説明

根管長測定器、この根管長測定器用の機能モジュール及び機能モジュール型の歯科用診療機器

【課題】複数の診療機能を必要とする場合でも、診療機能の種類に関係なく、診療機器のスペースの節約、コスト低減が図れるコンパクトな機能モジュール型の医療用診療機器を提供する。
【解決手段】診療機器10は、診療に必要な表示を行うための表示部1、診療のための操作入力を受けるための操作部2、作動電源を供給する電源部3のいずれか少なくとも一つを備えた共通機能部4と、個別の診療機能を備えた機能モジュール20を交換可能に接続するモジュール接続部5とを備え、接続された機能モジュール20の診療機能を共通機能部4で利用できるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医科あるいは歯科において、診察及び治療に好適に用いられる機能モジュール型の医療用診療機器、この診療機器用の機能モジュール、この機能モジュールを用いる医療用診療装置及び医療用機能モジュールユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の医科や歯科の診療においては、例えば、歯科を例にとると、主な診療機器を標準的に備えた診療装置(あるいは、「診療ユニット」ともいう。)によって、たいていの歯科用診療が行われる。しかし、超音波スケーラや、根管長測定器などの診療機器については、通常の歯科用診療装置には、搭載されておらず、それらを用いる必要が有る場合には、別個独立にこれらの診療機器を歯科用診療装置の近傍に設置して使用している。
【0003】
これらの診療装置は、一般的に一つの躯体に一つの診療機能が盛り込まれており、この診療機能を効率的に実現するように表示、制御、操作入力、駆動などのための部品が組み込まれ、専用化されている。しかしながら、表示、操作入力、駆動などの部品は、共通化可能であり、それぞれ専用個別に組み込むのは、このような診療機器が複数必要となる場合には、無駄が生じていた。
【0004】
一方、診療機器としては、複数の診療機能を同時に発揮させる必要のある場合、例えば、診察機能である根管長測定と治療機能である根管拡大を組み合わせ、ファイルの先端位置をモニターしながら根管拡大するような装置も提供されている。
【0005】
特開平11−244304号公報に記載された根管長測定装置連動マイクロエンジン装置と称される歯科用診療機器は、このような複合機能型であって、その外観図を図17に示す。
【0006】
この診療機器100は、根管拡大器110と根管長測定器120を着脱可能に組み合わせ結合し一体化したもので、双方は、接続ケーブル105によって電気的に接続されている。
【0007】
根管拡大器110は、根管拡大のためのファイルFの回転駆動状態を表示する表示部101、この回転駆動の操作を行うための操作部(フートコントローラ)102、この拡大器110に接続コード107で接続されたインスツルメント(マイクロモータハンドピース)108を備えており、インスツルメント108の先端にチャックされたファイルFの回転数を操作部102で自由に制御することができる。
【0008】
根管長測定器120は、ファイルFに導通された正極116Aと、根管長測定の対象となる歯牙に導通させるための負極116Bから構成されるインスツルメント116と、このインスツルメント116で測定された測定データ(口腔粘膜と根管内に挿入したファイルFとの間の電気抵抗値)を表示する表示部118とを備えている。
【0009】
こうして、この診療機器100によれば、根管拡大器110と根管長測定器120の両者を複合一体化することで、根管長測定器120の測定値を見ながら、根管拡大器110のファイルFの回転駆動をすることができ、根管をより正確に拡大することができた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記図17の診療機器100場合、複数の機能を連動あるいは複合しており、例えば、電源などは共通化しているが、連動の組み合わせが1対1に限定されており、表示部の共通化も考慮されておらず、更なる改良が望まれていた。
【0011】
本発明は、このような問題を解決しようとするもので、複数の診療機能を必要とする場合でも、診療機能の種類に関係なく、診療機器のスペースの節約、コスト低減が図れるコンパクトな機能モジュール型の医療用診療機器、この診療機器用の機能モジュール、この機能モジュールを用いる医療用診療装置及び診療用機能モジュールユニットを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1から18では機能モジュール型の医療用診療機器、請求項19から27ではこの診療機器用の機能モジュール、請求項28はこれら両者を組み合わせた機能モジュール型の医療用診療機器、請求項29ではこの機能モジュールを用いる医療用診療装置、加えて、請求項30、31では、機能モジュール型の医療用診療機器と機能モジュールとを一体のものとして把握した診療用機能モジュールユニットを提案している。
【0013】
ここで、医療用とあるのは、歯科用だけに限定されず、医科用も含まれることを意味する。診療機器とは、診断や治療のために電気のみ、あるいは、電気に加え、水、空気を用いるものを全て含むもので、電気などの用い方は問わないものである。また、診療のために電気をまったく用いないものも含むものである。
【0014】
診療機器には、電気駆動装置により切削、研磨などをするもの、清浄水や薬液などを治療のために噴射、放出するもの、電気や光の作用によって治療などをするもの、診断用に、所定の電気接点の組み合わせで電圧、電流などを測定するような診断器なども含み、歯科分野においては、このような診療機器としては、種々のハンドピース、エアータービンハンドピース、マイクロモータハンドピースや、スケーラ、光重合器、半導体レーザー、根管拡大器、根管充填器、う蝕検出器、根管長測定器、歯髄診断器、口腔内カメラ、ポケット測定器などがある。
【0015】
診療装置とは、診療機器を用いて診断や治療をする装置の全てを含むもので、医療用ユニットなどの医療用の診療装置を始めとして、歯科用の歯科ユニット、耳鼻咽喉科、産婦人科、泌尿器科、眼科などで用いられる診療装置が含まれるものである。
【0016】
請求項1に記載の機能モジュール型の医療用診療機器は、診療に必要な表示を行うための表示部、診療のための操作入力を受けるための操作部、前記診療機器の作動電源を供給する電源部のいずれか少なくとも一つを備えた共通機能部と、個別の診療機能を備えた機能モジュールを交換可能に接続するモジュール接続部とを備え、接続された機能モジュールの診療機能を前記共通機能部で利用できるようにしたことを特徴とする。
【0017】
なお、この診療機器に、機能モジュールが備えるような個別の診療機能(単機能だけでなく、複合機能も含む。)を備えるようにしてもよい。
【0018】
請求項2に記載の機能モジュール型の医療用診療機器は、請求項1に記載の医療用診療機器において、前記モジュール接続部は、前記機能モジュールを電気的あるいは機械的に着脱可能に接続するものであることを特徴とする。
【0019】
請求項3に記載の機能モジュール型の医療用診療機器は、請求項2に記載の医療用診療機器において、前記モジュール接続部は、前記機能モジュールを接続した際には、相互に接続された前記医療用診療機器と前記機能モジュールを機構的または機能的に一体化するようになっていることを特徴とする。
【0020】
請求項4に記載の機能モジュール型の医療用診療機器は、請求項1から3のいずれかに記載の医療用診療機器において、前記モジュール接続部は、前記機能モジュールを互換可能に接続するものであることを特徴とする。
【0021】
請求項5に記載の機能モジュール型の医療用診療機器は、請求項1から4のいずれかに記載の医療用診療機器において、前記診療機器に、更に、いずれの機能モジュールが接続されたかを認識するモジュール認識手段を備えたことを特徴とする。
【0022】
請求項6に記載の機能モジュール型の医療用診療機器は、請求項5に記載の医療用診療機器において、前記モジュール認識手段は、接続された機能モジュールに登録されたモジュールコードを通信によって受信し、このモジュールコードによって、いずれの機能モジュールが接続されたかを認識するものであることを特徴とする。
【0023】
請求項7に記載の機能モジュール型の医療用診療機器は、請求項5に記載の医療用診療機器において、前記モジュール認識手段は、接続された機能モジュールに備えられたID素子から送出されるIDコードを認識するものであることを特徴とする。
【0024】
請求項8に記載の機能モジュール型の医療用診療機器は、請求項5に記載の医療用診療機器において、前記モジュール認識手段は、接続された機能モジュールの個別インピーダンスを検知して、いずれの機能モジュールが接続されたかを認識するものであることを特徴とする。
【0025】
請求項9に記載の機能モジュール型の医療用診療機器は、請求項5に記載の医療用診療機器において、前記モジュール認識手段は、接続された機能モジュールの個別コネクタ形状を機械電気的に検知して、いずれの機能モジュールが接続されたかを認識するものであることを特徴とする。
【0026】
請求項10に記載の機能モジュール型の医療用診療機器は、請求項5から9のいずれかに記載の医療用診療機器において、いずれの機能モジュールが接続されたかが認識された後には、相互に接続された前記医療用診療機器と前記機能モジュールとの間で通信が行われるようになっていることを特徴とする。
【0027】
請求項11に記載の機能モジュール型の医療用診療機器は、請求項10に記載の医療用診療機器において、前記医療用診療機器と前記機能モジュールとの間で通信される通信情報は、前記機能モジュールの診療機能に係る表示、操作入力、診療データの情報、接続されるインスツルメントの機器情報及び制御情報の少なくともいずれか一つであることを特徴とする。
【0028】
請求項12に記載の機能モジュール型の医療用診療機器は、請求項11に記載の医療用診療機器において、前記通信情報を用いて、前記共通機能部に備えられた表示部、操作部、電源部などが、接続され認識された機能モジュールの診療機能に対応したモードにモード設定され、この診療機能が実行されるようになっていることを特徴とする。
【0029】
請求項13に記載の機能モジュール型の医療用診療機器は、請求項10から12のいずれかに記載の医療用診療機器において、前記モード設定及び前記診療機能の実行のための制御ソフトが、接続された機能モジュールに予め記憶保存されたものであることを特徴とする。
【0030】
請求項14に記載の機能モジュール型の医療用診療機器は、請求項10から12のいずれかに記載の医療用診療機器において、前記モード設定及び前記診療機能の実行のための制御ソフトが、前記診療機器に予め記憶保存された汎用制御ソフトを用いたものであることを特徴とする。
【0031】
請求項15に記載の機能モジュール型の医療用診療機器は、請求項14に記載の医療用診療機器において、前記診療機器に記憶保存された汎用制御ソフトは、この診療機器に予め通信により転送されたものであることを特徴とする。
【0032】
請求項16に記載の機能モジュール型の医療用診療機器は、請求項1から15のいずれかに記載の医療用診療機器において、前記モジュール接続部は、前記機能モジュールを複数個接続可能となっていることを特徴とする。
【0033】
請求項17に記載の機能モジュール型の医療用診療機器は、請求項1から16のいずれかに記載の医療用診療機器において、個別の診療機能とマルチジョイント接続部を備えて、前記診療機能に対応したマルチジョイント方式のインスツルメントを着脱可能に接続できるようにしたことを特徴とする。
【0034】
請求項18に記載の機能モジュール型の医療用診療機器は、請求項1から17のいずれかに記載の医療用診療機器において、前記共通機能部の作動電源となる電池を備えたことを特徴とする。
【0035】
請求項19に記載の機能モジュールは、医療用診療機器と組み合わせて用いる機能モジュールであって、個別の診療機能と、前記診療機器に交換可能に接続するための接続部と、前記診療機器に自己を認識させるための認識付与手段とを備えたことを特徴とする。
【0036】
請求項20に記載の機能モジュールは、請求項19に記載の機能モジュールにおいて、前記接続部は、前記機能モジュールを前記診療機器に電気的あるいは機械的に着脱可能に接続するものであることを特徴とする。
【0037】
請求項21に記載の機能モジュールは、請求項20に記載の機能モジュールにおいて、前記接続部は、前記機能モジュールを前記診療機器に接続した際には、相互に接続された前記医療用診療機器と前記機能モジュールとを機構的または機能的に一体化するようになっていることを特徴とする。
【0038】
請求項22に記載の機能モジュールは、請求項19から21のいずれかに記載の機能モジュールにおいて、前記接続部は、前記機能モジュールを前記診療機器に互換可能に接続するものであることを特徴とする。
【0039】
請求項23に記載の機能モジュールは、請求項22に記載の機能モジュールにおいて、前記接続部は、複数の機能モジュールに関して、同一の規格化されたものとなっていることを特徴とする。
【0040】
請求項24に記載の機能モジュールは、請求項19から23のいずれかに記載の機能モジュールにおいて、更に、マルチジョイント方式のインスツルメントを着脱可能に接続できるマルチジョイント接続部を備えたことを特徴とする。
【0041】
請求項25に記載の機能モジュールは、請求項19から24のいずれかに記載された機能モジュールにおいて、更に、個別の診療機能を備えた機能モジュールを交換可能に接続する子モジュール接続部を備えたことを特徴とする。
【0042】
請求項26に記載の機能モジュールは、請求項19から25のいずれかに記載された機能モジュールにおいて、前記診療機能の実行のための作動電源となる電池を備えたことを特徴とする。
【0043】
請求項27に記載の機能モジュールは、請求項19から26のいずれかに記載された機能モジュールにおいて、前記医療用診療機器と接続された際にこの診療機器と通信し協働して前記診療機能を実行させる制御ソフトを予め記憶保存したことを特徴とする。
【0044】
請求項28に記載の機能モジュール型の医療用診療機器は、請求項1から18のいずれかに記載の診療機器に、請求項19から27のいずれかに記載の機能モジュールを組み合わせたことを特徴とする。
【0045】
請求項29に記載の機能モジュールを用いる医療用診療装置は、患者を座位あるいは仰臥位に保持する診療台と、診療に必要な表示を行うための表示部、診療のための操作入力を受けるための操作部、診療のための作動電源を供給する電源部などの共通機能部とを備えた医療用診療装置であって、個別の診療機能を備えた機能モジュールを交換可能に接続するモジュール接続部を備え、接続された機能モジュールの診療機能を前記共通機能部で利用できるようにしたことを特徴とする。
【0046】
請求項30に記載の医療用機能モジュールユニットは、少なくとも診療に必要な表示を行うための表示部、診療のための操作入力を受けるための操作部とを設けた共通機能モジュールユニットに、個別の診療機能に対応して必要な作動制御部を組み込んで構成された複数種類の個別機能モジュールユニットを取替可能に着脱させて使用するようにした医療用機能モジュールユニットであって、上記共通機能モジュールユニットと、それぞれの個別機能モジュールユニットとは両者を一体的に合体接続するための電気的接続部と機械的接続部とを相互に対応させて設けており、それぞれの個別機能モジュールユニットが前記共通機能モジュールユニットに接続されたときには、前記共通機能モジュールユニットは、接続された個別機能モジュールユニットとの間で通信を通じていずれの個別機能モジュールユニットが接続されたかを識別し、前記共通機能モジュールユニットの表示部及び操作部とを、前記個別機能モジュールユニットに対応したモードに切替えて、接続された個別機能モジュールユニットの表示、操作機能として機能するようにしている。
【0047】
請求項31に記載の医療用機能モジュールユニットは、請求項30に記載の医療用診療機器において、前記共通機能モジュールユニットは、接続される個別機能モジュールユニットへ供給するための電源回路、給水手段、給気手段のいずれか少なくとも一つを備えたエネルギー供給手段を内蔵していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0048】
請求項1から18に記載の機能モジュール型の医療用診療機器によれば、種々の診療に共通必要となる表示、操作などの共通機能と、個別の診療機能を区分し、それぞれモジュール化して診療装置と機能モジュールとし、これらを互換可能に組み合わせて、目的の診療機能を達成するようにしたので、複数の診療機能を必要とする場合でも、診療機能の種類に関係なく、診療機器のスペースの節約、コスト低減を図ることができる。
【0049】
請求項19から27に記載の機能モジュールは、上記の機能モジュール型の医療用診療機器と組み合わせて用いるもので、この診療機器と協同して、上記の効果を発揮する。
【0050】
請求項28に記載の機能モジュール型の医療用診療機器によれば、請求項1から18に記載の機能モジュール型の医療用診療機器と請求項19から27に記載の機能モジュールとの両者を組み合わせた機能モジュール型の医療用診療機器であるので、両者が協同して、上記の効果を発揮する。
【0051】
請求項29に記載の診療装置によれば、この機能モジュールを用いる医療用診療装置であるので、機能モジュールと協同して、上記の効果を診療装置として発揮する。
【0052】
請求項30,31に記載のモジュールユニットによれば、機能モジュール型の医療用診療機器と機能モジュールとを一体のものとして把握した診療用機能モジュールユニットであるので、上記の効果を全体として発揮する。
【0053】
特に、請求項2に記載の機能モジュール型の医療用診療機器によれば、請求項1の効果に加え、モジュール接続部は、機能モジュールを電気的あるいは機械的に着脱可能に接続するので、両者の協同が可能となる。請求項3に記載の機能モジュール型の医療用診療機器によれば、請求項2の効果に加え、モジュール接続部は、接続された医療用診療機器と機能モジュールを機構的または機能的に一体化するので、スペースの節約となる。
【0054】
請求項4に記載の機能モジュール型の医療用診療機器によれば、請求項1から3のいずれかの効果に加え、モジュール接続部は機能モジュールを互換可能に接続するので、所望の機能モジュールを接続することができる。
【0055】
請求項5に記載の機能モジュール型の医療用診療機器は、請求項1から4のいずれかの効果に加え、診療機器にモジュール認識手段を備えたので、接続された機能モジュールを認識することができる。
【0056】
請求項7に記載の機能モジュール型の医療用診療機器によれば、請求項5の効果に加え、モジュール認識手段は、接続された機能モジュールに備えられたID素子から送出されるIDコードを認識するものであるので、簡単により詳細な情報で機能モジュールを認識することができる。
【0057】
請求項12に記載の機能モジュール型の医療用診療機器によれば、請求項11の効果に加え、前記通信情報を用いて、共通機能部に備えられた表示部、操作部、電源部などが、接続され認識された機能モジュールの診療機能に対応したモードにモード設定され、この診療機能が実行されるようになっているので、目的とする診療機能が達成される。
【0058】
請求項13に記載の機能モジュール型の医療用診療機器によれば、請求項10から12のいずれかの効果に加え、モード設定及び診療機能の実行のための制御ソフトが、接続された機能モジュールに予め記憶保存されたものであるので、診療機器側で、想定される診療機能に必要な制御ソフトを予め用意しておく必要がなくなる。
【0059】
請求項14に記載の機能モジュール型の医療用診療機器によれば、請求項10から12のいずれかの効果に加え、モード設定及び診療機能の実行のための制御ソフトが、前記診療機器に予め記憶保存された汎用制御ソフトを用いたものであるので、機能モジュール側に制御ソフトを設ける必要がなくなる。
【0060】
請求項15に記載の機能モジュール型の医療用診療機器によれば、請求項15の効果に加え、前記診療機器に記憶保存された汎用制御ソフトは、この診療機器に予め通信により転送されたものであるので、汎用制御ソフトを随時更新、変更等することができ、改良、仕様変更などに簡単に対応することができる。
【0061】
請求項16に記載の機能モジュール型の医療用診療機器によれば、請求項1から15の効果に加え、モジュール接続部は、機能モジュールを複数個接続可能となっているので、一つの診療機器で、多数の診療機能を実現することができる。
【0062】
請求項17に記載の機能モジュール型の医療用診療機器によれば、請求項1から16のいずれかの効果に加え、個別の診療機能とマルチジョイント接続部を備えて、前記診療機能に対応したマルチジョイント方式のインスツルメントを着脱可能に接続できるので、マルチジョイント方式の効果である複数機能のインスツルメメントを互換的に利用できるという効果を合わせて発揮する。
【0063】
請求項18に記載の機能モジュール型の医療用診療機器によれば、請求項1から17の効果に加え、前記共通機能部の作動電源となる電池を備えたので、電源コードが不要となり、取り扱いがしやすい。請求項20から22に記載の機能モジュールによれば、それぞれ請求項2から4に記載の診療機器に対応したもので、これらの診療機器と同様の効果を発揮する。請求項23に記載の機能モジュールによれば、請求項22の効果に加え、前記接続部は、複数の機能モジュールに関して同一の規格化されたものとなっているので、いずれの機能モジュールでも、一つの診療機器に接続することができる。
【0064】
請求項24に記載の機能モジュールによれば、請求項19から23のいずれかの効果に加え、マルチジョイント方式のインスツルメントを着脱可能に接続できるマルチジョイント接続部を備えたので、マルチジョイント方式の効果である複数機能のインスツルメメントを互換的に利用できるという効果を合わせて発揮する。
【0065】
請求項25に記載の機能モジュールによれば、請求項19から24のいずれかの効果に加え、更に、個別の診療機能を備えた機能モジュールを交換可能に接続する子モジュール接続部を備えたので、複数の診療機能を実現することができる。
【0066】
請求項26に記載の機能モジュールによれば、請求項19から25のいずれかの効果に加え、診療機能の実行のための作動電源となる電池を備えたので、電源コードが不要となり、取り扱いがしやすい。
【0067】
請求項27に記載の機能モジュールによれば、請求項19から26のいずれかの効果に加え、医療用診療機器と接続された際にこの診療機器と通信し協働して前記診療機能を実行させる制御ソフトを予め記憶保存したので、診療機器側で診療モジュールに対応した制御ソフトを用意する必要がなく、診療機器側の記憶負担を軽減する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0068】
以下に、本発明の実施の形態について図とともに説明する。なお、これより、機能モジュール型の医療用診療機器、この診療機器用の機能モジュール、この機能モジュールを用いる医療用診療装置及び診療用機能モジュールユニットの例として、歯科用の場合について説明するが、上述したように本発明の分野はこれに限るものではない。
【0069】
図1は、本発明の機能モジュール型の医療用診療機器と機能モジュールの一例を示すもので、(a)は両者を組み合わせた状態の外観斜視図、(b)は医療用診療機器の外観斜視図、(c)は機能モジュールの外観斜視図である。
【0070】
図1(a)は、機能モジュール型の医療用診療機器10に所望の診療機能を備えた機能モジュール20を一体的に結合させ組み合わせた状態を示し、(b)は、このうち、医療用診療機器10だけを、(c)は機能モジュール20だけを示すものである。
【0071】
医療用診療機器10は、診療に必要な表示を行うための表示部1、診療のための操作入力を受けるための操作部2、診療機器10の作動電源を供給する電源部3を備えた共通機能部4と、個別の診療機能を備えた機能モジュール20を交換可能に接続するモジュール接続部5(詳細は後述する)とを備えている。
【0072】
なお、共通機能部4は、表示部1、操作部2、電源部3の3つを常に備えているものに限られず、これら表示部1、操作部2、電源部3の少なくともいずれか1だけを備え、あるいは、他の共通機能を単独あるいは複合して備えているものであってもよい。
【0073】
また、この例では、医療用診療機器10は、更に、診療機能として、根管長測定機能を備えており、このように医療用診療機器10に本来診療モジュールが備えるような診療機能をも備えて、医療用診療機器10単体で一定の診療ができるようにしてもよい。また、ここでいう、個別の診療機能には、根管長測定や、根管拡大の単機能だけでなく、根管長測定と根管拡大などの複数の機能を併せ発揮する複合機能も含まれる。
【0074】
機能モジュール20は、個別の診療機能と、診療機器10に交換可能に接続するための接続部12と、前記診療機器に自己を認識させるための認識付与手段(不図示。後述する。)とを備えている。ここでは、この機能モジュールは、根管拡大機能を備えている。なお、個別の診療機能としては、このような単一の機能だけでなく、複合した機能も含まれるものである。
【0075】
この医療用診療機器10は、根管長測定機能を備え、単体で、根管長測定を行うことができるが、その共通機能部4は、根管長測定だけでなく、根管拡大にも対応することができるようになっており、またモジュール接続部5には、根管拡大機能を備えた機能モジュール20を、図1(a)に示すように機構的に一体化して結合し、両者を電気的、機械的に接続して、全体として、根管長測定をしながら根管拡大ができるようになっており、より正確に根管拡大をすることができ、また、誤って根管以外の部分を拡大するようなことを回避することができる。
【0076】
このような特徴は、図17に示した従来例の診療機器100と共通するものであるが、この医療用診療機器10には、機能モジュール20として、例示した根管拡大機能を備えたものだけでなく、歯科診療に必要な他の種々の機能、例えば、治療に用いるマイクロモータハンドピース、スケーラ、光重合器、半導体レーザー、根管拡大器、根管充填器の機能を備えたものや、診察に必要な、う蝕検出器、根管長測定器、歯髄診断器、口腔内カメラ、ポケット測定器の機能を備えたものを交換可能に装着し、用いることができる。
【0077】
つまり、この医療用診療機器10は、診療に用いる種々の診療機器には、常に共通して用いられる共通機能部分と、個々の診療目的に合わせて特化された個別機能部分があることを見いだし、これらを機能モジュール化して交換可能とすることで、共通機能部分が重複することの無駄を排除し、一方、個別機能部分の単体のコストダウンを図るものである。
【0078】
換言すれば、この診療機器は、診療において、複数の診療機能を必要とする場合でも、診療機能の種類に関係なく、診療機器のスペースの節約、コスト低減が図れ、コンパクト化も可能とするものである。
【0079】
なお、このような機能モジュール型の医療用診療機器と組み合わせて用いられる機能モジュールも、この診療機器に対応したものである必要があるが、こうして、機能モジュール型の医療用診療機器と組み合わせて用いることで、協働して同様の効果を発揮するものである。
【0080】
また、ここに説明した機能モジュール型の医療用診療機器と機能モジュールの組み合わせは、それぞれを単体として把握しているが、医療用診療機器に機能モジュールを組み合わせたもの全体を医療用診療機器30として把握することも可能である。
【0081】
更に、全体を医療用機能モジュールユニット40として捕らえ、それぞれの部分をこの医療用機能モジュールユニット40を構成する機能モジュールユニット、例えば、表示部31、操作部32、電源を含んだエネルギー供給手段33を備えた共通機能モジュールユニット34と、個別の診療機能に対応して必要な作動制御部(不図示)を組み込んで構成された個別機能モジュールユニット36としてとらえることも可能である。
【0082】
この場合、複数種類の個別機能モジュールユニット36は、共通機能モジュールユニット34に取替可能に着脱されて使用され、共通機能モジュールユニット34と、それぞれの個別機能モジュールユニット36とを接続する接続部は、両者を一体的に合体接続するための共通な電気的接続部37と機械的接続部38として把握される。
【0083】
このような医療用診療機器30、医療用機能モジュールユニット40のいずれの場合も、その構成の把握方法が異なるのみで、上述の医療用診療機器10、機能モジュール20と同様の効果を発揮するものである。
【0084】
図2は、本発明の表示部の表示態様を示す図で、(a)は根管長測定時の表示態様、(b)は根管長測定+根管拡大時の表示態様、(c)は全てを表示させた場合の表示態様を示す図である。これらの図を用いて、共通機能部として機能する表示部の表示態様について説明する。なお、これより、既に説明した部分については、同じ符号を付して重複説明を省略する。
【0085】
これらの図において、表示部1(A)は根管長測定時の表示態様、表示部1(B)は根管長測定+根管拡大時の表示態様、表示部1(D)は、説明のために、この表示部1で表示可能な全ての表示要素を表示させた表示態様となっている。
【0086】
なお、この表示部1(D)は、根管長測定、根管拡大に必要な表示要素以外に、光重合器、スケーラー、根管充填器に必要な表示要素も示されている。
【0087】
この例では、表示部1は、種々の診療機能に必要な表示を予め想定し、全ての表示を複数の表示要素の組み合わせで表示可能とし、診療機能に応じて必要な表示要素を選択表示させるようにしたものである。このような表示部を用いると、画面から多少斜めの位置からでも視認性が良くなる。
【0088】
一方、もちろん、汎用のCRTや、液晶表示画面を表示部として用いることができ、この場合には、表示データを用意するだけなので、表示の自由度が高くなる。
【0089】
図3は、本発明の表示部に対応した操作部の種々の態様を示す図で、(a1)、(a2)、(a3)はそれぞれ操作部がボタン型、表示付きボタン型、表示部一体型であって、表示が根管長測定時の態様となっている状態を示す図、(b1)、(b2)、(b3)は、同じ操作部について、それぞれ表示が根管長測定+根管拡大時の態様となっている状態を示す図である。
【0090】
近年、情報処理技術の進歩により、例えば、いわゆるタッチパネルなど、表示手段と入力手段の合体や連動も可能となっているが、ここでは、このような技術進歩に対応した表示部と操作部の連携のいくつかのタイプを例示するものである。
【0091】
つまり、(a1)、(b1)の操作部2は、ボタン型であり、その操作内容は、表示部1の一部である操作用表示部1aに表示されており、診療機能がこの例のように、機能モジュールが追加されることにより、根管長測定、根管長測定+根管拡大と変化すると、操作用表示部1aの表示もこの機能に対応して変化し、もちろん、その3つのボタン2aの機能も変化するものである。
【0092】
(a2)、(b2)の操作部2Aは、表示付きボタン型であり、それぞれのボタン2bそのものが文字などによって機能表示が可能となっている。
【0093】
(a3)、(b3)の操作部2Bは、表示部1と合体した表示部一体型であり、いわゆるタッチパネル式となっている。
【0094】
図4は、本発明の医療用診療機器と機能モジュールの一例を概念的に示すブロック図である。
【0095】
医療用診療機器10は、既に説明した表示部1、操作部2、電源部3、共通機能部4、モジュール接続部5に加え、いずれの機能モジュール20が接続されたかを認識するモジュール認識手段6(より詳しい説明は後述する。)、マルチジョイント接続部(コネクタ)7、このマルチジョイント接続部7に着脱可能に接続できるマルチジョイント方式のインスツルメント8、この診療機器10全体を制御している中央演算処理装置9a、根管長測定機能を発揮する根管長測定回路9bを備えている。
【0096】
電源部3には、駆動源となる電池3aと、この電池3aとの接続をオン・オフするスイッチ3bとが備えられている。また、ここでは、モジュール接続部5のうち、電気的接続部5aが示されている。
【0097】
図1について説明したように、この医療用診療機器10は、根管長測定回路9bを備えて、単体で根管長測定ができるようになっている。また、このために、接続して用いるインスツルメント8は、根管長測定用のもので、測定用の正極8aと負極8bとを備えている。
【0098】
ここで、このインスツルメント8と、このための接続部7は、マルチジョイント方式となっており、1種類の測定用インスツルメントだけでなく、種々のインスツルメントを取替、着脱可能に接続することができ、接続された後には、インスツルメント側から識別信号が診療機器10側へ送られ、診療機器10側は、これを判別していずれのインスツルメントが接続されたかを認識し、接続されたインスツルメントに応じた機能を発揮するようになっている。
【0099】
このようなマルチジョイント方式については、本願出願人が、特開平2000−254153号公報、特開平2000−288001号公報にて、詳しく説明している。
【0100】
機能モジュール20は、既に説明した接続部12に加え、診療機器10に自己を認識させるための認識付与手段11、モジュール20専用であって、電池13aとこの電池13aとの接続をオン・オフするスイッチ13bとを備えた電源部13、上述したマルチジョイント方式のマルチジョイント接続部15、これに着脱可能に接続可能なインスツルメント16、更に、この機能モジュール20全体を制御している中央演算処理装置18a、根管拡大のためのモータを駆動制御するモーター駆動回路18b、必要な操作入力のための操作部18cを備えている。
【0101】
また、ここでは、接続部12のうち、電気的接続部12aが示されている。
【0102】
インスツルメント16は、この例では、根管長測定と根管拡大のためのモータハンドピースであり、そのため、ハンドピース16aと、ファイルFを回転駆動するためのモーター16b、根管長測定用の正極16cと負極16dとを備え、マルチジョイント方式である。
【0103】
このような構成で、機能モジュール型の診療機器10と機能モジュール20は、組み合わせて用いることで、上述の効果を発揮する。
【0104】
なお、それぞれの電源部3、13に設けられたスイッチ3b、13bによって、例えば、機能モジュール20が接続された時には、診療機器10側の電池3aは使用しないように、また、診療機器10側の電池3aそのものを外すようにして、機能モジュール20に備えられた電池13aで、診療機器10と診療モジュール20の全体を駆動する場合があることはもちろんである。
【0105】
図5(a)は本発明の医療用診療機器と機能モジュールの動作手順の一例を説明するフローチャート、(b)は診療機器側のメモリマップを示す図である。
【0106】
図4と図5を用いて、医療用診療機器と機能モジュールが接続組み合わされて、個別の診療機能が実行される動作手順について説明する。
【0107】
診療機器10に機能モジュール20が図1(a)に示されたように接続されると、両者の機械的接続に加え、図4に示した両者の電気的接続部5a,12a間の接続も達成される。
【0108】
この状態で、診療機器10側でスタート操作がなされると、同時に機能モジュール20側でも動作がスタートし、診療機器10からモジュールコード送信要求がなされ、これを受けて、機能モジュール20では、認識付与手段11によってモジュールコードを送信すると、診療機器10では、このモジュールコード信号を受けモジュール認識手段6によって、いずれの機能モジュール20が接続されたかを認識し(S1,S11)、機能プログラムの受信待機状態になる。
【0109】
続いて、機能モジュール20は、自身が、記憶保存している機能プログラム(制御ソフト)を診療機器10に送信し(S12)、診療機器10は、この機能プログラムを受信し(S2)、例えば、(b)に示すように、メモリマップの番地4000H以降に格納する。
【0110】
この受信が終了すると、診療機器10は、保存した機能プログラムのある番地(4000H)に処理を移し(S3)、表示部1、操作部2などを接続された機能モジュール20の診療機能のモードに設定し、必要に応じて、機能モジュール20とデータの授受を行いながら(S13)、この機能モジュール20の機能プログラムを実行する(S4)。
【0111】
このようにして、医療用診療機器10と機能モジュール20の間では、通信が行われ、種々のデータの送受が行われて、医療用診療機器10側で、接続された機能モジュール20の診療機能を利用できるようになっている。また、このようにすると、診療機能において制御ソフトのバージョンアップがあった場合でも、機能モジュール側の制御ソフト記憶手段(ROM)を交換したり、機能モジュールを新機能のものに交換することで、対応することができる。
【0112】
なお、ここでいう「モジュールコード」とは機能モジュールを認識するための種々の信号、コードを広く含む概念である。また、例えば、根管長測定機能を備えた機能モジュールには「100010」、光重合機能を備えたものには「010101」などというコードを用いることもできる。
【0113】
また、記医療用診療機器10と機能モジュール20との間で通信される通信情報は、機能モジュール20の診療機能に係る表示、操作入力、診療データの情報、接続されるインスツルメント8、16の機器情報及び制御情報の少なくともいずれか1であるようにするとよい。
【0114】
図6は、本発明の医療用診療機器と機能モジュールの動作手順の他例を説明するフローチャートである。
【0115】
この例では、接続された医療用診療機器と機能モジュールがそれぞれより独立して動作機能し、両者間の通信では、相互の制御に必要な共通化された普遍化信号が送受されて、全体として必要な診療機能が実現されるようになっている。
【0116】
このため、診療機器10側には、想定される種々の診療機能に対応可能な汎用制御ソフトが記憶保存されている。
【0117】
この場合、診療機器10側でスタート操作がなされると、同時に機能モジュール20側でも動作がスタートし、機能モジュール20からモジュールコードが送信され、診療機器10では、これを受けて、いずれの機能モジュール20が接続されたかを認識する点は、図5のフローチャートと同じである(S21,S31)。
【0118】
その後は、機能モジュール20から、個別の機能プログラム(制御ソフト)が送信されるのではなく、診療機器10では、認識した診療機能に対応した制御ソフトを汎用制御ソフトから読み出し、これによって、診療機器10の表示部1、操作部2などをその診療機能に対応したモードにモード設定し、この診療機能を実現させるようにする。
【0119】
この間、診療機器10と機能モジュール20のそれぞれでは、診療機能に対応した自己固有処理、例えば、診療機器10では根管長測定、機能モジュール20では根管拡大を行い(S23,S32)、必要に応じて、普遍化信号を送受して、表示要請やデータ変更要請を行い、また、これに対応した要請対応処理が行われる(S24,S33)。
【0120】
このようにしても、医療用診療機器10と機能モジュール20の間では、通信が行われ、種々のデータの送受が行われて、医療用診療機器10側で、接続された機能モジュール20の診療機能を利用することができる。
【0121】
また、このようにすると、機能モジュール20側がどのような機能であっても、例えば、表示部1については、図2で説明したような表示要素の組み合わせを選択し、操作部2の操作についても、単にオン・オフ信号を送出するようにして、後の処理は機能モジュール20側に任せることができる。
【0122】
このように送受する信号を普遍化信号とすることで、どのような機能モジュールが接続されても、診療機器10側の動作は一定の範囲内のものに保つことができる。
【0123】
なお、この普遍化信号の例としては、モジュールコード送信要求信号、再送信要求信号、表示部の表示描画要求信号、データ更新要求信号、制御ソフト更新要求、操作部の操作状態送信信号などがある。
【0124】
また、上述の機能モジュールに記憶保存された制御ソフト、診療機器に記憶保存された汎用制御ソフトは、これらの機器に通信ラインを通じて転送されたものであってもよい。その場合、これらの制御ソフトの更新をより簡単に行うことができる。
【0125】
図7は、本発明の医療用診療機器と機能モジュールとを接続する接続部について説明するもので、(a)は両者の結合方法の説明図、(b)は結合状態の要部断面図、(c)は電気的接続部の要部断面図である。
【0126】
この図で示しているように、診療機器10のモジュール接続部5と、機能モジュールの接続部12には、既に説明した電気的接続部5a,12aに加え、機械的な係止手段5bと12bと、両者間の位置的係合を規定する係合部5c,12cが設けられている。
【0127】
このような接続部5,12を備えた診療機器10、機能モジュール20は、図7(a)に矢印線で示すように係合させ、まず、両者の係合部5c,12cを係合させ、ついで、係止手段5bと12bが嵌め合わされるようにすると、図7(b)、(c)で図の右方向に付勢された係止手段5bが一旦係止手段12bに押されて、左方向にもどされ、さらに、最終的に両者が図7(b)、(c)に示すような状態で互いに嵌まり合うようになっており、この際、電気的接続部5a,12aの接続も達成されるようになっている。
【0128】
外すときには、診療機器10の係止手段5bを手操作により、図(b)、(c)の左方向に移動させ、係止手段5bと12bの嵌まり合いを解除し、機能モジュール20を外すようにすればよい。
【0129】
このようにして、診療機器10と機能モジュール20とは、簡単に交換可能に脱着することができ、双方を結合させた際には、両者は、機構的、あるいは、機能的に一体化し、共同して、所望の診療機能を実現することができる。
【0130】
また、電気的な接続と、機械的な接続を同時に簡単に達成することができるが、従来例のように、電気的な接続は、別途、接続線などで達成するようにしてもよい。
【0131】
また、両者の接続に関与する部分、具体的には、電気的接続部5a,12a、係止手段5bと12b、係合部5c,12cを、共通化、あるいは規格化しておくと、いずれの診療機器にもいずれの機能モジュールを接続することができる。
【0132】
図8は、本発明の医療用診療機器、機能モジュール、マルチジョイント方式のインスツルメントを示す外観斜視図である。
【0133】
この図において、18dは、機能モジュール20に内蔵され、認識付与手段11などの電気部品を搭載した基板である。また、接続部12の電気的接続部12aには、接続端子が並んでおり、診療機器10と機能モジュール20の接続がなされると、この接続端子と診療機器側の接続端子の電気的接続も達成される。
【0134】
インスツルメント16は上述したようにマルチジョイント方式となっているが、この例では、接続コード16e自身もマルチジョイント方式となっており、この接続コード16eと機能モジュール20側の接続部15との間の接続、及び、接続コード16eとハンドピース16aとの間の接続のいずれもマルチジョイント方式となっており、機能モジュール20側の接続部15に対して異なる種類の接続コード16eを、また接続コード16eに対して異なる種類、例えばトルクや最高回転数の異なるハンドピース16aを交換可能に装着することができる。
【0135】
更に、接続コード16e、ハンドピース16aのいずれにも、この場合、ID素子を用いた認識付与手段11Aが内蔵されており、これによって、機能モジュール20側、更には、診療機器10側では、接続された接続コード16e、ハンドピース16aの種類だけでなく、その個別管理データ、つまり、製造年月日、製造番号などまでも管理する際のコードとなるIDコードの送信を受けることができる。
【0136】
図9、図10、図11を用いて、モジュール認識手段について更に説明する。なお、ここで説明するモジュール認識手段は、診療機器10が接続された機能モジュール20を認識するためものではなく、機能モジュール20がこれに接続されたインスツルメントを認識するためものであるが、同様の構成は、診療機器10と機能モジュール20の間でも可能である。ここでは、モジュール認識手段の変形例として、これらを例示するものである。
【0137】
図9(a)は、本発明の医療用診療機器のモジュール認識手段を構成するコネクタの一例を示す概念図、(b)は(a)と組み合わせて用いる機能モジュール側の個別コネクタの一例を示す概念図、(c)は同個別コネクタの他例を示す概念図を示しており、図10は、このモジュール認識手段による機能モジュール認識の方法を説明するものである。
【0138】
これらの図9、10に示されたモジュール認識手段は、インスツルメントの個別コネクタの形状を機械電気的に検知するものである。
【0139】
このため、インスツルメント16(1)、(2)の接続部を構成する個別コネクタ16f(1)、16f(2)は、その種類に応じて異なる位置に異なる個数設けられた認識突起LTと、相手との接続回転位置を規定する係合切欠Cとを備えている。
【0140】
これに対して、機能モジュール側の接続部(コネクタ)15Aには、電気端子Pと、個別コネクタ16の認識突起LTの位置に合わせて複数のリミットスイッチLSA,LSB,LSC,LSDと係合切欠Cとが設けられている。
【0141】
また、これらのリミットスイッチLSA,LSB,LSC,LSDからの検知信号を受けるリミットスイッチ検出回路18eと、このリミットスイッチ検出回路18eからの出力を受けて電極Pへの接続を切り替える電極切換回路18fが、機能モジュール20に内蔵されている。
【0142】
こうして、インスツルメント16(1)を双方の係合切欠Cが一致するようにして接続部15Aに接続すると、リミットスイッチLSAだけがオンとなり、これによりインスツルメント16(1)であることが認識され、それに対応して、電極Pの接続も切り換えられる。インスツルメント16(2)が接続された場合には、リミットスイッチLSA、LSCがオンとなり、これによりインスツルメント16(2)であることが認識され、電極Pの接続も対応して切り換えられるようになっている。
【0143】
図11は、本発明の医療用診療機器のモジュール認識手段の他例を示す概念図である。
【0144】
このモジュール認識手段は、個々のインスツルメント16A(1)〜16A(4)に異なるインピーダンスI(1)〜I(4)を内蔵させ、コネクタ15Bに接続されたインスツルメント16A(1)〜16A(4)のインピーダンスI(1)〜I(4)を機能モジュール20に内蔵されたインピーダンス検出回路18gで検出して、いずれのインスツルメント16A(1)〜16A(4)が接続されたかを判別し、これによって、電極切換回路18fに切換指令を行うものである。
【0145】
なお、図9、10、11では、機能モジュールの接続部とこれに接続するインスツルメントの間でのモジュール認識手段について説明したが、上述したように、同様の構成は、診療機器10と機能モジュール20との間の接続についても用いることができる。
【0146】
図12は、本発明の機能モジュール型の医療用診療機器と機能モジュールの他例を示す外観斜視図である。
【0147】
この例では、機能モジュール型の医療用診療機器10Aは、接続部5Aを複数個、この例では、4個設けており、このいずれの接続部5Aにも、この接続部5Aに対応した接続部12Aを有する機能モジュール20Aを交換可能に接続することができるようになっている。
【0148】
このようにすると、個別の診療機能を有する機能モジュール20Aを必要に応じて複数個数、診療機器10Aに接続して、多数の診療機能を実現することができるようになる。
【0149】
図13は、本発明の機能モジュール型の医療用診療機器と機能モジュールの他例を示す外観斜視図である。
【0150】
この例では、機能モジュール型の医療用診療機器10には変わる所はないが、これに接続する機能モジュール20Bは、診療機器10側との接続部12に加え、さらに自身に他の機能モジュールを交換可能に接続する子モジュール接続部19を備えている点を特徴とする。
【0151】
したがって、図示したように、異なる個別の診療機能を備えた機能モジュール20Bを重畳的に接続することができ、図12の場合と同様に、一つの診療機器10によって、多数の診療機能を実現することができる。
【0152】
図14は、本発明の機能モジュール型の医療用診療機器と機能モジュールの他例を示すもので、(a)は全体を組み合わせた状態、(b)は各モジュールをそれぞれ別体とした状態の外観斜視図である。
【0153】
この例は、本発明の特徴である機能モジュール化を更に押し進めたものである。
【0154】
つまり、共通機能部という概念は保存しながらも、この共通機能部自体も更にモジュール化して、図示したように、表示モジュール51、操作モジュール52、電源モジュール53とし、これらと、個別の診療機能を備えた複数の機能モジュール54(1)、54(2)とを相互に交換可能に着脱可能に結合させて、全体として、必要な診療機能を達成しようとするものである。
【0155】
それぞれのモジュール51〜54は、規格化された接続部を備えており、この接続部によって、必要に応じて必要なモジュールだけを選択して結合させることができる。
【0156】
また、機能モジュール54(1)、54(2)にも必要に応じて、簡単な表示部54aや操作部54bを備えておいてもよく、この場合には、例えば、操作部54bを備えた機能モジュール54(1)と電源部53だけの組み合わせ、あるいは、表示部54aと操作部54bとを備えた機能モジュール54(2)と電源部53だけの組み合わせでも、一定の診療機能を達成することができる。
【0157】
図15は、本発明の機能モジュールの他例を示す外観斜視図であり、図16は、この機能モジュールを用いる医療用診療装置の一例を示す外観斜視図である。
【0158】
これらの図に示された機能モジュール20Cは、充電池を備えた電源部(不図示)を内蔵し、接続相手と無線によって通信することによって、必要なデータの送受を行い、所望の診療機能を達成するようになっている。
【0159】
このため、例えば、図示した機能モジュール20C(1)は、無線機能を備えた本体部であるモータハンドピース20a、このモータハンドピース20aに設けられた表示部20b、操作部20c、充電池の充電などのための端子20dを備え、モータハンドピース20aの先端にファイルFを装着して根管拡大を行うことができるものである。
【0160】
また、機能モジュール20C(1)は、更に根管長測定機能も有して、この測定のための正極20eと負極20fを備えている。さらに、図8のマルチジョイント方式のインスツルメント16に内蔵されたものと同様の、ID素子で構成された認識付与手段11Aを備えており、この認識付与手段11AからのIDコードもモジュールコードとして、無線送信するようになっている。
【0161】
このような機能モジュール20Cは、図16に示したような医療用診療装置70と組み合わせて用いられる。
【0162】
この医療用診療装置70は、患者を座位あるいは仰臥位に保持する診療台61と、診療に必要な表示を行うための表示部62、診療のための操作入力を受けるための操作部63、診療台61に内蔵され、診療のための作動電源を供給する電源部64などの共通機能部65と、機能モジュール20Cの載置台として機能するモジュール接続部66、患者がうがいなどをするためのスピットン部67、診療に必要な機器や、前述のモジュール接続部66を載置した移動テーブル68を備えている。
【0163】
移動テーブル68には、種々のハンドピースHPが出し入れ容易に収容されている。
【0164】
モジュール接続部66は、機能モジュール20Cとの無線通信機能を内蔵し、また、機能モジュール20Cの端子20cに対応した端子を設けた受け凹所26aが設けられており、ここに、機能モジュール20Cを交換可能に保持することができる。
【0165】
ただし、この場合は、単に機能モジュール20Cを保持し、端子20cを介して、この機能モジュール20Cに内蔵された充電池を充電することができるに留まるものである。しかしながら、それぞれの機能モジュール2OCの個別の診療機能は、モジュール接続部66と無線で必要なデータを送受することによって達成されるものであり、本発明でいう交換可能に診療装置あるいは診療機器と、機能モジュールが接続されるという範囲には、このような無線接続の場合も含むものである。
【0166】
なお、この図16には、医療用診療装置70で用いられる2種類の機能モジュール20C(1)、20C(2)が示されており、機能モジュール20C(1)は図16に示されたものと同様の根管長測定+拡大機能を持つものであり、機能モジュール20C(2)は、光重合機能を持つものである。
【0167】
また、医療用診療装置70と機能モジュール20Cとの間での無線通信には、いわゆるブルートゥース(Bluetooth)を用いると、安価でまた、ポイント・ツー・ポイント接続だけでなく、ポイント・ツー・マルチポイント接続も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0168】
【図1】本発明の機能モジュール型の医療用診療機器と機能モジュールの一例を示すもので、(a)は両者を組み合わせた状態の外観斜視図、(b)は医療用診療機器の外観斜視図、(c)は機能モジュールの外観斜視図
【図2】本発明の表示部の表示態様を示す図で、(a)は根管長測定時の表示態様、(b)は根管長測定+拡大時の表示態様、(c)は全てを表示させた場合の表示態様を示す図
【図3】本発明の表示部に対応した操作部の種々の態様を示す図で、(a1)、(a2)、(a3)はそれぞれ操作部がボタン型、表示付きボタン型、表示部一体型であって、表示が根管長測定時の態様となっている状態を示す図、(b1)、(b2)、(b3)は、同じ操作部について、それぞれ表示が根管長測定+拡大時の態様となっている状態を示す図
【図4】本発明の医療用診療機器と機能モジュールの一例を概念的に示すブロック図
【図5】(a)は本発明の医療用診療機器と機能モジュールの動作手順の一例を説明するフローチャート、(b)は診療機器側のメモリマップを示す図
【図6】本発明の医療用診療機器と機能モジュールの動作手順の他例を説明するフローチャート
【図7】本発明の医療用診療機器と機能モジュールとを接続する接続部について説明するもので、(a)は両者の結合方法の説明図、(b)は結合状態の要部断面図、(c)は電気的接続部の要部断面図
【図8】本発明の医療用診療機器、機能モジュール、マルチジョイント方式のインスツルメントを示す外観斜視図
【図9】(a)は本発明の医療用診療機器のモジュール認識手段を構成するコネクタの一例を示す概念図、(b)は(a)と組み合わせて用いる機能モジュール側の個別コネクタの一例を示す概念図、(c)は同個別コネクタの他例を示す概念図
【図10】本発明の医療用診療機器のモジュール認識手段の他例を示す概念図
【図11】本発明の医療用診療機器のモジュール認識手段の他例を示す概念図
【図12】本発明の機能モジュール型の医療用診療機器と機能モジュールの他例を示す外観斜視図
【図13】本発明の機能モジュール型の医療用診療機器と機能モジュールの他例を示す外観斜視図
【図14】本発明の機能モジュール型の医療用診療機器と機能モジュールの他例を示すもので、(a)は全体を組み合わせた状態、(b)は各モジュールをそれぞれ別体とした状態の外観斜視図
【図15】本発明の機能モジュールの他例を示す外観斜視図
【図16】本発明の機能モジュールを用いる医療用診療装置の一例を示す外観斜視図
【図17】従来の複合型の医療用診療機器を示す外観斜視図
【符号の説明】
【0169】
1 表示部
2 操作部
3 電源部
4 共通機能部
5 モジュール接続部
5 モジュール認識手段
7 マルチジョイント接続部
8 マルチジョイント方式のインスツルメント
10 医療用診療機器
11 認識付与手段
11A ID素子
11B 個別インピーダンス
11C 個別コネクタ
12 接続部
13 電池
14 治療機器
15 マルチジョイント接続部
16 マルチジョイント方式のインスツルメント
17 子モジュール接続部
20 機能モジュール
30 医療用診療機器
31 表示部
32 操作部
33 エネルギー供給手段
33A 電源回路
33B 給水手段
33C 給気手段
34 共通機能モジュールユニット
35 作動制御部
36 個別機能モジュールユニット
37 電気的接続部
38 機械的接続部
40 医療用機能モジュールユニット
61 診療台
62 表示部
63 操作部
64 電源部
65 共通機能部
66 モジュール接続部
70 医療用診療装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
診療に必要な表示を行うための表示部、診療のための操作入力を受けるための操作部、前記診療機器の作動電源を供給する電源部のいずれか少なくとも一つを備えた共通機能部と、個別の診療機能を備えた機能モジュールを交換可能に接続するモジュール接続部とを備え、接続された機能モジュールの診療機能を前記共通機能部で利用できるようにしたことを特徴とする機能モジュール型の医療用診療機器。
【請求項2】
請求項1に記載の医療用診療機器において、
前記モジュール接続部は、前記機能モジュールを電気的あるいは機械的に着脱可能に接続するものであることを特徴とする機能モジュール型の医療用診療機器。
【請求項3】
請求項2に記載の医療用診療機器において、
前記モジュール接続部は、前記機能モジュールを接続した際には、相互に接続された前記医療用診療機器と前記機能モジュールを機構的または機能的に一体化するようになっていることを特徴とする機能モジュール型の医療用診療機器。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の医療用診療機器において、
前記モジュール接続部は、前記機能モジュールを互換可能に接続するものであることを特徴とする機能モジュール型の医療用診療機器。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の医療用診療機器において、
前記診療機器に、更に、いずれの機能モジュールが接続されたかを認識するモジュール認識手段を備えたことを特徴とする機能モジュール型の医療用診療機器。
【請求項6】
請求項5に記載の医療用診療機器において、
前記モジュール認識手段は、接続された機能モジュールに登録されたモジュールコードを通信によって受信し、このモジュールコードによって、いずれの機能モジュールが接続されたかを認識するものであることを特徴とする機能モジュール型の医療用診療機器。
【請求項7】
請求項5に記載の医療用診療機器において、
前記モジュール認識手段は、接続された機能モジュールに備えられたID素子から送出されるIDコードを認識するものであることを特徴とする機能モジュール型の医療用診療機器。
【請求項8】
請求項5に記載の医療用診療機器において、
前記モジュール認識手段は、接続された機能モジュールの個別インピーダンスを検知して、いずれの機能モジュールが接続されたかを認識するものであることを特徴とする機能モジュール型の医療用診療機器。
【請求項9】
請求項5に記載の医療用診療機器において、
前記モジュール認識手段は、接続された機能モジュールの個別コネクタ形状を機械電気的に検知して、いずれの機能モジュールが接続されたかを認識するものであることを特徴とする機能モジュール型の医療用診療機器。
【請求項10】
請求項5から9のいずれかに記載の医療用診療機器において、
いずれの機能モジュールが接続されたかの認識がされた後には、相互に接続された前記医療用診療機器と前記機能モジュールとの間で通信が行われるようになっていることを特徴とする機能モジュール型の医療用診療機器。
【請求項11】
請求項10に記載の医療用診療機器において、
前記医療用診療機器と前記機能モジュールとの間で通信される通信情報は、前記機能モジュールの診療機能に係る表示、操作入力、診療データの情報、接続されるインスツルメントの機器情報及び制御情報の少なくともいずれか一つであることを特徴とする機能モジュール型の医療用診療機器。
【請求項12】
請求項11に記載の医療用診療機器において、
前記通信情報を用いて、前記共通機能部に備えられた表示部、操作部、電源部などが、接続され認識された機能モジュールの診療機能に対応したモードにモード設定され、この診療機能が実行されるようになっていることを特徴とする機能モジュール型の医療用診療機器。
【請求項13】
請求項10から12のいずれかに記載の医療用診療機器において、
前記モード設定及び前記診療機能の実行のための制御ソフトが、接続された機能モジュールに予め記憶保存されたものであることを特徴とする機能モジュール型の医療用診療機器。
【請求項14】
請求項10から12のいずれかに記載の医療用診療機器において、
前記モード設定及び前記診療機能の実行のための制御ソフトが、前記診療機器に予め記憶保存された汎用制御ソフトを用いたものであることを特徴とする機能モジュール型の医療用診療機器。
【請求項15】
請求項14に記載の医療用診療機器において、
前記診療機器に記憶保存された汎用制御ソフトは、この診療機器に予め通信により転送されたものであることを特徴とする機能モジュール型の医療用診療機器。
【請求項16】
請求項1から15のいずれかに記載の医療用診療機器において、
前記モジュール接続部は、前記機能モジュールを複数個接続可能となっていることを特徴とする機能モジュール型の医療用診療機器。
【請求項17】
請求項1から16のいずれかに記載の医療用診療機器において、
個別の診療機能とマルチジョイント接続部を備えて、前記診療機能に対応したマルチジョイント方式のインスツルメントを着脱可能に接続できるようにしたことを特徴とする機能モジュール型の医療用診療機器。
【請求項18】
請求項1から17のいずれかに記載の医療用診療機器において、
前記共通機能部の作動電源となる電池を備えたことを特徴とする機能モジュール型の医療用診療機器。
【請求項19】
医療用診療機器と組み合わせて用いる機能モジュールであって、
個別の診療機能と、前記診療機器に交換可能に接続するための接続部と、前記診療機器に自己を認識させるための認識付与手段とを備えたことを特徴とする機能モジュール。
【請求項20】
請求項19に記載の機能モジュールにおいて、
前記接続部は、前記機能モジュールを前記診療機器に電気的あるいは機械的に着脱可能に接続するものであることを特徴とする機能モジュール。
【請求項21】
請求項20に記載の機能モジュールにおいて、
前記接続部は、前記機能モジュールを前記診療機器に接続した際には、相互に接続された前記医療用診療機器と前記機能モジュールとを機構的または機能的に一体化するようになっていることを特徴とする機能モジュール。
【請求項22】
請求項19から21のいずれかに記載の機能モジュールにおいて、
前記接続部は、前記機能モジュールを前記診療機器に互換可能に接続するものであることを特徴とする機能モジュール型の医療用診療機器。
【請求項23】
請求項22に記載の機能モジュールにおいて、
前記接続部は、複数の機能モジュールに関して、同一の規格化されたものとなっていることを特徴とする機能モジュール。
【請求項24】
請求項19から23のいずれかに記載の機能モジュールにおいて、
更に、マルチジョイント方式のインスツルメントを着脱可能に接続できるマルチジョイント接続部を備えたことを特徴とする機能モジュール。
【請求項25】
請求項19から24のいずれかに記載された機能モジュールにおいて、
更に、個別の診療機能を備えた機能モジュールを交換可能に接続する子モジュール接続部を備えたことを特徴とする機能モジュール。
【請求項26】
請求項19から25のいずれかに記載された機能モジュールにおいて、
更に、前記診療機能の実行のための作動電源となる電池を備えたことを特徴とする機能モジュール。
【請求項27】
請求項19から26のいずれかに記載された機能モジュールにおいて、
前記医療用診療機器と接続された際にこの診療機器と通信し協働して前記診療機能を実行させる制御ソフトを予め記憶保存したことを特徴とする機能モジュール。
【請求項28】
請求項1から18のいずれかに記載の診療機器に、請求項19から27のいずれかに記載の機能モジュールを組み合わせたことを特徴とする機能モジュール型の医療用診療機器。
【請求項29】
患者を座位あるいは仰臥位に保持する診療台と、診療に必要な表示を行うための表示部、診療のための操作入力を受けるための操作部、診療のための作動電源を供給する電源部などの共通機能部とを備えた医療用診療装置であって、
個別の診療機能を備えた機能モジュールを交換可能に接続するモジュール接続部を備え、接続された機能モジュールの診療機能を前記共通機能部で利用できるようにしたことを特徴とする機能モジュールを用いる医療用診療装置。
【請求項30】
少なくとも診療に必要な表示を行うための表示部、診療のための操作入力を受けるための操作部とを設けた共通機能モジュールユニットに、個別の診療機能に対応して必要な作動制御部を組み込んで構成された複数種類の個別機能モジュールユニットを取替可能に着脱させて使用するようにした医療用機能モジュールユニットであって、
上記共通機能モジュールユニットと、それぞれの個別機能モジュールユニットとは両者を一体的に合体接続するための電気的接続部と機械的接続部とを相互に対応させて設けており、
それぞれの個別機能モジュールユニットが前記共通機能モジュールユニットに接続されたときには、前記共通機能モジュールユニットは、接続された個別機能モジュールユニットとの間で通信を通じていずれの個別機能モジュールユニットが接続されたかを識別し、前記共通機能モジュールユニットの表示部及び操作部とを、前記個別機能モジュールユニットに対応したモードに切替えて、接続された個別機能モジュールユニットの表示、操作機能として機能するようにしている医療用機能モジュールユニット。
【請求項31】
請求項30に記載の医療用診療機器において、
前記共通機能モジュールユニットは、接続される個別機能モジュールユニットへ供給するための電源回路、給水手段、給気手段のいずれか少なくとも一つを備えたエネルギー供給手段を内蔵していることを特徴とする医療用機能モジュールユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2008−246202(P2008−246202A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−59674(P2008−59674)
【出願日】平成20年3月10日(2008.3.10)
【分割の表示】特願2001−150189(P2001−150189)の分割
【原出願日】平成13年5月18日(2001.5.18)
【公序良俗違反の表示】
特許法第64条第2項第4号の規定により図面の一部または全部を不掲載とする。
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000138185)株式会社モリタ製作所 (173)
【Fターム(参考)】