説明

樹脂成形品の製造方法、及びローラの製造方法

【課題】硬度と弾性復元性とのバランスがよい現像ローラ等のローラ製造に適した、発泡体からなる樹脂成形品の製造方法等を提供する。
【解決手段】分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有する有機重合体を主成分とする発泡体からなる弾性層の表面に、厚さ0.01mm以上のスキン層が設けられた樹脂成形品の製造方法であって、前記有機重合体を主成分とする発泡させた樹脂原料を昇温可能な金型に接触させ、該金型からの伝熱により前記樹脂原料を表面から加熱して硬化させ、前記スキン層を10秒以内に形成させることを特徴とする。金型の昇温は、例えば誘導加熱により行う。本製造方法を利用した、芯体の外周に弾性層が設けられ、かつ該弾性層の表面にスキン層が設けられたローラの製造方法も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は樹脂成形品の製造方法、及びローラの製造方法に関し、さらに詳細には、発泡体からなる弾性層の表面にスキン層が設けられた樹脂成形品の製造方法、及び、該製造方法によって芯体の外周に弾性層とスキン層とを設けるローラの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真方式による印字装置等を備えたOA機器が普及している。電子写真方式による印字装置は、例えば、図1のように感光ドラム10を中心として各種のローラ、すなわち、現像ローラ1、帯電ローラ11、及び転写ローラ13、並びに、露光部12、及びクリーニングブレード15を配したものである。現像ローラ1は、トナー収容部16の開口近傍と感光ドラム10との間に設けられている。トナー収容部16にはトナーが帯電状態で収納されている。
【0003】
電子写真方式による印字装置では、帯電ローラ11で感光ドラム10を一様に帯電し、露光部12で露光して感光ドラム10上に静電潜像を形成させる。さらに感光ドラム10に現像ローラ1を押し当てて感光ドラム10にトナーを供給する。トナーは帯電した状態で感光ドラム10に供給され、静電潜像上にトナーが供給してトナー像を形成する。そして感光ドラム10と転写ローラ13との間に挟まれた記録紙等にトナー像を転写する。また残余のトナーは、クリーニングブレード15でかき落とされ、トナー収容部に回収されて再利用される。
【0004】
上記の各種ローラには、例えば、発泡体からなる弾性層を有するものが使用されている。現像ローラ1を例に説明すると、図2に示す現像ローラ1は、ステンレススチール製、SUM材製、アルミニウム合金製などの導電性シャフト2を持ち、この周囲に弾性層3が設けられ、さらにその外周に表面層5が設けられたものである。図2の表面層5は単層からなるが、複数の層からなるものもある。なお、表面層5は、弾性層3とは別の工程で形成させることが多いが、一工程で形成させることもある(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2001−304245号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現像ローラ1においては、硬度と弾性復元性とのバランスが良いことが大切である。より具体的には、現像ローラ1として使用するローラは、硬度が低くかつ弾性復元性に優れたものが適している。すなわち、現像ローラ1は、常時感光ドラム10に押圧されるものであるから、現像ローラ1の硬度が高いと常時感光ドラム10との摩擦抵抗が大きくなり、感光ドラム10や現像ローラ1を回転するのに大きな動力が必要となる。また、トナーが現像ローラ1と常時感光ドラム10に挟み込まれるので、現像ローラ1の硬度が高いとトナーに過度の応力が掛かり、トナーの劣化を早めてしまう。現像ローラ1の硬度を低くする方法としては、発泡体からなる弾性層3を用いる方法が挙げられる。
【0006】
一方、一般に硬度の低い樹脂は、弾性復元性が劣る傾向にあるが、現像ローラ1は、常時感光ドラム10に押圧されており、感光ドラム10との接触部位は繰り返し弾性変形するので、弾性復元性も必要である。そのため、前記した様に現像ローラ1は、硬度と弾性復元性とのバランスが良いものであることが望ましい。そのためには、発泡体からなる弾性層3を用いる場合には、該発泡体の発泡セル径をできるだけ小径化及び均一化することが好ましい。さらに、該発泡体の材料の選択も重要である。またさらに、弾性層3の外周に表面層5を形成させる必要があるが、その形成工程はできるだけ簡便であることが好ましい。
【0007】
本発明の目的は、硬度と弾性復元性とのバランスがよい現像ローラ等のローラ製造に適した、発泡体からなる樹脂成形品の製造方法を提供し、さらに、該製造方法を使用するローラの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した課題を解決するための請求項1に記載の発明は、分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有する有機重合体を主成分とする発泡体からなる弾性層の表面に、厚さ0.01mm以上のスキン層が設けられた樹脂成形品の製造方法であって、前記有機重合体を主成分とする発泡させた樹脂原料を昇温可能な金型に接触させ、該金型からの伝熱により前記樹脂原料を表面から加熱して硬化させ、前記スキン層を10秒以内に形成させることを特徴とする樹脂成形品の製造方法である。
【0009】
本発明は、発泡体からなる弾性層の表面にスキン層が設けられた樹脂成形品の製造方法にかかるものであり、使用する樹脂原料の組成と、弾性層表面におけるスキン層の形成速度(樹脂原料表面の硬化速度)に主な特徴がある。すなわち、本発明の樹脂成形品の製造方法においては、発泡させた樹脂原料を昇温可能な金型に接触させるが、該樹脂原料として、分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有する有機重合体を主成分とするものを使用する。さらに、該金型からの伝熱により当該樹脂原料を表面から加熱して硬化させてスキン層を形成させるが、このとき、厚さ(表面からの深さ)0.01mm以上のスキン層を10秒以内で形成させる。本発明の樹脂成形品の製造方法によれば、樹脂原料表面の熱硬化を短時間で行うので、樹脂原料内の気泡の膨張が抑えられ、発泡体の発泡セル径がより小径化される。その結果、より滑らかなスキン層を形成させることができる。さらに、本発明の樹脂成形品の製造方法では、弾性層とスキン層とを一工程で形成できるので、スキン層の形成が容易に行える。
【0010】
請求項2に記載の発明は、前記有機重合体の主鎖を構成する繰り返し単位が、飽和炭化水素系又はオキシアルキレン系単位からなることを特徴とする請求項1に記載の樹脂成形品の製造方法である。
【0011】
かかる構成により、安定性や弾性復元性により優れた弾性層と、滑らかなスキン層とを有する樹脂成形品を製造することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、前記樹脂原料を、予め昇温された金型に接触させることにより、樹脂原料を表面から加熱することを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂成形品の製造方法である。
【0013】
本発明の樹脂成形品の製造方法においては、樹脂原料を加熱する際、予熱された金型を使用する。かかる構成により、樹脂原料の加熱をより確実に行うことができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、前記樹脂原料を金型に接触させた後、該金型を昇温させることにより、樹脂原料を表面から加熱することを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂成形品の製造方法である。
【0015】
本発明の樹脂成形品の製造方法においては、樹脂原料を金型に接触させた後に金型を昇温させる。かかる構成により、樹脂原料を金型に投入する工程が容易に行える。
【0016】
請求項5に記載の発明は、前記金型を誘導加熱により昇温させることを特徴とする請求項3又は4に記載の樹脂成形品の製造方法である。
【0017】
本発明の樹脂成形品の製造方法においては、金型を誘導加熱により昇温させる。誘導加熱によれば、金型をきわめて短時間で所望温度まで昇温させることができ、かつ金型の温度制御も容易となる。その結果、予め金型を昇温させる場合には、樹脂原料の充填直後に起こる金型の温度低下を最小限に抑えることができ、樹脂充填後に金型を昇温させる場合には、樹脂充填後きわめて短時間で金型を所望温度まで昇温させることができる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、芯体の外周に弾性層が設けられ、かつ該弾性層の表面にスキン層が設けられたローラの製造方法であって、芯体が装着された金型を使用し、請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂成形品の製造方法によって、発泡体からなる弾性層の表面にスキン層が設けられた樹脂成形品を前記芯体の外周に設けることを特徴とするローラの製造方法である。
【0019】
本発明はローラの製造方法にかかるものであり、上記した本発明の樹脂成形品の製造方法を使用して、芯体の外周に弾性層とスキン層を設ける。かかる構成により、優れた特性を有する2層構造の発泡ローラを、より簡便に製造することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の樹脂成形品の製造方法によれば、樹脂原料表面の熱硬化を短時間で行うので、樹脂原料内の気泡の膨張が抑えられ、発泡体の発泡セル径がより小径化される。その結果、より滑らかなスキン層を形成させることができる。さらに、本発明の樹脂成形品の製造方法では、弾性層とスキン層とを一工程で形成できるので、スキン層を形成が容易に行える。
【0021】
本発明のローラの製造方法によれば、優れた特性を有する2層構造の発泡ローラを、より簡便に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の樹脂成形品の製造方法は、分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有する有機重合体を主成分とする発泡体からなる弾性層の表面に、厚さ0.01mm以上のスキン層が設けられた樹脂成形品の製造方法であって、前記有機重合体を主成分とする発泡させた樹脂原料を金型に接触させ、該金型からの伝熱により前記樹脂原料を表面から加熱して硬化させ、前記スキン層を10秒以内に形成させることを特徴とするものである。
【0023】
本発明の樹脂成形品の製造方法において使用する金型としては、昇温可能であり、充填した樹脂原料を表面から加熱することができるものであれば特に限定はない。金型を昇温させるための手段としては、蒸気、電気ヒーター、熱風ヒーター、加熱体との接触、誘導加熱等が挙げられるが、特に限定はない。
【0024】
本発明の樹脂成形品の製造方法においては、樹脂原料を金型に充填する(接触させる)前に金型を昇温させておいてもよいし、樹脂原料を金型に充填した(接触させた)後で金型を昇温させてもよい。すなわち、1つの実施形態では、樹脂原料を予め昇温された金型に接触させることにより、樹脂原料を表面から加熱する。また、他の実施形態では、樹脂原料を金型に接触させた後、該金型を昇温させることにより、樹脂原料を表面から加熱する。
【0025】
好ましい実施形態では、誘導加熱により金型を昇温させ、樹脂原料を表面から加熱する。例えば、導電体からなる金型をコイル内に設置し、該コイルに高周波電流を流して磁束を発生させることにより、金型を誘導加熱することができる。誘導加熱によれば金型の昇温が各段に速いため、予め金型を昇温させる実施形態においては、樹脂原料の充填直後に起こる金型の温度低下を最小限に抑えることができ、樹脂充填後に金型を昇温させる実施形態においては、樹脂充填後きわめて短時間で金型を所望温度まで昇温させることができる。
【0026】
本発明の樹脂成形品の製造方法においては、金型からの伝熱により樹脂原料の表面を加熱し硬化させてスキン層を形成させるが、樹脂原料表面の硬化速度(スキン層の形成速度)に特徴がある。すなわち、本発明の樹脂成形品の製造方法においては、厚さ(表面からの深さ)0.01mm以上のスキン層を10秒以内という短時間で形成させる。このため、本発明の樹脂成形品の製造方法によれば、樹脂原料中の気泡の膨張が抑えられ、発泡セル径が小径化されたスキン層が形成される。上記した樹脂原料表面の硬化速度(スキン層の形成速度)を実現するためにも、誘導加熱によって金型を短時間で昇温させることが好ましい。また、金型の昇温温度は、0.01mm以上のスキン層が10秒以内に形成される温度であればよく、おおむね120〜170℃である。なお、本発明の樹脂成形品の製造方法では、樹脂原料表面の硬化速度が所定値以上であればよく、形成されるスキン層の厚さは0.01mm以上であってもよい。例えば、厚さ0.02mmのスキン層を5秒で形成させてもよい。
【0027】
本発明において製造される樹脂成形品の弾性層は、分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有する有機重合体を主成分とする発泡体からなる。また、弾性層の表面に形成されるスキン層も該有機重合体を主成分とする発泡体(ただし発泡セル径は小さい)からなる。そして、本発明の樹脂成形品の製造方法では、該有機重合体を主成分とする発泡させた樹脂原料を使用する。好ましい実施形態では、前記有機重合体の主鎖を構成する繰り返し単位が、飽和炭化水素系又はオキシアルキレン系単位からなる。この好ましい実施形態における樹脂(原料)の詳細は、例えば特開平8−267612号公報、特開2001−132733号公報等に記載されている。具体例を挙げると、(A)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有し、主鎖を構成する繰り返し単位が飽和炭化水素系又はオキシアルキレン系単位からなる重合体、(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する硬化剤、及び(C)ヒドロシリル化触媒、を主成分とする発泡性組成物が、樹脂原料として好ましく使用される。
【0028】
ここで、(A)成分の重合体は、(B)成分とヒドロシリル化反応して硬化する成分であり、分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有するため、ヒドロシリル化反応が起こって高分子状になり硬化する。(A)成分に含まれるアルケニル基の数は、(B)成分とヒドロシリル化反応するという点から少なくとも1個必要であるが、充分なゴム弾性を得るという点からは、直鎖状分子の場合、分子の両末端に2個のアルケニル基が存在し、分岐のある分子の場合、分子末端に2個以上のアルケニル基が存在することが望ましい。
【0029】
(A)成分の主鎖を構成する繰り返し単位は、オキシアルキレン単位または飽和炭化水素系単位である。まず、前記繰り返し単位がオキシアルキレン単位である実施形態について説明する。すなわち、本実施形態では(A)成分がオキシアルキレン系重合体からなる。
【0030】
本実施形態において樹脂原料として使用される発泡性組成物(硬化性組成物)は、弾性復元性が良い発泡体を得たい場合に好適である。さらに、硬化物(発泡体)の低硬度化の観点からも本実施形態で使用される発泡性組成物は好ましく、前記繰り返し単位がオキシプロピレン単位であるオキシプロピレン系重合体であることが特に好ましい。
【0031】
ここで、オキシアルキレン系重合体とは、主鎖を構成する単位のうち30%以上、好ましくは50%以上がオキシアルキレン単位からなる重合体をいう。オキシアルキレン単位以外に含有される単位は、重合体製造時の出発物質として使用される、活性水素を2個以上有する化合物、たとえば、エチレングリコール、ビスフェノール系化合物、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどからなる単位などである。なお、前記繰り返し単位がオキシプロピレン系の場合、エチレンオキシド、ブチレンオキシドなどからなる単位との共重合体(グラフト共重合体を含む)であってよい。
【0032】
このようなオキシアルキレン系重合体の分子量は、反応性および低硬度化のバランスを良くする観点から、数平均分子量(Mn)で500〜50,000、さらには1,000〜40,000であることが好ましい。特に、数平均分子量が5,000以上のもの、さらには5,000〜40,000であるものが好ましい。数平均分子量が500未満の場合、この硬化性組成物を硬化させたときに充分な機械的特性(ゴム硬度、伸び率)などが得られにくくなる。一方、数平均分子量があまり大きくなると、分子中に含まれるアルケニル基1個あたりの分子量が大きくなったり、立体障害で反応性が落ちたりするため、硬化が不充分になることが多く、また、粘度が高くなりすぎて加工性が悪くなる傾向にある。
【0033】
なお、前記オキシアルキレン系重合体が有するアルケニル基に特に制限はないが、下記一般式(1)で示されるアルケニル基が、硬化性に優れる点で特に好ましい。
【0034】
2C=C(R1)− (1)
(式中、R1は水素原子またはメチル基)
【0035】
また、この硬化性組成物の特徴の1つは、低硬度に設定し易いことであり、この特徴を発揮させるには、アルケニル基の数は分子末端に2個以上存在することが好ましい。ただし、(A)成分の分子量に比してアルケニル基の数が多くなりすぎると剛直になり、良好なゴム弾性が得られにくくなる。
【0036】
次に、(A)成分の重合体の主鎖を構成する繰り返し単位が飽和炭化水素系単位である実施形態について説明する。この重合体は低吸水率であり、電気抵抗の環境変動が小さい硬化物を得られやすいという点で好ましいものである。また、前記オキシアルキレン系重合体の場合と同様に、(B)成分とヒドロシリル化反応して硬化する成分であり、分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有するため、ヒドロシリル化反応が起こって高分子状になり硬化するものである。さらに、(A)成分に含まれるアルケニル基の数は、(B)成分とヒドロシリル化反応するという点から少なくとも1個必要であるが、良好なゴム弾性を得るという点から、直鎖状分子の場合は、分子の両末端に2個存在することが好ましく、分岐を有する分子の場合は、分子末端に2個以上存在することが好ましい。
【0037】
前記主鎖を構成する繰り返し単位が飽和炭化水素系単位である重合体の代表例としては、イソブチレン系重合体、水添イソプレン系重合体、水添ブタジエン系重合体が挙げられる。特に、イソブチレン系重合体はガス透過性が低いため、より安定した発泡体を提供することができる。これら重合体は、共重合体などの他成分の繰り返し単位を含むものであって構わないが、少なくとも飽和炭化水素系単位を50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上含有することが、飽和炭化水素系の、吸水率が低いという特徴を損なわないようにする上で重要である。
【0038】
この主鎖を構成する繰り返し単位が飽和炭化水素系単位である(A)成分の重合体の分子量としては、数平均分子量(Mn)で500〜50,000程度、さらには1,000〜15,000程度であって、常温において液状物で流動性を有するものが、取り扱い易さ、加工性の点で好ましい。
【0039】
このような飽和炭化水素系重合体に導入されるアルケニル基については、前記オキシアルキレン系重合体の場合と同様である。
【0040】
したがって、(A)成分としての、分子中に少なくとも1個のアルケニル基を含み、主鎖を構成する繰り返し単位が飽和炭化水素系単位である重合体の好ましい具体例としては、両末端にアルケニル基を2個有し、直鎖状の数平均分子量(Mn)が2,000〜15,000で、Mw/Mnが1.1〜1.2のポリイソブチレン系、水添ポリブタジエン系、水添ポリイソプレン系重合体などが挙げられる。
【0041】
一方(B)成分は、分子中の少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物である限り特に制限はないが、分子中に含まれるヒドロシリル基の数が多すぎると、硬化後も多量のヒドロシリル基が硬化物中に残存し易くなり、ボイドやクラックの原因となるため、分子中に含まれるヒドロシリル基の数は50個以下が良い。さらにはこの数は、硬化物のゴム弾性のコントロールや貯蔵安定性の点から、2〜30個、より好ましくは2〜20個であり、さらに、ヒドロシリル基が失活しても硬化不良が発生しにくいという点では3個以上が好ましく、最も好ましい範囲は3〜20個である。
【0042】
ここで、「ヒドロシリル基を1個有する」とは、Siに結合するHを1個有することをいい、SiH2の場合には、ヒドロシリル基を2個有することを意味するが、Siに結合するHは異なるSiに結合する方が、硬化性やゴム弾性の点から好ましい。
【0043】
(B)成分の分子量は、加工性などの点から、数平均分子量(Mn)で30,000以下にあることが好ましく、さらには20,000以下、特には15,000以下が好ましい。(A)成分との反応性や相溶性まで考慮すると、数平均分子量が300〜10,000にあることが好ましい。
【0044】
この(B)成分に関しては、(A)成分の凝集力が(B)成分の凝集力に比べて大きいために、相溶性の点でフェニル基含有変性が重要であり、(A)成分との相溶性、入手のし易さの点でスチレン変性体などが好ましく、貯蔵安定性の点でα−メチルスチレン変性体が好ましい。
【0045】
他方、(C)成分であるヒドロシリル化触媒としては、ヒドロシリル化触媒として使用し得るものである限り特に制限はなく、白金単体、アルミナなどの単体に固体白金を担持させたもの、塩化白金酸(アルコールなどの錯体も含む)、白金の各種錯体、ロジウム、ルテニウム、鉄、アルミニウム、チタンなどの金属の塩化物などが挙げられる。これらの中でも、触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体が望ましい。これらの触媒は単独で使用しても良く、2種以上で併用してもよい。
【0046】
本実施形態で使用する樹脂原料としての発泡性組成物の(A)成分に対する(B)成分の使用割合として、(A)成分中のアルケニル基1モル当たり、(B)成分中のヒドロシリル基が0.2〜5.0モル、さらには0.4〜2.5モル存在するように設定されると、良好なゴム弾性を得る点から好ましい。
【0047】
また、(C)成分の使用量としては、(A)成分中のアルケニル基1モルに対して、10-1〜10-8モル、特に10-3〜10-6モルの範囲で用いるのが好ましい。(C)成分の使用量が10-8モルに満たないと反応が進行しない。一方でヒドロシリル化触媒は、一般に高価で、また腐食性を有し、しかも水素ガスが大量に発生して硬化物が発泡してしまう性質を有しているので、10-1モルを超えて用いない方が好ましい。
【0048】
樹脂原料としての発泡性組成物には、その目的に応じて他の成分を含有させてもよい。例えば、プリンター等の電子写真方式を採用した装置に用いる樹脂成形品を製造する場合には、導電性付与剤をさらに含有させてもよい。導電性付与剤としては、カーボンブラックや、金属微粉末、さらには第4級アンモニウム塩基、カルボン酸基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基などを有する有機化合物もしくは重合体、リチウムイオンを有する有機化合物(イオン性液体など)、エーテルエステルアミドもしくはエーテルイミド重合体、エチレンオキサイド−エピハロヒドリン共重合体、メトキシポリエチレングリコールアクリレートなどで代表される導電性ユニットを有する化合物もしくは高分子化合物などを挙げることができる。
【0049】
導電性付与剤以外の成分としては、炭酸塩と脂肪酸が挙げられる。すなわち、炭酸塩と脂肪酸とを樹脂原料に含有させることにより、スキン層を構成する発泡体の発泡セル径がより小径化および均一化される。炭酸塩としては特に限定はなく、正塩、酸性塩(重炭酸塩)、塩基性塩のいずれでもよいが、正塩がより好ましい。正塩としては、炭酸カルシウムや炭酸マグネシウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩、炭酸カリウムや炭酸ナトリウム等のアルカリ金属の炭酸塩等が挙げられるが、より好ましくは炭酸カルシウムである。なお、これらの炭酸塩については、1種類だけを用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。
【0050】
脂肪酸としては特に限定はなく、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸のいずれでもよい。脂肪酸の炭素数も特に限定はなく、例えば、炭素数4〜30の脂肪酸を用いることができる。すなわち、飽和脂肪酸の例としては、ブチル酸(酪酸)、パレリアン酸(吉草酸)、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸等が挙げられる。不飽和脂肪酸の例としては、デセン酸、オレイン酸、エルシン酸等のモノエン酸、並びに、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸等のポリエン酸等が挙げられる。なお、ここに例示した脂肪酸はいずれも融点が100℃以下のものであり、100℃を超える温度では、樹脂中で脂肪酸が液体で存在し均一に分散する。これらの脂肪酸を用いれば、より少ない含量(使用量)で、発泡セル径が小径化されており且つ高度に均一化された発泡体が形成される。すなわち、樹脂原料が熱硬化性樹脂を主成分とするものである場合には、硬化反応(100℃以上で行う)時においても脂肪酸が液体で存在することとなり、当該脂肪酸は樹脂中に均一に分散される。なお、これらの脂肪酸については、1種類だけを用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。
【0051】
上記以外の成分では、貯蔵安定性改良剤、例えば、脂肪族不飽和結合を有する化合物、有機リン化合物、有機硫黄化合物、チッ素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物などを、樹脂原料に含有させてもよい。その具体例としては、例えば、ベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチルマレート、ジメチルアセチレンカルボキシレート、2−ペンテンニトリル、2,3−ジクロロプロペン、キノリン、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールなどが挙げられる。さらに、樹脂原料としての発泡性組成物には、加工性やコストを改善するという点から、充填剤、保存安定剤、可塑剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料などを含有させてもよい。
【0052】
本発明の樹脂成形品の製造方法では発泡させた樹脂原料を使用する。樹脂原料を発泡させる手段としては、機械発泡(物理的発泡)、化学発泡のいずれもが採用可能であるが、発泡の開始時期を制御しやすい点では機械発泡が好ましい。
【0053】
発泡させた樹脂原料を調製する際、密閉状態で機械発泡を行うと好都合である。例えば、高圧下で調製された上記(A)〜(C)の各成分と気体(空気、炭酸ガス、不活性ガス等)の混合物を、密閉された金型に充填する。すると、発生した気泡の径は小さいまま保持され、かつ均一化される。一方、当該混合物を開放状態で金型に充填すると、泡が膨張して気泡径が大きくなり、泡の合一が進んでますます気泡径が大きくなってしまうので好ましくない。
【0054】
本発明のローラの製造方法は、芯体の外周に弾性層が設けられ、かつ該弾性層の表面にスキン層が設けられたローラの製造方法であり、芯体が装着された金型を使用し、本発明の樹脂成形品の製造方法によって、発泡体からなる弾性層の表面にスキン層が設けられた樹脂成形品を前記芯体の外周に設けるものである。好ましい実施形態として、プリンター等の現像ローラを製造する例について説明する。
【0055】
本実施形態のローラの製造方法で製造される現像ローラ(ローラ)1の断面形状は、前記した図2と同様である。すなわち、本実施形態のローラの製造方法では、導電性シャフト(芯体)2があらかじめ装着された金型に、発泡させた樹脂原料を充填し、樹脂原料を金型からの伝熱により加熱し硬化させる。金型の内径は16mm、導電性シャフト2の外径は8mmである。これにより、導電性シャフト2の外周に厚さ約4mmの弾性層3が設けられ、かつ弾性層3の表面に厚さ0.01mm以上の表面層(スキン層)5が設けられた現像ローラ1が製造される。
【0056】
導電性シャフト2は、ステンレススチール、SUM材、アルミニウム等の金属からなる。なお、導電性シャフト2は、金属以外の材料、例えば、導電性を有する樹脂等からなるものでもよい。
【0057】
発泡させた樹脂原料の調製手順は以下のとおりである。まず、上記(A)成分〜(C)成分、カーボンブラック等の導電性付与剤、炭酸塩、脂肪酸、及びマレイン酸ジメチル等の貯蔵安定性改良剤の混合液(樹脂原料)を調製する。次に、該樹脂原料と気体(空気、炭酸ガス、不活性ガス等)とを密閉状態で共存させてから圧縮する。直ちに圧縮された樹脂原料をミキサーに移送し、強く混合する。このとき、気体は樹脂原料中に分散する。次に、気体が分散した樹脂原料を加圧する。これにより、発泡させた樹脂原料が調製される。
【0058】
調製された樹脂原料は、直ちに導電性シャフト2が装着された金型に注入される。ここで用いる金型としては、例えば図3に示すものが挙げられる。図3は、本発明のローラの製造方法で使用可能な成形型の断面図である。図3に示す成形型(金型)20は昇温可能な密閉型の金型であり、金型本体21と、芯体保持部材22、23によって構成され、これらをクランプ25,26によって結合したものである。
【0059】
金型本体21は、筒状であり、両端にフランジ部27,28が設けられている。金型本体21の両端の内面は、テーパー状の凹部30,31となっている。金型本体21の内径は16mm、高さは235mmである。
【0060】
一方の芯体保持部材22は、金型本体21の一端側(図面では上端側)を封鎖するものであり、前記した金型本体21のテーパー状の凹部30と合致する凸部32を備えている。また、前記した金型本体21のフランジ部27と合致するフランジ部35を備えている。さらに、芯体保持部材22の中心には軸挿通穴36が設けられている。軸挿通穴36の周囲は平坦部39となっている。また、芯体保持部材22には樹脂排出口37が設けられている。
【0061】
他方の芯体保持部材23は、金型本体21の他端側(図面では下端側)を封鎖するものであり、前記した芯体保持部材22と同様に、金型本体21のテーパー状の凹部31と合致する凸部33を備えており、さらに、金型本体21のフランジ部28と合致するフランジ部41を備えている。また軸挿通穴42の周囲は平坦部43となっている。図面下方の芯体保持部材23が上部側の芯体保持部材22と異なる点は、樹脂注入口45及びこれに続くランナー部46とゲート47を有する点である。即ち芯体保持部材23は、外側の端面に樹脂注入口45を備える。
【0062】
図3に示す成形型(金型)20に樹脂原料を注入する手順は以下のとおりである。まず、図3に示す様に、導電性シャフト2を成形型20に装着する。導電性シャフト2としては、例えば外径8mmのSUM材製のものを採用する。次に、図3に示す様に、導電性シャフト2が装着された成形型20を、芯体保持部材22が上、芯体保持部材23が下となるよう垂直に設置する。次に、図示しない射出機を用いて樹脂注入口45から調製した発泡樹脂原料を加圧注入し、成形キャビティを満たしていき、樹脂排出口37まで充填する。このとき、樹脂原料は高圧状態から開放されるが、金型20内で密閉状態に置かれるので発泡セル径がより小径化及び均一化される。
【0063】
次に、成形型(金型)20からの伝熱により樹脂原料表面を加熱して表面層(スキン層)5を形成させる。成形型20の昇温については、樹脂原料投入前に予め昇温させておいてもよいし、樹脂原料注入後に誘導加熱等の手段により昇温させてもよい。成形型20の昇温温度は、0.01mm以上の表面層(スキン層)5が10秒以内に形成される温度とし、おおむね120〜170℃である。成形型20を当該温度に保ったまま、しばらく静置する。これにより、導電性シャフト2の外周に発泡体からなる弾性層3が形成され、さらに弾性層3の表面に表面層(スキン層)5が形成され、2層構造を有する現像ローラ(ローラ)1が製造される。このようにして製造された現像ローラ1においては、表面層(スキン層)5の発泡セル径が小径化された目の細かい滑らかなものとなる。
【0064】
以下に、本発明の非限定的な実施例について説明する。
【実施例】
【0065】
1.液状発泡樹脂原料の調製
(A)アリル末端ポリオキシプロピレン(商品名:カネカサイリルACS003、カネカ社):100重量部と、
(B)ポリオルガノハイドロジェンシロキサン(商品名:CR100、カネカ社):3.1重量部と、
(C)ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒(白金含有率3wt%、キシレン溶液):0.06重量部と、
導電性付与剤としてカーボンブラック(商品名:3030B、三菱化学社):14重量部と、
貯蔵安定性改良剤としてマレイン酸ジメチル:0.04重量部と、
その他の成分として炭酸カルシウム(商品名:MCコートS−20、丸尾カルシウム社):25重量部と、
を混合し、10mmHg以下で120分間減圧脱泡して液状樹脂原料を得た。さらに、その100%相当量の空気を混合し、よく攪拌した。これにより、微細な気泡を内包する液状発泡樹脂原料が調製された。
【0066】
2.スキン層の形成条件検討
図3に示す構造を有する成形型(金型)20(成形キャビティの内径8mm、高さ235mm)にSUM材製の導電性シャフト(芯体)2(外径8mm、長さ267mm)を装着し、加熱炉を用いて150℃に予め昇温させた。昇温させた金型20を垂直に立て、射出機にて、成形型20の樹脂注入口45から上向きに該液状発泡樹脂原料を注入し、10秒間静置した。これにより、該液状発泡樹脂原料の表面が加熱硬化し、スキン層が形成された。直ちに、別の射出機にて、該液状発泡樹脂原料と同じ組成で未発泡の液状樹脂原料を樹脂注入口45から上向きに注入した。これにより、未硬化の液状発泡樹脂原料が排出され、代わりに、未発泡の液状樹脂原料が満たされた。
【0067】
直ちに、この成形型20をファンが設けられた加熱炉内に置き、140℃で20分間加熱した。加熱終了後、成形型20を加熱炉から取り出し、成形型20から離型し、成形品(ローラ)を得た。すなわち、この成形品は、未発泡の硬化物の表面にスキン層が設けられた構造を有していた。
【0068】
該成形品の断面を顕微鏡で観察した。その結果、スキン層の厚さは0.02mmであった。さらに、該スキン層は発泡セル径が小径化された滑らかなものであった。
以上より、150℃に予め昇温させた金型に上記の液状発泡樹脂原料を接触させて、0.01mm以上のスキン層を10秒以内に形成させると、該スキン層は発泡セル径が小径化された滑らかなものとなることがわかった。
【0069】
3.ローラの作製
上記2と同様の条件で、発泡体からなる弾性層の表面にスキン層が設けられた樹脂成形品を導電性シャフト(芯体)2の外周に設けたローラを作製した。すなわち、上記2と同様にして、図3に示す構造を有する成形型(金型)20にSUM材製の導電性シャフト(芯体)2を装着し、加熱炉を用いて150℃に予め昇温させた。昇温させた金型20を垂直に立て、射出機にて、成形型20の樹脂注入口45から上向きに該液状発泡樹脂原料を注入し、10秒間静置した。直ちに、この成形型20をファンが設けられた加熱炉内に置き、140℃で20分間加熱した。加熱終了後、成形型20を加熱炉から取り出し、成形型20から離型し、成形品(ローラ)を得た。本ローラ(実施例のローラ)は図2のような2層構造を有し、発泡体からなる層(弾性層3に相当)の表面にスキン層(表面層5に相当)が設けられた樹脂成形品が導電性シャフト(芯体)2の外周に設けられたものであった。さらに、上記2と同様の条件でスキン層を形成させているので、本ローラにおいてもスキン層の厚さは0.02mmと推定された。
【0070】
比較例として、成形型20を予め昇温させない以外は実施例と同様にしてローラを作製した。
【0071】
4.顕微鏡観察
実施例のローラの断面を顕微鏡で観察した。その結果、該スキン層は発泡セル径が小径化された滑らかなものであった。一方、比較例のローラを同様に顕微鏡で観察したところ、スキン層は形成されていなかった。
以上より、実施例のローラにおいても、150℃に予め昇温させた金型に上記の液状発泡樹脂原料を接触させて、0.01mm以上のスキン層を10秒以内に形成させると、該スキン層は発泡セル径が小径化された滑らかなものとなることがわかった。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】電子写真方式による印字装置の構成を表す概略図である。
【図2】現像ローラの断面図である。
【図3】本発明のローラの製造方法で使用可能な成形型の断面図である。
【符号の説明】
【0073】
1 現像ローラ(ローラ)
2 導電性シャフト(芯体)
3 弾性層
5 表面層(スキン層)
20 成形型(金型)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有する有機重合体を主成分とする発泡体からなる弾性層の表面に、厚さ0.01mm以上のスキン層が設けられた樹脂成形品の製造方法であって、前記有機重合体を主成分とする発泡させた樹脂原料を昇温可能な金型に接触させ、該金型からの伝熱により前記樹脂原料を表面から加熱して硬化させ、前記スキン層を10秒以内に形成させることを特徴とする樹脂成形品の製造方法。
【請求項2】
前記有機重合体の主鎖を構成する繰り返し単位が、飽和炭化水素系又はオキシアルキレン系単位からなることを特徴とする請求項1に記載の樹脂成形品の製造方法。
【請求項3】
前記樹脂原料を、予め昇温された金型に接触させることにより、樹脂原料を表面から加熱することを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂成形品の製造方法。
【請求項4】
前記樹脂原料を金型に接触させた後、該金型を昇温させることにより、樹脂原料を表面から加熱することを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂成形品の製造方法。
【請求項5】
前記金型を誘導加熱により昇温させることを特徴とする請求項3又は4に記載の樹脂成形品の製造方法。
【請求項6】
芯体の外周に弾性層が設けられ、かつ該弾性層の表面にスキン層が設けられたローラの製造方法であって、芯体が装着された金型を使用し、請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂成形品の製造方法によって、発泡体からなる弾性層の表面にスキン層が設けられた樹脂成形品を前記芯体の外周に設けることを特徴とするローラの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−268916(P2007−268916A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−99273(P2006−99273)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【Fターム(参考)】