説明

無線通信システム、この無線通信システムで用いられる携帯端末及びグループ化方法

【課題】 ユーザが意図していない第三者にデジタルコンテンツが閲覧される可能性を減少させながら、デジタルコンテンツを閲覧可能なグループを容易に形成する無線通信システム、この無線通信システムで用いられる携帯端末及びグループ化方法を提供する。
【解決手段】 携帯端末10a〜携帯端末10nは、デジタルコンテンツを閲覧可能なグループを形成するためのグループ形成信号の到達範囲を制御して、グループ形成信号を互いに送受信する。また、暗号鍵は、携帯端末10a〜携帯端末10nが発生する鍵生成用乱数を用いて生成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画、静止画やテレビ番組などのデジタルコンテンツが無線回線を通じて送受信される無線通信システム、この無線通信システムで用いられる携帯端末及びグループ化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話やPDAなどの携帯端末として、動画や静止画を撮像する機能やテレビ番組を録画する機能などを有する携帯端末が増加している。これに伴って、ユーザが携帯端末に記憶されたデジタルコンテンツ(撮像された動画や静止画、録画されたテレビ番組など)を仲間内(グループ内)で交換したいというニーズが高まっている。
【0003】
このニーズを満たす方法として、BLUETOOTH(登録商標)、IrDAやIEEE802.11などに規定された無線技術を用いた方法が知られている。この方法によれば、携帯端末間をケーブルで接続する必要がないため、デジタルコンテンツをユーザが容易に交換することができる。
【0004】
一方で、携帯端末間を無線回線で接続すると、グループ外の第3者にデジタルコンテンツが閲覧される可能性が生じる。従って、一般に、無線技術を用いた方法では、グループID、端末IDやパスワード(以下、ID等)をユーザが入力することによって、グループ外の第3者にデジタルコンテンツが閲覧される可能性を減少させている。例えば、BLUETOOTHで規定された無線技術では、4〜8桁のPINコードを各ユーザが入力することによって、グループ外の第3者にデジタルコンテンツが閲覧される可能性を減少させている。
【0005】
また、グループ外の第3者にデジタルコンテンツが閲覧される可能性を減少させる方法として、予め定められた鍵でデジタルコンテンツを暗号化する方法も知られている。例えば、この方法としては、各携帯端末に共通する共通鍵を用いてデジタルコンテンツを暗号化する方法(共通鍵暗号化方法)や一対の鍵(秘密鍵及び公開鍵)を用いてデジタルコンテンツを暗号化する方法(公開鍵暗号化方法)が挙げられる(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2000−124898号公報(請求項1、〔0057〕〜〔0059〕、図10など)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ID等をユーザが入力する方法では、ID等をユーザが携帯端末に入力する作業が生じてしまう。また、予め定められた鍵でデジタルコンテンツを暗号化する方法では、予め定められた鍵を各携帯端末が記憶している必要が生じてしまい、予め定められた鍵の管理が煩雑であった。
【0007】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、ユーザが意図していない第三者にデジタルコンテンツが閲覧される可能性を減少させながら、デジタルコンテンツを閲覧可能なグループを容易に形成する無線通信システム、この無線通信システムで用いられる携帯端末及びグループ化方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の特徴は、無線回線を通じてデジタルコンテンツが送受信され、マスター端末とスレーブ端末とを含む無線通信システムにおいて、前記マスター端末及び前記スレーブ端末をグループ化するグループ化方法が以下のステップを含むことを要旨とする。
【0009】
具体的には、前記マスター端末が、前記デジタルコンテンツを閲覧可能なグループを形成するためのグループ形成信号を前記無線回線を通じて送信するステップと、前記スレーブ端末が、前記グループ形成信号を前記無線回線を通じて送信するステップと、前記マスター端末が、前記無線回線を通じて受信する前記グループ形成信号に基づいて前記グループを形成するステップと、前記マスター端末が、前記デジタルコンテンツの暗号化に用いられる暗号鍵の生成に用いられる鍵生成情報であるマスター側鍵生成情報を、前記グループに含まれる前記スレーブ端末に送信するステップと、前記スレーブ端末が、前記スレーブ端末によって生成される前記鍵生成情報であるスレーブ側鍵生成情報と前記マスター端末から受信する前記マスター側鍵生成情報とを用いて暫定鍵情報を生成し、生成した前記暫定鍵情報を前記マスター端末に送信するステップと、前記マスター端末が、前記スレーブ端末から受信する前記暫定鍵情報を用いて、前記暗号鍵を前記スレーブ端末が取得するための鍵情報を生成し、生成した前記鍵情報を前記グループに含まれる前記スレーブ端末に送信するステップとをグループ化方法が含むことを要旨とする。
【0010】
かかる特徴によれば、暫定鍵情報がマスター側鍵生成情報及びスレーブ側鍵生成情報を用いて生成され、スレーブ端末が暗号鍵を取得するための鍵情報が暫定鍵情報を用いて生成されることにより、ユーザが意図していない第三者が鍵情報や暗号鍵を推測することが困難になる。
【0011】
また、デジタルコンテンツを閲覧可能なグループを形成する際に、マスター端末が生成するマスター側鍵生成情報及びスレーブ端末が生成するスレーブ側鍵生成情報を用いて暗号鍵が生成されることにより、マスター端末及びスレーブ端末が暗号鍵を予め管理している必要がなく、暗号鍵の管理が煩雑になることを防止することができる。
【0012】
本発明の第2の特徴は、無線回線を通じてデジタルコンテンツが送受信され、マスター端末とスレーブ端末とを含む無線通信システムにおいて、前記マスター端末が、前記デジタルコンテンツを閲覧可能なグループを形成するためのグループ形成信号を前記無線回線を通じて送信するマスター側グループ形成信号送信部(無線通信部11)と、前記無線回線を通じて受信する前記グループ形成信号に基づいて前記グループを形成するグループ化部(グループ化部13)と、前記デジタルコンテンツの暗号化に用いられる暗号鍵の生成に用いられる鍵生成情報であるマスター側鍵生成情報(鍵生成用乱数(Ra))を、前記グループに含まれる前記スレーブ端末に送信する鍵生成情報送信部(無線通信部11)と、前記スレーブ端末によって生成される前記鍵生成情報であるスレーブ側鍵生成情報(鍵生成用乱数(Rb))と前記マスター側鍵生成情報とを用いて前記スレーブ端末が生成する暫定鍵情報(暫定鍵情報(TKab)又は暫定鍵情報(TKa〜n))を、前記グループに含まれる前記スレーブ端末から受信する暫定鍵情報受信部(無線通信部11)と、前記暫定鍵情報受信部によって受信された前記暫定鍵情報を用いて、前記暗号鍵を前記スレーブ端末が取得するための鍵情報を生成する鍵情報生成部(制御部19)と、前記鍵情報生成部によって生成された前記鍵情報を、前記グループに含まれる前記スレーブ端末に送信する鍵情報送信部(無線通信部11)とを備え、前記スレーブ端末が、前記グループ形成信号を前記無線回線を通じて送信するスレーブ側グループ形成信号送信部(無線通信部21)と、前記暗号鍵の生成に用いられる前記鍵生成情報である前記マスター側鍵生成情報を前記マスター端末から受信する鍵生成情報受信部(無線通信部21)と、前記マスター端末から受信する前記マスター側鍵生成情報(鍵生成用乱数(Ra))と前記スレーブ側鍵生成情報(鍵生成用乱数(Rb))とを用いて前記暫定鍵情報(暫定鍵情報(TKab))を生成する暫定鍵情報生成部(制御部27)と、前記暫定鍵情報生成部によって生成された前記暫定鍵情報を前記マスター端末に送信する暫定鍵情報送信部(無線通信部21)とを備えることを要旨とする。
【0013】
本発明の第3の特徴は、本発明の第2の特徴において、前記マスター側グループ形成信号送信部が送信する前記グループ形成信号の到達範囲を制御するマスター側信号到達範囲制御部(電力制御部12)を前記マスター端末がさらに備え、前記スレーブ側グループ形成信号送信部によって送信される前記グループ形成信号の到達範囲を制御するスレーブ側信号到達範囲制御部(電力制御部22)を前記スレーブ端末がさらに備えることを要旨とする。
【0014】
本発明の第4の特徴は、本発明の第3の特徴において、前記マスター側信号到達範囲制御部が、前記マスター側グループ形成信号送信部が送信する前記グループ形成信号の送信電力を一定値以下に制御し、前記スレーブ側信号到達範囲制御部が、前記スレーブ側グループ形成信号送信部によって送信される前記グループ形成信号の送信電力を一定値以下に制御することを要旨とする。
【0015】
本発明の第5の特徴は、本発明の第4の特徴において、前記マスター側信号到達範囲制御部が、前記グループ形成信号の送信電力に加えて、前記鍵情報送信部によって送信される前記鍵情報の送信電力を一定値以下に制御することを要旨とする。
【0016】
本発明の第6の特徴は、本発明の第4の特徴において、前記マスター側信号到達範囲制御部が、前記グループ形成信号の送信電力に加えて、前記鍵生成情報送信部によって送信される前記マスター側鍵生成情報の送信電力を一定値以下に制御し、前記スレーブ側信号到達範囲制御部が、前記グループ形成信号の送信電力に加えて、前記暫定鍵情報送信部によって送信される前記暫定鍵情報の送信電力を一定値以下に制御することを要旨とする。
【0017】
本発明の第7の特徴は、本発明の第2の特徴において、前記マスター端末が、再生順序が定められた確認情報を前記マスター端末及び前記スレーブ端末にそれぞれ割り当てる確認情報割当部(制御部19)と、前記確認情報割当部によって前記マスター端末に割り当てられた前記確認情報を前記再生順序に従って再生するマスター側再生部(音楽情報再生部18)とを備え、前記スレーブ端末が、前記確認情報割当部によって前記スレーブ端末に割り当てられた前記確認情報を前記再生順序に従って再生するスレーブ側再生部(音楽情報再生部26)を備えることを要旨とする。
【0018】
本発明の第8の特徴は、無線回線を通じてデジタルコンテンツが送受信される無線通信システムで用いられ、マスターとして機能する携帯端末が、前記デジタルコンテンツを閲覧可能なグループを形成するためのグループ形成信号を前記無線回線を通じて送信するグループ形成信号送信部(無線通信部11)と、前記無線回線を通じて受信する前記グループ形成信号に基づいて前記グループを形成するグループ化部(グループ化部13)と、前記デジタルコンテンツの暗号化に用いられる暗号鍵の生成に用いられる鍵生成情報であるマスター側鍵生成情報(鍵生成用乱数(Ra))を、前記グループに含まれるスレーブ端末に送信する鍵生成情報送信部(無線通信部11)と、前記スレーブ端末が生成する鍵生成情報であるスレーブ側鍵生成情報(鍵生成用乱数(Rb))と前記マスター側鍵生成情報とを用いて前記スレーブ端末が生成する暫定鍵情報(暫定鍵情報(TKab)又は暫定鍵情報(TKa〜n))を、前記グループに含まれる前記スレーブ端末から受信する暫定鍵情報受信部(無線通信部11)と、前記暫定鍵情報受信部によって受信された前記暫定鍵情報を用いて、前記暗号鍵を前記スレーブ端末が取得するための鍵情報を生成する鍵情報生成部(制御部19)と、前記鍵情報生成部によって生成された前記鍵情報を、前記グループに含まれる前記スレーブ端末に送信する鍵情報送信部(無線通信部11)とを備えることを要旨とする。
【0019】
本発明の第9の特徴は、本発明の第8の特徴において、前記グループ形成信号送信部によって送信される前記グループ形成信号の到達範囲を制御する信号到達範囲制御部(電力制御部12)を携帯端末が備えることを要旨とする。
【0020】
本発明の第10の特徴は、本発明の第9の特徴において、前記信号到達範囲制御部が、前記グループ形成信号送信部によって送信される前記グループ形成信号の送信電力を一定値以下に制御することを要旨とする。
【0021】
本発明の第11の特徴は、本発明の第10の特徴において、前記信号到達範囲制御部が、前記グループ形成信号の送信電力に加えて、前記鍵情報送信部によって送信される前記鍵情報の送信電力を一定値以下に制御することを要旨とする。
【0022】
本発明の第12の特徴は、本発明の第10の特徴において、前記信号到達範囲制御部が、前記グループ形成信号の送信電力に加えて、前記鍵生成情報送信部によって送信される前記マスター側鍵生成情報の送信電力を一定値以下に制御することを要旨とする。
【0023】
本発明の第13の特徴は、本発明の第8の特徴において、再生順序が定められた確認情報を前記携帯端末及び前記スレーブ端末にそれぞれ割り当てる確認情報割当部(制御部19)と、前記確認情報割当部によって前記携帯端末に割り当てられた前記確認情報を前記再生順序に従って再生する確認情報再生部(音楽情報再生部18)と、前記確認情報割当部によって前記スレーブ端末に割り当てられた前記確認情報を前記再生順序に従って再生することを前記スレーブ端末に指示する再生指示部(無線通信部11)とを備えることを要旨とする。
【0024】
本発明の第14の特徴は、本発明の第8の特徴において、前記鍵生成情報送信部が、前記スレーブ端末の一つである一のスレーブ端末に前記マスター側鍵生成情報を送信するとともに、前記一のスレーブ端末が生成する前記スレーブ側鍵生成情報である一のスレーブ側鍵生成情報を用いて前記一のスレーブ端末が生成する前記暫定鍵情報である一の暫定鍵情報を前記スレーブ端末の一つである他のスレーブ端末に転送することを指示する指示情報を前記一のスレーブ端末に送信し、前記暫定鍵情報受信部が、前記グループに含まれる前記スレーブ端末が生成する前記スレーブ側鍵生成情報の全てを用いて生成された最終暫定鍵情報(暫定鍵情報(TKa〜n))を受信し、前記鍵情報生成部が、前記暫定鍵情報受信部によって受信された前記最終暫定鍵情報を用いて、前記暗号鍵を前記スレーブ端末が取得するための鍵情報を生成することを要旨とする。
【0025】
本発明の第15の特徴は、本発明の第8の特徴において、前記鍵生成情報送信部が、前記スレーブ端末の一つである一のスレーブ端末(携帯端末10b)に前記マスター側鍵生成情報を送信するとともに、前記スレーブ端末の一つである他のスレーブ端末(携帯端末10n)に前記マスター側鍵生成情報を送信し、前記暫定鍵情報受信部が、前記一のスレーブ端末が生成する前記スレーブ側鍵生成情報である一のスレーブ側鍵生成情報(鍵生成用乱数(Rb))を用いて前記一のスレーブ端末が生成する前記暫定鍵情報である一の暫定鍵情報(暫定鍵情報(TKab))を前記一のスレーブ端末から受信するとともに、前記他のスレーブ端末が生成する前記スレーブ側鍵生成情報である他のスレーブ側鍵生成情報(鍵生成用乱数(Rn))を用いて前記他のスレーブ端末が生成する前記暫定鍵情報である他の暫定鍵情報(暫定鍵情報(TKan))を前記他のスレーブ端末から受信し、前記鍵情報生成部が、前記一のスレーブ端末が前記暗号鍵を取得するための前記鍵情報である一の鍵情報を前記一の暫定鍵情報を用いて生成するとともに、前記他のスレーブ端末が前記暗号鍵を取得するための前記鍵情報である他の鍵情報を前記他の暫定鍵情報を用いて生成することを要旨とする。
【0026】
本発明の第16の特徴は、本発明の第8の特徴において、前記グループ形成信号送信部が、ユーザが所定の操作を行うと、前記グループ形成信号を前記無線回線を通じて送信し、前記グループ化部が、ユーザが前記所定の操作を行うと、前記無線回線を通じて受信する前記グループ形成信号に基づいて前記グループを形成することを要旨とする。
【0027】
本発明の第17の特徴は、本発明の第13の特徴において、前記グループ化部が、前記無線回線を通じて受信する前記グループ形成信号に基づいて、前記スレーブ端末に順序が割り当てられた順序テーブルを生成し、前記確認情報割当部が、前記順序テーブルで対応付けられた前記順序に応じて、前記スレーブ端末に前記確認情報を割り当てることを要旨とする。
【0028】
本発明の第18の特徴は、本発明の第14の特徴において、前記グループ化部が、前記無線回線を通じて受信する前記グループ形成信号に基づいて、前記スレーブ端末に順序が割り当てられた順序テーブルを生成し、前記鍵生成情報送信部が、前記一の暫定鍵情報の送信先となる前記他のスレーブ端末を指示するために、前記順序テーブルを前記指示情報として前記一のスレーブ端末に送信することを要旨とする。
【0029】
本発明の第19の特徴は、無線回線を通じてデジタルコンテンツが送受信される無線通信システムで用いられ、スレーブとして機能する携帯端末が、前記デジタルコンテンツを閲覧可能なグループを形成するためのグループ形成信号を前記無線回線を通じて送信するグループ形成信号送信部(無線通信部21)と、前記デジタルコンテンツの暗号化に用いられる暗号鍵の生成に用いられる鍵生成情報であるマスター側鍵生成情報(鍵生成用乱数(Ra))をマスター端末から受信する鍵生成情報受信部(無線通信部21)と、前記鍵生成情報であるスレーブ側鍵生成情報(鍵生成用乱数(Rb))を生成する鍵生成情報生成部(乱数発生部23)と、前記鍵生成情報受信部によって受信された前記マスター側鍵生成情報と、前記鍵生成情報生成部によって生成された前記スレーブ側鍵生成情報とを用いて、暫定鍵情報(暫定鍵情報(TKab))を生成する暫定鍵情報生成部(制御部27)と、前記暫定鍵情報生成部によって生成された前記暫定鍵情報を前記マスター端末に送信する暫定鍵情報送信部(無線通信部21)とを備えることを要旨とする。
【0030】
本発明の第20の特徴は、本発明の第19の特徴において、前記グループ形成信号送信部によって送信される前記グループ形成信号の到達範囲を制御する信号到達範囲制御部(電力制御部22)を携帯端末がさらに備えることを要旨とする。
【0031】
本発明の第21の特徴は、本発明の第20の特徴において、前記信号到達範囲制御部が、前記グループ形成信号送信部によって送信される前記グループ形成信号の送信電力を一定値以下に制御することを要旨とする。
【0032】
本発明の第22の特徴は、本発明の第21の特徴において、前記信号到達範囲制御部が、前記グループ形成信号の送信電力に加えて、前記暫定鍵情報送信部によって送信される前記暫定鍵情報の送信電力を一定値以下に制御することを要旨とする。
【0033】
本発明の第23の特徴は、本発明の第19の特徴において、前記マスター端末によって前記携帯端末に割り当てられた確認情報を、前記確認情報に予め定められた再生順序に従って再生する確認情報再生部(音楽情報再生部26)を携帯端末が備えることを要旨とする。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、ユーザが意図していない第三者にデジタルコンテンツが閲覧される可能性を減少させながら、デジタルコンテンツを閲覧可能なグループを容易に形成する無線通信システム、この無線通信システムで用いられる携帯端末及びグループ化方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
[第1実施形態]
(無線通信システムの構成)
以下において、本発明の第1実施形態に係る無線通信システムの構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る無線通信システムを示す全体図である。
【0036】
図1に示すように、無線通信システムは、複数の携帯端末(携帯端末10a〜携帯端末10n、携帯端末10x、携帯端末10y)によって構成される。
【0037】
各携帯端末は、無線回線を通じて他の携帯端末に信号を送信する機能を有している。なお、無線回線を通じて信号を送信する無線技術としては、BLUETOOTH(登録商標)、IrDAやIEEE802.11などに規定された無線技術が挙げられる。
【0038】
例えば、携帯端末10aは、電波到達エリアa内に位置する他の携帯端末10に信号を送信することが可能である。同様に、携帯端末10bは、電波到達エリアb内に位置する他の携帯端末10に信号を送信することが可能であり、携帯端末10nは、電波到達エリアn内に位置する他の携帯端末10に信号を送信することが可能である。
【0039】
また、各携帯端末10は、信号の送信電力を制御することによって、電波到達エリアのサイズを制御する。
【0040】
さらに、携帯端末10は、動画や静止画を撮像する機能やテレビ番組を録画する機能などを有しており、デジタルコンテンツ(撮像された動画や静止画、録画されたテレビ番組など)を記憶可能である。例えば、携帯端末10は、携帯電話、デジタルカメラ、PDAなどである。
【0041】
ここで、第1実施形態では、ユーザは、デジタルコンテンツを閲覧可能なグループ内に携帯端末10a〜携帯端末10nを含めることを意図しており、デジタルコンテンツを閲覧可能なグループ内に携帯端末10x及び携帯端末10yを含めることを意図していないものとして説明する。なお、図1では図示していないが、電波到達エリアa、電波到達エリアb及び電波到達エリアnが重複する重複エリアには、n個の携帯端末10が存在しているものとする。
【0042】
また、第1実施形態では、携帯端末10aがマスターとして機能し、携帯端末10b〜携帯端末10nがスレーブとして機能するものとして説明する。
【0043】
(携帯端末の構成)
以下において、本発明の第1実施形態に係る携帯端末の構成について、図面を参照しながら説明する。図2は、本発明の第1実施形態に係る携帯端末10の構成を示すブロック図である。
【0044】
最初に、無線通信システムでマスターとして機能するマスター端末の構成について説明する。図2(a)は、本発明の第1実施形態に係るマスター端末、すなわち、携帯端末10aの構成を示すブロック図である。
【0045】
図2(a)に示すように、携帯端末10aは、無線通信部11と、電力制御部12と、グループ化部13と、乱数発生部14と、順序テーブル記憶部15と、鍵情報記憶部16と、音楽情報記憶部17と、音楽情報再生部18と、制御部19とを有する。
【0046】
無線通信部11は、携帯端末10aと他の携帯端末との間で通信を行う。具体的には、無線通信部11は、無線回線を通じて各種信号を他の携帯端末に送信し、無線回線を通じて各種信号を他の携帯端末から受信する。
【0047】
例えば、無線通信部11は、デジタルコンテンツを閲覧可能なグループを形成するためのグループ形成信号、後述する乱数発生部14が発生する鍵生成用乱数(Ra)、デジタルコンテンツの暗号化に用いられる暗号鍵を他の携帯端末が取得するための鍵情報などを送信する。
【0048】
なお、グループ形成信号には、携帯端末10aに設けられたボタンをユーザが押下した時刻(ボタン押下時刻)、携帯端末10aの端末ID(例えば、IPアドレスやMACアドレス)、携帯端末10aのユーザ名などが含まれている。鍵情報は、暗号鍵そのものであってもよい。
【0049】
また、無線通信部11は、携帯端末10aに設けられたボタンを押下している間、所定の周期でグループ形成信号を継続して送信する。なお、無線通信部11は、ボタンが押下されてから所定時間が経過するまでの間、所定の周期でグループ形成信号を継続して送信してもよい。
【0050】
さらに、無線通信部11は、デジタルコンテンツを閲覧可能なグループを形成するためのグループ形成信号、乱数発生部14が発生する鍵生成用乱数(Ra)を用いて他の携帯端末によって生成される暫定鍵情報を他の携帯端末から受信する。
【0051】
なお、グループ形成信号には、他の携帯端末に設けられたボタンをユーザが押下した時刻(ボタン押下時刻)、他の携帯端末の端末ID(例えば、IPアドレスやMACアドレス)、他の携帯端末のユーザ名などが含まれている。
【0052】
また、無線通信部11は、携帯端末10aに設けられたボタンを押下している間のみ、グループ形成信号を受け付ける。なお、無線通信部11は、ボタンが押下されてから所定時間が経過するまでの間、グループ形成信号を受け付けてもよい。
【0053】
電力制御部12は、無線通信部11によって送信される信号の送信電力を制御する。具体的には、電力制御部12は、グループ形成信号、鍵生成用乱数(Ra)や鍵情報の送信電力を制御することによって、電波到達エリアaのサイズを制御する。これによって、ユーザが意図していない第三者がグループ内に含まれる可能性が軽減される。
【0054】
グループ化部13は、無線回線を通じて受信するグループ形成信号に基づいて、デジタルコンテンツを閲覧可能なグループを形成する。具体的には、グループ化部13は、グループ形成信号に含まれるボタン押下時刻に応じて、マスターとして機能するか、スレーブとして機能するかを決定する。また、グループ化部13は、無線通信部11によって受信されたグループ形成信号を送信した携帯端末によって構成されるグループを形成する。さらに、グループ化部13は、グループ形成信号に含まれるボタン押下時刻に応じて、グループ内に含まれる各携帯端末に順序を割り当てるとともに、各携帯端末に順序が対応付けられた順序テーブルを生成する。
【0055】
乱数発生部14は、暗号鍵の生成に用いられる鍵生成用乱数(Ra)を発生する。
【0056】
順序テーブル記憶部15は、グループ化部13によって生成された順序テーブルを記憶する。なお、順序テーブルの詳細については後述する(図3を参照)。
【0057】
鍵情報記憶部16は、暗号鍵を生成するために必要な各種情報を記憶する。具体的には、鍵情報記憶部16は、乱数発生部14が発生する鍵生成用乱数(Ra)、グループ内に含まれる携帯端末10が発生する鍵生成用乱数の全てを用いて生成される暫定鍵情報(TKa〜n)、暗号鍵などを記憶する。
【0058】
音楽情報記憶部17は、再生順序が定められた音楽情報を記憶する。なお、音楽情報は、ユーザが意図していない第三者が暗号鍵を取得することなく、グループ内で暗号鍵が共有されたか否かを確認する際に用いられる。
【0059】
音楽情報再生部18は、後述する制御部19によって割り当てられた分割音楽情報を再生する。なお、分割音楽情報とは、グループ内に含まれる携帯端末10の数に応じて分割された音楽情報である。
【0060】
制御部19は、携帯端末10aを構成する各部を制御する。例えば、制御部19は、グループ内に含まれる携帯端末10の数に応じて、音楽情報記憶部17に記憶された音楽情報を分割して、分割音楽情報を生成する。また、制御部19は、順序テーブルで各携帯端末に対応付けられた順序及び分割音楽情報の再生順序に応じて、各携帯端末に分割音楽情報を割り当てる。
【0061】
次に、無線通信システムでスレーブとして機能するスレーブ端末の構成について説明する。図2(b)は、本発明の第1実施形態に係るスレーブ端末、すなわち、携帯端末10b〜携帯端末10nの構成を示すブロック図である。なお、携帯端末10b〜携帯端末10nの構成は同様であるため、図2(b)では、携帯端末10bを例に挙げて説明する。
【0062】
図2(b)に示すように、携帯端末10bは、無線通信部21と、電力制御部22と、乱数発生部23と、順序テーブル記憶部24と、鍵情報記憶部25と、音楽情報再生部26と、制御部27とを有する。
【0063】
無線通信部21は、携帯端末10bと他の携帯端末との間で通信を行う。具体的には、無線通信部21は、無線回線を通じて各種信号を他の携帯端末に送信し、無線回線を通じて各種信号を他の携帯端末から受信する。
【0064】
例えば、無線通信部21は、デジタルコンテンツを閲覧可能なグループを形成するためのグループ形成信号、後述する乱数発生部23が発生する鍵生成用乱数(Rb)を用いて生成される暫定鍵情報(TKab)、他の携帯端末が暗号鍵を取得するための鍵情報などを送信する。
【0065】
なお、グループ形成信号には、携帯端末10bに設けられたボタンをユーザが押下した時刻(ボタン押下時刻)、携帯端末10bの端末ID(例えば、IPアドレスやMACアドレス)、携帯端末10bのユーザ名などが含まれている。
【0066】
また、無線通信部21は、携帯端末10bに設けられたボタンを押下している間、所定の周期でグループ形成信号を継続して送信される。なお、無線通信部21は、ボタンが押下されてから所定時間が経過するまでの間、所定の周期でグループ形成信号を継続して送信してもよい。
【0067】
さらに、無線通信部21は、デジタルコンテンツを閲覧可能なグループを形成するためのグループ形成信号、暗号鍵を取得する際に用いる鍵情報などを他の携帯端末から受信する。
【0068】
なお、グループ形成信号には、他の携帯端末に設けられたボタンをユーザが押下した時刻(ボタン押下時刻)、他の携帯端末の端末ID(例えば、IPアドレスやMACアドレス)、他の携帯端末のユーザ名などが含まれている。
【0069】
また、無線通信部21は、携帯端末10aに設けられたボタンを押下している間のみ、グループ形成信号を受け付ける。なお、無線通信部21は、ボタンが押下されてから所定時間が経過するまでの間、グループ形成信号を受け付けてもよい。
【0070】
電力制御部22は、無線通信部21によって送信される信号の送信電力を制御する。具体的には、電力制御部22は、グループ形成信号、暫定鍵情報(TKab)や鍵情報の送信電力を制御することによって、電波到達エリアbのサイズを制御する。これによって、ユーザが意図していない第三者がグループ内に含まれる可能性が軽減される。
【0071】
乱数発生部23は、暗号鍵の生成に用いられる鍵生成用乱数(Rb)を発生する。
【0072】
順序テーブル記憶部24は、携帯端末10aから受信した順序テーブルを記憶する。
【0073】
鍵情報記憶部25は、暗号鍵を生成するために必要な各種情報を記憶する。具体的には、鍵情報記憶部25は、乱数発生部23が発生する鍵生成用乱数(Rb)、後述する制御部27によって鍵生成用乱数(Rb)を用いて生成される暫定鍵情報(TKab)、鍵情報を記憶する。
【0074】
音楽情報再生部26は、携帯端末10aによって割り当てられた分割音楽情報を再生する。
【0075】
制御部27は、携帯端末10bを構成する各部を制御する。例えば、制御部27は、携帯端末10aから受信する鍵生成用乱数(Ra)及び乱数発生部23が発生する鍵生成用乱数(Rb)をXOR演算することによって暫定鍵情報(TKab)を生成する。
【0076】
なお、第1実施形態では、携帯端末10aがマスターとして機能し、携帯端末10bがスレーブとして機能するものとして説明したが、これは携帯端末10の機能を明確に説明するためである。従って、各携帯端末10は、マスターとして機能することも可能であり、スレーブとして機能することも可能であることは勿論である。
【0077】
(順序テーブル)
以下において、本発明の第1実施形態に係る順序テーブルについて、図面を参照しながら説明する。図3は、本発明の第1実施形態に係る順序テーブルの一例を示す図である。
【0078】
図3に示すように、順序テーブルでは、各携帯端末10の端末IDと、各携帯端末10のユーザ名と、ボタン押下時刻と、鍵生成状況と、備考とが対応付けられている。
【0079】
ここで、端末IDとは、上述したように、各携帯端末10のIPアドレスやMACアドレスなどであり、ユーザ名とは、各携帯端末10を有するユーザの名称であり、ボタン押下時刻とは、各携帯端末10に設けられたボタンが押下された時刻である。
【0080】
また、鍵生成状況とは、各携帯端末10が発生した鍵生成用乱数が暫定鍵情報の生成に用いられているか否かを示す情報である。具体的には、鍵生成用乱数が暫定鍵情報の生成に用いられている場合には、鍵生成状況として「○」が格納され、鍵生成用乱数が暫定鍵情報の生成に用いられていない場合には、鍵生成状況として「×」が格納される。
【0081】
さらに、備考とは、例えば、各携帯端末10がマスターとして機能しているか、スレーブとして機能しているかを示す情報などである。
【0082】
(携帯端末の動作)
以下において、本発明の第1実施形態に係る携帯端末の動作について、図面を参照しながら説明する。図4は、本発明の第1実施形態に係る携帯端末10の動作を示すシーケンス図である。
【0083】
なお、以下においては、携帯端末10aに設けられたボタンが最初に押下され、携帯端末10bに設けられたボタンが2番目に押下され、携帯端末10nに設けられたボタンが最後に押下されたものとして説明する。すなわち、携帯端末10aはマスターとして機能し、携帯端末10b〜携帯端末10nは、スレーブとして機能する。
【0084】
図4に示すように、ステップ10において、各携帯端末10は、鍵共有開始処理を行う。ここで、鍵共有開始処理とは、デジタルコンテンツを閲覧可能なグループを形成するために、各携帯端末10間で各種情報を送受信するとともに、マスターとして機能する携帯端末10を決定する処理である。なお、鍵共有開始処理の詳細については後述する(図5を参照)。
【0085】
ステップ20において、各携帯端末10は、鍵生成処理を行う。ここで、鍵生成処理とは、各携帯端末10が発生する鍵生成用乱数を用いて、デジタルコンテンツの暗号化に用いられる暗号鍵を生成する処理である。なお、鍵生成処理の詳細については後述する(図6〜図8を参照)。
【0086】
ステップ30において、各携帯端末10は、鍵配信処理を行う。ここで、鍵配信処理とは、デジタルコンテンツの暗号化に用いられる暗号鍵を各携帯端末10に配信する処理である。なお、鍵配信処理の詳細については後述する(図9〜図11を参照)
ステップ40において、各携帯端末10は、鍵共有確認処理を行う。ここで、鍵共有確認処理とは、デジタルコンテンツを閲覧可能なグループ内で、デジタルコンテンツの暗号化に用いられる暗号鍵を共有することができたか否かを確認する処理である。すなわち、鍵共有確認処理とは、ユーザが意図していない第三者がグループ内に含まれていないかを確認する処理である。なお、鍵共有確認処理の詳細については後述する(図12を参照)。
【0087】
以下において、上述した鍵共有開始処理について、図面を参照しながら説明する。図5は、本発明の第1実施形態に係る鍵共有開始処理を示すシーケンス図である。
【0088】
図5に示すように、ステップ11a〜ステップ11nにおいて、各ユーザは、携帯端末10a〜携帯端末10nに設けられたボタンの押下を開始する。なお、第1実施形態では、上述したように、携帯端末10aに設けられたボタンが最初に押下され、携帯端末10bに設けられたボタンが2番目に押下され、携帯端末10nに設けられたボタンが最後に押下される。
【0089】
ステップ12において、携帯端末10a〜携帯端末10nは、ボタン押下時刻を含むグループ形成信号を無線回線を通じて送信する。また、携帯端末10a〜携帯端末10nは、ボタン押下時刻を含むグループ形成信号を無線回線を通じて受信する。
【0090】
ここで、携帯端末10a〜携帯端末10nは、電波到達エリアa〜電波到達エリアnのサイズが大きくなりすぎて、ユーザが意図していない第三者がグループ内に含まれてしまうことを防止するために、グループ形成信号の送信電力を一定値以下に制御して、グループ形成信号を送信する。
【0091】
ステップ13a〜ステップ13nにおいて、携帯端末10a〜携帯端末10nは、受信したグループ形成信号を送信した携帯端末10によって構成されるグループを形成する。また、携帯端末10a〜携帯端末10nは、グループに含まれる携帯端末10の数をカウントする。
【0092】
ステップ14a〜ステップ14nにおいて、各ユーザは、携帯端末10a〜携帯端末10nに設けられたボタンの押下を終了する。
【0093】
ステップ15a〜ステップ15nにおいて、携帯端末10a〜携帯端末10nは、マスターとして機能するか、スレーブとして機能するかを決定する。具体的には、ボタン押下時刻が最も早い携帯端末10はマスターとして機能することを決定し、他の携帯端末10はスレーブとして機能することを決定する。
【0094】
すなわち、第1実施形態では、携帯端末10aはマスターとして機能することを決定し、携帯端末10b〜携帯端末10nはスレーブとして機能することを決定する。
【0095】
以下において、上述した鍵生成処理について、図面を参照しながら説明する。図6は、本発明の第1実施形態に係る鍵生成処理を示すシーケンス図である。
【0096】
図6に示すように、ステップ21において、携帯端末10aは、携帯端末10b〜携帯端末10nから受信したグループ形成信号に基づいて、携帯端末10b〜携帯端末10nに順序が割り当てられた順序テーブルを生成する。
【0097】
ステップ22a〜ステップ22nにおいて、携帯端末10a〜携帯端末10nは、暗号鍵の生成に用いられる鍵生成用乱数をそれぞれ発生する。具体的には、ステップ22aにおいて、携帯端末10aは、鍵生成用乱数(Ra)を発生する。同様に、ステップ22bにおいて、携帯端末10bは、鍵生成用乱数(Rb)を発生し、携帯端末10nは、鍵生成用乱数(Rn)を発生する。
【0098】
ステップ23において、携帯端末10aは、携帯端末10aに対応する鍵生成状況として「○」を順序テーブルに格納するとともに、鍵生成用乱数(Ra)及び順序テーブルを携帯端末10bに送信する。
【0099】
ここで、携帯端末10aは、電波到達エリアaのサイズが大きくなりすぎて、ユーザが意図していない第三者によって鍵生成用乱数(Ra)が盗聴されてしまうことを防止するために、鍵生成用乱数(Ra)の送信電力を一定値以下に制御して、鍵生成用乱数(Ra)を送信する。
【0100】
ステップ24において、携帯端末10bは、鍵生成用乱数(Ra)及び鍵生成用乱数(Rb)を用いて暫定鍵情報(TKab)を生成する。具体的には、携帯端末10bは、鍵生成用乱数(Ra)及び鍵生成用乱数(Rb)をXOR演算することによって、暫定鍵情報(TKab)を生成する。
【0101】
ステップ25において、携帯端末10bは、携帯端末10bに対応する鍵生成状況として「○」を順序テーブルに格納するとともに、携帯端末10bの次にボタン押下時刻が早い携帯端末10に暫定鍵情報(TKab)及び順序テーブルを送信する。
【0102】
ここで、携帯端末10bは、電波到達エリアbのサイズが大きくなりすぎて、ユーザが意図していない第三者によって暫定鍵情報(TKab)が盗聴されてしまうことを防止するために、暫定鍵情報(TKab)の送信電力を一定値以下に制御して、暫定鍵情報(TKab)を送信する。
【0103】
このように、各携帯端末10(スレーブ端末)は、各携帯端末10が発生した鍵生成用乱数を用いて暫定鍵情報を更新し、暫定鍵情報は、ボタン押下時刻が最も遅い携帯端末10nに最終的に送信される。
【0104】
ステップ26において、携帯端末10nは、暫定鍵情報(TKa〜n-1)及び鍵生成用乱数(Rn)を用いて暫定鍵情報(TKa〜n)を生成する。具体的には、携帯端末10bは、暫定鍵情報(TKa〜n-1)及び鍵生成用乱数(Rn)をXOR演算することによって、暫定鍵情報(TKa〜n)を生成する。
【0105】
ステップ27において、携帯端末10nは、携帯端末10nに対応する鍵生成状況として「○」を順序テーブルに格納するとともに、暫定鍵情報(TKa〜n)及び順序テーブルを携帯端末10aに送信する。
【0106】
ここで、携帯端末10nは、電波到達エリアnのサイズが大きくなりすぎて、ユーザが意図していない第三者によって暫定鍵情報(TKa〜n)が盗聴されてしまうことを防止するために、暫定鍵情報(TKa〜n)の送信電力を一定値以下に制御して、暫定鍵情報(TKa〜n)を送信する。
【0107】
ステップ28において、携帯端末10aは、鍵生成終了判定処理(マスター)を行う。ここで、鍵生成終了判定処理(マスター)は、マスターとして機能する携帯端末10aが鍵生成処理を終了するか否かを判定する処理である。また、鍵生成終了判定処理(マスター)の詳細については後述する(図7を参照)。
【0108】
ステップ29b〜ステップ29nにおいて、携帯端末10b〜携帯端末10nは、鍵生成終了判定処理(スレーブ)を行う。ここで、鍵生成終了判定処理(スレーブ)は、スレーブとして機能する携帯端末10b〜携帯端末10nが鍵生成処理を終了するか否かを判定する処理である。また、鍵生成終了判定処理(スレーブ)の詳細については後述する(図8を参照)。
【0109】
以下において、上述した鍵生成処理終了判定処理(マスター)について、図面を参照しながら説明する。図7は、本発明の第1実施形態に係る鍵生成処理終了判定処理(マスター)を示すフロー図である。
【0110】
図7に示すように、ステップ281において、携帯端末10aは、上述したステップ27で受信した順序テーブルを確認する。
【0111】
ステップ282において、携帯端末10aは、グループに含まれる全ての携帯端末10が発生した鍵生成用乱数が暫定鍵情報の生成に用いられているか否かを判定する。具体的には、携帯端末10aは、順序テーブルの鍵生成状況が全て「○」であるか否かを判定する。また、携帯端末10aは、鍵生成状況が全て「○」である場合には、ステップ283の処理に移り、鍵生成状況が全て「○」でない場合には、ステップ286の処理に移る。
【0112】
ステップ283において、携帯端末10aは、携帯端末10b〜携帯端末10nからタイムアウト通知を受信したか否かを判定する。また、携帯端末10aは、タイムアウト通知を受信した場合には、ステップ286の処理に移り、タイムアウト通知を受信していない場合には、ステップ284の処理に移る。
【0113】
ステップ284において、携帯端末10aは、暗号鍵の生成が完了したことを示す鍵生成完了通知を携帯端末10b〜携帯端末10nに送信する。
【0114】
ステップ285において、携帯端末10aは、各携帯端末10が発生した鍵生成用乱数の全てを用いて生成された暫定鍵情報(TKa〜n)を暗号鍵として鍵情報記憶部16に格納し、鍵生成処理を終了する。
【0115】
ステップ286において、携帯端末10aは、暗号鍵の生成過程で異常が発生したことを示す鍵生成異常通知を携帯端末10b〜携帯端末10nに送信する。
【0116】
ステップ287において、携帯端末10aは、鍵生成用乱数(Ra)を削除する。また、携帯端末10aは、上述したステップ22aの処理に戻る。
【0117】
以下において、上述した鍵生成処理終了判定処理(スレーブ)について、図面を参照しながら説明する。図8は、本発明の第1実施形態に係る鍵生成処理終了判定処理(スレーブ)を示すフロー図である。なお、ステップ29b〜ステップ29nの処理は同様の処理であるため、ステップ29の処理、すなわち、携帯端末10bの処理を例に挙げて説明する。
【0118】
図8に示すように、ステップ291において、携帯端末10bは、タイマ(t1)に所定の判定時間をセットする。
【0119】
ステップ292において、携帯端末10bは、上述した鍵生成完了通知を携帯端末10aから受信したか否かを判定する。また、携帯端末10bは、鍵生成完了通知を受信した場合には、ステップ293の処理に移り、鍵生成完了通知を受信していない場合には、ステップ294の処理に移る。
【0120】
ステップ293において、携帯端末10bは、鍵生成処理を終了する。
【0121】
ステップ294において、携帯端末10bは、上述した鍵生成異常通知を携帯端末10aから受信したか否かを判定する。また、携帯端末10bは、鍵生成異常通知を受信した場合には、ステップ297の処理に移り、鍵生成異常通知を受信していない場合には、ステップ296の処理に移る。
【0122】
ステップ295において、携帯端末10bは、タイマ(t1)の値が“0”よりも大きいか否かを判定する。また、携帯端末10bは、タイマ(t1)の値が“0”よりも大きい場合には、ステップ298の処理に移り、タイマ(t1)の値が“0”以下である場合には、ステップ296の処理に移る。
【0123】
ステップ296において、携帯端末10bは、所定の判定時間内に暗号鍵の生成が完了しなかったことを示すタイムアウト通知を携帯端末10aに送信する。
【0124】
ステップ297において、携帯端末10bは、鍵生成用乱数(Rb)を削除する。また、携帯端末10bは、上述したステップ22bの処理に戻る。
【0125】
ステップ298において、携帯端末10bは、タイマ(t1)の値を減算して、ステップ292の処理に戻る。
【0126】
以下において、上述した鍵配信処理について、図面を参照しながら説明する。図9は、本発明の第1実施形態に係る鍵配信処理を示すシーケンス図である。
【0127】
図9に示すように、ステップ31a〜ステップ31nにおいて、携帯端末10a〜携帯端末10nは、タイマ(t2)に所定の判定時間をセットする。
【0128】
ステップ32において、携帯端末10aは、鍵情報記憶部16に記憶された暗号鍵を携帯端末10bに送信する。
【0129】
ここで、携帯端末10aは、電波到達エリアaのサイズが大きくなりすぎて、ユーザが意図していない第三者によって暗号鍵が盗聴されてしまうことを防止するために、暗号鍵の送信電力を一定値以下に制御して、暗号鍵を送信する。
【0130】
ステップ33において、携帯端末10bは、鍵受信判定処理を行う。ここで、鍵受信判定処理とは、タイマ(t2)にセットされた所定の判定時間内に暗号鍵を受信できたか否かを判定する処理である。なお、鍵受信判定処理の詳細については後述する(図10を参照)。
【0131】
ステップ34において、携帯端末10bは、携帯端末10aから暗号鍵を受信できた場合には、携帯端末10bの次にボタン押下時刻が早い携帯端末10に暗号鍵を送信する。
【0132】
ここで、携帯端末10bは、電波到達エリアbのサイズが大きくなりすぎて、ユーザが意図していない第三者によって暗号鍵が盗聴されてしまうことを防止するために、暗号鍵の送信電力を一定値以下に制御して、暗号鍵を送信する。
【0133】
このように、各携帯端末10は、順序テーブルで各携帯端末10に対応付けられた順序に従って暗号鍵を転送し、暗号鍵は、ボタン押下時刻が最も遅い携帯端末10nに最終的に転送される。
【0134】
ステップ35において、携帯端末10bは、タイマ(t2)にセットされた所定の判定時間内に暗号鍵を受信できたか否かを示す鍵受信応答を携帯端末10aに送信する。なお、鍵受信応答には、所定の判定時間内に暗号鍵を受信できたことを示す鍵受信確認と、所定の判定時間内に暗号鍵を受信できなかったことを示すタイムアウト通知とが含まれる。
【0135】
ステップ36において、携帯端末10nは、携帯端末10bと同様に、鍵受信判定処理を行う。ここで、鍵受信判定処理とは、上述したように、タイマ(t2)にセットされた所定の判定時間内に暗号鍵を受信できたか否かを判定する処理である。
【0136】
ステップ37において、携帯端末10nは、携帯端末10bと同様に、タイマ(t2)にセットされた所定の判定時間内に暗号鍵を受信できたか否かを示す鍵受信応答を携帯端末10aに送信する。
【0137】
ステップ38において、携帯端末10aは、鍵配信終了判定処理を行う。ここで、鍵配信終了判定処理とは、鍵配信処理を終了するか否かを判定する処理である。なお、鍵配信終了判定処理の詳細については後述する(図11を参照)。
【0138】
以下において、上述した鍵受信判定処理について、図面を参照しながら説明する。図10は、本発明の第1実施形態に係る鍵受信判定処理を示すフロー図である。なお、ステップ33及びステップ36の処理は同様の処理であるため、ステップ33の処理、すなわち、携帯端末10bの処理を例に挙げて説明する。
【0139】
図10に示すように、ステップ331において、携帯端末10bは、暗号鍵の受信待ち状態となる。
【0140】
ステップ332において、携帯端末10bは、暗号鍵を受信したか否かを判定する。また、携帯端末10bは、暗号鍵を受信した場合には、ステップ333の処理に移り、暗号鍵を受信していない場合には、ステップ334の処理に移る。
【0141】
ステップ333において、携帯端末10bは、所定の判定時間内に暗号鍵を受信できたことを示す鍵受信確認を鍵受信応答として携帯端末10aに送信する。
【0142】
ステップ334において、携帯端末10bは、暗号鍵の配信過程で異常が発生したことを示す鍵配信異常終了通知を携帯端末10aから受信したか否かを判定する。また、携帯端末10bは、鍵配信異常終了通知を受信した場合には、ステップ31bの処理に戻り、鍵配信異常終了通知を受信していない場合には、ステップ335の処理に移る。
【0143】
ステップ335において、携帯端末10bは、タイマ(t2)の値が“0”よりも大きいか否かを判定する。また、携帯端末10bは、タイマ(t1)の値が“0”よりも大きい場合には、ステップ337の処理に移り、タイマ(t1)の値が“0”以下である場合には、ステップ336の処理に移る。
【0144】
ステップ336において、携帯端末10bは、所定の判定時間内に暗号鍵を受信できなかったことを示すタイムアウト通知を鍵受信応答として携帯端末10aに送信する。
【0145】
ステップ337において、携帯端末10bは、タイマ(t2)の値を減算して、ステップ331の処理に戻る。
【0146】
以下において、上述した鍵配信終了判定処理について、図面を参照しながら説明する。図11は、本発明の第1実施形態に係る鍵配信終了判定処理を示すフロー図である。
【0147】
図11に示すように、ステップ381において、携帯端末10aは、鍵受信応答の受信待ち状態となる。
【0148】
ステップ382において、携帯端末10aは、グループ内に含まれる全ての携帯端末10(スレーブ端末;携帯端末10b〜携帯端末10n)から、所定の判定時間内に暗号鍵を受信できたことを示す鍵受信確認を鍵受信応答として受信したか否かを判定する。また、携帯端末10aは、グループ内に含まれる全ての携帯端末10から鍵受信確認を受信した場合には、鍵配信処理を終了し、グループ内に含まれるいずれかの携帯端末10から鍵受信確認を受信していない場合には、ステップ383の処理に移る。
【0149】
ステップ383において、携帯端末10aは、タイムアウト通知を鍵受信応答として受信したか否かを判定する。また、携帯端末10aは、タイムアウト通知を受信した場合には、ステップ385の処理に移り、タイムアウト通知を受信していない場合には、ステップ384の処理に移る。
【0150】
ステップ384において、携帯端末10aは、タイマ(t2)の値が“0”よりも大きいか否かを判定する。また、携帯端末10aは、タイマ(t2)の値が“0”よりも大きい場合には、ステップ386の処理に移り、タイマ(t2)の値が“0”以下である場合には、ステップ385の処理に移る。
【0151】
ステップ385において、携帯端末10aは、暗号鍵の配信過程で異常が発生したことを示す鍵配信異常終了通知を携帯端末10b〜携帯端末10nに送信する。
【0152】
ステップ386において、携帯端末10aは、タイマ(t2)の値を減算して、ステップ381の処理に戻る。
【0153】
以下において、上述した鍵共有確認処理について、図面を参照しながら説明する。図12は、本発明の第1実施形態に係る鍵共有確認処理を示すシーケンス図である。
【0154】
図12に示すように、ステップ41において、携帯端末10aは、音楽情報記憶部17に記憶された音楽情報を、グループ内に含まれる携帯端末10の数(n)+1に分割する。また、携帯端末10aは、順序テーブルで携帯端末10b〜携帯端末10nに対応付けられた順序及び音楽情報に予め定められた再生順序に応じて、“n+1”に分割された音楽情報(以下、分割音楽情報)を携帯端末10b〜携帯端末10nに割り当てる。また、携帯端末10aは、1番目の分割音楽情報とn+1番目の分割音楽情報を携帯端末10aに割り当てる。
【0155】
ステップ42b〜ステップ42nにおいて、携帯端末10aは、携帯端末10b〜携帯端末10nに割り当てられた分割音楽情報をそれぞれ携帯端末10b〜携帯端末10nに送信する。
【0156】
ステップ43において、携帯端末10aは、1番目の分割音楽情報を再生する。
【0157】
ステップ44において、携帯端末10aは、2番目の分割音楽の再生要求を携帯端末10bに送信する。
【0158】
ステップ45において、携帯端末10bは、2番目の分割音楽情報を再生する。
【0159】
ステップ46において、携帯端末10bは、携帯端末10bの次にボタン押下時刻が早い携帯端末10に3番目の分割音楽の再生要求を送信する。
【0160】
このように、各携帯端末10(スレーブ端末)は、音楽情報に予め定められた再生順序に従って、分割音楽情報を再生する。また、各携帯端末10(スレーブ端末)は、順序テーブルで携帯端末10に対応付けられた順序に従って、分割音楽情報の再生要求を転送し、分割音楽情報の再生要求は、ボタン押下時刻が最も遅い携帯端末10nに最終的に送信される。
【0161】
ステップ47において、携帯端末10nは、n番目の分割音楽情報を再生する。
【0162】
ステップ48において、携帯端末10nは、n+1番目の分割音楽情報の再生要求を携帯端末10aに送信する。
【0163】
ステップ49において、携帯端末10aは、n+1番目の分割音楽情報を再生する。
【0164】
ステップ50において、携帯端末10aは、鍵共有終了判定処理(マスター)を行う。ここで、鍵共有終了判定処理(マスター)は、携帯端末10aが鍵共有確認処理を終了するか否かを判定する処理である。なお、鍵共有終了判定処理(マスター)の詳細については後述する(図13(a)を参照)。
【0165】
ステップ51b〜ステップ51nにおいて、携帯端末10b〜携帯端末10nは、鍵共有終了判定処理(スレーブ)を行う。ここで、鍵共有終了判定処理(スレーブ)は、携帯端末10b〜携帯端末10nが鍵共有確認処理を終了するか否かを判定する処理である。なお、鍵共有終了判定処理(スレーブ)の詳細については後述する(図13(b)を参照)。
【0166】
以下において、上述した鍵共有終了判定処理について、図面を参照しながら説明する。図13は、本発明の第1実施形態に係る鍵共有終了判定処理を示すフロー図である。
【0167】
最初に、上述した鍵共有終了判定処理(マスター)について説明する。図13(a)は、本発明の第1実施形態に係る鍵共有終了判定処理(マスター)を示すフロー図である。
【0168】
図13(a)に示すように、ステップ501において、携帯端末10aは、ユーザが意図していない第三者がグループに含まれていないかの確認をユーザに促す確認画面(マスター用)を表示する。具体的には、確認画面(マスター用)は、ユーザが意図していない第三者がグループに含まれていなければ、携帯端末10aに設けられたボタンを押下するように促す画面である。
【0169】
ステップ502において、携帯端末10aは、携帯端末10aに設けられたボタンが所定時間内に押下されたか否かを判定する。また、携帯端末10aは、ボタンが所定時間内に押下された場合には、ステップ503の処理に移り、ボタンが所定時間内に押下されなかった場合には、ステップ504の処理に移る。
【0170】
ステップ503において、携帯端末10aは、暗号鍵の生成する処理である鍵生成処理から一連の処理をやり直すことを指示する再処理要求を携帯端末10b〜携帯端末10nに送信する。また、携帯端末10aは、ステップ22aの処理に戻る。
【0171】
ステップ504において、携帯端末10aは、グループ内で暗号鍵の共有が完了したことを示す鍵共有完了通知を携帯端末10b〜携帯端末10nに送信する。
【0172】
次に、上述した鍵共有終了判定処理(スレーブ)について説明する。図13(b)は、本発明の第1実施形態に係る鍵共有終了判定処理(スレーブ)を示すフロー図である。なお、ステップ51b及びステップ51nの処理は同様の処理であるため、ステップ51bの処理、すなわち、携帯端末10bの処理を例に挙げて説明する。
【0173】
図13(b)に示すように、ステップ511において、携帯端末10bは、ユーザが意図していない第三者がグループに含まれていないかを確認中であることを示す確認画面(スレーブ用)を表示する。具体的には、確認画面(スレーブ用)は、「最終確認中」などの文字列が表示される画面である。
【0174】
ステップ512において、携帯端末10bは、鍵共有完了通知を所定時間内に携帯端末10aから受信したか否かを判定する。また、携帯端末10bは、鍵共有完了通知を所定時間内に受信した場合には、鍵共有確認処理を終了する。一方、携帯端末10bは、鍵共有完了通知を所定時間内に受信せずに、再処理要求を受信した場合には、ステップ22bの処理に戻る。
【0175】
(作用及び効果)
本発明の第1実施形態に係る無線通信システムによれば、携帯端末10a〜携帯端末10nが、グループ形成信号の送信電力を一定値以下に制御することにより、互いに近接する携帯端末10のみをデジタルコンテンツを閲覧可能なグループ内に含めることができる。従って、ユーザが意図していない第三者(携帯端末10xや携帯端末10y)がグループ内に含まれることを防止することができる。
【0176】
また、暫定鍵情報(TKa〜n)が鍵生成用乱数(Ra)〜鍵生成用乱数(Rn)を用いて生成され、携帯端末10b〜携帯端末10n(スレーブ端末)が暗号鍵を取得するための鍵情報が暫定鍵情報(TKa〜n)を用いて生成されることにより、ユーザが意図していない第三者(携帯端末10xや携帯端末10y)が鍵情報や暗号鍵を推測することが困難になる。
【0177】
さらに、デジタルコンテンツを閲覧可能なグループを形成する際に、各携帯端末10が発生する鍵生成用乱数(Ra)〜鍵生成用乱数(Rn)を用いて暗号鍵が生成されることにより、携帯端末10a〜携帯端末10nが暗号鍵を予め管理している必要がなく、暗号鍵の管理が煩雑になることを防止することができる。
【0178】
また、携帯端末10a〜携帯端末10nが、暗号鍵の送信電力を一定値以下に制御することにより、互いに近接する携帯端末10のみに暗号鍵を送信することができる。従って、ユーザが意図していない第三者(携帯端末10xや携帯端末10y)によって暗号鍵が盗聴される可能性を軽減することができる。
【0179】
携帯端末10a(マスター端末)が、鍵生成用乱数(Ra)の送信電力を一定値以下に制御することにより、互いに近接する携帯端末10のみに鍵生成用乱数(Ra)を送信することができる。従って、ユーザが意図していない第三者(携帯端末10xや携帯端末10y)によって鍵生成用乱数(Ra)が盗聴されて、暗号鍵が推測される可能性を軽減することができる。
【0180】
同様に、携帯端末10b〜携帯端末10n(スレーブ端末)が、暫定鍵情報の送信電力を一定値以下に制御することにより、互いに近接する携帯端末10のみに暫定鍵情報を送信することができる。従って、ユーザが意図していない第三者(携帯端末10xや携帯端末10y)によって暫定鍵情報が盗聴されて、暗号鍵が推測される可能性を軽減することができる。
【0181】
さらに、携帯端末10a〜携帯端末10nが、順序テーブルで各携帯端末10に対応付けられた順序に従って、再生順序が定められた音楽情報を再生することにより、ユーザが意図していない第三者(携帯端末10xや携帯端末10y)がグループ内に含まれてしまった場合であっても、ユーザが意図していない第三者がグループ内に含まれていることをユーザに報知することができる。
【0182】
さらに、ユーザがボタンを押下するだけで、携帯端末10a〜携帯端末10nがグループ形成信号を交換し、デジタルコンテンツを閲覧可能なグループが形成される。すなわち、従来技術のように、PINコードなどを入力しなくても、デジタルコンテンツを閲覧可能なグループを容易に形成することができる。
【0183】
[第2実施形態]
以下において、本発明の第2実施形態に係る無線通信システムについて、図面を参照しながら説明する。なお、以下においては、上述した第1実施形態との相違点を主として説明する。
【0184】
具体的には、上述した第1実施形態に係る鍵生成処理(ステップ20)では、各携帯端末10(スレーブ端末;携帯端末10b〜携帯端末10n)が順序テーブルで各携帯端末10に対応付けられた順序に従って暫定鍵情報の生成及び転送を順に繰り返す。これによって、ボタン押下時間が最も遅い携帯端末10nは、携帯端末10b〜携帯端末10nが生成する鍵生成用乱数の全てを用いた暫定鍵情報(TKa〜n)を生成する。
【0185】
これに対して、第2実施形態に係る鍵生成処理では、携帯端末10a(マスター端末)が、携帯端末10b〜携帯端末10n(スレーブ端末)から暫定鍵情報を1対1で受信することによって、携帯端末10b〜携帯端末10nが生成する鍵生成用乱数を取得する。これによって、携帯端末10aは、携帯端末10b〜携帯端末10nが生成する鍵生成用乱数の全てを用いた暫定鍵情報(TKa〜n)を生成する。
【0186】
また、上述した第1実施形態に係る鍵配信処理(ステップ30)では、各携帯端末10(スレーブ端末;携帯端末10b〜携帯端末10n)は、順序テーブルで各携帯端末10に対応付けられた順序に従って暗号鍵の転送を繰り返す。これによって、暗号鍵がグループ内に含まれる携帯端末10に配信される。
【0187】
これに対して、第2実施形態に係る鍵配信処理では、携帯端末10aは、携帯端末10b〜携帯端末10nがそれぞれ暗号鍵を取得するための暫定鍵情報を1対1で携帯端末10b〜携帯端末10nに送信する。これによって、携帯端末10b〜携帯端末10nが暗号鍵を生成し、暗号鍵の配信が完了する。
【0188】
さらに、上述した第1実施形態に係る鍵共有確認処理(ステップ30)では、各携帯端末10(スレーブ端末;携帯端末10b〜携帯端末10n)が、順序テーブルで各携帯端末10に対応付けられた順序に従って、分割音楽情報の再生及び再生要求の送信を繰り返す。
【0189】
これに対して、第2実施形態に係る鍵共有確認処理では、携帯端末10aが、携帯端末10b〜携帯端末10nに1対1で再生要求を送信する。
【0190】
(携帯端末の動作)
以下において、本発明の第2実施形態に係る鍵生成処理について、図面を参照しながら説明する。図14は、本発明の第2実施形態に係る鍵生成処理を示すシーケンス図である。なお、図14では、上述した図6と同様の処理については、同一のステップ番号が付与されている。
【0191】
図14に示すように、ステップ61において、携帯端末10aは、ステップ22aで発生させた鍵生成用乱数(Ra)を携帯端末10bに送信する。
【0192】
ステップ62において、携帯端末10bは、鍵生成用乱数(Ra)及び鍵生成用乱数(Rb)を用いて暫定鍵情報(TKab)を生成する。具体的には、携帯端末10bは、鍵生成用乱数(Ra)及び鍵生成用乱数(Rb)をXOR演算することによって、暫定鍵情報(TKab)を生成する。
【0193】
ステップ63において、携帯端末10bは、暫定鍵情報(TKab)を携帯端末10aに送信する。
【0194】
ステップ64において、携帯端末10aは、ステップ22bで携帯端末10bが発生した鍵生成用乱数(Rb)を算出する。具体的には、携帯端末10aは、鍵生成用乱数(Ra)及び暫定鍵情報(TKab)をXOR演算することによって、鍵生成用乱数(Rb)を取得する。
【0195】
同様にして、携帯端末10aは、グループ内に含まれる他の携帯端末10が生成する鍵生成用乱数を取得する。
【0196】
ステップ65において、ステップ22aで発生させた鍵生成用乱数(Ra)を携帯端末10nに送信する。
【0197】
ステップ66において、携帯端末10nは、鍵生成用乱数(Ra)及び鍵生成用乱数(Rn)を用いて暫定鍵情報(TKan)を生成する。具体的には、携帯端末10nは、鍵生成用乱数(Ra)及び鍵生成用乱数(Rn)をXOR演算することによって、暫定鍵情報(TKan)を生成する。
【0198】
ステップ67において、携帯端末10nは、暫定鍵情報(TKan)を携帯端末10aに送信する。
【0199】
ステップ68において、携帯端末10aは、ステップ22nで携帯端末10nが発生した鍵生成用乱数(Rn)を算出する。具体的には、携帯端末10aは、鍵生成用乱数(Ra)及び暫定鍵情報(TKan)をXOR演算することによって、鍵生成用乱数(Rn)を取得する。
【0200】
また、携帯端末10aは、グループ内に含まれる各携帯端末10が生成した鍵生成用乱数の全て(鍵生成用乱数(Ra)〜鍵生成用乱数(Rn))を用いて、暫定鍵情報(TKa〜n)を生成する。具体的には、携帯端末10aは、鍵生成用乱数(Ra)〜鍵生成用乱数(Rn)をXOR演算することによって、暫定鍵情報(TKa〜n)を生成する。なお、暫定鍵情報(TKa〜n)は、デジタルコンテンツの暗号化に用いられる暗号鍵となる。
【0201】
以下において、本発明の第2実施形態に係る鍵配信処理について、図面を参照しながら説明する。図15は、本発明の第2実施形態に係る鍵配信処理を示すシーケンス図である。なお、図15では、上述した鍵配信終了判定処理及び鍵受信判定処理は、説明を明確にするために省略されている。
【0202】
図15に示すように、ステップ71において、携帯端末10aは、携帯端末10bが暗号鍵を取得するための鍵情報(K-b)を生成する。具体的には、携帯端末10aは、暗号鍵である暫定鍵情報(TKa〜n)及び鍵生成用乱数(Rb)をXOR演算することによって、鍵情報(K-b)を生成する。また、携帯端末10aは、鍵情報(K-b)を携帯端末10bに送信する。
【0203】
ステップ72において、携帯端末10bは、鍵情報(K-b)を用いて暗号鍵を生成する。具体的には、携帯端末10bは、鍵情報(K-b)及び鍵生成用乱数(Rb)をXOR演算することによって、暗号鍵である暫定鍵情報(TKa〜n)を生成する。
【0204】
ステップ73において、携帯端末10bは、鍵情報(K-))を受信して暗号鍵を生成することができたか否かを示す鍵受信応答を携帯端末10aに送信する。
【0205】
同様にして、携帯端末10aは、各携帯端末10(スレーブ端末)がそれぞれ暗号鍵を取得するための鍵情報を各携帯端末10(スレーブ端末)に送信する。一方、各携帯端末10(スレーブ端末)は、携帯端末10aから受信した鍵情報を用いて暗号鍵である暫定鍵情報(TKa〜n)を生成し、鍵受信応答を携帯端末10aに送信する。
【0206】
ステップ74において、携帯端末10aは、携帯端末10nが暗号鍵を取得するための鍵情報(K-n)を生成する。具体的には、携帯端末10aは、暗号鍵である暫定鍵情報(TKa〜n)及び鍵生成用乱数(Rn)をXOR演算することによって、鍵情報(K-n)を生成する。また、携帯端末10aは、鍵情報(K-n)を携帯端末10nに送信する。
【0207】
ステップ75において、携帯端末10nは、鍵情報(K-n)を用いて暗号鍵を生成する。具体的には、携帯端末10nは、鍵情報(K-n)及び鍵生成用乱数(Rn)をXOR演算することによって、暗号鍵である暫定鍵情報(TKa〜n)を生成する。
【0208】
ステップ76において、携帯端末10nは、鍵情報(K-n)を受信して暗号鍵を生成することができたか否かを示す鍵受信応答を携帯端末10aに送信する。
【0209】
このように、第2実施形態では、暗号鍵そのものが無線回線を通じて送信されることなく、各携帯端末10に暗号鍵が配信される。
【0210】
以下において、本発明の第2実施形態に係る鍵共有確認処理について、図面を参照しながら説明する。図16は、本発明の第2実施形態に係る鍵共有確認処理を示すシーケンス図である。なお、図16では、上述した図12と同様の処理については、同一のステップ番号が付与されている。
【0211】
図16に示すように、ステップ81において、携帯端末10aは、ステップ41で携帯端末10bに割り当てられた分割音楽情報及びその再生要求を携帯端末10bに送信する。
【0212】
ステップ82において、携帯端末10bは、携帯端末10aから受信した分割音楽情報の再生が完了したことを示す再生完了通知を携帯端末10aに送信する。
【0213】
同様にして、携帯端末10aは、順序テーブルで各携帯端末10(スレーブ端末)に対応付けられた順序に従って、各携帯端末10(スレーブ端末)に割り当てられた分割音楽情報及びその再生要求を送信する。
【0214】
一方、各携帯端末10(スレーブ端末)は、携帯端末10aから受信した分割音楽情報を再生するとともに、分割音楽情報の再生が完了したことを示す再生完了通知を携帯端末10aに送信する。
【0215】
ステップ83において、携帯端末10aは、携帯端末10aは、ステップ41で携帯端末10nに割り当てられた分割音楽情報及びその再生要求を携帯端末10nに送信する。
【0216】
ステップ84において、携帯端末10nは、携帯端末10aから受信した分割音楽情報の再生が完了したことを示す再生完了通知を携帯端末10nに送信する。
【0217】
(作用及び効果)
本発明の第2実施形態に係る無線通信システムによれば、携帯端末10a(マスター端末)が、暗号鍵そのものではなくて、鍵情報(K-b)〜鍵情報(K-n)を携帯端末10b〜携帯端末10n(スレーブ端末)に送信し、携帯端末10b〜携帯端末10n(スレーブ端末)が、鍵情報(K-b)〜鍵情報(K-n)を用いて暗号鍵を生成する。従って、暗号鍵が盗聴されることを防止することができる。
【0218】
[変更例]
上述した第1実施形態及び第2実施形態では、暗号鍵は、携帯端末10a〜携帯端末10nに共通する共通鍵であるが、これに限定されるものではなく、非対称鍵であってもよい。
【0219】
また、上述した第1実施形態及び第2実施形態では、鍵生成情報は、携帯端末10a〜携帯端末10nが発生する鍵生成用乱数であるが、これに限定されるものではなく、携帯端末10a〜携帯端末10nのIPアドレスやMACアドレスであってもよい。
【0220】
さらに、上述した第1実施形態及び第2実施形態では、鍵共有確認処理で用いられる確認情報は、再生順序が定められた音楽情報であるが、これに限定されるものではなく、再生順序が定められた画像情報やLEDの点灯情報であってもよい。例えば、画像情報としては、携帯端末10a〜携帯端末10nの表示領域に順に表示される数字などが挙げられる。また、例えば、LEDの点灯情報としては、携帯端末10a〜携帯端末10nに設けられたLEDが青→黄→赤の順に点灯するパターンなどが挙げられる。
【0221】
また、上述した第1実施形態及び第2実施形態では、携帯端末10aは、鍵生成用乱数(R)をそのまま送信するが、これに限定されるものではなく、携帯端末10aのIPアドレスやMACアドレスなどと鍵生成用乱数(R)とをXOR演算してから、XOR演算の結果を送信してもよい。
【0222】
さらに、上述した第1実施形態及び第2実施形態では、携帯端末10a〜携帯端末10nは、各携帯端末が送信する信号の送信電力を制御することによって、電波到達エリアa〜電波到達エリアnのサイズを制御するが、これに限定されるものではなく、他の方法によって電波到達エリアa〜電波到達エリアnのサイズを制御してもよい。
【0223】
また、上述した第1実施形態及び第2実施形態では、携帯端末10a〜携帯端末10nは、各携帯端末が送信する信号の送信電力を制御するが、これに限定されるものではない。具体的には、携帯端末10a〜携帯端末10nは、電波到達エリアa〜電波到達エリアnのサイズが一定に保たれる近距離無線通信方式に対応する端末であってもよい。なお、近距離無線通信方式としては、例えば、RFID(Radio Frequency Identification)、非接触ICカード及びNFC(Near Field Communication)を用いた通信方式が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0224】
【図1】本発明の第1実施形態に係る無線通信システムを示す全体図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る携帯端末10の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る順序テーブルの一例を示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る携帯端末10の動作を示すシーケンス図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る鍵共有開始処理を示すシーケンス図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る鍵生成処理を示すシーケンス図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係る鍵生成処理終了判定処理(マスター)を示すフロー図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係る鍵生成処理終了判定処理(スレーブ)を示すフロー図である。
【図9】本発明の第1実施形態に係る鍵配信処理を示すシーケンス図である。
【図10】本発明の第1実施形態に係る鍵受信判定処理を示すフロー図である。
【図11】本発明の第1実施形態に係る鍵配信終了判定処理を示すフロー図である。
【図12】本発明の第1実施形態に係る鍵共有確認処理を示すシーケンス図である。
【図13】本発明の第1実施形態に係る鍵共有終了判定処理を示すフロー図である。
【図14】本発明の第2実施形態に係る鍵生成処理を示すシーケンス図である。
【図15】本発明の第2実施形態に係る鍵配信処理を示すシーケンス図である。
【図16】本発明の第2実施形態に係る鍵共有確認処理を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0225】
10・・・携帯端末、11・・・無線通信部、12・・・電力制御部、13・・・グループ化部、14・・・乱数発生部、15・・・順序テーブル記憶部、16・・・鍵情報記憶部、17・・・音楽情報記憶部、18・・・音楽情報再生部、19・・・制御部、21・・・無線通信部、22・・・電力制御部、23・・・乱数発生部、24・・・順序テーブル記憶部、25・・・鍵情報記憶部、26・・・音楽情報再生部、27・・・制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線回線を通じてデジタルコンテンツが送受信され、マスター端末とスレーブ端末とを含む無線通信システムにおいて、前記マスター端末及び前記スレーブ端末をグループ化するグループ化方法であって、
前記マスター端末が、前記デジタルコンテンツを閲覧可能なグループを形成するためのグループ形成信号を前記無線回線を通じて送信するステップと、
前記スレーブ端末が、前記グループ形成信号を前記無線回線を通じて送信するステップと、
前記マスター端末が、前記無線回線を通じて受信する前記グループ形成信号に基づいて前記グループを形成するステップと、
前記マスター端末が、前記デジタルコンテンツの暗号化に用いられる暗号鍵の生成に用いられる鍵生成情報であるマスター側鍵生成情報を、前記グループに含まれる前記スレーブ端末に送信するステップと、
前記スレーブ端末が、前記スレーブ端末によって生成される前記鍵生成情報であるスレーブ側鍵生成情報と前記マスター端末から受信する前記マスター側鍵生成情報とを用いて暫定鍵情報を生成し、生成した前記暫定鍵情報を前記マスター端末に送信するステップと、
前記マスター端末が、前記スレーブ端末から受信する前記暫定鍵情報を用いて、前記暗号鍵を前記スレーブ端末が取得するための鍵情報を生成し、生成した前記鍵情報を前記グループに含まれる前記スレーブ端末に送信するステップとを含むことを特徴とするグループ化方法。
【請求項2】
無線回線を通じてデジタルコンテンツが送受信され、マスター端末とスレーブ端末とを含む無線通信システムであって、
前記マスター端末は、
前記デジタルコンテンツを閲覧可能なグループを形成するためのグループ形成信号を前記無線回線を通じて送信するマスター側グループ形成信号送信部と、
前記無線回線を通じて受信する前記グループ形成信号に基づいて前記グループを形成するグループ化部と、
前記デジタルコンテンツの暗号化に用いられる暗号鍵の生成に用いられる鍵生成情報であるマスター側鍵生成情報を、前記グループに含まれる前記スレーブ端末に送信する鍵生成情報送信部と、
前記スレーブ端末によって生成される前記鍵生成情報であるスレーブ側鍵生成情報と前記マスター側鍵生成情報とを用いて前記スレーブ端末が生成する暫定鍵情報を、前記グループに含まれる前記スレーブ端末から受信する暫定鍵情報受信部と、
前記暫定鍵情報受信部によって受信された前記暫定鍵情報を用いて、前記暗号鍵を前記スレーブ端末が取得するための鍵情報を生成する鍵情報生成部と、
前記鍵情報生成部によって生成された前記鍵情報を、前記グループに含まれる前記スレーブ端末に送信する鍵情報送信部とを備え、
前記スレーブ端末は、
前記グループ形成信号を前記無線回線を通じて送信するスレーブ側グループ形成信号送信部と、
前記暗号鍵の生成に用いられる前記鍵生成情報である前記マスター側鍵生成情報を前記マスター端末から受信する鍵生成情報受信部と、
前記マスター端末から受信する前記マスター側鍵生成情報と前記スレーブ側鍵生成情報とを用いて前記暫定鍵情報を生成する暫定鍵情報生成部と、
前記暫定鍵情報生成部によって生成された前記暫定鍵情報を前記マスター端末に送信する暫定鍵情報送信部とを備えることを特徴とする無線通信システム。
【請求項3】
前記マスター端末は、前記マスター側グループ形成信号送信部が送信する前記グループ形成信号の到達範囲を制御するマスター側信号到達範囲制御部をさらに備え、
前記スレーブ端末は、前記スレーブ側グループ形成信号送信部によって送信される前記グループ形成信号の到達範囲を制御するスレーブ側信号到達範囲制御部をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記マスター側信号到達範囲制御部は、前記マスター側グループ形成信号送信部が送信する前記グループ形成信号の送信電力を一定値以下に制御し、
前記スレーブ側信号到達範囲制御部は、前記スレーブ側グループ形成信号送信部によって送信される前記グループ形成信号の送信電力を一定値以下に制御することを特徴とする請求項3に記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記マスター側信号到達範囲制御部は、前記グループ形成信号の送信電力に加えて、前記鍵情報送信部によって送信される前記鍵情報の送信電力を一定値以下に制御することを特徴とする請求項4に記載の無線通信システム。
【請求項6】
前記マスター側信号到達範囲制御部は、前記グループ形成信号の送信電力に加えて、前記鍵生成情報送信部によって送信される前記マスター側鍵生成情報の送信電力を一定値以下に制御し、
前記スレーブ側信号到達範囲制御部は、前記グループ形成信号の送信電力に加えて、前記暫定鍵情報送信部によって送信される前記暫定鍵情報の送信電力を一定値以下に制御することを特徴とする請求項4に記載の無線通信システム。
【請求項7】
前記マスター端末は、
再生順序が定められた確認情報を前記マスター端末及び前記スレーブ端末にそれぞれ割り当てる確認情報割当部と、
前記確認情報割当部によって前記マスター端末に割り当てられた前記確認情報を前記再生順序に従って再生するマスター側再生部とを備え、
前記スレーブ端末は、
前記確認情報割当部によって前記スレーブ端末に割り当てられた前記確認情報を前記再生順序に従って再生するスレーブ側再生部を備えることを特徴とする請求項2に記載の無線通信システム。
【請求項8】
無線回線を通じてデジタルコンテンツが送受信される無線通信システムで用いられ、マスターとして機能する携帯端末であって、
前記デジタルコンテンツを閲覧可能なグループを形成するためのグループ形成信号を前記無線回線を通じて送信するグループ形成信号送信部と、
前記無線回線を通じて受信する前記グループ形成信号に基づいて前記グループを形成するグループ化部と、
前記デジタルコンテンツの暗号化に用いられる暗号鍵の生成に用いられる鍵生成情報であるマスター側鍵生成情報を、前記グループに含まれるスレーブ端末に送信する鍵生成情報送信部と、
前記スレーブ端末が生成する鍵生成情報であるスレーブ側鍵生成情報と前記マスター側鍵生成情報とを用いて前記スレーブ端末が生成する暫定鍵情報を、前記グループに含まれる前記スレーブ端末から受信する暫定鍵情報受信部と、
前記暫定鍵情報受信部によって受信された前記暫定鍵情報を用いて、前記暗号鍵を前記スレーブ端末が取得するための鍵情報を生成する鍵情報生成部と、
前記鍵情報生成部によって生成された前記鍵情報を、前記グループに含まれる前記スレーブ端末に送信する鍵情報送信部とを備えることを特徴とする携帯端末。
【請求項9】
前記グループ形成信号送信部によって送信される前記グループ形成信号の到達範囲を制御する信号到達範囲制御部をさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の携帯端末。
【請求項10】
前記信号到達範囲制御部は、前記グループ形成信号送信部によって送信される前記グループ形成信号の送信電力を一定値以下に制御することを特徴とする請求項9に記載の携帯端末。
【請求項11】
前記信号到達範囲制御部は、前記グループ形成信号の送信電力に加えて、前記鍵情報送信部によって送信される前記鍵情報の送信電力を一定値以下に制御することを特徴とする請求項10に記載の携帯端末。
【請求項12】
前記信号到達範囲制御部は、前記グループ形成信号の送信電力に加えて、前記鍵生成情報送信部によって送信される前記マスター側鍵生成情報の送信電力を一定値以下に制御することを特徴とする請求項10に記載の携帯端末。
【請求項13】
再生順序が定められた確認情報を前記携帯端末及び前記スレーブ端末にそれぞれ割り当てる確認情報割当部と、
前記確認情報割当部によって前記携帯端末に割り当てられた前記確認情報を前記再生順序に従って再生する確認情報再生部と、
前記確認情報割当部によって前記スレーブ端末に割り当てられた前記確認情報を前記再生順序に従って再生することを、前記グループに含まれる前記スレーブ端末に指示する再生指示部とを備えることを特徴とする請求項8に記載の携帯端末。
【請求項14】
前記鍵生成情報送信部は、前記スレーブ端末の一つである一のスレーブ端末に前記マスター側鍵生成情報を送信するとともに、前記一のスレーブ端末が生成する前記スレーブ側鍵生成情報である一のスレーブ側鍵生成情報を用いて前記一のスレーブ端末が生成する前記暫定鍵情報である一の暫定鍵情報を前記スレーブ端末の一つである他のスレーブ端末に転送することを指示する指示情報を前記一のスレーブ端末に送信し、
前記暫定鍵情報受信部は、前記グループに含まれる前記スレーブ端末が生成する前記スレーブ側鍵生成情報の全てを用いて生成された最終暫定鍵情報を受信し、
前記鍵情報生成部は、前記暫定鍵情報受信部によって受信された前記最終暫定鍵情報を用いて、前記暗号鍵を前記スレーブ端末が取得するための鍵情報を生成することを特徴とする請求項8に記載の携帯端末。
【請求項15】
前記鍵生成情報送信部は、前記スレーブ端末の一つである一のスレーブ端末に前記マスター側鍵生成情報を送信するとともに、前記スレーブ端末の一つである他のスレーブ端末に前記マスター側鍵生成情報を送信し、
前記暫定鍵情報受信部は、前記一のスレーブ端末が生成する前記鍵生成情報である一のスレーブ側鍵生成情報を用いて前記一のスレーブ端末が生成する前記暫定鍵情報である一の暫定鍵情報を前記一のスレーブ端末から受信するとともに、前記他のスレーブ端末が生成する前記鍵生成情報である他のスレーブ側鍵生成情報を用いて前記他のスレーブ端末が生成する前記暫定鍵情報である他の暫定鍵情報を前記他のスレーブ端末から受信し、
前記鍵情報生成部は、前記一のスレーブ端末が前記暗号鍵を取得するための前記鍵情報である一の鍵情報を前記一の暫定鍵情報を用いて生成するとともに、前記他のスレーブ端末が前記暗号鍵を取得するための前記鍵情報である他の鍵情報を前記他の暫定鍵情報を用いて生成することを特徴とする請求項8に記載の携帯端末。
【請求項16】
前記グループ形成信号送信部は、ユーザが所定の操作を行うと、前記グループ形成信号を前記無線回線を通じて送信し、
前記グループ化部は、ユーザが前記所定の操作を行うと、前記無線回線を通じて受信する前記グループ形成信号に基づいて前記グループを形成することを特徴とする請求項8に記載の携帯端末。
【請求項17】
前記グループ化部は、前記無線回線を通じて受信する前記グループ形成信号に基づいて、前記スレーブ端末に順序が割り当てられた順序テーブルを生成し、
前記確認情報割当部は、前記順序テーブルで対応付けられた前記順序に応じて、前記スレーブ端末に前記確認情報を割り当てることを特徴とする請求項13に記載の携帯端末。
【請求項18】
前記グループ化部は、前記無線回線を通じて受信する前記グループ形成信号に基づいて、前記スレーブ端末に順序が割り当てられた順序テーブルを生成し、
前記鍵生成情報送信部は、前記一の暫定鍵情報の送信先となる前記他のスレーブ端末を指示するために、前記順序テーブルを前記指示情報として前記一のスレーブ端末に送信することを特徴とする請求項14に記載の携帯端末。
【請求項19】
無線回線を通じてデジタルコンテンツが送受信される無線通信システムで用いられ、スレーブとして機能する携帯端末であって、
前記デジタルコンテンツを閲覧可能なグループを形成するためのグループ形成信号を前記無線回線を通じて送信するグループ形成信号送信部と、
前記デジタルコンテンツの暗号化に用いられる暗号鍵の生成に用いられる鍵生成情報であるマスター側鍵生成情報をマスター端末から受信する鍵生成情報受信部と、
前記鍵生成情報であるスレーブ側鍵生成情報を生成する鍵生成情報生成部と、
前記鍵生成情報受信部によって受信された前記マスター側鍵生成情報と、前記鍵生成情報生成部によって生成された前記スレーブ側鍵生成情報とを用いて、暫定鍵情報を生成する暫定鍵情報生成部と、
前記暫定鍵情報生成部によって生成された前記暫定鍵情報を前記マスター端末に送信する暫定鍵情報送信部とを備えることを特徴とする携帯端末。
【請求項20】
前記グループ形成信号送信部によって送信される前記グループ形成信号の到達範囲を制御する信号到達範囲制御部をさらに備えることを特徴とする請求項19に記載の携帯端末。
【請求項21】
前記信号到達範囲制御部は、前記グループ形成信号送信部によって送信される前記グループ形成信号の送信電力を一定値以下に制御することを特徴とする請求項20に記載の携帯端末。
【請求項22】
前記信号到達範囲制御部は、前記グループ形成信号の送信電力に加えて、前記暫定鍵情報送信部によって送信される前記暫定鍵情報の送信電力を一定値以下に制御することを特徴とする請求項21に記載の携帯端末。
【請求項23】
前記マスター端末によって前記携帯端末に割り当てられた確認情報を、前記確認情報に予め定められた再生順序に従って再生する確認情報再生部を備えることを特徴とする請求項19に記載の携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−96946(P2007−96946A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−285385(P2005−285385)
【出願日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】