説明

無線補助回復システム及び方法

【課題】警報システムとオートパイロット・システムの間で通信することを可能にする、補助回復のためのシステム及び方法を提供する。
【解決手段】例示的方法は方向角またはピッチ命令信号の少なくとも1つを受け取る。ローカライザ又はグライドスロープ信号が、この受信信号に基づいて発生される。ローカライザ又はグライドスロープ信号は、予め定められた周波数の無線で、送信機を通して送信され、航法システムの受信機で受信される。乗り物はこの受信信号に基づいて制御される。航空機が地上、障害物又は特殊用途空域の少なくとも1つからの警戒距離内にある時に接近警報装置が警告を発生し、補助回復要素が発生された警告と遅延に基づいて方向角及びピッチ命令信号を発生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、2004年2月19日出願の米国特許出願第10/782,055号の一部継続出願と関連し、当該出願も参照により本願に組み込まれる。
【0002】
パイロットや運航乗員が、他の状況や緊急事態への対処にその注意力をとられたために、対地接近や他の警報に不注意になるとき、彼等はタイムリーに反応する事に失敗するかもしれない。この種の状況を解決する1つの解決策には、障害を避けるために複数のフライトコントロールへの指令を提供する、オートパイロットやフライトコントロール・システムに命令を送ることを含む。しかしながら、警報システムとオートパイロットとの間の標準インターフェースは無い。従って、種々の異なるタイプのアビオニック・パッケージを含む全航空機に装備するには非常に費用がかかる。
【特許文献1】2004年2月19日出願の米国特許出願第10/782,055号の一部継続出願
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、警報システムとオートパイロット・システムとの間で通信することを可能にする標準的かつ安価なインターフェースを提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は補助回復のためのシステム及び方法を含む。例示的方法は方向角またはピッチ命令信号の少なくとも1つを受け取る。ローカライザ又はグライドスロープ信号が、この受信信号に基づいて発生される。ローカライザ又はグライドスロープ信号は、予め定められた周波数の無線で、送信機を通して送信され、航法システムの受信機で受信される。乗り物はこの受信信号に基づいて制御される。
【0005】
1つの実施例において航法システムは、計器着陸システムを含む。
【0006】
もう1つの実施例においては、乗り物は航空機、海上艦船、又は潜水艦船である。
【0007】
更に1つの実施例においては、航空機が地上、障害物又は特殊用途空域の少なくとも1つからの警戒距離内にある時に接近警報装置が警告を発生し、補助回復要素が発生された警告と遅延に基づいて方向角及びピッチ命令信号を発生する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本願発明の好適な実施例と、代替の実施例が、添付の図面を参照して以下に説明される。
【0009】
図1は本願発明を実施する航空機24内に含まれる例示的構成要素を示す。航空機20は送信アンテナ26を有する航法命令発生システム24と、受信アンテナ30を有する航法システム28及び、自動操縦装置又は航空管制装置34を含む。
【0010】
航法命令発生システム24は1つ以上の航法信号を発生し、その発生した信号を送信アンテナ26及び受信アンテナ30を介して航法システム28へ無線で送信する。この例では、自動操縦装置又は航空管制装置34は航法信号又は航法システム28によって発生される命令に基づいて飛行するように設計されている。航法システム28(例えば計器着陸システム(ILS))は、航法命令発生システム24から受信した信号に基づいて航法命令を発生する。航法システム28及び受信アンテナ30はILS装置または互換装置を含む航空機において一般的に標準であり、航法システム28は標準化ILS信号処理装置に既に含まれているので、上述の構成要素はこれらのタイプの航空機には安価に装備できる。
【0011】
図2は図1に示したシステムの実施例を示す。この例においてはシステム50が、拡張対地接近警報システム(EGPWS)54、複数のセンサー56a―e、メモリー装置58、ローカライザ信号発生装置62及びグライドスロープ信号発生装置64を含む航法命令発生システム24(図1)を含む。EGPWS54は、センサー56a―e、メモリー装置58及び発生装置62及び64とデータ通信する。メモリー装置58は他のものと共に地形及び障害物データベースを含む。
【0012】
EGPWS54は、地表、障害物及び保護された又は制限された空域に関する航空機の位置を決定し、その決定に基づいて警告を発生するためのハードウエア及びソフトウエア構成要素を含む。EGPWS54はまた、補助回復要素60も含む。補助回復要素60は方向角信号及び/又は高度信号を発生する。方向角信号は、補助回復要素60が識別された任意の障害物、例えば地表、人為的な障害物又は保護された空域を避けるために、航空機を飛ばせたい方向である。補助回復要素60によって発生された高度信号は、航空機が識別された地表、障害物又は空域を避けることを可能にする高度値である。補助回復要素60の例は米国特許出願第10/782,055号に説明されている。
【0013】
ローカライザ信号発生装置62は補助回復要素60から方向角信号を受け取り、ローカライザ信号を発生し、所定のローカライザ周波数で関連するアンテナ66から出力する。グライドスロープ信号発生装置64は補助回復要素60から高度信号を受け取り、グライドスロープ信号を発生し、所定のグライドスロープ信号周波数で関連するアンテナ68から出力する。
【0014】
システム50はローカライザ・アンテナ72及びグライドスロープ・アンテナ74を含む航法システム70を含む。ローカライザ・アンテナ72はアンテナ66から出力された信号を受信するように同調されている。1つの実施例では、グライドスロープ・アンテナ74はアンテナ68から出力された信号を受信する。1つの実施例では、同調信号が発生装置62及び64で発生され、データバスに沿って航法システム70に送られる。航法システム70はアンテナ72及び74を受信した同調信号に従って同調する。[これが航法システムがチャネルをスイッチすることを命令された方法か?この他に考えられる方法は無いか?]
航法システム70は受信したローカライザ及びグライドスロープ信号を、それらが地上システムから来た信号であるかのように処理する構成要素(図示せず)を含む。表示装置76は処理したローカライザ及びグライドスロープ信号をディスプレイ76上に表示する。自動操縦装置又は航空管制装置78(以下オートパイロットと称する)は航法システム70とデータ通信する。オートパイロット78は処理されたローカライザ及びグライドスロープ信号に従って飛行するように活性化されるか予め活性化されている。このようにオートパイロット78は航法管制信号を発生して航法管制装置84へ送り、処理したローカライザ及びグライドスロープ信号に関連する進路及び速度を維持するために航空機のピッチ、ロール、ヨーやスロットル設定を制御する。
【0015】
図3は、図2に示したシステム50によって実行される例示のプロセス100を示す。先ずブロック102で、飛行命令が補助回復要素60から受け取られる。ブロック104で、ローカライザ又はグライドスロープ信号が受け取られた飛行命令に基づいて生成される。ブロック106で、生成されたローカライザ又はグライドスロープ信号がそれぞれの送信機から出力され、ブロック110でそれぞれの航法システム受信機で受信される。ブロック112で、ローカライザ又はグライドスロープ値が受信された信号に基づいて生成される。ブロック114で、オートパイロットが生成されたローカライザ又はグライドスロープ値に基づいて進路又は高度を維持する。
【0016】
1つの例では補助回復要素60は航空機が6°上昇飛行すべきことを決定し、6°上昇を実行することの指令または航法命令である信号をグライドスロープ信号発生装置64へ送る。グライドスロープ信号発生装置64は、6°上昇ILSグライドスロープ信号を発生する。[通常のILSグライドスロープ(g/s)発生では、発生されたg/sは空間において固定された末端を有する。従って、g/sが傾斜角3°であり、航空機が傾斜角3°で降下中の場合、この航空機はILSg/sに並行している(より上又はより下)か、ILSg/sに乗っているであろう。
【0017】
これはあなたの発生したILSg/s信号と同じか?末端は空間において固定されているか?]
本発明の好適な実施例が示され説明されたが、上述のように本願の精神及び範囲から離れずに多くの変更が可能である。例えば、説明されたシステムは航空機以外の乗り物、例えば地上の乗り物、海面の乗り物又は海面下の乗り物にも全面的に、或いは部分的に実装できる。従って、本願発明の範囲は好適な実施例の開示によって制限されない。本願発明は添付の請求項によって規定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は本願発明の要素のブロック図である。
【図2】図2は本願発明の要素のブロック図である。
【図3】図3は図1及び図2に示したシステムによって実行される例示のプロセスの流れ図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
補助回復のために乗り物の上で実行される方法であって、
方向角またはピッチ命令信号の少なくとも1つを受け取るステップと、
前記受信信号に基づいてローカライザ又はグライドスロープ信号の少なくとも1つを発生するステップと、
前記ローカライザ又はグライドスロープ信号の少なくとも1つを予め定められた周波数で無線送信するステップと、
前記無線送信信号を受信するステップと、
乗り物を処理された信号に基づいて制御するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、更に、
航法システムに対して1つ以上の受信機を1つ以上の既定の周波数に同調するように命令するステップを含み、前記方向角またはピッチ命令信号の少なくとも1つが補助回復要素によって接近警告と遅延に基づいて発生される事を特徴とする方法。
【請求項3】
方向角またはピッチ命令信号の少なくとも1つを受け取り、前記受信信号に基づいてローカライザ又はグライドスロープ信号の少なくとも1つを発生し、前記ローカライザ又はグライドスロープ信号の少なくとも1つを予め定められた周波数で送信機で無線送信するように構成された要素と、
前記無線送信信号を受信するための1つ以上の受信装置と、航空機を受信された信号に基づいて制御する制御装置とを含む航法システムと、
を含む乗り物。
【請求項4】
請求項3に記載の乗り物において、前記要素が同調命令を発生し、当該同調命令に基づいて前記1つ以上の受信装置を同調させるために前記同調命令を航法システムへ送り、更に、
航空機が地上、障害物又は特殊用途空域の少なくとも1つからの警戒距離内にある時に警告を発生するための接近警報装置と、
発生された警告と遅延に基づいて方向角及びピッチ命令信号を発生するための補助回復要素と、
を含むことを特徴とする乗り物。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2007−210599(P2007−210599A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−293563(P2006−293563)
【出願日】平成18年10月30日(2006.10.30)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】