板状体の搬送容器
【課題】板状体の搬送容器として、板状体の側端部を容器本体の側壁に有する支持用溝に挿入して収納する際、下端部を底部上面の横方向の支持用溝に容易に嵌り込ませることができるようにする。
【解決手段】対向する両側壁12bの内面に支持用溝13を有する容器本体1と、側壁上端部に外嵌合する蓋体2と、底パッド4とを備え、容器本体1の縦方向の支持用溝13の下端から連続して底部11上面において内方に延びる横方向の補助溝13aを形成し、板状体Bの下端コーナー部を縦方向の支持用溝13から連続して補助溝13aにより支持するようにし、底部内方に有する支持用溝に対して確実に嵌り込ませることができるようにする。
【解決手段】対向する両側壁12bの内面に支持用溝13を有する容器本体1と、側壁上端部に外嵌合する蓋体2と、底パッド4とを備え、容器本体1の縦方向の支持用溝13の下端から連続して底部11上面において内方に延びる横方向の補助溝13aを形成し、板状体Bの下端コーナー部を縦方向の支持用溝13から連続して補助溝13aにより支持するようにし、底部内方に有する支持用溝に対して確実に嵌り込ませることができるようにする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、素板ガラスのほか、液晶表示用やプラズマ表示用のガラス基板、タッチパネル用のガラス基板その他の主として薄肉の板状体の搬送、保管に使用する搬送容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば液晶表示用やプラズマ表示用の比較的大形のガラス基板を複数枚並列して収容して搬送するための搬送容器として、緩衝性を有する合成樹脂発泡体製の容器本体と蓋体とよりなる容器で、容器本体の一方の相対向する側壁内面に等間隔に縦溝からなる支持用溝を形成しておき、該支持用溝にガラス基板の側端部を挿入して相互に接触させないように支持して収納するようにしたものが知られている。
【0003】
さらに、前記容器本体内の底板上にガラス基板の下端部を保護する横溝からなる支持用溝を有する底パッドを設けることに加えて、容器本体の上方に突出するガラス基板の上端部を保護する横溝からなる支持用溝を有する天パッドを設けることも提案されている(例えば、特許文献1、2)。
【0004】
ところで、近年、ガラス基板の薄肉化が進み、例えば、液晶表示用パネルには、0.7mm前後のガラス基板が使用され、またタッチパネル用には、0.3mm前後のごく薄肉のガラス基板が使用されている。かかるガラス基板を搬送する際の保護のために、緩衝性のある溝付きの底パッドや天パッド等を設けた搬送容器を使用する場合においても、ガラス基板が薄肉であるものほど撓み変形し易いこともあって、ガラス基板の破損が増加している。
【0005】
この問題は、ガラス基板の薄板化のために輸送時の振動による撓みが大きくなることに加え、輸送中の振動や他物との接触による衝撃等の外的要因による容器自体の変形により、収納された内部のガラス基板が大きく撓んだり、ガタついたりして、ガラス基板を支持する左右側壁の支持用溝あるいは底パッドや天パッドの支持用溝からの溝外れが発生し、その結果、ガラス基板同士が干渉し当接することが大きな原因であると考えられる。
【0006】
したがって、前記のようにガラス基板の両側端部及び上下端部を支持用溝に挿入して一定間隔に並列して支持した状態で搬送する場合においては、溝外れを容易に発生させないように支持用溝により安定性よく支持できることはもちろんであるが、特にガラス基板の収納操作の際においても、容器本体の両側壁の支持用溝に対し上方より挿入し落とし入れるガラス基板の下端部を底部上面に有する支持用溝に対して容易に確実に嵌め込めることが望まれる。
【0007】
例えば、ガラス基板の収納作業においては、ガラス基板の側端部を容器本体の側壁内面の支持用溝に上端開口部から挿入し、該支持用溝に沿って落とし入れるようにして、ガラス基板の下端部を底部上面に有する支持用溝に嵌め込み支持させるが、この際、ガラス基板が薄肉のものであるほど撓み変形が生じ易く、かつ撓みが大きくなることもあって、ガラス基板の下端部が底部上面の支持用溝に対してずれる虞があり、容器本体の上端開口部から注視しながら収納操作するにしても、極めて面倒な作業になっている。ガラス基板の厚みに応じて支持用溝の溝幅が小さくなると、前記の嵌め込み作業がさらに行い難いものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−51131号公報
【特許文献2】特開2006−199351号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記の問題を解消するためになしたものであり、薄肉のガラス基板等の板状体を容器本体に収納する際、その両側端部を容器本体の側壁内面の縦方向の支持用溝に挿入し落とし込むようにして、板状体の下端部を底部上面に有する横方向の支持用溝に対して容易に確実に嵌り込ませることができ、タッチパネル用に使用される薄肉のガラス基板の場合でも、その収納操作を容易に行うことができ、ガラス基板等の板状体の保護を良好になし得る板状体の搬送容器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決する本発明は、板状体を収容して搬送するための合成樹脂発泡体製の平面矩形の容器であり、上面が開口し、かつ、一方の相対向する両側壁の内面に板状体の側端部を支持する縦方向の複数の支持用溝が設けられた容器本体と、前記容器本体の底部上面に配置される底パッドと、前記容器本体の側壁上端部に嵌合して被着される蓋体とを備えてなる板状体の搬送容器において、前記縦方向の支持用溝の下端から連続して底部上面において内方に向かって延びる横方向の補助溝が形成され、該底部上面の補助溝により、板状体の下端コーナー部を縦方向の支持用溝から連続して支持するように設けられてなることを特徴とする。
【0011】
この発明の搬送容器は、前記のように、容器本体の両側壁内面の縦方向の支持用溝の下端から底部の上面内方に向かって延びる横方向の補助溝が連続して形成されているため、ガラス基板等の板状体の収納操作の際、前記縦方向の支持用溝に挿入されて落とし込まれる板状体の下端コーナー部が、縦方向の支持用溝に連続する底部上面の補助溝にずれを生じることなく嵌り込み、これがガイドとなって、板状体の下端部の撓みが抑制されることになり、また底部上面の内方に設定される支持用溝に対してもずれなく確実に嵌り込むことになる。そのため、板状体がかなり薄肉のものであっても、その収納操作を容易に行うことができる。
【0012】
前記の板状体の搬送容器において、底部上面における前記縦方向の支持用溝を有する側壁側の両端部に凸状段部が設けられ、該凸状段部に縦方向の支持用溝から連続する横方向の補助溝が形成され、該両凸状段部間において前記補助溝に支持される板状体の下端部を受支する底パッドが装設されてなるものとすることができる。これにより、凸状段部の補助溝に嵌り込んだ板状体の下端部が、その内方の底パッドにより底部に当接することなく受支される。
【0013】
前記の板状体の搬送容器において、底部上面の前記両端部の凸状段部より内方に所要の間隔をおいて、前記側壁内面の縦方向の支持用溝及び前記補助溝と同列に並列する複数の横方向の支持用溝を有する凸状部が設けられ、各凸状部間の凹部に複数に分割形成された底パッドが装設されてなるものとすることができる。この場合、前記のように、縦方向の支持用溝に連続する底部上面の補助溝のガイド作用で、前記底部内方の凸状部の支持用溝に対しても容易に確実に嵌め込んで支持でき、該支持用溝による保持の効果は底パッドに形成された溝による場合よりも大きく、板状体をさらに一層安定性よく支持できる。
【0014】
前記の板状体の搬送容器において、前記底パッドは、その上面が前記凸状部の突出高さより低く、かつ前記横方向の支持用溝の溝底位置より上方位置にある板状をなしているものとする。これにより、前記補助溝及び凸状部の支持用溝に嵌り込む板状体の下端部を、溝底に当接させることなく底パッドにより受支できる。
【0015】
前記各発明の板状体の搬送容器において、前記蓋体の内側で板状体の上端部を保護する天パッドを備えてなるものとするのが好ましい。この場合、前記蓋体の内側で前記天パッドを保持して容器本体の側壁上端部に嵌合する中蓋を備えてなるものとするのがよく、前記天パッドを中蓋と共に取り扱うことができる。
【0016】
前記の板状体の搬送容器において、前記中蓋が、前記容器本体の縦方向の支持用溝を有さない他方の対向する両側壁に沿う側の天板下面の両辺に、前記側壁上端部に内嵌合する端部壁が垂設されるとともに、前記縦方向の支持用溝を有する両側壁に沿う側の両辺で側方に開口しており、この中蓋の天板下面に天パッドが装設されてなるものとすることができる。これにより、中蓋に装設された天パッドを開口側から確認しながら被着操作でき、また支持用溝を有さない容器本体の両側壁の内方への撓み変形による変位を前記中蓋により抑制できる。
【0017】
前記の板状体の搬送容器において、前記中蓋の少なくとも開口部の側の両辺端部の下面に凸状部が設けられるとともに、該凸状部に、中蓋を前記端部壁が容器本体の側壁上端部に内嵌合した状態において、容器本体の縦方向の支持用溝と同列に並列する複数の横方向の支持用溝が設けられ、前記両辺の凸状部間の凹部に前記支持用溝に嵌入して支持される板状体の上端部に対し弾力的に当接する天パッドが装設されてなるものとすることができる。これにより、両辺端部の凸状部に有する支持用溝が側方に露出しているため、該中蓋を容器本体に並列して収容した板状体の上端部に対して被着する際、板状体の位置と前記支持用溝の位置を確認し位置合わせしながら容易に被着できる。
【0018】
前記の板状体の搬送容器において、前記容器本体の両側壁内面の支持用溝と底部の凸状部の支持用溝、及び中蓋の凸状部の支持用溝は、それぞれ両側面が開口端から溝底にまで1面で連続するテーパ状をなしているものとすることができる。この場合、支持用溝の内側面には屈折個所が存在していないため、仮に支持用溝に端部が嵌り込んで支持されている薄肉の板状体に撓み変形が生じても局部的に強く接触する部位がなく、端部が破損するなどのおそれがない。
【0019】
前記の板状体の搬送容器において、前記容器本体の各側壁の上端部には、内外の一方側が切欠されて内外の他方側に嵌合用の突縁が形成され、蓋体が該突縁に対し内外の一方側に嵌合するように設けられてなるものとする。これにより、蓋体の嵌合により容器本体の側壁上端部の変形を蓋体により規制でき、全体的な保形性を高めることができる。
【0020】
前記の板状体の搬送容器において、前記容器本体の側壁上端部の前記突縁には、少なくとも該突縁の上端面を覆う上板部を有しかつ容器内外方向に剛性を有する補強材が装着されてなるものとすることができる。これにより、蓋体を被着した包装状態においては、容器本体の四方の各側壁の上端部が嵌合用の突縁に装着された前記補強材による補強効果で、合成樹脂発泡体のみの場合に比して保形性が高く、側壁の外方や内方への撓み変形を防止できる。そのため、板状体の上端部を支持する支持用溝が天パッド又は中蓋のいずれに形成されている場合でも、該支持用溝が容器本体の側壁内面の支持用溝に対して位置ずれを生じることがない。それゆえ、収容された板状体が大きく撓んだり、溝外れが生じたりするのを防止できる。
【0021】
前記の中蓋を備える板状体の搬送容器において、前記中蓋が、容器本体及び蓋体と同程度の保形性及び弾力性を有するか、あるいは蓋体より柔軟な保形性及び弾力性を有する合成樹脂発泡体よりなり、前記天パッドが中蓋より柔軟な保形性及び弾力性を有する合成樹脂発泡体よりなるものとすることができる。
【発明の効果】
【0022】
上記したように本発明の板状体の搬送容器によれば、収納対象のガラス基板等の板状体を容器本体に収納する際、容器本体の一方の相対向する側壁内面の縦方向の支持用溝に板状体を挿入して落とし込むことにより、該板状体の下端コーナー部を縦方向の支持用溝に連続する底部上面の補助溝に嵌り込ませることができ、これがガイドとなって、底部上面の内方に設定される支持用溝に対してずれなく確実に嵌り込ませることもできる。そのため、板状体がタッチパネル用等に使用するかなり薄肉のガラス基板等であっても、その収納操作を容易に行うことができ、かつその保護を良好になし得る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の板状体の搬送容器の1実施例の容器本体と蓋体と、天パッド及び中蓋を分離して示す略示斜視図である。
【図2】同上の搬送容器の容器本体の平面図である。
【図3】図2のC1−C1線の断面図である。
【図4】同上の一部の拡大断面図である。
【図5A】同上の搬送容器における容器本体の側壁上端部の補強材を分離した状態の斜視図である。
【図5B】同上一部の段差状凸部に対応した形状の補強材を使用する例を示す拡大斜視図である。
【図6】同上の容器本体に補強材を装着した状態の斜視図である
【図7】同上の補強材の装着状態の断面説明図である。
【図8】同上の一部の補強材の装着前後の断面説明図である。
【図9】板状体を収納し蓋体を被着した状態の半部縦断側面図である。
【図10】同上の一部の拡大断面図である。
【図11】同上の搬送容器に使用する中蓋部材の他の例を示す略示斜視図である。
【図12】同上の中蓋部材の具体的な実施例を示す平面図である。
【図13】同上の中蓋部材の底面図である。
【図14】同上の中蓋部材の前図C2−C2線の断面図である。
【図15】同上の中蓋部材の前図C3−C3線の天パッドを装着した断面図である。
【図16】同上の天パッドの平面図である。
【図17】本発明の他の実施例を示す斜視図である。
【図18】(a)(b)それぞれ同上の中蓋と天パッドの配置状態を示す分離した下面側からの斜視図である。
【図19】本発明のさらに他の実施例を示す蓋体と中蓋の半部を切除して示す平面図である。
【図20】同上の半部縦断正面図である。
【図21】(a)(b)それぞれ側壁の支持用溝の断面形状を例示する説明図である。
【図22】(a)(b)それぞれ天部の支持用溝の断面形状を例示する説明図である。
【図23】(a)(b)それぞれ底部の支持用溝の断面形状を例示する説明図である。
【図24】本発明のさらに他の実施例の蓋体を示す下面側からの平面図(a)と、C4−C4線の断面図(b)である。
【図25】同上の実施例の蓋体を容器本体に被着した状態の半部縦断側面図である。
【図26】前図の一部の拡大断面図である。
【図27】本発明のさらに他の実施例の蓋体を示す下面側からの平面図(a)と、C5−C5線の断面図(b)である。
【図28】同上の実施例の蓋体を容器本体に被着した状態の半部縦断側面図である。
【図29】前図の一部の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に本発明の実施の形態を図面に示す実施例に基づいて説明する。
【0025】
図1〜図10において、この実施例の搬送容器Aは、緩衝効果のある合成樹脂発泡体製の平面矩形すなわち平面長方形や正方形の容器であって、上面が開口する容器本体1と、該容器本体1の開口部を形成する側壁上端部1aに被着される蓋体2と、該蓋体2とは別に該蓋体2の内側で前記容器本体1の側壁上端部1aに対し内嵌合して被着される中蓋3とを備え、さらに、前記容器本体1の底部11の上面において収納されるガラス基板等の板状体Bの下端部を保護する底パッド4と、前記蓋体2の内側で収納される板状体Bの上端部を保護する天パッド5とを備えている。
【0026】
前記容器本体1は、適度に剛性があり保形性のある合成樹脂発泡体により一体に成形されてなり、底部11より立ち上がった四方の各側壁つまり前後左右の側壁12a,12a,12b,12bのうち、一方の相対向する側壁、例えば図の例のように、短辺側の左右の側壁12b,12bの内面に、収納対象の板状体Bの左右側端部を挿入し支持するための縦溝からなる支持用溝、すなわち縦方向(上下方向)の支持用溝13が等間隔に複数並設されている。通常、前記底部11上面の内方にも、後述するように板状体Bの下端部を支持するための支持用溝が前記支持用溝13と同列に並列して設定される。
【0027】
図示する実施例の場合、図2〜図4に示すように、前記両側壁12b,12bの支持用溝13の下端から連続して底部11の上面において内方に向かって延びる横方向(水平方向)の補助溝13aが形成され、該補助溝13aにより板状体Bの下端部を支持用溝13から連続して支持するように設けられている。そのため、前記底部11の上面には、前記縦方向の支持用溝13を有する両側壁12b,12bに沿う側の両端部に凸状段部15a,15aが設けられ、該凸状段部15a,15aに前記支持用溝13から連続する補助溝13aが連続して形成されている。この補助溝13aは底部11の上面と同一面の溝深さをなしているが、後述する内方の凸状部の支持用溝と同深さであってもよい。
【0028】
さらに、前記底部11の上面には、前記両端部の凸状段部15a,15aより内方に前記両側壁12b,12bの対向方向に所要の間隔をおいて、前記凸状段部15aと同高さの凸状部15bが1もしくは複数の凹部16を画するように設けられ、各凸状部15bには、それぞれ前記支持用溝13及び前記補助溝13aと同列に並列する複数の支持用溝14が形成されている。そして、前記凸状部15bにより画された1もしくは複数の凹部16に底パッド4が装設されている。図の場合は、複数のパッド片41として分割形成された板状の底パッド4が嵌合され装設されている。
【0029】
前記底パッド4としての各パッド片41は、容器本体1に比して柔軟な弾力性のある合成樹脂発泡体等よりなり、前記凹部16に装設した状態において、その上面が前記凸状段部15aの補助溝13a及び凸状部15bの支持用溝14の溝深さの範囲内で溝底からやや上方位置、好ましくは前記溝底から溝深さの1/3〜1/5程度の高さ位置にあるように設定された所定の厚みを有するフラットな板状をなしており、これにより、補助溝13a及び支持用溝14に嵌り込んで支持された板状体Bの下端部を弾力的に受支できるようになっている。通常、板状体Bを受支した状態において、該板状体Bの下端と凹部16の底面、すなわち底部11の上面との間に、5mm以上のクリアランスSを保持するように設定される。
【0030】
前記底パッド4の装設手段としては、前記各パッド片41を前記凹部16に単に嵌合して保持するだけでもよいが、各パッド片41の外周面と前記凹部16の周側面とに、互いに嵌合し係合する凹凸形状による係合手段を設けておくことできる(図示省略)。また接着手段を利用して固設しておくこともできる。
【0031】
前記凸状段部15aに近接する端部位置の凸状部15bについては、図のように若干の間隔を存して形成するほか、凸状段部15aと一体に形成しておくこともできる。すなわち、前記凸状段部15aを底パッド4としての各パッド片41を保持する凸状部15bを兼ねて形成しておくことができる。
【0032】
前記のように、縦方向の支持用溝13の下端から底部11の上面内方に向かって延びる横方向の補助溝13aを連続して形成しておくことで、支持用溝13に挿入されて落とし込まれる板状体Bの下端コーナー部が、支持用溝13に連続する補助溝13aに嵌り込み、これがガイドとなって板状体Bの下端部の撓みが抑制されることになり、内方の支持用溝、例えば前記各凸状部15bに有する支持用溝14に対しても、ずれや外れなく確実に嵌り込むことになる。そのため、板状体Bがかなり薄肉のものであっても、その収納操作を容易に行うことができる。
【0033】
なお、前記底部11の上面において板状体Bの下端部を支持する支持用溝を、従来同様に底パッド4の各パッド片41に形成しておくことも可能であり(図示せず)、この場合、前記凸状部15bの高さを低くし、底パッド4の厚みを大きくして、該凸状部15bより上方に突出することになるパッド片41の肉厚上部に支持用溝を形成するものとする。実施上は、図のように、底部11と一体の凸状部15bに支持用溝14を設けておくのが、側壁内面の支持用溝13に対し誤差やずれを殆ど生じさせずに成形でき、また成形後の収縮の影響も受けず、特に好ましい。
【0034】
前記のように底パッド4に支持用溝を形成した場合も、前記凸状段部15aにおける補助溝13aにより、薄板状の板状体Bの下端部の撓みをある程度規制しながら、該下端部の中央部を前記支持用溝に対して嵌め込み支持させることができ、収納操作が容易に行われる。
【0035】
前記蓋体2は、前記容器本体1と同様の合成樹脂発泡体により成形されており、天板21の周縁部下面に、前記容器本体1の開口端部すなわち四周の前記各側壁12a,12a,12b,12bの上端部に嵌合する前後左右の垂下側壁22a,22a,22b,22bを有しており、容器本体1に対し被着自在に形成されている。
【0036】
図の場合、前記容器本体1に対する蓋体2の嵌合構造として、前記容器本体1の側壁上端部1a、すなわち四方の側壁12a,12a,12b,12bの上端部には、内外の一方側、例えば図のように外側を切欠して内側に嵌合用の突縁17が形成され、また、前記蓋体2の垂下側壁22a,22a,22b,22bの下端部には内側を切欠して外側に突縁23が形成されており、該突縁23が前記容器本体1の前記突縁17の外側の切欠部18に嵌合するように形成されている。図中の1b及び24はバンド掛け用の凹部を示す。
【0037】
前記嵌合用の突縁17には、変形防止のために、少なくとも該突縁17の上端面を覆う上板部を有しかつ容器内外方向に剛性を有する補強材6を装着しておくことができる。
【0038】
図示する実施例の場合、前記補強材6を装着するために、前記一方の相対向する側壁12b,12b、すなわち支持用溝13が形成されている両側壁12b,12bは、前記支持用溝13を有する内面側壁部の上端部が、前記突縁17の内側において、外側の切欠部18の下面に相当する高さ位置程度まで切欠されている。そして、前記突縁17に、金属材あるいは剛性を有する合成樹脂材よりなる断面逆U字形の補強材6が、上面及び内外側面を包被するように装着されている(図5〜図8参照)。これにより、側壁上端部の容器内外方向への撓み変形を規制できるようになっている。前記補強材6としては、少なくとも突縁17の上端面を覆う上板部を有し、容器内外方向の変形を抑制できる剛性を有するものであればよく、例えば、前記突縁の上端面及び内外側面の一方を覆う断面逆L字形をなすものであってもよい。
【0039】
前記補強材6の装着手段としては、成形後の嵌着手段により装着し固定するほか、接着手段を利用することもできる。またインサート成形の手段により、成形と同時に装着しておくこともできる。いずれにしても、前記補強材6は、全周にわたって枠状に連接構成しておくのが望ましい。例えば、図5及び図6のように、各辺の直状部材6aとL形をなすコーナー部材6bとを枠状に連接した補強材6とすることができる。これにより、側壁上端部の保形性、各側壁12a,12a,12b,12bの変形防止の効果を高めることができ、これに嵌合されて被着される中蓋3や蓋体2のずれを防止できる。また、補強材6の装着により突縁17の破損防止の効果もある。
【0040】
前記補強材6としては、アルミニウム材(アルミニウム合金を含む)等の各種の金属材や剛性のある合成樹脂材を使用できるが、アルミニウム材あるいは合成樹脂材が、側壁上端部の突縁に嵌着できる断面逆U字形、断面逆L字形に加工、成形し易くかつ剛性もあり、特に好適に使用される。
【0041】
前記中蓋3は、前記蓋体2と同様に合成樹脂発泡体により成形されてなり、前記蓋体2の内側、すなわち前記垂下側壁22a,22a,22b,22bの内側で前記容器本体1及び収容された板状体Bに対し被着可能である。この中蓋3は、天板31の下面において、前記容器本体1の支持用溝13を有さない他方の相対向する側壁、例えば図のように収容される板状体Bの板面と対向する前後の側壁12a,12aと対応する両辺には、該側壁12a,12aの上端部に内嵌合するように垂設された端部壁32a,32aを有し、かつ前記支持用溝13を有する側壁12b,12bと対応する側の両辺は側方に開口しており、図のように全体として断面伏凹形をなしている。32b,32bは側方への開口部を示す。
【0042】
前記中蓋3の容器本体1に対する嵌合構造として、前記両端部壁32a,32aの下端部外側に、容器本体1の嵌合用の突縁17の内側半部と嵌合する切欠部33が形成され、該切欠部33により前記側壁上端部に内嵌合するように設けられている。これにより、前記容器本体1の側壁上端部1aの突縁17に上述した補強材6が装着されていないものであっても、側壁12a,12aの内方への撓み変形を抑制できるようになっている。通常、前記中蓋3は、前記蓋体2の内側に内接して嵌合するか、もしくは僅かに間隙を存して嵌合するように形成される。
【0043】
また、前記中蓋3の容器本体1に対する被着時の位置決めを確実にするために、中蓋3の端部壁32aの容器幅方向の長さを、容器本体1の側壁12aに沿う方向の差し渡し内側寸法よりやや短く形成し、さらに、中蓋3の端部壁32a,32aが内嵌合する容器本体1の側壁12a,12aの内側面には、図2及び図3のように、容器幅方向(左右方向)の両端部の前記突縁17の内側に、該中蓋3の端部壁32a,32aの下部側端(開口部32b側の側端)が係合する段差状凸部19を設けておくのが望ましい。
【0044】
図2及び図3の場合、前記段差状凸部19は、支持用溝13を有する側壁12bの内面側の壁部上端の切欠部の側端位置で段差をなすように設けられている。図19及び図20においては、前記段差状凸部19が側壁12aの容器幅方向の両端部のやや内方の位置に設けられており、前記中蓋3の端部壁32aの側端が該段差状凸部19に係止して被着され、さらに蓋体2が被着された状態を示している。このように突縁17に内嵌合する中蓋3の端部壁32aの側端が前記段差状凸部19に係止することで、中蓋3を、位置ずれなく一定位置に被着できることになる。なお、前記段差状凸部19を設ける場合、前記突縁17の補強材6のコーナー部材6bは、図5Bに拡大して示しているように前記段差状凸部19による形状の変化に対応した形状をなすように形成される。
【0045】
そして、前記中蓋3の天板31の下面(内面)には、前記端部壁32aに沿う左右方向に間隔をおいて、少なくとも開口部32b,32bの側の両辺端部を含む複数個所に凸状部34が形成され、各凸状部34には、前記端部壁32a,32aが側壁上端部に内嵌合した状態において前記容器本体1の側壁内面の支持用溝13と同列に並列する複数の支持用溝35が形成されている。そして、前記凸状部34により画された1もしくは複数の凹部36に、1つの天パッド5、又は複数のパッド片51として分割形成された板状の天パッド5が嵌合され装設されている。
【0046】
特に、図1〜図10及び図11の実施例の場合は、前記中蓋3は、前記端部壁32a,32aに沿う左右方向の中央部で2つの中蓋部材30a,30aに分割形成されており、各中蓋部材30a,30aの天板31の下面には、一つの凹部36,36を画するように、それぞれ開口方向の両端部に前記支持用溝35を有する凸状部34が形成され、各凹部36,36に天パッド5としての板状の1つのパッド片51が装設されている。
【0047】
前記天パッド5又は天パッドとしての各パッド片51は、前記底パッド4と同様に、前記容器本体1、蓋体2並びに中蓋3より柔軟な弾力性のある軟質合成樹脂発泡体等の緩衝材料よりなり、前記凹部36に装設した状態において、その下面が前記凸状部34の支持用溝35の溝深さの範囲内で溝底からやや下方位置、例えば溝底から溝深さの1/3〜1/5程度の位置にあるように設定された所定の厚みを有するフラットな板状をなしており、中蓋3の被着状態において、前記凸状部34の支持用溝35に嵌り込んで支持される板状体Bの上端が弾力的に当接するようになっている。
【0048】
前記天パッド5の装設手段としては、例えば、中蓋部材30a毎の各パッド片51を前記凹部36に単に嵌合して保持するだけでもよいが、具体例を示す図12〜図16のように、前記凹部36の周側面と各パッド片51の外周面とに、互いに嵌合し係合する凹条36aと凸条51aを設けておき、パッド片51が容易に抜脱しないように嵌着しておくことができる。この係合構造は、上記した底パッド4にも適用できる。また、接着手段を利用して固定しておくこともできる。
【0049】
前記中蓋3の開口部32b,32bの側の両辺端部の凸状部34に支持用溝35が形成されていることにより、該凸状部34の支持用溝35が側方に露出して外方から視認できることになり、該中蓋3を容器本体1に並列して収容した板状体Bの上端部に対して被着する際、板状体Bの位置と前記支持用溝35の位置を確認し位置合わせしながら容易に被着できることになる。
【0050】
また、前記のように2つに分割形成した中蓋部材30a,30aを用いることで、容器本体1に一定間隔に並列して収納した板状体Bに対し中蓋3を被着する際、各板状体Bに対する支持用溝35の位置合わせ、及び被着作業が容易になり、実施上より好ましい。
【0051】
前記中蓋3は、前記のように2つの中蓋部材30a,30aに分割形成して実施するものには限らず、図17の実施例のように一体に形成しておくこともできる。この場合、天板31の下面には、図18(a)のように、開口部32bの側の両辺端部に、前記同様の支持用溝35を有する凸状部34を設けて、内方の凹部36に天パッド5を装設しておくほか、同図の(b)のように、前記天板31の下面における少なくとも開口部32bの側の両辺端部と、その内方の所要の個所、例えば中央部とに、前記同様の支持用溝35を有する凸状部34を設けて複数の凹部36を形成し、各凹部36にそれぞれ分割形成した天パッド5としてのパッド片51を装設しておくこともできる。
【0052】
図18(a)のように、一つの凹部36に一つの天パッド5を装設して実施した場合、板状体Bの上端部の中央部が支持用溝によって支持されないことになり、撓み変形が生じやすくなるので、収納操作時及び包装状態で支持用溝35に対する位置ずれや溝外れを防止する上では、図18(b)のように端部壁32a,32aに沿う方向の中央部等の内方の個所に一つもしくは複数の凸状部34を形成して、該凸状部34に有する支持用溝35により板状体Bの上端部を支持するのが好ましい。
【0053】
なお、前記中蓋3の天板31の下面において板状体Bの上端部を支持する支持用溝を、従来と同様にして、天パッド5の各パッド片51に形成しておくことも可能であり(図示せず)、この場合、天板31下面の凸状部34の高さを低くし、天パッド5の厚みを大きくして、前記凸状部34より下方に突出することになるパッド片51の肉厚下部に支持用溝を形成するものとする。実施上は、図のように、中蓋3と一体の凸状部34に支持用溝35を設けておくのが、側壁内面の支持用溝13と誤差を殆ど生じさせずに成形でき、また成形後の収縮の影響も受けず、特に好ましい。
【0054】
上記した実施例の搬送容器Aにおいて、容器内部の防湿性を確保するために、図11の実施例、あるいは図12〜図16の例のように、前記中蓋3又は分割された中蓋部材30aの天板31における前記パッド片51の装設位置の上面に、湿気を吸収する吸湿剤等の乾燥材7の収納凹部37を形成するとともに、該収納凹部37の底壁に通気用の貫通孔38を形成し、さらに該天板31の下面に装設される合成樹脂発泡体製の前記天パッド5又は該天パッド5を構成するパッド片51に、前記貫通孔38に連通する貫通孔を形成しておくことができる。これにより、この種のガラス基板等の板状体の搬送容器に求められる乾燥材7を、中蓋3の構造を利用して、かつ外蓋2により外部と遮断した状態で収納しておくことができ、容器本体1の内部には乾燥材のための特別な収納部を設ける必要がなく、容器本体内部を板状体の収納に有効利用できる。
【0055】
上記した実施例の搬送容器Aにおいて、容器本体1の左右の両側壁12b,12bの支持用溝13については、図21(a)に拡大して示すように、その両内側面が溝深さの中間もしくは中間よりやや溝底側の位置から開口端側がV字形に広がったテーパ状をなすとともに、これより溝底側で両内側面間が一定幅の間隙による溝状をなす形状とすることも、また同図(b)のように、両内側面が溝底から開口端まで連続して一面でV字形に広がったテーパ状をなすものとすることができる。
【0056】
さらに、中蓋3の天板31の下面において板状体Bの上端部を支持する支持用溝35、及び容器本体1の底部11において板状体Bの下端部を支持する補助溝13aもしくは支持用溝14についても、それぞれ図22及び図23(a)に拡大して示すように、その両内側面が溝深さの中間もしくは中間よりやや溝底側の位置から開口端側がV字形に広がったテーパ状をなすとともに、これより溝底側で両内側面間が一定幅の間隙による溝状をなす形状とすることも、また同各図(b)のように、両内側面が溝底から開口端まで連続して一面でV字形に広がったテーパ状をなすものとすることができる。
【0057】
いずれの場合も、前記テーパー状の両内側面の開き角度αは、板状体Bの撓み変形の程度を考慮をして最も無理がかからない角度に設定しておく。前記中蓋3の天板下面における支持用溝35のテーパー状の開き角度αを、底部11の支持用溝14の開き角度αよりも大きくしておくほうが、中蓋3を容器本体1に被着し易く好ましい。また、両内側面が溝底から開口端まで一面のテーパ状をなす支持用溝の場合、板状体に撓みが生じるときに局部的に強く接触する部位がないため、板状体の破損防止の効果が大きくなる。
【0058】
上記した実施例では、蓋体2が容器本体1の側壁上端部に対し外嵌合する構造で、該蓋体2の内部で天パッド5を保持する中蓋3を備えてなる容器の場合を示したが、このほか、中蓋3を有さない容器、あるいは蓋体2が容器本体1の側壁上端部に対し内嵌合する構造の容器においても、容器本体1の縦方向の支持用溝13の下端から連続して底部11上面において内方に向かって延びる横方向の補助溝を形成した本発明を実施することができる。
【0059】
例えば、図24〜図26の実施例は、蓋体2が容器本体1の側壁上端部1aに対し外嵌合する構造で、中蓋を有さない容器の場合を示している。この実施例において、上記した実施例と同構成部材、同構成部分については同符号を付して詳しい説明を省略する。
【0060】
この実施例の場合、前記容器本体1に対する蓋体2の嵌合構造は、上記の実施例と同じ構成をなしており、蓋体2の垂下側壁22a,22a,22b,22bの下端部に形成された突縁23が、容器本体1の嵌合用突縁17の外側の切欠部18に嵌合(外嵌合)するように設けられている。この場合も、図26のように、前記嵌合用突縁17には、少なくとも該突縁17の上端面を覆う上板部を有しかつ容器内外方向に剛性を有する補強材、例えば断面逆L字形もしくは断面逆U字形をなす補強材6を装着しておくのが望ましい。
【0061】
そして、前記蓋体2の垂下側壁22a,22a,22b,22bより内方の天板21の下面に、1つの天パッド5、又は複数のパッド片51として分割形成された板状の天パッド5が中蓋の場合と同様に装設されている。図の例の場合、前記天板21の下面には、蓋体2を容器本体1に被着した状態において支持用溝13を有する両側壁12b,12bの対向方向(左右方向)に所要の間隔をあけて、前記支持用溝13と同列に並列する複数の支持用溝25を有する凸状部26が形成されており、該凸状部26,26間の複数の凹部27に、天パッド5としての複数のフラットな板状のパッド片51が装設されている。この例でも、前記凹部26に装設された天パッド5の下面が前記凸状部26の支持用溝25の溝深さの範囲内で、例えば溝底から溝深さの1/3〜1/5程度の位置にあるように設定されている。
【0062】
また、図27〜図29の実施例は、蓋体2が容器本体1の側壁上端部1aに対し内嵌合する構造で、中蓋を有さない容器の場合を示している。この実施例において、上記した実施例と同構成部材、同構成部分については同符号を付して詳しい説明を省略する。
【0063】
この実施例の場合、前記容器本体1の側壁上端部1a、すなわち四方の側壁12a,12a,12b,12bの上端部には、内側を切欠して外側に嵌合用の突縁17−aが形成され、前記蓋体2の垂下側壁部の22a,22a,22b,22bの下端部には、外側に前記突縁17−aに嵌合する切欠部28が設けられ、該切欠部28より内側部分が前記容器本体1の突縁17−aの内側の切欠部18−aに嵌合(内嵌合)するように設けられている。この実施例でも、図29のように、前記嵌合用突縁17−aには、少なくとも該突縁17の上端面を覆う上板部を有しかつ容器内外方向に剛性を有する補強材、例えば断面逆L字形もしくは断面逆U字形をなす補強材6を装着しておくのが望ましい。
【0064】
そして、前記蓋体2の垂下側壁部22a,22a,22b,22bより内方の天板21の下面に、前記の図24〜図26の実施例と同様に、天パッド5、又は複数のパッド片51として分割形成された板状の天パッド5が装設されている。
【0065】
これらいずれの実施例の場合も、容器本体1の底部11の上面において、容器本体1の両側壁12b,12bの内面の支持用溝13の下端から連続して内方に延びる補助溝を段状凸部15aを利用して形成するほか、支持用溝14を有する凸状部15bおよぴ底パッド4を上記した実施例と同様に構成して実施することができる。
【0066】
前記容器本体1及び蓋体2は、任意の発泡樹脂成形体により製作できるが、熱可塑性樹脂の発泡成形体であることが好ましい。熱可塑性樹脂にはポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例えばポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂)、ポリエステル系樹脂(例えばポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリエチレンナフタレート系樹脂、ポリ乳酸系樹脂)、ポリカーボネート系樹脂等が挙げられる。なかでも、ポリスチレンとポリエチレンを含む複合樹脂を用いることが好ましい。また、前記発泡体の発泡倍率は3〜50倍が好ましい。
【0067】
また、前記中蓋3についても、前記同様の発泡樹脂成形体で製作することができるが、基本的に前記蓋体2と同程度の保形性及び弾力性を有する発泡体が用いられる。例えば、蓋体2と中蓋3が同素材よりなるものの場合、中蓋3としては基本的に蓋体2と同発泡倍率の発泡体が用いられる。
【0068】
また、前記底パッド4や天パッド5としては、前記同様の合成樹脂のビーズ成形発泡体で、主として、前記容器本体1や蓋体2及び中蓋3に比してやや柔軟な保形性及び弾力性を有する合成樹脂発泡体が用いられる。
【0069】
上記した図1〜図10の実施例の搬送容器Aの使用においては、容器本体1の底部11の上面の凸状部15b,15b間の凹部16に底パッド4(各パッド片41)を配置し、また、中蓋3の天板31の下面の凸状部34、34間の凹部36に、天パッド5(各パッド片51)を配置し装設しておく。そして、ガラス基板等の板状体Bの収納操作においては、板状体Bの側端部を容器本体1の左右の側壁12b,12bに有する支持用溝13に挿入して、該側端部を滑らせるようにして底部11にまで落とし込んで収納する。この際、収納される板状体Bの下端コーナー部が、該支持用溝13の下端に連続して底部11の上面における凸状段部15aにおいて内方に延びている補助溝13aに嵌り込み、かつ、これがガイドとなって、板状体Bの下端部が撓み規制されながら内方の各凸状部15bに有する支持用溝14に対して外れることなく容易に嵌り込んで支持されるとともに、前記底パッド4により弾力的に受支され保護される。
【0070】
こうして、前記支持用溝13に対応した一定の間隔で並列して収納した板状体Bの上に、前記天パッド5を装設した中蓋3を、前記容器本体1の前記板状体Bの板面と対向する両側壁12a,12aの上端部に対し、該側壁12a,12aと対応する両辺に有する端部壁32a,32aを内嵌合して被着する。この際、前記端部壁32a,32aと交差する両辺における側方への開口部32bにおいて、凸状部34に有する支持用溝35が側方に露出しているので、該支持用溝35の位置と板状体Bの両側端部の並列状態や位置を確認し位置合わせしながら、容易に位置ずれなく被着することができる。
【0071】
この後、蓋体2を前記中蓋3の外側に被せて周縁部の垂下側壁22a,22a,22b,22bの下端部を、前記容器本体1の四周の各側壁12a,12a,12b,12bの側壁上端部1aの嵌合用の突縁17に外嵌合して被着する。こうして包装した容器外側に、必要に応じてバンド掛け(図示せず)して輸送に供する。
【0072】
前記中蓋3及び蓋体2を容器本体1の側壁上端部1aに内嵌合及び外嵌合して被着した状態においては、容器本体1の各側壁12a,12a,12b,12bの外方への撓み変形による変位が蓋体2により規制され、また前記支持用溝13を有する両側壁12b,12bの内方への撓み変形による変位が板状体Bにより規制されることに加えて、前記板状体Bの板面と対向する両側壁12a,12aの内方への撓み変形による変位が前記中蓋3により規制されることになる。特に、前記蓋体2及び中蓋3が嵌合する突縁17を有する側壁上端部1aにおいて、該突縁17に装着された補強材6により補強されている場合は、容器内外方向への撓み変形が抑制されることになる。そのため、輸送、運搬時の取扱いにおいて、容器本体1の支持用溝13と中蓋3に有する支持用溝35とに位置ずれが生じず、位置ずれによる板状体Bの撓み変形や溝外れを防止できるものになる。
【0073】
そればかりか、板状体Bの上端部を支持する支持用溝35が中蓋3に形成されているため、該支持用溝35による保持の効果は天パッド5に形成された溝による場合よりも大きくなり、該支持用溝35に挿入した板状体Bを安定性よく支持でき、薄肉の板状体Bの撓み変形の抑制効果を高めることができる。また、中蓋3は容器本体1と同素材により成形することができるので、成形後の収縮等による影響を受けることがない。
【0074】
また仮に、板状体Bの板面と対向する容器本体1の側壁12a,12aに内方への撓み変形が生じた場合、該側壁12a,12aに内嵌合している前記中蓋3も容器本体1に追従して変位できることもあって、板状体Bの上端部が支持用溝35から離脱するのを効果的に防止でき、中蓋3の天板31の下面に有する支持用溝35と、容器本体1の側壁内面の支持用溝13との相対位置にずれが生じることがない。
【0075】
従って、支持用溝13に嵌め込まれて一定間隔に並列して保持されている板状体Bに大きな撓みや溝外れが発生することがなく、板状体Bの大きな撓み変形に伴う板状体同士の干渉に起因する破損を防止でき、ひいては板状体Bの薄肉化にも対応できるものとなる。
【0076】
なお、図24〜26の実施例、及び図27〜図28の実施例等の他の実施例の場合も、板状体Bを容器本体1の支持用溝13に挿入し落とし込んで収納する際、支持用溝13の下端に連続して内方に延びている補助溝13aをガイドにして、板状体Bの下端部を内方の各凸状部15bに有する支持用溝14に容易にかつ確実に嵌り込ませて支持することができる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明の搬送容器は、素板ガラス、液晶表示用やプラズマ表示用のガラス基板さらにはタッチパネル用のかなり薄肉のガラス基板その他の衝撃に弱い各種の板状体の搬送、保管に好適に利用できる。
【符号の説明】
【0078】
A…搬送容器、B…板状体、1…容器本体、1a…側壁上端部、1b…バンド欠け用凹部、11…底部、12a,12b…側壁、13…支持用溝、13a…補助溝、14…支持用溝、15a…凸状段部、15b…凸状部、16…凹部、17,17−a…嵌合用の突縁、18,18−a…切欠部、19…段差状凸部、2…蓋体、21…天板、22a,22b…垂下側壁、23…突縁、24…バンド掛け用の凹部、25…支持用溝、26…凸状部、27…凹部、28…切欠部、3…中蓋、31…天板、32a…端部壁、32b…開口部、33…切欠部、34…突状部、35…支持用溝、36…凹部、37…収納凹部、38…貫通孔、4…底パッド、41…パッド片、5…天パッド、51…パッド片、52…貫通孔、6…補強材、7…乾燥材。
【技術分野】
【0001】
本発明は、素板ガラスのほか、液晶表示用やプラズマ表示用のガラス基板、タッチパネル用のガラス基板その他の主として薄肉の板状体の搬送、保管に使用する搬送容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば液晶表示用やプラズマ表示用の比較的大形のガラス基板を複数枚並列して収容して搬送するための搬送容器として、緩衝性を有する合成樹脂発泡体製の容器本体と蓋体とよりなる容器で、容器本体の一方の相対向する側壁内面に等間隔に縦溝からなる支持用溝を形成しておき、該支持用溝にガラス基板の側端部を挿入して相互に接触させないように支持して収納するようにしたものが知られている。
【0003】
さらに、前記容器本体内の底板上にガラス基板の下端部を保護する横溝からなる支持用溝を有する底パッドを設けることに加えて、容器本体の上方に突出するガラス基板の上端部を保護する横溝からなる支持用溝を有する天パッドを設けることも提案されている(例えば、特許文献1、2)。
【0004】
ところで、近年、ガラス基板の薄肉化が進み、例えば、液晶表示用パネルには、0.7mm前後のガラス基板が使用され、またタッチパネル用には、0.3mm前後のごく薄肉のガラス基板が使用されている。かかるガラス基板を搬送する際の保護のために、緩衝性のある溝付きの底パッドや天パッド等を設けた搬送容器を使用する場合においても、ガラス基板が薄肉であるものほど撓み変形し易いこともあって、ガラス基板の破損が増加している。
【0005】
この問題は、ガラス基板の薄板化のために輸送時の振動による撓みが大きくなることに加え、輸送中の振動や他物との接触による衝撃等の外的要因による容器自体の変形により、収納された内部のガラス基板が大きく撓んだり、ガタついたりして、ガラス基板を支持する左右側壁の支持用溝あるいは底パッドや天パッドの支持用溝からの溝外れが発生し、その結果、ガラス基板同士が干渉し当接することが大きな原因であると考えられる。
【0006】
したがって、前記のようにガラス基板の両側端部及び上下端部を支持用溝に挿入して一定間隔に並列して支持した状態で搬送する場合においては、溝外れを容易に発生させないように支持用溝により安定性よく支持できることはもちろんであるが、特にガラス基板の収納操作の際においても、容器本体の両側壁の支持用溝に対し上方より挿入し落とし入れるガラス基板の下端部を底部上面に有する支持用溝に対して容易に確実に嵌め込めることが望まれる。
【0007】
例えば、ガラス基板の収納作業においては、ガラス基板の側端部を容器本体の側壁内面の支持用溝に上端開口部から挿入し、該支持用溝に沿って落とし入れるようにして、ガラス基板の下端部を底部上面に有する支持用溝に嵌め込み支持させるが、この際、ガラス基板が薄肉のものであるほど撓み変形が生じ易く、かつ撓みが大きくなることもあって、ガラス基板の下端部が底部上面の支持用溝に対してずれる虞があり、容器本体の上端開口部から注視しながら収納操作するにしても、極めて面倒な作業になっている。ガラス基板の厚みに応じて支持用溝の溝幅が小さくなると、前記の嵌め込み作業がさらに行い難いものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−51131号公報
【特許文献2】特開2006−199351号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記の問題を解消するためになしたものであり、薄肉のガラス基板等の板状体を容器本体に収納する際、その両側端部を容器本体の側壁内面の縦方向の支持用溝に挿入し落とし込むようにして、板状体の下端部を底部上面に有する横方向の支持用溝に対して容易に確実に嵌り込ませることができ、タッチパネル用に使用される薄肉のガラス基板の場合でも、その収納操作を容易に行うことができ、ガラス基板等の板状体の保護を良好になし得る板状体の搬送容器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決する本発明は、板状体を収容して搬送するための合成樹脂発泡体製の平面矩形の容器であり、上面が開口し、かつ、一方の相対向する両側壁の内面に板状体の側端部を支持する縦方向の複数の支持用溝が設けられた容器本体と、前記容器本体の底部上面に配置される底パッドと、前記容器本体の側壁上端部に嵌合して被着される蓋体とを備えてなる板状体の搬送容器において、前記縦方向の支持用溝の下端から連続して底部上面において内方に向かって延びる横方向の補助溝が形成され、該底部上面の補助溝により、板状体の下端コーナー部を縦方向の支持用溝から連続して支持するように設けられてなることを特徴とする。
【0011】
この発明の搬送容器は、前記のように、容器本体の両側壁内面の縦方向の支持用溝の下端から底部の上面内方に向かって延びる横方向の補助溝が連続して形成されているため、ガラス基板等の板状体の収納操作の際、前記縦方向の支持用溝に挿入されて落とし込まれる板状体の下端コーナー部が、縦方向の支持用溝に連続する底部上面の補助溝にずれを生じることなく嵌り込み、これがガイドとなって、板状体の下端部の撓みが抑制されることになり、また底部上面の内方に設定される支持用溝に対してもずれなく確実に嵌り込むことになる。そのため、板状体がかなり薄肉のものであっても、その収納操作を容易に行うことができる。
【0012】
前記の板状体の搬送容器において、底部上面における前記縦方向の支持用溝を有する側壁側の両端部に凸状段部が設けられ、該凸状段部に縦方向の支持用溝から連続する横方向の補助溝が形成され、該両凸状段部間において前記補助溝に支持される板状体の下端部を受支する底パッドが装設されてなるものとすることができる。これにより、凸状段部の補助溝に嵌り込んだ板状体の下端部が、その内方の底パッドにより底部に当接することなく受支される。
【0013】
前記の板状体の搬送容器において、底部上面の前記両端部の凸状段部より内方に所要の間隔をおいて、前記側壁内面の縦方向の支持用溝及び前記補助溝と同列に並列する複数の横方向の支持用溝を有する凸状部が設けられ、各凸状部間の凹部に複数に分割形成された底パッドが装設されてなるものとすることができる。この場合、前記のように、縦方向の支持用溝に連続する底部上面の補助溝のガイド作用で、前記底部内方の凸状部の支持用溝に対しても容易に確実に嵌め込んで支持でき、該支持用溝による保持の効果は底パッドに形成された溝による場合よりも大きく、板状体をさらに一層安定性よく支持できる。
【0014】
前記の板状体の搬送容器において、前記底パッドは、その上面が前記凸状部の突出高さより低く、かつ前記横方向の支持用溝の溝底位置より上方位置にある板状をなしているものとする。これにより、前記補助溝及び凸状部の支持用溝に嵌り込む板状体の下端部を、溝底に当接させることなく底パッドにより受支できる。
【0015】
前記各発明の板状体の搬送容器において、前記蓋体の内側で板状体の上端部を保護する天パッドを備えてなるものとするのが好ましい。この場合、前記蓋体の内側で前記天パッドを保持して容器本体の側壁上端部に嵌合する中蓋を備えてなるものとするのがよく、前記天パッドを中蓋と共に取り扱うことができる。
【0016】
前記の板状体の搬送容器において、前記中蓋が、前記容器本体の縦方向の支持用溝を有さない他方の対向する両側壁に沿う側の天板下面の両辺に、前記側壁上端部に内嵌合する端部壁が垂設されるとともに、前記縦方向の支持用溝を有する両側壁に沿う側の両辺で側方に開口しており、この中蓋の天板下面に天パッドが装設されてなるものとすることができる。これにより、中蓋に装設された天パッドを開口側から確認しながら被着操作でき、また支持用溝を有さない容器本体の両側壁の内方への撓み変形による変位を前記中蓋により抑制できる。
【0017】
前記の板状体の搬送容器において、前記中蓋の少なくとも開口部の側の両辺端部の下面に凸状部が設けられるとともに、該凸状部に、中蓋を前記端部壁が容器本体の側壁上端部に内嵌合した状態において、容器本体の縦方向の支持用溝と同列に並列する複数の横方向の支持用溝が設けられ、前記両辺の凸状部間の凹部に前記支持用溝に嵌入して支持される板状体の上端部に対し弾力的に当接する天パッドが装設されてなるものとすることができる。これにより、両辺端部の凸状部に有する支持用溝が側方に露出しているため、該中蓋を容器本体に並列して収容した板状体の上端部に対して被着する際、板状体の位置と前記支持用溝の位置を確認し位置合わせしながら容易に被着できる。
【0018】
前記の板状体の搬送容器において、前記容器本体の両側壁内面の支持用溝と底部の凸状部の支持用溝、及び中蓋の凸状部の支持用溝は、それぞれ両側面が開口端から溝底にまで1面で連続するテーパ状をなしているものとすることができる。この場合、支持用溝の内側面には屈折個所が存在していないため、仮に支持用溝に端部が嵌り込んで支持されている薄肉の板状体に撓み変形が生じても局部的に強く接触する部位がなく、端部が破損するなどのおそれがない。
【0019】
前記の板状体の搬送容器において、前記容器本体の各側壁の上端部には、内外の一方側が切欠されて内外の他方側に嵌合用の突縁が形成され、蓋体が該突縁に対し内外の一方側に嵌合するように設けられてなるものとする。これにより、蓋体の嵌合により容器本体の側壁上端部の変形を蓋体により規制でき、全体的な保形性を高めることができる。
【0020】
前記の板状体の搬送容器において、前記容器本体の側壁上端部の前記突縁には、少なくとも該突縁の上端面を覆う上板部を有しかつ容器内外方向に剛性を有する補強材が装着されてなるものとすることができる。これにより、蓋体を被着した包装状態においては、容器本体の四方の各側壁の上端部が嵌合用の突縁に装着された前記補強材による補強効果で、合成樹脂発泡体のみの場合に比して保形性が高く、側壁の外方や内方への撓み変形を防止できる。そのため、板状体の上端部を支持する支持用溝が天パッド又は中蓋のいずれに形成されている場合でも、該支持用溝が容器本体の側壁内面の支持用溝に対して位置ずれを生じることがない。それゆえ、収容された板状体が大きく撓んだり、溝外れが生じたりするのを防止できる。
【0021】
前記の中蓋を備える板状体の搬送容器において、前記中蓋が、容器本体及び蓋体と同程度の保形性及び弾力性を有するか、あるいは蓋体より柔軟な保形性及び弾力性を有する合成樹脂発泡体よりなり、前記天パッドが中蓋より柔軟な保形性及び弾力性を有する合成樹脂発泡体よりなるものとすることができる。
【発明の効果】
【0022】
上記したように本発明の板状体の搬送容器によれば、収納対象のガラス基板等の板状体を容器本体に収納する際、容器本体の一方の相対向する側壁内面の縦方向の支持用溝に板状体を挿入して落とし込むことにより、該板状体の下端コーナー部を縦方向の支持用溝に連続する底部上面の補助溝に嵌り込ませることができ、これがガイドとなって、底部上面の内方に設定される支持用溝に対してずれなく確実に嵌り込ませることもできる。そのため、板状体がタッチパネル用等に使用するかなり薄肉のガラス基板等であっても、その収納操作を容易に行うことができ、かつその保護を良好になし得る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の板状体の搬送容器の1実施例の容器本体と蓋体と、天パッド及び中蓋を分離して示す略示斜視図である。
【図2】同上の搬送容器の容器本体の平面図である。
【図3】図2のC1−C1線の断面図である。
【図4】同上の一部の拡大断面図である。
【図5A】同上の搬送容器における容器本体の側壁上端部の補強材を分離した状態の斜視図である。
【図5B】同上一部の段差状凸部に対応した形状の補強材を使用する例を示す拡大斜視図である。
【図6】同上の容器本体に補強材を装着した状態の斜視図である
【図7】同上の補強材の装着状態の断面説明図である。
【図8】同上の一部の補強材の装着前後の断面説明図である。
【図9】板状体を収納し蓋体を被着した状態の半部縦断側面図である。
【図10】同上の一部の拡大断面図である。
【図11】同上の搬送容器に使用する中蓋部材の他の例を示す略示斜視図である。
【図12】同上の中蓋部材の具体的な実施例を示す平面図である。
【図13】同上の中蓋部材の底面図である。
【図14】同上の中蓋部材の前図C2−C2線の断面図である。
【図15】同上の中蓋部材の前図C3−C3線の天パッドを装着した断面図である。
【図16】同上の天パッドの平面図である。
【図17】本発明の他の実施例を示す斜視図である。
【図18】(a)(b)それぞれ同上の中蓋と天パッドの配置状態を示す分離した下面側からの斜視図である。
【図19】本発明のさらに他の実施例を示す蓋体と中蓋の半部を切除して示す平面図である。
【図20】同上の半部縦断正面図である。
【図21】(a)(b)それぞれ側壁の支持用溝の断面形状を例示する説明図である。
【図22】(a)(b)それぞれ天部の支持用溝の断面形状を例示する説明図である。
【図23】(a)(b)それぞれ底部の支持用溝の断面形状を例示する説明図である。
【図24】本発明のさらに他の実施例の蓋体を示す下面側からの平面図(a)と、C4−C4線の断面図(b)である。
【図25】同上の実施例の蓋体を容器本体に被着した状態の半部縦断側面図である。
【図26】前図の一部の拡大断面図である。
【図27】本発明のさらに他の実施例の蓋体を示す下面側からの平面図(a)と、C5−C5線の断面図(b)である。
【図28】同上の実施例の蓋体を容器本体に被着した状態の半部縦断側面図である。
【図29】前図の一部の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に本発明の実施の形態を図面に示す実施例に基づいて説明する。
【0025】
図1〜図10において、この実施例の搬送容器Aは、緩衝効果のある合成樹脂発泡体製の平面矩形すなわち平面長方形や正方形の容器であって、上面が開口する容器本体1と、該容器本体1の開口部を形成する側壁上端部1aに被着される蓋体2と、該蓋体2とは別に該蓋体2の内側で前記容器本体1の側壁上端部1aに対し内嵌合して被着される中蓋3とを備え、さらに、前記容器本体1の底部11の上面において収納されるガラス基板等の板状体Bの下端部を保護する底パッド4と、前記蓋体2の内側で収納される板状体Bの上端部を保護する天パッド5とを備えている。
【0026】
前記容器本体1は、適度に剛性があり保形性のある合成樹脂発泡体により一体に成形されてなり、底部11より立ち上がった四方の各側壁つまり前後左右の側壁12a,12a,12b,12bのうち、一方の相対向する側壁、例えば図の例のように、短辺側の左右の側壁12b,12bの内面に、収納対象の板状体Bの左右側端部を挿入し支持するための縦溝からなる支持用溝、すなわち縦方向(上下方向)の支持用溝13が等間隔に複数並設されている。通常、前記底部11上面の内方にも、後述するように板状体Bの下端部を支持するための支持用溝が前記支持用溝13と同列に並列して設定される。
【0027】
図示する実施例の場合、図2〜図4に示すように、前記両側壁12b,12bの支持用溝13の下端から連続して底部11の上面において内方に向かって延びる横方向(水平方向)の補助溝13aが形成され、該補助溝13aにより板状体Bの下端部を支持用溝13から連続して支持するように設けられている。そのため、前記底部11の上面には、前記縦方向の支持用溝13を有する両側壁12b,12bに沿う側の両端部に凸状段部15a,15aが設けられ、該凸状段部15a,15aに前記支持用溝13から連続する補助溝13aが連続して形成されている。この補助溝13aは底部11の上面と同一面の溝深さをなしているが、後述する内方の凸状部の支持用溝と同深さであってもよい。
【0028】
さらに、前記底部11の上面には、前記両端部の凸状段部15a,15aより内方に前記両側壁12b,12bの対向方向に所要の間隔をおいて、前記凸状段部15aと同高さの凸状部15bが1もしくは複数の凹部16を画するように設けられ、各凸状部15bには、それぞれ前記支持用溝13及び前記補助溝13aと同列に並列する複数の支持用溝14が形成されている。そして、前記凸状部15bにより画された1もしくは複数の凹部16に底パッド4が装設されている。図の場合は、複数のパッド片41として分割形成された板状の底パッド4が嵌合され装設されている。
【0029】
前記底パッド4としての各パッド片41は、容器本体1に比して柔軟な弾力性のある合成樹脂発泡体等よりなり、前記凹部16に装設した状態において、その上面が前記凸状段部15aの補助溝13a及び凸状部15bの支持用溝14の溝深さの範囲内で溝底からやや上方位置、好ましくは前記溝底から溝深さの1/3〜1/5程度の高さ位置にあるように設定された所定の厚みを有するフラットな板状をなしており、これにより、補助溝13a及び支持用溝14に嵌り込んで支持された板状体Bの下端部を弾力的に受支できるようになっている。通常、板状体Bを受支した状態において、該板状体Bの下端と凹部16の底面、すなわち底部11の上面との間に、5mm以上のクリアランスSを保持するように設定される。
【0030】
前記底パッド4の装設手段としては、前記各パッド片41を前記凹部16に単に嵌合して保持するだけでもよいが、各パッド片41の外周面と前記凹部16の周側面とに、互いに嵌合し係合する凹凸形状による係合手段を設けておくことできる(図示省略)。また接着手段を利用して固設しておくこともできる。
【0031】
前記凸状段部15aに近接する端部位置の凸状部15bについては、図のように若干の間隔を存して形成するほか、凸状段部15aと一体に形成しておくこともできる。すなわち、前記凸状段部15aを底パッド4としての各パッド片41を保持する凸状部15bを兼ねて形成しておくことができる。
【0032】
前記のように、縦方向の支持用溝13の下端から底部11の上面内方に向かって延びる横方向の補助溝13aを連続して形成しておくことで、支持用溝13に挿入されて落とし込まれる板状体Bの下端コーナー部が、支持用溝13に連続する補助溝13aに嵌り込み、これがガイドとなって板状体Bの下端部の撓みが抑制されることになり、内方の支持用溝、例えば前記各凸状部15bに有する支持用溝14に対しても、ずれや外れなく確実に嵌り込むことになる。そのため、板状体Bがかなり薄肉のものであっても、その収納操作を容易に行うことができる。
【0033】
なお、前記底部11の上面において板状体Bの下端部を支持する支持用溝を、従来同様に底パッド4の各パッド片41に形成しておくことも可能であり(図示せず)、この場合、前記凸状部15bの高さを低くし、底パッド4の厚みを大きくして、該凸状部15bより上方に突出することになるパッド片41の肉厚上部に支持用溝を形成するものとする。実施上は、図のように、底部11と一体の凸状部15bに支持用溝14を設けておくのが、側壁内面の支持用溝13に対し誤差やずれを殆ど生じさせずに成形でき、また成形後の収縮の影響も受けず、特に好ましい。
【0034】
前記のように底パッド4に支持用溝を形成した場合も、前記凸状段部15aにおける補助溝13aにより、薄板状の板状体Bの下端部の撓みをある程度規制しながら、該下端部の中央部を前記支持用溝に対して嵌め込み支持させることができ、収納操作が容易に行われる。
【0035】
前記蓋体2は、前記容器本体1と同様の合成樹脂発泡体により成形されており、天板21の周縁部下面に、前記容器本体1の開口端部すなわち四周の前記各側壁12a,12a,12b,12bの上端部に嵌合する前後左右の垂下側壁22a,22a,22b,22bを有しており、容器本体1に対し被着自在に形成されている。
【0036】
図の場合、前記容器本体1に対する蓋体2の嵌合構造として、前記容器本体1の側壁上端部1a、すなわち四方の側壁12a,12a,12b,12bの上端部には、内外の一方側、例えば図のように外側を切欠して内側に嵌合用の突縁17が形成され、また、前記蓋体2の垂下側壁22a,22a,22b,22bの下端部には内側を切欠して外側に突縁23が形成されており、該突縁23が前記容器本体1の前記突縁17の外側の切欠部18に嵌合するように形成されている。図中の1b及び24はバンド掛け用の凹部を示す。
【0037】
前記嵌合用の突縁17には、変形防止のために、少なくとも該突縁17の上端面を覆う上板部を有しかつ容器内外方向に剛性を有する補強材6を装着しておくことができる。
【0038】
図示する実施例の場合、前記補強材6を装着するために、前記一方の相対向する側壁12b,12b、すなわち支持用溝13が形成されている両側壁12b,12bは、前記支持用溝13を有する内面側壁部の上端部が、前記突縁17の内側において、外側の切欠部18の下面に相当する高さ位置程度まで切欠されている。そして、前記突縁17に、金属材あるいは剛性を有する合成樹脂材よりなる断面逆U字形の補強材6が、上面及び内外側面を包被するように装着されている(図5〜図8参照)。これにより、側壁上端部の容器内外方向への撓み変形を規制できるようになっている。前記補強材6としては、少なくとも突縁17の上端面を覆う上板部を有し、容器内外方向の変形を抑制できる剛性を有するものであればよく、例えば、前記突縁の上端面及び内外側面の一方を覆う断面逆L字形をなすものであってもよい。
【0039】
前記補強材6の装着手段としては、成形後の嵌着手段により装着し固定するほか、接着手段を利用することもできる。またインサート成形の手段により、成形と同時に装着しておくこともできる。いずれにしても、前記補強材6は、全周にわたって枠状に連接構成しておくのが望ましい。例えば、図5及び図6のように、各辺の直状部材6aとL形をなすコーナー部材6bとを枠状に連接した補強材6とすることができる。これにより、側壁上端部の保形性、各側壁12a,12a,12b,12bの変形防止の効果を高めることができ、これに嵌合されて被着される中蓋3や蓋体2のずれを防止できる。また、補強材6の装着により突縁17の破損防止の効果もある。
【0040】
前記補強材6としては、アルミニウム材(アルミニウム合金を含む)等の各種の金属材や剛性のある合成樹脂材を使用できるが、アルミニウム材あるいは合成樹脂材が、側壁上端部の突縁に嵌着できる断面逆U字形、断面逆L字形に加工、成形し易くかつ剛性もあり、特に好適に使用される。
【0041】
前記中蓋3は、前記蓋体2と同様に合成樹脂発泡体により成形されてなり、前記蓋体2の内側、すなわち前記垂下側壁22a,22a,22b,22bの内側で前記容器本体1及び収容された板状体Bに対し被着可能である。この中蓋3は、天板31の下面において、前記容器本体1の支持用溝13を有さない他方の相対向する側壁、例えば図のように収容される板状体Bの板面と対向する前後の側壁12a,12aと対応する両辺には、該側壁12a,12aの上端部に内嵌合するように垂設された端部壁32a,32aを有し、かつ前記支持用溝13を有する側壁12b,12bと対応する側の両辺は側方に開口しており、図のように全体として断面伏凹形をなしている。32b,32bは側方への開口部を示す。
【0042】
前記中蓋3の容器本体1に対する嵌合構造として、前記両端部壁32a,32aの下端部外側に、容器本体1の嵌合用の突縁17の内側半部と嵌合する切欠部33が形成され、該切欠部33により前記側壁上端部に内嵌合するように設けられている。これにより、前記容器本体1の側壁上端部1aの突縁17に上述した補強材6が装着されていないものであっても、側壁12a,12aの内方への撓み変形を抑制できるようになっている。通常、前記中蓋3は、前記蓋体2の内側に内接して嵌合するか、もしくは僅かに間隙を存して嵌合するように形成される。
【0043】
また、前記中蓋3の容器本体1に対する被着時の位置決めを確実にするために、中蓋3の端部壁32aの容器幅方向の長さを、容器本体1の側壁12aに沿う方向の差し渡し内側寸法よりやや短く形成し、さらに、中蓋3の端部壁32a,32aが内嵌合する容器本体1の側壁12a,12aの内側面には、図2及び図3のように、容器幅方向(左右方向)の両端部の前記突縁17の内側に、該中蓋3の端部壁32a,32aの下部側端(開口部32b側の側端)が係合する段差状凸部19を設けておくのが望ましい。
【0044】
図2及び図3の場合、前記段差状凸部19は、支持用溝13を有する側壁12bの内面側の壁部上端の切欠部の側端位置で段差をなすように設けられている。図19及び図20においては、前記段差状凸部19が側壁12aの容器幅方向の両端部のやや内方の位置に設けられており、前記中蓋3の端部壁32aの側端が該段差状凸部19に係止して被着され、さらに蓋体2が被着された状態を示している。このように突縁17に内嵌合する中蓋3の端部壁32aの側端が前記段差状凸部19に係止することで、中蓋3を、位置ずれなく一定位置に被着できることになる。なお、前記段差状凸部19を設ける場合、前記突縁17の補強材6のコーナー部材6bは、図5Bに拡大して示しているように前記段差状凸部19による形状の変化に対応した形状をなすように形成される。
【0045】
そして、前記中蓋3の天板31の下面(内面)には、前記端部壁32aに沿う左右方向に間隔をおいて、少なくとも開口部32b,32bの側の両辺端部を含む複数個所に凸状部34が形成され、各凸状部34には、前記端部壁32a,32aが側壁上端部に内嵌合した状態において前記容器本体1の側壁内面の支持用溝13と同列に並列する複数の支持用溝35が形成されている。そして、前記凸状部34により画された1もしくは複数の凹部36に、1つの天パッド5、又は複数のパッド片51として分割形成された板状の天パッド5が嵌合され装設されている。
【0046】
特に、図1〜図10及び図11の実施例の場合は、前記中蓋3は、前記端部壁32a,32aに沿う左右方向の中央部で2つの中蓋部材30a,30aに分割形成されており、各中蓋部材30a,30aの天板31の下面には、一つの凹部36,36を画するように、それぞれ開口方向の両端部に前記支持用溝35を有する凸状部34が形成され、各凹部36,36に天パッド5としての板状の1つのパッド片51が装設されている。
【0047】
前記天パッド5又は天パッドとしての各パッド片51は、前記底パッド4と同様に、前記容器本体1、蓋体2並びに中蓋3より柔軟な弾力性のある軟質合成樹脂発泡体等の緩衝材料よりなり、前記凹部36に装設した状態において、その下面が前記凸状部34の支持用溝35の溝深さの範囲内で溝底からやや下方位置、例えば溝底から溝深さの1/3〜1/5程度の位置にあるように設定された所定の厚みを有するフラットな板状をなしており、中蓋3の被着状態において、前記凸状部34の支持用溝35に嵌り込んで支持される板状体Bの上端が弾力的に当接するようになっている。
【0048】
前記天パッド5の装設手段としては、例えば、中蓋部材30a毎の各パッド片51を前記凹部36に単に嵌合して保持するだけでもよいが、具体例を示す図12〜図16のように、前記凹部36の周側面と各パッド片51の外周面とに、互いに嵌合し係合する凹条36aと凸条51aを設けておき、パッド片51が容易に抜脱しないように嵌着しておくことができる。この係合構造は、上記した底パッド4にも適用できる。また、接着手段を利用して固定しておくこともできる。
【0049】
前記中蓋3の開口部32b,32bの側の両辺端部の凸状部34に支持用溝35が形成されていることにより、該凸状部34の支持用溝35が側方に露出して外方から視認できることになり、該中蓋3を容器本体1に並列して収容した板状体Bの上端部に対して被着する際、板状体Bの位置と前記支持用溝35の位置を確認し位置合わせしながら容易に被着できることになる。
【0050】
また、前記のように2つに分割形成した中蓋部材30a,30aを用いることで、容器本体1に一定間隔に並列して収納した板状体Bに対し中蓋3を被着する際、各板状体Bに対する支持用溝35の位置合わせ、及び被着作業が容易になり、実施上より好ましい。
【0051】
前記中蓋3は、前記のように2つの中蓋部材30a,30aに分割形成して実施するものには限らず、図17の実施例のように一体に形成しておくこともできる。この場合、天板31の下面には、図18(a)のように、開口部32bの側の両辺端部に、前記同様の支持用溝35を有する凸状部34を設けて、内方の凹部36に天パッド5を装設しておくほか、同図の(b)のように、前記天板31の下面における少なくとも開口部32bの側の両辺端部と、その内方の所要の個所、例えば中央部とに、前記同様の支持用溝35を有する凸状部34を設けて複数の凹部36を形成し、各凹部36にそれぞれ分割形成した天パッド5としてのパッド片51を装設しておくこともできる。
【0052】
図18(a)のように、一つの凹部36に一つの天パッド5を装設して実施した場合、板状体Bの上端部の中央部が支持用溝によって支持されないことになり、撓み変形が生じやすくなるので、収納操作時及び包装状態で支持用溝35に対する位置ずれや溝外れを防止する上では、図18(b)のように端部壁32a,32aに沿う方向の中央部等の内方の個所に一つもしくは複数の凸状部34を形成して、該凸状部34に有する支持用溝35により板状体Bの上端部を支持するのが好ましい。
【0053】
なお、前記中蓋3の天板31の下面において板状体Bの上端部を支持する支持用溝を、従来と同様にして、天パッド5の各パッド片51に形成しておくことも可能であり(図示せず)、この場合、天板31下面の凸状部34の高さを低くし、天パッド5の厚みを大きくして、前記凸状部34より下方に突出することになるパッド片51の肉厚下部に支持用溝を形成するものとする。実施上は、図のように、中蓋3と一体の凸状部34に支持用溝35を設けておくのが、側壁内面の支持用溝13と誤差を殆ど生じさせずに成形でき、また成形後の収縮の影響も受けず、特に好ましい。
【0054】
上記した実施例の搬送容器Aにおいて、容器内部の防湿性を確保するために、図11の実施例、あるいは図12〜図16の例のように、前記中蓋3又は分割された中蓋部材30aの天板31における前記パッド片51の装設位置の上面に、湿気を吸収する吸湿剤等の乾燥材7の収納凹部37を形成するとともに、該収納凹部37の底壁に通気用の貫通孔38を形成し、さらに該天板31の下面に装設される合成樹脂発泡体製の前記天パッド5又は該天パッド5を構成するパッド片51に、前記貫通孔38に連通する貫通孔を形成しておくことができる。これにより、この種のガラス基板等の板状体の搬送容器に求められる乾燥材7を、中蓋3の構造を利用して、かつ外蓋2により外部と遮断した状態で収納しておくことができ、容器本体1の内部には乾燥材のための特別な収納部を設ける必要がなく、容器本体内部を板状体の収納に有効利用できる。
【0055】
上記した実施例の搬送容器Aにおいて、容器本体1の左右の両側壁12b,12bの支持用溝13については、図21(a)に拡大して示すように、その両内側面が溝深さの中間もしくは中間よりやや溝底側の位置から開口端側がV字形に広がったテーパ状をなすとともに、これより溝底側で両内側面間が一定幅の間隙による溝状をなす形状とすることも、また同図(b)のように、両内側面が溝底から開口端まで連続して一面でV字形に広がったテーパ状をなすものとすることができる。
【0056】
さらに、中蓋3の天板31の下面において板状体Bの上端部を支持する支持用溝35、及び容器本体1の底部11において板状体Bの下端部を支持する補助溝13aもしくは支持用溝14についても、それぞれ図22及び図23(a)に拡大して示すように、その両内側面が溝深さの中間もしくは中間よりやや溝底側の位置から開口端側がV字形に広がったテーパ状をなすとともに、これより溝底側で両内側面間が一定幅の間隙による溝状をなす形状とすることも、また同各図(b)のように、両内側面が溝底から開口端まで連続して一面でV字形に広がったテーパ状をなすものとすることができる。
【0057】
いずれの場合も、前記テーパー状の両内側面の開き角度αは、板状体Bの撓み変形の程度を考慮をして最も無理がかからない角度に設定しておく。前記中蓋3の天板下面における支持用溝35のテーパー状の開き角度αを、底部11の支持用溝14の開き角度αよりも大きくしておくほうが、中蓋3を容器本体1に被着し易く好ましい。また、両内側面が溝底から開口端まで一面のテーパ状をなす支持用溝の場合、板状体に撓みが生じるときに局部的に強く接触する部位がないため、板状体の破損防止の効果が大きくなる。
【0058】
上記した実施例では、蓋体2が容器本体1の側壁上端部に対し外嵌合する構造で、該蓋体2の内部で天パッド5を保持する中蓋3を備えてなる容器の場合を示したが、このほか、中蓋3を有さない容器、あるいは蓋体2が容器本体1の側壁上端部に対し内嵌合する構造の容器においても、容器本体1の縦方向の支持用溝13の下端から連続して底部11上面において内方に向かって延びる横方向の補助溝を形成した本発明を実施することができる。
【0059】
例えば、図24〜図26の実施例は、蓋体2が容器本体1の側壁上端部1aに対し外嵌合する構造で、中蓋を有さない容器の場合を示している。この実施例において、上記した実施例と同構成部材、同構成部分については同符号を付して詳しい説明を省略する。
【0060】
この実施例の場合、前記容器本体1に対する蓋体2の嵌合構造は、上記の実施例と同じ構成をなしており、蓋体2の垂下側壁22a,22a,22b,22bの下端部に形成された突縁23が、容器本体1の嵌合用突縁17の外側の切欠部18に嵌合(外嵌合)するように設けられている。この場合も、図26のように、前記嵌合用突縁17には、少なくとも該突縁17の上端面を覆う上板部を有しかつ容器内外方向に剛性を有する補強材、例えば断面逆L字形もしくは断面逆U字形をなす補強材6を装着しておくのが望ましい。
【0061】
そして、前記蓋体2の垂下側壁22a,22a,22b,22bより内方の天板21の下面に、1つの天パッド5、又は複数のパッド片51として分割形成された板状の天パッド5が中蓋の場合と同様に装設されている。図の例の場合、前記天板21の下面には、蓋体2を容器本体1に被着した状態において支持用溝13を有する両側壁12b,12bの対向方向(左右方向)に所要の間隔をあけて、前記支持用溝13と同列に並列する複数の支持用溝25を有する凸状部26が形成されており、該凸状部26,26間の複数の凹部27に、天パッド5としての複数のフラットな板状のパッド片51が装設されている。この例でも、前記凹部26に装設された天パッド5の下面が前記凸状部26の支持用溝25の溝深さの範囲内で、例えば溝底から溝深さの1/3〜1/5程度の位置にあるように設定されている。
【0062】
また、図27〜図29の実施例は、蓋体2が容器本体1の側壁上端部1aに対し内嵌合する構造で、中蓋を有さない容器の場合を示している。この実施例において、上記した実施例と同構成部材、同構成部分については同符号を付して詳しい説明を省略する。
【0063】
この実施例の場合、前記容器本体1の側壁上端部1a、すなわち四方の側壁12a,12a,12b,12bの上端部には、内側を切欠して外側に嵌合用の突縁17−aが形成され、前記蓋体2の垂下側壁部の22a,22a,22b,22bの下端部には、外側に前記突縁17−aに嵌合する切欠部28が設けられ、該切欠部28より内側部分が前記容器本体1の突縁17−aの内側の切欠部18−aに嵌合(内嵌合)するように設けられている。この実施例でも、図29のように、前記嵌合用突縁17−aには、少なくとも該突縁17の上端面を覆う上板部を有しかつ容器内外方向に剛性を有する補強材、例えば断面逆L字形もしくは断面逆U字形をなす補強材6を装着しておくのが望ましい。
【0064】
そして、前記蓋体2の垂下側壁部22a,22a,22b,22bより内方の天板21の下面に、前記の図24〜図26の実施例と同様に、天パッド5、又は複数のパッド片51として分割形成された板状の天パッド5が装設されている。
【0065】
これらいずれの実施例の場合も、容器本体1の底部11の上面において、容器本体1の両側壁12b,12bの内面の支持用溝13の下端から連続して内方に延びる補助溝を段状凸部15aを利用して形成するほか、支持用溝14を有する凸状部15bおよぴ底パッド4を上記した実施例と同様に構成して実施することができる。
【0066】
前記容器本体1及び蓋体2は、任意の発泡樹脂成形体により製作できるが、熱可塑性樹脂の発泡成形体であることが好ましい。熱可塑性樹脂にはポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例えばポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂)、ポリエステル系樹脂(例えばポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリエチレンナフタレート系樹脂、ポリ乳酸系樹脂)、ポリカーボネート系樹脂等が挙げられる。なかでも、ポリスチレンとポリエチレンを含む複合樹脂を用いることが好ましい。また、前記発泡体の発泡倍率は3〜50倍が好ましい。
【0067】
また、前記中蓋3についても、前記同様の発泡樹脂成形体で製作することができるが、基本的に前記蓋体2と同程度の保形性及び弾力性を有する発泡体が用いられる。例えば、蓋体2と中蓋3が同素材よりなるものの場合、中蓋3としては基本的に蓋体2と同発泡倍率の発泡体が用いられる。
【0068】
また、前記底パッド4や天パッド5としては、前記同様の合成樹脂のビーズ成形発泡体で、主として、前記容器本体1や蓋体2及び中蓋3に比してやや柔軟な保形性及び弾力性を有する合成樹脂発泡体が用いられる。
【0069】
上記した図1〜図10の実施例の搬送容器Aの使用においては、容器本体1の底部11の上面の凸状部15b,15b間の凹部16に底パッド4(各パッド片41)を配置し、また、中蓋3の天板31の下面の凸状部34、34間の凹部36に、天パッド5(各パッド片51)を配置し装設しておく。そして、ガラス基板等の板状体Bの収納操作においては、板状体Bの側端部を容器本体1の左右の側壁12b,12bに有する支持用溝13に挿入して、該側端部を滑らせるようにして底部11にまで落とし込んで収納する。この際、収納される板状体Bの下端コーナー部が、該支持用溝13の下端に連続して底部11の上面における凸状段部15aにおいて内方に延びている補助溝13aに嵌り込み、かつ、これがガイドとなって、板状体Bの下端部が撓み規制されながら内方の各凸状部15bに有する支持用溝14に対して外れることなく容易に嵌り込んで支持されるとともに、前記底パッド4により弾力的に受支され保護される。
【0070】
こうして、前記支持用溝13に対応した一定の間隔で並列して収納した板状体Bの上に、前記天パッド5を装設した中蓋3を、前記容器本体1の前記板状体Bの板面と対向する両側壁12a,12aの上端部に対し、該側壁12a,12aと対応する両辺に有する端部壁32a,32aを内嵌合して被着する。この際、前記端部壁32a,32aと交差する両辺における側方への開口部32bにおいて、凸状部34に有する支持用溝35が側方に露出しているので、該支持用溝35の位置と板状体Bの両側端部の並列状態や位置を確認し位置合わせしながら、容易に位置ずれなく被着することができる。
【0071】
この後、蓋体2を前記中蓋3の外側に被せて周縁部の垂下側壁22a,22a,22b,22bの下端部を、前記容器本体1の四周の各側壁12a,12a,12b,12bの側壁上端部1aの嵌合用の突縁17に外嵌合して被着する。こうして包装した容器外側に、必要に応じてバンド掛け(図示せず)して輸送に供する。
【0072】
前記中蓋3及び蓋体2を容器本体1の側壁上端部1aに内嵌合及び外嵌合して被着した状態においては、容器本体1の各側壁12a,12a,12b,12bの外方への撓み変形による変位が蓋体2により規制され、また前記支持用溝13を有する両側壁12b,12bの内方への撓み変形による変位が板状体Bにより規制されることに加えて、前記板状体Bの板面と対向する両側壁12a,12aの内方への撓み変形による変位が前記中蓋3により規制されることになる。特に、前記蓋体2及び中蓋3が嵌合する突縁17を有する側壁上端部1aにおいて、該突縁17に装着された補強材6により補強されている場合は、容器内外方向への撓み変形が抑制されることになる。そのため、輸送、運搬時の取扱いにおいて、容器本体1の支持用溝13と中蓋3に有する支持用溝35とに位置ずれが生じず、位置ずれによる板状体Bの撓み変形や溝外れを防止できるものになる。
【0073】
そればかりか、板状体Bの上端部を支持する支持用溝35が中蓋3に形成されているため、該支持用溝35による保持の効果は天パッド5に形成された溝による場合よりも大きくなり、該支持用溝35に挿入した板状体Bを安定性よく支持でき、薄肉の板状体Bの撓み変形の抑制効果を高めることができる。また、中蓋3は容器本体1と同素材により成形することができるので、成形後の収縮等による影響を受けることがない。
【0074】
また仮に、板状体Bの板面と対向する容器本体1の側壁12a,12aに内方への撓み変形が生じた場合、該側壁12a,12aに内嵌合している前記中蓋3も容器本体1に追従して変位できることもあって、板状体Bの上端部が支持用溝35から離脱するのを効果的に防止でき、中蓋3の天板31の下面に有する支持用溝35と、容器本体1の側壁内面の支持用溝13との相対位置にずれが生じることがない。
【0075】
従って、支持用溝13に嵌め込まれて一定間隔に並列して保持されている板状体Bに大きな撓みや溝外れが発生することがなく、板状体Bの大きな撓み変形に伴う板状体同士の干渉に起因する破損を防止でき、ひいては板状体Bの薄肉化にも対応できるものとなる。
【0076】
なお、図24〜26の実施例、及び図27〜図28の実施例等の他の実施例の場合も、板状体Bを容器本体1の支持用溝13に挿入し落とし込んで収納する際、支持用溝13の下端に連続して内方に延びている補助溝13aをガイドにして、板状体Bの下端部を内方の各凸状部15bに有する支持用溝14に容易にかつ確実に嵌り込ませて支持することができる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明の搬送容器は、素板ガラス、液晶表示用やプラズマ表示用のガラス基板さらにはタッチパネル用のかなり薄肉のガラス基板その他の衝撃に弱い各種の板状体の搬送、保管に好適に利用できる。
【符号の説明】
【0078】
A…搬送容器、B…板状体、1…容器本体、1a…側壁上端部、1b…バンド欠け用凹部、11…底部、12a,12b…側壁、13…支持用溝、13a…補助溝、14…支持用溝、15a…凸状段部、15b…凸状部、16…凹部、17,17−a…嵌合用の突縁、18,18−a…切欠部、19…段差状凸部、2…蓋体、21…天板、22a,22b…垂下側壁、23…突縁、24…バンド掛け用の凹部、25…支持用溝、26…凸状部、27…凹部、28…切欠部、3…中蓋、31…天板、32a…端部壁、32b…開口部、33…切欠部、34…突状部、35…支持用溝、36…凹部、37…収納凹部、38…貫通孔、4…底パッド、41…パッド片、5…天パッド、51…パッド片、52…貫通孔、6…補強材、7…乾燥材。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状体を収容して搬送するための合成樹脂発泡体製の平面矩形の容器であり、上面が開口し、かつ、一方の相対向する両側壁の内面に板状体の側端部を支持する縦方向の複数の支持用溝が設けられた容器本体と、前記容器本体の底部上面に配置される底パッドと、前記容器本体の側壁上端部に嵌合して被着される蓋体とを備えてなる板状体の搬送容器において、
前記縦方向の支持用溝の下端から連続して底部上面において内方に向かって延びる横方向の補助溝が形成され、該底部上面の補助溝により、板状体の下端コーナー部を縦方向の支持用溝から連続して支持するように設けられてなることを特徴とする板状体の搬送容器。
【請求項2】
底部上面における前記縦方向の支持用溝を有する側壁側の両端部に凸状段部が設けられ、該凸状段部に縦方向の支持用溝から連続する横方向の補助溝が形成され、該両凸状段部間において前記補助溝に支持される板状体の下端部を受支する底パッドが装設されてなる請求項1に記載の板状体の搬送容器。
【請求項3】
底部上面の前記両端部の凸状段部より内方に所要の間隔をおいて、前記側壁内面の縦方向の支持用溝及び前記補助溝と同列に並列する複数の横方向の支持用溝を有する凸状部が設けられ、各凸状部間の凹部に複数に分割形成された底パッドが装設されてなる請求項2に記載の板状体の搬送容器。
【請求項4】
前記底パッドは、その上面が前記凸状部の突出高さより低く、かつ前記横方向の支持用溝の溝底位置より上方位置にある板状をなしている請求項3に記載の板状体の搬送容器。
【請求項5】
前記蓋体の内側で板状体の上端部を保護する天パッドを備えてなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の板状体の搬送容器。
【請求項6】
前記蓋体の内側で前記天パッドを保持して容器本体の側壁上端部に嵌合する中蓋を備えてなる請求項5に記載の板状体の搬送容器。
【請求項7】
前記中蓋が、前記容器本体の縦方向の支持用溝を有さない他方の対向する両側壁に沿う側の天板下面の両辺に、前記側壁上端部に内嵌合する端部壁が垂設されるとともに、前記縦方向の支持用溝を有する両側壁に沿う側の両辺で側方に開口しており、この中蓋の天板下面に天パッドが装設されてなる請求項6に記載の板状体の搬送容器。
【請求項8】
前記中蓋の少なくとも開口部の側の両辺端部の下面に凸状部が設けられるとともに、該凸状部に、中蓋を前記端部壁が容器本体の側壁上端部に内嵌合した状態において、容器本体の縦方向の支持用溝と同列に並列する複数の横方向の支持用溝が設けられ、前記両辺の凸状部間の凹部に前記支持用溝に嵌入して支持される板状体の上端部に対し弾力的に当接する天パッドが装設されてなる請求項7に記載の板状体の搬送容器。
【請求項9】
前記容器本体の両側壁内面の支持用溝と底部の凸状部の支持用溝、及び中蓋の凸状部の支持用溝は、それぞれ両側面が開口端から溝底にまで1面で連続するテーパ状をなしている請求項8に記載の板状体の搬送容器。
【請求項10】
前記容器本体の各側壁の上端部には、内外の一方側が切欠されて内外の他方側に嵌合用の突縁が形成され、蓋体が該突縁に対し内外の一方側に嵌合するように設けられてなる請求項5に記載の板状体の搬送容器。
【請求項11】
前記容器本体の各側壁の上端部には、内外の一方側が切欠されて内外の他方側に嵌合用の突縁が形成され、蓋体が該突縁に対し内外の一方側に嵌合するように設けられてなる請求項6に記載の板状体の搬送容器。
【請求項12】
前記容器本体の側壁上端部の前記突縁には、少なくとも該突縁の上端面を覆う上板部を有しかつ容器内外方向に剛性を有する補強材が装着されてなる請求項10に記載の板状体の搬送容器。
【請求項13】
前記容器本体の側壁上端部の前記突縁には、少なくとも該突縁の上端面を覆う上板部を有しかつ容器内外方向に剛性を有する補強材が装着されてなる請求項11に記載の板状体の搬送容器。
【請求項14】
前記中蓋が、容器本体及び蓋体と同程度の保形性及び弾力性を有するか、あるいは蓋体より柔軟な保形性及び弾力性を有する合成樹脂発泡体よりなり、前記天パッドが中蓋より柔軟な保形性及び弾力性を有する合成樹脂発泡体よりなる請求項6に記載の板状体の搬送容器。
【請求項1】
板状体を収容して搬送するための合成樹脂発泡体製の平面矩形の容器であり、上面が開口し、かつ、一方の相対向する両側壁の内面に板状体の側端部を支持する縦方向の複数の支持用溝が設けられた容器本体と、前記容器本体の底部上面に配置される底パッドと、前記容器本体の側壁上端部に嵌合して被着される蓋体とを備えてなる板状体の搬送容器において、
前記縦方向の支持用溝の下端から連続して底部上面において内方に向かって延びる横方向の補助溝が形成され、該底部上面の補助溝により、板状体の下端コーナー部を縦方向の支持用溝から連続して支持するように設けられてなることを特徴とする板状体の搬送容器。
【請求項2】
底部上面における前記縦方向の支持用溝を有する側壁側の両端部に凸状段部が設けられ、該凸状段部に縦方向の支持用溝から連続する横方向の補助溝が形成され、該両凸状段部間において前記補助溝に支持される板状体の下端部を受支する底パッドが装設されてなる請求項1に記載の板状体の搬送容器。
【請求項3】
底部上面の前記両端部の凸状段部より内方に所要の間隔をおいて、前記側壁内面の縦方向の支持用溝及び前記補助溝と同列に並列する複数の横方向の支持用溝を有する凸状部が設けられ、各凸状部間の凹部に複数に分割形成された底パッドが装設されてなる請求項2に記載の板状体の搬送容器。
【請求項4】
前記底パッドは、その上面が前記凸状部の突出高さより低く、かつ前記横方向の支持用溝の溝底位置より上方位置にある板状をなしている請求項3に記載の板状体の搬送容器。
【請求項5】
前記蓋体の内側で板状体の上端部を保護する天パッドを備えてなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の板状体の搬送容器。
【請求項6】
前記蓋体の内側で前記天パッドを保持して容器本体の側壁上端部に嵌合する中蓋を備えてなる請求項5に記載の板状体の搬送容器。
【請求項7】
前記中蓋が、前記容器本体の縦方向の支持用溝を有さない他方の対向する両側壁に沿う側の天板下面の両辺に、前記側壁上端部に内嵌合する端部壁が垂設されるとともに、前記縦方向の支持用溝を有する両側壁に沿う側の両辺で側方に開口しており、この中蓋の天板下面に天パッドが装設されてなる請求項6に記載の板状体の搬送容器。
【請求項8】
前記中蓋の少なくとも開口部の側の両辺端部の下面に凸状部が設けられるとともに、該凸状部に、中蓋を前記端部壁が容器本体の側壁上端部に内嵌合した状態において、容器本体の縦方向の支持用溝と同列に並列する複数の横方向の支持用溝が設けられ、前記両辺の凸状部間の凹部に前記支持用溝に嵌入して支持される板状体の上端部に対し弾力的に当接する天パッドが装設されてなる請求項7に記載の板状体の搬送容器。
【請求項9】
前記容器本体の両側壁内面の支持用溝と底部の凸状部の支持用溝、及び中蓋の凸状部の支持用溝は、それぞれ両側面が開口端から溝底にまで1面で連続するテーパ状をなしている請求項8に記載の板状体の搬送容器。
【請求項10】
前記容器本体の各側壁の上端部には、内外の一方側が切欠されて内外の他方側に嵌合用の突縁が形成され、蓋体が該突縁に対し内外の一方側に嵌合するように設けられてなる請求項5に記載の板状体の搬送容器。
【請求項11】
前記容器本体の各側壁の上端部には、内外の一方側が切欠されて内外の他方側に嵌合用の突縁が形成され、蓋体が該突縁に対し内外の一方側に嵌合するように設けられてなる請求項6に記載の板状体の搬送容器。
【請求項12】
前記容器本体の側壁上端部の前記突縁には、少なくとも該突縁の上端面を覆う上板部を有しかつ容器内外方向に剛性を有する補強材が装着されてなる請求項10に記載の板状体の搬送容器。
【請求項13】
前記容器本体の側壁上端部の前記突縁には、少なくとも該突縁の上端面を覆う上板部を有しかつ容器内外方向に剛性を有する補強材が装着されてなる請求項11に記載の板状体の搬送容器。
【請求項14】
前記中蓋が、容器本体及び蓋体と同程度の保形性及び弾力性を有するか、あるいは蓋体より柔軟な保形性及び弾力性を有する合成樹脂発泡体よりなり、前記天パッドが中蓋より柔軟な保形性及び弾力性を有する合成樹脂発泡体よりなる請求項6に記載の板状体の搬送容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【公開番号】特開2012−17145(P2012−17145A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−26160(P2011−26160)
【出願日】平成23年2月9日(2011.2.9)
【出願人】(000002440)積水化成品工業株式会社 (1,335)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月9日(2011.2.9)
【出願人】(000002440)積水化成品工業株式会社 (1,335)
【Fターム(参考)】
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