照明式パネル及びその製造方法
【課題】金属調装飾部を備える製造容易な照明式パネル及びその製造方法をする。
【解決手段】一方の金型D1の型面に、照明部5を形成する印刷フィルム10と、金属調装飾部6を形成する光輝フィルム11とを隣り合うようにセットし、金型D1,D2を閉じて、印刷フィルム10と光輝フィルム11の裏面側に夫々異なるキャビティC1,C2を各フィルム10,11の隣り合う端部に及ぶようにして分離形成し、各キャビティC1,C2に光透過性の第一の樹脂Tを射出して、印刷フィルム10に第一の樹脂Tを積層してなる加飾部品30と、光輝フィルム11に第一の樹脂Tを積層してなる光輝部品31とを成形し、さらに、前記金型D1の型面に加飾部品30と光輝部品31を保持したまま他方の金型を交換し、加飾部品30及び光輝部品31に第二の樹脂Uを積層するようにした。
【解決手段】一方の金型D1の型面に、照明部5を形成する印刷フィルム10と、金属調装飾部6を形成する光輝フィルム11とを隣り合うようにセットし、金型D1,D2を閉じて、印刷フィルム10と光輝フィルム11の裏面側に夫々異なるキャビティC1,C2を各フィルム10,11の隣り合う端部に及ぶようにして分離形成し、各キャビティC1,C2に光透過性の第一の樹脂Tを射出して、印刷フィルム10に第一の樹脂Tを積層してなる加飾部品30と、光輝フィルム11に第一の樹脂Tを積層してなる光輝部品31とを成形し、さらに、前記金型D1の型面に加飾部品30と光輝部品31を保持したまま他方の金型を交換し、加飾部品30及び光輝部品31に第二の樹脂Uを積層するようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のエアコン操作部やシフトレバー操作部などに配設される照明式パネルであって、その意匠面に金属調の装飾部を備えるものに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のエアコン操作部やシフトレバー操作部などに配設される照明式パネルはよく知られている(例えば、特許文献1,2)。こうした照明式パネルは、表面に意匠面が形成された樹脂成形品であり、その意匠面に透光性を有する照明部を備えており、パネルの裏面側から照明を当てると照明部が光るようになっている。
【0003】
また、従来の照明式パネルには、意匠面に金属光沢を有する金属調装飾部を備えるものがある。図10は、金属調装飾部6aを備える従来の照明式パネル1aであり、自動車のシフトレバー操作部に配設されるものである。かかる照明式パネル1aは、平板状のパネル本体2aの外周部にネジ止め用の固定部3aを設けてなるものであり、パネル本体2aの中央には、シフトレバーLが貫通するレバー用開口部7aが形成される。
【0004】
意匠面4aはパネル本体2aの上面全体に亘って形成される。意匠面4aには、レバー用開口部7aの左脇に、「P」,「R」,「N」,「D」の文字が記された矩形の表示領域8aが形成されており、該表示領域8aの各文字が照明部5aを構成している。すなわち、表示領域8aの「P」,「R」,「N」,「D」の各文字部分は、照明式パネル1が透光性を有しており、裏面側から照らすと照らされた文字が光ることとなる。一方、金属調装飾部6aは、レバー用開口部7aの周縁部に設けられる。
【0005】
また、図10,11に示すように、パネル本体2aの上面には、所定パターンが印刷された印刷フィルム10aが積層一体化されており、該印刷フィルム10aによって、金属調装飾部6aを除く意匠面4aが形成されている。一方、金属調装飾部6aは金属メッキによって形成される。このように金属調装飾部6aを別途形成する理由は、印刷フィルムに印刷した光輝インキでは十分な金属光沢が得られないためである。
【0006】
上記従来の照明式パネル1aでは、金属調装飾部6aを金属メッキで形成し、残りの意匠面を印刷フィルム10aによって形成しているため、図10,11に示すように、印刷フィルム10aを表面に積層した樹脂部品24と、金属メッキした樹脂部品25とを別々に成形し、ネジ止めやカシメによって両部品を組み付けていた。また、従来の照明式パネル1aでは、図11に示すように、裏面側からの照明を透過させ得るように印刷フィルム10aの裏面側を光透過性樹脂からなる光透過性樹脂部21cによって裏打ちし、さらに、その裏面側に光不透過性樹脂からなる光不透過性樹脂部22aを積層している。なお、図11中の23aは裏面からの照明を照明部5aに当てるために光不透過性樹脂部22aに形成した開口部であり、26は二つの樹脂部品24,25を組み付けるネジである。
【0007】
【特許文献1】特開2007−112196号公報
【特許文献2】特開2007−331185号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のように、従来の照明式パネル1aでは、印刷フィルム10aを積層した樹脂部品24と、金属メッキした樹脂部品25とによって樹脂基材9aが構成されていたため、その製造の際には、二つの樹脂部品24,25を別々に成形し、さらに組み付けを行わなければなければならず、上記照明式パネル1aの製造には多数の工程を要していた。
【0009】
発明者は、上記問題を解決すべく、鋭意検討した結果、メッキした樹脂部品に替えて、薄膜金属層を組み込んだ光輝フィルムを、印刷フィルムと同時に樹脂基材に積層一体化することを想到した。しかしながら、印刷フィルムと光輝フィルムを同時に金型にセットしてフィルムインサート射出成形を行うと、射出した溶融樹脂がフィルムの表面側に漏れ出し易く、意匠面の美観が損なわれ易いという問題があった。すなわち、図12に示すように、印刷フィルム10aと光輝フィルム11aを型面にセットする場合、略切れ目のない意匠面を形成するために、二片のフィルム10a,11aを隣り合わせるようにして金型D4,D5の一方の型面にセットする必要があるが、かかる型面に対して溶融樹脂Pを射出すると、印刷フィルム10aをセットする凹部x1と、光輝フィルム11aをセットする凹部x2の間に形成される凸部yの部分で乱流が生じ、該凸部y付近において、各フィルム10a,11aの端部と型面との隙間に溶融樹脂Pが進入し易いのである。
【0010】
本発明は、かかる問題の解決を試みたものであり、金属調装飾部を備える製造容易な照明式パネル及びその製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、裏面側からの照明によって光る照明部と、金属光沢を有する金属調装飾部とを意匠面に備える照明式パネルの製造方法であって、一方の金型の型面に、照明部を形成する、所定パターンが印刷された印刷フィルムと、金属調装飾部を形成する光輝フィルムとを隣り合うようにセットするフィルム取付工程と、該フィルム取付工程の後に、金型を閉じて、前記印刷フィルムの裏面側と前記光輝フィルムの裏面側とに夫々異なるキャビティを、少なくとも各フィルムの隣り合う端部に及ぶようにして分離形成し、各キャビティに光透過性の第一の樹脂を射出して、前記印刷フィルムに第一の樹脂を積層してなる加飾部品と、前記光輝フィルムに第一の樹脂を積層してなる光輝部品とを成形する第一成形工程と、該第一成形工程の後に、前記一方の金型の型面に加飾部品と光輝部品を保持したまま他方の金型を交換し、加飾部品及び光輝部品を含むキャビティに第二の樹脂を射出して、加飾部品及び光輝部品に第二の樹脂を積層してなる一体の成形品を得る第二成形工程とを含むことを特徴とする照明式パネルの製造方法である。
【0012】
本発明において「光透過性」とは、光を透過する性質であり、「透明」及び「透光性」を包含するものである。一方、「光不透過性」とは「光透過性」でない性質を指す。また、印刷フィルム及び光輝フィルムの表面とは、照明式パネルの表面に露出する側を指し、裏面はその反対側を指す。
【0013】
本発明の製造方法によれば、金型の型面に隣り合うようにセットした印刷フィルムと光輝フィルムに樹脂基材を適切に積層することができる。すなわち、図1(a)に示すように、印刷フィルム10と光輝フィルム11とを隣り合わせるように一方の金型D1の型面にセットした後に他方の金型D2を閉じ、印刷フィルム10と光輝フィルム11とを別々のキャビティC1,C2に分離する。かかる状態で、光透過性の第一の樹脂Tを各キャビティC1,C2に射出して、印刷フィルム10に第一の樹脂Tを積層してなる加飾部品30と、光輝フィルム11に第一の樹脂Tを積層してなる光輝部品31とを成形する。かかる第一成形工程にあっては、印刷フィルム10を含むキャビティC1と光輝フィルム11を含むキャビティC2とが分離形成されているため、両フィルム10,11の境界部分で乱流が発生することがなく、射出された第一の樹脂Tは、各フィルム10,11の端部から表面側に漏れ出すことなく積層される。
【0014】
続いて、第二成形工程では、他方の金型D3を交換し、加飾部品30と光輝部品31とを同一キャビティC3に収容した状態で第二の樹脂Uを射出して、加飾部品30と光輝部品31とに積層することによって一体の成形品を得る。この時、図1(b)に示すように、印刷フィルム10及び光輝フィルム11は第一の樹脂Tによって強固に裏打ちされているため、キャビティC3内で乱流が生じても、第二の樹脂Uが各フィルム10,11の表側に漏れ出すことはない。
【0015】
本発明の照明式パネルの製造方法において、光輝フィルムは、薄膜金属層を備えたものであることが提案される。薄膜金属層は略100%の金属で形成されるものであるから、かかる製造方法によれば、金属を20〜30%程度しか含まない光輝インキの印刷では実現できない金属メッキ同様の金属光沢を実現できる。また、かかる光輝フィルムを採用する場合には、光輝フィルムは、前記薄膜金属層の裏面側に厚さ100μm以上の断熱樹脂層を備えるものとすることが望ましい。かかる断熱樹脂層を備えていれば、フィルムインサート射出成形の際に、裏面側に積層される溶融樹脂の熱によって薄膜金属層が白化するのを抑えることができる。
【0016】
また、本発明の別の形態は、裏面側からの照明によって光る照明部と、金属光沢を有する金属調装飾部とを意匠面に備える照明式パネルであって、所定パターンが印刷された印刷フィルムと、薄膜金属層を具備する光輝フィルムとがフィルムインサート射出成形によって樹脂基材の表面に隣り合うように積層一体化されてなるものであり、樹脂基材は、少なくとも光透過性の第一の樹脂によって構成されており、該第一の樹脂は、少なくとも前記印刷フィルム及び前記光輝フィルムの隣り合う各端部に積層するように分離形成されていることを特徴とする照明式パネルである。かかる照明式パネルは、上記製造方法によって製造可能であるため、従来に比べて低コストで製造可能であり、且つ、成形不良も低減できる。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明の照明式パネルの製造方法によれば、一連のフィルムインサート射出成形によって、印刷フィルム及び光輝フィルムとを樹脂基材に積層一体化できるから、従来の照明式パネルの製造方法と比べて、少ない工程数で製造することができ、また、金型コストも削減することができる。また、かかる製造方法によれば、フィルムインサート射出成形の際に、インサートした両フィルムと型面の隙間に溶融樹脂が入り込んでフィルムの表面に漏れ出すおそれが少ないないから、成形不良を低減できるという利点がある。
【0018】
また、本発明の照明式パネルは、上記のように、工程数が少なく、且つ、成形不良の少ない製造方法によって製造できるため、低廉で、高品質な照明式パネルを実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の照明式パネルは、自動車用のエアコン操作部やシフトレバー操作部、スマートキー、スカフプレート、メータベゼル、ハンドルベゼルなどに配設されるものである。
【0020】
本発明の照明式パネルは、樹脂基材の表面に印刷フィルムと光輝フィルムとを積層一体化してなるものである。樹脂基材の材料となる第一の樹脂と第二の樹脂は、既存の照明式パネルと同じものを採用できる。具体的には、ABS樹脂、ポリカABS、ポリカーボネート、ポリプロピレン、アクリル樹脂などが挙げられる。第一の樹脂は、照明部を形成する印刷フィルムを裏打ちするものであるため光透過性の樹脂である必要があるが、第二の樹脂は印刷フィルムを直接裏打ちしなくてもよいため、光透過性でなくてもかまわない。また、樹脂基材は、第一の樹脂及び第二の樹脂に加えて他の樹脂を含むこともできる。
【0021】
印刷フィルムは、樹脂性のフィルム基材に印刷層を形成したものであり、既存の照明式パネルの意匠面を形成する印刷フィルムと同じものを採用できる。印刷層は、グラビア印刷やフレキソ印刷、オフセット印刷等、既存の印刷フィルムと同様の印刷方法によって形成できる。印刷層はフィルム基材の表裏いずれにも設けることができるし、両面に設けることもできる。また、形成した印刷層をさらに保護層で被覆してもかまわない。
【0022】
金属光沢を有する光輝フィルムは薄膜金属層を備えたものであることが望ましい。薄膜金属層は、ほぼ100%の金属で形成される薄膜であり、フィルム基材に真空蒸着してなる真空蒸着膜や、フィルム基材にスパッタリングしてなるスパッタ膜などが挙げられる。薄膜金属層の材料は特に限定されないが、好ましいものとしては、アルミニウム、インジウム、ニッケル、クロム、ステンレスなどが挙げられる。薄膜金属層の厚さは特に限定されないが500Å以上であることが好ましい。かかる厚さであれば、十分な金属光沢を得ることができる。
【0023】
また、光輝フィルムは、薄膜金属層の裏面側に断熱樹脂層を備えていることが望ましい。かかる構成とすれば、フィルムインサート射出成形の際に、射出される溶融樹脂の熱から薄膜金属層を保護し、薄膜金属層が白化するのを抑えることができる。断熱樹脂層の材質は特に限定されるものではないが、ABS樹脂やポリプロピレンなどが好適に用いられる。断熱樹脂層は、複数の樹脂層を多層化したものであってもかまわない。断熱樹脂層の厚さは100μm以上であることが必要であり、150μm以上が好ましい。100μm以上であれば、フィルムインサート射出成形時の熱から薄膜金属層を保護し、薄膜金属層の白化を十分に抑えることができ、厚さが150μm以上であれば、薄膜金属層の白化を確実に抑えることができる。また、成形性の観点では断熱樹脂層の厚さは500μm以下とすることが好ましい。
【0024】
本発明の照明式パネル係る意匠面は、少なくとも照明部が印刷フィルムによって形成され、金属調装飾部が光輝フィルムによって形成されていればよく、意匠面のその他の部分は、印刷フィルム、光輝フィルム、また、その他の構成によって形成することができる。なお、本発明に係る「金属調装飾部」とは、金属メッキ程度の金属光沢を有する装飾部分を指し、光輝インキによって形成された金属光沢の劣る装飾は本発明の「金属調装飾部」には含まれない。
【0025】
本発明の照明式パネルの製造方法において、金型の型面にセットする印刷フィルムや光輝フィルムは予め賦形、裁断しておくことが望ましい。各フィルムの賦形には、真空成形や圧空成形、真空圧空成形などの既知の方法を用いることができる。また、各フィルムの裁断も公知の手法を用いることができる。
【0026】
フィルム取付工程、第一成形工程、及び第二成形工程は、特に言及しない限り、通常のフィルムインサート射出成形と同様に行うことができる。なお、本発明においては、第一成形工程では、印刷フィルムの裏面側と光輝フィルムの裏面側に夫々異なるキャビティを、少なくとも各フィルムの隣り合う端部に及ぶように分離形成すれば足りる。しかしながら、各キャビティは、各フィルムの全ての端部に及ぶように分離形成することが望ましい。かかる方法によれば、第一成形工程において、印刷フィルム及び光輝フィルムの全ての端部が夫々第一の樹脂で裏打ちされるため、第二成形工程において、溶融樹脂が各フィルムの端部から漏れ出すのをより確実に防止できる。
【0027】
本発明においては、印刷フィルムと光輝フィルムを隣り合わせる部分において、両フィルムの端部の間の隙間をxx〜xxmmとすることが望ましい。両フィルムの端部の間の隙間をxxmmより小さくすると金型の製造が煩雑となる。一方、両フィルムの端部の間の隙間をxxmmより大きくすると、当該隙間によって意匠面の美観が損なわれてしまうためである。
【実施例】
【0028】
本実施例の照明式パネル1は、自動車のシフトレバー操作部に用いられる照明式パネルである。この照明式パネル1は、図2,3に示すように、図10に示した従来の照明式パネル1aと同様の外形をなしている。すなわち、かかる照明式パネル1は、シフトレバーLが貫通する略矩形状のレバー用開口部7が設けられた平板状のパネル本体2を主体とする。照明式パネル1は、パネル本体2の外周部に貫通孔が形成された複数の固定部3を備えており、該固定部3を介してシフトレバー操作部本体(図示省略)にネジ止めされる。
【0029】
意匠面4はパネル本体2の上面全体に形成される。意匠面4は、裏面からの光を透過する照明部5と金属光沢を有する金属調装飾部6を含んでいる。本実施例では、レバー用開口部7の左脇の表示領域8に記された「P」,「R」,「N」,「D」の各文字部分に照明部5が設けられ、レバー用開口部7の畝状の周縁部に金属調装飾部6が設けられている。
【0030】
図2〜4に示すように、照明式パネル1は、樹脂基材9の表面に印刷フィルム10と光輝フィルム11とを一体的に積層してなる一体成形品であり、意匠面4は、印刷フィルム10と光輝フィルム11とによって形成される。
【0031】
図4,5に示すように、樹脂基材9は、透光性の白色樹脂(第一の樹脂)からなる光透過性樹脂部21と、光不透過性の黒色樹脂(第二の樹脂)からなる光不透過性樹脂部22とからなる一体成形品である。光透過性樹脂部21は、光輝フィルム11の全体を裏打ちする部分21aと、印刷フィルム10の全体を裏打ちする部分21bとに分離形成されている。光不透過性樹脂部22は光透過性樹脂部21の裏面側に積層されており、光透過性樹脂部21の分離形成された二つの部分21a,21bは光不透過性樹脂部22を介して繋がっている。
【0032】
また、樹脂基材9には、光不透過性樹脂部22の、照明部5の下方部分には照明用開口部23が形成されている。かかる構成によれば、光不透過性樹脂部22に遮られることなく裏面側からの照明を印刷フィルム10に当てることができる。
【0033】
光輝フィルム11は、図4,5に示すように、レバー用開口部7の周縁部の表面に積層されて金属調装飾部6を形成する。この光輝フィルム11は、図6に示すように、薄膜金属層15と、該薄膜金属層15の裏面に設けられる断熱樹脂層16と、該薄膜金属層15の表面側に設けられる表面樹脂層17とで構成される。
【0034】
薄膜金属層15は、真空蒸着やスパッタリングによって形成された、厚さ約1000Åのアルミニウム薄膜である。表面樹脂層17は、薄膜金属層15の表面に接する厚さ約30μmの透明なPET樹脂層17bと、該PET樹脂層17bの表面と接する透明なPMMA樹脂層17aとで構成される。PET樹脂層17bは薄膜金属層15形成時の基材を構成するものであり、PMMA樹脂層17aは、薄膜金属層15を物理的に保護するものである。また、断熱樹脂層16は、厚さ約200μmの透光性を有するABS樹脂製フィルムで構成されるものであり、フィルムインサート射出成形の際に、溶融樹脂の熱から薄膜金属層15を保護する働きをする。かかる光輝フィルム11は、周知・慣用の方法によって製造できる。例えば、アルミニウムを真空蒸着したPET樹脂フィルムを作製し、さらに、その表面側にPMMA樹脂フィルムを接着し、その裏面側にABS樹脂フィルムを接着すれば製造できる。
【0035】
印刷フィルム10は、パネル本体2の上面略全域に積層され、金属調装飾部6を除く意匠面4全体を形成している。この印刷フィルム10は、図7に示すように、PMMA樹脂からなる厚さ200μm程度の透明な基材層13と、該基材層13の裏面側に形成される不透明な裏面印刷層14とで構成される。
【0036】
裏面印刷層14は、厚さ20μm程度の不透明なインキによって構成されるものであり、当該裏面印刷層14によって金属調装飾部6を除く意匠面4の装飾が形成される。ここで、図7に示すように、裏面印刷層14の、照明部5を形成する部分14aは透光性の白色のインキで形成され、一方、照明部5周囲の表示領域8を形成する部分14bは光を透過しない黒色のインキで形成されており、裏面側から照明部5付近に光を当てると、照明部5を形成する部分14aのみを光が透過して、照明部5が光って視認されることとなる。また、裏面印刷層14の、表示領域8以外の部分は光不透過性の銀色のインキによって装飾が施されている。
【0037】
次に、本実施例の照明式パネル1の製造方法を説明する。上記照明式パネル1は、以下に示すフィルムインサート射出成形によって、印刷フィルム10と光輝フィルム11とを樹脂基材9に積層一体化することにより製造される。
【0038】
まず、フィルムインサート射出成形の前工程として、印刷フィルム10及び光輝フィルム11をそれぞれ賦形、裁断し、金型へのインサートに適した形状に予備成形する。かかる予備成形は、従来一般のフィルムインサート射出成形における既知の予備成形方法を好適に採用できる。例えば、各フィルムは、真空成形や圧空成形、真空圧空成形などにより賦形できる。
【0039】
<フィルム取付工程>
フィルムインサート射出成形では、まず、図8(a)に示すように、賦形、裁断した印刷フィルム10を表面が型面に接するように下型D1にセットする。また、同時に、賦形・裁断した光輝フィルム11を、印刷フィルム10の内側に隣り合う位置に、その表面が型面に接するようにして下型D1にセットする。
【0040】
<第一成形工程>
次に、図8(b)に示すように、下型D1に対して第1の上型D2を型閉じする。この時、上型D2と下型D1によって、印刷フィルム10を含むキャビティC1と光輝フィルム11を含むキャビティC2の二つのキャビティが分離形成され、セットされた印刷フィルム10と光輝フィルム11とは別々のキャビティC1,C2に分離されることとなる。
【0041】
次に、図8(c)に示すように、印刷フィルム10がセットされたキャビティC1と光輝フィルム11がセットされたキャビティC2とに光透過性樹脂(第一の樹脂)Tを射出して、印刷フィルム10の裏面側に光透過性樹脂Tを積層してなる加飾部品30と、光輝フィルム11の裏面側に光透過性樹脂Tを積層してなる光輝部品31とを成形する。
【0042】
<第二成形工程>
加飾部品30と光輝部品31を成形した後に、図9(d)に示すように、加飾部品30と光輝部品31を下型D1に嵌めた状態で上型を交換し、下型D1に対して第2の上型D3を型閉じする。この時、上型D3と下型D1の間には、加飾部品30と光輝部品31とを含む単一のキャビティC3が形成される。
【0043】
最後に、図9(e)に示すように、加飾部品30及び光輝部品31がセットされたキャビティC1に光不透過性樹脂(第二の樹脂)Uを射出し、図9(f)に示すように、加飾部品30と光輝部品31の裏面側に光不透過性樹脂Uを積層一体化してなる照明式パネル1を得る。
【0044】
以上の製造方法によれば、一連のフィルムインサート射出成形によって、印刷フィルム10及び光輝フィルム11を樹脂基材9に積層一体化できる。このため、本実施例の照明式パネル1は、従来の照明式パネルよりも低廉且つ容易に製造できる。すなわち、上記従来の照明式パネル1a(図10,11参照)を製造する際には、印刷フィルム10aを積層した樹脂部品24をフィルムインサート射出成形によって製造するとともに、金属メッキした樹脂部品25を別途製造し、さらに、二つの樹脂部品24,25を付けなければならなかった。これに対して、本実施例の照明式パネル1は、金属調装飾部6を形成する光輝フィルム11を、フィルムインサート射出成形によって印刷フィルム10と同時に樹脂基材9に積層一体化するため、従来の照明式パネル1aに比べて、金属メッキした樹脂部品の成形や組付けなどの工程を削減することができ、手間と金型コストを省くことができる。
【0045】
また、本実施例の製造方法では、図8,9に示すように、まず、印刷フィルム10と光輝フィルム11とを別々のキャビティC1,C2に分離した状態で光透過性樹脂(第一の樹脂)Tを射出することによって二片のフィルム10,11を別々に光透過性樹脂Tで裏打ちしている。かかる製造方法によれば、光透過性樹脂Tを射出する際に、二片のフィルム10,11の境界部分で乱流が発生せず、各フィルム10,11の裏面側に適切に光透過性樹脂Tを積層できる。また、光不透過性樹脂(第二の樹脂)Uを射出する際には、二片のフィルム10,11の端部は光透過性樹脂Tによって裏打ちされているため、乱流が発生しても両フィルム10,11の端部から溶融樹脂が表面側に進入することはない。したがって、かかる製造方法によれば、樹脂基材9を構成する樹脂が印刷フィルム10や光輝フィルム11の表面側に漏れ出して、意匠面4の美観が損なわれるおそれがなく、成形不良を抑えることができる。
【0046】
また、本実施例の照明式パネル1は、光輝フィルム11は、薄膜金属層15の裏面側に断熱樹脂層16を備えているから、フィルムインサート射出成形の際に、印刷フィルム10の裏面に射出される溶融樹脂の熱が薄膜金属層15まで伝わり難く、溶融樹脂の熱によって薄膜金属層15が白化することがない。したがって、本実施例の照明式パネル1では、薄膜金属層15によって、金属メッキ同様の金属光沢に富んだ金属調装飾部6を実現できる。
【0047】
なお、本発明における照明式パネルは、上記実施例の形態に限らず本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることができる。例えば、実施例の照明式パネルでは、印刷フィルム及び光輝フィルムの略裏面全体が光透過性樹脂(第一の樹脂)で裏打ちされているが、本発明にあっては、少なくとも印刷フィルム及び光輝フィルムの隣り合う端部が光透過性樹脂で裏打ちされていればよい。また、上記実施例にあっては、光輝フィルムが金属調装飾部のみを形成する構成であったが、例えば、光輝フィルムの表面を印刷層によって部分的に被覆して、当該被覆部分によって金属調装飾部以外の意匠面を形成してもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明に係る照明式パネルの製造方法の概略を示す説明図である。
【図2】実施例の照明式パネル1の斜視図である。
【図3】実施例の照明式パネル1の平面図である。
【図4】照明式パネル1の積層構造を分離して示す斜視図である。
【図5】図3中のA−A断面図である。
【図6】図5中のB部分の拡大図である。
【図7】図5中のC部分の拡大図である。
【図8】照明式パネル1の成形方法の概略を示す説明図である。
【図9】図8から続く照明式パネル1の成形方法の概略を示す説明図である。
【図10】従来の照明式パネル1aの斜視図である。
【図11】図10中のD−D断面図である。
【図12】照明式パネルの製造方法における問題点を示す説明図である。
【符号の説明】
【0049】
1,1a 照明式パネル
4,4a 意匠面
5,5a 照明部
6,6a 金属調装飾部
9,9a 樹脂基材
10,10a 印刷フィルム
11,11a 光輝フィルム
15 薄膜金属層
16 断熱樹脂層
21 透光性樹脂部
30 加飾部品
31 光輝部品
C1,C2,C3 キャビティ
D1,D2,D3,D4,D5 金型
T 光透過性樹脂(第一の樹脂)
U 光不透過性樹脂(第二の樹脂)
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のエアコン操作部やシフトレバー操作部などに配設される照明式パネルであって、その意匠面に金属調の装飾部を備えるものに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のエアコン操作部やシフトレバー操作部などに配設される照明式パネルはよく知られている(例えば、特許文献1,2)。こうした照明式パネルは、表面に意匠面が形成された樹脂成形品であり、その意匠面に透光性を有する照明部を備えており、パネルの裏面側から照明を当てると照明部が光るようになっている。
【0003】
また、従来の照明式パネルには、意匠面に金属光沢を有する金属調装飾部を備えるものがある。図10は、金属調装飾部6aを備える従来の照明式パネル1aであり、自動車のシフトレバー操作部に配設されるものである。かかる照明式パネル1aは、平板状のパネル本体2aの外周部にネジ止め用の固定部3aを設けてなるものであり、パネル本体2aの中央には、シフトレバーLが貫通するレバー用開口部7aが形成される。
【0004】
意匠面4aはパネル本体2aの上面全体に亘って形成される。意匠面4aには、レバー用開口部7aの左脇に、「P」,「R」,「N」,「D」の文字が記された矩形の表示領域8aが形成されており、該表示領域8aの各文字が照明部5aを構成している。すなわち、表示領域8aの「P」,「R」,「N」,「D」の各文字部分は、照明式パネル1が透光性を有しており、裏面側から照らすと照らされた文字が光ることとなる。一方、金属調装飾部6aは、レバー用開口部7aの周縁部に設けられる。
【0005】
また、図10,11に示すように、パネル本体2aの上面には、所定パターンが印刷された印刷フィルム10aが積層一体化されており、該印刷フィルム10aによって、金属調装飾部6aを除く意匠面4aが形成されている。一方、金属調装飾部6aは金属メッキによって形成される。このように金属調装飾部6aを別途形成する理由は、印刷フィルムに印刷した光輝インキでは十分な金属光沢が得られないためである。
【0006】
上記従来の照明式パネル1aでは、金属調装飾部6aを金属メッキで形成し、残りの意匠面を印刷フィルム10aによって形成しているため、図10,11に示すように、印刷フィルム10aを表面に積層した樹脂部品24と、金属メッキした樹脂部品25とを別々に成形し、ネジ止めやカシメによって両部品を組み付けていた。また、従来の照明式パネル1aでは、図11に示すように、裏面側からの照明を透過させ得るように印刷フィルム10aの裏面側を光透過性樹脂からなる光透過性樹脂部21cによって裏打ちし、さらに、その裏面側に光不透過性樹脂からなる光不透過性樹脂部22aを積層している。なお、図11中の23aは裏面からの照明を照明部5aに当てるために光不透過性樹脂部22aに形成した開口部であり、26は二つの樹脂部品24,25を組み付けるネジである。
【0007】
【特許文献1】特開2007−112196号公報
【特許文献2】特開2007−331185号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のように、従来の照明式パネル1aでは、印刷フィルム10aを積層した樹脂部品24と、金属メッキした樹脂部品25とによって樹脂基材9aが構成されていたため、その製造の際には、二つの樹脂部品24,25を別々に成形し、さらに組み付けを行わなければなければならず、上記照明式パネル1aの製造には多数の工程を要していた。
【0009】
発明者は、上記問題を解決すべく、鋭意検討した結果、メッキした樹脂部品に替えて、薄膜金属層を組み込んだ光輝フィルムを、印刷フィルムと同時に樹脂基材に積層一体化することを想到した。しかしながら、印刷フィルムと光輝フィルムを同時に金型にセットしてフィルムインサート射出成形を行うと、射出した溶融樹脂がフィルムの表面側に漏れ出し易く、意匠面の美観が損なわれ易いという問題があった。すなわち、図12に示すように、印刷フィルム10aと光輝フィルム11aを型面にセットする場合、略切れ目のない意匠面を形成するために、二片のフィルム10a,11aを隣り合わせるようにして金型D4,D5の一方の型面にセットする必要があるが、かかる型面に対して溶融樹脂Pを射出すると、印刷フィルム10aをセットする凹部x1と、光輝フィルム11aをセットする凹部x2の間に形成される凸部yの部分で乱流が生じ、該凸部y付近において、各フィルム10a,11aの端部と型面との隙間に溶融樹脂Pが進入し易いのである。
【0010】
本発明は、かかる問題の解決を試みたものであり、金属調装飾部を備える製造容易な照明式パネル及びその製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、裏面側からの照明によって光る照明部と、金属光沢を有する金属調装飾部とを意匠面に備える照明式パネルの製造方法であって、一方の金型の型面に、照明部を形成する、所定パターンが印刷された印刷フィルムと、金属調装飾部を形成する光輝フィルムとを隣り合うようにセットするフィルム取付工程と、該フィルム取付工程の後に、金型を閉じて、前記印刷フィルムの裏面側と前記光輝フィルムの裏面側とに夫々異なるキャビティを、少なくとも各フィルムの隣り合う端部に及ぶようにして分離形成し、各キャビティに光透過性の第一の樹脂を射出して、前記印刷フィルムに第一の樹脂を積層してなる加飾部品と、前記光輝フィルムに第一の樹脂を積層してなる光輝部品とを成形する第一成形工程と、該第一成形工程の後に、前記一方の金型の型面に加飾部品と光輝部品を保持したまま他方の金型を交換し、加飾部品及び光輝部品を含むキャビティに第二の樹脂を射出して、加飾部品及び光輝部品に第二の樹脂を積層してなる一体の成形品を得る第二成形工程とを含むことを特徴とする照明式パネルの製造方法である。
【0012】
本発明において「光透過性」とは、光を透過する性質であり、「透明」及び「透光性」を包含するものである。一方、「光不透過性」とは「光透過性」でない性質を指す。また、印刷フィルム及び光輝フィルムの表面とは、照明式パネルの表面に露出する側を指し、裏面はその反対側を指す。
【0013】
本発明の製造方法によれば、金型の型面に隣り合うようにセットした印刷フィルムと光輝フィルムに樹脂基材を適切に積層することができる。すなわち、図1(a)に示すように、印刷フィルム10と光輝フィルム11とを隣り合わせるように一方の金型D1の型面にセットした後に他方の金型D2を閉じ、印刷フィルム10と光輝フィルム11とを別々のキャビティC1,C2に分離する。かかる状態で、光透過性の第一の樹脂Tを各キャビティC1,C2に射出して、印刷フィルム10に第一の樹脂Tを積層してなる加飾部品30と、光輝フィルム11に第一の樹脂Tを積層してなる光輝部品31とを成形する。かかる第一成形工程にあっては、印刷フィルム10を含むキャビティC1と光輝フィルム11を含むキャビティC2とが分離形成されているため、両フィルム10,11の境界部分で乱流が発生することがなく、射出された第一の樹脂Tは、各フィルム10,11の端部から表面側に漏れ出すことなく積層される。
【0014】
続いて、第二成形工程では、他方の金型D3を交換し、加飾部品30と光輝部品31とを同一キャビティC3に収容した状態で第二の樹脂Uを射出して、加飾部品30と光輝部品31とに積層することによって一体の成形品を得る。この時、図1(b)に示すように、印刷フィルム10及び光輝フィルム11は第一の樹脂Tによって強固に裏打ちされているため、キャビティC3内で乱流が生じても、第二の樹脂Uが各フィルム10,11の表側に漏れ出すことはない。
【0015】
本発明の照明式パネルの製造方法において、光輝フィルムは、薄膜金属層を備えたものであることが提案される。薄膜金属層は略100%の金属で形成されるものであるから、かかる製造方法によれば、金属を20〜30%程度しか含まない光輝インキの印刷では実現できない金属メッキ同様の金属光沢を実現できる。また、かかる光輝フィルムを採用する場合には、光輝フィルムは、前記薄膜金属層の裏面側に厚さ100μm以上の断熱樹脂層を備えるものとすることが望ましい。かかる断熱樹脂層を備えていれば、フィルムインサート射出成形の際に、裏面側に積層される溶融樹脂の熱によって薄膜金属層が白化するのを抑えることができる。
【0016】
また、本発明の別の形態は、裏面側からの照明によって光る照明部と、金属光沢を有する金属調装飾部とを意匠面に備える照明式パネルであって、所定パターンが印刷された印刷フィルムと、薄膜金属層を具備する光輝フィルムとがフィルムインサート射出成形によって樹脂基材の表面に隣り合うように積層一体化されてなるものであり、樹脂基材は、少なくとも光透過性の第一の樹脂によって構成されており、該第一の樹脂は、少なくとも前記印刷フィルム及び前記光輝フィルムの隣り合う各端部に積層するように分離形成されていることを特徴とする照明式パネルである。かかる照明式パネルは、上記製造方法によって製造可能であるため、従来に比べて低コストで製造可能であり、且つ、成形不良も低減できる。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明の照明式パネルの製造方法によれば、一連のフィルムインサート射出成形によって、印刷フィルム及び光輝フィルムとを樹脂基材に積層一体化できるから、従来の照明式パネルの製造方法と比べて、少ない工程数で製造することができ、また、金型コストも削減することができる。また、かかる製造方法によれば、フィルムインサート射出成形の際に、インサートした両フィルムと型面の隙間に溶融樹脂が入り込んでフィルムの表面に漏れ出すおそれが少ないないから、成形不良を低減できるという利点がある。
【0018】
また、本発明の照明式パネルは、上記のように、工程数が少なく、且つ、成形不良の少ない製造方法によって製造できるため、低廉で、高品質な照明式パネルを実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の照明式パネルは、自動車用のエアコン操作部やシフトレバー操作部、スマートキー、スカフプレート、メータベゼル、ハンドルベゼルなどに配設されるものである。
【0020】
本発明の照明式パネルは、樹脂基材の表面に印刷フィルムと光輝フィルムとを積層一体化してなるものである。樹脂基材の材料となる第一の樹脂と第二の樹脂は、既存の照明式パネルと同じものを採用できる。具体的には、ABS樹脂、ポリカABS、ポリカーボネート、ポリプロピレン、アクリル樹脂などが挙げられる。第一の樹脂は、照明部を形成する印刷フィルムを裏打ちするものであるため光透過性の樹脂である必要があるが、第二の樹脂は印刷フィルムを直接裏打ちしなくてもよいため、光透過性でなくてもかまわない。また、樹脂基材は、第一の樹脂及び第二の樹脂に加えて他の樹脂を含むこともできる。
【0021】
印刷フィルムは、樹脂性のフィルム基材に印刷層を形成したものであり、既存の照明式パネルの意匠面を形成する印刷フィルムと同じものを採用できる。印刷層は、グラビア印刷やフレキソ印刷、オフセット印刷等、既存の印刷フィルムと同様の印刷方法によって形成できる。印刷層はフィルム基材の表裏いずれにも設けることができるし、両面に設けることもできる。また、形成した印刷層をさらに保護層で被覆してもかまわない。
【0022】
金属光沢を有する光輝フィルムは薄膜金属層を備えたものであることが望ましい。薄膜金属層は、ほぼ100%の金属で形成される薄膜であり、フィルム基材に真空蒸着してなる真空蒸着膜や、フィルム基材にスパッタリングしてなるスパッタ膜などが挙げられる。薄膜金属層の材料は特に限定されないが、好ましいものとしては、アルミニウム、インジウム、ニッケル、クロム、ステンレスなどが挙げられる。薄膜金属層の厚さは特に限定されないが500Å以上であることが好ましい。かかる厚さであれば、十分な金属光沢を得ることができる。
【0023】
また、光輝フィルムは、薄膜金属層の裏面側に断熱樹脂層を備えていることが望ましい。かかる構成とすれば、フィルムインサート射出成形の際に、射出される溶融樹脂の熱から薄膜金属層を保護し、薄膜金属層が白化するのを抑えることができる。断熱樹脂層の材質は特に限定されるものではないが、ABS樹脂やポリプロピレンなどが好適に用いられる。断熱樹脂層は、複数の樹脂層を多層化したものであってもかまわない。断熱樹脂層の厚さは100μm以上であることが必要であり、150μm以上が好ましい。100μm以上であれば、フィルムインサート射出成形時の熱から薄膜金属層を保護し、薄膜金属層の白化を十分に抑えることができ、厚さが150μm以上であれば、薄膜金属層の白化を確実に抑えることができる。また、成形性の観点では断熱樹脂層の厚さは500μm以下とすることが好ましい。
【0024】
本発明の照明式パネル係る意匠面は、少なくとも照明部が印刷フィルムによって形成され、金属調装飾部が光輝フィルムによって形成されていればよく、意匠面のその他の部分は、印刷フィルム、光輝フィルム、また、その他の構成によって形成することができる。なお、本発明に係る「金属調装飾部」とは、金属メッキ程度の金属光沢を有する装飾部分を指し、光輝インキによって形成された金属光沢の劣る装飾は本発明の「金属調装飾部」には含まれない。
【0025】
本発明の照明式パネルの製造方法において、金型の型面にセットする印刷フィルムや光輝フィルムは予め賦形、裁断しておくことが望ましい。各フィルムの賦形には、真空成形や圧空成形、真空圧空成形などの既知の方法を用いることができる。また、各フィルムの裁断も公知の手法を用いることができる。
【0026】
フィルム取付工程、第一成形工程、及び第二成形工程は、特に言及しない限り、通常のフィルムインサート射出成形と同様に行うことができる。なお、本発明においては、第一成形工程では、印刷フィルムの裏面側と光輝フィルムの裏面側に夫々異なるキャビティを、少なくとも各フィルムの隣り合う端部に及ぶように分離形成すれば足りる。しかしながら、各キャビティは、各フィルムの全ての端部に及ぶように分離形成することが望ましい。かかる方法によれば、第一成形工程において、印刷フィルム及び光輝フィルムの全ての端部が夫々第一の樹脂で裏打ちされるため、第二成形工程において、溶融樹脂が各フィルムの端部から漏れ出すのをより確実に防止できる。
【0027】
本発明においては、印刷フィルムと光輝フィルムを隣り合わせる部分において、両フィルムの端部の間の隙間をxx〜xxmmとすることが望ましい。両フィルムの端部の間の隙間をxxmmより小さくすると金型の製造が煩雑となる。一方、両フィルムの端部の間の隙間をxxmmより大きくすると、当該隙間によって意匠面の美観が損なわれてしまうためである。
【実施例】
【0028】
本実施例の照明式パネル1は、自動車のシフトレバー操作部に用いられる照明式パネルである。この照明式パネル1は、図2,3に示すように、図10に示した従来の照明式パネル1aと同様の外形をなしている。すなわち、かかる照明式パネル1は、シフトレバーLが貫通する略矩形状のレバー用開口部7が設けられた平板状のパネル本体2を主体とする。照明式パネル1は、パネル本体2の外周部に貫通孔が形成された複数の固定部3を備えており、該固定部3を介してシフトレバー操作部本体(図示省略)にネジ止めされる。
【0029】
意匠面4はパネル本体2の上面全体に形成される。意匠面4は、裏面からの光を透過する照明部5と金属光沢を有する金属調装飾部6を含んでいる。本実施例では、レバー用開口部7の左脇の表示領域8に記された「P」,「R」,「N」,「D」の各文字部分に照明部5が設けられ、レバー用開口部7の畝状の周縁部に金属調装飾部6が設けられている。
【0030】
図2〜4に示すように、照明式パネル1は、樹脂基材9の表面に印刷フィルム10と光輝フィルム11とを一体的に積層してなる一体成形品であり、意匠面4は、印刷フィルム10と光輝フィルム11とによって形成される。
【0031】
図4,5に示すように、樹脂基材9は、透光性の白色樹脂(第一の樹脂)からなる光透過性樹脂部21と、光不透過性の黒色樹脂(第二の樹脂)からなる光不透過性樹脂部22とからなる一体成形品である。光透過性樹脂部21は、光輝フィルム11の全体を裏打ちする部分21aと、印刷フィルム10の全体を裏打ちする部分21bとに分離形成されている。光不透過性樹脂部22は光透過性樹脂部21の裏面側に積層されており、光透過性樹脂部21の分離形成された二つの部分21a,21bは光不透過性樹脂部22を介して繋がっている。
【0032】
また、樹脂基材9には、光不透過性樹脂部22の、照明部5の下方部分には照明用開口部23が形成されている。かかる構成によれば、光不透過性樹脂部22に遮られることなく裏面側からの照明を印刷フィルム10に当てることができる。
【0033】
光輝フィルム11は、図4,5に示すように、レバー用開口部7の周縁部の表面に積層されて金属調装飾部6を形成する。この光輝フィルム11は、図6に示すように、薄膜金属層15と、該薄膜金属層15の裏面に設けられる断熱樹脂層16と、該薄膜金属層15の表面側に設けられる表面樹脂層17とで構成される。
【0034】
薄膜金属層15は、真空蒸着やスパッタリングによって形成された、厚さ約1000Åのアルミニウム薄膜である。表面樹脂層17は、薄膜金属層15の表面に接する厚さ約30μmの透明なPET樹脂層17bと、該PET樹脂層17bの表面と接する透明なPMMA樹脂層17aとで構成される。PET樹脂層17bは薄膜金属層15形成時の基材を構成するものであり、PMMA樹脂層17aは、薄膜金属層15を物理的に保護するものである。また、断熱樹脂層16は、厚さ約200μmの透光性を有するABS樹脂製フィルムで構成されるものであり、フィルムインサート射出成形の際に、溶融樹脂の熱から薄膜金属層15を保護する働きをする。かかる光輝フィルム11は、周知・慣用の方法によって製造できる。例えば、アルミニウムを真空蒸着したPET樹脂フィルムを作製し、さらに、その表面側にPMMA樹脂フィルムを接着し、その裏面側にABS樹脂フィルムを接着すれば製造できる。
【0035】
印刷フィルム10は、パネル本体2の上面略全域に積層され、金属調装飾部6を除く意匠面4全体を形成している。この印刷フィルム10は、図7に示すように、PMMA樹脂からなる厚さ200μm程度の透明な基材層13と、該基材層13の裏面側に形成される不透明な裏面印刷層14とで構成される。
【0036】
裏面印刷層14は、厚さ20μm程度の不透明なインキによって構成されるものであり、当該裏面印刷層14によって金属調装飾部6を除く意匠面4の装飾が形成される。ここで、図7に示すように、裏面印刷層14の、照明部5を形成する部分14aは透光性の白色のインキで形成され、一方、照明部5周囲の表示領域8を形成する部分14bは光を透過しない黒色のインキで形成されており、裏面側から照明部5付近に光を当てると、照明部5を形成する部分14aのみを光が透過して、照明部5が光って視認されることとなる。また、裏面印刷層14の、表示領域8以外の部分は光不透過性の銀色のインキによって装飾が施されている。
【0037】
次に、本実施例の照明式パネル1の製造方法を説明する。上記照明式パネル1は、以下に示すフィルムインサート射出成形によって、印刷フィルム10と光輝フィルム11とを樹脂基材9に積層一体化することにより製造される。
【0038】
まず、フィルムインサート射出成形の前工程として、印刷フィルム10及び光輝フィルム11をそれぞれ賦形、裁断し、金型へのインサートに適した形状に予備成形する。かかる予備成形は、従来一般のフィルムインサート射出成形における既知の予備成形方法を好適に採用できる。例えば、各フィルムは、真空成形や圧空成形、真空圧空成形などにより賦形できる。
【0039】
<フィルム取付工程>
フィルムインサート射出成形では、まず、図8(a)に示すように、賦形、裁断した印刷フィルム10を表面が型面に接するように下型D1にセットする。また、同時に、賦形・裁断した光輝フィルム11を、印刷フィルム10の内側に隣り合う位置に、その表面が型面に接するようにして下型D1にセットする。
【0040】
<第一成形工程>
次に、図8(b)に示すように、下型D1に対して第1の上型D2を型閉じする。この時、上型D2と下型D1によって、印刷フィルム10を含むキャビティC1と光輝フィルム11を含むキャビティC2の二つのキャビティが分離形成され、セットされた印刷フィルム10と光輝フィルム11とは別々のキャビティC1,C2に分離されることとなる。
【0041】
次に、図8(c)に示すように、印刷フィルム10がセットされたキャビティC1と光輝フィルム11がセットされたキャビティC2とに光透過性樹脂(第一の樹脂)Tを射出して、印刷フィルム10の裏面側に光透過性樹脂Tを積層してなる加飾部品30と、光輝フィルム11の裏面側に光透過性樹脂Tを積層してなる光輝部品31とを成形する。
【0042】
<第二成形工程>
加飾部品30と光輝部品31を成形した後に、図9(d)に示すように、加飾部品30と光輝部品31を下型D1に嵌めた状態で上型を交換し、下型D1に対して第2の上型D3を型閉じする。この時、上型D3と下型D1の間には、加飾部品30と光輝部品31とを含む単一のキャビティC3が形成される。
【0043】
最後に、図9(e)に示すように、加飾部品30及び光輝部品31がセットされたキャビティC1に光不透過性樹脂(第二の樹脂)Uを射出し、図9(f)に示すように、加飾部品30と光輝部品31の裏面側に光不透過性樹脂Uを積層一体化してなる照明式パネル1を得る。
【0044】
以上の製造方法によれば、一連のフィルムインサート射出成形によって、印刷フィルム10及び光輝フィルム11を樹脂基材9に積層一体化できる。このため、本実施例の照明式パネル1は、従来の照明式パネルよりも低廉且つ容易に製造できる。すなわち、上記従来の照明式パネル1a(図10,11参照)を製造する際には、印刷フィルム10aを積層した樹脂部品24をフィルムインサート射出成形によって製造するとともに、金属メッキした樹脂部品25を別途製造し、さらに、二つの樹脂部品24,25を付けなければならなかった。これに対して、本実施例の照明式パネル1は、金属調装飾部6を形成する光輝フィルム11を、フィルムインサート射出成形によって印刷フィルム10と同時に樹脂基材9に積層一体化するため、従来の照明式パネル1aに比べて、金属メッキした樹脂部品の成形や組付けなどの工程を削減することができ、手間と金型コストを省くことができる。
【0045】
また、本実施例の製造方法では、図8,9に示すように、まず、印刷フィルム10と光輝フィルム11とを別々のキャビティC1,C2に分離した状態で光透過性樹脂(第一の樹脂)Tを射出することによって二片のフィルム10,11を別々に光透過性樹脂Tで裏打ちしている。かかる製造方法によれば、光透過性樹脂Tを射出する際に、二片のフィルム10,11の境界部分で乱流が発生せず、各フィルム10,11の裏面側に適切に光透過性樹脂Tを積層できる。また、光不透過性樹脂(第二の樹脂)Uを射出する際には、二片のフィルム10,11の端部は光透過性樹脂Tによって裏打ちされているため、乱流が発生しても両フィルム10,11の端部から溶融樹脂が表面側に進入することはない。したがって、かかる製造方法によれば、樹脂基材9を構成する樹脂が印刷フィルム10や光輝フィルム11の表面側に漏れ出して、意匠面4の美観が損なわれるおそれがなく、成形不良を抑えることができる。
【0046】
また、本実施例の照明式パネル1は、光輝フィルム11は、薄膜金属層15の裏面側に断熱樹脂層16を備えているから、フィルムインサート射出成形の際に、印刷フィルム10の裏面に射出される溶融樹脂の熱が薄膜金属層15まで伝わり難く、溶融樹脂の熱によって薄膜金属層15が白化することがない。したがって、本実施例の照明式パネル1では、薄膜金属層15によって、金属メッキ同様の金属光沢に富んだ金属調装飾部6を実現できる。
【0047】
なお、本発明における照明式パネルは、上記実施例の形態に限らず本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることができる。例えば、実施例の照明式パネルでは、印刷フィルム及び光輝フィルムの略裏面全体が光透過性樹脂(第一の樹脂)で裏打ちされているが、本発明にあっては、少なくとも印刷フィルム及び光輝フィルムの隣り合う端部が光透過性樹脂で裏打ちされていればよい。また、上記実施例にあっては、光輝フィルムが金属調装飾部のみを形成する構成であったが、例えば、光輝フィルムの表面を印刷層によって部分的に被覆して、当該被覆部分によって金属調装飾部以外の意匠面を形成してもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明に係る照明式パネルの製造方法の概略を示す説明図である。
【図2】実施例の照明式パネル1の斜視図である。
【図3】実施例の照明式パネル1の平面図である。
【図4】照明式パネル1の積層構造を分離して示す斜視図である。
【図5】図3中のA−A断面図である。
【図6】図5中のB部分の拡大図である。
【図7】図5中のC部分の拡大図である。
【図8】照明式パネル1の成形方法の概略を示す説明図である。
【図9】図8から続く照明式パネル1の成形方法の概略を示す説明図である。
【図10】従来の照明式パネル1aの斜視図である。
【図11】図10中のD−D断面図である。
【図12】照明式パネルの製造方法における問題点を示す説明図である。
【符号の説明】
【0049】
1,1a 照明式パネル
4,4a 意匠面
5,5a 照明部
6,6a 金属調装飾部
9,9a 樹脂基材
10,10a 印刷フィルム
11,11a 光輝フィルム
15 薄膜金属層
16 断熱樹脂層
21 透光性樹脂部
30 加飾部品
31 光輝部品
C1,C2,C3 キャビティ
D1,D2,D3,D4,D5 金型
T 光透過性樹脂(第一の樹脂)
U 光不透過性樹脂(第二の樹脂)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
裏面側からの照明によって光る照明部と、金属光沢を有する金属調装飾部とを意匠面に備える照明式パネルの製造方法であって、
一方の金型の型面に、照明部を形成する、所定パターンが印刷された印刷フィルムと、金属調装飾部を形成する光輝フィルムとを隣り合うようにセットするフィルム取付工程と、
該フィルム取付工程の後に、金型を閉じて、前記印刷フィルムの裏面側と前記光輝フィルムの裏面側とに夫々異なるキャビティを、少なくとも各フィルムの隣り合う端部に及ぶようにして分離形成し、各キャビティに光透過性の第一の樹脂を射出して、前記印刷フィルムに第一の樹脂を積層してなる加飾部品と、前記光輝フィルムに第一の樹脂を積層してなる光輝部品とを成形する第一成形工程と、
該第一成形工程の後に、前記一方の金型の型面に加飾部品と光輝部品を保持したまま他方の金型を交換し、加飾部品及び光輝部品を含むキャビティに第二の樹脂を射出して、加飾部品及び光輝部品に第二の樹脂を積層してなる一体の成形品を得る第二成形工程とを含むことを特徴とする照明式パネルの製造方法。
【請求項2】
光輝フィルムは、薄膜金属層を備えたものであることを特徴とする請求項1記載の照明式パネルの製造方法。
【請求項3】
光輝フィルムは、前記薄膜金属層の裏面側に厚さ100μm以上の断熱樹脂層を備えるものであることを特徴とする請求項2記載の照明式パネルの製造方法。
【請求項4】
裏面側からの照明によって光る照明部と、金属光沢を有する金属調装飾部とを意匠面に備える照明式パネルであって、
所定パターンが印刷された印刷フィルムと、薄膜金属層を具備する光輝フィルムとがフィルムインサート射出成形によって樹脂基材の表面に隣り合うように積層一体化されてなるものであり、
樹脂基材は、少なくとも光透過性の第一の樹脂によって構成されており、
該第一の樹脂は、少なくとも前記印刷フィルム及び前記光輝フィルムの隣り合う各端部に積層するように分離形成されていることを特徴とする照明式パネル。
【請求項1】
裏面側からの照明によって光る照明部と、金属光沢を有する金属調装飾部とを意匠面に備える照明式パネルの製造方法であって、
一方の金型の型面に、照明部を形成する、所定パターンが印刷された印刷フィルムと、金属調装飾部を形成する光輝フィルムとを隣り合うようにセットするフィルム取付工程と、
該フィルム取付工程の後に、金型を閉じて、前記印刷フィルムの裏面側と前記光輝フィルムの裏面側とに夫々異なるキャビティを、少なくとも各フィルムの隣り合う端部に及ぶようにして分離形成し、各キャビティに光透過性の第一の樹脂を射出して、前記印刷フィルムに第一の樹脂を積層してなる加飾部品と、前記光輝フィルムに第一の樹脂を積層してなる光輝部品とを成形する第一成形工程と、
該第一成形工程の後に、前記一方の金型の型面に加飾部品と光輝部品を保持したまま他方の金型を交換し、加飾部品及び光輝部品を含むキャビティに第二の樹脂を射出して、加飾部品及び光輝部品に第二の樹脂を積層してなる一体の成形品を得る第二成形工程とを含むことを特徴とする照明式パネルの製造方法。
【請求項2】
光輝フィルムは、薄膜金属層を備えたものであることを特徴とする請求項1記載の照明式パネルの製造方法。
【請求項3】
光輝フィルムは、前記薄膜金属層の裏面側に厚さ100μm以上の断熱樹脂層を備えるものであることを特徴とする請求項2記載の照明式パネルの製造方法。
【請求項4】
裏面側からの照明によって光る照明部と、金属光沢を有する金属調装飾部とを意匠面に備える照明式パネルであって、
所定パターンが印刷された印刷フィルムと、薄膜金属層を具備する光輝フィルムとがフィルムインサート射出成形によって樹脂基材の表面に隣り合うように積層一体化されてなるものであり、
樹脂基材は、少なくとも光透過性の第一の樹脂によって構成されており、
該第一の樹脂は、少なくとも前記印刷フィルム及び前記光輝フィルムの隣り合う各端部に積層するように分離形成されていることを特徴とする照明式パネル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−30053(P2010−30053A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−191689(P2008−191689)
【出願日】平成20年7月25日(2008.7.25)
【出願人】(595067877)株式会社丸三金属 (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月25日(2008.7.25)
【出願人】(595067877)株式会社丸三金属 (6)
【Fターム(参考)】
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