説明

溶融スラグの冷却処理装置および方法

【課題】粗骨材などのスラグ製品を得るのに適した厚肉のスラグ凝固体を製造することができる溶融スラグの冷却処理装置を提供する。
【解決手段】対向する外周部分が上向きに回転する回転方向を有する1対の冷却ドラム1を備え、該1対の冷却ドラム1の上方に各々堰2を設け、これら1対の冷却ドラム1の上部外周面間と1対の堰2間にスラグ液溜まり部Aを形成し、各堰2と冷却ドラム1間には、スラグ液溜まり部A内の溶融スラグが押し出される開口3を形成する。スラグ液溜まり部Aでの溶融スラグの滞留時間を長くできるので、溶融スラグの冷却を効果的に促進させることができ、適切に冷却された厚肉のスラグを開口3から押し出すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、双ドラム方式の溶融スラグ冷却処理装置と、この装置を用いた溶融スラグの冷却処理方法およびスラグ製品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄鋼製造プロセスで発生する溶融スラグ(例えば、製鋼スラグ)の多くは、冷却ヤードにおいて放冷した後、散水して冷却される。また、一部では、パン冷却方式と呼ばれる鉄製の容器に流し込んで散水冷却する方法も採られることがある。
一方、高炉スラグやごみ焼却灰溶融スラグなどの溶融スラグを冷却処理するための装置として、双ドラム方式のスラグ冷却処理装置が知られている(例えば、特許文献1など)。このスラグ冷却処理装置は、水平方向で並列し、対向する外周部分が上向きに回転する回転方向を有する1対の冷却ドラムを備えており、この1対の冷却ドラムの上部外周面間に上方から溶融スラグが供給され、スラグ液溜まりが形成される。このスラグ液溜まりから、回転する冷却ドラムの表面に付着することで溶融スラグが持ち出され、この溶融スラグは冷却ドラム面に付着した状態で適度な凝固状態(例えば、半凝固状態または表層のみ凝固した状態)まで冷却された後、所定のドラム回転位置において自重により冷却ドラム面から剥離し、回収手段に回収される。
【0003】
このような冷却処理装置で溶融スラグを冷却処理することにより、(i)従来のような広大な冷却ヤードが必要ない、(ii)厚みの小さいスラグ凝固体が得られるため、所望の粒度の土木材料や粗骨材などへの加工が容易であるとともに、破砕処理して粒状スラグを製造する際の粉や細粒品の発生量が少ないため、製品歩留まりが向上する、(iii)冷却のための散水が不要であるか若しくは散水量が少なくて済むため、水分を含まない若しくは水分量が少ないスラグが得られ、セメント原料などに供する場合に乾燥処理を必要としない、などの利点がある。
【特許文献1】特許第3613106号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような従来の冷却処理装置で溶融スラグ(例えば、高炉スラグ)を冷却した場合、厚さが2〜3mm程度の薄いスラグ凝固体しか得られず、これを粒状に破砕処理しても粗骨材や路盤材などに必要とされる粒度を満足できない。また、薄いスラグ凝固体はガラス質となるために保水性が低くなり、この面からも路盤材などには不向きであると言える。
【0005】
したがって本発明の目的は、このような従来技術の課題を解決し、双ドラム方式の溶融スラグ冷却処理装置であって、粗骨材などのスラグ製品を得るのに適した厚肉のスラグ凝固体を製造することができる溶融スラグの冷却処理装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、そのような冷却処理装置を用いた溶融スラグの冷却処理方法を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、そのような冷却処理方法を用いたスラグ製品の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]水平方向で並列し、対向する外周部分が上向きに回転する回転方向を有する1対の冷却ドラム(1)を備えた溶融スラグの冷却処理装置において、
1対の冷却ドラム(1)の上方に各々堰(2)を設け、これら1対の冷却ドラム(1)の上部外周面間と1対の堰(2)間にスラグ液溜まり部(A)を形成し、各堰(2)と冷却ドラム(1)間には、スラグ液溜まり部(A)内の溶融スラグが押し出される開口(3)を有することを特徴とする溶融スラグの冷却処理装置。
【0007】
[2]上記[1]の冷却処理装置において、堰(2)が、下部外周面が反スラグ液溜まり部(A)方向に回転する回転方向を有する冷却ドラム(2x)からなることを特徴とする溶融スラグの冷却処理装置。
[3]上記[1]または[2]の冷却処理装置において、スラグ液溜まり部(A)内に流体を吹き込むための流体供給手段(5)を有することを特徴とする溶融スラグの冷却処理装置。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかの冷却処理装置において、冷却ドラム(1)から剥離したスラグを冷却するための冷却手段を有することを特徴とする溶融スラグの冷却処理装置。
【0008】
[5]上記[1]〜[4]のいずれかの冷却処理装置を用いた溶融スラグの冷却処理方法であって、開口(3)からスラグが押し出されることを特徴とする溶融スラグの冷却処理方法。
[6]上記[5]の冷却処理方法において、開口(3)から厚さ5mm以上の板状のスラグが押し出されることを特徴とする溶融スラグの冷却処理方法。
[7]上記[5]または[6]の冷却処理方法において、スラグ液溜まり部(A)内の溶融スラグに粉体を添加することを特徴とする溶融スラグの冷却処理方法。
[8]上記[5]〜[7]のいずれかの冷却処理方法において、スラグ液溜まり部(A)内の溶融スラグ中に流体を吹き込むことを特徴とする溶融スラグの冷却処理方法。
【0009】
[9]上記[5]〜[8]のいずれかの冷却処理方法において、下記(i)〜(iii)のうちの少なくとも1つの熱回収を行うことを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の溶融スラグの冷却処理方法。
(i)冷却ドラム(1)および/または堰(2)内を通過する冷媒から熱回収を行う。
(ii)冷却ドラム(1)で冷却されたスラグを、さらに冷媒と接触させ冷却し、該冷媒から熱回収を行う。
(iii)スラグ液溜まり部(A)内の溶融スラグ中に流体を吹き込む場合、吹き込まれた流体を回収し、該流体から熱回収を行う。
【0010】
[10]上記[5]〜[9]のいずれかの冷却処理方法で冷却され、凝固したスラグを破砕処理または/および磨砕処理して粒状のスラグ製品を得ることを特徴とするスラグ製品の製造方法。
[11]上記[10]の製造方法において、粗骨材となるスラグ製品を得ることを特徴とするスラグ製品の製造方法。
なお、本発明において、堰(2)と冷却ドラム(1)間の開口(3)は、堰(2)や冷却ドラム(1)の外面形状などによっては、間欠的に形成される(すなわち、堰(2)と冷却ドラム(1)間が間欠的に開口する)場合があり、この場合には、スラグ液溜まり部(A)内の溶融スラグは開口(3)から不連続状に押し出されることになる。
【発明の効果】
【0011】
本発明による溶融スラグの冷却処理装置および冷却処理方法によれば、冷却ドラム(1)の上部外周面間と1対の堰(2)間に比較的大きなスラグ液溜まり部(A)を形成し、従来装置よりもスラグ液溜まり部(A)での溶融スラグの滞留時間を長くできるので、溶融スラグの冷却を効果的に促進させることができ、適切に冷却されたスラグを開口(3)から押し出すことができる。このため開口(3)の幅(押し出されるスラグの厚さ)を十分大きくすることにより、厚肉のスラグ凝固体を得ることができる。
【0012】
また、堰(2)を、下部外周面が反スラグ液溜まり部(A)方向に回転する回転方向を有する冷却ドラム(2x)で構成することにより、溶融スラグの冷却をより効果的に促進することができ、厚肉のスラグ凝固体をより安定的に得ることができる。
また、本発明によるスラグ製品の製造方法によれば、上記のような冷却処理方法を用いることにより、所望の粒度を有するスラグ製品を低コストに安定して製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の溶融スラグの冷却処理装置および冷却処理方法において、冷却処理の対象となるスラグの種類に制限はなく、例えば、高炉スラグ、製鋼スラグ(例えば、転炉脱炭スラグ、脱燐スラグ、脱珪スラグ、脱硫スラグ、電気炉スラグ、鋳造スラグなど)、溶融還元スラグ(例えば、鉄鉱石、Cr鉱石、Ni鉱石、Mn鉱石などの溶融還元により生じるスラグ)、その他の製錬炉や精錬炉から発生するスラグ、ごみ焼却灰溶融スラグ、廃棄物ガス化溶融スラグなど、種々のスラグを対象とすることができる。
【0014】
図1は、本発明による溶融スラグの冷却処理装置および冷却処理方法の一実施形態を模式的に示す正面図である。
この溶融スラグの冷却処理装置は、水平方向で並列し、対向する外周部分が上向きに回転する回転方向を有する1対の冷却ドラム1a,1bを備えている。この冷却ドラム1a,1bは、駆動装置(図示せず)により上記の回転方向に回転駆動する。なお、冷却ドラム1a,1bは、操業条件に応じて回転数を制御できるようにすることが好ましい。
【0015】
この1対の冷却ドラム1a,1bは、本実施形態では互いの外周面が接しているが、後述する図4や図20の実施形態のように冷却ドラム1a,1b間に他の部材(例えば、スラグ液溜まり部Aにガスなどの流体を供給するための流体供給手段を備えた部材)を介在させ、両冷却ドラム1a,1bの外周面がこの部材に接するような構造としてもよい。
前記冷却ドラム1a,1bの内部には、冷媒を通すための流路を有する内部冷却機構(図示せず)が設けられ、この内部冷却機構に対する冷媒供給部と冷媒排出部がドラム軸の各端部に各々設けられている。なお、冷媒には一般に水(冷却水)が用いられるが、他の流体(液体または気体)を用いてもよい。
【0016】
前記冷却ドラム1a,1bの上方には、堰2を構成する堰体2a,2bが各々設けられ、これら1対の冷却ドラム1a,1bの上部外周面間と1対の堰体2a,2b間にスラグ液溜まり部Aが形成される。また、各堰体2a,2bと冷却ドラム1a,1b間には、スラグ液溜まり部A内の溶融スラグSが押し出される開口3が形成される。
本発明は、厚さ5mm以上、好ましくは20mm以上のスラグ凝固体が得られるようにすることを狙いとしているため、開口3の幅(厚さ)は5mm以上、好ましくは20mm以上とすることが望ましい。また、堰体2a,2bの上下方向位置を調整可能とすることにより、開口3の幅(厚さ)を可変とすることが好ましい。
【0017】
前記堰体2a,2bは、本実施形態では固定式の壁体で構成され、適当な支持部材を介して装置本体(基体)に支持されている。堰体2a,2bの内部には、冷媒を通すための流路を有する内部冷却機構(図示せず)を設けてもよく、その場合には、内部冷却機構に対する冷媒供給部と冷媒排出部が各々設けられる。なお、冷媒には一般に水(冷却水)が用いられるが、他の流体(液体または気体)を用いてもよい。
また、前記冷却ドラム1a,1bおよび堰体2a,2bの幅方向の両端側には、スラグ液溜まり部Aの両端を塞ぐための堰板8が、冷却ドラム1a,1bおよび堰体2a,2bの端面に接するようにして設けられている。この堰板8は、適当な支持部材を介して装置本体(基体)に支持される。
なお、溶融スラグの粘性や供給量・供給形態などからして、溶融スラグが冷却ドラム1a,1b間の幅方向両端から流出するおそれがない場合には、上記堰板8は設けなくてもよい。
【0018】
前記冷却ドラム1a,1bの上方には、前記スラグ液溜まり部Aに溶融スラグSを供給するためのスラグ樋4が配置される。このスラグ樋4には、スラグ鍋などから溶融スラグSが供給される。
各冷却ドラム1a,1bの側方(外側)には、冷却されて冷却ドラム面から剥離したスラグSxを受け取り、搬送するための搬送コンベア6が配置されている。冷却ドラム1a,1bの表面に付着して冷却されるスラグは、冷却ドラム面がドラム下方側に回り込み始める回転位置において自重により冷却ドラム面から剥離するので、本実施形態の搬送コンベア6は、このようして剥離するスラグSxを受けられるような高さ位置に配置されている。なお、冷却ドラム面から剥離したスラグSxを搬送コンベア6にガイドするためのガイド部材を設けてもよい。
【0019】
搬送コンベア6の搬送先には、スラグSxを受け入れ、このスラグSxを冷媒で冷却することにより熱回収を行うためのスラグバケット7が設けられている。
なお、搬送コンベア6を設けることなく、冷却ドラム1a,1bとスラグバケット7間にシュートを設け、冷却ドラム1a,1bから剥離したスラグSxを、このシュートを介してスラグバケット7に装入するようにしてもよい。
また、本実施形態の冷却ドラム1a,1bは表面が平滑な円筒体であるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、溝などの凹凸を有していてもよい。
【0020】
以上のような冷却処理装置を用いた溶融スラグの冷却処理では、対向する外周部分が上向きに回転する冷却ドラム1a,1bの上部に形成されるスラグ液溜まり部Aに上方のスラグ樋4から溶融スラグSが供給される。供給された溶融スラグSは、スラグ液溜まり部A内で適当な時間滞留することで冷却された後、冷却ドラム1a,1bと堰体2a,2bの開口3から冷却されつつ押し出される。押し出された溶融スラグSは冷却ドラム面に付着した状態で適度な凝固状態(例えば、半凝固状態または片面若しくは両面の表層のみが凝固した状態)まで冷却された後、所定のドラム回転位置において自重により冷却ドラム面から自然に剥離し、この剥離したスラグSxはそのまま搬送コンベア6に受け取られ、この搬送コンベア6で搬送されスラグバケット7に装入される。なお、搬送コンベア6の搬送速度は、冷却ドラム1a,1bの周速とほぼ一致している。
なお、スラグSxを搬送コンベア6からスラグバケット7などに払い出す際には、必要に応じて、スラグSxを適当な手段で粗破砕してもよい。
【0021】
以上のような溶融スラグの冷却処理では、溶融スラグSが冷却ドラム1a,1bの上部に形成される大きなスラグ液溜まり部A内で十分な時間滞留することにより冷却が促進され、さらに開口3から押し出される際にも冷却ドラム1a,1bによって冷却されるので、開口3の幅(厚さ)を十分に大きくして厚肉のスラグSxが押し出されるようにしても、溶融スラグSを適切に冷却することができる。このため開口3からは、適切に冷却された厚さ5mm以上の厚肉の板状のスラグSxを押し出すことができる。本発明によれば、厚さが20〜30mm程度の厚肉のスラグ凝固体も容易に製造することができる。
なお、図1の実施形態において、堰体2a,2bが特別な内部冷却機構を有していない場合には、開口3から押し出されるスラグSxは、通常、冷却ドラム1a,1bに接する側の下面と両側端面が凝固し、上面側は溶融または半溶融状態であるが、押し出されるスラグSxがこの程度の凝固状態であれば特に問題はない。
【0022】
スラグバケット7内には冷媒が供給され、スラグSxの冷却が行われる。なお、冷却ドラム1a,1bから剥離したスラグSxの冷却は、他の手段や場所で行ってもよい。冷却されたスラグSxはスラグ製品とするための破砕処理または/および磨砕処理のための工程に送られ、さらに必要に応じて、篩い分けなどによる整粒が施される。
通常、冷却ドラム1a,1bによる冷却が完了した直後のスラグSxは、上記のような適度な凝固状態にあるが、未だ可塑性を有しているので、冷却ドラム面から剥離し、搬送コンベア6に受け取られるスラグSxは板状の連続体である。ただし、スラグSxの厚さや凝固の程度によっては、冷却ドラム面から剥離し、搬送コンベア6に受け取られる間に板状スラグの連続体が千切れることもあるが、特に問題はない。
【0023】
図2は、本発明による溶融スラグの冷却処理装置および方法の他の実施形態を模式的に示す正面図である。
この実施形態では、冷却ドラム1a,1bの上部に設ける1対の堰2を、下部外周面が反スラグ液溜まり部A方向に回転する回転方向を有する冷却ドラム2xa,2xbで構成したものである。
冷却ドラム1a,1bと同様、前記冷却ドラム2xa,2xbの内部には、冷媒を通すための流路を有する内部冷却機構(図示せず)が設けられ、この内部冷却機構に対する冷媒供給部と冷媒排出部がドラム軸の各端部に各々設けられている。なお、冷媒には一般に水(冷却水)が用いられるが、他の流体(液体または気体)を用いてもよい。
図1の実施形態と同様、開口3の幅(厚さ)は5mm以上、好ましくは20mm以上とすることが望ましい。また、冷却ドラム2xa,2xbの上下方向位置を調整可能とすることにより、開口3の幅(厚さ)を可変とすることが好ましい。
【0024】
また、冷却ドラム1a,1bと同様、冷却ドラム2xa,2xbも駆動装置(図示せず)により上記の回転方向に回転駆動する。なお、冷却ドラム1a,1b、冷却ドラム2xa,2xbともに、操業条件に応じて回転数を制御できるようにすることが好ましい。なお、冷却ドラム2xa,2xbは冷却ドラム1a,1bの直上に位置する必要はなく、例えば、後述する図3の実施形態のように水平方向で位置がずれていてもよい。
なお、その他の装置構成と冷却処理形態は、図1の実施形態と同様であるので、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0025】
以上のような冷却処理装置を用いた溶融スラグの冷却処理では、溶融スラグSはスラグ液溜まり部A内で適当な時間滞留することで冷却された後、冷却ドラム1a−冷却ドラム2xa間と、冷却ドラム1b−冷却ドラム2xb間で各々圧延されるようにして開口3から冷却されつつ押し出される。この際に溶融スラグは、(i)冷却ドラム1a,1bと冷却ドラム2xa,2xbで囲まれるスラグ液溜まり部A内において十分な時間滞留することで冷却され、さらに、(ii)開口3の入側部において冷却ドラム1a,1bと冷却ドラム2xa,2xbと比較的長い時間接触した後、開口3内で冷却ドラム1a,1bと冷却ドラム2xa,2xbにより両側から圧延されるようにして冷却される、という冷却作用を受けるため、溶融スラグSの冷却をより効果的に促進することができ、厚肉のスラグ凝固体をより安定的に得ることができる。
【0026】
なお、本実施形態の冷却ドラム1a,1bや冷却ドラム2xa,2xb、図1の実施形態の冷却ドラム1a,1bは、表面が平滑な円筒体であるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、溝などの凹凸を有していてもよい。ドラム面に凹凸があると溶融スラグとの接触面積が増大し、スラグの冷却を促進できる。また、凝固したスラグの破砕・磨砕が容易になる利点もある。さらに、冷媒を通じた熱回収についても、比表面積が大きいので熱交換効率が高くなる。
【0027】
また、ドラム面に形成される環状溝などの凹凸により、冷却ドラム1a,1bと冷却ドラム2xa,2xbのドラム面間で孔型状の開口3が形成され、スラグがその孔型形状で押し出されるようにしてもよい。したがって、冷却ドラム1a,1bと冷却ドラム2xa,2xb間の開口3から押し出されるスラグSxの形状は、板状の他に線状や柱状などであってもよい。また、冷却ドラム1a,1bや冷却ドラム2xa,2xbの外周面の凹凸形状によっては、開口3が間欠的に形成されてスラグSxの押し出しが不連続になされる場合があり、この場合には、開口3からスラグSxが実質的に塊形状で押し出される。
本発明では、開口3から押し出されるスラグSxの厚さとは、図1に示すような冷却ドラム径方向でのスラグの最大厚みtと定義する。そして、押し出されるスラグSxの形状が板状以外の場合にも、上記定義によるスラグSxの厚さが5mm以上、好ましくは20mm以上であることが望ましい。
【0028】
なお、図1、図2の実施形態が有する堰板8は、例えば、図3に示すように一方の冷却ドラム1(冷却ドラム1b)の幅方向両端に形成されたフランジ80により構成してもよい。すなわち、一方の冷却ドラム1(冷却ドラム1b)の幅方向両端に形成されたフランジ80は、他方の冷却ドラム1(冷却ドラム1a)と1対の堰2(この例では冷却ドラム2xa,2xb)の各端面に接することで、スラグ液溜まり部Aの両端を塞ぐ堰板8となる。
本発明において開口3から押し出される厚肉のスラグSxは、通常、片面または両面の表層のみが凝固し、内部は溶融または半溶融状態にある。そして、開口3から押し出された直後における凝固表層部は、冷却ドラムで急冷されたことによりガラス質またはこれに近い組織となるが、その後、内部の未凝固スラグの熱によって復熱することで結晶質に変化する。したがって、本発明によれば、ガラス質の少ない厚肉のスラグ凝固体を得ることができる。
【0029】
図4および図5、図6および図7、図8および図9、図10〜図13、図14および図15に示す各実施形態は、冷却ドラム1a,1bと冷却ドラム2xa,2xb間の開口3からスラグSxが板状以外の形状で押し出されるようにしたものである。具体的には、冷却ドラム1a,1bまたは/および冷却ドラム2xa,2xbの外周面に、下記(イ)または/および(ロ)を形成し、
(イ)ドラム周方向の環状溝
(ロ)ドラム周方向で間隔的に設けられる凹部
冷却ドラム2xa,2xbの外周面を冷却ドラム1a,1bの外周面に当接させることで、上記(イ)または/および(ロ)により孔型状の開口3が形成され、この孔型状の開口3からスラグSxが押し出されるようにしたものである。
【0030】
図4および図5の実施形態において、図4は冷却処理装置の一部を模式的に示す正面図、図5は同じく側面図である。この実施形態では、冷却ドラム2xa,2xbの外周面に複数の環状溝20をドラム長手方向で間隔的に形成し、冷却ドラム2xa,2xbの外周面を冷却ドラム1a,1bの外周面に当接させることで、前記環状溝20により孔型状の開口3が形成されるようにしたものである。
本実施形態では、環状溝20で形成される複数の孔型状の開口3から柱状のスラグSxが押し出される。
なお、冷却ドラム2xa,2xbの外周面ではなく、冷却ドラム1a,1bの外周面に複数の環状溝をドラム長手方向で間隔的に形成し、この環状溝により孔型状の開口3が形成されるようにしてもよい。
【0031】
図6および図7の実施形態において、図6は冷却処理装置の一部を模式的に示す正面図、図7は同じく側面図である。この実施形態では、冷却ドラム1a,1bの外周面と冷却ドラム2xa,2xbの外周面に、それぞれ複数の環状溝10と環状溝21をドラム長手方向で間隔的に形成し、冷却ドラム2xa,2xbの外周面を冷却ドラム1a,1bの外周面に当接させることで、対向する前記環状溝10と環状溝21が合わさって孔型状の開口3が形成されるようにしたものである。なお、スラグ液溜まり部Aの溶融スラグが冷却ドラム1a,1b間から下方に落下しないようにするため、冷却ドラム1aと冷却ドラム1bは、環状溝10と環状溝10間の環状突条(環状溝10が形成されていないドラム部分)がかみ合い、冷却ドラム1a,1b間に隙間を生じないよう、或いは隙間が生じたとしてもなるべく小さくなるようにしている。
本実施形態では、環状溝10と環状溝21が合わさって形成される複数の孔型状の開口3から柱状のスラグSxが押し出される。
【0032】
図8および図9の実施形態において、図8は冷却処理装置の一部を模式的に示す正面図、図9は同じく側面図である。この実施形態では、冷却ドラム2xa,2xbの外周面に複数の環状溝22をドラム長手方向で間隔的に形成するともに、これら環状溝22の底面をドラム周方向で凹凸状(歯車状)に構成し、冷却ドラム2xa,2xbの外周面を冷却ドラム1a,1bの外周面に当接させることで、環状溝22により孔型状の開口3が形成されるようにしたものである。この実施形態では、環状溝22の底面の凹部により開口3が間欠的に大きくなる。
【0033】
本実施形態では、環状溝22で形成される複数の孔型状の開口3からスラグSxが押し出される。このスラグSxは、環状溝22の底面の凹部により開口3が間欠的に大きくなるので、塊状部bが数珠状に連なるような形状で押し出される。このような形状のスラグSxは、冷却ドラム1a,1bから剥離した後、自重によって塊状に分離するか、或いは小さい外力により簡単に塊状に分離する。
なお、図9では、環状溝22の底面に形成される凹凸を省略してあるが、底面の凸部位置を仮想線で示してある。
【0034】
また、図8および図9の実施形態のような環状溝22の代わりに、溝状または穴状の凹部をドラム周方向で間隔的に形成してもよく、この場合には、その凹部により間欠的に開口3が形成され、この開口3から塊状のスラグSxが押し出されることになる。
さらに、冷却ドラム2xa,2xbの外周面ではなく、冷却ドラム1a,1bの外周面に複数の環状溝(或いは上記のようなドラム周方向で間隔的に形成される溝状または穴状の凹部)をドラム長手方向で間隔的に形成し、この環状溝などにより孔型状の開口3が形成されるようにしてもよい。
【0035】
図10〜図13の実施形態において、図10は冷却処理装置の一部を模式的に示す正面図、図11は冷却処理装置を構成する冷却ドラム1a,1bの平面図(冷却ドラム2xa,2xbについては、その一部を仮想線で示してある)、図12は図10中のXII−XII方向からの矢視側面図、図13は図10中のXIII−XIII方向からの矢視側面図である。この実施形態では、冷却ドラム1a,1bの外周面と冷却ドラム2xa,2xbの外周面に、それぞれ複数の環状溝11と環状溝23をドラム長手方向で間隔的に形成するともに、これら環状溝11と環状溝23の底面をドラム周方向で凹凸状(歯車状)に構成し、冷却ドラム2xa,2xbの外周面を冷却ドラム1a,1bの外周面に当接させることで、対向する前記環状溝11と環状溝23が合わさって孔型状の開口3が形成されるようにしたものである。この実施形態では、環状溝11と環状溝23の各底面の凹部どうしが合わさることで、開口3が間欠的に大きくなる。なお、スラグ液溜まり部Aの溶融スラグが冷却ドラム1a,1b間から下方に落下することを抑えるため、図11に示すように、冷却ドラム1aと冷却ドラム1bは、互いの外周面が当接するとともに、一方のドラムの環状溝11が他方のドラムの環状溝11が形成されていない外周面100と対向するような構造になっている。
【0036】
本実施形態では、環状溝11と環状溝23が合わさって形成される複数の孔型状の開口3からスラグSxが押し出される。このスラグSxは、環状溝11と環状溝23の各底面の凹部どうしが合わさることで、開口3が間欠的に大きくなるので、塊状部bが数珠状に連なるような形状で押し出される。このような形状のスラグSxは、冷却ドラム1a,1bから剥離した後、自重によって塊状に分離するか、或いは小さい外力により簡単に塊状に分離する。
なお、図11〜図13では、環状溝11と環状溝23の底面に形成される凹凸を省略してあるが、底面の凸部位置を仮想線で示してある。
また、図10〜図13の実施形態のような環状溝11と環状溝23の代わりに、溝状または穴状の凹部をドラム周方向で間隔的に形成してもよく、この場合には、その凹部により間欠的に開口3が形成され、この開口3から塊状のスラグSxが押し出されることになる。
【0037】
図14および図15の実施形態において、図14は冷却処理装置の一部を模式的に示す正面図、図15は同じく側面図である。この実施形態では、冷却ドラム1a,1bの外周面と冷却ドラム2xa,2xbの外周面にそれぞれ、断面弧状(半球状)の凹部12と凹部24を多数形成し、冷却ドラム2xa,2xbの外周面を冷却ドラム1a,1bの外周面に当接させることで、対向する前記凹部12と凹部24が合わさって間欠的に開口3が形成されるようにしたものである。なお、スラグ液溜まり部Aの溶融スラグが冷却ドラム1a,1b間から下方に落下しないようにするため、冷却ドラム1aと冷却ドラム1bの接触部において凹部12どうしが重ならないようにし、冷却ドラム1a,1b間に隙間を生じないようにしている。
本実施形態では、凹部12と凹部24が合わさって間欠的に形成される複数の開口3を通じて塊状のスラグSxが押し出される。
なお、冷却ドラム1a,1bと冷却ドラム2xa,2xbのうち、いずれか一方のドラムを平滑な円筒体で構成し、他方のドラムの外周面にだけ凹部12,24を形成するようにしてもよい。
【0038】
以上述べた図4〜図15の各実施形態で得られるスラグSxは、(a)開口3から押し出された直後のスラグSxを簡易な破砕手段などによって容易に塊状スラグに加工できる、(b)開口3から押し出された後、自重によって塊状に分離するか、或いは小さい外力により簡単に塊状に分離する、(c)開口3から塊状で押し出される、のいずれかであるため、スラグの塊状化が極めて容易である。このため、冷媒による熱回収においては、スラグの比表面積が大きいので熱交換効率が高くなり、効率的な熱回収を行うことができる。また、後工程でのスラグの破砕・磨砕処理の手間が不要または少なくなる利点もある。
開口3から押し出された直後のスラグSxを塊状スラグに加工する方法としては、クラッシャーなどの破砕装置で破砕してもよいし、剪断装置で剪断してもよい。
【0039】
図22は、冷却ドラム2xa,2xbの内部冷却機構の一実施形態を示している。冷却ドラム2xa,2xbは、その内部に冷媒流路40を有するとともに、ドラム軸200a,200bの軸方向に沿って冷媒通路41a,41bを有している。本実施形態では、冷却ドラム2xa,2xbの内部を単純な中空にしてこの中空部を冷媒流路40とし、この冷媒流路40の両端に前記冷媒通路41a,41bが連通した構造としてある。このような構造としたのは、次のような理由による。スラグの冷却処理装置では、冷媒を通じてスラグ顕熱の回収を行うことが好ましく、その場合のスラグ冷却・熱回収の形態の一つとして、冷媒流路を流れる冷却水の蒸発潜熱によりスラグを冷却し、その蒸気を冷媒流路から回収することが考えられる。ここで、冷却ドラム2xa,2xbは、その下部のみが溶融スラグと接触して常に熱されるので、本実施形態のようにドラム内部を中空にして冷媒流路40を構成した場合、その内部の冷却水は熱されて沸騰し、熱水の対流が生じる。このため、冷媒通路41aから冷媒流路40内に導入された冷却水は、すぐに冷媒通路41bから流出するのではなく、上記のような熱水の対流によって冷媒流路40内に適当に留まって冷媒として機能するとともに、その蒸発潜熱により少ない冷却水量で高い冷却効果が得られる。一方、冷媒流路40内で発生した蒸気は、冷媒流路40を出てから冷媒循環路の途中で容易に分離・回収することができる。
【0040】
次に、以上述べた各実施形態に共通して適用可能な、種々の実施形態について説明する。
冷却ドラム1a,1bを冷却するために、冷却ドラム内にさきに述べたような内部冷却機構を設ける代わりに、或いはそのような内部冷却機構に加えて、冷却ドラム1a,1bの下部外周面に冷却用流体を吹き付けるドラム冷却手段を設けてもよい。この冷却手段は、例えば、冷却ドラム1a,1bの下部外周面に水や空気などの冷却用流体を吹き付けるノズルなどにより構成できる。また、冷却ドラム2xa,2xbについても、冷却ドラム内にさきに述べたような内部冷却機構を設ける代わりに、或いはそのような内部冷却機構に加えて、冷却ドラム2xa,2xbの外周面に冷却用流体を吹き付けるドラム冷却手段を設けてもよい。この冷却手段も、例えば、冷却ドラム2xa,2xbの外周面に水や空気などの冷却用流体を吹き付けるノズルなどにより構成できる。
また、冷却ドラム1a,1bから剥離したスラグSxを、冷却ドラム1a,1bと搬送コンベア6間または搬送コンベア6上で冷却する冷却手段を設けてもよい。この冷却手段は、例えば、スラグSxに水や空気などの冷却用流体を吹き付けるノズルなどにより構成できる。このような冷却手段を有する実施形態は、図21に示してあるので、後に詳述する。
【0041】
本発明では、例えば、(a)スラグ液溜まり部A内の溶融スラグの温度調整、(b)スラグの改質、(c)溶融スラグの顕熱回収、のうちの1つ以上を目的として、流体供給手段からスラグ液溜まりA内にガスなどの流体を供給してもよい。なお、これら(a)〜(c)の目的にかかわりなく、スラグ液溜まり部Aにガスなどの流体を吹き込んでスラグ浴を撹拌すれば、スラグの冷却を促進させることができる。
【0042】
図16は、その場合の冷却処理装置および方法の一実施形態を模式的に示す正面図である。この実施形態では、冷却ドラム1a,1b間に流体吹込手段5を備えた部材9(この部材9は、装置本体に支持される)を介在させ、両冷却ドラム1a,1bの外周面がこの部材9に接するような構造としてある。そして、流体吹込手段5からスラグ液溜まり部A内に流体を吹き込んでいる。
なお、その他の装置構成と冷却処理形態は、図2の実施形態と同様であるので、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
スラグ液溜まり部Aに流体を供給する方法としては、上記実施形態以外に、例えば、堰板8に流体供給手段を設け、この流体供給手段からスラグ液溜まり部A内に流体を供給する方法、スラグ液溜まり部Aの上方から流体吹込手段によりスラグ液溜まり部A中に流体を吹き込む方法、などの方法を採用できる。
【0043】
スラグ液溜まり部A内に供給する流体としては、例えば、空気、酸素富化空気、酸素ガス、窒素ガス、炭酸ガス、水蒸気、天然ガス、都市ガス、プロパンガス、コークス炉ガス、その他のプロセスガスなどが挙げられ、これらの1種以上を用いることができる。
上記(a)の溶融スラグの温度調整では、通常、流体の供給により溶融スラグの温度を低下させる。流体としては、例えば、空気、窒素ガス、水蒸気などを用いることができる。
上記(b)のスラグの改質については、例えば、スラグ中のf-CaO量の低減を目的とする場合には、空気、酸素富化空気、酸素ガスなどの酸素または酸素含有ガスを用いることができる。このようなガスを溶融スラグに供給するとスラグ中のFeOが酸化され、これがf-CaOと結びついて2CaO・Feを形成するので、スラグ中のf-CaO量が低下し、得られたスラグ凝固体を路盤材などに使用した場合の水和膨張が抑制できる。
【0044】
一方、内部気孔の割合が多いスラグを得る場合には、スラグ液溜まり部A内に空気や窒素ガスを供給するととともに、操業条件を調整する(例えば、冷却ドラム1a,1bと冷却ドラム2xa,2xbの回転速度を高める)ことで、溶融スラグSがガスを含んだ状態で開口3から押し出されるようにする。これにより、供給したガスがスラグ中に閉じこめられ、内部気孔の割合が多いスラグ凝固体を得ることができる。このようなスラグは吸水性が高いため、特に路盤材などに適している。
【0045】
上記(c)の溶融スラグの顕熱回収では、後述するように供給された流体を回収し、この流体から熱回収を行う。流体としては、例えば、空気、窒素ガス、水蒸気などを用いることができる。
また、水蒸気(水)と天然ガスやコークス炉ガスなどの炭化水素系成分含有ガスをスラグ液溜まりA内に同時に供給することにより、水蒸気改質反応が生じ、この改質反応の吸熱にスラグの顕熱が供給されるため溶融スラグの冷却を促進できるとともに、反応により生成するガス(水素リッチガス)を可燃性ガスとして回収ないし熱回収することができる。炭化水素系成分含有ガスとして、例えばメタンガスを用いた場合、CH+HO→CO+3Hの反応が生じる。
【0046】
また、本発明では、(a)スラグ液溜まり部Aの溶融スラグの温度調整、(b)スラグの改質、(c)スラグの破砕または磨砕処理で生じたスラグ粉の再利用による製品歩留まり向上、のうちの1つ以上を目的として、スラグ液溜まり部A内の溶融スラグに粉体を添加することができる。この粉体としては、例えば、スラグ粉、珪砂、フライアッシュ(石炭灰)、レンガ屑、酸化鉄粉、ダスト、スラッジ、鉄鉱石粉などが挙げられ、これらの1種以上を用いることができる。
上記(a)の溶融スラグの温度調整では、粉体の供給により溶融スラグの温度を低下させる。
【0047】
上記(b)のスラグの改質では、例えば、珪砂やフライアッシュなどのSiO源、アルミナレンガ屑などのAl源、酸化鉄粉や鉄鉱石粉などの酸化鉄源を溶融スラグに添加することによりスラグ中のf-CaO量が低下し、得られたスラグ凝固体を路盤材などに使用した場合の水和膨張が抑制できる。
上記(c)については、本発明法で冷却されたスラグを破砕処理または/および磨砕処理した際に生じたスラグ粉を添加すれば、製品歩留まりを向上させることができる。
【0048】
本発明を実施するに当たって、溶融スラグの顕熱を効率的に熱回収することは、省エネルギーや排出COの削減の観点から特に好ましい。この溶融スラグの顕熱回収としては、下記(i)〜(iii)のうちの少なくとも1つ、好ましくは2つ以上、特に好ましくは全部の熱回収を行うことが望ましい。
(i)冷却ドラム1a,1bおよび/または堰2(好ましくは冷却ドラム2xa,2xb)内を通過する冷媒から熱回収を行う。
(ii)冷却ドラム1a,1bで冷却したスラグSxを、さらに冷媒(例えば、蒸気、水、空気など)と接触させて冷却し、この冷媒を回収することで熱回収を行う。この方法では、基本的に閉鎖空間でスラグに冷媒を接触させた後、スラグと熱交換した冷媒を回収する。例えば、(a)冷却ドラム1a,1bから剥離したスラグSxを搬送手段で搬送しつつ冷媒と接触させ、この冷媒から熱回収を行う方法、(b)冷却ドラム1a,1bから剥離したスラグSxを冷媒が供給される冷却用容器または冷却装置(すなわち、冷媒とスラグとの熱交換を行う容器または装置)にて冷却し、前記冷媒から熱回収を行う方法、など種々の方法を採ることができる。
(iii)スラグ液溜まり部A内の溶融スラグS中に流体を吹き込む場合、吹き込まれた流体を回収し、この流体から熱回収を行う。
【0049】
前記(i)の形態では、冷却ドラム1a,1bおよび/または堰2(好ましくは冷却ドラム2xa,2xb)の内部冷却機構を通過した冷媒から熱回収を行う。
前記(ii)の(a)の形態では、例えば、図1、図2、図16の実施形態の搬送コンベア6をトンネルで覆い、このトンネル内部に冷媒を流すことでスラグを冷却し、その冷媒から熱回収を行う。
前記(ii)の(b)の形態では、例えば、冷媒が供給される冷却用容器内にスラグを収容して冷却し、前記冷媒から熱回収を行う。冷却用容器としては、例えば、図1、図2、図16の実施形態のスラグバケット7を用いることができ、このような冷却用容器を通過する冷媒から熱回収を行う。また、スクリューフィーダーやロータリーキルンなどの冷却装置にスラグを装入し、それらの内部に空気などの冷媒を供給してスラグを冷却し、その冷媒から熱回収を行うこともできる。
【0050】
前記(iii)の形態では、例えば、冷却ドラム1a,1bの上方に流体回収用のフードなどを設けて、スラグ液溜まり部Aの溶融スラグSを通過した流体を回収し、この流体から熱回収を行う。
前記(i)〜(iii)のいずれの場合も、熱回収設備(図示せず)において冷媒や気体から熱回収を行う。回収された熱は、例えば、原料乾燥用熱源、燃料乾燥用蒸気の熱源など、様々な熱源として利用することができる。
前記(ii)の(b)の形態では、冷却用容器または冷却装置で冷却されるスラグは、顕熱回収の効率の面からは粒径がある程度小さい方が好ましく、この点では、さきに挙げた図4〜図15に示すような実施形態で冷却処理されたものが好ましい。
【0051】
図17は、前記(ii)の(b)の形態に関する冷却処理方法の一実施形態を模式的に示す正面図である(なお、堰板8の図示は省略してある。以下、図18〜図20においても同様)。この実施形態では、図8および図9の実施形態とほぼ同様の冷却処理装置を用い、この装置から塊状のスラグSxまたは簡単に塊状に分離するスラグSxを押し出し、このスラグSxをさらにクラッシャーなどの破砕装置13で破砕処理した後、搬送コンベア6で密閉式の冷却用容器14に装入する。冷却用容器14に装入されるスラグSxの温度は、通常700〜1000℃である。冷却用容器14には冷媒として圧力空気が吹き込まれ、スラグSxを冷却する。スラグSxの顕熱で加熱された空気(熱風)は冷却用容器14外に排出され、適当な熱交換手段で熱回収される。適当な温度まで冷却されたスラグSxは、冷却用容器14内から取り出され、必要な処理工程に送られる。
なお、その他の装置構成と冷却処理形態は、図2、図8,9の実施形態と同様であるので、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0052】
図18は、前記(ii)の(b)の形態に関する冷却処理方法の他の実施形態を模式的に示す正面図である。図17に示すような密閉式の冷却用容器14を用いる場合、スラグと冷媒とを容器内に一定時間保持する必要があり、冷却用容器14が1基だけでは処理効率の面で問題がある。このような問題に対して、図18の実施形態では、複数の冷却用容器14a〜14cを設け、これら冷却用容器14a〜14cを順番に使い回す(スラグ装入→熱回収→スラグ排出)ことで、効率的な処理を行えるようにしたものである。
なお、その他の装置構成と冷却処理形態は、図2および図17の実施形態と同様であるので、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0053】
図19は、前記(ii)の(b)の形態に関する冷却処理方法の他の実施形態を模式的に示す正面図である。この実施形態では、冷却装置であるスクリューフィーダー15でスラグを移送しつつ、その内部に冷媒として圧力空気を供給してスラグを冷却している。圧力空気は、スクリューフィーダー15の出口側から入口側に向けて供給される。スクリューフィーダー15内を流れてスラグを冷却した空気は、機外に取り出され、適当な熱交換手段で熱回収される。
なお、その他の装置構成と冷却処理形態は、図2および図17の実施形態と同様であるので、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
以上述べた図15〜図19の実施形態において、冷却処理装置としては、図1〜図15のいずれの実施形態のものを用いてもよい。
【0054】
図20は、前記(iii)の形態に関する冷却処理方法の一実施形態を模式的に示す正面図である。この実施形態の基本構成は図16と同様であるが、スラグ液溜まり部Aの真上にタンデッシュ16が配置され、このタンデッシュ16からスラグ液溜まり部Aに溶融スラグが供給される。また、スラグ液溜まり部Aの上方の空間はガス回収用のフード17で覆われ、このフード17にガス排出管18が接続されている。スラグ液溜まり部Aから上昇したガスは、フード17とガス排出管18で適当なガス回収系に送られる。
なお、その他の装置構成と冷却処理形態は、図2および図16の実施形態と同様であるので、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
なお、この図20の実施形態は、さきに述べた、水蒸気(水)と天然ガスやコークス炉ガスなどの炭化水素系成分含有ガスをスラグ液溜まりA内に同時に供給する場合に特に適している。
【0055】
溶融スラグを大量処理(例えば、スラグ処理量:1t/min以上)する大型の冷却処理装置に対してスラグ鍋から注湯するような場合、注湯される溶融スラグの荷重によって冷却ドラムが損耗するのを避けるため、冷却ドラムの上方にタンディッシュを設け、スラグ鍋の溶融スラグを一旦タンディッシュに移し、このタンディッシュから冷却ドラム(スラグ液溜まり部A)に注湯を行うことが好ましい。図21は、その一実施形態を示すものであり、30がスラグ鍋、31がタンディッシュであり、溶融スラグSはこのタンディッシュ31から真下のスラグ液溜まり部Aに注湯される。
【0056】
本発明の冷却処理装置では、冷却ドラム1a,1bから剥離したスラグSxは未だ相当の高温であり(スラグSxによっては、内部が未だ溶融または部分溶融状態にある)、このため冷却ドラム1a,1bから剥離したスラグSxは、通常、散水冷却によりさらに冷却される。散水冷却は、シャワー状散水による冷却、スプレー冷却、ミスト冷却のいずれでもよいが、そのなかでもミスト冷却は、(a)スプレー冷却に較べて冷却水量の制御範囲が広く、スラグ量やスラグ温度に応じて、スラグを適切に冷却でき且つ廃水を生じない最適な冷却水量を供給できる、(b)水滴サイズがかなり小さいので、熱伝導率が非常に小さいスラグを短時間で効率的に冷却することができる、(c)微小水滴が加圧空気により加速されて大きな衝突速度でスラグに衝突するため、高い冷却効果が得られる、などの理由から特に好ましい。
【0057】
図21の実施形態では、冷却ドラム1a,1bから剥離したスラグSx(搬送コンベア6で搬送中のスラグSx)、さらにはドラム面上で冷却中のスラグや冷却ドラム2xa,2xbのドラム面に対して、冷媒供給手段32からミスト(水+圧縮空気)などの冷媒cを供給(噴射)し、それらを冷却している。また、この実施形態では、冷却ドラム1a,1bの下面にも、冷媒供給手段32aからミスト(水+圧縮空気)などの冷媒cを供給(噴射)し、ドラム面100を冷却している。冷媒cとしては、ミストの他にスプレー水などを用いることもできる。
【0058】
なお、この冷媒cを回収することにより、スラグ顕熱を回収することも可能であり、その場合には、例えば、冷却処理装置Xと冷媒供給手段32,32aなどの装置出側の設備をカバーで覆い、冷媒cとスラグとの接触により発生した蒸気および加熱された気体を、排気管を通じてカバーから回収し、熱交換器で他の熱媒と熱交換することにより、スラグ顕熱が回収できる。
図21のその他の装置構成と冷却処理形態は、図2の実施形態と同様であるので、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0059】
なお、本発明を実施するに当たり、操業の開始時点ではスラグ液溜まり部Aは形成されていないので、まず溶融スラグSを供給し、スラグ液溜まり部Aを形成する必要がある。そのために、例えば図1〜図3などの実施形態では、下部の冷却ドラム1a,1bと上部の堰2(堰体2a,2bまたは冷却ドラム2xa,2xb等)の間隔(開口3の幅)を狭めた状態または閉じた状態で操業を開始する。その際に、スラグ液溜まりAを生成させやすくするために、冷却ドラム1a,1bの回転数を減じるなどの操作をすることもできる。
所定のスラグ液溜まりAが形成されたところで、前記間隔(開口3の幅)を所定の距離に調整することにより、安定して厚みの厚いスラグSxを得ることができる。
【0060】
これに対して、例えば、図4〜図7のような実施形態では開口3を狭めたり閉じたりすることはできないので、操業初期において冷却処理装置に対する溶融スラグSの供給量を調整する(すなわち、開口3からの押し出し量よりも多い量の溶融スラグSを供給する)ことにより、スラグ液溜まり部Aを迅速に形成させる。
また、スラグ液溜まりAの液面高さ検知手段を設けておけば、溶融スラグ受け入れ量が変化した場合に、スラグ液溜まりAの液面高さを一定に制御できるように冷却ドラム1a,1bの回転数を変更することにより、安定して一定の厚みのスラグSxを得ることができる。
【0061】
本発明のスラグ製品の製造方法では、本発明の冷却処理方法で冷却され、凝固したスラグを破砕処理または/および磨砕処理し、必要に応じて、篩い分けなどにより整粒することにより、粒状のスラグ製品を得ることができる。本発明では粒径5mm以上のスラグ製品が容易に製造することができ、特に、粒径20〜30mm程度のスラグ製品も容易に製造することができる。このスラグ製品の種類に制限はないが、通常は、路盤材、粗骨材、細骨材、海洋土木材料などの土木材料・建築材料となるスラグ製品であり、とりわけ路盤材、粗骨材が好適である。
【0062】
本発明で得られるスラグ製品は、急冷することにより製造されるため粉化が抑制され、このため微粉部分が少なくなり、海洋土木材として利用する際に海水が白濁することがない。また、目的の粒度に近い層状に急冷凝固させるため、破砕工程が簡略化でき、微粒分の少ない粗骨材、細骨材とすることができる。また、緻密質なものとなるため吸水率は低く、アスコン用にも利用できる硬質なものとなる。また、スラグ改質を行うことでフリーCaOが低減できるので、エージングも容易であり、蒸気エージングを適用しなくても、大気エージングで膨張が抑制できるので、路盤材としても利用できる。
【実施例】
【0063】
塩基度(CaO/SiO)が1.25、処理前温度が1380℃の高炉スラグ(溶融スラグ)を図2に示す構造の冷却処理装置を用い冷却処理した。冷却処理装置の仕様および運転条件は以下のとおりである。
・冷却ドラム1a,1b:外径400mm×長さ(ドラム幅方向での長さ)1000mm、水冷式
・冷却ドラム2xa,2xb:外径400mm×長さ(ドラム幅方向での長さ)1000mm、水冷式
・冷却ドラム1a,1b−冷却ドラム2xa,2xb間の隙間(開口3):8mm
・冷却ドラム1a,1bおよび冷却ドラム2xa,2xbの回転速度:4rpm
【0064】
スラグ鍋および樋を用い、高炉スラグ(溶融スラグ)を冷却処理装置のスラグ液溜まり部Aに約0.1t/minの供給量で供給し、冷却処理を行った。冷却ドラム1a,1b−冷却ドラム2xa,2xb間の隙間(開口3)からは、少なくとも表層が凝固した厚さ8mmのスラグSxが押し出され、この押し出された直後のスラグSxの表面温度を放射温度計で測定したところ、約1000℃であった。このスラグSxをさらに冷却することにより、厚さ8mmのスラグ凝固体が得られた。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明による溶融スラグの冷却処理装置および冷却処理方法の一実施形態を模式的に示す正面図
【図2】本発明による溶融スラグの冷却処理装置および冷却処理方法の他の実施形態を模式的に示す正面図
【図3】本発明による溶融スラグの冷却処理装置の他の実施形態を模式的に示す正面図
【図4】本発明による溶融スラグの冷却処理装置の他の実施形態の一部を模式的に示す正面図
【図5】図4に示す実施形態の一部を模式的に示す側面図
【図6】本発明による溶融スラグの冷却処理装置の他の実施形態の一部を模式的に示す正面図
【図7】図6に示す実施形態の一部を模式的に示す側面図
【図8】本発明による溶融スラグの冷却処理装置の他の実施形態の一部を模式的に示す正面図
【図9】図8に示す実施形態の一部を模式的に示す側面図
【図10】本発明による溶融スラグの冷却処理装置の他の実施形態の一部を模式的に示す正面図
【図11】図10に示す実施形態の冷却ドラム1a,1bの平面図
【図12】図10中のXII−XII方向からの矢視側面図
【図13】図10中のXIII−XIII方向からの矢視側面図
【図14】本発明による溶融スラグの冷却処理装置の他の実施形態の一部を模式的に示す正面図
【図15】図14に示す実施形態の一部を模式的に示す側面図
【図16】本発明による溶融スラグの冷却処理装置および冷却処理方法の他の実施形態を模式的に示す正面図
【図17】本発明による溶融スラグの冷却処理方法の他の実施形態を模式的に示す正面図
【図18】本発明による溶融スラグの冷却処理方法の他の実施形態を模式的に示す正面図
【図19】本発明による溶融スラグの冷却処理方法の他の実施形態を模式的に示す正面図
【図20】本発明による溶融スラグの冷却処理方法の他の実施形態を模式的に示す正面図
【図21】本発明による溶融スラグの冷却処理方法の他の実施形態を模式的に示す正面図
【図22】本発明の冷却処理装置を構成する冷却ドラム2xa,2xbの模式断面図
【符号の説明】
【0066】
1a,1b 冷却ドラム
2 堰
2a,2b 堰体
2xa,2xb 冷却ドラム
3 開口
4 スラグ樋
5 流体吹込手段
6 搬送コンベア
7 スラグバケット
8 堰板
9 部材
10,11 環状溝
12 凹部
13 破砕装置
14 冷却用容器
15 スクリューフィーダー
16 タンデッシュ
17 フード
18 ガス排出管
20,21,22,23 環状溝
24 凹部
30 スラグ鍋
31 タンディッシュ
32,32a 冷媒供給手段
40 冷媒流路
41a,41b 冷媒通路
200a,200b ドラム軸
80 フランジ
100 外周面
A スラグ液溜まり部
S 溶融スラグ
Sx スラグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向で並列し、対向する外周部分が上向きに回転する回転方向を有する1対の冷却ドラム(1)を備えた溶融スラグの冷却処理装置において、
1対の冷却ドラム(1)の上方に各々堰(2)を設け、これら1対の冷却ドラム(1)の上部外周面間と1対の堰(2)間にスラグ液溜まり部(A)を形成し、各堰(2)と冷却ドラム(1)間には、スラグ液溜まり部(A)内の溶融スラグが押し出される開口(3)を有することを特徴とする溶融スラグの冷却処理装置。
【請求項2】
堰(2)が、下部外周面が反スラグ液溜まり部(A)方向に回転する回転方向を有する冷却ドラム(2x)からなることを特徴とする請求項1に記載の溶融スラグの冷却処理装置。
【請求項3】
スラグ液溜まり部(A)内に流体を吹き込むための流体供給手段(5)を有することを特徴とする請求項1または2に記載の溶融スラグの冷却処理装置。
【請求項4】
冷却ドラム(1)から剥離したスラグを冷却するための冷却手段を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の溶融スラグの冷却処理装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の冷却処理装置を用いた溶融スラグの冷却処理方法であって、開口(3)からスラグが押し出されることを特徴とする溶融スラグの冷却処理方法。
【請求項6】
開口(3)から厚さ5mm以上の板状のスラグが押し出されることを特徴とする請求項5に記載の溶融スラグの冷却処理方法。
【請求項7】
スラグ液溜まり部(A)内の溶融スラグに粉体を添加することを特徴とする請求項5または6に記載の溶融スラグの冷却処理方法。
【請求項8】
スラグ液溜まり部(A)内の溶融スラグ中に流体を吹き込むことを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の溶融スラグの冷却処理方法。
【請求項9】
下記(i)〜(iii)のうちの少なくとも1つの熱回収を行うことを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の溶融スラグの冷却処理方法。
(i)冷却ドラム(1)および/または堰(2)内を通過する冷媒から熱回収を行う。
(ii)冷却ドラム(1)で冷却されたスラグを、さらに冷媒と接触させ冷却し、該冷媒から熱回収を行う。
(iii)スラグ液溜まり部(A)内の溶融スラグ中に流体を吹き込む場合、吹き込まれた流体を回収し、該流体から熱回収を行う。
【請求項10】
請求項5〜9のいずれかに記載の冷却処理方法で冷却され、凝固したスラグを破砕処理または/および磨砕処理して粒状のスラグ製品を得ることを特徴とするスラグ製品の製造方法。
【請求項11】
粗骨材となるスラグ製品を得ることを特徴とする請求項10に記載のスラグ製品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2009−51719(P2009−51719A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−72686(P2008−72686)
【出願日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】