説明

炊飯器

【課題】洗米量に応じた自動的な洗米制御が可能で洗米後の米に残っている糠量を制御でき、糠臭さを取り除きつつも米が持つ栄養分の流出を抑えることができ、米の旨味を引き出すための洗米運転が可能な炊飯器を提供する。
【解決手段】この炊飯器100では、制御部31が、加熱部3による加熱運転を行う前に撹拌モータ4を駆動して撹拌翼5を回転させ、モータ電流検出部36によって撹拌モータ4に流れる電流値を検出することで、内釜2内の米の量を検出する。制御部31は、検出した米の量の多寡に応じて、洗米運転時に撹拌モータ4によって撹拌翼5を回転駆動させる回転数を高低に制御する。これにより、洗米運転時の撹拌翼5の回転数を洗米する米量に合ったものとすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、炊飯器に関し、特に、米粒同士を擦り合わせて洗米する機能を有する炊飯器に関する。
【背景技術】
【0002】
炊飯前に精白米を洗うことは常識として広く一般に認識されているが、炊飯前の米を洗う作業は面倒であるので、これを自動化するための技術が開発されている。特許文献1(実開昭62−182132号公報)に開示された技術では、炊飯器の内釜に冠着する蓋体に電動機で駆動される撹拌羽根を取り付け、撹拌羽根を回転させることによって米を洗っている。
【0003】
また、特許文献2(特開平2−213312号公報)では、炊飯釜自体を回転させて洗米を行う方法が考案されている。また、特許文献3(特開平4−38918号公報)では、炊飯釜を回転させることで自動洗米も可能であり、かつ炊飯時の温度測定のための温度センサを備えた炊飯器が提案されている。また、特許文献4(特開平4−240421号公報)では、自動洗米ができる炊飯釜でありながら、米と水の重さを炊飯釜で直接正確に計量できる技術が提案されている。また、特許文献5(特開平4−158818号公報)では、適切な水量で適切な洗米を可能にする自動洗米制御方法が提案されている。
【0004】
上述した先行技術において、特許文献1に開示の技術では、撹拌羽根による洗米の自動化が可能となったが、例えば、糠を少し残したい場合は、洗米の制御が難しい。
【0005】
また、特許文献2に開示の技術では、炊飯釜自体を回転させて洗米するので、米全体が擦り合わさるような動きをしない可能性がある。また、特許文献3に記載されている温度センサや特許文献4に記載されている重量センサは、炊飯時に使用するためのものであって、洗米時を想定した使い方はされていない。また、特許文献5に開示の自動洗米制御方法では、予め設定された米の量以外および予め設定された水の量以外には対応できない可能性がある。すなわち、内釜内に入れた米の量を自動的に検出して洗米を自動的に制御することはできない。
【0006】
ところで、洗米の方法は、各家庭および各個人によって様々で、誰もが「正しい」と認める方法というものは存在していなくて、親から受け継いだ方法を何の疑いもなく実践している人がほとんどである。昔は、現在ほどの精米技術がなかったために、洗米には、収穫した米を脱穀し精白米にするまでの過程において、糠を取り除くためという目的に加え、泥などの汚れを取り除くという目的もあり、炊く前の米はしっかり「研いで」洗うという習慣が一般的であった。
【0007】
これに対して、現在では、精米技術が飛躍的に向上して、「研ぐ」という行為から「水中で優しく混ぜる」という洗い方が好ましいという認識にシフトしつつある。
【0008】
しかしながら、やはり親から受け継いだ米の「研ぎ」方を実践している人がほとんどである。米を「研ぐ」という行為によって、精米時に米表面に残った糠を完全に取り除くことができる場合もあるが、そうすると、糠に含まれているビタミン、ミネラルなどの栄養も完全に取り除いてしまうことになる。一方で、糠をあえて残すことによって、ごはんの旨味をしっかりと味わうことができる。このため、無洗米の製造においても、あえて糠を残す製法も開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】実開昭62−182132号公報
【特許文献2】特開平2−213312号公報
【特許文献3】特開平4−38918号公報
【特許文献4】特開平4−240421号公報
【特許文献5】特開平4−158818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、この発明の課題は、洗米量に応じた自動的な洗米制御が可能で洗米後の米に残っている糠量を制御でき、糠臭さを取り除きつつも米が持つ栄養分の流出を抑えることができ、米の旨味を引き出すための洗米運転が可能な炊飯器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、この発明の炊飯器は、炊飯釜と、
上記炊飯釜を加熱する加熱部と、
上記炊飯釜内に回転自在に配置された撹拌体と、
上記撹拌体を回転駆動する回転駆動装置と、
上記加熱部を制御して、加熱運転を行う制御部と、
上記炊飯釜内の米の量を検出する米量検出部と
を備え、
上記制御部は、
上記加熱部による加熱運転を行う前に、上記回転駆動装置を稼働させて上記撹拌体を回転させる洗米運転を行うと共に上記米量検出部が検出した米の量の多寡に応じて上記洗米運転時に上記回転駆動装置によって上記撹拌体を回転駆動させる回転数を高低に制御する洗米運転部を有することを特徴としている。
【0012】
この発明の炊飯器によれば、上記米量検出部によって、上記炊飯釜内の米の量を検出し、検出した米の量の多寡に応じて、上記洗米運転部が洗米運転時に回転駆動装置によって撹拌体を回転駆動させる回転数を高低に制御する。これにより、洗米運転時の撹拌体の回転数を、洗米する米量に合ったものとすることができるので、洗米不足を回避しながら米糠を有る程度残存させ、かつ、撹拌体の回転数が高過ぎて割れ米が発生することを防いで、炊飯後の米本来の食味を保つことが可能になる。
【0013】
また、洗米時に米の量に応じた最適な機械力が米に加わるので、米全体が撹拌され、洗いムラがなくなり、炊飯釜内の米の存在部位によって米の栄養に偏りが生じることを回避できる。また、上記洗米運転部によって、自動的に洗米を行うことができるので、ユーザーによる米研ぎの手間を省くことができ、特に、水が冷たい冬場や、爪にネイルアートを施しているユーザーにとっては水に手を入れなくてもよいというメリットがある。
【0014】
また、一実施形態の炊飯器では、上記洗米運転部は、
上記高低に制御する回転数が予め設定された設定値である標準モードと、
上記高低に制御する回転数を上記設定値から或る割合だけ増加または減少させた調整モードとを実行可能であり、
さらに、上記洗米運転部に上記標準モードと上記調整モードとのうちのいずれか一方を実行させるための信号を入力できる入力操作部を備える。
【0015】
この実施形態によれば、ユーザは、上記入力操作部を操作することで、上記標準モードだけでなく、上記標準モードによる洗米の程度に比べて洗米の程度を変更した調整モードを選択可能になる。よって、米糠の残存量を調整でき、ユーザの好みに応じた洗米が可能になる。
【0016】
また、一実施形態の炊飯器は、上記回転駆動装置は、駆動モータを有し、
上記米量検出部は、上記駆動モータに流れる電流値を検出するモータ電流検出部を有し、
上記制御部は、
上記加熱部による加熱運転を行う前に、上記駆動モータを駆動して上記撹拌体を回転させる米量検知運転部を有する。
【0017】
この実施形態の炊飯器によれば、上記米量検出部のモータ電流検出部でもって、上記回転駆動装置を構成している駆動モータに流れる電流値を検出することにより、上記炊飯釜内の米の量を検出することができる。すなわち、上記駆動モータに流れる電流値は上記駆動モータに加わる負荷量に比例し、この負荷量は上記炊飯釜内の米の量に比例するので、上記駆動モータに流れる電流値によって、上記炊飯釜内の米の量を検出できる。
【0018】
また、一実施形態の炊飯器は、上記炊飯釜内の水の温度を検出する温度検出部を備え、
上記制御部の洗米運転部は、
上記温度検出部が検出した温度の高低に応じて、上記洗米運転時に上記回転駆動装置によって上記撹拌体を回転駆動させる時間を短長に制御する。
【0019】
この実施形態の炊飯器によれば、上記洗米運転部は、上記洗米運転時の水温の高低に応じて、上記撹拌体を回転駆動させる時間を短長に制御するので、洗米後の米の栄養残存率を一定の水準に維持できる。洗米時の水温が高くなると洗米後の栄養残存率が低下する傾向がある。
【0020】
また、一実施形態の炊飯器は、上記炊飯釜は、洗米する米の量に対応した水量を示す水位レベル目盛を有する。
【0021】
この実施形態の炊飯器によれば、使用者は、上記炊飯釜に印された水位レベル目盛まで上記炊飯釜に水を入れることで、洗米する米の量に適した水量を上記炊飯釜に供給できる。例えば、洗米後の米の栄養残存率を高水準に維持させることができるような洗米の水量を容易に炊飯釜に供給可能になる。
【0022】
また、一実施形態の炊飯器は、上記制御部の洗米運転部が、上記洗米運転時に上記回転駆動装置によって上記撹拌体を回転駆動させる時間は60秒以内である。
【0023】
この実施形態の炊飯器によれば、精白米の表層に存在する糠に含まれている米の栄養分を、洗米により過剰に流出させることなく、手で米を研ぐのに比べて、より多くの栄養分を確実に米に残すことができる。
【発明の効果】
【0024】
この発明の炊飯器によれば、洗米運転時の撹拌体の回転数を、洗米する米量に合ったものとすることができるので、洗米不足を回避しながら米糠を有る程度残存させ、かつ、撹拌体の回転数が高過ぎて割れ米が発生することを防いで、炊飯後の米本来の食味を保つことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は本発明に係る炊飯器の実施形態の全体構成を模式的に示す縦断面図である。
【図2】図2は上記炊飯器の内釜の縦断面図である。
【図3】図3は上記炊飯器の制御部に関連する構成を示す制御ブロック図である。
【図4】図4は撹拌モータの電流値に対応する負荷区分(洗米量)を示す図である。
【図5A】図5Aは上記炊飯器の制御部による洗米運転内容(モータ電流0.25A以下)を示すフローチャートである。
【図5B】図5Bは上記炊飯器の制御部による洗米運転内容(モータ電流0.25A超)を示すフローチャートである。
【図6】図6は内釜内に米のみを入れた場合に撹拌モータに流れる電流値と内釜に入れた米の量との関係を示す図である。
【図7】図7は内釜に米と水を入れた場合に撹拌モータに流れる電流値と内釜に入れた米の量との関係を示す図である。
【図8】図8はモータ電流検出部による検知電流,検知電流に対応する米の量,内釜内の米全体が動く状態になる最小回転数を示す図である。
【図9】図9は洗米時の水温によって、洗米後の米に栄養の残る残存率が変化する様子を示す図である。
【図10】図10は洗米時の浴比(米量を1としたときの水の量)と洗米後の栄養残存率との関係を示す特性図である。
【図11】図11は洗米時間と栄養残存率との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0027】
図1は、本発明に係る炊飯器の実施形態の全体構成を模式的に示す縦断面図である。図1に示すように、この実施形態の炊飯器100は、炊飯器本体1と、炊飯器本体1に収納される炊飯釜としての内釜2と、炊飯器本体1の上部に開閉自在に取り付けられ、内釜2を覆うように閉じることが可能な蓋12と、炊飯器本体1に収納された内釜2を加熱する加熱部3を備える。図1は、内釜2内に米11を入れた状態を示している。
【0028】
炊飯器本体1は、外ケース19と筺体20とを有し、筐体20は、耐熱性と電気絶縁性を有する材料で形成されている。また、筐体20は断熱部材21で外ケース19に対して支持されている。内釜2は、例えば、アルミニウムなどの高熱伝導部材で形成され、内面に被加熱物の付着を防ぐためのフッ素樹脂をコーティングしている。図2の断面図に示すように、内釜2の内側面には、後述する洗米運転によって洗米する米の量(1合‐3合や4合‐5.5合)に対応した洗米用の水量の水位レベル目盛部41が形成されている。なお、この水位レベル目盛部41は、炊飯のために供給する水位レベル目盛(図示せず)とは別途に設けられる。洗米に適した水量と炊飯に適した水量とは異なるからである。
【0029】
炊飯器100は、外ケース19の底に配置された駆動モータとしての撹拌モータ4を備える。撹拌モータ4の回転軸4aにはロータ6が取り付けられている。22は、ロータ6と回転軸4aを囲むカバーである。ロータ6は、外周部に駆動側磁石である複数のロータ側磁石7が周方向に等間隔に配置されている。ロータ6は、内釜2の底部で内側に突出した円筒形状の凸部2aの下方に予め定められた隙間を隔てるように配置されている。また、内釜2の凸部2aに撹拌翼5を回転自在に嵌合している。内釜2の凸部2aは撹拌翼5の支持台となる。撹拌翼5は、環状のヨーク9と、ヨーク9の内側に周方向に等間隔に配列された被駆動側磁石である複数の磁石8を有する。撹拌翼5側の磁石8は、ロータ6の磁石7に径方向に対向するように配置される。また、撹拌翼5は、中央上部に磁石14を有し、この磁石14はロータ6の磁石7と引き合って撹拌翼5を内釜2の凸部2aに保持する役割を果たす。
【0030】
したがって、撹拌モータ4の回転軸4aが回転すると、ロータ6の磁石7が回転し、磁石7と磁気カップリングしている磁石8が回転することで撹拌翼5が回転する。
【0031】
加熱部3は、絶縁体かつ断熱材である取付部材23,24により筐体20に対して支持されると共に取り付けられている。加熱部3は伝熱ヒータや誘導コイルを有している。誘導コイルを用いる場合は、内釜2の外面に加熱効率を向上させる例えばステンレス等の磁性体を貼り付ける。
【0032】
また、筐体20には温度センサ10が取り付けられ、温度センサ10の検知部10aは加熱部3を貫通して内釜2の底部に接触して内釜2の温度を検出する。温度センサ10は、内釜2の温度を検出することで内釜2に入れた水の温度を間接的に検出できる。
【0033】
図3は炊飯器100の制御ブロック図である。炊飯器100は、マイクロコンピュータと入出力回路などからなる制御部31を備え、操作パネル32からの操作信号や、温度センサ10からの信号などに基づいて、表示部33,撹拌モータ4,加熱部3の加熱回路35を制御する。操作パネル32と表示部33は、炊飯器本体1の前面側に設けられ、操作パネル32の複数の操作ボタンによって、表示部33の液晶ディスプレイに調理メニューや調理状況などを表示可能になっている。また、制御部31は、炊飯器本体1の外ケース19と筐体20との間の空間に配置される。また、加熱回路35は炊飯器本体1の外ケース19と筐体20との間に配置される電源部(図示せず)に含まれている。
【0034】
また、炊飯器100は、撹拌モータ4に流れる電流値を検出するモータ電流検出部36を有する。モータ電流検出部36が、内釜2内の米の量を検出する米量検出部をなす。すなわち、撹拌モータ4に流れる電流値は撹拌モータ4に加わる負荷量に比例し、この負荷量は内釜2内の米の量に比例するので、撹拌モータ4に流れる電流値によって、内釜2内の米の量を検出できる。図4に一例を示すように、内釜2内の米の量が2合以下である場合は撹拌モータ4に流れる電流値が0.25A以下であり、内釜2内の米の量が4合以下である場合は撹拌モータ4に流れる電流値が0.3A以下であり、内釜2内の米の量が5.5合以下である場合は撹拌モータ4に流れる電流値が0.35A以下である。
【0035】
また、制御部31は、洗米運転部37を有する。洗米運転部37は、加熱回路35を制御して加熱部3による加熱運転を行う前に、撹拌モータ4を駆動して、撹拌翼5を回転させることで洗米運転を行う。この洗米運転は、操作パネル32を操作することで実行される。また、制御部31は、米量検知運転部38を有する。米量検知運転部38は、洗米運転部37による洗米運転を行う前に、撹拌モータ4を駆動して撹拌翼5を予め定められた時間だけ回転させることで米量検知運転を行う。
【0036】
次に、上記構成の電気炊飯器によって、加熱による炊飯を行う前に、上記米量検知運転と自動洗米運転を行う動作を、図5A,図5Bのフローチャートを参照しながら説明する。なお、本説明において使用する測定値はすべて実験で得られた値ではあるが、例示であってこの限りではない。
【0037】
まず、使用者が内釜2に所望量の米11を入れ、米11を入れた内釜2を炊飯器本体1に収納する。次に、使用者は、操作パネル32を操作して、洗米運転を行うための洗米モードを選択する(ステップS1)。次に、ステップS2に進み、制御部31は、蓋12が閉まっているか否かを判断し、蓋12が閉まっていると判断すると、ステップS3へ進む。蓋12が閉まっているか否かの確認は、例えば、蓋12に設けたリミットスイッチが内釜2に設けた被当接部に当接しときにオン(あるいはオフ)することで行われる。
【0038】
次に、ステップS3では、制御部31は、撹拌モータ4を駆動して撹拌翼5を一定の回転数(この一例では400rpm)で回転させ、このときに、図3に示すモータ電流検出部36が撹拌モータ4に流れている電流を検知する。検知した電流が0.25A以下であれば、ステップS4に進み、上記検知した電流が0.25Aを超えていればステップS9に進む。ステップS9では、モータ電流検出部36で検知した電流が0.3A以下か否かを判断し、上記検知した電流が0.3A以下であると判断するとステップS10へ進み、上記検知した電流が0.3Aを超えていると判断すると、ステップS15に進む。ステップS15では、上記検知した電流が0.35A以下か否かを判断し、上記検知した電流が0.35A以下であると判断するとステップS16へ進み、上記検知した電流が0.35Aを超えていると判断すると、ステップS21に進む。ステップS21では、表示部33(図3に示す)へ負荷超過である旨を表す表示を行い、洗米モードによる運転を停止する。なお、ステップS3とステップS9とステップS15は米量検知運転部を構成している。
【0039】
上述のステップS3,S9,S15で撹拌モータ4の負荷検知が終了すると、内釜2に水を供給する。すなわち、一例としての図4によれば、ステップS3で検知した電流が0.25A以下のときは、内釜2内の米量が2合以下の場合である。この場合、制御部31は、内釜2内の米量が2合以下であることを表示部33に表示させる。この表示を見て使用者は、例えば内釜2の内側面に刻印された1合‐3合に対応する水量を表す水位レベル目盛41bまで水を入れてもよい。また、制御部31により、撹拌モータ4の回転数を350rpmとする次のステップS5またはステップS6が実行される。
【0040】
また、ステップS9で検知した電流が0.3A以下のときは、一例としての図4によれば、内釜2内の米量が2合を超えるが4合以下の場合である。この場合、制御部31は、内釜2内の米量が2合を超えるが4合以下であることを表示部33に表示させる。この表示を見て使用者は、一例として内釜2の内側面に刻印された4合‐5.5合に対応する水量を表す水位レベル目盛41aまで水を入れてもよい。また、この場合、撹拌モータ4の回転数を450rpmとする次のステップS11またはステップS12が実行される。
【0041】
また、ステップS15で検知した電流が0.35A未満のときは、一例としての図4によれば、内釜2内の米量が4合を超えるが5.5合以下の場合である。この場合、制御部31は、内釜2内の米量が4合を超えるが5.5合以下であることを表示部33に表示させる。この表示を見て使用者は、一例として内釜2の内側面に刻印された4合‐5.5合に対応する水量を表す水位レベル目盛41aの水位まで水を入れてもよい。また、この場合、撹拌モータ4の回転数を550rpmとする次のステップS17またはステップS18が実行される。
【0042】
このように、上述のステップS3,S9,S15での撹拌モータ4の負荷検知後に内釜2に水が供給され、次のステップS4,ステップS10,ステップS16に進んで、内釜2に供給された水の温度を温度センサ10で検知する。温度センサ10は、内釜2の温度を検出することで内釜2内の水の温度を間接的に検知する。そして、ステップS4,ステップS10,ステップS16では、温度センサ10で検知した水の温度が23℃未満か否かを判断し、23℃未満であると判断すると、ステップS5,ステップS11,ステップS17へ進み、23℃未満ではないと判断するとステップS6,ステップS12,ステップS18へ進む。なお、上記温度23℃は判断基準の一例である。
【0043】
ステップS5では、撹拌モータ4を回転数350rpmで60秒間駆動することで、内釜2内の米11を洗米する。また、ステップS6では、撹拌モータ4を回転数350rpmで30秒間駆動することで、内釜2内の米11を洗米する。また、ステップS11では、撹拌モータ4を回転数450rpmで60秒間駆動することで、内釜2内の米11を洗米する。また、ステップS12では、撹拌モータ4を回転数450rpmで30秒間駆動することで、内釜2内の米11を洗米する。また、ステップS17では、撹拌モータ4を回転数550rpmで60秒間駆動することで、内釜2内の米11を洗米する。また、ステップS18では、撹拌モータ4を回転数550rpmで30秒間駆動することで、内釜2内の米11を洗米する。
【0044】
このように、内釜2内の水の温度の高,低(例えば23℃以上,23℃未満)に応じて、撹拌モータ4の駆動時間を短,長(例えば30秒,60秒)に制御するので、洗米の水温に適合した洗米時間を設定でき、洗米を過不足なく実行できる。
【0045】
また、ステップS3で負荷検知した米量を表す検知電流の値に応じて、検知電流が0.25A以下の比較的少ない米量(例えば2合以下)の場合は、撹拌モータ4の回転数を350rpmにする(ステップS5,S6)。また、ステップS9で検知電流が0.25Aを超えているが0.3A以下の中程度の米量(例えば2合を超えているが4合以下)の場合は、撹拌モータ4の回転数を450rpmにする(ステップS11,S12)。また、ステップS15で検知電流が0.3A以上で0.35A未満の比較的多い米量(例えば4合を超えているが5.5合以下)の場合は、撹拌モータ4の回転数を550rpmにする(ステップS17,S18)。このように、洗米運転において、内釜2内の米11の量が多い程、撹拌モータ4の回転数を高く制御するので、米量に適した撹拌翼5の回転数を設定でき、洗米を過不足なく実行できる。なお、撹拌モータ4の回転数は、一例としてインバータ回路等を用いて制御できる。
【0046】
そして、これらステップS5,S6,S11,S12,S17,S18で、それぞれ、上述した駆動時間だけ撹拌モータ4を駆動させてから、撹拌モータ4をオフにする(ステップS7,S13,S19)。
【0047】
その後、ステップS8,S14,S20で、洗米工程が終了したことをユーザーに報知する。この洗米工程の終了報知は、操作パネル32と共に設けられた表示部33(図3に示す)への表示や外ケース19内に配置された報知音源(図示せず)による報知音によって行われる。
【0048】
次に、図6に、内釜2内に米のみを入れて、撹拌モータ4を400rpmで回転させた場合に、モータ電流検出部36で検出した撹拌モータ4に流れる電流値(A)と内釜2に入れた米の量(合)との関係を求めた実験結果を示す。図6から、モータ電流検出部36で検出された電流値は内釜2内の米の量に比例して大きくなっていることが分かる。つまり、内釜2内の米量をモータ電流検出部36で的確に検知できていることが分かる。次に、図7に、内釜2内に米と水を入れて、撹拌モータ4を400rpmで回転させた場合に、モータ電流検出部36で検出した撹拌モータ4に流れる電流値(A)と内釜2に入れた米の量(合)と関係を求めた実験結果示す。ここで、内釜2に入れる水量は、例えば図2に示される内釜2の内周面に刻印された洗米用の水位レベル目盛部41に従って設定される。図7に示すように、内釜2内に米だけでなく水も入れた場合においても、モータ電流検出部36で検知された電流値によって、内釜2内の米量を的確に検知できることが分かる。
【0049】
なお、上記実験において、米の量を検知するための撹拌翼5の回転時間は10秒程度でよい。この10秒はモータ電流検出部36で米量を検知できる最短の時間である。内釜2内に米のみが入っている状態で撹拌翼5を余計に長い時間回すと、割れ米発生の原因となるし、米と水が入っている状態で撹拌翼5を長い時間回すと栄養を流出させてしまう可能性がある。
【0050】
次に、図8に示す表は、モータ電流検出部36で検知された電流値を左の欄に示し、この検知された電流値に対応して検出される内釜2内の米の量を中央の欄に示す。そして、図8の表の右の欄に、上記検出された米の量のときに内釜2内で撹拌翼5を回転させたときに内釜2内で米全体が動く状態になる最小の回転数を示している。内釜2内の米の量が多いほど、米全体が動く状態になる最小の回転数が高くなっている。したがって、洗米時に、内釜2内の米量が多いほど、撹拌モータ4の回転数を高くすることで、内釜2内の米量が多くても、内釜2内の全ての米を撹拌翼5の回転で動かすことが可能になる。よって、内釜2内の米11の存在部位による洗いムラをなくすることが可能になる。また、撹拌モータ4の回転数を米全体が動く回転数のうちの最も小さい回転数(図8の表の右欄の値)にすることにより、米に余計な機械力を与えることを回避できる。これにより、割れ米の発生を防ぐことが可能である。また、高速で回転する撹拌翼5によって、洗米時に水が飛び散って周囲を汚してしまうといったトラブルもほぼ無くすことができる。
【0051】
ところで、洗米するときの水の水温によって、米に残存する栄養量が変わる。すなわち、洗米時の水温が低いほうが洗米後の米に栄養が残り易くなる。一方、約23℃以上の水温では栄養の流出状態は大きく異ならない。図9に、洗米時の水温によって、洗米後の米に栄養の残る残存率が変化する様子を示している。図9の特性K1,K2,K3は、それぞれ、洗米時の米量が1合,3合,5.5合の場合における、米の残存栄養量と洗米時水温との関係を示している。洗米時の米量が1合(特性K1),3合(特性K2),5.5合(特性K3)に共通して言えるのは、水温が7℃の時と水温が23℃の時とで、栄養の残存率が10%前後異なる。つまり、水温が23℃の時よりも水温が7℃の時の方が、洗米後に栄養が残存し易い。また、1合(特性K1),3合(特性K2)では、水温23℃から水温38℃の間で栄養の残存率はほぼ一定で、大きく下がることはない。一方、5.5合(特性K3)では、水温23℃から水温38℃の間で栄養の残存率が低下している。
【0052】
よって、例えば、温度センサ10で検知した水温が23℃未満の時は、洗米時に撹拌翼5を回転させる時間を標準の回転時間とし、水温が23℃以上であれば標準の回転時間よりも短くするといった洗米運転制御が洗米運転部37によりを行われる。一例として、図5A,図5Bのフローチャートを参照して説明したように、標準の回転時間を60秒とし、温度センサ10で検知した水温が23℃未満のときは撹拌翼5の回転時間を60秒にし、温度センサ10で検知した水温が23℃以上の時は撹拌翼5の回転時間を30秒に設定する。このように、洗米時の水温の高,低(23℃以上,23℃未満)に応じて、撹拌翼5の回転時間(撹拌モータ4の駆動時間)を短,長(30秒,60秒)に制御する。この回転時間の制御により、洗米時に米の表面が余計に削れることがなく、水温が23℃以上であっても水温が7℃の場合と同等の栄養量を洗米後の米に残存させることができる。なお、本実施形態では、洗米運転時の撹拌翼5の回転時間を制御するに際し、水温23℃を境界にして水温の高低を判定したが、水温判定の境界にする水温は23℃だけに限らないことは勿論である。すなわち、洗米時の水温に応じて撹拌翼5の回転時間を数パターン設定してもよい。例えば、水温23℃以上のときは撹拌翼5の回転時間を20秒に設定し、水温15℃以上で23℃未満のときは撹拌翼5の回転時間を30秒に設定し、水温10℃以上で15℃未満のときは撹拌翼5の回転時間を45秒に設定し、水温10℃未満のときは撹拌翼5の回転時間を60秒に設定するといった制御を行ってもよい。
【0053】
また、洗米する米の量(容積)を1としたときの必要な水の量(容積)を浴比と定義すると、洗米時に栄養の流出を最小限に抑える浴比が存在する。図10は、浴比を変えて洗米した後の米の栄養残存率を示している。図10の特性K11は洗米時間(撹拌翼5の回転時間)が30秒である場合の浴比と栄養残存率との関係を示し、図10の特性K12は洗米時間(撹拌翼5の回転時間)が60秒である場合の浴比と栄養残存率との関係を示している。なお、ここで栄養としているのはマグネシウムである。図10の特性K11,K12のプロットP11,P12によれば、浴比が2.2の場合に、洗米後に最も栄養が残りやすいことを示している。一方、浴比の値が1.6の場合のプロットL11,L12および浴比の値が6.7の場合のプロットR11,R12は、浴比が2.2よりも小さい場合および浴比が2.2よりも大きい場合では、栄養は流出しやすい傾向になることを示している。
【0054】
よって、内釜2に形成する洗米のための水位レベル目盛は、各洗米量に対し栄養残存率を最大にするような浴比になるように設定するのが好ましい。本実施形態においては、浴比の最適な値が2.2である。ただし、洗米量が多いときに浴比を2.2にした場合、内釜2から水が溢れる恐れがある。その場合は、水量を減らす必要があり、それに伴い浴比も小さくなっていくが、必要最低限の減少量となるように設定すればよい。
【0055】
また、この実施形態では、上述のように、洗米時の撹拌翼5の回転時間の標準は60秒としている。図11は、自動洗米による洗米時間(撹拌翼5の回転時間)と栄養残存率の関係を示している。図11によれば、10秒間の自動洗米によって、洗米前に比べて、栄養量が約20%低下し、60秒間の自動洗米によって、洗米前に比べて、栄養量が約40%低下している。もっとも、60秒間の自動洗米後の米には、手洗米に比べて1.5倍の栄養量が残存している。そして、10分間の自動洗米後は、洗米前に比べて、栄養量が約60%低下しており、手洗米よりも栄養残存率が低下している。
【0056】
したがって、図11から、手洗米に比べて確実に多くの栄養残存量を確保することができるのは、自動洗米の洗米時間が60秒以内のときであることが分かる。よって、米に栄養を残すために洗米時間を制御する場合は、60秒以内で洗米時間の最適値を設定することが望ましい。
【0057】
そして、60秒以内の洗米時間で洗米した米を、次に述べる加熱調理運転によって炊飯して食味を確認した。その結果、洗米時間を60秒間とした場合および洗米時間を30秒間とした場合、両方共、手洗米に比べて特に糠臭いということはなく、むしろ、手洗米に比べて米の風味を味わうことが可能なことを確認できた。
【0058】
次に、上述の自動洗米運転によって、内釜2内の米11を洗米した後、この洗米後の米を炊飯する動作の一例を、以下に説明する。まず、上記洗米後、洗米に使用した水は捨てる。その後、上記洗米後の米と炊飯用の水を新たに内釜2に入れ、内釜2を炊飯器本体1に収納した後、使用者は操作パネル32を操作して、加熱調理(炊飯)運転を開始させ、制御部31は、蓋12が閉まっているか否かを判断し、蓋12が閉まっていると判断すると、加熱回路35で加熱部3を制御して加熱部3による加熱(炊飯)を開始する。
【0059】
この加熱調理運転では、制御部31は、予熱運転、立ち上げ運転、炊き上げ運転、蒸らし運転、保温運転の順に制御を行う。
【0060】
〔予熱運転〕
まず、予熱運転では、撹拌モータ4により撹拌翼5を回転駆動して、内釜2内を撹拌しながら、加熱回路35から加熱部3に小電力を供給して、加熱部3により内釜2を加熱し、温度センサ10により検出された内釜2内の温度を60℃に保つように加熱部3の電力を制御して、予熱運転を所定時間行う。このとき、撹拌翼5により内釜2内を撹拌することにより、内釜2内の被加熱物(米と水)を均一な目標温度(60℃)に保った状態で米に吸水させて、うまみ成分であるグルコースを生成する。
【0061】
この予熱運転では、澱粉分解酵素が最も有効に働く温度である60℃に設定されており、15分〜20分の間、内釜2内の温度を60℃に保つ。この実施の形態では、予熱運転の目標温度を60℃としたが、これに限らず、目標温度は諸条件に応じて適宜設定すればよい。
【0062】
〔立ち上げ運転〕
次に、撹拌モータ4の運転を停止して撹拌翼5を止めた後、加熱回路35から加熱部3に大電力を供給して、加熱部3により内釜2を加熱し、内釜2内の温度を100℃に立ち上げる立ち上げ運転を行う。ここで、内釜2内の温度は、温度センサ10により検出する。
【0063】
〔炊き上げ運転〕
次に、内釜2内の温度が100℃に達してから内釜2内の温度が120℃になるまで、加熱部3による加熱量を調整して沸騰を維持した炊き上げ運転を行う。ここで、内釜2内の水が無くなって沸騰しなくなると、内釜2内の温度が100℃から上昇し始める。この炊き上げ運転によって、米に熱と水が加わって米に含まれるβ澱粉がα澱粉へと変化する糊化という化学反応が起こり、美味しいご飯ができる。
【0064】
〔蒸らし運転〕
そして、内釜2内の温度が120℃に達すると、加熱部3による加熱量を調整して蒸らし運転を所定時間行った後、加熱調理(炊飯)を終了して、保温運転に移る。
【0065】
上述の如く、本実施形態の炊飯器によれば、モータ電流検出部36で撹拌モータ4に流れる電流値を検出することで内釜2内の米量を検出し、内釜2内の米11の量が多い程、洗米運転における撹拌モータ4の回転数を高く制御するので、米量に適した撹拌翼5の回転数を設定でき、洗米を過不足なく実行できる。また、水温センサ10で検出した内釜2内の水の温度の高,低に応じて、撹拌モータ4の駆動時間を短,長に制御するので、洗米の水温に適合した洗米時間を設定でき、洗米を過不足なく実行できる。よって、洗米不足を回避しながら米糠を有る程度残存させ、かつ、撹拌翼5の回転数が高過ぎて割れ米が発生することを防いで、炊飯後の米本来の食味を保つことが可能になる。
【0066】
尚、上記実施形態では、撹拌モータ4に流れる電流値を検出するモータ電流検出部36を米量検出部としたが、移動部材を筐体20に対してばね部材等で内釜2の底部に当接するように支持し内釜2内の米量に応じて変位する上記移動部材の変位量を歪み量測定装置で測定することで、内釜2内の米の量を検出してもよい。また、上記実施形態では、検知した米量の多寡に応じて撹拌モータ4の回転数を段階的に高低に調整したが撹拌モータ4の回転数を米量に応じて連続的に高低に調整してもよい。また、上記実施形態では、水温センサ10で検知した温度に応じて撹拌モータ4の回転時間を段階的に短長に制御したが検出した水温に応じて撹拌モータ4の回転時間を短長に連続的に制御してもよい。
【0067】
また、上記実施形態では、検知した米量に応じて制御部31が制御する撹拌翼5の回転数は、上述のフローチャートで説明した通り、過不足のない洗米のために設定された1連の回転数(350rpm,450rpm,550rpm)であったが、この1連の回転数(350rpm,450rpm,550rpm)をユーザが調整できるようにしてもよい。例えば、入力操作部としての操作パネル32に洗米メニューとして、洗米程度を指定するための「軽め」,「標準」,「念入り」等のボタンを設けて、「標準」ボタンが押された場合は、上述のフローチャートの各ステップで説明した各回転数を実行し、「軽め」ボタンが押された場合は、上述のフローチャートの1連の回転数(350rpm,450rpm,550rpm)よりも一例として10%低い回転数を実行し、「念入り」ボタンが押された場合は、上述のフローチャートの1連の回転数よりも一例として10%高い回転数を実行するものとしてもよい。これにより、ユーザが米糠の残存量を調整でき、ユーザの好みに応じた洗米が可能になる。なお、「軽め」,「標準」,「念入り」の3段階だけでなく更に多段階に回転数を調節できるようにしてもよい。
【0068】
また、上記実施形態では、ロータ6の磁石7と撹拌翼5の磁石8とよる磁気カップリングで撹拌モータ4から撹拌翼5に回転を伝達したが、磁石7,8による磁気カップリングの替わりに、内釜2を炊飯器本体1に収納したときに、撹拌翼5を撹拌モータ4の回転軸4aに取り付けられたロータ6に機械的に相対回転不可に嵌合させる構造としてもよい。この場合、撹拌翼5とロータ6が嵌合する構造により内釜2を貫通する箇所に水漏れ防止用のシール装置を設ける。また、撹拌モータ17およびロータ6の替わりに、例えば同期モータのステータヨークのように、ステータヨークと、このステータヨークに巻き付けられた複数のコイルと、この複数のコイルに回転磁界を生成するための交流電源とを用いてもよい。このステータヨークおよび交流電源によって、回転磁界を発生させることにより、磁気カップリングした撹拌翼5を回転駆動させることができる。
【0069】
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0070】
1 炊飯器本体
2 内釜
2a 凸部
3 加熱部
4 撹拌モータ
4a 回転軸
5 撹拌翼
6 ロータ
7 ロータ側磁石
8 撹拌翼側磁石
9 ヨーク
10 温度センサ
10a 検知部
11 米
12 蓋
14 磁石
19 外ケース
20 筐体
21 断熱部材
22 カバー
23,24 取付部材
31 制御部
32 操作パネル
33 表示部
35 加熱回路
36 モータ電流検出部
37 洗米運転部
38 米量検知運転部
41 水位レベル目盛部
41a,41b 水位レベル目盛
100 炊飯器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炊飯釜と、
上記炊飯釜を加熱する加熱部と、
上記炊飯釜内に回転自在に配置された撹拌体と、
上記撹拌体を回転駆動する回転駆動装置と、
上記加熱部を制御して、加熱運転を行う制御部と、
上記炊飯釜内の米の量を検出する米量検出部と
を備え、
上記制御部は、
上記加熱部による加熱運転を行う前に、上記回転駆動装置を稼働させて上記撹拌体を回転させる洗米運転を行うと共に上記米量検出部が検出した米の量の多寡に応じて上記洗米運転時に上記回転駆動装置によって上記撹拌体を回転駆動させる回転数を高低に制御する洗米運転部を有することを特徴とする炊飯器。
【請求項2】
請求項1に記載の炊飯器において、
上記洗米運転部は、
上記高低に制御する回転数が予め設定された設定値である標準モードと、
上記高低に制御する回転数を上記設定値から或る割合だけ増加または減少させた調整モードとを実行可能であり、
さらに、上記洗米運転部に上記標準モードと上記調整モードとのうちのいずれか一方を実行させるための信号を入力できる入力操作部を備えることを特徴とする炊飯器。
【請求項3】
請求項1または2に記載の炊飯器において、
上記回転駆動装置は、駆動モータを有し、
上記米量検出部は、上記駆動モータに流れる電流値を検出するモータ電流検出部を有し、
上記制御部は、
上記洗米運転部による洗米運転を行う前に、上記駆動モータを駆動して上記撹拌体を回転させる米量検知運転部を有することを特徴とする炊飯器。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載の炊飯器において、
上記炊飯釜内の水の温度を検出する温度検出部を備え、
上記制御部の洗米運転部は、
上記温度検出部が検出した温度の高低に応じて、上記洗米運転時に上記回転駆動装置によって上記撹拌体を回転駆動させる時間を短長に制御することを特徴とする炊飯器。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1つに記載の炊飯器において、
上記炊飯釜は、
洗米する米の量に対応した水量を示す水位レベル目盛を有することを特徴とする炊飯器。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1つに記載の炊飯器において、
上記制御部の洗米運転部が、上記洗米運転時に上記回転駆動装置によって上記撹拌体を回転駆動させる時間は60秒以内であることを特徴とする炊飯器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−245119(P2011−245119A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−123074(P2010−123074)
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】