説明

植物繊維系断熱マットの製造方法

【課題】取り扱い性に優れるパルプ繊維製断熱マットを提供すること。
【解決手段】通気性を有する底壁12上に第1の面材M1を載置する。次に、側壁内で第1の面材M1上に、のパルプ繊維を接着剤と共に吹き付けて第1のパルプ繊維層S1を形成する。次に、第1のパルプ繊維層S1上に第2の面材M2を載置し、この上にパルプ繊維を接着剤と共に吹き付けて第2のパルプ繊維層S2を形成する。このような手順により4つのパルプ繊維層が積層された積層体30を形成する。次に、積層体30の上に圧縮用の鉄板を載置して圧縮する。圧縮後、鉄板を取り外し、通気性を有する上蓋を積層体30の上面に載置する。そして、型枠と上蓋とで保持された積層体30を乾燥炉に搬入し、熱風機を用いた熱風により乾燥させる。乾燥後、型枠、上蓋を取り外し、パルプ繊維製断熱マットが得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は植物繊維系(パルプ繊維(再生パルプ繊維を含む)、木材繊維、麻繊維、竹繊維など)断熱マットの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の断熱材に使用されている材料は、主に石油を原料とする発泡樹脂系および鉱物繊維系の断熱材である。発泡樹脂系の断熱材の施工方法は、吹付け工法、充填工法、押出マット成形等の施工法である。鉱物繊維系の断熱材の施工方法は、主にマット状にした施工方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−127872
【特許文献2】特開2007−230228
【特許文献3】特開2000−160713
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、石油を原料とする発泡樹脂系および鉱物繊維系の断熱材では下記の不具合が生じる。
発泡樹脂系断熱材の施工時のフロンガス使用による地球環境破壊の問題
発泡樹脂系断熱材の火災時の有害ガス発生の問題
鉱物繊維系断熱材の粉塵(ハウスダスト等)発生の懸念に関する問題
発泡樹脂系および鉱物繊維系断熱材の製造時CO2排出量の増大による環境破壊問題
【0005】
上述の問題を解決するためパルプ繊維(新聞残紙等をリサイクルし綿状、繊維状にして再生した再生パルプ繊維を含む)などの植物繊維を用いることが考えられる。
しかしながら、植物繊維の主な適用分野は、建築物の断熱材としての用途が主流であった。
また、植物繊維の主な施工方法は、吹付け工法、吹込み工法、充填工法の3種類であった。
そこで、本発明者は、植物繊維の断熱材としての適用範囲を拡大する為に、植物繊維をマット状およびフェルト状(以下マットと略記)に成型する技術を発明することにより、より広範囲な市場への適用を目指す。
なお、本発明の植物繊維断熱材のマット状に施工する方法は、湿式工法と乾式工法の2種類がある。
【0006】
植物繊維をマット状に成形する技術を発明することにより、断熱材としての適用範囲を拡大し、建築分野以外の新たな分野への断熱工法の提案を可能にした。例えば、輸送用冷凍コンテナ、事務所ビル用不燃区画、クリーンルーム、家電製品、自動車などの断熱材として応用が考えられる。
したがって、本発明の目的は、建物の省エネと火災安全の問題を考慮して、植物繊維を用いて、次世代の断熱工法を実現することを目指したものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため本発明の植物繊維製断熱マットの製造方法は、型枠の通気性を有する底壁上に、可撓性および通気性を有する第1の面材を載置する工程と、前記第1の面材上に、予め定められた重量の植物繊維を、前記第1の面材上での高さが均一になるように接着剤と共に積層して第1の植物繊維層を形成する工程と、前記第1の植物繊維層の上に可撓性および通気性を有する第2の面材を載置する工程と、前記第2の面材上に、予め定められた重量の植物繊維を接着剤と共に、前記第2の面材上での高さが均一になるように積層して第2の植物繊維層を形成する工程と、このような工程により型枠の底壁上に複数の植物繊維層を積層した積層体を形成する工程と、前記植物繊維層を形成する毎にそれら植物繊維層を圧縮する、または、前記積層体を圧縮する工程と、型枠の底壁上で前記積層体を一定の厚さに維持した状態で乾燥炉に搬入して乾燥させる工程と、乾燥後、前記型枠を取り外して植物繊維製断熱マットを得る工程とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の製造方法によれば、植物繊維が面材と絡み合い、植物繊維層が剥がれにくい植物繊維製断熱マットが得られ、得られた植物繊維製断熱マットは、取り扱い性に優れたものとなる。
したがって、本発明の製造方法によれば、取り扱い性に優れた植物繊維製断熱マットが得られることから、植物繊維製の断熱材としての適用範囲を拡大し、建築分野以外の新たな分野への断熱工法への応用が可能となり、次の効果が奏される。
植物繊維断熱材の施工にはフロンガスを使用しない(ノンフロン工法)。
防燃処理を施した植物繊維断熱材は、不燃材料または難燃材料としての性能を有し火災時に有害ガスが発生しない。
植物繊維の中でも再生パルプ繊維を用いた場合には、再生パルプ繊維は、新聞紙等の古紙を再び繊維状、綿状にしたものを主原料とし、地球資源の有限を考慮した高環境対応型の断熱材料である(リサイクル材料)。
鉱物繊維系のような粉塵の発生が少ない。
すなわち、環境問題と火災安全を考慮した技術革新性の高い付加価値を有する植物繊維製断熱マットを用いた様々な断熱工法が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】型枠の斜視図である。
【図2】型枠の底壁に第1の面材を載置した状態の斜視図である。
【図3】型枠にカバーを取り付けた状態の斜視図である。
【図4】第1の面材の上に第1のパルプ繊維層を形成した状態の断面図である。
【図5】第1のパルプ繊維層の上に第2の面材を載置した状態の断面図である。
【図6】第2の面材の上に第2のパルプ繊維層を形成した状態の断面図である。
【図7】型枠の底壁上に第1乃至第4のパルプ繊維層からなる積層体を形成した状態の断面図である。
【図8】積層体の上に圧縮用鉄板を載置した状態の斜視図である。
【図9】積層体の上に圧縮用鉄板を載置した状態の断面図である。
【図10】圧縮された積層体の上に上蓋を載置した状態の斜視図である。
【図11】圧縮された積層体の上に上蓋を載置した状態の断面図である。
【図12】パルプ繊維の吹き付け時に、バキュームポンプ、ホースを介してカバー板の内側の閉塞空間の空気を吸引する説明図である。
【図13】パルプ繊維製断熱マットの斜視図である。
【図14】パルプ繊維製断熱マットの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面にしたがって説明する。
なお、本実施の形態では、パルプ繊維(再生パルプ繊維を含む)、木材繊維、麻繊維、竹繊維などの植物繊維のうち、パルプ繊維を用いた場合について説明する。
まず、図1に示すように、通気性を有する矩形状の底壁12と、底壁の互いに対向する2箇所(長辺)から起立する一対の側壁14と、底壁の互いに対向する2箇所(短辺)から起立し一対の側壁14の長手方向の両端を接続する一対の端面壁15とを有する型枠16を設ける。
底壁12は、例えば、図4に示すように、鋼棒が格子状に組まれた鋼製の格子体18と、この格子体18の上に載置されたパンチングメタル20と、パンチングメタル20の上に載置されたメッシュシート22とで構成されている。
底壁12をこのように通気性を有する構造にすることで、後述するパルプ繊維の吹き付け性が高められ、また、後述する乾燥炉において熱風が通過しやすくなり乾燥効率が高められるように図られている。
本実施の形態では、底壁12の短辺は600mmであり、長辺は1200mmである。
側壁14および端面壁15は鋼板製で、底壁12の上面からの側壁14および端面壁15の高さは、得ようとするパルプ繊維製断熱マットの厚さよりも大きな寸法で形成されている。
【0011】
次に、図2に示すように、底壁12の全域上に、すなわち、一対の側壁14及び一対の端面壁15の内側の底壁12上に、可撓製および通気性を有する第1の面材M1を載置する。
このような面材M1として、合成樹脂製繊維やガラス繊維など、従来公知の様々な材料からなる不織布やネットが使用可能である。
【0012】
次に、図3に示すように、一対の側壁14及び一対の端面壁15の上方の延長上に位置するように、4つの側面部を有するカバー24を設置する。
このカバー24は、後述するパルプ繊維の吹き付けの際の粉塵の飛散を抑制でき、作業環境を向上する上で有利となる。
カバー24は、木製であってもよく、あるいは、合成樹脂製であってもよい。
【0013】
次に、一対の側壁14及び一対の端面壁15の内側で第1の面材M1上に、予め定められた重量のパルプ繊維を、第1の面材M1上での高さが均一になるように接着剤と共に吹き付けて(積層して)第1のパルプ繊維層(第1の植物繊維層)S1を形成する。
なお、第1のパルプ繊維層(第1の植物繊維層)S1の形成は、パルプ繊維を吹き付けた後に均一の高さとなるよう上面を均してもよい。
吹きつけは、吹き付けガン、ポンプなどを用いて手動操作により行なってもよく、あるいは、吹き付けガン、ポンプ、ロボットなどを用いて自動的に行うようにしてもよい。
吐出量は、本実施の形態では、パルプ繊維の密度が20〜100Kg/mになるように調整した。
【0014】
この場合、図12に示すように、底壁12に対応する箇所に孔を開けた板2602と、この板2602を支持する脚部2604と、板2602と脚部2604の周囲に取着されたカバー板2606とを有する台26を設けておく。そして、この板2602の上で孔を覆うように型枠16を載せ、パルプ繊維の吹き付け時に、バキュームポンプ、ホース2608を介してカバー板2606の内側の閉塞空間の空気を吸引するようにすると、パルプ繊維の吹き付けの際の粉塵の飛散を抑制でき、作業環境を向上する上で有利となる。また、パルプ繊維を均一に積層する上でも、また、パルプ繊維を第1の面材M1に絡み合わせる上でも有利となる。
【0015】
吹き付けるパルプ繊維として市販品が使用可能であり、例えば、王子製袋株式会社製の商品名「ダンパック」が使用可能である。
また、湿式工法の場合、パルプ繊維と接着剤を同時に吹き付け施工するか、予めパルプ繊維に接着剤を混ぜ合わせた材料を水と一緒に吹き付け施工する。
接着剤は、水性接着剤や水溶性接着剤などが好適である。
また、乾式工法の場合には、予めパルプ繊維に接着剤を混ぜ合わせた材料を吹き付け施工する。
接着剤は、熱溶融性のものが好適である。
【0016】
次に、このように第1のパルプ繊維層S1を形成したならば、図5に示すように、第1のパルプ繊維層S1の全域上に可撓性および通気性を有する第2の面材M2を載置する。
第2の面材M2の材質は、第1の面材M1と同様である。
【0017】
次に、一対の側壁14及び一対の端面壁15の内側で第2の面材M2上に、図6に示すように、予め定められた重量のパルプ繊維を、第2の面材M2上での高さが均一になるように吹き付けて第2のパルプ繊維層(第2の植物繊維層)S2を形成する。
なおこの場合も、第2のパルプ繊維層S2の形成は、パルプ繊維を吹き付けた後に均一の高さとなるよう上面を均してもよい。
また、パルプ繊維の吹き付け時に、カバー板2606の内側の閉塞空間の空気を吸引するようにすると、作業環境を向上する上で、また、パルプ繊維を均一に積層する上で、また、パルプ繊維を第1の面材M1に絡み合わせる上で有利となる。
ここで、本実施の形態では、予め定められた重量とは、第1のパルプ繊維層S1を形成する際の吹き付けの重量と同一である。
また、第2のパルプ繊維層S2は、第1のパルプ繊維層S1と同じ厚さで形成する。
吹きつけは、前記と同様に、手動操作により行なってもよく、自動的に行うようにしてもよい。
用いるパルプ繊維、接着剤は前記と同様である。
【0018】
本実施の形態ではこのような手順により、図7に示すように、第3、第4の面材M4を用いて第3、第4のパルプ繊維層(第3、第4の植物繊維層)S3、S4を形成し、4つのパルプ繊維層(植物繊維層)が積層された積層体30を形成する。
ここで、第3、4の面材M3、M4の材質は、第1、第2の面材M1、M2と同様である。
また、第3、第4のパルプ繊維層S3、S4を形成するための吹き付け重量は、第1、第2のパルプ繊維層S1、S2と同一の重量であり、第3、第4のパルプ繊維層S3、S4の厚さは、第1、第2のパルプ繊維層S1、S2と同一である。
なお、第1乃至第4のパルプ繊維層S1〜S4の厚さを、それぞれ異なる値に設定しても良いことは無論のことであるが、この実施の形態のように等しい厚さで形成しておくと、面の全域にわたり均一な断熱性能を発揮させる上で有利となり、また、意匠上も有利となる。
吹きつけは、前記と同様に、手動操作により行なってもよく、自動的に行うようにしてもよく、第3、第4のパルプ繊維層S3、S4の吹き付けに用いるパルプ繊維、接着剤は前記と同様である。
また、パルプ繊維の吹き付け時に、カバー板2606の内側の閉塞空間の空気を吸引するようにすると、作業環境を向上する上で、また、パルプ繊維を均一に積層する上で、また、パルプ繊維を第1の面材M1に絡み合わせる上で有利となる。
【0019】
次に、図8、図9に示すように、カバー24を取り外して積層体30の上に圧縮用の鉄板32を載置し、この鉄板32を底壁12に対して平行状態を保ちつつ底壁12に近づけ積層体30が予め定められた厚さになるまで、本実施の形態では、100mmの厚さになるまで積層体30を圧縮する。
圧縮用の鉄板32は、平板部3202と、平板部3202の下面から下方に突出され側壁14内に挿入される矩形板状の挿入部3204とを備えている。
この場合、図8に示すように、4隅からガイドロッド3402が突設された基台34を用意する。
各ガイドロッド3402には、基台34から同一の高さとなるようにストッパ3404を螺合しておく。
また、平板部3202の4隅には、ガイドロッド3402が挿通される挿通孔3206を形成しておく。
そして、積層体30が形成された型枠16を載置し、4隅の挿通孔3206に夫々ガイドロッド3402を挿通させて積層体30の上に、複数の重りが載せられた圧縮用の鉄板32の挿入部3204を載置する。
【0020】
これにより、時間の経過と共に鉄板32は積層体30を圧縮しつつ下降していき、やがてストッパ3404に当接する。
平板部3202がストッパ3404に当接したならば、4つのストッパ3404を等量下降させ、さらに、時間の経過と共に鉄板32を下降させて積層体30を圧縮する。
このようにストッパ3404の位置を調整して鉄板32による積層体30の圧縮を複数回行ない、所望の厚さとし、本実施の形態では、4回の圧縮により積層体30の厚さを100mmとした。
積層体30を所望の厚さにするまで、このように圧縮を複数回に分けて行なうと、底壁12の全域において圧縮を均等に行なう上で有利となる。
なお、この圧縮は、各パルプ繊維層S1、S2、S3、S4を形成する毎に、例えば、各パルプ繊維層層S1、S2、S3、S4が25mm(所定の)の厚さとなるように行なってもよい。このように各パルプ繊維層S1、S2、S3、S4を形成する毎に圧縮を行なうと、面材M2、M3、M4の平坦性を確保する上で有利となる。
【0021】
積層体30が所望の厚さになったならば、鉄板32を取り外し、図10、図11に示すように、通気性を有する上蓋36を積層体30の上面に載置し、上蓋36を型枠16に適宜治具などを用いて取り付ける。この上蓋36と型枠16により積層体30の厚さを一定に維持する。
上蓋36の構成は、底壁12の上下を逆にした構成と同様であり、最も上位に位置し鋼棒が格子状に組まれた鋼製の格子体18と、この格子体18の下に設けられたパンチメタル20、パンチングメタル20の下に設けられたメッシュシート22で構成されている。
上蓋36に通気性を持たせることで、後述する乾燥炉において熱風が通過しやすくなり乾燥効率が高められるように図られている。
【0022】
そして、型枠16と上蓋36とで保持された積層体30を乾燥炉に搬入し、熱風機を用いた熱風により乾燥させる。
乾燥後、型枠16、上蓋36を取り外し、図13に示すパルプ繊維製断熱マット(植物繊維製断熱マット)40が得られる。
なお、積層体30の乾燥には、従来公知の様々な形式の乾燥機が使用可能である。
【0023】
本発明の製造方法によれば、パルプ繊維の吹き付け時に、底壁12や面材が通気性を有することから、吹き付け作業が効率良く行われ、同時に、パルプ繊維が接着剤と共に面材に絡み易い。
したがって、パルプ繊維が第1乃至第4の面材M1、M2、M3、M4と絡み合い、パルプ繊維層が剥がれにくい構造となり、取り扱い性に優れたパルプ繊維製断熱マット40が得られる。
得られたパルプ繊維製断熱マット40は、所望の形状になるように、外周部や適宜箇所をカットして使用してもよい。
あるいは、図13に想像線イで示すように、得られたパルプ繊維製断熱マット40を、例えば、100mmの幅で短冊状にカットして細長の断熱マット片40Aを作り、図14に示すように、それら断熱マット片40Aの向きを90度変え、左右に位置する面同士を接着剤で接着してパルプ繊維製断熱マット40としてもよい。この断熱マット片40Aからなるパルプ繊維製断熱マット40は、強度および熱伝導率において優れたものとなる。
また、得られたパルプ繊維製断熱マット40は防音マットとしても使用可能である。
【0024】
なお、本実施の形態では、第1、第2、第3、第4のパルプ繊維層S1、S2、S3、S4を形成する際に、パルプ繊維を吹き付けた場合について説明したが、例えば、ベルト搬送ライン上に複数の型枠16を載せておき、搬送される型枠16の上方から、パルプ繊維を吹き付けずに攪拌機から均一に落下させて積層し、パルプ繊維製断熱マット40を量産するようにしてもよい。
また、長尺のパルプ繊維製断熱マットを製造する場合には、型枠16は、底壁12と、底壁から起立する一対の側壁14を有していればよく、一対の端面壁15は不要となる。この場合には、乾燥後で、型枠16、上蓋36を取り外した後、一対の側壁14の長手方向の両端に対応するパルプ繊維製断熱マット40の箇所を、所定の寸法となるように切断すればよい。
また、用途に応じ、パルプ繊維製断熱マット40に防燃処理を施すなど任意である。
また、パルプ繊維製断熱マット40を構成するパルプ繊維層の数は任意である。
また、本実施の形態では、植物繊維としてパルプ繊維を用いた場合について説明したが、本発明は、木材繊維、麻繊維、竹繊維などその他の植物繊維に広く適用可能である。
【符号の説明】
【0025】
12……底壁、14……側壁、16……型枠、32……圧縮用の鉄板、30……積層体、36……上蓋36、M1……第1の面材、M2……第2の面材、M3……第3の面材、M4……第4の面材、S1……第1のパルプ繊維層、S2……第2のパルプ繊維層、S3……第3のパルプ繊維層、S4……第4のパルプ繊維層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
型枠の通気性を有する底壁上に、可撓性および通気性を有する第1の面材を載置する工程と、
前記第1の面材上に、予め定められた重量の植物繊維を、前記第1の面材上での高さが均一になるように接着剤と共に積層して第1の植物繊維層を形成する工程と、
前記第1の植物繊維層の上に可撓性および通気性を有する第2の面材を載置する工程と、
前記第2の面材上に、予め定められた重量の植物繊維を接着剤と共に、前記第2の面材上での高さが均一になるように積層して第2の植物繊維層を形成する工程と、
このような工程により型枠の底壁上に複数の植物繊維層を積層した積層体を形成する工程と、
前記植物繊維層を形成する毎にそれら植物繊維層を圧縮する、または、前記積層体を圧縮する工程と、
型枠の底壁上で前記積層体を一定の厚さに維持した状態で乾燥炉に搬入して乾燥させる工程と、
乾燥後、前記型枠を取り外して植物繊維製断熱マットを得る工程と、
を備えることを特徴とする植物繊維製断熱マットの製造方法。
【請求項2】
前記乾燥させる工程における前記積層体の厚さの維持は、前記積層体の上に通気性を有する上蓋を載置し、前記上蓋を前記型枠に取り付けることで行なう、
ことを特徴とする請求項1記載の植物繊維製断熱マットの製造方法。
【請求項3】
前記底壁の下方で該底壁との間に閉塞空間を設け、
前記植物繊維の積層時に、前記閉塞空間内の空気を吸引するようにした、
ことを特徴とする請求項1または2記載の植物繊維製断熱マットの製造方法。
【請求項4】
前記型枠は、前記底壁の互いに対向する2箇所から起立する一対の側壁を有し、
前記第1の面材の載置及び前記第1、第2の植物繊維層の形成は、前記一対の側壁の内側で行なわれる、
ことを特徴とする請求項1乃至3に何れか1項記載の植物繊維製断熱マットの製造方法。
【請求項5】
前記乾燥後で、前記型枠を取り外した後、前記一対の側壁の長手方向の両端に対応する前記植物繊維製断熱マットの箇所を切断する、
ことを特徴とする請求項4記載の植物繊維製断熱マットの製造方法。
【請求項6】
前記型枠は、前記底壁の互いに対向する2箇所から起立する一対の側壁と、前記底壁の互いに対向する2箇所から起立し前記一対の側壁の長手方向の両端を接続する一対の端面壁を有し、
前記第1の面材の載置及び前記第1、第2の植物繊維層の形成は、前記一対の側壁及び前記一対の端面壁の内側で行なわれる、
ことを特徴とする請求項1乃至3に何れか1項記載の植物繊維製断熱マットの製造方法。
【請求項7】
前記複数の植物繊維層は、前記植物繊維が同じ厚さで積層される、
ことを特徴とする請求項1乃至6に何れか1項記載の植物繊維製断熱マットの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−69006(P2011−69006A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−220033(P2009−220033)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(302060926)株式会社フジタ (285)
【出願人】(591033261)王子製袋株式会社 (9)
【Fターム(参考)】