説明

無線通信装置および情報通知方法

【課題】ネットワーク通信の接続状態を小さな表示領域で効率良く表示可能な無線通信装置を得ること。
【解決手段】基地局との無線通信および通信ネットワークを介したネットワーク通信を行う際の通信状態を表示する無線通信装置において、基地局から受信した電波の受信感度を検出する電波強度検出部と、ネットワーク通信を行う際のネットワーク通信プロトコルの接続状態を検出する接続状態検出部と、電波の受信感度およびネットワーク通信プロトコルの接続状態を表示するための表示信号を、電波の受信感度およびネットワーク通信プロトコルの接続状態に基づいて生成する表示信号生成部と、表示信号生成部が生成した表示信号に基づいて通信状態を表示する表示部と、を備え、表示部は、電波の受信感度を表示するアンテナの背景色を用いて、ネットワーク通信プロトコルの接続状態を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信接続状態の通知を行なう無線通信装置および情報通知方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年のブロードバンドの普及に伴い、インターネット技術を利用したIP(Internet Protocol)電話が一般家庭でも利用されつつある。このIP電話においては、無線LAN(Local Area Network)環境を利用してIP電話網に接続する無線IP電話(例えば携帯電話とIP電話を組み合わせた通信端末)も普及し始めている。
【0003】
現行の無線電話には、電波状態の表示を行う機能が搭載されているのが一般的である。電波状態の表示方法は、無線電話の受信感度に応じて、所定の受信状態を表示するものである。
【0004】
図9は、従来の無線電話装置の構成を示すブロック図であり、図10は従来の無線電話装置の受信状態の表示例を示す図である。図9に示す無線電話装置200おいて、201はアンテナ、202はアンテナ201より受信された信号のベースバンド信号と電界強度信号を出力する受信部である。
【0005】
204は受信部202から出力されるベースバンド信号をフレーム処理して音声信号に変換し、その音声信号をスピーカ205に出力する機能と、マイク206からの音声信号をベースバンド信号に変換する機能とを備えたベースバンド部である。
【0006】
203はベースバンド部204からの信号を無線周波数に変換し、アンテナ201に送る送信部である。207は受信部202からの受信電界強度信号をA/D変換するA/D変換部である。208はA/D変換された受信電界強度信号に基づいて受信電界強度のレベルを判定し、そのレベルに応じた表示を表示部210で行わせるための制御信号を出力する判定部である。209は無線電話装置200の通信処理を制御する制御部である。
【0007】
このような構成により、受信状態の表示を例えば図10に示すような3段階で行うことができる。すなわち、受信感度がa(dBm)以下であれば圏外を表示し、受信感度がa(dBm)からb(dBm)の範囲内であれば棒を2本表示し、受信感度がb(dBm)以上であれば、棒を3本表示する。この棒の表示状態によって、ユーザは無線電話装置200が利用可能であるかどうかを知ることができる。
【0008】
しかしながら、上記のような従来の技術では、受信感度による通信の可否については把握することはできるが、IP電話の接続状態による通話の可否については判断することが困難である。IP電話が利用可能となるためには、一般的に(1)IPアドレスの取得、(2)自端末のSIP(Session Initiation Protocol)サーバへの登録などの手続きが必要である。これらの接続手続きが完了しない間は通話不能となる。従来の技術では、これらの手続きが完了したか否かを提示する手段を持っておらず、ユーザはIP電話が利用可能であるのか否かを判断することが困難であった。
【0009】
これらの課題に対応する無線IP電話として、従来の携帯電話としてのFOMA(Freedom Of Mobile multimedia Access)サービスと、SIPを使ったIP電話サービスが利用可能な通信端末(携帯電話)が既に開発されてい
る。
【0010】
図11は、従来の携帯電話のディスプレイ表示の一部を示す図である。図10に示す携帯電話においては、携帯電話(FOMAサービス用)の受信感度表示(図形301)に加え、無線LANの受信感度示す表示(図形302)を備えている。さらに、IP電話が利用可能となるための手続き(IPアドレスの取得、自端末のSIPサーバへの登録など)が完了したか否かを示す表示(図形303)を備えている(非特許文献1参照)。このような表示によって、ユーザは携帯電話とIP電話のそれぞれのサービスが利用可能であるか否かを知ることが可能となる。
【非特許文献1】NTT DoCoMo,“FOMA N900iL 取り扱い説明書”,NTT DoCoMo,平成16年4月12日,3版,P.35
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記従来の技術では、受信感度の図形表示に加え、IP電話サービスが受けられるか否かの図形も表示するため、その図形表示によってLCDの表示領域を占有してしまう。このため、他の情報表示が制限されてしまう可能性があるといった問題があった。また、従来と同等の情報量を表示しようとした場合には、画面の表示文字を小さくするなどの調整が必要となり、結果的にユーザによる視認性に影響を与えるといった問題があった。
【0012】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ネットワーク通信の接続状態を小さな表示領域で効率良く表示可能な無線通信装置および情報通知方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために本発明は、基地局との無線通信および通信ネットワークを介したネットワーク通信を行う際の通信状態を表示する無線通信装置において、前記基地局から受信した電波の強度を無線電波強度として検出する電波強度検出部と、前記ネットワーク通信を行う際のネットワーク通信プロトコルの接続状態をネットワーク接続状態として検出する接続状態検出部と、前記無線通信および前記ネットワーク通信に関する通信状態を表示するための表示信号を、前記電波強度検出部が検出した無線電波強度および前記接続状態検出部が検出したネットワーク接続状態に基づいて生成する表示信号生成部と、前記表示信号生成部が生成した表示信号に基づいて、前記通信状態を表示する表示部と、を備え、前記表示部は、前記無線通信に関する通信状態を表示する記号を用いて、前記ネットワーク通信に関する通信状態を表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ネットワーク通信の接続状態を小さな表示領域で効率良く表示可能な無線通信装置が得られるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の第1の発明の無線通信装置は、基地局との無線通信および通信ネットワークを介したネットワーク通信を行う際の通信状態を表示する無線通信装置において、基地局から受信した電波の強度を無線電波強度として検出する電波強度検出部と、ネットワーク通信を行う際のネットワーク通信プロトコルの接続状態をネットワーク接続状態として検出する接続状態検出部と、無線通信およびネットワーク通信に関する通信状態を表示するための表示信号を、電波強度検出部が検出した無線電波強度および接続状態検出部が検出したネットワーク接続状態に基づいて生成する表示信号生成部と、表示信号生成部が生成した表示信号に基づいて、通信状態を表示する表示部と、を備え、表示部は、無線通信に関
する通信状態を表示する記号を用いて、ネットワーク通信に関する通信状態を表示するものである。この構成により、IP電話の接続状態等のネットワーク通信に関する通信状態を、無線通信に関する通信状態を表示する記号を用いて表示するので、無線通信に関する通信の可否と、ネットワーク通信による通信の可否を合わせて表示することができる。また、ネットワーク通信に関する通信状態の表示用に新たに記号の表示領域を設ける必要がなく、ユーザの視認性や操作性に影響する表示レイアウトの変更も不要になるという作用を有する。
【0016】
第2の発明の無線通信装置は、第1の発明の無線通信装置において、表示信号生成部は、記号の背景色を変化させることによってネットワーク通信に関する通信状態の変化を表示する表示信号を生成するものである。この構成により、ネットワーク通信による通信の可否を記号の背景色によって表示することが可能になるという作用を有する。
【0017】
第3の発明の無線通信装置は、第1の発明または第2の発明の無線通信装置において、表示信号生成部は、記号自体の色を変化させることによってネットワーク通信に関する通信状態の変化を表示する表示信号を生成するものである。この構成により、ネットワーク通信による通信の可否を記号自体の色によって表示することが可能になるという作用を有する。
【0018】
第4の発明の無線通信装置は、第1の発明〜第3の発明のいずれか1つの無線通信装置において、表示信号生成部は、記号内の線の種類を変化させることによってネットワーク通信に関する通信状態の変化を表示する表示信号を生成するものである。この構成により、ネットワーク通信による通信の可否を記号内の線の種類によって表示することが可能になるという作用を有する。
【0019】
第5の発明の無線通信装置は、第1の発明〜第4の発明のいずれか1つの無線通信装置において、表示信号生成部は、記号を表示する際の当該記号の点滅パターンを変化させることによってネットワーク通信に関する通信状態の変化を表示する表示信号を生成するものである。この構成により、ネットワーク通信による通信の可否を記号を表示する際の当該記号の点滅パターンによって表示することが可能になるという作用を有する。
【0020】
第6の発明の無線通信装置は、第5の発明の無線通信装置において、記号の点滅パターンを、記号を点滅させる点滅周期とするものである。この構成により、ネットワーク通信による通信の可否を記号を表示する際の記号の点滅周期によって表示することが可能になるという作用を有する。
【0021】
第7の発明の無線通信装置は、第1の発明〜第6の発明のいずれか1つの無線通信装置において、表示部を液晶ディスプレイを含んで構成するものとする。この構成により、ネットワーク通信による通信の可否を液晶ディスプレイによって表示することが可能になるという作用を有する。
【0022】
第8の発明の無線通信装置は、第1の発明〜第6の発明のいずれか1つの無線通信装置において、表示部を発光ダイオードを含んで構成するものとする。この構成により、ネットワーク通信による通信の可否を発光ダイオードによって表示することが可能になるという作用を有する。
【0023】
第9の発明の無線通信装置は、基地局との無線通信および通信ネットワークを介したネットワーク通信を行う無線通信装置において、ネットワーク通信を行う際のネットワーク通信プロトコルの接続状態をネットワーク接続状態として検出する接続状態検出部と、ネットワーク通信に関する通信状態を音出力によって通知するための音信号を、接続状態検
出部が検出したネットワーク接続状態に基づいて生成する音信号生成部と、音信号生成部が生成した音信号に基づいて、ネットワーク通信に関する通信状態を通知するための音出力を行う音出力部と、を備えるものである。この構成により、IP電話の接続状態等のネットワーク通信に関する通信状態を、音出力によって通知することが可能となる。また、ネットワーク通信に関する通信状態の表示用に新たに記号の表示領域を設ける必要がなく、ユーザの視認性や操作性に影響する表示レイアウトの変更も不要になるという作用を有する。
【0024】
第10の発明の無線通信装置は、第9の発明の無線通信装置において、音信号生成部は、音出力の音周波数を変化させることによってネットワーク通信に関する通信状態の変化を通知する音信号を生成するものである。この構成により、ネットワーク通信に関する通信状態を、音出力の音周波数によって通知することが可能になるという作用を有する。
【0025】
第11の発明の無線通信装置は、第9の発明の無線通信装置において、音信号生成部は、音出力の出力断続周期を変化させることによってネットワーク通信に関する通信状態の変化を通知する音信号を生成するものである。この構成により、ネットワーク通信に関する通信状態を、音出力の出力断続周期によって通知することが可能になるという作用を有する。
【0026】
第12の発明の無線通信装置は、基地局との無線通信および通信ネットワークを介したネットワーク通信を行う無線通信装置において、ネットワーク通信を行う際のネットワーク通信プロトコルの接続状態をネットワーク接続状態として検出する接続状態検出部と、ネットワーク通信に関する通信状態を振動出力によって通知するための振動信号を、接続状態検出部が検出したネットワーク接続状態に基づいて生成する振動信号生成部と、振動信号生成部が生成した振動信号に基づいて、ネットワーク通信に関する通信状態を通知するための振動出力を行う振動出力部と、を備えるものである。この構成により、音が出せない状況であっても、IP電話の接続状態等のネットワーク通信に関する通信状態を、振動出力によって通知することが可能となる。また、ネットワーク通信に関する通信状態の表示用に新たに記号の表示領域を設ける必要がなく、ユーザの視認性や操作性に影響する表示レイアウトの変更も不要になるという作用を有する。
【0027】
第13の発明の無線通信装置は、第12の発明の無線通信装置において、振動信号生成部は、振動出力の振動周波数を変化させることによってネットワーク通信に関する通信状態の変化を通知する振動信号を生成するものである。この構成により、ネットワーク通信に関する通信状態を、振動出力の音周波数によって通知することが可能になるという作用を有する。
【0028】
第14の発明の無線通信装置は、第12の発明の無線通信装置において、振動信号生成部は、振動出力の出力断続周期を変化させることによってネットワーク通信に関する通信状態の変化を通知する振動信号を生成するものである。この構成により、ネットワーク通信に関する通信状態を、振動出力の出力断続周期によって通知することが可能になるという作用を有する。
【0029】
第15の発明の無線通信装置は、基地局との無線通信および通信ネットワークを介したネットワーク通信を行うとともに、ネットワーク通信を行う際の通信状態を表示する無線通信装置において、ネットワーク通信を行う際のネットワーク通信プロトコルの接続状態をネットワーク接続状態として検出する接続状態検出部と、ネットワーク通信に関する通信状態を表示するための表示信号を、接続状態検出部が検出したネットワーク接続状態に基づいて生成する表示信号生成部と、表示信号生成部が生成した表示信号に基づいて、ネットワーク通信に関する通信状態をLEDに表示する表示部と、を備えるものである。こ
の構成により、IP電話の接続状態等のネットワーク通信に関する通信状態を、LEDに表示することが可能となる。また、ネットワーク通信に関する通信状態の表示用に新たに記号の表示領域を設ける必要がなく、ユーザの視認性や操作性に影響する表示レイアウトの変更も不要になるという作用を有する。
【0030】
第16の発明の情報通知方法は、基地局との無線通信および通信ネットワークを介したネットワーク通信を行う際の通信状態を表示する無線通信装置の情報通知方法において、基地局から受信した電波の強度を無線電波強度として検出する電波強度検出ステップと、ネットワーク通信を行う際のネットワーク通信プロトコルの接続状態をネットワーク接続状態として検出する接続状態検出ステップと、無線通信およびネットワーク通信に関する通信状態を表示するための表示信号を、無線電波強度およびネットワーク接続状態に基づいて生成する表示信号生成ステップと、生成された表示信号に基づいて、通信状態を表示する表示ステップと、を含み、表示ステップは、無線通信に関する通信状態を表示する記号を用いて、ネットワーク通信に関する通信状態を表示するものである。この構成により、IP電話の接続状態等のネットワーク通信に関する通信状態を、無線通信に関する通信状態を表示する記号を用いて表示するので、無線通信に関する通信の可否と、ネットワーク通信による通信の可否を合わせて表示することができる。また、ネットワーク通信に関する通信状態の表示用に新たに記号の表示領域を設ける必要がなく、ユーザの視認性や操作性に影響する表示レイアウトの変更も不要になるという作用を有する。
【0031】
第17の発明の情報通知方法は、基地局との無線通信および通信ネットワークを介したネットワーク通信を行う無線通信装置の情報通知方法において、ネットワーク通信を行う際のネットワーク通信プロトコルの接続状態をネットワーク接続状態として検出する接続状態検出ステップと、ネットワーク通信に関する通信状態を音出力によって通知するための音信号を、ネットワーク接続状態に基づいて生成する音信号生成ステップと、生成された音信号に基づいて、通信状態を通知するための音出力を行う音出力ステップと、を含むものである。この構成により、IP電話の接続状態等のネットワーク通信に関する通信状態を、音出力によって通知することが可能となる。また、ネットワーク通信に関する通信状態の表示用に新たに記号の表示領域を設ける必要がなく、ユーザの視認性や操作性に影響する表示レイアウトの変更も不要になるという作用を有する。
【0032】
第18の発明の情報通知方法は、基地局との無線通信および通信ネットワークを介したネットワーク通信を行う無線通信装置の情報通知方法において、ネットワーク通信を行う際のネットワーク通信プロトコルの接続状態をネットワーク接続状態として検出する接続状態検出ステップと、ネットワーク通信に関する通信状態を振動出力によって通知するための振動信号を、ネットワーク接続状態に基づいて生成する振動信号生成ステップと、生成された振動信号に基づいて、通信状態を通知するための振動出力を行う振動出力ステップと、を含むものである。この構成により、音が出せない状況であっても、IP電話の接続状態等のネットワーク通信に関する通信状態を、振動出力によって通知することが可能となる。また、ネットワーク通信に関する通信状態の表示用に新たに記号の表示領域を設ける必要がなく、ユーザの視認性や操作性に影響する表示レイアウトの変更も不要になるという作用を有する。
【0033】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。以降の説明において、IP電話のコネクション確立にはSIP(Session Initiation Protocol)を用い、ネットワークの通信プロトコルにはIP(Internet Protocol)を用いるものとする。また、無線通信はIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11の無線LAN規格に従ってデータの送受信を行うものとする。
【0034】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1を図1から図5を用いて説明する。図1は、本発明に係る無線電話装置の構成を示すブロック図である。なお、ここでの無線電話装置1は特許請求の範囲に記載の無線通信装置に対応している。
【0035】
無線電話装置1は、例えば無線LANとIPネットワーク網を利用して通信を行うIP電話、PDA端末等の通信端末である。図1の無線電話装置1において、120は無線電話装置1の各部を制御する制御部である。制御部120は、CPU(Central Processing Unit)121、ROM(Read Only Memory)122、RAM(RandomACCESS Memory)123がCPUバス124に接続されて構成されたマイクロコンピュータ等である。なお、ここでの制御部120が特許請求の範囲に記載の表示信号生成部、接続状態検出部に対応している。すなわち、制御部120はネットワーク接続状態を検出するとともに、通信状態を表示するための表示信号を生成する。
【0036】
ここでのROM122は、無線電話装置1において実行するプログラムやフォントデータ、通信処理や表示処理を実行する上で必要なデータが予め記録されている。例えば、後述する接続状態に応じた表示パターン(接続状態情報テーブル12等)のデータもROM122に記憶されている。RAM123は、制御部120による処理の途中結果を一時的に保持するなどの無線電話装置1のCPU121の作業領域として利用される。
【0037】
キーI/F131は、電話番号の入力などを行うテンキー等の入力手段であり、入力結果はCPUバス124を介してCPU121に送られる。リンガー141は、着信音や警告音を鳴らす音声出力手段(音出力部)であり、バイブレータ142は、着信や警告などを振動によって知らせる振動装置(振動出力部)であり、それぞれ制御部120によって制御される。
【0038】
LCD(Liquid Crystal Display)111は、制御部120による処理結果をビットマップデータとして表示する情報表示手段であり、LED(Light Emitting Diode)112は制御部120の制御によって点燈、消灯、点滅などの動作を行う情報表示手段である。なお、ここでのLCD111やLED112が特許請求の範囲に記載の表示部に対応している。
【0039】
次に、無線電話装置1の受信系の機能について説明する。101はアンテナであり、102はアンテナ101によって受信された電波からデータを取り出すとともに受信感度(無線電波強度)を検出する無線部である。なお、ここでの無線部102が特許請求の範囲に記載の電波強度検出部に対応している。
【0040】
103は、無線部102からの信号をA/D変換し、受信した信号の判別、エラー訂正、複合処理を行って、音声データなどのストリームデータと、その他の通信データとに分離するベースバンド部である。ベースバンド部103によって分離された音声データは、コーディック104に供給(入力)され、その他の通信データは制御部120に供給される。
【0041】
コーディック104に供給されたストリームデータはD/A変換されて音声出力としてスピーカ106より出力される。一方、制御部120に供給された通信データは、制御部120のRAM123に一時記憶されてプログラム動作制御などに利用される。
【0042】
次に、無線電話装置1の送信系の機能について説明する。マイク105は、集音した音声をアナログ音声信号に変換し、このアナログ音声信号をコーディック104に供給する

【0043】
コーディック104は、マイク105から供給されたアナロ音声信号を所定の符号化方式で符号化して圧縮し、ディジタルデータへと変換する。コーディック104によって変換されたディジタルデータはベースバンド部103で所定のブロックにまとめられ、無線部102に供給される。無線部102は、ベースバンド部103から供給されたディジタルデータから、無線送信するための変調信号を生成する。無線部102によって生成された変調信号はアンテナ101を介して送信される。
【0044】
次に、図1に示した無線電話装置1の外観構成について図2を用いて説明する。図2に示すように無線電話装置1には、テンキー、通話開始キー、終話キーなどから構成されるキーI/F131、情報を表示するためのLCD111やLED112、スピーカ106、マイク105、アンテナ101などを含んで構成されている。
【0045】
ここで、IP電話機能を備えた無線電話装置1を含んで構成される無線通信システムについて説明する。図3は、無線電話装置を含む無線通信システムの構成の一例を示す図である。
【0046】
無線通信システムは、無線電話装置1、無線電話装置1と無線通信を行う基地局2、基地局2とインターネット(IP網)4を介して接続されるSIPサーバ3を含んで構成されている。なお、ここでの基地局2は、ルータとしての機能も備えている。
【0047】
また、SIPサーバ3は、無線電話装置1に対するIPアドレスの付与(DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバ機能)、無線電話装置1に関する情報をロケーションサーバに登録する機能(レジストラ機能)、ロケーションサーバとしての機能(SIP電話のIPアドレスと電話番号を対応づけて管理する機能)を備えている。
【0048】
無線電話装置1は、まず基地局2(ルータ)との間で無線のリンクアップを試みる。無線のリンクアップの方法については、無線LANの規格書「ANSI/IEEE802.11Std 1999 Edition」等に規定されており、既存の無線LAN技術で確立されているためここでの詳細な説明は省略する。
【0049】
無線電話装置1が無線のリンクアップを行う際、無線電話装置1は基地局2から発信される電波の受信感度を無線部102が測定し、その結果に応じて制御部120が通信状態の表示制御をおこなう。このとき、制御部120はROM122に登録(設定)されている所定の情報テーブル(無線状態と表示の対応関係を示す情報)に基づいて、通信状態の表示制御を行う。
【0050】
図4は、無線状態と図形表示の対応関係を示す無線状態情報テーブルの構成の一例を示す図である。例えば、図4に示す無線状態情報テーブル11がROM122に登録されていた場合、無線部102が受信感度(値)<a(dBm)を検出すると、制御部120は無線通信を行えないことを示すビットマップ表示(「圏外」)をLCD111に行わせる。無線部102がa(dBm)〜b(dBm)の間の受信感度を検出すると、制御部120は無線状況が若干悪いことを示すビットマップ表示をLCD111に行わせる。無線部102が受信感度>b(dBm)を検出すると、制御部120は無線状態が良好であることを示すビットマップ表示をLCD111に行わせる。
【0051】
なお、ここでは受信状況を表す図として図4を一例として説明しているが、受信状況の表示はこの例に限られず、受信感度を表す文字列や、その他ユーザが受信感度を認識でき
る表示であれば、何れの表示でも構わない。
【0052】
ここで、制御部120によるIP電話の接続状態に応じた表示処理について詳細に説明する。図5は、IP電話の接続状態に応じた表示処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0053】
まず、制御部120は、初期状態としてLCD111に対して、リンクアップなし状態を示す背景色を表示するようLCD111に要求する(LCD111の制御)。例えば、ROM122に図6(a)に示す接続状態情報テーブル12(IP電話の接続状態と背景表示の対応関係を示す情報)が登録されていた場合、リンクアップなし状態では制御部120はLCD111の背景色を赤色にさせる(S1)。
【0054】
次に、制御部120は、無線部102が検出した受信感度が何れの状態であるかを無線部102に問い合わせる。これにより、制御部120は、無線電話装置1が基地局2との間で無線のリンクアップを完了できたか否かを判断する(S2)
ROM122に図4に示す無線状態情報テーブル11が登録されている場合、受信感度(値)<a(dBm)であれば,制御部120はリンクアップなしと判断して(S2、No)、接続状態の表示制御処理を終了する。一方、受信感度>a(dBm)であれば、制御部120はリンクアップが成立していると判断し(S2、Yes)、制御部120はLCD111に対してリンクアップ完了状態を示すビットマップを表示するように要求する。ROM122に図6(a)に示す接続状態情報テーブル12が登録されていた場合、制御部120はLCD111の背景色を黄色にさせる(S3)。
【0055】
次に、制御部120はIPアドレスの取得処理を行う。制御部120は、図3に示すSIPサーバ3からIPアドレスを取得する(S4)。すなわち、無線電話装置1(制御部120)は、基地局2、インターネット4を介してSIPサーバ3にIPアドレスの取得要求を送信し、SIPサーバ3からIPアドレスを取得する。
【0056】
制御部120は、IPアドレスの取得に失敗した場合には(S5、No)、接続状態の表示制御処理を終了する。一方、制御部120がIPアドレスの取得に成功した場合には(S5、Yes)、LCD111に対してIP取得完了状態を示すビットマップを表示するように要求する。ROM122に図6(a)に示す接続状態情報テーブル12が登録されていた場合、制御部120はLCD111の背景色を青色にさせる(S6)。
【0057】
次に、制御部120はSIPサーバ3への自端末情報の登録処理(無線電話装置1に関する情報の登録処理)(以下、レジストという)を行う。ここでの自端末情報とは、具体的には無線電話装置1の電話番号などの情報である。
【0058】
SIPサーバ3へのレジスト要求は、図3に示すSIPサーバ3に対して行う(S7)。SIPサーバ3から無線電話装置1へは所定の応答情報が送信される。この応答情報に基づいて、制御部120は、SIPサーバ3へのレジストを完了できたか否かを判断する(S8)
制御部120は、レジストに失敗した場合には(S8、No)、接続状態の表示制御処理を終了する。一方、制御部120は、レジストに成功した場合(S8、Yes)、LCD111に対してレジスト完了状態を示すビットマップを表示するように要求する。ROM122に図6(a)に示す接続状態情報テーブル12が登録されていた場合、制御部120はLCD111の背景色を黒色にさせる(S9)。
【0059】
以上の処理により、無線電話装置1は、無線の受信感度とIP電話の接続状態を多重化して表現(通知)することができる。図6(b)は、図4に示す無線状態情報テーブル1
1及び図6(a)に示す接続状態情報テーブル12がROM122に登録されていた場合の、LCD111の表示例を示す図である。
【0060】
図6(b)においては、無線の受信感度(無線電話装置1と基地局2との間の無線状態)をアンテナ(記号)の本数で表示し、IP電話の接続状態をLCD111の背景色(記号であるアンテナの背景色)で表示している。これらの表示によって無線電話装置1のユーザは、無線電話装置1による通話の可否を正確に知ることが可能となる。換言すると、IP電話の接続状態等のネットワーク通信に関する通信状態を、無線通信に関する通信状態を表示する記号(アンテナの図形)を用いて表示するので、無線通信に関する通信の可否と、ネットワーク通信による通信の可否を合わせて表示することが可能となる。したがって、ユーザは何れのアプリケーションが利用可能な状態であるかを知ることが可能となる。
【0061】
特にIP電話はネットワーク(インターネット4)を利用した電話であり、このためネットワークの混雑状況や各種サーバの状態によってはIPアドレスが取得できない場合がある。また、IPアドレスは取得できたがSIP電話としての登録ができない(レジストができない)などの障害が起きる可能性がある。
【0062】
具体的な障害の例としては、IPアドレスの取得の際にはDHCPサーバにIPアドレスの取得を要求するのが一般的であるが、DHCP取得の要求(又は応答)がネットワークトラフィックのためにDHCPサーバに届かない、DHCP取得の要求がDHCPサーバに到達したがIP枯渇のためにIPアドレスが取得できない、SIPサーバ3に対する端末登録のリクエストを行うがネットワークトラフィックのためにその要求(又は応答)が届かいなどである。
【0063】
このような障害(トラブル)が発生した場合、無線状態は良好であるが実際には通話が出来ないといった現象が発生する。このため、無線電話装置1が無線の受信感度の表示だけしか行わなければ、ユーザは通話の可否を知ることができない。さらに、ユーザは何故通話ができないのかその原因を知ることができない。
【0064】
本実施の形態1においては、無線電話装置1のIP電話の接続状態を色によって表現(表示)しているので、上述した問題点が解消される。すなわち、IP電話の接続状態に障害が発生した場合であっても、ユーザは通話の可否を知ることが可能となる。また、ユーザは、通話のできな原因が無線電話装置1と基地局2との間の無線状態によるものであるか、IP電話の接続状態によるものであるかを知ることが可能となる。
【0065】
また、LCD111は、SIPサーバ3と基地局2との接続状態を示すための表示領域を、無線状態を表示する表示領域とは別に(新たに)設けていないので、ユーザの視認性や操作性に影響する表示レイアウト変更が不要となり、IP電話の接続状態を小さな表示領域で効率良く表示することが可能となる。
【0066】
なお、本実施の形態1では、IP電話の接続状態をLCD111の背景色で表現する場合について説明したが、IP電話の接続状態を無線の受信感度を示すアンテナ等の図形自体(記号自体)の色で表現してもよい。図6(c)は、図形の色でIP電話の接続状態を表現する場合を説明するための図である。同図に示すように、LCD111は、無線の受信感度(無線電話装置1と基地局2との間の無線状態)をアンテナの本数で表示するとともに、IP電話の接続状態をアンテナ(図形)の色で表示している。例えばリンクアップなしの状態では、アンテナ等の無線の受信感度を示す図形を赤色に点灯させる。また、リンクアップまで完了した状態では、アンテナ等の無線の受信感度を示す図形を黄色に点灯させる。また、IPアドレスの取得が完了した状態では、アンテナ等の無線の受信感度を
示す図形を青色に点灯させる。また、SIPサーバ3のレジストまで完了した状態では、アンテナ等の無線の受信感度を示す図形を黒色に点灯させる。これらの表示によって無線電話装置1のユーザは、無線電話装置1による通話の可否を記号自体の色に基づいて、正確に知ることが可能となる。
【0067】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2では、IP電話の接続状態を、無線の受信感度を示す図形(アンテナなどの記号の線)の線種によって表示する。制御部120は、後述する接続状態情報テーブル13に基づいて、LCD111にIP電話の接続状態を表示させる。
【0068】
図7(a)は、実施の形態2に係る接続状態情報テーブルの構成の一例を示す図である。接続状態情報テーブル13は、図形の線種とIP電話の接続状態の対応関係を示す情報テーブルである。
【0069】
ここでの制御部120は、IP電話の接続状態と、ROM122が記憶する図7(a)に示す接続状態情報テーブル13(IP電話の接続状態と表示(線種)の対応関係を示す情報)とを比較し、IP電話の接続状態に対応する線種を選択する。
【0070】
制御部120は、IP電話の接続状態に対応する線種を選択すると、この線種を無線の受信感度を示す図形に多重化してLCD111上に表示させる。すなわち、ここでの制御部120は、IP電話の接続状態をアンテナ(図形)の線種によって表示させる。
【0071】
図7(b)は、図形の線種でIP電話の接続状態を示した図である。同図に示すように、LCD111は、無線の受信感度(無線電話装置1と基地局2との間の無線状態)をアンテナの本数で表示するとともに、IP電話の接続状態をアンテナ(図形)の線種によって表示している。これらの表示によって無線電話装置1のユーザは、無線電話装置1による通話の可否を正確に知ることが可能となる。
【0072】
このように実施の形態2では、IP電話の接続状態を図形の線種で表現しているので、ユーザは図形の線種によってIP電話の通信状態や通話の可否を判断できる。また、LCD111はIP電話の接続状態を受信感度を示す図形に多重化して表現しているので、IP電話の接続状態を表示するための領域を設ける必要がなく、ユーザの視認性や操作性に影響するレイアウト変更も不要となる。したがって、IP電話の接続状態を小さな表示領域で効率良く表示することが可能となる。
【0073】
なお、本実施の形態2では、IP電話の接続状態を図形(アンテナ)の線種で表現する場合について説明したが、IP電話の接続状態を図形自体(無線の受信感度を示すアンテナ等)の点灯(点滅)パターン(点滅周期)で表現してもよい。この場合、制御部120は、後述する接続状態情報テーブル14に基づいて、LCD111にIP電話の接続状態を表現させる。
【0074】
図7(c)は、接続状態情報テーブル(IP電話の接続状態と図形の点灯パターンの対応関係)の構成の一例を示す図である。同図に示すように、例えばリンクアップなしの状態では、アンテナ等の無線の受信感度を示す図形を5秒毎に点灯させる。また、リンクアップまで完了した状態では、アンテナ等の無線の受信感度を示す図形を2秒毎に点灯させる。また、IPアドレスの取得が完了した状態では、アンテナ等の無線の受信感度を示す図形を1秒毎に点灯させる。また、SIPサーバ3のレジストまで完了した状態では、アンテナ等の無線の受信感度を示す図形を常に点灯させる。なお、接続状態情報テーブル14は予めROM122に格納しておく。このように、IP電話の接続状態を図形(記号)
を表示する際の点滅パターン(点滅周期)で表現しているので、ユーザは図形の点滅パターン(点滅周期)によってIP電話の通信状態や通話の可否を判断可能となる。
【0075】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について説明する。実施の形態3では、IP電話の接続状態を、リンガー(音出力部)141からの出力音によって通知する。制御部120は、後述する接続状態情報テーブル15に基づいて、リンガー141にIP電話の接続状態を通知させる。なお、ここでの制御部120は特許請求の範囲に記載の音信号生成部に対応している。
【0076】
図8(a)実施の形態3に係る接続状態情報テーブルの構成の一例を示す図である。接続状態情報テーブル15は、出力音の種類とIP電話の接続状態の対応関係を示す情報テーブルである。
【0077】
ここでの制御部120は、IP電話の接続状態と、ROM122が記憶する図8(a)に示す接続状態情報テーブル15(IP電話の接続状態と出力音の対応関係を示す情報)とを比較し、IP電話の接続状態に対応する出力音(音出力の音周波数や音出力の出力断続周期)を選択する。
【0078】
制御部120は、IP電話の接続状態に対応する出力音を選択すると、この出力音をリンガー141から出力させる。制御部120は、例えばリンクアップなしの状態では、リンガー141から音を出力させず(無音)、リンクアップまで完了した状態では、リンガー141から音源1(「ピ」音)を出力させる。
【0079】
また、制御部120は、IPアドレスの取得が完了した状態では、リンガー141から音源2(「ピピ」音)を出力させ、SIPサーバ3のレジストまで完了した状態では、リンガー141から音源3(「ピピピ」音)を出力させる。なお、接続状態情報テーブル15は予めROM122に格納しておく。
【0080】
このように実施の形態3では、IP電話の接続状態を出力音の種類(音出力の音周波数や音出力の出力断続周期)(出力状態)で表現しているので、ユーザは出力音の種類によってIP電話の通信状態や通話の可否を判断できる。また、出力音だけでIP電話の接続状態を表現しているので、IP電話の接続状態を表示するための領域を設ける必要がなく、ユーザの視認性や操作性に影響するレイアウト変更も不要となる。したがって、IP電話の接続状態を効率良く通知することが可能となる。また、出力音によってIP電話の接続状態を通知するため、ユーザは端末画面(無線電話装置1のLCD111)を確認しなくてもIP電話の通信状態を把握することが可能となる。
【0081】
なお、本実施の形態3では、図8(a)に示す接続状態情報テーブル15に基づいたリンガー141からの出力音の種類によってIP電話の接続状態を表現する場合について説明したが、出力音の種類はこれらの音に限られず、ユーザが接続状態を認識できる音であれば何れの音であっても構わない。
【0082】
また、本実施の形態3では、IP電話の接続状態を出力音の種類で表現する場合について説明したが、IP電話の接続状態をバイブレータ142からの出力振動(振動出力の振動周波数や振動出力の出力断続周期)で表現してもよい。この場合、制御部120は、後述する接続状態情報テーブル16などに基づいて、バイブレータ(振動出力部)142にIP電話の接続状態を表現させる。
【0083】
図8(b)は、出力振動の種類とIP電話の接続状態の対応関係を示す接続状態情報テ
ーブルの構成の一例を示す図である。制御部(振動信号生成部)120は、例えばリンクアップなしの状態では、バイブレータ142に振動を出力させず(振動なし)、リンクアップまで完了した状態では、バイブレータ142から振動1(2秒間の振動)を出力させる。
【0084】
また、制御部120は、IPアドレスの取得が完了した状態では、バイブレータ142から振動2(5秒間の振動)を出力させ、SIPサーバ3のレジストまで完了した状態では、バイブレータ142から振動3(10秒間の振動)を出力させる。なお、接続状態情報テーブル16は予めROM122に格納しておく。
【0085】
なお、ここでは図8(b)に示す接続状態情報テーブル16に基づいたバイブレータ142からの出力振動の種類によってIP電話の接続状態を表現する場合について説明したが、出力振動の種類はこれらの振動に限られず、ユーザが接続状態を認識できる振動であれば何れの振動音であっても構わない。これにより、IP電話の接続状態を出力音の種類(振動出力の周波数や振動出力の出力断続周期)(出力状態)で表現しているので、ユーザは出力音の種類によってIP電話の通信状態や通話の可否を判断できる。
【0086】
さらに、IP電話の接続状態をLED112の点燈パターン(点灯状態)で表現してもよい。この場合、制御部120は、後述する接続状態情報テーブル17などに基づいて、LED112にIP電話の接続状態を表現させる。
【0087】
図8(c)は、LEDの点灯状態とIP電話の接続状態の対応関係を示す接続状態情報テーブルの構成の一例を示す図である。制御部120は、例えばリンクアップなしの状態では、LED112を赤色に発光させ、、リンクアップまで完了した状態では、LED112を黄色に発光させる。
【0088】
また、制御部120は、IPアドレスの取得が完了した状態では、LED112を青色に発光させ、SIPサーバ3のレジストまで完了した状態では、LED112を黒色に発光させる。なお、接続状態情報テーブル17は予めROM122に格納しておく。
【0089】
なお、制御部120はリンガー141からの音の出力、バイブレータ142による振動を、それぞれ予め設定された所定の出力タイミング、所定の出力周期に基づいて行わせる。また、制御部120はリンガー141からの音の出力、バイブレータ142による振動を、キーI/F131から所定の指示情報(接続状態の確認指示)が入力された際に行わせることとしてもよい。これにより、IP電話の接続状態等のネットワーク通信に関する通信状態を、LED112に表示することが可能となる。また、ネットワーク通信に関する通信状態の表示用に新たに記号の表示領域を設ける必要がなく、ユーザの視認性や操作性に影響する表示レイアウトの変更も不要になる。
【0090】
また、IP電話の接続状態は、実施の形態1〜3で説明した、LCD111による種々の表示、スピーカによる音の出力、バイブレータ142による振動、LED112による発光等を組み合わせてユーザに通知してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0091】
以上のように、本発明に係る無線通信装置および情報通知方法は、通信接続状態の通知に適している。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明に係る無線電話装置の構成を示すブロック図
【図2】図1に示した無線電話装置の外観構成を示す図
【図3】無線電話装置を含む無線通信システムの構成の一例を示す図
【図4】無線状態と図形表示の対応関係を示す無線状態情報テーブルの構成の一例を示す図
【図5】IP電話の接続状態に応じた表示処理の処理手順を示すフローチャート
【図6】(a)接続状態情報テーブル(IP電話の接続状態と背景表示の対応関係)の一例を示す図、(b)LCDの表示例(1)を示す図、(c)LCDの表示例(2)を示す図
【図7】(a)実施の形態2に係る接続状態情報テーブルの構成の一例を示す図、(b)図形の線種でIP電話の接続状態を示した図、(c)接続状態情報テーブル(IP電話の接続状態と図形の点灯パターンの対応関係)の構成の一例を示す図
【図8】(a)実施の形態3に係る接続状態情報テーブルの構成の一例を示す図、(b)出力振動の種類とIP電話の接続状態の対応関係を示す接続状態情報テーブルの構成の一例を示す図、(c)LEDの点灯状態とIP電話の接続状態の対応関係を示す接続状態情報テーブルの構成の一例を示す図
【図9】従来の無線電話装置の構成を示すブロック図
【図10】従来の無線電話装置の受信状態の表示例を示す図
【図11】従来の携帯電話のディスプレイ表示の一部を示す図
【符号の説明】
【0093】
1,200 無線電話装置
2 基地局
3 SIPサーバ
4 インターネット
11 無線状態情報テーブル
12〜17 接続状態情報テーブル
101,202 アンテナ
102 無線部
103,204 ベースバンド部
104 コーディック
105,206 マイク
106,205 スピーカ
111 LCD
112 LED
120,209 制御部
121 CPU
122 ROM
123 RAM
124 CPUバス
131 キーI/F
141 リンガー
142 バイブレータ
202 受信部
203 送信部
207 A/D変換部
208 判定部
210 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局との無線通信および通信ネットワークを介したネットワーク通信を行う際の通信状態を表示する無線通信装置において、
前記基地局から受信した電波の強度を無線電波強度として検出する電波強度検出部と、
前記ネットワーク通信を行う際のネットワーク通信プロトコルの接続状態をネットワーク接続状態として検出する接続状態検出部と、
前記無線通信および前記ネットワーク通信に関する通信状態を表示するための表示信号を、前記電波強度検出部が検出した無線電波強度および前記接続状態検出部が検出したネットワーク接続状態に基づいて生成する表示信号生成部と、
前記表示信号生成部が生成した表示信号に基づいて、前記通信状態を表示する表示部と、を備え、
前記表示部は、前記無線通信に関する通信状態を表示する記号を用いて、前記ネットワーク通信に関する通信状態を表示することを特徴とする無線通信装置。
【請求項2】
前記表示信号生成部は、前記記号の背景色を変化させることによって前記ネットワーク通信に関する通信状態の変化を表示する表示信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記表示信号生成部は、前記記号自体の色を変化させることによって前記ネットワーク通信に関する通信状態の変化を表示する表示信号を生成することを特徴とする請求項1または2に記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記表示信号生成部は、前記記号内の線の種類を変化させることによって前記ネットワーク通信に関する通信状態の変化を表示する表示信号を生成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記表示信号生成部は、前記記号を表示する際の当該記号の点滅パターンを変化させることによって前記ネットワーク通信に関する通信状態の変化を表示する表示信号を生成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の無線通信装置。
【請求項6】
前記記号の点滅パターンは、前記記号を点滅させる点滅周期であることを特徴とする請求項5に記載の無線通信装置。
【請求項7】
前記表示部は、液晶ディスプレイを含んで構成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の無線通信装置。
【請求項8】
前記表示部は、発光ダイオードを含んで構成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の無線通信装置。
【請求項9】
基地局との無線通信および通信ネットワークを介したネットワーク通信を行う無線通信装置において、
前記ネットワーク通信を行う際のネットワーク通信プロトコルの接続状態をネットワーク接続状態として検出する接続状態検出部と、
前記ネットワーク通信に関する通信状態を音出力によって通知するための音信号を、前記接続状態検出部が検出したネットワーク接続状態に基づいて生成する音信号生成部と、
前記音信号生成部が生成した音信号に基づいて、前記ネットワーク通信に関する通信状態を通知するための音出力を行う音出力部と、
を備えることを特徴とする無線通信装置。
【請求項10】
前記音信号生成部は、前記音出力の音周波数を変化させることによって前記ネットワーク通信に関する通信状態の変化を通知する音信号を生成することを特徴とする請求項9に記載の無線通信装置。
【請求項11】
前記音信号生成部は、前記音出力の出力断続周期を変化させることによって前記ネットワーク通信に関する通信状態の変化を通知する音信号を生成することを特徴とする請求項9に記載の無線通信装置。
【請求項12】
基地局との無線通信および通信ネットワークを介したネットワーク通信を行う無線通信装置において、
前記ネットワーク通信を行う際のネットワーク通信プロトコルの接続状態をネットワーク接続状態として検出する接続状態検出部と、
前記ネットワーク通信に関する通信状態を振動出力によって通知するための振動信号を、前記接続状態検出部が検出したネットワーク接続状態に基づいて生成する振動信号生成部と、
前記振動信号生成部が生成した振動信号に基づいて、前記ネットワーク通信に関する通信状態を通知するための振動出力を行う振動出力部と、
を備えることを特徴とする無線通信装置。
【請求項13】
前記振動信号生成部は、前記振動出力の振動周波数を変化させることによって前記ネットワーク通信に関する通信状態の変化を通知する振動信号を生成することを特徴とする請求項12に記載の無線通信装置。
【請求項14】
前記振動信号生成部は、前記振動出力の出力断続周期を変化させることによって前記ネットワーク通信に関する通信状態の変化を通知する振動信号を生成することを特徴とする請求項12に記載の無線通信装置。
【請求項15】
基地局との無線通信および通信ネットワークを介したネットワーク通信を行う無線通信装置において、
前記ネットワーク通信を行う際のネットワーク通信プロトコルの接続状態をネットワーク接続状態として検出する接続状態検出部と、
前記ネットワーク通信に関する通信状態を表示するための表示信号を、前記接続状態検出部が検出したネットワーク接続状態に基づいて生成する表示信号生成部と、
前記表示信号生成部が生成した表示信号に基づいて、前記ネットワーク通信に関する通信状態をLEDに表示する表示部と、
を備えることを特徴とする無線通信装置。
【請求項16】
基地局との無線通信および通信ネットワークを介したネットワーク通信を行う際の通信状態を表示する無線通信装置の情報通知方法において、
前記基地局から受信した電波の強度を無線電波強度として検出する電波強度検出ステップと、
前記ネットワーク通信を行う際のネットワーク通信プロトコルの接続状態をネットワーク接続状態として検出する接続状態検出ステップと、
前記無線通信および前記ネットワーク通信に関する通信状態を表示するための表示信号を、前記無線電波強度および前記ネットワーク接続状態に基づいて生成する表示信号生成ステップと、
前記生成された表示信号に基づいて、前記通信状態を表示する表示ステップと、
を含み、
前記表示ステップは、前記無線通信に関する通信状態を表示する記号を用いて、前記ネットワーク通信に関する通信状態を表示することを特徴とする情報通知方法。
【請求項17】
基地局との無線通信および通信ネットワークを介したネットワーク通信を行う無線通信装置の情報通知方法において、
前記ネットワーク通信を行う際のネットワーク通信プロトコルの接続状態をネットワーク接続状態として検出する接続状態検出ステップと、
前記ネットワーク通信に関する通信状態を音出力によって通知するための音信号を、前記ネットワーク接続状態に基づいて生成する音信号生成ステップと、
前記生成された音信号に基づいて、前記ネットワーク通信に関する通信状態を通知するための音出力を行う音出力ステップと、
を含むことを特徴とする情報通知方法。
【請求項18】
基地局との無線通信および通信ネットワークを介したネットワーク通信を行う無線通信装置の情報通知方法において、
前記ネットワーク通信を行う際のネットワーク通信プロトコルの接続状態をネットワーク接続状態として検出する接続状態検出ステップと、
前記ネットワーク通信に関する通信状態を振動出力によって通知するための振動信号を、前記ネットワーク接続状態に基づいて生成する振動信号生成ステップと、
前記生成された振動信号に基づいて、前記ネットワーク通信に関する通信状態を通知するための振動出力を行う振動出力ステップと、
を含むことを特徴とする情報通知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−150797(P2007−150797A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−343269(P2005−343269)
【出願日】平成17年11月29日(2005.11.29)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】