説明

機械的及び電気的機能と分離された光学的機能を有する微小電気機械デバイス

【課題】微小電気機械(MEMS)装置(1300)が、基板(20)、該基板(20)上の可動素子(1340)、及び該可動素子(1340)上の作動電極(142)を備える。
【解決手段】可動素子(1340)が、可変層(1302)及び反射素子(1314)を備える。可変層(1302)が、反射素子(1314)から分離される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
微小電気機械システム(MEMS)が、微小機械素子、アクチュエーター、及び電子機器を含む。
【背景技術】
【0002】
微小機械素子が、堆積、エッチング及び/又は他のマイクロマシニングプロセスを使用して形成されてよく、このマイクロマシニングプロセスが、基板及び/若しくは堆積材料層の部分をエッチングし、又は電気及び電気機械デバイスを形成するように層を追加する。あるタイプのMEMS装置が、干渉型(interferometric)変調器と呼ばれる。本願明細書に使用されるものとして、干渉型変調器又は干渉型光変調器という用語は、光学干渉の原理を使用して光を選択的に吸収及び/又は反射するデバイスについて言及したものである。ある実施形態において、干渉型変調器が、一組の導電板を備えてよく、この伝導板の一方又は両方が、その全体又は一部が透明である及び/又は反射するものであってよく、適切な電気信号を印加すると相対運動することが可能であってよい。特定の実施形態において、一方の板が、基板上に堆積された固定層を備えてよく、他方の板が、空隙によって固定層から分離された金属膜を備えてよい。本願明細書においてさらに詳しく記載されているように、他方に対しての一方の板の位置により、干渉型変調器上への入射光の光学干渉を変化させることが可能である。このようなデバイスが、広範囲の用途を有し、当業界において、これらのタイプのデバイスの特徴を活用する及び/又は変更するのに役立ち、これらの特徴が、既存製品の改善及び未だ開発されていない新規な製品の製造に利用されることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5986796号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のシステム、方法及び装置の各々が、いくつもの態様を有し、その単一の1つが、単に、その所望の特性に関与するものではない。本発明の範囲を制限することなく、そのより優れた特徴が、以下において、簡潔に議論される。この議論を検討した後で、及び、特に、“発明を実施するための形態”の部分を読んだ後で、他の表示装置に対し、本発明の特徴が提供する利点がどのようなものかを理解するだろう。
【0005】
ある実施形態において、微小電気機械(MEMS)装置が、基板、該基板上の可動素子、及び該可動素子上の作動電極を備える。可動素子が、可変層及び反射素子を備える。可変層が、反射素子から分離される。
【0006】
ある実施形態において、微小電気機械(MEMS)装置が、装置の一部を移動させるための手段、移動手段を支持するための手段、及び移動手段を作動させるための手段を備える。作動手段が、移動手段上にある。移動手段が、変形のための手段及び反射のための手段を備える。変形手段が、反射手段から分離される。
【0007】
ある実施形態において、微小電気機械(MEMS)装置の製造方法が、基板上に第1犠牲層を形成する段階、第1犠牲層上に反射素子を形成する段階、反射素子上に第2犠牲層を形成する段階、第2犠牲層上に可変層を形成する段階、可変層上に第3犠牲層を形成する段階、第3犠牲層上に作動電極を形成する段階、及び第1,第2,第3犠牲層を除去する段階を含む。可変層が、反射素子と機械的に結合される。
【0008】
ある実施形態において、光を調節する方法が、基板、該基板上の可動素子、及び作動電極を備える表示素子を提供する段階を含む。可動素子が、可変層及び反射素子を備える。可変層が、反射素子から分離される。作動電極が、可動素子上にある。この方法が、作動電極に電圧を加える段階をさらに含む。電圧が、可動素子への引力を形成し、これによって、可動素子の基板から離れる移動が引き起こされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】ある実施形態の干渉型変調器ディスプレイの一部を図示した等角図であって、第1干渉型変調器の可動反射層が緩和位置(relaxed position)内にあり、第2干渉型変調器の可動反射層が作動位置内にある。
【図2】ある実施形態の3×3干渉型変調器ディスプレイを組み込んだ電子デバイスを図示したシステムブロック図である。
【図3】図1の干渉型変調器のある例示的な実施形態に対して加えられた電圧対可動ミラー位置の図である。
【図4】干渉型変調器ディスプレイを駆動するために使用されうる行及び列の電圧の組の図である。
【図5A】図2の3×3干渉型変調器ディスプレイにおける表示データのある例示的なフレームを図示したものである。
【図5B】図5Aのフレームを書くために使用されうる行及び列の信号に対するある例示的なタイミング図を図示したものである。
【図6A】複数の干渉型変調器を含むある実施形態の画像表示装置を示すシステムブロック図である。
【図6B】複数の干渉型変調器を含むある実施形態の画像表示装置を示すシステムブロック図である。
【図7A】図1の装置の断面図である。
【図7B】他の実施形態の干渉型変調器の断面図である。
【図7C】さらに他の実施形態の干渉型変調器の断面図である。
【図7D】さらに他の実施形態の干渉型変調器の断面図である。
【図7E】付加的な他の実施形態の干渉型変調器の断面図である。
【図8】生成された光のスペクトル特性を示す例示的な干渉型変調器の垂直断面図である。
【図9】様々な例示的な干渉型変調器のミラーに対する波長対反射率のグラフ図である。
【図10】赤、緑、及び青の干渉型変調器の例示的な組を含むカラーディスプレイによって生成されることが可能な色を説明する色度図である。
【図11】例示的な多状態干渉型変調器の垂直断面図である。
【図12A】他の例示的な多状態干渉型変調器の垂直断面図である。
【図12B】他の例示的な多状態干渉型変調器の垂直断面図である。
【図12C】他の例示的な多状態干渉型変調器の垂直断面図である。
【図13A】電気的機能及び機械的機能から分離された光学的機能を有する例示的な実施形態のMEMS装置の断面図である。
【図13B】作動状態における図13AのMEMS装置の断面図である。
【図13C】電気的機能及び機械的機能から分離された光学的機能を有する他の例示的な実施形態のMEMS装置の断面図である。
【図14A】電気的機能及び機械的機能から分離された光学的機能を有するさらに他の例示的な実施形態のMEMS装置の断面図である。
【図14B】作動状態における図14AのMEMS装置の断面図である。
【図14C】作動状態における図14AのMEMS装置の断面図である。
【図15A】電気的機能及び機械的機能から分離された光学的機能を有するMEMS装置用の作動電極の実施形態の引き伸ばした断面図である。
【図15B】電気的機能及び機械的機能から分離された光学的機能を有するMEMS装置用の作動電極の実施形態の引き伸ばした断面図である。
【図16A】電気的機能及び機械的機能から分離された光学的機能を有するさらに他の例示的な実施形態のMEMS装置の断面図である。
【図16B】作動状態における図16AのMEMS装置の断面図である。
【図16C】作動状態における図16AのMEMS装置の断面図である。
【図17A】電気的機能及び機械的機能から分離された光学的機能を有する実施形態のMEMS装置を形成するための例示的な一連の処理段階を概略的に説明するものである。
【図17B】電気的機能及び機械的機能から分離された光学的機能を有する実施形態のMEMS装置を形成するための例示的な一連の処理段階を概略的に説明するものである。
【図17C】電気的機能及び機械的機能から分離された光学的機能を有する実施形態のMEMS装置を形成するための例示的な一連の処理段階を概略的に説明するものである。
【図17D】電気的機能及び機械的機能から分離された光学的機能を有する実施形態のMEMS装置を形成するための例示的な一連の処理段階を概略的に説明するものである。
【図17E】電気的機能及び機械的機能から分離された光学的機能を有する実施形態のMEMS装置を形成するための例示的な一連の処理段階を概略的に説明するものである。
【図17F】電気的機能及び機械的機能から分離された光学的機能を有する実施形態のMEMS装置を形成するための例示的な一連の処理段階を概略的に説明するものである。
【図17G】電気的機能及び機械的機能から分離された光学的機能を有する実施形態のMEMS装置を形成するための例示的な一連の処理段階を概略的に説明するものである。
【図17H】電気的機能及び機械的機能から分離された光学的機能を有する実施形態のMEMS装置を形成するための例示的な一連の処理段階を概略的に説明するものである。
【図18A】電気的機能及び機械的機能から分離された光学的機能を有する他の実施形態のMEMS装置を形成するための例示的な一連の処理段階を概略的に説明するものである。
【図18B】電気的機能及び機械的機能から分離された光学的機能を有する他の実施形態のMEMS装置を形成するための例示的な一連の処理段階を概略的に説明するものである。
【図18C】電気的機能及び機械的機能から分離された光学的機能を有する他の実施形態のMEMS装置を形成するための例示的な一連の処理段階を概略的に説明するものである。
【図18D】電気的機能及び機械的機能から分離された光学的機能を有する他の実施形態のMEMS装置を形成するための例示的な一連の処理段階を概略的に説明するものである。
【図18E】電気的機能及び機械的機能から分離された光学的機能を有する他の実施形態のMEMS装置を形成するための例示的な一連の処理段階を概略的に説明するものである。
【図18F】電気的機能及び機械的機能から分離された光学的機能を有する他の実施形態のMEMS装置を形成するための例示的な一連の処理段階を概略的に説明するものである。
【図18G】電気的機能及び機械的機能から分離された光学的機能を有する他の実施形態のMEMS装置を形成するための例示的な一連の処理段階を概略的に説明するものである。
【図19A】電気的機能及び機械的機能から分離された光学的機能を有するさらに他の実施形態のMEMS装置を形成するための例示的な一連の処理段階を概略的に説明するものである。
【図19B】電気的機能及び機械的機能から分離された光学的機能を有するさらに他の実施形態のMEMS装置を形成するための例示的な一連の処理段階を概略的に説明するものである。
【図19C】電気的機能及び機械的機能から分離された光学的機能を有するさらに他の実施形態のMEMS装置を形成するための例示的な一連の処理段階を概略的に説明するものである。
【図19D】電気的機能及び機械的機能から分離された光学的機能を有するさらに他の実施形態のMEMS装置を形成するための例示的な一連の処理段階を概略的に説明するものである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の詳細な記載は、本発明のある特定の実施形態を対象とするものである。しかしながら、本発明が、多数の異なる方法で具体化されることが可能である。この記載において、全体を通して、同種の部品が、同種の参照符号で示される図面を参照する。以下の記載から明らかになるように、動く(例えばビデオ)又は動かない(例えば静止像)、及びテキスト又は画像の像を表示するように構成されたいずれの装置において、本実施形態が、実施されてよい。特に、制限するものではないが、携帯電話、ワイヤレス機器、携帯情報端末(PDAs)、ハンドヘルド又はポータブルコンピューター、GPS受信機/ナビゲーター、カメラ、MP3プレーヤー、カムコーダー、ゲーム機、腕時計、時計、計算機、テレビ用モニター、フラットパネルディスプレイ、コンピューター用モニター、自動車用ディスプレイ(例えば、走行距離計用ディスプレイ等)、コックピットコントロール及び/又はディスプレイ、カメラビューのディスプレイ(例えば、自動車内における後方確認用カメラのディスプレイ)、電子写真、電光掲示板又はサイン、プロジェクター、建築物、パッケージング、並びに、芸術的建造物(例えば、宝石類上の像のディスプレイ)のような、様々な電子デバイス内で又はこれと結合されて本実施形態が実施されうると考えられる。本願明細書に記載されたそれらと同様な構造のMEMS装置が、電子スイッチ装置のような非−ディスプレイ用途に使用されることも可能である。さらに、全ての本図面が、ある素子の間の関係を表現するために描かれ、このため、極めて概略的であり、縮尺通りであると考えられるべきではない。
【0011】
ある実施形態において、反射素子上に配置された作動電極及び可動素子の可変層が設けられる。作動電極が、光学経路内になく、これにより、これが、非−透明導電体を備え、厚くなることが可能となり、これによって、電力消費を改善する。いくつかの実施形態において、反射表面よりはむしろ、可変層が、作動中のMEMS装置の固定部と接触し、順に、静摩擦、バネ定数、静電力、及びコンデンサ領域を減少させ、この結果、速くかつ低い動力操作が可能となる。いくつかの実施形態において、光学的性能に影響を与えることなく、粗面処理及び他の反−静摩擦機構が、作動電極と可変層との間に形成されうるが、これは、この機構が、光学経路内にないためである。いくつかの実施形態において、反射表面が、作動時にいずれとも接触せず、これにより、静摩擦の危険を伴わずに、これが、実質的に滑らかかつ平坦になることが可能となる。いくつかの実施形態において、第二作動電極が、可動素子の下に、又は可変層と反射表面との間に設けられ、反射表面が、少なくとも3つの状態に安定する。
【0012】
干渉型MEMS表示素子を備えたある干渉型変調器ディスプレイの実施形態が、図1に示されている。これらの装置において、ピクセルが、明るい又は暗い状態のいずれかである。明るい(“オン”又は“オープン”)状態において、表示素子が、ユーザに入射する可視光の大部分を反射する。暗い(“オフ”又は“クローズ”)状態において、表示素子が、ユーザに入射する可視光をほとんど反射しない。実施形態により、“オン”及び“オフ”状態の光の反射率特性が反対になってもよい。MEMSピクセルが、選択された色において大部分を反射するように構成されることが可能であり、黒及び白に加え、カラー表示を可能とする。
【0013】
図1は、画像表示の一連のピクセル内における2つの隣接するピクセルを描いた等角図であり、各ピクセルが、MEMS干渉型変調器を備える。ある実施形態において、干渉型変調器ディスプレイが、これらの干渉型変調器の行/列アレイを備える。各干渉型変調器が、互いの距離が可変かつ制御可能に位置された一組の反射層を含み、少なくとも1つの可変寸法を持つ共振光キャビティを形成する。ある実施形態において、反射層のひとつが、2つの位置の間を移動しうる。本願明細書において緩和位置と呼ばれる第1位置において、可動反射層が、固定された部分的反射層から比較的に大きく離れて位置される。本願明細書において作動位置と呼ばれる第2位置において、可動反射層が、部分的反射層とより密接に隣接して位置される。2つの層から反射する入射光が、可動反射層の位置により、発展的に又は破壊的に干渉し、各ピクセルに対し全体的な反射型又は非−反射型状態のいずれかを形成する。
【0014】
図1におけるピクセルアレイの示された部分が、2つの隣接する干渉型変調器12a及び12bを含む。左の干渉型変調器12aにおいて、可動反射層14aが、複数の反射層を含むオプティカルスタック(optical stack)16aから所定の距離だけ離れた緩和位置に示されている。右の干渉型変調器12bにおいて、可動反射層14bが、オプティカルスタック16bに隣接する作動位置に示されている。
【0015】
本願明細書において参照されるオプティカルスタック16a及び16b(合わせてオプティカルスタック16と呼ぶ)が、通常、インジウムスズ酸化物(ITO)のような電極層、クロムのような部分的反射層、及び透明誘電体を含むことが可能ないくつかの融合(fused)層を含む。従って、オプティカルスタック16が、導電性であり、部分的に透明であり、及び部分的に反射型であり、例えば、透明基板20の上に1つ又はそれ以上の上位層を堆積することにより、製造されてよい。部分的反射層が、様々な金属、半導体及び誘電体のような部分的に反射型である様々な材料から形成されることが可能である。部分的反射層が、材料の1つまたはそれ以上の層から形成されることが可能であり、各層が、単一の材料又は材料の組み合わせにより形成されることが可能である。
【0016】
ある実施形態において、オプティカルスタック16の層が、縞模様にパターン化され、以下にさらに記載されるように、表示装置内の行電極を形成してよい。可動反射層14a、14bが、柱18の上端に堆積された堆積金属層又は層(複数)(行電極16a、16bと直交する)及び柱18間に堆積された中間(intervening)犠牲材料の一連の縞模様に形成されてよい。犠牲材料が、エッチングされた場合、可変金属層14a、14bが、定義された間隙19だけ、オプティカルスタック16a、16bから分離される。反射層14に対し、アルミニウムのような高導電性かつ反射性材料が、使用されてよく、これらのストリップが、表示装置内の列電極を形成してよい。
【0017】
図1のピクセル12aによって示されるように、電圧をかけない場合、間隙19が、可動反射層14aとオプティカルスタック16aとの間に残り、可動反射層14aが機械的に緩和状態にある。しかしながら、選択された行及び列に電位差が与えられた場合、対応するピクセルにおいて行及び列電極の交点に形成されたコンデンサが、帯電され、静電力により、電極を引き合わせる。電圧が十分に高い場合、可動反射層14が変形され、オプティカルスタック16に押し付けられる。図1の右側のピクセル12bによって示されるように、オプティカルスタック16内の誘電層(この図には示さない)が、短絡を防ぎ、層14と16の間の分離距離を制御しうる。与えられた電位差の極性にかかわらず、この挙動は同じである。このように、反射型対非−反射型ピクセル状態を制御することが可能な行/列作動が、多くの点において従来型のLCD及び他のディスプレイ技術のそれと類似している。
【0018】
図2から5が、ディスプレイ用途における干渉型変調器のアレイを使用するためのある例示的なプロセス及びシステムを示す。
【0019】
図2は、本発明の態様を組み込みうるある実施形態の電子デバイスを示すシステムブロック図である。例示的な実施形態において、電子デバイスが、ARM、Pentium(登録商標)、Pentium II(登録商標)、Pentium III(登録商標)、Pentium IV(登録商標)、Pentium Pro(登録商標)、8051、MIPS(登録商標)、Power PC(登録商標)、ALPHA(登録商標)のようないずれの汎用シングル−又はマルチ−チップマイクロプロセッサ、又は、デジタルシングルプロセッサ、マイクロコントローラー、若しくはプログラマブル ゲート アレイのようないずれの特殊用途マイクロプロセッサでありうるプロセッサ21を含む。当業界において従来と同じように、プロセッサ21が、1つ又はそれ以上のソフトウェアモジュールを実行するように構成されてよい。オペレーティングシステムを実行するのに加え、プロセッサが、ウェブブラウザ、テレフォンアプリケーション、電子メールプログラム、又はいずれの他のソフトウェアアプリケーションを含む1つ又はそれ以上のソフトウェアアプリケーションを実行するように構成されてよい。
【0020】
ある実施形態において、プロセッサ21が、アレイドライバ22と通信するように構成されてもよい。ある実施形態において、アレイドライバ22が、ディスプレイアレイ又はパネル30に信号を提供する行駆動回路24及び列駆動回路26を含む。図1に示されたアレイの断面が、図2における線1−1によって示される。MEMS干渉型変調器に対し、行/列作動プロトコルが、図3に示されたこれらの装置のヒステリシス特性を利用する。例えば、可動層が緩和状態から作動状態に変形するためには、10ボルトの電位差を必要としうる。しかしながら、電圧がこの値から減らされた場合、電圧が、10ボルト以下に戻るにつれて、可動層が、その状態を維持する。図3の例示的な実施形態において、電圧が2ボルト以下に下がるまで、可動層が、完全には緩和しない。このため、装置が、緩和又は作動状態のいずれかで安定する範囲内である、図3に示された実施例における約3から7Vの電圧範囲が存在する。本願明細書において、これは、“ヒステリシスウインドウ(hysteresis window)”又は“スタビリティウインドウ(stability window)”と呼ばれる。図3のヒステリシス特性を有するディスプレイアレイに対し、行ストロービング(strobing)の間、作動されるストローブ行におけるピクセルが、約10ボルトの電圧差にさらされ、緩和されるピクセルが、ゼロボルトに近い電圧差にさらされるように、行/列作動プロトコルが、設計されることが可能である。ストローブの後で、ピクセルが、約5ボルトの電圧差の定常状態にさらされ、これらが、行ストローブがそれらをいずれの状態に位置させるように維持される。書き込まれた後、各ピクセルに、この実施例においては3−7ボルトの“スタビリティウインドウ”内の電圧差が与えられる。この特徴により、これまでの作動又は緩和状態のいずれかと同じ印加電圧条件下において、図1において示された画素設計が安定化される。作動又は緩和状態のいずれかにおける干渉型変調器の各ピクセルが、本質的に、固定された及び反射層を移動させることによって形成されたコンデンサであるため、この安定状態が、ほぼ電力消費のないヒステリシスウインドウ内の電圧に維持されることが可能である。印加電位が固定される場合、本質的に、ピクセル内に電流が流れない。
【0021】
主な用途において、第1行における所望の組の作動ピクセルに従い、表示フレームが、列電極の組をアクティブな状態にすることにより形成されてよい。次に、行パルスが、行1電極に印加され、アクティブ化された列ラインに対応するピクセルを作動させる。次に、第2行における所望の組の作動ピクセルに対応して、列電極のアクティブ化された組が、変化させられる。次に、パルスが、行2電極に印加され、アクティブ化された列電極に従い、行2における適当なピクセルが作動される。行1ピクセルが、行2パルスによる影響を受けず、行1パルスの間にこれらが設定される状態に維持する。フレームを形成するために、順次的な方法で、全体の一連の行に対して、これが、繰り返されてよい。通常、フレームが、リフレッシュされる及び/又は毎秒ある所望の数のフレームにおいてこのプロセスを連続的に繰り返すことにより新たな表示データで更新される。また、表示フレームを形成するピクセルアレイの行及び列電極を駆動するための多くの種類のプロトコルが、周知であり、本発明とともに使用されてよい。
【0022】
図4、5A及び5Bが、図2の3×3アレイ上の表示フレームを形成するためのある実行可能な作動プロトコルを示す。図4が、図3のヒステリシス曲線を示すピクセルに使用されうる列及び行電圧レベルの実行可能な組を示す。図4の実施形態において、ピクセルを作動させる段階が、適切な列を−Vバイアスに、適切な行を+ΔVに設定する段階を含み、これらは、それぞれ−5ボルト及び+5ボルトに対応しうる。ピクセルを緩和する段階が、適切な列を+Vバイアスに、適切な行を同じ+ΔVに設定する段階により達成され、ピクセルにわたってゼロボルトの電位差を形成する。列が+Vバイアス又は−Vバイアスのいずれであるにもかわらず、行電圧がゼロボルトに維持されているこれらの行において、これらがはじめにいずれの状態にあったにせよピクセルが安定している。また、図4に示されているように、上記のそれらと異極性の電圧が使用されることが可能であると理解され、例えば、ピクセルを作動する段階が、適切な列を+Vバイアスに、適切な行を−ΔVに設定する段階を含む。この実施形態において、ピクセルを緩和する段階が、適切な列を−Vバイアスに、適切な行を同じ−ΔVに設定する段階によって達成され、ピクセルにわたってゼロボルトの電位差を形成する。また、図4に示されているように、上記のそれらと異極性の電圧が使用されることが可能であると理解され、例えば、ピクセルを作動する段階が、適切な列を+Vバイアスに、適切な行を−ΔVに設定する段階を含む。この実施形態において、ピクセルを緩和する段階が、適切な列を−Vバイアスに、適切な行を同じ−ΔVに設定する段階によって達成され、ピクセルにわたってゼロボルトの電位差を形成する。
【0023】
図5Bは、図5Aに示された表示配置を生じる図2の3×3アレイに与えられた一連の行及び列信号を示すタイミング図であり、ここで、作動ピクセルが、非−反射型である。図5Aに示されたフレームを書き込む前に、ピクセルがいずれの状態にあることが可能であり、この実施例においては、全ての行が0ボルトであり、全ての列が+5ボルトである。これらの印加電圧を備え、それらが存在する作動又は緩和状態において、全てのピクセルが安定である。
【0024】
図5Aのフレームにおいて、ピクセル(1,1)、(1,2)、(2,2)、(3,2)及び(3,3)が作動されている。これを達成するために、行1に対する“ラインタイム(line time)の間、列1及び2が、−5ボルトに設定され、列3が、+5ボルトに設定される。全てのピクセルが、3−7ボルトのスタビリティウインドウに維持されるため、これが、いずれのピクセルの状態を変化させない。次に、行1が、0から最大5ボルトに達し、ゼロに戻るパルスでストローブされる。これが、ピクセル(1,1)、(1,2)を作動し、ピクセル(1,3)を緩和する。アレイの他のピクセルは影響を受けない。要求どおりに行2を設定するために、列2が−5ボルトに設定され、列1及び3が+5ボルトに設定される。次に、同じストローブが行2に適用され、ピクセル(2,2)が作動され、ピクセル(2,1)及び(2,3)が緩和される。同様に、アレイの他のピクセルは影響を受けない。列2及び3を−5ボルトに、列1を+5ボルトに設定することにより、行3が同様に設定される。図5Aに示されるように、行3ストローブが、行3ピクセルを設定する。フレームに書き込んだ後、行電位がゼロであり、列電位が、+5又は−5ボルトのいずれかのまま維持されることが可能であり、次に、ディスプレイが図5Aの配置に安定する。同じ方法が、数十又は数百の行及び列のアレイに対して使用されることが可能であると考えられる。また、行及び列の作動を行うために使用される電圧のタイミング、順番、及びレベルが、上記のように一般的原理の範囲内において広く変更されることが可能であると考えられるが、上記実施例は、例示のみを目的とするものであり、本願明細書に記載されたシステム及び方法とともに、いずれの作動電圧法が、使用されることが可能である。
【0025】
図6A及び6Bが、表示装置40の実施形態を示すシステムブロック図である。表示装置40が、例えば、セル方式(cellular)携帯無線電話又は携帯電話であることが可能である。しかしながら、表示装置40又はそれをわずかに変形させたものの同じ部品も、テレビ受信機及びポータブルメディアプレイヤーのような様々なタイプの表示装置の実例である。
【0026】
表示装置40が、ハウジング41,ディスプレイ30,アンテナ43,スピーカー45、入力装置48、及びマイクロホン46を含む。ハウジング41が、通常、当業者に周知であるいずれの様々な製造プロセスから形成され、射出成形及び真空成形を含む。さらに、ハウジング41が、いずれの様々な材料から形成されてよく、制限するものではないが、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、及びセラミック、又はこれらの組み合わせを含む。ある実施形態において、ハウジング41が、可動部(示さない)を含み、この可動部が、異なる色の、又は異なるロゴ、図、若しくはシンボルを含む他の可動部と交換されうる。
【0027】
例示的な表示装置40のディスプレイ30が、本願明細書に記載されたような、双安定(bi−stable)ディスプレイを含むいずれの様々なディスプレイであってよい。他の実施形態において、ディスプレイ30が、上記のような、プラズマ、EL、OLED、STN LCD、若しくはTFT LCDのようなフラットパネルディスプレイ、又は、当業者に周知であるような、CRT若しくは他のチューブデバイスのような非−フラットパネルディスプレイを含む。しかしながら、本実施形態を記載する目的のために、ディスプレイ30が、本願明細書に記載したような干渉型変調器ディスプレイを含む。
【0028】
ある実施形態の例示的な表示装置40の部品が、図6Bに概略的に示されている。示された例示的な表示装置40が、ハウジング41を含み、その中に少なくとも部分的に含まれた付加的な部品を含むことが可能である。例えば、ある実施形態において、例示的な表示装置40が、トランシーバ47とつながれるアンテナ43を含むネットワークインターフェース27を含む。トランシーバ47が、調整用ハードウェア52と接続されるプロセッサ21と接続される。調整用ハードウェア52が、信号を調整するように構成されてよい(例えば、信号をフィルターする)。調整用ハードウェア52が、スピーカー45及びマイクロホン46と接続される。プロセッサ21が、入力装置48及びドライバコントローラー29にも接続される。ドライバコントローラー29が、フレームバッファ28及びアレイドライバ22と連結され、アレイドライバ22が、順にディスプレイアレイ30と連結される。特定の例示的な表示装置40の設計によって必要とされる通り、電力供給装置50が、全ての部品に電力を提供する。
【0029】
例示的な表示装置40が、ネットワーク上の1つ又はそれ以上の装置と通信できるように、ネットワークインターフェース27が、アンテナ43及びトランシーバ47を含む。ある実施形態において、プロセッサ21の要求を軽減するように、ネットワークインターフェース27が、いくつかの処理機能を有してもよい。アンテナ43が、信号を送信及び受信するための、当業者に周知であるいずれのアンテナである。ある実施形態において、IEEE 802.11(a)、(b)又は(g)を含むIEEE 802.11規格に従い、アンテナが、RF信号を送信及び受信する。他の実施形態において、ブルートゥース規格に従い、アンテナが、RF信号を送信及び受信する。セル方式携帯無線電話の場合、アンテナが、CDMA、GSM、AMPS、又は無線セル方式携帯無線電話ネットワーク内において通信するために使用される他の周知の信号を受信するように設計される。トランシーバ47が、アンテナ43から受信した信号を前処理し、これらが、プロセッサ21によって受信され、さらに操作されうる。また、トランシーバ47が、プロセッサ21から受信した信号を処理し、これらが、アンテナ43を介して、例示的な表示装置40から送信されうる。
【0030】
代替の実施形態において、トランシーバ47が、レシーバによって置換されることが可能である。さらに他の代替の実施形態において、ネットワークインターフェース27が、プロセッサ21に送られる画像データを保存する又は生成することが可能な画像ソースによって置換されることが可能である。例えば、画像ソースが、画像データを含むハードディスクドライブ若しくはデジタルビデオディスク(DVD)、又は画像データを生成するソフトウェアモジュールであることが可能である。
【0031】
プロセッサ21が、通常、例示的な表示装置40の全体のオペレーションを制御する。プロセッサ21が、ネットワークインターフェース27又は画像ソースからの圧縮画像データのようなデータを受信し、データが原(raw)画像データ又は原画像データに容易に処理されるフォーマットに処理される。次に、プロセッサ21が、処理データをドライバコントローラー29に、又は保存のためのフレームバッファ28に送る。通常、原データが、画像内における各位置の画像特性を識別する情報を参照する。例えば、このような画像特性が、色、彩度及びグレースケールレベルを含むことが可能である。
【0032】
ある実施形態において、例示的な表示装置40のオペレーションを制御するために、プロセッサ21が、マイクロコントローラー、CPU、又は論理演算装置を含む。信号をスピーカー45に送信し、マイクロホン46からの信号を受信するために、調整用ハードウェア52が、通常、増幅器及びフィルターを含む。調整用ハードウェア52が、例示的な表示装置40内において、個別部品であってよく、プロセッサ21又は他の部品内に組み込まれてもよい。
【0033】
ドライバコントローラー29が、プロセッサ21によって生成された原画像データを、プロセッサ21から直接的に又はフレームバッファ28から取り込み、アレイドライバ22に高速で送信するために、原画像データを適切に再フォーマットする。具体的には、ドライバコントローラー29が、原画像データを、ラスタ(raster−like)のフォーマットを有するデータフローに再フォーマットし、これが、ディスプレイアレイ30にわたるスキャンニングに適したタイムオーダーを有する。次に、ドライバコントローラー29が、フォーマット化された情報を、アレイドライバ22に送る。LCDコントローラーのようなドライバコントローラー29が、しばしば、スタンド−アローン集積回路(IC)としてシステムプロセッサ21と連結されるが、このようなコントローラーが、多くの方法で実現されてよい。これらが、ハードウェアとしてプロセッサ21に内蔵され、ソフトウェアとしてプロセッサ21に内蔵されてよく、又はハードウェア内にアレイドライバ22と完全に統合されてよい。
【0034】
通常、アレイドライバ22が、ドライバコントローラー29からフォーマット化された情報を受信し、ビデオデータを、ディスプレイのピクセルのx−yマトリックスから生じる数百及びときには数千のリードに毎秒何度も適応されるパラレルセット(parallel set)の波形に再フォーマットする。
【0035】
ある実施形態において、ドライバコントローラー29、アレイドライバ22、及びディスプレイアレイ30が、本願明細書に記載されたいずれのタイプのディスプレイに適している。例えば、ある実施形態において、ドライバコントローラー29が、従来型のディスプレイコントローラー又は双安定ディスプレイコントローラーである(例えば、干渉型変調器コントローラー)。他の実施形態において、アレイドライバ22が、従来型のドライバ又は双安定ディスプレイドライバである(例えば、干渉型変調器ディスプレイ)。ある実施形態において、ドライバコントローラー29が、アレイドライバ22と統合される。このような実施形態が、セル方式の携帯無線電話、腕時計、及び他の狭い面積のディスプレイのような高度に統合されたシステムによく見られる。さらに他の実施形態において、ディスプレイアレイ30が、標準的なディスプレイアレイ又は双安定ディスプレイアレイである(例えば、干渉型変調器のアレイを含むディスプレイ)。
【0036】
入力装置48により、ユーザが、例示的な表示装置40のオペレーションを制御することが可能となる。ある実施形態において、入力装置48が、QWERTYキーボード又は電話キーボードのようなキーボード、ボタン、スイッチ、タッチセンサースクリーン、又は感圧若しくは感熱膜を含む。ある実施形態において、マイクロホン46が、例示的な表示装置40用の入力装置である。マイクロホン46が、装置にデータを入力するために使用される場合、例示的な入力装置40のオペレーションを制御するために、音声命令が、ユーザによって与えられてよい。
【0037】
電力供給装置50が、当業界において周知であるような様々なエネルギーストレージデバイスを含むことが可能である。例えば、ある実施形態において、電力供給装置50が、ニッケル−カドミウム電池又はリチウムイオン電池のような充電池である。他の実施形態において、電力供給装置50が、再生可能エネルギー源、コンデンサ、又はプラスチック太陽電池及び太陽電池ペイント(paint)を含む太陽電池である。他の実施形態において、電力供給装置50が、壁コンセントから電力を受け取るように構成される。
【0038】
ある実施形態において、上記のような、プログラム可能性の制御が、電子表示システムの様々な場所に位置することが可能であるドライバコントローラーに備わっている。いくつかの実施形態において、プログラム可能性の制御が、アレイドライバ22に備わっている。当業者は、上記の最適化が、いずれの数のハードウェア及び/又はソフトウェア部品、並びに様々な機器構成において実現されうることを理解するだろう。
【0039】
上記に説明した原理に従って作動する干渉型変調器の構造の詳細が、大きく変更されてもよい。例えば、図7A−7Eが、移動ミラー構造の5つの異なる実施形態を示す。図7Aが、図1の実施形態の断面であり、金属材料14のストリップが、直交してのびる支持体18上に堆積される。図7Bにおいて、可動反射層14が、その角のみで支持体に取り付けられ、テザー(tether)32に取り付けられている。図7Cにおいて、可動反射層14が、柔軟性金属を備えうる可変層34からつるされている。可変層34が、直接的に又は間接的に可変層34の周辺の基板20と接続される。これらの接続部を、本願明細書において、支柱と呼ぶ。図7Dにおいて示された実施形態が、支柱プラグ42を有し、可変層34が、それ上に配置される。図7A−7Cのように、可動反射層14が、間隙上につるされたまま維持されるが、可変層34とオプティカルスタック16との間のホールで満たすことにより、可変層34が、支柱を形成しない。正しくは、支柱が、支柱プラグ42を形成するために使用される平坦化材料から形成される。図7Eに示された実施形態が、図7Dに示された実施形態をベースとしているが、また、図7A−7C示されたいずれかの実施形態、及び示されない付加的な実施形態と連携するように適応されてよい。図7Eに示された実施形態において、金属又は他の導電材料の追加層が、バス構造44を形成するために使用される。これにより、信号が、干渉型変調器の背面に沿ってルーティングされることが可能となり、別な方法で基板20上に形成されうる多くの電極を排除する。
【0040】
図7に示されたそれらのような実施形態において、干渉型変調器が、直視型(direct−view)装置として機能し、画像が、透明基板20の前側から見られ、この面が、変調器が配置される側と対向する。これらの実施形態において、反射層14が、基板20と対向する反射層の側面上の干渉型変調器の部分を光学的にシールドし、可変層34を含む。これにより、画質に悪影響を与えることなく、シールド領域が、構成され、操作される。このようなシールディングが、図7Eにおけるバス構造44を可能とし、アドレッシング及びそのアドレッシングの結果として生じる動作のような、変調器の電気機械特性から変調器の光学特性を分離する能力を提供する。この分離可能な変調器アーキテクチャにより、変調器の電気機械的観点及び光学的観点のために使用される材料及び構造設計が、選択され、及び互いに独立して機能することが可能となる。さらに、図7C−7Eに示された実施形態が、可変層34によって実行されるその機械的特性からの反射層14の光学特性のデカップリングから生じる付加的な利点を有する。これにより、反射層14のために使用される構造設計及び材料が、光学特性に関して最適化されることが可能となり、可変層34のために使用される構造設計及び材料が、所望の機械的特性に関して最適されることが可能となる。
【0041】
上記の実施形態の干渉型変調器が、1つの反射状態において作動し、白色光、又はミラー14とオプティカルスタック16の部分的な反射層との間の距離によって決まる色の光を生成する、又は例えば黒、状態の非−反射状態において作動する。他の実施形態において、例えば、特許文献1に開示された実施形態では、共振ギャップ19のサイズを変化させ、及びその結果としての反射光の色を変化させるように、可動ミラー14が、オプティカルスタック16における部分的反射層と相対的な位置の範囲に位置されてよい。
【0042】
図8は、例示的な干渉型変調器12の垂直断面図であり、111〜115の位置の範囲に可動ミラー14を配置することによって生成される光のスペクトル特性を説明する。上記のように、行及び列電極の間の電位差が、可動ミラー14にたわみを引き起こす。変調器12が、列電極として機能するインジウムスズ酸化物(ITO)の導電層102を含む。この実施例の変調器12において、ミラー14が、行電極を含む。
【0043】
ある実施形態において、アルミニウム酸化物(Al又は“アルミナ”)のような材料の誘電層106が、オプティカルスタック16の反射面を形成する部分的反射材料層104(例えばクロムを含む)上に配置される。図1を参照する上記のように、ミラー14がたわみを生じる場合に、誘電層106が、短絡を抑制し、ミラー14と部分的反射層104との間の分離距離を制御する。従って、ミラー14と部分的反射層104との間に形成された光キャビティが、誘電層106を含む。都合良く変調器12を説明することを目的とし、図8における部品の相対的サイズが選択されている。従って、このような距離及び厚さが、縮尺通りではなく、変調器12のいずれの特定の実施形態を表すことを意図するものではない。
【0044】
図9が、様々な厚さの誘電層106を有するいくつかの実施例のオプティカルスタック16に対する波長対反射率のグラフ図である。横軸が、オプティカルスタックに入射する可視光の波長範囲を表す。縦軸が、特定波長における一定の割合の入射光としての各オプティカルスタック16の反射率を表す。オプティカルスタック16が、誘電層106を含まない実施形態において、クロム層を含むオプティカルスタック16の反射率が、約75%である。100Åの厚さのアルミナ層を備えた誘電層106を含むオプティカルスタック16が、約65%の反射率を有し、200Åの厚さのアルミナ層を備えた誘電層104を含むオプティカルスタック16が、約55%の反射率を有するという結果になる。図のように、これらの特定に実施形態において、反射率が、波長によって変化しない。従って、Al層106の厚さを調節することによって、干渉型変調器12の特定の特性が選択されるように、オプティカルスタック16の反射率が、可視スペクトルにわたって一貫して制御されることが可能である。ある実施形態において、誘電層106が、約50から250Åの間の厚さを有するAl層を含む。ある他の実施形態において、誘電層106が、約50から100Åの間の厚さを有するAl層、及び約400から2,000Åの間の厚さを有するバルクSiO層を含む。
【0045】
上記のように、変調器12が、ミラー14とオプティカルスタック16の反射表面との間に形成された光キャビティを含む。光キャビティの特性距離又は有効光路長Lが、光キャビティ19の共振波長λ、従って干渉型変調器12の共振波長λを決定する。通常、干渉型変調器12の共振波長λが、変調器12によって反射された光の知覚色と対応する。数学的には、距離L=1/2×N×λであり、Nが、整数である。従って、所定の共振波長λが、λ/2(N=1)、λ(N=2)、3λ/2(N=3)等の距離Lを有する干渉型変調器12によって反射される。整数Nが、反射光の干渉の“オーダー”と呼ばれうる。本願明細書において使用されるものとして、ミラー14が、少なくとも1つの位置にある場合、変調器12のオーダーも、変調器12によって反射された光のオーダーNを参照する。例えば、第1オーダーの赤干渉型変調器12が、約650nmの波長λに対応する約325nmの距離Lを有してよい。従って、第2オーダーの赤干渉型変調器12が、約650nmの距離Lを有してよい。通常、高いオーダーの変調器12が、狭い範囲の波長にわたって光を反射し、従って、より飽和した着色光を生成する。
【0046】
ここで留意すべきなのは、ある実施形態において、距離Lが、ミラー14と部分的反射層104との間の距離と実質的に等しいことである。ミラー14と部分的反射層104との間の空間が、約1の屈折率を有するガス(例えば、空気)を含み、有効光路長が、ミラー14と部分的反射層104との間の距離Lと実質的に等しい。1よりも大きな屈折率を有する誘電層106を含む実施形態において、ミラー14と部分的反射層104との間の距離を選択し、誘電層106の、又はミラー14と部分的反射層104との間のいずれの他の層の屈折率及び厚さを選択することによって、光キャビティ19が、所望の光路長を有するように形成される。ある実施形態において、ミラー14が、対応する範囲の色を出力するような位置の範囲内における1つ以上の位置にたわみを生じてよい。例えば、行及び列電極の間の電位差が、ミラー14を部分的反射層104に関連する位置範囲の1つにたわみを生じるように調節されてよい。通常、電圧を調節することによるミラー位置制御の最も大きなレベルが、ミラー14の経路のたわみを生じていない位置に近い(例えば、ミラー14のたわみを生じていない位置からの最大たわみの約1/3以内のたわみのような小さなたわみ)。
【0047】
可動ミラー14の特定の群の位置111−115の各々が、図8において、部分的反射層104から位置111−115を示す矢印点にむかって伸びる線によって示されている。従って、距離111−115が、誘電層106の屈折率及び厚さを計上するように選択される。可動ミラー14が、各々異なる距離Lに対応する各位置111−115にたわむ場合、変調器12が、変調器12によって反射される異なる色の入射光に対応することなるスペクトル感度を有する観察位置101に光を出力する。さらに、位置111において、可動ミラー14が、部分的反射層104と十分に近く(例えば、約200Å以下、好ましくは約100Å以下)、干渉効果が、ごくわずかであり、変調器12が、例えば白色光のような、実質的に同等な実質的に全ての色の入射可視光を反射するミラーとして機能する。可視帯における光学共鳴に対し、距離Lが、極めて小さいため、広帯域のミラー効果が、生じる。従って、ミラー14が、単に、可視光に対する反射表面として機能する。
【0048】
ギャップ19が、位置112まで増加するにつれて、変調器12が、グレーの色合いを示し、ミラー14と部分的反射層104との間の増加したギャップ19の距離が、ミラー14の反射率を減少させる。位置113において、距離Lは、キャビティ19が干渉的に機能するが実質的に可視波長の光を反射しないものであるが、これは、共振波長が、可視帯の外側であり、これによって、黒を形成するためである。
【0049】
距離Lが、さらに増加するにつれて、変調器12のピークスペクトル感度が、可視波長内に移動する。従って、可動ミラー14が、位置114にある場合、変調器12が、青色光を反射する。可動ミラー14が、位置115にある場合、変調器12が、緑色光を反射する。可動ミラー14が、非−たわみ位置116にある場合、変調器12が、赤色光を反射する。
【0050】
干渉型変調器12を使用したディスプレイの設計において、変調器12が、反射光の彩度を増加させるように形成されてよい。彩度が、着色光の色相の明度を参照する。高度に飽和した色相が、明るく、強い色を含み、一方、飽和の少ない色相が、さらに落ち着いたグレーに見える。例えば、極めて狭い範囲の波長を生成するレーザーが、高度に飽和した光を形成する。反対に、通常の白熱電球が、彩度を減じた赤又は青色を有しうる白色光を形成する。いくつかの実施形態において、反射着色光の彩度を増加させるために、変調器12が、例えば、第二又は第三オーダーの高いオーダーの干渉に対応する距離Lを有して形成される。
【0051】
例示的なカラーディスプレイが、赤、緑、及び青色ディスプレイ素子を含む。このようなディスプレイにおいて、赤、緑及び青色素子によって生成された光の相対的な明度を変化させることによって、他の色が形成されることが可能である。赤、緑及び青色のような原色の混合が、人間の目には他の色として認識される。このようなカラーシステムにおける赤、緑及び青色の相対値が、人間の目の赤、緑及び青色光感知部の刺激に関する三刺激値と呼ばれうる。通常、原色がさらに飽和するにつれて、ディスプレイによって形成されることが可能な色の範囲が広くなる。他の実施形態において、ディスプレイが、赤、緑及び青色以外の原色の組(例えば、赤、黄、及び青;マゼンタ、黄及びシアン)に関して他のカラーシステムを定義する色の組を有する変調器12を含んでよい。
【0052】
図10が、赤、緑及び青色干渉型変調器の2つの組の実施例を含むカラーディスプレイによって形成されることが可能な色を説明する色度図である。横及び縦軸が、スペクトル三刺激値が表現される色度座標系を定義する。特に、点120が、赤、緑及び青色干渉型変調器12の実施例によって反射された光の色を説明する。白色光が、点122によって示される。各点120から白色光の点122までの距離、例えば、白色の点122と緑色光の点120との間の距離124が、対応する変調器12によって形成された光の彩度の指標となる。三角形のトレース126によって囲まれた領域が、点120において生成された光の混合によって生成されることが可能な色の範囲に対応する。この色の範囲が、ディスプレイの“色域”と呼ばれうる。
【0053】
点128が、変調器12の他の組の実施例のスペクトル感度を示す。点120と点122との間よりも小さな点128と白色点122との間の距離によって示されるように、点128に対応する変調器12が、点120と対応する変調器12よりも飽和の少ない光を生成する。トレース130が、点128の光を混合することによって生成されることが可能な色の範囲を示す。図10に示されるように、トレース126が、トレース130が囲むよりも大きな領域を囲み、ディスプレイの色域のサイズとディスプレイ素子12の彩度との間の関係を図式的に説明する。
【0054】
反射ディスプレイにおいて、白色光を形成するために、小さな範囲の入射波長のみが反射されるため、このような飽和した干渉型変調器12を使用して生成された白色光が、観察者に対し相対的に低い明度を有する傾向がある。反対に、大きな範囲の入射波長が反射されるため、例えば、実質的に全ての入射波長である、広帯域の白色光を反射するミラーが、高い明度を有する。従って、通常、白色光を生成するために、原色の組み合わせを使用する反射ディスプレイを設計が、ディスプレイによって出力された白色光の輝度、ディスプレイの色域、彩度の間のトレードオフとなる。
【0055】
図11が、ある状態の高度に飽和した色の光と他の状態の相対的に強い白色光を生成することが可能な多状態干渉型変調器140の実施例の垂直断面図である。従って、変調器140の実施例が、出力白色光の明度から彩度を分離する。変調器140が、2つの電極102と142の間に配置された可動ミラー14を含む。また、変調器140が、柱18としてミラー14の反対側に形成された第2の組の柱18aを含む。
【0056】
ある実施形態において、ミラー14と部分的反射層104の各々が、反射器又は光を反射する以外の機能を行う反射部材を定義するスタック層の一部であってよい。例えば、図11の変調器の実施例において、ミラー14が、アルミニウムのような反射材料及び導電材料の1つ以上の層から形成される。従って、電極102の機能を行うように、ミラー14が、導体として機能してもよい。同様に、部分的反射層104が、1つ以上の反射材料層及び1つ以上の導電性材料層から形成されてよい。さらに、ミラー14のたわみに作用する機械的特性を制御するように、ミラー14及び部分的反射層104の各々が、他の機能を有する1つ以上の層を含んでもよい。ある実施形態において、可動ミラー14が、図7C−7Eに関連して記載されるような付加的な変形可能な層からつるされる。
【0057】
赤、緑、及び青色光を反射する変調器12を含むある実施形態において、このような変調器12のスペクトル感度を改善するように、異なる反射材料が、異なる色を反射する変調器12のミラー14に使用される。例えば、可動ミラー14が、赤色光を反射するように構成された変調器12内に金を含んでよい。
【0058】
ある実施形態において、誘電層144,144aが、導体142の両側上に配置されてよい。誘電層144a及び106が、有利に、ミラー14の導電性部と変調器140の他の部分との間の電気的短絡を抑制する。ある実施形態において、部分的反射層104及び電極102が、集合的に反射部材を形成する。
【0059】
ある実施形態において、その非駆動位置における部分的反射層104と可動ミラー14との間の距離が、光路長Lと対応し、変調器140が、非−反射又は“黒”である。ある実施形態において、部分的反射層104に向かって駆動された場合、部分的反射層104と可動ミラー14との間の光路長Lが、変調器140が白色光を反射する光路長Lに対応する。例示的な実施形態において、導体142に向かって駆動された場合、部分的反射層104と可動ミラー14との間の距離が、変調器140が赤、青又は緑のような色の光を反射する光路長Lに対応する。ある実施形態において、非駆動可動ミラー14と部分的反射層104との間の距離Lが、非駆動可動ミラー14と電極142との間の距離Lと実質的に等しい。このような実施形態が、単一の可動ミラー14の周囲に配置された2つの変調器と考えられてよい。
【0060】
ミラー14と、電極102又は電極142のいずれかとの間に電位差を与えない、又はわずかに与える場合、非駆動状態と対応する第1光路長を定義するように、ミラー14が、部分的反射層104に対してたわみを生じない。第1電位差が、ミラー14と電極102との間に与えられた場合、第1駆動状態に対応する第2光路長を定義するように、ミラー14が、部分的反射層104に向かってたわみを生じる。この第1駆動状態において、可動ミラー14が、非駆動状態における場合よりも、部分的反射層104に近い。第2電位差が、ミラー14と電極142との間に与えられた場合、第2駆動状態に対応する第3光路長を定義するように、ミラー14が、部分的反射層104から離れてたわみを生じる。この第2駆動状態において、可動ミラー14が、非駆動状態における場合よりも、部分的反射層104から遠い。ある実施形態において、第1駆動状態及び第2駆動状態の少なくとも1つが、ミラー14と電極102との間、ミラー14と電極142との間の両方に電位差を与えることによって達成される。ある実施形態において、ミラー14の所望のたわみを提供するように第2電位差が選択される。
【0061】
図11に図示されているように、第1駆動状態において、ミラー14が、破線159によって示された位置にたわむ。例示的な変調器140において、この第1駆動状態でのミラー14と部分的反射層104との間の距離が、誘電層106の厚さと対応する。例示的な変調器140において、ミラー14が、この駆動位置における広帯域ミラーとして機能し、実質的に全ての可視波長の光を反射する。そのようなものとして、広帯域白色光によって照射された場合、変調器140が、広帯域白色光を生成する。
【0062】
第2駆動状態において、ミラー14が、破線158によって示された位置にたわむ。例示的な変調器140において、この距離が、例えば青色光の光の色と対応する。非駆動状態において、ミラー14が、図11に示されるように配置される。実質的に可視光が反射されない、例えば“オフ”又は非−反射状態となるように、非たわみ位置において、ミラー14が、部分的反射層104から離れて配置される。従って、変調器140が、少なくとも3つの別個の状態を有する干渉型変調器を定義する。他の実施形態において、所望の、黒及び白を含む異なる色の組を生成するように、3つの状態における可動ミラー14の位置が選択されてよい。
【0063】
ある実施形態において、光が、基板20を介して変調器12に入り、観察位置141に出力される。他の実施形態において、図11に図示された層のスタックが反対になり、層102よりも基板20に最も近い層144を含む。このようなある実施形態において、変調器12が、基板20を介してというよりはむしろ、基板20からスタックの反対側を介して見られうる。このようなある実施形態において、二酸化ケイ素の層が、ITO層102上に形成され、ITO層102と電気的に絶縁される。
【0064】
上記のように、変調器140内に白色光を出力するための分離状態を有することで、白色出力の輝度に影響を及ぼす変調器の特性と、彩度を制御する変調器の特性の選択を分離する。従って、変調器140の距離及び他の特性が、第1状態において生成された白色光の輝度に影響を及ぼすことなく高度に飽和した色を提供するように選択されてよい。例えば、例示的なカラーディスプレイにおいて、赤、緑及び青色変調器140の1つ以上が、高いオーダーの干渉と対応する光路長を有して形成されてよい。
【0065】
変調器140が、当業界において周知の、及び変調器12に関して上に記載されたような、リソグラフィー技術を使用して形成されてよい。例えば、部分的反射層104が、実質的に透明な基板20上に1つ以上のクロム層を堆積することによって形成されてよい。電極102が、基板20上にITOのような1つ以上の透明導体層を堆積することによって形成されてよい。導体層が、縞模様にパターン化され、電極の列が形成されてよい。可動ミラー14が、柱18の上端及び柱18の間に堆積された仲介犠牲材料上に堆積された堆積金属層(複数可)の一連の縞模様として形成されてよい(例えば、列電極102と実質的に直交して配向される)。犠牲層がモリブデンを含む実施形態において、二フッ化キセノン(XeF)のようなエッチャントガスが、犠牲層に届くことが可能となるように、上記の1つ以上の層を介したビアが提供されてよい。犠牲材料が、エッチングされた場合、可変金属層が、空隙によってオプティカルスタック16から分離される。アルミニウムのような高度に導電性でありかつ反射性の材料が、可変層用に使用されてよく、これらのストリップが、ディスプレイデバイスにおける行電極を形成してよい。導体142が、可動ミラー14上に柱18aを堆積し、柱18aの間に仲介犠牲材料を堆積し、柱18aの上端上にアルミニウムのような1つ以上の導体層を堆積し、犠牲材料上に導体層を堆積することによって形成されてよい。犠牲材料がエッチングされる場合、導体層が、第2空隙によってミラー14から分離される電極142として機能することが可能である。各空隙が、上記の各々の状態を達成するように、ミラー14が移動しうるキャビティを提供する。
【0066】
図11においてさらに図示されているように、例示的な変調器140において、導電性ミラー14が、アレイコントローラー152の行ドライバ154と接続されている。例示的な変調器140において、導体102及び142が、列ドライバ156内における別の列に接続されている。ある実施形態において、図3及び4を参照して記載された方法により、ミラー14と列導体102,142との間に適切な電位差を与えることにより、変調器140の状態が、選択される。
【0067】
図12A−12Cが、2つ以上の状態を提供する他の例示的な干渉型変調器150を図示している。例示的な変調器150において、図11の電極102の機能を果たすように、オプティカルスタック150が、反射層及び導電層の両方を含む。また、導電層142が、第2誘電層144aによって保護され、第2の組の支持体18aを介して可動ミラー14上である距離で維持される支持表面148によって支持されることが可能である。
【0068】
図12Aが、非駆動状態の変調器150を図示する。図11の変調器140と同様に、図12A−12Cの例示的な変調器150のミラー14が、図12Bに図示された駆動状態のように、誘電層104に向かって(例えば、下向き)たわむことが可能であり、図12Cに図示されたように、反対の又は逆方向に(例えば、上向き)たわむことが可能である。この“上方へ”のたわみ状態が、“逆駆動状態”と呼ばれうる。
【0069】
当業者が理解するように、この逆駆動状態が、数多くの方法で達成されることが可能である。ある実施形態において、逆駆動状態が、図12Cに描かれているような上向き方向にミラー14を静電的に引くことが可能である導電層142又は付加的な荷電板の使用を通して達成される。例示的な変調器150が、単一の可動ミラー14の周囲において対称的に配置された基本的に2つの干渉型変調器を含む。この構成により、オプティカルスタック16の導電層及び導電層142の各々が、反対方向にミラー14を引き付けることが可能となる。
【0070】
ある実施形態において、付加的な導電層142が、ミラー14が、誘電層106とごく接近する又は接触する場合に生じうる静摩擦力(静止摩擦)を乗り越える電極として有用となりうる。これらの力が、ファンデルワールス力又は静電力、及び当業者が理解するような他の可能性のあるものを含む。ある実施形態において、オプティカルスタック16の導電層に加えられた電圧パルスが、可動ミラー14を、図12Bの“ノーマル”駆動状態にしうる。同様に、次の電圧パルスが、導電層142に加えられることが可能であり、オプティカルスタック16から離れて可動ミラー14を引き付ける。ある実施形態において、導電層142に加えられたこのような電圧パルスが、可動ミラー14を逆駆動状態に向かって駆動することにより、図12Bに図解された駆動状態から、図12Aに図解された非駆動状態に戻る可動ミラー14の回復を促進するために使用されることが可能である。従って、ある実施形態において、変調器150が、図12Aの非駆動状態及び図12Bの駆動状態の2つの状態のみを操作しうるものであり、静摩擦力を乗り越えるために役立つ電極として導電層142を利用することが可能である。ある実施形態において、変調器150が、図12Bの駆動位置から図12Aの非駆動位置に変わるたびに、導電層142が、上記のように駆動されてよい。
【0071】
当業者が理解するように、これらの素子の全てが、全ての実施形態に必要とされない。例えば、(例えば、図12Cに示されるような)上向きのたわみの正確な相対量が、このような実施形態の操作に関連するものではない場合、この結果、導電層142が、可動ミラー14から様々な距離に配置されることが可能である。従って、支持素子18a、誘電層144a、又は分離した支持表面148が必要とされなくてよい。これらの実施形態において、可動ミラー14がどれぐらい上向きにたわみを生じるかは、必ずしも重要ではないが、むしろ変調器12を引き離すなど、適切な時間でミラー14を引き付けるように、導電層142が配置される。他の実施形態において、図12Cに示されたような可動ミラー14の位置が、干渉型変調器150に対し、変化した及び望ましい光学特性を生じうる。これらの実施形態において、上向き方向における可動ミラー14のたわみの正確な距離が、デバイスの画質の改善に関連する。
【0072】
当業者が理解するように、層142,144a及び支持表面148を形成するために使用される材料が、それぞれ、対応する層102,104及び20を形成するために使用される材料と同様である必要はない。例えば、光が、層148を通過する必要はない。さらに、導電層142が、その変形した上向き位置において可動ミラー14のリーチを超えて配置された場合、変調器150が、誘電層144aを含まなくて良い。さらに、導電層142と可動ミラー14に加えられた電圧が、上記差異に基づき、それに応じて異なるものとすることが出来る。
【0073】
当業者が理解するように、図12Bの駆動状態から、図12Aの非駆動状態にもどるように可動ミラー14を駆動するために加えられた電圧が、図12Aの非駆動状態から、図12Cの上向き又は逆駆動状態に可動ミラー14を駆動するために必要とされるそれと異なっていてよいが、これは、導電層142と可動ミラー14の間の距離が、2つの状態で異なりうるためである。このような要求が、求められる用途及びたわみ量によって決まり、本願の開示の範囲において、当業者によって、決定されることが可能である。
【0074】
いくつかの実施形態において、力が導電層142と可動ミラー14との間に加えられる持続時間又は力の量は、干渉型変調器150が駆動状態と非駆動状態との間を移動する速度を増加させるのみのものである。可動ミラー14が、可動ミラー14の両側に配置された導電層142又はオプティカルスタック16の導電層のいずれかに引き付けられることが可能であるので、可動ミラー14の対向する層との相互作用を弱めるために、極めて短時間の間駆動力が提供されることが可能である。例えば、可動ミラー14が、オプティカルスタック16と相互作用するように駆動されるため、対向する導電層142に対するエネルギーのパルスが、可動ミラー14及びオプティカルスタック16の相互作用を弱めるために使用されることが出来、これによって、可動ミラー14の非駆動状態への移動が容易となる。
【0075】
ある実施形態において、MEMS装置が、基板、基板上の可動素子、及び作動電極を備える。可動素子が、可変層及び可変層から分離された反射素子を備える。上記のように、ある実施形態において、可動素子の光学特性が、可動素子の機械的特性から分離される(例えば、可変層及び反射層を提供することによって)。このようなある実施形態において、可動素子上に作動電極を配置することによって、可動素子の光学特性が、可動素子の機械的特性及び可動素子の電気的特性から分離される。
【0076】
図13Aが、非作動(又は“緩和”)状態におけるMEMS装置1300の実施形態を図解する。MEMS装置1300が、基板20上の可動素子1340を備える。可動素子1340が、反射表面1301を有する反射素子1314及び可変層1302を備える。MEMSデバイス1300が、さらに、可動素子1340上の作動電極142を備える。ある実施形態において、可変層1302が、作動電極142に向かって可変層1302を引く静電力によって作動電極142に向かって引き付けられる。反射素子1314が、可変層1302と機械的に結合され、可変層1302が、作動電極142に向かって移動し、反射素子1314の反射表面1301が、いくつかの実施形態において基板20上に形成される第1反射表面104と相対し及び離れた対応する距離だけ移動する。上記のように、反射表面1301の移動が、MEMS装置1300を“オン”又は“オフ”を切り替える。光学的機能から電気的機能を切り離すことにより、可動素子1340の電気的活性部の領域が減少し、可動素子1340の光学的部分の領域よりも小さくなる。
【0077】
図13Bが、作動状態における図13AのMEMS装置1300を図解する。作動電極142に電圧を加えることにより生じた静電引力が、可変層1302に作用する。矢印1320によって示されるように、作動電極142に向かう方向に移動することにより、可動素子1340が、引力に応答する。可変層1302の上部表面が、MEMS装置1300の固定部(例えば、絶縁層144a)に接触し、可動素子1340の移動が停止する。
【0078】
MEMS装置1300が、基板20と可変層1302との間に第1支持構造18(又は“柱”)、可変層1302と作動電極142との間に第2支持構造18a、及び絶縁層106,144aをさらに備える。他の構成も可能である。例えば、図解された実施形態が、支持構造18によって支持された可変層1302を有するが、(例えば、上記のような図7C−7Eに図解されたような)他の実施形態も可能である。他の例として、絶縁層106,144aの一方又は両方が、いくつかの実施形態では省略されてよい。
【0079】
MEMS装置1300が、光学層(第1反射層)104をさらに備える。ある実施形態において、基板20が、光学層104を備える(例えば、第1反射層104が、基板20上に形成される実施形態において)。反射素子1314に入射する光が、反射素子から反射される。入射光及び反射光が、光学層104を介して伝播されるが、(例えば、作動電極142が、反射素子1314上に配置されるため)作動電極142を介して伝播されない。従って、干渉型変調器140,150と対称的に、MEMS装置1300が、光路内に電極を有さない。
【0080】
いくつかの実施形態において、可動素子1340が、可変層1302と反射素子1314とを機械的に連結させる結合素子1318を備える。結合素子1318が、導電性であり、可変層1302と反射素子1314とを電気的に連結させる実施形態において、反射素子1314に形成されるいずれの電位が、可変層1302を介して放電されることが可能である。このような放電が、異なる電位において2つの導体(例えば、反射素子1314及び第1反射層104)から生じるアーク放電を減少させることが可能である。ある実施形態において、図13A−13Cに図式的に示されるように、可動素子が、結合素子1319をさらに備える。結合素子1319が、絶縁性(例えば、SiO,Alを含む)又は導電性(例えば、ニッケル,アルミニウム等を含む)であってよい。結合層1319が導電性のある実施形態では、有利に、反射素子1314の傾き及び/又は曲率の大きさが減少しうる(例えば、可変層1302及び反射素子1314用の材料が、異なる内部応力及び/又は熱膨張係数を有する実施形態では、結合素子1319が、応力を減少させ及び/又は吸収しうる)。
【0081】
MEMS装置1300が、第1層1308及び反射層1309を備えたブラックマスク1310をさらに含む。ブラックマスク1310に入射した光が、反射層1309と第1反射層104との間の領域1311内で反射し、これにより、MEMS装置1300によって、反射されるというよりはむしろ、吸収される。このように、ブラックマスク1310を含むMEMS装置1300の部分が、MEMS装置1300の観察者には黒く見える。ブラックマスクが、MEMS装置1300の他の部分に使用されてもよく、例えば、光を変調させない領域の反射率を最小化する及び/又は光の望ましくない変調を防ぎ、これによって、コントラスト比を改善する。
【0082】
図13Aに図解されるように、ある実施形態では、作動電極142に電圧が加えられていない場合、基板20の上面1306が、反射素子1314から離れている。ある代替の実施形態において、作動電極142に電圧が加えられていない場合、基板20の上面1306が、反射素子1314と接触する。図13Cは、可動素子1340が、緩和状態に(例えば、基板20に向かって)負に“ランチ(launch)”するように、可変層1302が構成されるMEMS装置1305の実施形態を図解する。例えば、犠牲層を取り除くと、可変層1302が下向きにたわむように、可変層1302と支持構造18及び/又は支持構造18aの間の残留応力が設計されてよい。図13CのMEMS装置1305の作動状態が、図13Bに示されたものと実質的に同じであってよい。
【0083】
MEMS装置の応答時間が、製品のキャパシタンス及び導体の抵抗に比例する。可動素子1340上の作動電極142を含むMEMS装置が、有利に、キャパシタンス及び/又は抵抗を減少させ、これによって、応答時間を減少させうる。応答時間を減少させることで、スクリーンリフレッシュ速度を増加させ、時間的な調節を向上させる。応答時間の減少に加え、MEMS装置のキャパシタンスの減少により、MEMS装置の電力消費を減少させることが可能である。
【0084】
(例えば、図8に示されるように)作動電極102が、MEMS装置の光路内にある実施形態では、これが、光に対し透明な材料を含み、この材料が、例えば、制限するものではないが、ITO、ZnTO、インジウム酸化亜鉛(IZO)及びインジウム酸化物(IO)である。通常、透明な導体が、透明な作動電極102を含むMEMS装置に対し悪い電力消費(power dissipation)及び高い電気的時定数をもたらすことが可能である透明でない導体と比較して、悪い電気抵抗を有する。しかしながら、可動素子1340上の作動電極142が、光路内にないことで、作動電極142が、アルミニウム、銅、銀、金等のような透明でない導体、及び透明な導体を含むことが可能となる。透明でない導体が、透明な導体よりも低い抵抗を有することが可能であるため、透明でない作動電極142を含むあるMEMS装置が、有利に、透明な作動電極102を含むMEMS装置よりも、低い電力消費及び/又は短い電気的応答時間を有することが可能である。
【0085】
ITOのようなある透明な導体が、高温プロセスに敏感であり、作動電極102の形成後に、MEMS装置の最大プロセス温度が、制限される。例えば、ITOが、約350℃及びそれ以上の温度で劣化し、ITOを含む作動電極102の抵抗性が増加する。このような、あるプロセス(例えば、350℃以上での化学的気相成長法(CVD))が、通常、ITOを含む構造に行われない。しかしながら、可動素子1340上の作動電極142を含むMEMS装置が、高温プロセスに耐えることが可能な様々な導体を含む作動電極142を有してよく、MEMS装置の部品に対するプロセス柔軟性を増加させる。例えば、ある堆積が、高温で行われることが可能である。他の実施例では、ある堆積プロセスが、物理的気相成長法(PVD)(例えば、スパッタ)よりもむしろCVDであってよく、堆積適合性及び均一性を高めることが可能である。さらに、作動電極142が、可動素子1340上に存在するある実施形態において、作動電極142が、製造プロセスの終盤に形成されてよい(例えば、高温プロセスが行われた後)。
【0086】
MEMS装置の光学特性に不利に影響を与えることを回避するために、光路内の作動電極102の厚さが制限されるが、可動素子1340上の作動電極142が、光路内に存在しないため、作動電極142が、様々な厚さを有してよい。例えば、作動電極142の厚さが増加することで、有利に、伝導性が増加し、これによって、MEMS装置の応答時間及び/又は電力消費を減少させることが可能である。さらに、厚い作動電極142が、製造コストを下げることが可能な代替の堆積方法(例えば、コーティング,インクジェット印刷,印刷導体)の使用を可能にする。
【0087】
作動電極102が、MEMS装置の光路内に存在し、これが、基板20に向かってミラー14を引き付ける実施形態において、通常、ミラー14が、ミラー14の移動に対する“停止部”として機能する基板20の上面1306を有する基板20の上表面1306(例えば、基板20上の絶縁層106の上表面)と接触する。基板20の上表面1306及びミラー14の反射表面が、平面である実施形態において(例えば、色域を増加させる)、表面間の静摩擦が、これらが接触する場合におけるMEMS装置の操作に、不利に影響を及ぼしうる。粗面処理及び反−静摩擦層のようなある特徴が、このような静摩擦を減らすために使用されてよいが、これらの特徴が、MEMS装置の光学的性能に不利に影響を及ぼすことがある。しかしながら、可動素子1340上の作動電極142が、可動素子1340の一部が作動電極142と接触するような構成のMEMS装置を可能とし、基板20の上表面1306よりもむしろ、可動素子1340の移動に対する停止部として機能する。これが、光路内にないため、可動素子1340と作動電極142とが接触する部分の接触面が、光学的性能に影響を及ぼすことなく、有利に、静摩擦を減らすように適合されることが可能である。例えば、絶縁層144aの表面トポグラフィーが、接触点の数を減らすように粗面化されてよく、又は、作動電極142上に反−静摩擦層が形成されてよい。
【0088】
通常、作動電極102に電圧を加えることによって形成された静電力が、MEMS装置を作動するために十分であるように、透明作動電極102が、ミラー14の反射表面全体の下にある(例えば、図8に示される)。従って、MEMS装置のキャパシタが、ミラー14及び作動電極102を含む実施形態において、キャパシタの領域及びMEMS装置のキャパシタンスが大きい。(例えば、フィルファクタを高めるために)大きなミラー14を使用する実施形態において、MEMS装置が、さらに高いキャパシタンスを有することが可能である。キャパシタが作動電極142及び可変層1302の上表面の部分を備えるMEMS装置1300が(例えば、図13Aに示される)、有利に、キャパシタの領域を減らし、MEMS装置1300のキャパシタンスを減らすことが可能である。
【0089】
機械的機能が、光学的機能から少なくとも部分的に分離されているため、キャパシタが、作動電極142及び可変層1302の上表面の部分を備えるMEMS装置1300が(例えば、図13Aに示される)、有利に、MEMS装置を操作するために使用される機械的力を減らし、可変層1302のある寸法を減少させることも可能である。MEMS装置の作動電極142が、可変層1302と反射素子1314との間にあり、可変層1302又は反射素子1314に対する停止部として機能するある実施形態において、接触領域が、反射表面1301の領域よりも小さいことが可能である。この小さな接触領域が、より小さな静摩擦を生じ、小さな機械的力が使用されてよく、可変層1302の寸法を減らすことを可能にする。キャパシタが、可変層1302及び作動電極142を含む実施形態において、可変層1302の寸法の減少により、キャパシタの領域が減少し、これによって、有利に、MEMS装置1300の電力消費及びキャパシタンスを減少させることが可能である。
【0090】
MEMS装置の第1及及び第2反射層間の距離がわずかである場合(例えば、約100Å未満)、高反射率の広帯域の白色は、絶縁層106が薄い場合であって、作動電極102が光路内にあり、電気的短絡が作動電極102とミラー14との間に生じうる実施形態では、可能ではない。また、MEMS装置の第1及及び第2反射層間の距離が、約90から110nmの間(例えば、約100nm)である場合の低い反射率の黒色、及び、ある色(例えば、赤、緑、青等)は、(例えば、図9に関する上記のように)絶縁層106が、反射率を下げるため、作動電極102が、光路内に存在する実施形態では、可能ではない。
【0091】
上記のように、図8に図解される実施形態において、ミラー14が、絶縁層106によって、第1反射層104及び作動電極102から電気的に絶縁される。MEMS装置が、可動素子1340上に作動電極142を備えたある実施形態において、絶縁層106が、MEMS装置から任意に除去され、例えば、反射素子1314が、基板20の上表面1306と接触しない実施形態(例えば、図13AのMEMS装置1300によって示されるように、緩和状態が、基板20の上部上である)、及び、反射素子1314が、第1反射層104と接触する(例えば、図13CのMEMS装置1300によって示されるような、負のランチングによる)実施形態がある。絶縁層106の除去により、反射素子1314の反射表面1301及び第1反射表面104が、わずかな距離で分離されることが可能となる(例えば、約100Å未満、又は接触する)。反射MEMS装置の各接触面が、いくらかの反射率を生じ、絶縁層106を含まない実施形態が、絶縁層106を含む実施形態よりも優れた色(例えば、優れた黒)を形成しうる。また、反射素子1314の反射表面1301を、第1反射層104から、約100Åから100nmの間だけ離隔させることにより、時間変調なしに、グレーが形成されうる。
【0092】
再度図13Cを参照すると、緩和状態が、(例えば、第1反射層104を接触させる、又は第1反射層104から約100Å未満だけ離隔させることによって)高反射率広帯域の白色を、(例えば、約100nmだけ第1反射層104から離隔させることによって)低反射率の黒色を、(例えば、約100Åから100nmだけ第1反射層104から離隔させることによって)グレーを、又は、色(例えば、黄色、赤、青等)を形成しうる。
【0093】
広帯域白色を形成するために、反射素子1314及び第1反射層104が接触する又は近接するようにMEMS装置1300が構成される実施形態において、アーク放電を引き起こしうるそれらの間の電界又は静電力を減少させるために、反射素子1314及び第1反射層104が、好ましくは同じ電位である。ある実施形態において、反射素子1314が、可変層1302を介して第1反射層104と電気的に接続され、これらが、同じ電位である。ある実施形態において、反射素子1314が、可変層1302から電気的に絶縁され(例えば、誘電性結合素子1319を使用する)、第1反射層104も、電気的に絶縁され、これらが、同じ電位である。これらが接触する実施形態における反射素子1314と第1反射層104との間の静摩擦を減少させるために、伝導性の特徴(例えば、バンプ(bumps))が、第1反射層104及び/又は反射表面1301に加えられてよいが、このような特徴が、MEMS装置の光学的性能に不利に影響を及ぼしうる。
【0094】
ある実施形態において、MEMS装置が、可動素子上の作動電極142及び第2作動電極を備える。上記のように、可動素子が、通常、第1方向に移動することによって可動素子上の作動電極142に加えられる電圧に応答する。可動素子が、通常、第1方向と実質的に反対である第2方向に移動することによって第2作動電極に加えられる電圧にさらに応答する。従って、MEMS装置が、少なくとも3つの色、緩和状態における第1の色,第1方向の作動状態における第2の色,及び第2方向の作動状態における第3の色を安定して形成することが可能である。
【0095】
図14Aに、基板20上の可動素子1440を含むMEMS装置1400を図解されている。可動素子1440が、可変層1302及び可変層1302から離隔され反射表面1301を有する反射素子1314を含む。MEMS装置1400が、可動素子1440上の作動電極142、可変層1302と反射素子1314との間の第2作動電極902をさらに備える。図14Aにおいて、第2作動電極902が、支持構造18によって支持される。ある代替の実施形態において、第2作動電極902が、他の支持構造(例えば、支持構造18から離隔される)によって支持される。しかしながら、このようなある実施形態では、反射素子1314に対しさらに有利に使用されることが可能なMEMS装置の部分を占めることによって、MEMS装置のフィルファクタを減少させうる。
【0096】
可変層1302が、反射素子1314と電気的に接続されている実施形態において(例えば、伝道性結合素子1418及び/又はそれらの間の伝導性結合素子(図示しない)によって)、可変層1302及び反射素子1314が、同じ電位である。このようなある実施形態において、第2作動電極902に、電圧が加えられた場合、第1方向における第1引力(例えば、反射素子1314に向かう)が、可動素子1440の第1部分(例えば、可変層1302)に作用し、第2方向における第2引力(例えば、反射素子1314から離れる)が、可動素子1440の第2部分(例えば、反射素子1314)に作用する。このようなある他の実施形態において、第2作動電極902に、電圧が加えられた場合、第1方向における第1引力(例えば、反射素子1314から離れる)が、可動素子1440の第1部分(例えば、反射素子1314)に作用し、第2方向における第2引力(例えば、反射素子1314に向かう)が、可動素子1440の第2部分(例えば、可変層1302)に作用する。第2方向が、第1方向と実質的に反対である。第1引力が、第2引力よりも大きい実施形態において、可動素子1440が、例えば、通常、基板20に垂直な方向である、通常、第1方向に移動することにより、第1及び第2引力に反応する。
【0097】
図14Bには、第1作動状態における図14AのMEMS装置1400の実施形態が図解されている。第1引力が、可変層1302に作用し、第2引力が、反射素子1314に作用する。矢印1420によって図解されているように、可動素子1340が、例えば、通常、基板20に垂直な方向である、通常、第1方向に移動することにより、第1及び第2引力に反応する。可変層1302の下表面が、MEMS装置1400の固定部(例えば、第2作動電極902)と接触する。このようなある実施形態において、反射素子1314が、作動状態において、基板20の上表面1306(例えば、絶縁層106の上表面1306、又は第1反射層104の上表面1306)と接触しない。他の実施形態も可能である。例えば、可変層1302の下表面が、MEMS装置1400の固定部と接触する前に、反射素子1314の反射表面1301が、MEMS装置1400の固定部(例えば、基板20の上表面1306)と接触してよい。
【0098】
図14Cには、第2状態における図14AのMEMS装置1400の実施形態を図解する。矢印1422によって示されるように、作動電極142に電圧を加えることにより形成された引力に、可動素子1440が、作動電極142に向かう方向に移動することによって反応する。可変層1302の上表面が、MEMS装置1400の固定部(例えば、絶縁層144a)と接触する。ある実施形態において、反射素子1314が、作動状態において、第2作動電極902と接触しない。他の実施形態も可能である。例えば、可変層1302が、MEMS装置1400の固定部と接触する前に、反射素子1314の上表面が、MEMS装置1400の固定部(例えば、第2作動電極902)と接触してよい。
【0099】
第2作動電極902と可動素子1440との間に加えられた電圧に応じた移動が、実質的に(例えば、可変層1302の変形により)可動素子1440のみにおいて生じ、実質的に第2作動電極902には生じないことを確保するために、第2作動電極902が、好ましくは、硬い。層の剛性が、層の厚さの三乗に比例する。ある実施形態において、第2作動電極902が、実質的に変形しない厚さを有する。例えば、第2作動電極902が、アルミニウムを含む実施形態において、作動電極が、可変層1302の厚さの約2.15倍以上の厚さを有してよい。他の寸法(例えば、長さ及び幅)も、第2作動電極902の剛性に影響を及ぼしうると考えられる。
【0100】
図14Aを再び参照すると、ある実施形態において、緩和状態では、可変層1302が、第2作動電極902から距離Dだけ離隔され、反射素子1314が、第2作動電極902から距離Dとは異なる距離Dだけ離隔される。2つの導電層の間で異なる電位を有する2つの導電層間の静電力が、2つの導電層の間の距離と反比例する。従って、第2作動電極902と可動素子1440の一部との間の距離が小さくなるにつれ、可動素子1440の部分に作用する静電力が大きくなる。距離Dが距離Dよりも大きい場合、可変層1302に作用する単位面積あたりの静電力が、反射素子1314に作用する単位面積あたりの静電力よりも大きい。このようなある実施形態において、第2作動電極902への電圧の印加が、可動素子1440の基板20に向かう方向への移動を引き起こす。距離Dが距離Dよりも大きい場合、反射素子1314に作用する単位面積あたりの静電力が、可変層1302に作用する単位面積あたりの静電力よりも大きい。このようなある実施形態において、第2作動電極902への電圧の印加が、可動素子1440の基板20から離れる方向への移動を引き起こす。可動素子1440の基板20から離れる方向への移動を引き起こす作動電極142を備える実施形態において、距離Dが、好ましくは、距離Dよりも大きく、作動電極142,902が、異なる方向のたわみを引き起こす。
【0101】
ある実施形態において、距離D、D間の差の割合が、約5%以上であり、約10%以上であり、約15%以上であり、又は約20%以上である。距離D、D間の差が、ある他の要因、例えば、光学干渉特性(例えば、反射色)、及びMEMS装置の厚さと釣り合いをとるようにされるべきであり、また、距離D、Dに依存する。一旦いくらかの不均衡が生じると(即ち、距離D、D間の適切な差)、第2作動電極902への電圧の印加が、作動電極902に向かう短い距離だけ可動素子1440の部分を引き付け、これによって、その距離が減少し、また、大きな距離で可動素子1440の部分からの距離が増加する。従って、(例えば、約10%以下の距離の差により)小さな量の不均衡を有する実施形態でさえも、静電力が、適切に可動素子1440の作動を引き起こすことが可能である。
【0102】
第2作動電極902と可動素子1440の第1,第2部分との間の距離にかかわらず、静電力が、作動電極902と可動素子1440との間の電圧差の少なくとも一部をシールドする導電層によって、少なくとも部分的に減らされる。例えば、第2作動電極902から可動素子1440の第1部分をシールドすることで、静電力が、実質的に、可動素子1440の第2部分にさらに作用することが可能となる。作動電極902から少なくとも部分的にシールドする可動素子1440の第1部分が、反射素子1314を備える場合、第2作動電極902への電圧の印加が、可動素子1440の基板20に向かう移動を生じる。作動電極902から少なくとも部分的にシールドする可動素子1440の第1部分が、可変層1302を備える場合、第2作動電極902への電圧の印加が、可動素子1440の基板20から離れる移動を生じる。可動素子1440の基板20から離れる移動を引き起こす作動電極142を備える実施形態において、以下において詳細に記載されるように、第2導電層1558が、好ましくは、第1導電層1552の側面上にあり、作動電極142,902が、異なる方向のたわみを引き起こす。このようなある実施形態において、距離D、D間の差が必要とされないため、シールディングにより、MEMS装置1400を含むディスプレイ装置の厚さを減らすことが可能であるが、また、シールディングが、設計の複雑さ及び製造コストを増加させうる。
【0103】
図15Aでは、第2作動電極902が、絶縁層1554及び導電層1552を含む多層スタック構造を備えた実施形態の一部を図解している。ある実施形態において、導電層1552が、電圧が印加される導電材料を備え、絶縁層1554が、第2作動電極902に所望の剛性を提供し、電気的絶縁を提供し、第2作動電極902と可動素子1440との間の短絡を防ぐ。例えば、約1,500Å以上の厚さのSiO層が、十分に硬い。ある代替の実施形態において、導電層1552が、電圧が印加される導電材料を備え、第2作動電極902に所望の剛性を提供し、絶縁層1554が、電気的絶縁を提供し、第2作動電極902と可動素子1440との間の短絡を防ぐ。作動時に、可動素子1440が、基板20に向かって移動するようにMEMS装置1400が設計される実施形態において、MEMS装置1400が作動状態にある場合、可変層1302の下表面が、第2作動電極902と接触しうるため、絶縁層1554が、好ましくは、導電層1552上にある(例えば、図15Aに図解される)。作動時に、可動素子1440が、基板20から離れて移動するようにMEMS装置1400が設計される実施形態において、MEMS装置1400が作動状態にある場合、反射素子1314の上表面が、第2作動電極902と接触しうるため、絶縁層1554が、好ましくは、導電層1552下にある。多層構造第2作動電極902の他の構成も可能である。例えば、第2作動電極902が、導電材料の単一剛体層を含んでよく、絶縁層が、可変層1302の下表面上及び/又は反射素子1314の上表面上に形成されてよい。他の多層スタック構造も可能である。例えば、第2作動電極902が、絶縁層1554と反対の導電層1552の側面上の第2絶縁層をさらに備えてよく、電気的絶縁を提供し、第2作動電極902と可動素子1440の他の部分との間の短絡を防ぐ。
【0104】
絶縁層1554の厚さが、第2作動電極902の導電部1552から、可変層1302への距離,D(例えば、図15Aに示されるように導電部1552上に形成された場合)、又は、反射素子1314への距離,D(例えば、導電部1552の下に形成された場合)に含まれる。ある実施形態において、絶縁層2254が、所望の誘電体誘電率を提供するように選択され、可動素子1440と作動電極902との間の静電力を調整する。
【0105】
図15Bでは、第2作動電極902が多層スタック構造を備える他の実施形態を図解する。第2作動電極902が、作動電圧が加えられる第1導電層1552、第2作動電極902と可動素子1440との間の短絡を防ぐ第1絶縁層1554、静電力から可動素子1440の層をシールドする第2導電層1558、及び第2導電層1558から第1導電層1552を絶縁する第2絶縁層1556を備える。第2導電層1558が、第1導電層1552の第1絶縁層1554と反対側上に存在する。作動時に、可動素子1440が、基板20に向かって移動するようにMEMS装置1400が設計される実施形態において、MEMS装置1400が作動状態にある場合、可変層1302の下表面が、第2作動電極902と接触しうるため、第1絶縁層1554が、第1導電層1552上にあり(例えば、図15Bに図解される)、第2導電層1558によって、反射素子1314が、静電力から少なくとも部分的にシールドされるため、第2導電層1558が、第1導電層1552の下にある。作動時に、可動素子1440が、基板20から離れて移動するようにMEMS装置1400が設計される実施形態において、MEMS装置1400が作動状態にある場合、反射素子1314の上表面が、第2作動電極902と接触しうるため、第1絶縁層1554が、第1導電層1552下にあり、第2導電層1558によって、可変層1302が、静電力から少なくとも部分的にシールドされるため、第2導電層1558が、第1導電層1552の上にある。このようなある実施形態において、層1552,1554,1556,1558を備える第2作動電極902の寸法(例えば、厚さ)が、第2作動電極902が実質的に変形しないように十分に硬いものとなる。他の多層スタック構造も可能である。例えば、第2作動電極902が、第1導電層1552と反対の第2導電層1558の側面上の第3絶縁層をさらに備えてよく、絶縁を提供し、第2作動電極902と可動素子1440の他の部分との間の短絡を防ぐ。
【0106】
可変層1302と反射素子1314との間の作動電極902により、可動素子1440の一部が作動電極902と接触するようなMEMS装置1400の構成が可能となる(即ち、基板20の上表面1306又は絶縁層144aの下表面よりもむしろ、作動電極902が、可動素子1440の移動に対する停止部として機能する)。これが、光路内に存在しないため、可動素子1440の部分が作動電極902と接触する接触面が、光学的性能に影響を及ぼすことなく静摩擦を減らすように、有利に適合されることが可能である。例えば、絶縁層1554の表面トポグラフィーが、接触点の数を減らすように粗面化されてよく、又は、作動電極902上に反−静摩擦層が形成されてよい。他の実施例において、反射素子1314の上表面又は可変層1302の下表面の表面トポグラフィーが、接触点の数を減らすように粗面化されてよく、又は、反射素子1314の上表面若しくは可変層1302の下表面上に反−静摩擦層が形成されてよい。
【0107】
静電力は、電位差によるものである。可動素子1440が、絶縁結合素子(図示しない)を含む実施形態において、可変層1302の電位が、ゼロではない場合、反射素子1314の電位が、約ゼロとなることが可能である。このようなある実施形態において、作動電極902に加えられた電圧に応じて可変層1302に作用する静電力が、選択的に、作動電極902に加えられた電圧に応じて反射素子1314に作用する静電力よりも大きくてよい。従って、可動素子1440が、作動電極902に加えられた電圧に応じて基板20にむかって作動されるように構成されてよい。さらに、キャパシタの領域(例えば、第2作動電極902と可変層1302との間)を、有利に小さくすることが可能であり、これによって、大きなキャパシタよりも放電に時間を要さず(例えば、光路内における反射素子と作動電極との間)、応答時間を減少させることが可能である。しかしながら、反射素子1314が、可変層1302又は他の構造から電気的に絶縁される実施形態において、反射素子1314が、充電され、これによって、それ自身で静電力を形成しうる。いくつかの実施形態において、反射素子1314が、(例えば、プラスチックで)コーティングされ、選択的に、静電放電を分散させる。
【0108】
第2作動電極902に電圧が加えられた場合、静電力が、可動素子1440に作用する。それに応じて、可変層1302への引力が、反射素子1314への引力よりも大きい場合、可変層1302が、第2作動電極902に向かって曲がる。可変層1302が、第2作動電極902に向かって移動するように、反射素子1314が、可変層1302と機械的に結合され、反射素子1314が、基板20に対して対応する距離だけ基板20に向かって移動する。MEMS装置1400の固定部が、可動素子1440の移動に対する固定部として機能する。
【0109】
ある実施形態において(例えば、可変層1302の下表面が、第2作動電極902と接触する)、作動電極902が、固定部を備える(例えば、図14Bに図解される)。このようなある実施形態において、可動素子1440が、基板20の上表面1306と接触しないため、絶縁層106は、任意である。MEMS装置が、光路内の作動電極104及び絶縁層106を備える、及び、ミラー14が、作動状態において、絶縁層106の上表面と接触する上記のある実施形態において、接触領域が、誘電層を含む。誘電層に電荷がトラッピングされることを回避するために、作動電極104及びミラー14に加えられる電圧の極性が、交互にスイッチされることが可能である。極性をスイッチングすることで、電荷を放出するが、電力を消費する。しかしながら、MEMS装置1400が絶縁層106を備えない及び反射素子1314の反射表面1301が、作動状態において、第1反射層104の上表面1306と接触するある実施形態において、接触部に、有利に、電界が生じない。このように、第2作動電極902及び可動素子1440に加えられた電圧が、同じままで維持されてよく、有利に、電力をセーブする。
【0110】
いくつかの実施形態において、絶縁層1554が、第2作動電極902から可動素子1440を絶縁する。いくつかの実施形態において、可変層1302の下表面上に形成された絶縁層が(図示しない)、第2作動電極902から可動素子1440を絶縁する。ある代替の実施形態において、基板20の上表面1306が、固定部を備える。いくつかの実施形態において、絶縁層106が、第1反射層104から可動素子1440を絶縁する。
【0111】
上記のように、可動素子1440が、通常、第1方向に移動することによって、作動電極142に加えられた電圧に応答する。作動電極142が、可動素子1440を基板20から離れるように移動させる力を提供する実施形態において、電圧が、第2作動電極902に加えられた場合に、(例えば、反射素子1314よりも、第2作動電極902を、可変素子1302の近くに配置することにより,反射素子1314を導電層1558でシールドすることにより,等)可動素子1440が、基板20に向かって移動するように第2作動電極902が構成される。
【0112】
第2作動電極902が、好ましくは、例えば、上記の電気的特性に対し、非−透明導電性材料を備える。第2作動電極902が、MEMS装置1400の光路内に存在しないように、第2作動電極902が、反射素子1314の反射表面1301上に配置され、これが、非−透明導電性材料を備えてよい。このように、MEMS装置1400が、速い応答時間及び低い電力消費を可能にする。
【0113】
ある実施形態において、MEMS装置が、可変層1302と反射素子1314と第2作動電極との間の作動電極902を備える。上記のように、可変素子が、通常第1方向に移動することにより、可変層1302と反射素子1314との間の作動電極902に加えられた電圧に応答する。可動素子が、実質的に第1方向と反対である通常第2方向に移動することにより、第2作動電極に加えられた電圧にさらに応答する。従って、MEMS装置が、少なくとも3つの色、緩和状態における第1の色,第1方向の作動状態における第2の色,及び第2方向の作動状態における第3の色を安定して形成することが可能である。いくつかの実施形態において、可動素子1440上の作動電極142が、“第2”作動電極と特徴づけられてよい(例えば、図14A−14Cに図解される)。
【0114】
図16Aでは、基板20上の可動素子1640を備えたMEMS装置1600が図解される。可動素子1640が、反射表面1301を有する反射素子1314及び可変層1302を備える。MEMS装置1600が、可変層1302と反射素子1314との間の作動電極902をさらに備え、オプティカルスタック20が、第2作動電極102を備える。図16Aにおいて、第2作動電極102が、基板20上に形成される。
【0115】
図16Bでは、第1作動状態における図16AのMEMS装置1600の実施形態が図解される。第1引力によって作用される可動素子1640の第1部分が、可変層1302を含み、第2引力によって作用される可動素子1640の第2部分が、反射素子1314を含む。可動素子1640が、例えば、矢印1620によって図解されるような、通常、基板20と垂直な方向である、通常、第1方向に移動することにより、第1及び第2引力に応答する。ある実施形態では、作動状態(例えば、図16Bに図解される)において、反射素子1314の上表面が、MEMS装置1600の固定部(例えば、作動電極902)と接触する。ある代替の実施形態において、可変層1302の上表面が、MEMS装置1600の固定部(例えば、可変素子1640上の層)と接触する。
【0116】
図16Cでは、第2作動状態における図16AのMEMS装置1600の実施形態が図解される。電圧が、第2作動電極102に加えられた場合、静電力が、可動素子1440に作用する。これに応じて、可変層1302が、第2作動電極102に向かう。可変層1302が、第2作動電極102に向かって移動するように、反射素子1314が、可変層1302と機械的に結合され、反射素子1314が、第2作動電極102に対して、第2作動電極102に向かって、対応する距離だけ移動する。矢印1622によって示されるように、第2作動電極102に電圧を加えることにより形成された引力に対し、可動素子1640が、第2作動電極102に向かう方向に移動することによって応答する。ある実施形態では、作動状態(例えば、図16Cに図示される)において、反射素子1314が、MEMS装置1600の固定部(例えば、基板20の上表面1306)と接触する。ある代替の実施形態において、可変層1302の下表面が、MEMS装置1600の固定部(例えば、作動電極902)と接触する。このようなある実施形態では、作動状態において、反射素子1314が、基板20の上表面1306(例えば、絶縁層106の上表面1306又は第1反射層104の上表面1306)と接触しない。可動素子1640が基板20から離れて移動するような力を、作動電極902が提供する実施形態において、電圧が、第2作動電極102に加えられた場合、可動素子1640が、基板20に向かって移動するように第2作動電極102が構成される。
【0117】
第1及び第2作動電極を備えたMEMS装置の他の実施形態も可能である。例えば、MEMS装置が、可変層1302及び反射素子1314を含む可動素子上の第1作動電極142、並びに、可動素子の下の第2作動電極102を備えてよい。さらに、図14A,15A及び16Aに示されていないが、MEMS装置のある部分が、ある他の部分と電気的に接続されてよい。例えば、反射素子1314及び/又は可変層1302が、第1反射層104と電気的に接続されてよい。
【0118】
図17A−17Hでは、図13AのMEMS装置1300を製造する方法の例示的な実施形態が図解されている。図17Aに図解されたMEMS構造1700が、基板20(例えば、ガラス,プラスチックを含む)、第1反射層104(例えば、クロムを含む)、任意の絶縁層106(例えば、SiO及び/又はAlを含む)、第1犠牲層1702、及び反射表面1301を有する反射素子1314(例えば、アルミニウムを含む)を含む。上記のように、絶縁層106が、いくつかの実施形態では、省略されてよい。いくつかの実施形態において、第1犠牲層1702の厚さが、緩和状態におけるMEMS装置1300の色に影響を及ぼす。
【0119】
ある実施形態において、1つ以上の開口部1704が、反射素子1314を通して形成され、第1犠牲層1702のエッチングを容易にする。反射素子1314と基板20の上表面1306との間の距離の大きさが、反射素子1314と基板20の上表面1306との間のキャビティ内の流体(例えば、空気)の量に比例する。反射素子1314が、基板20の上表面1306と接触しないMEMS装置1300のある実施形態において、反射素子1314と基板20の上表面1306との間の距離が、極めて小さくなる。例えば、(例えば、この距離が、約100Å未満であるので)高反射率広帯域の白色を形成することが可能な実施形態において、この距離が、通常、小さい。いくつかの流体が、反射素子1314の両側の周囲を移動するための十分な空間を有さず、或いは、反射素子1314と基板20の上表面1306との間で圧縮されるようになるため、このようなある小さな距離が、移動の間(例えば、緩和)、反射素子914の周囲の流体(例えば、空気)の流れに影響を及ぼす。ある実施形態において、反射素子1314内の開口部1704が、反射素子1314と基板20の上表面1306との間のキャビティを占有する流体用の付加的な経路を提供し、移動(例えば、緩和)の間に、反射素子1314の下から反射素子1314の上に流れる。従って、少なくとも1つの開口部1704が、MEMS装置1300のスピードを増加させることが可能である。しかしながら、少なくとも1つの開口部1704を有する反射素子1314の部分が、反射型でなく、MEMS装置1300のフィルファクタを減らす。
【0120】
反射素子が、基板20の上表面1306と接触しない実施形態において、反射素子1314の反射表面1301が、好ましくは、実質的に、滑らかかつ平坦であり、例えば、色域を増加させる。いくつかの実施形態において、反射素子1314の形成前に、第1犠牲層1702を研磨することにより(例えば、モリブデンを含む)、又は滑らかかつ平坦な第1犠牲層1702上に反射素子1314を形成することにより(例えば、フォトレジストを含む)、反射表面1301が、実質的に、滑らかかつ平坦に形成される。反射素子1314が、基板20の上表面1306(例えば、黒を形成するような100nmの厚さの絶縁層106の上表面1306、又は、広帯域白色を形成するような第1反射層104の上表面1306)と接触する実施形態では、反射素子1314の反射表面1301が、滑らかかつ平坦であってもよいが、静摩擦の推定される影響が、このような実施形態において考えられる(例えば、絶縁又は導電性バンプを追加することによる)。
【0121】
ある実施形態において、ブラックマスク1310が、第1層1308としての第1犠牲層1702、及び反射層1309としての反射素子1314用の材料を使用することによって、形成される。ある代替の実施形態において、ブラックマスク1310が、1つ以上の他の層を使用して形成される。いくつかの実施形態において、MEMS装置が、ブラックマスクを有さない。
【0122】
図17Bでは、第2犠牲層1706(例えば、モリブデンを含む)が、反射素子1314上に形成された後における、図17AのMEMS構造1700が図解されている。第2犠牲層1706が、可変層1302から反射素子1314を離隔させる。第2犠牲層1706が、第1犠牲層1702と同じ材料、又は第1犠牲層1702と異なる材料を含んでよい。いくつかの実施形態において、第2犠牲層1706の形成が、第2犠牲層1706を通り抜ける開口部1710を形成する。絶縁又は他の層が、反射素子1314の上表面上に形成された実施形態において、付加的なパターニング段階なしに、開口部1710が、このような層の除去を可能にしうる。
【0123】
図17Cでは、支持構造18が形成された後における、図17BのMEMS装置1700が図解される。ブラックマスク1310を含む実施形態において、支持構造18が、ブラックマスク1310の周囲に形成されてよく、導電層1309を絶縁する。ある代替の実施形態では、支持構造18が、第2犠牲層1706の前に、形成される。
【0124】
図17Dでは、結合素子1319が、第2犠牲層1706上であって、少なくとも部分的に開口部1710内に形成された後における、図17CのMEMS装置1700が図解される。結合素子1319が、開口部1710を介して反射素子1314と機械的に結合される。ある代替の実施形態において、支持構造18が、結合素子1319の後に形成される。
【0125】
図17Eでは、可変層1302(例えば、ニッケルを含む)、が、支持構造18、結合素子1319、及び第2犠牲層1706上に形成された後における、図17DのMEMS構造1700が図解される。可変層1302が、結合素子1319を介した結合素子1318によって、反射素子1314と機械的に結合される。ある実施形態において、1つ以上の開口部1303が、可変層1302を通して形成され、第2犠牲層1706のエッチングを容易にする。
【0126】
図17Fでは、第3犠牲層1708(例えば、モリブデンを含む)が、可変層1302上に形成された後における、図17EのMEMS構造1700が図解される。第3犠牲層1708が、作動電極142から可変層1302を離隔させる。第3犠牲層1708が、第1及び第2犠牲層1702,1706の一方又は両方と同じ材料を含んでよく、又は第1及び第2犠牲層1702,1706の一方又は両方と異なる材料を含んでよい。ある実施形態では、作動状態において、第2犠牲層1706及び第3犠牲層1708の厚さが、MEMS装置1300の色に影響を及ぼす。
【0127】
図17Gでは、可変層1302上の支持構造18a、第3犠牲層1708上の絶縁層144a、及び絶縁層144a上の作動電極142の形成後における、図17FのMEMS構造1700が図解される。いくつかの実施形態において、支持構造18aが、第3犠牲層1708の前に形成される。ある実施形態において、絶縁層144aの形成段階の間に(例えば、SiOの堆積及びSiOのパターニングによる)、支持構造18aが、形成される。いくつかの実施形態において、作動電極142及び絶縁層144aが、少なくとも1つの開口部1316を備え、第3犠牲層1708のエッチングを容易にする。
【0128】
図17Hでは、第1、第2、及び第3犠牲層1702、1706、1708が除去された後の、図13AのMEMS装置1300をもたらす、図17GのMEMS構造1700が図解される。各犠牲層1702、1706、1708が、モリブデンを含む実施形態において、例えば、XeFを用いたエッチングによって、これらが除去されうる。犠牲層が、フォトレジストを含む実施形態において、例えば、アッシングによって(例えば、O及び/又はHOを用いてエッチングすることにより)、これが除去されうる。エッチャントが反射素子1314の下の第1犠牲層1702を除去するために、図17Aに図解された開口部1704が役立つ。エッチャントが可変層1302の下の第2犠牲層1706を除去するために、図17Eに図解された開口部1303が役立つ。エッチャントが作動電極142の下の第3犠牲層1708を除去するために、図17Gに図解された開口部1316が役立つ。犠牲層を除去すると、可動素子1340が、作動電極142に加えられた電圧に応じて移動することが可能である。
【0129】
図18A−18Gでは、図14AのMEMS装置1400を製造する方法の例示的な実施形態が図解されている。図18Aでは、第2犠牲層1706上に第2作動電極902を形成した後における、図17BのMEMS構造1700が図解されている。上記のように、第2作動電極902が、多層スタック構造を含んでよい。このような実施形態において、第2作動電極902の形成段階が、一連のパターニング段階(例えば、多層スタック構造の各層に対する、堆積、マスク形成、エッチング、及びマスク除去)、又は、多重エッチを含む単一のパターニング段階(例えば、多層スタック構造の各層の堆積、マスク形成、多層スタック構造の各層のエッチング、マスク除去)を含んでよい。他の順序も可能である(例えば、多層スタック構造の各層の堆積、マスク形成、多層スタック構造の最上層のエッチング、及び1つ以上の下部層に対するマスクとしての1つ以上の上部層の使用)。多層スタック構造の層の厚さが、変化してよいが、結果として生じる第2作動電極902が、好ましくは、実質的に変形しないほど十分に硬いものとなる。
【0130】
第2作動電極902に電圧を加えた場合、可動素子1440が、基板20に向かって移動するように構成された実施形態において、絶縁層1554が、第2作動電極902の導電部1552の上端上に形成されてよく、可変層1302の下表面と接触する(例えば、図15A及び15Bに図解される)。このようなある実施形態において、可変層1302との静摩擦を減少させるために、第2作動電極902の上表面が、粗面化されてよく、接触点の数が減少する。他の層(例えば、反−静摩擦層)が、第2作動電極902の上面上に形成されてもよい。
【0131】
図18Bでは、第2作動電極902上に、第3犠牲層1808(例えば、モリブデンを含む)が形成された後における、図18AのMEMS構造1800が図解される。第3犠牲層1808が、可変層1302から第2作動電極902を離隔させる。第3犠牲層1808が、第1及び第2犠牲層1702,1706の一方又は両方と同じ材料を含んでよく、又は第1及び第2犠牲層1702,1706の一方又は両方と異なる材料を含んでよい。いくつかの実施形態において、第3犠牲層1808の形成により、第3犠牲層1808を通り抜ける開口部1810が形成される。絶縁又は他の層が、反射素子1314の上表面上に形成される実施形態において、開口部1810が、付加的なパターニング段階なしに、このような層の除去を可能にしうる。
【0132】
図18Cでは、支持構造18が形成された後における図18BのMEMS装置1800が図解される。作動電極902が、支持構造18と機械的に結合されうるように、第2作動電極902の一部が、好ましくは、露出される。ある実施形態において、支持構造18が、1つ以上の第2作動電極902の層を含む(例えば、電気的ルーティングを可能とするため)。
【0133】
図18Dでは、可変層1302(例えば、ニッケルを含む)が、支持構造18及び第3犠牲層1808上に形成された後における、図18CのMEMS構造1800が図解される。結合素子1418により、可変層1302が、反射素子1314と機械的に結合される。ある実施形態において、結合素子が、結合素子1418と反射素子1314との間に形成されてよい。
【0134】
図18Eでは、第4犠牲層1812(例えば、モリブデンを含む)が、可変層1302上に形成された後における、図18DのMEMS構造1800が図解される。第4犠牲層1812が、作動電極142から、可変層1302を離隔させる。第4犠牲層1812が、第1、第2、及び第3犠牲層1702,1706,1808の1つ以上と同じ材料を含んでよく、又は第1、第2、及び第3犠牲層1702,1706,1808の1つ以上と異なる材料を含んでよい。
【0135】
図18Fでは、可変層1302上の支持構造18a、第4犠牲層1812上の絶縁層144a、及び絶縁層144a上の作動電極142の形成後における、図18EのMEMS構造1800が図解される。いくつかの代替の実施形態において、支持構造18aが、第3犠牲層1808の前に、形成される。いくつかの実施形態において、絶縁層144aの形成段階の間に(例えば、SiOの堆積及びSiOのパターニングによる)、支持構造18aが、形成される。いくつかの実施形態において、作動電極142及び絶縁層144aが、少なくとも1つの開口部1316を備え、第4犠牲層1812のエッチングを容易にする。
【0136】
図18Gでは、第1、第2、第3、及び第4犠牲層1702,1706,1808,1812が、除去された後であって、図14AのMEMS装置1400がもたらされる、図18FのMEMS構造1800が図解される。犠牲層を取り除くと、作動電極142及び第2作動電極902に加えられた電圧に応じて、可動素子1440が、移動することが可能となる。
【0137】
図19A−19Dでは、図16AのMEMS装置1600を製造する方法の例示的な実施形態が図解されている。図19Aでは、支持構造18が形成された後における図18AのMEMS構造1800が図解されているが、開口部1710が、第2犠牲層1706内に形成されていない。
【0138】
作動電極902に電圧を加えると、基板20から離れて移動するように、可動素子1640が構成された実施形態において、絶縁層1554が、作動電極902の導電部1552の底部上に形成されてよく、反射素子914の上表面と接触する。あるこのような実施形態において、反射素子914との静摩擦を減少させるために、作動電極902の底表面が、粗面化されてよく、接触点の数が減少する。他の層(例えば、反−静摩擦層)が、作動電極902の底部上に形成されてもよい。
【0139】
図19Bでは、作動電極902上に、第3犠牲層1808(例えば、モリブデンを含む)が形成された後における、図19AのMEMS構造1900が図解される。第3犠牲層1808が、可変層1302から第2作動電極902を離隔させる。第3犠牲層1808が、第1及び第2犠牲層1702,1706の一方又は両方と同じ材料を含んでよく、又は第1及び第2犠牲層1702,1706の一方又は両方と異なる材料を含んでよい。いくつかの実施形態において、第3犠牲層1808の形成により、第2及び第3犠牲層1706,1808を通り抜ける開口部1810が形成される。絶縁又は他の層が、反射素子1314の上表面上に形成される実施形態において、開口部1810が、付加的なパターニング段階なしに、このような層の除去を可能にしうる。いくつかの代替の実施形態において、支持構造18aが、第3犠牲層1808の前に、形成される。
【0140】
図19Cでは、可変層1302(例えば、ニッケルを含む)が、支持構造18及び第3犠牲層1808上に形成された後における、図19CのMEMS構造1900が図解される。結合素子1418により、可変層1302が、反射素子1314と機械的に結合される。
【0141】
図19Dでは、第1、第2、及び第3犠牲層1702,1706,1808が、除去された後であって、図16AのMEMS装置1600がもたらされる、図19CのMEMS構造1900が図解される。犠牲層を取り除くと、作動電極902及び第2作動電極102に加えられた電圧に応じて、可動素子1640が、移動することが可能となる。
【0142】
上記の詳細な記載が示され、記載され、及び、様々な実施形態に適用されるような本発明の新規な特徴が示されたが、説明された装置又はプロセスの詳細及びその形式が、本発明の精神から逸脱することなく、当業者により、様々な省略、置換、及び変更がなされうると理解されるだろう。認識されるように、いくつかの特徴が、他のものから独立して使用され又は実施されうるため、本願明細書において説明された全ての特徴及び利点を提供しない形式内で、本発明が、具体化されてよい。本発明の範囲は、上記記載よりもむしろ、特許請求の範囲によって示される。請求項と同等の範囲及び請求項と同等の意義の範囲内となる全ての変更が、それらの範囲内に包含されるものである。
【符号の説明】
【0143】
12 干渉型変調器
14 可動反射層
16 オプティカルスタック
18 柱
19 間隙、キャビティ
20 基板
21 プロセッサ
22 アレイドライバ
24 行駆動回路
26 列駆動回路
27 ネットワークインターフェース
28 フレームバッファ
29 ドライバコントローラー
30 ディスプレイ
40 表示装置
41ハウジング
43 アンテナ
45 スピーカー
46 マイクロホン
47 トランシーバ
48 入力装置
50 電力供給装置
52 調整用ハードウェア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板;
作動電極;および
前記基板と前記作動電極との間の可動素子;
を備え、
前記可動素子が、可変層と反射素子とを備え、
前記可変層と反射素子との各々が、前記基板と前記作動電極との間にあり、
前記反射素子にほぼ垂直な方向に沿って、前記可変層が、前記反射素子から分離され、
前記反射素子によって反射された光が、前記作動電極を介して伝播しないことを特徴とする電気機械装置。
【請求項2】
前記基板が、光学層を備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記作動電極が、非−透明導電体を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記非−透明導電体が、アルミニウム、銅、銀、および金の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記基板が、第2作動電極を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記基板と前記可変層との間に、支持構造をさらに備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記作動電極に電圧が加えられていない場合、前記基板の上表面が、前記反射素子から分離されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記可動素子の移動に対する停止部として構成された固定素子をさらに備え、
前記固定素子が、粗面化表面及び反−静摩擦層の少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記固定素子が、前記可変層と反射層との間にあることを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記固定素子が、前記可変層と前記作動電極との間に絶縁層を備えることを特徴とする請求項8または9に記載の装置。
【請求項11】
前記可動素子が、前記可変層を前記反射素子に機械的に連結する結合素子を備えることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記結合素子が、電気伝導性であることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記結合素子が、電気絶縁性であることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項14】
ディスプレイ;
前記ディスプレイと通信するように構成されたプロセッサであって、画像データを処理するように構成されたプロセッサ;および
前記プロセッサと通信するように構成されたメモリデバイス;
をさらに備えることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記ディスプレイに少なくとも1つの信号を送信するように構成された駆動回路をさらに備えることを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記駆動回路に前記画像データの少なくとも一部を送信するように構成されたコントローラーをさらに備えることを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記プロセッサに前記画像データを送信するように構成された画像ソースモジュールをさらに備えることを特徴とする請求項14〜16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記画像ソースモジュールが、レシーバ、トランシーバ、及びトランスミッタの少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項19】
入力データを受信し、前記プロセッサに前記入力データを通信するように構成された入力装置をさらに備えることを特徴とする請求項14〜18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
電気機械装置であって、
前記装置の一部の移動手段;
前記移動手段の支持手段;および
前記移動手段の作動手段;
を備え、
前記移動手段が、変形手段及び反射手段を備え、
前記反射手段にほぼ垂直な方向に沿って、前記変形手段が、前記反射手段から分離され、
前記移動手段が、前記変形手段と前記反射手段の両方を備え、前記変形手段と前記反射手段の各々が、前記支持手段と前記作動手段との間にあり、
前記反射手段によって反射された光が、前記作動手段を介して伝播しないことを特徴とする電気機械装置。
【請求項21】
前記支持手段が、基板を備えるか、
前記移動手段が、可動素子を備えるか、
前記変形手段が、可変層を備えるか、
前記反射手段が、反射素子を備えるか、または、
前記作動手段が、作動電極を備えることを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記作動手段が、非−透明導電体を備えることを特徴とする請求項20または21に記載の装置。
【請求項23】
前記支持手段が、前記移動手段の第2作動手段を備えることを特徴とする請求項20〜22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項24】
前記第2作動手段が、第2作動電極を備えることを特徴とする請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記移動手段の移動停止手段をさらに備え、
前記停止手段が、粗面化表面及び反−静摩擦層の少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項20〜24のいずれか一項に記載の装置。
【請求項26】
前記停止手段が、前記変形手段と前記反射手段との間に固定素子を備えることを特徴とする請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記停止手段が、前記変形手段と前記作動手段との間に絶縁層を備えることを特徴とする請求項25または26に記載の装置。
【請求項28】
基板と、可動素子と、作動電極とを備えた表示素子を提供する段階;および
前記作動電極に電圧を加える段階;
を含み、
前記可動素子が、可変層と反射素子とを備え、前記可変層と反射素子との各々が、前記基板と前記作動電極との間にあり、
前記反射素子にほぼ垂直な方向に沿って、前記可変層が、前記反射素子から分離され、
前記電圧が、前記可動素子への引力を形成し、
前記反射素子によって反射された光が、前記作動電極を介して伝播しないことを特徴とする光を調節する方法。
【請求項29】
前記作動手段が、非−透明導電体を備えることを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記表示素子が、第2作動電極を備え、
前記方法が、前記第2作動電極に第2電圧を加える段階をさらに含み、
前記第2電圧が、前記可動素子への第2引力を形成し、これによって、前記可動素子を前記基板に向かって移動させることを特徴とする請求項28または29に記載の方法。
【請求項31】
前記第2電圧を加える段階が、前記電圧を加える段階の後であることを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記表示素子が、粗面化表面及び反−静摩擦層の少なくとも1つを備える固定素子を備え、
前記方法が、前記固定素子を接触させる段階と、前記可動素子の移動を停止する段階とをさらに含むことを特徴とする請求項28〜31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記固定素子を接触させる段階が、前記可変層を、前記固定素子に触れさせる段階を含むことを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記固定素子を接触させる段階が、前記反射素子を、前記固定素子に触れさせる段階を含むことを特徴とする請求項32に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図17D】
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【図17E】
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【図17F】
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【図17G】
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【図17H】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図18D】
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【図18E】
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【図18F】
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【図18G】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【図19D】
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【公開番号】特開2012−230407(P2012−230407A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−148339(P2012−148339)
【出願日】平成24年7月2日(2012.7.2)
【分割の表示】特願2010−515043(P2010−515043)の分割
【原出願日】平成20年6月24日(2008.6.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(508095337)クォルコム・メムズ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド (133)
【Fターム(参考)】