説明

検証装置、検証方法及び検証プログラム

【課題】シミュレーション精度が悪い部分についての検証精度の低下を抑制する。
【解決手段】検証装置は、シミュレーションにより第1及び第2のパターンを算出して、第1及び第2のパターンのシミュレーションデータを作成する手段と、製造プロセスにより製造された半導体装置が有する第1のパターンの寸法と、シミュレーションデータにおける第1のパターンの寸法との差分値を記憶する記憶手段と、差分値からシミュレーションデータにおける第2のパターンの移動量を算出する手段と、シミュレーションデータにおける第2のパターンの位置を、所定方向に移動量の値に応じて移動させて、第1のパターンと第2のパターンとの重なり面積が所定基準を満たすか否かを判定する手段と、所定基準を満たしていないと判定された場合、エラー情報を出力する手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シミュレーションを用いて作成されたデータの検証に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ゲート層や配線層のパターンの幅、隣接パターンまでの距離などの1次元的なルールに従ってレイアウトを検証する方法がある。更に、65nmノード以降は、上記のような1次元的なルールでは表しきれない現象が顕著となってきており、シミュレーションを用いた検証が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−181523号公報
【特許文献2】特開2007−273871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シミュレーションを用いて作成されたデータの検証では、例えば、メタル層のパターンとビア層又はコンタクト層のパターンとの接触部分を検証する。この場合、シミュレーションによって半導体基板上に形成されるビア層又はコンタクト層のパターン及びメタル層のパターンを計算する。そして、ビア層又はコンタクト層のパターンとメタル層のパターンとのAND図形からビア層又はコンタクト層のパターンとメタル層のパターンとの重なり面積(接触面積)を求める。ビア層又はコンタクト層のパターンとメタル層のパターンとの重なり面積が十分に確保されていない場合、エラーとして検出される。
【0005】
しかし、シミュレーションを用いた検証では、シミュレーション精度が悪い部分に、メタル層のパターンとビア層又はコンタクト層のパターンとの接触部分がある場合、検証精度が低下するという問題がある。本件は、シミュレーションを用いた検証において、シミュレーション精度が悪い部分についての検証精度の低下を抑制する技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本件の一観点によれば、検証装置は、半導体装置を製造するために用いられるデータに基づいてシミュレーションにより第1及び第2のパターンを算出して、第1及び第2のパターンのシミュレーションデータを作成する作成手段と、シミュレーションデータにおける第1のパターンの寸法と、半導体装置を製造するために用いられるデータに基づいて製造プロセスにより製造された半導体装置が有する第1のパターンの寸法との差分値を記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶されている差分値からシミュレーションデータにおける第2のパターンの移動量を算出する算出手段と、シミュレーションデータにおける第2のパターンの位置を、所定方向に移動量の値に応じて移動させて、第1のパターンと第2のパターンとの重なり面積が所定基準を満たすか否かを判定する判定手段と、所定基準を満たしていないと判定された場合、エラー情報を出力する出力手段と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本件によれば、シミュレーションを用いた検証において、シミュレーション精度が悪い部分についての検証精度の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】設計データの一例を示す図である。
【図2】模擬パターン及び製造パターンを示す図である。
【図3】検証装置のハードウェア構成図である。
【図4】検証装置の機能ブロック図である。
【図5】テストパターンの一例を示す図である。
【図6】I字型差分テーブルの例を示す図である。
【図7】T字型差分テーブルの例を示す図である。
【図8】実施例1に係る検証方法の処理を示すフロー図である。
【図9】設計データの一部を示す図である。
【図10】先端近傍エリアが生成された後の設計データを示す図である。
【図11】先端近傍エリアが生成された後の設計データの一部を示す図である。
【図12】シミュレーションデータにおける接続層のパターン形状の位置を、所定方向に形状移動量の値に応じて移動する処理の例を示す図である。
【図13】シミュレーションデータに対して、製造パターンについての接続層のパターン形状を重ね合わした図である。
【図14】接続層が複数の先端近傍エリアと重なる場合における設計データの一部を示す図である。
【図15】シミュレーションデータにおける2分割した接続層2のパターン形状の位置を形状移動量の値に応じて所定方向に向けて移動する処理の例を示す図である。
【図16】テストパターンの一例を示す図である。
【図17】メタル層のパターン形状の幅方向における寸法差分が記録された差分テーブルの例を示す図である。
【図18】実施例2に係る検証方法の処理を示すフロー図である。
【図19】接続層周辺エリアが生成された後の設計データを示す図である。
【図20】接続層周辺エリアが生成された設計データの一部を示す図である。
【図21】AND面積の比率を算出する処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態に係る検証装置及び検証方法について具体例を挙げて説明する。
【0010】
本実施形態に係る検証方法では、設計データ(デザインデータ)が参照され、シミュレーションによってメタル層及び接続層のパターンが算出され、メタル層及び接続層のパターンのシミュレーションデータが作成される。そして、本実施形態に係る検証方法では、シミュレーションデータにおけるメタル層のパターンと接続層のパターンとの接触面積(重なり面積)が計算される。図1は、設計データの一例を示す図である。図1に示す設計データには、メタル層1及び接続層2の平面図形が図示されている。
【0011】
メタル層1は、例えば、半導体装置が備える配線である。接続層2は、例えば、半導体装置が備えるコンタクトやビアである。コンタクトは、配線とゲート層(ゲート電極)とを電気的に導通させる導体、又は、配線と半導体装置が備える活性層(ソース又はドレイン)とを電気的に導通させる導体をいう。ビアは、上層の配線と下層の配線とを電気的に導通させる導体をいう。本実施形態では、コンタクト及びビアの両方を指す場合には、コンタクト・ビアという。
【0012】
本実施形態に係る検証方法では、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターンと接続層2のパターンとの接触面積が所定基準を満たさない場合、エラー情報が出力される。なお、以下に説明する実施例では、メタル層1及び接続層2のパターンを検証する方法を説明するが、本実施形態はこれに限られない。すなわち、本実施形態に係る検証方法は、ゲート層及び接続層2のパターンを検証する方法に、実施例で説明するメタル層1
及び接続層2のパターンを検証する方法を適用してもよい。また、本実施形態に係る検証方法は、活性層及び接続層2のパターンを検証する方法に、実施例で説明するメタル層1及び接続層2のパターンを検証する方法を適用してもよい。本実施形態では、メタル層1、ゲート層及び活性層のパターンを第1のパターンとも表記し、接続層2のパターンを第2のパターンとも表記する。
【0013】
パターンは、レジストパターンとデバイスパターンとがある。本実施形態において、パターンと表記する場合、レジストパターン及びデバイスパターンの両方を含むものとする。レジストパターンは、半導体装置が備えるメタル層1、接続層2、ゲート電極等を形成するために用いられるレジストのパターンである。実際の製造プロセスでは、設計データに基づいて、半導体基板上に形成されるフォトレジスト膜に対して露光及び現像の処理を行うことにより、半導体基板上にレジストパターンが形成される。本実施形態では、パターンとは、パターンの全体を指す場合とパターンの一部分を指す場合とがあり、パターンの一部分の形状を指す場合は、パターン形状と表記する。言い換えれば、パターン形状は、パターン全体に含まれる個々のパターンの形状をいう。
【0014】
メタル層1のレジストパターンは、半導体装置が備えるメタル層1を形成するために用いられるレジストのパターンである。接続層2のレジストパターンは、半導体装置が備える接続層2を形成するために用いられるレジストのパターンである。
【0015】
デバイスパターンは、半導体装置に形成されたメタル層1、接続層2、ゲート電極、活性層等のパターンである。メタル層1のデバイスパターンは、半導体装置に形成されたメタル層1のパターンである。接続層2のデバイスパターンは、半導体装置に形成された接続層2のパターンである。
【0016】
パターンを算出するために用いるシミュレーションにはリソグラフィシミュレーション又はエッチングシミュレーションがある。リソグラフィシミュレーションは、露光、現像等の処理の工程を実際の製造プロセスによって行われたかのように模擬して、レジストパターンを算出する技術である。エッチングシミュレーションは、エッチング等の処理の工程を実際の製造プロセスによって行われたかのように模擬して、デバイスパターンを算出する技術である。
【0017】
なお、本実施形態では、シミュレーションによって算出されるパターンと、実際の製造プロセスによって作成されるパターンとを区別する場合がある。その場合、シミュレーションによって算出されるパターンを模擬パターンといい、実際の製造プロセスによって作成されるパターンを製造パターンという。
【0018】
模擬パターンと、製造パターンとが乖離する場合がある。例えば、メタル層1のパターン形状の先端部分については、シミュレーション精度が悪く、模擬パターンと製造パターンとの乖離が顕著となる。そのため、メタル層1のパターン形状の先端部分と接続層2のパターン形状との接触面積が、模擬パターンと製造パターンとで異なる場合がある。図2は、メタル層1及び接続層2のパターン形状についての模擬パターン及び製造パターンを示す図である。図2においては、模擬パターンを符号Aと表記し、製造パターンを符号Bと表記する。図2に示すように、メタル層1のパターン形状の先端部分について、模擬パターンと製造パターンとでは寸法が異なる。そのため、メタル層1のパターン形状の先端部分と接続層2のパターン形状との接触面積が、模擬パターンと製造パターンとで異なる。図2に示すように、模擬パターンについては、メタル層1のパターン形状の先端部分と接続層2のパターン形状とが完全に接触しているが、製造パターンについては、メタル層1のパターン形状の先端部分と接続層2のパターン形状とが接触していない部分がある。
【0019】
本実施形態に係る検証方法では、模擬パターンのパターン形状の寸法と製造パターンのパターン形状の寸法との差分を予め求めておき、模擬パターンのパターン形状の寸法と製造パターンのパターン形状の寸法との差分をテーブルにまとめておく。すなわち、模擬パターンのパターン形状の寸法と製造パターンのパターン形状の寸法との差分をテーブルに記録する。製造パターンのパターン形状の寸法は、例えば、SEM(走査型電子顕微鏡)を使用して測定してもよい。本実施形態では、模擬パターンのパターン形状の寸法と製造パターンのパターン形状の寸法との差分が記録されたテーブルを差分テーブルという。本実施形態では、模擬パターンのパターン形状の寸法と製造パターンのパターン形状の寸法との差分を、寸法差分とも表記する。
【0020】
図3は、本実施形態に係る検証方法を実行するために用いられる検証装置10のハードウェア構成図である。図3に示すように、検証装置10は、コンピュータプログラムを実行することで検証装置10を制御するCentral Processing Unit(CPU、中央処理装置)11、CPU11で実行されるコンピュータプログラムやCPU11が処理するデータを記憶するメモリ12を有する。また、図3に示すように、検証装置10は、インターフェース13、ハードディスク装置14、可搬媒体駆動装置15、入力装置16、表示装置17を有している。
【0021】
メモリ12は、例えば、揮発性のRandom Access Memory(RAM)や、不揮発性のRead
Only Memory(ROM)等である。インターフェース13は、通信回線を通じてインターネットなどのネットワークに接続され、ネットワークを介して他の装置に接続される。インターフェース13は、例えば、モデムやLocal Area Network(LAN)アダプタ等である。
【0022】
ハードディスク装置14は、メモリ12にロードされるプログラムを格納する。また、ハードディスク装置14は、CPU11で処理されるデータを記憶する。可搬媒体駆動装置15は、例えば、Compact Disc(CD)、Digital Versatile Disk(DVD)、HD−DVD、ブルーレイディスク等の駆動装置である。また、可搬媒体駆動装置15は、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリを有するカード媒体の入出力装置であってもよい。可搬媒体駆動装置15が駆動する媒体は、例えば、ハードディスク装置14にインストールされるコンピュータプログラム、入力データ等を格納する。入力装置16は、例えば、キーボード、マウス、ポインティングデバイス、ワイヤレスリモコン等である。
【0023】
表示装置17は、CPU11で処理されるデータやメモリ12に記憶されるデータを表示する。表示装置17は、例えば、液晶表示装置、プラズマディスプレイパネル、Cathode Ray Tube(CRT)、エレクトロルミネッセンスパネル等である。
【0024】
図4は、検証装置10の機能ブロック図である。図4に示すように、検証装置10は、記憶部20、入力部21、作成部22、エッジ特定部23、エリア生成部24、エリア特定部25、配置特定部26、差分値抽出部27、方向特定部28、移動量算出部29、移動部30、判定部31、出力部32及び表示部33を備える。図4に示す各機能部は、CPU11、メモリ12等を含むコンピュータ、各装置及びコンピュータ上で実行されるプログラム等によって実現することができる。
【0025】
記憶部20は、各種のデータを記憶する。差分データは、記憶部20に記憶される。入力部21は、各種の指示を受け付ける。作成部22は、設計データを参照して、シミュレーションによりメタル層1及び接続層2のパターンを算出し、メタル層1及び接続層2のパターンのシミュレーションデータを作成する。エッジ特定部23は、設計データにおけるメタル層1のエッジについて先端のエッジを特定する。エリア生成部24は、設計データにおけるメタル層1の先端部分に先端近傍エリア40を生成する。エリア特定部25は
、接続層2と先端近傍エリア40とが重なるか否かを判定する。エリア特定部25は、設計データにおける接続層2と先端近傍エリア40とが重なる箇所の先端近傍エリア40を特定する。
【0026】
エリア生成部24は、設計データにおける接続層2が配置されている位置に接続層周辺エリア50を生成する。エッジ特定部23は、設計データについて、接続層周辺エリア50内のメタル層1のエッジを抽出する。エッジ特定部23は、設計データについて、接続層周辺エリア50内のメタル層1のエッジについて先端のエッジを特定する。配置特定部26は、設計データについて、メタル層1の配置を特定する。
【0027】
差分値抽出部27は、設計データにおける接続層2と先端近傍エリア40とが重なる箇所のメタル層1と、周囲に配置されているメタル層1との距離を算出する。差分値抽出部27は、メタル層1の幅を算出する。差分値抽出部27は、差分テーブルを参照することにより、寸法差分を差分テーブルから抽出する。差分値抽出部27は、接続層周辺エリア50内のメタル層1と、接続層周辺エリア50内のメタル層1の周囲に配置されているメタル層1との距離を算出する。方向特定部28は、メタル層1のエッジが位置している方向を特定する。
【0028】
移動量算出部29は、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状の先端部分と接触する接続層2のパターン形状の移動量を算出する。移動部30は、シミュレーションデータにおける接続層2のパターン形状の位置を移動する。判定部31は、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状と接続層2のパターン形状との接触面積を算出し、接触面積が所定基準を満たしているか否かを判定する。出力部32は、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状と接続層2のパターン形状との接触面積が所定基準を満たしていない箇所の接続層2のパターン形状の座標を、エラー情報として出力する。表示部33は、エラー情報を表示する。
【0029】
以下、本実施形態に係る実施例を説明する。なお、以下の各実施例の構成は例示であり、本実施形態は、以下の実施例の構成に限定されない。
【実施例1】
【0030】
以下、図5から図15を参照して、実施例1について説明する。実施例1では、メタル層1のパターン形状の先端方向における寸法差分が算出され、差分テーブルが作成される。すなわち、メタル層1のパターン形状の先端方向における寸法差分が差分テーブルに記録される。メタル層1のパターン形状の先端方向は、メタル層1のパターン形状の先端が向いている方向である。すなわち、メタル層1のパターン形状の先端方向は、設計データにおけるメタル層1に対して先端エッジが位置している方向である。
【0031】
実施例1では、2種類の差分テーブルを作成する例を説明する。ただし、差分テーブルの種類はこれに限らず、2種類以上の差分テーブルを作成してもよい。2種類の差分テーブルを作成するために、図5に示すように2種類のテストパターンを用意する。図5に示すテストパターンは、例示であって、本実施形態は図5に示すテストパターンに限定されない。テストパターンは、メタル層1のパターン形状を配置した図形データである。図5の(A)は、I字型のテストパターンを示しており、図5の(B)は、T字型のテストパターンを示している。
【0032】
図5の(A)に示すように、I字型のテストパターンは、メタル層1のパターン形状の先端同士が対向するように、メタル層1のパターン形状が配置されている。図5の(B)に示すように、T字型のテストパターンは、メタル層1のパターン形状の長手方向と他のメタル層1のパターン形状の長手方向とが直交する方向となるように、メタル層1のパタ
ーン形状が配置されている。
【0033】
図5に示すように、メタル層1のパターン形状のパターン幅をWidthと表記する。図5に示すように、隣接するメタル層1のパターン形状の間の距離のうち、メタル層1のパターン形状の先端方向で隣接する一対のメタル層1のパターン形状の間の距離をSpace1と表記する。また、図5に示すように、隣接するメタル層1のパターン形状の間の距離のうち、メタル層1のパターン形状の幅方向で隣接する一対のメタル層1のパターン形状の間の距離をSpace2と表記する。メタル層1のパターン形状の幅方向は、メタル層1のパターン形状の長手方向と直交する方向である。
【0034】
設計データにおけるメタル層1のパターン形状のパターン幅に応じて、テストパターンにおけるメタル層1のパターン形状のパターン幅(Width)が決定される。すなわち、設計データにおいてパターン幅が異なる複数のメタル層1のパターン形状が存在する場合、パターン幅が異なる複数のメタル層1のパターン形状をテストパターンに配置する。また、設計データにおける隣接するメタル層1のパターン形状の間の距離に応じて、テストパターンにおける隣接するメタル層1のパターン形状の間の距離(Space1、Space2)が決定される。すなわち、設計データにおける隣接するメタル層1のパターン形状の間の距離に応じて、テストパターンにおける隣接するメタル層1のパターン形状の間の距離を変更させてメタル層1のパターン形状をテストパターンに配置する。
【0035】
次に、テストパターンに基づいて、レチクル(フォトマスク)を作成する。テストパターンに対してSRAF(Sub-resolution assist feature)を配置してレチクルを作成してもよいし、テストパターンに対してOPC(Optical Proximity Correction)処理を行ってレチクルを作成してもよい。また、テストパターンに対して、SRAFの配置及びOPC処理を行ってレチクルを作成してもよい。この場合、可能な限り、量産と同等のSRAFの配置及びOPC処理を行うことにより、レチクルが実際のマスク形状に即した形状となっていることが望ましい。
【0036】
そして、テストパターンに基づいて作成されたレチクルを使用して、サンプルウェハを作成する。本実施形態に係る検証方法で用いるシミュレーションがリソグラフィシミュレーションであれば、テストパターンに基づいて作成されたレチクルを使用して、実際の製造プロセスに従って露光及び現像の処理を行うことによりサンプルウェハを作成する。本実施形態に係る検証方法で用いるシミュレーションがエッチングシミュレーションであれば、実際の製造プロセスに従って露光及び現像の処理を行った後、実際の製造プロセスに従ってエッチングの処理を行うことによりサンプルウェハを作成する。
【0037】
次に、サンプルウェハに形成されたメタル層1のパターン形状の測定を行う。本実施形態に係る検証方法で用いるシミュレーションがリソグラフィシミュレーションであれば、サンプルウェハに形成されたメタル層1のレジストパターンを、SEM等を用いて測定する。具体的には、メタル層1のレジストパターン形状の先端方向で隣接する一対のメタル層1のレジストパターン形状の間の距離を、SEM等を用いて測定する。例えば、サンプルウェハに形成されたメタル層1のレジストパターンについて、図5に示すテストパターンのSpace1に対応する箇所の距離を、SEM等を用いて測定する。
【0038】
また、本実施形態に係る検証方法で用いるシミュレーションがエッチングシミュレーションであれば、サンプルウェハに形成されたメタル層1のデバイスパターンを、SEM等を用いて測定する。具体的には、メタル層1のデバイスパターン形状の先端方向で隣接する一対のメタル層1のデバイスパターン形状の間の距離を、SEM等を用いて測定する。例えば、サンプルウェハに形成されたメタル層1のデバイスパターンについて、図5に示すテストパターンのSpace1に対応する箇所の距離を、SEM等を用いて測定する。
【0039】
更に、製造プロセスのばらつきを考慮して、本実施形態に係る検証方法においてパターン形状の太め条件や細め条件などを加味したシミュレーションを用いる場合、露光、現像、エッチング等の条件もそれに応じた条件変更を行ってサンプルウェハを作成してもよい。そして、露光、現像、エッチング等の条件変更を行って作成されたサンプルウェハを、SEM等を用いて測定してもよい。
【0040】
本実施形態では、実際の製造プロセスにより作成されたサンプルウェハをSEM等により測定することを実際測定とも表記し、実際測定によって得られた値を実測値とも表記する。
【0041】
サンプルウェハの作成及び測定の後、又はサンプルウェハの作成及び測定と平行して、テストパターンに基づいて作成されたレチクルのマスクパターンについてシミュレーションを行いメタル層1のパターンを算出する。そして、メタル層1のパターンのデータを作成する。本実施形態に係る検証方法で用いるシミュレーションがリソグラフィシミュレーションであれば、テストパターンに基づいて作成されたレチクルのマスクパターンについてリソグラフィシミュレーションを行い、メタル層1のレジストパターンを算出する。そして、メタル層1のレジストパターンのデータを作成する。
【0042】
本実施形態に係る検証方法で用いるシミュレーションがエッチングシミュレーションであれば、リソグラフィシミュレーションにより算出されたレジストパターンについてエッチングシミュレーションを行い、メタル層1のデバイスパターンを算出する。そして、メタル層1のデバイスパターンのデータを作成する。
【0043】
次に、シミュレーションで得たメタル層1のパターンの幅を測定する。例えば、シミュレーションにより算出されたメタル層1のパターンについて、図5に示すテストパターンのSpace1に対応する箇所の距離を測定する。
【0044】
本実施形態では、シミュレーションにより算出されたパターンを測定することを、シミュレーション測定とも表記し、シミュレーション測定によって得られた値をシミュレーション測定値とも表記する。
【0045】
差分テーブルには、メタル層1のパターン形状の先端方向で隣接する一対のメタル層1のパターン形状の間の距離が記録される。メタル層1のパターン形状の先端方向で隣接する一対のメタル層1のパターン形状の間の距離は、図5においてはSpace1で示されている。本実施形態では、メタル層1のパターン形状の先端方向で隣接する一対のメタル層1のパターン形状の間の距離を、先端方向のパターン形状間の距離とも表記する。
【0046】
また、差分テーブルには、メタル層1のパターン形状の幅方向で隣接する一対のメタル層1のパターン形状の間の距離が記録される。メタル層1のパターン形状の幅方向で隣接する一対のメタル層1のパターン形状の間の距離は、図5においてはSpace2で示されている。本実施形態では、メタル層1のパターン形状の幅方向で隣接する一対のメタル層1のパターン形状の間の距離を、幅方向のパターン形状間の距離とも表記する。
【0047】
先端方向のパターン形状間の距離の大小及び幅方向のパターン形状間の距離の大小は、寸法差分の値を変動させる要因となり、先端方向のパターン形状間の距離の大小及び幅方向のパターン形状間の距離の大小によって寸法差分は異なる値となる。そのため、差分テーブルには、先端方向のパターン形状間の距離の大小及び幅方向のパターン形状間の距離の大小に応じて複数の寸法差分が記録される。
【0048】
また、メタル層1のパターン形状の幅の大小は、寸法差分の値を変動させる要因となり、メタル層1のパターン形状の幅の大小によって寸法差分は異なる値となる。そのため、メタル層1のパターン形状の幅の大小によって、複数の差分テーブルが作成される。
【0049】
図6及び図7は、メタル層1のパターン形状の先端方向における寸法差分が記録された差分テーブルの例を示す図である。図6は、I字型のテストパターンの差分テーブル(以下、I字型差分テーブルという。)の例を示しており、図7は、T字型のテストパターンの差分テーブル(以下、T字型差分テーブルという。)の例を示している。
【0050】
図6及び図7に示す差分テーブルにおける最左欄の項目は、テストパターンにおけるメタル層1のパターン形状の先端方向で隣接する一対のメタル層1のパターン形状の間の距離(Space1)を示している。また、図6及び図7に示す差分テーブルにおける最上欄の項目は、テストパターンにおけるメタル層1のパターン形状の幅方向で隣接する一対のメタル層1のパターン形状の間の距離(Space2)を示している。
【0051】
図6の(A)及び図7の(A)は、テストパターンにおけるメタル層1のパターン形状のパターン幅(Width)が60nm以上80nm未満である場合の差分テーブルである。図6の(B)及び図7の(B)は、テストパターンにおけるメタル層1のパターン形状のパターン幅(Width)が80nm以上100nm未満である場合の差分テーブルである。図6の(C)及び図7の(C)は、テストパターンにおけるメタル層1のパターン形状のパターン幅(Width)が100nm以上である場合の差分テーブルである。図6及び図7に示す差分テーブルは、テストパターンにおけるメタル層1のパターン形状のパターン幅(Width)を、60nm以上80nm未満や80nm以上100nm未満等の範囲によって作り分けているが、テストパターンにおけるメタル層1のパターン形状のパターン幅(Width)を60nm、70nm等の数値で作り分けてもよい。
【0052】
I字型のテストパターンであって、テストパターンにおけるメタル層1のパターン形状のパターン幅(Width)が60nm以上80nm未満、Space1が60nm、Space2が60nmの場合において、差分テーブルに記録する値について説明する。この場合、差分テーブルは図6の(A)を対象とする。メタル層1のパターン形状の先端方向で隣接する一対のメタル層1のパターン形状の間の距離について、実測値からシミュレーション測定値を引いた値が20nmであるとする。実測値からシミュレーション測定値を引いた値(20nm)を2で割った値(10nm)を、寸法差分として、差分テーブルに記録する。
【0053】
隣接する一対のメタル層1のパターン形状のそれぞれの寸法について、模擬パターンのパターン形状と製造パターンのパターン形状とで差が生じる。そのため、実測値からシミュレーション測定値を引いた値を2で割った値を、寸法差分としている。
【0054】
図8は、実施例1に係る検証方法の処理を示すフロー図である。図8に示すフローは、入力部21が検証開始の指示を受け付けた場合に開始される。実施例1に係る検証方法では、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状の先端部分と接触する接続層2のパターン形状が、メタル層1のパターン形状と十分に接触しているか否かを検証する。
【0055】
まず、ステップS101の処理において、作成部22は、設計データを参照して、シミュレーションによりメタル層1及び接続層2のパターンを算出し、メタル層1及び接続層2のパターンのシミュレーションデータを作成する。この場合、作成部22は、メタル層1のパターンを先に算出してもよいし、接続層2のパターンを先に算出してもよい。
【0056】
本実施形態に係る検証方法で用いるシミュレーションがリソグラフィシミュレーション
であれば、作成部22は、設計データを参照して、メタル層1及び接続層2についてのレチクルのマスクパターンのデータを作成する。そして、作成部22は、メタル層1及び接続層2についてのレチクルのマスクパターンのデータを使用して、リソグラフィシミュレーションを行うことによりメタル層1及び接続層2のレジストパターンを算出する。そして、作成部22は、メタル層1及び接続層2のレジストパターンのシミュレーションデータを作成する。
【0057】
本実施形態に係る検証方法で用いるシミュレーションがエッチングシミュレーションであれば、作成部22は、設計データを参照して、メタル層1及び接続層2についてのレチクルのマスクパターンのデータを作成する。そして、作成部22は、メタル層1及び接続層2についてのレチクルのマスクパターンのデータを使用して、リソグラフィシミュレーションを行うことによりメタル層1及び接続層2のレジストパターンを算出する。次に、作成部22は、メタル層1及び接続層2のレジストパターンのシミュレーションデータを作成する。その後、作成部22は、メタル層1及び接続層2のレジストパターンのシミュレーションデータを使用して、エッチングシミュレーションを行うことによりメタル層1及び接続層2のデバイスパターンを算出する。そして、作成部22は、メタル層1及び接続層2のデバイスパターンのシミュレーションデータを作成する。
【0058】
作成部22は、SRAF(Sub-resolution assist feature)が配置されたレチクルのマスクパターンのデータを作成してもよい。また、作成部22は、OPC(Optical Proximity Correction)処理を行って、レチクルのマスクパターンのデータを作成してもよい。すなわち、作成部22は、設計データを参照して、レチクルのマスクパターンのデータを作成する際、実際の製造プロセスにおけるマスク処理と同等の工程を行って、レチクルのマスクパターンのデータを作成してもよい。また、より簡易的な計算手法を用いることにより、マスク処理の時間を短縮してもよい。
【0059】
更に、作成部22は、OPC処理が行われ、既に作成されているレチクルのマスクパターンのデータを使用してもよい。テープアウト後に実施例1に係る検証方法の処理を開始する場合、OPC処理が行われ、既に作成されているレチクルのマスクパターンのデータが提供されている。そのため、作成部22は、提供されたレチクルのマスクパターンデータを使用することが可能である。提供されるレチクルのマスクパターンのデータは記憶部20に記憶される。
【0060】
ステップS101の処理が終了すると、ステップS102の処理に進む。ステップS102の処理において、エッジ特定部23は、設計データにおけるメタル層1のエッジについて先端のエッジを特定する。図9を参照して、エッジ特定部23が、設計データにおけるメタル層1のエッジについて先端のエッジを特定する方法の一例を説明する。図9は、設計データの一部を示す図である。なお、エッジ特定部23は、他の方法により、設計データにおけるメタル層1のエッジについて先端のエッジを特定してもよい。
【0061】
図9に示す設計データにおいて、エッジ特定部23は、メタル層1のエッジの長さが所定値T1以下であるエッジCを検出する。そして、エッジ特定部23は、検出したエッジCの両端が凸形状に曲がっている場合、検出したエッジCをメタル層1についての先端のエッジとして特定する。所定値T1は、任意の値を設定可能であるが、例えば、所定値T1として100nmを設定してもよい。
【0062】
また、エッジ特定部23は、検出したエッジCの両端が凸形状に曲がっており、検出したエッジCの両端と接するエッジD及びEの長さが所定値T2以上である場合、検出したエッジCをメタル層1についての先端のエッジとして特定してもよい。所定値T2は、任意の値を設定可能であるが、例えば、所定値T2として50nmを設定してもよい。エッ
ジ特定部23は、設計データにおけるメタル層1のエッジの全てに対してステップS102の処理を行う。本実施形態では、メタル層1についての先端のエッジを、先端エッジとも表記する。また、本実施形態では、先端エッジの両端と接するエッジを、サイドエッジとも表記する。
【0063】
ステップS102の処理が終了すると、ステップS103の処理に進む。ステップS103の処理において、エリア生成部24は、設計データにおけるメタル層1の先端部分に先端近傍エリア40を生成する。この場合、エリア生成部24は、先端エッジを基準として、先端エッジを有するメタル層1の方向に向かって所定範囲を先端近傍エリア40として生成する。例えば、エリア生成部24は、先端エッジから100nmの範囲を先端近傍エリア40として生成してもよい。図10に、先端近傍エリア40が生成された後の設計データを示す。図10では、メタル層1の先端部分に対して、先端近傍エリア40がそれぞれ生成されている。また、図10の太線で示すエッジが先端エッジである。
【0064】
ステップS103の処理が終了すると、ステップS104の処理に進む。ステップS104の処理において、エリア特定部25は、設計データにおける全ての接続層2に対して、接続層2と先端近傍エリア40とが重なるか否かを判定し、設計データにおける接続層2と先端近傍エリア40とが重なる箇所の先端近傍エリア40を特定する。エリア特定部25による判定は、設計データにおける接続層2の全体部分と先端近傍エリア40の一部分とが重なるか否かの判定、及び、設計データにおける接続層2の一部分と先端近傍エリア40の一部分とが重なるか否かの判定を含む。
【0065】
ステップS104の処理が終了すると、ステップS105の処理に進む。ステップS105の処理において、配置特定部26は、設計データについて、メタル層1の配置が図5に示すI字型又はT字型であるかを特定する。メタル層1の配置が図5に示すI字型又はT字型であるかを特定するのは、後述するステップS107の処理において、I字型差分テーブル又はT字型差分テーブルの何れを参照するかを特定するためである。配置特定部26は、設計データにおける接続層2と先端近傍エリア40とが重なる箇所のメタル層1の全てに対して、ステップS105の処理を行う。
【0066】
具体的には、ステップS105の処理において、配置特定部26は、設計データにおける接続層2と先端近傍エリア40とが重なる箇所のメタル層1を対象として、対象のメタル層1と、対象のメタル層1に隣接して配置されているメタル層1との配置関係を特定する。配置特定部26は、対象のメタル層1の先端エッジと対向するエッジの長さが所定値T3以上の場合、対象のメタル層1の配置をT字型配置として特定する。また、配置特定部26は、対象のメタル層1の先端エッジと対向するエッジの長さが所定値T3未満の場合、対象のメタル層1の配置をI字型配置として特定する。所定値T3は、任意の値を設定可能であるが、例えば、所定値T3として100nmを設定してもよい。
【0067】
例えば、図11に示す設計データの場合、対象のメタル層1Aの先端エッジFと対向するエッジGの長さは所定値T3以上であるため、配置特定部26は、対象のメタル層1Aの配置をT字型配置として特定する。
【0068】
ステップS105の処理が終了すると、ステップS106の処理に進む。ステップS106の処理において、差分値抽出部27は、設計データにおける接続層2と先端近傍エリア40とが重なる箇所のメタル層1を対象として、対象のメタル層1と、対象のメタル層1に隣接して配置されているメタル層1との間の距離を算出する。対象のメタル層1と、対象のメタル層1に隣接して配置されているメタル層1との間の距離を算出するのは、後述するステップS107の処理において、差分テーブルに記録されている寸法差分の値のうちのどの値を抽出するかを特定するためである。本実施形態では、設計データにおける
接続層2と先端近傍エリア40とが重なる箇所のメタル層1を、対象のメタル層1とも表記する。また、本実施形態では、設計データにおける対象のメタル層1に隣接して配置されているメタル層1を、隣接メタル層1とも表記する。
【0069】
対象のメタル層1と隣接メタル層1との間の距離は、対象のメタル層1の先端エッジと、対象のメタル層1の先端エッジと対向する隣接メタル層1のエッジとの間の距離がある。また、対象のメタル層1と隣接メタル層1との間の距離は、対象のメタル層1のサイドエッジと、対象のメタル層1のサイドエッジと対向する隣接メタル層1のエッジとの間の距離がある。
【0070】
例えば、図11に示す設計データの場合、差分値抽出部27は、対象のメタル層1と隣接メタル層1との間の距離として、Space1の値、Space2−1の値、Space2−2の値をそれぞれ算出する。Space1は、メタル層1Aの先端エッジFと、メタル層1Aの先端エッジFと対向するメタル層1BのエッジGとの間の距離である。Space2−1は、メタル層1AのサイドエッジHと、メタル層1AのサイドエッジHと対向するメタル層1CのエッジIとの間の距離である。Space2−2は、メタル層1AのサイドエッジJと、メタル層1AのサイドエッジJと対向するメタル層1DのエッジKとの間の距離である。
【0071】
また、ステップS106の処理において、差分値抽出部27は、設計データにおける接続層2と先端近傍エリア40とが重なる箇所のメタル層1を対象として、対象のメタル層1の幅を算出する。対象のメタル層1の幅を算出するのは、後述するステップS107の処理で、どの差分テーブル(図7の例であれば、差分テーブル(A)、(B)又は(C)のいずれか)を参照するかを特定するためである。例えば、図11に示す設計データの場合、差分値抽出部27は、メタル層1Aの幅としてWidthの値を算出する。
【0072】
ステップS106の処理が終了すると、ステップS107の処理に進む。ステップS107の処理において、差分値抽出部27は、設計データにおける接続層2と先端近傍エリア40とが重なる箇所を対象として、差分テーブルを参照することにより、寸法差分を差分テーブルから抽出する。
【0073】
具体的には、差分値抽出部27は、ステップS106の処理で算出した対象のメタル層1と隣接メタル層1との間の距離、及び、対象のメタル層1の幅に応じて、寸法差分を差分テーブルから抽出する。
【0074】
例えば、図11に示す設計データにおいて、Space1の値が60nm、Space2−1の値が60nm、Space2−2の値が300nm、Widthの値が60nmである場合について説明する。図11に示す設計データの場合、対象のメタル層1Aの配置はT字型配置であり、Widthの値が60nmであるので、差分値抽出部27は、図7に示すT字型のテストパターンの差分テーブルを参照する。図11に示す設計データの場合、Space1の値が60nmであり、Space2−1の値が60nmであるので、差分値抽出部27は、図7の(A)に示すT字型のテストパターンの差分テーブルから、10nmを抽出する。また、図11に示す設計データの場合、Space1の値が60nmであり、Space2−2の値が300nmであるので、差分値抽出部27は、図7の(A)に示すT字型のテストパターンの差分テーブルから、−2nmを抽出する。
【0075】
ステップS107の処理が終了すると、ステップS108の処理に進む。ステップS108の処理において、方向特定部28は、設計データにおける接続層2と先端近傍エリア40とが重なる箇所のメタル層1の先端エッジを対象として、先端エッジが位置している方向を特定する。先端エッジが位置している方向を特定するのは、後述するステップS110の処理において、シミュレーションデータにおける接続層2のパターン形状の位置を
移動する方向を特定するためである。
【0076】
例えば、方向特定部28は、先端エッジが、先端近傍エリア40の中心点から+X方向(又は−X方向)に位置する場合、先端エッジが位置している方向を+X方向(又は−X方向)と特定する。また、方向特定部28は、先端エッジが、先端近傍エリア40の中心点から+Y方向(又は−Y方向)に位置する場合、先端エッジが位置している方向を+Y方向(又は−Y方向)と特定する。先端近傍エリア40の中心点とは、先端エリア40の2つの対角線が交わる点である。
【0077】
図11は、先端近傍エリア40が生成された後の設計データの一部を示す図である。図11の太線で示すエッジが先端エッジである。例えば、図11に示す設計データの場合、メタル層1Aの先端エッジFは先端近傍エリア40の中心点から+Y方向に位置しているため、方向特定部28は、先端エッジFが位置している方向を+Y方向と特定する。
【0078】
ステップS108の処理が終了すると、ステップS109の処理に進む。ステップS109の処理において、移動量算出部29は、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状の先端部分と接触する接続層2のパターン形状の移動量を算出する。設計データにおける座標と、設計データを参照して作成されたシミュレーションデータにおける座標とは対応している。移動量算出部29は、設計データにおける先端近傍エリア40の座標に基づいて、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状の先端部分を特定する。本実施形態では、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状と接触する接続層2のパターン形状の移動量を、形状移動量とも表記する。
【0079】
移動量算出部29は、差分テーブルから抽出した寸法差分の平均値を、形状移動量として算出してもよい。すなわち、移動量算出部29は、寸法差分を、差分テーブルから複数抽出し、抽出した複数の寸法差分の平均値を、形状移動量として算出してもよい。差分値抽出部27により、差分テーブルから先端方向の寸法差分の値が2つ抽出されるので、移動量算出部29は、抽出された2つの値を平均することにより形状移動量として算出してもよい。
【0080】
例えば、図11に示す設計データの場合、移動量算出部29は、図7の(A)に示すT字型のテストパターンの差分テーブルから抽出した10nm及び−2nmの平均値である4nmを、形状移動量として算出する。これは、テーブルベースの近接効果補正で、左右のスペース値が異なるパターンの補正において、左右のエッジ毎に補正量を求めることで、結果的に得あれる補正後のパターン寸法が、左右の補正値の平均値分変化するのと同様の考え方に基づいた手法である。
【0081】
また、移動量算出部29は、差分テーブルから抽出した複数の寸法差分のうちいずれか一つを、形状移動量として算出してもよい。この場合、差分テーブルから抽出した複数の寸法差分のうちワーストケースの値を採用し、形状移動量として算出してもよい。差分テーブルから抽出した複数の寸法差分のうちワーストケースの値は、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターンと接続層2のパターンとの接触面積が小さくなる方の値である。例えば、図11に示す設計データの場合、移動量算出部29は、図7の(A)に示すT字型のテストパターンの差分テーブルから抽出した10nm及び−2nmのうち10nmを、形状移動量として算出してもよい。
【0082】
ステップS109の処理が終了すると、ステップS110の処理に進む。ステップS110の処理において、移動部30は、シミュレーションデータにおける接続層2のパターン形状の位置を、所定方向に形状移動量の値に応じて移動する。所定方向は、ステップS108の処理で特定された先端エッジが位置している方向であり、シミュレーションデー
タにおけるメタル層1のパターン形状の先端方向である。
【0083】
ステップS109の処理において算出された形状移動量がプラスの値であれば、移動部30は、シミュレーションデータにおける接続層2のパターン形状の位置を、メタル層1のパターン形状の先端方向に向けて移動する。ステップS109の処理において算出された形状移動量がマイナスの値であれば、移動部30は、接続層2のパターン形状の位置を、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状の先端方向の反対方向に向けて移動する。
【0084】
移動部30が、シミュレーションデータにおける接続層2のパターン形状の位置を、所定方向に形状移動量の値に応じて移動する処理の例を図12に示す。図12の(A)は、シミュレーションデータにおける接続層2のパターン形状の位置を移動させる前の図であり、図12の(B)は、シミュレーションデータにおける接続層2のパターン形状の位置を形状移動量の値だけ所定方向に移動させた後の図である。図12は、形状移動量として5nmが算出された場合であり、移動部30は、シミュレーションデータにおける接続層2のパターン形状の位置を5nmだけ、メタル層1のパターン形状の先端方向(図12では上方向)に向けて移動させている。
【0085】
また、オーバーレイ精度を考慮して、移動部30は、シミュレーションデータにおける接続層2のパターン形状の位置を移動してもよい。すなわち、移動部30は、シミュレーションデータにおける接続層2のパターン形状の位置を、所定方向に形状移動量の値に応じて移動する。更に、移動部30は、シミュレーションデータにおける接続層2のパターン形状の位置をオーバーレイ精度のスペック分だけ周囲に移動してもよい。
【0086】
ステップS110の処理が終了すると、ステップS111の処理に進む。ステップS111の処理において、判定部31は、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状と接続層2のパターン形状との接触面積を算出し、接触面積が所定基準を満たしているか否かを判定する。判定部31は、シミュレーションデータにおける接続層2のパターン形状の全てに対して、ステップS111の処理を行う。
【0087】
シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状と接続層2のパターン形状との接触面積が所定基準を満たしている否かは、以下の方法によって判定することが可能である。
【0088】
判定部31は、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状と接続層2のパターン形状とのAND面積を算出する。判定部31は、算出したAND面積を、接続層2のパターン形状のターゲット面積で割ることにより、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状と接続層2のパターン形状とのAND面積の比率を計算する。接続層2のパターン形状のターゲット面積は、例えば、設計データにおける接続層2のパターン形状のデザイン図形面積や、デザイン図形面積に内接する円の面積等である。
【0089】
そして、判定部31は、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状と接続層2のパターン形状とのAND面積の比率が、基準値B1以上であるか否かを判定する。AND面積の比率が基準値B1以上である場合、判定部31は、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状と接続層2のパターン形状との接触面積が所定基準を満たしていると判定する。
【0090】
一方、AND面積の比率が基準値B1未満である場合、判定部31は、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状と接続層2のパターン形状との接触面積が所定基準を満たしていないと判定する。基準値B1は、検証装置10の操作者が予め設定す
ることができる。例えば、基準値B1が90%であり、AND面積の比率が85%の場合、判定部31は、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状と接続層2のパターン形状との接触面積が所定基準を満たしていないと判定する。
【0091】
また、AND面積の比率が基準値B1以上であるか否かの判定に代えて、AND面積が基準値B2以上であるか否かの判定を用いてもよい。すなわち、判定部31は、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状と接続層2のパターン形状とのAND面積が、基準値B2以上であるか否かを判定する。AND面積が基準値B2以上である場合、判定部31は、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状と接続層2のパターン形状との接触面積が所定基準を満たしていると判定する。
【0092】
一方、AND面積が基準値B2未満である場合、判定部31は、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状と接続層2のパターン形状との接触面積が所定基準を満たしていないと判定する。基準値B2は、例えば、TEG(Test Element Group)などの実験結果から得られた最小面積基準値等であり、検証装置10の操作者が予め設定することができる。
【0093】
ステップS111の処理が終了すると、ステップS112の処理に進む。ステップS112の処理において、出力部32は、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状と接続層2のパターン形状との接触面積が所定基準を満たしていない箇所の接続層2のパターン形状の座標を、エラー情報として出力する。出力部32は、接続層2のパターン形状の座標とともに、AND面積の値又はAND面積の比率の値を、エラー情報として出力してもよい。
【0094】
出力部32によって出力されたエラー情報が表示部33に入力され、表示部33がエラー情報を表示することにより、検証装置10の操作者はエラー情報を確認することが可能である。検証装置10の操作者がエラー情報を確認することにより、検証装置10の操作者は、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状と接続層2のパターン形状との接触面積が十分に確保されているか否かを検証することができる。
【0095】
図13の(A)は、図12の(A)に示すシミュレーションデータに対して、製造パターンについてのメタル層1のパターン形状を重ね合わした図である。図13の(B)は、図12の(B)に示すシミュレーションデータに対して、製造パターンについてのメタル層1のパターン形状を重ね合わした図である。図13においては、模擬パターンを符号Lと表記し、製造パターンを符号Mと表記する。
【0096】
図13の(A)に示すように、模擬パターンLについては、メタル層1のパターン形状と接続層2のパターン形状とが完全に接触しているが、製造パターンMについては、メタル層1のパターン形状と接続層2のパターン形状とが接触していない部分がある。
【0097】
図13の(B)に示すように、シミュレーションデータにおける接続層2のパターン形状の位置を移動することにより、模擬パターンLについて、メタル層1のパターン形状と接続層2のパターン形状とが接触していない部分が発生する。実施例1では、シミュレーションデータにおける接続層2のパターン形状の位置を移動することにより、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状と接続層2のパターン形状との接触面積の検証を、寸法差分を考慮して行うことができる。すなわち、実施例1によれば、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状の先端方向についての寸法差分を考慮して、シミュレーションデータの検証を行うことができる。
【0098】
次に、設計データにおける接続層2が複数の先端近傍エリア40と重なる場合について
の処理の一例を説明する。図14は、接続層2が複数の先端近傍エリア40と重なる場合における設計データの一部を示す図である。図14の太線で示すエッジが先端エッジである。図14に示す設計データでは、接続層2が、先端近傍エリア40Aと重なるとともに先端近傍エリア40Bと重なる。設計データにおける接続層2が複数の先端近傍エリア40と重なる箇所に対して、移動部30は、ステップS110の処理を以下のように変更し、判定部31は、ステップS111の処理を以下のように変更する。
【0099】
まず、変更後のステップS110の処理を説明する。変更後のステップS110の処理では、移動部30は、設計データにおける先端エッジと平行な分割線を用いて、シミュレーションデータにおける接続層2のパターン形状を2分割し、2分割した接続層2のパターン形状を所定方向に形状移動量の値に応じてそれぞれ移動する。この場合、2分割したそれぞれの接続層2のパターン形状の形状移動量を、2分割したそれぞれの接続層2のパターン形状と近い側の先端エッジ毎に求める。所定方向は、2分割したそれぞれの接続層2のパターン形状と近い側の先端エッジが存在する方向である。すなわち、所定方向は、2分割したそれぞれの接続層2のパターン形状と近い側のメタル層1のパターン形状の先端方向である。
【0100】
ステップS109の処理において算出された形状移動量がプラスの値であれば、移動部30は、2分割した接続層2のパターン形状の位置を、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状の先端方向に移動する。ステップS109の処理において算出された形状移動量がマイナスの値であれば、移動部30は、2分割した接続層2のパターン形状の位置を、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状の先端方向の反対方向に移動する。
【0101】
移動部30が、シミュレーションデータにおける2分割した接続層2のパターン形状の位置を形状移動量の値に応じて所定方向に向けて移動する処理の例を図15に示す。図15の(A)は、シミュレーションデータにおいて、分割線50によって接続層2のパターン形状が2分割されており、接続層2のパターン形状の位置を移動させる前の図である。図15の(B)は、シミュレーションデータにおいて、分割線50によって分割された左部分の接続層2のパターン形状の位置を形状移動量の値だけ所定方向(図15の(B)では右方向)に移動させた後の図である。図15の(C)は、シミュレーションデータにおいて、分割線50によって分割された右部分の接続層2のパターン形状の位置を形状移動量の値だけ所定方向(図15の(C)では左方向)に移動させた後の図である。
【0102】
次に、変更後のステップS111の処理を説明する。変更後のステップS111の処理では、判定部31は、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状と2分割したそれぞれの接続層2のパターン形状との接触面積を算出し、足し合わせた後、接触面積が所定基準を満たしているか否かを判定する。接触面積が所定基準を満たしているか否かについては、変更前のステップS111の処理と同様の方法によって判定することが可能である。
【0103】
図15の(B)の場合、シミュレーションデータにおける左部分のメタル層1のパターン形状と接続層2のパターン形状とのAND面積の比率が49%である。図15の(C)の場合、シミュレーションデータにおける左部分のメタル層1のパターン形状と接続層2のパターン形状とのAND面積の比率が49%である。図15の(B)の場合のAND面積の比率49%と、図15の(C)の場合のAND面積の比率49%との和(98%)を、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状と接続層2のパターン形状とのAND面積の比率として算出する。
【0104】
判定部31は、設計データにおいて接続層2の形状が複数の先端近傍エリア40の形状
と重なっている場合でも、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状と接続層2のパターン形状とのAND面積の比率を算出することが可能である。そして、判定部31は、設計データにおいて接続層2の形状が複数の先端近傍エリア40の形状と重なっている場合でも、メタル層1のパターン形状と接続層2のパターン形状との接触面積が所定基準を満たしているか否かを判定することが可能である。
【実施例2】
【0105】
実施例1では、メタル層1のパターン形状の先端方向における寸法差分を算出し、差分テーブルを作成する例を説明した。実施例2では、メタル層1のパターン形状の先端方向における寸法差分を算出するとともに、メタル層1のパターン形状の幅方向における寸法差分を更に算出し、差分テーブルを作成する例を説明する。本実施形態では、メタル層1のパターン形状の先端方向における寸法差分を、先端方向の寸法差分とも表記する。また、本実施形態では、メタル層1のパターン形状の幅方向における寸法差分を、幅方向の寸法差分とも表記する。
【0106】
また、実施例1では、先端方向の寸法差分が記録された差分テーブルを用いて、メタル層1及び接続層2のパターンを検証する例を説明した。実施例2では、先端方向の寸法差分が記録された差分テーブル及び幅方向の寸法差分が記録された差分テーブルを用いて、メタル層1及び接続層2のパターンを検証する例を説明する。
【0107】
以下、図16から図21を参照して、実施例2を具体的に説明する。なお、同一の構成要素については、実施例1と同一の符号を付し、その説明を省略する。また、必要に応じて図1から図15の図面を参照する。
【0108】
実施例2では、実施例1と同様に、先端方向の寸法差分を算出する。そして、実施例1と同様に、メタル層1のパターン形状の先端方向における寸法差分が差分テーブルに記録される。更に、実施例2では、メタル層1のパターン形状の幅方向における寸法差分が差分テーブルに記録される。差分テーブルは、記憶部20に記憶される。先端方向の寸法差分の算出方法や先端方向の寸法差分を記録した差分テーブルについては、実施例1と同様であるので、その説明を省略する。したがって、実施例2では、幅方向の寸法差分の算出方法及び幅方向の寸法差分を記録した差分テーブルについて、詳細に説明する。
【0109】
実施例2では、図5に示すテストパターンに加えて、図16に示すテストパターンを用意する。図16に示すテストパターンは、パターン幅が異なる複数のメタル層1のパターン形状を配置するとともに、隣接するメタル層1のパターン形状の間の距離を変更させてメタル層1のパターン形状を配置させた場合の例である。図16に示すテストパターンは、例示であって、本実施形態は図16に示すテストパターンに限定されない。
【0110】
図16に示すように、メタル層1のパターン形状のパターン幅をWidth2と表記する。図16に示すように、隣接するメタル層1のパターン形状の間の距離のうち、メタル層1のパターン形状の幅方向で隣接する一対のメタル層1のパターン形状の間の距離をSpace3と表記する。
【0111】
次に、テストパターンに基づいてレチクルを作成し、テストパターンに基づいて作成されたレチクルを使用して、サンプルウェハを作成する。レチクル及びサンプルウェハの作成については、実施例1と同様である。
【0112】
そして、サンプルウェハに形成されたメタル層1のパターン形状の測定を行う。本実施形態に係る検証方法で用いるシミュレーションがリソグラフィシミュレーションであれば、サンプルウェハに形成されたメタル層1のレジストパターンを、SEM等を用いて測定
する。具体的には、メタル層1のレジストパターン形状の幅方向で隣接する一対のメタル層1のレジストパターン形状の間の距離を、SEM等を用いて測定する。例えば、サンプルウェハに形成されたメタル層1のレジストパターンについて、図16に示すテストパターンのWidth2に対応する箇所の距離を、SEM等を用いて測定する。
【0113】
また、本実施形態に係る検証方法で用いるシミュレーションがエッチングシミュレーションであれば、サンプルウェハに形成されたメタル層1のデバイスパターンを、SEM等を用いて測定する。具体的には、メタル層1のデバイスパターン形状の幅方向で隣接する一対のメタル層1のデバイスパターン形状の間の距離を、SEM等を用いて測定する。例えば、サンプルウェハに形成されたメタル層1のデバイスパターンについて、図16に示すテストパターンのWidth2に対応する箇所の距離を、SEM等を用いて測定する。
【0114】
本実施形態に係る検証方法で用いるシミュレーションがリソグラフィシミュレーションであれば、テストパターンに基づいて作成されたレチクルのマスクパターンについてリソグラフィシミュレーションを行い、メタル層1のレジストパターンを算出する。そして、メタル層1のレジストパターンのデータを作成する。
【0115】
本実施形態に係る検証方法で用いるシミュレーションがエッチングシミュレーションであれば、リソグラフィシミュレーションによって算出されたレジストパターンについてエッチングシミュレーションを行い、メタル層1のデバイスパターンを算出する。そして、メタル層1のデバイスパターンのデータを作成する。
【0116】
シミュレーションによるメタル層1のパターンの算出及びメタル層1のパターンのデータの作成は、サンプルウェハの作成及び測定の後、又はサンプルウェハの作成及び測定と平行して行ってもよい。
【0117】
次に、シミュレーションで得たメタル層1のパターン幅を測定する。例えば、シミュレーションによって算出されたメタル層1のパターンについて、図16に示すテストパターンのWidth2に対応する箇所の距離を測定する。
【0118】
差分テーブルには、メタル層1のパターン形状の幅方向で隣接する一対のメタル層1のパターン形状の間の距離が記録される。メタル層1のパターン形状の幅方向で隣接する一対のメタル層1のパターン形状の間の距離は、図16においてはSpace3で示されている。本実施形態では、メタル層1のパターン形状の幅方向で隣接する一対のメタル層1のパターン形状の間の距離を、幅方向のパターン形状間の距離とも表記する。
【0119】
また、差分テーブルには、メタル層1のパターン形状の幅が記録される。メタル層1のパターン形状の幅は、図16においてはWidth2で示されている。
【0120】
幅方向のパターン形状間の距離の大小及びメタル層1のパターン形状の幅の大小は、寸法差分の値を変動させる要因となり、幅方向のパターン形状間の距離の大小及びメタル層1のパターン形状の幅の大小によって寸法差分は異なる値となる。そのため、差分テーブルには、幅方向のパターン形状間の距離の大小及びメタル層1のパターン形状の幅の大小に応じて複数の寸法差分が記録される。
【0121】
図17は、メタル層1のパターン形状の幅方向における寸法差分が記録された差分テーブルの例を示す図である。図17に示す差分テーブルにおける最左欄の項目は、テストパターンにおけるメタル層1のパターン形状のパターン幅(Width2)を示している。図17に示す差分テーブルにおける最上欄の項目は、テストパターンにおけるメタル層1のパターン形状の幅方向で隣接する一対のメタル層1のパターン形状の間の距離(Space3)
を示している。
【0122】
メタル層1のパターン形状の幅方向における寸法差分を差分テーブルに記録する例を説明する。ここでは、テストパターンにおけるメタル層1のパターン形状のパターン幅(Width2)が60nm、Space3が60nmの場合において、差分テーブルに記録する値について説明する。メタル層1のパターン形状のパターン幅について、シミュレーション測定値から実測値を引いた値が−6nmであるとする。シミュレーション測定値から実測値を引いた値(−6nm)を2で割った値(−3nm)を、メタル層1のパターン形状の幅方向における寸法差分として、差分テーブルに記録する。
【0123】
次に、実施例2に係る検証方法の処理について説明する。図18は、実施例2に係る検証方法の処理を示すフロー図である。図18に示すフローは、入力部21が検証開始の指示を受け付けた場合に開始される。実施例2に係る検証方法では、シミュレーションデータにおける全ての接続層2のパターン形状が、メタル層1のパターン形状と十分に接触しているか否かを検証する。
【0124】
まず、ステップS201の処理において、作成部22は、設計データを参照して、シミュレーションによりメタル層1及び接続層2のパターンを算出し、メタル層1及び接続層2のパターンのシミュレーションデータを作成する。ステップS201の具体的な処理については、実施例1に係る検証方法における処理(図8のステップS101の処理)と同様であるので、その説明を省略する。
【0125】
ステップS201の処理が終了すると、ステップS202の処理に進む。ステップS202の処理において、エリア生成部24は、設計データにおける接続層2が配置されている位置に接続層周辺エリア50を生成する。この場合、エリア生成部24は、設計データにおける接続層2の中心位置を基準として、接続層2の形状と相似の図形を接続層周辺エリア50として生成する。例えば、エリア生成部24は、接続層2の形状と相似であって、接続層2の形状よりも大きい図形を、接続層周辺エリア50として生成してもよい。なお、接続層周辺エリア50は、接続層2の形状と相似の図形以外の図形であってもよい。図19に、接続層周辺エリア50が生成された後の設計データを示す。図19に示す設計データでは、接続層2が配置されている位置に接続層周辺エリア50が生成されている。
【0126】
ステップS202の処理が終了すると、ステップS203の処理に進む。ステップS203の処理において、エッジ特定部23は、設計データについて、ステップS202の処理で生成された接続層周辺エリア50内のメタル層1の全てのエッジを抽出する。図20は、接続層周辺エリア50が生成された設計データの一部を示す図である。例えば、エッジ特定部23は、図20に示す設計データにおいて、接続層周辺エリア50内のメタル層1EのエッジN、O及びPを抽出する。実施例2に係る検証方法では、シミュレーションデータにおける接続層2のパターン形状が、メタル層1のパターン形状の先端方向及び幅方向に対して十分に接触しているか否かを検証する。そのため、エッジ特定部23は、接続層周辺エリア50内のメタル層1のパターン形状の全てのエッジを抽出する。
【0127】
ステップS203の処理が終了すると、ステップS204の処理に進む。ステップS204の処理において、エッジ特定部23は、設計データについて、ステップS202の処理で生成された接続層周辺エリア50内のメタル層1の先端エッジを特定する。接続層周辺エリア50内のメタル層1の先端エッジを特定する処理は、実施例1に係る検証方法におけるステップS102の処理と同様であるので、その説明を省略する。
【0128】
ステップS204の処理が終了すると、ステップS205の処理に進む。ステップS205の処理において、配置特定部26は、ステップS204の処理で特定された先端エッ
ジについて、接続層周辺エリア50内のメタル層1の配置が図5に示すI字型又はT字型であるかを特定する。メタル層1の配置が図5に示すI字型又はT字型であるかを特定するのは、後述するステップS207の処理において、先端エッジについてI字型差分テーブル又はT字型差分テーブルの何れを参照するかを特定するためである。具体的には、配置特定部26は、ステップS204の処理で特定された先端エッジについて、接続層周辺エリア50内のメタル層1と、接続層周辺エリア50内のメタル層1に隣接して配置されているメタル層1との配置関係を特定する。
【0129】
配置特定部26は、接続層周辺エリア50内のメタル層1の先端エッジと対向するエッジの長さが所定値T3以上の場合、接続層周辺エリア50内のメタル層1の配置をT字型配置として特定する。また、配置特定部26は、接続層周辺エリア50内のメタル層1の先端エッジと対向するエッジの長さが所定値T3未満の場合、接続層周辺エリア50内のメタル層1の配置をI字型配置として特定する。所定値T3は、任意の値を設定可能であるが、例えば、所定値T3として100nmを設定してもよい。
【0130】
例えば、図20に示す設計データの場合、接続層周辺エリア50内のメタル層1Eの先端エッジNと対向するエッジQの長さは所定値T3以上であるため、配置特定部26は、接続層周辺エリア50内のメタル層1Eの配置をT字型配置として特定する。
【0131】
なお、接続層周辺エリア50内のメタル層1に先端エッジが存在しない場合、配置特定部26は、接続層周辺エリア50内のメタル層1と、接続層周辺エリア50内のメタル層1に隣接して配置されているメタル層1との配置関係の特定を行わない。
【0132】
ステップS205の処理が終了すると、ステップS206の処理に進む。ステップS206の処理において、差分値抽出部27は、接続層周辺エリア50内のメタル層1と、接続層周辺エリア50内のメタル層1に隣接して配置されているメタル層1との間の距離を算出する。接続層周辺エリア50内のメタル層1と、接続層周辺エリア50内のメタル層1に隣接して配置されているメタル層1との間の距離を算出するのは、後述するステップS207の処理において、差分テーブルに記録されている寸法差分の値のうちのどの値を抽出するかを特定するためである。
【0133】
接続層周辺エリア50内のメタル層1と、接続層周辺エリア50内のメタル層1に隣接して配置されているメタル層1との間の距離は、接続層周辺エリア50内のメタル層1の先端エッジと、接続層周辺エリア50内のメタル層1の先端エッジと対向するメタル層1のエッジとの間の距離がある。また、接続層周辺エリア50内のメタル層1と、接続層周辺エリア50内のメタル層1に隣接して配置されているメタル層1との間の距離は、接続層周辺エリア50内のメタル層1のサイドエッジと、接続層周辺エリア50内のメタル層1のサイドエッジと対向するメタル層1のエッジとの間の距離がある。
【0134】
例えば、図20に示す設計データの場合、差分値抽出部27は、接続層周辺エリア50内のメタル層1と、接続層周辺エリア50内のメタル層1に隣接して配置されているメタル層1との間の距離として、Space1の値、Space2−1の値、Space2−2の値を算出する。Space1は、メタル層1Eの先端エッジNと、メタル層1Eの先端エッジNと対向するメタル層1FのエッジQとの間の距離である。Space2−1は、メタル層1Eの左サイドエッジOと、メタル層1Eの左サイドエッジOと対向するメタル層1GのエッジRとの間の距離である。Space2−2は、メタル層1Eの右サイドエッジPと、メタル層1Eの右サイドエッジPと対向するメタル層1HのエッジSとの間の距離である。
【0135】
また、ステップS206の処理において、差分値抽出部27は、接続層周辺エリア50内のメタル層1の幅を算出する。例えば、図20に示す設計データの場合、差分値抽出部
27は、接続層周辺エリア50内のメタル層1Eの幅としてWidthの値を算出する。
【0136】
ステップS206の処理が終了すると、ステップS207の処理に進む。ステップS207の処理において、差分値抽出部27は、差分テーブルを参照して、先端方向の寸法差分及び幅方向の寸法差分を差分テーブルから抽出する。
【0137】
差分値抽出部27による差分テーブルから先端方向の寸法差分を抽出する具体的処理を説明する。差分値抽出部27は、ステップS206の処理において算出した接続層周辺エリア50内のメタル層1と接続層周辺エリア50内のメタル層1に隣接して配置されているメタル層1との距離、及び、接続層周辺エリア50内のメタル層1の幅に応じて、先端方向の寸法差分を、差分テーブルから抽出する。
【0138】
例えば、図20に示す設計データにおいて、Space1の値が60nm、Space2−1の値が60nm、Space2−2の値が300nm、Widthの値が60nmである場合について説明する。図20に示す設計データの場合、接続層周辺エリア50内のメタル層1Eの配置はT字型配置であり、Widthの値が60nmであるので、差分値抽出部27は、図7に示すT字型のテストパターンの差分テーブルを参照する。図20に示す設計データの場合、Space1の値が60nmであり、Space2−1の値が60nmであるので、差分値抽出部27は、図7の(A)に示すT字型のテストパターンの差分テーブルから、10nmを抽出する。また、図20に示す設計データの場合、Space1の値が60nmであり、Space2−2の値が300nmであるので、差分値抽出部27は、図7の(A)に示すT字型のテストパターンの差分テーブルから、−2nmを抽出する。
【0139】
次に、差分値抽出部27による差分テーブルから幅方向の寸法差分を抽出する具体的処理を説明する。差分値抽出部27は、接続層周辺エリア50内におけるメタル層1の幅、及び、接続層周辺エリア50内のメタル層1と接続層周辺エリア50内のメタル層1の幅方向に配置されているメタル層1との間の距離に応じて、幅方向の寸法差分を、差分テーブルから抽出する。接続層周辺エリア50内のメタル層1の幅方向は2種類あり、一つは接続層周辺エリア50内のメタル層1の右サイドエッジが位置している方向であり、もう一つは接続層周辺エリア50内のメタル層1の左サイドエッジが位置している方向である。本実施形態では、接続層周辺エリア50内のメタル層1の右サイドエッジが位置している方向を、メタル層1の右サイドエッジ方向とも表記する。また、本実施形態では、接続層周辺エリア50内のメタル層1の左サイドエッジが位置している方向を、メタル層1の左サイドエッジ方向とも表記する。
【0140】
例えば、図20に示す設計データにおいて、Space1の値が60nm、Space2−1の値が60nm、Space2−2の値が300nm、Widthの値が60nmである場合について説明する。この場合、差分値抽出部27は、メタル層1の幅方向における寸法差分が記録された差分テーブルを参照する。
【0141】
差分値抽出部27は、メタル層1の右サイドエッジ方向についての寸法差分を、メタル層1の幅方向における寸法差分が記録されている差分テーブルから抽出する。例えば、図20に示す設計データの場合、Widthの値が60nmであり、Space2−1の値が60nmであるので、差分値抽出部27は、図17に示す差分テーブルから、−3nmを抽出する。
【0142】
また、差分値抽出部27は、メタル層1の左サイドエッジ方向についての寸法差分を、メタル層1の幅方向における寸法差分が記録されている差分テーブルから抽出する。例えば、図20に示す設計データの場合、Widthの値が60nmであり、Space2−1の値が300nmであるので、差分値抽出部27は、図17に示す差分テーブルから、0.3nm
を抽出する。
【0143】
ステップS207の処理が終了すると、ステップS208の処理に進む。ステップS208の処理において、方向特定部28は、ステップS204の処理で特定された先端エッジが位置している方向を特定する。
【0144】
方向特定部28は、先端エッジが、接続層周辺エリア50の中心点から+X方向(又は−X方向)に位置する場合、先端エッジが位置している方向を+X方向(又は−X方向)と特定する。また、方向特定部28は、先端エッジが、接続層周辺エリア50の中心点から+Y方向(又は−Y方向)に位置する場合、先端エッジが位置している方向を+Y方向(又は−Y方向)と特定する。接続層周辺エリア50の中心点とは、接続層周辺エリア50の2つの対角線が交わる点である。例えば、図20に示す設計データの場合、メタル層1Eの先端エッジNは接続層周辺エリア50の中心点から+Y方向に位置しているため、方向特定部28は、先端エッジNが位置している方向を+Y方向と特定する。
【0145】
また、ステップS208の処理において、方向特定部28は、接続層周辺エリア50内のメタル層1の右サイドエッジ及び左サイドエッジが位置している方向を特定する。実施例2に係る検証方法では、シミュレーションデータにおける接続層2のパターン形状が、メタル層1のパターン形状の先端方向及び幅方向に対して十分に接触しているか否かを検証する。そのため、方向特定部28は、接続層周辺エリア50内のメタル層1のパターン形状の全てのエッジについて、エッジが位置している方向を特定する。例えば、図20に示す設計データの場合、方向特定部28は、接続層周辺エリア50内のメタル層1の右サイドエッジP及び左サイドエッジOが位置している方向を特定する。
【0146】
方向特定部28は、サイドエッジが、接続層周辺エリア50の中心点から+X方向(又は−X方向)に位置する場合、サイドエッジが位置している方向を+X方向(又は−X方向)と特定する。また、方向特定部28は、サイドエッジが、接続層周辺エリア50の中心点から+Y方向(又は−Y方向)に位置する場合、サイドエッジが位置している方向を+Y方向(又は−Y方向)と特定する。例えば、図20に示す設計データの場合、メタル層1Eの左サイドエッジOは接続層周辺エリア50の中心点から−X方向に位置しているため、方向特定部28は、左サイドエッジOが位置している方向を−X方向と特定する。
【0147】
先端エッジ及びサイドエッジが位置している方向を特定するのは、後述するステップS210の処理において、シミュレーションデータにおける接続層2のパターン形状の位置を移動する方向を特定するためである。
【0148】
ステップS208の処理が終了すると、ステップS209の処理に進む。ステップS209の処理において、移動量算出部29は、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状の先端方向、右方向及び左方向のそれぞれについて形状移動量を算出する。上述したように、本実施形態では、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状と接触する接続層2のパターン形状の移動量を、形状移動量とも表記する。ステップS208の処理で特定された先端エッジが位置している方向が、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状の先端方向である。ステップS208の処理で特定された右サイドエッジが位置している方向が、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状の右方向である。ステップS208の処理で特定された左サイドエッジが位置している方向が、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状の左方向である。
【0149】
移動量算出部29は、差分テーブルから抽出した寸法差分の平均値を、形状移動量として算出してもよい。すなわち、移動量算出部29は、寸法差分を、差分テーブルから複数
抽出し、抽出した複数の寸法差分の平均値を、形状移動量として算出してもよい。差分値抽出部27により、差分テーブルから先端方向の寸法差分の値が2つ抽出されるので、移動量算出部29は、抽出された2つの値を平均することにより形状移動量として算出してもよい。また、差分値抽出部27により、差分テーブルから幅方向の寸法差分の値が1つ抽出されるので、移動量算出部29は、抽出された値をそのまま形状移動量として算出してもよい。
【0150】
例えば、図20に示す設計データの場合、移動量算出部29は、図7の(A)に示すT字型のテストパターンの差分テーブルから抽出した10nm及び−2nmの平均値である4nmを、メタル層1のパターン形状の先端方向の形状移動量として算出する。例えば、図20に示す設計データの場合、移動量算出部29は、図17に示す差分テーブルから抽出した−3nmの値を、メタル層1のパターン形状の左サイドエッジOに対する形状移動量として算出する。例えば、図20に示す設計データの場合、移動量算出部29は、図17に示す差分テーブルから抽出した0.3nmの値を、メタル層1のパターン形状の右サイドエッジPに対する形状移動量として算出する。
【0151】
ステップS209の処理が終了すると、ステップS210の処理に進む。ステップS210の処理において、判定部31は、シミュレーションデータにおける接続層2のパターン形状の全てに対して、メタル層1のパターン形状と接続層2のパターン形状との接触面積を算出し、接触面積が所定基準を満たしているか否かを判定する。
【0152】
判定部31による判定処理の詳細を説明する。判定部31は、シミュレーションデータにおける接続層2のパターン形状の位置を移動させる前のメタル層1のパターン形状と接続層2のパターン形状とのAND面積を算出する。そして、判定部31は、算出したAND面積を、接続層2のパターン形状のターゲット面積で割ることにより、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状と接続層2のパターン形状とのAND面積の比率を計算する。接続層2のパターン形状のターゲット面積は、例えば、設計データにおける接続層2のパターン形状のデザイン図形面積や、デザイン図形面積に内接する円の面積等である。本実施形態では、シミュレーションデータにおける接続層2のパターン形状の位置を移動させる前のメタル層1のパターン形状と接続層2のパターン形状とのAND面積の比率を、移動前のAND面積の比率とも表記する。
【0153】
また、判定部31は、シミュレーションデータにおける接続層2のパターン形状の位置を所定方向に形状移動量の値に応じて移動して、メタル層1のパターン形状と接続層2のパターン形状とのAND面積を算出する。シミュレーションデータにおける接続層2のパターン形状の位置の移動は移動部30によって行われる。所定方向は、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状の先端方向及び幅方向である。メタル層1のパターン形状の幅方向は、メタル層1のパターン形状の左サイドエッジ方向、及び、メタル層1のパターン形状の右サイドエッジ方向がある。
【0154】
そして、判定部31は、算出したAND面積を、接続層2のパターン形状のターゲット面積で割ることにより、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状と接続層2のパターン形状とのAND面積の比率を計算する。本実施形態では、シミュレーションデータにおける接続層2のパターン形状の位置を移動させる前のメタル層1のパターン形状と接続層2のパターン形状とのAND面積を、移動前のAND面積とも表記する。本実施形態では、シミュレーションデータにおける接続層2のパターン形状の位置を移動させる前のメタル層1のパターン形状と接続層2のパターン形状とのAND面積の比率を、移動前のAND面積の比率とも表記する。本実施形態では、シミュレーションデータにおける接続層2のパターン形状の位置を移動させた後のメタル層1のパターン形状と接続層2のパターン形状とのAND面積を、移動後のAND面積とも表記する。本実施形態で
は、シミュレーションデータにおける接続層2のパターン形状の位置を移動させた後のメタル層1のパターン形状と接続層2のパターン形状とのAND面積の比率を、移動後のAND面積の比率とも表記する。
【0155】
判定部31は、移動前のAND面積の比率及び移動後のAND面積の比率に基づいて、最終的な移動後のAND面積の比率を算出する。具体的には、判定部31は、接続周辺エリア50内に含まれるエッジの数分だけ接続層2のパターン形状の移動を行って、移動前のAND面積の比率と移動後のAND面積の比率との差(Δ)をエッジの数だけ算出する。そして、判定部31は、移動前のAND面積の比率に、エッジの数の分の差(Δ)を足した値を最終的な移動後のAND面積の比率として算出する。図21を参照して、判定部31が、移動前のAND面積の比率及び移動後のAND面積の比率に基づいて、最終的な移動後のAND面積の比率を算出する処理の一例を説明する。図21は、シミュレーションデータにおける接続層2のパターン形状とメタル層1のパターン形状の一部を示す図である。
【0156】
図21の(A)は、シミュレーションデータにおける接続層2のパターン形状の位置を移動させる前の接続層2のパターン形状及びメタル層1のパターン形状を示す図である。図21の(A)に示すシミュレーションデータの場合、判定部31は、移動前のAND面積を算出し、移動前のAND面積を接続層2のパターン形状のターゲット面積で割ることにより、移動前のAND面積の比率A0を計算する。
【0157】
図21の(B)、(C)及び(D)は、シミュレーションデータにおける接続層2のパターン形状の位置を移動させた後の接続層2のパターン形状及びメタル層1のパターン形状を示す図である。図21の(B)、(C)及び(D)に示すシミュレーションデータにおいては、移動前の接続層2のパターン形状の位置を実線で示し、移動後の接続層2のパターン形状の位置を点線で示している。
【0158】
図21の(B)に示すシミュレーションデータでは、接続層2のパターン形状の位置が、形状移動量の値に応じて、メタル層1のパターン形状の幅方向(図20では左方向)に移動している。ステップS209の処理で算出された形状移動量の値がプラスであれば、移動部30は、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状の位置を、メタル層1のパターン形状の左サイドエッジ方向に向けて移動する。ステップS209の処理で算出された形状移動量の値がマイナスであれば、移動部30は、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状の位置を、メタル層1のパターン形状の右サイドエッジ方向に向けて移動する。
【0159】
図21の(B)に示すシミュレーションデータの場合、判定部31は、移動後のAND面積を算出し、移動後のAND面積を接続層2のパターン形状のターゲット面積で割ることにより、移動後のAND面積の比率A1を計算する。図21の(B)に示すシミュレーションデータの場合、判定部31は、移動後のAND面積の比率A1から移動前のAND面積の比率A0を引いた値Δ1を算出する。
【0160】
判定部31は、ステップS209の処理で算出された形状移動量の値の符号と、Δ1の値の符号とが、異なるか同一かを判定する。ステップS209の処理で算出された形状移動量の値の符号とΔ1の値の符号とが異なる場合、判定部31は、Δ1の値をそのまま採用する。例えば、ステップS209の処理で算出された形状移動量の値がプラスであり、Δ1の値がマイナスである場合、判定部31は、Δ1の値をそのまま採用する。例えば、ステップS209の処理で算出された形状移動量の値がマイナスであり、Δ1の値がプラスである場合、判定部31は、Δ1の値をそのまま採用する。
【0161】
ステップS209の処理で算出された形状移動量の値の符号とΔ1の値の符号とが同一である場合、判定部31は、Δ1の値をゼロ(0)とする。例えば、ステップS209の処理で算出された形状移動量の値がプラスであり、Δ1の値がプラスである場合、判定部31は、Δ1の値をゼロ(0)とする。例えば、ステップS209の処理で算出された形状移動量の値がマイナスであり、Δ1の値がマイナスである場合、判定部31は、Δ1の値をゼロ(0)とする。
【0162】
図21の(C)に示すシミュレーションデータでは、接続層2のパターン形状の位置が、形状移動量の値に応じて、メタル層1のパターン形状の先端方向(図20では上方向)に移動している。ステップS209の処理で算出された形状移動量の値がプラスであれば、移動部30は、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状の位置を、メタル層1のパターン形状の先端方向に向けて移動する。ステップS209の処理で算出された形状移動量の値がマイナスであれば、移動部30は、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状の位置を、メタル層1のパターン形状の先端方向の反対方向に向けて移動する。
【0163】
図21の(C)に示すシミュレーションデータの場合、判定部31は、移動後のAND面積を算出し、移動後のAND面積を接続層2のパターン形状のターゲット面積で割ることにより、移動後のAND面積の比率A2を計算する。図21の(C)に示すシミュレーションデータの場合、判定部31は、移動後のAND面積の比率A2から移動前のAND面積の比率A0を引いた値Δ2を算出する。
【0164】
判定部31は、ステップS209の処理で算出された形状移動量の値の符号と、Δ2の値の符号とが、異なるか同一かを判定する。ステップS209の処理で算出された形状移動量の値の符号とΔ2の値の符号とが異なる場合、判定部31は、Δ2の値をそのまま採用する。ステップS209の処理で算出された形状移動量の値の符号とΔ2の値の符号とが同一である場合、判定部31は、Δ2の値をゼロ(0)とする。
【0165】
図21の(D)に示すシミュレーションデータでは、接続層2のパターン形状の位置が、形状移動量の値に応じて、メタル層1のパターン形状の幅方向(図20では右方向)に移動している。ステップS209の処理で算出された形状移動量の値がプラスであれば、移動部30は、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状の位置を、メタル層1のパターン形状の右サイドエッジ方向に向けて移動する。ステップS209の処理で算出された形状移動量の値がマイナスであれば、移動部30は、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状の位置を、メタル層1のパターン形状の左サイドエッジ方向に向けて移動する。
【0166】
図21の(D)に示すシミュレーションデータの場合、判定部31は、移動後のAND面積を算出し、移動後のAND面積を接続層2のパターン形状のターゲット面積で割ることにより、移動後のAND面積の比率A3を計算する。図21の(D)に示すシミュレーションデータの場合、判定部31は、移動後のAND面積の比率A3から移動前のAND面積の比率A0を引いた値Δ3を算出する。
【0167】
判定部31は、ステップS209の処理で算出された形状移動量の値の符号と、Δ3の値の符号とが、異なるか同一かを判定する。ステップS209の処理で算出された形状移動量の値の符号とΔ3の値の符号とが異なる場合、判定部31は、Δ3の値をそのまま採用する。ステップS209の処理で算出された形状移動量の値の符号とΔ3の値の符号とが同一である場合、判定部31は、Δ3の値をゼロ(0)とする。
【0168】
判定部31は、移動前のAND面積の比率A0に、Δ1、Δ2及びΔ3を足した値を最
終的な移動後のAND面積の比率として算出する。判定部31は、最終的な移動後のAND面積の比率が、基準値B1以上であるか否かを判定する。
【0169】
最終的な移動後のAND面積の比率が基準値B1以上である場合、判定部31は、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状と接続層2のパターン形状との接触面積が所定基準を満たしていると判定する。一方、最終的な移動後のAND面積の比率が基準値B1未満である場合、判定部31は、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状と接続層2のパターン形状との接触面積が所定基準を満たしていないと判定する。基準値B1は、検証装置10の操作者が予め設定することができる。例えば、基準値B1が90%であり、AND面積の比率が85%の場合、判定部31は、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状と接続層2のパターン形状との接触面積が所定基準を満たしていないと判定する。
【0170】
ステップS210の処理が終了すると、ステップS211の処理に進む。ステップS211の処理において、出力部32は、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状と接続層2のパターン形状との接触面積が所定基準を満たしていない箇所の接続層2のパターン形状の座標を、エラー情報として出力する。出力部32は、接続層2のパターン形状の座標とともに、AND面積の値又はAND面積の比率の値を、エラー情報として出力してもよい。
【0171】
出力部32によって出力されたエラー情報が表示部33に入力され、表示部33がエラー情報を表示することにより、検証装置10の操作者はエラー情報を確認することが可能である。検証装置10の操作者がエラー情報を確認することにより、検証装置10の操作者は、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状と接続層2のパターン形状との接触面積が十分に確保されているか否かを検証することができる。
【0172】
実施例2では、シミュレーションデータにおける接続層2のパターン形状の位置を移動することにより、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状と接続層2のパターン形状との接触面積の検証を、寸法差分を考慮して行うことができる。すなわち、実施例2によれば、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状の先端方向及び幅方向についての寸法差分を考慮して、シミュレーションデータの検証を行うことができる。
【0173】
本実施形態によれば、シミュレーション精度が悪い部分についての検証精度の低下を抑制することがきる。本実施形態によれば、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状の先端部分についてのシミュレーション精度が悪くても、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状の先端部分についての検証精度の低下を抑止できる。本実施形態によれば、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状の先端部分以外についてのシミュレーション精度が悪くても、シミュレーションデータにおけるメタル層1のパターン形状の先端部分についての検証精度の低下を抑止できる。本実施形態によれば、シミュレーションデータにおけるゲート層や活性層のパターン形状についての検証精度の低下を抑止することができる。この結果、シミュレーションを用いた検証で、歩留まり劣化を招くパターンを検出することができ、歩留まりを向上させることができる。
【0174】
〈コンピュータ読み取り可能な記録媒体〉
コンピュータに上記いずれかの機能を実現させるプログラムをコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータに、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、
磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータから読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータから取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R/W、DVD、DAT、8mmテープ、メモリカード等がある。また、コンピュータに固定された記録媒体としてハードディスクやROM等がある。
【0175】
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
半導体装置を製造するために用いられるデータに基づいてシミュレーションにより第1及び第2のパターンを算出して、前記第1及び第2のパターンのシミュレーションデータを作成する作成手段と、
前記シミュレーションデータにおける前記第1のパターンの寸法と、前記半導体装置を製造するために用いられるデータに基づいて製造プロセスにより製造された前記半導体装置が有する前記第1のパターンの寸法との差分値を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている前記差分値から前記シミュレーションデータにおける前記第2のパターンの移動量を算出する算出手段と、
前記シミュレーションデータにおける前記第2のパターンの位置を、所定方向に前記移動量の値に応じて移動させて、前記第1のパターンと前記第2のパターンとの重なり面積が所定基準を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記所定基準を満たしていないと判定された場合、エラー情報を出力する出力手段と、を備えることを特徴とする検証装置。
(付記2)
前記記憶手段は、前記シミュレーションデータにおける第1のパターンの先端の寸法と、前記半導体装置を製造するために用いられるデータに基づいて製造プロセスにより製造された前記半導体装置が有する第1のパターンの先端の寸法との差分値を記憶し、
前記判定手段は、前記シミュレーションデータにおける第1のパターンの位置を、第2のパターンと接触する第1のパターンの先端方向に前記移動量の値に応じて移動させて、第1のパターンと第2のパターンとの重なり面積が所定基準を満たすか否かを判定することを特徴とする付記1に記載の検証装置。
(付記3)
前記記憶手段は、前記シミュレーションデータにおける第1のパターンの幅の寸法と、前記半導体装置を製造するために用いられるデータに基づいて製造プロセスにより製造された前記半導体装置が有する第1のパターンの幅の寸法との差分値を記憶し、
前記判定手段は、前記シミュレーションデータにおける第1のパターンの位置を、第2のパターンと接触する第1のパターンの先端方向及び幅方向に前記移動量の値だけ移動させて、第1のパターンと第2のパターンとの重なり面積が所定基準を満たすか否かを判定することを特徴とする付記2に記載の検証装置。
(付記4)
検証装置が、
半導体装置を製造するために用いられるデータに基づいてシミュレーションにより第1及び第2のパターンを算出して、前記第1及び第2のパターンのシミュレーションデータを作成する作成ステップと、
前記シミュレーションデータにおける前記第1のパターンの寸法と、前記半導体装置を製造するために用いられるデータに基づいて製造プロセスにより製造された前記半導体装置が有する前記第1のパターンの寸法との差分値を記憶する記憶手段を参照するステップと、
前記記憶手段に記憶されている前記差分値から前記シミュレーションデータにおける前記第2のパターンの移動量を算出する算出ステップと、
前記シミュレーションデータにおける前記第2のパターンの位置を所定方向に前記移動量の値だけ移動させて、前記第1のパターンと前記第2のパターンとの重なり面積が所定
基準を満たすか否かを判定する判定ステップと、
前記所定基準を満たしていないと判定された場合、エラー情報を出力する出力ステップと、を実行することを特徴とする検証方法。
(付記5)
前記記憶手段は、前記シミュレーションデータにおける第1のパターンの先端の寸法と、前記半導体装置を製造するために用いられるデータに基づいて製造プロセスにより製造された前記半導体装置が有する第1のパターンの先端の寸法との差分値を記憶し、
前記判定ステップは、前記シミュレーションデータにおける第1のパターンの位置を、第2のパターンと接触する第1のパターンの先端方向に前記移動量の値に応じて移動させて、第1のパターンと第2のパターンとの重なり面積が所定基準を満たすか否かを判定することを特徴とする付記4に記載の検証方法。
(付記6)
前記記憶手段は、前記シミュレーションデータにおける第1のパターンの幅の寸法と、前記半導体装置を製造するために用いられるデータに基づいて製造プロセスにより製造された前記半導体装置が有する第1のパターンの幅の寸法との差分値を記憶し、
前記判定ステップは、前記シミュレーションデータにおける第1のパターンの位置を、第2のパターンと接触する第1のパターンの先端方向及び幅方向に前記移動量の値だけ移動させて、第1のパターンと第2のパターンとの重なり面積が所定基準を満たすか否かを判定することを特徴とする付記5に記載の検証方法。
(付記7)
検証装置に、
半導体装置を製造するために用いられるデータに基づいてシミュレーションにより第1及び第2のパターンを算出して、前記第1及び第2のパターンのシミュレーションデータを作成する作成ステップと、
前記シミュレーションデータにおける前記第1のパターンの寸法と、前記半導体装置を製造するために用いられるデータに基づいて製造プロセスにより製造された前記半導体装置が有する前記第1のパターンの寸法との差分値を記憶する記憶手段を参照するステップと、
前記記憶手段に記憶されている前記差分値から前記シミュレーションデータにおける前記第2のパターンの移動量を算出する算出ステップと、
前記シミュレーションデータにおける前記第2のパターンの位置を所定方向に前記移動量の値だけ移動させて、前記第1のパターンと前記第2のパターンとの重なり面積が所定基準を満たすか否かを判定する判定ステップと、
前記所定基準を満たしていないと判定された場合、エラー情報を出力する出力ステップと、を実行させるための検証プログラム。
(付記8)
前記記憶手段は、前記シミュレーションデータにおける第1のパターンの先端の寸法と、前記半導体装置を製造するために用いられるデータに基づいて製造プロセスにより製造された前記半導体装置が有する第1のパターンの先端の寸法との差分値を記憶し、
前記判定ステップは、前記シミュレーションデータにおける第1のパターンの位置を、第2のパターンと接触する第1のパターンの先端方向に前記移動量の値に応じて移動させて、第1のパターンと第2のパターンとの重なり面積が所定基準を満たすか否かを判定することを特徴とする付記7に記載の検証プログラム。
(付記9)
前記記憶手段は、前記シミュレーションデータにおける第1のパターンの幅の寸法と、前記半導体装置を製造するために用いられるデータに基づいて製造プロセスにより製造された前記半導体装置が有する第1のパターンの幅の寸法との差分値を記憶し、
前記判定ステップは、前記シミュレーションデータにおける第1のパターンの位置を、第2のパターンと接触する第1のパターンの先端方向及び幅方向に前記移動量の値だけ移動させて、第1のパターンと第2のパターンとの重なり面積が所定基準を満たすか否かを
判定することを特徴とする付記8に記載の検証プログラム。
【符号の説明】
【0176】
1 メタル層
2 接続層
10 検証装置
11 CPU
12 メモリ
13 インターフェース
14 ハードディスク装置
15 可搬媒体駆動装置
16 入力装置
17 表示装置
20 記憶部
21 入力部
22 作成部
23 エッジ特定部
24 エリア生成部
25 エリア特定部
26 配置特定部
27 差分値抽出部
28 方向特定部
29 移動量算出部
30 移動部
31 判定部
32 出力部
33 表示部
40 先端近傍エリア
50 接続層周辺エリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体装置を製造するために用いられるデータに基づいてシミュレーションにより第1及び第2のパターンを算出して、前記第1及び第2のパターンのシミュレーションデータを作成する作成手段と、
前記半導体装置を製造するために用いられるデータに基づいて製造プロセスにより製造された前記半導体装置が有する前記第1のパターンの寸法と、前記シミュレーションデータにおける前記第1のパターンの寸法との差分値を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている前記差分値から前記シミュレーションデータにおける前記第2のパターンの移動量を算出する算出手段と、
前記シミュレーションデータにおける前記第2のパターンの位置を、所定方向に前記移動量の値に応じて移動させて、前記第1のパターンと前記第2のパターンとの重なり面積が所定基準を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記所定基準を満たしていないと判定された場合、エラー情報を出力する出力手段と、を備えることを特徴とする検証装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、前記半導体装置を製造するために用いられるデータに基づいて製造プロセスにより製造された前記半導体装置が有する第1のパターンの先端の寸法と、前記シミュレーションデータにおける第1のパターンの先端の寸法との差分値を記憶し、
前記判定手段は、前記シミュレーションデータにおける第1のパターンの位置を、第2のパターンと接触する第1のパターンの先端方向に前記移動量の値に応じて移動させて、第1のパターンと第2のパターンとの重なり面積が所定基準を満たすか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の検証装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、前記半導体装置を製造するために用いられるデータに基づいて製造プロセスにより製造された前記半導体装置が有する第1のパターンの幅の寸法と、前記シミュレーションデータにおける第1のパターンの幅の寸法との差分値を記憶し、
前記判定手段は、前記シミュレーションデータにおける第1のパターンの位置を、第2のパターンと接触する第1のパターンの先端方向及び幅方向に前記移動量の値だけ移動させて、第1のパターンと第2のパターンとの重なり面積が所定基準を満たすか否かを判定することを特徴とする請求項2に記載の検証装置。
【請求項4】
検証装置が、
半導体装置を製造するために用いられるデータに基づいてシミュレーションにより第1及び第2のパターンを算出して、前記第1及び第2のパターンのシミュレーションデータを作成する作成ステップと、
前記半導体装置を製造するために用いられるデータに基づいて製造プロセスにより製造された前記半導体装置が有する前記第1のパターンと、前記シミュレーションデータにおける前記第1のパターンとの差分値を記憶する記憶手段を参照するステップと、
前記記憶手段に記憶されている前記差分値から前記シミュレーションデータにおける前記第2のパターンの移動量を算出する算出ステップと、
前記シミュレーションデータにおける前記第2のパターンの位置を所定方向に前記移動量の値だけ移動させて、前記第1のパターンと前記第2のパターンとの重なり面積が所定基準を満たすか否かを判定する判定ステップと、
前記所定基準を満たしていないと判定された場合、エラー情報を出力する出力ステップと、を実行することを特徴とする検証方法。
【請求項5】
前記記憶手段は、前記半導体装置を製造するために用いられるデータに基づいて製造プロセスにより製造された前記半導体装置が有する第1のパターンの先端の寸法と、前記シミュレーションデータにおける第1のパターンの先端の寸法との差分値を記憶し、
前記判定ステップは、前記シミュレーションデータにおける第1のパターンの位置を、第2のパターンと接触する第1のパターンの先端方向に前記移動量の値に応じて移動させて、第1のパターンと第2のパターンとの重なり面積が所定基準を満たすか否かを判定することを特徴とする請求項4に記載の検証方法。
【請求項6】
検証装置に、
半導体装置を製造するために用いられるデータに基づいてシミュレーションにより第1及び第2のパターンを算出して、前記第1及び第2のパターンのシミュレーションデータを作成する作成ステップと、
前記半導体装置を製造するために用いられるデータに基づいて製造プロセスにより製造された前記半導体装置が有する前記第1のパターンと、前記シミュレーションデータにおける前記第1のパターンとの差分値を記憶する記憶手段を参照するステップと、
前記記憶手段に記憶されている前記差分値から前記シミュレーションデータにおける前記第2のパターンの移動量を算出する算出ステップと、
前記シミュレーションデータにおける前記第2のパターンの位置を所定方向に前記移動量の値だけ移動させて、前記第1のパターンと前記第2のパターンとの重なり面積が所定基準を満たすか否かを判定する判定ステップと、
前記所定基準を満たしていないと判定された場合、エラー情報を出力する出力ステップと、を実行させるための検証プログラム。
【請求項7】
前記記憶手段は、前記半導体装置を製造するために用いられるデータに基づいて製造プロセスにより製造された前記半導体装置が有する第1のパターンの先端の寸法と、前記シミュレーションデータにおける第1のパターンの先端の寸法との差分値を記憶し、
前記判定ステップは、前記シミュレーションデータにおける第1のパターンの位置を、第2のパターンと接触する第1のパターンの先端方向に前記移動量の値に応じて移動させて、第1のパターンと第2のパターンとの重なり面積が所定基準を満たすか否かを判定することを特徴とする請求項6に記載の検証プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2011−76124(P2011−76124A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−223584(P2009−223584)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】