説明

楽器型演奏装置及び楽器演奏システム

【課題】プレイヤに楽器の演奏を擬似的に行わせて、プレイヤが楽器を演奏する気分に浸れる楽器型演奏装置及び楽器型演奏装置を用いた楽器演奏システムを提供する。
【解決手段】楽器の形状の少なくとも一部を模した楽器型演奏装置は、PC30との中継のための差し込み口2と、PC30に記憶された複数のパートデータから構成される楽曲データを差し込み口2を介して記憶する楽曲データ領域22と、プレイヤPからの楽曲データの再生指示を受け付けるボタン4と、スピーカ5と、プレイヤPの擬似的な演奏動作を感知するカメラ3と、ボタン4が再生指示を受け付けたことを条件に、カメラ3による感知に応じて楽器に対応するパートデータをスピーカ5に出力するパート出力部12と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、楽器型演奏装置及び楽器型演奏装置を用いた楽器演奏システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、楽器の演奏を擬似的に行う装置として、電子楽器として使用可能な電話機が提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載の電話機は、数値キーを操作したり、電話機が振られることにより振動を検出したりすることで、演奏音を出力する。
【特許文献1】特開2005−321581号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1に記載の電話機は、電話機に電子楽器の機能が追加されたものであるため、実際に楽器を用いた演奏と比較して、臨場感に欠けるものであった。
【0004】
そこで、本発明は、プレイヤに楽器の演奏を擬似的に行わせて、プレイヤが楽器を演奏する気分に浸ることが可能な楽器型演奏装置及び楽器型演奏装置を用いた楽器演奏システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【0006】
請求項1の発明は、楽器の形状の少なくとも一部を模した楽器型演奏装置(1,101,201,301)において、外部装置(30,31,32)との中継のための端子部(2,202,302)と、前記外部装置に記憶された複数のパートデータから構成される楽曲データを、前記端子部を介して記憶するメモリ部(22,222,322)と、プレイヤ(P,P1,P2,P3)からの前記楽曲データの再生指示を受け付ける操作部(4,204,304)と、音を出力する音声出力部(5,205,305)と、前記プレイヤの擬似的な演奏動作を感知するセンサ部(3,203,303)と、前記操作部が前記再生指示を受け付けたことを条件に、前記センサ部による感知に応じて前記楽器に対応するパートデータを前記音声出力部に出力するパート出力部(12,212,312)と、を備えること、を特徴とする楽器型演奏装置である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の楽器型演奏装置(1,101,201,301)において、前記操作部(4,204,304)が受け付けた再生指示に応じて、前記メモリ部(22,222,322)に記憶された楽曲データのうち前記楽器に対応するパートデータを除いた他のパートデータを前記音声出力部(5,205,305)に出力する楽曲出力部(11,311)を備え、前記パート出力部(12,212,312)は、前記センサ部(3,203,303)による感知に応じて、前記楽曲出力部が出力する他のパートデータに同期して、前記楽器に対応するパートデータを前記音声出力部に出力すること、を特徴とする楽器型演奏装置である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の楽器型演奏装置(1,101,201,301)において、前記センサ部(3,203,303)を複数有し、前記パート出力部(12,212,312)は、複数の前記センサ部の感知に応じて、前記音声出力部(5,205,305)から出力される前記楽器に対応するパートデータの音の大きさ及び音色の少なくともいずれかを変化させて出力すること、を特徴とする楽器型演奏装置である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の楽器型演奏装置(1,101,201,301)において、前記メモリ部(22,222,322)に記憶された楽曲データは、MIDI形式のデータであること、を特徴とする楽器型演奏装置である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の楽器型演奏装置(1)において、前記パート出力部(12)により出力された前記楽器に対応するパートデータのデータ量の、そのパートデータの全体のデータ量に対する割合を算出する割合算出部(13)と、前記割合算出部により算出された結果を告知する告知部(14)と、を備えること、を特徴とする楽器型演奏装置である。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の楽器型演奏装置(1)において、前記端子部(2)は、前記外部装置(30)から前記楽曲データを記憶した記憶媒体(34)を差し込む差し込み口であること、を特徴とする楽器型演奏装置である。
請求項7の発明は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の楽器型演奏装置(1)において、前記端子部(2)は、前記外部装置(31,32)から前記楽曲データをダウンロードするケーブル(33)の差し込み口であること、を特徴とする楽器型演奏装置である。
【0007】
請求項8の発明は、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の楽器型演奏装置(101,201,301)を複数有する楽器演奏システム(1000)において、前記楽器型演奏装置の各々は、前記楽器型演奏装置の間で再生開始に関する同期信号を送受信する通信インタフェース部(125,225,325)を備え、複数の前記楽器型演奏装置のうち一の楽器型演奏装置(301)は、前記操作部(304)からの再生開始に応じて、前記通信インタフェース部を介して前記一の楽器型演奏装置を除いた他の楽器型演奏装置(101,201)に前記同期信号を送信する同期信号送信部(315)を備え、前記他の楽器型演奏装置は、前記通信インタフェース部を介して前記同期信号を受信する同期信号受信部(116,216)を備え、前記他の楽器型演奏装置の各々の前記パート出力部(12,212)は、前記一の楽器型演奏装置の前記パート出力部(312)が出力する前記一の楽器に対応するパートデータに同期して、前記センサ部(3,203)による感知に応じて、前記他の楽器に対応するパートデータを前記音声出力部(5,205)に出力すること、を特徴とする楽器演奏システムである。
請求項9の発明は、請求項2に記載の楽器型演奏装置(101,201,301)を複数有する楽器演奏システム(1000)において、前記楽器型演奏装置の各々は、前記楽器型演奏装置の間で再生開始に関する同期信号を送受信する通信インタフェース部(125,225,325)を備え、複数の前記楽器型演奏装置のうち一の楽器型演奏装置(301)は、前記操作部(304)からの再生開始に応じて、前記通信インタフェース部(325)を介して前記一の楽器型演奏装置を除いた他の楽器型演奏装置(101,201)に前記同期信号を送信する同期信号送信部(315)を備え、前記他の楽器型演奏装置は、前記通信インタフェース部(125,225)を介して前記同期信号を受信する同期信号受信部(116,216)と、前記同期信号受信部が同期信号を受信したことに応じて、前記通信インタフェース部を介して楽器に関する情報である楽器情報を前記一の楽器型演奏装置に送信する楽器情報送信部(117,217)と、を備え、前記一の楽器型演奏装置は、前記通信インタフェース部を介して前記他の楽器型演奏装置から送信された前記楽器情報を受信する楽器情報受信部(318)を備え、前記一の楽器型演奏装置の前記楽曲出力部(311)は、前記メモリ部(322)に記憶された楽曲データのうち前記楽器に対応するパートデータと、前記楽器情報受信部により受信した前記楽器情報に基づき対応するパートデータとを除いた残りのパートデータを出力し、前記他の楽器型演奏装置の前記楽曲出力部は、前記他のパートデータの出力を停止し、前記他の楽器型演奏装置の各々の前記パート出力部(12,212)は、前記一の楽器型演奏装置の前記楽曲出力部が出力する他のパートデータに同期して、前記センサ部(3,203)による感知に応じて、前記他の楽器に対応するパートデータを前記音声出力部(5,205)に出力すること、を特徴とする楽器演奏システムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明は、複数のパートデータから構成される楽曲データのうち、プレイヤの擬似的な演奏動作を感知することで、その楽器のパートデータを出力し、楽器の形状の少なくとも一部を模したものであるので、楽器の演奏をプレイヤに擬似的に行わせることができる。そして、プレイヤにあたかもその楽器を演奏しているかのような気分に浸らせることができる。さらに、外部装置に記憶された楽曲データを、メモリ部に記憶させる中継として端子部を有するので、楽曲データの追加を容易に行うことができる。
(2)本発明は、複数のパートデータから構成される楽曲データのうち、その楽器のパートデータを除いたパートデータを出力するので、伴奏に合わせての楽器の演奏をプレイヤに擬似的に行わせることができる。
【0009】
(3)本発明は、複数のセンサ部の感知に応じて、音声出力部から出力される楽器に対応するパートデータの音の大きさ及び音色の少なくともいずれかを変化させて出力する。よって、プレイヤの擬似的な演奏動作の態様により、様々な変化のある音声を出力することができる。
(4)本発明は、MIDI形式の楽曲データを用いるので、そのデータの特性から、パートデータの指定を容易に行うことができる。
【0010】
(5)本発明は、パート出力部により出力された楽器に対応するパートデータのデータ量の、そのパートデータの全体のデータ量に対する割合を算出して告知するので、プレイヤの擬似的な演奏動作によって再生されたパートデータの再現の割合を、例えば、点数で表して、プレイヤが認識できる環境を提供することができる。
(6)本発明は、外部装置から楽曲データを記憶した記憶媒体を差し込む差し込み口を備え、外部装置から楽曲データをダウンロードするケーブルの差し込み口を備えるので、記憶媒体の挿抜やケーブルの挿抜が容易であるから、楽曲データの追加や更新を容易に行うことができる。
【0011】
(7)本発明は、一の楽器型演奏装置が、操作部からの再生開始に応じて他の楽器型演奏装置に同期信号を送信し、他の楽器型演奏装置が、この同期信号を受信することで一の楽器型演奏装置が出力する一の楽器のパートデータに同期して、センサ部による感知に応じて、他の楽器に対応するパートデータ出力する。よって、一の楽器型演奏装置と他の楽器型演奏装置とが同期をとることができるので、複数のプレイヤがセッションプレイを行うことができる。
【0012】
(8)本発明は、他の楽器型演奏装置が、同期信号を受信したことに応じて楽器情報を一の楽器型演奏装置に送信し、一の楽器型演奏装置が、楽曲データのうち楽器に対応するパートデータと受信した楽器情報に対応するパートデータとを除いた残りのパートデータを出力する。そして、他の楽器型演奏装置が、その楽器のパートデータ以外のパートデータを出力することがない。よって、一の楽器型演奏装置と他の楽器型演奏装置とが、プレイヤによる擬似的な演奏動作に応じてその楽器のパートの音を出力し、一の楽器型演奏装置が残りのパートデータを出力するといった環境を提供することができ、プレイヤに、よりリアリティのある演奏を擬似的に行わせる環境を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、プレイヤに楽器の演奏を擬似的に行わせて、プレイヤが楽器を演奏する気分に浸ることが可能な楽器型演奏装置及び楽器型演奏装置を用いた楽器演奏システムを提供するという目的を、楽器の形状の少なくとも一部を模した楽器型演奏装置が、パソコン等との中継のための端子部と、パソコン等に記憶された複数のパートデータから構成される楽曲データを、端子部を介して記憶するメモリ部と、プレイヤからの楽曲データの再生指示を受け付ける操作部と、音を出力する音声出力部と、プレイヤの擬似的な演奏動作を感知するセンサ部と、操作部が再生指示を受け付けたことを条件に、センサ部による感知に応じて楽器に対応するパートデータを音声出力部に出力するパート出力部と、を備えることによって実現した。
【0014】
(第1実施形態)
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
図1は、第1実施形態に係るギター型演奏装置1の全体構成を示す図である。ギター型演奏装置1は、長さ300mm程度、幅100mm程度で、楽器のギターの一部を模倣した形状をしており、プレイヤPが操作することで、音楽を演奏する玩具である。このように、ギター型演奏装置1は、ギターの形状の少なくとも一部を模したものであるので、ギターを演奏する気分に浸ることができる擬似演奏を、プレイヤPに行わせることができるものである。
【0015】
ギター型演奏装置1は、差し込み口2(端子部)と、2つのカメラ3(センサ部)と、3つのボタン4(操作部)と、スピーカ5(音声出力部)と、ディスプレイ6とを備える。
差し込み口2は、PC(パーソナルコンピュータ)30(図2参照)等の外部装置に記憶された楽曲データを、ギター型演奏装置1の後述する記憶部20(メモリ部)にダウンロードするための、記憶媒体や接続ケーブルの差し込み口である。
カメラ3は、プレイヤPによるギターの弦をひく擬似的な演奏動作を、その映像により感知する。具体的には、カメラ3が取得する映像により、動きの有無を検出することで、擬似的な演奏動作を感知する。
ボタン4は、プレイヤPによる、例えば、再生指示の入力操作を行うためのものである。
スピーカ5は、音声を出力する。
ディスプレイ6は、楽曲を選択するための画面や、プレイ後の結果を表示する。
また、ギター型演奏装置1は、演奏動作をしやすいようにプレイヤPが肩から吊り下げて使用するための肩紐を取り付けることができる。
【0016】
次に、ギター型演奏装置1の機能ブロックについて説明する。
図2は、第1実施形態に係るギター型演奏装置1の機能ブロックを示す図である。
ギター型演奏装置1は、図1で説明した差し込み口2、カメラ3、ボタン4、スピーカ5、ディスプレイ6の他、ギター型演奏装置1の内部に、制御部10及び記憶部20を備える。
【0017】
差し込み口2は、楽曲データを有するPC30からその楽曲データをダウンロードしたフラッシュ等の記憶媒体であるメディア34を、挿入するための差し込み口である。差し込み口2にメディア34が差し込まれることで、制御部10は、メディア34を検知し、メディア34に記憶された楽曲データを、プラグアンドプレイにより自動的に楽曲データ領域22に記憶してもよい。
また、楽曲データを有する携帯電話31や音楽再生機32に対して接続されたケーブル33を差し込むための差し込み口であってもよい。ケーブル33を介して、携帯電話31や音楽再生機32の楽曲データをダウンロードして、楽曲データ領域22に記憶することができる。
このように、ギター型演奏装置1は、PC30、携帯電話31、音楽再生機32等の外部装置に記憶された楽曲データを、楽曲データ領域22に記憶させる中継として差し込み口2を有するので、楽曲データの追加を容易に行うことができる。
【0018】
制御部10は、楽曲出力部11、パート出力部12、割合算出部13及び告知部14の各機能を有する。これら各機能の詳細については、後述する。
制御部10は、情報の演算、及び処理を行う情報演算処理装置(CPU)であり、当該ギター型演奏装置1の全体を制御するものである。制御部10は、記憶部20に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、ギター型演奏装置1のハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
【0019】
記憶部20は、制御部10で実行される楽曲の演奏を実行するためのプログラム等の各種のプログラムを記憶するプログラム領域21や、楽曲データを記憶する楽曲データ領域(メモリ部)22を有する。また、記憶部20は、その装置が形状を模した楽器に関する情報である楽器情報を記憶している。楽器情報とは、例えばギター型演奏装置1の場合は、その楽器が「ギター」である情報をいい、楽曲データからその楽器のパートデータをマイナスワン(消去して取り除くこと)したり、その楽器のパートデータのみを出力したりするために用いられる。また、記憶部20は、一時記憶領域を有する。一時記憶領域は、各種のプログラムの実行時に、テーブル等を展開するためのローカルメモリ、及びキャッシュメモリを含んでよい。記憶部20を実現するものとして、電気的、磁気的、光学的、電磁的に実現するものを含んでよい。より具体的には、半導体記憶装置、磁気ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リードオンリー・メモリ(ROM)等が含まれる。
【0020】
次に、楽曲データ領域22に記憶された楽曲データについて説明する。
図3は、第1実施形態に係る楽曲データ領域22の概念図である。
楽曲データ領域22には、複数の楽曲データが記憶されており、例えば、楽曲データA及び楽曲データBが記憶されている。楽曲データの各々は、複数のチャンネルを有しており、各チャンネルには、それぞれ異なるパートデータが対応付けられている。例えば、楽曲データAは、チャンネルa1にギターのパートデータが、チャンネルa2にドラムのパートデータが、チャンネルa3にベースのパートデータが、それぞれ対応付けられている。また、残りのチャンネルにもそれぞれ所定のパートデータが対応付けられている。パートデータは、例えば、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)形式のデータに代表される音色、音程、音の長さ等を表す情報である。そのため、パートデータを、スピーカ5を介して出力することで、スピーカ5から各々の楽器のパートの音を出力することができる。
このように、MIDI形式の楽曲データを用いることで、MIDIデータの特性から、パートデータの指定を容易に行うことができる。
【0021】
次に、ギター型演奏装置1の処理について説明する。
図4は、第1実施形態に係る演奏処理のフローチャートである。
図5は、第1実施形態に係るディスプレイ6の画面例を示す図である。
図4においてステップS1では、ギター型演奏装置1の制御部10は、差し込み口2に楽曲データをダウンロードするための、例えば、上述したメディア34やケーブル33が差し込まれたか否かを判断する。差し込まれた場合(ステップS1:YES)には、制御部10は、処理をステップS2に移す。差し込まれていない場合(ステップS1:NO)には、制御部10は、処理をステップS3に移す。
【0022】
ステップS2では、制御部10は、楽曲データのダウンロード処理を行う。具体的には、制御部10は、差し込み口2に差し込まれたものがメディア34である場合には、そのメディア34が有する楽曲データをダウンロードして記憶部20の楽曲データ領域22に記憶する。
次に、ステップS3では、制御部10は、再生指示を受け付けたか否かを判断する。再生指示は、例えば、ディスプレイ6に表示された楽曲の一覧から、演奏したい楽曲をプレイヤPがボタン4を操作して選択して、決定することで行われる。
【0023】
ここで、図5(a)は、ディスプレイ6に表示された曲名リストを示す。曲名リストには、複数の楽曲の曲名41が表示される。この曲名リストとして表示される曲名41は、楽曲データ領域22に記憶された楽曲データの曲名である。そして、「○△×」という曲名42の左方には、「○△×」を指し示す右向きの三角形の形をした選択シンボル43が表示されている。選択シンボル43は、プレイヤPによるボタン4の操作により、上下に移動して、他の曲名を選択する。そして、ある曲名を選択した状態でプレイヤPが別のボタン4を操作することで、曲名42が決定される。
【0024】
図4に戻って、制御部10が再生指示を受け付けた場合(S3:YES)には、制御部10は、処理をステップS4に移す。他方、再生指示を受け付けていない場合(S3:NO)には、制御部10は、本処理を終了する。
ステップS4では、制御部10(楽曲出力部11)は、記憶部20に記憶された楽器情報に基づき、ギターパートのパートデータを除く他のパートデータを出力する。本処理により、ギター型演奏装置1からは、それ自体が模した楽器であるギターのパートを除いて、ドラムやベースといった他のパートデータを、スピーカ5から出力することができる。
【0025】
ステップS5は、制御部10は、プレイヤPによる演奏動作を感知したか否かを判断する。ここで、プレイヤPによる演奏動作の感知とは、プレイヤPが、ギターを弾く真似をして、弦をひくジェスチャーをすることで、プレイヤPの手が、カメラ3を横切るように通過して、その映像からプレイヤPの動きを検出することをいう。演奏動作を感知した場合(ステップS5:YES)には、制御部10は、処理をステップS6に移す。他方、演奏動作を検知していない場合(ステップS5:NO)には、制御部10は、処理をステップS7に移す。
ステップS6では、制御部10(パート出力部12)は、ギターパートのパートデータを、他のパートデータの出力に同期して出力する。
このように、ギター型演奏装置1は、複数のパートデータから構成される楽曲データのうち、ギターのパートデータを除いたパートデータを出力し、プレイヤPの擬似的な演奏動作をカメラ3が感知することで、ギターのパートデータを出力するので、楽器の演奏をプレイヤPに擬似的に行わせることができる。
【0026】
なお、ギター型演奏装置1がカメラ3を複数有している場合には、そのカメラ3がとらえた映像により、スピーカ5から出力される音の大きさを変化させたり、音の音色に変化をつけたりする。例えば、全てのカメラ3がプレイヤPの動きを感知した場合には、あるカメラ3がプレイヤPの動きを感知しなかった場合よりも、音の大きさをより大きくしたりする。
よって、ギター型演奏装置1は、プレイヤPの擬似的な演奏動作の態様により、様々な変化のある音声を出力することができる。
【0027】
ステップS7では、制御部10は、終了か否かを判断する。終了とは、演奏した楽曲の演奏が終了した場合や、プレイヤPによるボタン4の操作により演奏を途中で中断した場合をいう。終了する場合(ステップS7:YES)には、制御部10は、処理をステップS8に移す。他方、終了しない場合(ステップS7:NO)には、制御部10は、処理をステップS4に移す。
【0028】
ステップS8では、制御部10(割合算出部13、告知部14)は、評価処理を行う。具体的には、割合算出部13は、演奏した楽曲のギターのパートデータのデータ量として、ギターのパートデータの出力時間を算出し、また、このギターのパートデータの実際にプレイヤPが演奏動作をしたことでスピーカ5に音声として出力したデータ量として出力時間を算出する。そして、割合算出部13は、評価値として、パートデータの全体のデータ量に対する演奏されたデータ量を算出する。例えば、2分の演奏時間の楽曲であり、ギターパートが、そのうち合計して80秒であるとして、実際にプレイヤPが演奏動作をしたことで演奏されたギターパートの時間が合計68秒であったとする。その場合、評価値は、0.85(=68/80)と算出される。そして、告知部14は、算出された評価値をプレイヤPに告知する。
【0029】
ここで、図5(b)は、プレイヤPへの告知として、ディスプレイ6に表示する場合を示す。ディスプレイ6には、評価値を「85点」と点数化して、評価部45に表示している。評価部45の評価に応じたコメントを、コメント部46に表示してもよい。
このように、プレイヤPの擬似的な演奏動作によって再生されたパートデータの再現の割合をプレイヤPが認識できる環境を、ギター型演奏装置1が提供することができる。
図4に戻って、その後、制御部10は、本処理を終了する。
【0030】
(第2実施形態)
次に、本発明を適用した第2実施形態について説明する。
第2実施形態は、複数の楽器型演奏装置を用いてセッションを行うものである。
なお、以下の説明及び図面において、上述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
【0031】
図6は、第2実施形態に係る楽器演奏システム1000の構成を示す図である。
図6は、3人のプレイヤP1,P2,P3が、それぞれ異なる楽器型演奏装置である、ギター型演奏装置101、ベース型演奏装置201、ドラム型演奏装置301を用いて演奏をしている様子を示す。ギター型演奏装置101は、第1実施形態で説明したものに、後述する楽器型演奏装置間での通信を可能にしたものである。
【0032】
プレイヤP2が演奏するベース型演奏装置201は、ギター型演奏装置101に類似した形状をしているが、ギター型演奏装置101の形状と比較して、プレイヤP2の右手側の形状が端部に向かって三角形状に広がった形状になっており、楽器のベースの形状を模している。
プレイヤP3が演奏するドラム型演奏装置301は、2本の撥型の形状をしており、接続ケーブル307により2本の撥型の部材が接続されている。ドラム型演奏装置301は、カメラ303を各々の撥型の部材に有し、差し込み口302、ボタン304、スピーカ305及びディスプレイ306は、一方の撥型の部材に有する。
【0033】
次に、楽器演奏システム1000の機能ブロックについて説明する。
図7は、第2実施形態に係る楽器演奏システム1000の機能ブロックを示す図である。ここでは、ドラム型演奏装置301を、他の楽器型演奏装置に対して同期信号を送信する同期の主体となる装置として説明する。
ギター型演奏装置101は、通信インタフェース部125を備える。
通信インタフェース部125は、他の楽器型演奏装置との間で信号の送受信を行うためのインタフェースであり、例えば、bluetooth(登録商標)や赤外線通信等の無線ネットワークを用いて通信を行うためのインタフェースである。
また、制御部110は、同期信号受信部116と、楽器情報送信部117と、パート出力部12とを有する。これら各機能の詳細については、後述する。
ベース型演奏装置201は、ギター型演奏装置101と同様の構成を有する。
【0034】
ドラム型演奏装置301は、制御部310に、同期信号送信部315と、楽器情報受信部318と、楽曲出力部311と、パート出力部312とを有する。これら各機能の詳細については、後述する。
【0035】
次に、図6及び図7に示す楽器型演奏装置を用いて同期をとって演奏をする場合を説明する。
図8は、第2実施形態に係る演奏処理のフローチャートである。
前提として、ギター型演奏装置101、ベース型演奏装置201及びドラム型演奏装置301は、電源が投入されており、楽曲データ領域22,222,322には、予め演奏対象の楽曲データが記憶されている。
【0036】
まず、ステップS101では、例えば、プレイヤP3が再生をするためのボタン304を操作することで、ドラム型演奏装置301の制御部310(同期信号送信部315)は、セッションを開始(再生)するための同期信号を送信する。
次に、ステップS111では、ギター型演奏装置101の制御部110(同期信号受信部116)は、同期信号を受信する。そして、ステップS112では、ギター型演奏装置101の制御部110(楽器情報送信部117)は、記憶部20に記憶された楽器情報として「ギター」の情報を、同期信号の送信元であるドラム型演奏装置301宛に送信する。
また、ギター型演奏装置101と同様に、ステップS121では、ベース型演奏装置201の制御部210(同期信号受信部216)は、同期信号を受信する。そして、ステップS122では、ベース型演奏装置201の制御部210(楽器情報送信部217)は、記憶部220に記憶された楽器情報として「ベース」の情報を、ドラム型演奏装置301宛に送信する。
【0037】
ステップS102では、ドラム型演奏装置301の制御部310(楽器情報受信部318)は、ギター型演奏装置101から送信された楽器情報と、ベース型演奏装置201から送信された楽器情報とを受信する。
そして、ステップS103では、ドラム型演奏装置301の制御部310は、楽曲再生処理を行う。具体的には、楽曲出力部311は、それ自体が模した楽器である「ドラム」のパートデータと、受信した楽曲情報である「ギター」と「ベース」とのパートデータとを除く他のパートデータを出力する。また、パート出力部312は、プレイヤP3による演奏動作を感知したことに応じて、ドラムパートのパートデータを、楽曲出力部311が出力する他のパートデータの出力に同期して出力する。
【0038】
また、ステップS113では、ギター型演奏装置101の制御部110は、楽曲再生処理を行う。具体的には、パート出力部112は、プレイヤP1による演奏動作を感知したことに応じて、ギターパートのパートデータを、ドラム型演奏装置301の楽曲出力部311が出力する他のパートデータの出力に同期して出力する。ステップS111でドラム型演奏装置301から同期信号を受信しており、その同期信号により、ギター型演奏装置101は、ドラム型演奏装置301からの出力に同期して、ギターパートのパートデータを出力することができる。
同様に、ステップS123では、ベース型演奏装置201の制御部210は、楽曲再生処理を行う。具体的には、パート出力部212は、プレイヤP2による演奏動作を感知したことに応じて、ベースパートのパートデータを、ドラム型演奏装置301の楽曲出力部311が出力する他のパートデータの出力に同期して出力する。
その後、ギター型演奏装置101の制御部110、ベース型演奏装置201の制御部210及びドラム型演奏装置301の制御部310は、本処理を終了する。
【0039】
なお、ここでは、ドラム型演奏装置301を主とし、ギター型演奏装置101及びベース型演奏装置201を従とした楽器演奏システム1000について説明したが、ギター型演奏装置101やベース型演奏装置201を主としてもよい。その場合、上述した制御部の各機能を全ての楽器型演奏装置に備えて、適宜必要な機能を用いるものとすることで、実現できる。
このことにより、ギター型演奏装置101、ベース型演奏装置201、ドラム型演奏装置301が同期をとることができ、プレイヤP1,P2,P3が擬似的な演奏動作を行って、セッションをすることができる。例えば、宴会の場や路上による即興ライブ等に用いることで、プレイヤ及び観客を楽しい気分に浸らせることができ、その場の雰囲気を盛り上がらせることができる。
【0040】
(第3実施形態)
次に、本発明を適用した第3実施形態について説明する。
第3実施形態は、楽器型演奏装置をカラオケ装置と連動させて用いるものである。
【0041】
図9は、第3実施形態に係るカラオケ演奏システム2000の構成を示す図である。
カラオケ演奏システム2000は、ギター型演奏装置101、カラオケ装置本体50及びディスプレイ本体51により構成され、ギター型演奏装置101とカラオケ装置本体50とは、ケーブル52により接続される。
カラオケ装置本体50は、その制御によりディスプレイ本体51に歌詞テロップ60を表示する。また、カラオケ装置本体50は、メロディを出力しないように制御されている。例えば、プレイヤが、カラオケ装置本体50から出力されるメロディの出力をオフにすることにより実現できる。
他方、ギター型演奏装置101は、ケーブル52を介してカラオケ装置本体50から楽曲データをダウンロードすると共に、カラオケ装置本体50に同期させて楽曲を出力する。
【0042】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、上述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0043】
(変形形態)
(1)各実施形態では、プレイヤの擬似的な演奏動作を感知するセンサとしてカメラを用いて説明した。しかし、プレイヤの擬似的な演奏動作を感知できるセンサであれば、加速度センサや赤外線センサ、モーションセンサ等のその他のセンサを用いてもよい。
(2)各実施形態では、差し込み口に差し込んで、外部装置から楽曲データをダウンロードするものとしてメディアやケーブルを用いることを説明した。しかし、外部装置から楽曲データをダウンロードするためのものであれば、USBポートの差し込み口等であってもよい。
【0044】
(3)各実施形態では、楽器型演奏装置として、ギター型演奏装置を例に説明した。また、第2実施形態では、ベース型演奏装置及びドラム型演奏装置を例に説明した。しかし、楽器型演奏装置としては、これに限られない。楽曲データに含まれるパートデータの出力音であればよく、例えば、ウクレレ、バイオリンやチェロ等の他の弦楽器や、マラカス等の他の打楽器を模した演奏装置でもよい。また、キーボードやピアノ等の鍵盤楽器を模した演奏装置でもよい。
(4)第2実施形態では、通信インタフェース部としてbluetoothを用いる通信について説明したが、これに限られず、赤外線通信等の通信を用いてもよい。また、無線通信に限られず、2つの楽器型演奏装置による同期信号の送受信であれば、有線による通信でもよい。
【0045】
(5)第2実施形態では、主となる楽器型演奏装置からの同期信号を従となる楽器型演奏装置が受信することで、主となる楽器型演奏装置の同期にあわせて楽器型演奏装置間での同期をとるものであった。しかし、これに限られず、複数の楽器型演奏装置間で相互に通信することで、同期をあわせてもよい。その場合には、例えば、上述の図8のステップS103,S113,S123が同時再生処理を開始することによって、同期をとるようにしてもよい。
(6)第3実施形態では、楽器型演奏装置をカラオケ装置に連動して実現する楽器演奏システムについて説明した。しかし、これに限らず、楽器型演奏装置とディスプレイとの構成により、カラオケを実現することができる。楽器型演奏装置に、楽曲データと楽曲データに対応する歌詞データ及びテロップの場所を示す位置データとを記憶させ、ケーブルを介してディスプレイに接続する。そして、楽曲データの出力に合わせて、その楽曲データに対応する歌詞データを、位置データにより書体を変更して、ディスプレイに接続されたケーブルに出力ことで、ディスプレイは、楽曲に合わせて歌詞を変化させて表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】第1実施形態に係るギター型演奏装置の全体構成を示す図である。
【図2】第1実施形態に係るギター型演奏装置の機能ブロックを示す図である。
【図3】第1実施形態に係る楽曲データ領域の概念図である。
【図4】第1実施形態に係る演奏処理のフローチャートである。
【図5】第1実施形態に係るディスプレイの画面例を示す図である。
【図6】第2実施形態に係る楽器演奏システムの構成を示す図である。
【図7】第2実施形態に係る楽器演奏システムの機能ブロックを示す図である。
【図8】第2実施形態に係る演奏処理のフローチャートである。
【図9】第3実施形態に係るカラオケ演奏システムの構成を示す図である。
【符号の説明】
【0047】
1,101 ギター型演奏装置
2,202,302 差し込み口
3,203,303 カメラ
4,204,304 ボタン
5,205,305 スピーカ
6,206,306 ディスプレイ
10,110,210,310 制御部
11,311 楽曲出力部
12,212,312 パート出力部
13 割合算出部
14 告知部
20,220,320 記憶部
22,222,322 楽曲データ領域
30 PC
31 携帯電話
32 音楽再生機
33 ケーブル
34 メディア
116,216 同期信号受信部
117,217 楽器情報送信部
125,225,325 通信インタフェース部
201 ベース型演奏装置
301 ドラム型演奏装置
315 同期信号送信部
318 楽器情報受信部
1000 楽器演奏システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
楽器の形状の少なくとも一部を模した楽器型演奏装置において、
外部装置との中継のための端子部と、
前記外部装置に記憶された複数のパートデータから構成される楽曲データを、前記端子部を介して記憶するメモリ部と、
プレイヤからの前記楽曲データの再生指示を受け付ける操作部と、
音を出力する音声出力部と、
前記プレイヤの擬似的な演奏動作を感知するセンサ部と、
前記操作部が前記再生指示を受け付けたことを条件に、前記センサ部による感知に応じて前記楽器に対応するパートデータを前記音声出力部に出力するパート出力部と、
を備えること、
を特徴とする楽器型演奏装置。
【請求項2】
請求項1に記載の楽器型演奏装置において、
前記操作部が受け付けた再生指示に応じて、前記メモリ部に記憶された楽曲データのうち前記楽器に対応するパートデータを除いた他のパートデータを前記音声出力部に出力する楽曲出力部を備え、
前記パート出力部は、前記センサ部による感知に応じて、前記楽曲出力部が出力する他のパートデータに同期して、前記楽器に対応するパートデータを前記音声出力部に出力すること、
を特徴とする楽器型演奏装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の楽器型演奏装置において、
前記センサ部を複数有し、
前記パート出力部は、複数の前記センサ部の感知に応じて、前記音声出力部から出力される前記楽器に対応するパートデータの音の大きさ及び音色の少なくともいずれかを変化させて出力すること、
を特徴とする楽器型演奏装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の楽器型演奏装置において、
前記メモリ部に記憶された楽曲データは、MIDI形式のデータであること、
を特徴とする楽器型演奏装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の楽器型演奏装置において、
前記パート出力部により出力された前記楽器に対応するパートデータのデータ量の、そのパートデータの全体のデータ量に対する割合を算出する割合算出部と、
前記割合算出部により算出された結果を告知する告知部と、を備えること、
を特徴とする楽器型演奏装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の楽器型演奏装置において、
前記端子部は、前記外部装置から前記楽曲データを記憶した記憶媒体を差し込む差し込み口であること、
を特徴とする楽器型演奏装置。
【請求項7】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の楽器型演奏装置において、
前記端子部は、前記外部装置から前記楽曲データをダウンロードするケーブルの差し込み口であること、
を特徴とする楽器型演奏装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の楽器型演奏装置を複数有する楽器演奏システムにおいて、
前記楽器型演奏装置の各々は、
前記楽器型演奏装置の間で再生開始に関する同期信号を送受信する通信インタフェース部を備え、
複数の前記楽器型演奏装置のうち一の楽器型演奏装置は、
前記操作部からの再生開始に応じて、前記通信インタフェース部を介して前記一の楽器型演奏装置を除いた他の楽器型演奏装置に前記同期信号を送信する同期信号送信部を備え、
前記他の楽器型演奏装置は、
前記通信インタフェース部を介して前記同期信号を受信する同期信号受信部を備え、
前記他の楽器型演奏装置の各々の前記パート出力部は、前記一の楽器型演奏装置の前記パート出力部が出力する前記一の楽器に対応するパートデータに同期して、前記センサ部による感知に応じて、前記他の楽器に対応するパートデータを前記音声出力部に出力すること、
を特徴とする楽器演奏システム。
【請求項9】
請求項2に記載の楽器型演奏装置を複数有する楽器演奏システムにおいて、
前記楽器型演奏装置の各々は、
前記楽器型演奏装置の間で再生開始に関する同期信号を送受信する通信インタフェース部を備え、
複数の前記楽器型演奏装置のうち一の楽器型演奏装置は、
前記操作部からの再生開始に応じて、前記通信インタフェース部を介して前記一の楽器型演奏装置を除いた他の楽器型演奏装置に前記同期信号を送信する同期信号送信部を備え、
前記他の楽器型演奏装置は、
前記通信インタフェース部を介して前記同期信号を受信する同期信号受信部と、
前記同期信号受信部が同期信号を受信したことに応じて、前記通信インタフェース部を介して楽器に関する情報である楽器情報を前記一の楽器型演奏装置に送信する楽器情報送信部と、
を備え、
前記一の楽器型演奏装置は、
前記通信インタフェース部を介して前記他の楽器型演奏装置から送信された前記楽器情報を受信する楽器情報受信部を備え、
前記一の楽器型演奏装置の前記楽曲出力部は、前記メモリ部に記憶された楽曲データのうち前記楽器に対応するパートデータと、前記楽器情報受信部により受信した前記楽器情報に基づき対応するパートデータとを除いた残りのパートデータを出力し、
前記他の楽器型演奏装置の前記楽曲出力部は、前記他のパートデータの出力を停止し、
前記他の楽器型演奏装置の各々の前記パート出力部は、前記一の楽器型演奏装置の前記楽曲出力部が出力する他のパートデータに同期して、前記センサ部による感知に応じて、前記他の楽器に対応するパートデータを前記音声出力部に出力すること、
を特徴とする楽器演奏システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−32645(P2010−32645A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−192651(P2008−192651)
【出願日】平成20年7月25日(2008.7.25)
【出願人】(306019111)株式会社タイトー (475)
【Fターム(参考)】