説明

楽器用のアクセサリー部分または操作部分、または、楽器の構成部分

本発明は、楽器用アクセサリー部分もしくは構成部分、または、楽器の操作部分に関する。本発明によれば、これらの部分は、少なくとも部分的に、好ましくは全体的に、等級5、好ましくTiAl6V4のチタンもしくはチタン合金、または、材料番号3.7165もしくは3.7164のチタン合金で形成されている。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、楽器用のアクセサリー部分、構成部分または操作部分に関する。
【0002】
本発明の目的は、楽器が出す振動挙動と音響とが、可能な限り悪影響を受けずに、良い影響を受けるように、楽器用のまたは楽器の、アクセサリー部分、構成部分、または、操作部分を構成することである。さらに、楽器の寿命と操作性とを改善することである。
【0003】
上記の目的は、請求項1の特徴部に記載されたように上記部分を構成することにより達成される。本発明によれば、楽器の音が上音を保ち、音の高音部の伸びがよく、およびサステインを長くする(Tragfaehigkeit)ことができる。この効果は、耳で聞き分けることができる。本発明に関する部分では、振動の抑制および上音の抑制は、ほぼ生じないので、音の高音部の伸びおよびサステインと同様に、楽器の鳴り(ansprechen)が改善される。
【0004】
請求項3の特徴部により、この利点はより明白に達成され、これにより、ほぼ最適な音質、特に澄んだ音が得られる。さらに、本発明に関する部分は、磨耗に強く、不活性であり、アレルギーを起こさず、寿命が長い。
【0005】
楽器の部品の本発明の構成は、請求項9の特徴部に述べられているように実施すると、特に利点がある。
【0006】
図面では、本発明に基づき設計された部分の一例が示されている。しかしながら、これらの図に示された部分のみが、当業者により改変されうるこれらの部分の実際の形状よりむしろ本発明の範囲にとって重要であることは、いうまでもない。
【0007】
以下に、本発明をその各部分について、添付の図面を用いてより詳細に説明する。
【0008】
図1は本発明のアジャスターを示す。図2および図3は、弦玉を示す図である。図4a、図4bおよび図4cは、テールピース留め具と固定板とを示す図である。図5aおよび図5bは、ノイズリダクションを示す図である。図6は、シャフトを有する木製糸巻を示す図である。図7aおよび図7bは、特に鍵盤楽器用の調律用糸巻を示す図である。図8は、金管楽器用のマウスピースを示す。図9は、特に撥弦楽器用のフレットを示す図である。図10は、金管楽器用の朝顔またはサウンドピースを示す図である。図11は、弦楽器用のあご当てねじを示す図である。図12は、ピックを示す図である。図13は、特に撥弦楽器または弦楽器用の機構を示す図である。図14は、トロンボーンの迂回管を示す図である。図15は、ビブラフォーンまたはメタロフォーンの薄板を示す図である。図16は、駒上敷きを示す図である。図17aおよび図17bは、弦楽器用の弱音器を示す図である。図18は、特に弦楽器の弓用のヘッド板を示す図である。図19はテールピースを示す図である。図20は、指リングを示す図である。図21はボトルネックを示す図である。図22は、弦楽器の弓用の毛止めと小脚部とを示す図である。図23は、鐘を示す図である。図24は、弦楽器の弓の用のねじを示す図である。図25は、ファゴット管を示す図である。図26は、音叉を示す図である。図27は、調子笛を示す図である。図28〜図30は、緒止めピンを示す図である。図31および図32は、ボタンを示す図である。図33、図34および図35は、バルブを示す図である。図36、図37および図38は、テールピースを示す図である。図39および図40は、サドルを示す図である。図41および図42は、駒を示す図である。
【0009】
図1のアジャスターは、弦を所定の音の高さに、より繊細にかつより容易に調律するために、例えばバイオリン、ビオラまたはチェロなどの弦楽器のテールピースにねじ留めされる装置である。
【0010】
図1で示す本発明により構成されたアジャスターは、特にマイクロねじ5と、ねじ山ナット6(thread nut)とを有する。これらは、TiN、WC/C、CrCおよび/またはTiNの硬質層を有するか、少なくとも、表面に上記の硬質層を有する。これにより、従来の鉄製またはブリキ製および鋼鉄製ねじからなるアジャスターよりも、寿命が長く耐磨耗性が高い。さらに、用いられる材料の、重量および縦弾性係数により、弦楽器の上音はあまり抑制されない。楽器の音は上音を保ち、楽器はアジャスターがない場合と同様に、高音部の伸びおよび長いサステインを示す。しかしながら、アジャスターがない場合には、弦の調律を容易に行なう便宜性に欠ける。
【0011】
本発明のアジャスターの表面には、硬質層があるために耐摩擦性がある。そして、この材料により、アレルギーを起こさなくなる。
【0012】
図1によれば、ねじ連結部1は、刻み付きナット3を介して、テールピースにねじ止めされている。ねじ連結部1は、レバー2と、刻み付きねじ4と、マイクロねじ5と、ねじ山ナット6とを有している。ねじ山ナット以外のすべての部分が、チタンまたは上記のチタン合金、および、任意選択的に上記の硬質層から作られている。ねじ山ナット自身は、緊急流れ特性(Notlauf)が良い、常温で鍛えられたベアリング・ブッシュ用青銅部であることが好ましい。
【0013】
刻み付きナット及び刻み付きねじは、0.5mmのピッチ(Teilung)の平坦な刻み(flat knurl)を有する。切削された(fraesen)U字型部1上には、ねじ込み軸が配置されている。そして、このねじ込み軸は、刻み付きねじ用の孔と、ねじ山ナット6用の孔とを有する。ねじ込み軸の外部ねじ山は、刻み付きナット用のねじ山を有し、U字型部1の他端には、連結部であるマイクロねじ用のくぼみを有する孔が設けられている。レバー2は、その一端に、スリットを有し、このスリットは、孔10が末端となっており、かつ弦を受容する役割を果たす。そして、このレバーは、折り曲がると、マイクロねじ5用の孔または凹部7を有する。レバー2の他端には、小舟形状の部分8が切削され、この部分が刻み付きねじのガイドを行なっている。スリット9の大きさは、掛けられる弦に応じて変わりうる。
【0014】
図2および図3に、本発明に従って構成された弦玉11・12を示す。この弦玉は、弦玉に転結された楽器の弦のための迫台としての役割を有する。弦玉は、弦を張るための迫台として楽器の弦のテールピースに設けられている。ベルト状の弦が、図2に示す玉の溝13に入れられる。そして、弦をねじまげ、糸で巻きつけるようにして、弦玉は取り付けられる。弦玉は、衝撃が直接伝達される位置であるので、この衝撃および発振された振動を抑制しないようにすることが重要である。本発明により構成された弦玉では、柔らかい合金により振動と上音とが、ほぼ抑制されることがないため、楽器の鳴りと、音の高音部の伸びおよびサステインとが改善される。必要に応じて設けられる硬質層により、楽器の高音部の伸びおよびサステインとがさらに改善される。陽極酸化および/または熱処理により、弦玉の色付けは、本発明の合金からなる別のアクセサリー部分と同様に予め決めることができ、または、好適に設計することができる。熱処理により、合金を硬化することができるので、音質はさらに改善される。
【0015】
図3に、本発明による弦玉12の実施形態を示す。本発明の方法により、少なくとも1つの硬質層を有する弦玉12を設けると、振動伝達、音の高音部の伸びが実質的に改善され、弦の振動時間が長くなる。材料が安定し、低密度であることにより、上音および音響パターンの透明性が、促進される。弦玉の磨耗耐性(wear resistance)と、耐腐食性とは、ほとんど無限大になる。さらに、この材料及び被覆物とは、不活性で摩擦耐性を有する。
【0016】
これらの利点は、全般的に、発明により設けられた部分全てにあてはまる。
【0017】
硬質層は、合金表面上に、複数または異なる層として設けられ、これにより、材料の振動挙動を十分に聞き分けることができ、材料の振動挙動に良い影響が与えられる。
【0018】
弦玉は、円筒状の開口を有してもよいし、図3の正面図または側面図に示すように、楕円形状の孔14を有してよい。節点16を確実に保持するために、節点16における小横断孔15が、弦よりも僅かに大きいということが重要である。ただし、対向する横断孔17は、必要に応じて弦の振動の自由度を保証する必要がある。弦を保護するために、陥没部分18が必要である。回して締める円錐状部分14は、この円錐状部分が軸受けとなって、弦玉を自動的に中心位置に戻す役割を果たす。これにより、弦の取り付けが容易になり、弦を問題なく機能させる。テールピースまたは駒における凹部には、弦玉または回して止める円錐状部分19用の陥没部分を有する孔のみが必要である。弦玉は、全体が、チタンまたは本発明の合金で作られている。
【0019】
図4a、図4bおよび図4cに、弦楽器用のテールピース留め具20(Henkelsaite)および固定板21を示す。テールピース22の狭端部において、テールピース留め具20は、木製部分3中の2つの孔23、固定版21の2つの孔24を貫通し、はめこまれ、その後、折り曲げられ、回して締められている。本発明によれば、テールピース留め具20および固定板21が、テールピース留め具20および固定板21が、チタンまたは上記のチタン合金から作られている(必要に応じて、少なくとも1つの硬質層を備えている)。これにより、衝撃振動の伝達および上音の伝達が改善される。テールピース留め具20および固定板21は、振動および上音を表す衝撃の直接的な伝達部分であるので、この衝撃、振動および上音を抑制しないようにすることが重要である。
【0020】
テールピース留め具20の直径および固定板21の直径は、楽器に応じて調整される。合金は、その密度、抗張力、及び縦弾性係数から、この目的に特に良く適し用いられる。
【0021】
図5aおよび図5bに、弦楽器用のノイズリダクション25を示す。本発明のノイズリダクションでは、二等分コレット26(Spannzange)を軸上で弦に直接設置し(図5b)、続いてねじスリーブ27・28(図5a)をねじ留めする。これにより、ノイズリダクションは、合計4つの部分から構成され、テールピースと駒との間のある所定の位置にある弦の上に留められる。従来のノイズリダクションの構成部分では、ゴムまたは天然ゴムなどの抑制を行なう材料が使われているが、これに加えて端部がコレット26にねじ留めされたねじスリーブ27・28が、チタンまたは本発明のチタン合金から作られている。一方、コレット26には、純粋イリジウムまたは純粋タンタルが用いられ、これにより、弦の衝撃、振動および上音の伝達が妨げられず、設けられた振動節点により、耳障りな音が打ち消される。
【0022】
純粋イリジウムまたは純粋タンタルを用いた理由は、これらの材料の密度が大きいこと、および、音の伝導度が良いことによる。
【0023】
コレットが、弦からノイズリダクションへの直接的な伝達位置にあるので、弦とノイズリダクションとが直接接触することにより、弦の衝撃と振動と上音とが抑制されないことが重要である。コレット26の内側孔29の直径が、弦に対して調節される。例えば、銅、ゴム、天然ゴムまたはプラスチックなどの柔らかい材料の場合に起こる衝撃と振動と上音との抑制が、ほぼ起こらないので、耳障りな音がある場合の楽器の鳴り、音の高音部の伸びと、サステインとが決定的に改善され、この効果は耳で聞き分けられる程度に良くわかる。本発明により、チタンまたは本発明のチタン合金により作られた他の部分と同様、任意選択的に陽極酸化および/または熱硬化により、硬質層の被覆が行なわれてもよい。
【0024】
図6に、弦楽器用のシャフトを有する木製の糸巻30を示す。本発明により、シャフトは、チタンまたはチタン合金から作られている。また、必要に応じて硬質層の被覆物が被覆されている。弦楽器では、このような糸巻が、円錐状のシャフト31と共に、この目的のために糸巻路32に円錐状に形成された孔にはめ込まれる。糸巻シャフト31の軸受け面は、チタン、特に等級5のチタンまたはチタン合金から作られおり、木製糸巻30と連結している。本発明によれば、本発明によれば、シャフトに、従来の木の代わりにチタンまたはチタン合金が用いられる。これにより、弦の衝撃と振動と上音とが、糸巻を介して、楽器本体または楽器に、より正確におよびよりはっきりと伝達される。
【0025】
重量を節約するために、必要に応じて、シャフト31が糸蔵壁33の間で省かれていてもよい(auskammern)。
【0026】
糸巻シャフト31は、チタンまたはチタン合金からなっており、円錐状の面で、円錐状の孔を有する木製糸巻に貼り付けられている。この円錐状の面には、2つの刻み目34がある。この刻み目34は、円錐状の左ねじと、これに重なる円錐状の右ねじとの形状となっており、形状結合を行なうように確実に貼り付けをしている。2つの刻み目は、1mmの勾配を有する完全なねじとして刻まれたものではない。
【0027】
糸巻シャフト31の軸受け面2は、糸巻で音合わせをする際に、緩まないように、0.08mmの勾配を有する円錐状の細目ねじ34を有する。すなわち、糸巻は自動的に引っ張られ、この際、糸巻の保持のみならず、楽器への糸巻の振動伝達をも促される。楽器には、円錐状の右方向の細目ねじを有する2つの糸巻と、円錐状の左方向の細目ねじを有する2つの糸巻とがある。糸巻シャフト端部には、外観上の理由から、木製キャップ30が設けられている。
【0028】
図7aおよび図7bに、鍵盤楽器用の調律用糸巻40を示す。この調律用糸巻は、金属製の棒41からなる。この棒41は、その一端に1つの四角形状の部分42を有し、他端には、一条または多条の細目ねじ43を有する。細目ねじ43と四角形状の部分42との間の領域には、いわゆる弦孔44と呼ばれる孔44が形成されている。鍵盤楽器の調律用の糸巻40は、魂柱中に少し小さい孔を設けた後に、魂柱に差し込まれ、または打ち込まれ、引き続いて、弦を調律用糸巻に巻きつけ、引っ張り、すなわち調律することができる。従来のこのような調律用糸巻は鉄の合金製であるが、これに代えて、本発明によれば、チタンまたは本発明の合金が用いられ、必要に応じて硬質層を有する。これにより、既に楽器の他の部分について述べた本発明の利点が得られる。調律用糸巻40の直径および長さは、該当する鍵盤楽器に応じて調整される。
【0029】
従来の調律用糸巻とは異なり、細目ねじ43は、特殊なねじ形状になっており、切り込みが入れられる、あるいはねじ留めされる(case threaded)のではなく、丸められる、あるいは圧延されている。これにより、表面が粗面になるのではなく、非常に滑らかで、突起や、角がないものとなり、打ち込みの際に、木が物質除去加工(spanende)されることなく、排除されるのみである。この結果、糸巻をしばしば交換する場合にも、糸巻の保持を実質的により良く行なうことができる。
【0030】
図8は、任意の金管楽器、特にトランペット、フリューゲルホルン、ホルン、チューバおよびトロンボーンなどのためのマウスピース60を示す。
【0031】
マウスピース60は、チタンまたは本発明の上記のチタン合金からなる回転対称の回転部分から作られ、縁部61、ポット62、中心部63、魂柱64およびシャフト65を有する。孔は、棒孔またはシャフト孔66と称する。
【0032】
マウスピースには、リング67が挿入されている。このリング67は、中心部63または魂柱64の外側に設けるまたは巻きつけることも可能である。このリング67は、振動伝達が悪影響を受けないように、熱圧縮されていることが好ましい。チタンまたは上記のチタン合金を設け、好ましくは硬質層を設けることにより、より容易に振動をさせ、上音の豊かな音の伸びを豊かなものにすることができる。このような音の形成は、リングを設けることにより改善される。
【0033】
リング67を設ける場合は、貼り付けてはならず、上述のように、熱圧縮されねばならない。すなわち、外側からまきつけたリングは貼り付けてはならず、収縮されねばならない。
【0034】
以下に、鍵盤楽器用の駒ピンについて説明する。(専用の図面はない。)本発明の駒ピンは、丸い金属ロッド(長さは約10〜15mm、直径は約2mm)からなり、1端に頂点を有し、チタンまたは上記のチタン合金から作られ、および、必要に応じて硬質層を有する。鍵盤楽器における駒ピンは、弦の振動を、直接楽器に伝達する。駒ピンの直径と長さは、対応する鍵盤楽器に応じて調整されている。
【0035】
発明により形成された弦(不図示)は、チタンまたは上記のチタン合金のうちの1つから作られ、および、必要に応じて硬質層で被覆されている。さらに、この弦は、ロジウムまたはプラチナによって電気メッキされている。
【0036】
本発明の弦は、被覆されている場合も、被覆されていない場合もあるが、1端に弦玉があり、他端で糸巻に差し込まれ、楽器を張っている。本発明により形成されている弦は、本質的に振動能力がより大きく、楽器が容易に鳴る。弦の直径、必要な張力および長さは、対応する楽器に応じて調整されている。ベース材料および必要に応じてより高い密度を有する材料、例えばロジウムまたはプラチナの硬質層を被覆することにより、高音部の伸びがより良くなる。
【0037】
図9に、撥弦楽器用のフレット50、特に頭部51とT字型のシャフトとを有するフレット50を示す。
【0038】
図9に示された撥弦楽器用のフレットは、ほぼT字型を有し、保持用の歯54・55を有するシャフト53を備えている。フレット50は、駒56の横方向のノッチ中に、ハンマーで叩きこまれ、膠で付けられまたは貼り付けられ、演奏時には、弦を短くし、それにより音の高さを変えることができるようになっている。通常、各半音に対して、専用のフレットが設けられている。フレットの断面は、通常T字型であり、上面57は、ほぼ半円形状を有する。フレットは、撥弦楽器の指板に設けられている。フレットの長さと幅は、指板に対して調整されている。本発明のフレットの磨耗耐性は、本質的に、従来のフレット、特に真鍮または洋銀製のフレットよりも高い。
【0039】
図10に、特にトランペット、フリューゲルホルン、ホルン、チューバおよびトロンボーンなどの金管楽器用、または、クラクション、サイレンもしくは警察が使用するサイレン用の朝顔70またはサウンドピース(Schallstueck)を示す。
【0040】
この種の楽器の鳴りと、サステインと、高音部の伸びとを改善するために、朝顔またはサウンドピースを、チタンまたはチタン合金からつくり、必要に応じて少なくとも1つの硬質層で被覆し、任意選択的に、陽極酸化されまたは熱処理により、色つけまたは硬度を形成する。
【0041】
図11に、弦楽器、特にバイオリン、ビオラ用のあご当てねじ75を示す。あご当てねじは、あご当て1を楽器に固定するために設けられ、これにより、楽器の表板の振動を抑制することなく、演奏者が、木製皿状部すなわちあご当て1により、楽器を容易に保持できるようにする。
【0042】
あご当てねじは、2つの右ねじを有する折り曲がったねじピン76と、右ねじ78、左ねじ79、および少なくとも1つまたは複数の横断孔80を有する小錠(Schlosschen)77と、下縁用の左ねじ89および隙間82を有する脚部81とを備えている。楽器の保護のために、脚部81とあご当て83とには、コルク84が載せられている。
【0043】
必要に応じてニッケルメッキまたは金メッキされた従来の真鍮または鋼といった材料に代えて、チタンまたは本発明の合金が用いられ、必要に応じて硬質層の被覆物が用いられる。これにより、磨耗性、アレルギーの起こしやすさ、および、衝撃と振動と上音との伝達が改善される。
【0044】
さらに、本発明のあご当てねじは、従来のように、半径方向の小錠孔を4つ有するのではなく、3つだけ有する。これにより、取り付けおよび取り外し時の、側板の損傷を避けることができる。さらに、内ねじ(すなわち、左ねじおよび右ねじ)が、小錠部分のねじの最初の隙間により覆われている。これにより演奏者の髪がからまるのが防ぐことができる。
【0045】
図12に、撥弦楽器用のピック90を示す。このピックはチタンまたは本発明のチタン合金から作られ、必要に応じて硬質層で被覆されている。陽極酸化または熱処理を行なって、ピックは硬化により色または硬度が決められる。
【0046】
ピック90は、ほぼ3角形の平坦な部分で、縁91は面取りをするか、または、丸くされている。ピックの中央部には、両側に、グリップ92を有する。このグリップは、切削、型押しまたは鋳造により作られる。ピック90は、演奏方法および音に応じて、それぞれ異なる強さで作られることができる。
【0047】
図13に、撥弦楽器または弦楽器、特にコントラバス用の機構を示す。少なくとも、この機構の軸が、チタンまたは本発明のチタン合金から作られ、必要に応じて硬質層で被覆されている。好ましくは、機構全体がチタンまたは本発明の上記のチタン合金から作られ、必要に応じて上記の硬質層を有し、熱処理で硬化されている。
【0048】
このような機構は、1つのまたは複数の弦用に、それぞれ構成され、用いられることができる。1つの機構は、撥弦楽器または弦楽器、特にコントラバスの糸蔵における装置となり、この装置は、大抵長期間に渡って楽器に取り付けられ、大概ウォームギヤを介して、弦を張り、調律するために設けられている。このような機構95は、一般に、ベース板1、弦孔6を有する軸2、ウィンググリップ4を有するウォームギヤ3およびウォーム歯車5を有する。少なくとも軸および好ましくは少なくともこれ以外の1つの部分が、チタンまたは本発明のチタン合金から作られ、必要に応じて上記の硬質層を有し、任意選択的に熱処理されている。
【0049】
図14は、トロンボーンの迂回管(Zug, slide)105を示す。この迂回管105は、チタンまたは本発明のチタン合金から作られ、必要に応じて少なくとも1つの硬質層で被覆され、任意選択的に熱処理されたものとして構成されている。既に述べた利点、すなわち、振動伝達の改善と、高音部の伸びの改善と、衝撃および振動が抑制されないことと、楽器の容易に鳴らすことができることと以外に、この場合、用いられる材料の密度が小さいことにより、スライドの速度、すなわち、音の変化の速度を速くすることができ、同時に、迂回管の折り曲げに対する磨耗耐性が改善される。少なくとも1つ硬質層を設けることにより、摩擦係数が低下し、迂回管がより正確になり、より長い寿命を有する。同時に、壁の厚さをより薄くすることができるが、これは、チタンまたは本発明により設けられたチタン合金が、従来使用されていた真鍮合金または類似の合金よりも硬度が本質的に高く、安定しているからである。本発明の本質的な点は、管、管を形成するダクト、および必要に応じてブリッジ全体が、チタンまたは本発明のチタン合金からなることである。必要に応じて、これらの部品の表面は、TiN、WC/C、CrC,CrNの硬質層を有する。この際、本発明により構成された他の部分と同様に、少なくとも1つの層を設けるか、または、必要に応じて複数の層を互いに重ね合わせて設ける。
【0050】
このように構成された迂回管105を、トロンボーンの他の構成部分または管の他の部分100と連結するのは、レーザ溶接またははんだつけにより行なわれる。
【0051】
図15に、ビブラフォーンまたはメタロフォーン110の構成を概略的に示す。本発明によれば、ビブラフォーンまたはメタロフォーンは、チタンまたは上記のチタン合金から作られ、特に、少なくとも1つの硬質層と組み合わせられた薄板を有する。非常に高い上音においても、本発明の薄板があれば、心地よい響きを達成することができる。
【0052】
薄板の両端に、重金属部分112、特に、タングステンおよび/またはイリジウムおよび/またはこれらの金属の合金からなる重金属部分112を設けるまたは塗布することにより、このような薄板111の振動時間は長くなる。図15の左側に示すように、両方の振動節点において形成されたノッチ113に、引っ張り部分114を用いて薄板111を、載置またはピンと張って入れることにより、ピンと張っているあるいは張っていない薄板が振動するという利点がある。
【0053】
アコーディオンおよびあらゆる種類のハーモニカ用のリードは、チタン、特に等級5のチタン、特に上記のチタン合金から作られ、必要に応じて上記の硬質層を備えている。この際、上述の理由により、音質が実質的により良くなる。特に、タンギングが正確になり、鋭くなり、これにより迅速に音がなる。小さい音で演奏する際に、上音の豊かさをあきらめる必要はない。縦弾性係数が小さいことにより、ハーモニカはより長く響く。
【0054】
同様のことが、オルゴールまたは類似の楽器に設けられるリードにも当てはまり、この際、従来真鍮合金製であったリードを、本発明のリードに置き換えることができる。同時に、本発明のリードの構成により、リードが壊れることはほぼなくなる。
【0055】
全種類の木管楽器、特に、サクソフォン、オーボエ、のシート(Blatter sheet)は、チタン、特に等級5のチタン、または上記のチタン合金から作られ、必要に応じて硬質層を有している。このようなシートにより、磨耗耐性を高めることができる。タンギングが正確になり、鋭くなり、これにより迅速に音が成る。小さい音が演奏できるようになり、上音の豊かさをあきらめる必要はない。同時に、使用される材料は不活性で摩擦耐性があり、アレルギーを引き起こさない。さらに、通常のリードでは、湿度、特に唾液や呼吸気により、振動挙動が変化する。本発明のシートは、従来のリードに比して、湿度および腐食に対して安定している。本発明のシートは、刃の部分で、リードより鋭く、リードを切り込む(carve)必要はない。
【0056】
図16に、駒上敷き120を概略的に示す。このような駒上敷き120は、駒121の上に置かれ、あるいは駒121の中に入れられる。駒上敷き120は、全種類の弦楽器に設けられ、駒上で弦が沈下するのを防止している。本発明の駒上敷きは、駒の沈下を妨げるために駒の上に置かれるプラスチック細管、硫酸紙または木製挿入部分の代わりに、用いられる。
【0057】
本発明の駒が有する駒上敷きは、チタンまたは上記のチタン合金から作られ、任意選択的に硬質層で被覆されている。
【0058】
本発明の駒上敷きまたは駒の構成により、弦の沈下が防がれ、これにより、一方では弦の自由な振動が可能になり、他方では弦の指板までの距離が短くならない。
【0059】
図16に、チェロの駒121と、本発明により構成される駒上敷き120を、正面図と斜視図とで示す。本発明の駒上敷き120は、薄いブリキを打ち抜いて作られ、弦用の溝122を構成するような形状に曲げられている。このような駒上敷き120は、駒の上に付着され、特に膠で付着される。原則的には、このような駒上敷き120を、金属片から機械的に除去できる。
【0060】
図17aに、弦楽器用の弱音器125を概略的に示す。このような弱音器125は、演奏中に、弦楽器の駒126の上に置くものである。本発明のこのような弱音器の構成により、すでに上述の部分に関して上述した利点が得られる。
【0061】
図17aに、演奏用の弱音器125を示し、図17bに、練習用の弱音器を示し、練習用の弱音器は、重金属部分128、特に、タングステンおよび/またはイリジウムおよび/またはこれらの金属の合金からなる重金属部分128を有し、この部分がチェロの駒126上に置かれる。
【0062】
このような演奏用の弱音器または練習用の弱音器127、すなわち、重金属部分128を持たない弱音器または重金属部分128を有する弱音器は、特に用いる金属の縦弾性係数が低いことにより、固定され、振動を受けても容易には外れない。
【0063】
弦楽器の弓の弓巻きつけ部(winding)(不図示)を本発明の方法で構成する。すなわち、洋銀、銀または金などの純粋材料からなるワイヤの代わりに、弓身を保護し、確実に保持するためのワイヤまたはベルトが弓身上に設けられ、このワイヤまたはベルトは、チタン、等級5のチタン、または対応する合金から作られ、必要に応じて硬質層が組み合わされている。この場合、特に、磨耗耐性、腐食耐性、これらの材料の肌へのやさしさが重要である。弓の巻きつけ部、特に、ワイヤは、円状もしくは半楕円状で、圧延され、または圧延されない平坦なベルトとしてもしくはねじったものとして実施される。用いられる材料の密度が小さいため、弓のバランスに対して良い影響が与えられる。
【0064】
パイプオルガンのパイプ(不図示)は、本発明により、上述の材料、すなわち、チタンまたはチタン合金から作られ、必要に応じて少なくとも1つの硬質層で被覆されている。これにより、腐食耐性が得られ、従来の軟質材料からなるパイプに比して、音の高さの安定性が得られる。
【0065】
図18に、弦楽器の弓用のヘッド板130を示す。通常、ヘッド板130は、洋銀、銀、金、象牙、マンモスの象牙またはプラスチックから作られ、ヘッドを保護し、バランスを取るために、弓のヘッド131に取り付けられる。これらの材料は柔らかく、壊れやすいので、ヘッド板は、しばしば新しく取り替えねばならない。さらに弓身132の振動も和らげられる。等級5または材料番号3.7165もしくは3.7164などのチタンまたはチタン合金を用い、任意選択的にTiN、WC/C、CrCおよび/またはCrNをPVD(物理的気相成長法)により被覆し、可能な場合陽極酸化および熱処理も行なって作った弓ヘッド板では、チタンおよびチタン合金からなる利点に加えて、弓身132の振動挙動と、演奏しやすさと、上音の伸びとを改善し、弓の寿命を長くすることができる。
【0066】
チタンまたはチタン合金製の弓ヘッド板131の磨耗耐性および腐食耐性は、ほぼ無限大である。さらに、この材料および被覆物は、不活性で摩擦耐性がある。
【0067】
弓のバランスは良い影響を受け1334、押され、大きな張力を受け、これに対して、チタンまたはチタン合金は十分な抵抗力を示す。弓身の軸上反射は、ヘッド領域を重くせずとも、チタンの高い強度と音の伝達度とにより促進される。
【0068】
図19に概略的に示すようなテールピースは、通常磨耗が速く、振動および上音が抑制されてしまう。本発明によれば、特に弦楽器用のこのようなテールピースの部分が、組み込まれたアジャスターと共に、少なくとも部分的にチタンまたは本発明の上記のチタン合金から作られ、必要に応じて硬質層で被覆されている。これらの部分は、物質除去加工により作られることが好ましい。設けられたスリーブ136は、必要に応じて常温で鍛えられた軸受け用青銅部から作られる。テールピース135は、黒檀、ツゲまたは紫檀より作られる。テールピースは、弦毎に、2つの孔を有する。より大きいの孔が、レバーソケット(sleeve)138と連結ピン139とにより、レバー137を受容する。レバー137は、弦スリット140とガイド小舟型部とを特徴としている。一方、より小さい方の孔が、チタンまたは本発明の合金からなり、かつ必要に応じて硬質層を有するスリーブ142中で、内部にねじを有する圧縮された軸受け用青銅部を受容する。内部のねじは調整ねじ143を支えている。テールピース中には、8個までの孔が設けられ、この中には、本発明にしたがって構成されたソケットまたはスリーブ142が圧縮されている。少なくともソケット、必要に応じて部分135および/または143および、任意選択的に部分144・137が、チタンまたは本発明のチタン合金により作られている。
【0069】
図20に、特に撥弦楽器用の指リング145を示す。このようなリングは、弦を爪弾き、かき鳴らすために用いられる。本発明によれば、この種のリングは、チタンまたは本発明のチタン合金から作られ、必要に応じて上述の種類の硬質層で被覆されている。これにより、弦の振動と上音とがより良く伝達され、弦の振動時間が実質的に長くなる。上音には良い影響が与えられ、これに従って音響パターンの透明性に良い影響が与えられる。このようなリングには、磨耗耐性および腐食耐性があり、不活性で摩擦耐性がある。
【0070】
図21に、撥弦楽器用のボトルネック146を示す。このようなボトルネックは、前述のリングと同様の方法で構成されている。すなわち、用いられる材料と、本発明の構成により、ほぼ同様の利点が得られる。
【0071】
図22に、弦楽器の弓用の毛止め150と小脚部とを示す。通常レール151、毛止めリング152、マチの部分153および小脚部リング154は、洋銀、銀または金より作られ、毛止めおよび小脚部に取り付けられ、続いて弓に取り付けられる。これらの材料は柔らかく振動を和らげるので、これらの部分、特にこれらの部分のうちの少なくとも1つまたは複数が、チタンまたは本発明のチタン合金から作られ、必要に応じて少なくとも1つの硬質層で被覆される。これにより、弓身の振動挙動と、これに従って演奏しやすさと、上音の伸びとが実質的に改善され、毛止めと小脚部との寿命が長くなる。用いられる材料の密度が小さいことにより、弓のバランスが良い影響を受ける。
【0072】
毛は、楔によりリングに入れられるので、毛止めリングには、装着時には、大きな圧力がかけられる。この圧力に対して、チタンまたは用いられるチタン合金が十分大きい抵抗を有する。毛止め領域を重くしなくても、チタンまたは用いられるチタン合金の強度の高さおよび音の伝導性の高さにより、弓身の軸上反射は促進される。
【0073】
図23に、例えばグロッケンシュピールまたはグロッケンシュピールの枠部に掛けられる鐘160を示す。この種の鐘は、他の用途、例えば教会の鐘などにも用いることができる。鐘は、ほぼ回転対称の半完成品161であり、この部分を、鐘の舌(Schwengel)または鐘つき棒(Schloegel)162で操作し、これにより鐘160の内側面と外側面とが打ち合わされる。鐘160は、梁と梁との間の部分(Joch, yoke)に、ロープで掛けられる。ロープは、冠状の部分163を通る。鐘160の舌162および/または鐘は、様々な器具を使って振られるが、打ちつけリング(Schlagring)164と衝突した際に、音が出て、これにより鐘が振動する。
【0074】
本発明によれば、鐘160および/または舌162が、チタンまたは本発明のチタン合金から作られ、必要に応じて少なくとも1つの硬質層で被覆されている。上述のほかのすべての部分と同様、熱処理を行なってもよい。この種の鐘160は、軽いのみならず、容易に振動させることができ、上音が豊かで伸びが良い。鐘の音および残響は、2倍長く残すことができ、または鐘の音をかなり大きくすることができる。チタン合金またはチタンを用いることにより、通常の青銅または真鍮製の鐘に比べて、壊れる危険性が、ほぼ小さい。
【0075】
図24に、弦楽器の弓用のねじ170を示す。このようなねじは、丸い金属ロッドからなり、一端に四角形状の部分171を有し、ボタンまたは小脚部を受容する。対向する位置にある細い端部は、軸受けピン172である。ねじ170は、接触面173を有し、中央にねじ山174を有し、その上にナットがある。ねじ山は、メートルねじまたはインチ(imperial)ねじである。2つの接触面173は、少し円錐となっている形状を有する。すなわち、軸受けピン172が円錐状に形成されている。これにより、振動が適切に伝達される。台形ねじ174または丸ねじが用いられる場合、側面は、メートルねじの場合の60°やインチねじの場合の55°とは異なり、30°にしかならないので、弓の寿命は長くなり、弓は少しの力で張ることができる。さらに、30°以下のねじにおいては、より傾斜の大きい側面に比べて、側面の摩擦が明らかに小さい。
【0076】
前記ねじの材料としては、チタンおよびチタン合金に代えて、タングステンおよび/またはイリジウムおよび/またはこれらの金属の合金を用い、必要に応じてプラチナイリジウム合金を用いる。この理由は、弓身の端部は、ねじを軸上で受容し、ねじの密度が高い(約17.5〜22.65kg/dm)ことにより、弓身の軸上反射は、重量が軽い場合に比べて、非常に強くなる。さらに、軽い弓、特に古いフランス弓においては、ねじを交換することにより、バランスは非常に変わり、調整される。ねじの重金属の合金が、これに適した音の伝導性と硬度とを有すれば、上音は抑制されず、弓は豊かで大きい音を有し、弦の毛のつかみと、これにより、演奏者に提供される演奏しやすさおよび弓の揺れは、改善される。TiN、WC/C、CrC、CrNの層を1つまたは複数重ね合わせることにより、弓ねじの振動挙動は、聞き分けられる程度に良い影響を受ける。これらの層は、PVD方法によりねじ上に塗布され、摩擦係数を相当小さくし、これによりナットの寿命を長くすることができる。
【0077】
図25に、ファゴット管を示す。このファゴット管は、本発明により、チタン、特に等級5のチタン、または、上記のチタン合金から作られ、任意選択的に、少なくとも1つの上記の硬質層、特にPVD被覆物により作られる硬質層を有する。また、このファゴット管は必要に応じて陽極酸化および/または熱処理され、硬度また縦弾性係数が最適化される。この種のファゴット管175は、磨耗耐性および耐腐食性が高い。すなわちこの種のファゴット管175は不活性で摩擦耐性があり、上音の伸びが良い。さらに、用いられる合金の密度は小さく、これらの金属の合金のアレルギー反応性は良い。
【0078】
例えば図26に示したような本発明の音叉176は、上述のファゴット管と同様の材料から作られている。この材料または合金の処理も同様に行なわれる。上述の利点以外に、音叉の上音の豊かさにより、音はより良く、より長く聞こえる。このことは、共鳴部を有する音叉について、および共鳴部を有さない音叉について、かつ、すべての周波数領域において当てはまる。
【0079】
図27に、調子笛177を概略的に示す。この調子笛177も、ファゴット管または音叉と同じ材料で作られ、上述の処理に相当する処理が行なわれている。上述の利点以外に、調子笛の振動挙動を十分聞くことができ、良い影響が与えられている。この点については、個々の調子笛について、および複数の調子笛からなる調子笛の列について、かつ、あらゆる周波数領域において当てはまる。
【0080】
図28に、チェロおよびコントラバス用の緒止めピン180を示す。緒止めピン1は、木製またはプラスチック製の、ほぼ回転対称の旋回部であり、固定可能な金属ロッドを有する。この金属ロッドは、演奏時に、チェロまたはコントラバスを支持するのと同時に、テールピース留め具をノッチ中に受容する。
【0081】
緒止めピンの頭部は、チェロまたはコントラバス下部の円錐状の孔に差し込まれ、テールピース留め具、テールピースおよび弦と共に、楽器に対して弦を張っている。現在、製造され市場で販売されているチェロおよびコントラバスの全ての緒止めピンの頭部(図28)は、頭部の円錐状のシャフト181の端部に、襟部または冠部182が存在する。
【0082】
従来の緒止めピン(図28および図28の断面図)とは異なり、本発明(図29および図29の断面図および図30)では、襟部または冠部182を完全に除去し、円錐状のシャフト182のすぐ後ろに、丸いノッチ183を設け、ここにテールピース留め具を入れる。
【0083】
通常、緒止めピンのロッド184は円筒状の孔に差し込まれ、蝶ねじ185により、固くねじ込まれる。蝶ねじ185は、リング186に、反対のねじ山を有する。
【0084】
本発明では、前記頭部が、ロッド184を円錐状部分187中に受容する。これにより、湿度または乾燥度に関わらず、均一にロッドが固定され、振動を実質的によりよく伝達することができる。ロッドは折り曲げられてもよい(図30)。さらに、負荷がかかった際にも、ロッドが滑り落ちない。
【0085】
ロッド4は、蝶ねじ185により固定される。蝶ねじは、円錐状部分において切削された小さい面188を押す。本発明は、従来の緒止めピンと比べて、ロッドが楽器中に沈み込まず、頭部中で高さが調整されないという欠点はあるが、音の効果は比較できないほど良い。
【0086】
高さ調節は、スリットを有するコレット189とユニオンナット190との間に挟まれているロッドの頂点で、この頂点のねじを締めるまたはねじを緩めることにより行なわれる。
【0087】
さらに、緒止めピンの頭部、ロッド、リングおよび固定ねじの材料を、木またはプラスチックから、チタンまたはチタン合金に代えることにより、材料の振動強度および密度により、音の響きに関する利点が生じる。
【0088】
緒止めピンの1つまたは複数の部分にチタンまたはチタン合金を用いる場合には、音の差別化のために、窒化チタン、炭化タングステンカーボン、炭化クロムまたは窒化クロムの被覆をすることも、しばしば実施可能である。
【0089】
本発明の緒止めピン(図29)では、テールピース留め具の中心から側板191(図29の断面図)までの距離「x」は、はるかに短くなっており、この距離「x」により、頭部の摩擦が可能になり、下部サドルを介してテールピースまで続くテールピース留め具が、側板191に平行になる。
【0090】
襟部182を省くことによって、2つの利点がある。第1に、襟部がない場合のみ、挿入が襟部によって制限されない時、緒止めピン頭部の円錐状のシャフト181を固定することができる。第2に、襟部がない場合のみ、テールピース留め具と側板とを平行にすることができる。円錐状のシャフト181の固定は、振動伝達をより良くするため、およびより固定を行なうために必要で、テールピース留め具と側板とが平行であることにより、楽器の表板を過剰に強く押す(stauchen)ことなく、楽器の底面部を過剰に引っ張ることもない。
【0091】
特に古いチェロおよびコントラバスにおいては、突出した底面縁および表板の縁が、使用により自然に磨耗してしまうので、距離「x」を短くすることが必要である。
【0092】
上述により、ほぼ自由に振動し、上音部が豊かなで、大きく鳴らすことができる楽器となる。また、容易に鳴らすことができるので、容易に演奏可能な楽器が提供される。
【0093】
さらに、楽器全体、特に底部と表板とは、時間がたつにつれ変形するが、その変形がほぼ小さくなる。
【0094】
図31および図32に、バイオリンおよびビオラ用のボタン200を示す。ボタン200は、バイオリンおよびビオラの下部201の円錐状の孔201に差し込まれ、テールピース留め具、テールピースおよび弦と共に、楽器上で弦を張る。
【0095】
現在製造され市場で販売されているバイオリンおよびビオラ用の全てのボタン(図31)は、円錐状のシャフトの端部に、襟部または冠部204が存在する。
【0096】
頭部200には、装飾のための玉205を設ける。従来のボタン(図31)とは異なり、本発明では、襟部または冠部204を完全に除去し、円錐状のシャフト206のすぐ後ろに、丸いノッチ207を設け、ここにテールピース留め具203を入れる。
【0097】
さらに、ボタンの材料を木またはプラスチックから、チタンまたはチタン合金を代えることにより、材料の振動強度と密度とが得られるので、音響にとって利点がある。チタンまたはチタン合金を用いる場合、音の差別化のために、窒化チタン、炭化タングステンカーボン、炭化クロムまたは窒化クロムの被覆をすることも、しばしば実施可能である。
【0098】
本発明のボタン(図32)では、テールピース留め具の中心から側板208(図32の断面図)までの距離「x」は、実質的により短く、下部サドルを介してテールピースまで続くテールピース留め具203が、側板208に平行であるように、頭部の摩擦が可能になる。
【0099】
襟部204を省くことによって、2つの利点がある。第1に、襟部がない場合のみ、挿入が襟部204によって制限されない時に、ボタンの円錐状のシャフトを固定することができる。第2に、襟部204がない場合のみ、テールピース留め具203と側板とを平行にすることができる。
【0100】
円錐状のシャフト206の固定は、振動伝達をよりよくするためにおよびより固定を行なうために必要で、テールピース留め具203と側板208とが平行であることにより、楽器の表板を過剰に強く押すことなく、楽器の底面部を過剰に引っ張ることもない。
【0101】
特に古いチェロおよびコントラバスにおいては、突出した底面縁および表板の縁が、使用により自然に磨耗してしまうので、距離「x」を短くすることが必要である。
【0102】
上述により、ほぼ自由に振動し、上音部が豊かなで、大きく鳴らすことができる楽器となる。また、容易に鳴らすことができるので、容易に演奏可能な楽器が提供される。
【0103】
さらに、楽器全体、特に底部と表板とは、時間がたつにつれ変形するが、その変形が実質的に小さくなる。
【0104】
図33、図34および図35に示す金管楽器用の本発明のバルブ210は、チタン、特に等級5のチタン、必要に応じて本発明の上記のチタン合金からなっている。さらには、TiN、WC、CrCおよび/またはCrNが、PVD方法により被覆されている。また、合金の陽極酸化、熱処理または硬化による色つけも可能である。本発明のバルブ210では、振動伝達性と、上音の伸びとがよくなり、衝撃と上音との抑制が小さくなり、これにより、容易に楽器を鳴らすことができる。同時に、音を変える速度を速めることができ、バルブの磨耗性も改善することができる。熱処理およびこれに関連する硬化と、バルブに適合される部分の適合部を研磨する可能性とが提供され、硬質層または被覆物により摩擦係数を大幅に小さくすることにより、バルブをより正確にかつより長く使用することが可能になる。また、用いられる合金またはチタンは、真鍮合金よりも実質的に固く安定しているので、バルブの構造を変えて、重量を従来の質量の約3分の1にすることができ、これにより、さらに音を迅速に変えることができる。このバルブでは、特に回転部分および/またはバルブキャップおよび/またはガイド部分を、本発明に従って構成する。
【0105】
用いられる材料および被覆物は、全般的に不活性で摩擦耐性がある。硬質層は硬度と強度との向上に役立つだけでなく、材料の振動挙動にも、より快適で聞き分けられる形で影響を与える。用いられる材料の熱伝導度が悪いために、冷却地や外気中においても、快適な演奏を行なうことができる。また、タングステンおよび/またはイリジウムおよび/またはこれらの金属の合金の組み合わせを、適切な方法で塗布するにより、キャップにおける不都合な振動に、影響を与えることも可能である。一般的に、特に、バルブ210およびトロンボーンの迂回管においては、チタンがチタンに擦れる、あるいはチタンがぶつかる全面に等級5のチタンが用いられている場合、油脂ではなく、常温で鍛えられた、軸受用青銅が組み合わされた材料または被覆物により摩擦を防止することが重要である。油脂は振動挙動を抑制するためである。また、接合も防ぐべきである。
【0106】
本発明のバルブ210は、スライドバルブ(図33および図34)および回転式バルブ(図35)を含む、あらゆる種類のバルブまたはバルブ装置に関し、用いることができる。
【0107】
図33に、キャップ211、孔を有するピストン212、閉鎖部分213、バネガイド214、バネ215、外部管216およびスペーサ−212を示す。図35に、回転部分218・219を詳細に示す。特に、回転部分218・219が本発明に従って形成されている。
【0108】
弦楽器用に通常販売されているテールピース222は木製である。これを、図36に下面図と、A−Aの断面図とで示す。テールピース222は、最大4つの貫通孔223と、4つの貫通スリット224とを有し、これにより、弦225を、弦玉226に掛け、弦を張ることができる。
【0109】
これにより、弦225は、リング227を越えて、縁部228において折り曲げられる。
【0110】
本発明のテールピース(図37に下面図およびB−Bの断面図、図38に上面図)では、弦225は、好ましくはチタンまたはチタン合金からなる弦玉226により、円錐状のノッチ230を有する止まり孔229に掛けられる。
【0111】
これにより、弦を不要に2度折り曲げる必要はなく、弦玉の迫台から駒まで、弦をまっすぐに伸ばすことができる。
【0112】
円錐形状のノッチ230については、がちゃがちゃ音をたてないように、弦が緩んで置かれていなければならない。
【0113】
使用木材は、黒檀、ツゲまたは紫檀である。
【0114】
1つまたは複数の弦上に、アジャスターが必要である場合には、止まり孔を貫通させ、好ましくはチタンまたはチタン合金からなるアジャスターを差し込む必要がある。
【0115】
弦玉と弦との振動特性が妨げられることなく、駒を介して表板に直接伝達されるので、演奏しやすさと音の質とは、聞き分けられる程度に改善される。
【0116】
市場で通常に販売されている撥弦楽器用の駒サドルおよびネックサドルは、黒檀、骨質、象牙またはプラスチックで作られる。
【0117】
図39の駒サドル235、および、図40のネックサドル236が、材料番号3.7165もしくは3.7164(TiAl6V4)の等級5の、チタンまたはチタン合金を用い、TiN、WC/C、CrCおよび/またはCrNをPVD(物理的気相成長法)により被覆し、可能な場合陽極酸化および熱処理も行なって作ると、チタンおよびチタン合金からなる利点に加えて、サドルの振動挙動が実質的に改善され、振動が実質的に長く続き、音の伸びがよくなる。
【0118】
チタンまたはチタン合金製のサドル235・236の磨耗耐性および腐食耐性は、ほぼ無限大である。さらに、この材料および被覆物は、不活性で摩擦耐性がある。TiN、WC/C、CrC、CrNなどの層を1つまたは複数重ね合わせることにより、サドルの振動挙動は、聞き分けられる程度に良い影響を受ける。
【0119】
チタン製のサドルでは、上音の豊かさにより音は改善され、振動挙動が良いことにより、音はより長い時間に渡って聞こえる。
【0120】
また、サドルを、石英ガラス(シリコン酸化物、SiO)で作ることも可能である。この理由は、等級5のチタンと同様に、振動がより長く継続し、抑制効果を非常に小さく抑えることができるからである。
【0121】
チタンまたはチタン合金、および、石英ガラスは、研磨を行ないやすく、これにより、弦溝237の表面の質を良くして、これにより、弦の寿命を長くすることができる。
【0122】
弦の振動特性が妨げられず、駒とネックとを介して、振動が楽器に直接伝達されるので、演奏しやすさと音質とは、聞き分けられる程度に改善される。
【0123】
図41の上面図およびA−A断面図で示す市場で流通している撥弦楽器用の木製駒240には、必要な数である6つの弦が貫通する水平の孔241が設けられていて、これによって、弦242が弦玉243に掛けられ、引っ張られる。弦242には節点を設けることができる。これにより、弦242は、水平の孔241の端の縁部244で折り曲げられる。
【0124】
本発明は、次のような事実に基づくものである。すなわち、上面図及びB−B断面図が示された図42の駒240、部分245では、弦242は、弦より大きな傾斜孔246内にあり、チタンまたはチタン合金製の弦玉243によりかぎ留められている。
【0125】
これにより、迫台、弦玉または節点からサドル247まで、弦242が不要に折れ曲らない。
【0126】
傾斜をつけた大きな孔246については、がちゃがちゃ音をたてないように、弦242が緩んで置かれていなければならない。
【0127】
使用材は、黒檀、楓または紫檀である。
【0128】
弦玉243と弦242との振動特性が妨げられず、駒247と駒サドルとを介して表板に直接伝達されるので、演奏しやすさと音の質とは、聞き分けられる程度に改善される。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】本発明のアジャスターを示す。
【図2】弦玉を示す図である。
【図3】弦玉を示す図である。
【図4a】テールピース留め具と固定板とを示す図である。
【図4b】テールピース留め具と固定板とを示す図である。
【図4c】テールピース留め具と固定板とを示す図である。
【図5a】ノイズリダクションを示す図である。
【図5b】ノイズリダクションを示す図である。
【図6】シャフトを有する木製糸巻を示す図である。
【図7a】特に鍵盤楽器用の調律用糸巻を示す図である。
【図7b】特に鍵盤楽器用の調律用糸巻を示す図である。
【図8】金管楽器用のマウスピースを示す。
【図9】特に撥弦楽器用のフレットを示す図である。
【図10】金管楽器用の朝顔またはサウンドピースを示す図である。
【図11】弦楽器用のあご当てねじを示す図である。
【図12】ピックを示す図である。
【図13】特に撥弦楽器または弦楽器用の機構を示す図である。
【図14】トロンボーンの迂回管を示す図である。
【図15】ビブラフォーンまたはメタロフォーンの薄板を示す図である。
【図16】駒上敷きを示す図である。
【図17a】弦楽器用の弱音器を示す図である。
【図17b】弦楽器用の弱音器を示す図である。
【図18】特に弦楽器の弓用のヘッド板を示す図である。
【図19】テールピースを示す図である。
【図20】指リングを示す図である。
【図21】ボトルネックを示す図である。
【図22】弦楽器の弓用の毛止めと小脚部とを示す図である。
【図23】鐘を示す図である。
【図24】弦楽器の弓の用のねじを示す図である。
【図25】ファゴット管を示す図である。
【図26】音叉を示す図である。
【図27】調子笛を示す図である。
【図28】緒止めピンを示す図である。
【図29】緒止めピンを示す図である。
【図30】緒止めピンを示す図である。
【図31】ボタンを示す図である。
【図32】ボタンを示す図である。
【図33】バルブを示す図である。
【図34】バルブを示す図である。
【図35】バルブを示す図である。
【図36】テールピースを示す図である。
【図37】テールピースを示す図である。
【図38】テールピースを示す図である。
【図39】サドルを示す図である。
【図40】サドルを示す図である。
【図41】駒を示す図である。
【図42】駒を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも部分的に、好ましくは全体的に、
チタン、または等級5のチタン合金、好ましくはTiAl6V4、もしくは、
材料番号3.7165または3.7164のチタン合金で形成されていることを特徴とする、楽器用または楽器の、アクセサリー部分、構成部分または操作部分。
【請求項2】
前記チタンまたはチタン合金が、溶解、鍛造または焼結された形態で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の部分。
【請求項3】
前記部分には、少なくとも1層または硬質層が被覆されており、
前記少なくとも1層または硬質層は、WC/C(炭化タングステンカーボン)、および/またはWC(炭化タングステン)、および/またはCrC(炭化クロム)、および/またはCrN(窒化クロム)からなり、物理的塗布方法、特にPVD(物理的気相成長法)により堆積または塗布されることを特徴とする請求項1または2に記載の部分。
【請求項4】
前記部分の上に、窒化チタンからなる表面被覆物または硬質層が形成されている、あるいは、塗布されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の部分。
【請求項5】
前記部分の表面は、色付けのために、電気メッキ処理されている、および/または、プラチナ、金またはロジウムで被覆されている、または、陽極酸化されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の部分。
【請求項6】
前記部分は、熱処理が施されている、または熱硬化されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の部分。
【請求項7】
前記部分は、物質除去加工により作られていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の部分。
【請求項8】
前記チタンまたはチタン合金は、約4.42g/cmの密度であり、少なくとも820N/mmの抗張力を有することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の部分。
【請求項9】
前記アクセサリー部分、構成部分または操作部分は、
弦楽器のアジャスター、特にアジャスターのねじ連結部および/または刻み付きナットおよび/またはレバーおよび/または刻み付きねじおよび/またはマイクロねじ、
弦玉、
テールピース留め具および/またはテールピース留め具用の固定板、
ノイズリダクション、特にそのねじスリーブ、
糸巻、好ましくは弦楽器用の糸巻、特に糸巻シャフト、
特に鍵盤楽器、ハープ、チター、シンバロンおよびラッフェル用の調律用糸巻、
金管楽器用のマウスピース、
特に鍵盤楽器用の駒ピン、
弦楽器用の弦、
特に撥弦楽器用のフレット、
金管楽器用のサウンドピース、または、サイレン、クラクションもしくは角笛用の朝顔、
特にバイオリンおよびビオラ用のあご当てねじ、
特に撥弦楽器用のピック、
撥弦楽器、特にコントラバス用の機構、
トロンボーンの迂回管、
金管楽器用のバルブ、
特にビブラフォーンまたはメタロフォーンの薄板、
ハーモニカ用、特にアコーディオンおよび口で弾くハーモニカ用、または、オルゴール時計および自動ピアノ用のリード、
好ましくは木管楽器またはサクソフォン用のシートすなわち音シート、
特に弦楽器用の駒上敷き、
弦楽器用の弱音器、
弦楽器の弓用の弓巻きつけ部、
オルガンのパイプ、
弦楽器の弓用のヘッド板、
テールピースまたはテールピーススリーブ、
指リング、
特に撥弦楽器用のボトルネック、
弦楽器用の弓の毛止めおよび/または小脚部、および、毛止め、リング、マチの部分または小脚部、
鐘、
ファゴット管、
音叉、
調子笛、
弦楽器用の緒止めピン、
弦楽器用のボタン、
撥弦楽器用の駒、
撥弦楽器用のサドル、
弦楽器用のテールピース、
管楽器用のバルブ
のうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の部分。
【請求項10】
前記コレット(26)の材料として、純粋イリジウムまたは純粋タンタルが用いられていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の弦楽器用のノイズリダクション。
【請求項11】
少なくとも糸巻シャフト(31)が、チタンまたはチタン合金から形成されており、
この糸巻シャフトが任意選択的に、木製糸巻(30)と連結していることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の弦楽器用の糸巻。
【請求項12】
前記シャフト(12)が、糸蔵壁(33)間で省かれていることを特徴とする請求項1ないし9または11のいずれか1項に記載の弦楽器用の糸巻。
【請求項13】
糸巻の軸受け上に、細目ねじ(34)が形成されていることを特徴とする請求項1ないし9または11または12のいずれか1項に記載の弦楽器用の糸巻。
【請求項14】
金属製の糸巻シャフト(31)とその上に設けられた木製キャップ(30)との間の接合位置領域には、2つの互いに重なり合うねじ山(34)、特に右ねじおよび左ねじが形成されていることを特徴とする請求項1ないし9、または11ないし13のいずれか1項に記載の弦楽器用の糸巻。
【請求項15】
前記糸巻シャフト(31)が、多条細目ねじを有することを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の鍵盤楽器用の調律用糸巻。
【請求項16】
請求項1ないし9のいずれか1項に記載の管楽器用のマウスピースであって、
マウスピース(60)は、特に中心部領域および魂柱領域(63、64)に、イリジウム、タンタル、タングステンまたはこれらの金属の合金からなるリング(67)を有し、
このリングが差し込まれる、特に熱圧縮される、または上に載せられる、または特に熱い状態で巻き上げられていることを特徴とするマウスピース。
【請求項17】
請求項1ないし9のいずれか1項に記載の撥弦楽器用のフレットであって、
フレット(50)は、シャフト領域(53)で、保持用の歯(54、55)を有することを特徴とするフレット。
【請求項18】
請求項1ないし9のいずれか1項に記載の鍵盤楽器、ハープ、チター、シンバロンおよびラッフェル用の調律用糸巻であって、
前記糸巻は、楽器への取り付けのために回転ねじまたは圧延ねじ(43)を有することを特徴とする糸巻。
【請求項19】
小錠(77)が、3つの半径方向の孔(80)を有することを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の弦楽器、特にバイオリンまたはビオラなど用のあご当てねじ。
【請求項20】
請求項1ないし9または19のいずれか1項に記載のあご当てねじであって、
縁部を保護するために、脚部(81)が緩められている(release)ことを特徴とするあご当てねじ。
【請求項21】
内ねじ、すなわち、左ねじおよび右ねじが、小錠(77)のねじ(78)の最初の隙間により覆われていることを特徴とする請求項1ないし9、19または20のいずれか1項に記載のあご当てねじ。
【請求項22】
請求項1ないし9のいずれか1項に記載の弦楽器用の弱音器であって、
特に練習用の弱音器を構成するために、弱音器(125)は、少なくとも1つの重金属部分(128)、好ましくは、タングステン、イリジウムまたはこれらの金属の合金からなる重金属部分(128)を有することを特徴とする弱音器。
【請求項23】
請求項1ないし9のいずれか1項に記載のチェロおよびコントラバス用の緒止めピンであって、
少なくとも緒止めピン(180)の個々の部分、好ましくは緒止めピン全体に用いられる材料が、チタンまたはチタン合金であることを特徴とする緒止めピン。
【請求項24】
緒止めピンの頭部が、襟部または冠部なしに設計されていることを特徴とする請求項23に記載のチェロおよびコントラバス用の緒止めピン。
【請求項25】
前記頭部の円錐状のシャフト(181)が、制限がなく、襟部または冠部なしに設計されていることを特徴とする請求項23または24に記載のチェロおよびコントラバス用の緒止めピン。
【請求項26】
ロッド(184)の円錐状のシャフト(181)が前記頭部に受容されていることを特徴とする請求項23ないし25のいずれか1項または複数項に記載のチェロおよびコントラバス用の緒止めピン。
【請求項27】
調節可能な頂点が、コレット(189)とユニオンナット(190)とによって、挟まって固定されていることを特徴とする請求項23ないし26のいずれか1項または複数項に記載のチェロおよびコントラバス用の緒止めピン。
【請求項28】
緒止めピン(180)の一部または全体が、特にPVD方法により、窒化チタン、炭化タングステンカーボン、炭化クロム、および/または窒化クロムで被覆されていることを特徴とする請求項23ないし27のいずれか1項または複数項に記載のチェロおよびコントラバス用の緒止めピン。
【請求項29】
緒止めピン(180)は、折り曲げられた、または方向が変えられた、ロッド(184)を有することを特徴とする請求項23ないし28のいずれか1項または複数項に記載のチェロおよびコントラバス用の緒止めピン。
【請求項30】
テールピース留め具(203)用のノッチ(183)が、陥没部として、シャフト(181)に直接隣接して形成されていることを特徴とする請求項23ないし29のいずれか1項または複数項に記載のチェロおよびコントラバス用の緒止めピン(180)。
【請求項31】
特に、ボタン(200)全体用の材料として、チタンまたはチタン合金が用られていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載のバイオリンまたはビオラ用のボタン。
【請求項32】
ボタン(200)が、襟部または冠部を備えていないことを特徴とする請求項31に記載のバイオリンまたはビオラ用のボタン。
【請求項33】
円錐状のシャフト(206)が、制限がなく、襟部および冠部なしに設計されていることを特徴とする請求項31または32に記載のバイオリンまたはビオラ用のボタン。
【請求項34】
ボタン(200)は、特にPVD方法により、窒化チタン、炭化タングステンカーボン、炭化クロム、および/または窒化クロムで被覆されていることを特徴とする請求項31ないし33のいずれか1項に記載のバイオリンまたはビオラ用のボタン。
【請求項35】
テールピース留め具(203)用のノッチ(207)が、シャフト(206)に直接隣接するくぼみとして構成されていることを特徴とする請求項31ないし34のいずれか1項または複数項に記載のバイオリンまたはビオラ用のボタン。
【請求項36】
構成部品、すなわち、キャップ(211)、ピストン(212)、閉鎖部分(213)、バネガイド(214)、バネ(215)、外部管(216)およびスペーサ−(217)および/または回転部分(218、219)のうちの少なくとも1つが、チタンまたはチタン合金、好ましくはTiAl6V4から形成されていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の管楽器用のバルブ。
【請求項37】
前記構成部品が、窒化チタン、炭化タングステンカーボン、炭化クロムまたは窒化クロムで被覆されている、および/または電気メッキされている、または、熱処理されていることを特徴とする請求項36に記載のバルブ。
【請求項38】
弦玉(226)により弦(225)を固定するために、テールピースには、特に円錐状のノッチ(230)を有する止まり孔(229)が形成されており、この止まり孔内に、弦玉(226)がカギ留め可能になっていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載のテールピース。
【請求項39】
弦玉(243)により弦(242)を固定するために、駒(240)には、傾斜をつけた孔(246)が形成され、この孔がサドル(247)の上縁部に向かっており、前記孔の出口が、サドル(247)の高さの位置にあることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の駒。
【請求項40】
請求項9ないし39のいずれか1項に記載の部分のために、
チタン、または等級5のチタン合金、好ましくはTiAl6V4、もしくは、
材料番号3.7165または3.7164のチタン合金の利用であって、
前記部分に、少なくとも1層または硬質層を被覆し、
前記少なくとも1層または硬質層は、WC/C(炭化タングステンカーボン)、および/またはWC(炭化タングステン)、および/またはCrC(炭化クロム)、および/またはCrN(窒化クロム)から任意選択的に形成される、および/または、窒化チタンからなる表面被覆物を有することを特徴とする利用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17a】
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【図17b】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【公表番号】特表2007−513359(P2007−513359A)
【公表日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−529425(P2006−529425)
【出願日】平成16年5月27日(2004.5.27)
【国際出願番号】PCT/AT2004/000186
【国際公開番号】WO2004/107311
【国際公開日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(505438993)
【Fターム(参考)】