカルボニル、ジエチルアミノカルボニル、エチルメチルアミノカルボニル、メチルプロピルアミノカルボニル、ジシクロヘキシルアミノカルボニルが挙げられる。
およびWにおける、低級アルキレンとしては、例えば、直鎖状、または分枝状のC−C10アルキレンもしくは環状構造を含むC−C10アルキレンが挙げられ、好ましくは直鎖状、または分枝状のC−Cアルキレンもしくは環状構造を含むC−Cアルキレンが挙げられる。直鎖状、または分枝状のC−Cアルキレンとしてはメチレン、エチレン、トリメチレン、1−メチルメチレン、1−エチルメチレン、1−プロピルメチレン、1−メチルエチレン、2−メチルエチレン、1−エチルエチレン等が挙げられ、好ましくはメチレン、エチレンが挙げられる。環状構造を含むC−Cアルキレンとしては、式(12)

で表されるアルキレンが挙げられる。
における、低級アルケニレンとしては、例えば、C−Cアルケニレンが挙げられ、好ましくはC−Cアルケニレンが挙げられる。C−Cアルケニレンとしては、例えば直鎖状、または分枝状のC−Cアルケニレンが挙げられ、具体的にはシスまたはトランス―ビニレン、シスまたはトランス−1−プロペニレン、シスまたはトランス−2−プロペニレン、シスまたはトランス−1−ブテニレン、シスまたはトランス−2−ブテニレン、トランス−1−メチル−ビニレン、トランス−1−エチル−ビニレン、トランス−1−メチル−1−プロペニレン、トランス−2−メチル−1−プロペニレン等が挙げられ、好ましくはシスまたはトランス−ビニレンが挙げられる。
およびWにおける低級アルキレンとしては、例えば、直鎖状、または分枝状のC−C10アルキレンもしくは環状構造を含むC−C10アルキレンが挙げられ、好ましくは、直鎖状、または分枝状のC−Cアルキレンもしくは環状構造を含むC−Cアルキレンが挙げられる。直鎖状、または分枝状のC−Cアルキレンとしてはメチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、1−メチル−エチレン、1,1−ジメチル―エチレン、1−メチル−プロピレン、1,1−ジメチル−プロピレン等が、環状構造を含むC−Cアルキレンとしては、式(13)

で表されるアルキレンが挙げられ、より好ましくはエチレン、トリメチレン、テトラメチレンが挙げられる。
、Wにおける、低級アルケニレンとしては、C−Cアルケニレンが挙げられ、好ましくはC−Cアルケニレンが挙げられる。C−Cアルケニレンとしては、例えば直鎖状、または分枝状のC−Cアルケニレンが挙げられ、具体的にはシスまたはトランス―ビニレン、シスまたはトランス−1−プロペニレン、シスまたはトランス−2−プロペニレン、シスまたはトランス−1−ブテニレン、シスまたはトランス−2−ブテニレン、シスまたはトランス−3−ブテニレン、シスまたはトランス−1−メチル−2−プロペニレン、シスまたはトランス−3−メチル−2−プロペニレン、シスまたはトランス−2−メチル−2−プロペニレン、シスまたはトランス−1−メチル−2−プロペニレン等が挙げられ、より好ましくは、トランス−1−プロペニレン、トランス−1−ブテニレンが挙げられる。
およびWにおいて、「置換されていてもよい低級アルキレン」における低級アルキレンとしては、直鎖のC−C10アルキレンもしくは環状構造を含むC−C10アルキレンが挙げられ、好ましくは直鎖のC−Cアルキレンもしくは環状構造を含むC−Cアルキレンが挙げられる。直鎖のC−Cアルキレンとしてはメチレン、エチレン、トリメチレン等が挙げられ、より好ましくはメチレン、エチレンが挙げられる。環状構造を含むC−Cアルキレンとしては、式(14)

(式中、m、mは0から2の整数を表し、nは1から4の整数を表す)で表されるアルキレン等が挙げられる。
およびWにおける、「置換されていてもよい低級アルキレン」の置換基としては、例えば置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、ハロゲン原子、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいアシル、置換されていてもよいチオール、または置換されていてもよいヒドロキシ基等が挙げられ、さらにオキソ等が挙げられる。但し、オキソが置換する場合、安息香酸エステルは含まないものとする。該置換基の数は、置換可能な位置に1〜5個、好ましくは1〜2個の置換基を有してもよい。
該「置換されていてもよい低級アルキル」、「置換されていてもよいアリール」、「置換されていてもよいヘテロアリール」、ハロゲン原子、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいアシル、「置換されていてもよいヒドロキシ基」および「置換されていてもよいチオール」については、Arにおける「置換されていてもよいアリール」、「置換されていてもよいヘテロアリール」、Arにおける「置換されていてもよいアリーレン」、または「置換されていてもよいヘテロアリーレン」の置換基として定義されたものと同様である。
およびWにおける、「置換されていてもよい低級アルキレン」の置換基として好ましくは、メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、ベンジル、フェネチル、ピリジルメチル、トリフルオロメチル、フェニル、ピロール、チオフェン、ピリジン、フッ素、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アセチルアミノ、アセチル、ベンゾイル、メチルチオ、エチルチオ、メトキシ、エトキシ、1−プロピルオキシ、2−プロピルオキシ、オキソ等が挙げられる。
におけるアルコキシカルボニルとしては、例えば直鎖または分枝鎖のC−Cアルコキシを有する、具体的にはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、2−プロポキシ、2−メチル−プロポキシ、ブトキシ、2−メチル−2−プロポキシ等を有するカルボニルが挙げられ、好ましくは、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、2−プロポキシカルボニルが挙げられる。
における置換されていてもよいカルバモイルとしては、例えば直鎖または分枝鎖のC−Cアルキルアミノカルボニルもしくは直鎖または分枝鎖のC−C12ジアルキルアミノカルボニルが挙げられる。直鎖または分枝鎖のC−Cアルキルアミノカルボニルとしては、具体的にはメチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、プロピルアミノカルボニル、2−プロピルアミノカルボニル、ブチルアミノカルボニル等が挙げられ、好ましくは、直鎖または分枝鎖のC−Cアルキルアミノカルボニルが挙げられる。直鎖または分枝鎖のC−C12ジアルキルアミノカルボニルとしては、例えば、同一または異なるアルキルで置換されたカルバモイルが挙げられ、具体的にはジメチルアミノカルボニル、ジエチルアミノカルボニル、ジプロピルアミノカルボニル、ジイソプロピルアミノカルボニル、ジブチルアミノカルボニル、エチルメチルアミノカルボニル、メチルプロピルアミノカルボニル、ブチルメチルアミノカルボニル、エチルブチルアミノカルボニル、ジシクロヘキシルアミノカルボニル等が挙げられ、好ましくは、直鎖または分枝鎖のC−Cジアルキルアミノカルボニルが挙げられる。
における置換されていてもよい環状アミノカルボニルとしては、例えば、環構成原子として酸素原子、硫黄原子、または窒素原子を含んでいてもよい5〜7員環状のアミノを有し、この環状アミノはさらにC−Cアルキル、水酸基等で置換されていてもよい、具体的にはピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジニル、4−メチルピペラジニル、モルホリノ、チオモルホリノ、4−ヒドロキシピペリジノ等が挙げられ、好ましくは、ピロリジノ、モルホリノ、4−ヒドロキシピペリジノ、4−メチルピペラジニルが挙げられる。
における置換されていてもよいアルキルスルホニルカルバモイルとしては、例えば置換されていてもよい直鎖または分枝鎖のC−Cアルキルスルホニルを有する、具体的には、メタンスルホニル、エタンスルホニル、1−プロパンスルホニル、2−プロパンスルホニル、ブタンスルホニル、トリフルオロメタンスルホニル、フェニルメチルスルホニル、ピリジルメチルスルホニル等が挙げられ、好ましくは、メタンスルホニル、エタンスルホニル、2−プロパンスルホニルが挙げられる。
における置換されていてもよいアリールスルホニルカルバモイルとしては、例えば、ベンゼンスルホニル、4−メチルベンゼンスルホニル、4−クロロベンゼンスルホニル、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニル、3−メチルベンゼンスルホニル、1−ナフチルスルホニル、2−ナフチルスルホニル等が挙げられ、好ましくはベンゼンスルホニルが挙げられる。
10における「置換されていてもよい低級アルキル」の低級アルキルとしては、直鎖のC−C10アルキルもしくは環状構造を含むC−C10アルキル等が挙げられ、好ましくは、直鎖のC−Cアルキルもしくは環状構造を含むC−Cアルキルが挙げられ、具体的にはメチル、エチル、2−プロピル等が挙げられる。
該「R10における、置換されていてもよいC−Cアルキル」の置換基としては、例えば、ハロゲン、C−Cの直鎖または分枝状アルコキシ、C−Cの直鎖または分枝状アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、フェニル、ピリジル等が挙げられ、好ましくは、フッ素、塩素、メトキシ、エトキシ、2−プロポシ、メチル、エチル、2−プロピル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、フェニル、ピリジルが挙げられる。
におけるハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ、好ましくはフッ素、塩素が挙げられる。
における「置換されていてもよいアルキル」のアルキルとしては、例えば、C−Cの直鎖、分枝状または環状構造を含むアルキルが挙げられ、好ましくはメチル、エチル、2−プロピル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル等が挙げられる。
における「置換されていてもよいアリール」のアリールとしては、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等が挙げられ、好ましくはフェニルが挙げられる。
における「置換されていてもよいヘテロアリール」のヘテロアリールとしては、前記「Arにおける、置換されていてもよいヘテロアリールのヘテロアリール」として定義したものと同様であり、好ましくは、チオフェン、フラン、ピロール、ピリジン等が挙げられる。
における置換されていてもよいチオールとしては、前記「Arにおけるアリールまたはヘテロアリールの置換基」として定義したものと同様であり、好ましくは、メチルチオ、エチルチオ、2−プロピルチオ、ベンジルチオ、フェニルチオ、ピリジルチオ、イミダゾリルチオ等が挙げられる。
における、「置換されていたもよいアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール」の置換基としては、例えばハロゲン、C―Cの直鎖または分枝状アルコキシ、C−Cの直鎖または分枝状アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ等が挙げられ、好ましくは、フッ素、塩素、メトキシ、エトキシ、2−プロポキシ、メチル、エチル、2−プロピル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ等が挙げられる。
における、ハロゲン原子、「置換されていてもよいアルキル」、「置換されていてもよいアリール」、「置換されていてもよいヘテロアリール」、「置換されていてもよいチオール」としては、Rにおいて定義されたものと同様である。
における、「置換されていてもよいヒドロキシ、置換されていてもよい非芳香族複素環、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいアシル、またはアルキルスルホニル」としては、前記「Arにおけるアリールまたはヘテロアリールの置換基」として定義したものと同様であり、好ましくは、メトキシ、エトキシ、2−プロポキシ、トリフルオロメトキシ、メタンスルホニル等が挙げられる。
式(7)で表されるヘテロアリールの置換基としては、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいチオール、置換されていてもよいヒドロキシ、置換されていてもよい非芳香族複素環、置換されていてもよいアミノ、または置換されていてもよいアシル、またはアルキルスルホニルを表す。好ましくは、それぞれの置換基についてRにおいて例示されたものと同様のものが挙げられる。
プロドラッグとしては、生体内で化学的または生化学的に加水分解されて本発明の化合物を再生するものを言う。例えば、本発明ヘテロアリール化合物がカルボキシルを有する場合には、そのカルボキシルが適当なエステルに変換された化合物が挙げられる。このエステルの具体例としては、メチルエステル、エチルエステル、1−プロピルエステル、2−プロピルエステル、ピバロイルオキシメチルエステル、アセチルオキシメチルエステル、シクロヘキシルアセチルオキシメチルエステル、1−メチルシクロヘキシルカルボニルオキシメチルエステル、エチルオキシカルボニルオキシ−1−エチルエステル、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ−1−エチルエステル等が挙げられる。
薬学上許容される塩としては、本発明のヘテロアリール化合物またはその薬学上許容される塩が酸性基を有する場合は、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、亜鉛塩等の無機金属塩、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、トリヒドロキシメチルアミノメタン、アミノ酸等有機塩基塩等が挙げられる。本発明のヘテロアリール化合物またはその薬学上許容される塩が塩基性基を有する場合は、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩等の無機酸塩、および酢酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、アスコルビン酸塩等の有機酸塩等が挙げられる。
本発明には、式(1)のヘテロアリール化合物のプロドラッグも含まれる。また、本発明には、式(1)のヘテロアリール化合物もしくはプロドラッグ、またはそれらの薬学上許容される塩の水和物、エタノール溶媒和物等の溶媒和物も含まれる。
本発明のヘテロアリール化合物は、例えば以下に詳述する製造法、もしくはこれらに準ずる方法によって製造することができる。
なお、原料化合物として用いられる化合物は、それぞれ塩として用いてもよい。
本発明のヘテロアリール化合物のヘテロアリール部分は、自体公知の方法、例えばThe Chemistry of Heterocyclic Compounds(例えば、ピロール誘導体:vol.48 part1,part2; ピラゾール誘導体:vol.22; イミダゾール誘導体:vol.6 part1; トリアゾール誘導体:vol.6 part1; インドール誘導体:vol.25 partII,partIII,part4; インダゾール誘導体:vol.22; ベンズイミダゾール誘導体:vol.40 part1,part2等が挙げられる)、Methoden der Organischen Chemie(Houben−Weyl)(例えば、ピロール誘導体:Hetarene I,TEIL1,E6a,p556−798; ピラゾール誘導体:Hetarene III,TEIL 2,E8b,p399−710; イミダゾール誘導体:Hetarene III,TEIL 3,E8c,p1−215; トリアゾール誘導体:Hetarene II,TEIL 2,E7b,p286−686; インドール誘導体:Hetarene I,TEIL 2a,E6b1,p546−848,E6b2,p849−1336; インダゾール誘導体:Hetarene III,TEIL 2,E8b,p764−856;ベンズイミダゾール誘導体:Hetarene III,TEIL 3,E8c,p216−391等が挙げられる)、Comprehensive Heterocyclic Chemistry(例えば、ピロール誘導体、インドール誘導体:vol.4; ピラゾール誘導体、インダゾール誘導体:vol.5; イミダゾール誘導体、ベンズイミダゾール誘導体:vol.5; トリアゾール誘導体:vol.5; チオフェン誘導体:vol.5; ベンゾチオフェン誘導体:vol.6等などが挙げられる)、Comprehensive Heterocyclic Chemistry II(例えば、ピロール誘導体、インドール誘導体:vol.2; ピラゾール誘導体、インダゾール誘導体:vol.3; イミダゾール誘導体、ベンズイミダゾール誘導体:vol.3; トリアゾール誘導体:vol.4等が挙げられる)、ヘテロ環化合物の化学(講談社、1988年発行)、新実験化学講座14巻[IV](丸善、1977発行)、WO 02/085851、WO 02/10131−A1、WO 03/91211−A1、WO 04/048341等に記載されている方法あるいはそれに準じた方法によって製造することができる。
なお、これらの反応は単なる例示であり、有機合成に習熟している者の知識に基づき、適宜、他の方法で製造することもできる。
以降の各反応において、必要に応じて、官能基を保護することができる。保護基およびその保護、脱保護の技術はT.W.Greene and P.G.M.Wuts,”Protective Groups in Organic Synthesis”,3rd Ed.,John Wiley and Sons,inc.,New York(1999)に詳しく述べられている。
製造法(1)

式(1)のヘテロアリール誘導体は、a−dの部分でそれぞれ結合を形成することで、製造することができる。a−d部分の結合形成方法は、製造法(1−1)−製造法(1−3)のように例示することができる。a−d部分の結合形成の順番については、適宜変更することができる。また各製造法における出発物質は、公知の原料からa−d部分の結合形成方法を組み合わせることで製造することができる。
製造法(1−1)a、b部分の合成

(式中、Rは、メチル、エチル、t−ブチル等のアルキルを表し、L、Lはそれぞれ独立して、塩素、臭素、ヨウ素、Xは塩素、臭素、ヨウ素、トリフレート等の脱離基を表し、その他の記号は前記と同じ意味を表す。)
化合物(100)、化合物(101)、化合物(102)、および化合物(103)は、例えば、新実験化学講座14巻(丸善、1977年発行)、実験化学講座19〜26巻(丸善、1992年発行)、精密有機合成(南江堂、1983年発行)、ペプチド合成の基礎と実験(丸善、1985年発行)、Compendium of Organic Synthetic Methods,Vol.1−9(John Wiley & Sons)、Comprehensive Organic Synthesis,Vol.1−9(1991、Pergamon Press)、Comprehensive Organic Transformations(1989、VCH Publishers)等に記載されている方法あるいはそれに準じた方法によって製造することができる。
化合物(104)は、化合物(100)と化合物(101)、あるいは化合物(102)と化合物(103)から不活性溶媒中、塩基存在下、反応させることで製造することができる。すなわち、実験化学講座20巻(丸善、1992年発行)、J.Org.Chem,56,1321(1991)、Heterocycles,31,1745(1990)等記載のO−アルキル化反応あるいはそれに準じた方法によって製造することができる。
不活性溶媒としては、例えばエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等のエーテル系溶媒、トルエン、ベンゼン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジメチルスルフォキシド、N、N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル等の非プロトン溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、2種類以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。
塩基としては、例えば水素化ナトリウム、水素化カリウム等の金属ヒドリド、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸セシウム等の金属炭酸塩、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン等のアルキルアミン類、ナトリウムメトキシド、カリウムt−ブトキシド等の金属アルコキシドが挙げられる。
反応温度は、約−20℃から溶媒の沸点付近の範囲から選択され、好ましくは約0℃から溶媒の沸点付近の範囲が挙げられる。
化合物(104−1)は、化合物(104)から通常の脱保護の技術を用いることで製造することができる。例えば、酸または塩基存在下、加水分解反応によって得られる。
酸としては、例えば塩酸、硫酸、酢酸、臭化水素酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルフォン酸等が挙げられる。
溶媒としては、例えばエーテル、THF、ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトン、ジメチルスルフォキシド、N、N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル等の非プロトン溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒等が挙げられ、1種類以上の溶媒と水を適宜の割合で混合して用いてよく、また無溶媒で行ってもよい。
反応温度は、約−20℃から溶媒の沸点付近の範囲から選択され、好ましくは約−10℃から溶媒の沸点付近の範囲が挙げられる。
塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の水酸化アルカリ金属、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム等の金属炭酸塩等が挙げられ、含水溶媒中で行われる。
含水溶媒としては、例えばエーテル、THF、ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトン、ジメチルスルフォキシド、N、N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル等の非プロトン溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒等から選ばれる1種類以上の溶媒と適宜の割合の水との混合溶媒が用いられる。
反応温度は、約−20℃から溶媒の沸点付近の範囲から選択され、好ましくは約−10℃から溶媒の沸点付近の範囲が挙げられる。
製造法(1−2) c部分、d部分の合成


(式中、全ての記号は前記と同じ意味を表す。)
c部分の結合形成方法、d部分の結合形成方法、および化合物(106)、(107)の製造方法については、例えば、WO 02/085851、WO 02/10131−A1、WO 03/91211−A1、WO 04/048341、Organic Letters,4,973(2002)、Tetrahedron Letters,40,2657(1997)、Chemical Communication,188(2004)に記載の方法、あるいはそれに準じた方法によって製造することができる。

(式中、Pgは保護基を表し、その他の記号は前記と同じ意味を表す。)
化合物(109)、および化合物(110)は、例えば、新実験化学講座14巻(丸善、1977年発行)、実験化学講座19〜26巻(丸善、1992年発行)、精密有機合成(南江堂、1983年発行)、Compendium of Organic Synthetic Methods,Vol.1−9(John Wiley & Sons)等に記載されている方法、あるいはそれに準じた方法によって製造することができる。
製造法(1−3)

(式中、Rは、前記の定義のうちアルコキシカルボニル基、置換されてもよいカルバモイル基、置換されてもよい環状アミノカルボニル基、置換されてもよいアルキルスルホニルカルバモイル基、置換されてもよいアリールスルホニルカルバモイル基、またはテトラゾリル基を表し、その他の記号は前記と同じ意味を表す。)
化合物(112)は、化合物(108)から通常の脱保護の技術を用いることで製造することができる。例えば、酸または塩基存在下、加水分解反応によって得られる。
酸としては、例えば塩酸、硫酸、酢酸、臭化水素酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルフォン酸等が挙げられる。
溶媒としては、例えばエーテル、THF、ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトン、ジメチルスルフォキシド、N、N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル等の非プロトン溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒等が挙げられ、1種類以上の溶媒と水を適宜の割合で混合して用いてよく、また無溶媒で行ってもよい。
反応温度は、約−20℃から溶媒の沸点付近の範囲から選択され、好ましくは約−10℃から溶媒の沸点付近の範囲が挙げられる。
塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の水酸化アルカリ金属、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム等の金属炭酸塩等が挙げられ、含水溶媒中で行われる。
含水溶媒としては、例えばエーテル、THF、ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトン、ジメチルスルフォキシド、N、N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル等の非プロトン溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒等から選ばれる1種類以上の溶媒と適宜の割合の水との混合溶媒が用いられる。
反応温度は、約−20℃から溶媒の沸点付近の範囲から選択され、好ましくは約−10℃から溶媒の沸点付近の範囲が挙げられる。
化合物(1)は、化合物(112)から自体公知の方法、例えば新実験化学講座14巻(丸善、1977年発行)、実験化学講座19〜26巻(丸善、1992年発行)、精密有機合成(南江堂、1983年発行)、ペプチド合成の基礎と実験(丸善、1985年発行)、Compendium of Organic Synthetic Methods,Vol.1−9(John Wiley & Sons)、Comprehensive Organic Synthesis,Vol.1−9(1991、Pergamon Press)、Comprehensive Organic Transformations(1989、VCH Publishers)、J.Org.Chem.,56,2395(1991)、Org.Synth.3,646(1955)、Org.Synth.29,75(1949)、Org.Synth,50,18(1970)、Org.Synth.50,52(1970)、J.Org.Chem.,64,2322(1999)、Tetrahedron Lett.,41,6981(2000)、Org.Lett.,2,2789(2000)、Org.Lett.,3,193(2001)、J.Org.Chem.,57,5285(1992)、J.Org.Chem.,66,7945(2001)等に記載されている方法あるいはそれに準じた方法によって製造することができる。
本反応は、−COHから、アルコキシカルボニル基、置換されてもよいカルバモイル基、置換されてもよい環状アミノカルボニル基、置換されてもよいアルキルスルホニルカルバモイル基、置換されてもよいアリールスルホニルカルバモイル基、テトラゾリル基への変換反応、または−COHからシアノ基への変換反応、シアノ基からテトラゾリル基への変換反応を表す。
製造法(2)環Zの構築方法
製造法(2−1)

環Z上に置換基Rがあり環を構築する必要がある場合、例えば前記のComprehensive Heterocyclic Chemistry(例えば、ピロール誘導体、インドール誘導体:vol.4; ピラゾール誘導体、インダゾール誘導体:vol.5; イミダゾール誘導体、ベンズイミダゾール誘導体:vol.5; トリアゾール誘導体:vol.5; チオフェン誘導体:vol.5; ベンゾチオフェン誘導体:vol.6等などが挙げられる)、Comprehensive Heterocyclic Chemistry II(例えば、ピロール誘導体、インドール誘導体:vol.2; ピラゾール誘導体、インダゾール誘導体:vol.3; イミダゾール誘導体、ベンズイミダゾール誘導体:vol.3; トリアゾール誘導体:vol.4等が挙げられる)等に記載の方法、あるいはそれに準じる方法によって製造することができる。
例えば環Zがイミダゾールの場合、化合物(117)は、例えば化合物(115)、あるいは化合物(116)をホルムアミドと150〜200℃にて加熱することにより製造することができる。

(式中、R20、R21は独立して水素原子、ハロゲン原子、置換されてもよいアルキル、置換されてもよいアリール、置換されてもよいヘテロアリール、または置換されてもよいチオールを表し、Lは水酸基、アミノ、臭素、塩素等を表す)
また環Z上の置換基として、RまたはRに臭素またはヨウ素が存在する場合、アリールボロン酸、またはヘテロアリールボロン酸とのSuzukiカップリング反応(J.Organomet.Chem,576,147(1999)、J.Am.Chem.Soc,122,4020(2000)、J.Am.Chem.Soc,124,6343(2002)等記載の方法、またはそれに準じた方法によって製造できる)、アリールスズ化合物、またはヘテロアリールスズ化合物とのStilleカップリング反応(Angew.Chem.Int.Ed.Engl,25,508(1986)記載の方法、またはそれに準じた方法によって製造できる)等によってもRまたはRにアリール、またはヘテロアリールの導入を行うことができる。
製造法(2−2)

式(7)で表されるヘテロアリール環は、例えば、Tetrahedron,53,3637(1997)、Tetrahedron Lett.,39,5159(1998)、Tetrahedron,49,2885(1993)、Synthesis,877(1996)、J.Heterocycl.Chem.,6,775(1969)、Heterocycles,34,2379(1992)、Bioorg.Med.chem.Lett.,10,2171(2000)、Bioorg.Med,Chem.Lett.,10,2167(2000)、Angew.Chem.Int.Ed.,39,2488(2000)、Tetrahedron,54,2931(1998)、J.Org.Chem.,48,1060(1983)、J.Org.Chem.,30,1528(1965)、J.Org,Chem,,65,7825(2000)、J.Med.Chem.,16,1296(1973)、Tetrahedron,48,10549(1992)、Heterocycles,41,161(1995)等に記載されている方法、あるいはそれに準じた方法によって製造することができる。
本発明のヘテロアリール誘導体もしくはプロドラッグは、不斉が生じる場合または不斉炭素を有する置換基を有する場合があり、そのような化合物にあっては光学異性体が存在する。本発明化合物にはこれらの各異性体の混合物や単離されたものを含む。そのような光学異性体を純粋に得る方法としては、例えば光学分割が挙げられる。
光学分割法としては、本発明化合物またはその中間体を不活性溶媒中(例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトニトリル等およびこれらの混合溶媒)、光学活性な酸(例えば、マンデル酸、N−ベンジルオキシアラニン、乳酸などのモノカルボン酸類、酒石酸、o−ジイソプロピリデン酒石酸、リンゴ酸などのジカルボン酸類、カンファースルフォン酸、ブロモカンファースルフォン酸などのスルフォン酸類)と塩を形成させることもできる。
本発明のヘテロアリール誘導体もしくはプロドラッグまたはその中間体がカルボキシル基等の酸性置換基を有する場合は光学活性なアミン(例えばα−フェネチルアミン、1、2−ジフェニル−エタノールアミン、(1R,2S)−(−)−2−アミノ−1,2−ジフェニルエタノール、(1S,2R)−(+)−2−アミノ−1,2−ジフェニルエタノール、キニン、キニジン、シンコニジン、シンコニン、ストリキニーネ等の有機アミン類)と塩を形成させることもできる。
塩を形成させる温度としては、室温から溶媒の沸点の範囲が挙げられる。光学純度を向上させるためには、一旦、溶媒の沸点付近まで温度を上げることが望ましい。析出した塩を濾取する前に必要に応じて冷却し、収率を向上させることができる。光学活性な酸またはアミンの使用量は、基質に対し約0.5〜約2.0当量の範囲、好ましくは1当量前後の範囲が適当である。必要に応じ結晶を不活性溶媒中(例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトニトリル等およびこれらの混合溶媒)で再結晶し、高純度の光学活性な塩を得ることもできる。必要に応じ、得られた塩を通常の方法で酸または塩基と処理しフリー体を得ることもできる。
本発明のヘテロアリール誘導体またはその塩は経口的または非経口的に投与することができる。経口的に投与する場合、通常用いられる投与形態で投与することができる。非経口的には、局所投与剤、注射剤、経皮剤、経鼻剤等の形で投与することができる。経口剤または直腸投与剤としては、例えば、カプセル、錠剤、ピル、散剤、カシェ剤、座剤、液剤等が挙げられる。注射剤としては、例えば、無菌の溶液または懸濁液等が挙げられる。局所投与剤としては、例えば、クリーム、軟膏、ローション、経皮剤(通常のパッチ剤、マトリクス剤)等が挙げられる。
上記の剤形は通常の方法で、薬学的に許容される賦形剤、添加剤とともに製剤される。薬学的に許容される賦形剤、添加剤としては、担体、結合剤、香料、緩衝剤、増粘剤、着色剤、安定剤、乳化剤、分散剤、懸濁化剤、防腐剤等が挙げられる。
薬学的に許容される担体としては、例えば、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、砂糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、澱粉、ゼラチン、トラガント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、低融点ワックス、カカオバター等が挙げられる。カプセルは、本発明化合物を薬学的に許容される担体と共に中に入れることにより製剤できる。本発明化合物は薬学的に許容される賦形剤と共に混合し、または賦形剤なしにカプセルの中に入れることができる。カシェ剤も同様の方法で製造できる。
注射用液剤としては、溶液、懸濁液、乳剤等が挙げられる。例えば、水溶液、水−プロピレングリコール溶液等が挙げられる。液剤は、水を含んでもよい、ポリエチレングリコールまたは/およびプロピレングリコールの溶液の形で製造することもできる。経口投与に適切な液剤は、本発明化合物を水に加え、着色剤、香料、安定化剤、甘味剤、溶解剤、増粘剤等を必要に応じて加え製造することができる。また経口投与に適切な液剤は、本発明化合物を分散剤とともに水に加え、粘重にすることによっても製造できる。増粘剤としては、例えば、薬学的に許容される天然または合成ガム、レジン、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースまたは公知の懸濁化剤等が挙げられる。
局所投与剤としては、上記の液剤および、クリーム、エアロゾル、スプレー、粉剤、ローション、軟膏等が挙げられる。上記の局所投与剤は、本発明化合物と通常に使用される薬学的に許容される希釈剤および担体と混合し製造できる。軟膏およびクリームは、例えば、水性または油性の基剤に増粘剤および/またはゲル化剤を加えて製剤化して得られる。該基剤としては、例えば、水、液体パラフィン、植物油(ピーナッツ油、ひまし油等)等が挙げられる。増粘剤としては、例えばソフトパラフィン、ステアリン酸アルミニウム、セトステアリルアルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ラノリン、水素添加ラノリン、蜜蝋等が挙げられる。
ローションは、水性または油性の基剤に、一種類またはそれ以上の薬学的に許容される安定剤、懸濁化剤、乳化剤、拡散剤、増粘剤、着色剤、香料等を加えることができる。
散剤は、薬学的に許容される散剤の基剤と共に製剤化される。基剤としては、タルク、ラクトース、澱粉等が挙げられる。ドロップは水性または非水性の基剤と一種またはそれ以上の薬学的に許容される拡散剤、懸濁化剤、溶解剤等と共に製剤化できる。
局所投与剤は、必要に応じて、ヒドロキシ安息香酸メチル、ヒドロキシ安息香酸プロピル、クロロクレゾール、ベンズアルコニウムクロリド等の防腐剤、細菌増殖防止剤を含んでもよい。
本発明のヘテロアリール誘導体またはその塩は、糖尿病の患者、特に2型糖尿病またはインスリン非依存型糖尿病患者に対して投与できる。また、本発明のヘテロアリール誘導体またはその塩は、糖尿病の患者の血糖値をコントロールすることができる。その際の、投与量、投与回数は症状、年齢、体重、投与形態等によって異なるが、経口投与する場合には、通常は成人に対し1日あたり約1〜約500mgの範囲、好ましくは約5〜約100mgの範囲を1回または数回に分けて投与することができる。注射剤として投与する場合には約0.1〜約300mgの範囲、好ましくは約1〜約100mgの範囲を1回または数回に分けて投与することができる。
本発明によって得られる一般式(1)を有する化合物の具体例としては、例えば以下に示した表1〜6に示した化合物を挙げることができる。






【実施例】
以下に参考例および実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、以下の参考例及び実施例において示された化合物の命名はACD Labs 7.0 Nameで行った。
(method A)
LC−MS分析条件
本体:ZQ2000(waters社)、イオン化法:ESI
カラム:XTerra MS C18 2.5μm(2.1x20mm)(waters社)
A液:HO、B液:アセトニトリル、流速:1ml/min
分析条件;
0.0min→0.5min:A液95%一定(B液5%)
0.5min→2.5min:A液95%→1%(B液5%→99%)
2.5min→3.5min A液1%一定(B液99%)
0min→3.5minにおいて、A液+B液(=全量)に対して0.06%ギ酸存在下にて分析)
(method B)
本体:API 150EX(PE SCIEX社)、イオン化法:ESI
カラム:CombiScreen Hydrosphere C18 S−5μm(4.6x50mm)(YMC社)
A液:0.05%トリフルオロ酢酸水
B液:0.035%トリフルオロ酢酸含有アセトニトリル
流速:3.5ml/min
分析条件;
0.0min→0.5min:A液90%一定(B液10%)
0.5min→4.2min:A液90%→1%(B液10%→99%)
4.2min→4.4min A液1%一定(B液99%)
R.T.=Retention Time
参考例1
(1−アリル−1H−ピロール−2−イル)(4−メチルフェニル)メタノン
参考例1−1
(4−メチルフェニル)[1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2−イル]メタノン

窒素気流下、1−ベンゼンスルホニル1H−ピロール(284g,1.37mol)のジクロロメタン(1.0L)溶液に塩化p−トルオイル(318g,2.06mol)と三フッ化ホウ素エーテル錯体(350g,2.47mol)を加え、混合物を室温で7日間放置した。反応溶液を1N塩酸水(750mL)で2回、1N水酸化ナトリウム水溶液(750mL)、飽和食塩水(100mL)で、それぞれ順に洗浄し、乾燥、濾過した。濾液を常圧で約500mlになるまで濃縮し、ヘキサン(500mL)を加えた。さらに、約500mlになるまで濃縮し、10℃まで冷却し、結晶を濾取した。これをヘキサン、トルエンで順に洗浄、乾燥し、表題化合物を得た(315g,71%)。
H NMR(CDCl,300MHz)δ8.12(d,2H,J=8.3Hz),7.75−7.78(m,1H),7.72(brd,2H,J=7.9Hz),7.65(brt,1H,J=7.9Hz),7.58(brt,2H,J=7.9Hz),7.25(d,2H,J=8.3Hz),6.69−6.72(m,1H),6.35(dd,1H,J=3.1,0.5Hz),2.42(s,3H).
参考例1−2
(4−メチルフェニル)(1H−ピロール−2−イル)メタノン

参考例1−1(145g,446mmol)をメタノール(1.0L)に懸濁し、5N水酸化ナトリウム水(1.1kg)を加え、30分間加熱還流した。この溶液を0℃まで冷却し、析出した結晶を濾取し、乾燥して表題化合物を得た(80g,97%)。
H NMR(CDCl,300MHz)δ9.52(brs,1H),8.25(d,2H,J=8.3Hz),7.29(d,2H,J=8.3Hz),7.12(brs,1H),6.88−6.91(m,1H),6.32−6.36(m,1H),2.44(s,3H).
参考例1−3
(1−アリル−1H−ピロール−2−イル)(4−メチルフェニル)メタノン

t−ブトキシカリウム(1.05g,9.36mmol)をテトラヒドロフラン(THF)(10mL)に溶解し、参考例1−2(1.65g,8.91mmol)を加えた。室温で30分間攪拌し、臭化アリル(1.62g,13.4mmol)を加えた。2時間攪拌し、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、表題の化合物を合成した(1.61g,80%)。
H NMR(CDCl,400MHz)δ7.71(d,2H,J=8.1Hz),7.25(d,2H,J=8.1Hz),6.98(dd,1H,J=1.6,2.5Hz),6.74(dd,1H,J=1.6,4.0Hz),6.19(dd,1H,J=2.5,4.0Hz),6.07(ddt,1H,J=10.3,16.7,5.6Hz),5.16(dq,1H,J=10.3,1.3Hz),5.07(dq,1H,J=16.7,1.3Hz),5.05(dt,2H,J=5.6,1.3Hz),2.42(brs,3H).
参考例2
(1−アリル−1H−ピロール−2−イル)(4−メトキシフェニル)メタノン

参考例1と同様に表題化合物を合成した。
LC−MS(Method B):R.T.3.65min.,m/z 242(M+1)
参考例3
(1−アリル−1H−ピロール−2−イル)(4−エチルフェニル)メタノン

参考例1と同様に表題化合物を合成した。
LC−MS(Method B):R.T.4.05min.,m/z 240(M+1)
参考例4
(1−アリル−1H−ピロール−2−イル)(3,5−ジメチルフェニル)メタノン

参考例1と同様に表題化合物を合成した。
LC−MS(Method A):R.T.2.47min.,m/z 240(M+1)
参考例5
(1−アリル−4−メチル−1H−ピロール−2−イル)(4−メトキシフェニル)メタノン
参考例5−1
5−(4−メトキシベンゾイル)−1H−ピロール−3−カルバルデヒド

参考例1−2と同様に合成した(4−メトキシフェニル)(1H−ピロール−2−イル)メタノン(1.50g,7.45mmol)をニトロメタン(8.0g)と塩化エチレン(8.0g)に溶解し、10℃に冷却して、塩化アルミニウム(3.99g,29.8mmol)を加えた。混合物にジクロロメチルメチルエーテル(1.88g,16.4mmol)の塩化エチレン(3.0g)溶液を滴下し、1時間攪拌した。混合物に塩酸水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を硫酸マグネシウム、活性炭で処理し、濾過し、濃縮した。残渣をトルエンで洗浄し、表題化合物を得た(1.2g,70%)
H NMR(CDCl,400MHz)δ10.20(brs,1H),9.90(s,1H),7.98(d,2H,J=8.9Hz),7.72(dd,1H,J=3.3,1.4Hz),7.33(dd,1H,J=2.3,1.4Hz),7.01(d,2H,J=8.9Hz),3.91(s,3H).
参考例5−2
(4−メトキシフェニル)(4−メチル−1H−ピロール−2−イル)メタノン

参考例5−1(230mg,1.00mmol)の化合物を10%パラジウム−炭素(230mg)とTHF(3.0mL)中で水素雰囲気下、8時間攪拌した。混合物を濾過し、濾液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を得た(130mg,60%)。
H NMR(CDCl,400MHz)δ9.38(brs,1H),7.92(d,2H,J=8.9Hz),6.97(d,2H,J=8.9Hz),6.89−6.90(m,1H),6.70(dd,1H,J=1.2,2.0Hz),3.88(s,3H),2.15(s,3H).
参考例5−3
(1−アリル−4−メチル−1H−ピロール−2−イル)(4−メトキシフェニル)メタノン

参考例1−3と同様に表題化合物を合成した。
LC−MS(Method A):R.T.2.34min.,m/z 256(M+1)
参考例6
(1−アリル−1H−ピロール−3−イル)(4−メチルフェニル)
参考例6−1
(1−ベンゼンスルホニル−1H−ピロール−3−イル)(4−メチルフェニル)ケトン

窒素気流下、塩化アルミニウム(4.62g,34.7mmol)の塩化エチレン(50mL)懸濁液に塩化p−トルオイル(4.91g,31.8mmol)の塩化エチレン(5mL)溶液を室温で10分かけて加えた。30分攪拌後、その混合物に、1−ベンゼンスルホニル1H−ピロール(6.00g,28.9mmol)の塩化エチレン(10mL)溶液を10分かけて加えた。室温で、2時間攪拌した。反応混合物を氷水中に注ぎ、水層をジクロロメタンで2回抽出した。有機層を合わせ、乾燥、濾過した。濾液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を得た(9.9g,100%)。
H NMR(CDCl,300MHz)δ7.89(brd,2H,J=7.9Hz),7.73(d,2H,J=8.0Hz),7.65(brt,1H,J=7.9Hz),7.65(brs,1H),7.34(brt,2H,J=7.9Hz),7.29(d,2H,J=8.0Hz),7.22(dd,1H,J=2.2,2.8Hz),6.80(dd,1H,J=1.5,2.8Hz),2.44(s,3H).
[実施例6−2]
(1H−ピロール−3−イル)(4−メチルフェニル)ケトン

参考例6−1の化合物(6.50g,20.0mmol)と5N水酸化ナトリウム水(70mL)THF(70mL)を45℃で6時間攪拌した。有機層を分離し、溶媒が5mLになるまで濃縮し、室温で2日間放置した。析出した、結晶を濾取し、冷THFで洗浄し、表題化合物を得た(3.1g,84%)。
H NMR(CDCl,300MHz)δ7.76(d,2H,J=8.1Hz),7.35(brquint.,1H,J=1.5Hz),7.26(d,2H,J=8.1Hz),6.84(brq,1H,J=1.5Hz),6.76(brs,1H),2.43(s,3H).
[実施例6−3]
(1−アリル−1H−ピロール−3−イル)(4−メチルフェニル)メタノン

参考例1−3と同様に表題化合物を得た。
LC−MS(Method A):R.T.2.34min.,m/z 226(M+1)
参考例7
(1−アリル−1H−イミダゾール−2−イル)[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メタノン
参考例7−1
N,N−ジメチル−1H−イミダゾール−1−スルホンアミド

イミダゾール(5.00g,73.6mmol)を80mlのトルエンに溶かして、トリエチルアミン(9.52ml,68.4mmol)、ジメチルスルファモイルクロリド(6.77ml,63.3mmol)を加えて、8時間室温攪拌した。生じた沈殿を濾過して除去し、濾液を減圧留去した。得られた残渣をヘキサンで共沸することによって、表題化合物を得た(10.9g,98%)。
H NMR(CDCl,400MHz)δ7.87(s,1H),7.23(d,1H,J=1.4Hz),7.11(d,1H,J=1.4Hz),2.82(s,6H).
参考例7−2
1H−イミダゾール−2−イル[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メタノン

参考例7−1の化合物(1.00g,5.71mmol)を30mlのTHFに溶かして、−78℃攪拌した。この溶液にn−ブチルリチウム(1.57Mのヘキサン溶液,3.9ml,6.3mmol)を加えて、−78℃のまま30分間攪拌した。次いで、4−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド(1.49g,8.57mmol)のTHF(5ml)溶液を加えて、室温へと温度を上げて終夜攪拌した。反応溶液に2.5Nの希塩酸、ヘキサン−酢酸エチル(3:1)溶液を加えて、水層を抽出した。水層は、4N水酸化ナトリウム水溶液を加えることで、塩基性にして、酢酸エチルで抽出した。有機層は水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣を150mlのクロロホルムに溶かして、二酸化マンガン(20.0g,23.0mmol)を加えて70℃で2時間攪拌した。反応液は、セライトを通して濾過を行い、濾液の溶媒を減圧留去した。得られた残渣を20mlのTHFに溶かして、4N希塩酸を50ml加えて、4時間加熱還流した。氷冷下攪拌しながら、4N水酸化ナトリウム水溶液の滴下を行い中和して、酢酸エチルで抽出した。有機層は、水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによって、表題化合物を得た(320mg,23%)。
H NMR(CDCl,400MHz)δ10.61(brs,1H),8.69(d,2H,J=8.2Hz),7.78(d,2H,J=8.2Hz),7.42(d,1H,J=0.9Hz),7.34(d,1H,J=0.9Hz).
参考例7−3
(1−アリル−1H−イミダゾール−2−イル)[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メタノン

参考例7−2の化合物(320mg,1.33mmol)を5mlのTHFに溶かして、t−ブトキシカリウム(164mg,1.46mmol)を加えた。室温で30分間攪拌した後、臭化アリル(213mg,2.00mmol)を加えて、40℃で4時間攪拌した。反応溶液に水を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層は、水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して、ヘキサンで共沸することで、表題化合物を得た(368mg,99%)。
H NMR(CDCl,400MHz)δ8.34(d,2H,J=8.2Hz),7.74(d,2H,J=8.2Hz),7.28(d,1H,J=0.8Hz),7.22(d,1H,J=0.8Hz),6.08(ddt,1H,J=10.3,17.0,5.8Hz),5.28(d,1H,J=10.3Hz),5.16(d,1H,J=17.0Hz),5.13(d,2H,J=5.8Hz).
参考例8
(1−アリル−1H−イミダゾール−2−イル)[4−(メチル)フェニル]メタノン

参考例7と同様に表題化合物を得た。
LC−MS(Method B):R.T.3.42min.,m/z 227(M+1)
参考例9
(1−アリル−1H−イミダゾール−2−イル)[4−(メトキシ)フェニル]メタノン

参考例7と同様に表題化合物を得た。
LC−MS(Method B):R.T.3.42min.,m/z 227(M+1)
参考例10
(1−アリル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メタノン
参考例10−1
N,N−ジメチル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−スルホンアミド

トリアゾール(5.08g,73.6mmol)を80mlのトルエンに溶かして、トリエチルアミン(9.52ml,68.4mmol)、ジメチルスルファモイルクロリド(10.6ml,73.6mmol)を加えて、50℃で2時間攪拌した。生じた沈殿を濾過して除去し、濾液を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによって、表題化合物を得た(4.52g,38%)。
H NMR(CDCl,400MHz)δ8.58(s,1H),8.06(s,1H),2.99(s,6H).
参考例10−2
1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メタノン

参考例10−1の化合物(2.00g,11.4mmol)を60mlのTHFに溶かして、−78℃で攪拌した。この溶液にn−ブチルリチウム(1.57Mのヘキサン溶液,8.0ml,13mmol)を加えて、−78℃のまま1時間攪拌した。次いで、4−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド(2.98g,17.1mmol)のTHF(20ml)溶液を加えて、室温へと温度を上げて終夜攪拌した。反応溶液に塩化アンモニウム水溶液を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層は水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣を150mlのクロロホルムに溶かして、二酸化マンガン(12.0g,13.8mmol)を加えて70℃で2時間攪拌した。反応液は、セライトを通して濾過を行い、濾液の溶媒を減圧留去した。得られた残渣を40mlのTHFに溶かして、4N希塩酸を100ml加えて、4時間加熱還流した。氷冷下攪拌しながら、4N水酸化ナトリウム水溶液の滴下を行い中和して、酢酸エチルで抽出した。有機層は、水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣を酢酸エチルから再結晶することによって、表題化合物を得た(1.54g,56%)。
H NMR(DMSO−d,400MHz)δ14.96(brs,1H),8.80(s,1H),8.43(d,2H,J=8.3Hz),7.96(d,2H,J=8.3Hz).
参考例10−3
(1−アリル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メタノン

参考例10−2の化合物(241mg,1.00mmol)を3mlのDMFに溶かして、氷冷下攪拌した。水素化ナトリウム(60% in parafin liquid)(44.0mg,1.10mmol)を加えた後、50℃で1時間攪拌した。さらに反応溶液中に、50℃のまま臭化アリル(107mg,1.00mmol)のDMF(1ml)溶液を加えた。50℃で2時間攪拌した後、室温に温度を下げ、水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層は、水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによって、表題化合物を得た(41.8mg,15%)。
H NMR(CDCl,400MHz)δ8.47(d,2H,J=8.2Hz),8.07(s,1H),7.78(d,2H,J=8.2Hz),6.07(ddt,1H,J=10.3,17.0,5.8Hz),5.28(d,1H,J=10.3Hz),5.26(d,2H,J=5.8Hz),5.24(d,1H,J=17.0Hz).
参考例10−4
(1−アリル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メタノン

参考例10−3の化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製する際に、参考例10−4の化合物も得られた。
LC−MS(Method B):R.T.3.90min.,m/z 282(M+1)
参考例11
(1−アリル−1H−ピラゾール−5−イル)(4−プロピルフェニル)メタノン
参考11−1
1−アリル−1H−ピラゾール−5−カルバルデヒド

ピラゾール−3−カルバルデヒド(3.00g,31.2mmol)を20mlのDMFに溶かして攪拌しながら、炭酸カリウム(6.47g,46.8mmol)、臭化アリル(3.50g,32.8mmol)を加えた。室温で6時間攪拌した後、水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層は、水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによって、表題化合物を得た(429mg,10%)。
H NMR(CDCl,400MHz)δ9.86(s,1H),7.59(d,1H,J=2.0Hz),6.93(d,1H,J=2.0Hz),6.04−5.94(ddt,1H,J=10.3,17.1,5.7Hz),5.19(dd,1H,J=1.2,10.3Hz),5.16(d,2H,J=5.7Hz),5.09(dd,1H,J=1.2,17.1Hz).
参考例11−2
(1−アリル−1H−ピラゾール−5−イル)(4−プロピルフェニル)メタノン

粉末状のマグネシウム(26.7mg,1.10mmol)に1−n−プロピル−4−ブロモベンゼン(220mg,1.10mmol)を室温下で滴下した。反応液は、さらに50℃で1時間攪拌した後、−78℃に冷却した。参考例11−1の化合物(75.0mg,0.551mmol)のTHF(1ml)溶液を加えて、室温で2時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層は、水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣を50mlのクロロホルムに溶かして、二酸化マンガン(5.00g,5.75mmol)を加えて60℃で3時間攪拌した。反応液を室温まで温度を下げて、セライトを通して濾過した。濾液の溶媒を減圧留去して、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによって、表題化合物を得た(64.0mg,46%)。
H NMR(CDCl,400MHz)δ7.81(d,2H,,J=8.2Hz),7.56(d,1H,J=2.0Hz),7.29(d,2H,J=8.2Hz),6.67(d,1H,J=2.0Hz),6.06(ddt,1H,J=10.3,17.1,5.7Hz),5.19(d,1H,J=10.3Hz),5.17(d,2H,J=5.7Hz),5.13(d,1H,J=17.1Hz),2.67(t,2H,J=7.4Hz),1.69(tq,2H,J=7.4,7.3Hz),0.96(t,3H,J=7.3Hz).
参考例12
(2S)−2−(3−{4−[2−(3−メトキシベンゾイル)−4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル]ブチル}フェノキシ)プロパン酸

4−(トリフルオロメチル)安息香酸(20.0g,105mmol)を200mlのDMFに溶かして、0℃で攪拌しながら、N,0−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(12.3g,126mmol)、1−エチル3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(WSC)(24.2g,126mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)(17.1g,126mmol)、トリエチルアミン(11.9g,117mmol)を順次加えていった。2時間室温で攪拌して、水を加えて酢酸エチルで抽出した。溶媒を減圧留去して、トルエンで共沸することによって、表題化合物を得た(25.3g,quant.)。
H NMR(CDCl,400MHz)δ7.79(d,2H,J=8.1Hz),7.67(d,2H,J=8.1Hz),3.53(s,3H),3.38(s,3H).
参考例13
N,3−ジメトキシ−N−メチルベンズアミド

参考例12と同様にして、参考例13の化合物を合成した。
LC−MS(Method A):R.T.1.83min.,m/z 196(M+1)
参考例14
N−メトキシ−N−メチル−6−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド

参考例12と同様にして、参考例14の化合物を合成した。
LC−MS(Method A):R.T.1.91min.,m/z 235(M+1)
参考例15
(3−メトキシフェニル)[4−(4−メトキシフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]メタノン
参考例15−1
4−(4−メトキシフェニル)−1H−イミダゾール

4−メトキシフェナシルブロミド(2.29g,10.0mmol)をホルムアミド(45.0g,1.00mol)に溶かして、170℃で6時間攪拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層は、水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して、200mlのヘキサン−酢酸エチル(5:1)を加えた。懸濁液のまま50℃で2時間攪拌した後、さらに室温で5時間攪拌した。析出した結晶を濾取して、ヘキサンで洗浄することによって、表題化合物を得た(1.52g,87%)。
H NMR(CDCl,400MHz)δ8.05(brs,1H),7.68(d,1H,J=1.1Hz),7.63(d,2H,J=8.9Hz),7.23(d,1H,J=1.1Hz),6.91(d,2H,J=8.9Hz),3.81(s,3H).
参考例15−2
4−(4−メトキシフェニル)−N,N−ジメチル−1H−イミダゾール1−スルホンアミド

参考例15−1の化合物(1.02g,5.86mmol)を100mlのアセトニトリルに溶かして、炭酸カリウム(1.21g,8.78mmol)とジメチルスルファモイルクロリド(1.01g,7.03mmol)を順次加えて、70℃で7時間攪拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、水を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層は、水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して、得られた残渣をトルエンで3回共沸することによって、表題化合物を得た(1.60g,97%)。
H NMR(CDCl,400MHz)δ7.95(d,1H,J=1.2Hz),7.72(d,2H,J=8.9Hz),7.40(d,1H,J=1.2Hz),6.95(d,2H,J=8.9Hz),3.84(s,3H),2.90(s,6H).
参考例15−3
2−(3−メトキシベンゾイル)−4−(4−メトキシフェニル)−N,N−ジメチル−1H−イミダゾール1−スルホンアミド

参考例15−2の化合物(1.60g,5.69mmol)を50mlのTHFに溶かして、−78℃で攪拌した。この溶液にn−ブチルリチウム(1.58Mのヘキサン溶液,4.7ml,7.4mmol)を加えて、−78℃のまま30分間攪拌した。次いで、参考例13のTHF(5ml)溶液を加えて、室温へと温度を上げて終夜攪拌した。反応溶液に、2N塩化アンモニウム水溶液を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層は、水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによって、表題化合物を得た(1.12g,48%)。
H NMR(CDCl,400MHz)δ7.75(d,2H,J=8.8Hz),7.72(d,1H,J=8.0Hz),7.69(s,1H),7.40(dd,1H,J=8.0,8.2Hz),7.18(d,1H,J=8.2Hz),6.94(d,2H,J=8.8Hz),3.87(s,3H),3.84(s,3H),3.13(s,6H).
参考例15−4
(3−メトキシフェニル)[4−(4−メトキシフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]メタノン

参考例15−3の化合物(1.12g,2.70mmol)を100mlのエタノールに懸濁させ、100mlの4N希塩酸を加えて、70℃で3時間攪拌した。溶媒をおおよそ減圧留去した後、2N水酸化ナトリウム水溶液を加えて溶液のpHをおよそ4にすると、結晶が析出してきた。結晶を濾取して、水洗することによって、表題化合物を得た(832mg,quant.)。
H NMR(DMSO−d,400MHz)δ8.11(d,1H,J=7.5Hz),8.10(s,1H),7.92(s,1H),7.86(d,2H,J=8.8Hz),7.51(dd,1H,J=7.5,8.2Hz),7.26(d,1H,J=8.2Hz),7.01(d,2H,J=8.8Hz),3.86(s,3H),3.79(s,3H).
参考例16
(2−メトキシフェニル)(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)メタノン

参考例15と同様にして、参考例16の化合物を合成した。
LC−MS(Method A):R.T.2.37min.,m/z 279(M+1)
参考例17
(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メタノン

参考例15と同様にして、参考例17の化合物を合成した。
LC−MS(Method A):R.T.2.59min.,m/z 317(M+1)
参考例18
(3−メトキシフェニル)[4−(2−メトキシフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]メタノン

参考例15と同様にして、参考例18の化合物を合成した。
LC−MS(Method A):R.T.2.42min.,m/z 309(M+1)
参考例19
(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]メタノン

参考例15と同様にして、参考例19の化合物を合成した。
LC−MS(Method A):R.T.2.45min.,m/z 318(M+1)
参考例20
(1−ブト−3−エン−1−イル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)(3−メトキシフェニル)メタノン

(3−メトキシフェニル)(4−フェニル−1H−イミダゾール2−イル)メタノン(278mg,1.00mmol)を3mlのDMFに溶かして、炭酸カリウム(207mg,1.50mmol)、18−クラウン−6(26.4mg,0.100mmol)、3−ブテニルブロミド(162mg,1.20mmol)をそれぞれ加えて、80℃で5時間攪拌した。反応溶液を室温まで冷却して、水を加えて、酢酸エチルで抽出した。溶媒を減圧留去した後、得られた残渣をトルエンで共沸することによって、表題化合物を得た(309mg,93%)。
H NMR(CDCl,400MHz)δ8.07(d,1H,J=7.7Hz),8.00(s,1H),7.83(d,2H,J=8.0Hz),7.44(s,1H),7.42(dd,1H,J=7.7,8.2Hz),7.40(dd,1H,J=7.4,8.0Hz),7.29(t,1H,J=7.4Hz),7.16(d,1H,J=8.2Hz),5.88−5.78(m,1H),5.12−5.07(m,1H),4.55(t,2H,J=7.1Hz),3.90(s,3H),2.66(dt,2H,J=7.0,7.1Hz).
参考例21
(1−ブト−3−エン−1−イル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メタノン

参考例20と同様にして、参考例21の化合物を合成した。
LC−MS(Method A):R.T.2.82min.,m/z 371(M+1)
参考例22
(1−ブト−3−エン−1−イル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]メタノン

参考例20と同様にして、参考例22の化合物を合成した。
LC−MS(Method A):R.T.2.67min.,m/z 372(M+1)
参考例23
(1−アリル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)(4−メチルフェニル)メタノン

t−ブトキシカリウム(2.59g,23.1mmol)を100mlのDMFに溶かして攪拌しながら、4−フェニル−1H−イミダゾール(3.00g,21mmol)を加えた。室温で30分間攪拌した後、臭化アリル(3.50g,31.5mmolを加えて、40℃で4時間攪拌した。反応溶液に水を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層は、水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、この溶媒を減圧留去した。これを24mlのピリジンに溶かして、トリエチルアミン(17.9g,17.7mmol)、4−トルイルクロリド(3.7g,16.3mmol)を順次加えていき、60℃で5時間攪拌した。反応液に50mlの水を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層は水、1N希塩酸、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。次に、溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによって、表題化合物を得た(760mg,30%)。
LC−MS(Method A):R.T.2.51min.,m/z 303(M+1)
参考例24
(1−ブト−3−エン−1−イル−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)(3−メトキシフェノキシ)メタノン
参考例24−1
1H−ベンズイミダゾール−2−イル(3−メトキシフェノキシ)メタノン

ベンズイミダゾール(3.54g,30.0mmol)を10mlのピリジンに溶かして、トリエチルアミン(13.3g,132mmol)を加え、室温で撹拌した。溶液中に、m−アニスクロリド(15.3g,90.0mmol)を30分間かけて滴下して、室温で1時間撹拌した。さらに、反応温度を50℃まで上げて2時間撹拌した。次に、反応溶液中に4N水酸化ナトリウム水溶液を150ml加えて、60℃で3時間攪拌した。反応溶液は室温へと放冷した後、水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層は、水、1N希塩酸、飽和食塩水で順次洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾去した後、溶媒を減圧留去して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。さらに、酢酸エチルから再結晶することで、表題化合物を得た(4.60g,61%)。
H NMR(CDCl,400MHz)δ8.39(d,1H,J=8.1Hz),8.14(s,1H),7.79(brd,2H),7.48(dd,1H,J=8.1,8.2Hz),7.43−7.41(m,2H),7.21(d,1H,J=8.2Hz),3.91(s,3H).
参考例24−2
(1−ブト−3−エン−1−イル−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)(3−メトキシフェノキシ)メタノン

参考例24−1の化合物(2.52g,10.0mmol)を20mlのDMFに溶かして、炭酸カリウム(2.07g,15.0mmol)、18−クラウン−6−エーテル(396mg,1.50mmol)、1−ブロモ−3−ブテン(2.03g,15.0mmol)を順次加えていき、80℃で4時間攪拌した。反応溶液は、室温に放冷した後、水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層は、水、飽和食塩水で順次洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾去した後、溶媒を減圧留去した。さらに、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物を得た(3.01g,98%)。
H NMR(CDCl,400MHz)δ7.93(d,1H,J=8.1Hz),7.92−7.90(m,1H),7.79(s,1H),7.48(dd,1H,J=8.1,8.2Hz),7.46−7.38(m,3H),7.18(d,1H,J=8.2Hz),5.82(ddt,1H,J=5.1,15.2,7.1Hz),5.02(d,1H,J=15.2Hz),5.01(d,1H,J=5.1Hz),4.67(t,2H,J=7.4Hz),3.89(s,3H),2.66(dt,2H,J=7.1,7.4Hz).
参考例25
(1−アリル−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)(4−メチルフェニル)メタノン
参考例25−1
1H−ベンズイミダゾール−2−イル(4−メチルフェノキシ)メタノン

参考例24−1と同様にして、表題の化合物を合成した。
LC−MS(Method B):R.T.3.38min.,m/z 237(M+1)
参考例25−2
(1−アリル−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)(4−メチルフェニル)メタノン

参考例24−2と同様にして、表題の化合物を合成した。
LC−MS(Method B):R.T.4.38min.,m/z 277(M+1)
参考例26
(4−メチルフェニル)(1−ビニル−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)メタノン

実施例25−1の化合物(6.25g,26.5mmol)を100mlのイソプロパノールに溶解させて、炭酸カリウム(7.31g,52.9mmol)、1−クロロ−2−ブロモエタン(19.0g,133mmol)を加え、70℃で16時間撹拌した。反応溶液は室温へと放冷して水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層は、水、飽和食塩水で洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒は減圧留去した。濃縮残渣を30mlのジメチルスルホキシドに溶かして、1.8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン(DBU)(15.2g,100mmol)を加え、100℃で4時間攪拌した。1N希塩酸を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層は、1N希塩酸、水、飽和食塩水で洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物を得た(4.23g,65%)。
LC−MS(Method B):R.T.4.43min.,263 m/z(M+1)
参考例27
(1−ブト−3−エン−1−イル−4−tert−ブチル−1H−イミダゾール−2−イル)(4−メチルフェノキシ)メタノン
参考例27−1
4−tert−ブチル−1H−イミダゾール

1−ブロモ−3,3−ジメチル−2−ブタノン(5.00g,27.9mmol)をホルムアミド(37.7g,83.7mmol)に溶かして、160℃で5時間撹拌した。反応液は、室温へ放冷してから水100mlを加えて、ヘキサン50mlで水層を洗浄した。得られた水層に2N水酸化ナトリウム水溶液を加えて、溶液のpHをおよそ10にし、クロロホルムで抽出した。有機層は水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。次に、溶媒を減圧留去することによって、表題化合物を得た(1.67g,48%)。
H NMR(CDCl,400MHz)δ7.56(d,1H,J=1.1Hz),6.77(d,1H,J=1.1Hz),1.31(s,9H).
参考例27−2
1−ブト−3−エン−1−イル−4−tert−ブチル−1H−イミダゾール

参考例27−1の化合物(992mg,8.00mmol)を10mlのDMFに溶かして、t−ブトキシカリウム(990mg,8.80mmol)を加えて30分間室温で撹拌した。反応液に、1−ブロモ−3−ブテン(1.62g,12.0mmol)を加えて、80℃で2時間撹拌した。反応液は、室温へ放冷して、酢酸エチルで抽出した。有機層は水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。次に、溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによって、表題化合物を得た(623mg,44%)。
H NMR(CDCl,400MHz)δ7.38(s,1H),6.60(s,1H),5.74(ddt,1H,J=5.1,15.2,7.4Hz),5.09(d,1H,J=15.2Hz),5.08(d,1H,J=5.1Hz),3.92(t,2H,J=7.2Hz),2.51(dt,2H,J=7.4,7.2Hz),1.28(s,9H).
参考例27−3
(1−ブト−3−エン−1−イル−4−tert−ブチル−1H−イミダゾール−2−イル)(4−メチルフェノキシ)メタノン

参考例27−2の化合物(53.5mg,0.300mmol)を1mlのピリジンに溶かして、トリエチルアミン(91.1mg,0.900mmol)、4−トルイルクロリド(139mg,0.900mmol)を順次加えていき、60℃で5時間撹拌した。反応溶液を室温へ放冷した後、5mlの1N水酸化ナトリウム水溶液を加えて、室温で1時間攪拌した。反応液に10mlの水を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層は水、1N希塩酸、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。次に、溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによって、表題化合物を得た(29.4mg,33%)。
H NMR(CDCl,400MHz)δ8.30(d,2H,J=8.3Hz),7.27(d,2H,J=8.3Hz),6.86(s,1H),5.77(ddt,1H,J=6.2,17.1,7.0Hz),5.07(d,1H,J=17.1Hz),5.06(d,1H,J=6.2Hz),4.42(t,2H,J=7.2Hz),2.59(dt,2H,J=7.0,7.2Hz),2.42(s,3H),1.32(s,9H).
参考例28
(1−アリル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)(4−メチルフェニル)メタノン

参考例27と同様にして、2−クロロシクロヘキサノンを出発原料として参考例28の化合物を合成した。
LC−MS(Method B):R.T.3.40min.,m/z 281(M+1)
参考例29
(4−メチルフェニル)(3−ビニル−2−チエニル)メタノン

3−ブロモ−チオフェン(15.7g,97mmol)に4−トルオイルクロリド(14.9g,97mmol)をジクロロメタン中に加え、塩化スズ(IV)(25g,11.2mmol)を滴下して、室温で4時間攪拌させた。この反応液に水を加えて、酢酸エチルで抽出した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによって、アシル体を得た。アシル体(880mg,3.13mmol)のトルエン溶液(2.27ml)にトリ−N−ブチルビニルスズ(2.58mg,8.07mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(774mg,6.6mmol)を加えて110℃で4時間攪拌した。この反応液に水を加えて、酢酸エチルで抽出した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによって、表題化合物を得た(710mg)。
H NMR(CDCl,400MHz)δ7.75(d,2H,J=8.2Hz),7.48(d,1H,J=5.2Hz),7.40(d,1H,5.2Hz),7.26(d,2H,J=8.2Hz),7.13(dd,1H,J=11,17Hz),5.73(dd,1H,J=1.2,17Hz),5.35(dd,1H,J=1.2,11Hz),2.43(s,3H)
参考例30
(1−アリル−5−メトキシ−1H−インド−ル−2−イル)(4−メチルフェニル)メタノン
参考例30−1
N,5−ジメトキシ−N−メチル−1H−インド−ル−2−カルボキシアミド

5−メトキシインド−ル−2−カルボン酸(5g、26mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液にN,O−ジメチルヒドロキシアミン塩酸塩(3.04g,31.2mmol)とWSC(5.98g,31.2mmol),1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(4.21g,31.2mmol)、トリエチルアミン(7.24ml,52mmol)を加えて、6時間攪拌した。この反応液に酢酸エチルと10%(Wt)クエン酸を加え有機層を抽出した。この水層を酢酸エチルで二回抽出し有機層にあわせた。これを炭酸水素ナトリウム飽和溶液と飽和食塩水で洗浄し、有機層を分取し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトフィ−で精製(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)して、表題化合物を得た(4.5g,70%)。
H NMR(CDCl,400MHz)δ9.23(brs,1H),7.33(d,1H,J=9.0Hz,),7.16(d,1H,J=2.1Hz),7.10(d,1H,J=2.4Hz),6.98(dd,1H,J=2.4Hz,J=9.0Hz),3.85(d,6H,J=3.9Hz),3.42(s,3H)
参考例30−2
1−アリル−N,5−ジメトキシ−N−メチル−1H−インド−ル−2−カルボキシアミド

参考例30−1の化合物(1g,4.27mmol)のTHF溶液にtert−ブトキシカリウム(575mg,5.12mmol)、アリルブロマイド(568mmol,4.7mmol)を加えて、室温で3時間攪拌した。この反応液に酢酸エチルと10%(Wt)クエン酸を加え有機層を抽出した。この水層を酢酸エチルで二回抽出し有機層にあわせた。これを炭酸水素ナトリウム飽和溶液と飽和食塩水で洗浄し、有機層を分取し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、溶媒留去した。シリカゲルカラムクロマトフィ−で精製し(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)、表題化合物を得た(820mg,70%)。
H NMR(CDCl,400MHz)δ7.3(d,1H,J=9.0Hz,),7.08(d,1H,J=2.4Hz,),7.05(s,1H),6.97(dd,1H,J=2.4,9.0Hz),5.98(m,1H),4.97(m,3H),4.90(dd,1H,)J=1.4,17Hz,3.85(s,3H),3.67(s,3H),3.39(s,3H)
参考例30−3
(1−アリル−5−メトキシ−1H−インド−ル−2−イル)(4−メチルフェニル)メタノン

参考例30−2の化合物(300mg,1.09mmol)のTHF溶液に、氷冷下、臭化p−トリルマグネシウム、1Mエ−テル溶液(1.31ml,1.31mmol)を加えて3時間攪拌した。この反応液に酢酸エチルと10%(Wt)クエン酸を加え有機層を抽出した。この水層を酢酸エチルで二回抽出し有機層にあわせた。これを炭酸水素ナトリウム飽和溶液と飽和食塩水で洗浄し、有機層を分取し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトフィ−で精製し(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)、表題化合物を得た(250mg,74%)。
H NMR(CDCl,400MHz)δ7.83(d,2H,J=8.2Hz),7.31(m,4H),7.06(m,2H),6.94(s,1H),6.05(ddt,1H,J=1.3,5.1,17Hz),5.2(ddd,2H,J=1.3,1.3Hz,5.1Hz),5.11(dd,1H,J=1.3,10Hz),4.96(dd,1H,J=1.3,17Hz),3.85(s,3H),2.45(s,3H)
参考例31
3−{(1E)−3−[2−(4−メチルベンゾイル)−1H−ピロ−ル−1−イル]プロプ−1−エニル}安息香酸
参考例31−1
3−{(1E)−3−[2(4−メチルベンゾイル)−1H−ピロ−ル−1−イル]プロプ−1−エニル}安息香酸エチル

3−ヨード安息香酸エチル(1.40g,5.07mmol)、参考例1−3の化合物(1.17g,5.19mmol)、炭酸水素ナトリウム(0.89g,10.6mmol)、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(1.25g,5.49mmol)、酢酸パラジウム(60mg,0.27mmol)のDMF(20ml)混合液を70℃にて7時間攪拌した。反応液に5%チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチル/トルエン(2/1)にて抽出した。有機層を水、飽和食塩水にて洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1→4:1)にて分離精製し、表題化合物を得た(1.94g)。
H NMR(CDCl,400MHz)δ8.02(t,1H,J=1.4Hz),7.90(dt,1H,J=7.8,1.4Hz),7.74(brd,2H,J=8.1Hz),7.54(dt,1H,J=7.8,1.4Hz),7.36(t,1H,J=7.8Hz),7.25(brd,2H,J=8.1Hz),7.05(dd,1H,J=2.6,1.6Hz),6.78(dd,1H,J=4.0,1.6Hz),6.47−6.57(m,2H),6.23(dd,1H,J=4.0,2.6Hz),5.21−5.25(m,2H),4.37(q,2H,J=7.1Hz),2.43(s,3H),1.39(t,3H,J=7.1Hz).
参考例31−2
3−{(1E)−3−[2−(4−メチルベンゾイル)−1H−ピロ−ル−1−イル]プロプ−1−エニル}安息香酸

3−{(1E)−3−[2−(4−メチルベンゾイル)−1H−ピロ−ル−1−イル]プロプ−1−エニル}安息香酸エチル(1.94g)の1N水酸化リチウム水溶液(10ml)、THF(10ml)、メタノール(10ml)溶液を50℃にて3時間攪拌した。反応液中のメタノール、THFを留去し、残渣を水で希釈後ジエチルエ−テルで洗浄した。水層に希塩酸水を加え酸性とした後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を減圧留去し表題化合物を得た(1.66g,2工程収率 93%)。
H NMR(CDCl,400MHz)δ8.07(t,1H,J=1.3Hz),7.95(dt,1H,J=7.8,1.3Hz),7.74(brd,2H,J=8.1Hz),7.60(dt,1H,J=7.8,1.3Hz),7.40(t,1H,J=7.8Hz),7.26(brd,2H,J=8.1Hz),7.06(dd,1H,J=2.6,1.7Hz),6.79(dd,1H,J=4.0,1.7Hz),6.55(dt,1H,J=15.9,4.8Hz),6.51(d,1H,J=15.9Hz),6.23(dd,1H,J=4.0,2.6Hz),5.24(d,2H,J=4.8Hz),2.43(s,3H).
参考例32
4−{(1E)−3−[2−(4−メチルベンゾイル)−1H−ピロ−ル−1−イル]プロプ−1−エン−1−イル}安息香酸

4−ヨード安息香酸エチルを用いて参考例31と同様に表題化合物を合成した。
LC−MS(Method B):R.T.3.78min.,m/z 346(M+1)
参考例33
(1−{(2E)−3−[4−(ブロモメチル)フェニル]プロプ−2−エン−1−イル}−1H−ピロ−ル−2−イル)(4−メチルフェニル)メタノン
参考例33−1
(1−{(2E)−3−[4−(ヒドロキシメチル)フェニル]プロプ−2−エン−1−イル}−1H−ピロ−ル−2−イル)(4−メチルフェニル)メタノン

窒素雰囲気下、参考例32の化合物(93.2g,269.8mmol)のTHF(700ml)溶液に、トリエチルアミン(36.6g,361.5mmol)を加え、氷冷後、クロロ炭酸エチル(33.7g,310.3mmol)のTHF(100ml)溶液を滴下した。この反応液を、氷冷下、30分間攪拌した後、析出したトリエチルアミン塩酸塩を濾去し、濾上物をTHF(300ml)にて洗浄した。濾液と洗浄液を併せ、この溶液に氷冷下、水素化ホウ素ナトリウム(23.5g,620.5mmol)の水(150ml溶液を滴下し、反応液を氷冷下30分間攪拌した。反応液に1N水酸化カリウム水(300ml)を加え、トルエンにて抽出した(500ml)。得られた有機層を水(500ml)、5%硫酸水素カリウム水(500ml)、飽和食塩水(500ml)にて洗浄した。洗浄した水層を併せてトルエン(500ml)にて再抽出をした。得られた有機層を併せて硫酸マグネシウムにて乾燥、溶媒を減圧留去し、表題化合物を得た(quant.)。
H NMR(CDCl,300MHz)δ7.73(d,2H,J=8.4Hz),7.36(d,2H,J=8.4Hz),7.28(d,2H,J=8.4Hz),7.25(d,2H,J=8.4Hz),7.05(dd,1H,J=2.5,1.8Hz),6.77(dd,1H,J=4.0,1.8Hz),6.50(d,1H,J=16.0Hz),6.43(dt,1H,J=16.0,4.9Hz),6.21(dd,1H,J=4.0,2.5Hz),5.20(d,2H,J=4.9Hz),4.66(s,2H),2.42(s,3H).
参考例33−2
(1−{(2E)−3−[4−(ブロモメチル)フェニル]プロプ−2−エン−1−イル}−1H−ピロ−ル−2−イル)(4−メチルフェニル)メタノン

参考例33−1の化合物(539.6mmol)、トリエチルアミン(82.0g,809.4mmol)のTHF溶液(1700ml)に氷冷下で塩化メタンスルホニル(80.2g,701.4mmol)を滴下して、30分攪拌した。これに、1N塩酸を加えて酸性(pH2)にし、トルエン(200ml)を加えて有機層を抽出した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。別に、リチウムブロマイド一水和物(115g,1096.7mmol)をトルエンで二回共沸した後、THF(240ml)溶液を用意して、これを氷冷下で先のトルエン溶液に滴下した後、室温に昇温し1時間攪拌した。これに、水(600ml)を加えて、有機層を抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をトルエン/ヘキサン(1/1)溶媒でシリカろ過した。その濾液を減圧留去し得られた残渣をトルエン/ヘキサン(1/2)溶媒で再結晶し、母液の残渣を更に再結晶し、表題化合物を得た(142.72g,67%)。
H NMR(CDCl,300MHz)δ7.73(d,2H,J=7.5Hz),7.34(d,2H,J=9.0Hz),7.30(d,2H,J=9.0Hz),7.25(d,2H,J=7.5Hz),7.04(dd,1H,J=2.6,1.7Hz),6.77(dd,1H,J=4.1,1.7Hz),6.52−6.38(m,2H),6.21(dd,1H,J=4.1,2.6Hz),5.20(d,2H,J=4.4Hz),4.47(s,2H),2.42(s,3H).
参考例34
(1−{(2E)−3−[3−(ブロモメチル)フェニル]プロプ−2−エン−1−イル}−1H−ピロ−ル−2−イル)(4−メチルフェニル)メタノン
参考例34−1
(1−{(2E)−3−[3−(ヒドロキシメチル)フェニル]プロプ−2−エン−1−イル}−1H−ピロ−ル−2−イル)(4−メチルフェニル)メタノン

参考例33−1と同様に表題化合物を合成した。
H NMR(CDCl,400MHz)δ7.73(d,2H,J=8.1Hz),7.37(s,1H),7.30−7.15(m,5H),7.04(dd,1H,J=1.7,2.5Hz),6.77(dd,1H,J=1.7,4.0Hz),6.53−6.41(m,2H),6.20(dd,1H,J=2.5,4.0Hz),5.20(d,2H,J=4.7Hz),4.66(d,2H,J=5.9Hz),2.42(s,3H),1.74(t,1H,J=5.9Hz).
参考例34−2
(1−{(2E)−3−[3−(ブロモメチル)フェニル]プロプ−2−エン−1−イル}−1H−ピロ−ル−2−イル)(4−メチルフェニル)メタノン

参考例33−2と同様に表題化合物を合成した。
H NMR(CDCl,400MHz)δ7.74(d,2H,J=8.1Hz),7.38(s,1H),7.30−7.24(m,5H),7.04(dd,1H,J=1.7,2.5Hz),6.77(dd,1H,J=1.7,4.0Hz),6.51−6.43(m,2H),6.21(dd,1H,J=2.5,4.0Hz),5.20(d,2H,J=4.4Hz),4.46(s,2H),2.43(s,3H).
参考例35
(1−{2−[3−(ブロモメチル)フェノキシ]エチル}−1H−ピロ−ル−2−イル)(4−メチルフェニル)メタノン
参考例35−1
[2−(4−メチルベンゾイル)−1H−ピロ−ル−1−イル]酢酸メチル

参考例1−2の化合物(220mg,1.19mmol)のTHF(3ml)溶液に、t−ブトキシカリウム(170mg,1.52mmol)を加え、室温にて15分間攪拌した。この反応液にブロモ酢酸メチル(215mg,1.41mmol)を加え室温にて6時間攪拌した。反応液に5%硫酸水素カリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1→3:1)にて分離精製し、表題化合物を得た(257mg,84%)。
H NMR(CDCl,400MHz)δ7.72(d,2H,J=8.1Hz),7.25(d,2H,J=8.1Hz),6.94(dd,1H,J=2.5,1.7Hz),6.82(dd,1H,J=4.0,1.7Hz),6.25(dd,1H,J=4.0,2.5Hz),5.11(s,2H),3.79(s,3H),2.42(s,3H).
参考例35−2
[2−(4−メチルベンゾイル)−1H−ピロ−ル−1−イル]酢酸

参考例35−1の化合物(255mg,0.991mmol)のTHF(2ml)、1N水酸化リチウム水溶液(2ml)、メタノ−ル(2ml)溶液を室温にて30分間攪拌した。反応液に希塩酸水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を減圧留去し、表題化合物を得た(232mg,96%)。
H NMR(CDCl,400MHz)δ7.77(d,2H,J=8.1Hz),7.28(d,2H,J=8.1Hz),7.06(dd,1H,J=2.5,1.7Hz),6.86(dd,1H,J=4.1,1.7Hz),6.30(dd,1H,J=4.1,2.5Hz),5.02(s,2H),2.45(s,3H).
参考例35−3
[1−(2−ヒドロキシエチル)−1H−ピロ−ル−2−イル](4−メチルフェニル)メタノン

参考例35−2の化合物(1.34g,5.51mmol)のTHF(20ml)溶液に、氷冷下、トリエチルアミン(0.60g,5.93mmol)、クロロ炭酸エチル(0.90g,8.29mmol)を加え0℃にて1時間攪拌した。この反応液に、水素化ホウ素ナトリウム(0.40g,10.6mmol)の水(10ml)溶液を加え0℃にて1時間攪拌した。反応液に希塩酸水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水、飽和食塩水にて洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1→2:3)にて分離精製し、表題化合物を得た(1.04g,82%)。
H NMR(CDCl,400MHz)δ7.73(dd,2H,J=8.1Hz),7.26(d,2H,J=8.1Hz),7.06(dd,1H,J=2.5,1.7Hz),6.77(dd,1H,J=4.1,1.7Hz),6.23(dd,1H,J=4.1,2.5Hz),4.53(t,2H,J=5.0Hz),4.03(dt,2H,J=5.0,5.0Hz),3.20(brt,1H,J=5.0Hz),2.43(s,3H).
参考例35−4
3−{2−[2−(4−メチルベンゾイル)−1H−ピロ−ル−1−イル]エトキシ}安息香酸メチル

参考例35−3の化合物(100mg,0.460mmol)のTHF(5ml)溶液に、3−ヒドロキシ安息香酸メチル(70mg,0.460mmol)、トリフェニルホスフィン(150mg,0.572mmol)、ジエチルアゾジカルボキシレ−ト(40%トルエン溶液、250mg,0.574mmol)を加え室温にて14時間攪拌した。この反応液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1→2:1)にて分離精製し、表題化合物を得た(117mg,74%)。
H NMR(CDCl,400MHz)δ7.71(d,2H,J=8.1Hz),7.62(ddd,1H,J=7.7,1.3,0.9Hz),7.51(dd,1H,J=2.7,1.3Hz),7.31(dd,1H,J=8.2,7.7Hz),7.25(d,2H,J=8.1Hz),7.13(dd,1H,J=2.5,1.7Hz),7.06(ddd,1H,J=8.2,2.7,0.9Hz),6.77(dd,1H,J=4.0,1.7Hz),6.18(dd,1H,J=4.0,2.5Hz),4.79(t,2H,J=5.0Hz),4.41(t,2H,J=5.0Hz),3.90(s,3H),2.42(s,3H).
参考例35−5
(1−{2−[3−(ブロモメチル)フェノキシ]エチル}−1H−ピロ−ル−2−イル)(4−メチルフェニル)メタノン

参考例33−2と同様に表題化合物を合成した。
LC−MS(Method A):R.T.2.66min.,m/z 398(M+1)
参考例36
[1−(2−{[5−(ヒドロキシメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}エチル)−1H−ピロ−ル−2−イル](4−メチルフェニル)メタノン
参考例36−1
6−ヒドロキシニコチン酸メチル

6−ヒドロキシニコチン酸(5.23g,37.6mmol)のメタノ−ル(60ml)懸濁液に、55℃にて塩化チオニル(5.0g,42.0mmol)を滴下し、この反応液を55℃にて1時間攪拌した。塩化チオニル(3.3g,27.7mmol)を追加し、さらに55℃にて3時間攪拌し、室温にて終夜攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水、1N水酸化ナトリウム水を加え中和(pH7付近)後、塩化ナトリウムにて飽和溶液とし、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を併せ飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥、減圧下溶媒を留去し表題化合物を得た(3.15g,55%)。
H−NMR(400MHz in CDCl)δ12.65(1H,brs),8.19(1H,d,J=2.5Hz),8.00(1H,dd,J=9.6,2.5Hz),6.58(1H,d,J=9.6Hz),3.87(3H,s).
参考例36−2
6−{2−[2−(4−メチルベンゾイル)−1H−ピロ−ル−1−イル]エトキシ}ニコチン酸メチル

参考例36−1の化合物(202mg,1.32mmol)、参考例35−3の化合物(297mg,1.30mmol)のTHF(15ml)懸濁液に、氷冷下、トリフェニルホスフィン(0.50g,1.91mmol)、40%アゾジカルボン酸イソプロピルのトルエン溶液(0.90g,1.78mmol)を加え、この反応液を室温にて110時間攪拌した。反応液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1→2:1)にて精製し、表題化合物を得た(352mg,74%)。
H−NMR(400MHz in CDCl)δ8.77(1H,dd,J=2.4,0.48Hz),8.13(1H,dd,J=8.7,2.4Hz),7.71(2H,d,J=8.1Hz),7.25(2H,d,J=8.1Hz),7.00(1H,dd,J=2.5,1.7Hz),6.75(1H,dd,J=4.0,1.7Hz),6.70(1H,dd,J=8.7,0.48Hz),6.15(1H,dd,J=4.0,2.5Hz),4.74−4.84(4H,m),3.90(3H,s),2.43(3H,s).
参考例36−3
6−{2−[2−(4−メチルベンゾイル)−1H−ピロ−ル−1−イル]エトキシ}ニコチン酸

参考例36−2の化合物(251mg,0.689mmol)のTHF(5ml)、メタノ−ル(3ml)溶液に、2N水酸化リチウム水溶液(5ml)を加え、室温にて16時間攪拌した。反応液に5%硫酸水素カリウム水を加えpH3とし、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥、減圧下溶媒を留去し、表題化合物を得た(243mg)。
H−NMR(400MHz in CDCl)δ8.84(1H,dd,J=2.4,0.48Hz),8.16(1H,dd,J=8.7,2.4Hz),7.71(2H,d,J=8.1Hz),7.26(2H,d,J=8.1Hz),7.01(1H,dd,J=2.5,1.7Hz),6.76(1H,dd,J=4.0,1.7Hz),6.73(1H,dd,J=8.7,0.48Hz),6.15(1H,dd,J=4.0,2.5Hz),4.76−4.84(4H,m),2.43(3H,s).
参考例36−4
[1−(2−{[5−(ヒドロキシメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}エチル)−1H−ピロ−ル−2−イル](4−メチルフェニル)メタノン

参考例36−3の化合物(135mg,0.385mmol)のTHF(5ml)溶液に、氷冷下、トリエチルアミン(47mg,0.464mmol)、クロロ炭酸エチル(50mg,0.461mmol)を加え、0℃にて30分攪拌した。この反応液に、氷冷下、水素化ホウ素ナトリウム(55mg,1.45mg)の水(2ml)溶液を滴下し、室温にて3時間攪拌した。反応液に水素化ホウ素ナトリウム(60mg,1.59mg)の水(1ml)溶液を追加し、室温にて15分攪拌した。反応液に5%硫酸水素ナトリウム水を加え室温にて5分攪拌後、飽和炭酸水素ナトリウム水で中和し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥、減圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1→1:2)にて精製し、表題化合物を得た(87mg,67%)。
H−NMR(400MHz in CDCl)δ8.09(1H,d,J=2.4Hz),7.71(2H,d,J=8.1Hz),7.60(1H,dd,J=8.5,2.4Hz),7.25(2H,d,J=8.1Hz),7.02(1H,dd,J=2.5,1.7Hz),6.75(1H,dd,J=2.5,1.7Hz),6.69(1H,d,J=8.5Hz),6.15(1H,dd,J=4.0,2.5Hz),4.81(2H,t,J=5.2Hz),4.68(2H,t,J=5.2Hz),4.62(2H,d,J=5.7Hz),2.43(3H,s),1.59(1H,t,J=5.7Hz).
参考例37
4−ヨードベンジルブロマイド

4−ヨードトルエン(10.0g,45.9mmol)のジクロロメタン(70ml)溶液に、臭素(3.6ml,69.9mmol)、30%過酸化水素水(5.2g,45.9mmol)の水(70ml)溶液を順次室温にて加えた。この反応液を昇温し、加熱還流下、10時間激しく攪拌した(バス温 50℃)。
反応液を分液ロ−トに移し、クロロホルム(40ml)、水(20ml)を加え、有機層を水(150ml)にて3回洗浄した。有機層を0.5%亜硫酸水素ナトリウム水(150ml)、水(150ml)で順次洗浄し、減圧下溶媒を留去した(バス温25℃)。完全に留去する前にトルエン(50ml)を加え、濃縮する操作を2回行った。濃縮乾固し、残渣を真空下乾燥し、ヨードベンジルブロマイドを得た(12.1g)。
H NMR(CDCl,400MHz)δ7.68(d,2H,J=8.3Hz),7.13(d,2H,J=8.3Hz),4.23(s,2H)
参考例38
2−[(4−ヨードベンジル)オキシ]−2−メチルプロピオン酸
参考例38−1
2−[(4−ヨードベンジル)オキシ]−2−メチルプロピオン酸メチル

水素化ナトリウム(60% in parafin liquid)(2.22g,55.5mmol)のDMF(25ml)懸濁液に、2−ヒドロキシイソ酪酸メチル(6.44g,54.5mmol)のDMF(12ml)溶液を20分間かけて滴下した(内温20℃)。反応液を、22〜23℃にて30分攪拌した(bath温23℃)。この反応液に、4−ヨードベンジルブロミド(15.4g,51.9mmol)のDMF(35ml)溶液を20分間かけて滴下した(内温22〜26℃)。この反応液を、22〜25℃にて2時間半攪拌した。反応液にトルエン(80ml)、水(50ml)を加え5分攪拌後、分液ロートに移し分液した。有機層に水を加え洗浄した後、濃縮しメチルエステル体混合物を得た。この一部をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)にて精製し、表題化合物を得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ7.66(d,2H,J=8.3Hz),7.14(d,2H,J=8.3Hz),4.40(s,2H),3.75(s,3H),1.50(s,6H)
参考例38−2
2−[(4−ヨードベンジル)オキシ]−2−メチルプロピオン酸

参考例38−1の混合物を、THF(50ml)、メタノール(50ml)に溶解し、この溶液に、3N水酸化カリウム水溶液(40ml)を加え、30℃にて1時間攪拌した。反応液にトルエン(70ml)を加え、分液ロートに移し(トルエン10ml、水20mlで洗い込み)分液した。水層に濃塩酸(約17ml)を加え酸性(pH1〜2)とし、トルエン(100ml)で抽出した。有機層を水(60ml)にて洗浄後、濃縮乾固、真空下乾燥し、表題化合物の混合物を得た(12.9g)。表題化合物の混合物(22.7g)をトルエン(70ml)に懸濁し、この懸濁液を60℃に昇温し溶解した。加熱用水浴の加熱を切り、除冷しながら攪拌した。45℃にて結晶が析出しはじめたので、50℃で10分間攪拌した。この懸濁液にヘキサン(70ml)を加え、50℃にて10分攪拌した。加熱用水浴をはずし、室温にて20分、氷冷下にて20分攪拌した。析出した結晶を濾取し、表題化合物(21.0g)を得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ7.67(d,2H,J=8.3Hz),7.13(d,2H,J=8.3Hz),4.47(s,2H),1.55(s,6H)
参考例39
(2R)−2−[(4−ヨードベンジル)オキシ]プロピオン酸
参考例39−1
(2R)−2−[(4−ヨードベンジル)オキシ]プロピオン酸(1S)−1−フェニルエタナミン塩

(R)−乳酸メチル(116mg,1.12mmol)のTHF(20ml)溶液に水素化ナトリウム(60% in parafin Iiquid)(45mg,1.12mmol)を0℃で加えて室温で15分攪拌した後、参考例37の化合物(300mg,1.12mmol)を加えて、室温で5時間攪拌した。この反応液に飽和塩化アンモニア水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出して、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒留去した。これに3N水酸化ナトリウム水溶液(1ml)、THF(1ml)、メタノ−ル(1ml)を加えて、室温で3時間攪拌した。これにトルエン(3ml)を加えて、水層を抽出した後、この水層を1N塩酸で酸性にした(pH2)。これにトルエン(3ml)を加えて有機層を抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒留去してカルボン酸体を得た(210mg、67%,60%ee)。このカルボン酸体(100mg)に(S)−1−フェニルエチルアミン(40mg)を加えて、クロロホルム(1.75ml)中、70℃で溶解させた。これにヘキサン(1.75ml)を滴下した後、10時間かけて0℃まで冷却して、さらに3時間、0℃で攪拌を行った。この時、析出した白色固体を濾取して表題化合物を得た(85mg,63%)
H NMR(CDCl,400MHz)δ7.61(d,2H,J=8.3Hz),7.4−7.2(m,5H),7.00(d,2H,J=8.3Hz),4.34(d,1H,J=12Hz),4.15(d,1H,J=12Hz),4.02(q,1H,6.8Hz),3.71(q,1H,6.8Hz),1.47(d,3H,J=6.8Hz),1.2(d,3H,J=6.8Hz).
分析結果:光学純度 99.5%ee.
(分割条件:11.8min、HPLC条件:カラム:CHIRALCEL OD−RH(5μm 6mmΦx15cm)、溶出溶媒:A液 0.1%トリフルオロ酢酸/水、B液 アセトニトリル、A液:B液=2:1(一定)、流速:1ml/min)、UV:254nm
参考例39−2
(2R)−2−[(4−ヨードベンジル)オキシ]プロピオン酸

参考例39−1の化合物(500mg、1.17mmol)に水を加え、1N塩酸で酸性にした後(pH2)、トルエン(1ml)を加えて有機層を抽出してカルボン酸を得た(336mg,94%,1.1mmol)。
LC−MS(Method B):r.t.3.17min.,m/z 306(M+1)
参考例40
(2S)−2−[(4−ヨードベンジル)オキシ]プロピオン酸
参考例40−1
(2S)−2−[(4−ヨードベンジル)オキシ]プロピオン酸(1R)−1−フェニルエタナミン塩

(S)−乳酸メチル、(R)−1−フェニルエチルアミンを用いて、参考例39−1と同様に合成した。
H NMR(CDCl,400MHz)δ7.61(d,2H,J=8.3Hz),7.4−7.2(m,5H),7.00(d,2H,J=8.3Hz),4.34(d,1H,J=12Hz),4.15(d,1H,J=12Hz),4.02(q,1H,6.8Hz),3.71(q,1H,6.8Hz),1.47(d,3H,J=6.8Hz),1.2(d,3H,J=6.8Hz).
分析結果:光学純度 99.5%ee.
(分割条件:12.9min、HPLC条件:カラム:CHIRALCEL OD−RH(5μm 6mmΦx15cm)
溶出溶媒:A液 0.1%トリフルオロ酢酸/水、B液 アセトニトリル、A液:B液=2:1(一定)、流速:1ml/min)、UV:254nm)
参考例40−2
(2S)−2−[(4−ヨードベンジル)オキシ]プロピオン酸

参考例39−2と同様に表題化合物を合成した。
LC−MS(Method B):r.t.3.17min.,m/z 306(M+1)
参考例41
1−(1−ブロモエチル)−4−ヨードベンゼン

ヨードアセトフェノン(1g,4.06mmol)のTHF溶液(2ml)に、氷冷下、水素化ホウ素ナトリウム(356mg,9.41mmol)の水(2ml)溶液を滴下し、室温にて3時間攪拌した。反応液に5%硫酸水素ナトリウム水を加え室温にて5分攪拌後、飽和炭酸水素ナトリウム水で中和し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥、減圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)にて精製し、アルコ−ル体を得た(690mg、収率68%)。アルコール体(350mg,1.41mol)のジクロロメタン(5ml)溶液に、氷冷下、NBS(376mg,2.12mmol)、トリフェニルホスフィン(480mg,1.83mmol)を加えて室温にて3時間攪拌した。反応液に5%硫酸水素ナトリウム水を加え室温にて5分攪拌後、飽和炭酸水素ナトリウム水で中和し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥、減圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)にて精製し、表題化合物を得た(690mg、収率80%)
H NMR(CDCl,400MHz)δ7.61(d,2H,J=8.5Hz),7.18(d,2H,J=8.5Hz),5.14(c,1H,J=6.9Hz),2.01(d,3H,J=6.9Hz)
参考例42
2−[1−(4−ヨードフェニル)エトキシ]プロパン酸エチル

(±)−乳酸エチル(64.8mg,0.549mmol)のジメチルホルムアミド(1ml)溶液に水素化ナトリウム(60% in parafin liquid)(22mg,0.549mmol)を0℃で加え、室温で15分攪拌した後、3−ブロモベンジルブロマイド(170mg,0.549mmol)を加えて、室温で12時間攪拌した。この反応液に酢酸エチルと飽和塩化アンモニア水溶液を加え有機層を抽出し、この時の水層を酢酸エチルで二回抽出し有機層にあわせた。有機層を分取し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、溶媒留去した。シリカゲルカラムクロマトフィ−で精製し(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)、表題化合物を得た(10mg,5.2%)。
H NMR(CDCl,400MHz)δ7.67(d,2H,J=8.3Hz),7.04(d,2H,J=8.3Hz),4.45(c,1H,J=6.5Hz),4.5−4.2(m,2H),3.79(c,1H,J=6.9Hz),1.47(d,3H,J=6.5Hz),1.33(d,3H,J=6.9Hz),1.28(d,3H,J=7.1Hz)
参考例43

(R)−乳酸メチルと3−ブロモベンジルブロマイドを用いて参考例42と同様に表題化合物を合成した。
LC−MS(Method A):r.t.2.27min.,m/z 273(M+1)
参考例44

(S)−乳酸メチルと3−ブロモベンジルブロマイドを用いて参考例42と同様に表題化合物を合成した。
LC−MS(Method A):r.t.2.27min.,m/z 273(M+1)
参考例45

2−ヒドロキシイソ酪酸メチルと3−ブロモベンジルブロマイドを用いて参考例42と同様に表題化合物を合成した。
LC−MS(Method A):r.t.2.37min.,m/z 287(M+1)
参考例46
2−[2−(4−ブロモフェニル)エトキシ]−2−メチルプロピオン酸エチル

2−(4−ブロモフェニル)エタノ−ル(1g,5mmol)のTHF(15ml)溶液に水素化ナトリウム(60% in parafin liquid)(220mg,5.5mmol)を0℃で加え、室温で15分攪拌した後、2−ブロモイソ酪酸エチル(1.08g,5.5mmol)を加えて、室温で12時間攪拌した。この反応液に酢酸エチルと飽和塩化アンモニア水溶液を加え有機層を抽出し、この時の水層を酢酸エチルで二回抽出し有機層にあわせた。有機層を分取し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、溶媒留去した。シリカゲルカラムクロマトフィ−で精製し(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)、表題化合物を得た(240mg,15%)。
LC−MS(Method A):r.t.2.55min.,m/z 315(M+1)
[実施例1A]
2−メチル−2−[(3−{(1E)−3−[2−(4−メチルベンゾイル)−1H−ピロール−1−イル]プロプ−1−エン−1−イル}ベンジル)オキシ]プロピオン酸メチル
1A−1
2−(3−ブロモ−ベンジルオキシ)−2−メチル−プロピオン酸メチル

2−ヒドロキシイソ酪酸メチル(1g,4.0mmol)のTHF(20ml)溶液に水素化ナトリウム(60%in parafin liquid)(115mg,4.8mmol)を0℃で加え、室温で15分攪拌した後、3−ブロモベンジルブロマイド(567mg,4.8mmol)を加えて、50℃で12時間攪拌した。この反応液に飽和塩化アンモニア水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトフィ−で精製し(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)、表題化合物を得た(520mg,52%)。
H NMR(CDCl,400MHz)δ 7.56(s,1H),7.40(d,1H,J=7.9Hz),7.29(d,1H,J=7.9Hz),7.20(dd,1H,J=7.9,7.9Hz),4.44(s,2H),3.76(s,3H),1.56(s,6H)
LC−MS(Method A):r.t.2.30min.,m/z 287(M+1)
1A−2
2−メチル−2−[(3−{(1E)−3−[2−(4−メチルベンゾイル)−1H−ピロ−ル−1−イル]プロプ−1−エン−1−イル}ベンジル)オキシ]プロピオン酸メチル
実施例1A−1の化合物(300mg,1.05mmol)、参考例1−3の化合物(325mg,1.56mmol)、ビス(トリt−ブチルホスフィン)パラジウム(20mg,0.039mmol)、N,N−ジシクロヘキシルメチルアミン(409mg,2.1mmol)のジオキサン(1ml)溶液を65℃にて6時間攪拌した。反応液に5%チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を水、飽和食塩水にて洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)にて分離し、表題化合物を得た(250mg、55%)。
LC−MS(method A)r.t.2.63min.,m/z 432(M+1)
[実施例1B]
2−メチル−2−[(3−{(1E)−3−[2−(4−メチルベンゾイル)−1H−ピロ−ル−1−イル]プロプ−1−エン−1−イル}ベンジル)オキシ]プロピオン酸

実施例1A−2(242mg)をTHF(1ml)に溶解し、このTHF溶液にメタノ−ル(1ml)、3N水酸化ナトリウム水溶液(1ml)を加え、室温にて3時間攪拌した。反応液を水で希釈し、ジエチルエーテルにて洗浄した。水層に5%硫酸水素カリウム水を加え弱酸性(pH4)とし、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥、減圧下濃縮し、表題化合物を得た(195mg,80%)。
H NMR(CDCl,400MHz)δ 7.73(d,2H,J=8.1Hz),7.35(s,1H),7.29−7.24(m,5H),7.05(dd,1H,J=2.4,1.7Hz),6.77(dd,1H,J=4.0,1.7Hz),6.51(d,1H,J=16.0Hz),6.45(dt,1H,J=16.0,5.0Hz),6.21(dd,1H,J=4.0,2.4Hz),5.20(d,2H,J=5.0Hz),4.49(s,2H),2.42(s,3H),1.56(s,6H)
LC−MS(Method A):r.t.2.44min.,m/z 418(M+1)
実施例1A、1Bと同様にして、実施例2A、2B〜10の化合物を合成した。
[実施例2A]
[(3−{(1E)−3−[2−(4−メチルベンゾイル)−1H−ピロ−ル−1−イル]プロプ−1−エン−1−イル}ベンジル)オキシ](フェニル)酢酸メチル
LC−MS(method A)r.t.2.66min.,m/z 480(M+1)
[実施例2B]
[(3−{(1E)−3−[2−(4−メチルベンゾイル)−1H−ピロ−ル−1−イル]プロプ−1−エン−1−イル}ベンジル)オキシ](フェニル)酢酸

LC−MS(Method A):r.t.2.56min.,m/z 466(M+1)
[実施例3A]
2−メチル−2−[(4−{(1E)−3−[2−(4−メチルベンゾイル)−1H−ピロ−ル−1−イル]プロプ−1−エン−1−イル}ベンジル)オキシ]プロピオン酸メチル
HNMR(CDCl3,400MHz)δ 7.73(d,2H,J=8.0Hz),7.40−7.20(m,6H),7.05(dd,1H,J=2.4,1.7Hz),6.77(dd,1H,J=4.0,1.7Hz),6.51(d,1H,J=16.0Hz),6.45(dt,1H,J=16.0,5.0Hz),6.21(dd,1H,J=4.0,2.4Hz),5.20(d,2H,J=5.0Hz),4.49(s,2H),3.76(s,3H),2.42(s,3H),1.56(s,6H),LC−MS(method A):r.t.2.71min.,m/z 432(M+1)
[実施例3B]
2−メチル−2−[(4−{(1E)−3−[2−(4−メチルベンゾイル)−1H−ピロ−ル−1−イル]プロプ−1−エン−1−イル}ベンジル)オキシ]プロピオン酸

H NMR(CDCl,400MHz)δ 7.73(d,2H,J=8.0Hz),7.40−7.20(m,6H),7.05(dd,1H,J=2.4,1.7Hz),6.77(dd,1H,J=4.0,1.7Hz),6.51(d,1H,J=16.0Hz),6.45(dt,1H,J=16.0,5.0Hz),6.21(dd,1H,J=4.0,2.4Hz),5.20(d,2H,J=5.0Hz),4.49(s,2H),2.42(s,3H),1.56(s,6H),LC−MS(Method A):r.t.2.53min.,m/z 418(M+1)
[実施例4]
[(3−{(1E)−3−[2−(4−メチルベンゾイル)−1H−ピロ−ル−1−イル]プロプ−1−エン−1−イル}ベンジル)オキシ]酢酸

LC−MS(Method A):r.t.2.35min.,m/z 390(M+1)
[実施例5A]
(2R)−2−[(3−{(1E)−3−[2−(4−メチルベンゾイル)−1H−ピロ−ル−1−イル]プロプ−1−エン−1−イル}ベンジル)オキシ]プロピオン酸メチル
LC−MS(method A):r.t.2.54min.,m/z 418(M+1)
[実施例5B]
(2R)−2−[(3−{(1E)−3−[2−(4−メチルベンゾイル)−1H−ピロ−ル−1−イル]プロプ−1−エン−1−イル}ベンジル)オキシ]プロピオン酸

H NMR(CDCl,400MHz)δ 7.73(d,2H,J=8.1Hz),7.34−7.20(m,6H),7.05(dd,1H,J=2.4,1.7Hz),6.77(dd,1H,J=4.0,1.7Hz),6.50(d,1H,J=16Hz),6.45(dt,1H,J=16,4.8Hz),6.21(dd,1H,J=4.0,2.4Hz),5.20(d,2H,J=4.8Hz),4.63(d,1H,J=11.5Hz),4.51(d,1H,J=11.5Hz)4.08(q,1H,J=6.8Hz),2.42(s,3H),1.48(d,3H,J=6.8Hz).
[実施例6A]
(2R)−2−[(4−{(1E)−3−[2−(4−メチルベンゾイル)−1H−ピロ−ル−1−イル]プロプ−1−エン−1−イル}ベンジル)オキシ]プロピオン酸メチル
H NMR(CDCl3,400MHz)δ 7.75(d,2H,J=8.1Hz),7.34(d,2H,J=8.1Hz),7.29−7.24(m,4H),7.05(dd,1H,J=2.4,1.7Hz),6.77(dd,1H,J=4.0,1.7Hz),6.50(d,1H,J=16Hz),6.45(dt,1H,J=4.8Hz),6.20(dd,1H,J=4.0,2.4Hz),5.20(d,2H,J=4.8Hz),4.65(d,1H,J=12Hz),4.42(d,1H,J=12Hz)4.08(q,1H,J=6.8Hz),3.75(s,3H),2.42(s,3H),1.46(d,3H,J=6.8Hz)
[実施例6B]
(2R)−2−[(4−{(1E)−3−[2−(4−メチルベンゾイル)−1H−ピロ−ル−1−イル]プロプ−1−エン−1−イル}ベンジル)オキシ]プロピオン酸

H NMR(CDCl,400MHz)δ 7.73(d,2H,J=8.1Hz),7.35(d,2H,J=8.2Hz),7.28(d,2H,J=8.2Hz),7.25(d,2H,J=8.1Hz),7.05(dd,1H,J=2.4,1.7Hz),6.77(dd,1H,J=4.0,1.7Hz),6.49(d,1H,J=16Hz),6.45(dt,1H,J=16,4.9Hz),6.21(dd,1H,J=4.0,2.4Hz),5.20(d,2H,J=4.9Hz),4.65(d,1H,J=11.7Hz),4.52(d,1H,J=11.7Hz)4.08(q,1H,J=6.8Hz),2.42(s,3H),1.46(d,3H,J=6.8Hz)
[実施例7A]
(2S)−2−[(3−{(1E)−3−[2−(4−メチルベンゾイル)−1H−ピロ−ル−1−イル]プロプ−1−エン−1−イル}ベンジル)オキシ]プロピオン酸メチル
LC−MS(method A):r.t.2.54min.,m/z 418(M+1)
[実施例7B]
(2S)−2−[(3−{(1E)−3−[2−(4−メチルベンゾイル)−1H−ピロ−ル−1−イル]プロプ−1−エン−1−イル}ベンジル)オキシ]プロピオン酸

H NMR(CDCl,400MHz)δ 7.73(d,2H,J=8.1Hz),7.34−7.20(m,6H),7.05(dd,1H,J=2.4,1.7Hz),6.77(dd,1H,J=4.0,1.7Hz),6.50(d,1H,J=16Hz),6.45(dt,1H,J=16,4.8Hz),6.21(dd,1H,J=4.0,2.4Hz),5.20(d,2H,J=4.8Hz),4.63(d,1H,J=11.5Hz),4.51(d,1H,J=11.5Hz)4.08(q,1H,J=6.8Hz),2.42(s,3H),1.48(d,3H,J=6.8Hz).
[実施例8A]
(2S)−2−[(4−{(1E)−3−[2−(4−メチルベンゾイル)−1H−ピロ−ル−1−イル]プロプ−1−エン−1−イル}ベンジル)オキシ]プロピオン酸メチル
H NMR(CDCl3,400MHz)δ 7.75(d,2H,J=8.1Hz),7.34(d,2H,J=8.1Hz),7.29−7.24(m,4H),7.05(dd,1H,J=2.4Hz,1.7Hz),6.77(dd,1H,J=4.0Hz,1.7Hz),6.50(d,1H,J=16Hz),6.45(dt,1H,J=4.8Hz),6.20(dd,1H,J=4.0,2.4Hz),5.20(d,2H,J=4.8Hz),4.65(d,1H,J=12Hz),4.42(d,1H,J=12Hz)4.08(q,1H,J=6.8Hz),3.75(s,3H),2.42(s,3H),1.46(d,3H,J=6.8Hz)
[実施例8B]
(2S)−2−[(4−{(1E)−3−[2−(4−メチルベンゾイル)−1H−ピロ−ル−1−イル]プロプ−1−エン−1−イル}ベンジル)オキシ]プロピオン酸

H NMR(CDCl,400MHz)δ 7.73(d,2H,J=8.1Hz),7.35(d,2H,J=8.2Hz),7.28(d,2H,J=8.2Hz),7.25(d,2H,J=8.1Hz),7.05(dd,1H,J=2.4,1.7Hz),6.77(dd,1H,J=4.0,1.7Hz),6.49(d,1H,J=16Hz),6.45(dt,1H,J=16,4.9Hz),6.21(dd,1H,J=4.0,2.4Hz),5.20(d,2H,J=4.9Hz),4.65(d,1H,J=11.7Hz),4.52(d,1H,J=11.7Hz)4.08(q,1H,J=6.8Hz),2.42(s,3H),1.46(d,3H,J=6.8Hz)
[実施例9A]
2−[(3−{(1E)−3−[2−(4−メチルベンゾイル)−1H−ピロ−ル−1−イル]プロプ−1−エン−1−イル}ベンジル)オキシ]酪酸エチル
LC−MS(method A):r.t.2.69min.,m/z 446(M+1)
[実施例9B]
2−[(3−{(1E)−3−[2−(4−メチルベンゾイル)−1H−ピロ−ル−1−イル]プロプ−1−エン−1−イル}ベンジル)オキシ]酪酸

LC−MS(Method A):r.t.2.43min.,m/z 418(M+1)
[実施例10]
1−[(3−{(1E)−3−[2−(4−メチルベンゾイル)−1H−ピロール−1−イル]−プロプ−1−エン−1−イル}−ベンジルオキシ)]−シクロ酪酸

LC−MS(Method A):r.t.2.51min.,m/z 430(M+1)
[実施例11]
(2S)−2−[(4−{(1E)−3−[2−(4−メチルベンゾイル)−1H−ピロ−ル−1−イル]プロプ−1−エン−1−イル}ベンジル)オキシ]プロピオン酸 1,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−2−アミニウム塩

実施例8Bの化合物(400mg,0.99mmol)のイソプロパノール(5ml)溶液にトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(120mg,0.99mmol)を加えて70℃で1時間攪拌した。これを6時間かけて室温にまで下げて結晶化し、白色結晶を得た。これを濾取して、表題化合物を得た(200mg,39%)。
H NMR(DMSO−d,400MHz)δ7.66(d,2H,J=8.1Hz),7.37(dd,1H,J=2.5,1.7Hz),7.34(d,2H,J=8.2Hz),7.31(d,2H,J=8.1Hz),7.25(d,2H,J=8.2Hz),6.69(dd,1H,J=4.0,1.7Hz),6.47(dt,1H,J=15.9,5.5Hz),6.38(d,1H,J=15.9Hz),6.23(dd,1H,J=4.0,2.5Hz),5.16(brd,2H,J=5.5Hz),4.57(d,1H,J=12.0Hz),4.27(d,1H,J=12.0Hz),3.72(q,1H,J=6.8Hz),3.39(s,6H),2.43(s,3H),1.21(d,3H,J=6.8Hz)
分折結果:光学純度 99.5%ee.
(分割条件:20.4min、HPLC条件:カラム:CHIRALCEL OD−RH(5μm 6mmΦx15cm)
溶出溶媒:A液 0.1%トリフルオロ酢酸/水、B液 アセトニトリル、A液:B液=1:1(一定)、流速:1ml/min)、UV:254nm)
[実施例12]
(2R)−2−[(4−{(1E)−3−[2−(4−メチルベンゾイル)−1H−ピロ−ル−1−イル]プロプ−1−エン−1−イル}ベンジル)オキシ]プロピオン酸 1,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−2−アミニウム塩

実施例11と同様に実施例6Bの化合物を用いて表題化合物を合成した。
H NMR(DMSO−d,400MHz)δ7.66(d,2H,J=8.1Hz),7.37(dd,1H,J=2.5,1.7Hz),7.34(d,2H,J=8.2Hz),7.31(d,2H,J=8.1Hz),7.25(d,2H,J=8.2Hz),6.69(dd,1H,J=4.0,1.7Hz),6.47(dt,1H,J=15.9,5.5Hz),6.38(d,1H,J=15.9Hz),6.23(dd,1H,J=4.0,2.5Hz),5.16(brd,2H,J=5.5Hz),4.57(d,1H,J=12.0Hz),4.27(d,1H,J=12.0Hz),3.72(q,1H,J=6.8Hz),3.39(s,6H),2.43(s,3H),1.21(d,3H,J=6.8Hz)
分析結果:光学純度 99.5%ee.
(分割条件:24.7min、HPLC条件:カラム:CHIRALCEL OD−RH(5μm 6mmΦx15cm)
溶出溶媒:A液 0.1%トリフルオロ酢酸/水、B液 アセトニトリル、A液:B液=1:1(一定)、流速:1ml/min)、UV:254nm)
[実施例13]
(2R)−2−[(4−{3−[2−(4−メチルベンゾイル)−1H−ピロ−ル−1−イル]プロピル1}ベンジル)オキシ]プロピオン酸

実施例6Bの化合物(200mg,0.496mmol)を4mlのメタノールに溶かして、20mgの10%パラジウム−炭素(50%wet)を加えて、室温で常圧水素下、3時間攪拌を行った。濾過をして、濾液の溶媒を減圧留去して、表題化合物を得た(200mg,99%)。
H NMR(CDCl3,400MHz)δ 7.70(d,2H,J=8.1Hz),7.28−7.23(m,4H),7.17(d,2H,J=8.1Hz),,6.95(dd,1H,J=2.4,1.7Hz),6.73(dd,1H,J=4.0,1.7Hz),6.16(dd,1H,J=4.0,2.4Hz),4.60(d,2H,J=11Hz),4.40(t,2H,J=7.2Hz),4.06(q,1H,J=7.0Hz),2.63(t,1H,J=7.5Hz),2.42(s,3H),2.11(dt,2H,J=7.2,7.5Hz),1.45(d,3H,J=7.0Hz)
LC−MS(method A):r.t.2.42min.,m/z 406(M+1)
[実施例14]
2−[(6−{2−[2−(4−メチルベンゾイル)−−1H−ピロ−ル−1−イル]エトキシ}ピリジン−3−イル)メトキシ]プロピオン酸

参考例36の化合物(86mg,0.256mmol)のTHF(6ml)溶液に、氷冷下、トリエチルアミン(33mg,0.326mmol)、塩化メタンスルホニル(38mg,0.332mmol)を加え、反応液を0℃にて20分攪拌した。反応液を濾過して不溶物を取り除き、濾液Aを得た。
水素化ナトリウム(60%in parafin liquid)(30mg,0.75mmol)のDMF(4ml)懸濁液に、氷冷下、(±)−乳酸エチル(80mg,0.677mmol)のDMF(1ml)溶液を加え、この反応液を室温にて30分間攪拌した。氷冷下、この反応液に上記濾液Aを滴下後、反応液を室温にて1時間半攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥、減圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:2→2:3)にて精製し、表題化合物のエチルエステル体混合物を得た(7mg)。
得られたエチルエステル体混合物(7mg)をTHF(2ml)に溶解し、この溶液に2N水酸化リチウム水溶液(2ml)、メタノール(2ml)を加え、反応液を室温にて1時間攪拌した。反応液を水で希釈し、ジエチルエーテルで洗浄した。水層に5%硫酸水素カリウム水、飽和炭酸水素ナトリウム水を加えpH6付近に調節し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥、減圧下溶媒を留去し、表題化合物を得た(5.5mg、2工程収率5%)。
H−NMR(400MHz in CDCl)δ 8.09(d,1H,J=2.4Hz),7.71(d,2H,J=8.1Hz),7.60(dd,1H,J=8.5,2.4Hz),7.25(d,2H,J=8.1Hz),7.03(dd,1H,J=2.5,1.7Hz),6.75(dd,1H,J=4.0,1.7Hz),6.69(d,1H,J=8.5Hz),6.15(dd,1H,J=4.0,2.5Hz),4.77−4.84(m,2H),4.64−4.71(m,2H),4.59(d,1H,J=11.3Hz),4.47(d,1H,J=11.3Hz),4.09(q,1H,J=6.9Hz),2.42(s,3H,),1.48(d,3H,J=6.9Hz).
実施例14と同様の方法で、参考例33−2、34−2の化合物を用いて、実施例1A、1B〜10、16〜19の化合物を合成することもできる。
[実施例15]
(2S)−2−[(4−{(1E)−3−[2−(4−メチルベンゾイル)−1H−ピロ−ル−1−イル]プロプ−1−エン−1−イル}ベンジル)オキシ]−N−(メチルスルフォニル)プロパンアミド

実施例8の化合物(500mg,1.24mmol)を1,1−カルボニルビス−1H−イミダゾール(302mg,1.86mmol)、メタンスルホニルアミド(130mg,1.36mmol)、1.8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン(283mg,1.86mmol)をDMF溶液中、90℃で2時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を水、飽和食塩水にて洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=20:1)にて分離し、表題化合物を得た(210mg,35%)。LC−MS(method B)r.t.3.98min.,m/z 481(M+1)
実施例1A,1Bと同様にして、実施例16〜54の化合物を合成した。








実施例13と同様にして、実施例55〜64の化合物を合成した。


実施例14と同様にして、実施例65〜66の化合物を合成した。

[実施例67]
2−メチル−2−[(4−{(1E)−2−メチル−3−[2−(4−メチルベンゾイル)−1H−ピロール−1−イル]プロプパン酸−1−エン−1−イル}ベンジル)オキシ]プロピオン酸
[実施例67−1]
(4−メチルフェニル)[1−(2−メチルプロプ−2−エン−1−イル)−1H−ピロール−2−イル]メタノン

参考例1−3と同様に表題化合物を合成した。
H NMR(CDCl,400MHz)δ 7.71(d,2H,J=8.0Hz),7.24(d,2H,J=8.0Hz),6.96(dd,1H,J=2.5,1.7Hz),6.73(dd,1H,J=4.0,1.7Hz),6.19(dd,1H,J=4.0,2.5Hz),4.98(s,2H),4.83(s,1H),4.51(s,1H),2.42(s,3H),1.74(s,3H).
[実施例67−2]
2−メチル−2−[(4−{(1E)−2−メチル−3−[2−(4−メチルベンゾイル)−1H−ピロール−1−イル]プロプパン酸−1−エン−1−イル}ベンジル)オキシ]プロピオン酸

実施例1A、1Bと同様に表題化合物を合成した。
H NMR(CDCl,400MHz)δ 7.72(d,2H,J=8.1Hz),7.28(d,2H,J=8.1Hz),7.24(d,2H,J=8.1Hz),7.19(d,2H,J=8.1Hz),7.04(dd,1H,J=2.5,1.7Hz),6.76(dd,1H,J=4.0,1.7Hz),6.22(dd,1H,J=4.0,2.5Hz),6.14(s,1H),5.15(s,2H),4.50(s,2H),2.42(s,3H),1.56(s,6H).
[実施例68]
(2R)−3−ヒドロキシ−2−[(4−{(1E)−3−[2−(4−メチルベンゾイル)−1H−ピロール−1−イル]プロプ−1−エン−1−イル}ベンジル)オキシ]プロピオン酸
[実施例68−1]
(2R)−2,3−ジヒドロキシプロピオン酸メチル

メチルα,β−イソプロピリデン−L−グリセレート(1g,6.24mmol)を酢酸(14ml)、水(6ml)に溶解させ、室温下18時間撹拌した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をトルエンで3回共沸させ、表題化合物を得た(610.6mg,81%)。
H NMR(CDCl,400MHz)δ 4.29(dd,1H,J=3.8,3.3Hz),3.91(dd,1H,J=11.7,3.3Hz),3.85(dd,1H,J=11.7,3.8Hz),3.84(s,3H).
[実施例68−2]
(2R)−3−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−ヒドロキシプロピオン酸メチル

実施例68−1(308mg,2.57mmol)を塩化メチレン(10ml)に溶解させ、トリエチルアミン(704mg,6.95mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(33mg,0.27mmol)、t−ブチルジメチルシリルクロライド(524mg,3.48mmol)を加えた。室温下2時間撹拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層は、水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を得た(356mg,57%)。
H NMR(CDCl,400MHz)δ 4.22(ddd,1H,J=8.1,3.1,3.1Hz),3.93(dd,1H,J=10.4,3.1Hz),3.86(dd,1H,J=10.4,3.1Hz),3.79(s,3H),3.02(d,1H,J=8.1Hz),0.87(s,9H),0.06(s,3H),0.04(s,3H).
[実施例68−3]
(2R)−3−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−[(4−ヨードベンジル)オキシ]プロピオン酸メチル

実施例68−2を用いて参考例42と同様に表題化合物を得た。
LC−MS(method B)r.t.4.74min.,m/z451(M+1)
[実施例68−4]
(2R)−3−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−[(4−{(1E)−3−[2−(4−メチルベンゾイル)−1H−ピロール−1−イル]プロプ−1−エン−1−イル}ベンジル)オキシ]プロピオン酸酸メチル

実施例68−3を用いて実施例1Aと同様に表題化合物を得た。
LC−MS(method B)r.t.4.97min.,m/z548(M+1)
[実施例68−5]
(2R)−3−ヒドロキシ−2−[(4−{(1E)−3−[2−(4−メチルベンゾイル)−1H−ピロール−1−イル]プロプ−1−エン−1−イル}ベンジル)オキシ]プロピオン酸メチル

実施例68−4(260mg,0.48mmol)を、THF(5ml)に溶解させ、n−テトラブチルアンモニウムフルオリド(1mol/l in THF)(1.5ml,0.72mmol)を氷冷下加えた。氷冷下1時間撹拌した後、水を加えて酢酸エチルにて抽出した。有機層は、水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して、表題化合物を得た。
LC−MS(method B)r.t.3.99min.,m/z434(M+1)
[実施例68−6]
(2R)−3−ヒドロキシ−2−[(4−{(1E)−3−[2−(4−メチルベンゾイル)−1H−ピロール−1−イル]プロプ−1−エン−1−イル}ベンジル)オキシ]プロピオン酸

実施例68−5を用いて実施例1Bと同様に表題化合物を得た。
LC−MS(method B)r.t.3.84min.,m/z420(M+1)
[実施例69]
(2R)−2−ヒドロキシ−3−[(4−{(1E)−3−[2−(4−メチルベンゾイル)−1H−ピロール−1−イル]プロプ−1−エン−1−イル}ベンジル)オキシ]プロピオン酸
[実施例69−1]
(2R)−2−ヒドロキシ−3−[(4−{(1E)−3−[2−(4−メチルベンゾイル)−1H−ピロール−1−イル]プロプ−1−エン−1−イル}ベンジル)オキシ]プロピオン酸エチル

参考例33の化合物(36mg,0.11mmol)と(R)−(+)−エチルグリシデート(25mg,0.22mmol)に過塩素酸リチウム(14mg,0.13mmol)を加え、60℃に昇温し3時間撹拌した。室温に冷却後、水を加えジエチルエーテルにて抽出し、有機層は水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して、表題化合物を得た。
LC−MS(method B)r.t.3.97min.,m/z448(M+1)
[実施例69−2]
(2R)−2−ヒドロキシ−3−[(4−{(1E)−3−[2−(4−メチルベンゾイル)−1H−ピロール−1−イル]プロプ−1−エン−1−イル}ベンジル)オキシ]プロピオン酸

実施例69−1の化合物を用いて実施例1Bと同様に表題化合物を得た。
LC−MS(method B)r.t.3.76min.,m/z420(M+1)
[実施例70]
(2R)−2−メトキシ−3−[(4−{(1E)−3−[2−(4−メチルベンゾイル)−1H−ピロール−1−イル]プロプ−1−エン−1−イル}ベンジル)オキシ]プロピオン酸

実施例69−2(24mg,0.05mmol)をTHF(1ml)に溶解させ、水素化ナトリウム(5mg,0.11mmol)を氷冷下加え、室温まで昇温し、30分攪拌した後、ヨウ化メチル(15mg,0.11mmol)を加えた。室温下2時間撹拌した後、5%硫酸水素カリウム水溶液を加えて酢酸エチルにて抽出した。有機層は飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去して表題化合物を得た。
LC−MS(method B)r.t.3.78min.,m/z434(M+1)
[実施例71]
PPARαまたはγアゴニスト活性の評価
レポ−タ−プラスミドの作成
ヒトPPARαのリガンド結合領域(アミノ酸残基167−468を含む)をコ−ドする遺伝子断片、またはヒトPPARγのリガンド結合領域(アミノ酸残基204−505を含む)をコ−ドする遺伝子断片取得を、酵母GAL4蛋白のDNA結合領域を含む発現ベクタ−pM(クロ−ンテック)のマルチクロ−ニングサイトに挿入し、GAL4蛋白DNA結合領域とヒトPPARαまたはγリガンド結合領域の融合蛋白を発現するベクタ−プラスミドを得た。
レポ−タ−プラスミドとして、ホタルルシフェラ−ゼ遺伝子を含むpGL3−basicベクタ−プロメガ)にGAL4蛋白応答配列UASとウサギβグロビンプロモ−タ−挿入したものを用いた。
形質転換効率の補正用に、lacZ遺伝子を含むプラスミドpβgal control(クロ−ンテック)を用いた。
ルシフェラ−ゼアッセイ
COS−1細胞は、5%活性炭・デキストラン処理ウシ胎児血清(ギブコ)を含むフェノ−ルレッド不含ダルベッコ改変イ−グル培地(DMEM)(ギブコ)を用い、5%二酸化炭素存在下、37℃で培養した。COS−1細胞を24ウェルプレ−トに5×10個/ウェルの密度で播種し、一晩培養した。培地を5%活性炭・デキストラン処理ウシ胎児血清不含培地に交換し、1ウェル当たり、GAL4−PPARαまたはγ発現プラスミド5ng、レポ−タ−プラスミド50ng、pβgal control 350ngのDNAをリポフェクトアミンプラス試薬(ギブコ)を用いてトランスフェクションした。4時間培養後、培地を5%活性炭・デキストラン処理ウシ胎児血清含有培地に交換し、本発明化合物を最終濃度1μMまたは10μMとなるように添加した。24時間培養後、ルシフェラ−ゼアッセイシステム(プロメガ)添付の細胞溶解液を用いて細胞を溶解し、同添付のルシフェラ−ゼ測定試薬を用いて、ルミノメ−タ−にてルシフェラ−ゼ活性を測定した。β−ガラクトシダ−ゼ活性は、β−ガラクトシダ−ゼ酵素測定システム(プロメガ)を用いて測定し、形質転換効率を補正した。
PPARαまたはγアゴニスト活性は、対照として溶媒(DMSO)を添加したウェルのルシフェラ−ゼ活性を1とした相対活性で示した。各10μMでのPPARαアゴニスト活性、PPARγアゴニスト活性は以下の表18に示した。

[実施例72]
実施例に記載の被検物質を0.5%カルボメチルセルロース溶液に溶解または懸濁し、7から8週齢の雄性db/dbマウスに最終投与量として、30mg/kgとなるよう1日1回2週間強制経口投与した。最終日に、尾静脈より採取した血液に直ちに過塩素酸を添加して除蛋白処置を施した後、グルコースCIIテストワコー(和光純薬工業)を用いて血糖値を測定した。これを以下の表19に示した。
血糖降下作用は、以下の計算式により導いた。


【産業上の利用可能性】
本発明に係わる新規ヘテロアリール誘導体(1)またはその薬学的に許容される塩は、糖尿病治療薬、または予防薬、あるいは血糖調節剤として使用しうる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)

(式中、環Zは、置換されていてもよいヘテロアリールを表し、
は、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換されていてもよいカルバモイル基、置換されていてもよい環状アミノカルボニル基、置換されていてもよいアルキルスルホニルカルバモイル基、置換されていてもよいアリールスルホニルカルバモイル基、またはテトラゾリル基を表し、
およびWは、置換されていてもよい低級アルキレンを表し、
Arは、置換されていてもよいアリーレン、または置換されていてもよいヘテロアリーレンを表し、
は、単結合、低級アルキレン、低級アルケニレン、または−Y−W−(式中、Yは、酸素原子、硫黄原子、−S(O)−または−S(O)−を表し、
は、低級アルキレン、または低級アルケニレンを表す)を表し、
は、単結合、−NR10−、−NR10−W−(式中、R10は、水素原子、または置換されていてもよい低級アルキルを表し、Wは、低級アルキレンを表す)、低級アルキレン、または低級アルケニレンを表し、
Arは、置換されていてもよいアリール、または置換されていてもよいヘテロアリールを表す)で表されるヘテロアリール誘導体、そのプロドラッグまたはそれらの薬学上許容される塩。
【請求項2】
が低級アルキレン、低級アルケニレン、または−Y−W−(式中、Yは、酸素原子、硫黄原子、−S(O)−または−S(O)−を表し、Wは、低級アルキレン、または低級アルケニレンを表す)である請求項1記載のヘテロアリール誘導体、そのプロドラッグまたはそれらの薬学上許容される塩。
【請求項3】
環Zが置換されていてもよいピロール環、置換されていてもよいピラゾール環、置換されていてもよいイミダゾール環、置換されていてもよいトリアゾール環、置換されていてもよいインドール環、置換されていてもよいインダゾール環、または置換されていてもよいベンズイミダゾール環であり、WがC−Cアルキレン、C−Cアルケニレン、または−Y1’−W5’−(式中、Y1’は、酸素原子、または硫黄原子であり、W5’がC−Cアルキレン、またはC−Cアルケニレンである)であり、Wが単結合、−NR10−、C−Cアルキレン、またはC−Cアルケニレンである請求項1記載のヘテロアリール誘導体、そのプロドラッグまたはそれらの薬学上許容される塩。
【請求項4】
環Zが、式(2)

(式中、Rは、一つあるいは複数あってもよく、独立して水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、または置換されていてもよいチオールを表し、Rは、一つあるいは複数あってもよく、独立して水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいチオール、置換されていてもよいヒドロキシ、置換されていてもよい非芳香族複素環、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいアシル、またはアルキルスルホニルを表し、結合の方向はいずれであってもよい。)のいずれか一つである請求項1記載のヘテロアリール化合物、そのプロドラッグまたはそれらの薬学上許容される塩。
【請求項5】
環Zが、置換されていてもよいピロール環、置換されていてもよいイミダゾール環、または置換されていてもよいベンズイミダゾール環である請求項1,2いずれか記載のヘテロアリール化合物、そのプロドラッグまたはそれらの薬学上許容される塩。
【請求項6】
およびWが、置換されていてもよい直鎖のC−Cアルキレン基、または置換されていてもよい、環状構造を含むC−Cアルキレン基である請求項1〜3いずれか記載のヘテロアリール化合物、そのプロドラッグまたはそれらの薬学上許容される塩。
【請求項7】
およびWが置換されていてもよいメチレン、またはエチレンであり、Wが、直鎖のC−Cアルキレン、C−Cアルケニレン、または−Y1’’−W5’’−(式中、Y1’’が酸素原子であり、W5’’が直鎖のC−Cアルキレンである)であり、Wが、単結合、−NR10−、メチレン、またはトランスビニレンである請求項1〜3いずれか記載のヘテロアリール化合物、そのプロドラッグまたはそれらの薬学上許容される塩。
【請求項8】
Arが、置換されていてもよいフェニレンであり、置換様式として、WがWの結合位置に対しメタ位またはパラ位である請求項1〜6いずれか記載のヘテロアリール化合物、そのプロドラッグまたはそれらの薬学上許容される塩。
【請求項9】
環Zが式(3)

(式中、R2’が一つあるいは複数あってもよく、独立して水素原子、メチル、置換されていてもよいフェニル、または置換されていてもよいヘテロアリールである)であり、Rがカルボキシル基、置換されていてもよいアルキルスルホニルカルバモイル基、またはテトラゾリル基であり、WおよびWが置換されていてもよいメチレン、またはエチレンであり、Arが置換されていてもよいフェニレンであり、Wが直鎖のC−Cアルキレン、またはC−Cアルケニレンであり、Arが置換されていてもよいフェニルである請求項1記載のヘテロアリール誘導体、そのプロドラッグまたはそれらの薬学上許容される塩。
【請求項10】
環Zが式(4)

(式中、R2’が一つあるいは複数あってもよく、独立して水素原子、メチル、置換されていてもよいフェニル、または置換されていてもよいヘテロアリールである)であり、Rがカルボキシル基、置換されていてもよいアルキルスルホニルカルバモイル基、またはテトラゾリル基であり、WおよびWが置換されていてもよいメチレン、またはエチレンであり、Arが置換されていてもよいフェニレンであり、Wが直鎖のC−Cアルキレン、またはC−Cアルケニレンであり、Arが置換されていてもよいフェニルである請求項1記載のヘテロアリール誘導体、そのプロドラッグまたはそれらの薬学上許容される塩。
【請求項11】
環Zが式(5)

のいずれか一つであり、Rがカルボキシル基であり、Wが置換されていてもよいメチレン、またはエチレンであり、Wがメチレンであり、Arがフェニレンであり、Wがプロペニレンまたはプロピレンであり、Arが置換されていてもよいフェニルである請求項1記載のヘテロアリール誘導体、そのプロドラッグまたはそれらの薬学上許容される塩。
【請求項12】
環Zが式(6)

(式中、R2’が一つあるいは複数あってもよく、独立して水素原子、メチル、置換されていてもよいフェニル、または置換されていてもよいヘテロアリールである)のいずれか一つであり、Rがカルボキシル基であり、Wが置換されていてもよいメチレン、またはエチレンであり、Wがメチレンであり、Arがフェニレンであり、Wがプロペニレンまたはプロピレンであり、Arが置換されていてもよいフェニルである請求項1記載のヘテロアリール誘導体、そのプロドラッグまたはそれらの薬学上許容される塩。
【請求項13】
環Zが式(7)

であり、Rがカルボキシル基であり、Wが置換されていてもよいメチレン、Wがメチレンであり、Arがフェニレンであり、Wがプロペニレンまたはプロピレンであり、Arが置換されていてもよいフェニルである請求項1記載のヘテロアリール誘導体、そのプロドラッグまたはそれらの薬学上許容される塩。
【請求項14】
環Zが式(7)

であり、Rがカルボキシル基であり、Wが炭素数1から3のアルキル基で置換されていてもよいメチレンであり、Wがメチレンであり、Arがフェニレンであり、Wがプロペニレンまたはプロピレンであり、Arが炭素数1から3のアルキル基もしくは炭素数1から3のアルコキシ基で置換されていてもよいフェニルである請求項1記載のヘテロアリール誘導体、そのプロドラッグまたはそれらの薬学上許容される塩。
【請求項15】
環Zが式(8)

のいずれか一つであり、Rがカルボキシル基であり、Wが炭素数1から3のアルキル基で置換されていてもよいメチレンであり、Wがメチレンであり、Arがフェニレンであり、Wがプロペニレンまたはプロピレンであり、Arが炭素数1から3のアルキル基もしくは炭素数1から3のアルコキシ基で置換されていてもよいフェニルである請求項1記載のヘテロアリール誘導体、そのプロドラッグまたはそれらの薬学上許容される塩。
【請求項16】
環Zが式(9)

であり、Rがカルボキシル基であり、Wが炭素数1から3のアルキル基で置換されていてもよいメチレンであり、Wがメチレンであり、Arがフェニレンであり、Wがプロペニレンであり、Arが炭素数1から3のアルキル基もしくは炭素数1から3のアルコキシ基で置換されていてもよいフェニルである請求項1記載のヘテロアリール誘導体、そのプロドラッグまたはそれらの薬学上許容される塩。
【請求項17】
式(10)で表されるの化合物のうちのいずれかである請求項1記載のヘテロアリール誘導体、そのプロドラッグまたはそれらの薬学上許容される塩。


【国際公開番号】WO2005/012245
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【発行日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−512472(P2005−512472)
【国際出願番号】PCT/JP2004/010282
【国際出願日】平成16年7月13日(2004.7.13)
【出願人】(000183370)住友製薬株式会社 (29)
【Fターム(参考)】