説明

曲がりセンサ

【課題】傷加工部に加わる曲がり量を正確に検知することができ、高感度の曲がりセンサの提供。
【解決手段】光ファイバの外周面に、該光ファイバに加わる曲げによって損失変動を生じさせる傷加工部が形成された曲がりセンサにおいて、光源と前記傷加工部との間の光ファイバに多数回の曲げを与えた曲げ部が設けられたことを特徴とする曲がりセンサ。この曲げ部は、光ファイバを8字状に曲げたり、蛇行させることにより形成することが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物等の曲がりを測定するセンサに関し、特に光ファイバを用いた曲がりセンサにおいてその検知感度を向上させた曲がりセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光ファイバを用いた曲がりセンサとして、例えば特許文献1に開示されたものが提案されている。
特許文献1記載のセンサ用光ファイバは、図1に示すように、光ファイバ1の外周面の一部を鋸歯状に加工して光損失を変動させる傷加工部2が設けられた構成になっている。また図2は、特許文献1に記載されたセンサの構成を示し、このセンサは、前記の通り鋸歯状の傷加工部2を設けた光ファイバ1と、その一端に接続された発光素子3と、光ファイバ1の他端に接続された受光素子4と、該受光素子4に接続された信号処理回路5とを備えている。
【0003】
特許文献1に記載のセンサにおいて、光の損失量は光ファイバ1の傷加工部2に与えられた光ファイバ1の曲げ量に依存して変動するため、受光素子4での受光量変化を検知することにより、光ファイバ1に与えられた曲げ量を検知できる。このとき、光ファイバ1の傷加工部2を鋸歯状に加工された側に曲げると光損失は減少し、傷加工部2を外側に曲げると、光損失は増加する。
【0004】
また、図3に示したように、傷加工部2を設けた複数本の光ファイバ1を、傷加工部2の位置をずらした状態で配列すれば、曲げの位置と曲げの量を同時に検知することが可能なセンサ6を構成することができる。なお、図3(a)は前記センサ6の平面図、(b)は光ファイバ1の平面図、(c)は側面図である。
【0005】
図4に本方式の曲がりセンサの動作原理を示す。符号7は光ファイバ1のクラッドであり、その内側のコア8よりも低い屈折率を有している。この屈折率構造により、光ファイバ1の端面から入射された光は、光ファイバ1のクラッド7とコア8の界面で反射され、光ファイバ1の中を伝搬する。光ファイバ1の表面に設けられた傷加工部2は、光ファイバ1のコア8にまで達している。光ファイバ1の中を伝搬する光線がこの傷加工部1に当たると、そこから光が漏洩し、光ファイバ1を伝搬する光は損失を受ける。図4に示した符号9は、傷加工部2から漏洩した光を表している。一方、符号10も光ファイバ1の中を伝搬する光線を表しているが、この光線10は光ファイバ1に設けた傷加工部2と干渉しないため、損失を受けない。このように、傷加工された光ファイバ1中を伝搬する光線には、傷により損失されるものとされないものが存在する。
【0006】
図5は、曲げを与えられた光ファイバ1中の光線11の密度分布を模式的に表したものである。図5にあるように、光ファイバ1を曲げると、光線11は光ファイバ1中の曲げの外側に偏って分布する。したがって、傷加工部2が曲げの外側にある場合は、光線11が傷と干渉する確率が増える。逆に、傷加工部2が曲げの内側にある場合は、光線11と傷が干渉する確率が減る。また、小径で曲げるほど光線11は強く偏ることも併せて考えると、傷加工された光ファイバ1を伝搬する光の損失を計測することにより、光ファイバ1に与えた曲げの程度を検知できることになる。ひいては、この傷加工された光ファイバ1を構造物に沿わせることにより、構造物の曲がり量を測定することが可能となる。
【0007】
鋸歯状の傷加工は、例えば、回転ブレードによる機械加工やレーザ加工などによって実現することができる。また、光ファイバ1に与える傷は、鋸歯形状には限定されず、光ファイバ1を導波する光が減衰する構造であれば良く、例えば穴形状などが考えられる。
【特許文献1】米国特許第5321257号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述した従来の曲がりセンサは、光ファイバを伝搬する光の損失量を測定することにより、傷加工された部分に付与された曲げの有無や大きさを測定することを目的としているが、傷加工されていない部分に付与された光ファイバの曲がりによっても損失が変化してしまい、傷加工部の曲げ量を正確に測定できないという欠点がある。前述した従来の曲がりセンサは、特に光ファイバが傷加工された部位よりも光源側の部位に与えられた曲げに対して敏感である。以下にこの理由を示す。
【0009】
図6は、光ファイバ1中を伝搬する一つの光線を説明する図である。図6中、符号12は光線、13は光ファイバの軸方向を表す。ここで、光ファイバ1中を伝搬する光線12と光ファイバ1の軸13のなす偏角をθとする。
光ファイバ1の中を伝搬する光線は、様々な偏角θを有しているが、偏角θの大きな光線ほど、本方式のセンサ中での光損失が大きいという性質がある。なぜなら、偏角θが大きいということは、光ファイバ1のコア8とクラッド7の界面での反射回数が多く、傷加工部2と干渉する確率が高くなるからである。
したがって、光ファイバ1中に偏角θの大きな光を多く入射した場合と、偏角θの小さな光を多く入射した場合とでは、本方式のセンサによる光損失量は、偏角θの大きな光を多く入射したときの方が大きくなる。また、光ファイバ1に曲げを与えると、曲げの部分で光線一つ一つの偏角θが変化し、ひいては、偏角θの分布も変化してしまう。
【0010】
これを図7に模式的に示す。図7(a)に示すように、光ファイバ14に曲げ部16を設けた場合、入射端面15からある偏角分布を有した光を入射する。光は、光ファイバ14中を伝搬し、曲げ部16を通過した後、光ファイバ14の出射端面17から出射される。このときの出射光の偏角分布(図7(c))は、入射光の偏角分布(図7(b))とは異なってしまう。偏角分布の変化の度合いは、曲げの回数や曲げ径などにより様々に変化する。
【0011】
光ファイバに曲げを与えると、伝搬する光線束の偏角分布が変化してしまうことと、本方式の曲がりセンサにおいて、光損失の量は光線の偏角によって異なることを併せて考えると、光ファイバへの傷加工部よりも入射端側の光ファイバに曲げを与えた場合、傷加工部に入射する光線束の偏角分布が光ファイバの曲げのために変化してしまうことから、たとえ光ファイバの傷加工部が直線状に保たれている場合でも、光損失が変化してしまい、正確に傷加工部の曲がり量を検知することができない。
【0012】
本発明は前記事情に鑑みてなされ、傷加工部に加わる曲がり量を正確に検知することができる高感度の曲がりセンサの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するため、本発明は、光ファイバの外周面に、該光ファイバに加わる曲げによって損失変動を生じさせる傷加工部が形成された曲がりセンサにおいて、光源と前記傷加工部との間の光ファイバに多数回の曲げを与えた曲げ部が設けられたことを特徴とする曲がりセンサを提供する。
【0014】
本発明の曲がりセンサにおいて、前記曲げ部は、光ファイバを8字状に曲げて形成されたことが好ましい。
【0015】
本発明の曲がりセンサにおいて、前記曲げ部は、光ファイバを蛇行させて形成されたものであってもよい。
【0016】
本発明の曲がりセンサにおいて、前記曲げ部は、光ファイバに加わる曲げの方向が変わる変極点の数が20以上であることが好ましい。
【0017】
本発明の曲がりセンサにおいて、光ファイバがプラスチック光ファイバであることが好ましい。
【0018】
本発明の曲がりセンサにおいて、前記曲げ部は、光ファイバをシート上に配線することにより形成されたことが好ましい。
【0019】
また本発明は、前述した曲がりセンサの光ファイバを複数本平行に並べ、かつ曲がりの位置検知が可能なようにそれぞれの光ファイバの傷加工部の位置が異なるように配置してなることを特徴とする曲がりセンサを提供する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、光ファイバに傷加工を施し、光損失の変化により構造物の曲がり量を検知する曲がりセンサにおいて、光源と光ファイバ傷加工部の間の光ファイバに多数回の曲げを与えた曲げ部を設けたことにより、光ファイバ中を伝搬する光線の偏角分布の変動を押さえることが可能となり、傷加工されていない光ファイバ部分に曲げを与えても光損失の変化を小さくすることができるので、傷加工部に加わる曲がり量を正確に検知することができ、高感度の曲がりセンサを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
前述した従来の曲がりセンサにおいて、センサを構成する光ファイバの傷加工部以外の部位(以下、非加工部と記す。)に与えた曲げにより、入射光線束の偏角分布が変化してしまうことが、曲がりセンサの精度を悪化させる原因である。したがって、光ファイバに曲げを与えても伝搬光束の偏角分布が変化しないようにしてやればよい。
【0022】
光ファイバの曲げによって、ある光線の偏角は、大きくなることもあれば、小さくなることもある。光ファイバの曲げによって、一つ一つの光線の偏角は変化するが、光ファイバ中を伝搬する全光束を考えると、光ファイバを曲げても、偏角が大きくなる成分と偏角が小さくなる成分とが釣り合い、偏角分布は変化しなくなる条件が存在する。このような条件の光線束を作り、光ファイバ中を伝搬させればよい。このような状態は、光ファイバに多数回の曲げを付与することにより実現される。
【0023】
従って本発明の曲がりセンサでは、光源と傷加工部との間に多数回の曲げを意図的に付与することにより、光ファイバの非加工部での光ファイバの曲がりによる意図しない損失変動をなくすことが可能である。
【0024】
以下、図面を参照して本発明の曲がりセンサの実施形態を説明する。
図8は、本発明の曲がりセンサの第1実施形態を示す図であり、図8(a)は斜視図、(b)は平面図である。図8中、符号20は曲がりセンサ、21は光ファイバ、22は曲げ部、23は非加工部、24は傷加工部、25は光源モジュール、26は受光及び信号処理モジュール、27は円筒部材である。
【0025】
本実施形態の曲がりセンサ20は、光ファイバ21の外周面に、この光ファイバ21に加わる曲げによって損失変動を生じさせる傷加工部24を形成し、さらにこの傷加工部24と光源モジュール25との間の光ファイバ21(非加工部23)の一部に、多数回の8字状の曲げを与えた曲げ部22を設けた構成になっている。この光ファイバ21の曲げ部22側の入射端には、光源モジュール25が接続され、この反対側の出射端には、受光及び信号処理モジュール26が接続されている。
【0026】
本実施形態において、曲げ部22は、近接して配置した2つの円筒部材27に光ファイバ21を8字状に多数回巻き付けて形成されている。この巻き付け回数、巻き径(円筒部材27の外径)等は限定されない。例えば、巻き付ける円筒の直径を小さくした場合、少ない巻き数で同様の効果が得られる。また、曲げの付与の方法も8字状の曲げ以外でも構わない。ただし、光ファイバ21に一方向のみの曲げを与えた場合、例えば、単純に1本の円筒に一方向に巻き付けた場合などは、光線の偏角変化量は小さく抑えられてしまうため、好ましい形態とは言えない。光ファイバ21に意図的に付与する曲げは、曲げの方向が多数改変化することが好ましい。これは、偏角の変化は光ファイバ21の曲率の変極点(曲げの方向が変化する点)において生じることに因っている。好ましくは変極点が20箇所以上あるものがよい。
【0027】
この曲がりセンサ20に用いられる光ファイバ21としては、コアとクラッドがプラスチックで作られているプラスチック光ファイバが望ましい。プラスチック光ファイバは、レーザ加工し易く、またクラッド外径に対してコア径が太く、傷加工部24の傷を比較的浅く形成できるなどの利点がある。使用するプラスチック光ファイバとしては特に限定されず、例えば、コアがポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)、クラッドがフッ素樹脂からなるものが挙げられる。
【0028】
この曲がりセンサ20に用いられる光源モジュール25は、光ファイバ21内を導光でき、受光及び信号処理モジュール26で受光可能な波長の光を、一定の強度で長期間安定に発するものであればよく、各種の発光ダイオード(LED)、レーザダイオード(LD)などの中から適宜選択して用いることができる。
【0029】
この曲がりセンサ20に設けられる傷加工部24は、光ファイバに加わる曲げによって損失変動を生じさせることができればよく、光ファイバ外周面に加工する傷の形状、本数、配置などは、特に限定されず、例えば、図1に示すような鋸歯状に加工された傷や、光ファイバ21に穿設した穴などであってよい。
【0030】
この曲がりセンサ20に用いられる受光及び信号処理モジュール26は、フォトダイオード(PD)などの受光素子と、この受光素子からの受光信号を入力して光ファイバ21を導光した光の強度を測定し、傷加工部24に加わる曲がりの量を検出する信号処理系とからなっている。
【0031】
この曲がりセンサ20は、光ファイバ21を建築物などの曲がり測定対象物に敷設し、傷加工部24を該対象物の適所に固定して設置し、光源モジュール25から測定光を光ファイバ21の入射端から入射し、光ファイバ21の出射端に接続された受光及び信号処理モジュール26で測定光の強度を検出してモニタする。曲がり測定対象物に曲がりが発生した場合、傷加工部24に対する曲がりの方向によって、受光及び信号処理モジュール26で検出される光の強度が増減し、予め傷加工部24の固定方向を設定しておくことで、曲がり測定対象物における曲がりの発生、曲がりの方向、曲がりの量を推定することができる。
【0032】
そして本実施形態の曲がりセンサ20によれば、光源25と傷加工部24の間の光ファイバ21に多数回の曲げを与えた曲げ部22を設けたことにより、光ファイバ21中を伝搬する光線の偏角分布の変動を押さえることが可能となり、非加工部23に曲げを与えても光損失の変化を小さくすることができるので、傷加工部24に加わる曲がり量を正確に検知することができる高感度の曲がりセンサを提供することができる。
【0033】
図9は、本発明の曲がりセンサの第2実施形態を示す要部平面図である。本実施形態の曲がりセンサは、曲げ部28以外の構成は、前記第1実施形態の曲がりセンサ20と同様の構成要素を備えて構成されている。
【0034】
本実施形態の曲がりセンサにあっては、多数の円筒部材27を千鳥状に配置しておき、それらの円筒部材27の外周に沿って光ファイバ21を蛇行させることにより、曲げ部28を形成している。このように光ファイバ21を蛇行させて曲げ部28を形成した場合でも、曲げ部28において前記変極点を多数形成できるので、前記第1実施形態の曲がりセンサ20と同様に、非加工部23に曲げを与えても光損失の変化を小さくすることができるので、傷加工部24に加わる曲がり量を正確に検知することができる効果が得られる。
【0035】
図10は、本発明の曲がりセンサの第3実施形態を示す平面図である。図10中、符号30は曲がりセンサ、31は光源モジュール、32は光ファイバ、33はシート、34は曲げ部、35は傷加工部、36は折り返し部、37は受光及び信号処理モジュールである。本実施形態では、それぞれ長さ方向の異なる位置に傷加工部35を形成した複数本(図10の例示では4本)の光ファイバ32をシート33に配置して曲がりセンサ30を構成している。
【0036】
それぞれの光ファイバ32には、光源モジュール31と傷加工部35との間に、前記第2実施形態の曲げ部28と同様に、光ファイバ32を多数回蛇行させた曲げ部34を形成している。
光ファイバ32の傷加工部35より下流側(出射端側)は、折り返し部36において折り返され、同じシート33上に敷設され、光源モジュール31と並設された受光及び信号処理モジュール37に接続されている。
光ファイバ32が配設されているシート33は、特に限定されないが、例えばポリイミドなどの合成樹脂製シートが用いられる。
【0037】
本実施形態の曲がりセンサ31は、個々の光ファイバ32が前述した第1実施形態及び第2実施形態の曲がりセンサ20と同等のものであり、前述した各実施形態と同様の効果が得られる。
さらに、本実施形態の曲がりセンサ30は、それぞれ長さ方向の異なる位置に傷加工部35を形成した複数本の光ファイバ32をシート33に配置して曲がりセンサ30を構成しているので、このセンサ付きのシート33を曲がり測定対象物に設置することで、該対象物に生じた曲がりの位置を正確に検出することができる。
【実施例】
【0038】
[実施例]
図8に示す構成の曲がりセンサを作製した。
光ファイバ21として、ポリメチルメタクリレート樹脂製のコアとフッ素樹脂製のクラッドとからなるプラスチック光ファイバを用いた。この光ファイバは、コア直径が485μm、クラッド外径が500μmである。
光源モジュール25として、波長650nmの光を発するLED光源を用いた。
曲げ部22は、2つの円筒部材27に光ファイバ21を8字状に巻き付けて形成した。本例では光ファイバを50回、すなわち、8の字を25回描くように巻き付けた。円筒の直径は65mm、円筒と円筒の間隔は1mmとした。
傷加工部24は、炭酸ガスレーザを用いて光ファイバに穴加工を施して形成した。傷の形状は、直径100μm、深さ40μmの円形の穴とし、1mm間隔で100箇所加工した。
本実施例の曲げセンサは、光源と傷加工部との間の光ファイバに曲げ部22を設けたことにより、非加工部23に曲げ半径50mmで角度90度の曲げを与えても、受光及び信号処理モジュール26が受光する光量の変化を0.1%以下にすることができた。
一方、傷加工部24の全長に渡り、曲げ半径50mmで傷加工部24を外側に曲げたときには、受光及び信号処理モジュール26が受光する光量の変化は−24%、傷加工部24を内側に曲げたときには、受光及び信号処理モジュール26が受光する光量の変化は+24%であった。
【0039】
[比較例]
一方、従来技術のように非加工部23を直線に保ち、傷加工部24も直線に保ったまま、非加工部23に曲げ半径50mm、曲げ角度90度の曲げを与えたとき、受光及び信号処理モジュール26が受光する光量の変化は−4%程度であった。
【0040】
以上のように、意図的に光ファイバの非加工部に曲げを与えることにより、傷加工部以外の非加工部に付与される光ファイバの曲げに対して、センサを鈍感にすることが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】従来の曲がりセンサの要部斜視図である。
【図2】従来の曲がりセンサの構成図である。
【図3】従来の別な曲がりセンサを示し、(a)はセンサの平面図、(b)はその光ファイバの要部平面図、(c)は光ファイバの要部側面図である。
【図4】傷加工部を曲げた場合に光ファイバ内を導光する光線の挙動を模式的に示す図である。
【図5】光ファイバに曲げを加えた場合の光線の分布を模式的に示す断面図である。
【図6】光ファイバ内を導光する光線の偏角を説明する模式図である。
【図7】光ファイバの曲げによる偏角分布変化を説明する図であり、(a)は曲げたファイバの模式図、(b)は入射光の偏角分布、(c)は出射光の偏角分布を例示するグラフである。
【図8】本発明の曲がりセンサの第1実施形態を示し、(a)は曲がりセンサの斜視図、(b)は平面図である。
【図9】本発明の曲がりセンサの第2実施形態を示す要部平面図である。
【図10】本発明の曲がりセンサの第3実施形態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0042】
20,30…曲がりセンサ、21,32…光ファイバ、22,28,34…曲げ部、23…非加工部、24,35…傷加工部、25,31…光源モジュール、26,37…受光及び信号処理モジュール、27…円筒部材、33…シート、36…折返し部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバの外周面に、該光ファイバに加わる曲げによって損失変動を生じさせる傷加工部が形成された曲がりセンサにおいて、
光源と前記傷加工部との間の光ファイバに多数回の曲げを与えた曲げ部が設けられたことを特徴とする曲がりセンサ。
【請求項2】
前記曲げ部が、光ファイバを8字状に曲げて形成されたことを特徴とする請求項1に記載の曲がりセンサ。
【請求項3】
前記曲げ部が、光ファイバを蛇行させて形成されたことを特徴とする請求項1に記載の曲がりセンサ。
【請求項4】
前記曲げ部は、光ファイバに加わる曲げの方向が変わる変極点の数が20以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の曲がりセンサ。
【請求項5】
光ファイバがプラスチック光ファイバであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の曲がりセンサ。
【請求項6】
前記曲げ部が、光ファイバをシート上に配線することにより形成されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の曲がりセンサ。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の曲がりセンサの光ファイバを複数本平行に並べ、かつ曲がりの位置検知が可能なようにそれぞれの光ファイバの傷加工部の位置が異なるように配置してなることを特徴とする曲がりセンサ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−248213(P2007−248213A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−70986(P2006−70986)
【出願日】平成18年3月15日(2006.3.15)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】