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水不溶性成分の金属酸化物被覆
説明

水不溶性成分の金属酸化物被覆

本発明は、(a)固体の、水不溶性の粒子状物体を、水性媒体中で陽イオン性添加剤と接触させて、正のゼータ電位を持つ前記粒子状物体の分散物を得ること;(b)前記固体の、水不溶性の粒子状物体の表面上に、金属酸化物塩を析出させることにより金属酸化物層を形成させて、前記粒子状物体を被覆すること;及び(c)前記被覆層を熟成させること、を含む、固体の、水不溶性の粒子状物体を金属酸化物で被覆する方法に関する。本発明は、更に、本方法により得られた被覆された粒子状物体、及び金属酸化物層で被覆された、固体の、水不溶性の粒子状物体である、皮膚科の活性薬剤又は農薬を含む組成物に関する。本発明は、更に、金属酸化物層で被覆された、固体の、水不溶性の皮膚科的に活性な薬剤を含む組成物を用いる、患者の表面状態の処置方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、金属酸化物被覆層を含む粒子、前記粒子を含む組成物、及びこれらの調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属酸化物は、多種多様な方法を用い、化粧品、生体材料、光学材料、レーザー、蛍光体等の様々な用途に対して、封入物質、及びマトリックスとして用いられてきた。
【0003】
組成的に制御されたバルク及び表面特性を伴う混成無機−有機構造から成るシェルがHall,Simon,R.等、「ナノ粒子上への有機シリカ混成シェルの共凝縮、テンプレート:機能化コア−シェルコロイドの直接合成経路(Cocondensation of Organosilica Hybrid Shells on Nanoparticle,Templates:A Direct Synthetic Route to Functionalized Core−Shell Colloids)」、ラングミュア(Langmuir)、16:1454−1456、2000年に記載されている。
【0004】
修正されたストーバー法による、コアの銀粒子上のシリカシェルの形成が、Matijevi等、ジャーナル オブ コロイド アンド インターフェース サイエンス(Journal of Colloid and Interface Science)、221巻、1号、2000年1月1日、133−136頁により報告されている。彼らは、Ti(IV)ブトキシドの加水分解による、非晶質チタニアで被覆されたCu(II)塩基性カーボネートの球形粒子の形成についても、コロイドと表面A:物理化学的及び工学的側面(Colloids and Surfaces A:Physicochemical and Engineering Aspects)、81巻、1993年12月13日、153−159頁で報告している。この報告の中で、彼らは、実験条件を変えることにより、如何にしてシェルの厚さを変えることができたかを示している。白色顔料(白色化剤)は、チタニアで単分散シリカ粒子を被覆することにより調製された。この粒子の隠蔽力は、粒子の直径、チタニアシェルの厚さ、及び焼成温度の関数として評価された。Matijevi等、ジャーナル オブ コロイド アンド インターフェース サイエンス(Journal of Colloid and Interface Science)、156巻、1号、1993年3月1日、56−65頁。
【0005】
van Bruggen,M.P.B.、「調節可能なアスペクト比を持つコロイド状コア−シェル棒の調製と特性(Preparation and Properties of Colloidal Core−Shell Rods with Adjustable Aspect Ratios)」、ラングミュア(Langmuir)、14:2245−2255、1998年に記載されている様に、コロイド状ベーマイト(AlOOH)棒は、シリカのシェルを伴う棒の調製のために、コアとして用いられた。
【0006】
シリカの「ナノバブル」中に蛍光分子を封入する方法が、Makarova,Olga V.等、「ナノ粒子中への蛍光プローブの吸着とカプセル化(Adsorption and Encapsulation of Fluorescent Probes in Nanoparticles)」、ジャーナル オブ フィジカルケミストリーB(J.Phys.Chem.B)、103:9080−9084、1999年に報告されている。Bugnon、Philippe(Bugnon,Philippe、「顔料の表面処理、無機物質による処理(Surface treatment of pigments.Treatment with inorganic materials)」、プログレス イン オーガニック コーティングス(Progress in Organic Coatings)29:39−43、1996年)は、顔料の、無機物質による新規な処理を報告している。Mikrajuddin等(Mikrajuddin等、「ゾル−ゲル及びスプレー乾燥法の組合せによって調製されたシリカナノ粒子マトリクス中における酸化亜鉛量子ドットの安定な光ルミネセンス(Stable photoluminescence of zinc oxide quantum dots in silica nanoparticles matrix prepared by the combined sol−gel and spray drying method)」、ジャーナル オブ アプライド フィジックス(Journal of Applied Physics)、89:11、2001年)は、ZnOコロイドを超える、光ルミネッセンスの安定性が改良されたZnO/SiOナノコンポジットを報告した。
【0007】
Villalobos,Guillermo,R.等、「硫化亜鉛系蛍光粒子上の保護シリカ被覆(Protective Silica Coatings on Zinc−Sulfide−Based Phosphor Particles)」、ジャーナル オブ アメリカン セラミック ソサイアティー(J.Am.Ceram.Soc.)、85(8):2128−2130、2002年に記載されている様に、ZnS:Ag蛍光体粒子上に15nm厚のSiO連続被覆物を塗布するために、スプレー乾燥手法が用いられてきた。
【0008】
Iskandar等は、エアゾールスプレー法による、マイクロ封入化粒子の調製を報告している。粒子は、二種類のゾルを混合することにより、又はゾル−水性混合物前駆体溶液により調製された(Iskandar,Ferry等、「エアロゾルスプレー法によるマイクロカプセル化粉体の調製とそれらの光学特性(Preparation of microencapsulated powders by an aerosol spray method and their optical properties)」、アドバンスト パウダー テクノロジー(Advanced Powder Technol.)、14(3):349−367、2003年)。Iskandar等(「ナノ粒子ゾルのスプレー乾燥によって調製したナノ構造化粒子の形態の制御(Control of the morphology of nanostructured particles prepared by the spray drying of a nanoparticle sol)、ジャーナル オブ コロイド インターフェイス サイエンス(J Colloid Interface Sci.)、265(2):296−303、2003年)は、また、シリカナノ粒子ゾルのスプレー乾燥による、粒子形態学に影響を与えるパラメータを記載した。
【0009】
一層づつの技術を用いるシリカ被覆が、Dun,Huijuan等、「HPLC充填用シリカ球体上の多層ジルコニアナノ粒子の一層づつの自己組織化(Layer−by−Layer Self−Assembly of Multilayer Zirconia Nanoparticles on Silica Spheres for HPLC Packings)」、アナリティカル ケミストリー(Anal,Chem.)、76:5016−5023、2004年、Yuan,Junjie等、「一層づつの組織化を介してコロイド状ナノシリカ粒子で被覆された有機顔料粒子(Organic Pigment Particles Coated with Colloidal Nano−Silica Particles via Layer−by−Layer Assembly)」、ケミカル マター(Chem.Mater.)、17(4):3587−3594、2005年及びChung,Chau−Chyun等、「YS:Eu/シリカコア−シェル粒子の水性合成(Aqueous Synthesis of YS:Eu/Silica Core−Shell Particles)」、ジャーナル オブ アメリカン セラミック ソサイアティー(J.Am.Ceram.Soc.)、88(5):1341−1344、2005年に記載されている。
【0010】
ゾル−ゲル及びヘテロ凝集技術を用いる、シリカで被覆したY:Eu赤色蛍光体粉末がJean,Jau−Ho等、「シリカで被覆されたYS:Eu赤色蛍光粉体(YS:Eu Red Phosphor Powders Coated with Silica)」、ジャーナル オブ アメリカン セラミック ソサイアティー(J.Am.Ceram.Soc.)、83(8):1928−1934、2000年に記載された。
【0011】
Wilhelm、P.等(Wilhelm,P.等、「ゼータ電位測定を介した、チタニアナノ粒子でのナノスケールシリカの被覆のオンライン追跡(On−line tracking of the coating of nanoscaled silica with titania nanoparticles via zeta−potential measurements)」、ジャーナル オブ コロイド アンド インターフェイス サイエンス(Journal of Colloid and Interface Science)、293:88−92、2006年)は、不均質凝集を用いて、チタニアナノ粒子によって直接被覆されたナノスケールの球形粒子を報告した。
【0012】
コロイド状シリカ粒子とZnS型蛍光体表面との間の相互作用が、Merikhi,J.等、「ZnS型蛍光体表面へのコロイド状SiO粒子の付着(Adhesion of Colloidal SiO Particles on ZnS−Type Phosphor Surfaces)」、ジャーナル オブ コロイド アンド インターフェイス サイエンス(Journal of Colloid and Interface Science)、228:121−126、2000年において研究されている。
【0013】
粒子上にSiO被覆を得るために利用される珪酸ナトリウムが、Wang,Hongzhi等、「水性媒体中でのシリカ被覆酸化亜鉛粒子の調製に対する多価電解質分散剤の影響(Effect of Polyelectrolyte Dispersants on the Preparation of Silica−Coated Zinc Oxide Particles in Aqueous Media)」、ジャーナル オブ アメリカン セラミック ソサイアティー(J Am.Ceram.Soc.)、85(8):1937−1940、2002年、米国特許第2,885,366号、及び米国特許第3,826,670号に記載されている。
【0014】
シリカゲルの源、及びゲルの特性を制御する因子がIler Ralph K.,「シリカの化学(The Chemistry of Silica)」、ウイリー−インターサイエンス パブリケーション(Wiley−Interscience publication)、1979年、510−533頁に記載された。米国特許第6,303,290号は、水性コロイド状ゾル−ゲル法を経て調製された多孔性のガラス状マトリクス中に、生体材料を封入することを記載する。この方法は、ゲルの特性を制御することにより形成されたシリカケージ中に生体材料を取り込むことを包含する。
【0015】
特開平02−002867号及び特開平02−251240号は、油中水エマルジョン中で調製された、シリカと、ベンゾフェノン誘導体又はジベンゾイルメタン誘導体等のUVフィルターの共沈により調製された、主にシリカで造られた球形粒子を開示する。
【0016】
米国特許第6,875,264号は、透明基体、前記基体上の高屈折率物質の層、及び前記第一の層上の低屈折率物質及び高屈折率物質の交互の層を包含する、多層効果顔料を開示する。高屈折率物質は二酸化チタンであってよく、低屈折率物質は二酸化珪素であってよい。
【0017】
米国特許第6,090,399号は、多孔性マトリクスを持つ金属酸化物ガラス中に含浸された、一以上の生物学的に活性な化合物を含む、放出が制御された組成物を開示する。
【0018】
米国特許第7,001,592号及び米国特許第7,037,513号は、局所適用、例えば、ボディーウォッシュに用いる組成物を開示し、添加物は、日焼け止め又は非日焼け止めの、ゾル−ゲルカプセル化活性物を含有する。米国特許第7,052,913号は、反応中心を封入しているゾル−ゲル等の、生体適合性マトリクスを開示し、それは、プロドラッグを生物学的に活性な薬剤に転換させるために、患者に投与されてよい。
【0019】
米国特許第6,303,149号、米国特許第6,238,650号、米国特許第6,468,509号、米国特許第6,436,375号、米国特許公開第2005037087号、米国特許公開第2002064541号、国際公開第00/09652号、国際公開第00/72806号、国際公開第01/80823号、国際公開第03/03497号、国際公開第03/039510号、国際公開第00/71084号、国際公開第05/009604号、及び国際公開第04/81222号は、ゾル−ゲルマイクロカプセル及びその調製方法を開示する。欧州特許公開第0934773号及び米国特許第6,337,089号は、コア物質及びオルガノポリシロキサンで作られたカプセル壁を含有するマイクロカプセル、並びにその製造を教示する。欧州特許公開第0941761号及び米国特許第6,251,313号も、オルガノポリシロキサンのシェル壁を持つマイクロカプセルの調製を教示する。米国特許第4,931,362号は、活性な、水不混和性の成分を含有する内側の水不混和性液相を持つマイクロカプセル又はマイクロマトリクス体の形成方法を記載する。
【0020】
活性成分を保護するために利用できるもう一つの媒体は、ゾル−ゲルマトリクス中へのドーピングである。この方法において、モノリス、粒子又は他の形状(薄いフィルム等)が準備され、活性成分は、ゾル−ゲルマトリクスの孔中に不動化される。ゾル−ゲルマトリクスには、少量の活性成分がドープされる。この方法は、国際公開第98/31333号、米国特許第6,495,352号、及び米国特許第5,292,801号において利用された。
【0021】
先行技術文献のいずれも、固体の、水不溶性粒子状物質の表面上に粗い及び密な層を形成させ及び成長させる能力を伴う金属酸化物層により、前記粒子を被覆する方法を教示、又は開示していない。
【0022】
この様に、水不溶性粒子状物体上に、所望の厚さに金属酸化物層を成長させることができる、水不溶性粒子状物体の金属酸化物被覆の、新しい方法を持つことは、広く認識された需要があり、及び非常に有利であろう。また、活性薬剤を周囲から隔離し(金属酸化物被覆層を通り抜ける浸出を減らすことにより)、それにより、活性薬剤に付随する副作用と毒性を減らし、尚且つ、処置すべき位置に対する活性薬剤の放出の制御に有効である能力によって特徴付けられる、特に、皮膚科用又は農業用の組成物に対する需要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明は、固体の、水不溶性粒子状物体上の、金属酸化物の厚く、且つ緻密な被覆を得る手法を見出したことに基づく。この新しい方法による金属酸化物層の形成は、不可逆的である、即ち、それは水中に分散されたとき、腐食又は崩壊しない。新しい方法は、固体の、水不溶性粒子状物体を、水性媒体中で第一の陽イオン性添加剤で処理して、粒子状物体に正のゼータ電位を持たせること;粒子状物体を、金属酸化物塩の析出により被覆すること;及び被覆層を熟成させることを含む。被覆及び熟成段階は、1から数回、好ましくは2から3回、最も好ましくは更に2回、繰り返してよい。この方法は、下に詳述するように、金属酸化物層の表面電化を変性して、上述の手法と同様の手法による、追加の金属酸化物層による更なる被覆に対して活性にするために、この様に形成された被覆を陽イオン性添加剤で処理して、被覆に正のゼータ電位を持たせること;被覆された粒子状物体を分離する段階;及び、随意に、得られた被覆された粒子状物体を、水性媒体中で洗浄し、その媒体中に再分散させる段階、等の追加の段階を包含してよい。
【0024】
この新しい調製方法は、粒子状物体上に、金属酸化物被覆の厚い一層又は複数層の形成又は成長を可能にする。これは、活性成分が、金属酸化物層を通り抜けて徐々に放出される能力を伴って、周囲から隔離されるべきであるある種の用途に対して特に有利である。例示的な用途は、家庭、園芸又は農業用途の農薬と共に、皮膚科又は化粧品用途である。
【0025】
本発明は、更に、医薬品的な、化粧品の、又は農芸化学の薬剤等の水不溶性粒子状物体を金属酸化物層で被覆して、それからの活性薬剤の放出に対する障壁を提供し、斯くして、活性薬剤を、処置すべき表面に制御された手法で供給することが可能であるという発見に基づく。好ましくは、被覆は、活性薬剤の未被覆組成物と比べて、活性薬剤の実質的に同じ又はより大きい治療効果と低減された副作用を達成することが意図されている。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明の一側面に従って、
(a)固体の、水不溶性の粒子状物体を、水性媒体中で陽イオン性添加剤と接触させて、正のゼータ電位を持つ前記粒子状物体の分散物を得ること;
(b)前記固体の、水不溶性の粒子状物体の表面上に、金属酸化物塩を析出させることにより金属酸化物層を形成させ、前記粒子状物体を被覆すること;及び
(c)前記被覆層を熟成させること、
を含む、固体の、水不溶性の粒子状物体を金属酸化物で被覆する方法が提供される。
【0027】
本発明のもう一つの側面に従って、本発明に記載された方法により得られた、被覆された粒子状物体が提供される。
【0028】
本発明の更にもう一つの側面に従って、担体;及び複数の粒子、前記粒子の各々は、金属酸化物層によって被覆された、固体の、水不溶性の皮膚科的に活性な薬剤を含む、を含む局所性投与のための医薬品、化粧品、又は薬用化粧品組成物が提供される。
【0029】
本発明の更にもう一つの局面に従って、
−複数の粒子、前記粒子の各々は、金属酸化物層によって被覆された、固体の、水不溶性の皮膚科的に活性な薬剤を含む;及び
−担体、
を含む局所性投与のための組成物が提供され、前記組成物は、低減された副作用と、基準組成物と比較して少なくとも本質的に同じ治療効果を持ち;前記組成物と基準組成物との間の違いは、後者においては活性薬剤が被覆されていないことにある。
【0030】
本発明の追加の側面において、本発明に記載された、医薬品、化粧品、又は薬用化粧品組成物を表面に局所投与することを含む、患者における表面状態を処置する方法が提供される。
【0031】
本発明の更に追加の側面において、本発明に記載された方法により調製された、被覆された粒子状物体を含む組成物を、表面に局所投与することを含む、患者における表面状態を処置する方法が提供される。
【0032】
本発明の更に追加の側面において、皮膚又は粘膜上への局所性投与用の薬の調製のための、本発明の方法に従う、金属酸化物層で被覆された、固体の、水不溶性の局所的に皮膚科的に活性な薬剤である粒子状物体の使用が提供される。
【0033】
本発明の更に追加の側面において、皮膚又は粘膜上への局所性投与用の薬の調製のための、局所的に皮膚科的に活性な薬剤である、本発明の方法に従う被覆された粒子状物体の使用が提供される。
【0034】
本発明の更なる側面において、金属酸化物層によって被覆された、固体の、水不溶性の粒子状物体である農薬を含む、害虫駆除用の組成物が提供される。
【0035】
本発明の更なる側面において、本発明に記載の方法によって得られた、被覆された、農薬である粒子状物体を含む、害虫駆除用組成物が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明は、
(a)固体の、水不溶性の粒子状物体を、水性媒体中で陽イオン性添加剤と接触させて、正のゼータ電位を持つ前記粒子状物体の分散物を得ること;
(b)前記固体の、水不溶性の粒子状物体を、粒子状物体の表面上への金属酸化物塩の析出によりその上に金属酸化物層を形成させて、被覆すること;及び
(c)前記被覆層を熟成させること、
を含む、固体の、水不溶性の粒子状物体の被覆方法に関する。
【0037】
本明細書で用いるとき、用語「固体の、水不溶性の粒子状物体」は、水への溶解度が、室温(20℃)で1%w/w未満、典型的には0.5%未満、時には0.1%w/wである、固体物質を指す。
【0038】
この「固体の、水不溶性の粒子状物体」は、本方法により得られる粒子の「コア」を構成する。固体の、水不溶性の粒子状物体は、好ましくは、例えば、D90(下の定義を見よ)が0.3−50μmの範囲にある、微細に分割された形態で水中に懸濁できる様な、小分けされた状態にある。このような粒子状物体は、界面活性剤の助けを伴い、又は伴わずに、撹拌により水系中に容易に懸濁できる。
【0039】
本発明において、用語「固体の、水不溶性の粒子状物体」及び「粒子状物体」は、同義的に用いられるであろう。
【0040】
本方法の段階(a)は、粒子状物体の粒子サイズを、例えば破砕して、所望の粒子サイズに低減させることを更に含んでよい。
【0041】
コア(即ち、固体の、水不溶性粒子状物体)は、例えば、棒状、板状、回転楕円体、立方体、又は球形の、任意の形状であってよい。
【0042】
本明細書でD90と呼ぶ粒子のサイズは、粒子の90%が、提示された寸法以下(体積で測定して)であることを意味する。斯くして、例えば、直径10μmの球形粒子との提示は、その粒子のD90が10μmであることを意味する。D90は、レーザー回折により測定できる。球以外の形状を持つ粒子に関しては、D90は多数の粒子の直径の平均を指す。
【0043】
球形のコアの場合は、平均直径は、0.3から90μmの範囲、好ましくは0.3から50μm、より好ましくは1から50μm、更により好ましくは5から30μmである。
【0044】
ほぼ立方体形状のコア、又は立方体に類似する形状のコアについては、稜の平均サイズが、0.3から80μmの範囲、好ましくは0.3から40μm、より好ましくは0.8から40μm、更により好ましくは4から15μmである。
【0045】
棒状、回転楕円体、及び板状のコアについては、最も大きい寸法(最も長い軸の寸法)が、典型的には10から100μmの範囲、好ましくは15から50μm;及び最も小さい寸法が、典型的には0.5から20μmの範囲、より好ましくは2から10μmである。
【0046】
本明細書で用いられたとき、他の表示がなければ、用語「粒子」は金属酸化物で被覆された粒子状物体を指す。
【0047】
本方法により得られる粒子の幾ばくかは、時には、固体の、水不溶性の粒子状物体の、2以上の元の粒子から形成されることがあり、従って、時には、一以上のコアを包含し、このようなコアは、金属酸化物領域によって相互に分離されているであろうことが理解される。
【0048】
コアは、有機又は無機物質であってよい。好ましくは、コアは、金属酸化物以外の物質から成る。
【0049】
粒子の全重量に基づく、固体の、水不溶性の粒子状物体(コア物質)の重量は、97%から50%w/wの範囲であってよい。コア物質は、結晶形状、非晶質形状、又はこれらの組合せであってよい。コア物質は、化粧品的に、医薬品的に、又は農芸化学的に活性な成分であってよい。
【0050】
好ましくは、本方法は、被覆された粒子状物体を、一以上の、金属酸化物塩の析出の段階と、引き続く熟成処理に晒すことを含む。
【0051】
より堅固な被覆を得るために、上記工程(段階(c)に続く)により得られた粒子を、更に、随意に、最初に形成された金属酸化物層の上に更なる金属酸化物の析出をもたらす処理段階に晒してよい。このような更なる処理は、段階(c)に似た熟成段階も包含してよい。また、追加の処理の析出段階は、段階(a)で用いた陽イオン性添加剤と同じで、又は異なってよい添加剤の添加を介して、被覆層(即ち、金属酸化物被覆層)上に正のゼータ電位を形成させる、上記の段階(a)に似た段階を含んでもよい。この更なる処理段階は、1、2、3、又は更に多くの回数繰り返してよい。
【0052】
本発明の好ましい態様に従って、段階(c)は、熟成の後に、分散させている水性媒体から被覆された粒子状物体を分離すること、及び、随意に、得られた被覆された粒子状物体を水性媒体中で濯ぎ、その媒体中に再分散させることを含む。
【0053】
更に、本発明の好ましい態様に従って、段階(c)は、被覆された粒子状物体を水性媒体中に再分散させた後に、第二の陽イオン性添加剤を添加して、被覆層に正のゼータ電位を持たせることを更に含む。
【0054】
別法として、更なる処理段階は、陽イオン性添加剤を添加せずに実施されてよい。この様な場合、方法は、好ましくは:
(a)固体の、水不溶性の粒子状物体を、水性媒体中で第一の陽イオン性添加剤と接触させて、正のゼータ電位を持つ前記粒子状物体の分散物を得ること;
(b)前記固体の、水不溶性の粒子状物体の表面上に、金属酸化物塩を析出させることにより金属酸化物層を形成させ、前記粒子状物体を被覆すること;
(c)前記被覆層を熟成させて、第一の被覆された粒子状物体を得ること;
(d)前記第一の被覆された粒子状物体の表面上に、金属酸化物塩を析出させることにより金属酸化物層を形成させ、前記粒子状物体を被覆すること;及び
(e)前記被覆層を熟成させて、第二の被覆された粒子状物体を得ること、
を含む。
【0055】
本方法は、更に:
(f)前記第二の被覆された粒子状物体の表面上に、金属酸化物塩を析出させることにより金属酸化物層を形成させて、前記粒子状物体を被覆すること;及び
(g)前記被覆層を熟成させて、第三の被覆された粒子状物体を得ること、
を含んでよい。
【0056】
更なる処理段階において陽イオン性添加剤が無いとき、段階(a)における正のゼータ電位は、好ましくは+150mV未満、より好ましくは+60mVから+130mVの範囲である。熟成後の、被覆された粒子状物体のゼータ電位は、0mVから−60mVの範囲でよい。
【0057】
静電相互作用により、更なる処理段階において更なる金属酸化物層の堆積を確実にし、及び金属酸化物(例えばシリカ)層の厚さも制御するために、第二の陽イオン性添加剤を用いることが好ましい。
【0058】
本発明の好ましい態様に従って、本方法は:
(a)固体の、水不溶性の粒子状物体を、水性媒体中で第一の陽イオン性添加剤と接触させて、正のゼータ電位を持つ粒子状物体の分散物を得ること;
(b)前記固体の、水不溶性の粒子状物体の表面上に、金属酸化物塩を析出させることにより金属酸化物層を形成させて、前記粒子状物体を被覆すること;
(c)前記被覆層を熟成させて、第一の被覆された粒子状物体を得ること;
(d)前記第一の被覆された粒子状物体を、水性媒体中で第二の陽イオン性添加剤と接触させて、正のゼータ電位を持つ前記第一の被覆された粒子状物体の分散物を得て、及び、段階(b)及び(c)を介して前記分散物を更に処理し、更に処理された、被覆された粒子状物体を得ること、
を含む。
【0059】
本方法は、(d)において得られた被覆された粒子状物体を、もう一つの段階(d)を介して処理することを、更に含んでよい。
【0060】
好ましくは、被覆された粒子状物体、及び第二の陽イオン性添加剤は混合され、及び最も好ましくは、この混合は、激しい撹拌(例えば、1000rpmを超えるミキサー速度)下に行われる。
【0061】
本方法の段階(a)において用いられる第一の陽イオン性添加剤は、二重の効果を持つ:以下に説明するように、粒子状物体のゼータ電位を増大させること、及び展着剤の役目も果たし、斯くして、粒子状物体の分散物を分離したコア粒子と為し、各コア粒子を、水性媒体中に独立に懸濁させること。
【0062】
粒子状物体の表面が反応性であること、又は金属酸化物層との結合しやすくされていることは、重要である。
【0063】
段階(a)の目的は、陽イオン性添加剤を用いることにより粒子状物体のゼータ電位を修正し、それを、金属酸化物層の付着に対して反応性にすることである。
【0064】
粒子のコア物質を調製するため、析出した金属酸化物塩に付着できるように、粒子状物体を第一の陽イオン性添加剤で適切に被覆しなければならない。粒子状物体は、例えば、それを陽イオン性界面活性剤又は陽イオン性ポリマーの溶液と混合させて、第一の陽イオン性添加剤と接触させる。陽イオン性界面活性剤は、粒子状物体の表面上に特に効率よく吸着され、及び、それらは粒子状物体に正のゼータ電位(好ましくは0mVを超えて+150mVまでの範囲、より好ましくは+60mVから+130mV)を付与するために十分な量を用いる必要がある。
【0065】
陽イオン性添加剤の単層が好ましいが、被覆は連続的である必要はない。陽イオン性添加剤の少なくとも複数の点があれば十分である。これらの点は、次いで、金属酸化物層の付着に対して碇として役立つであろう。これらの碇点がコア表面上にかなり均一に分散し、金属酸化物層が構築されるにつれて、それが橋架けされコアに対して強固に付着することが好ましい。
【0066】
好ましくは、本方法は、段階(d)を更に一回又は二回、最も好ましくは更に一回、繰り返すことを含む。
【0067】
一の好ましい態様に従って、第一の、及び第二の陽イオン性添加剤は同じである。
【0068】
もう一つの好ましい態様に従って、第一の、及び第二の陽イオン性添加剤は異なっている。
【0069】
最も好ましくは、第一の陽イオン性添加剤は界面活性剤であり、第二の陽イオン性添加剤は陽イオン性ポリマーである。
【0070】
本発明の好ましい態様に従って、段階(c)は、熟成後に、被覆された粒子状物体を水性分散媒体から分離すること、及び、随意に、得られた被覆された活性成分を、水性媒体中で濯ぎ、及びその媒体中に再分散させることを更に含む。
【0071】
好ましくは、被覆された粒子状物体の分離は、濾過、遠心分離、透析等の方法により、又は水性媒体の蒸発により、行われる。
【0072】
更に本発明の好ましい態様に従って、段階(b)は、(a)で得られた分散物と金属酸化物塩とを、粒子状物体の表面上にその金属酸化物塩が析出する様な条件下で接触させ、その上に被覆層を産生させることを含む。
【0073】
また、本発明の好ましい態様に従って、段階(b)は、金属酸化物塩を添加してpH値を7−11にすること、及び、酸性化してpH値を1−3(より好ましくはpH値約2)にすることを含む。
【0074】
より好ましくは、段階(b)は、金属酸化物塩を添加して8−10の値に到達させること、及び、酸性化して、1−3の値(より好ましくはpH約2)を得ることを含む。
【0075】
粒子状物体が酸性化合物のときは、金属酸化物塩を添加してpH値7−8に到達させ、及び、酸性化して1−3の値を得ることが好ましいであろう。
【0076】
好ましくは、段階(b)は、(a)において得られた分散物のpHを、金属酸化物塩を添加する前に5.5−8の範囲の値に、より好ましくは金属酸化物塩を添加する前に7−8の範囲のpH値に、調節することを更に含む。
【0077】
分散物のpHを5.5−8の間の値に調節する目的は、正に帯電した粒子状物体の表面に結合されるであろう、負に帯電した金属酸化物種を形成させて、斯くして、粒子状物体の表面上への金属酸化物層の付着を可能にせしめることである。更に、このpHの範囲で、より小さい粒子を犠牲にしてより大きい、分離した金属酸化物粒子の成長が好ましく、斯くして、粒子状物体の表面上に、金属酸化物のより緻密な層を形成する。
【0078】
本発明の好ましい態様に従って、段階(b)は、追加して少なくとも1−3回(即ち、更に1、2、又は3回)繰り返される。最も好ましくは、段階(b)は、追加して1回繰り返される。
【0079】
本発明の好ましい態様に従って、段階(a)における正のゼータ電位は、+150mV未満(+150又はそれより低い、即ち0より高く+150mVまで)、より好ましくは、+60mVから+130mVの範囲である。
【0080】
本発明の好ましい態様に従って、段階(d)における正のゼータ電位は、+150mV未満(+150又はそれより低い、即ち0より高く+150mVまで)、より好ましくは+5mVから+130mVの範囲、最も好ましくは+10から+100mVである。
【0081】
段階(c)における熟成は、金属酸化物の、強化された、緻密な層を得るために極めて重大である。
【0082】
本発明の好ましい態様に従って、段階(c)は、pHを、6.5−9.5の範囲、好ましくは7.5−8.5の範囲に上げること、及び、pHがこの範囲にある懸濁物(分散物)を、例えば撹拌により、少なくとも12時間混合することを含む。撹拌は、好ましくは12−72時間、より好ましくは少なくとも20時間(例えば20−72時間)、更により好ましくは36−72時間、最も好ましくは40−50時間である。
【0083】
撹拌は、好ましくは穏やかな撹拌であり、好ましくは200−500rpmの範囲である。
【0084】
熟成が完成した兆しは、繰り返し希釈を増やす際、ゼータ電位の測定値が一定になることにより得られる。更に、熟成が完成したとき、濾過を容易に実行できるであろう(形成された硬い金属酸化物層に起因して)、及び、得られたケーキは水性媒体中に容易に再分散され、粒子の分散物を形成するであろう。
【0085】
理論に束縛されることなく、上記のpH範囲6.5−9.5(好ましくはpH7.5−8.5)において、より大きい金属酸化物粒子(即ち、形成された金属酸化物層中の金属酸化物ナノ粒子)が優先的に成長し、これは、より小さい粒子を犠牲にして、金属酸化物の析出の間に形成される(オストワルド熟成機構により)と信じられる。
【0086】
段階(c)における熟成の目的は、金属酸化物の強化された、より緻密な層を得ること及び、そのために、コア物質上に金属酸化物層を成長せしめることである。
【0087】
熟成段階が無いと、析出の際に金属酸化物塩は金属酸化物のゲル層を形成し、それは、洗浄の際、又は機械的な撹拌により、崩壊又は侵食される可能性があり、得られる金属酸化物の層はより薄く、より柔らかくなる恐れがある。追加の、金属酸化物の層又は複数の層を伴う更なる被覆により金属酸化物層を更に成長せしめるためには、熟成段階が必要である。
【0088】
熟成は、4−90℃の温度、好ましくは15−60℃で行ってよく、最も好ましくは、熟成は20−40℃で行う。
【0089】
斯くして、被覆と熟成を繰り返す段階は、より厚い、より強い金属酸化物層の成長も可能にする。
【0090】
本明細書で用いるとき、用語「金属酸化物層」は、一度の処理段階の製品と、最初に被覆された粒子を、上述の様に、随意の更なる処理段階により処理する製品の両者を網羅する。
【0091】
好ましくは、段階(a)における正のゼータ電位は、+150mV未満、より好ましくは+60mVから+130mVの範囲である。段階(d)における好ましいゼータ電位は+150mV未満、より好ましくは+5mVから+130mVの範囲、最も好ましくは+10mVから+100mVである。これは、更なる、随意の処理段階においても好ましいゼータ電位である。
【0092】
水不溶性粒子状物体は、医薬品的に、化粧品的に、又は農芸化学的に活性な成分であってよい。
【0093】
好ましくは、水不溶性粒子状物体は、皮膚科の活性薬剤である。
【0094】
好ましくは、皮膚科の活性薬剤は、抗真菌剤、抗菌剤、抗炎症剤、抗掻痒剤、抗乾癬剤、及び抗アクネ剤から選択される。皮膚科の薬剤は、任意の上記薬剤の組合せであってもよい。
【0095】
抗菌剤は、静菌性の、又は殺菌性の薬であってよい。
【0096】
皮膚科の活性薬剤は、例えば、ケトコナゾール等の抗真菌剤、メトロニダゾール又はエリスロマイシン等の静菌性の薬、バシトラシン等の殺菌薬、モメタゾンフロエート、メチルプレドニゾロンアセポネート、プレドニカルベート、トリアムシノロンアセトニド、フルオシノニド、デゾキシメタゾン、ベタゾンバリレート又はモメタゾンフロエート等のコルチコステロイド、塩酸ドキセピン等の止痒性薬剤、及び過酸化ベンゾイル、アゼライン酸等の抗アクネ剤、トレチノイン(レチノイン酸)又はアダパレン等のレチノイドであってよい。
【0097】
より好ましくは、抗アクネ剤は、過酸化ベンゾイル、レチノイド、及びそれらの混合物から選択される。
【0098】
最も好ましくは、抗アクネ剤は過酸化ベンゾイルである。
【0099】
本発明のもう一つの好ましい態様に従って、粒子状物体は農薬である。
【0100】
農薬は、例えば、除草剤、殺虫剤、防黴剤、及びそれらの混合物であってよい。
【0101】
除草剤は、チオカルバメート除草剤、ハロアセトアニリド除草剤、ニトロアニリン除草剤、及びそれらの混合物から選択されてよい。
【0102】
殺虫剤は、例えば、有機燐殺虫剤、ピレスロイド殺虫剤、ネオニコチノイド殺虫剤、及びそれらの混合物であってよい。
【0103】
農薬は、例えば、ブチレート、シクロエート、モリネート、又はバーノレート等のチオカルバメート除草剤;アセトクロール、メトラクロール、アラクロール、ブタクロール、又はプロパクロール等のハロアセトアニリド除草剤;トリフルラリン等のニトロアニリン除草剤;パラチオン、マラチオン、又はホノホス等の有機燐殺虫剤;ビフェントリン、ペルメトリン、ラムダ−シハロトリン、デルタメトリン、トラロメトリン、シペルメトリン、又はテフルトリン等のピレスロイド殺虫剤;アルジカルブ等のカルバメート殺虫剤;イミダクロプリド、又はチアメトキサム等のネオニコチノイド殺虫剤;及び、アゾキシストロビン、クレソキシム−メチル、エポキシコナゾール、キャプタン、フォルペット、マンコゼブ、カルベンダジム、クロロタロニル、フェンプロピジン、又はテブコナゾール等の防黴剤であってよい。
【0104】
好ましくは、金属酸化物は、シリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニア、ZnO、及びそれらの混合物から選択される。最も好ましくは、金属酸化物はシリカである。
【0105】
金属酸化物塩は、好ましくはアルキル金属酸化物塩である。
【0106】
本発明の好ましい態様に従って、金属酸化物塩は、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸カリウム、ジルコン酸ナトリウム、ジルコン酸カリウム、及びそれらの混合物から選択される。最も好ましくは、金属酸化物塩は珪酸塩である。
【0107】
更に、本発明の好ましい態様に従って、陽イオン性添加剤(即ち、第一の及び/又は第二の陽イオン性添加剤)は、陽イオン性界面活性剤、陽イオン性ポリマー、及びそれらの混合物から選択される。最も好ましくは、第一の陽イオン性添加剤は陽イオン性界面活性剤であり、及び第二の陽イオン性添加剤は陽イオン性ポリマーである。
【0108】
第一の陽イオン性添加剤は、好ましくは陽イオン性界面活性剤である。
【0109】
好ましくは、陽イオン性界面活性剤は、モノアルキル四級アンモニウム塩、ジアルキル四級アンモニウム塩、及びそれらの混合物から選択される。
【0110】
好ましくは、モノアルキル四級アンモニウム塩は、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム(CTAC)、臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム、及びそれらの混合物から選択される。
【0111】
最も好ましくは、モノアルキル四級アンモニウム塩は、塩化セチルトリメチルアンモニウムである。
【0112】
好ましくは、ジアルキル四級アンモニウム化合物は、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムである。
【0113】
使用できる、追加的な陽イオン性界面活性剤が、John A.Wenninger等(編集者)、「国際化粧品原料事典及び便覧(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook(8版、2000年))、2巻、1140−1147頁、コスメティック、トイレタリー アンド フラグランス アソシエーション(Published by The cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association)発行、に記載されており、その全体を、引用により本明細書に援用する。
【0114】
水不溶性の粒子状物体に対する第一の陽イオン性添加剤の重量比は、好ましくは1:1000−1:10の範囲、より好ましくは1:200−1:50、最も好ましくは約1:100である。
【0115】
第二の陽イオン性添加剤は、陽イオン性ポリマー、陽イオン性界面活性剤、又はそれらの混合物であってよい。陽イオン性界面活性剤は、上述したとおりであってよい。
【0116】
本発明の好ましい態様に従って、第二の陽イオン性添加剤は陽イオン性ポリマーである。
【0117】
第一の被覆された粒子状物体に対する第二の陽イオン性添加剤の重量比は、好ましくは1:1000−1:10の範囲、より好ましくは1:200−1:50、最も好ましくは約1:100である。
【0118】
更に処理された被覆された粒子状物体(例えば、第二の被覆された粒子状物体)に対する第二の陽イオン性添加剤の重量比は、好ましくは1:1000−1:10の範囲、より好ましくは1:200−1:50、最も好ましくは約1:100である。
【0119】
(第一の陽イオン性添加剤、又は第二の陽イオン性添加剤の)陽イオン性ポリマーは、好ましくは、ポリ(エチレンイミン)(PEI)、ポリ(塩化ジメチルジアリルアンモニウム)(PDAC)、ポリ(塩化アクリルアミド−コ−ジアリル−ジメチルアンモニウム)(ポリクオタニウム−7)、ポリ(アリルアミン塩酸塩)(PAH)、キトサン、ポリリシン、及びそれらの混合物から選択される。
【0120】
本発明のもう一つの好ましい態様に従って、第二の陽イオン性添加剤は、コロイド状アルミナ、コロイド状セリア(CeO)、コロイド状アルミナ被覆シリカ(例えば、Ludox CL、シグマ−アルドリッチ)、及びそれらの混合物から選択される。
【0121】
第二の陽イオン性添加剤は、上述した様な、正の電荷を纏ったコロイド状金属酸化物(例えば、コロイド状アルミナ、コロイド状セリア(CeO)、コロイド状アルミナ被覆シリカ、又はそれらの混合物)であってよい。
【0122】
更に本発明の好ましい態様に従って、本方法は、得られた被覆された粒子状物体を乾燥することを更に含む。
【0123】
更に本発明の好ましい態様に従って、乾燥は、スプレー乾燥、凍結乾燥、オーブン乾燥、真空乾燥、及び流動床から選択される方法による。
【0124】
また、本発明の好ましい態様に従って、本方法は、被覆された粒子状物体の表面を化学的に変性することを更に含む。
【0125】
表面の化学的変性は、好ましくは、有機基、好ましくは疎水性基で金属酸化物表面を変性することを含む。
【0126】
方法は、好ましくは、金属酸化物層の表面に疎水性基を取り付けることを含む。
【0127】
疎水性基は、例えば、アルキルシラン、ジアルキルシラン、トリアルキルシラン(この様なアルキル基は、一以上のフッ素原子で更に置換されていてよい)、アリールシラン(ベンジルシラン、又はフェニルシラン等)、ジアリールシラン、又はトリアリールシランであってよい。
【0128】
更にまた、本発明の好ましい態様に従って、化学的表面変性は、金属酸化物層の表面上のシラノール基を、クロロトリメチルシラン等のモノハロトリアルキルシラン、ジクロロジメチルシラン等のジハロジアルキルシラン、トリクロロメチルシラン等のトリハロアルキルシラン、メトキシトリメチルシラン等のモノアルコキシトリアルキルシラン、ジメトキシジメチルシラン等のジアルコキシジアルキルシラン、トリメトキシメチルシラン等のトリアルコキシアルキルシラン、フェニルトリクロロシラン等のアリールトリハロシラン、ジフェニルジクロロシラン等のジアリールジハロシラン、トリフェニルクロロシラン等のトリアリールハロシラン、フェニルトリメトキシシラン等のアリールトリアルコキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等のジアリールジアルコキシシラン、トリフェニルメトキシシラン等のトリアリールアルコキシシラン、及びそれらの混合物から選択される前駆体と反応させることを含む。
【0129】
アルキル基は、好ましくは1−18の炭素原子、より好ましくは1−6の炭素原子を包含する。最も好ましくは、アルキルはメチルである。アルキル基は、1以上のフッ素原子によって置換されていてもよい。アルコキシ基は、好ましくは1−6の炭素原子、より好ましくは1−2の炭素原子を包含する。
【0130】
ハロ基は、例えば、クロロ、ブロモ、ヨード、フルオロであってよい。最も好ましくは、ハロ基はクロロ及びブロモである。
【0131】
アリールは、好ましくはフェニル又はベンジルである。
【0132】
前駆体は、金属酸化物層の表面上のシラノール基と反応して、シロキサン結合を形成する。
【0133】
金属酸化物層の表面への疎水性基の取り付けは、乾燥した、被覆された粒子状物体を上記の前駆体と反応させることにより行うことができる。疎水性基を金属に取り付ける処置は、以下のとおりに行うことができる:被覆された粒子状物体の乾燥粉体を、トルエン等の有機溶媒中に懸濁させる。ジメチルジクロロシラン等の、上記のリストに挙げた前駆体(疎水化試薬)を、随意に、トリアルキルアミン、又はトリエタノールアミン等のハロゲンスカベンジャーの存在下、有機相(混合物)に添加する。有機混合物を少なくとも24時間還流することにより、金属酸化物層の表面上のシラノール基に取り付けられた疎水性基を介して、金属酸化物層が疎水性基で覆われる。
【0134】
好ましくは、粒子状物体上述した農薬であり、金属酸化物はシリカであり、及び、金属酸化物表面は上記の前駆体、好ましくはジアルキルジハロシラン、最も好ましくはジメチルジクロロシランを用いて変性される。
【0135】
最も好ましくは、殺虫剤(ネオニコチノイド殺虫剤)はイミダクロプリド、又はチアメトキサムである。
【0136】
更に、本発明の好ましい態様に従って、得られた金属酸化物被覆層の幅(厚さ)は、0.3μm以上、好ましくは0.3−10μmである。
【0137】
金属酸化物層の幅は、例えば、透過型電子顕微鏡、又は共焦点顕微鏡によって、粒子の円形の断面領域において、最も小さい幅が少なくとも0.3μm(幅は、粒子の表面(即ち、金属酸化物表面)からコア−金属酸化物界面までの最小距離として決定される)であるとして、決定してよい。
【0138】
上述のとおり、段階(d)を、一回以上追加して繰り返してよい。
【0139】
斯くして、例えば、本方法における段階(d)を一回追加して繰り返す場合には、本方法は、好ましくは:
(a)固体の、水不溶性の粒子状物体を、水性媒体中で第一の陽イオン性添加剤と接触させて、正のゼータ電位を持つ前記粒子状物体の分散物を得ること;
(b)前記固体の、水不溶性の粒子状物体の表面上に、金属酸化物塩を析出させることにより金属酸化物層を形成させて、前記粒子状物体を被覆すること;
(c)前記被覆層を熟成させて、第一の被覆された粒子状物体を得ること;
(d)前記第一の被覆された粒子状物体を、水性媒体中で第二の陽イオン性添加剤と接触させて、正のゼータ電位を持つ前記第一の被覆された粒子状物体の分散物を得ること;
(e)前記粒子状物体の表面上に、金属酸化物塩を析出させることにより金属酸化物層を形成させて、前記第一の被覆された粒子状物体を被覆すること;
(f)前記被覆層を熟成させて、第二の被覆された粒子状物体を得ること;
(g)前記第二の被覆された粒子状物体の表面上に、金属酸化物塩を析出させることにより金属酸化物層を形成させて、前記固体の、水不溶性の粒子状物体を被覆すること;及び
(h)前記被覆層を熟成させて、第三の被覆された粒子状物体を得ること、
を含む。
【0140】
好ましい態様に従って、本発明の方法は:
(a)固体の、水不溶性の粒子状物体を、水性媒体中で第一の陽イオン性添加剤と接触させて、正のゼータ電位を持つ前記粒子状物体の分散物を得ること;
(b)前記前記固体の、水不溶性の粒子状物体の表面上に、金属酸化物塩を析出させることにより金属酸化物層を形成させて、前記粒子状物体を被覆すること;及び、前記被覆は、好ましくは、金属酸化物塩を添加して、pH7−11の値に到達させること;及び、酸性化してpH値を1−3として、前記被覆を一回追加して繰り返すこと;
(c)前記被覆された粒子状物体を、分散させている水性媒体から分離し、得られた、被覆された活性成分を、水性媒体中で洗浄し、その媒体中に再分散させること;
(d)前記被覆層を熟成させて、第一の被覆された粒子状物体を得ること;
(e)前記第一の被覆された粒子状物体を、水性媒体中で第二の陽イオン性添加剤と接触させて、正のゼータ電位を持つ前記第一の被覆された粒子状物体の分散物を得て、及び、前記分散物を、段階(b)−(d)を介して更に処理して、更に処理された、被覆された粒子状物体を得ること、
を含む。
【0141】
段階(b)−(d)の処理は、好ましくは一又は二回追加して、より好ましくは二回追加して(即ち、段階(b)−(d)の処理は、合計三回行われる)、更に行われる。
【0142】
より好ましくは、段階(b)は、金属酸化物塩を添加してpH8−10の値に到達させること、及び、酸性化させてpH値を1−3とし、前記被覆を一回追加して繰り返すことを含む。
【0143】
酸性化合物等のある種の活性薬剤に関しては、金属塩を添加してpH7−8の値に到達させること、及び酸性化してpH値を1−3とし、前記被覆を一回追加して繰り返すことが好ましいであろう。
【0144】
段階(b)は、(a)で得られた分散物のpHを、被覆前に5.5−8の値に調節することを更に含んでよい。
【0145】
本発明は、また、本発明に記載された方法によって得られた被覆された粒子状物体に関する。
【0146】
本発明の好ましい態様に従って、粒子(被覆された粒子状物体)の直径は、0.5−100μmである。粒子の直径は、より好ましくは1−50μmの範囲であり、最も好ましくは5−30μmの範囲である。
【0147】
前記粒子は、化粧品又は医療用途において有用であってよい。
【0148】
前記粒子は、農業又は高分子工業においても、用いられてよい。
【0149】
前記粒子は、活性成分を、一時的に又は永久に、周辺環境から隔離すべき任意の用途において、有用であろう。
【0150】
本発明の粒子は、金属酸化物層及びコア物質(即ち、水不溶性粒子状物体)の、はっきり識別できる領域から成っていることが解る。粒子は、好ましくは、例えば、水不溶性粒子状物体の粒子分散物(0.1μmより小さいナノメーター範囲の)として、又は水不溶性粒子状物体の分子状分散物として、コア物質が金属酸化物を実質的に含まないこと、及び更に、金属酸化物層がコア物質を実質的に含まないことを特徴とする。斯くして、本発明の好ましい態様に従って、金属酸化物層はコア物質(分子又はナノメートル粒子として)を実質的に含まない。この状況において、用語「実質的に含まない」は、コア物質分子の濃度、又はコア物質ナノメートル粒子の濃度が、金属酸化物と比べて無視できることを意味する。同様に、「コア物質が金属酸化物を実質的に含まない」は、コア中の金属酸化物の濃度が、コア物質と比べて無視できることを意味する。
【0151】
本発明は、更に、担体;及び、各粒子が金属酸化物層で被覆された固体の、水不溶性の皮膚科的に活性な薬剤を含む複数の粒子、を含む局所性投与用の医薬品、化粧品、又は薬用化粧品組成物に関する。
【0152】
担体は、化粧品として、又は医薬品として受容できる担体であってよい。被覆された、皮膚科的に活性な薬剤は、好ましくは担体中に分散される。
【0153】
被覆された、皮膚科的に活性な薬剤は、担体又は希釈剤中に、容易に分散又は懸濁されてよい。
【0154】
任意の適切なミキサーでの、又は担体との単純な混合は、有効な分散を達成するために十分である。必要に応じて、担体中への被覆粒子の混合を早く、及び有効に実施するため、高剪断力をかけてよい。
【0155】
粒子は、好ましくは、担体中に分散されたとき浸出せず、最も好ましくは、水系担体中で浸出しない。
【0156】
用語「浸出しない」は、室温(20℃)で、1時間の、又は定常状態濃度が達成されるまでの穏やかな撹拌下、粒子状物体(活性薬剤)の、粒子から水系担体への浸出が、1%w/w未満(この値は、水系担体中の活性薬剤の濃度を指す)、好ましくは0.5%w/w未満、最も好ましくは0.1%w/w未満であることを意味する。最も好ましくは、水系担体中への浸出は、水を指す。
【0157】
本発明の金属酸化物被覆は、固体の、水不溶性粒子状物体を周囲の媒体から隔離することができて、しかも、処置すべき表面に適用されたときにその粒子状物体を放出できるので、極めて有利である。
【0158】
好ましくは、皮膚科的に活性な薬剤は、抗真菌剤、抗菌剤、抗炎症剤、抗掻痒剤、抗乾癬剤、抗アクネ剤、及びそれらの混合物から選択される。
【0159】
好ましくは、抗アクネ剤は、過酸化ベンゾイル、レチノイド、及びそれらの混合物から選択される。
【0160】
好ましくは、レチノイドはレチノイン酸又はアダパレンである。
【0161】
最も好ましくは、抗アクネ剤は過酸化ベンゾイルである。
【0162】
過酸化ベンゾイル(BPO)は、金属酸化物で被覆するのに特に好ましい化合物である。BPO被覆の目的は、以下の利点の少なくとも一つを提供することである:a)BPO結晶の皮膚刺激を低減すること、b)局所的処方においてBPOに起因する副作用を顕著に低減させること、c)界面活性剤を介在させずに、水溶液中のBPO結晶の分散性を上げること、d)BPO結晶と皮膚の直接接触を防ぐこと、e)磨砕後のBPOの、追加的な結晶成長過程を防ぐこと、f)BPOの安定性を上げること、g)剤形における他の成分との良好な相溶性を持たせること、及び、h)皮膚上への、BPOの息の長い放出機構を作り出すこと。
【0163】
本発明の好ましい態様に従って、金属酸化物は、シリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニア、ZnO、及びそれらの混合物から選択される。最も好ましくは、金属酸化物はシリカである。
【0164】
また、本発明の好ましい態様に従って、被覆された粒子状物体の粒子の表面積は、20−400m/g、好ましくは50−250m/g、最も好ましくは80−180m/gである。
【0165】
更に、本発明の好ましい態様に従って、固体の、水不溶性の粒子状物体に対する金属酸化物の重量比は、3:97から50:50の範囲である。固体の、水不溶性の粒子状物体に対する金属酸化物層の重量比は、5:95から50:50、10:90から50:50、5:95から30:70、又は10:90から30:70の範囲であってもよい。
【0166】
更にまた、本発明の好ましい態様に従って、固体の、水不溶性の粒子状物体に対する金属酸化物の重量比は、10:90から20:80の範囲である。
【0167】
更に、本発明の好ましい態様に従って、粒子(被覆された粒子状物体)の直径は、0.5−100μmである。
【0168】
また、本発明の好ましい態様に従って、金属酸化物層の厚さは0.3−10μmの範囲である。
【0169】
本発明は、また:
−複数の粒子であって、各粒子は金属酸化物層で被覆された固体の、水不溶性の皮膚科的に活性な薬剤を含む;及び
−担体;
を含み、
前記組成物は、基準組成物と比較して、低減された副作用、及び少なくとも本質的に同じ治療効果を持ち;前記組成物と基準組成物の間の違いは、後者においては活性薬剤が被覆されていないことにある、局所性投与組成物に関する。
【0170】
組成物中の、被覆された、固体の、水不溶性の皮膚科的に活性な薬剤の濃度は、基準組成物における皮膚科的に活性な薬剤の濃度と同じでも異なってもよい。
【0171】
本明細書において用いられたとき、用語「治療効果」は、一以上の皮膚の状態の処置、防止又は管理における治療の利益を提供することを意味する。斯くして、用語「治療効果」は、本明細書において広い意味に用いられ、予防効果も含む。
【0172】
用語「治療効果」は、皮膚の炎症過程、乾癬、掻痒等の、患者の表面体の疾病又は疾患に関連する拮抗又は抑制活性も意味し、これから、症状の主観的な軽減、又は臨床家若しくは他の資格のある観察者が注目したとき客観的に識別可能な改善を提供する。
【0173】
組成物中の活性薬剤の量は、所望の治療効果を提供するために治療的に有効な量、即ち、望ましくない副作用(例えば、毒性、炎症又はアレルギー反応)を伴わずに、意図した目的を達成するために有効な量でなければならない。
【0174】
本発明の好ましい態様に従って、担体は化粧品の、又は薬物の担体である。
【0175】
担体は、軟膏、クリーム、ローション、オイル、乳剤、ゲル、ペースト、ミルク、エアロゾル、粉体、発泡体、又は洗剤の形状でよい。最も好ましくは、担体はゲル又はクリームの形状であり、より好ましくは水中油クリームの形状である。最も好ましくは、分散相(即ち、担体)は水を基礎にし、分散媒として水を含む。
【0176】
また、本発明の好ましい態様に従って、組成物は、アクネ、感染症、炎症、掻痒、乾癬、脂漏症、接触性皮膚炎、酒さ、及びこれらの組合せから選択される疾病又は健康状態の処置用である。
【0177】
更に、本発明の好ましい態様に従って、皮膚科の薬剤は、抗真菌剤、抗菌剤、抗炎症剤、抗掻痒剤、抗乾癬剤、及び抗アクネ剤から選択される。
【0178】
抗真菌剤、抗菌剤、抗炎症剤、抗掻痒剤、抗乾癬剤、及び抗アクネ剤は、本発明において上記したとおりであってよい。
【0179】
最も好ましくは、皮膚科の活性薬剤は抗アクネ剤である。
【0180】
更に、本発明の好ましい態様に従って、抗アクネ剤は、過酸化ベンゾイル、レチノイド、及びそれらの混合物から選択される。
【0181】
最も好ましくは、抗アクネ剤は過酸化ベンゾイルである。
【0182】
本発明の好ましい態様に従って、抗アクネ剤は過酸化ベンゾイルであり、副作用は、炎症、紅斑、チクチクする痛み、落屑、乾燥、及びこれらの任意の組合せから選択される。
【0183】
本発明の好ましい態様に従って、皮膚科の薬剤は過酸化ベンゾイルであり、副作用は、擬態、紅斑、落屑、乾燥、及びチクチクする痛みである。
【0184】
また、本発明のより好ましい態様に従って、皮膚科の薬剤は、プロピオニバクテリウムアクネス(P.Acnes)のコロニーの低減が明らかな治療効果を生み出す抗アクネ剤である。
【0185】
更に、本発明の好ましい態様に従って、治療効果は、治療された対象の少なくとも90%において、P.Acnesのコロニーの低減が対数尺度で少なくとも0.5である。
【0186】
更に、本発明の好ましい態様に従って、治療効果は、治療された対象の少なくとも60%において、P.Acnesのコロニーの低減が対数尺度で少なくとも1である。より好ましくは、治療効果は、治療された対象の少なくとも80%において、P.Acnesのコロニーの低減が対数尺度で少なくとも1である。
【0187】
好ましくは、P.Acnesのコロニーの低減は、処置の2週間以内に起きる。
【0188】
好ましくは、P.Acnesのコロニーの低減は、処置の4週間以内に起きる。
【0189】
最も好ましくは、抗アクネ剤は過酸化ベンゾイルである。
【0190】
更に、本発明の好ましい態様に従って、抗アクネ剤は過酸化ベンゾイルであり、治療効果は上記のとおりであり、副作用は炎症、紅斑、落屑、乾燥、及びチクチクする痛みである。
【0191】
本発明の好ましい態様に従って、金属酸化物は、シリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニア、ZnO、及びそれらの混合物から選択される。
【0192】
また、本発明の好ましい態様に従って、固体の、水不溶性の皮膚科の活性薬剤に対する金属酸化物の重量比は、3:97から50:50の範囲である。固体の、水不溶性の粒子状物体に対する金属酸化物層の重量比は、5:95から50:50、10:90から50:50、5:95から30:70、10:90から30:70の範囲であってもよい。
【0193】
更に、本発明の好ましい態様に従って、固体の、水不溶性の粒子状物体に対する金属酸化物の重量比は、10:90から20:80の範囲である。
【0194】
更に、本発明の好ましい態様に従って、粒子の直径は0.5−100μmである。粒子の直径は、好ましくは0.8−100μm、より好ましくは1−50μm、最も好ましくは5−30μmである。
【0195】
また、本発明の好ましい態様に従って、金属酸化物層の厚さは、0.3−10μmの範囲である。より好ましくは0.3−3μm、更により好ましくは0.3−1μmである。金属酸化物層の厚さは、0.5から3μmの範囲、最も好ましくは0.5から2μmであってもよい。
【0196】
本発明の好ましい態様に従って、担体は、軟膏、クリーム、ローション、オイル、乳剤、ゲル、ペースト、ミルク、エアロゾル、粉体、発泡体、又は洗浄剤の形態である。
【0197】
本発明は、また、本発明に記載された組成物を、表面上に局所的に投与することを含む、対象の表面状態の処置方法に関する。
【0198】
本発明は、更に、本発明に記載された方法により得られた被覆された粒子状物体を含む組成物を、表面上に局所的に投与することを含む、対象における表面状態の処置方法に関する。
【0199】
好ましくは、対象は哺乳動物であり、最も好ましくは哺乳動物はヒトである。
【0200】
用語「処置すること」又は「処置」は、本明細書で用いられたとき、皮膚又は粘膜等の患者の体表面に関連する状態(疾病又は疾患)の任意の処置を包含し、及び、疾病又は疾患を抑制すること(即ち、その進展を阻むこと)、疾病又は疾患を和らげること(即ち、疾病又は疾患の退行をもたらすこと)、又は、疾病に起因する状態(即ち、疾病の症状)を和らげることを包含する。具体的な疾病又は疾患の処置に用いることができる皮膚科の薬剤の濃度は、メルクインデックス:化学薬品、医薬品及び生物製剤の百科事典(The Merck index:an encyclopedia of chemical、drugs、and biologicals)/The Merck index an encyclopedia of chemical、drugs、and biologicals.Rahway、NJ;Merck&Co;1989)に記載されており、その全体を、引用により援用する。
【0201】
個々の必要性は変化するであろうが、組成物の有効量に関する最適範囲の決定は、当業者が為し得る範囲内である。一般的に、薬物組成物の有効量を提供するために必要な投薬量は、当業者が調節できるが、年齢、健康状態、物理的条件、体重、受け手の疾病又は疾患の型と程度、処置の頻度、併用療法(もしあれば)の本質、及び望まれる効果あるいは複数の効果の本質と範囲に依存して変化するであろう。
【0202】
本発明の好ましい態様に従って、対象体の表面は、皮膚又は粘膜である。
【0203】
本発明の好ましい態様に従って、局所適用(投与)に引き続いて、金属酸化物層は粒子状物体を放出する。
【0204】
好ましくは、被覆された粒子状物体は、表面積が20−400m/g、好ましくは50−250m/g、最も好ましくは80−180m/gであることを特徴とする。
【0205】
水不溶性粒子状物体は、好ましくは、本発明において上述した皮膚科の活性薬剤、より好ましくは抗アクネ剤、最も好ましくは水不溶性の粒子状物質は過酸化ベンゾイルである。
【0206】
もう一つの好ましい態様に従って、固体の、水不溶性粒子状物体はレチノイドである。
【0207】
理論に束縛されることなく、過酸化ベンゾイルは、皮膚上で利用できる脂質による抽出によって、金属酸化物被覆層を通して粒子から放出されると想定される。皮膚への適用の際に、皮膚の脂質が金属酸化物層を通って拡散し、コア中に存在する過酸化ベンゾイルを抽出すると想定される。他の皮膚科の薬剤は、粒子から、同じ様にして放出されるであろう。
【0208】
本発明は、また、皮膚又は粘膜上への局所性投与用の薬の調製のための、金属酸化物層によって被覆された粒子状物体であって、固体の、水不溶性の、局所的に皮膚科的に活性な薬剤である粒子状物体の使用に関する。
【0209】
本発明は、更に、皮膚又は粘膜上への局所性投与用の薬の調製のための、本発明に記載された方法に係る被覆された粒子状物体であって、局所的に皮膚科的に活性な薬剤である粒子状物体の使用に関する。
【0210】
局所性投与は、好ましくは、アクネ、乾癬、脂漏症、酒さ接触性皮膚炎、感染症、炎症、掻痒、及びこれらの任意の組合せから選択される疾病又は疾患の処置のためである。
【0211】
本発明は、更に、金属酸化物層によって被覆された、固体の、水不溶性の粒子状物体である農薬を含む害虫駆除組成物に関する。
【0212】
更に、本発明は、本発明に記載された方法によって得られた被覆された粒子状物体であって、農薬である粒子状物体を含む害虫駆除用組成物に関する。
【0213】
農薬を金属酸化物層で被覆することは、極めて有利である。農薬の金属酸化物被覆に対する動機は、被覆されていない製品と比べて、殆ど全ての範疇において、毒性を低減させることである。被覆は、残留制御を延ばす(作用期間を長くする)、植物毒性を減らす、及び蒸発を遅くする等の他の特性に対しても使用できる。何年にもわたり、当局は、深刻な環境汚染を理由として、農薬の使用を制限してきた。田畑で使用される農薬の量を減らすやり方の一つは、それをカプセル化(被覆)して、地面へのその放出を制御することである。その場合には、同じ生物有効性で、しかし環境危険が低減されて、より長期間、より少量の農薬が使用されるであろう。農薬のシリカ被覆の付加価値は、環境についてシリカが持っている完璧な許容性である。何故なら、大半の土壌は大量のシリカを含有するからである。
【0214】
本組成物は、植物及び土壌の処置用に用いられてよい。
【0215】
本発明の好ましい態様に従って、組成物は、作物保護用に用いられる。
【0216】
農薬は、例えば、除草剤、殺虫剤、防黴剤、及びそれらの混合物であってよい。
【0217】
除草剤は、チオカルバメート除草剤、ハロアセトアニリド除草剤、ニトロアニリン除草剤、及びそれらの混合物から選択されてよい。
【0218】
殺虫剤は、例えば、有機燐殺虫剤、カルバメート殺虫剤、ピレスロイド殺虫剤、ネオニコチノイド殺虫剤、及びそれらの混合物であってよい。
【0219】
農薬は、例えば、ブチレート、シクロエート、モリネート、又はバーノレート等のチオカルバメート除草剤;アセトクロール、メトラクロール、アラクロール、ブタクロール又はプロパクロール等のハロアセトアニリド除草剤;トリフルラリン等のニトロアニリン除草剤;パラチオン、マラチオン、又はホノホス等の有機燐殺虫剤;ビフェントリン、ペルメトリン、ラムダ−シハロトリン、デルタメトリン、トラロメトリン、シペルメトリン、又はテフルトリン等のピレスロイド殺虫剤;アルジカルブ等のカルバメート殺虫剤;イミダクロプリド又はチアメトキサム等のネオニコチノイド殺虫剤、及びアゾキシストロビン、クレソキシム−メチル、エポキシコナゾール、キャプタン、フォルペット、マンコゼブ、カルベンダジム、クロロタロニル、フェンプロピジン、又はテブコナゾール等の防黴剤であってよい。
【0220】
より好ましくは、農薬は、イミダクロプリド、チアメトキサム、ビフェントリン、アルジカルブ、及びこれらの任意の組合せから選択される殺虫剤である。
【0221】
更に、本発明の好ましい態様に従って、金属酸化物は、シリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニア、ZnO、及びそれらの混合物から選択される。
【0222】
更に、本発明の好ましい態様に従って、固体の、水不溶性の粒子状物体に対する金属酸化物の重量比は、3:97から50:50の範囲である。
【0223】
また、本発明の好ましい態様に従って、固体の、水不溶性の粒子状物体に対する金属酸化物の重量比は、10:90から20:80の範囲である。
【0224】
更に、本発明の好ましい態様に従って、粒子の直径は0.5−100μmである。
【0225】
更に、本発明の好ましい態様に従って、金属酸化物層の厚さは0.3−10μmの範囲である。
【0226】
本発明のもう一つの好ましい態様に従って、組成物は、金属酸化物層の表面に取り付けられた有機基、好ましくは疎水性基を更に含む。
【0227】
好ましくは、疎水性基は、アルキルシラン、ジアルキルシラン、トリアルキルシラン、(このようなアルキル基は、一以上のフッ素原子で更に置換されていてよい)、アリールシラン(ベンジルシラン、又はフェニルシラン等)、ジアリールシラン、トリアリールシラン、及びそれらの混合物から選択される。
【0228】
アルキル基及びアリール基の定義は、本方法に対して上記したとおりである。
【0229】
金属酸化物層の表面に疎水性基を取り付ける目的は、粒子中への水の浸透速度を制御(即ち妨害)して、結果的に、粒子からの農薬の放出を制御することである。疎水性基で金属酸化物層の表面を変性することは、農薬に対する需要に合致するようなやり方で、及び所望の速度で、粒子からの農薬の放出を制御可能にする。
【0230】
好ましくは、殺虫剤はイミダクロプリドである。より好ましくは、殺虫剤はイミダクロプリドであり、アルキルシラン又はジアルキルシランはメチルシラン又はジメチルシランである。
【0231】
特定の用途に使用できる農薬の量は、各国の農業省が発行するガイドライン中に見出すことができる。
【0232】
好ましくは、上記の害虫駆除用組成物は、更に担体を含んでよく、この場合、被覆された水不溶性の粒子状物体は、担体中に分散されている。
【0233】
斯くして、本発明の金属酸化物被覆農薬は、そのままで、又は、所望なら、固体、半固体若しくは液体分散性の担体ビヒクル及び/又は他の既知の相溶性のある、他の農薬若しくは肥料、成長調整剤等の活性薬剤との混合物の形状で、又は、溶液、乳剤、懸濁物、粉体、ペースト、発泡体、錠剤、ポリマーシート、エアロゾル等の、それから作られた、特定用途の特別な投薬量の製剤、及び、そのように、即使用できる形状で、用いることが可能である。
【0234】
金属酸化物層で被覆された農薬である、固体の、水不溶性の粒子状物体から成る粒子は、本方法に関連して上記本発明に記載された、追加の特性によって特徴付けられるであろう。
【実施例】
【0235】
以下の実施例において、溶液についての全ての%値は、(w/w)単位である。分散物についての全ての%値は、(w/w)単位である。以下の実施例において用いられている全ての溶液は、表示された成分の水溶液を指す。
【0236】
実施例1:BPO結晶の被覆手順(二回三重)
A.粉砕段階
米国薬局方品位(ファルケミア、イタリー)の、75%のBPO(過酸化ベンゾイル)ウエットケーキ(BPO75%及び水25%)3000gを秤量した。0.25%のCTAC(塩化セチルトリメチルアンモニウム)溶液8250gを、インラインの高剪断力システム(IKA LABOR PILOT)に添加した。インラインシステムを13700rpmで作動させながら、CTAC溶液を、機械的に撹拌した(900rpm)。BPOウエットケーキを、ゆっくりとコンテナに添加した。粉砕工程は、BPO結晶サイズがd0.9<40mm(Malvern Mastersizer 2000)で停止させた。分散物の重量は11300gで、正の表面電荷(ξ電位+114.9mV)を持つ固形分が20.5%であった。
【0237】
B.第一の被覆段階
粉砕後の分散物を、機械的撹拌機で撹拌しながら、18Lのコンテナ中に移した。分散物のpHを、5MのNaOH溶液で7.5に調節した。4%の珪酸ナトリウム溶液をゆっくり添加し、pH=10.00とした。次いで、1MのHCl溶液を添加して、pH2に下げた。4%珪酸ナトリウム溶液を添加してpH=10とし、引き続き、1MのHClで酸性化してpH=2として、第二の被覆段階を起こさせた。分散物のpHを、5MのNaOH溶液を用いて8.58に調節した。被覆後のξ電位(ゼータ電位)は(−37.0)mV、固形分含量は16.67%で、このBPO分析(HPLCによる)は16.00%であった。
【0238】
C.熟成段階
シリカ被覆BPO分散物を室温で45時間撹拌したままにして、熟成させた。24時間後に、5MのNaOH溶液でpHを8.0に調節した。
【0239】
D.洗浄段階
ブフナー漏斗で濾過して、分離と洗浄を行った。ケーキを、RO(逆浸透)水で5回洗浄した。総合的なウエットケーキ重量は4200gであった。ケーキを1800gのRO水中に分散させて、6000gのシリカ被覆分散物を得た。
【0240】
E.ポリカチオンの添加
分散物のpHを、9gの5MのNaOHを用いて8.35に調節した。激しく撹拌しながら、BPO分散物に4000gの0.5%ポリクオタニウム−7(ポリ(塩化アクリルアミド−コ−ジアリル−ジメチルアンモニウム))を添加した。ξ電位は+24.7mVで、BPO分析は21.39%であった。
【0241】
F.第二被覆
分散物に、4%珪酸ナトリウム溶液をゆっくり添加して、pH=10とした。1MのHCl溶液を添加して、pH=2とした。4%珪酸ナトリウム溶液の第二の部分を添加して、pH=10とした。1MのHClを添加して、pH=2とした。分散物のpHを、5MのNaOH溶液を用いて、8.5に調節した。第二被覆後のξ電位は、(−20.7)mVであった。
【0242】
G.熟成
シリカ被覆BPO分散物を、撹拌下、室温で44時間熟成させた。24時間後、5MのNaOH溶液で、pHを8.4に再調節した。熟成後、pHは7.2、ξ電位は(−24.2)mVであった。
【0243】
H.洗浄
洗浄は、パラグラフdと同じやり方で行った。
【0244】
I.反対電荷ポリマーの添加
分散物のpHを、10.9gの5MのNaOHを用いて8.33に調節した。激しく撹拌しながら、被覆されたBPO分散物に、最終濃度が0.3%となるまでポリクオタニウム−7(ポリ(塩化アクリルアミド−コ−ジアリル−ジメチルアンモニウム))溶液を添加した。ξ電位は+22.9mV、BPO分析は13.00%であった。
【0245】
J.第三被覆
分散物に、4%珪酸ナトリウム溶液をゆっくり添加し、pH=10とした。1MのHCl溶液を添加してpH=2とした。4%珪酸ナトリウム溶液の第二の部分を添加してpH=10とした。1MのHClを添加してpH=2とした。5MのNaOHを添加して、pHを8.60に調節した。第二被覆後のξ電位は(−25.7)mVであった。
【0246】
K.洗浄
洗浄は、パラグラフdと同じやり方で行った。
【0247】
L.最終製品
RO水を用いてウエットケーキを分散させて、BPO分析で18.98%の被覆されたBPOの分散物を得た。
【0248】
実施例2:ポリカチオンを伴わないBPO被覆
A.粉砕段階
米国薬局方品位のBPOウエットケーキ(BPO75%及び水25%、アルドリッチ、米国)を、0.3%CTAC(塩化セチルトリメチルアンモニウム)溶液に添加した。BPO/CTAC分散物を、BPOの粒子サイズがd0.9<40μmとなるまで、すり砕いた。ξ電位は+122.0mVであった。
【0249】
B.第一被覆段階
分散物のpHを、5MのNaOH溶液を用いて、7.2に調節した。このBPO分散物に、4%珪酸ナトリウム溶液をゆっくり添加して、pH=10とした。1MのHCl溶液を添加して、分散物のpHを2.12に下げた。4%珪酸ナトリウム溶液を添加してpH=l0として、続いて1MのHClで酸性化して、pH2として、第二の被覆段階を行った。この分散物のpHを、5MのNaOH溶液を用いて8.15に調節した。被覆後のξ電位は(−41.6)mVであった。
【0250】
C.熟成段階及び洗浄段階
シリカ被覆BPO分散物を室温で48時間撹拌したままにして、熟成させた。24時間後に、5MのNaOH溶液でpHを8.84に調節した。固体の分離と洗浄段階は、ブフナー漏斗を用いた濾過により行った。ウエットケーキは、RO水で5回洗浄した。
【0251】
D.第二被覆
水洗後、分散物のpHを8.00に調節した。この分散物に4%珪酸ナトリウム溶液をゆっくり添加して、pH=10とした。1MのHCl溶液を添加してpH=2とした。4%珪酸ナトリウム溶液の第二の部分を添加してpH=10とした。1MのHClを添加してpH=2とした。5MのNaOH溶液を添加してpHを8.16に調節した。第二の被覆後のξ電位は−30.3mVであった。
【0252】
E.熟成及び洗浄
シリカ被覆BPO分散物を室温で48時間撹拌したままにして、熟成させた。24時間後に、5MのNaOH溶液でpHを8.15に調節した。洗浄は、パラグラフCにおけるのと同じやり方で、濾過により行った。
【0253】
F.第三被覆
分散物に4%珪酸ナトリウム溶液をゆっくり添加し、pH=10とした。1MのHCl溶液を添加してpH=2とした。4%珪酸ナトリウム溶液の第二の部分を添加してpH=10とした。1MのHClを添加してpH=2とした。5MのNaOHを用いてpHを8.03に調節した。
【0254】
G.熟成及び洗浄
24時間ごとにpHを8に補正しながら、72時間熟成した。分散物を濾過によって分離し、RO水で3回洗浄した。
【0255】
H.最終製品
RO水を用いて、被覆されたBPOウェットケーキを分散させた。ξ電位は−14.6mVであった。
【0256】
実施例3:ベンジル被覆(二重被覆)
A.粉砕段階
20gのベンジル(アルドリッチ、米国)を、180gの0.2%CTAC溶液中に懸濁させ、固形分10%の分散物を得た。この分散物を、先ず、高剪断力ホモジナイザーで、3000rpmで5分間混合した。分散物を、M−110Y Microfluidizer Processor(Microfluidics)中を、15,000psiで一回通して粉砕した。粉砕後のベンジル粒子サイズはd(0.9)=21.83mmであった。ξ電位は+119.7mVであった。
【0257】
B.被覆段階
分散物のpHを、7.9に調節した。4%珪酸ナトリウム溶液を添加してpH=10とした。1MのHCl溶液を添加してpH=2とした。4%珪酸ナトリウム溶液を再度添加してpH=9.88とした。1MのHClを添加してpH=2とした。分散物のpHを、1MのNaOH溶液を用いて、7.96に調節した。
【0258】
C.熟成段階
分散物を、機械的撹拌機で72時間撹拌した。24時間ごとに、分散物のpHを8.0に調節した。
【0259】
D.分離と洗浄
分離工程は遠心分離(Survall RC 5c plus)で行った。分散物を遠心分離管に移し、3000rpmで6分間分離した。ウエットケーキを三重蒸留水(TDW)で洗浄し、次いで、遠心(3000rpm、6分間)で再度分離した。ウエットケーキをTDW中に分散させた。
【0260】
E.ポリクオタニウム−6の添加
ベンジル分散物に、140gの0.1%ポリクオタニウム−6溶液を添加した。分散物を、被覆の前に、30分間撹拌し続けた。
【0261】
F.第二被覆
分散物のpHを7.50に調節した。4%珪酸ナトリウム溶液を添加してpH=10とした。1MのHCl溶液を添加してpH=2とした。撹拌された分散物に4%珪酸ナトリウム溶液を再度添加してpH=10とした。1MのHClを添加してpH=2とした。1MのNaOH溶液を用いて、分散物のpHを8.11に調節した。
【0262】
G.最終製品
24時間後にpHを8に補正しながら40時間熟成した後、分散物を3000rpmで6分間遠心分離した。ウエットケーキをTDW中に分散させた。
【0263】
実施例4:4,4’−ジブロモベンジル被覆(三重被覆)
A.粉砕
10gの4,4’−ジブロモベンジル(アルドリッチ、米国)を、90gの0.2%CTAC中に懸濁させた。分散物を、先ず、分散凝集体PT−DA 6045/6と共に高剪断力ホモジナイザー(Polytron PT 6100 Kinematica)で、3000rpmで5分間混合した。分散物を、次いで、M−110Y Microfluidizer Processor(Microfluidics)中で、一回、15,000psiで粉砕した。
【0264】
B.第一被覆
1MのNaOHを用いて、pHを7.85に調節した。分散物を機械的撹拌機で撹拌し、4%珪酸ナトリウム溶液を添加してpH=10とした。1MのHCl溶液を滴下してpH=2とした。分散物に、4%珪酸ナトリウム溶液を再度添加してpH=10とした。1MのHClを添加してpH=2とした。分散物のpHを、1MのNaOH溶液を用いて、8.02に調節した。
【0265】
C.熟成及び洗浄
分散物を24時間撹拌し、次いで、3000rpmで6分間遠心して、分離した。ウエットケーキをTDWで洗浄し、3000rpmで8分間遠心して、再度分離した。ウエットケーキをTDW中に懸濁した。
【0266】
D.ポリクオタニウム−1の添加
150gの0.05%ポリクオタニウム−1の溶液を調整し、ブロモベンジル分散物に添加した。被覆前に、分散物を30分間撹拌し続けた。
【0267】
E.第二被覆
4%珪酸ナトリウム溶液を添加してpH=10とし、1MのHCl溶液を添加してpH=2とした。4%珪酸ナトリウム溶液を再度添加してpH=10とした。1MのHCl溶液を添加してpH=2とした。熟成段階に先立って、1MのNaOHを用い、分散物のpHを8.14に調節した。
【0268】
F.熟成及び洗浄
連続的に撹拌しながら、分散物を24時間熟成させた。次いで、分散物を、3000rpmで8分間遠心して、分離した。ウエットケーキをTDW中に分散させ、3000rpmで8分間遠心して、再度分離した。ウエットケーキを、TDW中に再分散させた。
【0269】
G.ポリクオタニウム−1の添加
233.5gの0.05%ポリクオタニウム−1溶液を調整し、分散物に添加した。被覆前に、分散物を30分間撹拌し続けた。
【0270】
H.第三被覆
4%珪酸ナトリウム溶液を添加してpH=10とし、1MのHCl溶液を添加してpH=2とした。4%珪酸ナトリウム溶液を再度添加してpH=10とした。1MのHCl溶液を添加してpH=2とした。熟成段階に先立って、1MのNaOHを用い、分散物のpHを8.14に調節した。
【0271】
I.最終製品
20時間の熟成期間後、分散物を3000rpmで6分間遠心分離した。ウエットケーキをTDW中に再分散させた。
【0272】
実施例5:ビフェントリン被覆(殺虫剤)
A.粉砕
20gのビフェントリン(Shenzhen、中国)を、80gの0.3%CTAC溶液中に分散させた。分散物を、分散凝集体PT−DA 6045/6と共に高剪断力ホモジナイザー(Polytron PT 6100 Kinematica)で、15000rpmで5分間粉砕した。粉砕後の結晶サイズはd(0.9)<5mmであった。
【0273】
B.被覆
1MのNaOHを用いて、分散物のpHを7.14に調節した。分散物に、4%珪酸ナトリウム溶液を添加してpH=10とした。1MのHClを添加してpH=1.8とした。4%珪酸ナトリウムの別の部分を添加してpH=10とした。1MのHClを添加してpH=2.2とした。5MのNaOH溶液を添加してpHを7に補正した。
【0274】
C.熟成
分散物を72時間熟成させた。pHを、24時間後に8.2に、48時間熟成後に7.84に調節し、終点で7.9に補正した。試料を高分解能SEMで分析した。
【0275】
D.洗浄
分散物を、6000rpmで6分間遠心分離し、ウエットケーキをTDWで洗浄した。分散物を、同じ条件でもう一度遠心分離し、ウエットケーキをTDW中に再分散させた。
【0276】
実施例6:金属合金の被覆(青銅顔料)
A.陽イオン性界面活性剤中への分散
25.20gの、金色の青銅フレーク(Wolstenholme International、英国)を、激しく撹拌しながら、225.73gの0.5%塩化ベンザルコニウム溶液中に分散させた。ξ電位を測定したところ、+60.1mVであった。
【0277】
B.第一被覆
分散物に、9.3gの4%珪酸ナトリウム溶液をゆっくり添加してpH=9とした。33.8gの1MのHCl溶液を添加してpH=2.8とした。255.22gの4%珪酸ナトリウムを添加してpH=9とした。1MのHClを添加してpH=1.65とした。1MのNaOH溶液を用いて中和し、pH7.66とした。分散物のξ電位は(−16)mvであった。
【0278】
C.熟成及び洗浄
48時間熟成を行い(24時間後のpH8への補正を含む)、分散物を3000rpmで6分間遠心分離した。フレークをTDWで洗浄し、同じ条件で再度分離した。ケーキをTDW中に懸濁させた。
【0279】
D.PDACの添加
フレークに、450gの0.2%PDAC(ゲナミンPDAC、コグニス製)を添加し、ξ電位を測定したところ、+37.9mVであった。
【0280】
E.第二被覆
分散物に、73.05gの4%珪酸ナトリウム溶液をゆっくり添加してpH=10.00とした。158.8gの1MのHCl溶液を添加してpH=2.12とした。1012.9gの4%珪酸ナトリウムを添加してpH=10.5とした。308.1gの1MのHClを添加してpH=2.02とした。5MのNaOH溶液でpHを8.55に調節した。シリカ被覆後のξ電位は(−23.8)mvであった。
【0281】
F.熟成及び洗浄
分散物を、pH調節無しで、48時間熟成させ、濾過により分離した。ウエットケーキを、RO水で三回洗浄した。ウエットケーキを、水中に再懸濁させた。
【0282】
G.第二のPDAC添加
被覆された青銅フレーク分散物に、1200gの0.2%PDAC(上と同じ種類)溶液を添加した。ξ電位+29.1mVであった。
【0283】
H.第三被覆
分散物のpHを、1MのHCl溶液を用いて、7.70に調節した。295.7gの4%珪酸ナトリウム溶液を添加してpH=10.2とした。416.7gの1MのHCl溶液を添加してpH=1.8とした。1390.6gの4%珪酸ナトリウム溶液を添加してpH=7.80とし、335.5gの1MのHClを添加してpH=2.40とした。5MのNaOH溶液を用いて、pHを7.15に調節した。
【0284】
I.熟成及び洗浄
pH調節無しで72時間の熟成期間後、濾過により分散物を分離し、ウエットケーキをRO水で三回洗浄した。
【0285】
J.最終製品
ウエットケーキを、120℃で三日間、オーブン中で乾燥し、シリカ封入青銅顔料の黄色粉体を得た。
【0286】
実施例7:チアメトキサム(殺虫剤)の被覆
A.粉砕段階
チアメトキサムの、0.3%CTAC溶液中15%分散物を調製した。分散物を、高剪断力ホモジナイザーで、先ず混合し、M−110Y Microfluidizer Processor(Microfluidics)で、15,000psiで18分間粉砕し、粒子サイズ分布をd90<5μmとした。
【0287】
B.被覆段階
被覆工程は、氷浴中、温度<10℃で行った。10%珪酸ナトリウム溶液を添加して、pH=10とした。5MのHCl溶液を添加して、pH=2とした。10%珪酸ナトリウムと1MのHClを用いて、この工程をもう一回繰り返した。5MのNaOH溶液を用いて、分散物のpHを8に調節した。
【0288】
C.熟成段階
チアメトキサム分散物を、48時間熟成し続けた。24時間後に、1MのNaOH溶液を用いて、pHを8に補正した。
【0289】
D.乾燥段階
分散物を、入口温度250℃、出口温度80℃の回転アトマイザーを備えた噴霧乾燥機(Niro MOBILE MINOR)を用いて乾燥した。
【0290】
実施例8:レチノイン酸被覆
A.粉砕段階
20gのレチノイン酸(Shenzhen、中国)を、80gの0.3%CTAC溶液中に懸濁させた。分散物を、最初に、3000rpmで約3分間、高剪断力ホモジナイザーで混合し、次いで、M−110Y Microfluidizer Processor中で、15,000psiで15分間粉砕した。
【0291】
B.第一被覆
分散物のpHを3.5に調節した。4%珪酸ナトリウム溶液を添加してpH=7.00とした。1MのHClを添加してpH=2.0とした。4%珪酸ナトリウム溶液のもう一つの部分を添加して、pH=7.0とした。1MのHCl溶液を添加してpH=2とした。1MのNaOH溶液を用いてpHを6.5に調節した。
【0292】
C.熟成及び洗浄
前の実施例と同じ(熟成48時間と濾過による洗浄)。
【0293】
D.ポリカチオンの添加
シリカ被覆レチノイン酸分散物に、0.5%ポリクオタニウム−10の溶液を添加した。ξ電位は+15.3であった。
【0294】
更なる段階は、実施例1のF−Lで説明したとおりであった。
【0295】
M.乾燥
分散物を、回転アトマイザー(入口温度150℃、出口温度60℃)を備えた噴霧乾燥機(Niro MOBILE MINOR)で乾燥した。
【0296】
実施例9:被覆されたチアメトキサムの表面変性
シリカ被覆チアメトキサム(実施例7に倣って製造された)の乾燥粉体を、オーブン中で、110℃で24時間乾燥させた。乾燥粉体を、無水トルエン中に懸濁させた。分散物を、不活性雰囲気下、穏やかに撹拌し、沸点にもっていった。24時間の還流条件下、沸騰分散物にジメチルジメトキシシランを滴下した。還流後、濾過により粉体を分離し、メタノールで二回、及びヘキサンで一回洗浄した。湿った粉体を、オーブン中で数時間乾燥させた。得られた製品は、極めて疎水性であり、水への浸出は低減されているであろう。
【0297】
実施例10
背景:
プロピオニバクテリウムアクネス(P.acnes)は、正常な皮膚上に見出される、最も普通のグラム陽性の微好気性生物である。P.acnesは、固有の病原性は持たないが、アクネの病原において、主要な役割を演じていると信じられている。過酸化ベンゾイル及び局所的抗菌薬等の、最も近年入手できる局所的抗アクネ製剤は、生体内のP.acnesの抑制を介して、対数尺度で1.0から2.0のコロニーの低減で実証されるような、それらの治療効果を発揮する。
【0298】
研究対象:
検討の目的は、健康なボランティアにおけるP.acnesレベルに対する、二種の抗アクネ製剤の局所的抑制効果を評価し、比較することであった。P.acnesレベルの定量的な微生物学的な決定は、選択された顔のP.acnesのカウント数が高い被験者の、治療前、治療中、及び治療後に行った。試験品の安全性及び許容範囲も、同時に評価した。
【0299】
研究設計:
実施例1に倣った被覆過酸化ベンゾイルの、二種の局所用4.0%水系ゲル製剤(両製剤におけるBPO濃度は4.4%であった)を、P.acnesのコロニーが形成された16人の被験者の研究班において検討する、無作為試験を行った。設計では、顔を分けて、各被験者には、無作為化スケジュールに従って、顔の片側(頬)に各製品を塗布した。下の表に、試験した製剤の各々の成分及び濃度(%w/w)を記す。
【0300】
【表1】

【0301】
オイルが炎症を低減させる効果を持っている可能性があることが既知なので、オイルが炎症を低減する効果を持つているか否かを評価するために、製剤Bにパルミチン酸オクチルを用いた。
【0302】
処置計画:
処置は、連続28日間、毎日2回行った。各試験製品のおよそ0.2mlを、指定された頬の領域に塗布し、約5秒間擦り込んだ。各被験者には、両方の試験品のサンプルを渡して家に持ち帰らせ、また、家でどの様に製品を塗布するか指示シートも渡した。テスト製品のチューブには、右頬用に「R」、左頬用に「L」の印を付けた。
【0303】
炎症の評価と顔用の許容範囲
平日の間、各午前中に試験機関を訪ねるとき、及び専門技術者に試験品を塗布される前に、頬は、紅斑、浮腫、落屑、発疹等を包含する何らかの異常な反応に関して、予備知識のない観察者により臨床的評価を受けた。これらは、もしあれば、以下のように、各評価項目に関して均等目盛(0から3)を用いて、既往歴書式中に記録された:
0=目に見える異常反応無し
1=最低限
2=中程度
3=重度
【0304】
定量的細菌学
ベースライン(0)、並びに2及び4週時点において、試験箇所(各頬)から定量的な細菌学的培養物を得た。P.acnesの全密度を計算し、log10コロニー形成単位/cm(log10 cfu per cm)として報告している。データを解析し、ペアードt検定等の、適切な統計的検定を用いて比較した。
【0305】
結果:
臨床的反応:
臨床的反応は非常に少なかった。皮膚炎症及び紅斑は観察されなかった。一人の被験者(#04)が、7、8及び9日に、両頬のみに軽度のヒリヒリする/チクチクする痛み(ランク1)を、及び、やはり両頬に、8から12日にかけて、その後は収まった僅かな落屑(ランク1)を報告した。この様な反応は一過性及び散発性で、製品を塗布し続けたにも拘らず持続しなかった。これらの反応は、両方の試験品に対して等しく生じた。この被験者は、両頬に「乾燥」も指摘した。研究経過の間、被験者#04は、定期的に日焼けサロンに通ったことも報告し、これは落屑に寄与した可能性がある。もう一人の被験者(#07)では、連続する5日間のみ、両頬に僅かな(ランク1)落屑が生じた。
【0306】
効能:
P.acnesのカウント数の、ベースラインと比較した正味の低減(単位:log10/cm)を、各処置に関して表2に示す。2週において、logで表した平均の低減は、「A」に関して2.16、「B」に関して2.4であった。4週において、logで表した平均の低減は、「A」に関して2.64、「B」に関して2.94であった。様々な程度のP.acnesの抑制を達成した被験者の数を表3に纏めた。2週において、≧1.0のlog低減を達成した被験者の数は、「A」で16人中14人、「B」で16人中13人であった。4週までに、様々な程度の抑制を示した被験者の比率は両製品に関して同程度で、「A」で被験者の87%において>1.0のlog抑制を生じさせ、「B」で被験者の殆ど94%において>1.0のlog抑制を生じさせた。この様に、試験品は両者とも、2週及び4週の両方で、P.acnesの極めて有意な統計的低減(ペアードt検定、P<0.001)を生じさせた。
【0307】
結論と考察:
両製剤(A及びB)は、迅速な、及び極めて顕著なP.acnesの低減を生じさせた。低減の大きさは、5−10%の非被覆過酸化ベンゾイルの製剤のそれに匹敵する。これら5−10%の非被覆BPO製剤は、使用者の25%までに中程度から激しい炎症を、及び使用者の50%までに中程度の炎症を引き起こすことが知られている。これらの製剤の許容性はすばらしく、一人の被験者だけが、両頬の乾燥/落屑と共に、ヒリヒリする、及びチクチクする痛みの症状を訴えた。全ての他の被験者は炎症の兆候を示さず、また、知覚神経の不都合な症状が無かった。更に、製剤Bに関して得られた結果は、副作用の低減が、製剤中に在るオイル(パルミチン酸オクチル)に由来するのではなく、BPOを金属酸化物層で被覆したことに由来していることを示している。
【0308】
【表2】

【0309】
【表3】

【0310】
実施例11:塩化パラジウムの被覆
PdClは、多数の有機反応に対する、無機の、非常に用途の広い触媒である。この触媒は、殆ど、均一系触媒として用いられる(触媒が有機媒体に混和性である)。非混和性の粉体をシリカで被覆することは、不均一系触媒を生み出す可能性がある。この触媒は反応混合物から容易に分離することができ、それ故、水性媒体中の反応を触媒するために用いられる可能性がある。
【0311】
A.粉砕段階
PdCl粉体を0.5%CTAC(ポリクオタニウム−1)溶液中に懸濁させた。分散物を、先ず、分散凝集体PT−DA 6045/6と共に高剪断力ホモジナイザー(Polytron PT 6100、Kinematica)で、3000rpmで約3分間混合した。次いで、分散物を、M−110Y Microfluidizer Processor(Microfluidics)中で、15,000psiで15分間粉砕した。粉砕後のPdCl粉体のζ電位は、>0であった。
【0312】
B.第一被覆
初期pHを7に調節した。4%珪酸ナトリウム溶液を添加してpH=10とし、引き続き1MのHClを添加して分散物を酸性化してpH=2とした。4%珪酸ナトリウム溶液と1MのHClを用いて、もう一回、第一の段階を繰り返した。次いで、pHを8に調節して熟成させた。
【0313】
C.熟成及び洗浄
前の実施例と同じ(pH8への補正を伴う48時間の熟成と濾過による洗浄)。
【0314】
D.第二のポリカチオンの添加
もう一つのPDAC(ポリクオタニウム−6)の0.5%溶液を、シリカ被覆塩化パラジウム分散物に添加した。最終のPDAC濃度を0.2%に調節した。ξ電位は>0であった。
【0315】
E.第二被覆
パラグラフBのとおりに行った。
【0316】
F.熟成及び洗浄
パラグラフCのとおりに行った。最終製品は、ウエットケーキをTDWで懸濁させて、分散物として得た。
【0317】
G.乾燥
分散物を、回転アトマイザー(入口温度250℃、出口温度80℃)を備えた噴霧乾燥機(Niro MOBILE MINOR)により乾燥させた。
【0318】
実施例12:ベンジル結晶のアルミナ被覆
溶液をpH約6の等電点に酸性化して、アルミン酸ナトリウムを高分子化して水酸化アルミニウムとした。
【0319】
A.粉砕段階
ベンジル結晶を、高剪断力ホモジナイザーでの第一の混合により、0.3%CTAC溶液中で粉砕し、次いで、分散物を、高圧ホモジナイザー(Microfluidizer)中で粉砕した。
【0320】
B.第一被覆
pHを4に調節した。5%アルミン酸ナトリウム溶液の一部を添加してpH=10とし、引き続き、1MのHCl溶液で酸性化してpH=6として、Al(OH)及びAl(OH)種を形成させた。アルミン酸ナトリウムを用い、及びHClで酸性化して、第一の段階を繰り返した。1MのNaOH溶液でpHを8に調節した。
【0321】
C.熟成及び洗浄
pH=8に保ったまま、分散物を48時間熟成させた。分散物を、濾過により分離して、ウエットケーキをRO水で洗浄した。ウエットケーキをRO水中に再懸濁させて、固形分20%とした。
【0322】
D.ポリカチオンの添加
分散物のpHを8に調節した。0.6%PDAC溶液を調製し、アルミナ被覆ベンジル分散物に添加して、全体として0.2%PDAC濃度とした。
【0323】
E.第二被覆
段階Bと同じ。
【0324】
F.熟成及び洗浄
段階Cと同じ。
【0325】
G.ポリカチオンの添加
段階Dと同じ。
【0326】
H.第三被覆
段階Bと同じ。
【0327】
I.熟成及び最終製品の調製
段階Cと同じ。
【0328】
J.追加の段階、分散物のスプレー乾燥
分散物を噴霧乾燥機で乾燥させて、アルミナ被覆ベンジル結晶の、細かい黄色の粉体を得た。
【0329】
実施例13:異なる金属酸化物層でベンジル結晶を被覆すること
この場合、機会は多数ある。シリカ/アルミナ/シリカ、アルミナ/アルミナ/シリカ、チタニア/アルミナ/シリカ等の混合層が可能である。以下の実施例は、アルミナとシリカの混合層を説明する。この実施例において、ポリカチオンを用いる必要は無い。pH=4で、アルミナ表面は正の電荷を持ち、シリカを、自発的にアルミナ表面上に堆積させるからである。
【0330】
A.粉砕段階
ベンジル結晶を、高剪断力ホモジナイザーでの第一の混合により、0.3%CTAC懸濁液中で粉砕し、次いで、分散物を、高圧ホモジナイザー(Microfluidizer)中で粉砕した。
【0331】
B.第一被覆
pHを4に調節した。5%アルミン酸ナトリウム溶液の一部を添加してpH=10とし、引き続き、1MのHCl溶液で酸性化してpH=6として、Al(OH)及びAl(OH)種を形成させた。アルミン酸ナトリウムを用い、及びHClで酸性化して、第一の段階を繰り返した。1MのNaOH溶液でpHを8に調節した。
【0332】
C.熟成及び洗浄
pH=8に保ったまま、分散物を48時間熟成させた。分散物を濾過により分離して、ウエットケーキをRO水により洗浄した。ウエットケーキをRO水中に再懸濁させて、固形分を20%とした。
【0333】
D.ポリカチオンの添加
分散物のpHを8に調節した。0.6%PDAC溶液を調製し、アルミナ被覆ベンジル分散物に添加して、全体として0.2%のPDAC濃度とした。
【0334】
E.第二被覆
段階Bと同じ。
【0335】
F.熟成及び洗浄
段階Cと同じ。
【0336】
G.シリカによる第三の被覆
分散物のpHを4に調節し、ξ電位を測定したところ>0であった。4%珪酸ナトリウム溶液を添加してpH=10とし、引き続き、1MのHClにより分散物を酸性化してpH=2とした。4%珪酸ナトリウム溶液と1MのHClを用いて、第一の段階をもう一回繰り返した。次いで、熟成の間、pHを8に調節した。
【0337】
H.熟成と最終製品の調製
段階Cと同じ。
【0338】
実施例14:アゼライン酸の単被覆
A.粉砕段階
50gのアゼライン酸を、200gの0.3%CTAC溶液中に懸濁させた。懸濁物を、先ず、高剪断力ホモジナイザー(Polytron 6100、Kinematica、3000rpm、3分間)中で粉砕し、次いで、Microfluidizerにより15分間粉砕した。懸濁物のξ電位は>0であった。
【0339】
B.被覆段階
分散物を、機械的撹拌機で急速に撹拌した。分散物に、15%珪酸ナトリウム溶液を添加してpH=7とし、引き続き、5NのHCl溶液を添加して酸性化して、pH=2とした。同じ珪酸ナトリウム溶液とHCl溶液を用いて、この段階をもう一回繰り返した。5NのNaOH溶液を用いて、分散物のpHを7.0に調節した。
【0340】
C.熟成段階
pH範囲を7.0に保ち、穏やかに撹拌しながら、分散物を48時間熟成させた。
【0341】
D.分離と最終製品の調製
濾過により分散物を分離した。ウエットケーキを、RO水で数回洗浄した。ウエットケーキを、RO水中に再懸濁させて、固形分20%の分散物を得た。
分散物を噴霧乾燥機で乾燥して、乾燥粉体を得ることができた。
【0342】
実施例15:試料のBET測定
1.コア−シェル粒子粉体(試料A)の調製
100gのシリカ封入パラフィンオイル(米国特許第6,303,149号に倣って製造された)を、オーブン中、60℃で乾燥させた。乾燥粉体をヘキサン中に懸濁させてコアからオイルを抽出し、引き続き、濾過し、カプセルをヘキサン中に再度懸濁させた。コア物質の抽出と洗浄を4サイクル行った後、残留シリカを、オーブン中、60℃で2日間乾燥させた。
【0343】
2.シリカ被覆ブロモベンジル粉体(試料B)の調製
100gのシリカ被覆ブロモベンジル分散物(実施例#4に倣って)をブフナー漏斗で濾過した。ウエットケーキを、オーブン中60℃で2日間乾燥させた。
【0344】
3.BET測定
測定に先立って、高真空下、60℃で30分間、両方の粉体からガスを抜いた。BET測定は、SA3100装置(Coulter)中で行った。表面積は、多点吸着等温線を用いて計算した。結果を、m/gの単位で下に示す:
試料A:2.771
試料B:91.725
【0345】
本発明を、その好ましい態様を参照して示し、また説明してきたが、当業者には、本発明の精神及び範囲から逸脱せずに、それに対して多くの代替、修正及び変形が可能であることが理解されるであろう。従って、精神及び添付した特許請求の範囲の広い範囲に入る、全てのこの様な代替、修正及び変形を包含することが意図されている。
【0346】
本明細書中に挙げられた全ての刊行物、特許及び特許出願の全体を、あたかも、各個別の刊行物、特許及び特許出願を、具体的に、また個々に、引用により本明細書に援用すると記載しているのと同程度に、引用により、本明細書に援用する。
【図面の簡単な説明】
【0347】
【図1】実施例1に従う、シリカで被覆(a)前、及び(b)後の、過酸化ベンゾイルの原子間力顕微鏡写真である。
【図2】実施例5に従う、シリカで被覆(a及びc)前、並びに(b及びd)後の、ビフェントリンの高分解能走査型電子顕微鏡写真である。
【図3】実施例4に従う、シリカで被覆(a)前、及び(b)後の、ブロモベンジルの透過型電子顕微鏡写真である。
【図1a】

【図1b】

【図2a】

【図2b】

【図2c】

【図2d】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)固体の、水不溶性の粒子状物体を、水性媒体中で陽イオン性添加剤と接触させて、正のゼータ電位を持つ前記粒子状物体の分散物を得ること;
(b)前記固体の、水不溶性の粒子状物体の表面上に、金属酸化物塩を析出させることにより金属酸化物層を形成させて、前記粒子状物体を被覆すること;及び
(c)前記被覆層を熟成させること、
を含む、固体の、水不溶性の粒子状物体を金属酸化物で被覆する方法。
【請求項2】
前記被覆された粒子状物体を、一回以上の、金属酸化物塩の析出、及び引き続く熟成処理の段階に晒すことを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(a)固体の、水不溶性の粒子状物体を、水性媒体中で第一の陽イオン性添加剤と接触させて、正のゼータ電位を持つ前記粒子状物体の分散物を得ること;
(b)前記固体の、水不溶性の粒子状物体の表面上に、金属酸化物塩を析出させることにより金属酸化物層を形成させて、前記粒子状物体を被覆すること;
(c)前記被覆層を熟成させて第一の被覆された粒子状物体を得ること;及び
(d)前記第一の被覆された粒子状物体を、水性媒体中で第二の陽イオン性添加剤と接触させて、正のゼータ電位を持つ前記第一の被覆された粒子状物体の分散物を得て、前記分散物を、段階(b)及び(c)を介して更に処理して、更に処理された被覆された粒子状物体を得ること、
を含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
段階(d)を、追加して一回又は二回繰り返す請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第一の陽イオン性添加剤と前記第二の陽イオン性添加剤が同じである請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記第一の陽イオン性添加剤と前記第二の陽イオン性添加剤が異なっている請求項3に記載の方法。
【請求項7】
段階(c)が、熟成の後に、前記被覆された粒子状物体を、分散させている水性媒体から分離し、及び、随意に、得られた被覆された活性成分を水性媒体中で濯ぎ、その媒体中に再分散させることを更に含む請求項1−6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
段階(b)が、前記(a)で得られた分散物を、前記粒子状物体の表面上に金属酸化物塩が析出する様な条件下で金属酸化物塩と接触させ、その上に被覆層を産生させることを含む請求項1−7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
段階(b)が、前記水性媒体に金属酸化物塩を添加してpHを7−11にすること;及び前記水性媒体を酸性化してpHを1−3にすることを含む請求項1−8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
段階(b)が、前記金属酸化物塩を添加する前に、前記(a)で得られた分散物のpHを5.5−8の範囲の値に調節することを含む請求項1−9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
段階(b)を、少なくとも1−3回追加して繰り返す請求項8−10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
段階(b)を、1回追加して繰り返す請求項11に記載の方法。
【請求項13】
段階(c)が、前記pHを6.5−9.5の範囲の値に上げること、及び、このpHにある前記懸濁物を、少なくとも12時間混合することを含む請求項1−12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記段階(a)における正のゼータ電位が+150mV未満である請求項1−13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記段階(d)におけるゼータ電位が+150mV未満である請求項3−12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記粒子状物体が医薬品的に、化粧品的に、又は農芸化学的に活性な成分である請求項1−15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記粒子状物体が皮膚科的に活性な薬剤である請求項1−16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記皮膚科的に活性な薬剤が、抗真菌剤、抗菌剤、抗炎症剤、抗掻痒剤、抗乾癬剤、抗アクネ剤、及び任意のそれらの組合せから選択される請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記抗アクネ剤が過酸化ベンゾイル、レテノイド、及びそれらの混合物である請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記抗アクネ剤が過酸化ベンゾイルである請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記粒子状物体が農薬である請求項1−16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記金属酸化物が、シリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニア、ZnO、及びそれらの混合物から選択される請求項1−21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記金属酸化物塩が、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸カリウム、ジルコン酸ナトリウム、ジルコン酸カリウム、及びそれらの混合物から選択される請求項1−22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記陽イオン性添加剤が、陽イオン性界面活性剤、陽イオン性ポリマー、及びそれらの混合物から選択される請求項1−23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記第一の陽イオン性添加剤が、モノアルキル四級アンモニウム塩、ジアルキル四級アンモニウム塩、及びそれらの混合物から選択される陽イオン性界面活性剤である請求項3に記載の方法。
【請求項26】
前記モノアルキル四級アンモニウム塩が、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム(CTAC)、臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム、及びそれらの混合物から選択される請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記ジアルキル四級アンモニウム塩が塩化ジステアリルジメチルアンモニウムである請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記第二の陽イオン性添加剤が陽イオン性ポリマーである請求項3−6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記陽イオン性ポリマーがポリ(エチレンイミン)、ポリ(塩化ジメチルジアリルアンモニウム)、ポリ(塩化アクリルアミド−コ−ジアリル−ジメチルアンモニウム)、ポリ(アリルアミン塩酸塩)、キトサン、ポリリシン、及びそれらの混合物から選択される請求項24又は28に記載の方法。
【請求項30】
前記第二の陽イオン性添加剤が、コロイド状アルミナ、コロイド状セリア(CeO)、コロイド状アルミナ被覆シリカ、及びそれらの混合物から選択される請求項3−6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記得られた、被覆された粒子状物体を乾燥させることを更に含む請求項1−30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記乾燥が、スプレー乾燥、凍結乾燥、オーブン乾燥、真空乾燥、流動床から選択される方法による請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記被覆された粒子状物体の表面を化学的に変性することを更に含む請求項1−32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記金属酸化物層の表面に疎水性基を取り付けることを含む請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記化学的表面変性が、前記金属酸化物層の表面上のシラノール基を、モノハロトリアルキルシラン、ジハロジアルキルシラン、トリハロアルキルシラン、モノアルコキシトリアルキルシラン、ジアルコキシジアルキルシラン、トリアルコキシアルキルシラン、及びそれらの混合物から選択される前駆体と反応させることを含む請求項33又は34に記載の方法。
【請求項36】
前記被覆された粒子状物体の前記金属酸化物被覆層の厚さが0.3−10μmである請求項1−35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
請求項1−36のいずれか一項に記載の方法により得られた、被覆された粒子状物体。
【請求項38】
担体;及び複数の粒子、前記粒子の各々は、金属酸化物層によって被覆された、固体の、水不溶性の皮膚科的に活性な薬剤を含む、を含む局所性投与用の医薬品、化粧品、又は薬用化粧品組成物。
【請求項39】
前記皮膚科的に活性な薬剤が抗真菌剤、抗菌剤、抗炎症剤、抗掻痒剤、抗乾癬剤、抗アクネ剤、及びそれらの混合物から選択される請求項38に記載の組成物。
【請求項40】
前記抗アクネ剤が過酸化ベンゾイル、レチノイド、及びそれらの混合物から選択される請求項39に記載の組成物。
【請求項41】
前記金属酸化物がシリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニア、ZnO、及びそれらの混合物から選択される請求項38−40のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項42】
前記被覆された粒子状物体の表面積が20−400m/gであることを特徴とする請求項38−41のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項43】
前記固体の、水不溶性の粒子状物体に対する前記金属酸化物の重量比が3:97から50:50の範囲である請求項38−42のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項44】
前記固体の、水不溶性の粒子状物体に対する前記金属酸化物の重量比が約10:90から約20:80の範囲である請求項43に記載の組成物。
【請求項45】
前記被覆された粒子状物体の直径が0.5−100μmである請求項38−44のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項46】
前記金属酸化物層の厚さが0.3−10μmの範囲である請求項38−45のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項47】
複数の粒子、前記粒子の各々は、金属酸化物層によって被覆された、固体の、水不溶性の皮膚科的に活性な薬剤を含む;及び
担体;
を含む局所性投与のための組成物であって、
低減された副作用と、基準組成物と比較して少なくとも本質的に同じ治療効果を持ち;前記組成物と基準組成物との間の違いは、後者においては活性薬剤が被覆されていないことにある、上記組成物。
【請求項48】
前記担体が化粧品又は薬物の担体である請求項47に記載の組成物。
【請求項49】
アクネ、感染症、炎症、掻痒、乾癬、脂漏症、接触性皮膚炎、酒さ、及びこれらの組合せから選択される疾病又は状態の処置用の請求項47又は48に記載の組成物。
【請求項50】
前記皮膚科の活性薬剤が、抗真菌剤、抗菌剤、抗炎症剤、抗掻痒剤、抗乾癬剤、及び抗アクネ剤から選択される請求項47−49のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項51】
前記抗アクネ剤が過酸化ベンゾイル、レチノイド、及びそれらの混合物から選択される請求項50に記載の組成物。
【請求項52】
前記抗アクネ剤が過酸化ベンゾイルであり、及び前記副作用が炎症、紅斑、落屑、乾燥、及びチクチクする痛みである請求項47−51のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項53】
前記皮膚科の薬剤が、プロピオニバクテリウムアクネス(P.Acnes)のコロニーの低減が明らかな治療効果を生み出す抗アクネ剤である請求項47に記載の組成物。
【請求項54】
前記治療効果が、治療された対象の少なくとも90%において、P.Acnesのコロニーの低減が対数尺度で少なくとも0.5である請求項53に記載の組成物。
【請求項55】
前記治療効果が、治療された対象の少なくとも60%において、P.Acnesのコロニーの低減が対数尺度で少なくとも1である請求項53に記載の組成物。
【請求項56】
前記抗アクネ剤が過酸化ベンゾイルである請求項53−55のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項57】
前記副作用が炎症、紅斑、落屑、乾燥、及びチクチクする痛みである請求項56に記載の組成物。
【請求項58】
前記金属酸化物がシリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニア、ZnO、及びそれらの混合物から選択される請求項47−57のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項59】
前記固体の、水不溶性の皮膚科的に活性な薬剤に対する前記金属酸化物の重量比が3:97から50:50の範囲である請求項47−58のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項60】
前記固体の、水不溶性の皮膚科的に活性な薬剤に対する前記金属酸化物の重量比が10:90から20:80の範囲である請求項59に記載の組成物。
【請求項61】
前記粒子の直径が0.5−100μmである請求項47−60のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項62】
前記金属酸化物層の厚さが0.3−10μmである請求項47−61のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項63】
前記担体が軟膏、クリーム、ローション、オイル、乳剤、ゲル、ペースト、ミルク、エアロゾル、粉体、発泡体、又は洗浄剤の形状である請求項38−62のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項64】
請求項38−63のいずれか一項に係る組成物を、表面に、局所的に投与することを含む患者の表面状態の処置方法。
【請求項65】
請求項37に係る被覆された粒子状物体を含む組成物を、表面に、局所的に投与することを含む患者の表面状態の処置方法。
【請求項66】
前記表面が皮膚又は粘膜である請求項64又は65に記載の方法。
【請求項67】
前記表面状態がアクネ、感染症、炎症、掻痒、乾癬、脂漏症、接触性皮膚炎、酒さ、及びこれらの組合せから選択される疾病又は疾患である請求項64又は65のいずれかに記載の方法。
【請求項68】
前記局所的な投与に続いて、前記金属酸化物層が前記粒子状物体を放出する請求項64−67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
前記固体の、水不溶性粒子状物体が過酸化ベンゾイルである請求項64−68のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
前記固体の、水不溶性粒子状物体がレチノイドである請求項64−68のいずれか一項に記載の方法。
【請求項71】
皮膚又は粘膜上への局所性投与用の薬の調製のための、金属酸化物層によって被覆された粒子状物体であって、固体の、水不溶性の、局所的に皮膚科的に活性な薬剤である該粒子状物体の使用。
【請求項72】
皮膚又は粘膜上への局所性投与用の薬の調製のための、局所的に皮膚科的に活性な薬剤である請求項37に係る被覆された粒子状物体の使用。
【請求項73】
前記局所性投与が、アクネ、乾癬、脂漏症、接触性皮膚炎、感染症、酒さ、炎症、及びこれらの組合せから選択される疾病又は疾患の処置のためである請求項72に記載の使用。
【請求項74】
金属酸化物層で被覆された、固体の、水不溶性の粒子状物体である農薬を含む害虫駆除用組成物。
【請求項75】
粒子状物体が農薬である、請求項37に係る被覆された粒子状物体を含む害虫駆除用組成物。
【請求項76】
作物の保護に用いる請求項74又は75に記載の組成物。
【請求項77】
前記農薬が除草剤、殺虫剤、防黴剤、及びそれらの混合物から選択される請求項74−76のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項78】
前記金属酸化物が、シリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニア、ZnO、及びそれらの混合物から選択される請求項74−77のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項79】
前記固体の、水不溶性の粒子状物体に対する前記金属酸化物の重量比が3:97から50:50の範囲である請求項74−78のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項80】
前記固体の、水不溶性の粒子状物体に対する前記金属酸化物の重量比が10:90から約20:80の範囲である請求項79に記載の組成物。
【請求項81】
前記被覆された粒子状物体の直径が約0.5−100μmである請求項74−80のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項82】
前記金属酸化物層の厚さが約0.3−10μmである請求項74−81のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項83】
前記金属酸化物層の表面に取り付けられた疎水性基を更に含む請求項74−82のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項84】
前記疎水性基が、アルキルシラン、アリールシラン、及びそれらの混合物から選択される請求項83に記載の組成物。
【請求項85】
前記殺虫剤がイミダクロプリド、チアメトキサム、及びそれらの混合物である請求項74−84のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項86】
前記殺虫剤がイミダクロプリド又はチアメトキサムであり、及び前記アルキルシランがメチルシランである請求項74−85のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項87】
担体を更に含み、前記被覆された水不溶性の粒子状物体が前記担体中に分散されている請求項74−86のいずれか一項に記載の組成物。

【図3】
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【公表番号】特表2009−503056(P2009−503056A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−524674(P2008−524674)
【出願日】平成18年8月2日(2006.8.2)
【国際出願番号】PCT/IL2006/000892
【国際公開番号】WO2007/015243
【国際公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【出願人】(508036547)ソル − ゲル テクノロジーズ リミテッド (4)
【Fターム(参考)】