説明

極低温複合材圧力容器の製造方法

【課題】 軽量で強度特性に優れるとともに、極低温環境下においても亀裂が発生することがなく高い気密性を有する極低温複合材圧力容器を製造する方法を提供する。
【解決手段】 内殻10及び外殻20を有する耐圧層と、内殻10の内面に形成された気密樹脂層30と、を備える極低温複合材圧力容器の製造方法である。気密樹脂層30の融点以上の加熱に耐え得る繊維強化樹脂複合材で内殻10を成形し、内殻10の内面に熱可塑型気密性樹脂フィルムを融着することにより気密樹脂層30を形成し、気密樹脂層30の融点未満の温度で成形される繊維強化樹脂複合材で外殻20を成形する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、極低温複合材圧力容器の製造方法に関し、特に、液体水素や液体酸素等の極低温流体を貯留するための極低温複合材圧力容器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、宇宙航行用のロケットの燃料として使用される液体水素や液体酸素等の極低温流体を貯留するためのタンク(極低温用タンク)には、気密性の高い金属製の極低温用タンクが使用されていた。しかし、かかる金属製タンクは重量が大きく製造コストも嵩むため、現在においては、金属よりも比強度が高く軽量な「複合材」で製作した極低温用タンクが提案されている。
【0003】
ところが、前記した複合材製タンクを採用すると、タンクを構成する複合材が極低温流体に接触して極低温になり、複合材を構成する補強繊維と樹脂との熱膨張差に起因して樹脂に微少な亀裂が生じ、この亀裂から極低温燃料が漏出するという問題がある。
【0004】
このような問題を解決するために、複合材製タンクの内面に、接着剤を用いて気密性の高い液晶ポリマフィルムを接着して液晶ポリマ層を形成することにより、軽量で気密性の高い極低温用タンクを製造する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、極低温環境下においても亀裂が生じ難い特定のエポキシ樹脂組成物で構成された改良複合材が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開2002−104297号公報
【特許文献2】特開2002−212320号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載された技術においては、液晶ポリマフィルムを裁断して複数の小片とし、隣接する小片の一部を重ね接着剤で接着して小片同士を繋ぎ合わせるとともに、これら小片をタンク内面に接着剤で接着することにより液晶ポリマ層を形成していた。
【0006】
このように接着剤を用いて形成した液晶ポリマ層を有するタンクに対して極低温流体の充填・排出を繰り返すと、タンクを構成する複合材が常温と極低温との間で温度変化して膨張・収縮を行うため、複合材と接着剤との熱膨張差に起因して、小片状の液晶ポリマフィルム同士を繋ぐ接着剤層に亀裂が生じ、この亀裂から極低温流体が漏出するという問題が新たに発生していた。このような問題は、特許文献2に記載されたような改良複合材を使用してタンクを構成しても同様に発生し得る。
【0007】
本発明の課題は、軽量で強度特性に優れるとともに、極低温環境下においても亀裂が発生することがなく高い気密性を有する極低温複合材圧力容器を製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、内殻及び外殻を有する耐圧層と、この耐圧層の内側に形成された気密樹脂層と、を備える極低温複合材圧力容器を製造する方法であって、気密樹脂層の融点以上の加熱に耐え得る繊維強化樹脂複合材で前記内殻を成形する内殻成形工程と、前記内殻の内面に熱可塑型気密性樹脂フィルムを融着することにより前記気密樹脂層を形成する気密樹脂層形成工程と、前記気密樹脂層の融点未満の温度で成形される繊維強化樹脂複合材で前記外殻を成形する外殻成形工程と、を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、気密樹脂層の融点以上の加熱に耐え得る繊維強化樹脂複合材で内殻を成形し、この内殻の内面に熱可塑型気密性樹脂フィルムを融着することにより気密樹脂層を形成する。従って、熱可塑型気密性樹脂の融着時の熱による内殻の破壊や変形を防ぐことができる。また、耐圧層と気密樹脂層との間に接着剤層が設けられることがなく、気密樹脂層を形成する熱可塑型気密性樹脂フィルム同士を接着剤で繋ぐ必要もないので、極低温環境下における亀裂の発生を未然に防ぐことができ、気密性を維持することができる。また、気密樹脂層の融点未満の温度で成形される繊維強化樹脂複合材で外殻を成形するので、外殻を成形する時に気密樹脂層が溶融するのを防ぐことができる。また、内殻及び外殻はいずれも繊維強化樹脂複合材で成形されるため、容器の軽量化を達成することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の極低温複合材圧力容器の製造方法において、前記気密樹脂層形成工程で、前記熱可塑型気密性樹脂フィルムを前記内殻の内面に融着する際に、前記熱可塑型気密性樹脂フィルムをその融点未満の温度で加熱することを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、気密樹脂層形成工程で熱可塑型気密性樹脂フィルムを内殻の内面に融着する際に、熱可塑型気密性樹脂フィルムをその融点未満の温度で加熱するので、フィルムが完全に溶融するのを防ぐことができ、確実な融着を実現させることができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の極低温複合材圧力容器の製造方法において、前記内殻成形工程は、円形開口部と、略半球状の底部と、を備え前記内殻を構成する繊維強化樹脂複合材製の第1の容器を成形する第1容器成形工程と、前記第1の容器の前記円形開口部と同径の円形開口部と、略半球状の底部と、この底部に設けられた孔と、を備え前記内殻を構成する繊維強化樹脂複合材製の第2の容器を成形する第2容器成形工程と、を有し、前記気密樹脂層形成工程は、広幅辺と狭幅辺とこれらを結ぶ2つの長辺とを有する長尺略台形状の熱可塑型気密性樹脂フィルムである特定形状フィルムを複数調製するとともに、この特定形状フィルムの前記長辺に沿って複数本の切れ目を設けるフィルム調製工程と、前記切れ目を介して複数の前記特定形状フィルム同士を繋ぎ合わせることにより、前記第1の容器及び前記第2の容器の内面形状に各々沿う2つの膜体を形成する膜体形成工程と、前記2つの膜体を前記第1の容器及び前記第2の容器の内面に各々載置して加圧・加熱し、前記特定形状フィルム同士を融着して接合するとともに前記特定形状フィルムを前記第1の容器及び前記第2の容器の内面に融着して前記気密樹脂層を形成するフィルム融着工程と、を有することを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、広幅辺と狭幅辺とこれらを結ぶ2つの長辺とを有する長尺略台形状の熱可塑性樹脂フィルム(特定形状フィルム)を複数調製するとともに、この特定形状フィルムの長辺に沿って複数本の切れ目を設け、この切れ目を介して複数の特定形状フィルム同士を繋ぎ合わせることにより、内殻を構成する第1及び第2の容器の内面形状に各々沿う2つの膜体を形成する。そして、これら2つの膜体を第1及び第2の容器の内面に載置して加圧・加熱することにより、特定形状フィルム同士を融着して接合するとともに、特定形状フィルムを第1及び第2の容器の内面に融着して気密樹脂層を形成する。
【0014】
すなわち、特定形状フィルム同士を繋ぎ合わせて膜体を形成して形状を保持することができるとともに、粘着性のない熱可塑性樹脂製の特定形状フィルムからなる膜体を第1及び第2の容器の内面に載置して取り付けることができる。従って、特定形状フィルムを第1及び第2の容器の内面に仮止めするためのテープ等が不要となる。また、特定形状フィルムを部分的に重ね合わせているので、融着時に圧力が加えられた場合にこの重ね合わせた部分がスライドして膜体全体が変形するため、第1及び第2の容器の内面にフィルムを追従させることができる。従って、各フィルムを第1及び第2の容器の内面に確実に融着することができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3の何れか一項に記載の極低温複合材圧力容器の製造方法において、前記孔の周囲で前記内殻の外面に接着されるフランジを有する口金を製作する口金製作工程と、前記口金の前記フランジを前記内殻に接着剤で接着する口金取付工程と、を備え、前記気密樹脂層形成工程は、前記口金から前記内殻の内面にわたり、前記フランジと前記内殻との接着部を被覆するように熱可塑型気密性樹脂フィルムを融着して口金取付部気密樹脂層を形成する口金取付部気密樹脂層形成工程をさらに有することを特徴とする。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、内殻に接着された口金から内殻の内面にわたり、口金のフランジと内殻との接着部を被覆するように熱可塑型気密性樹脂フィルムを融着して口金取付部気密樹脂層を形成するので、内殻と口金とを接着する接着剤に極低温流体が接触するのを防ぐことができ、気密性を高めることができる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4の何れか一項に記載の極低温複合材圧力容器の製造方法において、前記熱可塑型気密性樹脂フィルムは、液晶ポリマフィルムであることを特徴とする。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、きわめて高い気密性を有する液晶ポリマフィルムを熱可塑型気密性樹脂フィルムとして採用し、この液晶ポリマフィルムを内殻の内面に融着することにより、気密性に優れた気密樹脂層(液晶ポリマ層)を形成することができる。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項1から5の何れか一項に記載の極低温複合材圧力容器の製造方法において、前記内殻を炭素繊維強化型ポリイミド系複合材で成形し、前記外殻を炭素繊維強化型エポキシ系複合材で成形することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、気密樹脂層の融点以上の加熱に耐え得る繊維強化樹脂複合材で内殻を成形するため、熱可塑型気密性樹脂フィルムの融着により気密樹脂層を形成することができる。この結果、耐圧層と気密樹脂層との間における接着剤層を省くことができるので、極低温環境下における亀裂の発生を未然に防ぐことができ、気密性を維持することができる。また、気密樹脂層の融点未満の温度で成形される繊維強化樹脂複合材で外殻を成形するので、外殻成形時における気密樹脂層の溶融を防ぐことができる。また、内殻及び外殻は繊維強化樹脂複合材で成形されるため、容器の軽量化を達成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を、図を用いて詳細に説明する。
【0022】
まず、図1や図2を用いて、本実施の形態に係る製造方法で製造される極低温用タンク(極低温複合材圧力容器)1の構成について説明する。極低温用タンク1は、宇宙航行用のロケットの燃料として使用される液体水素や液体酸素等の極低温流体を貯留するためのものであり、図1に示すように、内殻10と、内殻10の外側に設けられた外殻20と、内殻10の内面に設けられた気密樹脂層30と、タンク上部に設けられた口金40と、を備えて構成されている。
【0023】
内殻10は、タンクの形状を保つための保形用部材であり、気密樹脂層30の融点以上の加熱に耐え得る繊維強化樹脂複合材で構成される。また、内殻10は、図2に示すような2つのドーム状(略半球状)殻部材である上方殻部材11及び下方殻部材12を結合したものである。下方殻部材12は本発明における第1の容器であり、円形開口部と略半球状の底部とを有している。また、上方殻部材11は本発明における第2の容器であり、下方殻部材12の円形開口部と同径の円形開口部と、略半球状の底部と、この底部に設けられ口金40を取り付けるための取付孔11aと、を有している。外殻20は、タンク内に充填される極低温流体の圧力に耐えるための耐圧用部材であり、気密樹脂層30の融点未満の温度で成形される繊維強化樹脂複合材で構成される。内殻10及び外殻20によって本発明における耐圧層が構成されることとなる。
【0024】
気密樹脂層30は、熱可塑型気密性樹脂フィルムである液晶ポリマフィルムを内殻10の内面に融着することにより形成された気密性を有する層である。本実施の形態においては、図5(a)に示すような長尺略台形状の液晶ポリマフィルム(以下「特定形状フィルム」という)30aや、円形の液晶ポリマフィルム(以下「円形フィルム」という)32b(図6)を内殻10の内面に複数融着することにより気密樹脂層30を形成している。口金40は、図1に示すように環状フランジ部41を有しており、内殻10を構成する上方殻部材11の取付孔11aの周囲部分に接着剤で接着される。
【0025】
次に、図2〜図8を用いて、本実施の形態に係る極低温用タンク1の製造方法について説明する。
【0026】
まず、極低温用タンク1の製造に必要な各種治具・各種材料を準備・調製する(治具材料準備工程)。具体的には、内殻10を構成する上方殻部材11及び下方殻部材12を各々成形するための雄型成形治具を準備する。また、内殻10の成形に用いられる炭素繊維強化型ポリイミド系複合材のプリプレグ(炭素繊維の織物材にポリイミド樹脂を含浸させた粘着性及び柔軟性を有する板状中間基材)や、外殻20の成形に用いられる炭素繊維強化型エポキシ系複合材のプリプレグ(炭素繊維の織物材にエポキシ樹脂を含浸させた粘着性及び柔軟性を有する板状中間基材)を調製する。また、治具材料準備工程では、気密樹脂層30の形成に用いられる特定形状フィルム30aや、下方殻部材12の内面12Aの頂部中央付近に配置される径の異なる複数の円形フィルム32bを調製する。すなわち、治具材料準備工程は、本発明におけるフィルム調製工程を含む。
【0027】
雄型成形治具は、ドーム状殻部材である上方殻部材11及び下方殻部材12の形状に対応するようなドーム状(略半球状)の成形面を有している。また、炭素繊維強化型ポリイミド系複合材のプリプレグや炭素繊維強化型エポキシ系複合材のプリプレグは、各々複数枚準備される。本実施の形態においては、炭素繊維強化型ポリイミド系複合材として、ガラス転移点が300℃を超える「CA104(UPILEX)」(商品名:宇部興産社製)を採用するとともに、炭素繊維強化型エポキシ系複合材として「W-3101/Q-112j」(商品名:東邦テナックス社製)を採用している。
【0028】
気密樹脂層30の形成に用いられる特定形状フィルム30aは、図5(a)に示すように、広幅辺30bと、狭幅辺30cと、これらを結ぶ緩やかに湾曲した2つの長辺30dと、を有する長尺略台形状の平面形状を有している。特定形状フィルム30aの広幅辺30bは、上方殻部材11や下方殻部材12の裾部(開口部)側に配置され、狭幅辺30cは上方殻部材11や下方殻部材12の頂部側に配置される。また、特定形状フィルム30aには、各長辺30dから幅方向中央部に向けて各幅の約1/4長延在する横切れ目30eが設けられている。
【0029】
一の特定形状フィルム30aの横切れ目30eと、隣接する他の特定形状フィルム30aの横切れ目30eと、をかみ合わせることにより、図5(b)に示すように特定形状フィルム30aの約1/2の幅を有する領域同士を重ね合わせて特定形状フィルム30a同士を繋ぎ合わせることができる。特定形状フィルム30aを複数繋ぎ合わせることにより、図5(b)及び図6に示すように、上方殻部材11の内面11Aや下方殻部材12の内面12Aの形状に沿う膜体31a、32aが形成される。本実施の形態においては、液晶ポリマフィルム(特定形状フィルム30a及び円形フィルム32b)として、厚さ50μm〜100μm融点約300℃の「VecstarFA-100」(商品名:クラレ社製)を採用している。
【0030】
治具材料準備工程を経た後、雄型成形治具及び炭素繊維強化型ポリイミド系複合材のプリプレグを用いて、図2(a)に示すように、内殻10を構成する上方殻部材11及び下方殻部材12の成形を行う(内殻成形工程)。具体的には、上方殻部材11を成形するための雄型成形治具の成形面上に、炭素繊維強化型ポリイミド系複合材のプリプレグを複数枚積層し、これらプリプレグをオートクレーブで加圧・加熱して硬化させることにより、上方殻部材11の成形を行う(第2容器成形工程)。同様に、下方殻部材12を成形するための雄型成形治具の成形面上に、炭素繊維強化型ポリイミド系複合材のプリプレグを複数枚積層し、これらプリプレグをオートクレーブで加圧・加熱して硬化させることにより、下方殻部材12の成形を行う(第1容器成形工程)。
【0031】
雄型成形治具に炭素繊維強化型ポリイミド系複合材のプリプレグを積層する際には、雄型成形治具のドーム状成形面の周方向1/3〜1/2の範囲を覆う幅を有する各プリプレグを引き伸ばして、このドーム状成形面の頂点付近から裾部分までなじませる。そして、全周について一層積層し終えると、各プリプレグの境界部を覆うように次の層を積層する。また、各プリプレグの繊維配向を直下の層に対して約30°ずつずらすことにより、擬似的な等方性を確保する。また、雄型成形治具の成形面の曲面形状変化に起因してプリプレグに皺が形成される場合には、皺が形成される部位に切り込みを入れて、切り込み近傍のプリプレグ同士を重ね合わせることにより、プリプレグを雄型成形治具の成形面になじませるようにする。プリプレグは、タンク形状を保つことができる最小の積層数(例えば3〜5層)だけ積層する。
【0032】
次いで、図2(b)に示すように、内殻10を構成する上方殻部材11の内面に特定形状フィルム30aを融着して上部液晶ポリマ層31を形成するとともに、内殻10を構成する下方殻部材12の内面に特定形状フィルム30a及び円形フィルム32bを融着して下部液晶ポリマ層32を形成する(上下液晶ポリマ層形成工程)。
【0033】
具体的には、図5(a)に示した特定形状フィルム30aを複数枚繋ぎ合わせることにより、図5(b)及び図6(a)に示すように上方殻部材11の内面11Aの形状に対応するような膜体31aを形成し(膜体形成工程)、この膜体31aを上方殻部材11の内面11Aに2層配置する。その後、図7(a)に示すように、上方殻部材11及び膜体31aをポリイミドフィルム50で被覆し、ポリイミドフィルム50内をシーラント51で密閉する。そして、真空引きしながらオートクレーブで0.3MPaの圧力を加えるとともに、液晶ポリマフィルムの融点未満の温度(例えば260℃〜299℃)で加熱して約15分間以上保持することにより、上方殻部材11の内面11Aに膜体31aを融着して、図2(b)及び図5(b)に示すような上部液晶ポリマ層31を形成する(フィルム融着工程)。
【0034】
また、図5(a)に示した特定形状フィルム30aを複数枚繋ぎ合わせることにより、図5(b)及び図6(b)に示すように下方殻部材12の内面12Aの形状に対応するような膜体32aを形成し(膜体形成工程)、この膜体32aを下方殻部材12の内面12Aに2層配置する。また、図6(b)に示すように、円形フィルム32bを下方殻部材12の内面12Aの頂部中央付近に複数枚配置する。その後、図7(b)に示すように、下方殻部材12、膜体32a及び円形フィルム32bをポリイミドフィルム50で被覆し、ポリイミドフィルム50内をシーラント51で密閉する。そして、真空引きしながらオートクレーブで0.3MPaの圧力を加えるとともに、液晶ポリマフィルムの融点未満の温度(例えば260℃〜299℃)で加熱して約15分間以上保持することにより、下方殻部材12の内面12Aに膜体32a及び円形フィルム32bを融着して、図2(b)及び図5(b)に示すような下部液晶ポリマ層32を形成する(フィルム融着工程)。
【0035】
すなわち、本実施の形態における上下液晶ポリマ層形成工程は、本発明における膜体形成工程及びフィルム融着工程を含むものである。この上下液晶ポリマ層形成工程で採用する温度域(例えば260℃〜299℃)は、液晶ポリマフィルムの融点には達しないが融点に近く、液晶ポリマフィルムとしての機能を保持するが軟化して内殻10に液晶ポリマフィルムが(又は液晶ポリマフィルム同士が)接着される温度域である。また、前記温度域は、内殻10を構成するポリイミド樹脂の成形温度より低いので、内殻10の強度の低下や変形が生じることはない。
【0036】
なお、図7に示すように、上方殻部材11及び下方殻部材12の外面とポリイミドフィルム50との間にガラスクロス52を配置する。また、上方殻部材11の内面11A及び下方殻部材12の内面12Aに配置された膜体31a、32aや円形フィルム32bの上にコールプレート(アルミニウム薄板)53を配置し、このコールプレート53とポリイミドフィルム50との間にガラスクロス52を配置するようにする。
【0037】
次いで、図2(c)に示すように、内殻10を構成する上方殻部材11の取付孔11aに取り付けられるチタン合金製の口金40を製作する(口金製作工程)。そして、図2(d)に示すように、調製した口金40の環状フランジ部41の下面内側部分41aに液晶ポリマフィルムを融着して口金部液晶ポリマ層33を形成する(口金部液晶ポリマ層形成工程)。
【0038】
次いで、図3(a)に示すように、内殻10を構成する上方殻部材11の取付孔11aに口金40を取り付ける(口金取付工程)。この際、図8(a)に示すように、口金40の環状フランジ部41の下面外側部分41bを上方殻部材11の取付孔11aの周囲部分の外面に接着剤60を用いて接着する。本実施の形態においては、接着剤60としてエポキシ系フィルム接着剤「AF163-2K」(商品名:3M社製)を採用し、接着の際にはオートクレーブを用いて120℃で加熱するようにする。なお、本実施の形態においては、口金40の内径を、上方殻部材11の取付孔11aの径よりも小さくし、環状フランジ部41の内側部分に融着した液晶ポリマフィルムと上方殻部材11とが重ならないように設定しているため、口金40を上方殻部材11に接着した際に、口金40の環状フランジ部41の下面内側部分41aに形成された口金部液晶ポリマ層33が露出する。
【0039】
次いで、図3(b)及び図8(a)に示すように、口金40の環状フランジ部41の下面内側部分41aに形成された口金部液晶ポリマ層33と、上方殻部材11の取付孔11aの周囲部分の内面に形成された上部液晶ポリマ層31と、を被覆するように液晶ポリマフィルムを融着して口金取付部液晶ポリマ層34を形成する(口金取付部液晶ポリマ層形成工程)。この際には、ハンダゴテ等を用いて液晶ポリマフィルムを部分的に加熱して溶融させる。なお、口金取付部液晶ポリマ層34は本発明における口金取付部気密樹脂層であり、口金取付部液晶ポリマ層形成工程は、本発明における口金取付部気密樹脂層形成工程である。
【0040】
次いで、図4(a)及び図8(b)に示すように、上方殻部材11の端部と下方殻部材12の端部とを接着剤70で接着することにより両者を結合して内殻10を構成するとともに、接着部分の外周に補強バンド80を巻き付けて接着部分を補強する(上下部材結合工程)。本実施の形態においては、接着剤70として、エポキシ系常温接着剤「EA934NA」(商品名:Loctite社製)を採用している。また、本実施の形態においては、補強バンド80として、炭素繊維の織物材に「EA934NA」を含浸させたウェットレイアップ用複合材を採用している。
【0041】
次いで、図4(b)及び図8(b)に示すように、上方殻部材11と下方殻部材12との接着部分の内周に液晶ポリマフィルムを融着して上下部材結合部液晶ポリマ層35を形成する(上下部材結合部液晶ポリマ層形成工程)。この際にも、ハンダゴテ等を用いて液晶ポリマフィルムを部分的に加熱して溶融させる。上下部材結合部液晶ポリマ層35を形成することにより、上方殻部材11に形成された上部液晶ポリマ層31と、下方殻部材12に形成された下部液晶ポリマ層32と、の間における液晶ポリマフィルム非融着部分をなくすことができ、気密性を高めることができる。なお、口金40の開口径は、口金取付部液晶ポリマ層形成工程及び上下部材結合部液晶ポリマ層形成工程における加熱作業を可能とする大きさに設定しておく。
【0042】
次いで、図4(c)に示すように、炭素繊維強化型エポキシ系複合材のプリプレグを用いて外殻20の成形を行う(外殻成形工程)。具体的には、内殻10の面上に、炭素繊維強化型エポキシ系複合材のプリプレグを複数枚積層し、これらプリプレグをオートクレーブで加圧・加熱して硬化させることにより、外殻20の成形を行う。
【0043】
内殻10に炭素繊維強化型エポキシ系複合材のプリプレグを積層する際には、タンクの周方向1/3〜1/2の範囲を覆う幅を有するプリプレグを引き伸ばして、内殻10の上方のドーム状部分の頂点付近から下方のドーム状部分の頂点付近までなじませる。そして、全周について一層積層し終えると、各プリプレグの境界部を覆うように次の層を積層する。また、各プリプレグの繊維配向を、直下の層に対して約30°ずつずらすことにより、擬似的な等方性を確保する。また、内殻10の曲面形状変化に起因してプリプレグに皺が形成される場合には、皺が形成される部位に切り込みを入れて、切り込み近傍のプリプレグ同士を重ね合わせることにより、プリプレグを雄型成形治具の成形面になじませるようにする。プリプレグは、タンク内に充填される極低温流体の圧力に耐えることができる積層数だけ積層する。
【0044】
以上の各工程を経ることにより、極低温用タンク1が製造される。本実施の形態における治具材料準備工程(フィルム調製工程)と、上下液晶ポリマ層形成工程(膜体形成工程及びフィルム融着工程)と、口金部液晶ポリマ層形成工程と、口金取付部液晶ポリマ層形成工程と、上下部材結合部液晶ポリマ層形成工程と、によって本発明における気密樹脂層形成工程が構成される。また、製造された極低温用タンク1の気密樹脂層30は、図4(c)に示すように、上部液晶ポリマ層31と、下部液晶ポリマ層32と、口金部液晶ポリマ層33と、口金取付部液晶ポリマ層34と、上下部材結合部液晶ポリマ層35と、によって構成されることとなる。
【0045】
以上説明した実施の形態に係る製造方法においては、気密樹脂層30の融点以上の加熱に耐え得る炭素繊維強化型ポリイミド系複合材で内殻10を成形し、この内殻10の内面に液晶ポリマフィルム(特定形状フィルム30aや円形フィルム32b)を融着することにより気密樹脂層30を形成する。従って、液晶ポリマフィルムの融着時の熱による内殻10の破壊や変形を防ぐことができる。また、耐圧層と気密樹脂層30との間に接着層が設けられることがなく、気密樹脂層30を形成する液晶ポリマフィルム同士を接着剤で繋ぐ必要もないので、極低温環境下における亀裂の発生を未然に防ぐことができ、気密性を維持することができる。
【0046】
また、以上説明した実施の形態に係る製造方法においては、気密樹脂層30の融点未満の温度で成形される炭素繊維強化型エポキシ系複合材で外殻20を成形するので、耐圧用の外殻20を成形する時に気密樹脂層30が溶融するのを防ぐことができる。また、内殻10及び外殻20はいずれも繊維強化樹脂複合材で成形されるため、タンクの軽量化を達成することができる。
【0047】
また、以上説明した実施の形態に係る製造方法においては、上下液晶ポリマ層形成工程で特定形状フィルム30aや円形フィルム32bを内殻10の内面に融着して気密樹脂層30を形成する際に、これら特定形状フィルム30a及び円形フィルム32bをその融点未満の温度(例えば260℃〜299℃)で加熱するので、フィルムが完全に溶融するのを防ぐことができ、確実な融着を実現させることができる。
【0048】
また、以上説明した実施の形態に係る製造方法においては、広幅辺30aと狭幅辺30bとこれらを結ぶ2つの長辺30dとを有する長尺略台形状の特定形状フィルム30aを複数調製するとともに、この特定形状フィルム30aの長辺30dから複数本の横切れ目30eを設け、この横切れ目30eを介して複数の特定形状フィルム30a同士を繋ぎ合わせることにより、上方殻部材11の内面11A及び下方殻部材12の内面12Aの形状に沿う2つの膜体31a、32aを形成する。そして、形成した膜体31a、32aを上方殻部材11の内面11A及び下方殻部材12の内面12Aに載置して加圧・加熱することにより、特定形状フィルム30a同士を融着して接合するとともに特定形状フィルム30aを上方殻部材11の内面11A及び下方殻部材12の内面12Aに融着して、上部液晶ポリマ層31及び下部液晶ポリマ層32を形成する。
【0049】
すなわち、特定形状フィルム30a同士を繋ぎ合わせて膜体31a、32aを形成して形状を保持することができるとともに、粘着性のない熱可塑性樹脂製の特定形状フィルム30aからなる膜体31a、32aを上方殻部材11の内面11A及び下方殻部材12の内面12Aに載置して取り付けることができる。従って、特定形状フィルム30aを上方殻部材11の内面11A及び下方殻部材12の内面12Aに仮止めするためのテープ等が不要となる。
【0050】
また、特定形状フィルム30aを部分的に重ね合わせているので、融着時に圧力が加えられた場合にこの重ね合わせた部分がスライドして膜体31a、32a全体が変形するため、上方殻部材11の内面11A及び下方殻部材12の内面12Aにフィルムを追従させることができる。従って、各フィルムを上方殻部材11の内面11A及び下方殻部材12の内面12Aに確実に融着することができる。また、膜体31a、32aを構成する複数の特定形状フィルム30aは、同一形状のものを採用することができるので、大量に簡単に調製することができる。なお、横切れ目30eは簡単に設けることができ、横切れ目30e同士のかみ合わせも容易であるので、膜体31a、32aを形成する際の労力は少ない。
【0051】
また、以上説明した実施の形態に係る製造方法においては、横切れ目30eを、特定形状フィルム30aの各長辺30dから幅方向中央部に向けて各幅の約1/4長だけ延在するように設けるので、この横切れ目30eを介して特定形状フィルム30a同士を繋ぎ合わせた際に、特定形状フィルム30aの約1/2の幅を有する領域同士を重ね合わせることができる。従って、特定形状フィルム30aの重ね合わせによる膜体31a、32aの厚さムラを解消することができる。
【0052】
また、以上説明した実施の形態に係る製造方法においては、内殻10を構成する上方殻部材11の取付孔11aの周囲部分と、口金40の環状フランジ部41と、の接着部分の繋ぎ目を被覆するように液晶ポリマフィルムを融着して口金取付部液晶ポリマ層34を形成するので、内殻10と口金40とを接着する接着剤60に極低温流体が接触するのを防ぐことができ、気密性を高めることができる。
【0053】
なお、以上の実施の形態においては、内殻10を構成する複合材として「炭素繊維強化型ポリイミド系複合材」を採用したが、気密樹脂層30の融点以上の加熱に耐え得る他の複合材を採用して内殻10を構成することもできる。また、以上の実施の形態においては、外殻20を構成する複合材として「炭素繊維強化型エポキシ系複合材」を採用したが、気密樹脂層30の融点未満の温度で成形される他の複合材を採用して外殻20を構成することもできる。また、以上の実施の形態においては、炭素繊維強化型の複合材を採用した例を示したが、ガラス繊維やアラミド繊維等の他の補強繊維を用いた複合材を採用することもできる。
【0054】
また、以上の実施の形態においては、広幅辺と狭幅辺とこれらを結ぶ2つの長辺とを有する「長尺略台形状」の特定形状フィルムを繋ぎ合わせることにより、内殻10の内面の形状に沿う膜体を形成し、この膜体を内殻10の内面に融着することにより気密樹脂層30を形成した例を示したが、特定形状フィルムの平面形状はこれに限られるものではない。例えば、略等しい長さの2つの長辺と1つの短辺とを有する「長尺略二等辺三角形状」の液晶ポリマフィルムを特定形状フィルムとして採用することもできる。
【0055】
また、以上の実施の形態においては、内殻10の内側に液晶ポリマフィルムを融着して気密樹脂層30(液晶ポリマ層)を構成した例を示したが、他の熱可塑型気密性樹脂フィルムを用いて気密樹脂層30を構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施の形態に係る製造方法で製造される極低温用タンクの断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る製造方法を説明するための説明図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る製造方法を説明するための説明図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る製造方法を説明するための説明図である。
【図5】(a)は図1に示した極低温用タンクを構成する内殻の内面に融着される特定形状フィルムの平面図であり、(b)は(a)の特定形状フィルムを複数繋ぎ合わせて膜体を形成し、この膜体をドーム状殻部材の内面に載置した後に加圧・加熱して液晶ポリマ層を形成する工程を示す説明図である。
【図6】(a)は図1に示した極低温用タンクの内殻を構成する上方殻部材とこの上方殻部材の内面に載置される膜体とを示す説明図であり、(b)は図1に示した極低温用タンクの内殻を構成する下方殻部材とこの下方殻部材の内面に載置される膜体とを示す説明図である。
【図7】(a)は上方殻部材に膜体を融着する方法の説明図であり、(b)は下方殻部材に膜体を融着する方法の説明図である。
【図8】(a)は図1のA部分の拡大図であり、(b)は図1のB部分の拡大図である。
【符号の説明】
【0057】
1 極低温用タンク(極低温複合材圧力容器)
10 内殻
11 上方殻部材(第2の容器)
11a 取付孔
12 下方殻部材(第1の容器)
20 外殻
30 気密樹脂層
30a 特定形状フィルム(熱可塑型気密性樹脂フィルム、液晶ポリマフィルム)
30b 広幅辺
30c 狭幅辺
30d 長辺
30e 横切れ目
31 上部液晶ポリマ層(気密樹脂層の一部)
31a 膜体
32 下部液晶ポリマ層(気密樹脂層の一部)
32a 膜体
32b 円形フィルム(熱可塑型気密性樹脂フィルム、液晶ポリマフィルム)
33 口金部液晶ポリマ層(気密樹脂層の一部)
34 口金取付部液晶ポリマ層(口金取付部気密樹脂層、気密樹脂層の一部)
35 上下部材結合部液晶ポリマ層(気密樹脂層の一部)
40 口金
41 環状フランジ部
60 接着剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内殻及び外殻を有する耐圧層と、この耐圧層の内側に形成された気密樹脂層と、を備える極低温複合材圧力容器を製造する方法であって、
気密樹脂層の融点以上の加熱に耐え得る繊維強化樹脂複合材で前記内殻を成形する内殻成形工程と、
前記内殻の内面に熱可塑型気密性樹脂フィルムを融着することにより前記気密樹脂層を形成する気密樹脂層形成工程と、
前記気密樹脂層の融点未満の温度で成形される繊維強化樹脂複合材で前記外殻を成形する外殻成形工程と、
を備えることを特徴とする極低温複合材圧力容器の製造方法。
【請求項2】
前記気密樹脂層形成工程で、前記熱可塑型気密性樹脂フィルムを前記内殻の内面に融着する際に、前記熱可塑型気密性樹脂フィルムをその融点未満の温度で加熱することを特徴とする請求項1に記載の極低温複合材圧力容器の製造方法。
【請求項3】
前記内殻成形工程は、
円形開口部と、略半球状の底部と、を備え前記内殻を構成する繊維強化樹脂複合材製の第1の容器を成形する第1容器成形工程と、
前記第1の容器の前記円形開口部と同径の円形開口部と、略半球状の底部と、この底部に設けられた孔と、を備え前記内殻を構成する繊維強化樹脂複合材製の第2の容器を成形する第2容器成形工程と、を有し、
前記気密樹脂層形成工程は、
広幅辺と狭幅辺とこれらを結ぶ2つの長辺とを有する長尺略台形状の熱可塑型気密性樹脂フィルムである特定形状フィルムを複数調製するとともに、この特定形状フィルムの前記長辺に沿って複数本の切れ目を設けるフィルム調製工程と、
前記切れ目を介して複数の前記特定形状フィルム同士を繋ぎ合わせることにより、前記第1の容器及び前記第2の容器の内面形状に各々沿う2つの膜体を形成する膜体形成工程と、
前記2つの膜体を前記第1の容器及び前記第2の容器の内面に各々載置して加圧・加熱し、前記特定形状フィルム同士を融着して接合するとともに前記特定形状フィルムを前記第1の容器及び前記第2の容器の内面に融着して前記気密樹脂層を形成するフィルム融着工程と、を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の極低温複合材圧力容器の製造方法。
【請求項4】
前記孔の周囲で前記内殻の外面に接着されるフランジを有する口金を製作する口金製作工程と、
前記口金の前記フランジを前記内殻に接着剤で接着する口金取付工程と、を備え、
前記気密樹脂層形成工程は、
前記口金から前記内殻の内面にわたり、前記フランジと前記内殻との接着部を被覆するように熱可塑型気密性樹脂フィルムを融着して口金取付部気密樹脂層を形成する口金取付部気密樹脂層形成工程をさらに有することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の極低温複合材圧力容器の製造方法。
【請求項5】
前記熱可塑型気密性樹脂フィルムは、液晶ポリマフィルムであることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の極低温複合材圧力容器の製造方法。
【請求項6】
前記内殻を炭素繊維強化型ポリイミド系複合材で成形し、
前記外殻を炭素繊維強化型エポキシ系複合材で成形することを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の極低温複合材圧力容器の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2006−62320(P2006−62320A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−250814(P2004−250814)
【出願日】平成16年8月30日(2004.8.30)
【出願人】(000005348)富士重工業株式会社 (3,010)
【出願人】(503361400)独立行政法人 宇宙航空研究開発機構 (453)
【Fターム(参考)】